JP2010502333A - 疼痛閾値の測定値を利用する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた同じ刺激閾値の刺激を測定して、交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/または警告システム感応性のレベルを測定する方法に関する。また本発明は、刺激を与え、測定するためのシステム、ならびに、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた同じ刺激閾値の刺激を測定して、交換神経緊張を測定するシステムの使用に関する。
Description
本発明は、交感神経系の緊張(交感神経緊張)、WSS/DRSを瞬時に測定する方法、およびこれらの測定システムに関する。この方法によれば、交感神経緊張を瞬時に測定するとともに、測定結果を継続的に記録するので、身体的かつ精神的に最善の状態にする健康な個人の潜在能力レベルを認定する方法に適用することができる。さらに本発明は、交感神経緊張を測定する方法に関するシステムの利用方法に関し、交感神経緊張を測定するために痛覚を測定する方法に関する。
哺乳類の神経系は機能的観点から体性神経系と自律神経系に分類される。自律神経系は無意識にかつ反射的に作用する。自律神経系はさらに交換神経系と副交換神経系に分類される。交換神経および副交換神経は相反する作用を有する。
交換神経系は、いわゆる「ストレス反応」において、直面する危機状態や試練に対して最善に対処するために、生命体のリソースを結集させるものである。ストレス反応により、体の機能を変化させる必要があるとき、体は「ストレス状態」と呼ばれる新しい状態に移行する。この状態にあるとき、精神的には、人間は、思考を集中する能力を研ぎ澄ますように素早くかつ同時に思考する。この目的を支援するために、無関係な感覚印象が有効に阻止される。肉体的には、体は反応時間を抑制し、筋肉力を増強し、感覚を鋭敏にし、思考と運動神経能力の協調を最適化するように反応する。
結論として、ストレス状態が適当な程度であり、必要な回復に対して適当なバランスで生じるとき、副交換神経系が支配的であって、以下説明するように作用するものである場合、上述の「ストレス状態」は肯定的な生理現象であるとされる。
副交換神経系は、生体内作用を司り、緊急の一時的ストレス状態において必要とされるリソースを結集すべきときには、これを確実に利用できるように生命体のリソースを修復し、蓄積するものである。
生理学的には、交換神経を介する刺激により鼓動および血圧値は増大し、粘膜分泌物は抑制される一方、交換神経により生理的安静状態となるまで心拍数および血圧値が抑制され、分泌線を刺激して粘膜分泌物が分泌される。ストレス状態にあるとき、交換神経系が活性化される。
ストレスは、快楽にもなり得るが、不快にもなり得、ときには生命に危険を与えることもある。ストレスの2つの形態、すなわち一過性のものと継続性のものとを区別することが重要である。一過性ストレス(急性ストレス)は、肉体的な準備状態であって、脅威を感じたときに脳から生じる神経系およびホルモン信号による体に自動的に誘発される状態である。すなわち防御メカニズムとして機能するものである。ストレスレベルは、刺激の結果に対する各個人の見込みと利用可能なリソースとの間のバランスに依存する。試練や脅威が上回ると、ホメオスタシス(homeostasis、生体恒常性)が再確立される。人間は必要なリソースを利用できる場合には、状況を肯定的に知覚することができる。緊張度が体のリソースを越える状況が生じた場合には、状況は否定的に認識される可能性が高い。こうした否定的状況が続くと、生命体のリソースは重い負担を感じ、体が機能しなくなる。このストレスは持続的ストレスまたは慢性ストレスといい、神経処理およびホルモンが一過性ストレスにさらされた状態が続き、十分に回復しないことに起因して、脳の神経処理およびホルモンに機能障害が生じる。
症状が最も軽い場合、持続的ストレスまたは慢性ストレスは、筋緊張、疲労または頭痛などの体の軽い症状として現れる。ストレスの度合いがより強くなると、記憶障害、集中力欠如、生命体内部の苦痛(たとえば動機、腹痛、性欲減退など)の症状が現れる。さらに強いストレス状態になると、忍耐ができず、いらいらし、爆発的な怒りを制御することができなくなるなど、社会生活能力が損なわれる。この場合、慢性ストレスを治療しないと病気になり、所定期間作業能率が損なわれることにもなる。
上述のように、脅威へのストレスや認知に対する体の反応は、視床下部−下垂体−副腎系により制御され、コルチゾルを含むステロイドホルモン(グリコステロイド)を放出するように活性化する。さらに、とりわけドーパミン、ノルアドレナリンおよびアドレナリンを含むカテコールアミンなどの別のホルモンが放出される。その結果としての一連の肉体的反応は総称してストレス反応と呼ばれる。脳、循環系、免疫系、呼吸器系、および消化器系などの体の系全体が実質的な影響を受ける。
肉体的および精神的な危機、試練、ストレスが過ぎ去ったとき、これに対して体の反応は非活性化し、回復段階が始まる。
ストレス反応は、単純に肉体的または心理的脅威により活性化されるものではなく、しこうによっても活性化されるものでもない。人間は生命の危険を感じる訳ではないが、時間に追われ、心配ごとがあり、個人的な人間関係の問題があり、経済的な事情があるといった日常生活における数多くの問題により、ストレス反応が活性化されることがある。こうした些細ではあるが日常の積み重ねられたストレスの影響により、恒常的ストレスまたは慢性ストレスが生じ得る。
ストレス状態が続き、悲観的に認識することを防止するための部分的な手法として、人の急性ストレスまたは蓄積ストレスのレベルを特定することは、認知処置および適正な行動を開始する上で不可欠であり、ストレスの原因となる緊張緩和または完全に取り除くことができ、そして/または個人的な問題および社会的な問題の両方に関する否定的ストレスを回避または防止できるように人が緊張に対処する準備がより周到に行うことができる。ストレス自体は病気であるとは考えられていないが、人は蓄積ストレスにより影響を受けやすくなり、病気になる可能性がある。
交感神経緊張(交感神経系の活性化)を特定するための数多くの手法が知られており、たとえば唾液中のコルチゾル測定、血清中のカテコールアミン(アドレナリンおよび/またはノルアドレナリン)とコルチゾルの測定、尿中のカテコールアミンの測定などを含む人間のストレスレベルの測定手法などが知られている。(Ekman R. and Lindstedt. G.: "Molekyler paliv og dod" (生と命の分子), in Ekman R. and Arnetz B. (red) 「ストレス」; Molekyleme, Individen, Organisationen, Samhallet" (ストレス; 分子, 個人, 組織と社会), Libers publishing firm, ストックホルム 2002, pages 77-89、Hansen A.M., Garde A.H., Christensen J. M., Eller N. H. & Nettestrom B. 「デンマークにおける健常者の放射免疫測定の考察および唾液コルチゾルの基準間隔の確立」 Scand J Lab Invest 2003; 63: 303-10.) 皮膚温度測定(Normell LA, Wallin BG. 「人間の皮膚交換神経および皮膚温度変化」Acta Physiol Scand 1974; 91: 417-26) そして湿潤分泌物が他の既知のストレス測定手法である。
ストレスおよび交感神経緊張度を測定する既知の手法は、時間、通信および費用の点を含めて複雑な技術分析が必要であるか、あるいは物理的環境から影響を受けやすいという課題を有する。たとえばコルチゾルの血清中測定は、実験室分析を必要とする。さらに、こうした特定手法は、コルチゾルの血清中濃度変化が増大するストレスレベルのみならず、他の要因に影響され得るという問題を有する。汗分泌による特定手法は、特に気温が高い日には、被検者のストレスレベルに関係なく発汗量が多いので、あまり信頼性がないという課題を有する。
警告システムおよび防御反応メカニズムは生命体の生き残り戦略の本質的部分である。組織破壊環境刺激を検出するために、侵害受容系のポリモーダル受容器が存在し、反射反応または離脱反応などの悪条件に最適に反応する溜めに必要な情報が生命体に提供される。受容体は、交換神経入力、およびCa2+透過性TRPVチャンネルにより分子レベルで規制された反応を含むさまざまな外因性および内因性物質による変異しやすい。ストレスは、一般に、これらのセンサの痛覚を鎮痛することが知られている。
したがって、人間が肉体的かつ精神的に最適に機能するために、潜在能力を示す測定値としての交感神経緊張度を速やかに高い信頼性で安価に特定する方法に対する必要性が存在する。
[本発明の説明]
本発明者は過去に、致命的部分においてストレスが疼痛を増大させることを見出した。防御反応/反射も同様にストレスにより影響を受けることを見出し、これは生存率の増大を導くものである。
本発明者は過去に、致命的部分においてストレスが疼痛を増大させることを見出した。防御反応/反射も同様にストレスにより影響を受けることを見出し、これは生存率の増大を導くものである。
人間に見られる、ストレスにより増大した胸骨の疼痛感応性が、無意識の不快引込め反射(NWR)の改善と相関があることが確認され、これは防御反応のみならず、これに関連して、警告システムの潜在的有用性を示すものである。
これまで疼痛感応性が増大するということは、炎症や神経の痛みとしての機能障害などの組織損傷に呼応する部分的な反応であると考えられてきたが、防御反応と関係があるとは知られていなかった。
感応性を(本願と同じ譲受人の国際特許出願公開2006/092146号で開示されているように)単純で信頼性の高い手段を用いて測定し、ストレス性の影響がなくなった後に規格化した。単純かつ客観的で高信頼性のストレス診断方法は、現在まで存在せず、広範な実用的用途で応用できる可能性を有していると期待される。このとき、戦闘兵、心疾患、メタボリック・シンドローム(過緊張、肥満症、鬱病、糖尿病)の後外傷性ストレス障害によるストレス、および家畜の健康維持を図る手段や健常者の予防的手段として、ストレスを、専門家のみならず専門家でなくても高い信頼性で測定できる恩恵を受けることができる。
したがって本発明は、生存率を改善するための求心性センサおよび遠心性センサの両方を含む生物学的な警告システムおよび防衛反応の調整能力に関する新規な理解を提供するものである。観測される調節に対する既知の機能的、構造的、分子的背景がある点について強調することができる。
現在、単純な遠心性運動反応に呼応した防御反応の感応性が増大として、不快引込め反射(NWR)は、動物すなわち人間が脅威を感じたときに見られる一般的な生存率の改善の一部であると提唱されている。ストレスまたは他の一般的な環境因子によるNWRまたは他の防御反応の変調は、これまで調査対象とはならなかった。NWRは、疼痛に対する客観的な服用量依存反応であると考えられてきた。ただし負傷時には、負傷部位を保護する局部的な変調が確認されていた。
警告システムおよび防御反応に対する感応性の関連性は、新しい生物学的な研究分野である。
潜在的脅威を有する刺激を、意識的に感じることなく脳内で処理したとき、臨床ストレス症状の意識的な認識が、重度のストレスにより抑制されることがあり、この知見は、脅威に対する意識的疼痛と無意識的疼痛の関連性に関する研究分野に新しい未知を切り開くものである。
これまで、ストレスに起因して増大する交換神経系の活動と、肉体的運動(エクササイズ)により増大する交換神経系の活動とを区別するための生理的方法が確立されていなかった。本発明は、こうした方法を提供しようとするものである。本発明は、交換神経緊張を測定する方法を提供する。この方法は、上述のように、迅速で、簡便で、信頼性が高く、安価なものであり、個人の急性および慢性のストレスレベルを測定するために用いることができ、個人の警告システム感応性(Warning System Sensitivity:WSS)の状態だけでなく、防御反応/反射感応性(Defense Reaction/Reflex Sensitivity:DRS)の状態を確立するために有用である。
さらに本発明は、この方法を実現するシステムを提供するものである。
第1の態様において、本発明は、被験者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/または警告システム感応性の状態を測定する方法に関し、この方法は、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた同じ刺激閾値の刺激を測定するステップを有するか、あるいは1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、任意的には、この刺激閾値と事前設定された較正閾値と比較するステップを有する。
第2の態様において、本発明は、人間を含む動物におけるWSS/DRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルを定量的および/または定性的に測定する方法に関し、その方法は、a)動物の体の交換神経緊張−中立部位における疼痛閾値の定量的測定値である較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛閾値の定量的測定値である刺激閾値とを連続的に記録するステップと、b)刺激閾値と較正閾値を比較することにより、WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの指標値を計算するステップとを有する。指標値は、被験者のWSS/DRSのレベル、および/またはストレスレベル、および/または交換神経緊張のレベルである。
さらなる態様において、本発明は、人間を含む動物におけるWSS/DRS、交換神経緊張、および/またはストレスレベルの状態を定量的および/または定性的に測定する方法に関し、その方法は、a)動物の体の交換神経緊張−中立部位におけるポリモーダルセンサ細胞の発火閾値の定量的測定値である較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位におけるポリモーダルセンサ細胞の発火閾値の定量的測定値である刺激閾値とを連続的に記録するステップと、b)刺激閾値と較正閾値を比較することにより、警告システム感応性の指標値を計算するステップとを有する。WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの指標値は、動物の警告システム感応性、および/または交換神経緊張、および/または警告システム感応性の測定値である。
本発明のさらなる態様は、上述の本発明にかかる方法のさまざまな実用的な実施に関するものであり、こうした実施態様は、治療およびプログラムを最適化し、各被験者のストレスレベルおよび/または交換神経緊張に依存する効能を最適化することを目的とするものである。たとえば、本発明は、効能および/または治療計画に関する患者のコンプライアンスが、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルに依存する場合において、患者の治療計画の進捗を管理するための方法に関し、その方法は、i)治療計画中に1度またはそれ以上の回数、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定するステップと、ii)治療計画から得た患者の利益に関する統合された測定値に基づいて、治療計画を調節するステップとを有する。
これらの態様に関連して、本発明に係る方法は、ストレスレベル、および/または交換神経緊張、および/またはWSS/DRSのレベルが高いと認定されたときには、処置を施すことを含む。より具体的には、本発明は患者の不必要または非生産的なストレスを防止または解消するか、患者のWSS/DRSを低減する方法であって、この方法は、a)上述の測定方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定するステップと、b)ステップa)で測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルが増大しているとき、交換神経緊張−依存部位に所定期間、刺激閾値より小さい強度を有する刺激を与えるステップとを有する。
本発明に係る方法として、患者を予後診断するための方法が含まれ、その方法は、1)患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを連続的に測定するステップと、2)ステップ1)での測定結果を予後診断に利用することにより、疾病に関する患者の予後診断を行い、ステップ1)での測定結果において、WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルが低い場合に、ステップ1)で測定したより高い交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSSおよび/またはDRSより良好な予後を示すものであると認定するステップとを有する。
本発明は、被験者のストレスレベルに関する問診による診断が真のストレス指標値を提供するか否かを判断する方法に関し、その方法は、a)問診と平行して、上述の測定方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定するステップと、b)問診による診断がステップa)の測定結果と正の相関を有する結果であるか否かを認定するステップと有する。正の相関とは問診による診断が真の指標値であることを示す。
第3の態様において、本発明は人間を含む動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSの状態を測定するためのシステムに関し、この方法は、a)動物の体の交換神経緊張−中立部位における疼痛較正閾値、および動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛刺激閾値を記憶する記憶手段と、b)疼痛較正閾値および疼痛刺激閾値を処理して測定値を得るようにプログラムされた電子回路部と、c)第1のユーザ操作により得られた疼痛刺激閾値を記憶するように構成された、動物の体に不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段と、d)第2のユーザ操作により得られた疼痛刺激閾値を記憶するように構成された、動物の体に不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段とを有する。不快誘発刺激は、1)第1の振動ベースにより与えられる振動、および/または2)第1の加熱ベースにより与えられる熱、および/または3)第1の電気ベースにより与えられる電気を含み、不快誘発刺激を与える手段は、刺激が徐々に増大するように構成され、記憶手段は、第1および第2のユーザ操作に対応する時に瞬時に刺激を記憶するように構成される。
較正閾値は、事前に決定または設定され、恒久的に記録された定数(たとえばゼロ)である。
第6の態様において、本発明は、被験者のWSS/DRSのレベルを認定するために疼痛を測定する使用に関する。
本出願人の先の国際特許出願公開第2005/084529号および第2006/092146号は、本発明を実施する際に適用可能なシステム、方法および利用を開示している。すなわち本発明は、国際特許出願公開第2005/084529号および第2006/092146号で開示された測定方法および測定システムを利用する態様を含み、およびこれらに開示された方法、利用およびシステムを改善するものである。特に、国際特許出願公開第2005/084529号および第2006/092146号のすべての教示内容を適宜変更して、本発明のWSSレベルを測定することができ、国際特許出願公開第2005/084529号および第2006/092146号で教示された交換神経緊張、および/またはストレスレベルの測定方法は、本発明のWSSレベルを測定する際に、等しく適用されることが理解されよう。
しかし本発明は、動物(人間を含む)の不快引込め反射(NWR)を測定することにより、動物のWSS/DRS(およびストレスレベルも同様)を測定することができることを証明するものである。とりわけ、ストレスレベルおよび交換神経緊張のレベルを測定する方法を確立する国際特許出願公開第2005/084529号および第2006/092146号に記載の方法とシステムを用いた先の知見は、本発明によれば、同様にNWRの閾値と相関することを証明するものである。
[定義]
本発明について詳細に説明する前に、本発明の態様に係る特定の用語に関し以下に定義する。
本発明について詳細に説明する前に、本発明の態様に係る特定の用語に関し以下に定義する。
「ストレス」の用語は、体のリソース(resources:資質、底力、限界)を越える緊張状態を意味する。ストレスは、快楽にもなり得るが、不快にもなり得、ときには生命に危険を与えることもある。ストレスの2つの形態、すなわち一過性のものと継続性のものとを区別することが重要である。「一過性ストレス(急性ストレス)」は、肉体的な準備状態であって、脅威を感じたときに脳から生じる神経系およびホルモンの信号による体に自動的に誘発される状態である。ストレスレベル(ストレス度)は、刺激の結果に対する各個人の見込みと利用可能なリソースとの間のバランスに依存する。試練や脅威が上回ると、ホメオスタシス(homeostasis)が再確立される。人間は必要なリソースを利用できる場合には、状況を肯定的に知覚することができる。緊張度が体のリソースを越える状況が生じた場合には、状況は否定的に認識される可能性が高い。こうした否定的状況が続くと、生命体のリソースは重い負担を感じ、体が機能しなくなる。増大したストレスレベルは、増大した交感神経緊張度として表れる。ただし、交感神経緊張度の増大は、適度な運動時に見られるような増大したストレスレベルに表れるものではない。
「持続的ストレス」または「慢性ストレス」の用語は同義語として用いられ、神経処理およびホルモンが一過性ストレスにさらされた状態が続き、十分に回復しないことに起因して、脳の神経処理およびホルモンの機能障害を意味する。これは我々の健康に害をもちらすものである。
「交感神経緊張」の用語は、神経系のうちの交感神経部分における活性レベルを意味し、肉体的および精神的ともに最善の状態で機能するための人間の潜在能力を特定する上で有用なものである。
「急性ストレス」の用語は、人間が通常は数時間または数日間の短期間、ストレスに起因して交換神経系の活性度が増大した状況を経験した状態を意味する。
「一過性ストレス」の用語は「急性ストレス」と同義語として用いられる。
「持続性ストレス」の用語は「慢性ストレス」と同義語として用いられる。「慢性」の用語は長期疾病に関する状態を示すために用いられるところ、「持続性」ストレスの方が疾病用語として自然であるので好ましい。これは、後に回復処置がなされる場合には、軽度の持続性ストレスが不健康であり、健康に害を及ぼし得るので重要である。用語に一貫性を与えるために、「一過性ストレス」の用語の方が「急性ストレス」より好ましい。
「蓄積ストレス」の用語は、人間が通常は数週間、数ヶ月または数年間の長期間、交換神経系の活性度が増大した状況を経験した状態を意味する。
「臨床ストレス」の用語は、ストレスにより臨床的症状が誘発される状態を意味する。
「生理ストレス」の用語は、心理ストレス(=ストレス)または身体ストレス(運動誘導ストレス)に起因する交感神経緊張を区別することなく、交感神経緊張を特定するためのものである。
「心理ストレス」の用語は、ストレスを意味し、運動ストレスとは区別することが重要であるときに主に用いられる。
「身体ストレス」の用語は、身体的運動のみにより増大した交感神経緊張を意味する。ただし、この用語は軽度ないし中度の運動に対応するものであって、過度の運動がなされたときは心理ストレスともなり得る。
「精神ストレス」の用語は、精神活動のみに起因して増大した交感神経緊張を意味する。ただし精神ストレスは、個人によって、あるいは状況によってはストレスになったりならなかったりすることがある点について強調する必要がある。精神ストレスがストレスになるかならないかは、刺激の結果に対する個人の見込み(individual expectancies of the outcome of the stimulus)と利用可能なリソースの間の個人的バランスおよび状況バランスに依存する。
「刺激」の用語は、皮膚の機械受容器、温度受容器、および/または侵害受容器を活性化するようなタイプの刺激を意味するものである。刺激は、機械刺激、熱刺激、電気刺激、輻射刺激、および/または化学刺激であってもよい。機械刺激は、たとえば圧力および/または振動により与えられるものであってもよい。熱刺激は、たとえば冷たいものおよび/または温かいものにより与えられるものであってもよい。電気刺激は、たとえば交流電流また直流電流により与えられるものであってもよい。輻射刺激は、赤外線光、可視光、および/または紫外線光またはこれらのスペクトル光を組み合わせたものを発するレーザ、発光ダイオード、赤外光源、紫外線光源、および/または白色光源などにより与えられるものであってもよい。化学刺激は、たとえば無機物質または有機物質により与えられるものであってもよい。
「交感神経緊張−中立部位」の用語は、与えられた刺激に対する感応性が交感神経系の活性レベル、および/または急性ストレスレベルとは独立している体の部位を意味するものである。この用語は、同様に、交感神経緊張の増大および/またはストレスレベルについて感応性または疼痛閾値がより高い体の部位を意味する。
「交感神経緊張−依存部位」の用語は、与えられた刺激に対する感応性が交感神経系の活性レベルに依存する体の部位を意味するものである。このため、交感神経緊張増大またはストレスレベルの増大に関して、感応性または疼痛閾値がより低いものとなる。
上記記載内容から明らかなように、交感神経緊張−中立部位および緊張依存部位の解剖学的位置はさほど重要なことではない。刺激を埋め込み式デバイスにより与えられる場合には、問題とされる部位は「体の内部」にあって、携帯型デバイスを用いて、体の「部位の上に」刺激を与えようとするものである。
「刺激閾値」の用語は、個人が所定の部位に与えられた刺激を快楽でないもの、とりわけ不快なもの、または痛みと知覚するようになる刺激の強度を意味する。
「圧力感応性の閾値」の用語は、個人が所定の部位に与えられた圧力を快楽でないもの、とりわけ不快なもの、または痛みと知覚するようになる刺激の圧力を意味する。
「疼痛閾値」の用語は、個人が各部位における侵襲性の刺激であると知覚するときの閾値、すなわち組織に損傷を与える刺激であると知覚するようになる疼痛閾値を意味する。この用語は、同様に人間が不快であると知覚される刺激を含む。
「実質的に同時に」の用語は、たとえば較正閾値および刺激閾値などの測定が、1分間、2分間、3分間、5分間、10分間または15分間などの数分間の間に行われることを意味する。
「実質的により低い」の用語は、交感神経緊張−依存部位における疼痛閾値が、交感神経緊張−中立部位における疼痛閾値に対して、85%未満であること、好適には80%未満であること、より好適には75%未満であることを意味する。
「刺激付与測定システム」の用語は、刺激を与え、測定することができる装置またはいくつかの装置群などのシステムを意味する。
「感圧装置」の用語は、圧力を付与し、測定することができる装置を意味する。
「マーカ」の用語は、測定部位をマーキングすることを意味する。
「測定部位」の用語は、刺激が与えられた部位における刺激閾値が交感神経緊張に中立であるか、あるいは依存する部位を意味する。
「CV.17」、「Per 1」および「St.18」の表現は、既存の中国理論に基づく経穴(北京大学の伝統的漢方医学: 中国針療法の要点, Beijing Foreign Languages Press, 1980)を意味するものである。CVは任脈(conception vessel)であり、Per は心膜(pericardium)であり、Stは腹(stomach)である。CV.17部位は、図3では灰色陰影を付した領域で示すが、そのうちの本発明により最も頻繁に利用される部位を黒点で示す。St.18部位は、図4の灰色陰影領域に図示され、そのうちの最も頻繁に利用される部位を黒点で示す。CV.17部位、Per 1部位およびSt.18部位は、中国名により明確に定義されている。図1、図3および図4に灰色陰影領域が図示され、実際に検査すべき領域であって、刺激されると最も痛い部位として特性が定義されるところがマーキングされている。これは同様に、その部位がマーキングされた灰色陰影領域の外側にあることを意味する。現実には、その部位は、交感神経系のうちの心臓の神経支配に関連する皮膚の一部における任意の部位であってもよい。(これは、たとえば以下の文献に開示されている。すなわち、Rutherford J. D.、Braunwald E. およびCohn P. F.著の「慢性心臓疾患」、Braunwald E.編の「心臓疾患、循環器系内科テキスト」Philadelphia, W. B. Saunders Company, 1988; 1314-67; Williams P. L., Warwich R., Dyson M. & Bannister L. H., eds. Gray's Anatomy. New York: Churchill Livingstone, 1989; 723-1168、Mann, F.著の「針療法テキスト」 William Heinemann medical books, London 1987; 57-64)である。)
「TH3〜TH6」および「TH10、TH11」の表現はそれぞれ、当該番号の胸椎である棘突起(spinous process)3〜6および棘突起10〜11を意味する。棘突起は硬い突起部状の脊柱の一部である。棘突起3−6および棘突起10〜11が図2に図示されており、棘突起3〜6は脊柱上の最上部の4つの黒点で示し、棘突起10〜11は脊柱上の最下部の2つの黒点で示す。
「警告システム感応性(Warning System Sensitivity)」すなわち「WSS」の用語は、ストレス状況にあって性能または警報を改善するように交感神経系で機能するCNS制御された警報システムを意味する。すなわち、WSSの増大は、常に、交感神経緊張の増大を伴う一方、交感神経緊張の増大(たとえば交感神経緊張が軽度ないし中度の運動などにおいて交感神経緊張を増大させるための生理的必要性に起因する場合など)は、常に、WSSの増大を伴うものではない。本発明の知見によれば、一般にWSSが増大すると、体の内部または表面上の交感神経緊張−依存部位における圧痛度(鋭敏性、tenderness)が増し(疼痛閾値が低減し)、本発明に係る測定結果において、こうした圧痛度が増大すれば、WSSの感度が増大するということを意味するものである。
「防御反応/反射感応性(Defense Reaction/Reflex Sensitivity)」すなわちDRSの用語は、より優れた防御反応を実現するために、交感神経系およびWSSに連結された無意識の反射反応による防御システムである。すなわちDRSは、交感神経緊張およびWSSが増大すると常に増大するが、交感神経緊張は、(たとえば交感神経緊張が軽度ないし中度の運動などにおいて交感神経緊張を増大させるための生理的必要性に起因する場合など)DRSが増大しても常に増大するわけではない。本発明の知見によれば、一般にDRSが増大すると、体の内部または表面上の交感神経緊張−依存部位における圧痛度が増し(疼痛閾値が低減し)、本発明に係る測定結果において、こうした圧痛度が増大すれば、DRSの感度が増大するということを意味するものである。
測定中の「不快引込め反射」の用語は、眼や頬の領域(驚き反射)または頸や上肢の屈筋における非自発的な筋肉収縮を示すものとして用いられる。
「神経系の弾性(ストレス適応回復性:elasticity)」の用語は、ストレス状態への反応の大きさおよび回復速度など、状況変化に呼応して適当に機能を調節する生命体の能力を意味する。弾性が良好であるとき、生命体はこうした変化に対して迅速かつ十分に適応することができる。これは、一過性ストレスの特定の状況において、ストレス反応により十分な能力がピークとなるように活性化され、こうした状況が過ぎると、ホメオスタシス(生体恒常性)が迅速に再確立されることを意味する。弾性度は慢性ストレスのレベルのための有用な測定値であり、弾性が徐々に減少すると、慢性ストレスのレベルが増大することを意味する。
[本発明の実施形態]
所定のストレス惹起状況において、個人のすべてのリソースを確実に最適利用するために、任意の時間において神経系の機能レベルを測定することにより、リソースの最適利用を確保することは極めて重要なことである。
所定のストレス惹起状況において、個人のすべてのリソースを確実に最適利用するために、任意の時間において神経系の機能レベルを測定することにより、リソースの最適利用を確保することは極めて重要なことである。
本発明に係る方法は、交換神経系の活性レベルを即時に(瞬時に)決定する方法を実現するツールを個人に提供するものである。
