JP2010502308A - 不整脈による死亡を予測する自動ノイズ低減システム - Google Patents
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Abstract
より効果的に不整脈による死亡を予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減するための方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。上記方法は、関連間隔データを有する複数の間隔を定義するステップと、次元データを生成するように、データ処理ルーチンを使用して前記複数の間隔を解析するステップと、前記次元データが第1の閾値未満であるときに、前記間隔データから少なくとも1つの極値を除去するステップであって、少なくとも1つの極値を除去するステップは、精緻化次元データを生成する、ステップと、許容可能な次元データを生成するように、データ処理ルーチンを使用して前記精緻化次元データを解析するステップと、前記許容可能な次元データが、第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップとを含む。
Description
(関連特許出願への参照)
本願は、2006年8月31日に出願された米国仮出願第60/824,170号に対する優先権を主張し、該仮出願は本明細書においてその全体が参照により援用される。
本願は、2006年8月31日に出願された米国仮出願第60/824,170号に対する優先権を主張し、該仮出願は本明細書においてその全体が参照により援用される。
(背景)
本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、電気生理学的データを評価することを目的とする。電気生理学的データには、これに限定されないが、心電図(ECG/EKG)データ、脳波(EEG)データ等が挙げられる。より具体的には、本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、不整脈による死亡を検出および/または予測するために電気生理学的データを評価するための自動システムおよび方法を目的とする。
本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、電気生理学的データを評価することを目的とする。電気生理学的データには、これに限定されないが、心電図(ECG/EKG)データ、脳波(EEG)データ等が挙げられる。より具体的には、本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、不整脈による死亡を検出および/または予測するために電気生理学的データを評価するための自動システムおよび方法を目的とする。
心電図に観察されるR−R間隔(RRi)の、または脳波に見られるスパイクの解析は、突然の心臓死またはてんかん発作のような将来の臨床的転帰を予測することができる。R−R間隔は、ECGまたはEEGの2つの連続したR波間の持続時間である。R−R間隔は、例えば0.0001秒〜5秒の範囲とすることができる。このような解析および予測は、予測した転帰を明示する、または明示しない、大集団の患者間の転帰の判別に使用したときに、統計的に有意である。
このような解析および予測には、解析的測度が、(1)確率的である(すなわち、データ内のランダムな変動に基づく)こと、(2)定常性を必要とする(すなわち、データを発生させるシステムは、記録中に変更することができない)こと、および(3)線形である(すなわち、従来技術において「カオス」と称される、データ内の非直線性の影響を受け難い)ことにより、不正確さの問題が生じた。
これらの問題に対処するために、「D2」、「D2i」、および「PD2」を含む、多くの手法が開発された。D2によって、発生したデータのサンプルの評価から、システムの次元またはその自由度を推定することができる。複数の調査者が、D2を生物学的データに使用した。しかしながら、データ定常性の仮定を満たすことができないことが示された。
別の理論的な説明、点別スケーリング次元(Pointwise Scaling Dimension)、または「D2i」が開発されたが、これは、脳、心臓、または骨格の筋肉からのデータが本来持っている非定常性の影響を受け難い。これは、D2よりも、生物学的データのための次元の推定に有用と考えられる。しかしながら、それでもD2iは、データの非定常性に関連すると考えられる、相当な推定誤りを有する。
点相関次元アルゴリズム(Point Correlation Dimension algorithm)(PD2)が開発されたが、これは、非定常性データ(すなわち、異なるカオス発生器からのサブエポックを連結することによって形成されたデータ)内の次元の変化を検出することができる。
これらの種々の手法の欠点に対処するために、その時間依存性を強調するように「PD2i」と表記した、改善されたPD2アルゴリズムが開発された。PD2iは、本願明細書ではデータ処理ルーチンとも称され、決定論的で、かつデータ内に生じた変動に基づいた解析的測度を使用する。アルゴリズムは、データ定常性を必要とせず、データ内の非定常変化を実際に追跡する。また、PD2iは、カオス的および非カオス的な線形データの影響を受け易い。PD2iは、集合的に、相関次元を推定するためのアルゴリズムであるが、データ非定常性に感受性の無い、以前の解析的測度に基づいている。この特徴により、PD2iは、他の測度では行うことができない、高感度かつ特異性で臨床的転帰を予測することができる。PD2iアルゴリズムは、特許文献1および特許文献2に詳細に開示されており、参照することにより本願明細書に援用される。
PD2iによる解析の場合は、電気生理学的信号を増幅(1,000のゲイン)して、デジタル化(1,000Hz)する。デジタル化された信号は、処理前に、さらに低減(例、ECGデータからR−R間隔データへの変換)させることができる。R−R間隔データの解析は、異なる病理学的転帰(例、心室細動「VF」、心室性頻拍「VT」、または不整脈による死亡「AD」)を有する大きな対象集団間での危険予測を可能にすることが繰り返し見出されている。危険度の高い患者からサンプリングしたR−Rデータを使用することで、後にVFとなった患者と、VFにならなかった患者とを区別することができる。
最良の低騒音プリアンプおよび高速1000Hzデジタイザによって得られたデジタルECGから形成されたR−R間隔データに関しては、それでも、非線形アルゴリズムに問題を生じさせ得る低レベルのノイズが存在する。R−R間隔の形成に使用されるアルゴリズムは、ノイズの増加ももたらし得る。全てのR−R間隔検出器のうちの最も正確なものは、3点移動「凸状オペレータ(convexity operator)」を使用している。例えば、データ全体を通過する移動窓内の3点は、点1がプレR波の基線上にあり、点2がR波の頂上にあり、点3が再び基線上にあり、R波のピークを正確に跨いだときのその出力を最大化するように調整することができる。データストリーム内の点2の場所は、窓がデータを通過するときの各R波のピークを正しく識別する。このアルゴリズムは、R波が、ある程度のレベルを上回っている時点で、または、各R波のdV/dtが最大であるときに検出された時点で測定するアルゴリズムよりも、極めてノイズが少ないR−Rデータを生成する。
最良のアルゴリズム的に計算されたR−R間隔は、それでも、ピークツーピークでほぼ±5インテジャであると観察される、低レベルのノイズを有する。この10インテジャの範囲は、平均R波ピークに対する1000インテジャの範囲外にある(すなわち1%のノイズ)。電極の作製が不十分であること、周囲電磁場が強いこと、中程度に雑音の多いプリアンプの使用、または低デジタル化率の利用により、低レベルのノイズは容易に増加し得る。例えば、1インテジャ=1ミリ秒であるゲイン(すなわち、フルスケール12ビットデジタイザの25%のゲイン)において、この1%の最良のノイズレベルは、ユーザがデータ収集に注意しなければ、容易に2倍、3倍になり得る。このノイズの増加は、多忙な臨床的セッティングにおいてしばしば生じ、したがって、取り込み後のノイズレベルの考慮を行わなければならない。
このノイズの問題に対処するために、ノイズ考慮アルゴリズム(noise consideration algorithm:NCA)が開発された。NCAは、米国特許出願第10/353,849号内に十分に開示されており、参照することにより本願明細書に援用される。
PD2iのデータ処理ルーチンおよびNCAによってもたらされるR−R間隔の解析を改善しても、それでも、ノイズ低減およびPD2iの計算によって判断される生物学的転帰の予測を改善するための、自動化方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体が必要である。
(概要)
より効果的に不整脈による死亡を予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減するための自動化方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
より効果的に不整脈による死亡を予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減するための自動化方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
さらなる利点は、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体に従った説明、またはそれらを実行することによって学習できる説明に部分的に記載される。利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘された要素および組み合わせによって、実現および達成される。上述の概要および以下の詳細な説明は、どちらも例示的かつ説明的なものに過ぎず、請求項に記載の方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を限定するものではないと理解されたい。
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、記述とともに実施形態を例示したものであり、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体の原理を説明する役割を果たす。
図1は、例示的な動作環境を示す図である。
図2は、例示的な方法流れ図である。
図3は、例示的なEEGの方法流れ図である。
図4は、例示的なPD2iのデータ処理ルーチンの方法流れ図である。
図5は、例示的な外れ値除去の方法流れ図である。
図6A〜Bは、例示的なNCAの方法流れ図である。
図6A〜Bは、例示的なNCAの方法流れ図である。
図7は、例示的なTZAの方法流れ図である。
図8A〜Bは、例示的な方法流れ図である。
図8A〜Bは、例示的な方法流れ図である。
図9は、100Hzでデジタル化したR波と、1000Hzでデジタル化したR波との対比を例示した図である。
図10は、異なるR−R間隔を検出する異なる方法が、データ内のノイズ成分に対して重要な意味を有することを示す図である。
図11は、本質的に非定常であるデータの一実施例を示す図である。
図12は、ビットを除去する(すなわち、振幅を半分に分割する)ことが、非線形測度の平均または分布を大幅に変化させないことを示す図である。
図13は、位相空間内に二次元に投影された心拍アトラクタの3つのローブ(lobe)が、ローレンツおよび正弦波アトラクタのものと同様に、外観上非常に大きいことを示す図である。
図14は、低ノイズ心拍ファイルの非線形測度に関する、ノイズビットの除去の効果を示す図である。
図15は、図14に見られるものに類似した効果を示すが、ヒストグラムの代わりに、ローレンツデータおよび結果のタイムプロットを使用した図である。
図16は、アプリオリ(apriori)TZAの閾値を1.40に設定したときの、1.4〜1.6の推移帯内の複数のPD2iスコアの一実施例を示す図である。
図17は、1年のフォローアップ以内に、定義された突然の不整脈(AD)で死亡した18人の患者と、それぞれ、確認された急性心筋梗塞(AMI)を有し、少なくともフォローアップの1年間は生存した18人の対照とからのR−RおよびPD2iデータを示す図である。
図18は、生理学的なデータがアーチファクト(不整脈、動きアーチファクト)を含むときの非線形結果(PD2i)を示す図である。
図19は、図18のものと同じデータファイルおよび結果であるが、アーチファクトに上書きする線形スプラインによってそれらを除去したものを例示した図である。
図20は、類似手段および標準偏差によって、サブエポックを有するデータ内の自由度(次元)の変化における非線形PD2iによる検出を示す図である。
図21は、定常状態の睡眠データを発生していると考えられる、眠っているネコからの脳波データ(EEG)を示す図である。
図22は、データに対する、およびそのランダム化された位相の代用物(surrogate)に対するPD2i分布を示す図である。
図23は、PD2i分布が、本質的に同じであり、また、データ長の増加によって、PD2iのより大きな分布をもたらし、外観上より単位法線になっていることを示す図である。
図24は、ノイズをローレンツデータ(LOR)に加えたときの、ランダム化された位相の代用物からの相対的分離への影響を示す図である。
図25は、Aは、PD2iアルゴリズム、および自由度、点別のD2(D2i)を計算するための、他の時間依存アルゴリズムとの比較を示す図である。Bは、±5インテジャのノイズをデータに加えたときのPD2iへの影響を示す図である。Cは、データのランダム化された位相の代用物のPD2iを示す図である。Dは、データのパワースペクトルおよびその代用物(同一)。Eは、±14インテジャのノイズをデータに加えたときのPD2iへの影響を示す図である。
図26は、許容PD2iの%Nと、ローレンツデータのノイズ成分との対比のプロットを示す図である。
図27は、図26と同じ影響を示すが、PD2i分布に対して示されたノイズ成分(LOR+%ノイズ)および%Nを有することを示す図である。
図28は、心拍のPD2iを、痴呆症(アルツハイマー病)および失神の場合の定義に使用した図である。
図29A〜Cは、2つのデータ点のサンプルによって形成されたベクトルから、どのようにPD2iが計算されるのかを示す図である。
図30は、PD2iのための数学モデルに従ってベクトル差長から形成した相関積分が、長いデータ長に対して、およびより現実的な有限データ長に対してどのように見えるのかを示す図である。
図31は、VDLを形成するための座標として、ijベクトル対に使用されるものを飛ばして選択したデータ点の数である、τを判断する2つの方法を示す図である。
図32は、「心臓疾患」および「脳疾患」の両方に、心室細動(VF)の動的不安定性を生じさせる必要があることを示す図である。
図33は、一方が心室細動(図35および36を参照されたい)をもたらし、他方は何ももたらさなかった、2つのPVC(上部、矢印)を示すAD患者の、R−R間隔のPD2iの非線形解析を示す図である。
図34は、上述のAD患者のR−R間隔は、全く平坦ではないが、6〜8つの心拍期間の正弦曲線の振動を有することを示す図である。
図35は、PVC(大きな下方偏向)が最後のT波のピーク直後に生じ、その後に遅く大きなロータに至る小さく高速なロータを起動する、上記AD患者のECGを示す図である。
図36は、ロータ(PVC R波無し)を引き起こさないPVCの連結間隔、およびT波のピークに完全に一致して重なった最左端において始まる両方のトレースの下方偏向と全く同じものを示す図である。
記載なし。
記載なし。
記載なし。
(詳細な説明)
本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を開示および説明する前に、本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、特定の合成方法、特定の構成要素、特定の組成物に限定されるものではなく、当然変化し得るものであると理解されたい。また、本願明細書に用いられる用語は、特定の実施形態だけを説明しようとするものであり、限定することを意図していないことも理解されたい。
本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を開示および説明する前に、本方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、特定の合成方法、特定の構成要素、特定の組成物に限定されるものではなく、当然変化し得るものであると理解されたい。また、本願明細書に用いられる用語は、特定の実施形態だけを説明しようとするものであり、限定することを意図していないことも理解されたい。
明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、コンテキストが別途明確に指示していない限り、複数の指示物を含む。
本願明細書では、範囲は、「約」一方の特定の値から、および/または「約」他方の特定の値まで、のような形態で表される場合がある。このような範囲が表されたときには、別の実施形態は、一方の特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、先例の「約」を使用して、値が近似値として表されるときには、特定の値が別の実施形態を形成するものと理解されよう。さらに、範囲のそれぞれの端点が、他の端点に関係しても、他の端点に関係しなくても、有意であるものと理解されよう。また、本願明細書には複数の値が示され、本願明細書では、各値が、その値自体に加えて、「約」その特定の値としても示されるものと理解されよう。例えば、「10」という値が示された場合は、「約10」も示される。また、ある値が、その値「以下」、その値「以上」、および値間の可能な範囲が示されたときには、当業者に適切に理解されている通りであると理解されよう。例えば、「10」という値が示された場合は、「10以下」、ならびに「10以上」も示される。また、本出願全体を通じて、複数の異なるフォーマットでデータが提供され、このデータは、端点および出発点、ならびにデータ点のあらゆる組み合わせのための範囲を表すものと理解されよう。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点15が示された場合は、10および15を超える、以上、以下、およびこれらに等しいこと、ならびに10〜15が示されたことが考慮されるものと理解されよう。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも示されるものと理解されよう。例えば、10〜15と示された場合は、11、12、13、および14も示される。
