JP2010511871A - 光検出装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

微小共振器の少なくとも第1及び第2共振誘導光学モードを、該微小共振器と光学的に連通する光源で励起する工程を含む、微小共振器の摂動の存在を検出する方法及びシステムが開示される。前記方法は、第1の振動数シフトを前記第1共振誘導光学モードに及び第2の振動数シフトを前記第2共振誘導光学モードに誘発する工程を含み、該第2の振動数シフトはゼロであり得る。前記方法の別の工程は、前記第1の振動数シフトと前記第2の振動数シフトを比較する工程である。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、譲受人に譲渡された4つの特許出願の一部継続出願である:「光検出方法(OPTICAL SENSING METHODS)」、特許出願第11/565,955号、代理人整理番号62358US002、2006年12月1日出願;「光検出装置(OPTICAL SENSING DEVICE)」、特許出願第11/565,920号、代理人整理番号62263US002、2006年12月1日出願;「光学微小共振器(OPTICAL MICRORESONATOR)」、特許出願第11/565,935号、代理人整理番号62451US002、2006年12月1日出願;及び「光学微小共振器(OPTICAL MICRORESONATOR)」、特許出願第11/616,338号、代理人整理番号62681US002、2006年12月27日出願。これら4つの特許の全体を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、譲受人に譲渡された次の特許出願に関する:「光検出装置及び方法(OPTICAL SENSING DEVICES AND METHODS)」、特許出願第11/617,932号、代理人整理番号62823US002、本明細書と同一出願日。
(発明の分野)
本発明は概して光学装置に関し、より詳細には、微小共振器を用いる光学センサーに関する。
光検出は、生物学的種、化学種、及びガス種の検出にとって重要な技術になりつつある。光検出は、速度及び感度の利点を提供することができる。近年、高感度の光学装置を製造するために多くの新規フォトニック構造及び材料が開発されてきている。
ある検体検出の光検出方法は集積光導波路を用いる。このようなセンサーは、導波路表面上に吸着した化学種及び生物学的種を検出できることが実証されている。しかしながら、多くの分析応用に関して十分な光信号を得るために、集積光導波路による化学分析は大きな(典型的には数センチメートル長)検出装置を必要とする可能性がある。
光学センサーを製造するために表面プラズモン共鳴(SRP:surface plasmon resonance)も使用されてきた。SRP技術は商品化されており、生体分子の相互作用を特徴付け、定量化するための不可欠なツールとなっている。しかしながら、このような測定システムは非常に嵩高になりかねない。
現在、生化学的検知、化学的検知及びガス検知用途に関する光学微小共振器の集中的な研究が行われている。光学微小共振器は、高い線質係数(Q値)を有する非常に小さな装置であり、Q値は一般に、共鳴線幅に対する共振波長の割合を言う。例えば、ガラス球で作られた微小共振器は、微小球共振器に捕獲された光が何度も循環し、微小球の表面上の検体と共振器内を循環する光との間の光学的相互作用を効果的に強化することができる高いQ値(>10)を有する装置を生み出すことから、非常に精度の高い光学センサーの製造に使用することができる。光学微小共振器センサーでは、微小共振器の表面に近い位置の誘導光学モードを励起するためにバス導波路を使用する。共振光モードの一例はウィスパリングギャラリーモードである。検体はその場合、微小球のモードのエバネセントフィールド内に位置する。センサーの屈折率の変化は、共振周波数のシフトによって検出される。シフトしたスペクトルは、検出器に接続された第2バス導波路を用いて微小共振器から抽出することができる。
光学センサーの製造目的で、様々な種類の光学微小共振器が研究されてきたが、最も注目を集めているのは微小球、マイクロリング、及びマイクロディスクである。半導体製造工程に基づくマイクロディスク又はマイクロリングは、大量に及び/又は高密度に製造するのが比較的容易である。導波路に対するそれらの位置は、ドライ/ウェットエッチング及び層堆積のような製作技術を用いて調整することができる。しかしながら、少なくとも一部には表面粗さ及び物質吸収に起因して、これら共振器のQ値は、典型的には10を下回る。
微小球を用いた検知への従来のアプローチでは、球体表面に検体が接合することで、球体の有効屈折率がわずかに変化する。これにより、共鳴スペクトルのピークの波長位置が小さくシフトする。これらのシフトは典型的にはピコメーターの範囲である。このような小さなシフトを検出するためには、スペクトル解析用の高価な機器が必要である。更に、微小共振器は、小さなピークシフトを検出できるように、非常に狭い線幅を提供するように設計されなければならない。このためには、フィネス(線幅で除した自由スペクトル領域)の高い、あるいは線質係数(線幅で除した動作波長)の高い微小共振器が必要である。これは、小さな振動数シフトを検出するためには微小共振器内の低損失導波路、及び微小共振器とバス導波路との間の弱い結合が必要性であるということである。
検体の検出に起因する波長の小さな変化を検出するためには、波長シフトを引き起こす可能性のある他のメカニズムを制御する又は補正する必要がある。特に、共振器を構成する材料の屈折率の温度依存性に起因する波長シフトを理解し、検出信号と混同しないようにしなければならない。
微小共振器を用いる改善された光検出システムが要求されている。
概して、本発明は光学システムに関する。本発明はまた、1つ以上の微小共振器を備える光学センサーに関する。
一実施形態において、微小共振器の摂動の存在を検出する方法は、微小共振器の少なくとも第1及び第2共振誘導光学モードを、該微小共振器と光学的に連通する光源で励起する工程を含む。前記方法は、第1の振動数シフトを前記第1共振誘導光学モードに及び第2の振動数シフトを前記第2共振誘導光学モードに誘発する工程を更に含み、該第2の振動数シフトがゼロであり得る。前記方法の別の工程は、前記第1の振動数シフトと前記第2の振動数シフトを比較する工程である。
別の実施形態において、微小共振器の摂動の存在を検出する方法は、微小共振器の少なくとも第1及び第2共振誘導光学モードを、該微小共振器と光学的に連通する光源で励起する工程を含み、該微小共振器は第1の光学散乱中心を備える。前記第1及び第2共振誘導光学モードは、前記第1の散乱中心によって、少なくとも第3及び第4共振誘導光学モードに散乱する。前記方法は、第1の振動数シフトを前記第3誘導光学モードに誘発し、第2の振動数シフトを前記第4誘導光学モードに誘発する工程を含む。前記方法の別の工程は、前記第1の振動数シフトと前記第2の振動数シフトを比較する工程である。
別の実施形態において、微小共振器の摂動の存在を検出する方法は、微小共振器と光学的に連通する光源で、該微小共振器の少なくとも第1及び第2共振誘導光学モードを励起する工程を含み、該微小共振器は第1の光学散乱中心を備える。前記第1及び第2共振誘導光学モードは、前記第1の散乱中心によって、少なくとも第3及び第4共振誘導光学モードに散乱する。前記方法は、第1の振動数シフトを該第1光モードに誘発し、第2の振動数シフトを該第2誘導光学モードに誘発する工程であって、該第2の振動数シフトはゼロであってよく、該第1の散乱中心によって該第1及び第2周波数シフトした共振誘導光学モードが少なくとも第5及び第6誘導光学モードに散乱する工程を含む。前記方法は、前記微小共振器の中心位置に位置する検出器で第3、第4、第5、及び第6誘導光学モードを検出する工程と、第3誘導光学モードと第5誘導光学モードとの間の第1の周波数差と、第4誘導光学モードと第6誘導光学モードとの間の第2の周波数差とを比較する工程と、を更に含む。
添付の図面と関連して、以下の本発明の様々な実施形態の「発明を実施するための形態」を検討することで、本発明はより完全に理解され得る。
それぞれ、光学システムの概略平面図及び概略側面図。 それぞれ、光学システムの概略平面図及び概略側面図。 それぞれ、光学システムの概略平面図及び概略側面図。 摂動の有無に関わらない、図1の入力ポート検出器及びドロップポート(drop port)検出器における光出力。 散乱中心の有無に関わらない、図1の一実施形態の検出器における光出力。 散乱ノッチを有する微小共振器を備える別の光学システムの概略平面図。 多角形微小共振器を備える別の光学システムの概略平面図。 ディスク微小共振器の平面図及び側面図を、微小共振器の2つの半径方向モードの描写と共に示す概略図。 パターン化されたクラッドを有するディスク微小共振器の平面図及び側面図を、微小共振器の2つの半径方向モードの描写と共に示す概略図。 別のパターン化されたクラッド層を有するディスク微小共振器の上面図及び側面図を、微小共振器の2つの半径方向モードの描写と共に示す概略図。 パターン化されたクラッド層を有する矩形微小共振器の平面図及び側面図を、微小共振器の4つのモードの描写と共に示す概略図。 機能化層を有するディスク微小共振器の平面図及び側面図を、微小共振器の2つの半径方向モードの描写と共に示す概略図。 単一バスのリング状共振器を有する光学システムの概略平面図。 中心光検出器を有する単一バスのディスク共振器を有する光学システムの概略平面図。 二重バスのレーストラックリング状共振器を有する光学システムの概略平面図。 2つのバス導波路と微小共振器との間に垂直結合を有する光学装置の概略側面図。 多モード干渉結合器を介して2つのバス導波路と結合するレーストラックリング状共振器を有する光学装置の概略平面図。 金ナノ粒子散乱中心の有無に関わらない、光学システムのスルーポートで検出された、波長に対する信号強度のプロットである。 金ナノ粒子散乱中心の有無に関わらない、光学システムのスルーポートで検出された、波長に対する信号強度のプロットであり、図19はプロットの一部分を図18よりもより詳細に示している。 微小共振器の2つの共振モードの、プローブ位置に対する相対波長シフトのプロット。
本発明は様々な変更例及び代替形状に柔軟に従うことができるが、それらの細目は図面で例を用いてこれまでに示し、また詳細に記述されるであろう。しかしながら、その意図は、記述した特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解するべきである。逆に添付の特許請求の範囲により規定されるように本発明の趣旨及び範囲内にあるすべての変更例、等価物及び代替物を網羅しようとするものである。
本発明は、導波路と、光学的に共振する微小共振器と、微小空洞の共振誘導光学モードに摂動を導入する能力と、を含む光学センサーに関する。このような光学的に共振する微小空洞は、微小共振器と呼ぶこともできる。本明細書において前記用語が使用される時、摂動は、微小共振器の光学特性の変化である。例えば、微小共振器の表面又は部分の屈折率の変化は、例えば、微小共振器の表面上のコーティング、又は微小共振器と散乱中心の光結合によって引き起こされる。散乱中心の例は本明細書で更に説明される。
