JP2010505419A - Dnaによって導かれたナノ粒子凝集 - Google Patents

Dnaによって導かれたナノ粒子凝集 Download PDF

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Abstract

ある態様において、DNAキャップされたナノ粒子は、それらの凝集における結晶性秩序の程度を規定するのに用いられる。ある態様において、単位セルにおいて<約10%を占有する粒子での、熱力学的に可逆的で安定な体心立方結晶(bcc)構造が形成される。粒子凝集の結晶化に従順な設計および経路が同定される。ある態様において、プラズモニック結晶が提供される。ある面において、粒子凝集体の特性を制御する方法が提供される。ある態様において、触媒が、核酸配列によって結合したナノ粒子から形成され、結晶に、その表面または間隔に付着した触媒活性剤と開放的な結晶構造を形成する。

Description

本出願は、米国仮出願第60/849,451号(2006年10月4日出願)の利益を主張する。本出願はまた、米国仮出願第60/957,543号(2007年8月23日出願)の利益を主張する。これらの出願の夫々は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は、米国エネルギー省によって授与された契約番号DE-AC02-98CH10886のもと、米国政府補助を受けてなされた。米国政府は、本発明においてある種の権利を有する。
本発明は、DNAによって導かれた粒子凝集の分野に関し、とくに、DNAによって導かれた粒子凝集の三次元構造化に関する。
DNAベースのナノシステムの動態挙動を制御する能力は、センシング、ナノデバイス凝集化、および遺伝子送達における新興のナノ粒子アプリケーションに求められている。DNAベースの方法論は、DNAキャップされたナノ材料間の調整可能でプログラム可能なハイブリダイゼーションを利用する。このアプローチによって、凝集したナノ粒子の光学的および物理的特性に基づく高感度の検出システムならびにそれらの新規な融解/脱凝集特性に基づく検出の開発が可能になっている。
最近、金属(金、銀、プラチナ)のナノ粒子、半導体(CdSe、CdTe、CdSeZnS)のナノ粒子、磁性(Fe、FePt)のナノ粒子の自己凝集は、2つのクラス、すなわち、有機溶媒に基づくシステムおよび水溶液に基づくシステムに分けられる。夫々のシステムは、その利点および欠点を有する。有機溶媒のシステムにおいて、ナノ粒子は、疎水性リガンド(アルカンチオール単層、ポリマー、多座リガンド)の高密度シェルでカプセル化されている。ナノ粒子のこのクラスの利点は、分野がより成熟していることであり、粒子が非常に安定し、表面でのナノ粒子の層ごとの凝集または溶液中の制御された会合のように多くの凝集ルートが実践されている。このクラスの欠点は、ナノ粒子表面でのアドレス可能な化学剤の欠如、厳しい有機溶媒環境(トルエン、ヘキサンなど)および調整可能な凝集後の構造化の欠如である。
対照的に、水溶液に基づくナノ粒子システムの使用は、成熟したものではなく、それには有機溶媒システムを超える利点があり得る。第一に、溶媒に関する環境の問題に悩まされず、第二に、該システムによって、生物学的に活性または生物学的に模倣された表面カプセル化を備えたナノ粒子の機能化が可能になる。例えば、DNA、タンパク質、脂質および複数の成分の拡張された階層の自己凝集性質の能力は、人の合成能力に類がない。
メタ材料(metamaterials)は、自然に容易には観察されない例外的な特性を示す規則的なナノ合成物のクラスである。光学、磁性および医学分野におけるそれらの適用による利益を得るため、個々のナノ粒子から創出された三次元構造が求められている。リソグラフおよび従来の自己凝集アプローチを含む現在の方法は、制御可能な秩序および粒子−粒子距離を備えた三次元構造を組み上げるそれらの能力によって制限される。
三次元におけるナノ対象物の正確な位置付けおよび規則的な組織化、機能的デバイスおよび新たな磁性、プラズモニック(plasmonic)および光子材料の創出のカギは、ナノサイエンスの挑戦的で活発な開発フロンティアである。種々の自己凝集した秩序相が、幾何学的因子、電荷および双極子の微妙な相互作用および立体的相互反応の結果として、キャップされていないナノ粒子のバイナリー混合物に対して観察された。ナノ粒子凝集を導く生体分子を用いる代替的なアプローチは、粒子間距離および凝集体構造の調整能力によって、有利であるとされる。さらに、生体相互作用のアドレス化能力(addressability)によって、多重構成システムの合理的な創出が許容され、一方で、生体分子の構成の豊富なエネルギー的展望によって、動的な再構成システムの実現可能性が提示される、これらの特性のいくつかは、1次元および2次元にナノ対象物を位置付けるために用いられる設計されたタンパク質およびDNA骨格(scaffolds)を示している。DNA機能化したマイクロおよびナノ対象物の挙動およびそれらの三次元の凝集は、広範囲な光学的、構造的および理論的研究の対象である。しかしながら、アドレス可能な生物学的相互作用を介した長距離三次元(3D)秩序化は、未だ捉えられていない。
概要
これらの核酸機能化システムが、より精巧な検出およびより複雑化の底上げ構造を可能にするため、その凝集動態の調整のためのプロトコールが有益である。加えて、かかる凝集を仕立てる能力ならびに環境的に良性の条件、すなわち水溶液のもと、実験を行う能力は、分野に非常に有益である。
凝集動態を制御することおよび生体相互作用を介して長距離三次元秩序を創出することの望ましさを認めることによって、いわゆる「バイオインスパイア(bio-inspired)」されたメタ材料、すなわち本発明のある態様が、それを生成するための材料および方法を提供する。
ある態様において、本発明は、DNAの部分的に相補的な配列によって機能化され、長距離秩序を有する2つのタイプの粒子の凝集体を提供する。これらの粒子は、ナノオブジェクト、マイクロオブジェクトまたは粒子の他の形態であってもよい。ある態様において、機能化された粒子は、実質的に相互作用せず、2つのタイプの互いに相補的である粒子のDNA配列の結合領域を有するDNAの離れた配列で結合する。ある態様において、粒子は、約1nm〜約100nmの大きさ(dimension)を有するナノ粒子である。ある態様において、粒子は、約0.1μm〜約100μmの大きさを有するマイクロ粒子である。ある態様では、かかる凝集をなすための方法が記載されている。
ある態様において、2つのタイプの粒子は、それらの機能化したDNAを介して相互作用し、凝集体を形成する。ある態様において、3つまたはそれ以上のタイプの粒子が凝集体の部分を形成する。ある態様において、凝集体はアモルファスである。ある態様において、凝集体は、長距離結晶性秩序(long-range crystalline order)を示す。いくつかの例示では、結晶性およびアモルファスの領域の両方を含み得る。
ある態様において、粒子凝集体の特性は、DNA配列の相補的および非相補的セグメントの長さを選択することによって制御される。ある態様において、相補的および非相補的または「中性(neutral)」のDNAの比率は、凝集体のある特性を制御するために特定される。ある態様において、制御される特性は、凝集体の融点、凝集体における粒子間の距離、凝集体の結晶単一性の程度、結晶構造などである。
ある態様によって、夫々のDNA配列の相互に相補的なセグメントに沿って結合し、DNA配列の非相補的な中性のセグメントに沿って結合しない、少なくとも2つのタイプのDNAキャップされた粒子を用いた長距離結晶性秩序を有するメタ材料を製造する方法が提供される。ある態様において、プラズモニック結晶が、粒子をキャップするDNAの相互に相補的なセグメントによる結合領域に沿って結合し、DNAの中性セグメントの領域に沿って結合しない、同一または異なる材料の、2つまたはそれ以上のタイプの粒子を含むメタ材料から形成される。
本明細書に記載の方法によって製造されたメタ材料のある態様によって、結晶の約10体積%未満を占める機能化された粒子を伴う極めて開放的な結晶構造が提供される。ある態様において、これらの開放的な構造は、触媒としてまたは触媒の基質として用いられる。
この文脈において、「中性」は、DNA配列の相互作用しない性質を意味し、電荷の分配を意味しないと理解されるべきである。
要約である前述のことが、図面および後述する詳細な記載を参照してより理解され得る本発明のいくつかの面の詳細な記載に必要であることも理解されるべきである。
図1Aおよび図1Bは、ナノ粒子のDNA媒介凝集の模式図を示す。 図2Aおよび図2Bは、相補一本鎖(ss)DNAキャッピングを伴うナノ粒子のDNA誘導自己凝集を示す概念図である。 図3A、図3Bおよび図3Cは、ハイブリダイゼーションの前後に、相補的および非相補的なssDNAキャッピングの両方を伴うナノ粒子間の凝集を示す概念図である。 図4A、図4B、図4Cおよび図4Dは、異なった時間における凝集体に対する、典型的な紫外線可視分光光度法(UV−Vis)の漸進的変化(evolution)、透過型電子顕微鏡(TEM)、および動的光散乱(DLS)の結果、およびこれらに由来する動態プロットを示す。 図4A、図4B、図4Cおよび図4Dは、異なった時間における凝集体に対する、典型的な紫外線可視分光光度法(UV−Vis)の漸進的変化(evolution)、透過型電子顕微鏡(TEM)、および動的光散乱(DLS)の結果、およびこれらに由来する動態プロットを示す。 図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、85%および95%の中性DNAを含む凝集体の、動態プロフィール、DLS結果、およびTEM写真図を示す。 図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、85%および95%の中性DNAを含む凝集体の、動態プロフィール、DLS結果、およびTEM写真図を示す。 図6は、ナノ粒子間のDNA結合の構造の模式図である。 図7は、Tpmでのアニーリング前およびアニーリング後のシステムに対する小角X線散乱(SAXS)パターンを示す。 図8は、図7に示された散乱パターンに対する抽出された構造因子S(q)を示す。 図9は、SAXS写真図および凝集体融解温度をまたいだ加熱冷却サイクルを介して模式的に示したその構造変化とシステムIVに対して抽出された構造因子S(q)を示す。 図10は、結晶化されたシステムIVの構造決定を示す。 図11は、DNAキャップされた金ナノ粒子のTEM写真図の典型的なセットおよび統計分析を含む。 図12は、結晶形成後のシステムIVから収集された走査型電子顕微鏡(SEM)写真図の典型的なセットを含む。 図13は、結晶形成後のシステムIVから収集されたTEM写真図の典型的なセットを含む。 図14は、プレアニーリングおよび結晶化状態におけるシステムIVの会合体の一連の融解プロフィールを示す。 図15は、図14に対応する一次導関数プロットを示す。 図16は、71℃でのシステムIVに対する散乱強度を示す。 図17は、DNA/金ナノ粒子ハイブリッドシステムにおいて形成された開放的なbcc格子を示す。 図18は、加熱中のsys−L30の模式図および典型的な温度依存二次元(2D)SAXSパターンおよび夫々の抽出された構造因子S(q)を示す。 図19Aは、冷却中のsys−L30の温度依存SASXパターンを示す。 図19Bは、冷却中の温度依存の最近接距離(nearest neighbor distance)を示す。 図19Cは、空気中で乾燥後のsys−L30結晶のSEM写真図である。 図20Aは、ssDNA−AuNPsの典型的なTEM写真図である。 図20Bは、キャップしていないAuNP、ssDNA−AuNP−AおよびssDNA−、AuNP−Bに対するDLS結果を示す。 図21は、加熱中のsys−L70の典型的な温度依存2DSAXSパターンを示す。