「任意選択」または「任意選択で」は、その後に記述されたイベントまたは状況が生じるかどうか分からないことを意味し、またその記述には、該イベントまたは状況が生じる場合、および生じない場合が含まれることを意味する。
(I.システム)
不整脈による死亡のような生物学的転帰の予測に使用される、ECG/EKG、EEG等からのデータのような電気生理学的データに関連するノイズを低減するための自動システムが提供される。システムは、電気生理学的データを受信するように連結されるプロセッサと、該プロセッサと通信するノイズ補正ソフトウェアを有する記憶デバイスとを備え、ノイズ補正ソフトウェアは、プロセッサの動作を制御し、該プロセッサに、不整脈による死亡の予測に使用される電気生理学的データに関連するノイズを低減するための、本願明細書に提供された方法のあらゆる機能を実行させる。
不整脈による死亡のような生物学的転帰の予測に使用される、ECG/EKG、EEG等からのデータのような電気生理学的データに関連するノイズを低減するための自動システムが提供される。システムは、電気生理学的データを受信するように連結されるプロセッサと、該プロセッサと通信するノイズ補正ソフトウェアを有する記憶デバイスとを備え、ノイズ補正ソフトウェアは、プロセッサの動作を制御し、該プロセッサに、不整脈による死亡の予測に使用される電気生理学的データに関連するノイズを低減するための、本願明細書に提供された方法のあらゆる機能を実行させる。
当業者は、これは機能記述であり、また、それぞれの機能は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実行することができるものと理解されよう。機能は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとすることができる。機能は、図1に例示して本願明細書にて説明するように、ノイズ補正ソフトウェア106を含むことができる。例示的な一側面では、機能は、図1に例示して本願明細書にて説明するように、コンピュータ101を備えることができる。
図1は、開示した方法を実行するための例示的な動作環境を例示したブロック図である。この例示的な動作環境は、動作環境の一例に過ぎず、また、動作環境構造の使用または機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆することを意図したものではない。動作環境は、例示的な動作環境で例示した構成要素のうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせに関して、いかなる依存性も要件も有していないものと解釈すべきである。
本システムおよび方法は、他の多数の汎用または専用コンピューティングシステム環境または構成で動作することができる。本システムおよび方法とともに使用するのに好適な既知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成の実施例は、これに限定されないが、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ラップトップデバイス、およびマルチプロセッサシステムを含む。さらなる実施例は、セットトップボックス、プログラム可能な家電品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、これらのシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境等を含む。
別の側面では、開示したシステムおよび方法の処理は、ソフトウェアコンポーネントによって実行することができる。本システムおよび方法は、プログラムモジュールのような、コンピュータによって実行されるコンピュータ命令の一般的なコンテキストで述べることができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造等を含む。本システムおよび方法はまた、タスクが、通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理デバイスによって実行される、分散コンピューティング環境でも実行することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカルおよびリモートの両方のコンピュータ記憶媒体内に位置することができる。
さらに、当業者は、本願明細書に開示したシステムおよび方法は、コンピュータ101の形態の汎用コンピューティングデバイスを介して実装することができると理解されよう。コンピュータ101の構成要素は、これに限定されないが、1つ以上のプロセッサまたは処理ユニット103、システムメモリ112、およびプロセッサ103を含む種々のシステム構成要素をシステムメモリ112に連結するシステムバス113を含むことができる。
システムバス113は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレイティッドグラフィックスポート、および種々のバス構成のうちのいずれかを使用したプロセッサまたはローカルバスを含む、いくつかの可能な型のバスアーキテクチャのうちの1つ以上を表す。一実施例として、このようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture:ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(Enhanced ISA:EISA)バス、ビデオエレクトロニクス標準協会(Video Electronics Standards Association:VESA)ローカルバス、アクセラレイテッドグラフィックスポート(AGP)バス、およびメザニンバスとしても知られる周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnects:PCI)バスを含むことができる。バス113、およびこの説明に明記された全てのバスは、有線または無線ネットワーク接続を通じて実装することもでき、また、プロセッサ103、大容量記憶デバイス104、オペレーティングシステム105、ノイズ補正ソフトウェア106、データ107、ネットワークアダプタ108、システムメモリ112、入出力インタフェース110、表示アダプタ109、表示デバイス111、およびヒューマンマシンインタフェース102を含む、サブシステムのそれぞれは、1つ以上のリモートコンピューティングデバイス114a、b、c内の物理的に離れた場所に収容して、実質的に完全分散システムを実装する、この形態のバスを通じて接続することができる。
コンピュータ101は、一般的に、種々のコンピュータ読み取り可能媒体を含む。例示的な読み取り可能媒体は、コンピュータ101によってアクセス可能なあらゆる利用可能な媒体とすることができ、例えば、これに限定されないが、揮発性および不揮発性媒体、取り外し可能および取り外し不可能な媒体の両方を含む。システムメモリ112は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリ、および/またはリードオンリメモリ(ROM)のような不揮発性メモリの形態のコンピュータ読み取り可能媒体を含む。システムメモリ112は、一般的に、データ107のようなデータ、および/またはオペレーティングシステム105およびノイズ補正ソフトウェア106のようなプログラムモジュールを含み、これらは、処理ユニット103に即時にアクセス可能であり、および/または該ユニットによって現在実行されている。
別の側面では、コンピュータ101は、他の取り外し可能/取り外し不可能な、揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体も含むことができる。一実施例として、図1は、コンピュータ101のための、コンピュータコード、コンピュータ読み取り可能の命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性記憶を提供することができる、大容量記憶デバイス104を例示ししている。例えば、これに限定されないが、大容量記憶デバイス104は、ハードディスク、取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光ディスク、磁気カセットまたは他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリカード、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)等とすることができる。
任意選択で、一実施例としてオペレーティングシステム105およびノイズ補正ソフトウェア106を含む、複数のプログラムモジュールを、大容量記憶デバイス104に保存することができる。オペレーティングシステム105およびノイズ補正ソフトウェア106のそれぞれ(またはそれらのいくつかの組み合わせ)は、プログラミングの要素およびノイズ補正ソフトウェア106を含むことができる。データ107は、大容量記憶デバイス104に保存することもできる。データ107は、当技術分野において既知の1つ以上のデータベースのうちのいずれかに保存することができる。そのようなデータベースの実施例は、DB2(登録商標)、Microsoft(登録商標) Access、Microsoft(登録商標) SQL Server、Oracle(登録商標)、mySQL、PostgreSQL等を含む。データベースは、集中型または複数のシステムにわたる分散型とすることができる。
別の側面では、ユーザは、コマンドおよび情報を、入力デバイス(図示せず)を介してコンピュータ101に入力することができる。このような入力デバイスの実施例は、これに限定されないが、キーボード、ポインティング装置(例、「マウス」)マイクロホン、ジョイスティック、スキャナ等を備える。これらの、および他の入力デバイスは、システムバス113に連結されたヒューマンマシンインタフェース102を介して、処理ユニット103に接続することができるが、パラレルポート、ゲームポート、IEEE1394ポート(ファイヤワイヤポートとしても知られる)、シリアルポート、または汎用シリアルバス(USB)のような、他のインタフェースおよびバス構造によって接続することができる。
さらに別の側面では、表示デバイス111も、表示アダプタ109のようなインタフェースを介して、システムバス113に接続することができる。コンピュータ101は、2つ以上の表示アダプタ109を有することができ、コンピュータ101は、2つ以上の表示デバイス111を有することができるものと考えられる。例えば、表示デバイスは、モニタ、LCD(液晶ディスプレイ)、またはプロジェクタとすることができる。表示デバイス111に加えて、他の出力周辺デバイスは、入出力インタフェース110を介してコンピュータ101に接続することができるスピーカ(図示せず)およびプリンタ(図示せず)のような構成要素を備えることができる。
コンピュータ101は、1つ以上のリモートコンピューティングデバイス114a、b、cへの論理接続を使用して、ネットワーク化された環境内で動作することができる。一実施例として、リモートコンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークコンピュータ、ピアデバイス、または他の共通ネットワークノード等とすることができる。コンピュータ101とリモートコンピューティングデバイス114a、b、cとの間の論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および一般的なワイドエリアネットワーク(WAN)を介して形成することができる。このようなネットワーク接続は、ネットワークアダプタ108を通じたものとすることができる。ネットワークアダプタ108は、有線および無線環境の両方において実装することができる。このようなネットワーク化環境は、オフィスで常用される一般的なもの、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネット115である。
説明の便宜上、アプリケーションプログラム、およびオペレーティングシステム105のような他の実行可能プログラム構成要素は、本願明細書では離散的なブロックとして例示されているが、そのようなプログラムおよび構成要素は、コンピューティングデバイス101の異なる記憶構成要素内に時々常駐し、コンピュータのデータプロセッサによって実行されるものと認識されよう。ノイズ補正ソフトウェア106の実装は、保存によって、またはいくつかの形態のコンピュータ読み取り可能媒体を通じて送信することによって行うことができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる、あらゆる利用可能な媒体とすることができる。一実施例であり、これに限定されないが、コンピュータ読み取り可能媒体は、「コンピュータ記憶媒体」および「通信媒体」を含むことができる。「コンピュータ記憶媒体」は、コンピュータ読み取り可能の命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような情報を記憶するための、あらゆる方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。例示的なコンピュータ記憶媒体は、これに限定されないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報の保存に使用することができ、かつコンピュータによってアクセスできる、他のあらゆる媒体を備える。
方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、機械学習および反復学習のような人工知能手法を用いることができる。このような手法の実施例には、これに限定されないが、エキスパートシステム、事例ベース推論、ベイジアンネットワーク、行動ベースのAI、ニューラルネットワーク、ファジーシステム、進化的計算(例、遺伝的アルゴリズム)、群知能(例、アントアルゴリズム)、およびハイブリッド知能システム(例えば、ニューラルネットワークを通じて発生するエキスパート推論規則、または統計的学習によるプロダクション規則)が挙げられる。
(II.方法)
(A.電気生理学的データの考慮事項)
提供される自動方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体へのデータ入力(すなわち、R−R間隔データ)に対して考慮すべきいくつかの考慮事項がある。これらの考慮事項は、ノイズの考慮事項、非定常性の考慮事項、およびデータ長の考慮事項を含む。
(A.電気生理学的データの考慮事項)
提供される自動方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体へのデータ入力(すなわち、R−R間隔データ)に対して考慮すべきいくつかの考慮事項がある。これらの考慮事項は、ノイズの考慮事項、非定常性の考慮事項、およびデータ長の考慮事項を含む。
(i.ノイズの考慮事項)
自動非線形解析を受ける電気生理学的データを補うには、種々のノイズの考慮事項が存在する。そのような要因には、固有の増幅器ノイズおよび固有の離散化誤差(デジタル化速度)の2つが挙げられる。
自動非線形解析を受ける電気生理学的データを補うには、種々のノイズの考慮事項が存在する。そのような要因には、固有の増幅器ノイズおよび固有の離散化誤差(デジタル化速度)の2つが挙げられる。
電気生理学的データは、通常、増幅され、また、一般的に約5μVである増幅器ノイズも増幅される。フルスケールで12ビットのデジタイザ(4112インテジャ、4000に丸める)の場合、増幅器ゲインは、フルスケールの25%(すなわち、1000インテジャ)が1μV=1インテジャとなるように設定される。すなわち、約1000μVであるR波の通常の振幅は、1000インテジャに等しい。したがって、5μVの固有ノイズは、5インテジャに等しい。このR波振幅(振幅領域)における固有ノイズは、(例えば、R−R間隔の検出中に)時間領域へも直接変換される。
R波ピークの検出では、デジタイザの時間ビンのうちの1つ(例えば、1000Hzのデジタル化速度の場合、1ビン=1ミリ秒)が、2つのR波間の時間間隔を判断するのに必要な該R波の不確定性に直接変換するものと定義される。すなわち、100Hzのデジタル化速度の場合、離散化誤差は、2/100となり、これは時間領域内の2%の誤差に相当する。1000Hzのデジタル化速度の場合、離散化誤差は、2/1000、すなわち0.2%に低減される。この誤差は、増幅器ノイズの誤差に対する添加物(2乗平均平方根)である。
提供された方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体への入力に使用されるR−R間隔データは、R−R間隔検出器を含む種々の源から得ることができる。上述の増幅器と同様に、使用したR−R間隔検出方法は、得られたR−R間隔データ内のノイズによるものとすることができる。図9は、3点移動窓ピーク検出器が有する、100Hzでデジタル化したR波のピークと、1000Hzでデジタル化した同じR波のピークとを対比したときに見出される、問題点を例示した図である。約100Hz(すなわち2%)でデジタル化したECGの離散化誤差が大きいため、それらに非線形解析を実行することは不可能である。約250Hzのデジタル化速度も、この点に関しては問題がある。表1は、256Hzでデジタル化した21のECGのうちの4つだけしか非線形値を持たなかったことを示し、それらのフィルタ処理したノイズ(ランダム化位相)代用物とは大きく異なった。これらの有意な4つは、非線形測度(PD2i)の平均値が低く、したがってデータ点をほとんど必要としないファイルに対するものである。1000Hzのデジタル化速度では、他の全ての特徴が同じであり、ファイルの100%が、フィルタ処理したノイズ代用物とは大きく異なる非線形結果を有する。
非線形解析のためのデータ品質における別の重要な考慮事項は、データが定常であるかどうかである。線形確率モデルに基づいたアルゴリズム(例、正常心拍間隔の標準偏差:SDNN、心拍のパワースペクトル、等)は、多くの非線形アルゴリズムのように、データ定常性を必要とする。しかしながら、心拍を含む、神経系の管理下にある大部分の電気生理学的データは、経時的に全く非定常である。この非定常性は、電気生理学的データが、例えば、対象のくしゃみ、急な移動等によって、対象から得られたときに生じ得る。心拍の母集団(heartbeat population)のエルゴード特性(すなわち、その平均、標準偏差、自由度、等)は変化するので、これは、生理学的な非定常性の一実施例である。