微小共振器を使用する光検出への新しいアプローチが本明細書によって提供され、摂動の導入又は除去は信号の波長特性のシフトを引き起こす。摂動は、微小共振器の第1誘導光学モード及び第2誘導光学モードに別々に影響を及ぼすように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、摂動は、第1光モードに有意に影響を及ぼし、第2光モードにはごくわずかにのみ影響を及ぼすか又は全く影響を及ぼさない。その結果、第1及び第2誘導光学モードの両方に影響を及ぼす他のシステム変化の影響を選別して排除することが可能である。したっがって、摂動の導入がシステムに及ぼす影響を分離し、摂動の導入の影響をより正確に決定することが可能である。このアプローチは、例えば、第1及び第2光モードに同様に影響を及ぼす傾向のある温度によって誘発された変化が、微小共振器のコア及びクラッド層の屈折率に及ぼす影響を軽減するのに有用である。
本明細書において、複数の図において用いられる同じ参照符号は、同一の又は類似の特性及び機能性を有する同一の又は類似の要素を指す。
ここで、図1の平面図並びに図2及び図3の断面図に概略的に示されているような、微小共振器を使用する微小共振器−導波路システム100の例を説明する。本明細書において更に論じられているように、単一導波路を有するシステムもまた本発明に従って使用することができる。しかしながら、最初の例として二重バス導波路システムについて論じる。
光学装置100は、光学微小共振器118と、第1光導波路104と、第2光導波路132とを備え、全て基材103の上に配置される上部クラッド層105の上に配置される。
微小共振器118は、1つ以上の周期性条件のような1つ以上の境界条件を与えることによって、微小共振器の許容光モードを離散値モードに量子化することができる。微小共振器118は、モードが光源102で励起された時に、第1誘導光学モード128及び第2誘導光学モード164のような少なくとも2つの異なる誘導光学モードを支持することができ、誘導光学モード128と誘導光学モード164とは異なる。一部の例では、モード128とモード164は同じ波長を有する。一部の例では、モード128とモード164は異なる波長を有する。モード128及び164が同じ波長を有する場合、当該モードは当該波長に対して異なる強度レベルを有してもよい。本明細書で使用する時、光学装置100のような所与の光学的構成に関して、光モードは光学的構成における許容電磁場を意味し、放射線又は放射線モードは光学的構成に閉じ込められない(unconfined)光モードを意味し、導波モードは、高屈折率領域の存在により少なくとも一次元的な光学的構成に閉じ込められる光モードを意味し、共振モードは、光学的構成において、典型的には特性上周期的である追加の境界条件要求を受ける導波モードを意味する。
共振モードは典型的には離散的な導波モードである。一部の例では、共振モードは放射線モードに結合することができる。他のいくつかの例では、共振モードは、放射線であり閉じ込められないコンポーネントを有することができる。一般に、微小共振器118の導波モードは、共振モード又は非共振モードであり得る。例えば、光モード128及び164は微小共振器118の共振モードであり得る。
一部の例では、第1誘導光学モード128及び/又は第2誘導光学モード164は、同じ電界特性を維持した状態で微小共振器の内部を伝搬することが可能である。そのような場合には、例えば、吸収又は放射損失によりモードがエネルギーを徐々に失ったとしても、伝搬モードの形状又は特性は経時的に実質的に変化しない。
図1〜図3の微小共振器118は、上部平面119と、下部平面123と、円筒の側面121とを有するディスク微小共振器である。しかしながら、本明細書において更に説明され得るように、他の実施形態では他の構成の微小共振器を使用する。
図1〜図3を参照すると、光源102は第1バス導波路104と光学的に連通する。光源が位置する導波路104の端部は入力ポート106である。導波路104の別の端部はスルーポート(through port)108である。入力ポート検出器110は入力ポート106に位置する。光学的要素112は、光源102、入力検出器110、及び入力ポート106と光学的に連通して、入力光124が入力ポート106とのみ連通するのを可能とし、入力ポート106に向かって第1バス導波路104内を移動する光を入力検出器110に向けることを可能とする。特定の実施形態において、光学的要素112は光学スプリッタ又は光サーキュレータである。入力ポート検出器110は光学的要素112を介して第1バス導波路104と光学的に連通し、光を検出するように構成される。
微小共振器118は、少なくとも第1共振光モード128及び第2共振光モード164を支持することができ、いくつかの実施形態は他のモードを支持することもできる。微小共振器118は第1バス導波路104に光学的に結合される。入力ポート106は、第1及び第2共振モード両方に光学的に結合することができる。光源102からの光124は第1バス導波路104内に起動(launch)され、スルーポート108に向かって伝搬する。微小共振器118は、第1バス導波路104から出た光124の一部とエバネセント結合し、外で結合した光は、微小共振器118の共振周波数、例えば第1共振光モード128及び第2共振光モード164で微小共振器118内を伝搬する。微小共振器118は、コア120及びクラッド122を備える。いくつかの実施形態において、上部クラッド122は水を含む。一部の例では、上部クラッドは、例えば異なる位置に、異なる材料を含むことができる。例えば、上部クラッドの一部の領域は水を含むことができ、上部クラッドの他の一部の領域はガラスのような他の材料を含むことができる。
第2バス導波路132は、微小共振器118と光学的に連通して配置される。ドロップポート136は第2バス導波路132の一端に位置し、一方でドロップ2ポート138は第2バス導波路の他端に位置する。ドロップポート136は第1共振光モードと光学的に結合することができる。ドロップ2ポート138は、一般に、散乱中心の存在しない第1共振誘導光学モードと光学的に結合しない。ドロップポート検出器135は、ドロップポート136に位置する。ドロップ2ポート検出器144は、ドロップ2ポート138に位置する。
微小共振器118は、導波路に沿って伝搬する光の一部が微小共振器118の中に結合するように、導波路104及び132と物理的に接触しても、又はそれらの極めて近くに配置されてもよい。また、微小共振器118内を伝搬する光の一部は、導波路104及び132内に結合する。光結合は、1つのコアから他のコアへの光エネルギーの移動である。光結合領域は、その中で光エネルギーの有意な移動が発生するスペース内の領域である。図1において、微小共振器の表面の、共振コアと導波路104及び132のコアとの間で光結合が発生する領域は、それぞれ結合領域145及び147と呼ばれる。様々な実施形態において、光エネルギーの有意な移動は、結合光のエネルギーの約1%以上の移動、又は約5%以上の移動がある場合に起こる。
エバネセント結合は、導波路の光学コアを形成する構造及び共振器の光学コアを形成する構造が構造的に互いに接合されておらず、その結果、光結合が主に、1つ以上の該構造のコアの外側の光フィールド(optical field)のオーバーラップを介して発生する場合である。図1は、エバネセント結合が発生する場合の構造の例である。コア結合は、導波路の光学コアを形成する構造及び共振器の光学コアを形成する構造が構造的に互いに接合され、その結果、光結合が主に、コア内部の光フィールドのオーバーラップを介して発生する場合である。
中央検出器137は、微小共振器の表面の、ディスク微小共振器の上部表面119のようなディスクの平面の一方の中央に位置する。別の実施形態において、中央検出器は、ディスクの中心に実際に取り付けられる必要はない。代わりに、外部検出器を、取り外し可能な光学システムを介してディスクの中心に結合する。例えば、光ファイバーをディスクの中心と接触して配置することができ、ディスクの中心からの光を収集するためにレンズシステムを用いることができる。これらの実施形態では、光を検出器システムの外に結合するために、エッチングされた小平面(facet)のような光抽出性能を、共振器の中央に成形加工することが有利である。
図1は、5個つの可能な検出器の位置を示す。本発明の実施形態は、示された位置のそれぞれに5個の検出器を備えることが可能である。しかしながら、本発明の様々な実施形態では、5つの可能な場所の1つに1個の検出器を有する可能性が高い。本発明の他の実施形態は、異なる検出器の位置の可能な組み合わせのそれぞれに、2個、3個、又は4個の検出器を有する。
図2は、第1バス導波路104を通した、及び第1バス導波路の軸に沿った断面図である。図3は、微小共振器118及び2つのバス導波路を通した、及び第1バス導波路の軸に垂直な断面図である。第1及び第2光導波路のそれぞれは、複数のクラッドの間に配置されるコアを有する。例えば、第1光導波路104は、厚さがhであり上部クラッド122と下部クラッド105との間に配置されるコアを有する。同様に、第2光導波路132は、厚さがhであり上部クラッド122と下部クラッド105との間に配置されるコアを有する。一部の例では、上部クラッド122は空気又は水を含むことができる。
図1〜図3の例示的光学装置100において、微小共振器118並びに光導波路104及び132は異なる厚さを有する。一般に、厚さh、h、及びhは同じ値であっても同じ値でなくてもよい。ある使用目的においては、微小共振器118、並びに光導波路104及び132は同じ厚さを有する。
散乱中心のような摂動の導入又は除去が微小共振器システム100に与えるインパクトは、本発明の方法の中核をなす。上述のように、摂動は微小共振器の光学特性の変化である。例えば、微小共振器の表面のコーティングによって引き起こされるような、微小共振器の表面又は表面の一部の屈折率の変化は摂動の例である。微小共振器と散乱中心との光結合は摂動のもう1つの例である。散乱中心150を摂動として用いることが図1に示され、摂動の例として記載されているが、他の種類の摂動もまた本明細書に記載される。しかしながら、散乱中心の使用を説明する前に、化学検体が共振器の表面に接合することにより直接もたらされる有効屈折率の変化に依存した、より従来型のアプローチについて記載する。
微小共振器を用いた検知の従来のアプローチの1つにおいて、微小共振器118のコア120の表面149は、機能化されて検体と化学特異的に接合することができる。検体が微小共振器の表面に接合することにより、微小共振器の有効屈折率にわずかな変化が生じ、これが共振器の透過スペクトルのピークの波長位置をシフトさせる。これらのシフトは、スルーポート108及びドロップポート136で観測される。したがって、スルーポート108及び/又はドロップポート136における透過スペクトルのピークのシフトの検出は、検体の存在を示す。微小共振器を用いた検知の他の従来のアプローチが存在し、様々なアプローチのいくつかの例が、参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国公開特許出願第2006/0062508号に詳述されている。
