JP2010511619A - ジブチルエーテル類を水性エタノールから生成する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、場合により発酵ブロスから得られる水性エタノールを使用して、ジブチルエーテル類を生成する方法に関する。本方法で生成されたジブチルエーテル類は、ガソリンやディーゼル燃料などの輸送燃料を含む、燃料用の添加剤として使用される。
Description
本発明は、ジブチルエーテル類を水性エタノール、場合により発酵によって準備される水性エタノールから生成する方法に関する。
ジブチルエーテル類は、ディーゼル燃料セタン向上剤として有用であり(R. Kotrba, “Ahead of the Curve”, in Ethanol Producer Magazine, November 2005);ジブチルエーテルを含むディーゼル燃料調合物の一例が、国際公開第2001018154号パンフレットに開示されている。ジブチルエーテル類のブタノールからの生成は周知であり(Karas, L.およびPiel, W. J. Ethers、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Fifth Ed., Vol. 10, Section 5.3, p. 576を参照のこと)、一般に硫酸による、または高温で塩化第二鉄、硫酸銅、シリカ、もしくはシリカ−アルミナを用いた接触脱水による、n−ブチルアルコールの脱水によって実施される。ブタノールからジブチルエーテル類への脱水によって、水が生成する。したがってこれらの反応は、従来水の非存在下で実施された。
大気質の改善および再生可能資源からのエネルギー生産の増加のために行われた試みによって、ガソリンおよびディーゼル燃料に置き換わることができ、またはこれらの燃料および他の燃料中の添加剤となり得るエタノールやブタノールなどの代替燃料に再び関心が寄せられている。
エタノールが、合成および発酵原料を含む、いくつかの供給源から回収できることは周知である。合成に関しては、エタノールは、エチレンの直接接触水和、エチレンの間接水和、合成ガスの変換、メタノールのホモログ化、メタノールと酢酸メチルのカルボニル化、および均一系触媒作用と不均一系触媒作用の両方による合成によって得ることができる。発酵原料は、発酵性炭水化物(例えば、サトウキビ、サトウダイコン、および果実)およびデンプン材料(例えば、トウモロコシ、キャッサバ、およびモロコシを含む、穀物)とすることができる。発酵が用いられる場合、ザイモモナス(Zymomonas)種、特にザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)からの細菌を使用することができるように、サッカロミセスが含まれる種からの酵母を使用することができる。エタノールは、一般に水と共に共沸混合物として回収され、したがって水とエタノールを合わせた重量に対して約95重量パーセントで存在する。Kosaricら、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Sixth Edition, Volume 12, pages 398−473, Wiley−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, Germany、およびP. L. Rogersら、Adv. Biochem. Eng. 23(1982) 27−84を参照のこと。エタノールはさらに、エタノール−水共の沸混合物をモレキュラーシーブに通すこと、および同伴剤、通常はベンゼンを加えてエタノール−水混合物を共沸蒸留することを含む、当技術分野で知られている方法(上記Kosaricを参照のこと)で乾燥することができる。
1−ブタノールをエタノールから生成する方法は周知である。1−ブタノールは、いわゆる「Guerbet反応」を使用して、塩基性触媒上、高温でのエタノールの縮合によって調製できることが知られている。例えば、J. Logsdon、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley and Sons, Inc., New York, 2001を参照のこと。