1)測定値が低いときは、交感神経系の活性レベルが低いことを意味し、このとき将来のストレス状況にうまく適応するための最善の状態にある。
2)1度の測定値が高い値であれば、個人が生理学的にみていわゆる「ストレス状態」にある生命体のリソースを動員し、脳が危険または危険の可能性を知覚している状況にある旨の情報をユーザに提供する。
3)複数の測定値が高い値であれば、個人は長期間「ストレス状態」にあり、長い時間、生命体のリソースに重い負担が生じ、心理的、肉体的、感情的および社会的に機能レベルが減退していることをユーザに示す。
4)測定値が上下変動すれば、個人の「ストレス状態」が交互に活性化され、非活性化されている状況である旨の情報をユーザに提供する。その結果、認識および認知できる可能性がある。
1)測定値が低いときは、交感神経系の活性レベルが低いことを意味し、このとき将来のストレス状況にうまく適応するための最善の状態にある。
2)1度の測定値が高い値であれば、個人が生理学的にみていわゆる「ストレス状態」にある生命体のリソースを動員し、脳が危険または危険の可能性を知覚している状況にある旨の情報をユーザに提供する。
3)複数の測定値が高い値であれば、個人は長期間「ストレス状態」にあり、長い時間、生命体のリソースに重い負担が生じ、心理的、肉体的、感情的および社会的に機能レベルが減退していることをユーザに示す。
4)測定値が上下変動すれば、個人の「ストレス状態」が交互に活性化され、非活性化されている状況である旨の情報をユーザに提供する。その結果、認識および認知できる可能性がある。
特定の実施形態において、この方法は、実際の測定値に基づいて、否定的ストレスを解消し、ストレスレベルを増大または低減する手法を個人に教示する特定のツールおよび教育的プログラムに関連付けられるものである。本発明は、交感神経系の活性レベルを決定する方法、および肉体的および精神的ともに最適に反応する個人の潜在能力に関して徹底的に調査した結果によるものであり、交感神経緊張を決定するための既知の手法が有する課題を適正に解決して、肉体ストレスとは対照的な交感神経系の活性レベルすなわち精神ストレスを正確に測定するものである。
本発明によれば、驚くべきことに、刺激を与えたときに、刺激閾値が交感神経緊張に対して中立であるか、無痛で反応できる部位が体の中に存在することが確認された。これに対し、他の部位は交感神経緊張に依存するものであり、上述の定義を参照すると、これは交感神経緊張がWSSおよび/またはDRSと関連する場合にのみ生じ、単純な軽度または中度の運動などにより交感神経緊張が増大しても、交感神経緊張−依存部位における圧痛度が増大するわけではない。換言すると、与えられた刺激に対する感性が交感神経系の活性レベルに依存して(WSS/DRSに依存するとき)、交感神経緊張および/またはストレスレベルおよび/またはWSS/DRSレベルの増大とともに非常に痛みを感じる部位がある一方で、与えられた刺激が交感神経系の活性レベルとは無関係であり、あるいは交感神経緊張やストレスレベルが増しても痛みを伴わない部位が存在する。したがって本発明によれば、交感神経系の活性レベルがWSS/DRSレベルとともに増大するとき、交感神経緊張−中立部位に与えられた刺激に対する個人の感性(疼痛)は増長される。一般に、ストレスおよび交感神経緊張が増大すると、疼痛に対する耐性ができるものと(Amit and Galina, Physiol. Rev. 66: 1091-1120, 1986)、これまで説明されてきたので、この知見は驚くべきことである。特定された交感神経緊張−依存部位は、一般に、体に対して知られていた反応とは異なる反応を示すものである。実際のところ、特定された交感神経緊張−依存部位は、ストレスおよび/または交感神経緊張の増大により、過剰痛覚(増大した感度または増大した痛覚)を示し、ストレスまたは交感神経緊張の増大により誘発される上述の痛覚とは対照的である。
交感神経緊張−中立部位において刺激閾値を得るために必要な付与刺激の強度を決定し、これと交感神経緊張−依存部位において同じ刺激閾値を得るために必要な付与刺激の強度を比較することにより、WSS/DRS(たとえば交感神経緊張)の生理学的測定値および個人の心理ストレスまたは即時のストレスレベルを得ることができる。この測定値は瞬時のWSSレベル測定値と考えることもできる。
慢性ストレス、一過性ストレス、または急性ストレスのレベルおよび/またはWSS/DRS状態を判断するための本発明に係る方法を用いるとき、ストレス状態に適応するためのツールを個人に提供することにより、個人の能力を最大限発揮させるものである。交感神経系の活性レベルが急激に増大すると、個人の能力に有用な効果が生じる場合がある。アドレナリンのレベルが増大することは能力を最大限発揮する上で有用であることが知られている。本発明に係る方法を用いると、交感神経系の活性レベルが増大して有用な効果がもたらされるように、交感神経緊張に適応することができる。
同様に重要なことは本発明に係る方法が有する効果作用であって、環境またはライフスタイルにおいて、WSS/DRS(たとえば一過性または持続性ストレスと診断されるもの)の無意識下で増大または低減させる因子を個人により特定することを可能にすることである。というのも、本発明に係る方法は、個人がこうした測定を日課とすれば、WSS/ストレスのレベル反復的に測定することができ、測定値と日常生活における出来事とを関連付けることにより、ストレス誘発因子を特定し、ストレスが軽減される活動/行動を特定しやすくできるためである。
交感神経系の即時活動レベル、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定する方法が提供されるが、こうした活動レベルは、個人の適応する能力または潜在能力にとって極めて重要なものである。この方法は、診断的特質および診断的価値を有するものとも考えられるが、個人の次善の適応潜在能力ではなく最善の適応潜在能力が得られるように、個人に予測を与える点において、予想方法とも説明することができる。序論において説明したように、交感神経系は、いわゆる「ストレス反応」時に生命体の有するリソースを動員して、実際の危機的状況や試練に最善の手法で対処する。これは、心理的にいえば、思考に集中する能力を向上させるため、個人がより迅速かつ明確に思考することを意味する。この目的を支援するために、無関係な感覚は有効に阻止される。肉体的にいえば、体は、反応時間を短くし、筋力を増大させ、感覚を研ぎ澄ませ、思考と運動神経能力の間の協調性を最適化する。
任意抽出した146名の健康な被験者についてテストを行ったところ、以下説明するレベル3のストレスグループに属する79名中の半分(41名)が、ほとんど/まったくストレスを感じていないことが分かった。したがって本発明の方法および測定ツールは、個人がアクセスすることのない重要な情報を個人に提供することにより、極めて実用的価値を有する。
上述のように、本発明に係る方法は、長期間にわたって交感神経系の活性レベル、ならびにWSSおよび/またはDRSを記録するために用いると、ストレス起因の合併症に至る状態を未然防止する上で有用である。こうした記録は、中央登録/データセンタに送られ、定期的に個人のデータをモニタし、個人に警告を返送し、合併症を防止することができる。
本発明によれば、部位における刺激感度は、個人によって極めて異なり、ある個人に対して交換神経緊張/WSS/DRSを1度測定しても、その個人の通常状態が分からなければ必ずしも、その測定値と実際のストレス状態とを関連付けることはできない。すなわち、交換神経緊張/WSS/DRSの単一測定値にさらなる情報を付加する必要がある。交換神経緊張/WSS/DRSの活性レベルが低い場合、および反復的な測定値の差異が小さい場合には、個人のリソースが最善に予測適応していることを示す。しかし、活性レベルが高く、反復的な測定値の差異が明確でない場合、さらなる情報が必要となる。ストレス用紙(問診票)を用いた追加的な分析により、臨床ストレスの兆候が見られないと判断される一方、この方法により活性レベルが高いと測定される場合がある。この場合、測定結果は、1)持続性の慢性ストレスではなく一過性ストレスであることを示すものであるか、2)個人が臨床ストレスの兆候を自覚することなく、持続性ストレスであることを示すものである。後者の場合、個人が固執的ストレスの重度レベルにある判断し得る。弾性に関する補足的なテストを行うことにより、2つの状態、すなわち個人が一過性ストレスを受けていることを示す高い弾性の状態、あるいは個人が持続的ストレスを受けていることを示す不十分な弾性の状態(図28〜図30)を峻別することができる。短時間において、WSS/DRSの高値をWSS/DRSの低値に組み合わせた状態は、一過性ストレスに関連する状態を示し、持続性ストレスのレベルは低いことを示す(図28〜図29)。
にもかかわらず、数多くの現実の目的において、(たとえば年齢、性別、人種背景などの)母集団におけるさまざまなレベルを示す較正閾値を決定することは有用である。というのも、較正閾値を測定しないで、刺激閾値を1回測定することにより、個人のストレスレベルおよび/または交換神経緊張を解明することができるためである。
すなわち、較正閾値は、測定結果から得られた値ではなく、事前に決定または確立された値であって、一人の個人または大きな集団の個人から事前の観察に基づいた値である。
本発明において、刺激とは、皮膚の機械受容器、温度受容器、および/または侵害受容器、あるいは体内(骨膜組織内)にある同等の受容器を活性化するようなタイプの刺激を意味するものである。刺激は、機械刺激、熱刺激、電気刺激、輻射刺激、および/または化学刺激であってもよい。機械刺激は、たとえば圧力および/または振動により与えられるものであってもよい。熱刺激は、たとえば冷たいものおよび/または温かいものにより与えられるものであってもよい。電気刺激は、たとえば交流電流また直流電流により与えられるものであってもよい。輻射刺激は、赤外線光、可視光、および/または紫外線光またはこれらのスペクトル光を組み合わせたものを発するレーザ、発光ダイオード、赤外光源、紫外線光源、および/または白色光源などにより与えられるものであってもよい。化学刺激は、たとえば無機物質または有機物質により与えられるものであってもよい。
以下に詳述するが、ポリモーダルセンサ細胞または遠心性運動神経と直接的に相互反応することも同様に重要なことである。細胞は、交流または直流、あるいは神経細胞を励起できる化学成分を用いて刺激することができる。
交換神経緊張の生理学的に測定するということは、個人の急性ストレスレベルおよび蓄積ストレスレベル、すなわちWSSおよび/またはDRSを全体的に測定するということである。本発明に係る方法によれば、治療処置/ストレス低減処方(intervention/stress-reducing initiatives)を記録することができる。
個人が特定の部位に与えられた刺激を快楽であると感じるとき、特に与えられた刺激を不快または痛みと感じるとき、刺激閾値が得られる。再度、交換神経緊張−依存部位におけるポリモーダルセンサ細胞または細胞または遠心性運動神経のための閾値を決定することにより、相関測定値が得られる。
同様に、交換神経緊張−中立部位は較正部位を意味する。これらの部位は、腹側の鎖骨の上側にあり、背側ではとりわけTH10、TH11と称する脊柱の上にある。こうした部位は、指またはつま先の任意の部位に(好適には指またはつま先の背部側上)ある。
交換神経緊張−依存部位は記録部位を意味する。これらの部位は、心臓に至る交感神経系の神経供給源に対応して皮膚の上および/または皮膚の内部にあり、腹側においては、胸骨の中央にあるCV.17、2本の肋骨の間にあって乳首の下にあるST.18、および乳首と腹側の腋窩部の間にあるPer 1である3つの部位が連結し、背側においては、肩胛骨の間の領域にあるTH3〜TH6に対応する。実施形態によれば、活性レベルを最も正確に示す部位として、上記部位の最も痛む部位を好適にも選択することができる。
本発明によれば、数時間/数日の短期間にわたるの個人の急性ストレス、および数ヶ月/数年の長期間にわたる個人の蓄積ストレスを経時的に測定することができる。
一過性ストレスおよび持続性ストレスは、当業者に知られた技術を用いて峻別することができる。これらの技術の1つとして、限定するものではないが、個人の身体的状態と心理的状態に関する会話、あるいは任意的にはストレスフォーム(問診票)に記入させることにより、個人の状態を解明することができる。さらに当業者に知られた技術を用いて、ストレスの原因を見出すことができる。これらの技術の1つとして、限定するものではないが、個人の身体的状態と心理的状態に関する会話、あるいは任意的にはストレス/リソースのバランスシートに記入させることにより、個人の状態を解明することができる。これらの技術の1つとして、限定するものではないが、WSS/DRSを個人的に日常的に反復測定することが含まれる。これは、本発明に係る測定に対する追加的な情報の補足として概略的に上述したとおりである。同様に、所定期間、個人の活性レベルを(心拍数、血圧などを継続的に測定することにより)モニタすることができ、加えて1)WSS/DRS、2)事件、3)思い、4)感情、5)個人的に特定されるストレス性の臨床的症状に関する詳細な日記を個人に記録させる。これにより、得られた情報を意識的に処理して、一過性ストレスおよび持続性ストレスの峻別に対する解答が得られる。
特別のテストを含めることができる。これらの技術の1つとして、限定するものではないが、精神ストレステスト、身体運動テスト(たとえば自転車運動テスト)、および/または個人の職業生活に関するパフォーマンス(実技)テストを含めることができる(図20〜図30を参照されたい。)。これらのテストの態様は弾性、すなわち刺激に対するストレス反応およびその後の回復速度を反映するものである。
慢性ストレスの最初の臨床的兆候は、運動器官の筋肉の疲労と筋緊張の増大である。たとえば頭痛や、背中、肩、頸の痛みとして表れることもある。この状態は、無害であり、数多くの状況において経験され、肯定的ストレスとして知覚される。
ストレス負荷が長く続いた場合、神経系において、意識、すなわち自立神経系で制御できないさらなる症状が生ずる。こうした症状は、たとえば不機嫌、胃の痛み、動悸、および集中力欠如として表れることもある。
ストレス負荷がさらに深刻になると、神経系において、意識下では制御できないさらなる症状が生ずる。その個人は、怒り、または苛立ちを抑制できず、社会的行動に悪影響を受ける。
与えられた刺激の強度が刺激閾値を得るために必要なものであるとき、その強度は、与えられた刺激の強度を測定することができるシステムを用いることにより、測定することができる。与えられた刺激の強度を測定するシステムの具体例は、与えられた機械刺激、与えられた熱刺激、与えられた電気刺激、与えられた輻射刺激および/または化学刺激を測定できるシステムである。与えられた機械刺激を測定するためのシステムは、たとえば与えられた圧力を測定する装置であってもよく、この装置はたとえば圧力計である。たとえば与えられた圧力を測定する装置を用いてテストした後に、指における圧力感応性の閾値を得るために必要な与えられた圧力の強度を測定することができる。
本発明に係る方法は、さまざまなイニシアチブ(initiative)の効果を測定するためにさらに利用してもよい。これらのイニシアチブは職業的な健康治療との関係はともかく、たとえばストレスを誘発するものとして知覚される状況に対応するものであってもよい。
本発明に係る方法は、測定される人以外の人が行ってもよいし、測定される人が行ってもよい。個人が自ら測定を行う場合に最も正確な測定が得られる。
包括的研究によれば、交感神経系の活動レベル(レベル0〜3)は、次のように分類でき、すなわち交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力刺激が圧力感応性の閾値を得るために必要な刺激に対して、交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力刺激が圧力感応性の閾値を得るために必要な刺激を関連付けることにより分類できることが明らかとなった。
[レベル0]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の80%以上に相当する場合。
[レベル1]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の55%以上80%未満に相当する場合。
[レベル2]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の30%以上55%未満に相当する場合。
[レベル3]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の30%未満に相当する場合。
[レベル0]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の80%以上に相当する場合。
[レベル1]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の55%以上80%未満に相当する場合。
[レベル2]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の30%以上55%未満に相当する場合。
[レベル3]:交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力が交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の同じ閾値の圧力の30%未満に相当する場合。
交感神経系の活性レベルと、交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力に対する交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力感応性の閾値の圧力の関係とにおける上述の比は、各個人により変更してもよい。いくつかのケースでは約90%まで変化させてもよい。
同じ人に対し、複数の交換神経緊張−依存部位により測定値を変更してもよいし、複数の交換神経緊張−中立部位により測定値を変更してもよい。交感神経系の活性レベルを最も正確に測定するためには、他の要因により影響を受けにくい交換神経緊張−中立部位を選択することが極めて重要である。
上述のように、交換神経緊張−中立部位に与えられた圧力刺激が圧力感応性の閾値を得るために必要な刺激に対して、交換神経緊張−依存部位に与えられた圧力刺激が圧力感応性の閾値を得るために必要な刺激を関連付けることは、熱刺激、電気刺激、輻射刺激または化学刺激についても同様に適用できることが確認された。具体例として、与えられた圧力刺激が用いられた場合、交換神経緊張−依存部位は、たとえば熱いものや冷たいものに対してより敏感であり、たとえば熱は熱伝導または輻射として伝達される。この交換神経緊張−依存部位は、無機化合物や有機化合物に対して交換神経緊張−中立部位より影響を受けやすい。任意の交換神経緊張−中立部位および交換神経緊張−依存部位を用いることができる。一連の交換神経緊張−中立部位および交換神経緊張−依存部位は腹側にあってもよいし、あるいは背側にあってもよい。一例として、腹側の鎖骨の上側にある交換神経緊張−中立部位と、CV.17、St18、またはPer 1の交換神経緊張−依存部位とを組み合わせて使用することが好ましく、あるいはTH10、TH11の交換神経緊張−中立部位と、TH3〜TH6の交換神経緊張−依存部位とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明は、被験者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/または警告システム感応性の状態を測定する方法に関し、この方法は、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた同じ刺激閾値の刺激を測定するステップを有するか、あるいは1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、任意的には、この刺激閾値と事前設定された較正閾値と比較するステップを有する。典型的には、刺激閾値は、刺激の関連部位における刺激の疼痛閾値である
本発明の特定の実施形態によれば、与えられた刺激は、与えられた機械刺激、熱刺激、電気刺激、輻射刺激、および/または化学刺激であってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、機械刺激は、与えられた圧力であってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、機械刺激は、与えられた振動力であってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、熱刺激は、与えられた熱源または冷熱源により供給されるものであってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、電気刺激は、交流または直流により提供されるものであってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、輻射刺激は、赤外線光、可視光、および/または紫外線光またはこれらのスペクトル光を組み合わせたものを発する手段、すなわちレーザ光源、発光ダイオード、赤外光源、可視光源、紫外線光源またはこれらの組み合わせにより提供されるものであってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、化学刺激は、与えられた無機物質または有機物質により提供されるものであってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、刺激閾値で与えられる刺激の測定は、与えられた刺激を測定するシステムを用いて行ってもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、交換神経緊張−中立部位における刺激閾値の刺激の測定は、腹側の鎖骨の上側の部位において、および/または背側の脊柱のH10、TH11に対応する部位、および/または手の指および/または足のつま先において行ってもよく、後者の2つの場合、指/つま先の背側において行われることが好ましい。
本発明の特定の実施形態によれば、交換神経緊張−中立部位における与えられた刺激閾値の刺激の測定は、交感神経系の心臓に至る神経支配に神経分布に沿った1つまたはそれ以上の皮膚の領域で行ってもよく、たとえば最も強く痛みを感じるところの、胸骨の中央部にあるCV.17の部位、2本の肋骨の間にあって乳首の下にあるST.18の部位、および/または乳首と腹側の腋窩部の間にあるPer 1の部位、および/または肩胛骨の間にある脊柱のTH3〜TH6に対応する部位のうちの1つのまたはそれ以上の部位で行われてもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明は、人間を含む動物における交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを定量的および/または定性的に測定する方法に関する。この方法は、a)動物の体の交換神経緊張−中立部位における疼痛閾値の定量的測定値である較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛閾値の定量的測定値である刺激閾値とを連続的に記録するステップと、b)刺激閾値と較正閾値を比較することにより、WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの指標値を計算するステップとを有し、指標値は、動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSSの測定値である。
1つの実施形態によれば、較正閾値と刺激閾値は、実質的に同時に測定される。ただし較正閾値は、過去の測定値に基づいて得られた累積的平均値、または事前設定された値であって、たとえば異なる複数人の平均値であってもよい。ある実施形態では、較正閾値はゼロである。
事前に確立または設定された較正閾値を用いた場合、1回測定するだけで、ストレスレベルおよび/または交換神経緊張の指標値を容易に得ることができるので、本発明の方法は使いやすくすることができる。
いずれにせよ、交換神経緊張/ストレスレベルの指標値は、較正閾値と刺激閾値の数学的組み合わせであることが好ましい。これは、この方法の読出値が、刺激閾値と較正閾値を数学的に組み合わせることにより得られる(カラーコード、色調などの英数字以外の)値であることを意味する。通常、数学的な組み合わせは、刺激閾値と較正閾値の間の比の数学的関数(すなわち較正閾値を刺激閾値で割り算した値の関数)である。ただし数学的な組み合わせは、2変数の差の関数であってもよい。
本発明に基づいてそのようにすることが実用的であっても、これら2つの閾値を同一の測定ユニットを用いて測定する必要はなく、(あまり実用的ではないが)2つの閾値を異なる種類の閾値とすることもあり得る。
実施形態において、疼痛は、圧力刺激、熱刺激、冷熱刺激、化学刺激またはこれらの組み合わせの刺激により誘発される。
実施形態によれば、交換神経緊張−依存部位における疼痛閾値が交換神経緊張−中立部位における疼痛閾値より相当に小さいということは、その個人はWSS/DRSに関連する交換神経緊張が増大しているということを示す。
交換神経緊張の測定された指標値は、瞬時または所定期間、記録することができる。特定の実施形態は、当初交換神経緊張があったことを示唆する先に測定された交換神経緊張の指標値と、測定された交換神経緊張の指標値とを比較する方法に関する。
[本発明に係る方法のさまざまな用途]
上述の方法は、交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを定量的および/または定性的に測定することかできるので、処置の効果が、特定の処置を受けた患者の交換神経緊張および/またはストレスレベルにより多少なりとも影響されるような場合、極めて数多くの処置(医療的処置および非医療的処置を含む)に関連してこの方法を利用することができる。病気の発症に直接的に起因するもの(虚血性心疾患、高血圧症など)または主たる病気の結果として生じるもの(痛み、内分泌機能不全、精神的疾患など)の数多くの病状が交換神経緊張の変化に関連することが知られている。いずれの場合でも、本発明の方法を用いて、主たる病気を治療するため、あるいは主たる障害に関する症状を軽減するために処方された投薬治療に関する影響を正確にモニタすることができる。この測定方法は、患者および/または臨床医に対し測定可能な読出値を提供し、治療の効果を最適化するために治療を変える必要がある場合、患者および/または臨床医は投薬治療の効果をモニタすることができる。
上述の方法は、交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを定量的および/または定性的に測定することかできるので、処置の効果が、特定の処置を受けた患者の交換神経緊張および/またはストレスレベルにより多少なりとも影響されるような場合、極めて数多くの処置(医療的処置および非医療的処置を含む)に関連してこの方法を利用することができる。病気の発症に直接的に起因するもの(虚血性心疾患、高血圧症など)または主たる病気の結果として生じるもの(痛み、内分泌機能不全、精神的疾患など)の数多くの病状が交換神経緊張の変化に関連することが知られている。いずれの場合でも、本発明の方法を用いて、主たる病気を治療するため、あるいは主たる障害に関する症状を軽減するために処方された投薬治療に関する影響を正確にモニタすることができる。この測定方法は、患者および/または臨床医に対し測定可能な読出値を提供し、治療の効果を最適化するために治療を変える必要がある場合、患者および/または臨床医は投薬治療の効果をモニタすることができる。
すなわち本発明は、治療計画に関する効能および/または患者のコンプライアンスが、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルに依存する場合において、患者の治療計画(投薬治療、外科治療またはその他の治療)の進捗を管理するための方法を提供することができる。この方法は、i)治療計画中に1度またはそれ以上の回数、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベルを測定するステップと、ii)治療計画、およびステップi)で測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルから得た患者の利益に関する統合された測定値に基づいて、治療計画を調節するステップとを有する。
「治療計画、および測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルから得た患者の利益に関する統合された測定値」の記載は、患者の一般的病状および/または特別の病状と、患者のストレス/リソースバランスと、本明細書で開示されるストレス/WSS/DRSレベルの測定値と、患者が治療計画をどの程度実際に遵守し、受けてきたかを示す情報とを含めた複合的な情報を意味するものである。換言すると、本願に係る交換神経緊張および/またはストレス/WSS/DRSレベルを測定する方法は、治療計画の効能およびコンプライアンスを評価するため従来式の手段および測定方法とともに用いて、効能および/またはコンプライアンスをより正確に評価することができる。
非限定的な具体例として、次の治療計画に対し、薬理学的コンプライアンスが改善されるものと考えられる。すなわち治療計画は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いた治療:治療薬重要関連の精神治療、鬱、他の気分障害、依存症、依存混乱、神経症、自殺願望などのストレス性の精神障害または行動障害の治療:糖尿病のインスリン治療、禁煙時の補助治療に用いられるニコチン代替治療:閉経後症候群のホルモン療法:生殖に関するホルモン療法:受胎および流産治療:急性および慢性炎症の抗炎症治療:伝染病の抗感染治療:甲状腺機能低下患者または甲状腺機能高進症患者の治療:歯科治療:心臓脈管薬をもちいた心臓、血管、腎臓疾患に対する治療:胃腸薬を用いた、潰瘍治療、過敏性腸症候群、消化不良、吐き気、および他の症状の治療:体重減量薬を用いた薬理学的治療:エクササイズプログラム:リラクゼーションプログラム:ダイエットプログラム:カウンセリングまたは指導:ストレスマネージメントプログラム:個人啓発プログラム:個人パフォーマンスプログラム:自己ケアプログラムである。
特に、SSRIを用いた治療の管理に際し、本発明に係る方法を用いることは、本発明者による最近の驚くべき知見に基づくものである。新たに診断告知された複数の女性癌患者について、本発明の方法を用いて測定したところ、極めて高いレベルのストレス/WSSを示したが(交換神経緊張−依存部位における疼痛刺激の閾値レベルが低下していることから明らかであった。)、そのうちの1人の女性患者が癌転移を新たに診断告知されたにもかかわらず、彼女は他の患者とは異なりSSRI治療を受けたところ、ストレスレベル/WSSレベルを実質的に低減したことが確認された。さらに女性癌患者は、一般には、NMRの症状が認められるが、SSRI治療を受けた女性には確認されなかった。
上述のように、本発明に係るストレ/WSS/DRSの測定方法は診療の際に用いることができる。すなわち本発明は、不必要なストレスまたは非生産的なストレスを防止する方法に関する。この方法は、a)上記記載の方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定するステップと、b)ステップa)で測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルが増大しているとき、交換神経緊張−依存部位に所定期間、刺激閾値より小さい強度を有する刺激を与えるステップとを有する。
この特別の処置は、かなり強いストレスに苛まれている患者に対し、すぐに処置することが必要な場合にその場で行うことができる。ただし、あまり重篤でない場合には、より長期間の治療計画を用い、このとき上記方法は、ステップa)の後さらに、上記記載の方法を用いて、患者の交換神経緊張および/またはストレスレベルを測定し、この新たな測定により、交換神経緊張および/またはストレスレベルが低減したとは認められないとき、交換神経緊張−依存部位に、ステップa)の所定期間とは異なる所定期間(好適にはより長い期間)、刺激閾値より小さい強度を有する刺激を与えるステップと、c)測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルがステップa)で測定された測定値より低くなったことを示すまでステップb)を反復するステップとを有する。熟練した開業医が処置を施さない場合に好都合であり、特に実用的であるが、刺激が不十分であったり、強すぎたりすることを回避するために、視覚的または聴覚的に指示に基づいて正しい刺激強度を示唆することにより、交換神経緊張−依存部位に対しより小さい強度の刺激を与えることを制御することができる。当然に、この実施形態によれば、刺激の強度を検出するための手段を有するシステムおよび装置を患者自身または開業医が利用する必要がある。