図11は、本質的に非定常であるデータの一実施例を示す図である。非定常データ(7200のデータ点)は、異なる発生器によって形成したサブエポックを連結することによって作成した。サブエポックの平均およびSDはほぼ同じであるが、自由度はわずかに異なる。正弦波(S、df=1.00)、ローレンツ(L、df=2.06)、Henon(H、df=1.46)、およびランダム(R、df=無限)。これらの試験データは、本願明細書において数回にわたって考察する。全体的なエポックは、電子式正弦波発生器(S、連続データ)、ローレンツ発生器(L、連続データ)、Henon発生器(H、マップ機能)、およびランダム白色ノイズ発生器(R、連続データ)からの連続する出力のサブエポックを一緒にリンクすることによって形成することができる。各サブエポック(それぞれ1200のデータ点)は、互いにリンクさせて、7200のデータ点の非定常ファイルを形成することができ、その振幅は、心臓病患者のより小さなR波(350インテジャ=0.35mV)に等しい。各サブエポック発生器は、ほぼ同じ振幅のダイナミックレンジ、およびほぼ同じ平均および標準偏差を有し得るが、自由度の数は異なる。本願明細書において考察する多くの非線形解析は、心拍がどのようなものであるかの代表例としても示される、このような微妙な非定常性(すなわち、自由度のわずかな変化)が、特にデータ定常性を必要とする線形または非線形アルゴリズムを解釈することが難しいことを示す。
例示的な側面では、提供された方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、低ノイズ増幅器によって記録され、約1000Hz以上でデジタル化された電気生理学的データを利用することができる。さらに、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体は、R−R間隔検出器および解析的アルゴリズムのような、データ簡単化装置を使用することができる。解析的アルゴリズムは、PD2iデータ処理ルーチンとすることができる。
(iii.データ長の考慮事項)
データ長(Ni)は、非線形解析結果を判断するのに重要となり得るため、データ長を管理する規則(Ni規則)が開発された。図21に示されるように、眠っているネコからデータをサンプリングした場合、PD2iの分布は、64,000のデータ点(4.27分)を超えてそれほど変化しない。図23(左)は、PD2iの分布が、64,000のデータ点に対するものと、128,000のデータ点に対するものとで、本質的には同じであることを示しているが、双方の曲線を明らかにするために、128,000のデータ点のヒストグラムのピークが、64,000のものよりもわずかに高いことに留意されたい。代用物も、完全に重複する。
データ長(Ni)は、非線形解析結果を判断するのに重要となり得るため、データ長を管理する規則(Ni規則)が開発された。図21に示されるように、眠っているネコからデータをサンプリングした場合、PD2iの分布は、64,000のデータ点(4.27分)を超えてそれほど変化しない。図23(左)は、PD2iの分布が、64,000のデータ点に対するものと、128,000のデータ点に対するものとで、本質的には同じであることを示しているが、双方の曲線を明らかにするために、128,000のデータ点のヒストグラムのピークが、64,000のものよりもわずかに高いことに留意されたい。代用物も、完全に重複する。
図23(右)は、データ長の増加によって、PD2iの分布が大きくなり、外観的に、より単位法線になっていることを示している。全ての場合における右側への小さな歪みは、離散化誤差によって生じたデータ内のノイズ成分によるものである。このような歪み度に対する統計的補正は、結果の解釈にはいかなる変化ももたらさないので、この統計目的の補正ステップは適正なものとされない。
ランダム化位相の代用物(SUR)のPD2iは、わずかなノイズ成分がほとんど影響を及ぼさないので、それらの外観は非常に法線的である。有意性のためのt検定には単位法線分布が必要であるため、より高いデータ点の長さは、代用物の試験におけるt検定に対しては、16,000のデータ点のサブエポックよりも有効であるが、後の方は、正規分布と統計的に異ならないので、図23(右)のような近似正規分布で十分であると考えられる。
Swinneyおよび関係者(Wolfら、1985:KostelichおよびSwinney、1989)は、位相空間内の非線形アトラクタの自由度を判断するためのデータ長の要件を考察し、Ni>10expD2という規則を導き出した。この規則は一般的に用いられるが、例えば、図13に見られる正弦、ローレンツ、および心拍アトラクタに起こるように、位相空間内に各ローブがしばしば現れるアトラクタに対してのみ有用である。EEGアトラクタは、この規則に従っているようには見えず、「完全」睡眠アトラクタ(図22左)の低平均(約2.5)の場合、PD2i値が単位法線分布を有するには約64,000のデータ点が必要となり、一方で、高次元(約3.5)である、レム睡眠のアトラクタ(図22右)の場合は、1250のデータ点しか持たない単位法線分布を有する。しかしながら、後者は、データ長に対する指数規則に従う。この明らかな相違の理由は、Ni規則は、データ定常性を必要とし、短いレム睡眠アトラクタだけが定常であり、したがって、その代用物(ランダム化位相)とは統計的に異なることである。完全睡眠アトラクタは、多数の異なる非定常サブエポックから成るため、その代用物とは異ならない。
サンプリングしているデータが、定常でノイズが無い場合、指数データ長規則であるNi規則(例、Ni>10expPD2i)は、発生したデータおよび生理学的データの両方における最小データ長を正確に判断することができる。
(B.PD2i)
PD2iは、脳神経系、自律神経系、および内在性心臓神経系にある心拍調節器の時間依存的な自由度の数を測定する。PD2iは、通常の技術者の能力の範囲内で、他の生理学的な時系列データを記録するように拡張することができる。アルゴリズムおよびその実施形態は、米国特許第5,709,214号および第5,720,294号に開示されており、どちらも参照することにより本願明細書に援用される。最大PD2iは、独立した調節器の最大数(すなわち、その変動性に寄与する脳神経系、自律神経系、および心臓神経系の数)を示し、最小PD2iは、それらの中に存在する時間依存的協同の極値を示す。1.4未満の最小PD2iは、不整脈による死亡の危険性を示す(Skinner、Pratt、およびVybiral、1993)。心拍の最大PD2iの減少は、初期のアルツハイマー病を示すが、これは、開示されており(米国特許出願第60/445、495号(係属中))、また痴呆症および失神患者に対する結果を示す図28によって本願明細書で確認されている。図28は、心拍のPD2iを、痴呆症(アルツハイマー病)および失神の場合の定義に使用したことを示している。
PD2iは、脳神経系、自律神経系、および内在性心臓神経系にある心拍調節器の時間依存的な自由度の数を測定する。PD2iは、通常の技術者の能力の範囲内で、他の生理学的な時系列データを記録するように拡張することができる。アルゴリズムおよびその実施形態は、米国特許第5,709,214号および第5,720,294号に開示されており、どちらも参照することにより本願明細書に援用される。最大PD2iは、独立した調節器の最大数(すなわち、その変動性に寄与する脳神経系、自律神経系、および心臓神経系の数)を示し、最小PD2iは、それらの中に存在する時間依存的協同の極値を示す。1.4未満の最小PD2iは、不整脈による死亡の危険性を示す(Skinner、Pratt、およびVybiral、1993)。心拍の最大PD2iの減少は、初期のアルツハイマー病を示すが、これは、開示されており(米国特許出願第60/445、495号(係属中))、また痴呆症および失神患者に対する結果を示す図28によって本願明細書で確認されている。図28は、心拍のPD2iを、痴呆症(アルツハイマー病)および失神の場合の定義に使用したことを示している。
(i.PD2iの計算)
米国特許第5,709,214号および第5,720,294号に以前開示されたように、PD2iの計算およびそのパラメータの選択は、図29−31に説明されているように計算される。図29は、最初に、2つのデータ点のサンプルによって形成されたベクトルから、どのようにPD2iが計算されるのかを示している。図30は、(Niが無限大に近づくときの極限における)PD2iのための数学モデルに従ってこれらのベクトル差長から形成した相関積分が、大きなデータ長に対して、およびより現実的な有限データ長に対してどのように見えるのかを示している。相関積分は、M=1〜M=12の埋め込み次元のそれぞれで形成された、順序付けしたベクトル差長(VDL)のlogC対logRのプロットである。図30はまた、より限られたデータ長のフロッピテイル(FT)(左下)の真上にある、有限の小さなlogRの傾斜(傾斜1)の直線性を判断するための直線性基準(Linearity Criterion:LC)も示しており、FTは、離散化誤差によって生じる。また、埋め込み次元が増加したときの傾斜の変化の不足を測定する、収束基準(Convergence Criterion:CC)も示されている(右下、水平の棒)。
米国特許第5,709,214号および第5,720,294号に以前開示されたように、PD2iの計算およびそのパラメータの選択は、図29−31に説明されているように計算される。図29は、最初に、2つのデータ点のサンプルによって形成されたベクトルから、どのようにPD2iが計算されるのかを示している。図30は、(Niが無限大に近づくときの極限における)PD2iのための数学モデルに従ってこれらのベクトル差長から形成した相関積分が、大きなデータ長に対して、およびより現実的な有限データ長に対してどのように見えるのかを示している。相関積分は、M=1〜M=12の埋め込み次元のそれぞれで形成された、順序付けしたベクトル差長(VDL)のlogC対logRのプロットである。図30はまた、より限られたデータ長のフロッピテイル(FT)(左下)の真上にある、有限の小さなlogRの傾斜(傾斜1)の直線性を判断するための直線性基準(Linearity Criterion:LC)も示しており、FTは、離散化誤差によって生じる。また、埋め込み次元が増加したときの傾斜の変化の不足を測定する、収束基準(Convergence Criterion:CC)も示されている(右下、水平の棒)。
PD2i解析に対して十分に機能するパラメータは、実際的かつ合成した較正データのために経験的に観測されたものである。LC=0.30は、有限デジタル化速度と組み合わせた有限データ長による、不安定なフロッピテイルを明らかにする。第1の線形傾斜のセグメントは、プロット長(PL=0.15)によって15%に制限され、最小傾斜長は、フロッピテイルの上のlog−logプロット内の少なくとも10のデータ点(10点最小基準)である。収束基準(CC=0.4)は、傾斜対埋め込み次元(M)が、各PDi2値を定義する収束傾斜値となるように収束することを必要とする。これらのパラメータ要件を満たすPD2i値だけが、許容PD2iである。図31は、パラメータτがどのように選択され、何故、τ=1が心拍データのために選択されたのかを示している。
図29は、データ長(Ni)の生理学的な時系列(RR、EEG、等)のPD2iの計算を例示している。図29A:全てのi値およびj値を増分させた、データ(i,j)の短い対を成すサンプルを、多次元ベクトルの座標として使用する。図29B:三次元のベクトル(M=3)に対して示された、得られたベクトル(i、j)を計算し、次いでその差を計算する(VDLij)。図29C:PD2iのための数学モデルは、Cは、Ni(データ長)が無限に近づいたときのベキ指数PD2iに対するRとしてスケールし、Cは、ランク順のVDLの累積カウントであり、Rは、VDLが計数される範囲であり、例えば、小さいR(R=1)の場合は、小さいVDLだけが計数され、大きい範囲(R=6)の場合は、VDLの全てが計数される。各ランク内の数は、通常、R値が小さい場合に大きくなることに留意されたい。
図30は、logC対logRプロットの収束および制限された傾斜としての、PD2iの計算を例示している。左上:logC対logRのプロットを、M=1からM=12まで、多次元ベクトルのそれぞれに対して形成したものである。M=12は、12のデータ点が、12の次元のiベクトルまたはjベクトルの結果を形成する座標として使用されたことを意味する。右上:次いで、次元(M)ごとに小さいlogRプロットの線形部分の傾斜を形成したものである。Mが9を超えると、傾斜はそれ以上増加しない(すなわち、収束する)ことに留意されたい。左下:有限データの場合、不安定であり、直線性基準によって検出しなければならないフロッピテイルが存在する。次いで、FTの真上の線形部分の傾斜(傾斜セグメント1)が測定される(パラメータは、プロット全体の最初の15%に制限される)。その最小長さは、10のデータ点である。それ以外の場合は、有効なPD2iであるとして拒否される。右下:収束基準に従って、制限された傾斜のプロットがMに対してプロットされ、より高いMに対する収束性(水平線)が見出される。PD2iアルゴリズムの基準は、τ=1、すなわち、連続したデータ点を座標として使用する。LC=0.3、すなわち、傾斜の第2の導関数は、その平均の+15%または−15%を超えて変化することがでず、CC=0.4、すなわち、M=9〜12のSDは、その平均の+20%または−20%を超えて変化することができない。PL=0.15、すなわち、計算される傾斜は、FTから、各プロット、M=1〜M=12におけるデータ点の総数の15%までである。Niは、ベキ指数PD2iに対して10を超えなければならない(すなわち、PD2i=0.0〜3.0を正確に計算する)。右下に示されるように、Niには、すなわち、解析されている生理学的なデータ内には少なくとも10exp3の(すなわち、1000を超える)データ点が存在しなければならない。
PD2iは、εPD2iがD2の推定値であるという点でD2とは異なり、ここで、εは、全てのjベクトルと比較されて相関積分のVDLを形成する、基準ベクトルの位置iによる誤差である。この誤差項(ε)は、アトラクタ内のiベクトルの全ての位置に対して、ゼロの平均を有する。これは、iの位置がアトラクタを通じて繰り返しループするときに、図25Aに示された既知の数学的起源の有限データにおいて、平均PD2iが、わずか4%の誤差で、経験的に極限となるD2に接近することを意味する。
図31は、VDLを形成するための座標としてijベクトルに使用されるものを飛ばして選択したデータ点の数である、τを判断する2つの方法を示している。τ=1は、データのijサンプル内の連続する点が、ijベクトルを形成するための座標として選択されたことを意味する。τ=2は、他の全てのデータ点を使用する、等を意味する。収束傾斜を見出すために、同じτを全ての埋め込み次元M=1〜M=12に対して使用しなければならない。
図31の上段の図は、ローレンツデータに関して描画した、2組の点#1および#2を示している。左側の#1および#2は、τ=1を有する時間(データ点)で分離され、右側の#1および#2は、τ=10によって分離される。左側の#1および#2が右側の#1および#2と同じであった場合、左側の#2の点は、データ内の上方へのスパイクを過ぎたところにあり、#1とほぼ同じ値(すなわち、y軸上)に位置する。したがって、全データ系列内に見出された次元数に対する高周波数の寄与を解消するように、点は、左側にあるように、互いに接近していなければならない。
中段の図は、自己相関関数を示し、全データファイルを通過する2つの点の相関係数は、そのτに対してプロットされる。τがゼロのときに、点#1および#2は、それらがデータを通過するときに常に重なり合うので、自己相関関数のプロットは、常に、相関係数=1.0から始まる。自己相関関数内に第1のゼロ交差が見出されたとき、これは、点#1および#2が、完全に無相関であること、すなわち、2つの点が、検索値まで増分的にデータを通って相関係数を計算することを意味する。相関係数が負(マイナス)のとき、それらの点は、種々の程度で、最大−1まで負に相関する(完全に負に相関する)。上段の図に示されたローレンツデータの場合、自己相関関数プロット内の第1のゼロ相関係数は、τ=25のときである。しかし、このτの選択は、上段の図に示されたデータのより高い周波数の寄与を解消しない。
τを選択する別の方法では、図31の下段の図に示されるように、最初にデータファイルのパワースペクトルを形成する。より高い周波数の構成要素が信号(およびPD2i)への寄与を止めたとき、これは極めて小さいτである(下記参照)が、より高いおよびより低い周波数を解消するものであることを暗示する。ローレンツデータの場合、このカットオフは、τ=1である。ピークパワーは、τ=25を暗示する。すなわち、パワーピークの周波数の4分の1サイクル(ナイキスト周波数)がτ=25であり、100のデータ点が、この周波数でのフーリエ変換の低周波正弦波にあることを暗示する。示されたカットオフでのフーリエ変換の周波数内に4つのデータ点が存在し、τ=1である。全ての周波数構成要素は、相対パワーがどのようなものであっても、自由度(すなわち、次元で表されるPD2i)の測定に対して等しく寄与する。
限定された数の有限データ長の場合は、低周波数および高周波数の両方に対するアトラクタの次元の非線形検出を可能にするので、常に小さいτを使用することがより適切である。上段の図に示されたデータでは、τ=1は、左側の高周波数スパイク、および右側の低周波数(平坦な)セグメントの両方の次元的な寄与を検出するが、τ=10または25は、後者だけを検出する。τ=1は、図13に示された正弦、ローレンツ、および心拍データのためのアトラクタを明らかにすることに留意されたい。したがって、τ=1は、その次元がPD2iによって計算されるアトラクタを最適に表示することができるので、心拍解析のために選択することができる。
PD2iアルゴリズムとD2iアルゴリズムとを区別する特徴は、不安定なフロッピテイルの上にある、初期傾斜が−1の線形スケーリング領域の長さを制限することである。これは、非定常データ(図25A)のPD2iアルゴリズムの正確度を提供する。同じ種のデータから形成されたijベクトルの差だけが、非常に小さいベクトル差長(VDL)を作成する。iベクトルおよびjベクトルがそれぞれ異なる種にあるデータ(図11および25Aに示された非定常データにあるような、一方が正弦データで、他方がローレンツデータ)であるVDLは、iサンプルおよびjサンプルがどちらも同じ種にあるときに形成されたものよりも大きくなる傾向がある。これは、どちらも数学的に真であり、相関積分でVDLを形成および観察することによって経験的に支持される。