詳細な説明
長距離秩序(long-range order)を有する構造へのナノ粒子の自己凝集は、粒子サイズに関する粒子間のポテンシャルおよびその範囲の形態ならびに凝集動態のコントロールによって決まる。ナノ粒子の凝集を媒介するためのDNAの使用によって、これらのパラメータの質的調整が可能になり得る。DNAハイブリダイゼーションの接着エネルギーとDNA鎖の相互作用によって提供される立体反発との間のバランスは、長距離秩序化の形成および秩序相の多様性において役割を担い得る。このアプローチの実験的履行によって、システム凝集の動態およびオフセットを制御する粒子間の浸透圧の広範囲を提供する一本鎖DNA(ssDNA)の能力が示されている。これらの計算と研究にも拘わらず、DNA媒介ナノ粒子凝集における長距離秩序化は未だ観察されていない。
DNAキャップされたナノ粒子のモデルシステムは、ハイブリダイゼーションが誘導する引力(attraction)および浸透圧反発力(osmotic repulsion)を制御するDNA構造とDNA媒介凝集における粒子の内部配置との間の依存性を全体的に調査するために用いられ得る。かかる凝集における構造進化をモニターする簡便な方法は、インサイチュ(in situ)でのシンクロトロン小角X線散乱(SAXS)を用いることである。本発明は、いくつかの面において、十分に定義された三次元(3D)結晶性粒子組織体の形成に必要なDNA設計および熱力学的経路を同定する。ある態様において、かかる構造は形成される。
図1〜5から分かるように、DNAの特性および組成は、自己凝集動態ならびに最終的に凝集した会合体サイズおよびナノ粒子の形態を最終的に制御するために用いられ得る。本発明の1つの態様において、キャップするDNAのスペーサ配列は、会合を促進する相補配列をナノ粒子の界面から離して拡張(extend)するために、その相補配列とのハイブリダイゼーションを介して「剛性(rigid)」にされる。本発明のこの態様において、スペーサ配列は、キャップするDNAの粒子結合の末端の近くに位置付けられる。スペーサ配列は、その相補体とハイブリダイズする場合、キャップするDNAの会合促進配列は、もはやナノ粒子表面との相互作用がなく、よってハイブリダイゼーションおよび会合動態を促進する。
この態様の他の面は、スペーサ配列の剛性化を利用して会合したナノ粒子の粒子間距離を制御することに関する。スペーサ配列およびその相補体の長さを変えることによって、会合体中の粒子間距離を制御することができる。
本発明の他の態様において、中性の非相補的なDNAは、キャッピング混合物に含まれている。会合促進相補DNAに関連する中性の非相補的なDNAの量を変化させることによって、会合体のサイズおよびナノ粒子あたりの可能な結合数を制御することができる。この態様において、剛性化したスペーサ配列の使用によって、会合動態のさらなる促進が提供される。
図1Aおよび図1Bは、従来のナノ粒子のDNA媒介凝集の模式図を示す。図1Aにおいて、ナノ粒子A(2)およびナノ粒子B(4)のDNA配列は、互いに相補的であり、混合すると粒子は自己凝集する。図1Bにおいて、ナノ粒子C(6)およびナノ粒子D(8)のDNAは互いに相補的ではないが、クロスリンカー鎖(13)の離れた部分と夫々相補的であり、これが自己凝集を誘導する。スキーム1(図1A)において、ナノ粒子のセットは、相補的な一本鎖DNAで機能化されている。2つの粒子を一緒に混合すると、DNA間にハイブリダイゼーションが起き、終局的に大きなスケールの会合が起きる。図1Bのスキーム2において、ナノ粒子のセットは、最初に非相補的なセットのDNAで機能化されている。しかしながら、一本鎖片のDNA(13)(それらの部分はDNAの夫々に相補的である)を追加すると、クロスリンキングが起き、凝集が起きる。スキーム2に示した戦略は、生体診断においてその有用性によって、より一般的に用いられるルートである。これらのケースにおいて、クロスリンカー鎖(13)は、濃度が分からないまたは配列の分からない標的鎖である。DNAで機能化されたナノ粒子の追加によって、クロスリンカーによって誘導された任意の会合が、その検出をもたらす。検出は、溶液に溶解した場合、ワインレッドであり、凝集した場合、より濃い赤または紫である金ナノ粒子自体の光学的特性に基づいている。
図1Aにおいて、粒子A(2)およびB(4)は、相補的な認識配列(3)および非相補的なスペーサ領域(5)を有する。これらの配列は、両方の粒子上で同じである必要はなく、異なる塩基配列の領域を含んでいてもよく、異なる長さであってもよい。それらはハイブリダイズして、スペーサ(14)および相互に相補的な認識配列の結合によって提供される、リンカー(12)によって形成された結合領域(10)でハイブリッドを形成する。さらなるインキュベーションによって、結合したナノ粒子(NP)は会合体(16)を形成し得る。図1Bは、2つの粒子、C(6)およびD(8)が相互に相補的ではない状況を示す。先と同様、それらは認識配列(7)およびスペーサ配列(9)を有する。これらの配列は、両方の粒子上で同じである必要はなく、異なる塩基配列の領域を含んでいてもよく、異なる長さであってもよい。この状況において、リンカー(13)は、結合領域(11)に沿って2つの粒子を結合することが求められる。ハイブリダイゼーションにおいて、リンカーは、スペーサ(15)によってキャップされていないNPから遠ざけられる結合領域(11)に沿って粒子に結合する。再度、結合したNPは、会合(18)を形成し得る。
DNA誘導される自己凝集を用いることの第二の新規な特性は、用いられるDNAの配列、ナノ粒子間の結合数および局所の塩環境に依存する温度で融解するDNA結合の傾向である。これは、さらなる生体診断アプローチが、凝集融解温度だけでなく、ナノ粒子凝集を簡単に脱凝集する能力に基づいて開発されることを可能にする。この脱凝集は、これらのシステムの顕著な特性であり、類似の現象は、他のシステムにおいては見られない。ナノ粒子のDNA誘導される自己凝集を用いることの第三の利点は、複合体および拡張した構造を形成する、DNAのユニークな特性である。DNA骨格化(DNA-scaffolding)として知られるこの分野において、DNAアドレス化能力およびプログラム化能力が、拡張した幾何学的および形態学的な形成を有効にする。
ナノ粒子を自己凝集するためのDNAの使用におけるこれらの進展にも拘わらず、まだ多くの制限と技術的ハードルが存在する。これらのいくつかの制限には、ナノ粒子のインターフェースに対するDNAの凝集阻害配位(assembly-interfering coordination)が含まれる。ナノ粒子表面は反応性が高く、一般的に正に荷電しているので、DNAは表面に強く吸着する。このことによって、DNA配列がハイブリダイゼーションに向けられなくなり、不十分なナノ粒子凝集動態となる。これは、低いDNA被覆を用いるシステムに対してとくに当てはまる。本発明の1つの面は、この問題に、凝集を促進する相補DNA配列をナノ粒子表面から離して拡張すること(extension)を通じて対処する。
自己凝集は、確かにDNAハイブリダイゼーションによって誘導される一方で、凝集動態および会合サイズを制御することおよび最適化することの困難さは、まだ適用を制限している。したがって、凝集動態を増大させる能力は、生体診断に対するより短い検出時間を導くことができ、サイズ排除に基づいた広範囲の精製ステップなしに会合形態を制御する能力は、会合形態および空間の特性(粒子間の距離)ならびに会合融解特性の制御を助ける。したがって、本発明の他の面は、会合形態の促進された動態制御のシステムを提供する。
粒子の多様なタイプ(金属、半導体、磁性、誘電性およびそれらの組み合わせ)および形態(球形、棒状、20面体、平面状、チューブ状など)は、3D秩序構造の部分を形成することができ、その凝集のプロセスにおいて用いることができる。ここで用いたように、特段の断りがない限り、「粒子」は、マイクロオブジェクト(マイクロスフェア、マイクロロッドなどを含む)およびナノオブジェクト(フラーレン、量子ドット、ナノロッド、ナノチューブなど)を含むと解釈すべきである。種々の長さのDNAは、金属−DNA結合(チオール−またはアミン−末端化DNAの修飾していないAu、AgまたはPtナノ粒子と化学吸着を介して、など)、有機クロスリンキング(アミン−、チオール−、カルボン酸−などで機能化したDNAと、カルボン酸、アミン、チオール、ケトン、アルデヒドなどで表面機能化した粒子との間の化学的カップリングを介して)、バイオアフィニティー(生体機能化されたDNAと生物学的に修飾した粒子との間の、タンパク質−タンパク質、DNA−タンパク質、DNA−DNAなどの特異的生物学的相互作用を介して)などを含む多数の機能化ルートを介してこれらの粒子に付着させることができる。
さらに、マイクロおよびナノオブジェクトの核酸機能化は、DNA機能化に限定する必要はない。リボ核酸(RNA)はDNAよりむしろ、または共に、用いることができ、そのユニークな特性の利点を得る。同様に、ペプチド核酸(PNA)は、DNAよりもより安定的であり得、DNA機能化粒子に苛酷過ぎる環境における使用を見出し得る。
ここで、DNAで導かれる粒子凝集およびそれらを作成する方法のいくつかの具体例を以下に続ける。例は、例示するのみで何ら限定するものではないことを理解すべきである。例えば、用いたDNA配列は、列挙されたものである必要はなく、所望の長さの相補体および非相互作用セグメントを伴う任意のDNA配列が用いられ得る。さらに、A鎖およびB鎖の両方とも、全体に非相互作用であってもよく、離れた結合配列によってハイブリダイズし、連結し得る。スペーサおよびリンカー領域の長さおよび/または長さの割合は、記載されたものから変更してもよい。粒子材料の選択およびサイズは、得られたメタ材料の提案された適用に依存する。粒子AおよびBは、とくに異なった材料、例えば、金および銀であってよく、材料のタイプ、例えば、金およびセレン化カドニウムであってさえもよい。3つまたはそれ以上の粒子タイプを凝集することができ、例えば、金−銀−プラチナまたは鉄−炭素−クロム−バナジウムであってよい。
例1:凝集動態の調整可能性
ナノ粒子合成:
金ナノ粒子(Au、9.6±0.6nm)を、わずかに改変したクエン酸塩(Cit)の還元法によって合成した。簡単には、熟成した1mM HAuClを、30分間、約95℃まで加熱した。この溶液に対し、温めた38mMクエン酸三ナトリウム溶液(10ml)を1アリコート加えた。最初の色が赤に変化したら、次いで溶液をすぐに約80℃まで冷却し、2時間アニールした。次いでサンプルを、一晩攪拌しながら室温まで自然放冷した。次いで溶液を遠心分離(30分間、7,000RPM)で精製し、光から保護して所望の濃度で貯蔵した。典型的な実験において、Au粒子のサイズは、沸騰時間が長くなるにつれて増大した。Au濃度は、測定した吸光係数の1.0×10L mole−1cm−1を介して算出した。
DNAナノ粒子の修飾:
チオール機能化一本鎖オリゴヌクレオチドのタイプ1(1 = 5'- TAC TTC CAA TCC AAT-(T)15-C3H6-SH-3')およびタイプ2(2 = 5'- ATT GGA TTG GAA GTA-(T)15-C3H6-SH-3')を、ジスルフィドとしてIDT, Inc.から購入した。典型的な実験において、サンプルは、最初に、凍結溶解したサンプル(200〜300ナノモル)を、30分間、精製水またはバッファー中、0.3mlの100mMジチオールスレイトール(DTT)溶液に溶解することによって還元した。次いで、サンプルを新たに調製した架橋されたデキストランゲル(Sephadex(登録商標))カラムにロードし、2.5mlの10mMリン酸バッファー(pH7.0)で溶出した。オリゴヌクレオチド濃度は、特定の吸光係数でUV−Vis分析を用いて定量した。タイプ1およびタイプ2のssDNAに対する3’−チオール修飾は、モデル研究として選択したが、5’−チオール修飾もまた用いることができる。5’−チオール修飾(HSC12−ssDNA)リンカー配列によって、3’−チオール修飾(HSC−ssDNA)と比較した場合、ゲル電気泳動測定を用いて、金ナノ粒子の表面密度を増大させ得ることが最近明らかになった。15塩基(15b)ポリdTスペーサは、サンプルの安定性および被覆(coverage)を改善するため、金インターフェースに対する低い配位が知られているため選択した。