この実施形態は、交換神経緊張−依存部位への小さい強度の刺激の付与は、以下に詳述するように、ポリモーダルセンサ細胞を刺激するとともに、筋肉防御反射反応に呼応して、ポリモーダルセンサ細胞および/または遠心性運動細胞から生じる求心性インパルスを測定することができる閉ループデバイスにより制御される。
本発明は予後的方法として用いることも可能である。その方法は、1)患者の交換神経緊張および/またはストレスレベルを連続的に測定するステップと、2)ステップ1)での測定結果を予後診断に利用することにより、疾病に関する患者の予後診断を行い、ステップ1)での測定結果において、交換神経緊張および/またはストレス/WSS/DRSのレベルが低い場合に、ステップ1)で測定したより高い交換神経緊張および/またはストレス/WSS/DRSのレベルより良好な予後を示すものであると認定する。このとき、ステップ1)の測定は、上記記載の方法を用いて行うことが好ましい。したがって、予後がよくなく、そして/または特定の症状および/または疾病を発症する患者を処置することが可能となるので、この方法は予防的方法として用いることも可能である。
その疾病は、
急性、亜急性または慢性の炎症性疾患:
免疫系の機能不全により機能障害を引き起こして、免疫学的反応が人体に悪影響を及ぼす疾患:
急性、亜急性または慢性の感染症:
交換神経緊張により影響を受ける、循環性ショック、血栓症、虚血性疾患、梗塞症、心不整脈、高血圧症などの循環器系障害:
腫瘍性成長疾患:
後天性代謝障害:
機械エネルギ、熱エネルギ、電気エネルギ、輻射エネルギに起因する物理的損傷:
鬱病、他の気分障害、依存症、依存混乱症、神経症、自殺願望、睡眠障害、疲労、精神的および/または心理的な性格に起因する不平などのストレス性の精神障害または行動障害などの交換神経緊張により影響を受ける精神障害、心理障害または行動障害:
男性および女性の受精率の減少:
月経前症候群、月経痛、更年期障害、妊娠悪阻、子癇前症、子癇、早産、逆子、陣痛誘発、産後出血などの交換神経緊張により影響を受ける婦人科疾患:
耳鳴りや難聴などの交換神経緊張により影響を受ける耳鼻咽喉科疾患:
掻痒症などの交換神経緊張により影響を受ける皮膚科疾患:
胃潰瘍および十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、消化不良、下痢、便秘、吐き気、および嘔吐などのストレス性の臨床的な兆候および症例を消化器系疾患:
緊張性頭痛、偏頭痛、脳震盪、パーキンソン病、アルツハイマ病、頭蓋内外傷、ニューロパシなどの神経障害:
糖尿病、甲状腺機能不全、甲状腺機能亢進症、副腎皮質障害、副腎髄質障害、視床下部障害、脳下垂体障害、および多嚢胞性卵巣症候群などの内分泌機能障害:
皮膚、気管支、および胃腸管における反応などのアレルギ疾患:
気管支炎と肺気腫などのガス交換障害を含む肺疾患:
急性および慢性の関節炎や骨粗しょう症などの関節および骨の疾患:
肥満、減量、悪液質などの体重組成の変化に起因する疾病:
心不全、腎不全、肝不全などのナトリウムと水に関連する疾病状態:
および痛みのグループから選択される。
急性、亜急性または慢性の炎症性疾患:
免疫系の機能不全により機能障害を引き起こして、免疫学的反応が人体に悪影響を及ぼす疾患:
急性、亜急性または慢性の感染症:
交換神経緊張により影響を受ける、循環性ショック、血栓症、虚血性疾患、梗塞症、心不整脈、高血圧症などの循環器系障害:
腫瘍性成長疾患:
後天性代謝障害:
機械エネルギ、熱エネルギ、電気エネルギ、輻射エネルギに起因する物理的損傷:
鬱病、他の気分障害、依存症、依存混乱症、神経症、自殺願望、睡眠障害、疲労、精神的および/または心理的な性格に起因する不平などのストレス性の精神障害または行動障害などの交換神経緊張により影響を受ける精神障害、心理障害または行動障害:
男性および女性の受精率の減少:
月経前症候群、月経痛、更年期障害、妊娠悪阻、子癇前症、子癇、早産、逆子、陣痛誘発、産後出血などの交換神経緊張により影響を受ける婦人科疾患:
耳鳴りや難聴などの交換神経緊張により影響を受ける耳鼻咽喉科疾患:
掻痒症などの交換神経緊張により影響を受ける皮膚科疾患:
胃潰瘍および十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、消化不良、下痢、便秘、吐き気、および嘔吐などのストレス性の臨床的な兆候および症例を消化器系疾患:
緊張性頭痛、偏頭痛、脳震盪、パーキンソン病、アルツハイマ病、頭蓋内外傷、ニューロパシなどの神経障害:
糖尿病、甲状腺機能不全、甲状腺機能亢進症、副腎皮質障害、副腎髄質障害、視床下部障害、脳下垂体障害、および多嚢胞性卵巣症候群などの内分泌機能障害:
皮膚、気管支、および胃腸管における反応などのアレルギ疾患:
気管支炎と肺気腫などのガス交換障害を含む肺疾患:
急性および慢性の関節炎や骨粗しょう症などの関節および骨の疾患:
肥満、減量、悪液質などの体重組成の変化に起因する疾病:
心不全、腎不全、肝不全などのナトリウムと水に関連する疾病状態:
および痛みのグループから選択される。
本発明の特に興味深い実施形態は、ストレス/WSS/DRS、および/または交換神経緊張を測定する方法が、広く知られた心筋酸素消費量の測定結果とかなり相関するという知見に基づくものである。すなわち、本発明は、被験者の心筋酸素消費量を測定する方法を提供するものであって、その方法は、本発明に係る方法を用いて被験者の交換神経緊張を測定するステップと、交換神経緊張の測定値に対して事前設定された相関関係に基づいて心筋酸素消費量を決定するステップとを有する。この相関関係は、心筋負荷指数(PRP)と本発明の測定値との間に実質的な相関関係があるという点において重要な意義があることが確認された。ここで心筋負荷指数(PRP)とは、心収縮期血圧と心拍数の積である(Opie LH.の「心臓疾患における正常時および異常時の心機能」、Braunwald E, Zippes DP & Libby P. (編)、W. B. Saunders 2001 (6th ed): 468-469; and Noble RE: 「診断とストレス」、メタボリズム2002; 51 (5): 37-39)))。すなわち心筋負荷指数と、交換神経緊張またはWSS/DRSとの間の相関関係は、交換神経緊張の測定値は、交換神経緊張の測定値と心筋負荷指数の測定値との間の事前設定された相関関係に基づくものである。
心筋負荷指数(PRP)は、心臓の血液供給量ひいては仕事量を反映するものである。また心筋負荷指数(PRP)は、ストレスを反映するものでもある。PRPは、心臓の酸素取込量および心仕事量の実用的な指標である。心臓が必要とする酸素量は、心拍数、心筋壁張力および心筋収縮力に比例し、虚血性心疾患を患う患者の虚血性疾患を防ぐことができる症状である(Opie LH.の「心臓疾患における正常時および異常時の心機能」、Braunwald E, Zippes DP & Libby P. (ed): W. B. Saunders 2001 (6th ed): 468-469.)。酸素取込量は、アドレナリン作動カテコールアミンにより規制される。したがって酸素取込量は、心臓の交換神経作用ひいては生理学的ストレス負荷の度合いの有用な指標値である(Noble RE: 「診断とストレス」、メタボリズム 2002; 51 (5): 37-39)。
本発明の特に興味深い実施形態は、本発明の方法を用いることにより、精神ストレスと身体ストレスを峻別することができるという知見に基づくものである。本発明により得られた測定値(SAレベル)は、必ずしも常にPRP(すなわち心臓の交換神経緊張)と連動しないことが分かった。心臓の仕事負荷が心理ストレス/精神ストレスの変化に起因して変化するとき、本発明に基づいて得られた測定値は心臓の交換神経緊張に追随する。しかし、仕事負荷を越えたドライバすなわち心臓の交換神経緊張が排他的に身体的機能であるとき、期待されるように、心臓の交換神経ドライブは同時に変化するが、本発明により得られる測定値はしない(SAレベル)。よって本発明の1つの態様は、本発明により得られる測定値を用いて、心臓の交換神経緊張自体ではなく、精神ストレスレベル(すなわちWSS/DRSのレベル)を反映させることができる。精神ストレスが関与する場合でも、心臓の交換神経緊張を反映させる(図20、図21、図22および図25に示す研究を参照されたい。)。図20、図21、図22および図25に示す研究結果は、112名の一連の狭心症(虚血性心疾患)患者に対する(図23に示す)別の研究結果でも確認された。テストを受けた患者グループは関連性を有し、そのうちの90%以上のSAレベルが増大した。ベータブロック心臓のベータアドレナリン交換神経レセプタのベータ阻害伝達抑制剤により、心臓の交換神経緊張が緩和する。この研究の実証すべき仮説は、2つのサブグループの患者の間でSA測定値に変化がなければ、上記知見は正しいことを証明でき、疼痛に差異があれば、SA測定値が心臓の交換神経緊張を示唆するということである。この研究において、すなわち1)ベータブロックを使用しなかった62名の患者、および日常的にベータブロックを使用した36名の患者(最後の14名の患者にはこの情報を知らせなかった)の2つのサブグループの患者間でSA測定値のレベルを比較した。その結果は、SAレベルに優位な差異は認められなかった(p>0.1)。この結果は、本発明により得られた測定値(SA値)は、単なる心臓の交換神経緊張ではなく、精神ストレス(ストレス)に対応するものであることを支持するものである。
本発明の方法は、心仕事量能力の代替測定値を提供するものでもある。ただし、これは、本発明による測定を2回行う必要があり、1回目が「ストレス状態」であり、2回目が「リラックス状態」である。
この方法は、被験者の心仕事量能力を測定する方法を提供し、上記記載の測定方法を用いてストレス状態および休息状態における交換神経緊張を測定するステップと、ストレス状態および休息状態における測定結果の数学的な組み合わせに基づいて、被験者の心仕事量能力を測定するステップとを有する。数学的な組み合わせは、これらの差、比、およびその組み合わせのうちから選択される。
糖尿病において、糖化ヘモグロビンのレベルを用いて、対糖尿病治療の長期間効能が判断されるが、こうした測定値は糖尿病患者の慢性ストレスレベルに関する情報を提供する(糖化ヘモグロビンのレベルの増大と慢性ストレスレベルの増大が相関する。)。しかし、被験者のストレスレベルが同等であるとき、測定された糖化ヘモグロビンレベルは、本発明のストレス測定値と相関することが確認されているので、本発明に係る方法によれば、糖尿病被験者の交換神経緊張を測定することにより、糖化ヘモグロビンレベルを間接的に特定し、さらに交換神経緊張の測定値の単純関数値として糖化ヘモグロビンレベルを測定する方法を提供することができる。
こ測定方法は、上述の方法または糖化ヘモグロビンレベルを直接的に測定することにより、被験者が高いレベルの慢性ストレスを有さない場合に最もうまく行うことができる。
これは、たとえば糖尿病被験者のストレスを回避/抑制するための上述の方法の変形例の可能性をもたらすものである。この方法は、糖化ヘモグロビンの少なくとも1回の測定値における刺激閾値を測定するステップを含む(これは、被験者が実際に高い慢性ストレスレベルを有すると判断でき、ストレスを軽減する処置により有効な結果がもたらされるだろうことを意味する)。処置が実際に必要であるということは、一過性ストレスに対する測定値を検討することによっても確認することができる。このとき、一過性ストレスに対する測定値は、被験者が慢性ストレスをもたない場合の本発明の測定値とは相関せず、慢性ストレスのレベルが低い場合には、本発明の測定値とPRPとの間には正の強い相関関係がある。
本発明の方法は、疾病または進捗中の処置に対する変数を自らモニタし、あるいは自動的にモニタする数多くの用途に対する可能性を切り開くものであり、このとき合理的な処置と組み合わせてもよい。
糖尿病(DM)患者はインスリンの必要量を推定するために定期的に血糖値を測定する。ただし、これは血液検査を行う必要があり、常にできるわけでなく実用的でもない。しかしながら、本発明に係る方法およびシステムを用いると、特にシステムが携帯電話に組み込まれたとき、DM患者はさまざまな環境で血糖値の測定記録することができる。ストレスレベルが低いときに比べて、ストレスレベルが高いときは、血糖値レベルは直ぐに下がるので、本発明に係るストレス測定値は、予定の用量に比較してより多量または少量のインスリンが必要であることを示唆できる代替的測定値を提供する。たとえば、DM患者は、インスリン摂取量、糖摂取量および代謝率の微妙なバランスから逸脱したことを示す数多くの指標測定値を示すことがあり、システム(たとえば携帯電話)内のアラームに取り付けられた内臓計算機を用いて、こうした逸脱が正しい一連の行動を支援するために生じたことの適正な警告を受けることができる。
化学療法を受けている癌患者は、最適な治療効果という利益が得られる。上述のように、本発明による一連の測定値は、長期間において化学療法により低減効果が結果として得られる程度まで、ストレスレベルが増大したという情報を提供することができる。したがって、この情報が本発明によるシステムにより提供されたとき、患者は適正な行動を取り、すなわち治療の最大限の効果が得られるようにストレスレベルを低減する行動を取る。最大限の効果が得られるまで、こうした努力によるその後の効果が十分であるか否か、記録することができる。
さらに虚血性心疾患(IHD)の患者は、ストレス測定値の携帯型記録装置を用いて同様の情報を利用することができる。その患者は、将来のある日、身体的刺激が生じて、IHDの実質的なリスクがあり、特定の仕事を制限する必要のあることを知り得る。本発明のシステムによる追跡記録、および事件に至る期間内の継続的な測定により、患者は、(本発明に係る方法を用いて測定した)ストレスレベルを持続的に低い状態に維持するように行動し、制限なく身体的な仕事を行うことができる。ただし、事件の最中においては、この記録は、追加的に交換神経緊張を緩和する行動が必要であるか否かの情報を提供することができる。こうした行動は、指圧療法、休憩、または予防的な狭心症薬であってもよい。
本発明に至る重要な知見は、交換神経緊張、および/またはここに開示したストレス/WSS/DRSのレベルによりストレスレベルの客観的に評価するということである。被験者のストレスを決定するための他の方法の品質制御として、この方法を用いることができる。
ストレスの測定レベルの利用に関する問診票は、今日、証拠に基づくものとして評価され、世界中で利用されている。しかし、たとえば乳癌を患う女性などの持続性/慢性ストレスの患者においては、問診票で測定されたストレスレベルと、血中ストレスホルモンとは、負の相関関係があり、精神的ネグレクトが存在すると本発明者は見出した。しかし、本発明による技術によれば、この負の相関関係を特定し、臨床ストレスの測定に際して問診票の利用に関し客観的に(そして非侵襲的に)制御することができることが確認された。これは上述のように、146名の健常者に対し、高い慢性ストレスレベルにある患者の半分がストレスを感じない、または少しのストレスを感じないとのテスト結果により裏付けられている。潜在的脅威の刺激が意識的な疼痛のない脳において処理されることが知られている。さらに、ストレス測定に関する問診票の利用をテストする科学的研究は、1)記憶の歪み、2)重要な経験のインパクト、および3)現在あるストレス状態からの歪みに起因して、歪曲されている。
したがって、本発明は、被験者のストレスレベルの面談による評価がストレ胃の真の指標値を示すか否かを判断する方法に関し、その方法は、a)面談と平行して、上記記載の方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレス/WSS/DRSのレベルを測定するステップと、b)面談による評価が、ステップa)での測定結果と正の相関関係を有するか否かを確認するステップとを有しする。正の相関関係を有するということは、面談による評価が真の指標値を与えるものである。
したがって、これは、ストレスの面談研究の正しい設計を可能とするものである。
これに関連して、本発明の方法は、数多くの状況においてストレス/WSS/DRSをモニタするための便利で非侵襲性の方法であると、本発明者は以下のように結論付ける。たとえば本発明の方法を用いて、潜在的なストレス関連特性の調査的トライアルを行う被験者のストレスのレベルと特徴をモニタすることができる。ストレスを低減するためのテスト処置が実際に効果を有するか否かを判断することができるだけでなく、処置の中心がストレスとは関係ないものであっても、テスト処置がストレスを誘発または緩和する傾向を示すか否かを判断することができる。
[交換神経緊張/ストレスを制御するための閉ループ方法]
本発明者は、精神ストレスがあるとき、ポリモーダルセンサ細胞が疼痛閾値に影響を与えることを証明した(Ballegaard S, Karpatschof, Nyboe J, W. Trojaborg, Hansen AM, Magnusson G & Petersen BP. 「生物学的警告システムおよび防御反応」(発行のために原稿提出))
本発明者は、精神ストレスがあるとき、ポリモーダルセンサ細胞が疼痛閾値に影響を与えることを証明した(Ballegaard S, Karpatschof, Nyboe J, W. Trojaborg, Hansen AM, Magnusson G & Petersen BP. 「生物学的警告システムおよび防御反応」(発行のために原稿提出))
これは、交換神経緊張および/またはストレスレベルを制御するための埋め込まれた閉ループデバイスを用いる、本発明に係る実施形態を開放するものである。
小型の皮内刺激ユニットまたは皮下刺激ユニットは、徐々に増大する衝撃(インパルス、通常は電気的なもの)を送り、求心性神経線維が活性化されるとき、ポリモーダルセンサに隣接する疼痛閾値を電気生理学的に計測することができる。不快引込め反射を伴う遠心性運動神経細胞を用いてもよい。このとき、これらの細胞が発火する閾値が計測される。
求心性発火閾値が低いとき、そして/または遠心性発火閾値が低いとき、精神ストレスレベルが高いことを意味し、このとき遠心性電気刺激がデバイスにより実施され、交換神経系レベルを低減するように制御するために、中央神経系へ求心性信号を伝達させる。
この閉ループ、すなわち1)求心性インパルス、2)このインパルスに対する応答処理、3)生命体の精神的状態を変化させるための遠心性インパルス、および4)求心性インパルスを反復して与える効果の制御による閉ループは、たとえばメタボリックシンドローム、過緊張、鬱、糖尿病、または虚血性心疾患などの持続性ストレスに関連する症状において最も有用である。他の疾病としては、さまざまな癌や、慢性的な疼痛に特徴付けられる症状がある。
上述のループの第3の部分は、虚血性心疾患の患者に硬膜外脊髄刺激を与えるデバイスとしてすでに存在し、知られている(Sanderson JE, Brooksby P, Waterhouse D, Palmer RBG, Neubauer K. 「重篤狭心症に対する硬膜外脊髄電気刺激、症状に対する効果、運動負荷試験および虚血度の研究」、Eur Heart J 1992; 13: 628-633; De Jongste MJL, Haaksma J, Hautvast RWM, Hillege HL, Meyler PWJ, Stall MJ, Sanderson JE & Lie KI. 「日常生活において重篤な冠動脈疾患の心筋虚血症に対する硬膜外脊髄刺激の効果」、Br Heart J 1994; 71: 413-418; Landsherre CD, Mannheimer C, Habets A, Guilaume M, Bourgeois I, Augustinsson LE, Eliasson T, Lamotte D; Kulbertus H & Rigo P. 「ポジトロン放出型断層撮影法により検出された部分的な心筋かん流に対する硬膜外脊髄刺激の効果」、Am J Cardiol 1992; 69: 1143-1149.))。
したがって本発明の重要な実施形態は、必要時に、被験者の交換神経緊張のレベル、および/またはストレスレベル、および/または疼痛知覚レベルを低減する方法に関する。この方法は、a)好適には電気刺激により、被験者のポリモーダルセンサ細胞および/または遠心性運動神経細胞を刺激して、発火閾値を計測するステップと、b)ステップa)の刺激に呼応してポリモーダルセンサ細胞および/または遠心性運動神経細胞から生じる求心性インパルスをモニタするステップと、c)ステップb)におけるモニタにより、発火閾値が小さくなったとき、すなわち精神ストレス、および/またはWSSおよび/またはDRSレベルが増大したとき、遠心性神経線維を刺激して、被験者の精神的状態を変化させるステップと、d)ステップa)〜c)を反復するステップとを有する。
本発明の実施形態において、ステップc)の遠心性神経線維に対する刺激は硬膜外脊髄刺激を含むことが好ましい。
関連する実施形態は、遠心性神経線維を制御しつつ刺激する閉ループデバイスであって、このデバイスは、ポリモーダルセンサ細胞および/または遠心性運動神経細胞に電気刺激を与える手段と、ポリモーダルセンサ細胞または遠心性運動細胞から生じる求心性インパルスを測定する手段と、求心性インパルスと標準値と比較する手段と、遠心性神経線維に電気刺激を与える手段と、求心性インパルスと標準値との比較に呼応して、遠心性神経線維に与える電気刺激を制御する手段とを有する。
この新規なコンセプトの進歩は、以下の点にある。すなわち、
・刺激部位がポリモーダルセンサ細胞および/または遠心性運動神経細胞に近接するとき、必要とされる求心性刺激の強度が極めて小さいもので済む点、
・同様の理由により、必要とされる遠心性刺激の強度が極めて小さいもので済む点、
・ステップ2を自動的に行うか、あるいは閾値を示すために患者の意識的な支援(たとえばボタンの押圧)を伴うかに依存するが、患者の関与によらない点、
・刺激を頻繁に与えることができるので、患者の刺激に関する精神的状態に関して調節する必要性を極力抑える点、である。
・刺激部位がポリモーダルセンサ細胞および/または遠心性運動神経細胞に近接するとき、必要とされる求心性刺激の強度が極めて小さいもので済む点、
・同様の理由により、必要とされる遠心性刺激の強度が極めて小さいもので済む点、
・ステップ2を自動的に行うか、あるいは閾値を示すために患者の意識的な支援(たとえばボタンの押圧)を伴うかに依存するが、患者の関与によらない点、
・刺激を頻繁に与えることができるので、患者の刺激に関する精神的状態に関して調節する必要性を極力抑える点、である。
[ストレス/交換神経緊張の択一的な測定方法]
実施例12から明らかなように、
患者の体の交換神経緊張−依存部位における測定値を用いることにより、交換神経緊張/ストレス/WSS/DRSのレベルを測定する方法は、不快引込め反射(NWR)の有無と相関関係があり、簡単に云うと、ストレスが増大するとき、ストレスレベル/交換神経緊張のレベルは、NWRの存在に付随するものであることが分かった。
実施例12から明らかなように、
患者の体の交換神経緊張−依存部位における測定値を用いることにより、交換神経緊張/ストレス/WSS/DRSのレベルを測定する方法は、不快引込め反射(NWR)の有無と相関関係があり、簡単に云うと、ストレスが増大するとき、ストレスレベル/交換神経緊張のレベルは、NWRの存在に付随するものであることが分かった。
これは、刺激に対して不快引込め反射(NWR)を動物に認めることにより、動物のストレス/交換神経緊張が増大したか否かについて、簡便かつ瞬時に判定する手段としてNWRを用いる可能性を提案するものである。この刺激は、通常の交換神経緊張を有する集団の個々の動物の大部分において不快引込め反射(NWR)を引き起こすものではないが、増大した交換神経緊張または高いストレスレベルを有する集団の個々の動物の大部分において不快引込め反射(NWR)を引き起こすものである。この刺激の反応としての不快引込め反射(NWR)を観察することにより、動物が増大した交換神経緊張および/またはストレスレベルを有することを判断することができる。
刺激は、軽度の疼痛を伴う刺激であってもよいが、ストレスを受けない動物の大部分にはNWRを引き起こさないが、ストレスを受けた動物の大部分にはNWRを引き起こすことが確認された任意の感覚刺激(視覚的または聴覚的刺激など)であってもよい。
(極めてよく観察される特性である)不快引込め反射(NWR)を用いた利点の1つは、「観察される動物がストレス状態にあるか?」という問いに対する、迅速かつ定性的な答えを提供することができる点にある。この問いに対する答えは、人間被験者を研究するときのみ関連があるのではなく、とりわけこうした実験動物のストレスが動物に対して行われる特定の実験の信頼性に影響を与え得るので、実験動物を研究するときにも同様に関連がある。より簡単にいえば、動物がさまざまなストレス/WSS/DRSまたは交換神経緊張を示す場合の科学的研究には、動物間の結果にばらつきを生じる傾向があり、任意の差の影響を示すためには、数多くの動物を必要とする。これは、(過剰に)ストレスを受けた動物を排除するために、動物をスクリーニング(ふるいにかける)ことができる場合、研究に使用される動物の数は少なくなることがあり得るということを意味する。この文脈において、こうした動物に対してNWRの有無を観察することは有用であり、これは、ストレスを受けた動物の大部分にNWRを引き起こす刺激を、動物に規則的に与えることにより実現することができる。
当然に、精神的効果に関する測定が関連する際、臨床的試行設定または予備臨床的試行設定等において、人間の被験者については、この原理に基づいて「標準化」することができる。そこで、NWRを引き起こすだろう簡単なテストを工夫して、件の人間被験者がNWRに反応するか否かを観察することにより、科学的テストが行われる人間被験者を客観的に分類することができる。
同様に、試験動物または家畜の中の動物の健康状態を信頼性よく測定し、初期段階において、こうした動物がストレス状態にあるのか、ストレスを誘発する行動を示す前にあるのか判断することができる。
NWRの調査は、数多くの任意の手法を用いて実施することができる。特定の種類の動物に対し、関連性を有するNWRを選択し、対応するNWR誘発刺激を選択することができる。そして監視カメラや他の任意の従来式の手法などを用いて、連続的または定期的にNWRを観察することにより、動物の行動をモニタすることができる。
[本発明に係るシステム]
本発明は、人間を含む動物の交換神経緊張を測定するシステムに関する。
このシステムは、
a)動物の体の交換神経緊張−中立部位で測定された疼痛較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛刺激閾値とを記憶するメモリ手段と、
b)疼痛較正閾値および疼痛刺激閾値をデータ処理して、測定値を求めるようにプログラムされた電子回路部とを有する。
本発明は、人間を含む動物の交換神経緊張を測定するシステムに関する。
このシステムは、
a)動物の体の交換神経緊張−中立部位で測定された疼痛較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛刺激閾値とを記憶するメモリ手段と、
b)疼痛較正閾値および疼痛刺激閾値をデータ処理して、測定値を求めるようにプログラムされた電子回路部とを有する。
実施形態において、本発明に係るシステムは不快誘発刺激を動物の体の表面に与えるためのユーザ操作手段と、第1のユーザ操作により得られた疼痛較正閾値を記憶するように構成されたユーザ操作記憶手段とを有する。さらにこのシステムは、追加的にまたは択一的に、不快誘発刺激を動物の体の表面に与えるためのユーザ操作手段と、第2のユーザ操作により得られた疼痛刺激閾値を記憶するように構成されたユーザ操作記憶手段とを有する。
不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段は、第1のユニット内に配設され、電子回路部は、第2のユニット内に配設されるものであってもよい。第1および第2のユニットは、その間で必要な情報交換を実現するために、たとえばその間で無線通信できる手段を有していてもよい。いわゆる「分散型システム」においては、第1のユニットを携帯型ユニットとし、ユーザが容易に持ち運べるものであってもよく、他方のユニットは、開業医または病院の中央コンピュータであってもよく、このコンピュータは、携帯ユニットを所持する数多くの異なる患者からデータを収集するものであってもよい。任意であるが、このコンピュータをユーザの自宅に設置してもよい。分散型システムにおいて、携帯ユニットからコンピュータへデータを通信するための通信手段として、携帯電話を有効に用いてもよく、このとき携帯ユニットは従来式の携帯電話信号を介してデータをコンピュータへ無線通信する。この信号は、携帯電話プロバイダによりインターネットを介してコンピュータへ送信される。任意であるが、第2のユニットは、たとえばブルートゥース(登録商標)を介して第1のユニットと通信するようにプログラムされた携帯電話として構成されたものであってもよい。この場合、分散型システムの代わりに、携帯電話の計算機能および記憶メモリが用いられる。
第2の実施形態において、不快誘発刺激を与えるための手段および電子回路部は、単一かつ同一の装置内に集積されている。
1つの実施形態では、不快誘発刺激を与えるための手段は、徐々に増大する刺激を与えるように構成され、記憶手段は、第1および第2のユーザ操作に対応する時に瞬時に刺激を記憶するように構成される。
本発明の実施形態は、不快誘発刺激を与えるように構成されたシステムに関し、その不快誘発刺激は、圧力刺激、振動刺激、熱刺激、冷熱刺激、電気刺激、輻射刺激、化学刺激またはこれらの組み合わせの刺激を含む。このシステムの特定の実施形態において、与えられた不快誘発刺激は、第1および第2のユーザ操作時に停止される。
本発明はさらに、交換神経緊張を測定するために刺激を与えて測定するシステムに関し、測定ユニットを有し、任意的であるが、与えられた刺激を表示するための読出ユニットを有する
本発明の特定の実施形態によれば、このシステムは、刺激を与えるべきところを明確にすることができるように、測定部位をマーキングするためのマーカを有する。
本発明の特定の実施形態によれば、このシステムは、少なくとも2つの領域、とりわけ4つの領域に分割されたスケールを有し、各スケールは、たとえば上記ストレスレベル0,1,2,3に関連付けられる。
本発明の特定の実施形態によれば、これらの領域は異なる色、パターン、または互いに対して区別できる他の特徴的マークを有するものであってもよい。
実施形態では、圧力ベースまたはクランプを用いて、圧力を与えてもよい。
特定の実施形態では、圧力ベースの接触面は弾性を有する。
さらなる実施形態では、圧力ベースは液体、ゲル、任意であるがガス入りバブルを含むものである。
特定の実施形態では、圧力ベースの接触面は4cm2未満で、好適には1〜2cm2である。
本発明の特定の実施形態によるシステムは、動物の体に圧力外力を加えるように構成された接触面を含む圧力ベースと、圧力ベースにより体に加えられた圧力を測定するセンサと、第1および第2の測定圧力を記憶し、第1および第2の測定圧力の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有する。また、このシステムの実施形態は、読出値を表示するための読出ユニットを有する。第1の測定圧力が交換神経緊張−中立部位で測定された測定値である場合には、第2の測定圧力は交換神経緊張−依存部位で測定された測定値であり、交感神経系の活性レベルを読出値として表示してもよい。
本発明の特定の実施形態によるシステムは、動物の体に振動外力を加えるように構成された振動ヘッドを含む振動ベースと、振動ベースにより体に加えられた振動力を測定するセンサと、第1および第2の測定振動力を記憶し、第1および第2の測定振動力の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有する。また、このシステムの実施形態は、読出値を表示するための読出ユニットを有する。第1の測定振動力が交換神経緊張−中立部位で測定された測定値である場合には、第2の測定振動力は交換神経緊張−依存部位で測定された測定値であり、交感神経系の活性レベルを読出値として表示してもよい。
本発明の特定の実施形態によるシステムは、動物の体に熱を加えるように構成された接触面を含む加熱ベースと、加熱ベースにより体に加えられた温度を測定するセンサと、第1および第2の測定温度を記憶し、第1および第2の測定温度の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有する。また、このシステムの実施形態は、読出値を表示するための読出ユニットを有する。第1の測定温度が交換神経緊張−中立部位で測定された測定値である場合には、第2の測定温度は交換神経緊張−依存部位で測定された測定値であり、交感神経系の活性レベルを読出値として表示してもよい。