1−ブタノールのエタノールからの生成をさらに記載する一部の参考文献として、中国特許第12168383号明細書(C);C. Yang、およびZ. Meng, J. of Catalysis(1993), 142(1), 37−44;A. S. Ndou, N. Plint、およびN. J. Coville, Applied Catalysis, A: General(2003), 251(2), 337−345;T. Takahashi, Kogyo Kagaku Zasshi(1946), 49 113−114;T. Takahashi, Kogyo Kagaku Zasshi(1946), 49 114−115;V. Nagarajan, N. R. Kuloor, Indian Journal of Technology(1966), 4(2), 46−54;V. Nagarajan, Chemical Processing & Engineering(Bombay)(1970), 4(11), 29−31, 38; V. Nagarajan, Indian Journal of Technology(1971), 9(10), 380−386;V. Nagarajan, Chemical Processing & Engineering(Bombay)(1971), 5(10), 23−27;K. W. Yang, X. Z. Jiang、およびW. C. Zhang, Chinese Chemical Letters(2004), 15(112), 1497−1500;K. Yang, W. Zhang、およびX. Jiang, 中国特許第1528727号明細書(Zhejiang Univ.に譲渡);C. A. Radlowski and G. P. Hagen, 米国特許第5,095,156号明細書(Amoco Corp.に譲渡);C. Y. Tsu、およびK. L. Yang, Huaxue(1958),(No. 1), 39−47;B. N. Dolgov、およびYu. N. Volnov, Zhurnal Obshchei Khimii(1993), 3 313−318;M. J. L. Gines、およびE. Iglesia, J. of Catalysis(1998), 176(1), 155−172;T. Tsuchida, AK. Atsumi, S. Sakuma、およびT. Inui, 米国特許第6,323,383号明細書(Kabushiki Kaisha Sangiに譲渡);ならびにBritish Industrial Solvents, Ltd.に譲渡された英国特許第381,185号明細書が挙げられる。
本発明は、ジブチルエーテル類を生成する方法であって、
a)湿性エタノールを含む反応物質を塩基触媒と接触させて、1−ブタノールおよび水を含む第1の反応生成物を生成する工程と、
b)第1の反応生成物から、本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールと水を合わせた重量に対して少なくとも5重量パーセントの水からなる部分精製された第1の反応生成物を回収する工程と、
c)部分精製された第1の反応生成物を、約50℃〜約450℃の温度、および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で、場合により溶媒の存在下、少なくとも1つの酸触媒と接触させて、少なくとも1種のブチルエーテルを含む第2の反応生成物を生成し、前記少なくとも1種のブチルエーテルを前記第2の反応生成物から回収して、少なくとも1種の回収ブチルエーテルを得る工程とを含む方法に関する。
a)湿性エタノールを含む反応物質を塩基触媒と接触させて、1−ブタノールおよび水を含む第1の反応生成物を生成する工程と、
b)第1の反応生成物から、本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールと水を合わせた重量に対して少なくとも5重量パーセントの水からなる部分精製された第1の反応生成物を回収する工程と、
c)部分精製された第1の反応生成物を、約50℃〜約450℃の温度、および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で、場合により溶媒の存在下、少なくとも1つの酸触媒と接触させて、少なくとも1種のブチルエーテルを含む第2の反応生成物を生成し、前記少なくとも1種のブチルエーテルを前記第2の反応生成物から回収して、少なくとも1種の回収ブチルエーテルを得る工程とを含む方法に関する。
好ましい実施形態において、上記工程(a)の反応物質は、発酵ブロスを蒸留して、エタノールおよび水を含む留出液を得て、場合により留出液中の水を低減して、残留している水とエタノールを合わせた重量に対して約50〜約95重量パーセントの留出液中エタノール濃度を実現する工程を含む方法でエタノール含有発酵ブロスから得られる。