次いで、高いDNA被覆の方法に続いて、合成したAu粒子をオリゴヌクレオチド1または2で機能化した。典型的な実験において、50〜300μMオリゴヌクレオチド溶液のアリコート(1〜50μl)をCit−Auの精製水溶液([Cit−Au]=10〜30nM)に加えた。オリゴヌクレオチド/Auの比率は、Auの被覆を制御するために操作した。本実験において、該比率は、300:1を維持した。オリゴヌクレオチド+Au溶液を、10mMリン酸バッファー(pH7.1)に入れる前に、少なくとも12時間、非緩衝液でインキュベートし、さらに室温で約4時間、アニーリングした。次いで、塩濃度は、最初、約6時間で0.1M NaCl、最終的にさらに12時間で0.3M NaClに増大させた。オリゴヌクレオチド修飾Au(1−Au、2−Au)は、これらの高い塩濃度で、長期に安定的であった。溶液を30分間、7,000RPMでの遠心分離によって、過剰のDNAを精製した。上清を集め、過剰のDNAを測定し、濃縮された粒子を0.3M PBSに再分散させた。この洗浄プロセスは、典型的には、少なくとも3回繰り返した。このフィード割合で夫々のAuと結合したタイプ1またはタイプ2オリゴヌクレオチドの数(n)は、蛍光およびUV−Vis分析により、約50(約26.4pmol/cm)と算出された。
サンプル調製:
本研究において、1−Auおよび2−Auの間の凝集(図2Aのsys−VII)は、攪拌しながら、等体積(200μl)の1−Auおよび2−Auを等濃度([Au]=4.5〜7.5nM)で組み合わせることによって行った。sys−VIII(図2B)において、1−Auおよび2−Au前駆体の同一のスペーサセグメントを、0.3M PBSにモル比500:1で、15塩基オリゴ−dAによって最初にハイブリダイズした。この比率は、nがナノ粒子あたり約50の場合、表面結合1または2のおよそ10倍過剰であることを考慮している。サンプルを一晩インキュベートし、dsDNAスペーサセグメントを形成し、1−Auおよび2−Auを得て、上記のように複数の遠心分離とバッファーでの洗浄によって、過剰なオリゴ−dAを精製した。どのぐらいの量の利用可能なオリゴ−dTスペーサ配列が、この過剰濃度のオリゴ−dAによってハイブリダイズするかは、現在、決定されていない。最近の熱力学的調査によって、ナノ粒子表面での不飽和のハイブリダイゼーションが一般的であることが示されている。しかしながら、動的光散乱(DLS)測定が理想的なモデルに近接したDNAキャッピングの厚さの値を明らかにするので、おそらくスペーサ配列の多くの割合でハイブリダイズしている。比較目的のため、sys−VIIIの凝集は、常に、通常の実験室での誤差パラメータ内で、同一のAuサイズ、DNA被覆、溶液条件および濃度で行った。
この例は、表面結合DNAのコンフォメーション(conformation)を仕立てることによって達成される凝集動態の調整可能性を示すためのものである。用いたモデルシステムは、図2Aおよび図2Bにおいて示されるように、一本鎖(ss)または部分剛性二本鎖(ds)スペーサ配列で相補的にキャップされた金ナノ粒子(Au、9.6±0.6nm)であった。Auは、DNA1(1 = 5'- TAC TTC CAA TCC AAT-(T)15-C3H6-SH-3')またはDNA2(2 = 5'- ATT GGA TTG GAA GTA-(T)15-C3H6-SH-3')の約50の一本鎖でキャップし、夫々、1−Au(20)および2−Au(22)を形成した。第一の凝集システム(sys−VII)において、ssDNAキャッピングだけを用いた(すなわち、1−Au+2−Au)。システム2(sys−VIII)において、同じタイプの粒子、1−Auおよび2−Auを、最初に、そのオリゴ−dTスペーサセグメント((T)15)で15塩基オリゴ−dA鎖とハイブリダイズし、部分的にdsDNAキャッピングの1−Au(24)および2−Au(26)を形成した。このハイブリダイゼーションによって、コイルされたssDNAから部分的に剛性のdsDNAへのコンフォメーション変化がもたらされ、これが粒子インターフェイスから離れてDNA(1および2)の会合促進相補配列の拡張がもたらされ、Auインターフェイスに対するコイル化の凝集阻害効果および配位を克服するのに寄与する。sys−VIIおよびsys−VIIIで形成された会合体(28、30)は夫々、異なるサイズまたは同じサイズであり得る。粒子1−Auおよび2−Auは、ssDNAで機能化しただけである。結合DNA(32)は、相互にハイブリダイズし、一方、中性DNA(36)はハイブリダイゼーションに関与しない。粒子1−Au(24)および2−Au(26)は、ハイブリダイゼーションに寄与しない中性(凝集プロセスにおいてハイブリダイズすることができない非相補的DNA鎖)のssDNA(38)および部分的にハイブリダイズした部分的に剛性のDNA(40)の両方で機能化されている。部分的に剛性の機能化DNA(40)は、キャップされていないナノオブジェクト表面からの結合領域から離れており、ssDNAに対するよりも、より大きな粒子間距離をもたらす。
sys−VIIおよびsys−VIIIにおける凝集によって、数千の個別のAuNPを含む大きな会合体の成長がなされる。これらの会合体の融解特性を特徴付けし、sys−VIIおよびsys−VIIIの夫々に対し、融解温度(Tm)が約59℃および約61℃であることが明らかになった。これらの結果は、AuNP間のDNA結合の証拠を提供し、sys−VIIおよびsys−VIIIの間の局所的な差異を示唆している。
これらを調査するために、本発明者らは、紫外線可視分光光度法(UV−Vis)でインサイチュでの自己凝集プロセスをモニターした。UV−Visは、Auおよび凝集したAuナノ構造に関連し、多くの比色検出法の基礎となっている表面プラズモン(SP)共鳴バンドを探査する。図4は、事実上同一の条件および濃度での凝集の間測定された、sys−VII(A)およびsys−VIII(B)のUV−Visデータのセットを示す。凝集は、バンドを拡げること(525〜900nm)を伴うSPバンド位置の赤方偏移および時間とともに減少する吸光によって、UV−Visにおいて明らかになる。
図4A、4B、4Cおよび4Dは、異なる回の凝集体からの、典型的なUV−Vis、TEMおよびDLSの結果の発展およびそれらに由来する動態プロットを示す。sys−VII(図4A)およびsys−VIII(図4B)における凝集に対する代表的なUV−VisおよびTEMの結果は、10分(a)、60分(b)、180分(c)、350分(d)および485分(e)で測定した。図4Aの会合体(56)は、図4Bの会合体(58)よりも全ての時間のステップにおいて同様にみられた。ここで用いた特定の溶液は、0.3M NaCl、10mMリン酸バッファー、pH7.0(以下、0.3M PBS)において、[1−Au]=[2−Au]=4.6nM、[1−Au]=[2−Au]=4.6nMであった。Avrami近似(Avrami fitting)で525nmでのUV−Visによってモニターしたsys−VII(I)およびsys−VIII(II)の動態プロットは、図4Cに示す。キャップしていないAu、1−Auおよび1−AuのDLS結果を図4Dに表す。
最近、DNA媒介凝集の光学特性の電気力学的シミュレーションは、図4Aおよび4Bに似た変化を示す、成長する会合、時間とともに増加する吸光、および会合が数百の個々のAuを含む要件において、Auのスクリーニングからの吸光スペクトルへの大きな貢献を明らかにする。実験システムにおいて、会合はまた、長い凝集時間の沈降に続く。sys−VII(図4A)において、凝集の最初の1時間は、SPバンドの変化がほとんど観察できないことが分かる(a〜b)。約8時間にわたり、表面プラズモン共鳴バンド(SPバンド)は、顕著な吸光減少を伴い、525nmから533nmの波長で赤方偏移している(c〜e)。sys−VIIのこれらの変化は、1−Auおよび2−Auの間の比較的非効率なハイブリダイゼーションおよびゆっくりとした会合の成長の結果である。
これに対し、図4Bは、sys−VIIIの増大されたUV−Visの進行を示し、sys−VIIとの2つの主要な差異を示す。第一に、即時の約535nmへの赤方偏移(a)に続き、1時間後の継続的な赤方偏移と拡がりがある(b)。第二に、長い反応時間での吸光の減少が、より高い割合で進行する(c〜e)。これらの光学的変化は、凝集動態がより速いことおよび会合サイズがsys−VIIよりsys−VIIIにおいてより大きいことの両方が示唆される。
会合サイズおよび形態を調査するため、対応するUV−Visスペクトルからのサンプルの透過型電子顕微鏡(TEM)の結果もまた図4Aおよび4Bに示す。凝集の間の会合サイズ増大の傾向が、与えた凝集時間に対し、より大きな形態を示すsys−VIIIの会合で、明確に観察される。これらの会合体のそれらの変性バッファー環境における構造の詳細を探査するため、本発明者らは、シンクロトロン放射を伴うインサイチュでの小角X線散乱(SAXS)を利用した。SAXSの結果は、50℃でのアニーリングの後、11〜12nmの凝集した会合体の粒子間距離を明らかにし、sys−VIIIが一貫して、sys−VIIに対し、0.5〜1.0nmのより大きな粒子間距離を示した。
sys−VIIおよびsys−VIIIにおける凝集プロセスをさらに評価するため、続く、525nmでのSPバンドで動態をモニターした(図4C)。動態プロットは、吸光度において緩やかな減衰を描き、それはsys−VIIIでより顕著である。さらなる波長での動態プロフィールは、同様の傾向を示す。これらの動態プロフィールを質的に対照させるため、本発明者らは、核形成と成長のAvrmiの法則を用いて、それらについて記載した。525nmのSPバンドが主として個々の粒子および比較的小さな会合体(数百のAuNP)に起因することを仮定すると、
Abs=Absexp(−((t−t)/τ)
(式中、tは、凝集時間であり、tは、反応開始時間であり、τは、反応速度および会合体形状に依存する特定時間であり、nは、会合体の成長の物理的メカニズムに依存するAvrami指数である)のようにパラメータ化することができる。上記のとおり、この記載が、吸光に影響する種々の因子を分離しない一方、観察された効果の合理的な記載を提供する。図4Cにおける動態プロットをフィッティングすることによって、本発明者らは、sys−VIIおよびsys−VIIIの夫々に対し、τが568分および328分、nが2.2および2.4であることを決定した。sys−VIIIのτの減少は、増大した凝集速度を示し、その一方で、nの大きさは一定でない反応速度を示唆し、これは成長した会合体の拡散の制限された成長および合体に起因することが可能である。τの大きさは、Au濃度並びにDNA表面密度に影響されるが、しかしながら、sys−VIII>sys−VIIのような動態の傾向は、常に観察された。ssDNAおよびdsDNAキャッピングの等量の混合物を用いた場合、中間体のτが492分であることが観察されることが着目されて興味深い。
観察された動態の増大(約2倍)は、DNAキャッピングの加えられた剛性に起因するかもしれず、それは会合を促進する相補配列をAuインターフェイスから離れて拡張する。この効果をモデル化するため、DNAキャッピングの厚さ(T)を、各システムにおける粒子に対し概算した(図2)。sys−VIIにおけるナノ粒子のT(T)は、