本発明の特定の実施形態によるシステムは、動物の体に電気外力を加えるように構成された電気ヘッドを含む電気ベースと、電気ベースにより体に加えられた電気外力を測定するセンサと、第1および第2の測定電気外力を記憶し、第1および第2の測定電気力の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有する。また、このシステムの実施形態は、読出値を表示するための読出ユニットを有する。第1の測定電気力が交換神経緊張−中立部位で測定された測定値である場合には、第2の測定電気力は交換神経緊張−依存部位で測定された測定値であり、交感神経系の活性レベルを読出値として表示してもよい。
圧力ベースの接触面は弾性を有するものであってもよい。そのため、より正確な測定結果が得られ、接触面は体の平らでない部分にも適応して、均一な圧力を付加することができる。圧力は、接触面の面積で割った与えられた力に相当する。
測定部位において、体の表面にとりわけ確実に適合させるために、圧力ベースは液体、ゲル、任意であるがガス入りバブルを含むものであってもよい。
実施形態によれば、圧力ベースの接触面の面積は、4cm2未満で、たとえば1〜2cm2であり、あるいは1cm2未満で、たとえば0.5〜1cm2である。
センサは、ピエゾ抵抗力センサであってもよい。
振動ベースは、実質的に球形または半球形の振動ヘッドを有する。いくつかの実施形態では、振動ヘッドの直径は、1cm未満であり、たとえば0.05mm〜0.5mm、あるいは0.5mm未満であり、たとえば1mm〜4mmである。
機械刺激が振動力により与えられる実施形態は、振動力を与えるための磁気アクチュエータを有する。いくつかの実施形態では、磁気アクチュエータは、直線軸に、実質的にまっすぐな軸に沿って配列されるものであってもよい。ただし、この軸は、ユーザの手に適合するように湾曲するか、人間工学的形状を有するものであってもよい。
磁気アクチュエータは、複数のスライド部材とスライド棒とを有するものであってもよい。各スライド部材は、孔またはキャビティを有し、その中にスライド棒を挿入し、スライド棒に沿ってスライドできるようにしてもよい。スライド部材およびスライド棒は、アルミニウムなどの非磁性金属で構成されるものであってもよい。
スライド部材は実質的に円形形状を有し、各スライド部材は周囲に捲回される巻線のための少なくとも1つの周縁溝部を有するものであってもよい。溝部は、スライド部材の周りに捲回される巻線を支持するために設けることができる。巻線は銅などの磁性金属で形成してもよい。
磁気アクチュエータは、複数の磁石および分離体をさらに有するものであってもよく、分離体は、飽和しないように高透磁率を有する金属で形成される。
いくつかの実施形態では、スライド棒は、長手方向に延びるボアまたはキャビティを有し、磁石および分離体は、スライドキャビティまたはボア内に交互に配設される。スライド棒は、磁石および分離体をスライド棒内の所定位置に保持するための2つの端部部品を有する。磁石は、軸方向に(パイプと平行な方向に)磁化され、極性方向が交互に変わるように配置してもよい。
スライド棒は、孔を形成するスライド部材の内部をスライド移動できるように設計してもよく、スライド棒および/またはスライド部材は潤滑剤などの摩擦低減部材でコーティングしてもよい。磁石を用いて、スライド棒と直交する方向の磁場を形成してもよい。スライド部材およびスライド棒は、鋼鉄製ケース内に配置してもよく、巻線の領域における磁場をさらに最大化してもよい。
磁気アクチュエータは、巻線に流れる電流を交互に反転させる制御ユニットに接続してもよい。接続は有線または択一的には無線通信を介して行ってもよい。
磁気アクチュエータは、巻線に流れる電流を交互に反転させることにより振動するものであってもよく、振動は次のような手法で形成してもよい。巻線に流れる電流は、磁場に対して実質的に垂直であり、システムの軸に垂直な平面内にある。力はスライド棒に平行に発生する。磁場方向がスライド部材毎に交互に変わり、スライド部材の巻線の捲回方向が交互に形成されているので、各スライド部材/磁極対は同一方向の力を発生する。電流方向を変化させることにより、スライド棒を前後に移動させることができる。
特定の実施形態において、加熱ベースの接触面の面積は、4cm2未満で、たとえば1〜2cm2であり、あるいは1cm2未満で、たとえば0.5〜1cm2である。
加熱ベースは加熱アクチュエータを有し、加熱アクチュエータは制御ユニットを有するものであってもよい。制御ユニットは、加熱アクチュエータの内部にあり、択一的には、無線または有線の接続システムを介して加熱アクチュエータに接続されるようにしてもよい。
接触面の温度を変化させるために、制御ユニットを設けてもよい。制御ユニット上のスタートボタンを押下することにより、測定を開始してもよい。設定された開始温度に達した時、測定を開始する。いくつかの実施形態では、設定開始温度はユーザにより変化してもよい。好適な開始温度は35℃である。ユーザが接触面を押圧した時、自動的に測定を開始してもよい。制御ユニットは、設定された最大温度に達するか、ユーザがさらなる温度上昇を中断させるまで、接触面の温度を上昇させる。ユーザは、疼痛限界値に達した時、さらなる温度上昇を中断する。制御ユニットは、測定を中断した時の温度を記録する。
接触面は自然冷却により冷却してもよい。択一的な実施形態では、加熱アクチュエータに冷却部材を内蔵してもよい。
電気ベースは、実質的に球形または半球形の振動ヘッドを有する。いくつかの実施形態では、電気ヘッドの直径は、1cm未満であり、たとえば0.05mm〜0.5mm、あるいは0.5mm未満であり、たとえば1mm〜4mmである。
電気刺激が電気力により与えられる実施形態は、電気アクチュエータを有していてもよい。これらの実施形態は、電気ヘッドに電流を供給することができる制御ユニットを有するものであってもよい。
いくつかの実施形態では、制御ユニットにより、交流電流から直流電流に変換し、また直流電流から交流電流に変換することができる。択一的な実施形態では、交流電流または直流電流の一方のみを利用することができる。
直流電流を用いる実施形態では、電気ヘッドの電流を変化させるために制御ユニットを設けてもよい。制御ユニット上のスタートボタンを押下することにより、測定を開始してもよい。制御ユニットは、電流値に関して設定最大レベルを有していてもよい。いくつかの実施形態では、設定開始レベルはユーザにより変化してもよい。ユーザが電気ヘッドを体に押圧した時、自動的に測定を開始してもよい。
制御ユニットは、設定された最大電流に達するか、ユーザがさらなる電流上昇を中断させるまで、電気ヘッドに流れる直流電流を上昇させる。ユーザは、疼痛限界値に達した時、電流上昇を中断する。制御ユニットは、測定を中断した時の電流を記録する。
交流電流を用いる実施形態では、電気ヘッドに流れる交流電流の周波数を変化させるために制御ユニットを設けてもよい。制御ユニット上のスタートボタンを押下することにより、測定を開始してもよい。制御ユニットは、周波数に関して設定最大レベルを有していてもよい。いくつかの実施形態では、設定開始レベルはユーザにより変化してもよい。ユーザが電気ヘッドを体に押圧した時、自動的に測定を開始してもよい。
制御ユニットは、設定された最大周波数に達するか、ユーザがさらなる周波数上昇を中断させるまで、電気ヘッドに流れる交流電流の周波数を上昇させる。ユーザは、疼痛限界値に達した時、電流上昇を中断する。制御ユニットは、測定を中断した時の周波数を記録する。
いくつかの実施形態では、交流電流と直流電流を組み合わせてもよい。
いくつかの実施形態では、電気アクチュエータは、刺激すべき部位の位置を特定するために用いることができる。
このシステムは、1つの装置に集積化され、好適には携帯可能で、1つまたは複数の電池により電源供給可能なものであることが好ましい。その結果、ユーザは、その装置を旅行の際に持ち運ぶことができる。
読出ユニットは、電子ディスプレイを有するものであってもよい。
電気回路部は、たとえば離散的な4つの数字(0,1,2,3)として読出値を判定するように構成され、第1および第2の測定値の比が四捨五入され、あるいは読出ユニットに表示される読出値(0,1,2,3)に割り当ててもよい。
離散的な読出値(0,1,2,3)は、第1および第2の測定値の比に対して比例的でなくてもよい。この装置は、測定結果と交感神経系の活性レベルとの間には比例性または線形性が欠如するように構成してもよい。レベル0は、第2の測定値が第1の測定値の80%以上に相当し、レベル1は、第2の測定値が第1の測定値の55%〜80%に相当し、レベル2は、第2の測定値が第1の測定値の30%〜55%に相当し、レベル3は、第2の測定値が第1の測定値の30%未満に相当する。
電子回路部は、複数の測定値の平均値として第1の測定値を計算し、複数の測定値の平均値として第2の測定値を計算するように構成されてもよい。こうして個人のストレスレベルをより信頼性高く測定することができ、個人の測定の不確定性に起因する読出値の誤差指標を低減することができる。
図5は本発明に係るシステムを示す。このシステムは、明確とするために、単一の同一の集積された装置として図示されている。この装置は、ハウジング10と、電子ディスプレイ8と、制御ボタン9と、ハウジング7の一方の端部から延びる圧力ベース5とを備える。圧力ベース5の自由端は接触面を有する。装置の内部において、圧力ベース5は、図示しない電子回路部に接続された力センサまたは圧力センサに当接している。電子回路部は、センサ7により検出された力または圧力の測定値を記憶することができる。この電子回路部は、さらに検出値を計算して電子ディスプレイ8に送信することができる。図示しない電池が電子回路部に電源を供給する。
使用に際しては、ユーザ(人)は装置を手で把持し、不快閾値に達するまで、体の交換神経緊張−中立部位に徐々に圧力を加える。電子回路部は、センサが検出する最大圧力値を記憶する。ユーザは、制御ボタン9を押下し、不快閾値に達するまで、体の交換神経緊張−依存部位に徐々に圧力を加える。電子回路部は最大圧力値を記憶する。制御ボタン9が押下されたとき、電子回路部は、測定された第1の圧力値と第2の圧力値との間の比を表すものとして検出値を求める。この具体例では、測定された第2の圧力値が第1の圧力値の80%、55〜80%、30〜55%および30%未満であるとき、検出値はそれぞれ、0、1、2および3の値となる。任意であるが、この装置は、数多くの第1の圧力値の平均値と、数多くの第2の圧力値の平均値を求め、2つの平均値に基づいて検出値を計算するように構成することもできる。図5は、交感神経系の活性レベルが2であり、交換神経緊張−依存部位への圧力が交換神経緊張−中立部位への圧力の30〜55%であることを示している。
図6は、人間の体に圧力を付加する接触面16の詳細を示す。接触面16は、ゴム材料などの弾性材料からなる比較的に柔らかい凸状部材18を有する。凸状部材18は、本発明に係るシステムを具現化する装置の遠位端を構成する。比較的に柔らかい凸状部材18は、プラスティック材料またはゴム材料または鋼鉄材料からなる比較的に硬い支持部材19により支持され、柔らかい凸状部材18の中に中央突起部を形成する。したがって、接触面16の中央部は周辺部に比してあまり弾性がない。比較的に柔らかい凸状部材18により、接触面はその形状を人間の体の凹凸のある表面に適合させることができる。他方、比較的に硬い支持部材19により、ユーザが加えた力が適正に体に伝わるようにすることができる。比較的に硬い支持部材19は、装置のハウジング20内に取り付けられ、収容された圧電センサなどの圧力センサ17により支持されている。
接触面16が図6では凸状端部を有する円筒状部材として図示されるが、別の形状を採用することができるものと理解されたい。たとえば平坦または凸状の端部を有する円錐状であってもよい。
本発明に係るシステムは、処置およびストレス軽減のための刺激閾値より弱い強度を有する刺激などの別の刺激を、動物の体の表面に与える手段を有していてもよい。たとえば、こうした手段は、第2の独立した圧力ベースとして提供されるものであってもよいし、上述の測定用の圧力ベースで構成してもよい。第1および第2の圧力ベースは、ペン型ユニットなどの携帯ユニットの自由端に設けてもよい。1つの実施形態では、第1の圧力ベースと第2の圧力ベースは置換可能であり、この場合、本発明に係るシステムはただ1つの圧力ベース用取り付けスポットを有することが好ましい。別の実施形態では、このシステムは、第1および第2の圧力ベースを、たとえば携帯ユニットの対向する表面部分または対向する端部に同時に収容してもよい。
特定の目的または特定の患者に最も適合する圧力ベースをユーザまたは医師が選択できるように、このデバイスの接触面または圧力ベースを弛緩可能としてもよい。複数の圧力ベースを部品キットとして、たとえば圧力センサ、電子制御回路部、メモリ手段、ディスプレイなどの本発明に係るシステムの他の構成部品を組み込んだ携帯デバイスとして提供してもよい。
音発生装置を用いて、処置またはストレス緩和する際に与える必要がある力をユーザに示唆するために、ユーザに音響信号を出すようにしてもよい。択一的には、光信号、振動信号または他の信号を発生する装置を用いてもよい。音発生装置は、好適には、圧力センサ7または17からの入力信号を受信する装置の電子制御回路部に接続され、付加すべき力に応じて発生する音の特徴を変化させてもよい。たとえば、音量、周波数、または音の間の沈黙時間の長さなど変えてもよい。1つの実施形態では、ユーザが力を付与するときには音を出さず、力が適当であるときには第1の特徴を有する音、たとえば低周波の音信号を出す。所定の閾値レベルを超える力が付加された場合には、高周波の警告信号を出す。他の実施形態においても、装置のディスプレイに光信号を出力するか、発光ダイオードを用いて光信号を出してもよい。
[圧力による機械刺激の具体例]
本発明の実施形態による装置は、ペン型ハウジング4(図5参照)を有し、ペン上のボタン9を操作することによりスイッチが入る。ペンの一方の端部に配置されたゴムパッド5を患者の圧力感知部位に押圧することにより測定が実施される。ペンは、1分以内にさらなる測定がなされない場合には自動的にスイッチオフ(停止)する。
本発明の実施形態による装置は、ペン型ハウジング4(図5参照)を有し、ペン上のボタン9を操作することによりスイッチが入る。ペンの一方の端部に配置されたゴムパッド5を患者の圧力感知部位に押圧することにより測定が実施される。ペンは、1分以内にさらなる測定がなされない場合には自動的にスイッチオフ(停止)する。
ペン4は、ゴムパッドに加わった機械的な力を測定する。測定サイクルは、力が約500グラム以上となったときに開始し、力が約250グラム以下となったとき終了する。測定サイクル中の力の最大の測定値が内蔵コンピュータのメモリ内に記憶される。
各測定サイクルの後、コンピュータは、ディスプレイ8に表示されるストレスファクタを計算する。この表示は、新規の測定サイクルが開始されるか、制限時間によりシステムがスイッチオフされる。
[測定原理および線形近似]
このシステムのペン型ハウジング内の力センサは、圧力感応式オーミック抵抗である。力が付加されないとき、抵抗値は極めて高い。力が増大するほど、センサの抵抗値は減少し、抵抗値の逆数は力に比例する。
このシステムのペン型ハウジング内の力センサは、圧力感応式オーミック抵抗である。力が付加されないとき、抵抗値は極めて高い。力が増大するほど、センサの抵抗値は減少し、抵抗値の逆数は力に比例する。
図7に示すように、センサは固定抵抗R1と直列に接続され、この直列接続がシステムの電池の両端に接続されている。抵抗R1の両端の電圧は、センサに加えられる力の関数として与えられる。力が増大するとこの電圧は上がるが、これらの関係は非線形である。
抵抗R1の上端における電圧が、コンピュータのアナログ入力端子に入力され、測定電圧を内蔵ADコンバータにより0〜1023の数字に変換する。電池電圧がADコンバータの基準電圧として用いられるので、測定値は電池電圧の変動に影響されることはない。
力と測定値の間の非線形関係は、次のアルゴリズムを用いて対応する線形関係に変形される。
補正値=測定値×補正係数/(補正係数−測定値)
補正係数は通常所与のものではない。その値は初期調節処理において求められる。
補正値=測定値×補正係数/(補正係数−測定値)
補正係数は通常所与のものではない。その値は初期調節処理において求められる。
[ストレス因子の計算]
システムの較正に際し、15kgの力に対する線形化した値が記憶され、「基準値(ref)」と称する力の基準値として記憶される。最後の測定サイクルで得られた最大力の線形化値が「補正最大値(correctmax)」と称する変数としてメモリ内に記憶される。次に、「補正最大値(correctmax)」が力の基準値の百分率に変換される。
百分率=100×補正最大値(correctmax)/基準値(ref)
最後に、小数点2桁以下を切り捨てて、7セグメントディスプレイでストレス因子を表示する。
表示=200−100×log10(百分率)
百分率の関数であるストレス因子が図8のグラフに図示されている。
システムの較正に際し、15kgの力に対する線形化した値が記憶され、「基準値(ref)」と称する力の基準値として記憶される。最後の測定サイクルで得られた最大力の線形化値が「補正最大値(correctmax)」と称する変数としてメモリ内に記憶される。次に、「補正最大値(correctmax)」が力の基準値の百分率に変換される。
百分率=100×補正最大値(correctmax)/基準値(ref)
最後に、小数点2桁以下を切り捨てて、7セグメントディスプレイでストレス因子を表示する。
表示=200−100×log10(百分率)
百分率の関数であるストレス因子が図8のグラフに図示されている。
[ソフトウェア構造]
データ処理の基本原理は、図9に示すように主たる機能のフローチャートに図示されており、さらに説明するまでもなく判読することができる。電池電圧を検出し、センサが過負荷となったとき(力が15kg以上となったとき)ビープ音を発生するといった副次的な機能について図示しない。
以下の処理を反復して、処理サイクルをメインループにより高速で継続的に実行する。
・データ処理:アナログデータの収集、アナログデータのデジタル変換、数学的処理
・同時に1桁ずつLEDディスプレイのセグメントの制御
サイクル時間の約20%がデータ処理のために用いられ、残りの時間がディスプレイを制御するために用いられる。
データ処理の基本原理は、図9に示すように主たる機能のフローチャートに図示されており、さらに説明するまでもなく判読することができる。電池電圧を検出し、センサが過負荷となったとき(力が15kg以上となったとき)ビープ音を発生するといった副次的な機能について図示しない。
以下の処理を反復して、処理サイクルをメインループにより高速で継続的に実行する。
・データ処理:アナログデータの収集、アナログデータのデジタル変換、数学的処理
・同時に1桁ずつLEDディスプレイのセグメントの制御
サイクル時間の約20%がデータ処理のために用いられ、残りの時間がディスプレイを制御するために用いられる。
[振動を用いた機械振動の具体例]
アクチュエータの機械的形態は上述の圧力アクチュエータを基本とするものである。ゴムプラグの代わりに振動ヘッドを用いる。球形または半球形のヘッドの大きさは約2mmである。接続されたマイクロプロセッサ型コントロールユニットは振動の振幅と周波数を制御する。
アクチュエータの機械的形態は上述の圧力アクチュエータを基本とするものである。ゴムプラグの代わりに振動ヘッドを用いる。球形または半球形のヘッドの大きさは約2mmである。接続されたマイクロプロセッサ型コントロールユニットは振動の振幅と周波数を制御する。
アクチュエータの機械的部分が図10の断面図に図示されている。突起部は溝部に0.1mmの銅線(図示せず)を捲回したアルミニウム製ホイールである。8つのホイールが交互の巻線方向に平行に接続される。これらのホイールは、一体に押圧され、内径が6mmで、長さが48mmの孔を形成する。アルミニウム製パイプ32が孔の内部に配置される。パイプの両端において、端部部品34は内容物を所定位置に保持する。パイプは、孔の内部を極力小さい摩擦力で移動できるように設計される。パイプには、微小鉄ディスク38により分離された強力な希土類(ネオジウム)磁石36が充填されている。磁石は、軸方向(パイプと平行な方向)に磁化され、極性方向が交互となるように配置されている。
5つの磁石と6つのセパレータによる磁石構成では、図11に示す磁場が形成される。好適には、セパレータは、飽和することを防止するために、本質的には高透磁率を有する鉄で形成される。パイプは図10に示すコイルの内部に配設される。セパレータは、ホイールに対して中央に配置されることが好ましい。位置ずれがあると、電流がコイルに流れるときに生じる引力を弱めることになる。8つのホイールは、巻線領域での磁場を最大化する鉄製ケース(図示せず)の内部に配設される。電流が流れたときに生じる力を最大化することができるので、すべての磁力線が巻線領域におけるパイプと垂直な方向となったときに理想的な状態となる。ただし図11から明らかなように、これは現実の実施ではあり得ない。
鉄製ケースはレーザ加工プレート40からなる。端部プレート41はケースを閉口する。各プレートに穿孔した微小2mm孔を用いて積層されたプレートを正確に位置合わせするために、スチールロッド(図示せず)が用いられる。鉄製ケースは押出アルミニウム形状の内部に配置され、適当な端部部品がデバイスを閉口する。パイプの各端部部品は、ばねにより付勢され、パイプをホイールの中央に配置されるように維持する。
パイプの壁厚は、製造できることを考慮しつつ、極力薄く形成した。磁束を示す図11から明らかなように、磁場はパイプに近いほど強い。溝部の底部におけるパイプの壁厚およびホイールの壁厚により、巻線を最も磁場の強い領域から離間させる。
ホイールおよびロッドは、本質的に非磁性材料で形成されることが好ましい。
理想的には、パイプおよびホイールは、非導電性材料で形成する必要がある。交流磁場は渦電流を形成し、アルミニウム内で損失を誘導する。
図12は、アクチュエータの異なる部品、すなわちアルミニウム製ホイール30、アルミニウム製パイプ32、端部部品34、希土類磁石36、鉄製ディスク38、鉄製ケースの部品40,41を示す。
[機能説明]
巻線に流れる電流は、本質的に磁場に対して垂直な方向であり、ともにデバイスの軸に対して本質的に垂直な平面内にある。力は軸に対して平行に形成される。各ホイールの磁場方向が交互方向であり、ホイールが交互の捲回方向を有するので、各ホイール/磁石の対は、同一方向の力を発生させる。アクチュエータは、限定的なストロークを有し、パイプが巻線に対して中心に配置されない場合、上述の効果は作動しない。
巻線に流れる電流は、本質的に磁場に対して垂直な方向であり、ともにデバイスの軸に対して本質的に垂直な平面内にある。力は軸に対して平行に形成される。各ホイールの磁場方向が交互方向であり、ホイールが交互の捲回方向を有するので、各ホイール/磁石の対は、同一方向の力を発生させる。アクチュエータは、限定的なストロークを有し、パイプが巻線に対して中心に配置されない場合、上述の効果は作動しない。
[アクチュエータ駆動およびソフトウェア]
アクチュエータは、巻線に流れる定常状態電流を制限する電流チョッパを有する単純なH−ブリッジ回路を用いて駆動される(図13)。FPGAは、ホストに接続するためのUSBインターフェイスを有するアルテラ社製NIOS系のuPシステムを含む。電流方向を変化させることにより、パイプを前後に移動させる。
アクチュエータは、巻線に流れる定常状態電流を制限する電流チョッパを有する単純なH−ブリッジ回路を用いて駆動される(図13)。FPGAは、ホストに接続するためのUSBインターフェイスを有するアルテラ社製NIOS系のuPシステムを含む。電流方向を変化させることにより、パイプを前後に移動させる。
電流制限値を調節することによりストロークを調節する。こうしてコイルに流れる電流を変え、その結果パイプに生じる力を変更する。小さなPCプログラムにより、周波数およびストロークの調節が実行される(図14)。このデバイスは、単純なHIDのUSBデバイスに接続されると、このプログラムにより単純なコマンドを受信する。コイルが過熱することを防止するために10秒間で時間切れとなる。
本発明の特定の実施形態によれば、このシステムは、冷たいものまたは温かいものなどの熱刺激を与え、測定するものであってもよい。
[熱刺激の具体例]
アクチュエータの機械的形態は上述の圧力アクチュエータを基本とするものである。ゴムプラグの代わりに加熱表面を用いる。加熱表面の形状は、圧力アクチュエータの形状とほとんど同一である。すなわち本発明の実施形態は、
・このシステムのハードウェアを内蔵するペン型ハウジングと、
・制御ボックスと、
・充電ユニットとを有する。
アクチュエータの機械的形態は上述の圧力アクチュエータを基本とするものである。ゴムプラグの代わりに加熱表面を用いる。加熱表面の形状は、圧力アクチュエータの形状とほとんど同一である。すなわち本発明の実施形態は、
・このシステムのハードウェアを内蔵するペン型ハウジングと、
・制御ボックスと、
・充電ユニットとを有する。
本実施形態は、ペン型ハウジングの上部端部にある金属ノブと、側部にある「加熱」と表示された押しボタンとを有する。制御ボックスは、蓋部に発光するスタートボタンと、2桁のディスプレイとを有する。ペンは細いケーブルを介して制御ボックスに接続されている。制御ボックスは、温度範囲と、時間に対する温度とを制御するマイクロプロセッサを有する。
制御ボックスのボタンを押すと、測定を開始する。押しボタンは、電源が入ったことを示す赤色に発光し、ペン上の金属ノブが加熱する。ディスプレイは「加熱中につき待機」と表示する。2〜3秒後、ペンは開始温度(35℃)に達し、内蔵した音発生器が短くビープを発し、ディスプレイは「準備完了」と表示する。
金属ノブを患者の体の敏感部位に押圧し、ペン上の「加熱」の押しボタンを押す。押しボタンを押し続ける間、設定温度は、最終的に最大温度(45℃)となるまで一定の上昇勾配で上昇する。設定温度を時間の関数として図15に示す。ソフトウェアで実行される制御ループは、金属ノブの温度が設定温度となるように制御する。この期間中、ディスプレイは「測定中」と表示する。
患者の痛みが限界に達すると、ペン上の押しボタンを解放し、ペンを肌から引き離す必要がある。制御ボックス上のスタートボタンの赤色点灯が消え、測定が終了し、ペンの電源が停止されたことを示す。
制御ボックスは、ストレス因子、経過測定時間、および最高到達温度を計算し表示する。この表示は、新規な測定が開始されるか、システムがパワー時間切れとなるまで維持される。測定期間が経過すると(スタートボタンの点灯が消えると)、金属ノブの温度は自然冷却により温度が下がる。開始温度まで下がる前に、新たな測定が開始されると、開始は延期され、ディスプレイは「冷却中につき待機」と表示する。再び開始温度に達すると、ビープ音がなり、ディスプレイは「準備完了」と表示する。
[ストレス因子を計算するためのアルゴリズム]
ストレス因子は0〜100の間の数字である。ストレス因子は、経過測定時間tの対数関数である。これが短いと、ストレス因子は高い。逆も成り立つ。ストレス因子は次の方程式により求められ、ここでtは経過測定時間、tmaxおよびtminは固定値であるが、調節可能な最大および最小変数値である。
t<tminのとき
ストレス因子=100
tmin<t<tmaxのとき
ストレス因子=100×[log10(tmax)−log10(tmin)]
t>tmaxのとき
ストレス因子=0
図16は時間の関数としてのストレス因子を示す。
ストレス因子は0〜100の間の数字である。ストレス因子は、経過測定時間tの対数関数である。これが短いと、ストレス因子は高い。逆も成り立つ。ストレス因子は次の方程式により求められ、ここでtは経過測定時間、tmaxおよびtminは固定値であるが、調節可能な最大および最小変数値である。
t<tminのとき
ストレス因子=100
tmin<t<tmaxのとき
ストレス因子=100×[log10(tmax)−log10(tmin)]
t>tmaxのとき
ストレス因子=0
図16は時間の関数としてのストレス因子を示す。
[ハードウェア設計]
ハードウェア設計の単純化したブロック図を図17に示す。ペンは、ダーリントン・パワートランジスタQ1、抵抗R1、「加熱」と表示した押しボタンとを有する。このトランジスタはペン上の金属ノブと熱接触している。押しボタンを押すと、CPUに加熱指令が送信される。トランジスタQ1は、2つの機能を有する。10ミリ秒間続くサンプリング期間において、最初の2ミリ秒間は温度センサとして機能し、次の8ミリ秒間の第1の期間では加熱部品として機能する。これは、図18のタイミングチャートに図示されている。
ハードウェア設計の単純化したブロック図を図17に示す。ペンは、ダーリントン・パワートランジスタQ1、抵抗R1、「加熱」と表示した押しボタンとを有する。このトランジスタはペン上の金属ノブと熱接触している。押しボタンを押すと、CPUに加熱指令が送信される。トランジスタQ1は、2つの機能を有する。10ミリ秒間続くサンプリング期間において、最初の2ミリ秒間は温度センサとして機能し、次の8ミリ秒間の第1の期間では加熱部品として機能する。これは、図18のタイミングチャートに図示されている。
図17のブロック図を参照すると、2ミリ秒間の測定期間の後、制御ボックス内に配設されたダーリントン・パワートランジスタQ2は、コレクタ電流Q1を遮断するためのスイッチとして機能する。抵抗R2を通る微小電流(数mA)がベース−エミッタ・ダイオードQ1および抵抗R1を介してグランドに流れる。接点Aにおける電圧は、温度に依存しないベース−エミッタ・ダイオードのVbeにより一意的に決定する。室温でVbeが約1.4Vであるとき、この電圧は温度上昇時約4mV/℃で降下する。直流増幅器は、接点Aにおける電圧を、15〜75℃の温度に対応して0〜5Vの電圧に増幅する。CPU内の10ビットADコンバータは、この電圧を受信してソフトウェアで0〜1023の数字に変換する。
最大8ミリ秒間の加熱期間の後、ダーリントン・パワートランジスタQ2は、CPUにより制御される電子スイッチとしてオン状態に切り換えるように機能する。接点Bにおける電圧は電池電圧VBAT(=14V)に近い。接点Aにおける電圧は、抵抗R2およびそれぞれ0.7Vの立ち上がり電圧を有するダイオードD1〜D3からなる分圧器により特定される、2.1Vに近い。ベース−エミッタ・ダイオードのVbeが約1.4Vであり、抵抗R1が1Ωであるので、Q1のコレクタ電流ICは次式で与えられる。
IC=(VA−Vbe)/R1=(2.1−1.4)/1=0.7A
この電流が流れると、Q1で生じる電力Pは、次式で与えられる。
P≒VBAT×IC=14V×0.7A=9.8W
これによりQ1および付随する金属ノブの温度が急上昇する。
IC=(VA−Vbe)/R1=(2.1−1.4)/1=0.7A
この電流が流れると、Q1で生じる電力Pは、次式で与えられる。
P≒VBAT×IC=14V×0.7A=9.8W
これによりQ1および付随する金属ノブの温度が急上昇する。
図18から明らかなように、この電力が最初の8ミリ秒間の期間において供給される。電力パルスの時間幅Δtは、ソフトウェアによる比例制御ループを用いたCPUにより調節される。
Δt=K×(T(設定時)−T(測定時))
Kは調節可能なゲイン定数であり、T(設定時)は設定時における温度であり、T(測定時)は、測定時における温度である。
Δt=K×(T(設定時)−T(測定時))
Kは調節可能なゲイン定数であり、T(設定時)は設定時における温度であり、T(測定時)は、測定時における温度である。
表表示装置は、内蔵コントローラおよびバックライト付き2行16桁ドットマトリックスディスプレイであり、CPUにより制御からの14ラインにより制御される。図17には図示しないが、CPUに接続された5つの押しボタンが制御ボックスの内部に配設されている。そのボタンとは、CPUをリセットするためのリセットボタンと、T(開始時)、T(最大時)、上昇勾配、tmax、tminおよびゲインKを調節するためのモードボタン、アップボタン、ダウンボタンおよび記憶ボタンである。
内蔵された14ボルト再充電可能なLiイオン電池パッケージにより電源供給される。スタートボタンが押されると、ハードウェアを用いた制御ロジックが電源を入れ、CPUおよび他の構成部品に5Vの電源を供給する。さらに操作されることなく3分間経過すると、CPUは、電源制御回路に電源遮断信号を送信する。
電池充電器は商用電源から給電されるユニットである。充電するために、制御ボックスにケーブルを接続する。安全のため、充電プラグを制御ボックスに接続する際には、電子部品は電池から取り外される。
[ソフトウェア]
ソフトウェア構造体はいわゆる「有限状態機械」であり、PLC(制御プログラマブルロジックコントローラ)で広く用いられる構造体である。この構造体は状態をなす閉ループを有し、各閉ループは1つまたはそれ以上の動作または変遷を含むものである。ポインタはループ全体を通して高速で実行され、ただ1つの状態に関する動作を起動する。この起動は、変遷状態に達するまで(真となるまで)数多くのプログラムを連続的に続行する。次のプログラム実行において、別の状態が起動される。
ソフトウェア構造体はいわゆる「有限状態機械」であり、PLC(制御プログラマブルロジックコントローラ)で広く用いられる構造体である。この構造体は状態をなす閉ループを有し、各閉ループは1つまたはそれ以上の動作または変遷を含むものである。ポインタはループ全体を通して高速で実行され、ただ1つの状態に関する動作を起動する。この起動は、変遷状態に達するまで(真となるまで)数多くのプログラムを連続的に続行する。次のプログラム実行において、別の状態が起動される。