別の好ましい実施形態において、部分精製された第1の反応生成物は、第1の反応生成物から蒸留で得られる。
このように本発明の方法で生成されたジブチルエーテル類は、ガソリン、ディーゼル、およびジェット燃料などの輸送燃料を含む、燃料用の添加剤として使用される。
本発明は、ジブチルエーテル類を水性エタノールから水性ブタノールを経て生成する方法に関する。本明細書では、「水性ブタノール」は、本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールと水を合わせた重量に対して少なくとも約5重量パーセントの水からなる生成物を指す。本明細書では、「本質的に〜からなる」という表現は、少量の他成分がその後のプロセス工程において1−ブタノールと水の組合せの性能に実質的に影響を及ぼさない限り、1−ブタノールは少量の他成分を含有してもよいことを意味する。
水性エタノールは、当業者に知られている微生物学的方法を使用する発酵を含む、任意の好都合な供給源から得ることができる。発酵微生物および基質の供給源は、本発明では重大な意味をもたない。発酵の結果は、発酵ブロスであり、次いで精製して、水性エタノール流が生じる。精製プロセスは、エタノールおよび水を含む第1のオーバーヘッド流を生成するための少なくとも1つの蒸留塔を含んでもよい。第1の蒸留塔が所望のエタノール含有量の第1のオーバーヘッド流を生成するには不十分である場合、第1のオーバーヘッド流を第2の蒸留塔に導入して、第2のオーバーヘッド流を生成するなどして、最終的に本発明において反応物質として必要とされる水性エタノール(少なくとも5%の水を含む)が生じる。蒸気質であるこれらのオーバーヘッド流は、本方法で直接使用することができ、または後で使用するために凝縮し、再気化させることができる。
水性エタノール流(窒素や二酸化炭素などの不活性ガスで希釈してもよい)は、気相または液相中、約150℃〜約500℃の温度、および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で少なくとも1つの塩基(または塩基性)触媒と接触して、水およびブタノールを含む第1の反応生成物を生成する。典型的には、第1の生成物は、未反応のエタノール、種々の有機生成物、および水も含む。有機生成物としては、ブタノール類、主に1−ブタノールが挙げられる。
少なくとも1つの塩基触媒は、均一系または不均一系触媒とすることができる。均一系触媒作用は、すべての反応物質および触媒が一相に分子分散する触媒作用である。均一系塩基触媒としては、アルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、これに限定されない。
不均一系触媒作用は、触媒が反応物質および生成物とは別の相を形成する触媒作用を指す。固体触媒の説明および特定の触媒が塩基性であるかどうかの判定方法については、Hattori, H.(Chem. Rev.(1995) 95:537−550)およびSolid Acid and Base Catalysts(Tanabe, K., in Catalysis: Science and Technology, Anderson, J. and Boudart, M(eds.) 1981 Springer−Verlag, New York)を参照のこと。
本方法で有用である適当な塩基触媒は、Broenstedによって定義されたようにプロトンを受け入れる能力を有する物質、またはLewisによって定義されたように原子、分子、もしくはイオンと共有結合を形成することができる非共有電子対を有する物質である。
適当な塩基触媒としては、例えば金属酸化物、水酸化物、カーボネート、シリケート、ホスフェート、アルミネート、およびそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい塩基触媒は、金属酸化物、カーボネート、シリケート、およびホスフェートであり得る。上記の化合物の好ましい金属は、周期表の第1族、第2族、および希土類元素から選択してもよい。特に好ましい金属は、セシウム、ルビジウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、バリウム、カリウム、およびランタンであり得る。