異なる光モードは異なる空間的特徴のエバネセントフィールドを有するという事実を利用した、微小共振器を用いた光学検知への新しいアプローチが本明細書によって示される。光モードのエバネセントフィールドは、摂動がエバネセントフィールド内に位置する場合にのみ摂動と相互作用することができる。一実施形態において、第1光モードの場は、第2光モードの場より、微小共振器118の表面149における又は表面149の特定の場所における相互作用に更に利用可能である。その結果、微小共振器の表面149の摂動は、微小共振器の第1誘導光学モード及び第2誘導光学モードに異なった影響を及ぼす。
例えば、いくつかの実施形態において、摂動は、第1光モードに有意に影響を及ぼし、第2光モードにごくわずかに影響を及ぼすか又は全く影響を及ぼさない。その結果、第1及び第2誘導光学モードの両方に影響を及ぼす他のシステム変化の影響を選別して排除することが可能である。したがって、摂動の導入がシステムに与える影響を分離することが可能であり、より正確には、摂動の導入の影響を決定することが可能である。
例えば、システムの温度変化は、微小共振器のコア及び周囲のクラッド材の屈折率の変化を引き起こすことがある。コア及びクラッド材両方の屈折率の変化は、典型的には、第1及び第2光モード両方の波長シフトを引き起こす。これに対し、ナノ粒子のような散乱中心と微小共振器が結合すると、第1及び第2モードに異なった影響を及ぼす。第1光モードのシフトと第2光モードのシフトとの違いを測定することにより、温度変化の影響を考慮して散乱中心が第1光モードに与える影響の測定から排除することができる。
本発明の一実施形態に従った検知イベントの間に、光源102によって、第1誘導光学モード128及び第2誘導光学モード164が微小共振器118内で励起される。続いて、微小共振器の表面又は表面の一部の屈折率の変化のような、微小共振器の光学特性の変化である摂動が、光学システムに導入される。摂動の一例は、散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度の場所である。これは、例えば、散乱中心が微小共振器に光学的に結合される、又は散乱中心が微小共振器との光結合から取り除かれることにより発生する。散乱中心が微小共振器と光学的に結合する時、共振器のモードの1つ以上の光フィールドは散乱中心と重なり合う。
摂動の別の例は、微小共振器の表面又は表面の一部の屈折率の変化であり、例えば、微小共振器の表面上のコーティングに起因する。図4を参照すると、光出力の描示が、微小共振器118を備える光学システム100に関して概略的に示されている。グラフは、摂動の有無に関係ない、スルーポート108及びドロップポート136における典型的な光出力を示している。実線のプロットは摂動の存在しない光出力を示し、点線は摂動が存在する出力を示す。
図4は、システム100の摂動の2つの例を示す。摂動の一例は散乱中心150である。摂動の別の例は、微小共振器の表面の有効屈折率を変化させる効果を有するコーティング159である。図4は、散乱中心150及びコーティング159の両方を示しているが、一実施形態では、散乱中心150又は屈折率を変化させるコーティング159の一方のみが第1及び第2光モードの振動数シフトを誘発するためにシステム100に導入される。
便宜上、散乱中心と微小共振器との間の光結合の変化を検知する方法を最初に説明する。前記方法は、本明細書で更に論じられるように、摂動が、むしろ微小共振器の表面の屈折率の変化である場合に非常に類似している。
微小共振器に光学的に結合される散乱中心150の存在は、スルーポート108及びドロップポート136で観測される出力の変化、並びに入力ポート106及びドロップ2ポート138に反射される出力の変化を引き起こす。本発明の1つの特定の実施形態において、ほとんどのバイオセンシング・システムでは水である周囲のクラッド材と屈折率の異なる散乱中心は、第1誘導光学モードに対して、ナノメートルの規模の共振線の大きな振動数シフトを誘発する。一部の例では、クラッドの屈折率と散乱中心の屈折率との間には大きな差異があり、各屈折率は複素屈折率であり得る。振動数シフトが図4に概念的に示されている。スルーポート108では、グラフ151の実線152は、散乱中心が存在しないスルーポート検出器114で検出されたスペクトルを示し、グラフの第1誘導光学モードの共振波長に強度降下153及び第2誘導光学モードの共振波長特性に強度降下155を有する。点線176は、散乱中心が微小共振器と光結合した状態の時に検出されたスペクトルを示す。強度降下153のような第1誘導光学モードの低強度点は、例えば強度降下154の近くにシフトしている。例示的なグラフ152において、シフトはより長波長側に向かっており、つまり、例えばクラッド材の屈折率より大きい散乱中心の屈折率の実数部に対応するレッドシフトである。しかしながら、第2光モードは、散乱中心150との相互作用に有意に利用できるとは言えないエバネセントフィールドを有するので、第2光モードの低強度点155はシフトしない。
同様の変化をドロップポート136において見ることができ、点線178は散乱中心のあるスペクトルを示し、実線162は散乱中心のないスペクトルを示す。散乱中心のないプロット162は、グラフの第1誘導光学モードの共振波長に強度ピーク163を有し、第2誘導光学モードの共振波長特性に強度ピーク165を有する。散乱中心の導入後、強度ピーク163は、Δλだけ強度ピーク164の方にシフトする。しかしながら、第2誘導光学モードの強度ピーク165の波長は、散乱中心の導入に有意に影響を受けず、散乱中心の導入後に、本質的に同じ波長で存在する強度ピーク166になる。その結果、第2モードが受ける波長シフトΔλ及び対応する振動数シフトはゼロである。
微小共振器118の第1及び第2モードは異なるエバネセントフィールドを有するので、散乱中心又は他の摂動との結合が異なる。その結果、誘発されるシフトの規模は特定の共振モードに左右される。
図4の例では、散乱中心150の第2光モード164への影響は非常に小さいか、又は全くない。ここで、散乱中心が微小共振器と結合した後に、第2光モード164が測定可能なシフトを受ける例を、図5を参照して説明する。これは、図8に描かれるように、微小共振器の特性が、第2光モードが微小共振器の表面と重なり合うエバネセントフィールドを有し、第2半径方向モード806がナノ粒子と第1位置813において重なり合うエバネセントフィールドを有するようなものである場合に発生する可能性がある。あるいは、第2光モードは、散乱中心と微小共振器の結合強度の変化以外の理由で測定可能なシフトを受けた可能性がある。例えば、システムの温度変化はシステムのクラッドの屈折率を変化させることができ、これにより、第2光モードの波長シフトが起こる可能性がある。
図5は、グラフ200の微小共振器の一実施形態のドロップポートにおける光出力を示す。実線のプロット202は散乱中心のない光出力を示し、第1光モードの第1波長v特徴における強度ピーク205、及び第2光モードの第2波長v特徴における強度ピーク206を含む。点線のプロット208は、散乱中心が微小共振器と光学的に連通するドロップポートにおける光出力を示す。点線のプロット208は、第1光モードの第1波長v1S特徴における強度ピーク210、及び第2光モードの第2波長v2S特徴における強度ピーク212を含む。
第1光モードの波長シフトは次の通りである。
Δλ=λ−λ1S
第2光モードの波長シフトは次の通りである。
Δλ=λ−λ2S
散乱中心の結合強度の変化により起こった可能性のあるその他の光学特性の変化とは無関係に、第1光モードが受けるシフトから第2光モードが受けるシフトを減じることにより、散乱中心が第1光モードに及ぼす影響を決定することが可能である。第1光モードが受ける第1の振動数シフトと第2光モードが受ける第2の振動数シフトとの間の差異は次の通りである。
Δλシフト=Δλ−Δλ
スルーポート検出器114の出力はまた、第1及び第2光モードの波長スペクトルのシフトも示すが、スペクトルの適切な強度最小値の波長を用いて第1の振動数シフトと第2の振動数シフトとの間の差異を計算する。
中央検出器137、入力検出器102及び/又はドロップ2検出器144の出力を用いる別の方法において、後方散乱は、摂動の導入前に微小共振器内に誘発される。摂動の導入前の後方散乱がなければ、上述のように、散乱中心が共振器と相互作用するまでこれらの場所には信号がないため、入力ポート及びドロップ2ポートの検出器からの出力データは自己参照法では使用されない。その結果、シフトを測定するために「後の」信号と比較するための「前の」信号が存在しない。散乱中心が微小共振器に結合するまでは微小共振器の中心には少しの信号しかないので、このような例は中央検出器にも当てはまる。
しかしながら、摂動と相互作用する前に後方散乱信号が発生する場合、摂動との相互作用が始まる前に、ドロップ2ポート、入力ポート及び中央検出器で信号を検出することができる。摂動相互作用開始後の信号と比較するための「前の」信号を得るために、永久的な散乱中心を微小共振器に導入することを含む多くの方法で後方散乱信号を生成することができる。永久的な散乱中心の例には、微小共振器のコアの残りの部分とは屈折率が異なる微小共振器のコア内のノッチ、微小共振器の表面の適度な表面粗さ、又は多角形微小共振器の斜めの面(angled sides)が挙げられる。更に、検知プロセス中に微小共振器と光学的に連通させたり連通を解除したりすることのできる本明細書に記載の散乱中心には多くの例があり、例えば、ナノ粒子、屈折率可変の領域などが挙げられる。後方散乱を生成するためのノッチの代わりに、これら他の種類の散乱中心を本方法で使用することができる。
図6は、図1〜図4の光学システム100と多くの点で類似している光学システム240と共に本方法を示している。光学システム240は、入力ポート106と、スルーポート108と、ドロップポート136と、ドロップ2ポート138とを有する、2つのバス導波路104と132とを備える。光学システム240は、入力検出器102と、ドロップ2検出器144と、中央検出器137とを更に備える。ディスク微小共振器218は、微小共振器218のコア217の残りの部分とは屈折率が異なるノッチ222を更に備える。ノッチ222は、微小共振器の光モードの散乱を起こし、その結果、中央検出器137、入力検出器102、及びドロップ2検出器144で顕著なピーク(複数)が観測される。入力ポート106で光源110によって導入された光は、第1の共振光導波モード128及び第2の共振光導波モード164を励起する。ノッチ222は、以下に更に詳述するように、第1誘導光学モード128及び第2誘導光学モード164を、ドロップ2ポート及び入力ポートで検出される第3共振光モード190及び第4共振光モード192に散乱する。更に、本方法によると、散乱中心150のような摂動は、第1モード128及び第2モード164に振動数シフトを引き起こす。周波数シフトした第1及び第2モードはまた摂動によって散乱し、後方散乱した周波数シフトした第1及び第2モードは、ドロップ2ポート及び入力ポートで第5及び第6光モードとして検出される。