=T 、約6nm
(式中、T は、ミミズ鎖モデル(worm-like chain model)として記載される30塩基ランダムコイルオリゴヌクレオチドの両端間距離(end-to-end distance)である)としてモデル化した。sys−VIIIにおけるナノ粒子のT(T)は、
=T +T 、約9nm
(式中、T は、剛性dsDNA15塩基対スペーサセグメントの長さであり、T は、残りの15塩基オリゴヌクレオチドの両端間距離である)としてモデル化した。この近似から、本発明者らは、sys−VIII対sys−VIIにおいて、単離されたナノ粒子に対し、約3nmのTの増大を期待することができる。
Tにおける実際の変化を測定するためにDLSを利用した。図4Dは、単離したキャップされていないAu、1−Auおよび1−AuのDLSの結果を示し、これにより流体力学直径の値(D)が、夫々、約10.1、約21.0および約28.1nmであることが明らかになった。これらの値は、夫々、sys−VIIおよびsys−VIIIについて、Tが約5.5nmおよび約9.0nmに対応する。単離したナノ粒子のTにおけるこの約3.5nmの増大は、概算した差異に接近しており、凝集した会合体のsys−VIIIにおける増大した粒子間距離を示すSAXSの結果が得られ、ハイブリダイズした配列をインターフェイスから拡張することによって、より好ましい凝集条件の原因になるとの結論を補強する。
DNAキャッピング構造の剛性の増大によって、ナノ粒子のインターフェイスから離れた会合促進相補配列の拡張を可能にし、増大した凝集動態を容易にし、凝集した会合体の粒子間距離の増大の手段を提供する。このアプローチによって、より複雑化したDNAキャップされたシステムを一般化することができ、これにより、設計によるナノ構築における潜在的な用途を有し得る。
計算:
ナノ粒子インターフェイスでのDNAキャッピングの厚さ(T)を概算するため、本発明者らは、DNAの平均二乗両端間距離(mean square end-to-end distances)(<R>)を概算した。ssDNAキャッピングの場合、厚さ(T)は、T=T 、約6nmと概算され、ここで、T は、
Figure 2010505419
の(<R>)0.5で概算され、式中、Pは持続長(persistence length)(約1nm)であり、LはssDNAの場合(sys−VII)の輪郭長(contour length)(約0.65nm/塩基)である。dsDNAキャッピングの場合(sys−VIII)、T=T +T 、約9nmであり、T は、15塩基対二重らせん(0.34nm/塩基)の概算される長さであり、付加的な15塩基T は、前記のとおり計算した。これらの理想化された概算において、これらの効果の固有の量的インプリメンテーションが、該システムにむしろ困難であることから、鎖−鎖、鎖−表面の相互作用は考慮しなかった。しかしながら、かかる相互作用は、単にDNAキャッピングの厚さの絶対値を変化させるだけで、TがTよりも長いという全体的な結論に影響することはない。Auインターフェイスから離れたリンカーセグメントの物理的拡張のほか、金表面の減少した配位など、かかる変化は、DNAキャッピングにおける多数の空虚な空間を開放することができ、これによりハイブリダイゼーションを促進し得る。
動態モデル:
研究したシステムの間の凝集動態における差異の定量は、核形成の成長に対するAvramiの法則を用いた動態プロットによって記述し得る。この記述において、DNA機能化ナノ粒子の会合体の等方的成長は、体積フラクション
χ=1−exp(−((t−t)/τ)
(式中、tは、時間であり、tは、反応開始時間であり、τは、反応速度および会合体形状に依存する特定時間であり、nは、会合体の成長の物理的メカニズムに依存するAvrami指数である)を備えた新たな変換相の形成が導かれる等温反応である。したがって、525nmでの吸光が、主として個々の粒子および比較的小さな粒子クラスタ(数百個未満のAu粒子)に起因することができ、吸光度Aおよび粒子もしくは小さなクラスタの定数Cとの間の比例、すなわち動的プロットは、
A=Aexp(−((t−t)/τ)
(式中、Aは、Cと直接関連する)
として、パラメータ化することができる。このパラメータ化が、吸光に影響を与える種々の因子を分けない一方、前記のとおり、観察された結果の合理的な記述を提供する。
器械類:
この例における測定は、次の器械類を用いて行った。この詳細は、任意の特別な製造者への注意書きのためより、具体的な例を用いることによって提示された明瞭さのために提供され、同様の能力の任意の器械類が用いられ得る。
紫外線可視分光光度法(UV−Vis):
UV−Visスペクトルは、Perkin-Elmer Lambda 35 spectrometer(200〜900nm)で収集した。融解分析は、Perkin-Elmer PTP-I Peltier Temperature Programmerとともに行い、攪拌しながら、20℃〜75℃の間を1℃/分の温度傾斜で行った。
透過型電子顕微鏡(TEM):
TEM写真図は、120kVで操作したJEOL-1300顕微鏡で収集した。サンプルは、炭素被覆した銅グリッドの上へ、ナノ粒子または凝集の水溶液を滴下し、続いて、5分後にろ紙で過剰な溶液をゆっくりと除去して調製した。
高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM):
HRTEM写真図は、ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory Center)の機能性ナノマテリアル電子顕微鏡施設(Functional Nanomaterials Electron Microscopy Facility)で、400kVで操作されたJEOL-4000 EX顕微鏡で収集した。サンプルは、炭素被覆した銅グリッドの上へ、水溶液を滴下し、続いて、5分後にろ紙で過剰な溶液をゆっくりと除去して調製した。
動的光散乱(DLS):
DLSの結果は、Malvern Zetasizer ZS装置を用いて測定した。該装置は、633nmレーザー源および173°での後方散乱検出器を装備している。データは、CONTIN法を用いて分析した。
小角X線散乱(SAXS):
インサイチュでのSAXS実験は、National Synchrotron Light Source (NSLS) X-22Bビームラインで行った。散乱データは、CCD領域検出器で収集し、散乱のIDプロファイルは、強度対散乱ベクトル
q=[(4πn/λ)/sin(θ/2)]
(式中、夫々、nは、媒体の屈折率であり、λは、投射したX線の波長であり、θは、散乱角である)で表した。粒子間の空間dは、
d=2π/q
で計算した。qの値は、ベヘン酸銀(q=0.1076Å−1)に対して較正した。SAXSの結果は、DNA媒介凝集に対して収集した。十分な沈殿および0.3MのPBSバッファー液に分散した後のサンプルを、次いで50℃でアニーリングし、熱力学的に安定した会合体を得た。サンプルは温度制御下のホルダーにおいて石英のキャピラリの中に含めた。
粒子間距離およびナノ粒子の間の結合数を制御する能力もまた、現在制限されている。これらの特徴の制御は、ナノ粒子凝集体をベースとした新規な材料の光学的および電子的特性を規定する。本発明の他の面は、粒子間の空間を制御するためのシステムおよび各ナノ粒子の結合数を変化させる方法を提供する。
表面に対する一本鎖DNAの配位の問題を克服するため、本発明者らは、凝集において直接関与しない表面結合DNAの二本鎖DNA領域を用いた。このことは、会合促進相補DNA配列をナノ粒子のインターフェイスから離して拡張し、したがって、DNAハイブリダイゼーションのアクセス可能性を増大させる(図2Bのスキーム2)。図2Aおよび2Bは、ナノ粒子のDNA誘導自己凝集の概念図を示す。図2A(sys−VII)は、相補一本鎖(ss)DNAキャッピングを備えたナノ粒子のDNA誘導自己凝集の概念図を示す。図2Bに示すsys−VIIIは、DNA鎖のスペーサ配列のハイブリダイゼーションの後、同じタイプのssDNAキャップされたナノ粒子を示し、これは会合促進相補DNA配列をナノ粒子のインターフェイスから離して拡張する。
凝集動態および会合サイズをよりよく制御するため、相補DNA鎖(ハイブリダイゼーションをベースとした粒子間の凝集プロセスを駆動するのに相補DNAを用いる)および中性DNA鎖の組合せを用いて、粒子間の親和性を微調整することができる。加えて、これらDNA分子のスペーサ領域は、二本鎖にされ、DNAをナノ粒子の表面から離して拡張し、凝集プロセスの部分としてハイブリダイズするDNAを、よりアクセス可能にする。同様の理由から、本発明者らは、中性DNAにおける二本鎖スペーサ配列の使用も示す(スキーム3、図3)。二本鎖スペーサ配列およびハイブリダイゼーションにより駆動された凝集のための一本鎖領域の使用によっても、粒子間距離のよりよい制御を許容する。
図3A、3Bおよび3Cは、ハイブリダイゼーションの前後に、相補的および非相補的なssDNAキャッピングの両方を伴うナノ粒子間の凝集を示す概念図を示す。相補的および非相補的なssDNAキャッピング(A:CおよびA’:C)の両方を伴うナノ粒子間の凝集に対する概念図を図3Aに示し、ここで、A(44)およびA’(46)は相補的な会合促進配列であり、C(52)は、「中性」の関係のない(非相補的な)配列を示す。相補および中性キャッピング配列の間の割合は、このシステムにおいて制御することができる。図3Bは、会合促進相補鎖のスペーサ配列を選択的にハイブリダイズして剛性セグメント(A:CおよびA’:Cで示す)を形成した後の事実上同一である凝集システムを示し、ここでA(48)およびA’(50)は部分的に剛性である。相補および中性鎖のスペーサ配列をハイブリダイズした後の同様のナノ粒子システム(A:CおよびA’:Cで示す)を図3Cに示し、ここでC(54)は部分的に剛性である。
例2:凝集動態の増強
凝集動態は、ナノ粒子が1つ以上のタイプのssDNAで機能化された場合、より劇的に増強された。図3は、相補タイプ1(A、A’、AおよびA’)のssDNAと、中性、ハイブリダイズしない鎖のタイプ3(CおよびC)(3=5'- TTC TCT ACA CTG TCT-(T)15-C3H6-SH-3')の両方を有するシステムの模式図を示す。タイプ1(またはタイプ2)およびタイプ3の間の割合は、機能化方法を介して制御することができる。
図5Aは、約75%の非相補的中性タイプ3(C)ssDNAおよび25%の相補鎖(A、A’)タイプ1およびタイプ2からなるシステムに対する動態プロットのセットを示す。タイプ3のssDNAの存在により、凝集は非常にゆっくりしていた(丸)。しかしながら、会合促進相補タイプ1(A)およびタイプ2(A’)のssDNAのスペーサ配列が選択的ハイブリダイゼーションすると、凝集動態は劇的に増大する(三角)。図5Bは、DLSで測定した事実上同一のシステムを示し、ここで、スペーサ配列を剛性化するためのオリゴ−dAの付加により、凝集された会合サイズにおける劇的な変化が示されている。同様の結果が、0〜95%のタイプ3の非相補中性ssDNAを有するシステムから得られた。この方法はまた、凝集した会合サイズの制御も可能にする。図5Cは、95%の非相補中性DNAを含むシステムの最終的な凝集サイズを示す。各会合体(60)は、数個(1〜4個)のナノ粒子だけを含んでいる。図5Dは、85%の中性DNAを含む同様のシステムのTEM写真図を示し、各会合体(62)が約5〜15個のナノ粒子を含むことが分かる。