塩基触媒は、触媒作用の技術分野でよくみられるように、触媒担体に担持させてもよい。適当な触媒担体としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ゼオライト、炭素、粘土、二重層構造水酸化物、ヒドロタルシト、およびそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。当技術分野で担持触媒を調製することが知られている方法はいずれでも使用することができる。担持触媒を調製する一方法は、金属カルボン酸塩を水に溶解することである。シリカなどの担体をこの溶液で濡らし、次いでか焼する。このプロセスで、担持金属カルボン酸塩は金属酸化物、カーボネート、水酸化物、またはそれらの組合せに変換される。担体は、触媒/担体の組合せの表面が塩基性である限り、中性、酸性、または塩基性とすることができる。金属触媒をもつ担体の処理によく使用される技法は、B. C. Gates, Heterogeneous Catalysis, Vol. 2, pp. 1−29, Ed. B. L. Shapiro, Texas A & M University Press, College Station, TX, 1984に出ている。
本発明の塩基触媒は、触媒の効率を向上させる触媒添加剤およびプロモーターをさらに含んでもよい。触媒プロモーターの相対百分率は、所望通りに変化させることができる。プロモーターは、周期表の第8族の金属、ならびに銅およびクロムから選択することができる。
本発明の塩基触媒は、市販品として得ることができ、または当技術分野で知られている方法を使用して適当な出発材料から調製することができる。本発明に使用される触媒は、粉末、顆粒、または他の粒子状の形で使用することができる。触媒に最適な平均粒径の選択は、反応器滞在時間および所望の反応器流量のようなプロセスパラメータに依存する。
塩基触媒を使用して、エタノールをブタノールに変換させる方法の例は、下記の参考文献で述べられている。
M. N. DvornikoffおよびM. W. Farrar, J. of Organic Chemistry(1957), 11, 540−542には、MgO−K2CO3−CuCrO2触媒系を使用して、エタノール縮合を促進し、1−ブタノールを含む高級アルコールを生成することが開示されている。この触媒を使用する開示された液相反応は、エタノールの変換率13%、および1−ブタノールへの選択性47%を示した。
Amoco Corpに譲渡された米国特許第5,300,695号明細書は、X個の炭素原子を有するアルコールをL型ゼオライト触媒上で反応させて、より高い分子量のアルコールを生成する方法を開示する。いくつかの実施形態において、X個の炭素原子を有する第1のアルコールをY個の炭素原子を有する第2のアルコールと縮合させて、X+Y個の炭素を有するアルコールを生成する。特定の一実施形態において、カリウムL型ゼオライトを使用して、エタノールを使用してブタノールを生成する。
J. I. DiCosimoらは、Journal of Catalysis(2000), 190(2), 261−275に、エタノールを含む、アルコール反応にMgyAlOx触媒を使用するアルコール−カップリング反応に及ぼす組成および表面特性の効果を記載する。また、MgyAlOx試料上での縮合反応は、ルイス酸−ブレンステッド強塩基対部位でのカルボアニオン中間体の生成も含み、n−C4H8O(またはn−C4H9OH)やイソ−C4H8O(またはイソ−C4H9OH)などの新しいC−C結合を含む生成物を生じた。彼らは、Journal of Catalysis(1998)、178(2)、499−510に、アセトアルデヒドへの酸化とn−ブタノールへのアルドール縮合は両方とも、ルイス酸−強塩基対上での表面エトキシドの初期生成を含むことも記載する。
国際公開第2006059729号パンフレット(Kabushiki Kaisha Sangiに譲渡)には、原材料であるエタノールから、1−ブタノール、ヘキサノールなど偶数個の炭素原子を有するより高い分子量のアルコールを効率的に生成する清浄な方法が記載される。出発材料であるエタノールから、触媒としてリン酸カルシウム化合物、例えばヒドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2、リン酸三カルシウムCa3(PO4)2、リン酸一水素カルシウムCaHPO4×(0−2)H2O、二リン酸カルシウムCa2P2O7、リン酸八カルシウムCa8H2(PO4)6×5H2O、リン酸四カルシウムCa4(PO4)2O、または非晶質リン酸カルシウムCa3(PO4)2×nH2O、好ましくはヒドロキシアパタイトを用いて、接触時間0.4秒以上でより高い分子量のアルコールが生じる。