プロット長への15%の制限が、フロッピテイルの上の最低10の点で、既知の非定常データ(4%の誤差、図25A)、およびその転帰が既知である生理学的なデータ(図17)の両方に十分に機能することは、経験的に判断されている。小さい振幅のノイズがデータ内にあっても、この制限は十分に機能する。例えば、ノイズは、小さいVDLを形成し、したがって、フロッピテイル、PD2iである傾斜の上のlogC対logRの線形スケーリング領域の最初の部分を汚染する。この傾斜に対するノイズ関連の寄与は、アトラクタから導出された小さいlogR値の傾斜に対する添加物となり、したがって、平均PD2iをわずかに増加させるか、またはブーストする。しかし、この少量のノイズは、アルゴリズム的に対処することができる。
PD2iアルゴリズムに組み込まれた計算手法は、非常に小さい傾斜をゼロに設定するものであるが、該傾斜は、変動のあるあらゆる信号によってではなく、完全にノイズによって生じる可能性がある。傾斜を0.5未満〜0.0に設定することで、±5インテジャ(ミリ秒)のPD2iアルゴリズムのノイズ耐量レベルが提供され、PD2i値を大幅に増加させることなく(図25B)、±5インテジャのランダムノイズをより大きな振幅データに加えることができる。
ブーストした平均PD2iに対処する別の手法は、本願明細書において説明したノイズ考慮アルゴリズム(NCA)および推移帯アルゴリズム(TZA)(図2および8A−C)を使用することである。
(ii.PD2iおよびノイズ)
本願明細書において説明したように、ノイズは、生理学的な源(例、心房細動または高不整脈速度)、R−R検出器の誤差(T波と混同された小さいR波)、機器の破損(アーチファクトを生成する導線の破損)、または不十分なデータ収集手法(例えば、患者に適切に指示、または行動的に環境を制御できなかった)によって、R−R間隔データに入り込む可能性がある。また、ノイズは、生理学的な源(例、ノンレム睡眠が、その代用物と異ならない)、不十分な機器(例、適切な帯域通過またはデジタル化速度で記録できない)、または不十分なデータ収集手法(周囲雑音、制御環境の欠如)によっても、EEG間隔データに入り込む可能性がある。全てのこれらのノイズの源は、許容PD2iの%Nによって判定される、PD2iアルゴリズムのノイズ耐量レベルの範囲内に保持するように処理しなければならず、そうでなければ、そのノイズ成分により、演繹的基準に関する研究からデータを除外しなければならない。NCA、TZA、および外れ値の除去は、全てが、そうしなければ研究から除外される、少量の不可避のノイズに対処するためのノイズ低減アルゴリズムである。NCAは、米国特許出願第10/353,849号に開示されており、参照することにより本願明細書に援用される。TZAは、本願明細書に開示される。
本願明細書において説明したように、ノイズは、生理学的な源(例、心房細動または高不整脈速度)、R−R検出器の誤差(T波と混同された小さいR波)、機器の破損(アーチファクトを生成する導線の破損)、または不十分なデータ収集手法(例えば、患者に適切に指示、または行動的に環境を制御できなかった)によって、R−R間隔データに入り込む可能性がある。また、ノイズは、生理学的な源(例、ノンレム睡眠が、その代用物と異ならない)、不十分な機器(例、適切な帯域通過またはデジタル化速度で記録できない)、または不十分なデータ収集手法(周囲雑音、制御環境の欠如)によっても、EEG間隔データに入り込む可能性がある。全てのこれらのノイズの源は、許容PD2iの%Nによって判定される、PD2iアルゴリズムのノイズ耐量レベルの範囲内に保持するように処理しなければならず、そうでなければ、そのノイズ成分により、演繹的基準に関する研究からデータを除外しなければならない。NCA、TZA、および外れ値の除去は、全てが、そうしなければ研究から除外される、少量の不可避のノイズに対処するためのノイズ低減アルゴリズムである。NCAは、米国特許出願第10/353,849号に開示されており、参照することにより本願明細書に援用される。TZAは、本願明細書に開示される。
(a.%N)
電気生理学的データに適用して、電気生理学的データ内のノイズが、非線形アルゴリズムによる疑似計算をもたらさないようにする方法は、データがフィルタ処理したランダムノイズと同じであるという帰無仮説の(すなわち、ランダム化位相の代用物試験による)試験である。同じ解析的アルゴリズムを両方のデータ型に使用した、実験結果のデータがそれらの代用物と統計的に異なる場合、帰無仮説は拒否される、すなわち、データはフィルタ処理されたノイズではない。図26および27は、ノイズの無いローレンツデータに系統的にノイズを加えることで、%N(全てのPD2iに対する許容PD2iの比率)が低減され、データの平均PD2iが代用物の平均PD2iに向かうことを示している。%Nが30を超えたときに、ノイズはPD2iスコアの分布を変化させないが、%Nが30未満では変化させる。これは、30を超える%Nを、適切にサンプリングしたデータの基準とすべきである、という数学的根拠を構成する。データがNi規則を満たすことができなかった(Niが10expPD2iを超えた)場合、これがノイズとして現れ、したがって、%Nによる拒否が生じる。340のER患者のデータベースでは、平均PD2iが5.25(500,000のR−R間隔が必要であり、記録には125時間かかる)を超えた場合は、25%の%Nが許容可能であり、平均PD2iが5.75を超えた場合は、20%の%Nが許容可能であることが経験的に観察された。すなわち、これらのファイルにはいかなる低次元のPD2iも存在しないが、高平均PD2iおよび不適当なNiによって許容できなかったので、それらは全て真陰性のデータファイルであることが見出されるように、%Nを調整できるようにしなければならない。一実施例として、%Nのパラメータは、いかなるPD2iも1.6未満ではないときに、平均PD2iが5.0、5.25、または5.75を超えたときを除いて、%Nを30未満とすることができ、それぞれ許容可能なものとして、29%を超える%N、25%を超える%N、および20%を超える%Nを示す。少量のノイズは、それでも、線形解析のための追加的なアルゴリズム的処理を必要とするデータを残す場合がある。
電気生理学的データに適用して、電気生理学的データ内のノイズが、非線形アルゴリズムによる疑似計算をもたらさないようにする方法は、データがフィルタ処理したランダムノイズと同じであるという帰無仮説の(すなわち、ランダム化位相の代用物試験による)試験である。同じ解析的アルゴリズムを両方のデータ型に使用した、実験結果のデータがそれらの代用物と統計的に異なる場合、帰無仮説は拒否される、すなわち、データはフィルタ処理されたノイズではない。図26および27は、ノイズの無いローレンツデータに系統的にノイズを加えることで、%N(全てのPD2iに対する許容PD2iの比率)が低減され、データの平均PD2iが代用物の平均PD2iに向かうことを示している。%Nが30を超えたときに、ノイズはPD2iスコアの分布を変化させないが、%Nが30未満では変化させる。これは、30を超える%Nを、適切にサンプリングしたデータの基準とすべきである、という数学的根拠を構成する。データがNi規則を満たすことができなかった(Niが10expPD2iを超えた)場合、これがノイズとして現れ、したがって、%Nによる拒否が生じる。340のER患者のデータベースでは、平均PD2iが5.25(500,000のR−R間隔が必要であり、記録には125時間かかる)を超えた場合は、25%の%Nが許容可能であり、平均PD2iが5.75を超えた場合は、20%の%Nが許容可能であることが経験的に観察された。すなわち、これらのファイルにはいかなる低次元のPD2iも存在しないが、高平均PD2iおよび不適当なNiによって許容できなかったので、それらは全て真陰性のデータファイルであることが見出されるように、%Nを調整できるようにしなければならない。一実施例として、%Nのパラメータは、いかなるPD2iも1.6未満ではないときに、平均PD2iが5.0、5.25、または5.75を超えたときを除いて、%Nを30未満とすることができ、それぞれ許容可能なものとして、29%を超える%N、25%を超える%N、および20%を超える%Nを示す。少量のノイズは、それでも、線形解析のための追加的なアルゴリズム的処理を必要とするデータを残す場合がある。
可能な全PD2i(%N)に対する許容PD2iの数の比率は、データ内のノイズの量と非線形に相関する。PD2iが拒否される理由は、相関積分に対する基準を満たすことができないことである。図26は、ローレンツデータ(1200のデータ点)の%ノイズ成分に対する%N許容PD2iの非線形関係を示している。ノイズ(ランダム)は、ノイズの無いデータに系統的に加えられる。%Nの値が30%以上である場合、ノイズ成分は、平均PD2i(上方の水平線)を変化させない。%Nの値が19%を下回っている場合、データのノイズ成分が大きすぎるため、データのPD2i分布がフィルタ処理されたノイズのもの(すなわち、ランダム化位相の代用物)と同じであるという帰無仮説を拒否することができない。
図27は、図26と同じ影響を示すが、PD2i分布に対するノイズ成分(LOR+%ノイズ)および%Nを示している。1%のノイズを加えてもPD2i分布を全く変化させない(LOR+0%およびLOR+1%が完全に重なり合う)ので、30という%Nは許容可能と考えられる。しかし、2%のノイズを加えると、PD2i分布全体が0.5自由度、右に移動し、左側の端部に最も低い値を含む。さらにノイズを加える(4%)と、その代用物とはわずかに統計的に有意に異なるが、幅が広がり、ピークが平均とは異なり、その代用物の方へさらに移動した分布となる。
したがって、30%を超える%Nは、最も低い値を含み、分布がそのランダム化位相の代用物の分布と統計的に有意に異なるかどうかに関わらず、PD2i分布の安定性の測度とすることができる。
(b.外れ値(非定常アーチファクト)の除去)
偏差閾値(例、標準偏差が3)よりも大きい値が存在する、データ系列内の外れ値の除去は一般的に行われていることであり、これらの外れ値は、非定常イベント(すなわちノイズ)であると考えられる。外れ値を除去する代わりに、それらを補間する(線形スプライン、または「スプライン化する」)ことで、時系列の相関を保持する。図18に示されるように、相関積分(D2、D2i、PD2i)を使用した非線形解析では、データ内のこれらの特異点は、通常、直線性および収束基準(本願明細書において考察する)によって拒否されるが、多数存在する場合は、相関積分内にスケーリングが生じる可能性があり、疑似値を生成する。図18は、生理学的なデータ(R−R間隔)がアーチファクト(不整脈、動きアーチファクト)を含むときの非線形結果(PD2i)を示している。アーチファクトは、R−R間隔トレース内に見られる大きなスパイクである(左上)。対応するPD2iのスコアを、4つの図うちの左下に示す。R−R間隔対PD2iのプロットを右上に示し、PD2iヒストグラムを4つの図うちの右下に示す。基準ベクトルを汚染する動きアーチファクトまたは不整脈(大きいスパイク)を有するPD2iは、全てではなく一部が拒否される。
偏差閾値(例、標準偏差が3)よりも大きい値が存在する、データ系列内の外れ値の除去は一般的に行われていることであり、これらの外れ値は、非定常イベント(すなわちノイズ)であると考えられる。外れ値を除去する代わりに、それらを補間する(線形スプライン、または「スプライン化する」)ことで、時系列の相関を保持する。図18に示されるように、相関積分(D2、D2i、PD2i)を使用した非線形解析では、データ内のこれらの特異点は、通常、直線性および収束基準(本願明細書において考察する)によって拒否されるが、多数存在する場合は、相関積分内にスケーリングが生じる可能性があり、疑似値を生成する。図18は、生理学的なデータ(R−R間隔)がアーチファクト(不整脈、動きアーチファクト)を含むときの非線形結果(PD2i)を示している。アーチファクトは、R−R間隔トレース内に見られる大きなスパイクである(左上)。対応するPD2iのスコアを、4つの図うちの左下に示す。R−R間隔対PD2iのプロットを右上に示し、PD2iヒストグラムを4つの図うちの右下に示す。基準ベクトルを汚染する動きアーチファクトまたは不整脈(大きいスパイク)を有するPD2iは、全てではなく一部が拒否される。
図19に示されるように、アーチファクトが補間スプライン(線形補間)によって除去される場合は、低PD2i値が取り除かれる。外れ値は、1つの点だけ時間的に後方に、および1つの点だけ時間的に前方に到達する線形スプラインでそれらを上書きすることによって修正することができる(すなわち、i−2値およびi+2値を使用して線形補間値を構成し、i−1〜i+1を上書きする)。図19は、図18のものと同じデータファイルおよび結果であるが、アーチファクトを上書きする線形スプラインによってそれらを除去したものを例示している。特に擬似的にPD2iスコアを生成するデータが、本願明細書において考察されるTZA閾値を下回っている場合、このようなアーチファクトは、相対的な重要度を考慮すべきであり、また、心拍データからルーチン的に除去すべきである。
(c.NCAおよびNCA基準)
例示的な側面によれば、NCA(ノイズ考慮アルゴリズム)は、高倍率(例えば、y軸が40インテジャのフルスケール、x軸が20心拍のフルスケール)での低レベルノイズを検査し、また、そのノイズが所定範囲の外側にあるかどうか、例えば、そのノイズのダイナミックレンジが∀5インテジャを超えているかどうかを判断する。そうならば、ノイズは、ノイズを∀5インテジャの範囲内に戻す数でデータ系列を除算することによって、データ系列から除去される。例えば、データ系列を2で除算して、ノイズビットを除去することができる。
例示的な側面によれば、NCA(ノイズ考慮アルゴリズム)は、高倍率(例えば、y軸が40インテジャのフルスケール、x軸が20心拍のフルスケール)での低レベルノイズを検査し、また、そのノイズが所定範囲の外側にあるかどうか、例えば、そのノイズのダイナミックレンジが∀5インテジャを超えているかどうかを判断する。そうならば、ノイズは、ノイズを∀5インテジャの範囲内に戻す数でデータ系列を除算することによって、データ系列から除去される。例えば、データ系列を2で除算して、ノイズビットを除去することができる。
M=12未満の埋め込み次元で計算された、相関積分の線形スケーリング領域は、低レベルノイズ(例、∀5インテジャのダイナミックレンジを有する)で形成したときに、0.5未満の傾斜を有するので、低レベルノイズと真の小さい傾斜データとを区別することは不可能である。好都合に、0.5未満の傾斜は、生物学的データにはほとんど見られないので、0.5以下(相関積分にて観察)〜ゼロのあらゆる傾斜をアルゴリズム的に設定することで、これらの小さい自然の傾斜を検出しないようになり、また、低レベルノイズのPD2i値への寄与も取り除く。それがこの「アルゴリズム的現象」であり、これは、実験的データを説明し、また、ノイズの無いデータに加えたときの、−5〜5の間隔内でのノイズ効果の不足を補う。しかしながら、わずかに大きい振幅のノイズは、非線形アルゴリズムによって生じると予想されるノイズ効果を示す。
図12(ローレンツデータ)および14(R−Rデータ)に示されるように、ノイズビットを除去することで、ノイズを半分に減らし、したがって、傾斜値は、それらがブーストされる前の状態に戻る(すなわち、現在、ノイズは、ノイズ耐量レベル未満である)。しかし、PD2iアルゴリズムが、場合によっては重要となり得る生理学的なデータから小さいlogR値を見過ごしてしまう可能性があるので、全てのデータファイルごとにこれを行うことは賢明ではない。換言すれば、データからノイズビットを除去する前に、ファイルがノイズを含んでいると推測するためのいくつかの理由がなければならない。
ノイズは、通常、信号成分の割合として定量化される。ノイズのフィルタ処理は、信号の一部もフィルタ処理してしまい、非線形解析では、潜在的に擬似的な結果をもたらし得る。ビットを除去する(例えば、信号の振幅を2で除算する)ことで、信号内のノイズも半分だけ減じられる。図12は、ビットを除去することが、非線形測度の平均または分布、PD2iを大きく変化させないことを示している。点相関次元(PD2i)によるローレンツデータの非線形測度の分布に対する、「ノイズ」ビットの除去(RNB)の効果が示される。ローレンツデータの振幅を半分だけ低減することは、元の変化させていない信号と比較して、その分布を大きく変化させない。これに対して、2ビットの除去(振幅を4で除算する)は、中央での分布を拡大することによって分布を変化させる。2ビットの除去は、ヒストグラムの中央部分を平坦化し、端部を拡大することによって、分布を変化させる。これは、除去する信号が多すぎるので不要である。R−Rデータ(図14)から単一ビットを除去しても、最小のPD2iを含む、より小さいPD2i値にはいかなる影響も及ぼさない。
NCAは、以下の項に定義されるように、「ほぼ陽性」のPD2i(すなわち、セパラトリクスの近くに低次元のエクスカーション(excursion)がある最小のPD2iを有する陰性のもの)の場合に実行することができる。ノイズビットを除去しても、大きいR−R間隔変動を有する明らかに陰性のファイルには、いかなる影響も及ぼさない。すでに陽性のPD2iの場合は、それらをさらに陽性にするだけなので、ノイズビットの除去は不要である。
ほぼ陽性のR−R間隔データ内のブーストしたノイズ成分の判定に使用することができるNCA基準の実施例には、これに限定されないが、1)R−R間隔データが、心拍変動性がほとんど無く、幾分「平坦」である(すなわち、少なくとも1つのセグメントの400の連続するR−R間隔のSDが、17ミリ秒未満である)こと、2)平均PD2iが、5.0〜6.0の通常の正規平均を下回る(すなわち、平均PD2iが4.9未満である)こと、3)15分のデータサンプルにおいて少なくとも1回、R−R間隔が低い値になり、高心拍数を示す(すなわち5つのR−R間隔が、720ミリ秒未満である)こと、および4)実際に、データ内に少量のノイズが存在する(すなわち、20のR−R間隔の移動窓のうちの50%超が、±5を超えるSDを有する)こと、が挙げられる。
(d.TZAおよびTZA基準)
生理学的なデータの非線形測度が連続スケールに関し、セパラトリクスの上下の解析的転帰を層化する(例えば、不整脈による死亡の危険性を予測する)のに使用される場合、推移帯アルゴリズム(TZA)には、転帰をより適切に2つの層に分割することが必要となる場合がある。非定常イベントを表す、結果(例、PD2iスコア)内の過渡的な生理学的変化の場合、試験データセット内の実際の転帰(例、不整脈による死亡イベント、または不整脈による死亡が無い)によって、TZA閾値を調節することができる。この試験−再試験の調節は、最初に1つのデータセット内のTZA閾値の位置を判断し、次いで、以降のデータセットにTZA閾値を使用することができる。この方法による問題は、PD2iの過渡的な低次元のエクスカーションが、試験または再試験のいずれかに生じる場合があり、無限に薄いセパラトリクスに接近し得るが、データ内の少量のノイズによって非線形スコアがわずかに上昇するので、該セパラトリクスに到達できないことである。したがって、ノイズ補正因子が必要である。