図5A、5B、5Cおよび5Dは、85%および95%の中性DNAを含有する凝集体の動態プロフィール、DLS結果およびTEM写真図を示す。図5Aは、UV−Visによって測定した動態プロフィールを示し、オリゴ−dAの付加の後の劇的に増大した凝集を示している(三角)。図5Bにおいて、事実上同一のサンプルのDLSの結果が、オリゴ−dAを付加すると、会合サイズが劇的に増大することを示す(三角)。図5Cは、95%の非相補的DNAを有するシステムの凝集のTEM写真図を示す。85%の非相補的DNAを有するシステムの凝集のTEM写真図(図5D)は、図5Cのものと比較することができ、中性DNAのより少ないフラクションの増大した会合サイズを再度示している。
これらの結果は、DNAが非常に自由度が高いので、また、ssDNAの種々の領域が選択的にハイブリダイズされ得るので、このタイプのシステムが、非常に正確で予測可能なナノ粒子の自己凝集の将来的な開発にとって理想的な候補であることを示す。本発明の技術の利点は、DNAキャッピングの簡単な部分的なハイブリダイゼーションが、増大した凝集動態を可能にすることのデモンストレーションである。加えて、中性、非相補的DNAの使用によって、会合サイズおよびナノ粒子間の結合数を制御するために用いることができる。
例3:結晶性金ナノ粒子凝集体
ナノ粒子合成およびDNA機能化:
金ナノ粒子(Au、11.4±1.0nm)を、最初、mMのHAuCl溶液を約95℃で30分間加熱することによって合成した。この溶液に対し、温めた(約40℃)38mMクエン酸三ナトリウム溶液の10mlのアリコートを加え、数分間反応させた。最初の色が赤に変わると、溶液を直ぐに約80℃に冷却し、2時間アニールした。サンプルを室温に放冷し、一晩放置した。次いで、溶液を、遠心分離(30分、4,500g)によって精製し、所望の濃度で暗所に貯蔵した。
チオールまたはアミンに修飾された一本鎖オリゴヌクレオチドをジスルフィドとして購入した(Integrated DNA Technologies Inc., Coralville, IA, U.S.A; Primesyn Lab Inc., Hillsborough, NJ, U.S.A)(表1)。ナノ粒子の機能化の前に、オリゴヌクレオチドを最初に、凍結溶解したサンプル(100〜300ナノモル)を、30分間、精製水またはバッファー中、0.3mlの100mMジチオールスレイトール(DTT)溶液に溶解することによって還元した。還元したDNAを新たに精製した架橋したデキストランゲルカラム(G-25、Amersham Bioscience)にロードし、2.5mlの10mMリン酸バッファー(pH=7.0)で溶出した。DNAを、特定のDNA吸光係数でUV−Vis分析を用いて定量した。
合成したAuNPは、次いで、長さ30〜200塩基のDNAで機能化した。典型的な実験において、精製したDNA 50〜300μM溶液のアリコート(1〜50μl)を、1mlのAuの溶液([Au]=10〜30nM)に添加した。ssDNA+Au溶液は、濃度を10mM(pH=7.1)にするためのリン酸バッファーの添加の前に、少なくとも3時間、室温で、非緩衝液においてインキュベートした。溶液を、NaCl(0.025M)の添加の前に、4時間、25℃でアニールした。次いで、塩濃度は、24時間にわたり、0.025から0.3M NaClに徐々に増大し、次いで、さらに24時間、0.3Mで放置した。過剰なDNAは、次に、30分間、4,500gでの遠心分離によって、溶液から除去した。この精製プロセスを3回繰り返した。蛍光およびUV−Vis分析は、各粒子に結合しているssDNAの総数(n)が約60(±5)(約31.7pmol/cm)であることを示していた。
SAXSサンプル調製:
DNA媒介で凝集した会合体からなるサンプルを、以下の文献に記載の方法で調製した。各システムにおいて、凝集は、10mMリン酸バッファー、0.2M NaCl、pH=7.1の200μLの溶液中、タイプAおよびタイプBのDNAキャップされたAuの等モル量([A]=[B]=約30nM)の組合せによって、25℃で行った。会合体は、一晩凝集させ、得られた沈殿を集め、バッファー中、およそ1.0mmの直径の石英キャピラリーに移した。キャピラリーは、ワックスでシールし、蒸散を防いだ。
小角X線散乱(SAXS):
SAXS実験は、インサイチュで、National Synchrotron Light Source(NSLS)のX-21ビームラインで行った。散乱データは、MAR CCD領域検出器で収集し、一次元(1D)散乱強度対散乱ベクトル
q=(4π/λ)sin(θ/2)
(式中、λ=1.5498Åは投射したX線の波長であり、θは散乱角である)
を測定した。データは、構造因子S(q)対qで示される。qの値は、ベヘン酸銀(q=0.1076A−1)標品で較正した。S(q)は、I(q)/I(q)として計算され、式中、I(q)およびI(q)は、夫々、考慮したシステムおよび会合していないAuに対するCCDイメージの平均化した角度によって抽出されたバックグラントを補正した1D散乱強度である。S(q)におけるピーク位置は、データに対するLorenzian形態をフィッティングすることによって決定される。
UV−Vis:
UV−Visスペクトルは、Perkin-Elmer Lambda 35 spectrometer(200−1100nm)で収集した。融解分析は、Perkin-Elmer PTP-I Peltier Temperature Programmerとともに行い、10mMリン酸バッファー、0.20M NaCl、pH=7.1のバッファー溶液中、攪拌しながら、20℃〜75℃の間を1℃/分の温度傾斜で行った。
図6は、アプローチの模式図を示し、ここで、DNAキャップされた11.4nmの金ナノ粒子は、システムI〜VIにおいて示したように、付着したDNAの構造によって仕立てられ得る。凝集したシステムは、相補DNAキャッピングを備えたナノ粒子(粒子AおよびBという)のセットの組合せによって調製し得る。キャッピングにおけるDNAは、A−Bハイブリダイゼーションに関与する外側の認識配列およびハイブリダイゼーションに関与しない内側のスペーサ配列を有する。これらのシステムにおいて、認識配列の長さは、粒子間の吸着のスケールを決め、一方で、フレキシブルなまたは剛性のスペーサは、反発的な相互作用の強さおよび範囲を規定する。かかる反発は、ハイブリダイズされた鎖、および幾何学的制約によってハイブリダイズできない鎖のエントロピックな相互作用を介して発生する。DNAキャッピングにおける認識またはスペーサセグメントの長さを独立して改変することによって、全体的な粒子間相互作用を変化させ得る。本発明のある態様の特定の例を以下に示す。
6つの典型的な機能化されたナノ粒子システム、すなわちシステムI〜VIは、同じ方法で製造した。システムI〜Vにおいて、等モル量のA(第一のタイプの粒子、104)およびB(第二のタイプの粒子、106)のハイブリダイゼーションによって誘導された凝集によって、25℃で24時間のインキュベーションの後に収集したマイクロメートルサイズの会合体が得られた。システムVI(102)は、システムIVのスペーサ領域のハイブリダイズによって調製される。これらの会合体のナノスケールの構造は、次いで、±0.1℃の安定性を有する温度制御下でのインサイチュSAXS(λ=1.5498Å)において研究した。図7は、凝集融解温度(T)より数度低いプレ融解温度(Tpm)に会合体を加熱し、約28℃でのシステムI〜VIからの会合体に対して得られたSAXS写真図の代表的なセットを示す。図8は、対応する構造因子S(q)を示し、第一の散乱ピークの位置を明らかにした。このピークの位置qは、粒子間の最短の相関長
d=2π/q
に対応する。システムI(92)、II(94)、V(100)およびVI(102)に対し、約28℃で観察された空間(d=15.6、dII=19.4、d=17.9、dVI=27.8nm)は、粒子間のDNA結合の両端間距離に対するミミズ鎖モデルによって概算された理想的システムよりも短い。システムIII(96)は、モデルのdよりも約1nm長いdを示し、一方、約23.5nmのdを有するシステムIV(98)は、モデルと最も近い値が得られた。DNAの非単軸(non-uniaxial)のハイブリダイゼーションおよび局所のハイブリダイゼーションの欠陥は、理想化された場合と比較した、かかるdの変動の原因となるかも知れず、結果として最初の凝集の後、粒子が室温での非平衡状態で停止することとなる。かかる場合において、アニーリングは、システムを熱力学平衡にするのに有利であり得る。
図7は、凝集時のサンプル(114、T=室温)およびプレ融解(T=Tpm)条件のサンプル(118)の散乱パターンを示す。これらの温度で、粒子間の接着エネルギーは減少し、局部DNAおよび粒子の転移が可能になる。各システムにおいて、より低いq値へと偏移したS(q)のピークが観察され(図8)、dの増大を示し、アニーリングを伴うハイブリダイゼーションのより単軸性の特徴が発展すること並びに増大した温度に伴うDNAのコンフォメーション変化に寄与することができる。たとえば、システムIVは、粒子の表面−表面距離の約20%(約4.5nm)の増加に対応する約0.005Å−1のq偏移を示した。加えて、TpmでのSAXS測定は、すべてのシステムにおいて、改善された秩序化に寄与する散乱ピークの先鋭化を示した。室温に比べて、TpmでのシステムI、II、IIIおよびVは、散乱の相関長が10〜20%の増大を示す。
Figure 2010505419
式中、Δqは、回折ピークの分解能を補正したFWHM
Figure 2010505419
であり、ξは、数個の粒子間の空間だけに制限されている。対照的に、システムIVおよびVIは、50%を超えるξ増加を示し、約5dまでの、より高い秩序ピークの出現を伴う。温度を伴うこれらの再編成は、会合体における粒子が最初に準安定状態に捕獲されることを示す。Tpmでアニーリングすると、DNA結合の局所の転移が起こり得て、粒子間のDNA結合の数を最大化することによって、粒子間の相互作用が最適化する粒子の位置および方向が再調整される。この効果の構成はスペーサ構造であり、それは、結合のより大きなフレキシビリティおよび粒子の再配置または回転に必要なより小さなエネルギーによって、大きな局所転移を可能にする。
DNA結合した粒子システムの脱凝集は、TでのDNAの脱ハイブリダイゼーションによる、さらなる温度の増大を起こす。この事象は、図8に示される散乱ピークの消失および単に拡散した散乱の出現によって明確になり、それは、凝集体よりも個々のナノ粒子の形成因子のサインである。システムII、IIIおよびIVは、数分以内の構造の脱凝集を明らかにし、一方で、システムIおよびVIは、十分にゆっくりとした動態によって、広い残留ピークを示した。システムVにおいて、30塩基(30−b)の認識セグメントのハイブリダイゼーションによって、T>85℃になる。T以下に冷却すると、各サンプルは、システムIVを除いて、それらのプレ融解状態と同じ構造に脱凝集することが見出され、それは、自発的な結晶形成を示唆する例外的にシャープなリングパターンを示した。低い温度スペクトル(114)は、より暗い線によって示され、より高い温度スペクトル(12)は、より明るい線で示される。
システムIVにおける秩序化へ向けた実験を図9に示し、それは、散乱パターンおよび、融解前のアニーリングした状態(56℃)、融解後(71℃)、融解中(60℃)および再凝集後の秩序化状態(57℃、30℃)におけるシステムのそれぞれのS(q)を示す。これは、準安定状態(132)、dsDNA融解点より高い脱凝集状態(134)、融解点より低い冷却された結晶性状態(136)によって、図9に示されている。秩序化された構造の証拠が、Tmより低い、約60℃で直ちに現れ始め、ここで、S(q)は、ナノ粒子の形成因子によって大きな貢献に関与する強い拡散した散乱の存在において、いくつかの回折ピークを明らかにする。これは、凝集しない粒子が共存する新しい形成相の核の存在を示唆している。さらに、59℃〜57℃に冷却すると、方向づけられていない多結晶のサンプルの鋭い循環的なパターン特性の散乱および出現、すなわちパウダー散乱に貢献する粒子形成因子の劇的な還元によって証拠づけられたように、サンプルの結晶化が観察される。この結晶形成は、数分間だけ起こり、1℃/分までの冷却速度によっては影響されない。