変遷に関する状態とは、タイマの時間切れ、カウンタの所定数到達、回路の他の部分からの設定またリセットするための信号、押圧または解放されたプッシュボタンなどである。(さらなる説明については、とりわけ「wikipedia.org」を参照されたい。)
[電気刺激の具体例]
交流電流および/または直流電流を用いて電気刺激が与えられる。一例として、市販されたアクチュエータ、すなわちデンマークにあるMibiTech ApSから市販されているTaoを用いることができる。ここに参考に統合される国際特許公開第2004/062723号を参照されたい。この電気アクチュエータのヘッドは、直径が約2mmの本質的に球形または半球形の形状を有する。この電気アクチュエータは、交流電流を付加することにより電気刺激を与える。
交流電流および/または直流電流を用いて電気刺激が与えられる。一例として、市販されたアクチュエータ、すなわちデンマークにあるMibiTech ApSから市販されているTaoを用いることができる。ここに参考に統合される国際特許公開第2004/062723号を参照されたい。この電気アクチュエータのヘッドは、直径が約2mmの本質的に球形または半球形の形状を有する。この電気アクチュエータは、交流電流を付加することにより電気刺激を与える。
電気アクチュエータは2つの機能を有する。すなわち1)刺激すべき正確な位置を特定するためにアクチュエータを用いることができ、2)刺激を付加するためにアクチュエータを用いることができる。すなわち、交換神経緊張および/またはストレスレベルの決定が、交換神経緊張が増大していることを示す場合、交換神経緊張−依存部位に、所定期間刺激閾値より弱い電気刺激を与えてもよい。
この電気アクチュエータの利点は、刺激すべき部位を特定する機能において極めて優れている点である。
電気アクチュエータは、個人の体に電気的に接触させるための第1および第2の電極またはプローブを有する電気治療デバイスとして説明することができる。このデバイスは、個人の体に交流電流を流すために、一対の電極の両端に交流出力電圧を供給する手段を有し、この電圧供給手段は、出力電圧が低周波から高周波まで所定時間内に自動的に周波数が変化するように出力電圧の周波数を制御する。電圧供給手段は、出力電圧が低周波から高周波まで所定時間内に周波数が変化するように出力電圧の周波数を制御する。このアクチュエータは、「電気治療デバイスおよび電気治療方法」(MibiTech ApS)と題する国際特許公開第2004/062723号に記載されており、その開示内容は参考にここに一体のものとして統合される。特定の実施形態によれば、前掲のシステムは、レーザ、発光ダイオード、赤外光源、紫外線光源、および/または白色光源などから放射される赤外線光、可視光、および/または紫外線光またはこれらのスペクトル光を組み合わせたなどの輻射光を照射し、測定するものであってもよい。
本発明の特定の実施形態では、前掲のシステムは、たとえば無機物質または有機物質などの化学刺激を付加して測定するものであってもよい。
本発明は、交換神経緊張を決定付ける刺激を与え、測定するためのシステムの使用方法に関し、この使用方法は、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えた閾値の刺激を測定するステップと、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えた同じ閾値の刺激を測定するステップとを有する。
本発明の特定の実施形態によるシステムは、交換神経緊張を決定付ける刺激を与え、測定するために用いられ、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた閾値の刺激は、体の腹側の鎖骨上、および/または背側においてはTH10、TH11に対応する脊柱上において測定される。
おける
おける
1つの実施形態では、本発明は、交換神経緊張を認定するための刺激を与えて測定するシステムの使用方法に関し、この使用方法において、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えた閾値の刺激が、交感神経系から心臓までの神経供給に神経分布的に(すなわち神経供給に関連して)対応する皮膚上の1つまたはそれ以上の部位において測定される。たとえばこの閾値の刺激は、最も痛む部位として選択されたところであって、たとえば胸骨中央にあるCV.17、2本の肋骨の間にあって乳首の下にあるST.18、および乳首と腹側の腋窩部の間にあるPer 1、肩胛骨の間の領域にあるTH3〜TH6に対応する背中上の1つまたはそれ以上の部位において測定される。
本発明の特定の実施形態によれば、振動などの機械刺激を与えて測定することができるシステムを用いる。
本発明の特定の実施形態によれば、熱いものや冷たいものなどの熱刺激を与えて測定することができるシステムを用いる。
本発明の特定の実施形態によれば、交流電流または直流電流などの電気刺激を与えて測定することができるシステムを用いる。
本発明の特定の実施形態によれば、レーザ、発光ダイオード、赤外光源、紫外線光源、および/または白色光源などから放射される赤外線光、可視光、および/または紫外線光またはこれらのスペクトル光を組み合わせたなどの輻射光を照射して測定することができるシステムを用いる。
本発明の特定の実施形態によれば、たとえば無機成分または有機成分による化学刺激を付加し測定することができるシステムを用いる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明に係るシステムの実施形態を具備し、あるいは関連する携帯電話が提供される。このシステムは、携帯電話と完全に一体化することができ、すなわち電話内に読出手段とともに不快誘発手段を具備する。択一的には、システムの一部分だけを電話と一体化するようにしてもよい。たとえば不快誘発手段は携帯電話のハウジング内に収容する一方、離れたところに、読出手段を配置して、電話からの通信データを受信できる手段を設けてもよい。1つの実施形態において、コンピュータシステムを病院または診療所に設置して、疼痛閾値、ストレス因子および他の値を示唆する読み出し値(測定値)を通信するようにしてもよい。同様に、こうしたコンピュータシステムは患者の家庭に設置してもよい。読出手段は、携帯電話のディスプレイおよび/または人工音声信号などの適当な音声信号を出力できるスピーカに接続してもよい。たとえば致命的なストレス因子をディスプレイに警告表示するか、あるいは音声による警告信号として告知するものであってよい。
疼痛閾値を測定することをユーザに思い出させるように携帯電話を構成してもよい。たとえば所与の時刻に間に合うように、催促信号を発するように電話をプログラムしてもよいし、あるいはSMSメッセージやMMSメッセージに含まれる所定の無線信号を受信したときに催促信号を発するようにプログラムしてもよい。すなわち医者またはその他の者は、携帯電話に組み込まれた本発明に係るシステムを用いて、疼痛刺激の測定を実施するように携帯電話のユーザに指示するようにしてもよい。
たとえば疼痛刺激閾値、ストレス因子、または本発明に係るシステムが出力できる他の値を含め、複数の測定値を記憶するなどして、ユーザが行った測定結果を記録するように携帯電話をプログラムしてもよい。同様に測定時刻を記録してもよい。こうした記録は、電話が無線通信により接続される離れた場所で行うこともできる。択一的には、記録されたデータは、電話がコンピュータシステムに近接している際にはブルートゥース(登録商標)などを用いて、有線通信または無線通信を介して電話からコンピュータシステムに送信してもよい。
電話に組み込まれた不快誘発手段の作動は、電話のキーパッド、タッチスクリーン、音声認識、その目的のため設計された別個のブッシュボタンを操作することにより行うようにしてもよい。
以下の実施例を用いて本発明をさらに説明する。
[実施例]
圧力計による付加圧力の測定の際、実施例におけるすべての測定の単位はイギリスポンドlbs/cm2であり、以下において単にポンド(lbs)という。
圧力計による付加圧力の測定の際、実施例におけるすべての測定の単位はイギリスポンドlbs/cm2であり、以下において単にポンド(lbs)という。
圧力感度の閾値で指に加えられた圧力を測定する際、実施例におけるすべての測定単位は「0」、「+」、「++」、「+++」であり、「0」は交換神経緊張−中立部位における圧力感応性(圧力感度)の閾値の付加圧力であり、「+」、「++」、「+++」は交換神経緊張−依存部位における圧力感応性の同じ閾値の付加圧力である。「0」は交換神経緊張−中立部位における付加圧力に等しく、「+」、「++」、「+++」は比較的により小さい付加圧力である。
[実施例1]
(実施例1a)
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は13.8ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は13.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の94%であった。本発明によれば、この値は「レベル0のストレス」に相当する。このとき、個人(被験者)はストレスレベルに関する問診票に記入したが、臨床ストレスの兆候が見られないことが確認された。
(実施例1a)
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は13.8ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は13.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の94%であった。本発明によれば、この値は「レベル0のストレス」に相当する。このとき、個人(被験者)はストレスレベルに関する問診票に記入したが、臨床ストレスの兆候が見られないことが確認された。
(実施例1b)
別の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は14.3ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は11.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の77%であった。本発明によれば、この値は「レベル1のストレス」に相当する。
別の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は14.3ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は11.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の77%であった。本発明によれば、この値は「レベル1のストレス」に相当する。
(実施例1c)
3人目の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は10.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は7.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の70%であった。本発明によれば、この値は「レベル1のストレス」に相当する。
3人目の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は10.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は7.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の70%であった。本発明によれば、この値は「レベル1のストレス」に相当する。
(実施例1d)
4人目の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である背側の脊柱のTH-10、TH-11における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は24.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位である背側の脊柱のTH3〜TH6における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は22.5ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の94%であった。本発明によれば、この値は「レベル0のストレス」に相当する。このとき、個人(被験者)はストレスレベルに関する問診票に記入したが、臨床ストレスの兆候が見られないことが確認された。
4人目の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である背側の脊柱のTH-10、TH-11における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は24.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位である背側の脊柱のTH3〜TH6における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は22.5ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の94%であった。本発明によれば、この値は「レベル0のストレス」に相当する。このとき、個人(被験者)はストレスレベルに関する問診票に記入したが、臨床ストレスの兆候が見られないことが確認された。
[実施例2]
(実施例2a)
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は17ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は8.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の47%であった。本発明によれば、この値は「レベル2のストレス」に相当する。
(実施例2a)
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は17ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は8.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の47%であった。本発明によれば、この値は「レベル2のストレス」に相当する。
(実施例2b)
別の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は10.5ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるSt.18における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は5.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の48%であった。本発明によれば、この値は「レベル2のストレス」に相当する。
別の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は10.5ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるSt.18における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は5.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の48%であった。本発明によれば、この値は「レベル2のストレス」に相当する。
(実施例2c)
3人目の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は14.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるPer 1における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は5.0ポンドと測定され、交換神経緊張−依存部位であるSt.18での付加圧力は5.5ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の36%および39%であった。本発明によれば、この値は「レベル2のストレス」に相当する。
3人目の個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は14.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるPer 1における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は5.0ポンドと測定され、交換神経緊張−依存部位であるSt.18での付加圧力は5.5ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の36%および39%であった。本発明によれば、この値は「レベル2のストレス」に相当する。
[実施例3]
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は9.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は2.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の22%であった。本発明によれば、この値は「レベル3のストレス」に相当する。
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は9.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は2.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の22%であった。本発明によれば、この値は「レベル3のストレス」に相当する。
[実施例4]
実施例3で上述した個人(被験者)に対し、交換神経緊張を認定するために、付加圧力を測定する本発明に係る個別較正システムを適用した。このシステムは、測定デバイスとスケールとを有し、この実施例では4段階のストレスレベルに相当する4つの区分に分類された。このシステムは、付加圧力を表示し、1つまたそれ以上の測定部位をマーキングするためのマーカを付した。本発明に係る供給システムを用いることにより、個人は都合の良い時間に交換神経緊張を認定することができた。その結果、個人は、交換神経緊張−依存部位における圧力感応性の閾値に相当する付加圧力を観察することにより、交換神経緊張を継続的に認定することができた。第1の区分が交換神経緊張−中立部位における圧力感応性の閾値の付加圧力の30%未満(レベル3)に相当し、第2の区分が30%〜55%(レベル2)に相当し、第3の区分が55%〜80%(レベル1)に相当し、第4の区分が80%以上(レベル0)に相当する。
実施例3で上述した個人(被験者)に対し、交換神経緊張を認定するために、付加圧力を測定する本発明に係る個別較正システムを適用した。このシステムは、測定デバイスとスケールとを有し、この実施例では4段階のストレスレベルに相当する4つの区分に分類された。このシステムは、付加圧力を表示し、1つまたそれ以上の測定部位をマーキングするためのマーカを付した。本発明に係る供給システムを用いることにより、個人は都合の良い時間に交換神経緊張を認定することができた。その結果、個人は、交換神経緊張−依存部位における圧力感応性の閾値に相当する付加圧力を観察することにより、交換神経緊張を継続的に認定することができた。第1の区分が交換神経緊張−中立部位における圧力感応性の閾値の付加圧力の30%未満(レベル3)に相当し、第2の区分が30%〜55%(レベル2)に相当し、第3の区分が55%〜80%(レベル1)に相当し、第4の区分が80%以上(レベル0)に相当する。
[実施例5]
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は9.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は2.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の22%であった。本発明によれば、この値は「レベル3のストレス」に相当する。このとき、個人(被験者)はストレスレベルに関する問診票に記入したところ、問診票は慢性的な蓄積ストレスの兆候が見られることを示していた。
指を用いて、圧力感応性の閾値が「+++」であると認定された。
ある個人の交換神経緊張は以下の手順により認定された。すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は9.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は2.0ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の22%であった。本発明によれば、この値は「レベル3のストレス」に相当する。このとき、個人(被験者)はストレスレベルに関する問診票に記入したところ、問診票は慢性的な蓄積ストレスの兆候が見られることを示していた。
指を用いて、圧力感応性の閾値が「+++」であると認定された。
4週間、適当に治療処置した後、当該個人に同一の測定を行った。
すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は10.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は9.5ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の95%であった。本発明によれば、この値は「レベル0のストレス」に相当する。
指を用いて、圧力感応性の閾値が「0」であると認定された。これと同時に、個人は先に記録された臨床ストレスの兆候は消失したと報告した。
すなわち、交換神経緊張−中立部位である腹側の鎖骨の上側における圧力感応性の閾値(刺激を不快と感じるときの圧力)を圧力計で測定すると、その付加圧力は10.0ポンドと測定された。そして交換神経緊張−依存部位であるCV.17における同じ圧力感応性の閾値(同様に刺激を不快と感じるときの圧力)での付加圧力は9.5ポンドと測定された。したがって、交換神経緊張−依存部位における同じ圧力感応性の閾値での付加圧力は、交換神経緊張−中立部位における付加圧力の95%であった。本発明によれば、この値は「レベル0のストレス」に相当する。
指を用いて、圧力感応性の閾値が「0」であると認定された。これと同時に、個人は先に記録された臨床ストレスの兆候は消失したと報告した。
[実施例6]
任意抽出した250人に対し、生理ストレスと臨床ストレスの相関関係について調査した。任意抽出した250人に対し、過去4週間内に特定の状況を経験したか否かについて検証するために問診票に記入するように依頼した。問診票には、ストレスのさまざまな兆候を示す全部で35の質問があった。
任意抽出した250人に対し、生理ストレスと臨床ストレスの相関関係について調査した。任意抽出した250人に対し、過去4週間内に特定の状況を経験したか否かについて検証するために問診票に記入するように依頼した。問診票には、ストレスのさまざまな兆候を示す全部で35の質問があった。
個人は、鎖骨の上側の位置を最初に特定することにより、自ら調べて、圧力感応性の閾値を得るために必要な付加圧力の強度を登録する。この開始時点で、各個人はCV.17の位置を特定し、鎖骨の上側に対して行った同様の処置に基づいて、4つの段階「0」、「+」、「++」、「+++」における同じ圧力感応性の閾値を得るために必要な相対的な付加圧力を特定するように指示された。
すべての問診票を回収し、分析した。CV.17の閾値に対する付加圧力に対する鎖骨の上側の閾値を得るための付加圧力の比(相関係数)は、実質的なもの(p<0.001)であり、過去4週間内により数多くのストレス兆候を経験した個人ほど、鎖骨の上側の閾値に付加された圧力に対する胸部のCV.17の部位に付加される圧力の比はより小さくなった。
[実施例7](この方法/システムの予知的使用)
音楽家や指揮者などの完全に健康な個人が、その日に後に音楽を演奏/指揮すべきとき、本発明の方法およびシステムを用いて、個人のリソースを最適活用することを予知するような低い測定値を確認しておくことができる。
音楽家や指揮者などの完全に健康な個人が、その日に後に音楽を演奏/指揮すべきとき、本発明の方法およびシステムを用いて、個人のリソースを最適活用することを予知するような低い測定値を確認しておくことができる。
ある朝の測定値が高いとき、測定することにより、エクササイズやリラクゼーションなどのストレス低減活動を開始することができる。ストレス低減活動が終了したとき、個人は、十分効果が得られたか否か、すなわち低い測定値が得られるか否か、測定することができる。最終的な目標値が得られなければ、この手順を反復してもよい。
[実施例8](予防的降下を有する日常的刺激)
実施例7のシステムは、以下の行動を実践するために用いることができる。
このシステムを用いて、痛みを伴う刺激を与えることなく、圧力が感じられるように、交換神経緊張−依存部位に強い圧力を付加し続ける。20〜40秒後には、個人は下位苦痛が抑制された者と感じる。
実施例7のシステムは、以下の行動を実践するために用いることができる。
このシステムを用いて、痛みを伴う刺激を与えることなく、圧力が感じられるように、交換神経緊張−依存部位に強い圧力を付加し続ける。20〜40秒後には、個人は下位苦痛が抑制された者と感じる。
このシステムによれば、これは疼痛閾値が50%増大したと感じることがある。すなわち、疼痛閾値が交換神経緊張−中立部位における閾値の40%から60%に増大することがある。生理的には「ストレス段階」は過ぎ去り、回復段階が活性化される。この行動は、否定的ストレスを予防することに貢献し得る。
[実施例9](ストレスの即時緩和のための臨時の刺激)
実施例7において、ユーザは高い値を登録して、実施例8で上述した行動を即時に行う。正しく行われた行動において、ユーザは、20〜40秒後には、測定値がほぼ50%改善された感じることができる。
実施例7において、ユーザは高い値を登録して、実施例8で上述した行動を即時に行う。正しく行われた行動において、ユーザは、20〜40秒後には、測定値がほぼ50%改善された感じることができる。
[実施例10](習得のための測定)
この方法およびシステムによれば、ストレスレベル、すなわち交感神経系の活動を瞬時に測定することができるので、個人は「朝の値」を知り、日中、繰り返し測定することができるので、(会話、注文、電話メッセージ、仕事など)ストレスレベルに影響を与えた特別な状況を特定することができる。
この方法およびシステムによれば、ストレスレベル、すなわち交感神経系の活動を瞬時に測定することができるので、個人は「朝の値」を知り、日中、繰り返し測定することができるので、(会話、注文、電話メッセージ、仕事など)ストレスレベルに影響を与えた特別な状況を特定することができる。
ストレス段階は数秒で活性化され、20〜40秒後には過ぎ去るので、この方法およびシステムは、さまざまな日常的状況が否定的方向にせよ、肯定的方向にせよ、ストレスレベルにどのように影響を与えるかを習得するための完全な新規な可能性を提供するものである。
この方法によれば、長期的視野において、たとえば休暇により好ましいリラックス効果が得られたか否かを判断することができる。
この方法によれば、長期的視野において、たとえば休暇により好ましいリラックス効果が得られたか否かを判断することができる。
[実施例11](生物学的警告システムの状態を認定するための本発明の使用)
<序論−生物学的警告システムおよび警告システムの刺激感応性>
警告防衛システムは、生命体のすべての進化過程における生き残り戦略の本質的な部分である。進化の初期段階において、大腸菌などのバクテリアは、生き残りのための致命的因子に関する周囲環境の化学的状況をモニタするバクテリア表面上の分子に依拠した特別の感覚システムを進化させ、ストレス耐性を誘発する潜在能力を有する変異システムを進化させた。さらに、脊椎動物の遠い祖先であるナメクジウオのコイル反射(引込め反射)は、最も原始的な神経反射を有していた。
<序論−生物学的警告システムおよび警告システムの刺激感応性>
警告防衛システムは、生命体のすべての進化過程における生き残り戦略の本質的な部分である。進化の初期段階において、大腸菌などのバクテリアは、生き残りのための致命的因子に関する周囲環境の化学的状況をモニタするバクテリア表面上の分子に依拠した特別の感覚システムを進化させ、ストレス耐性を誘発する潜在能力を有する変異システムを進化させた。さらに、脊椎動物の遠い祖先であるナメクジウオのコイル反射(引込め反射)は、最も原始的な神経反射を有していた。
動物においては、組織に損傷を受ける可能性のある環境刺激を見出す能力を、疼痛システム(nociceptive system)と呼ばれるものに進化させた。疼痛システムは生命体に対し不利な環境的状況において最適に反応するために必要な情報を与えるものであり、引込め反射などの反射反応により実現されるものである。侵害受容システム(疼痛システム)は、魚類から高等脊椎動物や人間に至るまでのすべての進化過程において同一の特性を有する未分化神経細胞であるポリモーダル受容器によるものである。この受容器は、機械圧力、温度および酸により刺激される。受容器の感応性は、異なる種類の変異に対して対応することができる。
1つの形態は、ストレス誘因性の鎮痛作用であり、痛みの感覚を抑制するものである。これは、傷ついた/闘争中の動物の疼痛全般を鎮静して、闘争能力を最適化する上で有効である。第2の形態は、ストレス誘因性の痛覚過敏であり、痛みの感覚を増大するものである。これは、ポー・プレッシャ・テスト(paw pressure test)、テイル・フリック・テスト(tail flick test)において動物の痛覚が増大する現象として見られる。心臓病患者の臨床的観察によれば、特定の経穴を強く押さえることにより、体表面の他の部位には影響がないのに、交換神経緊張のレベルが増大する現象として見られる。同様に、経穴を強く押さえることに伴い、交換神経緊張のレベルが低減される。本発明者によりなされた、250人の健康な人に対する未公開の予備的研究によると、自分で経穴でないところを指圧したときの度合いと交換神経緊張のレベルの間の相関関係と比較した場合、自分で特定の経穴に指圧したときの度合いと交換神経緊張のレベルの間には実質的な相関関係があることが確認された。こうした知見は、動物および/または人間の警告システムの一部としてこれまで説明されたことはない。目的論および進化論の観点から、疼痛のストレス変異に関する両方の形態により、魚類の昔から進化の過程で培われてきたメカニズムを用いることにより、生存率を改善することができる。
本発明者は、交換神経作用の増大と同時に、嫌悪環境において心臓の神経支配区分内のポリモーダル受容器の感応性を増大させることを実現した。この警告システム感応性(WSS)は、上述の装置およびシステムを用いて測定することができる。
[一過性ストレスの指標としての血清コルチゾル]
これまでの研究によると、唾液中または血清中のコルチゾルが一過性ストレスを示唆するものとして有用である。都会の救急部署に搬送される心肺停止状態にある患者において、自己心拍再開後の最初の6時間の血清コルチゾルレベルは極めて高く、その後の18時間で実質的に低減する。冠動脈バイパス移植手術(CABG)を受けた患者において、術後の血清コルチゾルレベルが高いことが確認された。
これまでの研究によると、唾液中または血清中のコルチゾルが一過性ストレスを示唆するものとして有用である。都会の救急部署に搬送される心肺停止状態にある患者において、自己心拍再開後の最初の6時間の血清コルチゾルレベルは極めて高く、その後の18時間で実質的に低減する。冠動脈バイパス移植手術(CABG)を受けた患者において、術後の血清コルチゾルレベルが高いことが確認された。
血清コルチゾルレベルを24時間測定することは、卒中に対する対応を判断する上で有用であると確認されており、血清コルチゾルレベルが高いほど、神経学的欠損の危険が大きく、CT上の虚血性病巣の範囲がより大きく、より困難な状況と診断される(p<0.05)。
問診票から判断されたことであるが、短期間または長期間の失業者において、身体的機能の低下が血清コルチゾルレベルの増大および情緒不安定の増大とともに認められる。兵士において、血清コルチゾルレベルと急性ストレスの間で正相関が認められた。魚を急性ストレスに曝したとき、血清コルチゾルが増大することが認められた。ただし、魚を慢性ストレスに曝したときには、この反応は認められなかった。初期乳癌の女性患者において、未処置の管理グループと比較して、認知行動ストレス管理プログラムにより血清コルチゾルが減少した。初期乳癌の女性患者に対する6ヶ月間の未公開の研究において、包括的なストレス管理プログラムにより、中程度の血圧を下げ、慢性ストレスの数多くの臨床的兆候を抑制し、自己認知ストレスレベルを低減し、胸部上の特定部位における痛みの度合いが小さくなったことが確認された。ただし、糖化ヘモグロビンおよび血清コルチゾルは変化しなかった。