第3、第4、第5、及び第6誘導光学モードはドロップ2ポート及び入力ポートで検出することができる。こうして、第3と第5誘導光学モードの間の第1の周波数差と、第4と第6誘導光学モードの間の第2の周波数差とを比較することが可能である。スルーポート及びドロップポートの方法に関連して上述のように、この比較は、システムが受ける摂動の導入以外の任意の周波数シフト効果を示す。その結果、摂動の影響を分離することができる。図6は、システム240の異なるポートにおける出力の描示を示すプロット242、244、246及び248を含む。散乱中心150又は他の摂動と微小共振器との間の光結合が変化すると、これら3つの検出器の場所でピークのシフトを観測することができる。
入力ポート106では、グラフ244の実線172は、散乱中心150のような摂動が存在しないが、ノッチ222のような一種の散乱中心が存在する入力ポート検出器102で検出されたスペクトルを示す。プロット172は、グラフの第3誘導光学モードの共振波長に強度ピーク175及び第4誘導光学モードの共振波長特性に強度ピーク173を有する。点線174は、散乱中心が微小共振器と光結合した後に検出された入力ポートでのスペクトルを示す。強度ピーク174のような第3誘導光学モードの強度ピークは、例えば強度ピーク176の近くにシフトしている。例示的なグラフ244において、シフトはより長い波長側に向かっており、つまり、例えば、クラッド材の屈折率より大きい散乱中心の屈折率の実数部に対応するレッドシフトである。しかしながら、第2光モードは、散乱中心150との相互作用に有意に利用できるとは言えないエバネセントフィールドを有するので、第4光モードの強度ピーク173はシフトしない。その結果、第2光モードから後方散乱した第4光モードも散乱中心150の結合の変化のインパクトを示さない。したがって、強度ピーク177は強度ピーク173とほぼ同じ波長である。
同様の変化をドロップ2ポート138において見ることができ、実線181は散乱中心150のような摂動が導入される前のスペクトルを示し、点線182は散乱中心が導入された後のスペクトルを示す。出力は入力ポート106の出力と非常に類似しており、第3モード185はΔλだけピーク186の方にシフトし、第4モード183はピーク187の方にほとんどあるいは全くシフトせず、その結果、第2モードが受ける波長シフトΔλ及び対応する振動数シフトはゼロである。
中央検出器137の位置での散乱及び振動数シフトしたモードの検出は、ドロップ2ポート及び入力ポートに関して上述したのと非常に類似している。検出されるスペクトルはプロット242及び244と非常に類似する。1つ異なる点は、中央検出器137で検出される散乱モードは共振モードであることである。中央検出器は、第1及び第2光モードから散乱する第3及び第4光モードを検出する。中央検出器はまた、第1及び第2の周波数シフトされた光モードから散乱する第5及び第6光モードも検出する。次に、第3光モードから第5光モードへの振動数シフト、及び第4光モードから第5光モードへの振動数シフトが決定される。
前述の通り、ノッチ222は、後方散乱を提供してドロップ2ポート、入力ポート、及び中央検出器ポートを自己参照法で使用可能とするための唯一の方法ではない。微小共振器の表面219の十分な表面粗さもまた後方散乱モードを提供することができる。一実施形態において、表面219は、二乗平均平方根(Rq)粗さが約50ナノメートル以上である表面を有する。別の実施形態において、表面粗さ(Rq)は約75ナノメートル以上である。
別の実施形態において、多角形共振器は、ドロップ2ポート及び入力ポート並びに中央検出器で信号を生成するのに十分な後方散乱を提供する。図7は、八角形の微小共振器718と、第1バス導波路704と、第2バス導波路732とを有する光学システム700を示す。光学システム700は、様々な実施形態において、図1〜図4に示されたものと同様の他の構成要素を備えるが、簡略化のために図7には示されていない。図6を参照して記載したような方法がノッチ222なしに実施され得るように、斜めの面720及び斜めの面の間の接合点722は、後方散乱のための表面を提供する。
八角形の微小共振器に加えて、他の種類の多角形共振器を、後方散乱モードを提供する微小共振器として使用してもよい。例えば、六角形及び五角形の微小共振器を使用することができる。
スルーポート108のプロット246及びドロップポート136のプロット248はまた、摂動252及び262以前の実線のプロットと摂動276及び278以降の点線のプロットとの間の振動数シフトを示す。図4に関連して上述したように、これらポートでは初期散乱中心が存在しなくてもシフトが起こるので、スルーポート108及びドロップポート136での振動数シフトを利用するために、ノッチ222のような初期散乱中心を有する必要はない。これら2つのポートの出力は、図4に示されるような初期散乱中心なしに起こった出力とスペクトルが似ているが、追加のポートに光が散乱されるので、図4の状態と比べて強度は低い。
後方散乱を得るために用いる異なる散乱中心は様々な角度に散乱する。ノッチ222のような散乱中心からの散乱がかなり強い場合、波長ピークの一部の分裂が起こり得ることに留意すべきである。これは、強散乱を有する共振モードの定在波特性、及びノッチに中心がある電界ノードを有する定在波モード、及びノッチに中心がある電界波腹を有する定在波モードといった異なる2つのタイプの定在波モードが可能であるという事実に起因する。これら2つのモードはわずかに異なる実効屈折率を有するので、わずかに異なる波長を有する。共振器の線幅(Qに関連する)又は検出システムの周波数分解能がわずかな分裂を分解するのに不十分であるため、分裂を実験的に観測することができない場合が多い(リトル(Little)ら、単一共振器内の部分結合進行波による二次フィルター及び検知(Second order filtering and sensing with partially coupled traveling waves in a single resonator)、オプティクス・レター(Optics Letters)第23巻、1570頁(1998)を参照のこと)。
本明細書で論じる自己参照微小共振器システムの実施形態の多くの例において、摂動と共振器モードとの間の異なる相互作用(differential interaction)は共振モードの形状の固有の違いに基づいており、共振器の摂動が共振器のコア中のモードと相互作用できる領域を制御する努力はなされていない。いくつかの実施形態において、摂動が光モードと相互作用することが可能な共振器の領域を制御することが有利なことがあり、モード上の摂動によって生成される影響の差を高めるために使用することができる。
図8は、下部クラッド803上に配置されたディスク微小共振器のコア802の平面図及び側面図を表し、ディスクの空洞の波動方程式の2つの半径の解(radial solution)に対応する2種類のウィスパリングギャラリー(whispering-gallery)共振モードが励起されている。モードを表す曲線804及び806は、モードの電場振幅の二乗に相当する。半径方向モードは、波動方程式及び境界条件を満たすmのベッセル関数である。第1モード804は、ディスク内に単一ローブ(single lobe)808(最大値)を有し、第2モード806は、ディスク内に2つのローブ(two lobes)810及び812を有する。摂動がディスクの上部でモードエバネセントフィールドと相互作用する時、結合の強度は結合位置のモードフィールドの強度にによって決まる。このように、第1の位置813の摂動は第1及び第2の半径方向モードの両方に影響を及ぼすが、第2モードよりも第1モードに強く影響する。第2の位置814の摂動は、主として第2モードに影響を及ぼす。
各モードは、異なる自由空間波長(free-space wavelength)に対応するので、共振器表面上の摂動の位置は、各モード波長付近のスペクトルがどのように影響を受けるのかを制御する。異なる共振波長の影響を検出することにより、微小共振器空洞に対する摂動の半径方向位置を推測することができる。
一部の例では、モードを参照波長として使用するために、1つのモードに与える摂動の影響を最小限にするのが望ましい場合がある。これは様々な方法により行うことができ、いくつかを以下に記載する。
図9においてコアと比較して屈折率の低い上部クラッド820がディスクに設けられている以外は、図9は、図8に示されるのと同様のディスク微小共振器のコア802を表している。これは、散乱中心821のような摂動が、共振器ディスクの円筒の側面822の共振器場以外の共振器場に影響を及ぼすことを防ぐ。ディスク共振器において、2つのローブの第2モード806のディスクの周辺部の電界強度は、典型的には、単一ローブの第1モード804よりも更に低いので、摂動は第1モードにより強い影響を与える。共振器に結合する検体によって摂動が与えられ、検体が波長シフト法により検出される場合には、検体が周辺部に結合する時、第2モードに対応する波長はごくわずかにシフトするのに対して、第1モードに対応する波長は更に大きくシフトする。このように第1モード波長と第2モード波長との比較は、検体の検出に自己参照効果を提供する。
クラッド820に覆われる領域は、摂動と相互作用することのできない、微小共振器表面の使用不可能な部分を画定する。特定の実施形態において、使用不可能な部分とは、微小共振器が、システムの一部である1つ以上のバス導波路と光学的に結合する結合領域、例えば、図1の結合領域145及び147とは異なる。
図10は、この場合もやはり摂動(pertubation)の位置がクラッド830によって制御される、コア802を有する別のディスク共振器を表す。図10において、上部クラッド830はコアの上部全体を覆って適用され、続いて、共振器が第2モード(2つのローブ)のモードのピーク強度に対応する位置で突出することができるだけの環状の開口領域832を有するようにパターニングされる。このようにして、摂動(pertubation)が第2モードに与える影響を、摂動が第1モードに与える影響より大きくすることができる。
図11は、微小共振器の例示的な異なる形状の概略図である。この場合、共振器は、ここでは簡略化のために正方形である矩形共振器840である。この共振器は、多数の定在波共振モードを支持することができる。図を簡潔にするため、空洞のx方向、842及び844、並びにy方向、843及び845の最長波長の応答に対する電場振幅の二乗の空間依存性のみを表している。この場合、摂動が、共振器の中央開口領域846の共振器場のみと相互作用できるように、低屈折率の上部クラッド844を共振器に加えた。これは、単一ローブの水平モード842及び単一ローブの垂直モード843への摂動の影響を最大限にし、2つのローブのモード844及び845への摂動の影響を最小限にする。したがって、振動数シフトの検出アプローチにおいて、水平方向及び垂直方向の単一ローブである第1モードに対応する波長は、検体が検知領域に接合した時に最も大きくシフトし、水平方向及び垂直方向の2つのローブである第2モードに対応する波長のシフトは最も小さい。このように、第2モードは自己参照用の参照信号を提供する。
上記実施形態はパターニングされたクラッド形状の単なる例にすぎず、外部摂動が、微小共振器の空間的に局在した1つ以上のモードに及ぼす影響を高める又は抑制するために、微小共振器上のクラッドを使用する概念を何ら限定するものではない。
本発明のシステムを使用する方法を、主に散乱中心を摂動として使用することに関して説明してきた。しかしながら、別の種類の摂動は、微小共振器の表面又は微小共振器の表面の一部の屈折率の変化である。散乱粒子に結合する例と同様に、表面クラッドをパターニングすることにより、異なる共振器モードに与える影響の差を高めることができる。