1−ブタノールおよび水を含む第1の反応生成物への湿性エタノールの接触変換は、例えばH. Scott Fogler(Elements of Chemical Reaction Engineering, 2nd Edition,(1992) Prentice−Hall Inc, CA)に記載されるバッチまたは連続モードで実施することができる。適当な反応器としては、固定床、断熱性、流動床、輸送床、および移動床が挙げられる。反応過程中、触媒は汚染されることがあり、したがって触媒を再生する必要があり得る。好ましい触媒再生方法としては、空気、蒸気、水素、窒素、またはそれらの組合せなど(これらに限定されない)の気体と触媒を高温で接触させる工程を含む。
当業者は、温度、触媒金属、担体、反応器配置、および時間などの条件は、反応速度論、生成物収量、および生成物選択性に影響を及ぼす可能性があることを知っている。標準実験法を使用して、反応からの1−ブタノールの収量を最適化することができる。
次いで、第1の反応生成物を適当な精製プロセスにかけて、本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールと水を合わせた重量に対して少なくとも5重量パーセントの水からなる部分精製された第1の反応生成物を生成する。適当な精製プロセスとしては、例えば(混合生成物に応じて)相分離、続いて有機相の蒸留を行って、部分精製された第1の反応生成物を回収する工程を挙げることができる。
その第1の態様では、本発明は、少なくとも1種のジブチルエーテルを生成する方法であって、本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールおよび水の重量に対して少なくとも5重量パーセントの水からなる部分精製された第1の反応生成物を少なくとも1つの酸触媒と接触させて、少なくとも1種のジブチルエーテルを含む第2の反応生成物を生成し、前記少なくとも1種のジブチルエーテルを前記第2の反応生成物から回収して、少なくとも1種の回収ジブチルエーテルを得る工程を含む方法に関する。「少なくとも1種のジブチルエーテル」は、主にジ−n−ブチルエーテルを含むものの、ジブチルエーテル反応生成物は、追加のジブチルエーテル類を含んでもよく、ここでエーテルの一方または両方のブチル置換基は、1−ブチル、2−ブチル、t−ブチル、およびイソブチルからなる群から選択される。
少なくとも1種のジブチルエーテルを生成する反応を約50℃〜約450℃の温度で行う。さらに特定の実施形態では、温度は約100℃〜約250℃である。
反応は、不活性雰囲気中、およそ大気圧(約0.1MPa)〜約20.7MPaの圧力で実施することができる。さらに特定の実施形態では、圧力は約0.1MPa〜約3.45MPaである。適当な不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、およびヘリウムが挙げられる。
反応は、液相または気相中で実施することができ、例えばH. Scott Fogler(Elements of Chemical Reaction Engineering, 2nd Edition,(1992) Prentice−Hall Inc, CA)に記載されるバッチまたは連続モードで実施することができる。
少なくとも1つの酸触媒は、均一系または不均一系触媒とすることができる。均一系触媒作用は、すべての反応物質および触媒が一相に分子分散する触媒作用である。均一系酸触媒としては、無機酸、有機スルホン酸、ヘテロポリ酸、フルオロアルキルスルホン酸、金属スルホン酸塩、金属トリフルオロ酢酸塩、それらの化合物、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。均一系酸触媒としては、例えば硫酸、フルオロスルホン酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フッ化水素、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸が挙げられる。
不均一系触媒作用は、触媒が反応物質および生成物とは別の相を形成する触媒作用を指す。不均一系酸触媒としては、1)不均一系ヘテロポリ酸(HPA)、2)アルミナまたはシリカを含有するものなどの天然粘土鉱物、3)カチオン交換樹脂、4)金属酸化物、5)複合金属酸化物、6)金属硫化物、金属硫酸塩、金属スルホン酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属ホスホン酸塩、金属モリブデン酸塩、金属タングステン酸塩、金属ホウ酸塩などの金属塩、および7)ゼオライト、8)グループ1〜7の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。固体触媒の記載については、例えばSolid Acid and Base Catalysts, pages 231−273(Tanabe, K., in Catalysis: Science and Technology, Anderson, J. and Boudart, M(eds.) 1981 Springer−Verlag, New York)を参照のこと。