[一過性ストレスの指標としての心筋負荷指数(Pressure-rate-Product)]
心臓病学において、心筋負荷指数(Pressure-rate-Product)は、心筋酸素消費量、すなわち心仕事量を示す実際的な指標として機能する。主としてβアドレナリン・カテコールアミンにより制御され、心臓の交換神経緊張における一過性の変化を示す上で有用なマーカである。
心臓病学において、心筋負荷指数(Pressure-rate-Product)は、心筋酸素消費量、すなわち心仕事量を示す実際的な指標として機能する。主としてβアドレナリン・カテコールアミンにより制御され、心臓の交換神経緊張における一過性の変化を示す上で有用なマーカである。
[慢性ストレスの指標としての糖化ヘモグロビン]
いくつかの研究によれば、慢性ストレスの指標としての糖化ヘモグロビンHbA1cを用いることができる。医学生において、他の学生と比較したとき、試験を行う前の医学生のHbA1cが上昇することが確認された。4ヶ月後、試験を行った学生のHbA1cが実質的に低減した。この結果は、他の学生についても後に確認された。オーストラリア西洋移民と比較すると、オーストラリア原住民に「西洋化」に対する慢性ストレスの潜在的兆候が認められた。
いくつかの研究によれば、慢性ストレスの指標としての糖化ヘモグロビンHbA1cを用いることができる。医学生において、他の学生と比較したとき、試験を行う前の医学生のHbA1cが上昇することが確認された。4ヶ月後、試験を行った学生のHbA1cが実質的に低減した。この結果は、他の学生についても後に確認された。オーストラリア西洋移民と比較すると、オーストラリア原住民に「西洋化」に対する慢性ストレスの潜在的兆候が認められた。
心筋梗塞症であって糖尿病でない患者について、HbA1cおよび血清コルチゾルはともに5.5年生存率と実質的な相関関係がある。慢性的な仕事の重責は、日本人およびデンマーク人の両方の労働者に関し、HbA1cレベルの上昇と関係があることが確認された。管理されたグループと比較して、疲れ切った女性のHbA1cレベルが高いことが分かった。ストレスの物理的測定の観点から、ケリー(Kelly)とハーツマン(Hertzman)は、慢性ストレスの指標としてHbA1cレベルが有用であることを推奨している。
[慢性ストレスの指標としての血圧]
慢性ストレスはメタボリック・シンドロームの主たる病原因子である。メタボリック・シンドロームは、約4000万人の米国人が患うものであるが、肥満、インスリン耐性、高血圧症・高脂質症、と関連するものであり、これらすべては心疾患および早死の危険因子である。加齢に伴う血圧の増大は、慢性ストレスが関連することが確認されている。
慢性ストレスはメタボリック・シンドロームの主たる病原因子である。メタボリック・シンドロームは、約4000万人の米国人が患うものであるが、肥満、インスリン耐性、高血圧症・高脂質症、と関連するものであり、これらすべては心疾患および早死の危険因子である。加齢に伴う血圧の増大は、慢性ストレスが関連することが確認されている。
一過性ストレスが加わるとき、心収縮期血圧は、心拡張器血圧より迅速に変化する。初期乳癌の女性患者に対する6ヶ月間の未整理の予備的研究によれば、包括的なストレス管理プログラムにより、中程度の血圧を下げ、慢性ストレスの数多くの臨床的兆候を抑制し、自己認知ストレスレベルおよび警告システム感応性を低減することが確認された。ただし、糖化ヘモグロビンおよび血清コルチゾルは実質的に変化しなかった。
[持続性ストレスによるストレス適応障害]
汚染された環境に魚を曝すと、ストレスコルチゾル適応障害が確認された。ネズミにおいては、母性剥奪により、ストレス反応に関して脳の重要な部位である海馬において、行動神経内分泌機能に持続的な異常が生じることが確認された。人間の母胎ストレスは、出生時または幼児の体重の減少として測定されるが、性差とともに、後の人生におけるストレス反応に影響を与えることが確認された。2つの研究によれば、急性ストレスに対して心臓血管系応答が鈍麻し、健常人を持続性ストレスに曝すことが分かっている。
汚染された環境に魚を曝すと、ストレスコルチゾル適応障害が確認された。ネズミにおいては、母性剥奪により、ストレス反応に関して脳の重要な部位である海馬において、行動神経内分泌機能に持続的な異常が生じることが確認された。人間の母胎ストレスは、出生時または幼児の体重の減少として測定されるが、性差とともに、後の人生におけるストレス反応に影響を与えることが確認された。2つの研究によれば、急性ストレスに対して心臓血管系応答が鈍麻し、健常人を持続性ストレスに曝すことが分かっている。
オペラ歌手に対する未公開の予備的研究によれば、本発明者は、持続性ストレスが低く、HbA1cレベルが低いか通常であると測定された場合には、実演前後のWSSおよびPRPの変化に相関が認められ、持続性ストレスの度合いが高い(HbA1cレベルが高い)場合には、こうした相関が認められないことを確認した。本発明者は、実演または精神ストレステストに関するストレスを受けているとき、持続性ストレスは弾性の低減に関係があることを確認した(図28〜30参照)。
[警告システム感応性(WSS)/防御反応/反射感応性(DRS)を低減する処置の選択]
臨床的観点から、ストレスの指標としてのWSS/DRSの測定機能は、意識的努力により肯定的な影響を受け得るならば、興味深い。デンマークおよび日本の鍼灸クリニックにおける183名の患者に対する未公開の臨床的な予備的研究によれば、3分間の鍼施術の後、94%の患者がWSSの低下を経験し、35%の患者が中程度の効果を経験したことが認められた。同様の反応および効果の迅速性を得られる他の施術はこれまで特定することはできなかった。したがって、本実施例の目的は、本発明に係る方法と装置を用いて測定した警告システム感応性が抑制されることを立証することにあるので、予備的研究は、第1の選択肢として針施術を提案する。先の他の公開された研究によれば、針施術により、心臓疾患患者の心筋負荷指数(PRP)が増大し、健常者のPRPの調子を整えることができることが確認されている。
臨床的観点から、ストレスの指標としてのWSS/DRSの測定機能は、意識的努力により肯定的な影響を受け得るならば、興味深い。デンマークおよび日本の鍼灸クリニックにおける183名の患者に対する未公開の臨床的な予備的研究によれば、3分間の鍼施術の後、94%の患者がWSSの低下を経験し、35%の患者が中程度の効果を経験したことが認められた。同様の反応および効果の迅速性を得られる他の施術はこれまで特定することはできなかった。したがって、本実施例の目的は、本発明に係る方法と装置を用いて測定した警告システム感応性が抑制されることを立証することにあるので、予備的研究は、第1の選択肢として針施術を提案する。先の他の公開された研究によれば、針施術により、心臓疾患患者の心筋負荷指数(PRP)が増大し、健常者のPRPの調子を整えることができることが確認されている。
[治験的研究1の構成]
研究1の主目的は、一過性ストレスが同じであるとき、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の血中濃度が高い人は、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の血中濃度が低い人と比べて、本発明の方法により皮膚の特定部位における圧痛度の増大として測定される警告システム感応性(WSS)が高くなるという発明的治験を立証することにある。
研究1の主目的は、一過性ストレスが同じであるとき、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の血中濃度が高い人は、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の血中濃度が低い人と比べて、本発明の方法により皮膚の特定部位における圧痛度の増大として測定される警告システム感応性(WSS)が高くなるという発明的治験を立証することにある。
この研究の第2の目的は、以下の仮説を検証することにある。
a)平均血圧(MBP)が高い人は、低い人に比べて、警告システム感応性(WSS)が高い。
b)心筋負荷指数(PRP)が高い人は、低い人に比べて、警告システム感応性(WSS)が高い。
この仮説は、オープンで見込みのある治験的研究である。
a)平均血圧(MBP)が高い人は、低い人に比べて、警告システム感応性(WSS)が高い。
b)心筋負荷指数(PRP)が高い人は、低い人に比べて、警告システム感応性(WSS)が高い。
この仮説は、オープンで見込みのある治験的研究である。
私企業から、そしてメディア広告により、ストレスレベルの高いと予想される人、および低いと予想される人を含む合計300名の被験者を募集した。男性および女性を含み、18〜75才の人を含む。
糖尿病患者(インスリン依存型およびインスリン非依存型を含む)、精神病患者、妊婦、母乳授乳中の女性、6ヶ月以内に全身ステロイド治療をした者、過去に警告システム感応性(WSS)を測定したことのある者を忌避した。ほぼ健康な成人母集団を反映するように、被験者を選択した。
以下の手順を用いる。
・被験者に対する、訪問前に電話および書簡/電子メールを用いた、口頭および文書による情報提供
・インフォームド・コンセントの署名
・基本的情報
・被験者に対する、訪問前に電話および書簡/電子メールを用いた、口頭および文書による情報提供
・インフォームド・コンセントの署名
・基本的情報
不適格な予備選別を排除するために、基準測定を行う前に問診票に記入してもらう。すべてのデータが印刷形態で回収される。すべてのデータは、分析する前に、SPSSデータベースに送られる。予備選別され、そして登録される。
この研究は、企業の施設内、および発明者の鍼灸センタ内で行われる。個人の作用変数は、以下のように測定される。
(問診票)
・人口統計データ:年齢、性別、BMI、ウェストライン、合併症、併用薬、ストレスレベルの自己判定
(問診票)
・人口統計データ:年齢、性別、BMI、ウェストライン、合併症、併用薬、ストレスレベルの自己判定
(身体的測定)
・毛細管血、すなわち被験者の指先から抽出した血液から糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定する。これは持続性ストレスの指標として利用される。
・自動モニタ装置により、血圧および心拍数を記録する。
・1分間以内の3回の自動測定値の平均値として平均血圧(MBP)が計算され、持続性ストレスの指標として用いられるように、循環器系の長期間の交換神経緊張の一般的指標を反映するものとして用いられる(序論を参照されたい。)。
・心臓の交換神経緊張を反映する心仕事量および心筋酸素消費量の指標として、心収縮期心筋負荷指数(PRP)が計算される(序論を参照されたい。)。
・胸部の特定の経穴における圧痛度の指標として警告システム感応性(WSS)が測定される(Nussbaum & Downes 1998)。これは、「StressZensor(登録商標)」を用いて測定され、特許(Ballegaard 2004)によれば交換神経緊張の指標となり得るものとして用いられる。警告システム感応性(WSS)は(指の骨の中央背面側の)左手の人差し指およびCV.17の経穴(序論を参照されたい。)で測定される。測定に際して「引込め反射」のあったところが登録される。
・毛細管血、すなわち被験者の指先から抽出した血液から糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定する。これは持続性ストレスの指標として利用される。
・自動モニタ装置により、血圧および心拍数を記録する。
・1分間以内の3回の自動測定値の平均値として平均血圧(MBP)が計算され、持続性ストレスの指標として用いられるように、循環器系の長期間の交換神経緊張の一般的指標を反映するものとして用いられる(序論を参照されたい。)。
・心臓の交換神経緊張を反映する心仕事量および心筋酸素消費量の指標として、心収縮期心筋負荷指数(PRP)が計算される(序論を参照されたい。)。
・胸部の特定の経穴における圧痛度の指標として警告システム感応性(WSS)が測定される(Nussbaum & Downes 1998)。これは、「StressZensor(登録商標)」を用いて測定され、特許(Ballegaard 2004)によれば交換神経緊張の指標となり得るものとして用いられる。警告システム感応性(WSS)は(指の骨の中央背面側の)左手の人差し指およびCV.17の経穴(序論を参照されたい。)で測定される。測定に際して「引込め反射」のあったところが登録される。
(主たる作用変数)
糖化ヘモグロビン(HbA1c)に対する警告システム感応性(WSS)
(2次的な作用変数)
・平均血圧(MBP)に対する警告システム感応性(WSS)
・心筋負荷指数(PRP)に対する警告システム感応性(WSS)
糖化ヘモグロビン(HbA1c)に対する警告システム感応性(WSS)
(2次的な作用変数)
・平均血圧(MBP)に対する警告システム感応性(WSS)
・心筋負荷指数(PRP)に対する警告システム感応性(WSS)
被験者には、検査前の2時間は食べ物、飲み物、茶、コーヒー、アルコールの摂取、喫煙をしないように指示される。
警告システム感応性(WSS)のレベルが40より大きいすべての被験者に対して、以下説明する無作為抽出テスト(治験的研究2)に参加するよう依頼し、WSSを低減するための短期間の針施術を行った場合と、対照的に単に休息を取った場合を比較する。被験者は何時でも退去することができる。
(盲検)
この研究の仮説、すなわち警告システム感応性(WSS)のレベルが糖化ヘモグロビン(HbA1c)のレベルにより認定されることについて、被験者は周知させることなく、この情報を知らされていない。研究者に対する盲検については、WSS測定を行う研究者に知らせないわけにはいかないが、一方のチームの研究者は、他方のチームの結果については知らせない。各チームは、WSSや、他のHbA1c、血圧、心拍数を測定する。血圧、心拍数、およびHbA1cの自動測定装置を用いると、こうした測定を行う研究者に知らせないでおくことが支援される。また被験者は、圧力の疼痛閾値に達した時に「止めて」というときのSO測定中を除いて、観察者と口頭でのコミュニケーションを取ることも禁止されている。
この研究の仮説、すなわち警告システム感応性(WSS)のレベルが糖化ヘモグロビン(HbA1c)のレベルにより認定されることについて、被験者は周知させることなく、この情報を知らされていない。研究者に対する盲検については、WSS測定を行う研究者に知らせないわけにはいかないが、一方のチームの研究者は、他方のチームの結果については知らせない。各チームは、WSSや、他のHbA1c、血圧、心拍数を測定する。血圧、心拍数、およびHbA1cの自動測定装置を用いると、こうした測定を行う研究者に知らせないでおくことが支援される。また被験者は、圧力の疼痛閾値に達した時に「止めて」というときのSO測定中を除いて、観察者と口頭でのコミュニケーションを取ることも禁止されている。
(サンプルサイズの計算)
上述の研究結果より(乳癌とオペラ)、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が1単位増加する毎に、平均して警告システム感応性(WSS)の10単位が増大することが予想される。男性の被験者のWSSは、かなり低いことが確認されている。これらの研究による経験によれば、男性/女性の異なるレベルは、全体のばらつきの43%を説明することができ、性別とHbA1cの組み合わせは全体のばらつきの45%を説明することができる。α=0.05のとき(タイプI)のF−テストを用いてHbA1cの影響が全くないとする仮説を立証するとき、以下の指数を得ることができる。
N=200 250 300 350 400
β=77% 85% 94% 95% 97%
(タイプII)
こうして意図された300のサンプルサイズは91%の許容可能な指数をもたらす。
上述の研究結果より(乳癌とオペラ)、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が1単位増加する毎に、平均して警告システム感応性(WSS)の10単位が増大することが予想される。男性の被験者のWSSは、かなり低いことが確認されている。これらの研究による経験によれば、男性/女性の異なるレベルは、全体のばらつきの43%を説明することができ、性別とHbA1cの組み合わせは全体のばらつきの45%を説明することができる。α=0.05のとき(タイプI)のF−テストを用いてHbA1cの影響が全くないとする仮説を立証するとき、以下の指数を得ることができる。
N=200 250 300 350 400
β=77% 85% 94% 95% 97%
(タイプII)
こうして意図された300のサンプルサイズは91%の許容可能な指数をもたらす。
(統計的手法)
主たる分析は、性別および年齢を管理しながら、HbA1cに対するWSSの線形回帰を用いて行われる。当初の仮説は、HbA1cをモデル含めるためのタイプIIIのFテストを用いて立証される。
その後、上述のモデルで心筋負荷指数(PRP)および平均血圧(MBP)に対するWSSの線形回帰を含めて予備的分析が行われる。
主たる分析は、性別および年齢を管理しながら、HbA1cに対するWSSの線形回帰を用いて行われる。当初の仮説は、HbA1cをモデル含めるためのタイプIIIのFテストを用いて立証される。
その後、上述のモデルで心筋負荷指数(PRP)および平均血圧(MBP)に対するWSSの線形回帰を含めて予備的分析が行われる。
[治験的研究2の構成]
以下に説明する研究は次の仮説を検証することを目的とする。
主目的は、偽薬を服用して者、休養を取った者と比較して、針施術により警告システム感応性(WSS)が低減することを検証する。
第2の目的は、上述の予備的研究における次の知見を検証する。
a)糖化ヘモグロビン(HbA1c)の高い人が、標準的な針施術を受けたときに、神経系の弾性が低下し、心筋負荷指数(PRP)、平均血圧(MBP)、唾液中コルチゾル、および警告システム感応性(WSS)に関して鈍い反応として測定される。
b)血清中コルチゾルの測定値が低く持続性ストレスの低い人は、標準的な針施術を受けたときに、神経系に弾性があることを示し、PRPおよびWSSに関して同時に実質的な反応として測定される。
以下に説明する研究は次の仮説を検証することを目的とする。
主目的は、偽薬を服用して者、休養を取った者と比較して、針施術により警告システム感応性(WSS)が低減することを検証する。
第2の目的は、上述の予備的研究における次の知見を検証する。
a)糖化ヘモグロビン(HbA1c)の高い人が、標準的な針施術を受けたときに、神経系の弾性が低下し、心筋負荷指数(PRP)、平均血圧(MBP)、唾液中コルチゾル、および警告システム感応性(WSS)に関して鈍い反応として測定される。
b)血清中コルチゾルの測定値が低く持続性ストレスの低い人は、標準的な針施術を受けたときに、神経系に弾性があることを示し、PRPおよびWSSに関して同時に実質的な反応として測定される。
3つの施術目的を有する予測単純盲検グループ間比較研究を行う。この研究は、無作為抽出した者の中から、針施術を行う者、偽薬を服用する者、および休息を取る者の3つに分類した100名の被験者を対象とする。
18〜75才の男性および女性で、WSSが40より大きい者を被験者として含める。
糖尿病患者(インスリン依存型およびインスリン非依存型を含む)、精神病患者、妊婦、母乳授乳中の女性、6ヶ月以内に針施術を受けたことのある者を忌避した。
18〜75才の男性および女性で、WSSが40より大きい者を被験者として含める。
糖尿病患者(インスリン依存型およびインスリン非依存型を含む)、精神病患者、妊婦、母乳授乳中の女性、6ヶ月以内に針施術を受けたことのある者を忌避した。
この研究の被験者は、以下のように選択した。
1)この研究の仮説は、鍼灸クリニックにおける一連の成人患者に基づいた予備的研究を通じてなされたものである。
2)選択された人は、一般的な母集団を構成し、高い警告システム感応性(WSS)を有し、本発明の装置および方法を用いてこれまで検査を受けたことがなく、日常的に針施術を受けていない人である。
1)この研究の仮説は、鍼灸クリニックにおける一連の成人患者に基づいた予備的研究を通じてなされたものである。
2)選択された人は、一般的な母集団を構成し、高い警告システム感応性(WSS)を有し、本発明の装置および方法を用いてこれまで検査を受けたことがなく、日常的に針施術を受けていない人である。
無作為抽出された臨床的手法において、以下の手順が行われた。
1)患者に対する、訪問前に電話および書簡/電子メールを用いた、口頭および文書による情報提供
2)インフォームド・コンセントの署名
3)基本的情報
4)3つの可能な処置(針施術、偽薬または休養)のいずれかに無作為抽出
5)患者を仰向け状態にして3分間の測定
6)本発明の方法を用いた、唾液中コルチゾル、心拍数、血圧、および警告システム感応性(WSS)の処置前の測定
7)患者の姿勢を変えずに、3分間の処置(針施術、偽薬または休養)
8)本発明の方法を用いた、唾液中コルチゾル、心拍数、血圧、および警告システム感応性(WSS)の処置後の測定
1)患者に対する、訪問前に電話および書簡/電子メールを用いた、口頭および文書による情報提供
2)インフォームド・コンセントの署名
3)基本的情報
4)3つの可能な処置(針施術、偽薬または休養)のいずれかに無作為抽出
5)患者を仰向け状態にして3分間の測定
6)本発明の方法を用いた、唾液中コルチゾル、心拍数、血圧、および警告システム感応性(WSS)の処置前の測定
7)患者の姿勢を変えずに、3分間の処置(針施術、偽薬または休養)
8)本発明の方法を用いた、唾液中コルチゾル、心拍数、血圧、および警告システム感応性(WSS)の処置後の測定
偽薬は、舌下投与した後に溶けるビタミン錠の形態を有する。Zuzanli(St.36)の部位を交互に針施術を行う。針(使い捨て可能なステンレス鋼製針であるSerin(登録商標))を皮膚に垂直に下層筋肉内に約5mmの深さで挿入して、さらなる機械的および電気的刺激を与えず、そのまま3分間放置する。休養は、この研究においては、仰向け姿勢のまま、実験者または被験者は何もせずにじっとしていることと定義される。
無作為抽出テストに関し、すべての測定および施術は発明者の鍼灸センタにて行われる。各個人の効果の差異が以下のように測定される。
(問診票)
・人口統計データ:年齢、性別、BMI、ウェストライン、合併症、併用薬、ストレスレベルの自己判定、3つに分類した処置の効果に対する期待
・一般的な健康状態
・持続的ストレスの臨床的兆候の有無
・職業上のストレスの有無、問診に有効性に関する国際基準(国立労働衛生局:National Institute of Occupational Health)
・人口統計データ:年齢、性別、BMI、ウェストライン、合併症、併用薬、ストレスレベルの自己判定、3つに分類した処置の効果に対する期待
・一般的な健康状態
・持続的ストレスの臨床的兆候の有無
・職業上のストレスの有無、問診に有効性に関する国際基準(国立労働衛生局:National Institute of Occupational Health)
(身体的測定)
・毛細管血、すなわち被験者の指先から抽出した血液から糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定する。これは持続性ストレスの指標として利用される。
・自動モニタ装置により、血圧および心拍数を記録する。
・平均血圧(MBP)が、心拡張期血圧の2/3倍に心収縮期血圧の1/3倍を加えたものとして計算される。1分間以内の3回の自動測定値の平均値が用いられる。MHPが循環器系の長期間の交換神経緊張の一般的指標を反映するものとして用いられる(序論を参照されたい。)。
・その場で唾液サンプルから唾液中コルチゾルが採集され、特別の実験室で唾液が分析される。一過性ストレスの指標として用いられる。
・心臓の交換神経緊張を反映する心仕事量および心筋酸素消費量の指標として、心収縮期心筋負荷指数(PRP)が計算される(序論を参照されたい。)。
・胸部の特定の経穴における圧痛度の指標として警告システム感応性(WSS)が測定される。これは本発明に係る方法を用いて測定され、交換神経緊張の指標として用いられる。警告システム感応性(WSS)は(指の骨の中央背面側の)左手の人差し指およびCV.17の経穴で測定される。
・毛細管血、すなわち被験者の指先から抽出した血液から糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定する。これは持続性ストレスの指標として利用される。
・自動モニタ装置により、血圧および心拍数を記録する。
・平均血圧(MBP)が、心拡張期血圧の2/3倍に心収縮期血圧の1/3倍を加えたものとして計算される。1分間以内の3回の自動測定値の平均値が用いられる。MHPが循環器系の長期間の交換神経緊張の一般的指標を反映するものとして用いられる(序論を参照されたい。)。
・その場で唾液サンプルから唾液中コルチゾルが採集され、特別の実験室で唾液が分析される。一過性ストレスの指標として用いられる。
・心臓の交換神経緊張を反映する心仕事量および心筋酸素消費量の指標として、心収縮期心筋負荷指数(PRP)が計算される(序論を参照されたい。)。
・胸部の特定の経穴における圧痛度の指標として警告システム感応性(WSS)が測定される。これは本発明に係る方法を用いて測定され、交換神経緊張の指標として用いられる。警告システム感応性(WSS)は(指の骨の中央背面側の)左手の人差し指およびCV.17の経穴で測定される。
(主たる作用変数)
針施術、偽薬または休養の3つの処置により、グループ間における警告システム感応性(WSS)の相違
(2次的な作用変数)
・3つの処置により、グループ間におけるPRP、MBP、唾液中コルチゾルの相違
・処置の前後の測定におけるWSSの変化と、PRP、MBP、唾液中コルチゾルの変化との間の相関。
針施術、偽薬または休養の3つの処置により、グループ間における警告システム感応性(WSS)の相違
(2次的な作用変数)
・3つの処置により、グループ間におけるPRP、MBP、唾液中コルチゾルの相違
・処置の前後の測定におけるWSSの変化と、PRP、MBP、唾液中コルチゾルの変化との間の相関。
ベースラインにおいて、3つに分類された処置の効果に関する予想が得られる。鍼灸の性質上、真の意味での針テストの盲検は不可能であるが、特定の構成を用いて、心理的、身体的、および臨床的な作用変数を組み合わせる。
処置前に、各処置に対する患者の期待を測定する。偽薬の使用、未知レベルの血清HbA1c、および客観的生理的変数により、患者は検査内容を知ることができない。処置する研究者は、明白な理由により不知ではあり得ない。ただし、処置する研究者の見込みの影響は、研究の仮説により排除される。すなわち処置の効果は被験者の処置前の生理的状態により決定され、この情報は研究者には知らされないためである。観察する研究者は、すべての測定を行い、観察研究者の位置からは針施術、偽薬の処置または休養の被験者は同様の様相(患者の足下(経穴部位ST.36があるところ))を呈し、すべての処理は1枚の布でカバーされているので、処置の選択に対して不知である。観察研究者は、無作為抽出時、分類された処置が行われる際には処置室の外にいる。さらに自動装置を用いることにより、観察者の見込みを排除することができる。被験者は、WSS測定の際、圧力の疼痛閾値に達した時に「止めて」というときのSO測定中を除いて、観察者または針施術者と口頭でコミュニケーションを取らないように指示される。観察する研究者と針施術者の間においては、処置のタイミングに関してのみコミュニケーションが取られる。
(患者の情報)
偽薬を服用した患者は、針施術と同じ効果が得られると考えられるタブレットを服用するように通知される。ただし、患者の思い込み効果を誘発するので、錠剤の正確な効果は説明されない。患者には、2種類の処置を行ったときに生じ得る生理的変化を記録し、休憩中に生じる変化の変化を比較することが研究の目的であると通知される。被験者には、検査前の2時間は食べ物、飲み物、茶、コーヒー、アルコールの摂取、喫煙をしないように指示される。
偽薬を服用した患者は、針施術と同じ効果が得られると考えられるタブレットを服用するように通知される。ただし、患者の思い込み効果を誘発するので、錠剤の正確な効果は説明されない。患者には、2種類の処置を行ったときに生じ得る生理的変化を記録し、休憩中に生じる変化の変化を比較することが研究の目的であると通知される。被験者には、検査前の2時間は食べ物、飲み物、茶、コーヒー、アルコールの摂取、喫煙をしないように指示される。
(無作為抽出手続)
無作為抽出手続は、コンピュータプログラムに基づいて行われる。無作為抽出は、処置する研究者および患者に知られている。統計的分析のためにデータベースが開放されるまで、無作為抽出は統計学者には知らされていない。
無作為抽出手続は、コンピュータプログラムに基づいて行われる。無作為抽出は、処置する研究者および患者に知られている。統計的分析のためにデータベースが開放されるまで、無作為抽出は統計学者には知らされていない。
被験者は何時でも自らの意思で退去することができる。測定中の有害事象は登録される。主たるリスクは予定されない。
この研究は、実施する前に十分な時間、事前にデンマークの「データ監視局」に送付され、「データ監視局」の承認を得るまで実施されない。
主たる分析は、包括治療(ITT)の原則に基づいて、無作為抽出されたすべての被験者に対してなされる。
(統計的考察)
(サンプルサイズの計算)
上述の観察によれば、3分間の針施術後、警告システム感応性(WSS)が35%低減することが予想され、WSSの相対的変化の標準偏差(SD)は25%であると予想される。サンプルサイズが100名の被験者で(各処理に33名)ある場合、α=0.05のとき(タイプI)のt−テストを用いて、針施術処置と偽薬処置に差異がないとする仮説を立証するとき、以下の指数を得ることができる。
偽薬グループの
WSSの相対的変化 20% 18% 16% 14% 12%
β= 67% 78% 86% 92% 96%
(タイプII)
偽薬処置グループに対してWSSが15%低減したとき、こうして意図された100のサンプルサイズは約90%の許容可能な指数をもたらす。
(サンプルサイズの計算)
上述の観察によれば、3分間の針施術後、警告システム感応性(WSS)が35%低減することが予想され、WSSの相対的変化の標準偏差(SD)は25%であると予想される。サンプルサイズが100名の被験者で(各処理に33名)ある場合、α=0.05のとき(タイプI)のt−テストを用いて、針施術処置と偽薬処置に差異がないとする仮説を立証するとき、以下の指数を得ることができる。
偽薬グループの
WSSの相対的変化 20% 18% 16% 14% 12%
β= 67% 78% 86% 92% 96%
(タイプII)
偽薬処置グループに対してWSSが15%低減したとき、こうして意図された100のサンプルサイズは約90%の許容可能な指数をもたらす。
(統計的手法)
主たる分析は、WSSの相対的変化に基づいて次のように計算される。
WSS(処置後)−WSS(処置前)/WSS(処置前)
針施術処置と偽薬処置の間に差異がないとする仮説のテストは、α=0.05のときのt−テストを用いて行うことができる。
主たる分析は、WSSの相対的変化に基づいて次のように計算される。
WSS(処置後)−WSS(処置前)/WSS(処置前)
針施術処置と偽薬処置の間に差異がないとする仮説のテストは、α=0.05のときのt−テストを用いて行うことができる。
この研究は、地方の倫理委員会の承認を得る。予備的テストで得られた上記知見により、本発明の新規な態様が見出された。
第1に、警告システム感応性(WSS)の状態を決定するための方法が提供され、この方法は、圧痛が交換神経緊張に依存する体の部位に与えられた閾値の刺激を測定するステップと、前記閾値の刺激を警告システム感応性(WSS)の値に関連付けるステップとを有する。したがって、本明細書でいうストレスおよび交換神経緊張の測定は、正しい状況が存在するとき、WSSの測定により補足することができる。たとえば、被験者が実質的に急性ストレスのない環境にあるとき、あるいは急性ストレスの誘因因子が存在しないと判断できるとき、WSSの測定は最適化される。同様に、環境(すなわち個人の活性レベル)が交換神経緊張の増大を誘発する因子を有さないことが好ましく、たとえば被験者は、交換神経緊張の増大を招くような激しく負担の大きい運動をした直後の状態にないことが好ましい。こうした状態にあるとき、本発明に係る方法を用いたWSSの読出値により、熟練した技術者に対し、個人が増大した痛覚ひいては増大したWSSを有することを示唆し、臨床的処置が必要であることを示唆する場合がある。
一般に、交換神経緊張およびストレス(刺激のタイプの選択など)の測定に含まれる技術に関してここに教示するすべての内容は、適宜変更しつつWSSの測定方法に適用される。