例えば、図9〜図10の微小共振器システム700では、環状の利用可能な部分は、微小共振器の表面をコーティングして利用可能な部分の屈折率を変化させる機会を提供する。このようなコーティングは、図4及び図5に関連して上述した異なるシフトと同様に、微小共振器の第2光モードにごくわずかなシフトを引き起こす又はシフトを引き起こさない状態で、微小共振器の第1光モードをシフトさせる。上記のように、これらシフトは、摂動が微小共振器と結合したかどうかを決定するために用いられる。
検体と微小共振器の空間的に局在したモードとの相互作用を制御する別の方法は、検体と選択的に結合する化学種のパターン層で微小共振器の表面をコーティングすることである。共振器の半径方向モードの1つの最大磁場と一致するように設計された、化学結合機能化を環に適用するこの手法を図12に概略的に示す。
図12は、ディスク微小共振器868の平面図及び側面図を含み、2つの図は共にシステムの中心軸を表す軸870を中心としている。更に、図12は、ディスクの空洞に関する波動方程式の2つの半径の解に応じて微小共振器868で励起される2つのウィスパリングギャラリー共振モードを示す。モードを表す曲線874及び876はモードの電場振幅の二乗に相当し、これらモードの強度が中心軸870からの距離に伴ってどのように変化するのかを示している。半径方向モードは、波動方程式及び境界条件を満たすmのベッセル関数である。図8〜図10に関連して上述した状態と同様に、第1モード874は、ディスク内に単一ローブ(最大値)を有し、第2モード876は、ディスク内に2つのローブを有する。
微小共振器868は、上部平面878と円筒の側面879とを有する。上部表面878は、検体と化学的に接合する、環状パターン内の化学結合機能化コーティング880を含む。コーティングしていない領域882は検体と化学的に接合しない。機能化コーティング880は環状内の検体と結合し、検体が機能化領域に結合することによって引き起こされる屈折率の変化は、微小共振器の第2モード(2つのローブ型)のモードのピーク強度に対応する場所に摂動を与える。このようにして、検体の結合が第2モードに与える影響を、摂動が第1モードに与える影響よりも強くすることができる。一実施形態において、機能化された環状部分880に接触する検体は微小共振器の表面に結合しない可能性が高い。様々な実施形態において、検体は、90%以上などの高い割合で、微小共振器の表面の機能化された環状部分880に結合する。
図12の別の実施形態では、化学接合を防止するコーティングが、微小共振器の円筒の側面879を含む領域882に存在する。その結果、領域882で微小共振器と接触する検体が、微小共振器表面に付着する可能性は低い。
少なくとも2つの誘導共振光モードを支持することができるディスク微小共振器を含む本発明の実施形態を記載してきた。システムの別の実施形態は、他の形状の微小共振器が少なくとも2つの誘導共振光モードを支持することができ、それらの空間図形が微小共振器の表面の摂動が微小共振器の第1及び第2光モードに異なる影響を与えることを可能とするのであれば、他の形状の微小共振器を含む。本発明で使用することのできる微小共振器の形状の他の例には、多重モードのリング状共振器及び多重モードのレーストラック共振器、並びに多角形共振器が挙げられる。
図13は、単一バスのリング状共振器の実施形態400の模式図であり、光源402は入力ポート406で単一導波路404と光学的に連通している。入力ポート検出器410は入力ポート406に配置され、散乱中心が存在して摂動が導入される前に後方散乱モードを生成する場合には、自己参照法で使用することができる。光学スプリッタ又は光サーキュレータのような光学的要素412は、入力ポート406、光源402、及び入力ポート検出器410と光学的に連通する。スルーポート検出器411はスルーポート408と光学的に連通する。
リング状微小共振器418は導波路404と光学的に連通する。光源402からの光424は第1バス導波路404内に起動され、スルーポート408に向かって伝搬する。微小共振器118は、第1バス導波路404から出た光424の一部とエバネセント結合し、外で結合した光は、微小共振器418の2つ以上の共振周波数、例えば第1共振光モード428及び第2共振光モード464で微小共振器418内を伝搬する。
本発明の一実施形態に従った検知イベントの間に、微小共振器418と散乱中心450又は他の摂動との間の光結合の強度が変化する。散乱中心450又は他の摂動が微小共振器と光学的に連通する時、第1誘導光学モード428は波長シフトを受ける。第2誘導光学モード464は異なる波長シフトを受け、これは波長シフトではない場合がある。
別の実施形態は、入力検出器410及びスルーポート検出器411の一方のみを備える。別の別の実施形態において、リング状共振器418はディスク共振器で置き換えられる。
図14は、単一バスのディスク共振器の実施形態500の模式図であり、光源502は入力ポート506で単一導波路504と光学的に連通して光524を導波路504に提供する。中心の光検出器510は、ディスク共振器518の中心511に配置される。別の検出器513はスルーポート508に配置される。別の実施形態では、検出器は1つだけ存在する。
散乱中心550は微小共振器518と光学的に連通状態になったり解除されたりする。図示される実施形態において、第1共振光モード528及び第2誘導光学モード564の波長シフトを検出する工程は、スルーポート508まで通過して検出器513に検出される波長を検出する工程を含む。中心位置511において中央検出器510によって検出される出力は、別個の散乱中心が存在して散乱中心550のような摂動が導入される前に後方散乱モードを生成する場合には、自己参照法で使用することができる。
図15は、二重バス導波路のレーストラック微小共振器の実施形態600の模式図であり、光源602は入力ポート606で第1導波路604と光学的に連通する。入力ポート検出器610は入力ポート606に配置される。光学スプリッタ又は光サーキュレータのような光学的要素612は、入力ポート606、光源602、及び入力ポート検出器610と光学的に連通する。スルーポート検出器614は、スルーポート608の第1導波路604の反対側に位置する。
光源602からの光624は第1バス導波路604内に起動され、スルーポート608に向かって伝搬する。マルチ横モード(multi-transverse mode)レーストラック微小共振器618は、2つの湾曲部分619と2つの直線部分620とを含む。微小共振器618は、第1バス導波路604から出た光624の一部とエバネセント結合し、外で結合した光は、微小共振器618の2つ以上の共振周波数、例えば第1共振光モード628及び第2共振光モード664で微小共振器618内を伝搬する。
第2バス導波路632は微小共振器618と光学的に連通して配置される。ドロップポート636及びドロップポート検出器635は第2バス導波路632の一方の端部に位置し、ドロップ2ポート638は第2バス導波路632のもう一方の端部に位置する。ドロップポート636は主に第1誘導光学モード628と光学的に結合する。ドロップ2ポート638は、第1誘導光学モードと非常に弱く結合するか、結合することができない。ドロップ2ポート検出器644は、ドロップ2ポート638に位置する。
第1及び第2光モードの散乱中心650の結合強度を変えることによる影響は、他の微小共振器システムに関して上述したように、スルーポート608及びドロップポート636で観測することができる。入力ポート検出器610又はドロップ2ポート検出器644で検出された出力は、別個の散乱中心が存在して散乱中心650のような摂動の導入前に及び導入に加えて後方散乱モードを生成する場合に、自己参照法で使用することができる。このように、様々な実施形態は、これら4つの検出器の位置の1か所以上と光学的に連通する検出器を備える。
第1共振誘導光学モードと第2誘導光学モードの両方を支持するように構成することができ、本発明の自己参照法及び自己参照デバイスと共に使用することができる微小共振器導波路システムの更なる実施形態が、同一所有者の米国特許出願第11/565,935号、名称「光学的微小共振器(Optical Microresonator)」、代理人整理番号62451US002、2006年12月1日出願;及び同一所有者の米国特許出願第11/616,338号、名称「光学的微小共振器(Optical Microresonator)」、代理人整理番号62681US002、2006年12月27日出願、に図解され、説明され、それら全体が参照により本明細書にすでに組み入れられている。
上述のように、摂動は微小共振器の光学特性の変化である。例えば、微小共振器の表面又は部分の屈折率の変化は、例えば、微小共振器の表面上のコーティング又は微小共振器と散乱中心の光結合に起因する。
散乱中心は、微小共振器に光学的に結合されると微小共振器内の共振モードの波動関数に摂動を与え、入力によって励起された散乱中心の存在しないモード(例えば、図1の少なくとも第1共振光モード128)から、励起さていない散乱中心の存在しないモードへとエネルギーを移動させる要素である。ある実施形態において、散乱中心は第1モードから別のモードへのエネルギーの移動を増加させるが、第1モードから別のモードへのエネルギーの移動の一部は散乱中心が存在しなくても発生する場合がある。
更に、中心がクラッドと異なる屈折率を有すると仮定すると、散乱中心と微小共振器のモードフィールドの相互作用はモードの有効屈折率を変化させる。これがモードの共振波長をシフトさせる。
本発明の検知方法と共に使用することができる散乱中心の例はナノ粒子を含む。本明細書で使用する時、用語「ナノ粒子」は、最大寸法が約1000ナノメートル以下の粒子を意味する。特定の実施形態において、散乱中心は少なくとも20ナノメートル、最大でも100ナノメートル、又はその両方である。別の実施形態において、散乱中心は少なくとも10ナノメートル、最大でも150ナノメートル、又はその両方である。
本発明の一実施形態において、散乱中心は、検知イベント中に散乱中心を囲む、典型的には水である媒質と比較して、高屈折率を有する。本発明の実施形態において、散乱中心は高い吸収値を有する。例えば、散乱中心材料の複素屈折率の虚数部は少なくとも8である。
金のようなある金属である場合などのような一部の例では、散乱中心の屈折率の実数部は1未満である。シリコンである場合などのような一部の例では、散乱中心の屈折率の実数部は2.5を超える。
本発明と共に使用するのに適切であり得る散乱中心の例には、シリコンナノ粒子、並びに金ナノ粒子及びアルミニウムナノ粒子を含む金属ナノ粒子が挙げられる。一部の例では、散乱中心は、Si、GaAs、InP、CdSe、又はCdSのような半導体であってもよい。例えば、散乱中心は、直径が80ナノメートル及び目的波長に対する屈折率(実数部分)が3.5のシリコン粒子であり得る。散乱中心の別の例は、直径が80ナノメートル及び1550nm付近の波長に対する屈折率が0.54+9.58iの金粒子である。散乱中心の別の例は、直径が80ナノメートル及び1550nm付近の波長に対する屈折率が1.44+16.0iのアルミニウム粒子である。