不均一系酸触媒は、触媒担体に担持させてもよい。担体は酸触媒が分散する材料である。触媒担体は、当技術分野でよく知られており、例えばSatterfield, C. N.(Heterogeneous Catalysis in Industrial Practice, 2nd Edition, Chapter 4(1991) McGraw−Hill, New York)に記載されている。
当業者は、温度、触媒金属、担体、反応器配置、および時間などの条件は、反応速度論、生成物収量、および生成物選択性に影響を及ぼす可能性があることを知っている。1−ブタノールを酸触媒と接触させたときに、使用する特定の触媒などの反応条件に応じて、ジブチルエーテル類以外の生成物が生成する場合がある。追加の生成物は、ブテン類およびイソオクテン類を含む。本明細書の実施例に記載される通り行われる標準実験法を使用して、反応からのジブチルエーテルの収量を最適化することができる。
本発明は、1−ブタノールおよび水を含む第1の反応生成物を蒸留にかけ、したがって本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールと水を合わせた重量に対して少なくとも5重量パーセントの水からなる部分精製された第1の反応生成物が、蒸気の形であり得る留出液を形成する方法も含む。この蒸気は、凝縮すると、水に1−ブタノールを加えた重量に対して少なくとも約18重量%の水濃度を有するブタノールに富む液相、および水に富む液相を生成する。次いで、これらの相を分離することができ、したがってブタノールに富む相に本明細書に記載する方法を施すことができる。すなわち、約50℃〜約450℃の温度、および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で、場合により溶媒の存在下、少なくとも1つの酸触媒と接触させて、少なくとも1種のブチルエーテルを含む第2の反応生成物を生成し、前記少なくとも1種のブチルエーテルを前記第2の反応生成物から回収して、少なくとも1種の回収ブチルエーテルを得ることができる。
反応後に、必要なら、デカンテーション、濾過、抽出、または膜分離など当業者に知られている任意の適当な技法で、触媒を反応生成物から分離することができる(Perry, R.H. and Green, D.W.(eds), Perry’s Chemical Engineer’s Handbook, 7th Edition, Section 13, 1997, McGraw−Hill, New York, Sections 18 and 22を参照のこと)。
少なくとも1種のジブチルエーテルは、Seader, J.D.ら(Distillation, in Perry, R.H. and Green, D.W.(eds), Perry’s Chemical Engineer’s Handbook, 7th Edition, Section 13, 1997, McGraw−Hill, New York)に記載されるように蒸留で反応生成物から回収することができる。あるいは、当技術分野でよく知られているように、少なくとも1種のジブチルエーテルを、相分離、またはトリメチルペンタンやオクタンなど適当な溶媒での抽出によって回収することができる。未反応の1−ブタノールは、少なくとも1種のジブチルエーテルの分離後に回収し、その後の反応で使用することができる。少なくとも1種の回収ジブチルエーテルを、燃料添加剤として輸送燃料に添加することができる。
一般方法および材料
下記の実施例において、「C」はセルシウス度であり、「mg」はミリグラムであり、「ml」はミリリットルであり、「temp」は温度であり、「MPa」はメガパスカルであり、「GC/MS」はガスクロマトグラフィー/質量分析である。
下記の実施例において、「C」はセルシウス度であり、「mg」はミリグラムであり、「ml」はミリリットルであり、「temp」は温度であり、「MPa」はメガパスカルであり、「GC/MS」はガスクロマトグラフィー/質量分析である。