上述のように、WSSに関する知見は、可能性のある治療を開拓するとともに、警告システム感応性の状態を調節する方法を切り開くものである。その方法は、a)上述の患者の交換神経緊張および/またはストレスレベルおよび/またはWSSを認定し、交換神経緊張および/またはストレスレベルが増大していると認定されたとき、所定期間、刺激閾値より弱い強度の刺激を交換神経緊張−依存部位に与えるステップを有する。好適には、針施術または鍼療法を用いて、より弱い強度の刺激を与える。
[実施例12(痛覚測定法により測定される疼痛閾値)]
警告防御システムは、すべての進化の過程において、生命体の生き残り戦略の本質的部分である。皮膚上には、組織を破壊する可能性のある刺激を検出するための特定のセンサが形成され、そのセンサは悪環境状況に対して最適に反応する上で必要な情報を生命体に与え、最適反応は驚き反射や引込め反射などの反射反応により実現される。
警告防御システムは、すべての進化の過程において、生命体の生き残り戦略の本質的部分である。皮膚上には、組織を破壊する可能性のある刺激を検出するための特定のセンサが形成され、そのセンサは悪環境状況に対して最適に反応する上で必要な情報を生命体に与え、最適反応は驚き反射や引込め反射などの反射反応により実現される。
侵害受容システム(疼痛システム)は、魚類から高等脊椎動物や人間に至るまでのすべての進化過程において同一の特性を有する未分化神経細胞であるポリモーダル受容器によるものである。この受容器は、機械圧力(有害なものと有害でないもの)、温度および酸により刺激される。2つの異なる分類がなされ、疼痛閾値の低いδ受容体と、疼痛閾値の高いC−受容体があり、ともに(1)カチオンチャネルのサブグループであるTRPV4(一過性受容可能バニロイド:Transient receptor potential vanilloid)により変異しやすい。交換神経および副交換神経の入力刺激(Khasar SG 2003)を含む外因性および内因性物質により変異が生じ、多様性を分別している。
精神ストレスは、これらのセンサの痛覚を鈍麻させる(ストレスによる鎮痛作用)ことが知られている。これにより、闘争中の疼痛全般を鎮静することにより、生存率を高めようとするものである。対照的に、痛覚が増大する(ストレスによる神経過敏作用)ことも確認されている。これは、ポー・プレッシャ(paw pressure)反応やテイル・フリック反応(tail flick)として拘束ストレス時の動物に見られるトラウマや負傷に部分的に関係し、警告システムの感応性を高め、生存率を高めようとするものである。同様に、精神ストレスを与える空想的感覚は、聴覚および嗅覚を研ぎ澄ませ、驚き反射を改善することが確認されている。
とりわけ疾病組織/病巣に関連して、感応性が増大する皮膚上の部位が存在するということは、数世紀にわたる東洋鍼灸学の教義の基礎となるところであり、虚血性心臓疾患患者に対する臨床的所見によれば、胸骨上の特定の経穴を強く押すと、体表面の他の部位には影響がないのに、交換神経緊張およびストレスが増大することが確認される。ストレスと虚血性心臓疾患との関連性は強い。ストレスに対する生物学的なフィードバック・マーカとして圧痛度を用いて多種多様な処置を患者に施したとき、その患者の生存率は、一般集団の生存率より良好なものとなった。
この背景として、我々は、乳首と第4肋間筋の間のスペースにある胸骨の経穴CV.17の感応性は、精神ストレスとともに増大するという仮説を立てた。
我々は最初に、国立オペラ合唱団の48名の団員に対し、実演の前後において痛覚測定法を用いて疼痛閾値(PT:Pain Threshold)を測定した。5秒間の前後測定により、第1回目の測定値と第2回目の測定値の間で実質的な相関関係を確認し(r=0.92:p<0.0001)、実演前と比較して、実演後の疼痛閾値(PT)は相当に低いものであった(平均値で実演前の疼痛閾値が38.9であったものが、実演後では平均値で33.6であった。p<0.05)。
次に、大きい精神ストレスレベルを記録するために、好適には公演初日のソロ歌手に対して、1)実演開始前、2)実演終了直後、3)一日の終わりにおいて測定した。測定した有効変数は、心筋負荷指数(PRP)、心拍数(HR)、平均血圧(MBP)、唾液中コルチゾルであった。図24は、これらの有効変数すべてにおいて実質的な変化があったことを示すものである。疼痛閾値(PT)の変化は、心筋負荷指数(PRP)(r=0.54:p<0.005、図25a参照)、心拍数(HR)(r=0.55:p<0.0001)、および唾液中コルチゾル(r=0.28:p<0.05)と実質的な相関があった。
心筋負荷指数(PRP)と疼痛閾値(PT)の相関関係に関し、図25の矢印で示す2つの測定値が一般的パターンから逸脱し、疼痛閾値(PT)が小さいのに、心筋負荷指数(PRP)が増大している。これを説明する考察によれば、残りの歌手に比較して、2人の歌手が第2回目の測定前の最後の1分間に(舞台を走り回り、梯子をよじ登るといった)高いレベルの身体的活動をしていたことによるものと考えられる。
後に、26名のオペラ訓練生に対して、舞台上でのオペラ歌手の運動パターンを模倣するような自転車エクササイズテストを行った。図25bに示すように、自転車エクササイズ中の心筋負荷指数(PRP)と疼痛閾値(PT)の間には、負の相関関係があった(r=−0.70:p<0.01)。さらに、オペラ訓練生に対し、歌唱オーディションとの関連で測定したところ、心筋負荷指数(PRP)と疼痛閾値(PT)の間には実質的な相関関係があることが確認された(r=0.32:p<0.01)。
これらの研究は、健康な人が精神ストレスに晒されると胸骨の経穴CV.17の感応性が増大し、状況が改善されると感応性も元に戻ることを示唆している。オペラ合唱団の歌手に対する最初の観察は改善された実験的状況で確認され、先の観察はオペラソロ歌手に対して、後の観察はオペラ訓練生に対してなされたものであった。感応性の変化は、生理学的および生物学的ストレスの変化に相関するものであった。さらに、身体的な運動を含めた研究では、オペラ実演中に循環器系の身体的変化が身体的な運動によるものと同様であっても、これらは心理ストレスと身体ストレスの異なる現象であって、オペラの実演はこれら2つのものを組み合わせたストレスを含むものであることが明らかとなった。
運動することによりは、痛みの感じる度合いが抑制され、心理ストレスが緩和されることが知られている。これを背景として、胸骨の経穴部位の痛みに対する感応性は、さまざまなレベルの心理ストレスにより影響を受けると結論付けることができる。
心理ストレスの測定は、1つの態様において、一過性のストレス変化を記録することを可能にし、第2の態様において、基準値レベルを測定することを可能にする。そこで、医療鍼灸クリニックの181名の外来患者に対し、経穴部位CV.17と人差し指の休息時の疼痛閾値を、心拍数(HR)、心筋負荷指数(PRP)および平均血圧(MBP)とともに記録した。経穴部位CV.17に対する休息時の疼痛閾値(PT)は、基準となる心筋負荷指数(PRP)に相関し(r=0.23:p<0.01)、心拍数(HR)に実質的に相関した(r=0.25:p<0.01)。63名の女性について、平均血圧(MBP)が高い疼痛閾値(PT>45)と実質的な相関関係があった(r=0.30:p<0.05)。女性のPT(平均46)は、男性のPT(平均32)に比して実質的により高かった(p<0.0001)。人差し指の平均PTは0であったのに対し、経穴部位CV.17の平均PTは39であった(p<0.0001)。したがって、人差し指に対する疼痛閾値(PT)の測定は、あまり有用な感応性を示すものではなかった。
心拍数(HR)、心筋負荷指数(PRP)および平均血圧(MBP)は、ストレス関連状況および予知的指標として有用な変数であることが確認された。さらに外見上健康な男性について、休息時の心拍数が細動反応と関連することが確認された。共通の特徴が交感神経活性に該当することが示唆されている。すなわち、胸骨の感応性と循環器系の変数に実質的な相関が見られるという知見は、この研究の仮説をサポートするものである。
図26は、3つのグループに分類した患者に対し、疼痛閾値(PT)と疼痛引込め反射(Noxious Withdrawal Reflex:NWR)の頻度の関連性について示し、疼痛感応性が100%増大する毎にグループを区分する。感応性が低い患者(PT<30)において患者の17%に引込め反射が確認され、感応性が中程度の患者において患者の56%に引込め反射が確認され、感応性が高い患者(PT>60)において患者の93%に引込め反射が確認された(グループ差異<0.0001、PTとNWRの相関係数のr=1.0)。
引込め反射は、ダメージを受けそうな刺激に対する防御反応としての進化過程における生き残り手段であり、有害な刺激に対する最も単純な中央組織化反応であった。この反応は、有害な刺激から動物を回避することを支援するものである。すべての神経制御系は、この原始的な引込め反射の原理に基づいて構築されてきた。さまざまな疼痛引込め反射(NWR)が動物および人間の両方に備わっており、各NWRは複数シナプスによる機能モジュールであり、刺激の特定領域に依存していると理解されている。馬の場合、刺激量とNMRの頻度の間には刺激量依存関係があり、観察者の見解は一致することが確認されている。引込め反射を際立たせることにより、生存率が改善される。有害な刺激は、損傷した部位を保護するように反射感度を改善し、損傷を悪化させないように反射を抑制することにより反射神経の防御機能を改善する。
したがって、この研究の仮説は、すなわち生存率を改善するために、警告システムが命にかかわる大事な部位の感応性を増大すると云う仮説は、この知見をサポートするものである。最も単純な無意識の遠心性運動反応(すなわち引込め反射)の改善を通じて、生存率が改善する。より洗練された反応レベルにおいては、生存率は、反復的な自己測定、および得られた情報に関する認知プロセスを通じて、長期の高いストレスホルモンに付随する次善の行動バターンを回避した個人に対して改善することができる。
図27は、信頼性試験の結果を示す。すなわち図27aは、初めて測定された82名の健常者に対する健康管理従事者(Health Case Provider:HCP)による測定結果である(r=0.94:p<0.0001)。図27bは、医療クリニックの181名の外来患者に対するHCPによる測定結果である(r=0.97:p<0.0001)。図27cは、33名の非健康管理従事(NON−HCP)が日に2回、2週間、自己測定したときの測定結果である(r=0.95:p<0.0001)。疼痛閾値(PT)の測定結果に対する観測信頼性レベルは、反復的な聴覚測定(r=0.70)、腋窩体温と直腸体温(r=0.73)、および直腸体温と深部体温(r=0.94)などの現代的な非化学的、非侵襲性の診断方法によるレベルと一致する。
痛みは、最善の生存率を得る全体的目的のために、システムのゲインを決定する複数の変化に伴う、部分的には周辺において、部分的には中心の神経系で生じる活動的プロセスである(Woolf CJ & Salter MW 2000)。この文脈において、痛覚は脳が認知する感情的なプロセスや、興味、社会的要因により影響を受ける。
生理学的疼痛は、周辺組織に神経を巡らせる特定のセンサ受容体線維、すなわちポリモーダル受容器により伝達される。センサ入力は脊髄内の神経を刺激し、この神経は視床内の中継局を介して大脳皮質に至る。同様に、痛みの刺激は引込め反射を活性化し、感情的、自立的、かつ神経液性の反応を活性化する。
感応性の変異は、細胞内シグナル伝達カスケードによる受容器/イオンチャンネルの変質に伴う主要中央神経の興奮度における可逆的変化である。疼痛感応性が増大すると、通常ならば痛みを与えない刺激により痛みを感じたり(異痛症)、通常より大きな不快な痛みを感じる(痛覚過敏症)。このように過敏に感じること(鋭敏化)は、たとえば炎症として、あるいは反復Cファイバ刺激として生じることがある。脊髄抑制メカニズムの減退が中央介在鋭敏化に寄与することがある。こうした減退は、A−δ求心性線維の神経伝達物質のγ−アミノ酪酸(GABA)の活性化によりなされる。RAICニューロンを有するGABA(B)受容器を選択的に活性化することにより、扁桃体への突起、不安を含む領域および心理ストレスを介して、痛覚過敏を形成する。
TRPチャンネル(一過性受容可能チャンネル:Transient Receptor Potential Channel)は、カチオンチャンネルのファミリに属し、無脊椎動物および脊椎動物のほとんどの種類の細胞に存在するものである。これらは、ほとんどすべての種類の組織および細胞に存在するものである。ポリモーダル受容細胞において、TRPチャンネルのサブファミリであるTRPV1−6ファミリは、温度、痛みおよび酸を知覚するためのものである。サブファミリTRPV4は、とりわけA線維のみならずC線維を介して伝達される圧痛感覚に関するものであり、さまざまな調節多様性を有し、交換神経刺激だけでなく副交換神経刺激にも反応する。
その結果として、観察された変異に対する機能的、構造的、分子的ベースが存在し、A−δポリモーダル受容器が伝達物質であり、TRVP4カチオンチャンネルが変異分子部分であると結論付けることができる。
この実施例の一連の研究によれば、胸骨経穴部位CV.17における疼痛閾値(PT)を測定することにより、精神ストレスの基準レベルと、その一過性の変化を測定する方法を提供するものである。現在のところ、一般的なストレスの測定に関する国際的な合意は得られていない。この方法は、専門家や非専門家の両方にとって、信頼性があり使いすやいものであるので、この知見は、広範な実務的用途を提案するものである。
アメリカ人の4000万人が患うメタボリック・シンドロームにおいて、心理ストレスは強い病原因子であり、循環器系疾患および早死のリスク要因である。循環器系疾患のリスク・マネージメントすなわち予防的管理において明らかに応用できることに加え、仕事環境、日常生活および生活習慣に対する心理的影響を記録し、かつ適当な意識的反射および行動をとる潜在能力を実現する上で、健常者にとってもこの方法は有用である。動物飼育において、今後の研究は、ストレスのない生体環境の確立を支援し、関連製品の栄養品質に対して実質的な影響を与える方法の可能性に向けられるかも知れない。
[特別の方法ステップ]
以下の特定の特徴を有する痛覚計を用いた。
1)被験者および研究者に知らせないために、測定が完了するまで痛覚計の測定値を表示しなかった。分析のために、連続する2つの測定値の平均値を用いた。
2)付加された痛覚計の圧力を、デシベルスケール(目盛り)と同様の対数スケールの感応性レベルに数学的に変換した。
痛覚測定値(PT)=log200−log100(100×閾値(キロ)/14(キロ))
30PT単位の増大は、100%の感応性の増大に相当する(より低い疼痛閾値)。
3)皮膚に損傷を与えないように、14キログラムに達したときに警告音を発生させた。
4)不快な刺激を皮膚に与えることなく、骨に対する圧力疼痛閾値を測定して、皮膚の圧力閾値を測定できるように、特別のゴム製測定フットプレートを用いた。
以下の特定の特徴を有する痛覚計を用いた。
1)被験者および研究者に知らせないために、測定が完了するまで痛覚計の測定値を表示しなかった。分析のために、連続する2つの測定値の平均値を用いた。
2)付加された痛覚計の圧力を、デシベルスケール(目盛り)と同様の対数スケールの感応性レベルに数学的に変換した。
痛覚測定値(PT)=log200−log100(100×閾値(キロ)/14(キロ))
30PT単位の増大は、100%の感応性の増大に相当する(より低い疼痛閾値)。
3)皮膚に損傷を与えないように、14キログラムに達したときに警告音を発生させた。
4)不快な刺激を皮膚に与えることなく、骨に対する圧力疼痛閾値を測定して、皮膚の圧力閾値を測定できるように、特別のゴム製測定フットプレートを用いた。
閾値測定の結論:
すべての測定は、被験者を仰向けの状態にして行った。被験者には不快感または痛みを感じたら直ぐに「止めて」と云うように指示した。研究者がびっくり反射または引込め反射を確認したときには測定を止めた。測定のそれぞれに際して、人差し指に2回そして胸に2回測定した。オペラ訓練生に対する研究では、日中の最初の測定で2回の測定を行った。残りの測定のために、センサ受容器の損傷を防ぐために、ただ1つの測定値のみを用いた。
すべての測定は、被験者を仰向けの状態にして行った。被験者には不快感または痛みを感じたら直ぐに「止めて」と云うように指示した。研究者がびっくり反射または引込め反射を確認したときには測定を止めた。測定のそれぞれに際して、人差し指に2回そして胸に2回測定した。オペラ訓練生に対する研究では、日中の最初の測定で2回の測定を行った。残りの測定のために、センサ受容器の損傷を防ぐために、ただ1つの測定値のみを用いた。
測定部位:
1)活性部位は、中国の説明から、乳首と第4肋骨の間にある直径5cmの円内にある最も柔らかい部位として観察者が触診で判定した胸骨の中央にある経穴部位CV.17である。
2)制御部位は、手の甲にある左手の人差し指の骨の上にある。血圧および心拍数は、自動血圧モニタ(Thuasne社の型番W0840 002 001)を用いて記録した(Microlife ref. BP-3AA1-2, BP 243 - 92307 Levallois-Perret Cedex, France)。分析に際して、連続する、2つの測定値の平均値を用いた。心筋負荷指数(PRP)を心収縮期血圧×心拍数(HR)として計算した。平均血圧(MBP)を、心拡張期血圧の2/3倍に心収縮期血圧の1/3倍を加えたものとして計算した。唾液中コルチゾルを現場にて採取し、ラジオイムノアッセイ法を用いて分析した。
1)活性部位は、中国の説明から、乳首と第4肋骨の間にある直径5cmの円内にある最も柔らかい部位として観察者が触診で判定した胸骨の中央にある経穴部位CV.17である。
2)制御部位は、手の甲にある左手の人差し指の骨の上にある。血圧および心拍数は、自動血圧モニタ(Thuasne社の型番W0840 002 001)を用いて記録した(Microlife ref. BP-3AA1-2, BP 243 - 92307 Levallois-Perret Cedex, France)。分析に際して、連続する、2つの測定値の平均値を用いた。心筋負荷指数(PRP)を心収縮期血圧×心拍数(HR)として計算した。平均血圧(MBP)を、心拡張期血圧の2/3倍に心収縮期血圧の1/3倍を加えたものとして計算した。唾液中コルチゾルを現場にて採取し、ラジオイムノアッセイ法を用いて分析した。
心理ストレスが変化すると、血圧、心拍数、心筋負荷指数および唾液中コルチゾルが変化することが予想される(R. E. Noble, メタボリズム 51(5), 37-39 (2002); B. HaH, B. Wesisshuhn, H. H. Kerscbaum. Neuro Endocrinolog Letter 27(5), 669-674 (2006))。
測定中の疼痛引込め反射(NWR)が、眼や頬(びっくり反射)の領域、あるいは頸や上肢の屈筋に生じる非自発的な筋肉収縮として記録される。疼痛引込め反射(NWR)は、人間の痛み制御システムを構成する上で有用かつ信頼性のあるツールであると評価されている(V. Skljarevski, N. M. Ramadan, Pain 96, 3-8 (2002))。
被験者および研究の構成
一般のオペラ歌手は、実演に際して心理ストレスを受け(D. T. Kenny, P. Davis, J. Oates, J Anxiety Disord. 18(6), 757-777 (2004))、オペラソロ歌手は、特に実演初日のソロ実演の絶頂時には極めて大きなレベルのストレスを受けるものと考えられる。
一般のオペラ歌手は、実演に際して心理ストレスを受け(D. T. Kenny, P. Davis, J. Oates, J Anxiety Disord. 18(6), 757-777 (2004))、オペラソロ歌手は、特に実演初日のソロ実演の絶頂時には極めて大きなレベルのストレスを受けるものと考えられる。
研究1は、ストレスが変化することが予想可能な状況下における疼痛閾値(PT)および心理ストレス変数の変化について研究する。
段階A:国立オペラ合唱団の48名の団員に対し、3時間のオペラ実演の前後において測定した。疼痛閾値(PT)は信頼性が高く、実演の前後において低いことが確認されたので、当初の仮説が検証され、段階Bが確立された。
段階B:大きい精神ストレス変化を記録し、混乱させるファクタの影響を抑制するために、実験設定を変更した。すなわち、好適には実演初日におけるソロ歌手に対してのみを被験者とした(26名:女性16名、男性10名)。平均加齢は46才であった。同じ日に3回測定して記録した。すなわち、1)実演開始前、2)実演終了直後でストレスレベルが最高頂にある時、3)夕刻の実演終了後できるだけ多くの時間が経過して、研究趣旨の範囲で最大限回復した時に測定した。第1回目と第3回目の測定は歌手の楽屋で測定したが、第2回目の測定は、実演絶頂時と測定時の時間間隔を極力小さくするために、仮設の舞台裏にある測定場所で行った。有効な変数は、心筋負荷指数(PRP)、心拍数(HR)、平均血圧(MBP)、唾液中コルチゾルであった。
段階C:オペラソロ歌手に対する心筋負荷指数(PRP)と疼痛閾値(PT)の変化を記録したとき、一般的なパターンから逸脱する2つの測定結果が得られた(図25aの矢印で図示)。すなわち疼痛閾値(PT)は小さいのに、心筋負荷指数(PRP)が大きいとする測定結果が得られた。これを説明する考察によれば、残りの歌手に比較して、2人の歌手が第2回目の測定前の最後の1分間に(舞台を走り回り、梯子をよじ登るといった)高いレベルの身体的活動をしていたことによるものと考えられる。そこで、段階Cにおいては、26名のオペラ訓練生が別の日に、歌唱オーディションテストおよび自転車エクササイズテストの2つの異なるテストを行うように設定された。10分間の仰向けの状態で休憩を挟んで、それぞれのテストを行い評価した。さらに被験者には、テスト前の2時間はすべての薬、コーヒー、アルコールの摂取、喫煙をしないように、テスト前の1時間は激しい物理的運動を控えるように依頼した。被験者の平均年齢は27才であり、男性が11名で、女性が15名であった。
歌唱テストは、2回の測定を含み、1)歌唱オーディションテスト後10分休憩した後できるだけ速やかに、2)歌唱オーディションテスト後10分休憩した直後に測定した。すると、心筋負荷指数(PRP)と疼痛閾値(PT)の記録した変化は、オーディション後の回復に相関した。
自転車テストは、Kettler Ergometer社の型番XC(X3)、Siemens elektronik cadiofitnes / SD 4, 8,5,9. Freizeit Marke Kettler, Heins Kettler GmbH & Co, KG post fach 1020, D-59463 Ense-Parsit, Germanyを用いて、4回測定した。
すなわち、1)10分間の休憩後、2)休憩時PRPと比較して、PRPを25%増大させることを意図して、2分間エクササイズさせた後、3)休憩時PRPと比較して、PRPを40%増大させることを意図して、ただし年齢により推定される最大の負荷/心拍数の80%の最大負荷を越えないように、さらに4分間エクササイズさせた後に測定した。4回目の測定は10分間の休憩後に行った。
すなわち、1)10分間の休憩後、2)休憩時PRPと比較して、PRPを25%増大させることを意図して、2分間エクササイズさせた後、3)休憩時PRPと比較して、PRPを40%増大させることを意図して、ただし年齢により推定される最大の負荷/心拍数の80%の最大負荷を越えないように、さらに4分間エクササイズさせた後に測定した。4回目の測定は10分間の休憩後に行った。
個々の訓練生の予想される運動適応性に依存するが、最初の運動負荷が、女性の場合、毎分80回転(rpm)で50/75ワット、男性の場合、毎分80rpmで75/100ワットであった。2回目のエクササイズ段階において、女性の場合、90/100/110rpmで75/100/125ワット、男性の場合、90/100/110rpmで100/150/200ワットに増やして、可能ならば3分間自転車をこぎ続けてもらった。1名の被験者について、2回目のエクササイズ段階で心筋負荷指数(PRP)が9700から33,300まで増加し、心拍数(HR)が197(年齢による推定限界値の80%が154)であったので、この被験者は除外した。
研究2および研究3は、疼痛閾値(PT)、ストレスに関する生理的変数、および疼痛引込め反射(NWR)の有無について研究する。
被験者として、私的医療機関の181名の外来患者(女性が126名、男性が55名)が含まれていた。彼らの平均年齢は58才であった。彼らの病状は、癌が55名、心疾患が49名、ストレスが19名、その他が58名であった。仰向けの状態で10分間休息した後に、休息時の疼痛閾値(PT)、血圧、心拍数、および疼痛引込め反射(NWR)の有無について2つの異なる研究チームにより盲検で測定された。すなわち、仰向けの状態で10分間休息した後に、PTおよびNWRは一方のチームにより、血圧および心拍数は別のチームにより測定された。PTの認定に際して、胸骨上の経穴部位CV.17での測定は活性測定部位と認められ、人差し指上の測定は制御測定部位と認められる。臨床的な使用のために、PTスケールは、感応性が100%増大したものすべてに対し、PT<30、30<PT<=60、PT>60の3段階のスケールに分類される。PT測定値とNWRを比較する場合も同様に行う。
研究4は、疼痛閾値(PT)測定値の信頼性テストについて研究する。
1)初めて測定される103名の健常者に対して健康管理従事者(HCP)により測定される場合、2)医療クリニックの181名の外来患者に対してHCPにより測定される場合、および3)33名の非健康管理従事(NON−HCP)が日に2回、2週間、自己測定したときの測定する場合の3つ状況において、PT測定値の信頼性テストを行い、このとき5秒間を挟んで2回PT測定した。
1)初めて測定される103名の健常者に対して健康管理従事者(HCP)により測定される場合、2)医療クリニックの181名の外来患者に対してHCPにより測定される場合、および3)33名の非健康管理従事(NON−HCP)が日に2回、2週間、自己測定したときの測定する場合の3つ状況において、PT測定値の信頼性テストを行い、このとき5秒間を挟んで2回PT測定した。
(統計)
SASソフトウェアを用い、5%が実質的なリミットであるとして、独立した統計学者により統計を取った。
SASソフトウェアを用い、5%が実質的なリミットであるとして、独立した統計学者により統計を取った。
(倫理)
すべての被験者について、最初に測定する前に、口頭および文書により情報提供し、文書で同意を得た。地方の倫理委員会は、オペラ歌手およびオペラ訓練生に対する研究について承認した。残りの研究は、デンマークの医療規則および臨床医療のためのICHガイドライン(7)に則ってクリニックにおいて日常的医療行為の一貫として行った。
すべての被験者について、最初に測定する前に、口頭および文書により情報提供し、文書で同意を得た。地方の倫理委員会は、オペラ歌手およびオペラ訓練生に対する研究について承認した。残りの研究は、デンマークの医療規則および臨床医療のためのICHガイドライン(7)に則ってクリニックにおいて日常的医療行為の一貫として行った。
[実施例13]
この実施例は、1)一過性ストレスを受けているときの最大能力(性能)の形成、2)一過性ストレスと持続性ストレスとを区別するものと弾性測定値の使用、3)12週間の自己測定、得られた情報の認知プロセス、および適当な行動による効果について検証しようとするものである。図28〜図30を参照されたい。
この実施例は、1)一過性ストレスを受けているときの最大能力(性能)の形成、2)一過性ストレスと持続性ストレスとを区別するものと弾性測定値の使用、3)12週間の自己測定、得られた情報の認知プロセス、および適当な行動による効果について検証しようとするものである。図28〜図30を参照されたい。
(生理学的背景)
一過性ストレスを受けているときの最大能力を発揮するための前提条件は、生命体のストレス反応が活性化することである。これにより、WSSおよびDRSが増大する。
一過性ストレスを受けているときの最大能力を発揮するための前提条件は、生命体のストレス反応が活性化することである。これにより、WSSおよびDRSが増大する。
ストレス反応を起こすには、脳は余分な仕事をする必要があり、酸素需要量が増える。筋肉についても同様に、防御反応の物理的側面から酸素需要量が増える。したがって、心臓の仕事量はより増大する。これは、心筋負荷指数(PRP)の増大、心拍数(HR)の増大、および平均血圧(MBP)の増大としてその増大する測定値に表れる。
循環器系の上記変数は、ストレスのみならず、たとえば軽度ないし中程度の自転車の運動などの肉体的労力によっても影響を受ける。したがって、これらの測定値は、ストレスに依存する独立したものではあり得ないが、WSSとDRSを組み合わせたとき、ストレスを測定する上で有用なものとなり得る。
弾性とは、環境変化に適当に反応する生命体の能力を意味する。弾性が良好であれば、生命体はこうした変化に対し迅速かつ十分に適応することができる。一過性ストレスの特定の状況において、これは、ストレス反応により最大能力(性能)が十分に発揮され、こうした状況が過ぎれば速やかにホメオスタシスが再確立されるということを意味する。
この実施例では、3つの異なるテスト状況が用いられる。
a)歌唱オーディションにおけるテスト:
1)10分休憩後オーディション前に、2)オーディション直後に、3)前記2)の測定後10分休憩した後に測定を行った。
b)自転車テストにおけるテスト:
1)10分休憩後に、歌唱オーディションに匹敵する程度に心臓負荷を増大させるために4分間のエクササイズをした後に、3)10分休憩後に測定した。
c)時間と性能負担の組み合わせた算数を用いた10分精神ストレステスト:
1)10分休憩後に、2)テスト中に2回、3)10分休憩後に測定した。
その結果を図28〜図30に示す。
a)歌唱オーディションにおけるテスト:
1)10分休憩後オーディション前に、2)オーディション直後に、3)前記2)の測定後10分休憩した後に測定を行った。
b)自転車テストにおけるテスト:
1)10分休憩後に、歌唱オーディションに匹敵する程度に心臓負荷を増大させるために4分間のエクササイズをした後に、3)10分休憩後に測定した。
c)時間と性能負担の組み合わせた算数を用いた10分精神ストレステスト:
1)10分休憩後に、2)テスト中に2回、3)10分休憩後に測定した。
その結果を図28〜図30に示す。
Claims (123)
- 被験者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/または警告システム感応性(WSS)の状態、および/または防御反応/反射感応性(DRS)の状態を測定する方法であって、
1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた同じ刺激閾値の刺激を測定するステップを有するか、あるいは
1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位に与えられた刺激閾値の刺激を測定し、この刺激閾値と事前設定された較正閾値と比較するステップを有することを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
刺激閾値は、刺激の疼痛閾値であることを特徴とする方法。 - 請求項1または2に記載の方法であって、
与えられた刺激は、与えられた機械刺激であることを特徴とする方法。 - 請求項3に記載の方法であって、
与えられた機械刺激は、与えられた圧力であることを特徴とする方法。 - 請求項3に記載の方法であって、
与えられた機械刺激は、与えられた振動力であることを特徴とする方法。 - 請求項1または2に記載の方法であって、
与えられた刺激は、与えられた熱刺激であることを特徴とする方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
与えられた熱刺激は、与えられた熱源または冷熱源により供給されることを特徴とする方法。 - 請求項1または2に記載の方法であって、
与えられた刺激は、与えられた電気刺激であることを特徴とする方法。 - 請求項8に記載の方法であって、
与えられた電気刺激は、交流または直流により提供されることを特徴とする方法。 - 請求項1または2に記載の方法であって、
与えられた刺激は、与えられた輻射により提供されることを特徴とする方法。 - 請求項10に記載の方法であって、
与えられた輻射は、与えられた赤外線光、可視光、および/または紫外線光またはこれらのスペクトル光を組み合わせたものにより提供されることを特徴とする方法。 - 請求項1または2に記載の方法であって、
与えられた刺激は、与えられた化学刺激により提供されることを特徴とする方法。 - 請求項12に記載の方法であって、
与えられた化学刺激は、与えられた無機物質または有機物質により提供されることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
交換神経緊張−依存部位に与えられる刺激は、少なくとも1つのポリモーダルセンサ細胞への直接刺激であり、