生理学的なデータの非線形測度が連続スケールに関し、セパラトリクスの上下の解析的転帰を層化する(例えば、不整脈による死亡の危険性を予測する)のに使用される場合、推移帯アルゴリズム(TZA)には、転帰をより適切に2つの層に分割することが必要となる場合がある。非定常イベントを表す、結果(例、PD2iスコア)内の過渡的な生理学的変化の場合、試験データセット内の実際の転帰(例、不整脈による死亡イベント、または不整脈による死亡が無い)によって、TZA閾値を調節することができる。この試験−再試験の調節は、最初に1つのデータセット内のTZA閾値の位置を判断し、次いで、以降のデータセットにTZA閾値を使用することができる。この方法による問題は、PD2iの過渡的な低次元のエクスカーションが、試験または再試験のいずれかに生じる場合があり、無限に薄いセパラトリクスに接近し得るが、データ内の少量のノイズによって非線形スコアがわずかに上昇するので、該セパラトリクスに到達できないことである。したがって、ノイズ補正因子が必要である。
図16は、セパラトリクスの真上にある推移帯(水平線、左下)に、PD2iの複数の低次元のエクスカーションのある対象の一実施例を示している。セパラトリクスは、例えば1.4とすることができる。推移帯は、1.4〜1.6とすることができる。演繹的セパラトリクスを1.40に設定したときには、1.4〜1.6の推移帯内に複数のPD2iスコアが存在する。図16内の対象のスコアは、ノイズ成分によってわずかに上昇する場合がある。スコアが推移帯内にあると判断されると、そのスコアは、少数の次元だけ下げて、少量のノイズによって生じた少量の上昇を補償することができる。次元の数は、例えば、0.2とすることができる。
ERに存在する320人の心臓病患者の研究では、1.4〜1.6の推移帯内にPD2iがある20の対象が存在し、ここでは、1.4が、以前の研究において判断した演繹的なセパラトリクスであった。これらのうち、3つが、不整脈による死亡(AD)の転帰を有し、真陽性(TP)であり、16が、非ADを有し、真陰性(TN)であり、1つが、非ADを有し、偽陽性(FP)であった。問題は、PD2iスコアが、演繹的なセパラトリクスの真上の小さい推移帯にあるときに、17の非ADから3つのADをどのようにして分離するのかということである。
320人の患者の全てのPD2iスコアの全てを検査した場合、ADは、スコアが3.0未満の多数のPD2iを持ち、非ADは持たないことが非常に明らかになろう。この効果を図17に示すが、ADを非ADの対照と比較すると、ADのそれぞれは、急性心筋梗塞を起こしたが、1年間のフォローアップ期間中に明らかなADは現れなかった。図17の上部には、フォローアップの1年以内に、定義された突然の不整脈イベント(AD)で死亡した18人の患者からのR−RおよびPD2iデータが示されており、その大半が30日以内に死亡した。図17の下部には、それぞれが、確認された急性心筋梗塞(AMI)を有し、少なくともフォローアップの1年間は生存した18人の対照からの上部と同様のデータが示されている。これらの転帰の結果は、単に、3.0を下回るPD2i値を計数して、統計的に有意な結果を見出すことができることを示唆している。実際に、これを行ったときの、帰納的な感度および特異性は、それぞれ100%(p<0.001)のときである。しかし、本図の上半分における個々の患者のセルには、多くの過渡的な低次元のエクスカーションがあることに留意されたい。また、非ADの患者の場合は、0〜3.0の帯域に向かって傾斜する、比較的少ない数の単一の点があることにも留意されたい。
別の考慮事項は、PD2iの数を10〜15分間のECGの記録(確率的測度)を通じて使用した場合に、この期間中のデータ定常性を推定しなければならず、低次元のPD2iのエクスカーションの傾斜(dipping)が、非定常イベントを示す(すなわち、自由度が変化している)ため、事実と異なることである。したがって、最小の低次元のエクスカーションは、実際的および数学的理由から、PD2iの非線形測度の基準である。
小さいノイズ成分により全てがわずかに増加し得る、推移帯における過渡的な低次元のPD2iスコアのジレンマを解消するために、PD2i集団の独立した確率的測度を、それらの全てのノイズ成分を評価し、次いで過渡的なPD2iスコアを調節するための基準として使用することが許容される。
3.0未満の許容PD2iの35%の閾値を組み込み、本願明細書において考察するノイズ考慮アルゴリズムに依存しない、推移帯アルゴリズム(TZA)をノイズ補正因子として使用したとき、ノイズビットを除去するかどうか分からないが、推移帯内の全ての最小PD2iスコアが、ADの適切なPD2i予測に入り込む。これは、ノンパラメトリック統計(二項確率、p<0.001)を使用した、極めて統計的に有意なブレイクアウトである。したがって、このような帰納的なノイズ補正因子は、データが少量のノイズを含むときに共通して使用することができる。
つまり、TZA基準には、これに限定されないが、1)推移帯内に少なくとも1つのPD2i値がなければならない(PD2iは、1.4を超えるが1.6以下である)こと、2)平均PD2iを著しく減じなければならない(3.0未満の許容PD2iの35%未満である)こと、が挙げられる。これらの基準が満たされた場合、PD2i値を0.2の次元だけ低減することができる。
(III.例示的な側面)
(A.一般的な側面)
図37に例示された一側面では、不整脈による死亡のような生物学的転帰をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連する少量の不可避のノイズを補償する自動化方法が提供され、該方法は、ステップ3701で、関連間隔データを有する、R−R間隔のような複数の間隔を定義するステップであって、各間隔は、電気生理学的データの第1の部分に対応する、ECGまたはEEGトレースのようなトレースの連続部分間の持続時間に対応するステップと、ステップ3702で、次元データを生成するように、PD2iのような、データ処理ルーチンを使用して複数の間隔を解析するステップと、ステップ3703で、次元データが第1の閾値未満であるときに、間隔データから、外れ値のような、少なくとも1つの極値を除去するステップとを含む。第1の閾値は、約1.4とすることができる。少なくとも1つの極値を除去することで、精緻化次元データを生成することができる。該方法は、ステップ3704で、許容可能な次元データを生成するように、PD2iのような、データ処理ルーチンを使用して精緻化次元データを解析するステップと、ステップ3705で、許容可能な次元データが、第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップとをさらに含むことができる。第2の閾値は、約1.4とすることができる。適格条件は、許容または精緻化次元データの%Nが、第3の閾値を上回っているときとすることができる。第3の閾値は、約30パーセントとすることができる。適格条件は、%N>30%として表すことができ、ここで、%Nは、許容されたPD2iの割合である。
(A.一般的な側面)
図37に例示された一側面では、不整脈による死亡のような生物学的転帰をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連する少量の不可避のノイズを補償する自動化方法が提供され、該方法は、ステップ3701で、関連間隔データを有する、R−R間隔のような複数の間隔を定義するステップであって、各間隔は、電気生理学的データの第1の部分に対応する、ECGまたはEEGトレースのようなトレースの連続部分間の持続時間に対応するステップと、ステップ3702で、次元データを生成するように、PD2iのような、データ処理ルーチンを使用して複数の間隔を解析するステップと、ステップ3703で、次元データが第1の閾値未満であるときに、間隔データから、外れ値のような、少なくとも1つの極値を除去するステップとを含む。第1の閾値は、約1.4とすることができる。少なくとも1つの極値を除去することで、精緻化次元データを生成することができる。該方法は、ステップ3704で、許容可能な次元データを生成するように、PD2iのような、データ処理ルーチンを使用して精緻化次元データを解析するステップと、ステップ3705で、許容可能な次元データが、第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップとをさらに含むことができる。第2の閾値は、約1.4とすることができる。適格条件は、許容または精緻化次元データの%Nが、第3の閾値を上回っているときとすることができる。第3の閾値は、約30パーセントとすることができる。適格条件は、%N>30%として表すことができ、ここで、%Nは、許容されたPD2iの割合である。
少なくとも1つの極値を除去するステップは、複数の間隔内の範囲外間隔を識別するステップであって、範囲外間隔は、偏差閾値の外にあるステップと、範囲外間隔に対する線形スプラインを定義するステップと、範囲外間隔を線形スプラインで上書きするステップとを含むことができる。偏差閾値は、例えば、標準偏差が3とすることができる。
該方法は、ノイズ補正アルゴリズムをさらに備えることができる。ノイズ補正アルゴリズムは、例えば、NCA、TZA等とすることができる。
該方法は、電気生理学的データが、脳波データまたは心電図データのいずれかであるかどうか判断するステップをさらに含むことができる。電気生理学的データがEEGデータである場合、該方法は、EEGデータアルゴリズムをさらに備えることができる。EEGデータアルゴリズムは、直線性基準を選択するステップと、プロット長を選択するステップと、τを選択するステップと、収束基準を選択するステップと、直線性基準、プロット長、τ、および収束基準を選択するステップに応じて、許容PD2i値を定義するステップとを含むことができる。
図38に例示された別の側面では、不整脈による死亡のような、生物学的転帰をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連する少量のノイズを低減または補償する自動化方法が提供され、該方法は、ステップ3801で、電気生理学的データからR−R間隔を形成するステップと、ステップ3802で、R−R間隔から許容PD2i値を定義するステップと、ステップ3803で、許容PD2i値が第1の閾値未満であるかどうかを判断するステップとを含む。第1の閾値は、約1.4とすることができる。該方法は、ステップ3804で、許容PD2i値が第1の閾値未満であるときに、R−R間隔の外れ値を除去するステップと、ステップ3805で、R−R間隔の外れ値を除去するステップに応じて、精緻化許容PD2iを定義するステップと、ステップ3806で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っているかどうかを判断するステップと、ステップ3807で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回り、かつ第1の適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップとをさらに含むことができる。第2の閾値は、約1.4とすることができる。第1の適格条件は、第5の閾値を上回っている、許容または精緻化次元データの%Nとすることができる。第5の閾値は、約30パーセントとすることができる。
該方法は、電気生理学的データを脳波データとして分類するステップをさらに含むことができる。
該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、推移帯内にあるかどうかを判断するステップをさらに含むことができる。該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っていないと判断されたときに、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っているかどうかを判断することによって、これを達成することができる。第3の閾値は、約1.6とすることができる。該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っていないと判断されたときに、推移帯補正(TZA)を適用し、それによって、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値が、推移帯内にあるかどうかを判断するステップをさらに含むことができる。
推移帯補正を適用するステップは、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、TZA基準を満たすかどうかを判断するステップをさらに含むことができる。該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第1の適格条件を上回っているかどうかを判断することによって、これを達成することができる。第1の適格条件は、第5の閾値を上回る、許容または精緻化次元データの%Nとすることができる。第5の閾値は、約30パーセントとすることができる。該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかに対する第2の適格条件が、第4の閾値未満であるかどうかを判断するステップをさらに含むことができる。第2の適格条件は、許容または精緻化PD2i値の割合を約3未満とすることができる。第4の閾値は、約35パーセントとすることができる。該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかから補正値を減算するステップと、補正値を減算するステップに応じて、不整脈による死亡を予測するステップとをさらに含む。補正値は、例えば0.2とすることができる。
該方法は、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っていると判断されたときに、ノイズ成分(NCA)補正を適用するステップをさらに含むことができる。
図39に例示された別の側面では、不整脈による死亡のような、生物学的転帰をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減する自動化方法が提供され、該方法は、ステップ3901で、ECG/EKGまたはEEGデータ型のような、電気生理学的データを第1のデータ型と関連付けるステップと、ステップ3902で、電気生理学的データからR−R間隔を形成するステップと、ステップ3903で、R−R間隔から許容PD2i値を定義するステップと、ステップ3904で、許容PD2i値が第1の閾値未満であるかどうかを判断するステップと、ステップ3905で、許容PD2i値が第1の閾値未満であるときに、外れ値を除去するステップとを含む。第1の閾値は、約1.4とすることができる。ステップ3906で、外れ値を除去するステップに応じて、精緻化許容PD2i値を定義するステップと、ステップ3907で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っているかどうかを判断するステップと、ステップ3908で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップとをさらに含むことができる。第2の閾値は、約1.4とすることができ、適格条件は、許容または精緻化次元データの%Nが、第4の閾値を上回っているときとすることができる。第4の閾値は、約30パーセントとすることができる。
該方法は、ステップ3909で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っていないと判断されたときに、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っているかどうかを判断するステップと、ステップ3910で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っていると判断されたときに、推移帯補正を適用するステップと、ステップ3911で、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を下回っていると判断されたときに、ノイズ成分補正を適用するステップとをさらに含むことができる。第3の閾値は、約1.6とすることができる。
推移帯補正を適用するステップは、許容PD2i値または精緻化許容PD2i値のいずれかから補正値を減算するステップと、補正値を減算するステップに応じて、不整脈による死亡を予測するステップとを含むことができる。補正値は、例えば0.2とすることができる。
ノイズ成分補正を適用するステップは、R−R間隔の所定数の標準偏差を超える外れ値を除去するステップを含むことができる。所定数の標準偏差は、3とすることができる。ノイズ成分補正は、R−R間隔が所定数のNCA基準を満たすかどうかを判断するステップと、所定数のNCA基準が満たされる場合に、各R−R間隔からノイズビットを除去するステップと、R−R間隔から許容PD2i値を再定義するステップと、再定義されたPD2i値に応じて前記不整脈による死亡を予測するステップとをさらに含むことができる。ノイズビットを除去するステップは、R−R間隔の振幅を2で除算するステップを含むことができる。ノイズ成分の判定に使用することができるNCA基準の実施例には、これに限定されないが、1)R−R間隔データが、心拍変動性がほとんど無く、幾分「平坦」である(すなわち、少なくとも1つのセグメントの400の連続するR−R間隔のSDが、17ミリ秒未満である)こと、2)平均PD2iが、5.0〜6.0の通常の正規平均を下回る(すなわち、平均PD2iが4.9未満である)こと、3)15分のデータサンプルにおいて少なくとも1回、R−R間隔が低い値になり、高心拍数を示す(すなわち5つのR−R間隔が、720ミリ秒未満である)こと、および4)実際に、データ内に少量のノイズが存在する(すなわち、20のR−R間隔の移動窓のうちの50%超が、±5を超えるSDを有する)こと、が挙げられる。
(B.詳細な側面)