いくつかの実施形態において、散乱中心は誘電体粒子であり得る。いくつかの実施形態において、散乱中心は周りを囲む上部クラッドと異なる複屈折、磁化率、又は電気感受率を有する。様々な実施形態において、散乱中心は強磁性又は常磁性の粒子である。多くの実施形態において、散乱中心は非蛍光粒子である。更に、いくつかの実施形態において、散乱中心は半導体ではない。
いくつかの実施形態において、散乱中心はメタマテリアルである。
微小共振器の表面の一部の屈折率を変化させる摂動の一例は、他のタンパク質を共振器の表面に結合させることのできる抗体のような微小共振器の表面上のコーティング、又は溶媒蒸気を吸収してそれにより屈折率を変化させることのできる多孔質ポリマーのコーティングである。
ここで、全ての例に関連している問題を示している図1の例を参照すると、散乱中心150と微小共振器118との間の光結合の強度変化は、第1誘導光学モード128と第2誘導光学モード164との間の光散乱を誘発することができる。光結合の強度の変化は、様々な手段により得ることができる。例えば、散乱中心150と微小共振器118との間隔「d」は、散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変化させることができる。別の例では、散乱中心の屈折率nsの変化は、散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変化させることができる。一実施形態において、散乱中心は、共振器のコアに埋め込まれた屈折率可変領域である。このような場合、屈折率は、例えば、領域が気体又は液体のような物質に露出される及び該物質を吸収する時に変化し得る。一般に、散乱中心150と微小共振器118との間の光結合の強度変化を引き起こすあらゆるメカニズムが、モード128とモード164との間の光散乱の変化を引き起こすことができる。
センサーのような微小共振器導波路システムの使用へのいくつかのアプローチが存在する。アプローチの選択は、検出される検体の化学、検出のための割当時間、試料調製技術などを含め様々な考慮によって判断される。散乱中心を検出器システムで使用する一例は、特定の光源に対する抗体で共振器をコーティングすることを含む。抗体は、細菌及びウイルスのような異物を同定して中和するために免疫システムで用いられるタンパク質である。各抗体は特定の抗原をその独自の標的として認識する。
1つのアプローチにおいて、分析される試料は、散乱中心標識を試料と混合する前に対応する抗体でナノ粒子を機能化することで、ナノ粒子標識のような散乱中心標識が選択的に抗原分子に付着するように調製される。次に、試料を微小共振器の表面と接触させる。抗体で機能化された共振器とナノ粒子で標識された抗原との間の結合が共振器の表面で生じると、ナノ粒子は光結合範囲に到達する。その結果、第1光モードはドロップポート又はスルーポートにおいて波長シフトを受け、検出される。また、信号は、これまでは有意な信号がなかった中央検出器、ドロップ2ポート検出器、又は入力ポート検出器で検出される。細菌、ウイルス、及び胞子、並びにタンパク質及びDNAを検出するために、同じ又は類似のアプローチが用いられる。
共振器から散乱中心を取り除くことによる検知は、最初に、検体が導入される時に起こる抗原−抗体反応よりも結合の弱い抗原−抗体システムで共振器に散乱中心を結合することにより達成される。共振器との結合競争により、散乱中心の共振器周辺からの分離、及び散乱中心との光結合の損失が起こる同様のアプローチにより、ナノ粒子と共振器との間の化学接合を選択的に切断することのできる任意の化学種の検出が可能となる。
光源102は、所望の波長、及び波長範囲の光124を生成する。例えば、微小共振器がセンサーで使用される場合、光源102は、微小共振器との光学的連通に導入される又は連通から解除される散乱中心と相互作用する波長の光を生成する。微小共振器を用いる既存の検知システムでは、光源が、第1バス導波路104の中に効率よく結合する光を作り出すことが特に重要である。これは、半導体レーザなどのレーザのような光源を頻繁に利用することにつながる。半導体レーザのようなレーザは、本発明の実施形態で使用するのに適した光源である。更に、本発明のアプローチでは、既存の検知システムの光源よりも広範囲の波長を生成する光源を使用することができる。ある実施形態において、光源102には、ランプと、ランプからの光を第1バス導波路104に結合させる好適な光学部品が挙げられる。使用目的によっては、光源102は発光ダイオード(LED)又は半導体レーザのようなレーザであり得る。ある実施形態において、ランプは、1つの特定波長又は狭い範囲の波長ではなく、多くの波長又はある範囲の波長を放射する広帯域光源である。使用目的によっては、光源は、例えば、白色光を放射する広帯域光源であることができる。一部の例では、光源102は、約400nm〜約2000nmの範囲の少なくとも1つの波長を有する光を放射することができる。他のいくつかの例では、範囲は約700nm〜約1600nmであり得る。他のいくつかの例では、範囲は約900nm〜約1400nmであり得る。一部の例では、光源102は、633nm、850nm、980nm、1310nm、又は1550nmの光を放射することができる。
第1と第2の波長の違いは、2つのわずかに異なる光周波数の間のうなり周波数を分析する光ヘテロダイン検出技術を用いて検出することができる。
第1バス導波路104は、任意の好適な種類の導波路であることができ、例えば、シリコン基板の中又は上に形成される導波路のような、基板の中又は上に形成されるチャネル型導波路であってもよい。第1バス導波路104は光ファイバーであってもよい。
検出器ユニット110は、光を検出するための光検出器、例えばフォトダイオード又はフォトトランジスタを備える。検出器ユニット110は、光検出器に到達する光の波長を選択する波長選択装置を更に有する。波長選択装置は、例えばフィルター、又は分光計であってもよい。ユーザが光検出器に入射する光の波長を能動的に変更することができるように、波長選択装置は波長調整が可能であってもよい。一部の例では、波長選択装置は、ドロップ2ポートのような他のポートで用いられてもよい。
図1の微小共振器118はディスク微小共振器であることがわかる。システムの別の実施形態は、他の形状の微小共振器が少なくとも2つの誘導共振光モードを支持することができ、それらの空間図形が、微小共振器の表面の摂動が微小共振器の第1及び第2光モードに異なる影響を与えることを可能とするのであれば、他の形状の微小共振器を含む。例えば、微小共振器118は、多重モードのリング状共振器、多重モードのレーストラック共振器、又は多角形共振器であり得る。
本明細書に記載の様々な例示的実施形態において、これら微小共振器のいずれの種類も、別の実施形態を考案するための別のものと置き換えるられことができる。リング状微小共振器及びディスク微小共振器の製造プロセスは標準的な電子処理技術(microelectronic process)と互換性があるので、これら装置は低コスト製造システム及びロバスト・システムの多大な可能性を提供する。
一部の例では、微小共振器は円対称性を有し、これは微小共振器のコアの断面の周囲を、中心部のみからの距離の関数として表すことができることを意味する。ディスク微小共振器の場合などのような一部の例では、中心点は微小共振器の中心であり得る。円対称性を有する例示の微小共振器の形状には、球体、環状、ディスク、及び円筒が挙げられる。
微小共振器118は、典型的には2μmから数ミリメートルの範囲の直径を有するが、多くの場合5μm〜500μmの範囲である。一部の例では、約5μm〜約100μmの範囲である。
一部の例では、本発明のバス導波路及び微小共振器、並びに光源及び検出器は共通基板上に集積される。集積はモノリシック集積化であってよく、その場合異なる構成要素は通常同じ材料系を使用して全て共通基板上に組み立てられる。このような集積は基板特異的であり、これは、積層が一部の基板に関しては容易又は実現可能であるが、他の基板に関しては困難又は不可能である場合があることを意味する。例えば、検出器、微小共振器、及び導波路を、Si基板のような基板上に製造する又は積層する(grow)ことは可能であり得るが、同じ基板の上に光源を増やす又は製造することは困難又は不可能であり得る。別の例として、InP又はGaAs基板のようなIII−V半導体基板の上にシステム構成要素全てを積層する又は製造することは可能であり得る。
集積は混成集積であることができ、その場合、構成要素の少なくともいくつかを最初に別個に製造し、次に共通基板上に組み立てる。組立体は、例えば、検出器及び光源を基板上に接着接合することで成し得る。そのような場合、微小共振器及び導波路は基板上にモノリシックに集積される。一部の例では、接合は、光源及び検出器をバス導波路と正確に位置合わせすることが必要な場合がある。
特定の実施形態において、共通基板は、バス導波路及び微小共振器(又は光源及び光検出器)の製造に使用する材料よりも屈折率が実質的に低い、二酸化ケイ素のような集積光学部品に使用される従来の基板である。基板が、ガラスのような平坦で硬い材料、又は高分子基材のような滑らかなで可撓性の材料を含んでもよいと考えられる。例えば、ポリエステル、ポリアクリレート及びポリイミド基板が本発明において有用であり得る。基板は、光学的に不透明であっても透過性であってもよい。基板は、ポリマー、金属、半導体、又は任意の種類のガラスであり得る。1つの例では、基板はシリコンである。別の例として、基板はフロートガラスであってもよく、又はポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリサルフォン等のような有機材料で製造されてもよい。
集積デバイスを製造するために、典型的には、高屈折率材料(1つ又は複数)を基板上に溶着し、1つ以上のバス導波路及び微小共振器を形成するためにパターニングする。パターニングは、マスク、印刷、又はリフトオフ工程を通しての蒸着のような相加法によって行われることができる。熱蒸発法(thermal evaporation)、スパッタリング、印刷、分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)、有機金属化学気相成長法(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)、気相成長(VPE:vapor phase epitaxy)、及び化学気相成長は全て、基板上に導波路、微小共振器、又はその他の光学構成要素を溶着するのに使用することができる方法の例である。更に、例えば反応性イオン・エッチング又は湿式化学エッチングのようなエッチングなどの減法によって、導波路の要素を基板上にパターニングすることが可能である。使用目的によっては、共振器、光導波路、光源、及び検出器は同じ基板上に集積される。集積デバイス又は集積デバイスの一部を、例えば、成形法によって製造することができる。