図9のSAXSパターンは、分解能の制限されたBraggのピークの7つの秩序を明らかにし、システムIVの結晶性3D構造を示し、これは、長距離秩序化の顕著な程度を伴い、数百ナノメートルより大きなξを伴う。一度形成されると、結晶性構造の発展は、複数の凝集−脱凝集サイクルにわたる、秩序化の質およびシステムの挙動を変化させる顕著な損失なしに可逆的である。加えて、結晶性構造は、数日間のSAXSモニタリングにわたり、溶液中、安定であった。ピークの位置の割合の分析により、
/q=√l:√2:√3:√4:√5:√6:√7
であり、これはIm’3mスペース基、図10に示されるような体心立方(bcc)構造
に対応することが明らかになった。S(q)におけるピークの高さもまた、bcc配置に対して予測された相対強度に質的に追従する。構造について対応する格子定数(a)は、57℃で約37.5nmであり、30℃まで冷却した後、約34.8nmであって、これは、第一の配位殻において粒子の核の間の21.1nmおよび18.7nmの表面−表面距離に相当する。この構造は、全く開放的であり、構造の体積の約3〜4%だけがナノ粒子によって占有され、他の4〜5%がDNAによって占有されている。したがって、凝集された構造の体積の約90%以上が、溶媒分子によって占有され、それは、bcc配向におけるパックされた剛体球における約32%の典型的な空虚な空間よりもはるかに高い。
凝集体の結晶構造は、bcc構造形成は一般に剛体球パッキングには観察されず、六方最密(hcp)または面心立方(fcc)相を形成する傾向があるため、予測できなかった。hcpおよびfccの両方の構造は「最密」とされ、bcc構造は「非最密」とされるが、機能化された粒子が典型的には、理想の剛体球と同じように最密ではないことに着目すべきである。bcc構造は、Aの配位殻における粒子Bだけを有することによって、また逆も同様に、主として反発的なA−AおよびB−B相互作用とともに、典型的なバイナリーA−Bシステムにおける相互作用エネルギーの最適化の要求をよく調和させる。しかしながら、種々の結晶構造は、プロセッシング条件または粒子を機能化するDNAの構造を変えることによって、形成され得る。
システムI〜VIにおけるスペーサの長さおよびフレキシビリティを変えることは、凝集したbcc結晶性相の形成のための条件の決定を許容し、与えられた認識配列の長さ、より長い、よりフレキシブルなスペーサ配列は、凝集した結晶性相の形成を助けることを示す。これらのDNA配列における構造的な変化は、長距離秩序に潜在的な好ましい粒子間相互作用と関連することができる。とくに、DNAにおけるスペーサセグメントの長さは、少なくとも部分的に、粒子サイズに関連する相互作用の範囲を決定し、この典型的な実験において、最長のスペーサの研究のための粒子サイズのオーダーである。DNA誘導結晶化は、結晶性相、最も豊富であるbcc相で、多様性を達成するために、粒子サイズまたはより大きなオーダーの長距離相互作用を要求し得る。スペーサの長さおよびフレキシビリティによって決定されるこの潜在力の柔軟性は、粒子の等しい空間の置換に対するより低いエネルギー損失を許容する。DNA媒介相互作用の複雑さ、それらの個別の塩基対、並びに、込み合い効果は、潜在力の柔軟さの誘発の量的決定を与えたが、自発的なbcc結晶の形成の条件の組み合わせの経験的な表現は、ナノ粒子の凝集の待望のプログラムされた秩序化に向けた重要なステップである。よく秩序化されたメタ材料を作成するためのこのアプローチは、異なる凝集条件および材料に特有な豊富に多様な相を導き得る。この多様性は、たとえば、他の修飾の間に、DNA配列のスペーサおよび認識セグメントの長さを変更することによって、または、それらの長さの比率を変えることによって達成され得る。
DNAキャップされた金ナノ粒子の長距離秩序は、DNA設計の修飾を介して粒子間の相互作用を変化させることによって達成し得る。DNAセグメントの長さと剛性との相関、および凝集体の内部構造は、SAXSをインサイチュで用いて調査することができる。ここで記載された技術を用いて創出されたDNAキャップされたナノ粒子のbcc結晶構造は、数百ナノメートルを超える相関長が存在し、顕著に開放的であり、粒子は格子体積の約4%だけを占有している。ナノ粒子のこの結晶性組織は、熱力学的に安定であり、可逆的であって、およそ30℃の温度範囲にわたり、格子定数のほぼ10%の膨張を示している。例のプロセスは、DNAを介したナノ粒子の凝集における長距離秩序を誘導する能力を示している。長距離秩序は、少なくとも10の粒子間距離または単位セルにわたり存続する。このことは、生体認識相互作用を伴うナノスケールのオブジェクトからの3D結晶性構造の創出のための新しい経路を示唆している。かかる経路は、これらのシステムにおける種々の相を製造することができ、設計による次世代のメタ材料を導き得る。付随的に増大した表面積を有する開放的な構造は、化学反応を促進することができる触媒のように作用することによって、または触媒のホストとなることによって、触媒作用において有利に用いられ得る。
図6は、DNA結合の典型的な構造を示し、一方、図7は、対応する結合構造を有する、アニールしていないおよびアニールしているDNA結合ナノ粒子会合体の小角X線散乱(SAXS)の結果を示す。図6の模式図において、認識(相補的)配列は、DNAキャップされた粒子Aの結合の底部およびキャップされた粒子Bの結合の上部に示されている(明確さのため、1つの粒子間結合のみを示す)。上述した例において、システムIのナノ粒子は、夫々、3塩基の相互作用しない中性領域および、粒子Aが粒子Bと15塩基対(bp)の二本鎖結合領域を形成する15塩基の相補結合領域を有する一本鎖DNA(ssDNA)の配列によって機能化されている。システムIIにおいて、両方の粒子は、15塩基の中性領域および15塩基の結合領域を有し、ハイブリダイズした場合、15塩基対の結合領域を形成する。システムIIIは非対象であり、粒子Aは、35塩基のスペーサおよび15塩基のリンカーを有し、一方、粒子Bは、夫々15塩基のスペーサセグメントとリンカーセグメントを有する。システムIVにおいて、AおよびBの粒子の両方は、35塩基のスペーサ(中性)セグメントおよび15塩基のリンカー(相補的)セグメントで機能化している。システムVの機能化した粒子は、3塩基のスペーサおよび30塩基のリンカーのDNA配列を有し、一方、システムVIにおいて、スペーサは二本鎖で35塩基対からなり、リンカーは15塩基のssDNAを含む。システムVIの機能化した粒子は、システムIV粒子のスペーサセグメントのハイブリダイズによって得られる。
アニーリングしていないシステムおよびプレ融解温度、Tpm、各写真図で示した実験温度でアニーリングしたシステムに対するSAXSパターンを図7に示す。左側のシリーズは、アニーリングしていないシステムの結果を示し、一方、右側のシリーズは、アニーリングしたサンプルに対応している。アニーリングしていないシステムI〜Vの散乱パターンは28℃で、アニーリングしていないシステムVIは30℃で得た。アニーリングしたサンプルのデータは、システムIは59℃、システムIIは57℃、システムIIIは53℃、システムIVは56℃、システムVは71℃、システムVIは62℃で得た。
図8は、図7で示した散乱パターンの抽出した構造因子S(q)を示す。太線は、アニーリング前のシステムのS(q)を示し、一方、細線はアニーリングしたシステムのS(q)を示す。システムIからVIの第一S(q)ピークの位置は、夫々、低温で、q=0.0403、qII=0.0324、qIII=0.0273、qIV=0.0266、q=0.0351、qVI=0.0226Å−1、Tpmで、q=0.037、qII=0.0298、qIII=0.0244、qIV=0.0233、q=0.029、qVI=0.0199Å−1であった。図8において、細線はアニーリングしたサンプルを示し、太線はアニーリングしていないサンプルを示す。
図9は、システムIVのSAXS写真図、抽出した構造因子S(q)、結晶化経路の模式図を示す。ナノ粒子のアニーリングしていないシステムは準安定である。温度が上がると、システムは融解し脱凝集する。結晶化は冷却すると起こり、連続した凝集体融解温度をまたいだ加熱/冷却サイクルを通じて再生可能で安定である。S(q)のラインは、4.4単位ずつ連続的に偏移する。インサートは、qの範囲が0.018から0.068Å−1の60℃でのS(q)の拡大図を示す。
Figure 2010505419
Figure 2010505419
図10にみられるように、システムIVの結晶構造はm、SAXSを用いて決定した。点線(140)は、点散乱体の体心立方(bcc)格子の予測されるS(q)ピークの大きさおよび位置を示す。30℃で取得した実験データ(138)は、理論的な予測に非常に厳密に一致し、システムIVのナノ粒子が三次元結晶にbcc構造で凝集することを示している。bcc構造の単位セルの表現(142)は、挿入図に示す。提案された粒子配置は、相補的DNA結合配列を備えた粒子を表す明暗の球形によって示している。粒子Aは、粒子Bを最も近い隣接物として有し、また逆も同様であり、換言すれば、粒子Aの配位圏は粒子Bだけからなり、また逆も同様である。システムIVの格子パラメータaは、T=30℃で34.8nm、T=57℃で37.5nmである。
図11は、システムIからVIにおいて用いたDNAキャップされた金ナノ粒子のTEM写真図の典型的なセットおよび統計分析を含む。左側の顕微鏡写真においてスケールバーは70nmであり、一方、右側の写真図では10nmである。粒子サイズの統計分析によって、ナノ粒子(144)の一次元の11.4±1.0nmを得た。
図12は、結晶形成後のシステムIVから収集されたSEM写真図の典型的なセットを含む。最も左側のSEM写真図のスケールバーは、100マイクロメートルであり、他の2つの写真図のものは、100nmに対応する。ナノ粒子(146)は、基材の暗いバックグラウンドに明るく表れる。同様に、図13は、結晶形成後のシステムIVから収集されたTEM写真図の典型的なセットを示す。最も左側のTEM写真図のスケールバーは、100nmであり、他の2つの写真図のものは、90nmを示す。拡大した挿入図の部分は、最も右側の顕微鏡写真においてボックスで示す。先と同様、ナノ粒子(150)を明確に見ることができた。
図14は、プレアニーリングおよび結晶化状態におけるシステムIVの会合体の一連の融解プロフィールを示し、一方、それらの温度に関する最初の誘導体を図15に表す。実線はアニーリング前の会合体に対応し、破線は結晶化構造に対応する。図15におけるプロットの分析によって、プレアニーリング形態の融解温度が63℃であり、結晶性形態では62℃であることが得られた。データは、0.20M NaClを含む10mMリン酸バッファー溶液(pH7.1)の会合体について得た。温度変化の割合は、1分あたり1℃であった。
図16は、qの関数としての、71℃でのシステムIVの散乱強度を示す。データは、黒丸(160)によって示され、一方、実線(162)は、サイズのガウス分布を有する回転楕円体の粒子の予測へのデータのフィッティングを示す。フィッティングされた粒子の直径は、11.5±1.2nmであり、TEM(図11)によって決定された直径11.4±1.0nmに極めて近い。
同様の結果は、大いに異なるサイズおよび構成の粒子を用いても達成され得る。
例4:ポリスチレンマイクロ粒子
ポリスチレン粒子の表面修飾:
30〜200塩基の範囲の塩基を有する一本鎖の3’−一級アミン修飾ssDNAを、カルボキシル化されたポリスチレンコロイド球体(1.9μm)の上にグラフトした。典型的な修飾において、0.15wt%の粒子を懸濁し、100mMイミダゾールバッファー(pH7.0)中、15μM DNA溶液で、3時間、50℃で、100mM EDACの存在下でインキュベートした。修飾した粒子は、0.5%SDS溶液中、連続した遠心分離(800g、6分)で3回洗浄し、上清を取り換えた。次いで同様に、熱い(60℃)脱イオン水で3回洗浄し、10mMリン酸バッファー(pH7.7)に再分散し、40℃で貯蔵した。