図2は、本方法の別の側面を例示している。方法は、ステップ210から始まる。ステップ210で、方法は、電気生理学的データ、例えばEEGまたはECGデータを受信する。ステップ210に続いて、ステップ215が行われる。ステップ215で、電気生理学的データの型が識別される。ステップ210に続いて、決定ステップ220が行われる。ステップ220において、方法は、データがECGデータであるかどうかを判断する。データがECGデータではないと判断された場合、方法は、ステップ225へ進み、EEGデータアルゴリズムを行うが、その一実施例を図3に詳述し、本願明細書において説明する。方法がEEGデータアルゴリズムを実行した後に、方法は、ステップ250へ進む。決定ステップ220で、データがECGデータであると判断された場合、方法は、ステップ230へ進み、R−R間隔を形成する。ステップ230に続いて、ステップ235が行われる。ステップ235で、許容PD2iアルゴリズムが実行されるが、その一実施例を図4に詳述し、本願明細書において説明する。方法は、次いで、決定ステップ240へ進み、PD2i値が1.4以下であるかどうかを判断する。PD2i値が1.4以下でなかった場合、方法は、ステップ275へ進む。PD2i値が1.4以下であった場合、方法は、ステップ245へ進み、外れ値除去アルゴリズムを実行するが、その一実施例を図5に詳述し、本願明細書において説明する。
図2は、本方法の別の側面を例示している。方法は、ステップ210から始まる。ステップ210で、方法は、電気生理学的データ、例えばEEGまたはECGデータを受信する。ステップ210に続いて、ステップ215が行われる。ステップ215で、電気生理学的データの型が識別される。ステップ210に続いて、決定ステップ220が行われる。ステップ220において、方法は、データがECGデータであるかどうかを判断する。データがECGデータではないと判断された場合、方法は、ステップ225へ進み、EEGデータアルゴリズムを行うが、その一実施例を図3に詳述し、本願明細書において説明する。方法がEEGデータアルゴリズムを実行した後に、方法は、ステップ250へ進む。決定ステップ220で、データがECGデータであると判断された場合、方法は、ステップ230へ進み、R−R間隔を形成する。ステップ230に続いて、ステップ235が行われる。ステップ235で、許容PD2iアルゴリズムが実行されるが、その一実施例を図4に詳述し、本願明細書において説明する。方法は、次いで、決定ステップ240へ進み、PD2i値が1.4以下であるかどうかを判断する。PD2i値が1.4以下でなかった場合、方法は、ステップ275へ進む。PD2i値が1.4以下であった場合、方法は、ステップ245へ進み、外れ値除去アルゴリズムを実行するが、その一実施例を図5に詳述し、本願明細書において説明する。
外れ値除去アルゴリズムを実行した後に、方法は、ステップ250へ進み、許容PD2iアルゴリズムを実行する。方法は、次いで、決定ステップ255へ進む。決定ステップ255で、PD2i値が1.4以下であるかどうかを判断する。PD2i値が1.4以下であった場合、方法、は決定ステップ260へ進む。決定ステップ260で、許容PD2iの%Nが30%を超えているかどうかを判断する。許容PD2iの%Nが30%を超えていなかった場合、方法は、ステップ265へ進み、低%Nのために拒否するように指定する。しかしながら、決定ステップ260で、許容PD2iの%Nが30%を超えている場合、方法は、ステップ270へ進み、陽性のPD2i試験として指定する。方法は、その後に終了する。
決定ステップ255に戻り、PD2i値が1.4以下でなかった場合、方法は、決定ステップ275へ進む。決定ステップ275で、許容PD2i値が1.6を超えているかどうかを判断する。許容PD2i値が1.6を超えている場合、方法は、ステップ280へ進み、陽性のPD2i試験の指定、陰性のPD2i試験の指定、または低%NまたはNi規則違反の結果として拒否された試験の指定が、適正であるかどうかを判断するように、NCAノイズ補正アルゴリズムを行うが、その一実施例を図6AおよびBに詳述し、本願明細書において説明する。方法は、NCAノイズ補正アルゴリズムを実行した後に終了する。
決定ステップ275に戻り、許容PD2i値が1.6を超えていないかどうかを判断する。方法は、ステップ285へ進み、陽性のPD2i試験の指定、陰性のPD2i試験の指定、または低%Nの結果として拒否された試験の指定が、適正であるかどうかを判断するように、TZAノイズ補正アルゴリズムを行うが、その一実施例を図7に詳述し、本願明細書において説明する。方法は、TZAノイズ補正アルゴリズムを実行した後に終了する。
図3は、例示的なEEGデータアルゴリズムを示している。アルゴリズムは、データがフィルタ処理されるステップ305から始まる。ステップ305に続いて、ステップ310が行われる。ステップ310で、線形性基準が選択される。ステップ310に続いて、ステップ315が行われる。ステップ315で、プロット長が選択される。ステップ315に続いて、ステップ320が行われる。ステップ320で、τが選択される。ステップ320に続いて、ステップ325が行われる。ステップで、325の収束基準が選択される。ステップ325に続いて、ステップ330が行われる。ステップ330で、許容PD2iアルゴリズムが実行されるが、その一実施例を図4に詳述し、本願明細書において説明する。ステップ330を実行した後に、EEGデータアルゴリズムが終了する。
図4を参照すると、本図は、例示的なPD2iサブルーチン225を示すフローチャートであり、ステップ410から始まる。ステップ410で、PD2iサブルーチン225は、電気生理学的データを受信する。これは、別個のステップとして示されているが、このデータは対象から受信したインジケータ信号に対応する。ステップ410に続いて、ステップ415が行われる。ステップ415で、PD2iサブルーチン225は、ベクトル差長を計算する。より具体的には、PD2iサブルーチン225は、ベクトル差長を計算し、それらの絶対値を見出し、次いでそれらの順序付けを行う。単一のベクトル差長は、データ系列内の、点iに固定されたままの基準ベクトルと、他の全ての可能なベクトルjのうちのいずれか1つとの間に形成されるが、i=jのときは除かれ、その場合、ゼロの値は無視される。各ベクトルは、埋め込み次元mと呼ばれる多次元空間内でプロットすることによって形成される。この次元の座標は、mの値によって定義され、この値は、実際には、「ガンマ」データ系列内の各データ点において、τを考慮した、連続するデータ点の数である。すなわち、ガンマ強化データの短いセグメントを使用し、座標を形成して、m次元ベクトルを形成する。例えば、3つのデータ点は、三次元ベクトル(m=3)を形成し、12のデータ点は12次元ベクトル(m=12)を形成する。基準ベクトルを計算した後に、データ点i、およびjベクトル(形成することができる他のあらゆるベクトルのうちの1つ)から始まり、次いで、ベクトル差が計算され、その絶対値がアレイ内に保存される。次いで、全てのj−ベクトルが、単一の固定iベクトルに関して形成される。次いで、点iが増分され、再び全てのi−jベクトル差長が再び判断される。次いで、mが増分され、全てのi−jベクトル差長が再び計算される。本質的に、これらのステップは、PD2iサブルーチン225がどのようにステップ420を完了するのかを例示したものである。
ステップ420の後に、ステップ425が続く。このステップで、PD2iサブルーチン225は、固定基準ベクトルが位置する、埋め込み次元(例、ガンマ強化データ系列内のm個の点i)ごとに相関積分を計算する。これらの相関積分は、概して、スケーリング間隔に基づいて、特定の時点での自由度を示す。ステップ425に続いて、ステップ430が行われ、ここでは、PD2iサブルーチン225が、ステップ425で判断された相関積分を使用する。次いで、このサブルーチンは、デジタイザの速度に由来する誤差によって生じた不安定領域の上にある、相関積分の最初の小端部に対するスケーリング領域を制限する。より具体的には、このサブルーチンは、プロット長基準に基づいて、相関積分のスケーリング領域を定義する。この基準は、本質的に、データの非定常性に対する感度が低いという特性によって、相関積分の小さいlogR端へのスケーリングを制限する。
ステップ430の後に、決定ステップ435が行われる。このステップで、PD2iサブルーチン225は、直線性基準を満たすかどうかを判断する。直線性基準は、本質的に直線であるスケーリング領域を形成し、フロッピテイルを含む領域を排除する。直線性基準が満たされる場合、「はい」分岐は、ステップ435からステップ440へ進む。ステップ440で、PD2iサブルーチン225は、最小スケーリング基準を満たすかどうかを判断するが、これは、本質的に、領域内に好適な数のデータ点が存在することを意味する。最小スケーリング基準が満たされない場合、PD2iサブルーチン225は、分岐「いいえ」に従い、ステップ435からステップ445へ進む。また、直線性基準が満たされない場合は、ステップ440に続いて、ステップ445が行われる。ステップ445で、PD2iサブルーチン225は、平均、傾斜、および標準偏差を、−1として保存する。
最小スケーリング基準が満たされるとき、「はい」分岐は、ステップ440からステップ450へ進む。ステップ450で、PD2iサブルーチン225は、収束埋め込み次元に対する相関積分のスケーリング領域の平均傾斜および偏差を保存する。すなわち、値は、mを増加させても、時間iにおいて、関連点に対するスケーリング領域の傾斜を変化させない場合の傾斜に対するものである。
ステップ455は、ステップ445と、ステップ470および475の両方とに続く。ステップ445で、PD2iサブルーチン225は、iまたはmのいずれかの増分を有する、次のPD2iの点を選択する。ステップ455の後に、決定ステップ460が行われる。このステップで、PD2iサブルーチン225は、全てのPD2i点およびmが選択されたかどうかを判断する。選択されていない値が残っていれば、「いいえ」分岐に従い、ステップ460からステップ415へ進むが、これは、本質的に、各mにおいて全てのiが計算されるまで、サブルーチン225を繰り返す。ステップ460で、全てが選択されたと判断された場合、PD2iサブルーチン225は終了する。
決定ステップ465に戻り、PD2iサブルーチン225は、収束基準を満たすかどうかを判断する。本質的に、この基準は、収束PD2i傾斜値を解析し、それらが所定量よりも収束しているかどうかを判断する。収束基準が満たされる場合、ステップ465に続いて、ステップ470が行われる(すなわち、「はい」分岐に従う)。このステップで、PD2iサブルーチン225は、「許容する(Accepted)」と表示する。収束基準が満たされないと判断された場合、「いいえ」分岐に従い、ステップ465からステップ475へ進み、ステップ445へ分岐する。ステップ475で、PD2iサブルーチン225は、「許容せず(Not Accepted)」と表示する。換言すれば、「許容せず」は、PD2iが、ノイズのようないくつかの理由で無効とされ、ステップ445で−1という値を保存することを示す。
図5は、例示的な外れ値除去アルゴリズムを示している。アルゴリズムは、ステップ510から始まり、アルゴリズムは、偏差閾値の外にある第1のR−R間隔を識別する。このR−R間隔は、外れ値である。偏差閾値は、例えば、標準偏差が3とすることができる。ステップ510に続いて、ステップ515が行われる。ステップ515で、外れ値のための線形スプラインが定義される。ステップ515に続いて、ステップ520が行われる。ステップ520で、外れ値は、スプラインによって上書きされる。ステップ520に続いて、ステップ525が行われる。ステップ525で、アルゴリズムは、次の外れ値に増分させる。ステップ525に続いて、ステップ530が行われる。決定ステップ530で、ファイルの終わりに到達したかどうかが判断され、すなわち、iとNiが等しいかどうかが判断され、ここで、iは、ファイル内の現在の位置であり、Niは、そのファイル内のデータ点の数である。iとNiが等しくないと判断された場合、アルゴリズムは、ステップ510へ戻る。ステップ525で、iとNiが等しいと判断された場合、アルゴリズムは終了する。
図6AおよびBは、例示的なNCAノイズ補正アルゴリズムを示している。アルゴリズムは、決定ステップ605から始まり、400の連続するRRiのSDが10ミリ秒を超えているかどうかを判断する。400の連続するRRiのSDが10ミリ秒以下と判断された場合、アルゴリズムは、本願明細書において説明する、決定ステップ615へ進む。決定ステップ605で、400の連続するRRiのSDが10ミリ秒を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ610へ進む。決定ステップ610で、平均PD2iが、5.0〜6.0の通常の標準平均(usual normal mean)を下回っているかどうかを判断する。その判断は、平均PD2iが4.9未満である場合に行うことができる。平均PD2iが4.9以上であると判断された場合、アルゴリズムは、本願明細書において説明する、決定ステップ625へ進む。
しかしながら、決定ステップ610で、平均PD2iが4.9未満であると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ615へ進む。決定ステップ615では、RRiが、15分のデータサンプルにおいて少なくとも1回、高心拍数を示す低い値になっているかどうかを判断することができる。その判断は、5つ以上のR−R間隔が720ミリ秒未満である場合に行うことができる。5つ未満のRRiが720ミリ秒未満である場合、アルゴリズムは、本願明細書において説明する、決定ステップ625へ進む。しかしながら、5つ以上のRRiが720ミリ秒未満であることが決定ステップ615において決定された場合、アルゴリズムは、決定ステップ620へ進む。決定ステップ620では、R−R間隔データが、心拍変動性がほとんど無く、幾分「平坦」であるかどうかを判断する。その判断は、少なくとも1つのセグメントの、400の連続するRRiのSDが17ミリ秒未満と判断された場合に行うことができる。少なくとも1つのセグメントの、400の連続するRRiのSDが17ミリ秒未満ではないと判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ625へ進む。決定ステップ625では、許容PD2iの%Nが30%を超えているかどうかを判断することができる。決定ステップ625で、許容PD2iの%Nが30%を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、図6Bに詳述され、本願明細書において説明する、決定ステップ680へ進む。しかしながら、ステップ625で、許容PD2iの%Nが30%を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、ステップ640へ進む。
決定ステップ620へ戻り、少なくとも1つのセグメントの、400の連続したR−R間隔のSDが17ミリ秒未満であると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ635へ進む。決定ステップ635では、データ内に少量のノイズがあるかどうかを判断することができる。その判断は、20のR−R間隔の移動窓のうちの50%超が、±5を超えるSDを有する場合に行うことができる。20のR−R間隔の移動窓のうちの50%超が、±5を超えるSDを持たない場合、アルゴリズムは、本願明細書において説明する、決定ステップ650へ進む。しかしながら、ステップ635で、20のR−R間隔の移動窓のうちの50%超が、±5を超えるSDを有する場合、アルゴリズムは、決定ステップ640へ進む。ステップ640で、ノイズビットを除去することができる。
ステップ645に続いて、ステップ640が行われる。ステップ645で、許容PD2iアルゴリズムを実行することができ、その一実施例を図4に詳述し、上述した。決定ステップ650に続いて、ステップ645が行われる。決定ステップ650では、許容PD2iの%Nが30%を超えているかどうかを判断することができる。
許容PD2iの%Nが30%を超えていないと判断された場合、アルゴリズムは、図6Bに詳述され、本願明細書において説明する、決定ステップ680へ進む。決定ステップ625で、許容PD2iの%Nが30%を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ670へ進む。決定ステップ670では、最小許容PD2iが1.4未満であるかどうかを判断することができる。最小許容PD2iが1.4未満であると判断された場合、アルゴリズムは、ステップ675へ進み、陽性のPD2i試験を指定する。決定ステップ670で、最小許容PD2iが1.4未満ではないと判断された場合、アルゴリズムは、ステップ630へ進み、陰性のPD2i試験を指定する。
図6Bの決定ステップ680を参照すると、決定は、平均PD2iが5.75を超える場合に行うことができる。平均PD2iが5.75を超えていないと判断された場合、アルゴリズムは、本願明細書において説明する、決定ステップ684へ進む。決定ステップ680で、平均PD2iが5.75を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ681へ進む。決定ステップ681では、許容PD2iの%Nが15%を超えているかどうかを判断することができる。許容PD2iの%Nが15%を超えていない場合、アルゴリズムは、ステップ682へ進み、低%Nに対する試験を拒否して終了する。決定ステップ681で、許容PD2iの%Nが15%を超えている場合、アルゴリズムは、ステップ683へ進み、Ni規則違反を宣言する。アルゴリズムは、次いで、ステップ689へ進み、陰性のPD2i試験を指定する。アルゴリズムは、ステップ689の後に終了する。
決定ステップ684に戻り、ここでは、平均PD2iが5.25を超えているかどうかを判断することができる。平均PD2iが5.25を超えていないと判断された場合、アルゴリズムは、本願明細書において説明する、決定ステップ687へ進む。決定ステップ684で、平均PD2iが5.25を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ685へ進む。決定ステップ685では、許容PD2iの%Nが20%を超えているかどうかを判断することができる。許容PD2iの%Nが20%を超えていない場合、アルゴリズムは、ステップ686へ進み、低%Nに対する試験を拒否して終了する。決定ステップ685で、許容PD2iの%Nが20%を超えている場合、アルゴリズムは、ステップ683へ進み、Ni規則違反を宣言する。アルゴリズムは、ステップ683の後に終了する。