Amberlyst(登録商標)(Rohm and Haas, Philadelphia, PAで製造)、タングステン酸、1−ブタノール、およびH2SO4は、Alfa Aesar(Ward Hill、MA)から入手し、CBV−3020Eは、PQ Corporation(Berwyn、PA)から入手し、硫酸化ジルコニアは、Engelhard Corporation(Iselin、NJ)から入手した。13% Nafion(登録商標)/SiO2は、Engelhardから入手することができ、H−モルデナイトは、Zeolyst Intl.(Valley Forge, PA)から入手することができる。
1−ブタノールのジブチルエーテルへの変換の一般手順
電磁式撹拌棒を装備した2mlのバイアルに、1−ブタノール、水、および触媒の混合物を入れた。ガス交換を容易にするために針で穿孔したセラムキャップでバイアルを密封した。バイアルは、圧力容器に囲まれたブロック加熱器に配置した。容器を窒素でパージし、圧力を6.9MPaに設定した。ブロックを指示温度に至らせ、その温度で指示時間制御した。冷却し、通気した後、GC/MSでキャピラリーカラム((a)CP−Wax 58[Varian;Palo Alto, CA]、25m×0.25mm、45C/6分、200Cまで10C/分、200C/10分、または(b)DB−1701[J&W(Agilent;Palo Alto, CAを通して入手可能)]、30m×0.25mm、50C/10分、250Cまで10C/分、250C/2分)を使用して、バイアルの含有量を分析した。
電磁式撹拌棒を装備した2mlのバイアルに、1−ブタノール、水、および触媒の混合物を入れた。ガス交換を容易にするために針で穿孔したセラムキャップでバイアルを密封した。バイアルは、圧力容器に囲まれたブロック加熱器に配置した。容器を窒素でパージし、圧力を6.9MPaに設定した。ブロックを指示温度に至らせ、その温度で指示時間制御した。冷却し、通気した後、GC/MSでキャピラリーカラム((a)CP−Wax 58[Varian;Palo Alto, CA]、25m×0.25mm、45C/6分、200Cまで10C/分、200C/10分、または(b)DB−1701[J&W(Agilent;Palo Alto, CAを通して入手可能)]、30m×0.25mm、50C/10分、250Cまで10C/分、250C/2分)を使用して、バイアルの含有量を分析した。
下記の実施例を、この手順に従って各実施例で示された条件下で行った。
実施例1〜10
ジブチルエーテル類を生成する1−ブタノール(1−BuOH)と酸触媒の反応
反応を6.9MPaのN2中で2時間実施した。原料は、1−ブタノール80重量%/水20重量%であった。
ジブチルエーテル類を生成する1−ブタノール(1−BuOH)と酸触媒の反応
反応を6.9MPaのN2中で2時間実施した。原料は、1−ブタノール80重量%/水20重量%であった。
触媒作用の技術分野の専門家が知っているように、いずれの触媒を取り扱うときでも、反応条件を最適化する必要がある。実施例1〜10は、指示触媒が指示条件下で生成物のジブチルエーテル類を生成できたことを明らかにしている。実施例1〜10に示す触媒の一部は、最適以下の条件で利用したとき有効でなかった(データを示さず)。
Claims (4)
- ブチルエーテル類を生成する方法であって、
a)湿性エタノールを含む反応物質を塩基触媒と接触させて、1−ブタノールおよび水を含む第1の反応生成物を生成する工程と、
b)第1の反応生成物から、本質的に1−ブタノール、および1−ブタノールと水を合わせた重量に対して少なくとも5重量パーセントの水からなる部分精製された第1の反応生成物を回収する工程と、
c)部分精製された第1の反応生成物を、約50℃〜約450℃の温度、および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で、場合により溶媒の存在下、少なくとも1つの酸触媒と接触させて、少なくとも1種のブチルエーテルを含む第2の反応生成物を生成し、前記少なくとも1種のブチルエーテルを前記第2の反応生成物から回収して、少なくとも1種の回収ブチルエーテルを得る工程とを含む方法。 - 工程a)の反応物質が、発酵ブロスを蒸留して、エタノールおよび水を含む留出液を得て、場合により留出液中の水を低減して、残留している水とエタノールを合わせた重量に対して約50〜約95重量パーセントの留出液中エタノール濃度を実現する工程を含む方法でエタノール含有発酵ブロスから得られる、請求項1に記載の方法。
- 前記部分精製された第1の反応生成物が、蒸留によって第1の反応生成物から回収される、請求項2に記載の方法。
- 前記留出液が蒸気である、請求項3に記載の方法。
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