表面の非相補DNAの数fは、グラフト工程において用いたリンカー(L)DNA濃度[L]および中性(N)DNA濃度[N]の割合の変化
=[N]/([N]+[L])
によって制御される。DNA機能化は、金ナノ粒子の場合と同様に行った。DNA表面密度は、蛍光測定によって定量され、およそ10nmあたり0.3鎖、または、1マイクロ粒子あたり約300,000の総ssDNA鎖であった。
<0.50では、大きな会合体だけが観察され、夫々数千の粒子を含んでいた。0.50から0.90の間のfでは、fが増大するにつれて、会合体サイズが小さくなり、数個のポリスチレン(PS)粒子のクラスターだけが含まれていた。fが約0.95に達した場合、単離した凝集していないPSだけが観察された。したがって、f増加に伴う会合体サイズの減少の効果は、引っ張り合う相互作用のバランスにおいて、NssDNAによって提供される浸透性の反発作用の強い影響が指摘される。同様の結果が、機能化されたAuナノ粒子(AuNP)に対し得られ、fが増大するにつれて、会合体の成長における有意な減少が見られた。AuNPの融解温度もまた、fが増大すると減少した。
例5:ラテックスマイクロ粒子
ラテックス粒子の表面修飾:
約1.9μmのラテックス球体を調製し、続いて、それらの表面を、ポリスチレンマイクロ粒子に対するのと同じ工程で修飾した。表面の非相補DNAの数fは、再度、グラフト工程において用いた[L]および[N]のDNA濃度の割合の変化
=[N]/([N]+[L])
によって制御される。DNA機能化は、金ナノ粒子の場合と同様に行った。DNA表面密度は、蛍光測定によって定量した。
PSマイクロ粒子と同様の結果が観察され、会合体サイズは、fが増大するにつれて減少した。加えて、会合体の凝集の割合が、fが増大するにつれて減少することが観察された。さらに、これらの結果が、0〜140mMの広い範囲のイオン強度で観察された。しかしながら、与えられたfに対し、会合体サイズは、イオン強度の増大とともに増大した。
マイクロメートルの大きさで、ラテックスおよびPS粒子の表面は、結合および中性DNAの両方に関し、平坦であると仮定し得る。したがって、同様の結果が、大きな粒子および平坦な表面に対するハイブリダイゼーションによって接着されたナノおよびマイクロオブジェクトにおいて得られ得る。
例6:ナノ粒子のリンカーDNA媒介結晶化
金ナノ粒子(AuNP)合成:
簡単には、1mM HAuCl4水溶液を15〜30分間沸騰するように加熱した。次いで、38mMの濃度の10mLのクエン酸三ナトリウム溶液を1アリコートの溶液に添加した。最初の色が赤に変わったら、溶液を直ちにHOで急冷し、室温まで放冷した。溶液を貯蔵し、光から保護した。Au濃度は、1.0×10Lmole−1cm−1の吸光係数を介して計算した。
DNAナノ粒子修飾:
典型的には、ジスルフィドとして購入した(IDT Inc.から)チオール機能化一本鎖オリゴヌクレオチド(ssDNA−AおよびssDNA−B、配列は下記参照)を、最初に、ジチオールスレイトール(DTT)水溶液で還元し、続いて、新たに精製した架橋したデキストランゲルカラム(G-25, Amersham Bioscience)において、リン酸バッファー(pH=7.0)で溶出した。DNAを、特定のDNA吸光係数でUV−Vis分析を用いて定量した。合成したAuナノ粒子(AuNP)は、次いで、既に記載したように、ssDNA−AまたはssDNA−Bで機能化した。洗浄プロセスは、典型的には、少なくとも3回繰り返した。最終的なssDNA−AuNPは、0.3M PBSに分散した。各AuNPに結合したssDNA数は、約50個と概算した。
リンカーL30およびL70は、PAGE精製でIDT Inc.によって提供され、さらなる精製をしないで用いた。等モル量の20〜40nMの濃度のssDNA−AuNP−AおよびssDNA−AuNP−B、ならびに、0.2〜0.8μMの濃度のリンカーL30またはリンカーL70を混合することによって、凝集体を得た。次いで、サンプルを65℃に加熱し、その温度で10分間保ち、次いで、約2時間で室温に冷却した。懸濁液をキャピラリーチューブに移し、沈殿物をキャピラリーチューブの底に沈殿させるため一晩放置した。次いで、サンプルを測定する準備を整えた。
器械類:
この例における測定は、次の器械類を用いて行った。この詳細は、任意の特別な製造者への注意書きのためより、具体的な例を用いることによって提示された明瞭さのために提供され、同様の能力の任意の器械類が用いられ得る。
TEM:
TEM実験は、120kVで操作したJEOL-1300顕微鏡で行った。サンプルは、炭素被覆した銅グリッドの上へ溶液を滴下し、次いで、過剰な溶液を除去して調製した。
SEM:
サンプルを洗浄したシリコン基板上に置き、典型的には1kVの電圧および10μAの放出電流で、Hitachi S-4800 Scanning Electron Microscopeを用いて測定した。
SAXS:
SAXS実験は、National Synchrotron Light Source (NSLS) X-21ビームラインで行った。バッファー溶液中のサンプルは、石英キャピラリーチューブに入れた。温度コントローラは、±0.01℃の正確さと高温における約0.2℃のオーバーシュート(overshoot)を有している。散乱データは、各温度で、10分間の平衡の後、CCD領域検出器で収集した。散乱ベクトルqは、ベヘン酸銀を用いて較正した。
DLS:
DLSの測定は、Malvern Zetasizer ZS装置で処理した。該装置は、633nmレーザー源および173°での後方散乱検出器を装備している。データは、CONTIN法を用いて分析した。
UV−Vis:
UV−Visスペクトルは、Perkin-Elmer Lambda 35 spectrometer(200〜900nm)において収集した。
このアプローチにおいて、NPに付着したssDNAは相補的ではなく、2つの末端がNPの夫々のssDNAと相補的であるリンカーが必要である(図17の挿入図参照)。本発明者らは、等モル量の2つのタイプのssDNAキャップされたAuNP(ssDNA−AuNP−AおよびssDNA−AuNP−Bとする)および0.3M PBSバッファー(10mMリン酸バッファー、300mM NaCl、pH=約7.0)中、異なる長さのリンカーDNAを混合することによって、2つのセットのDNA/AuNPハイブリッドシステム(Sys−L70およびSys−L30)を作り出した。AuNPは、電子顕微鏡および/または動的光散乱の結果から推定することができる直径が11.5±1.1nmである。
2つのタイプのキャッピングssDNAは、非相補的である:タイプA(A=5'-ATTGGAAGTGGATAA-(T)15-C3H6-SH)およびタイプB(B=HS-C6H12-(T)15-TAACCTAACCTTCAT-3')。夫々は、15塩基の外部認識部分およびAuNP表面から認識配列を離すスペーサとして役立つ15塩基のポリTを有している。このスペーサは、事実上、任意の長さであってよく、少なくとも5塩基のポリT(またはポリAまたは他の相互作用しない配列(所望により))を含む。リンカーDNAは、夫々、L70(5'-TTATCCACTTCCAAT-(T)70-ATGAAGGTTAGGTTA-3')およびL30(5'-TTATCCACTTCCAAT-(T)30-ATGAAGGTTAGGTTA-3')である。夫々は、フレキシブルなポリTおよびAuNP上のssDNAの夫々の末端と相補的な2つの末端を有している。フレキシブルなポリT配列は、事実上、少なくとも5塩基長の任意の長さであってよい。15塩基対のdsDNAの融解温度は、約60℃で、UV−Vis分光光度計を用いて測定される。
図17は、DNA/Auナノ粒子ハイブリッドシステムにおける開放的なbcc格子の形成を支持するデータを示す。データ(ポイント202)は、bcc格子の構造因子に対するフィット(204)によく一致する。挿入図に見られるように、粒子A(206)は、完全に粒子B(208)に囲まれ、粒子Bの最も近い隣接物もまた粒子Aだけである。DNA(210)は、粒子が、理論上予測されたものと同様に密に充填することを防ぐが、それによっては、顕著に開放的な結晶構造は完全には説明されない。
図18は、加熱中のSys−L30の模式図および典型的な温度依存2D SAXSパターンおよび夫々の抽出された構造因子S(q)を示す。2つのタイプの粒子(212、214)は、中性領域(222、224)を有するリンカー(216)で結合されている。該構造は、次いで、結合領域(218、220)に沿って結合される。2つの粒子の結合は、図18に示す。秩序の程度は、温度が、構造が約59℃で融解するまで上がるにつれて、準安定(226)から結晶性(228)へ無秩序(230)へと増大する。
図19Aは、冷却中のSys−L30の温度依存SAXSパターンを示す。構造の長距離秩序は、室温まで維持される。図19Bは、冷却中の温度依存最隣接距離の減少を示す。図19Cは、空気中で乾燥した後のSys−L30結晶のSEM写真図である。黒い線(238)は、サンプル中の隙間であり、一方、ドット(236)は秩序化したナノ粒子である。スケールバーは100nmである。
図20Aは、高倍率でのssDNA−AuNP(240)の典型的なTEM写真図である。図20Bは、キャップされていないAuNP、ssDNA−AuNP−AおよびssDNA−AuNP−BのDLS結果を示す。ssDNA−AuNP−AおよびssDNA−AuNP−Bの両方で、キャップされていない粒子よりも大きな直径への偏移が示された。
図21は、加熱中のSys−L70の典型的な温度依存2D SAXSパターンを示す。リングの鋭さは、秩序の程度を示し、それは室温からDNAキャップされた構造の融解温度の丁度低い温度まで増大している。
これまでの記載が本発明の個々の態様に関連する一方で、ここの教示を用いることをなす当業者は、本発明の広範な面において本発明から外れることなく、種々の変更および改変を提案し得ることを理解すべきである。例えば、特定の態様が、直径約10nmのAuナノ粒子を用いることを記載するが、様々な大きさの他の材料(金属、半導体、磁性、誘電性)の粒子に置換し得る。同様に、システムI〜VIは、決まったサイズの結合および中性セグメントを有するように記載されている。実際には、結合領域は、約10から約200塩基を有していてもよく、10から200塩基対の二本鎖結合領域を形成し、一方で、相互作用しない中性セグメントは、約3から約200塩基を含み得る。また、選ばれた例は、同じ材料の粒子を引用しているが、金属および半導体などのように混合した粒子を用いることができる。マイクロメートルのオーダー(0.1μmから100μm)の大きさを有するマイクロ粒子は、ナノメートルのオーダー(1nmから100nm)の大きさを備えたナノ粒子の代わりに用いることができる(例4および5参照)。例のシステムVIに関連して記載したように、中性セグメントのDNA配列は一本鎖である必要はない。
さらに、具体性のため、例はDNAの機能化に関して記載されているが、マイクロおよびナノオブジェクトは、RNAまたはPNAで機能化されても適切である可能性がある。RNAおよびPNAの両方とも、DNAと同じようなアドレス可能な特性、同様の融解温度および構造を有する。PNAは人工的であり、DNAよりも分解に対し、より耐性であり、非水性溶媒においてを含めて、DNAに対して有害な条件下でも用いることが可能である。DNAおよびRNAは、例えば、協調して用いられ得る。この場合において、少なくともいくつかの中性DNAと置き換えて、触媒的に活性なRNA鎖を用いることによって、中性およびハイブリダイズするDNAの組み合わせの物理的利点の全てを提示することができ、一方で、会合体がさらなる反応に参加または触媒することを可能にする。