決定ステップ687に戻り、ここでは、平均PD2iが5.0を超えているかどうかを判断することができる。平均PD2iが5.0を超えていないと判断された場合、アルゴリズムは、ステップ688へ進み、陰性のPD2i試験を宣言して終了する。決定ステップ687で、平均PD2iが5.0を超えていると判断された場合、アルゴリズムは、決定ステップ689へ進む。決定ステップ689では、許容PD2iの%Nが29%を超えているかどうかを判断することができる。許容PD2iの%Nが29%を超えていない場合、アルゴリズムは、ステップ690へ進み、低%Nに対する試験を拒否する。決定ステップ689で、許容PD2iの%Nが29%を超えている場合、アルゴリズムは、ステップ683へ進み、Ni規則違反を宣言する。アルゴリズムは、ステップ683の後に終了する。
図7は、例示的なTZAノイズ補正アルゴリズムを示している。TZAアルゴリズムは、決定ステップ705から始まり、ここでは、許容PD2iの%Nが30%を超えているかどうかを判断することができる。許容PD2iの%Nが30%を超えていない場合、アルゴリズムは、ステップ710へ進み、その試験を、低%Nに対して拒否されたものと指定して終了する。決定ステップ705で、許容PD2iの%Nが30%を超えている場合、アルゴリズムは、決定ステップ715へ進む。決定ステップ715では、許容PD2iの割合が3.0以下であるかどうかを判断することができ、該割合は、例えば、35、45、55、65、75等とすることができる。決定ステップ715では、35%を超える許容PD2iが3.0以下であるかどうかを判断することができる。35%を超える許容PD2iが3.0以下ではない場合、アルゴリズムはステップ720へ進み、陰性のPD2i試験を指定して終了する。決定ステップ715で、35%を超える許容PD2iが3.0以下である場合、アルゴリズムは、ステップ730へ進み、陽性のPD2i試験を指定して終了する。
別の側面では、図8Aおよび8Bに記載された自動ソフトウェアは、本願明細書において説明する、種々のノイズ処理アルゴリズムおよびパラメータに関連して、相関積分の収束傾斜の制限されたスケーリング間隔として、PD2iを判断するための計算方法を使用する。
図8Aは、第1のECGデータが、3点移動窓オペレータを使用してR−R間隔(RRi)に変換されて、連続するR波ピーク(1つの極大値)を識別する様子を示している。次いで、許容PD2iが計算される。許容PD2iとは、プロット長の範囲内で生じる、直線性基準、収束基準、および10点最小基準を満たし、許容PD2iとなるPD2i値である。全てのPD2iに対する許容PD2iの割合は、%Nとして計算される。次いで、許容PD2iの最小PD2iは、a)1.6を超える、b)1.6以下かつ1.4超、またはc)1.4以下(PD2iの選択範囲)の3つの間隔のうちの1つにあることが見出される。
許容PD2iの最小PD2iが間隔c内にある場合、RRiが外れ値に対して検査され、標準偏差(SD)が3の平均RRiを超える外れ値が、1.4以下ではない(はい)第1のPD2iを中心とする±12のデータ点間隔の範囲内に見出された場合、全ての外れ値は、点iにおいて検出された外れ値に中心を持つi−2〜i+2のRRiの線形補間スプラインでそれぞれ上書きすることによって除去される。外れ値が除去された場合、このルーチンが再び実行されないように、フラグを設定することができる。次いで、最小PD2iは、間隔a、b、cが再計算および再試験される。最小PD2iが間隔c内に残っている場合は、次いで、その%Nが検査される。%Nが30%を超えている場合、陽性のPD2iが表示される。外れ値が除去されてPD2iの再計算が生じた場合、そのファイルは、%Nが30%以下を充足しない場合、拒否される(PD2i試験を拒否する)。
図8Bは、図8Aに記載された直接経路が選択されなかった場合に選択される、TZAおよびNCAの経路を示している。NCA経路が選択された(間隔a)場合、SDが3のRRiを超える外れ値は除去される。これが2回目に起こらないように、フラグを設定することができる。外れ値が除去された後に、RRiは、NCAの4つの基準に対して検査される。全てが満たされる(はい)場合、ノイズビットが各RRiから除去される。この動作が1回だけ生じるように、フラグを設定することができる。次いで、PD2iが再び計算され、許容PD2iが識別される。%Nが30%を超えている場合、PD2iは、範囲a、b、およびcが再び検査され、選択された範囲は、範囲がc)(PD2iが1.4以下)である場合、試験が陽性であると宣言してプログラムは終了する。範囲がa)(PD2iが1.6超)である場合、試験は陰性を宣言して終了する。範囲がb)(PD2iが1.6以下かつ1.4超)である場合、NCA試験はTZA試験に移行され、ラッチスイッチが位置#2(*)へ移動される。ラッチスイッチは、終了時にリセットすることができる。
TZA経路では、最初に、3.0未満の許容PD2iの%が見出され、それらが35%を超えている場合(はい)、全てのPD2iから0.2次元が減算され、試験が陽性であると宣言して終了する。TZA基準が満たされていない場合(いいえ)、TZAは陰性であり、ラッチスイッチの#2を通じてPD2i試験が陰性であると宣言して終了する。
初期の範囲選択が、a)(PD2iが1.6以下かつ1.4を超える)であった場合、同じ3.0未満の許容PD2iの%が検査され、満たしている場合(はい)、試験は陽性である。基準が満たされていない場合、試験は、ラッチスイッチの#1位置を通じてNCAに転送されるが、それでも最小PD2iが推移帯内にあるために、NCAからTZA試験へ再び戻ることが生じた場合は、ラッチスイッチが位置#2へ移動し、ループを連続させないようにして、試験が陰性であると宣言する。ラッチスイッチは、終了時に#1にリセットすることができる。
(iv.実施例)
以下の実施例は、当業者に、本願明細書に請求された化合物、組成物、製品、装置、および/または方法が、どのように行われて評価されるのかを提供するものであるが、単に例示を目的としたものであり、範囲を制限することを意図したものではない。数(例、量、閾値、等)に関する正確さを確保するよう取り組んでいるが、若干の誤差および偏差を考慮すべきである。
以下の実施例は、当業者に、本願明細書に請求された化合物、組成物、製品、装置、および/または方法が、どのように行われて評価されるのかを提供するものであるが、単に例示を目的としたものであり、範囲を制限することを意図したものではない。数(例、量、閾値、等)に関する正確さを確保するよう取り組んでいるが、若干の誤差および偏差を考慮すべきである。
(A.大きなデータベースに対する手動解析と自動解析との心拍PD2i結果の比較)
同じ多数の患者ファイル(340人のER患者、SBIRに対するパイロットデータ、JE Skinner、PI、第1組の結果を計算した後に分かった転帰を有する)を使用した、2つの異なる方法によるブラインド計算を比較したところ、結果の77%が同じであった。2つの手法は、同じものを手動解析したもの、および自動解析したものであるが、ブラインド化および符号化ECGファイルである。21の不整脈による死亡(AD)の事例の全ては、両方の方法に対して同一である(第2組の試験中に、1つの追加ADが見出されたことに留意されたい)。残りのものに関して、最初のものから、自動ソフトウェアを使用したものへの結果の変化を下記の表2に示す。
同じ多数の患者ファイル(340人のER患者、SBIRに対するパイロットデータ、JE Skinner、PI、第1組の結果を計算した後に分かった転帰を有する)を使用した、2つの異なる方法によるブラインド計算を比較したところ、結果の77%が同じであった。2つの手法は、同じものを手動解析したもの、および自動解析したものであるが、ブラインド化および符号化ECGファイルである。21の不整脈による死亡(AD)の事例の全ては、両方の方法に対して同一である(第2組の試験中に、1つの追加ADが見出されたことに留意されたい)。残りのものに関して、最初のものから、自動ソフトウェアを使用したものへの結果の変化を下記の表2に示す。
データベースの結果において29の%Nが真陰性へ変更された原因は、自動化バージョンが、拒否されたファイルに高平均PD2iがあり、したがって、Ni規則(Niが10expPD2i未満)に違反したために、%N規則(%Nが30未満)に違反したものと認識したことにある。すなわち、自動化ソフトウェアは、両方の規則を適用し、ファイルが、十分なデータがあり、したがって許容可能な%N値を有することを示した。さらに5つの%N除去ファイルが、陽性(偽陽性)となった。それらは、実際に30を超える%Nを有した。23の偽陽性が真陰性転帰へ変更された理由は、自動化中に生じた外れ値がより適切に除去されたことにあり、残りの外れ値によって生じた低PD2iに対する相関積分スケーリングを除去した。
PD2i計算の自動化によって、ノイズ処理アルゴリズム(%N、NCA、TZA、外れ値の除去、およびNi規則)のより安定した適用がもたらされ、したがって、対象の大きなデータベースに対する拒否率および偽陽性率が低減される。
(B.心拍のPD2i:神経調節は、心室細動の基礎を成す機構における最終的なリンクである)
本願明細書の本文は図32を参照し、該図は、「心臓疾患」および「脳疾患」の両方に、心室細動(VF)の動的不安定性を生じさせる必要があることを示している。例えば、特異的な部位(点)での心臓の除神経または脳閉塞の後に、冠状動脈閉塞は、VFをもたらさない。しかしながら、通常、VFは、ある種の心筋虚血に関連して生じる(Skinner、1987による総説を参照されたい)。
本願明細書の本文は図32を参照し、該図は、「心臓疾患」および「脳疾患」の両方に、心室細動(VF)の動的不安定性を生じさせる必要があることを示している。例えば、特異的な部位(点)での心臓の除神経または脳閉塞の後に、冠状動脈閉塞は、VFをもたらさない。しかしながら、通常、VFは、ある種の心筋虚血に関連して生じる(Skinner、1987による総説を参照されたい)。
心臓疾患からANDゲートへの入力が、脳の中枢(点)を通じてループする、遠心性入力(Eff?)なのか、求心性入力(Aff?)なのかはまだ分かっていない。しかしながら、脳の中枢(点)の直接の電気刺激によって、正常な心臓にVFが生じ得る(Skinner、1985;1987を参照されたい)ことは、特筆に値する。
直線(HRV)モデルは、変力性および変時性が、心拍を調節する2つの変数であるという単純な定理に基づいている。QT間隔は、心臓の変力性(収縮強度)の逆測度であることが知られており、また、RR−QTは、心臓の変時性(心拍数)の逆測度であることが知られている。したがって、その記述は、各RRi間隔が、QTiサブエポックおよびRRi−QTiサブエポックを有することを意味し、モデルにおいて、サブエポックが、直線グリッド(市松模様)内に配置され、それらの合計は、RRiに等しい。すなわち、図32(左)では、平面円盤内のQTおよびRR−QTは、次の平面円盤がその上に現れるRR長を決定する。これは、容易な演算である。
心拍変動性(HRV)の従来の測度は、RRiの変動性に基づいたものであり、動物(Skinnerら、1991)および患者(回顧的には、Skinner、Pratt、Vybiral、1993;潜在的には、Skinnerら、2005)における経験的結果に従って、後の虚血誘導性VF(不整脈による死亡、AD)を予測する。一方の二次元平面内の各点が他方の平面内に同等の点を有し、どちらも直線的である場合、QTおよびRR−QTが直線グリッドを定義するのか、または1/QTおよび1/RR−QTがそれを定義するのかは重要ではない。
直線モデルは、変力性および変時性が、RRiを制御する2つの変数である(すなわち、二次元である)ことを示しているが、その3つの軸に関しては、非直線(Winfree)モデル(図32、右)に極めて類似している。Winfreeによって表された(1983、1987)非直線モデルは、時間の次元(拍動待ち時間またはRRi)が「崩れ」、したがって、別の独立した変数であるため、三次元のモデルである。
Winfreeのモデルは、励起媒質内のナトリウム、カリウムおよび塩化物の膜コンダクタンスのための、非線形のGoldman、Hodgkin、Huxley方程式のコンピュータシミュレーションに基づいており、励起媒質への電流のR−on−T型の注入が、しばしば頻脈および/またはVFをもたらすことを最初に示した、Mines(1914)の影響を受けている。拍動待ち時間(beat latency)(時間)は、必ずしも刺激強度および連結間隔によって完全に決定されるとは限らないが、通常はそうである。Winfreeの3つ変数は、1)注入した刺激強度、2)連結間隔、すなわち、電流が注入される心臓サイクルにおける時間、および3)次の拍動までの待ち時間(時間)である。彼のコンピュータシュミレーショングラフは、連結間隔および刺激強度の二次元の平面上にプロットされた、待ち時間の等時線を表すパイ状の色を明らかにした。
図32は、「脳疾患」および「心臓疾患」の両方が、どちらかのモデルに関しても致命的な心室細動(VF)に至る、動的不安定性の判断に影響を及ぼすと考えられることを示している。RRiを生成する(R1、R2、R3...)、直線モデルおよび非線形モデル(右)が示されている。直線(HRV)モデルは、VFがどのように生じるのかを説明していないが、非直線(Winfree)モデルは、それを説明している。後者では、刺激強度および連結間隔プロット(円盤、QT対RR−QTプロットに類似)を通じた拍動待ち時間の軌跡(連結された点)が、危険領域(特異点および/またはそのすぐ周辺)に到達すると、次いで、数学的に(すなわち、励起性に対するGHK方程式を介して)ロータ(回転螺旋波)を起動する。この起動は、R−on−T現象と同様であるが、T波の同じ位相での励起媒質への電流の注入は、必ずしもVFを起こすとは限らない。励起媒質の不反応性が神経系によって短くなり、ロータの波面を形成させる、1つの最後のリンクが存在する。
図32(右)では、パイ状の等時線(すなわち、色)における電流の注入が、等時線が一緒になり、臨界点、すなわち彼が名付けた「特異点」(危険領域)の周辺で密に螺旋状になることを除いて、その上の円盤における待ち時間を決定している。特異点への電流の注入は、Minesの実験にあるように、VFに非常に類似した回転螺旋波(ロータ)をもたらした。すなわち、そのモデルが、数学的に(すなわち、非線形GHK方程式によって)VFをもたらした。Winfreeは、単一の回転ループではないが、全て同じ源極の波面(wavefront of depolarization)を有する同心円状のループで満たされたものであるので、これを数学的螺旋波と呼んだ。Winfreeの解釈は、突然の心臓性の死亡が、位相的(数学的)な問題である、というものである(Winfree、1983)。
段階的ループの循環を有するこのような数学的ロータは、実際の心筋における実際の生理学的なVFに見られる(Gray、Pertsov、およびJalife、1988)。興味深いことに、ロータの外側ループは、Gordon Moeおよび関係者によって、あまり高性能ではないコンピュータを使用したコンピュータシミュレーションで初期に観察されたが(MoeおよびRheinboldt、1964)、これは、心筋の無反応期間が特に重要である、VF開始の生理学的な研究によって動機付けられた(Moe, Harris, Wiggers、1941)。
直線および非直線モデルは、一見したところ全く類似しているように見える。RR−QTは、連結間隔と同じである。QTは、心臓の収縮がどのくらい強いのか(実際は、1/QT)を測る測度であり、刺激強度は、QTと同様に、心臓がどのくらい強く収縮するのかを判断する。次の拍動までの待ち時間も、両方のモデルにおいて同じである。直線モデルでは、RRiは、QTiとRRi−QTiとの合計であり、したがって、独立した変数(すなわち、次元または自由度)ではない。Winfreeモデルでは、等時線(二次元の円盤上に描かれた色)によって表される待ち時間は、パイ状であり、したがって、直線モデル内の直線的な等時線とは(例えば、暗く塗りつぶした等時線と比較して)全く異なる。しかしながら、非線形モデルは、全ての待ち時間が可能であるという点では、潜在的に全ての色である等時線(臨界点)を有する。
直線モデルは、実際の生理学的なデータと十分に整合しない。例えば、QTi対RR−QTiは、負に傾斜した直線(Frank−Starlingの法則)になるはずであるが、そうはならず(図33、右上)、また、その周囲の「ジッタ」はノイズではない(すなわち、RRiのPD2iが小さいので、無限ではない)。
Winfreeモデルは、ロータの起動および保持の両方に対して適切な数学的および生理学的基準を有するが(JalifeおよびBerenfeld、2004)、しかしながら、実際の生理学的なVFに関しては、状況はもう少し複雑である。虚血の型、心臓の大きさ、および種も関連している(Rogersら、2003;Everettら、2005)。しかし、大部分の総説では、中でも特に重要な何か、すなわちVFの因果的機構における脳および神経系の役割、がしばしば見落とされてきた。
図34−36は、高解像度のECGをVFの前の数分間に記録した、心臓病患者からのデータを示している。RRiはむしろ一定のままであるが、高ゲインで見られる変動は(図34)、6〜8の拍動振動を示し、正弦曲線となって、必然的に約1.00の平均PD2iに至った(すなわち、1.07;全ての正弦曲線は1.00の自由度を有する)。
このAD患者のECGには、2つの異所性心室期外収縮(premature ventricular complex:PVC)があり、これらは、電流の注入に相当する。図36に示されるように、各PVCは、それらのR波に対して同じ振幅(それらが異なる方向から電極の方へ向かうので、下方へ偏向する)であり、また、全く同じで、完全に重なり合った同じ連結間隔であった。2つの異所性拍動は、同じ連結間隔で同じ電流の注入を表した。すなわち、高解像度のECGによって判断することができる限りでは、それでも、一方のPVCがVFを生じ、他方は生じなかった。
2つのPVCに観察された差異は、電流の注入後に、VFに至ったものに関して、より急速に負反応性から回復したことである。すなわち、不反応性によって、電流の注入をロータとすることができる。この不反応性からの回復における差異は、周辺部の離断または中枢神経の閉塞によって、除神経が、冠状動脈閉塞の後のVFの発生を防止するので、心筋の神経調節と関連がなければならない(Skinner、1985;1987)。
Winfreeのモデルでは、励起媒質の不反応性は、ナトリウムコンダクタンスによって生じた源極にリンクされた、外向きのカリウムコンダクタンスによって完全に制御されている(すなわち、不反応性は一定のままである)。実際の心臓組織では、不反応性からの回復中に励起された他のコンダクタンス、およびおそらくはVFを保持するためのものが存在する(JalifeおよびBerenfeld、2004)。しかし、その1心拍ごとの制御に関してはどうだろうか?