1つまたはそれ以上の交換神経緊張−依存部位は、少なくとも1つのポリモーダルセンサ細胞の発火閾値であることを特徴とする方法。 - 請求項14に記載の方法であって、
直接刺激は、AC刺激、DC刺激、神経伝達物質への刺激、および化学刺激の中から選択されることを特徴とする方法。 - 請求項1〜15のいずれか1に記載の方法であって、
前記測定は、与えられた刺激を測定するシステムを用いて行われることを特徴とする方法。 - 請求項1〜15のいずれか1に記載の方法であって、
1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激の測定は、腹側の鎖骨の上側の部位において、および/または背側の脊柱のH10、TH11と称する部位、および/または手の指および/または足のつま先において行われることを特徴とする方法。 - 請求項1〜15のいずれか1に記載の方法であって、
与えられた刺激閾値の刺激の測定は、1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位において、交感神経系の心臓に至る神経支配に神経分布に沿った1つまたはそれ以上の皮膚の領域で行われることを特徴とする方法。 - 請求項1〜15のいずれか1に記載の方法であって、
1つまたはそれ以上の交換神経緊張−中立部位に与えられた刺激閾値の刺激の測定は、最も強く痛みを感じるところの、胸骨の中央部にあるCV.17の部位、2本の肋骨の間にあって乳首の下にあるST.18の部位、および/または乳首と腹側の腋窩部の間にあるPer 1の部位、および/または脊柱のTH3〜TH6に対応する部位のうちの1つのまたはそれ以上の部位で行われることを特徴とする方法。 - 人間を含む動物における交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを定量的および/または定性的に測定する方法であって、
その方法は、
a)動物の体の交換神経緊張−中立部位における疼痛閾値の定量的測定値である較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛閾値の定量的測定値である刺激閾値とを連続的に記録するステップと、
b)刺激閾値と較正閾値を比較することにより、WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの指標値を計算するステップとを有し、
WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの指標値は、人間の警告システム感応性、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの測定値であることを特徴とする方法。 - 人間を含む動物におけるWSS/DRS、交換神経緊張、および/またはストレスレベルの状態を定量的および/または定性的に測定する方法であって、
その方法は、
a)動物の体の交換神経緊張−中立部位におけるポリモーダルセンサ細胞の発火閾値の定量的測定値である較正閾値と、動物の体の交換神経緊張−依存部位におけるポリモーダルセンサ細胞の発火閾値の定量的測定値である刺激閾値とを連続的に記録するステップと、
b)刺激閾値と較正閾値を比較することにより、警告システム感応性の指標値を計算するステップとを有し、
WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルの指標値は、動物の警告システム感応性、および/または交換神経緊張、および/または警告システム感応性の測定値であることを特徴とする方法。 - 請求項21または22に記載の方法であって、
較正閾値は、事前に決定または設定され、恒久的に記録された定数であることを特徴とする方法。 - 請求項21または22に記載の方法であって、
較正閾値はゼロであり、
指標値は刺激閾値と同一であるか、刺激閾値の関数であることを特徴とする方法。 - 請求項20に記載の方法であって、
較正閾値と刺激閾値は、実質的に同時に測定されることを特徴とする方法。 - 請求項24に記載の方法であって、
交換神経緊張の指標値は、較正閾値と刺激閾値の数学的組み合わせであることを特徴とする方法。 - 請求項24に記載の方法であって、
指標値は、たとえば較正閾値と刺激閾値の比に関する単調関数などの関数であることを特徴とする方法。 - 請求項24に記載の方法であって、
指標値は、較正閾値と刺激閾値の差の関数であることを特徴とする方法。 - 効能および/または治療計画に関する患者のコンプライアンスが、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルに依存する場合において、患者の治療計画の進捗を管理するための方法であって、
この方法は、
i)治療計画中に1度またはそれ以上の回数、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベルを測定するステップと、
ii)治療計画、およびステップi)で測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルから得た患者の利益に関する統合された測定値に基づいて、治療計画を調節するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項28に記載の方法であって、
ステップi)での測定は、請求項1〜27のいずれか1に記載した方法により行われることを特徴とする方法。 - 請求項28または29に記載の方法であって、
治療計画は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いた治療:治療薬重要関連の精神治療、鬱、他の気分障害、依存症、依存混乱、神経症、自殺願望などのストレス性の精神障害または行動障害の治療:糖尿病のインスリン治療、禁煙時の補助治療に用いられるニコチン代替治療:閉経後症候群のホルモン療法:生殖に関するホルモン療法:受胎および流産治療:急性および慢性炎症の抗炎症治療:伝染病の抗感染治療:甲状腺機能低下患者または甲状腺機能高進症患者の治療:歯科治療:心臓脈管薬をもちいた心臓、血管、腎臓疾患に対する治療:胃腸薬を用いた、潰瘍治療、過敏性腸症候群、消化不良、吐き気、および他の症状の治療:体重減量薬を用いた薬理学的治療:エクササイズプログラム:リラクゼーションプログラム:ダイエットプログラム:カウンセリングまたは指導:ストレスマネージメントプログラム:個人啓発プログラム:個人パフォーマンスプログラム:自己ケアプログラムのグループの中から選択されることを特徴とする方法。 - 患者の不必要なストレスまたは非生産的なストレスを防止または解消するか、患者のWSS/DRSを低減する方法であって、
この方法は、
a)請求項1〜27のいずれか1に記載の方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定するステップと、
b)ステップa)で測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルが増大しているとき、交換神経緊張−依存部位に所定期間、刺激閾値より小さい強度を有する刺激を与えるステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項31に記載の方法であって、
c)ステップb)の後に、請求項1〜27のいずれか1に記載の方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルを測定し、測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルが低くなっていないことを示すとき、交換神経緊張−依存部位に、ステップa)の所定期間とは異なる所定期間、刺激閾値より小さい強度を有する刺激を与えるステップと、
d)測定された交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSのレベルがステップa)で測定された測定値より低くなったことを示すまでステップc)を反復するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項31または32に記載の方法であって、
交換神経緊張−依存部位により小さい強度を有する刺激を与えるステップは、視覚的または聴覚的な指示を用いて正確な刺激強度により制御されることを特徴とする方法。 - 患者の疾病を予後診断または予防するための方法であって、
1)患者のWSSおよび/またはDRSの状態、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルを連続的に測定するステップと、
2)ステップ1)での測定結果を予後診断に利用することにより、疾病に関する患者の予後診断を行い、ステップ1)での測定結果において、WSSおよび/またはDRS、および/または交換神経緊張、および/またはストレスレベルが低い場合に、ステップ1)で測定したより高い交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSSおよび/またはDRSより良好な予後を示すものであると認定するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項34に記載の方法であって、
ステップ1)の測定は、請求項1〜27のいずれか1に記載の方法を用いて行うことを特徴とする方法。 - 請求項34または35に記載の方法であって、
疾病は、急性、亜急性または慢性の炎症性疾患:免疫系の機能不全により機能障害を引き起こして、免疫学的反応が人体に悪影響を及ぼす疾患:急性、亜急性または慢性の感染症:交換神経緊張により影響を受ける、循環性ショック、血栓症、虚血性疾患、梗塞症、心不整脈、高血圧症などの循環器系障害:腫瘍性成長疾患:後天性代謝障害:機械エネルギ、熱エネルギ、電気エネルギ、輻射エネルギに起因する物理的損傷:鬱病、他の気分障害、依存症、依存混乱症、神経症、自殺願望、睡眠障害、疲労、精神的および/または心理的な性格に起因する不平などのストレス性の精神障害または行動障害などの交換神経緊張により影響を受ける精神障害、心理障害または行動障害:男性および女性の受精率の減少:月経前症候群、月経痛、更年期障害、妊娠悪阻、子癇前症、子癇、早産、逆子、陣痛誘発、産後出血などの交換神経緊張により影響を受ける婦人科疾患:耳鳴りや難聴などの交換神経緊張により影響を受ける耳鼻咽喉科疾患:掻痒症などの交換神経緊張により影響を受ける皮膚科疾患:胃潰瘍および十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、消化不良、下痢、便秘、吐き気、および嘔吐などのストレス性の臨床的な兆候および症例を消化器系疾患:緊張性頭痛、偏頭痛、脳震盪、パーキンソン病、アルツハイマ病、頭蓋内外傷、ニューロパシなどの神経障害:糖尿病、甲状腺機能不全、甲状腺機能亢進症、副腎皮質障害、副腎髄質障害、視床下部障害、脳下垂体障害、および多嚢胞性卵巣症候群などの内分泌機能障害:皮膚、気管支、および胃腸管における反応などのアレルギ疾患:
気管支炎と肺気腫などのガス交換障害を含む肺疾患:急性および慢性の関節炎や骨粗しょう症などの関節および骨の疾患:肥満、減量、悪液質などの体重組成の変化に起因する疾病:心不全、腎不全、肝不全などのナトリウムと水に関連する疾病状態:および痛みのグループから選択されることを特徴とする方法。 - 人間を含む動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSの状態を測定するためのシステムであって、
a)動物の体の交換神経緊張−中立部位における疼痛較正閾値、および動物の体の交換神経緊張−依存部位における疼痛刺激閾値を記憶する記憶手段と、
b)疼痛較正閾値および疼痛刺激閾値を処理して測定値を得るようにプログラムされた電子回路部と、
c)第1のユーザ操作により得られた疼痛刺激閾値を記憶するように構成された、動物の体に不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段と、
d)第2のユーザ操作により得られた疼痛刺激閾値を記憶するように構成された、動物の体に不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段とを有し、
不快誘発刺激は、1)第1の振動ベースにより与えられる振動、および/または2)第1の加熱ベースにより与えられる熱、および/または3)第1の電気ベースにより与えられる電気を含み、
不快誘発刺激を与える手段は、刺激が徐々に増大するように構成され、
記憶手段は、第1および第2のユーザ操作に対応する時に瞬時に刺激を記憶するように構成されることを特徴とするシステム。 - 請求項37に記載のシステムであって、
較正閾値は、事前に決定または設定され、恒久的に記録された定数であることを特徴とするシステム。 - 請求項37に記載のシステムであって、
較正閾値はゼロであることを特徴とするシステム。 - 請求項38または39に記載のシステムであって、
不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段は、第1のユニット内に配設され、
電子回路部は、第2のユニット内に配設されることを特徴とするシステム。 - 請求項40に記載のシステムであって、
第1および第2のユニットは、これらの間で無線通信できるように構成されていることを特徴とするシステム。 - 請求項38または39に記載のシステムであって、
不快誘発刺激を与えるためのユーザ操作手段および電子回路部は、単一かつ同一の装置内に集積されていることを特徴とするシステム。 - 請求項37〜42のいずれか1に記載のシステムであって、
振動ベースは、実質的に球形または半球形の振動ヘッドを有することを特徴とするシステム。 - 請求項43に記載のシステムであって、
振動ヘッドの直径は、1cm未満であり、たとえば0.05mm〜0.5mm、0.5mm未満であり、たとえば1mm〜4mmであることを特徴とするシステム。 - 請求項43または44に記載のシステムであって、
磁気アクチュエータをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項45に記載のシステムであって、
アクチュエータは、実質的に直線軸に沿って配列されることを特徴とするシステム。 - 請求項45または46に記載のシステムであって、
スライド棒と、これに沿って配置された複数のスライド部材とをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項47に記載のシステムであって、
スライド部材は、その周囲に捲回される巻線のための少なくとも1つの周縁溝部を有することを特徴とするシステム。 - 請求項45〜48のいずれか1に記載のシステムであって、
複数の磁石および分離体をさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項49に記載のシステムであって、
スライド棒は、内部に長手方向に延びるキャビティまたはボアを有し、
磁石および分離体は、スライドキャビティまたはボア内に交互に配設されることを特徴とするシステム。 - 請求項47〜50のいずれか1に記載のシステムであって、
スライド棒は、摩擦低減部材でコーティングされることを特徴とするシステム。 - 請求項49〜51のいずれか1に記載のシステムであって、
磁石は、スライド棒と実質的に直交する方向に磁場を形成するように配設されることを特徴とするシステム。 - 請求項48〜52のいずれか1に記載のシステムであって、
巻線に流れる電流を交互に反転させる制御ユニットをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項53に記載のシステムであって、
磁気アクチュエータは、巻線に流れる電流を交互に反転させることにより振動を形成することを特徴とするシステム。 - 人間を含む動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSの状態を測定するためのシステムであって、
動物の体に振動外力を与える振動ヘッドを含む振動ベースと、
体の上にある振動ベースにより与えられる振動外力を測定するためのセンサと、
第1および第2の測定振動外力を記憶し、第1および第2の測定振動外力の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有することを特徴とするシステム。 - 請求項55に記載のシステムであって、
読出値を表示するための読出ユニットをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項55または56に記載のシステムであって、
振動ベースおよびセンサは、第1のユニット内に集積され、
電子回路部は、第2のユニット内に集積されることを特徴とするシステム。 - 請求項57に記載のシステムであって、
第1および第2のユニットは、これらの間で無線通信できるように構成されていることを特徴とするシステム。 - 請求項55に記載のシステムであって、
振動ベース、センサおよび電子回路部は、単一かつ同一の装置内に集積されることを特徴とするシステム。 - 請求項55〜59のいずれか1に記載のシステムであって、
振動ベースの振動ヘッドは、実質的に球形または半球形形状を有することを特徴とするシステム。 - 請求項60に記載のシステムであって、
振動ヘッドの直径は、1cm未満であり、たとえば0.05mm〜0.5mmであることを特徴とするシステム。 - 請求項55〜61のいずれか1に記載のシステムであって、
センサは、ピエゾ抵抗力センサであることを特徴とするシステム。 - 請求項55〜62のいずれか1に記載のシステムであって、
このシステムは携帯型であり、1つまたはそれ以上の電池により電源供給されることを特徴とするシステム。 - 請求項56〜63のいずれか1に記載のシステムであって、
読出ユニットは、電子式ディスプレイを有することを特徴とするシステム。 - 請求項56〜64のいずれか1に記載のシステムであって、
電子回路部は、たとえば離散的な4つの数字(0,1,2,3)として、読出値を判定するように構成され、
第1および第2の測定値の比が読出ユニットに表示される読出値(0,1,3,4)に割り当てられることを特徴とするシステム。 - 請求項56〜64のいずれか1に記載のシステムであって、
離散的な読出値(0,1,2,3)は、第1および第2の測定値の比に対して比例的でないことを特徴とするシステム。 - 請求項55〜66のいずれか1に記載のシステムであって、
電子回路部は、複数の測定値の平均値として第1の測定値を計算し、複数の測定値の平均値として第2の測定値を計算するように構成されていることを特徴とするシステム。 - 請求項37〜54のいずれか1に記載のシステムであって、
加熱ベースの接触面の面積が4cm2未満で、たとえば1〜2cm2であり、あるいは1cm2未満で、たとえば0.5〜1cm2であることを特徴とするシステム。 - 請求項68に記載のシステムであって、
接触面の温度を変えるために配設された制御ユニットをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項69に記載のシステムであって、
事前設定された最大温度に達するまで、あるいはユーザが温度上昇させることを阻止するまで、
制御ユニットは接触面の温度を上昇させることを特徴とするシステム。 - 請求項69または70に記載のシステムであって、
接触面は自然冷却により冷却されることを特徴とするシステム。 - 人間を含む動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSの状態を測定するためのシステムであって、
動物の体に熱を与えるように構成された接触面を含む加熱ベースと、
体の上にある加熱ベースにより与えられる温度を測定するためのセンサと、
第1および第2の測定温度を記憶し、第1および第2の測定温度の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有することを特徴とするシステム。 - 請求項72に記載のシステムであって、
読出値を表示するための読出ユニットをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項72または73に記載のシステムであって、
加熱ベースおよびセンサは、第1のユニット内に集積され、
電子回路部は、第2のユニット内に集積されることを特徴とするシステム。 - 請求項74に記載のシステムであって、
第1および第2のユニットは、これらの間で無線通信できるように構成されていることを特徴とするシステム。 - 請求項74に記載のシステムであって、
加熱ベース、センサおよび電子回路部は、単一かつ同一の装置内に集積されることを特徴とするシステム。 - 請求項72〜76のいずれか1に記載のシステムであって、
加熱ベースの接触面の面積が4cm2未満で、好適には1〜2cm2であることを特徴とするシステム。 - 請求項72〜77のいずれか1に記載のシステムであって、
センサは熱抵抗センサを有することを特徴とするシステム。 - 請求項72〜78のいずれか1に記載のシステムであって、
このシステムは携帯型であり、1つまたはそれ以上の電池により電源供給されることを特徴とするシステム。 - 請求項73〜79のいずれか1に記載のシステムであって、
読出ユニットは、電子式ディスプレイを有することを特徴とするシステム。 - 請求項73〜80のいずれか1に記載のシステムであって、
電子回路部は、たとえば離散的な4つの数字(0,1,2,3)として、読出値を判定するように構成され、
第1および第2の測定値の比が読出ユニットに表示される読出値(0,1,3,4)に割り当てられることを特徴とするシステム。 - 請求項81に記載のシステムであって、
離散的な読出値(0,1,2,3)は、第1および第2の測定値の比に対して比例的でないことを特徴とするシステム。 - 請求項72〜82のいずれか1に記載のシステムであって、
電子回路部は、複数の測定値の平均値として第1の測定値を計算し、複数の測定値の平均値として第2の測定値を計算するように構成されていることを特徴とするシステム。 - 請求項37〜54、68〜71のいずれか1に記載のシステムであって、
電気ベースは、実質的に球形または半球形状の電気ヘッドを有することを特徴とするシステム。 - 請求項84に記載のシステムであって、
電気ヘッドの直径が1cm未満で、たとえば0.05mm〜0.5mmであり、あるいは0.5mm未満であり、たとえば1mm〜4mmであることを特徴とするシステム。 - 請求項84または85に記載のシステムであって、
電気アクチュエータをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項86に記載のシステムであって、
電気ヘッドの電流方向を制御する制御ユニットをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項87に記載のシステムであって、
制御ユニットは、交流電流から直流電流へ、直流電流から交流電流へ電流を変換することができることを特徴とするシステム。 - 請求項87または88に記載のシステムであって、
制御ユニットは、事前設定された最大電流に達するまで、あるいはユーザが電流を上昇させることを阻止するまで、電気ヘッドに流れる直流電流を増大させることを特徴とするシステム。 - 請求項87または88に記載のシステムであって、
制御ユニットは、事前設定された最大周波数に達するまで、あるいはユーザが周波数を上昇させることを阻止するまで、電気ヘッドに流れる交流電流の周波数を増大させることを特徴とするシステム。 - 人間を含む動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSS/DRSの状態を測定するためのシステムであって、
動物の体に電気力を与えるように構成された電気ヘッドを含む電気ベースと、
体の上にある電気ベースにより与えられる電気力を測定するためのセンサと、
第1および第2の測定電気力を記憶し、第1および第2の測定電気力の比を示す読出値を計算するように構成された電子回路部とを有することを特徴とするシステム。 - 請求項91に記載のシステムであって、
読出値を表示するための読出ユニットをさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項91または92に記載のシステムであって、
電気ベースおよびセンサは、第1のユニット内に集積され、
電子回路部は、第2のユニット内に集積されることを特徴とするシステム。 - 請求項93に記載のシステムであって、
第1および第2のユニットは、これらの間で無線通信できるように構成されていることを特徴とするシステム。 - 請求項91に記載のシステムであって、
電気ベース、センサおよび電子回路部は、単一かつ同一の装置内に集積されることを特徴とするシステム。 - 請求項91〜95のいずれか1に記載のシステムであって、
電気ベースの電気ヘッドは、実質的に球形または半球形状を有することを特徴とするシステム。 - 請求項96に記載のシステムであって、
電気ヘッドの直径が1cm未満で、好適には0.05mm〜0.5mmであることを特徴とするシステム。 - 請求項91〜97のいずれか1に記載のシステムであって、
センサは、電気センサであることを特徴とするシステム。 - 請求項91〜98のいずれか1に記載のシステムであって、
このシステムは携帯型であり、1つまたはそれ以上の電池により電源供給されることを特徴とするシステム。 - 請求項92〜99のいずれか1に記載のシステムであって、
読出ユニットは、電子式ディスプレイを有することを特徴とするシステム。 - 請求項92〜100のいずれか1に記載のシステムであって、
電子回路部は、たとえば離散的な4つの数字(0,1,2,3)として、読出値を判定するように構成され、
第1および第2の測定値の比が読出ユニットに表示される読出値(0,1,3,4)に割り当てられることを特徴とするシステム。 - 請求項101に記載のシステムであって、
離散的な読出値(0,1,2,3)は、第1および第2の測定値の比に対して比例的でないことを特徴とするシステム。 - 請求項91〜102のいずれか1に記載のシステムであって、
電子回路部は、複数の測定値の平均値として第1の測定値を計算し、複数の測定値の平均値として第2の測定値を計算するように構成されていることを特徴とするシステム。 - 被験者のWSS/DRSの状態を認定するための、増大した疼痛(痛覚過敏)の測定値の使用方法。
- 被験者の警告システム感応性の状態を認定するための、ポリモーダルセンサ細胞の発火閾値の測定値の使用方法。
- 被験者の心筋酸素消費量を測定する方法であって、
この方法は、請求項1〜27のいずれか1に記載の被験者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/または警告システム感応性の状態を測定するステップと、
交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/または警告システム感応性の状態との間に事前に設定された相関関係に基づいて、心筋酸素消費量を決定するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項101に記載の方法であって、
相関関係は、交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSSおよび/またはDRSの測定値と、心筋負荷指数(PRP)の測定値との間で事前に設定されたことを特徴とする方法。 - 被験者の心仕事量能力を測定する方法であって、
請求項1〜27のいずれか1に記載の測定方法を用いてストレス状態および休息状態において測定するステップと、
ストレス状態および休息状態における測定結果の数学的な組み合わせに基づいて、被験者の心仕事量能力を測定するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項108に記載の方法であって、
数学的な組み合わせは、差分関数、比例関数、および任意の単純関数から選択されることを特徴とする方法。 - 糖尿病患者の糖化ヘモグロビンレベルを間接的に特定する方法であって、
請求項1〜27のいずれか1に記載の測定方法を用いて測定し、その測定結果の単純関数値として糖化ヘモグロビンレベルを測定することを特徴とする方法。 - 請求項110に記載の方法であって、
被験者の慢性ストレスは高いレベルではなく、そのWSSおよび/またはDRSは増大レベルではないことが事前に確認されていることを特徴とする方法。 - 糖尿病患者の被験者に関し、請求項31〜33のいずれか1に記載のストレスを防止または解消する方法であって、
刺激閾値を糖化ヘモグロビンの少なくとも1つの測定値に統合するステップを有することを特徴とする方法。 - 請求項112に記載の方法であって、
糖化ヘモグロビンのレベルが増大するとき、被験者は高いストレスを受け、被験者のWSSおよび/またはDRSレベルは増大していることを示すことを特徴とする方法。 - 潜在的なストレス関連特性、または潜在的な警告システム感応性特性に関する調査を行っている被験者に対するストレスレベル、および/またはストレスの特性、および/またはWSSおよび/またはDRSをモニタするための請求項1〜27のいずれか1に記載の方法。
- 被験者の警告システム感応性(WSS)の状態を測定する方法であって、
疼痛が交換神経緊張に依存する体の部位において閾値で与えられた刺激を測定するステツプと、
刺激閾値とWSS値を関連付けるステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項115に記載の方法であって、
被験者は、急性のストレス誘発因子、または交換神経緊張の増大に影響を与える他の因子が実質的に排除された環境下にあることを特徴とする方法。 - 請求項115または116に記載の方法であって、
与えられた刺激の測定は、請求項1〜27のいずれか1に記載の方法により行われることを特徴とする方法。 - 警告システム感応性の状態を変調させる方法であって、
a)請求項1〜27、115〜117のいずれか1に記載の方法を用いて、患者の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSSを測定するステップと、
測定結果が交感神経緊張の増大、および/またはストレスレベルの増大、および/またはWSSの増大を示すとき、所定期間、刺激閾値より小さい強度の刺激を交換神経緊張−依存部位に与えるステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項118に記載の方法であって、
刺激閾値より小さい強度の刺激は、指圧療法、鍼灸治療、およびポリモーダルセンサ細胞に対する直接的な刺激であることを特徴とする方法。 - 人間などの動物のストレスレベル、および/または交換神経緊張のレベル、および/またはWSSが増大したか否かを認定するための方法であって、
動物における刺激に対する疼痛引込め反射(NWR)の存在を認定するステップと、
この刺激は、通常の交換神経緊張を有し、ストレスがなく、あるいは増大したWSSおよび/またはDRSを有さない個人の大部分に対しては疼痛引込め反射を誘発しないが、増大した交換神経緊張を有し、高いストレスレベルを有し、あるいは増大したWSSおよび/またはDRSを有する個人の大部分に対しては疼痛引込め反射を誘発するものであり、
当該刺激に対する疼痛引込め反射(NWR)を観察することにより、動物の交換神経緊張、および/またはストレスレベル、および/またはWSSおよび/またはDRSが増大していることを認定することを特徴とする方法。 - 必要時に、被験者の交換神経緊張のレベル、および/またはストレスレベル、および/または疼痛知覚レベル、および/またはWSSおよび/またはDRSを低減する方法であって、
a)好適には電気刺激により、被験者のポリモーダルセンサ細胞を刺激して、発火閾値を計測するステップと、
b)ステップa)の刺激に呼応してポリモーダルセンサ細胞から生じる求心性インパルスをモニタするステップと、
c)ステップb)におけるモニタにより、発火閾値が小さくなったとき、すなわち精神ストレス、および/またはWSSおよび/またはDRSレベルが増大したとき、遠心性神経線維を刺激して、被験者の精神的状態を変化させるステップと、
d)ステップa)〜c)を反復するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項121に記載の方法であって、
ステップc)において遠心性神経線維を刺激することは、硬膜外脊髄刺激を含むことを特徴とする方法。 - 遠心性神経線維を制御しつつ刺激する閉ループデバイスであって、
ポリモーダルセンサ細胞に電気刺激を与える手段と、
ポリモーダルセンサ細胞または遠心性運動細胞から生じる求心性インパルスを測定する手段と、
求心性インパルスと標準値と比較する手段と、
遠心性神経線維に電気刺激を与える手段と、
求心性インパルスと標準値との比較に呼応して、遠心性神経線維に与える電気刺激を制御する手段とを有することを特徴とするデバイス。
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