共振器に結合される導波路は、導波路の外側の光場強度の強度を増加させ、それによって微小共振器に結合する光の量を増加させるために、多くの場合先細になっている。光ファイバー導波路の場合、ファイバーは、全厚さが約1〜5μmになるまで加熱され、先細にされる又はエッチングされる。同様に、平面導波路又はチャネル型導波路では、光が微小共振器と結合する領域で導波路の厚さが低減されもよい。寸法が低減される導波路に加えて、導波路の周囲のクラッドの厚さも低減することができる。微小共振器を導波路又はファイバーに結合する様々なアプローチが、同一所有者の及び同時係属の米国特許公開出願第2005−0077513号により詳細に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
許容可能な光学的損失量及び許容可能な製造工程を有する微小共振器構造を得るための、導波路の微小共振器への結合方法の多くの異なる例が存在する。例えば、図3は、第1バス導波路104及び第2バス導波路132と微小共振器118との横方向の結合(lateral coupling)を示す。この形状では、導波路104、132と微小共振器118の間の光結合は、図3で構造物が向いているように、横向きにつまり側面方向に生じる。特定の実施形態において、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許出願第11/277769号に記載されているように、クラッドは、導波路104、132の外側側面204、232に存在して結合を強化するために導波路モードを共振器に向けて押す。導波路104、132と微小共振器118との間の結合を達成するために、導波路104、132にクラッドを形成するための選択肢が他にも多く存在する。
横方向の結合形状のいくつかの実施形態において、導波路104、132及び微小共振器118は、同じ様式の工程を用いて作製される。
図3の横方向の結合形状に代わるものは垂直結合(vertical coupling)であり、例が図15に示されている。垂直結合された光学装置1300は、光学微小共振器1318と、第1光導波路1304と、第2光導波路1332とを備え、全て基板1303の上に配置される下部クラッド層1305の中に埋め込まれる。導波路1304、1332はクラッド層1305に取り囲まれる。垂直結合形状において、導波路1304、1332と微小共振器1318との間の光結合は、図15で光学装置1300が配向されているように、垂直又は上下方向に生じる。
垂直結合形状のいくつかの実施形態において、導波路1304、1332は微小共振器1318とは異なるリソグラフィ工程で作られる。
いくつかの実施形態において、微小共振器とバス導波路との間の結合は、本明細書に記載されているようにエバネセント結合である。いくつかのその他の実施形態において、微小共振器とバス導波路との間の結合は、本明細書に記載されているようにコア結合である。本発明に関連して使用することのできるコア結合が存在する微小共振器システムの例が;同時係属米国特許出願第11/565,935号、名称「光学的微小共振器(Optical Microresonator)」、代理人整理番号62451US002、2006年12月1日出願;及び同時係属米国特許出願第11/616,338号、名称「光学的微小共振器(Optical Microresonator)」、代理人整理番号62681US002、2006年12月27日出願、に記載されており、当該特許は共に参照により本明細書にすでに組み込まれている。
一部の例では、微小共振器とバス導波路との間の結合は、図16に概略的に示されているような多モード干渉結合器を介して行われることができる。光学システム1400は、第1バス導波路1410及び第2バス導波路1420と、多モード干渉結合器(MMIC:multimode interference coupler)1450を介して光学的に結合される。MMIC内の光学干渉は、導波路1410で起動されたどのフラクションが微小共振器1405と結合するのか、及びどのフラクションが第2バス導波路1420と結合するのかを決定する。例示的光学システム1400において、導波路1410及び1420は同一線上にある。一般に、2つのバス導波路は同一線上にあってもなくてもよい。
2つのバス導波路を有するマイクロディスク共振器システムは、ディスク微小共振器システムに光学的に結合される散乱中心の効果を明らかにするために、有効な二次元有限差分時間領域(FDTD:finite difference time domain)シミュレーションを用いて数値的に分析された。モデルシステムは、図1のシステム100と類似していた。第1の実施例において、ディスクの直径は3.6ミクロンであり、ディスクのコアの実効屈折率は3であった。n=1.33を有する水のクラッドがディスク共振器を囲んでいると仮定した。光は広帯域音源から起動され、波長は1〜3ミクロンであった。
散乱中心は、直径80ナノメートル、1550ナノメートル付近の屈折率がh0.54+9.58iである金ナノ粒子であった。スルーポートの波長に対してプロットした信号強度が図18に示されており、プロット910は水のクラッドのみを有するディスクの出力を表し、プロット920は金ナノ粒子が光通信しているディスクの出力を表す。図19は、同じデータであるが短い波長範囲に関して詳しく示している。1.5ミクロン付近のファンダメンタルWGM(fundamental whispering gallery mode)922が観測された。金ナノ粒子の導入は、1.472ミクロンにおけるファンダメンタルWGM922を、約3ナノメートルだけファンダメンタルWGM 924の方にシフトさせる。1.485ミクロンにおける二次WGM 926はごくわずかにシフトし、金ナノ粒子の導入後に同じく1.485ミクロンにおいて二次WGM 928となる。
金は、可視から赤外波長に対して(材料の吸収に代表的である)小さな実屈折率及び非常に大きな虚屈折率を有する。故に、一部の例では、金でコーティングされた粒子又は金の粒子は、異なる材料の同様の寸法の粒子と比べて、より大きな共振波長シフトをもたらすことができる。
摂動に対してモードの異なる応答を生成するための異なる微小共振器モードに伴うフィールドプロファイルの空間的差異を用いる原理は、ナノ粒子に起因する摂動をシミュレートするために原子間力顕微鏡(AFM)のプローブチップを使用することにより実験的に証明された。証明で使用した微小共振器は、垂直結合された単一バス導波路により励起されたディスク共振器であった。
ポータブルAFM(スイス国リースタール(Liestal, Switzerland)のナノサーフ(Nanosurf)から入手可能なモバイルS(MOBILE S)モデル)を、カスタムメイドの固定具を介して微小共振器の光学特性を測定するのに用いる装置に取り付け、デバイスの光学特性をモニターしながら、AFMのプローブチップを微小共振器デバイスの表面と接触させた。固定具は、AFMチップの粗い位置決めを提供する3軸変換移動ステージ(3-axis translation stage)を内蔵し、微細な位置決めにはAFMの圧電モーターを使用した。使用したAFMプローブチップは、製造者からAFMを入手した後金でコーティングし、チップの典型的な半径が約100nmである、市販のシリコンプローブチップであった(カリフォルニア州サンタクララ(Santa Clara, CA.)のアプライド・ナノストラクチャーズ社(Applied NanoStructures)から入手可能な、公称曲率半径10nmのサイコンA(SICON A)モデル)。金の屈折率は、この試験で使用した波長(〜1500nm)に対する空気の屈折率よりかなり小さいので、プローブチップに遭遇する各モードのモード実効屈折率は効果的に減少する。したがって、共振に伴う波長は短波長側にシフトする(短波長へのシフトは「ブルーシフト」と呼ばれる)。
共振器の検出感度を空間マッピングする手順は以下の通りである。高出力エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA:erbium-doped fiber amplifier)光源(カリフォルニア州ムリエタ(Murrieta, CA)のヌフォトンテクノロジー(Nuphoton technologies)から入手可能なNP 3000 PSモデル)からの光で共振器を励起した。光スペクトルアナライザ(OSA:optical spectrum analyzer)(カリフォルニア州パロ・アルト(Palo Alto, CA)のヒューレットパッカード(Hewlett-Packard)から入手可能なHP86142Aモデル)を使用して、スルーポートにおける微小共振器の所与の共振付近の波長領域をフィルターにかけてモニターした。AFMプローブチップをディスク共振器の「端部」の上に又はその近くに定置し、周期的に小さい距離(〜150nm)をスキャンするように設定した。プローブチップの平均位置を、装置の中心に向けて放射状に移動し(端部から離れる)、所与の共振の場所の相対的変動(プローブに誘発される波長シフト)を記録する。データの収集後、ディスクの端部からのプローブの平均距離に対する各共振の波長シフトをプロットすることができる。得られたプロットは、ディスクの表面の摂動に対するディスクの感度のマップである。所与のモードに対する共振のシフトは、摂動の場所のモードフィールドの強度に正比例すると予測されるので、感度マップは微小共振器の共振モードにおけるフィールドの強度のマップと等しいことに留意すべきである。
金でコーティングされたプローブチップは非常に大きい(直径約200nm)ので、プローブの寸法の平均化によりマッピング処理の空間分解能が制限を受けることに留意すべきである。プローブチップがサイクル当たり約150nm移動することによる更なる平均効果(averaging effect)も存在する。
実験例において、感度の放射状のマップを、下部クラッドがシリカであり、窒化ケイ素のコアを有する、直径100ミクロンのディスク微小共振器の上部表面に形成した。チップの平均位置は、装置の端部付近から装置の端部から約4ミクロンへと、放射状に変化させた。検出を2つの共振モード付近の波長に合わせるOSAを使用して、装置の上部の9か所の半径方向の位置(加えて前後のベースライン測定)で試料をトレースした。これらの結果から、各モードのシフトを半径方向位置の関数として決定した。次に、シフトを各モードの一定値で除して正規化し、相対シフトを得た。結果は図20にプロットされており、2つの微小共振器モードのプローブ位置について相対波長シフトをプロットしている。
直径100ミクロンの共振器では、波長1549.9nm及び1551.0nm付近に2つの共振モードが観測された。図20によると、それぞれ2つ及び3つの最大値を有しているので、2つの共振モードは、装置の第2及び第3の半径方向モードであると考えられる。更に、端部から半径方向位置約4ミクロン付近で、第3の半径方向モードはAFMチップの存在の影響を受けるが、第2の半径方向モードは受けないことが認められる。また、半径方向位置約2ミクロン付近で、第2の半径方向モードはAFMチップの存在の影響を強く受けるが、第3の半径方向モードは弱く影響を受けるだけである。これはモード応答の差動特性を明らかにしており、摂動の位置を限定することによって自己参照を達成する可能性示している。例えば、共振器の表面が、図20の4ミクロン付近の位置への摂動の相互作用を限定するように構成された場合、第3の半径方向モードに対応する波長を信号波長として使用することができるのに対して、第2の半径方向モードに対応する波長は参照信号として使用することができる。