先の記載は実例であり、本発明はここに追加されたクレームによってのみ制限されている。

Claims (49)

  1. 第一の核酸配列で機能化された第一のタイプの粒子であって、第一の配列が、結合核酸の一本鎖セグメントおよび中性核酸のセグメントを含む前記粒子と、
    第二の核酸配列で機能化された第二のタイプの粒子であって、第二の配列が、結合核酸の一本鎖セグメントおよび中性核酸のセグメントを含む前記粒子とを含む粒子凝集体であって、
    第一および第二のタイプの粒子は、第一および第二の核酸配列の結合セグメントに沿って形成される二本鎖核酸のリンカーで結合し、結合した粒子は、会合して粒子凝集体を形成し、および
    粒子凝集体が長距離結晶性秩序を示す、
    前記粒子凝集体。
  2. 第一の核酸配列が、RNAおよびPNAからなる群から選択される核酸を含む、請求項1に記載の粒子凝集体。
  3. 第一および第二の核酸配列がDNAを含む、請求項1に記載の粒子凝集体。
  4. 第一および第二のDNA配列の結合セグメントが、相互に相補的であり、リンカーが、第二のDNA配列の結合セグメントとハイブリダイズする第一のDNA配列の結合セグメントを含む、請求項3に記載の粒子凝集体。
  5. リンカーが、第一のDNA配列の結合セグメントおよび第二のDNA配列の結合セグメントをハイブリダイズする第三の核酸配列を含む、請求項3に記載の粒子凝集体。
  6. リンカーが、さらに、中性核酸の配列を含む、請求項5に記載の粒子凝集体。
  7. 第一および第二のタイプの粒子が、相互に相補的でない一本鎖DNAで機能化され、ここで該機能化されたDNA配列が夫々、フレキシブルな複数の塩基のスペーサを含み、ここで該スペーサが、少なくとも5塩基のポリ−T DNAを含み、かつ
    リンカーの中性配列が少なくとも5塩基の一本鎖ポリ−T DNAを含む、請求項6に記載の粒子凝集体。
  8. 長距離結晶性秩序が、約10粒子間間隔を超えて広がる、請求項1に記載の粒子凝集体。
  9. 長距離結晶性秩序が、三次元である、請求項1に記載の粒子凝集体。
  10. 中性核酸の少なくとも1つのセグメントが、二本鎖である、請求項1に記載の粒子凝集体。
  11. 第一および第二のタイプの粒子が、異なる組成を有する、請求項1に記載の粒子凝集体。
  12. 第一のタイプの粒子が、約0.1から約100マイクロメートルの大きさを有するマイクロオブジェクトを含む、請求項1に記載の粒子凝集体。
  13. 第一のタイプの粒子が、約1から約100ナノメートルの大きさを有するナノオブジェクトを含む、請求項1に記載の粒子凝集体。
  14. 第一のタイプのナノオブジェクトが、金属、半導体、誘電性および磁性からなる群から選択される特性を有する、請求項13に記載の粒子凝集体。
  15. 第一のタイプのナノオブジェクトが、金ナノオブジェクトである、請求項14に記載の粒子凝集体。
  16. 第三の核酸配列で機能化した第三のタイプのナノオブジェクトであって、第三の配列が結合核酸の一本鎖セグメントおよび中性核酸のセグメントを含む前記ナノオブジェクトをさらに含み、かつ
    第一および第三のタイプの粒子は、第一および第三の核酸配列の結合セグメントに沿って形成された二本鎖核酸のリンカーによって結合されている、
    請求項13に記載の粒子凝集体。
  17. リンカーが、約10から約200塩基対の配列を含み、
    第一の核酸配列の中性セグメントが、約3から約200塩基を含む一本鎖DNAスペーサ領域を含み、および、
    第二の核酸配列の中性セグメントが、約3から約200塩基を含む一本鎖DNAスペーサ領域を含む、請求項13に記載の粒子凝集体。
  18. リンカーDNAが、15塩基対を含み、第一の配列の一本鎖DNAスペーサ領域が、35塩基を含み、および、第二の配列の一本鎖DNAスペーサ領域が、35塩基を含む、請求項17に記載の粒子凝集体。
  19. 粒子凝集の特性を制御する方法であって、
    第一の結合領域および第一の中性領域を有する第一の核酸配列で第一種の粒子をキャップすること、
    第二の結合領域および第二の中性領域を有する第二の核酸配列で第二種の粒子をキャップすること、
    第一および第二の核酸配列の間の結合を形成すること、
    核酸キャップされた粒子の結合した種の凝集体を作ること、
    夫々の核酸配列の第一および第二の結合領域の長さおよび第一および第二の中性領域の長さを規定することによって、凝集体の特性を制御すること、
    を含む、前記方法。
  20. 第一の核酸配列が、RNAまたはPNAの配列を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 第一の核酸配列が、DNAの配列を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 結合を形成することが、第一の核酸配列の第一の結合領域と、第三の核酸配列の第一の結合領域とをハイブリダイズすること、および、
    第二の核酸配列の第二の結合領域と、第三の核酸配列の第二の結合領域とをハイブリダイズすること、を含む、請求項19に記載の方法。
  23. 結合を形成することが、第一の核酸配列の第一の結合領域と、第二の核酸配列の第二の結合領域とをハイブリダイズすることを含む、請求項19に記載の方法。
  24. 相互作用しない核酸の配列で第三種の粒子をキャップすることをさらに含み、ここで第三種の粒子をキャップする相互作用しない核酸配列の濃度は約95%未満である、請求項19に記載の方法。
  25. 凝集体の特性を制御することが、第一種および第二種の粒子の間の結合数を制御することを含む、請求項19に記載の方法。
  26. 凝集体の特性を制御することが、凝集体の融解温度を制御することを含む、請求項19に記載の方法。
  27. 凝集体の特性を制御することが、粒子の間の粒子間距離を制御することを含む、請求項19に記載の方法。
  28. 凝集体の特性を制御することが、凝集体の凝集率を制御することを含む、請求項19に記載の方法。
  29. 凝集体の特性を制御することが、凝集体の形態を制御することを含む、請求項19に記載の方法。
  30. 粒子が、ナノオブジェクトであり、
    凝集体の形態を制御することが、長距離三次元結晶性秩序を示す凝集体を形成することを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 長距離三次元結晶性秩序を示す凝集体を形成することが、アニールしていない凝集体を、その融解温度より低い温度でアニールすること、アニールした凝集体を、その融解温度より高い温度に加熱すること、および融解した凝集体を、その融解温度より低い温度に冷却して、長距離三次元結晶性秩序を示す凝集体を形成することを含む、請求項30に記載の方法。
  32. メタ材料を構築する方法であって、
    第一のタイプの複数の粒子を第一の核酸配列で機能化すること、
    第二のタイプの複数の粒子を第二の核酸配列で機能化すること、
    第一の核酸配列が、少なくとも3つの一本鎖塩基の第一の群を含み、第一の群が第一の結合領域を形成し、
    第二の核酸配列が、少なくとも3つの一本鎖塩基の第二の群を含み、第二の群が第二の結合領域を形成し、
    第一の核酸配列が、少なくとも1つの中性領域を形成する、第二の核酸配列の複数の塩基と相補的でない核酸の第一の領域を含み、
    第一の核酸配列を、第一の群の塩基に相補的な塩基の群と、第一の結合領域に沿ってハイブリダイズすること、
    第二の核酸配列を、第二の群の塩基に相補的な塩基の群と、第二の結合領域に沿ってハイブリダイズすること、
    ここで第一および第二のタイプの機能化した粒子は、それらの夫々のDNAの機能化配列がハイブリダイズした領域で結合している、
    第一および第二のタイプの機能化され、結合した粒子に凝集体を形成させること、
    凝集体をアニーリングすること、
    凝集体を融解すること、および
    融解した凝集体をその融解温度よりも低い温度に冷却してメタ材料を形成すること、ここでメタ材料が長距離三次元結晶性秩序を示す、
    を含む、前記方法
  33. 第一の核酸配列が、DNAの配列およびRNAの配列からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 結合した粒子に凝集体を形成させることが、結合した粒子に自己凝集させることを含む、請求項32に記載の方法。
  35. 第一および第二のタイプの粒子が、ナノメートルのオーダーの大きさを有するナノオブジェクトである、請求項32に記載の方法。
  36. 長距離三次元結晶性秩序を示すバイオインスパイアされたメタ材料を含み、ここで、メタ材料は、タイプ1および2の複数のナノオブジェクトを含み、タイプ1のナノオブジェクトは、結合領域および中性領域を含む第一の核酸配列で機能化され、タイプ2のナノオブジェクトは、結合領域および中性領域を含む第二の核酸配列で機能化され、機能化されたナノオブジェクトは、それらの夫々の結合領域のハイブリダイゼーションで結合され、結合されたナノオブジェクトは、非最密結晶構造に凝集する、プラズモニック結晶。
  37. タイプ1および2のナノオブジェクトの結合領域が相互作用せず、
    機能化されたナノオブジェクトが、第三の核酸配列の第一および第二の認識領域と、それらの夫々の結合領域のハイブリダイゼーションによって結合され、
    第一の認識領域が、タイプ1のナノオブジェクトの結合領域と相補的であり、
    第二の認識領域が、タイプ2のナノオブジェクトの結合領域と相補的である、請求項36に記載のプラズモニック結晶。
  38. 第一および第二の核酸配列が、PNAの配列を含む、請求項36に記載のプラズモニック結晶。
  39. 第一および第二の核酸配列が、DNAの配列、RNAの配列、並びに、RNAの配列とDNAの配列からなる群から選択される、請求項36に記載のプラズモニック結晶。
  40. メタ材料が、体心立方結晶構造を有する、請求項36に記載のプラズモニック結晶。
  41. 機能化されたナノオブジェクトが、結晶体積の約10%未満を占める、請求項36に記載のプラズモニック結晶。
  42. 結合セクションおよび中性セクションを含む核酸配列で夫々機能化された2つのタイプのナノオブジェクトを含むナノ粒子凝集を含む触媒であって、凝集が長距離結晶性秩序を示し、長距離結晶性秩序が、非最密結晶構造を有する結晶を含み、ナノ粒子凝集が、化学反応を触媒するように作動可能である、前記触媒。
  43. 機能化したナノオブジェクトが、結晶の総体積の10%未満を占有している、請求項42に記載の触媒。
  44. 非最密結晶構造が、体心立方結晶構造である、請求項42に記載の触媒。
  45. ナノ粒子凝集が、さらに第三のタイプのナノオブジェクトを含む、請求項42に記載の触媒。
  46. 第三のタイプのナノオブジェクトが、相互作用しない核酸の配列で機能化され、ここで、第三のタイプのナノオブジェクトを機能化する相互作用しない核酸配列の濃度が、約95%未満である、請求項45に記載の触媒。
  47. 核酸配列が、PNAの配列、DNAの配列、RNAの配列、並びに、DNAの配列とRNAの配列からなる群から選択される、請求項42に記載の触媒。
  48. RNAの配列が、化学反応を触媒するように作動可能である、請求項47に記載の触媒。
  49. ナノ粒子凝集が、ナノ粒子凝集の表面に吸着される無機材料をさらに含み、無機材料が化学反応を触媒するように作動可能である、請求項42に記載の触媒。
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