1心拍ごとに、ほぼ即座に化学物質を放出すること、および膜コンダクタンスを変化させることができる、心筋全体にわたって投影する神経である。VFのこの種の調節は、おそらくは単離心筋に研究の焦点が強く当てられたことにより、見逃されてきたと考えられる。VFに対する心臓の脆弱さを変化させることが知られている脳の状態の迅速な変化の間の、心臓の生体内不反応性の直接的測度は、この重要な神経調節を証明する(Skinner、1983)。
VFに至る因果的イベントにおける最終的なリンクである、より短い不反応性である。定義された臨床的コホートにおけるAD(VF)の予測子である低減されたPD2iは、神経調節が不反応性を短くする可能性があるかどうかの予測子でもある。心拍のPD2iは、心臓の神経調節の測度であるので(Meyerら、1996)、この不反応性の急速な回復が生じるかどうかに関連するものと予想される。図33−36に見られる証拠は、VFの因果的機構における最終的なリンクが、Winfreeモデル内の臨界点での虚血誘導性の、異所性の電流の注入によってロータが生じるかどうかを判断する神経調節であることを示している。
図33は、一方が心室細動(図35および36を参照されたい)をもたらし、他方は何ももたらさなかった、2つのPVC(上部、矢印)を示すAD患者の、R−R間隔のPD2iの非線形解析を示している。4つの図うちの左下の最後の28の点のPD2iは、最小傾斜内には9つの点しかなく、PD2iソフトウェア内のその基準によって拒否されたので、それらの相関積分からプロットした。すなわち、最小傾斜基準は、10から9つに変更されたが、これは、Niが小さいので妥当であると考えた。しかしながら、小さいNiは、Ni規則、すなわちNiが10expPD2iを超えること、によって適切なものとした。
図34は、上述のAD患者のR−R間隔は、全く平坦ではないが、6〜8つの心拍期間の正弦曲線の振動を有することを示している。左下の相関積分(M=1〜12)は、ほぼ同じ傾斜(傾斜=1)の線形スケーリング、および右下に見られるような傾斜対Mのプロットにおける急速な収束を示している。
図35は、PVC(大きな下方偏向)が最後のT波の直後に生じ、その後に遅く大きなロータに至る小さく急速なロータ(ROTOR)を起動する、上記患者のECGを示している。急性心筋虚血(冠不全)を示すST部分の上昇が存在することに留意されたい。
図36は、ロータ(PVC R波無し)を引き起こさないPVCの連結間隔、およびT波のピークに完全に一致して重なった左端において始まる両方のトレースの下方偏向と全く同じものを示している。すなわち、左側の前述のR−R間隔は、同一であり、また、2つのPVCの異所的なR波の端部と(異所的なR偏向は下向きである)、上方へ向かうT波との間のノッチ(N)は、どちらも完全に重なり合っている。しかし、ロータを引き起こすPVCは、小さい振幅のロータの開始直前に、下方へのT波の短い回復を示す。ロータの残りを示すトレースは、他の2つのトレースを上書きしないように終わらせて(大きい点)いるが、図35で全体を見ることができる。この不反応性からのより急速な回復は、ロータを起動させるトリガイベントによるものと考えられる(すなわち、Winfreeモデルによるものではない)。この感受性を予測する低減されたPD2iは、心拍調節器(図32内の点)の中の「協同性」に起因する。心拍の一意的な神経調節のこのインジケーションは、冠状動脈閉塞のブタモデルにおいて神経閉塞がVFを防止するので、不反応性からのより急速な回復を制御するようにも考えられる。ロータを引き起こさないPVCの後のT波は、次のR波の抑制を示し(PVC、R波無し)、次のT波の波形におけるリップルの発生を示し(PVC後)、後者は、より長い不反応性によって停止された、中断されたロータを示すことができる。電流の注入後の不反応性の制御は、VFの機構に重要なものとなり得る。短い不反応性を有する可能性は、正確にVFの発生を予測するので、低次元の心拍PD2iに固有のものと考えられる。
要約すると、心臓のような励起媒質のモデル(図35)におけるVFに、機械学的に(すなわち、数学的に)つながるトリガイベント(図32)は、Winfreeモデルの刺激強度および連結間隔平面(すなわち、色)内のその位置に関連するだけでなく、励起媒質への注入直後の期間中の、不反応性の神経制御(図36)にも関連する。この神経機構は、電流注入の後に来るため、Winfreeモデルでは対処できないので、図32に見られる因果的トリガイベントにおける最終的なリンクは、危険領域内のRRiの軌跡が、生理学的にVFを生成できようにするかどうかを判断する神経調節である。
好適な実施形態および具体的な実施例とともに、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体を説明したが、本願明細書の実施形態は、限定的なものではなく例示的なものであるため、記載された特定の実施形態にその範囲を限定することを意図したものではない。
特に明示的に記述されていない限り、本願明細書に記載されたあらゆる方法が、そのステップを特定の順序で実行する必要があるものとして解釈されることを意図していない。したがって、方法クレームは、そのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、または、特にステップを特定の順序に限定する旨が請求項または説明に記述されていない場合、いかなる側面においても、順序が推測されることを意図していない。これは、ステップまたは動作フローの配列に関する論理的事項、文法構成または句読点に由来する平易な意味、明細書に記載された実施形態の数または種類を含む、解釈のためのあらゆる可能な表現されていない基準にもあてはまる。
本出願の全体にわたって、様々な刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体が関係する最先端の技術をより完全に説明するために、参照することによりその全体が本願明細書に援用される。
当業者には、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体の範囲または精神から逸脱することなく、種々の修正および変更を行うことができることが明らかとなろう。当業者には、本願明細書に開示された仕様および実践を考慮することによって、他の実施形態が明らかとなろう。仕様および実施例は、例示的なものに過ぎず、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることを意図している。
Claims (54)
- より効果的に不整脈による死亡を予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減する自動化方法であって、
関連間隔データを有する複数の間隔を定義するステップであって、各間隔は、前記電気生理学的データの第1の部分に対応するトレースの連続部分間の持続時間に対応する、ステップと、
次元データを生成するように、データ処理ルーチンを使用して前記複数の間隔を解析するステップと、
前記次元データが第1の閾値未満であるときに、前記間隔データから少なくとも1つの極値を除去するステップであって、少なくとも1つの極値を除去するステップは、精緻化次元データを生成する、ステップと、
許容可能な次元データを生成するように、データ処理ルーチンを使用して前記精緻化次元データを解析するステップと、
前記許容可能な次元データが、第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップと
を含む、方法。 - 前記電気生理学的データが、脳波データまたは心電図データのいずれかであるかどうかを判断するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- ノイズ補正アルゴリズムをさらに備える、請求項2に記載の方法。
- 前記ノイズ補正アルゴリズムは、NCAノイズ補正アルゴリズムおよびTZAノイズ補正アルゴリズムから成るノイズ補正アルゴリズムの群より選択される、請求項3に記載の方法。
- 前記電気生理学的データが脳波データであるときに、EEGデータアルゴリズムをさらに備える、請求項2に記載の方法。
- 前記EEGデータアルゴリズムは、
直線性基準を選択するステップと、
プロット長を選択するステップと、
τを選択するステップと、
収束基準を選択するステップと、
前記直線性基準、前記プロット長、前記τ、および前記収束基準を選択するステップに応じて、許容PD2i値を定義するステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。 - 前記少なくとも1つの極値を除去するステップは、
前記複数の間隔内の範囲外間隔を識別するステップであって、前記範囲外間隔は、偏差閾値の外にある、ステップと、
前記範囲外間隔に対する線形スプラインを定義するステップと、
前記範囲外間隔を前記線形スプラインで上書きするステップと
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記データ処理ルーチンは、PD2iアルゴリズムである、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の閾値は、1.4である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2の閾値は、1.4である、請求項1に記載の方法。
- 前記適格条件は、許容または精緻化次元データの割合Nが第3の閾値を上回っているということである、請求項1に記載の方法。
- 前記第3の閾値は、30パーセントである、請求項11に記載の方法。
- 不整脈による死亡をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減する方法であって、
前記電気生理学的データからRRi間隔を形成するステップと、
前記RRi間隔から許容PD2i値を定義するステップと、
前記許容PD2i値が第1の閾値未満であるかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値が前記第1の閾値未満であるときに、RRi外れ値を除去するステップと、
前記RRi外れ値を除去するステップに応じて、精緻化許容PD2iを定義するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っているかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回り、かつ第1の適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップと
を含む、方法。 - 前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回っていないと判断されたときに、前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っているかどうかを判断するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていないと判断されたときに、推移帯補正を適用するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記推移帯補正を適用するステップは、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第1の適格条件を上回っているかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかに対する第2の適格条件が、第4の閾値未満であるかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかから補正値を減算するステップと、
前記補正値を減算するステップに応じて、前記不整脈による死亡を予測するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。 - 前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていると判断されたときに、ノイズ成分補正を適用するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記電気生理学的データを脳波データとして分類するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記第1の閾値は、1.4である、請求項13に記載の方法。
- 前記第2の閾値は、1.4である、請求項13に記載の方法。
- 前記第1の適格条件は、許容または精緻化次元データの割合Nが第5の閾値を上回っているということである、請求項13に記載の方法。
- 前記第5の閾値は、30パーセントである、請求項21に記載の方法。
- 前記第3の閾値は、1.6である、請求項14に記載の方法。
- 前記第2の適格条件は、許容または精緻化PD2i値の割合が3未満である、請求項16に記載の方法。
- 前記第4の閾値は、35パーセントである、請求項16に記載の方法。
- 不整脈による死亡をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減する方法であって、
前記電気生理学的データを第1のデータ型と関連付けるステップと、
前記電気生理学的データからRRi間隔を形成するステップと、
前記RRi間隔から許容PD2i値を定義するステップと、
前記許容PD2i値が第1の閾値未満であるかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値が前記第1の閾値未満であるときに、外れ値を除去するステップと、
外れ値を除去するステップに応じて、精緻化許容PD2i値を定義するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っているかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回っていないと判断されたときに、前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っているかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていないと判断されたときに、推移帯補正を適用するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていると判断されたときに、ノイズ成分補正を適用するステップと
を含む、方法。 - 推移帯補正を適用するステップは、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかから補正値を減算するステップと、
前記補正値を減算するステップに応じて、不整脈による死亡を予測するステップと、
を含む、請求項26に記載の方法。 - ノイズ成分補正を適用するステップは、
前記RRi間隔の所定数の標準偏差を超える外れ値を除去するステップと、
前記RRi間隔が所定数のNCA基準を満たすかどうかを判断するステップと、
前記所定数のNCA基準が満たされる場合に、各RRi間隔からノイズビットを除去するステップと、
前記RRi間隔から許容PD2i値を再定義するステップと、
前記再定義されたPD2i値に応じて前記不整脈による死亡を予測するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。 - 前記第1のデータ型は、
脳波データ、および心電図データから成る群より選択される、請求項26に記載の方法。 - 前記第1の閾値は、1.4である、請求項26に記載の方法。
- 前記第2の閾値は、1.4である、請求項26に記載の方法。
- 前記第3の閾値は、1.6である、請求項26に記載の方法。
- 前記適格条件は、許容または精緻化次元データの割合Nが第4の閾値を上回っているということである、請求項26に記載の方法。
- 前記第4の閾値は、30パーセントである、請求項33に記載の方法。
- 不整脈による死亡の予測に使用される、電気生理学的データに関連するノイズを低減するためのシステムであって、
前記電気生理学的データを受信するように連結されるプロセッサと、
前記プロセッサと通信するノイズ補正ソフトウェアを有する記憶デバイスと
を備え、
前記ノイズ補正ソフトウェアは、前記プロセッサの動作を制御して、前記プロセッサに、
前記電気生理学的データからRRi間隔を形成させ、
前記RRi間隔から許容PD2i値を定義させ、
前記許容PD2i値が第1の閾値未満であるかどうかを判断させ、
前記許容PD2i値が前記第1の閾値未満であるときに、外れ値を除去させ、
前記外れ値を除去するステップに応じて、精緻化許容PD2i値を定義させ、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っているかどうかを判断させ、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回り、かつ第1の適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測させる、
システム。 - 前記プロセッサに、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回っていないと判断されたときに、前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っているかどうかを判断させ、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていないと判断されたときに、推移帯補正を適用させ、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていると判断されたときに、ノイズ成分補正を適用させる、
ステップをさらに含む、請求項35に記載のシステム。 - 前記プロセッサに、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかから補正値を減算させ、
前記補正値を減算するステップに応じて、前記不整脈による死亡を予測させる、
ステップをさらに含む、請求項36に記載のシステム。 - 前記プロセッサに、
前記RRi間隔の所定数の標準偏差を超える外れ値を除去させ、
前記RRi間隔が所定数のNCA基準を満たすかどうかを判断させ、
前記所定数のNCA基準が満たされる場合に、各RRi間隔からノイズビットを除去させ、
前記RRi間隔から、許容PD2i値を再定義させ、
前記再定義されたPD2i値に応じて前記不整脈による死亡を予測させる、
ステップをさらに含む、請求項36に記載のシステム。 - 前記第1のデータ型は、
脳波データ、および心電図データから成る群より選択される、請求項35に記載のシステム。 - 前記第1の閾値は、1.4である、請求項35に記載のシステム。
- 前記第2の閾値は、1.4である、請求項35に記載のシステム。
- 前記第3の閾値は、1.6である、請求項35に記載のシステム。
- 前記適格条件は、許容または精緻化次元データの割合Nが第4の閾値を上回っているということである、請求項35に記載のシステム。
- 前記第4の閾値は、30パーセントである、請求項43に記載のシステム。
- 不整脈による死亡をより効果的に予測するために電気生理学的データに関連するノイズを低減する命令を有する、コンピュータ読み取り可能媒体であって、前記命令は、
前記電気生理学的データからRRi間隔を形成するステップと、
前記RRi間隔から許容PD2i値を定義するステップと、
前記許容PD2i値が第1の閾値未満であるかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値が前記第1の閾値未満であるときに、外れ値を除去するステップと、
外れ値を除去するステップに応じて、精緻化許容PD2iを定義するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第2の閾値を下回っているかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回り、かつ適格条件を上回っているときに、不整脈による死亡を予測するステップと
を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。 - 前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第2の閾値を下回っていないと判断されたときに、前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、第3の閾値を上回っているかどうかを判断するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていないと判断されたときに、推移帯補正を適用するステップと、
前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかが、前記第3の閾値を上回っていると判断されたときに、ノイズ成分補正を適用するステップと
を含む命令をさらに備える、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。 - 前記許容PD2i値または前記精緻化許容PD2i値のいずれかから補正値を減算するステップと、
前記補正値を減算するステップに応じて、不整脈による死亡を予測するステップと
を含む命令をさらに備える、請求項46に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。 - 前記RRi間隔の所定数の標準偏差を超える外れ値を除去するステップと、
前記RRi間隔が所定数のNCA基準を満たすかどうかを判断するステップと、
前記所定数のNCA基準が満たされる場合に、各RRi間隔からノイズビットを除去するステップと、
前記RRi間隔から許容PD2i値を再定義するステップと、
前記再定義されたPD2i値に応じて前記不整脈による死亡を予測するステップと
を含む命令をさらに備える、請求項46に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。 - 前記第1のデータ型は、
脳波データ、および心電図データから成る群より選択される、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。 - 前記第1の閾値は、1.4である、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
- 前記第2の閾値は、1.4である、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
- 前記第3の閾値は、1.6である、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
- 前記適格条件は、許容または精緻化次元データの割合Nが第4の閾値を上回っているということである、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
- 前記第4の閾値は、30パーセントである、請求項53に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
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