本出願は、異なるモード間のより大きな波長シフト又はより強い光学散乱など感度を高めた検知システムを更に開示する。高められた感度は、例えば、単一検体の検出を可能にすることができる。
製造が容易で、検体に暴露されるとより大きなスペクトルシフトを起こし、狭線幅可変レーザよりも安価な光源を使用することのできる微小共振器を用いた光検出システムが要求されている。
したがって、本発明は上記の特定の例に限定されると考えるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に適正に記載される本発明の全ての態様を網羅すると理解されるべきである。本明細書を検討すれば、本発明を適用可能な様々な変更例、同等のプロセス、多数の構造は本発明に関連する当業者には容易に明らかになろう。特許請求の範囲はこのような修正及び装置を網羅しようとするものである。

Claims (36)

  1. 微小共振器の摂動の存在を検出する方法であって、
    微小共振器の少なくとも第1及び第2共振誘導光学モードを、該微小共振器と光学的に連通する光源で励起する工程と、
    第1の振動数シフトを該第1共振誘導光学モードに及び第2の振動数シフトを該第2共振誘導光学モードに誘発する工程であって、該第2の振動数シフトがゼロであり得る、工程と、
    該第1の振動数シフトと該第2の振動数シフトを比較する工程と、を含む方法。
  2. 前記第2の振動数シフトがゼロであり、その結果前記第1の振動数シフトと前記第2の振動数シフトとの間の差異が前記第1の振動数シフトに等しい、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の振動数シフトがゼロではない、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の振動数シフトが前記第2の振動数シフトと異なる場合に摂動が存在することを決定する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記比較する工程が、前記第1の振動数シフトと前記第2の振動数シフトとの間の差異を決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記光源と、
    前記光源と光学的に連通する入力ポートを有する第1バス導波路を備える1つ以上のバス導波路と、
    該1つ以上のバス導波路に光学的に結合する前記微小共振器と、を備える光検出システムを提供する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記スルーポートに位置する検出器で前記第1及び第2誘導光学モードを検出する工程を更に含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記光検出システムがドロップポートを有する第2バス導波路を更に備え、該第2バス導波路が前記光源及び前記微小共振器と光学的に連通し、
    該ドロップポートに位置する検出器で前記第1及び第2誘導光学モードを検出する工程を更に含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記微小共振器及び前記第1バス導波路が基板上に集積される、請求項6に記載の方法。
  10. 前記第1の振動数シフトを第1共振誘導光学モードに誘発する工程が、前記微小共振器の摂動を引き起こす工程を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第1の振動数シフトを第1共振誘導光学モードに誘発する工程が、前記微小共振器の表面の少なくとも一部の屈折率を変える工程を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1の振動数シフトを第1共振誘導光学モードに誘発する工程が、散乱中心と前記微小共振器との間の光結合の強度を変える工程を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記散乱中心がナノ粒子である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記散乱中心が金属、半導体、誘電体又はメタマテリアルナノ粒子である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変える工程が、前記散乱中心の屈折率を変える工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変える工程が、前記散乱中心と前記微小共振器との間の距離を変える工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
  17. 前記少なくとも第1及び第2共振光モードを励起する工程が、
    前記光源で前記微小共振器の第3及び第4共振光モードを励起する工程と、
    前記第3及び第4光モードと第1の光学散乱中心の相互作用によって、前記第3及び第4光モードを前記第1及び第2光モード中に散乱させる工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記微小共振器の第1の光学散乱中心が、微小共振器のコアの残りの部分の屈折率と異なる屈折率を有する前記微小共振器のコアの散乱部分を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記微小共振器の第1の光学散乱中心が、前記微小共振器の表面の少なくとも一部に、二乗平均粗さが少なくとも50ナノメートルである表面を含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記微小共振器が多角形微小共振器であり、前記微小共振器の第1の光学散乱中心が、前記微小共振器のコアの複数の斜めの面の少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。
  21. 入力ポートとスルーポートとを有する第1バス導波路が光源及び前記微小共振器と光学的に連通し、前記光源が該入力ポートに位置し、
    該スルーポートに位置する検出器で前記第3及び第4誘導光学モードを検出する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
  22. 第1バス導波路が光源及び前記微小共振器と光学的に連通し、該第1バス導波路が、該光源が位置する場所に入力ポートを有し、
    該入力ポートに位置する検出器で前記第1及び第2光モードを検出する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
  23. 入力ポートを有する第1バス導波路及びドロップポートを有する第2バス導波路が、光源及び前記微小共振器と光学的に連通し、該光源が該入力ポートに位置し、
    前記ドロップポートに位置する検出器で前記第3及び第4誘導光学モードを検出する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
  24. 入力ポートを有する第1バス導波路及びドロップポートとドロップ2ポートとを有する第2バス導波路が、光源及び前記微小共振器と光学的に連通し、
    該ドロップ2ポートに位置する検出器で前記第1及び第2誘導光学モードを検出する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
  25. 微小共振器の摂動の存在を検出する方法であって、
    微小共振器の少なくとも第1及び第2共振誘導光学モードを、該微小共振器と光学的に連通する光源で励起する工程であって、該微小共振器が第1の光学散乱中心を有し、該第1の散乱中心によって該第1及び第2共振誘導光学モードが少なくとも第3及び第4誘導光学モードに散乱する工程と、
    第1の振動数シフトを該第1光モードに誘発し、第2の振動数シフトを該第2誘導光学モードに誘発する工程であって、該第2の振動数シフトがゼロであり得、該第1の散乱中心によって該第1及び第2周波数シフト共振誘導光学モードが少なくとも第5及び第6誘導光学モードに散乱する工程と、
    該微小共振器の中心位置に位置する検出器で該第3、第4、第5、及び第6誘導光学モードを検出する工程と、
    第3誘導光学モードと第5誘導光学モードとの間の第1の周波数差と、第4誘導光学モードと第6誘導光学モードとの間の第2の周波数差とを比較する工程と、を含む方法。
  26. 前記微小共振器の第1の散乱中心が、微小共振器のコアの残りの部分の屈折率と異なる屈折率を有する前記微小共振器のコアの散乱部分を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記微小共振器の第1の散乱中心が、前記微小共振器の表面の少なくとも一部に、二乗平均粗さが少なくとも50ナノメートルである表面を含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記微小共振器が多角形微小共振器であり、前記微小共振器の第1の散乱中心が、前記微小共振器のコアの複数の斜めの面の少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
  29. 前記第1共振誘導光学モードに前記第1の振動数シフトを誘発する工程が、前記微小共振器の摂動を引き起こす工程を含む、請求項25に記載の方法。
  30. 前記第1の振動数シフトを前記第1共振誘導光学モードに誘発する工程が、前記微小共振器の表面の少なくとも一部の屈折率を変える工程を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記第1の振動数シフトを第1共振誘導光学モードに誘発する工程が、第2の光学散乱中心と前記微小共振器との間の光結合の強度を変える工程を含む、請求項29に記載の方法。
  32. 前記第2の散乱中心がナノ粒子である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記第2の散乱中心が金属、半導体、誘電体又はメタマテリアルナノ粒子である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記第2の光学散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変える工程が、前記第2の散乱中心の屈折率を変える工程を更に含む、請求項31に記載の方法。
  35. 前記第2の光学散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変える工程が、前記第2の散乱中心と前記微小共振器との間の距離を変える工程を更に含む、請求項31に記載の方法。
  36. 入力ポートを有する第1バス導波路及びドロップポートとドロップ2ポートとを有する第2バス導波路が、光源及び前記微小共振器と光学的に連通し、
    該ドロップ2ポートに位置する検出器で前記第3及び第4光モードを検出する工程と、
    該ドロップ2ポートに位置する検出器で前記第3及び第4の周波数シフトした光モードを検出する工程と、を更に含む、請求項25に記載の方法。
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