JP2010501719A - メタセシスによる非晶質ポリマーセグメント交換によるブロックコポリマーの製造 - Google Patents

メタセシスによる非晶質ポリマーセグメント交換によるブロックコポリマーの製造 Download PDF

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シー. ボゼジュプカ,ポール
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Abstract

メタセシス触媒をメタセシス条件下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和ポリマー(第1ポリマー)が0.001〜50モル%の不飽和を有し且つ他の少なくとも1種のエチレン性不飽和ポリマー(第2ポリマー)が0℃未満のTg及び0.001〜50モル%の不飽和を有する、2種若しくはそれ以上の化学的に区別可能なエチレン性不飽和ポリマーを含む組成物を接触させることによって、クロスメタセシス生成物混合物を製造する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年8月25日に出願された米国仮特許出願第60/840,325号の利益を請求する。
発明の分野
一態様において、本発明は、エチレン性不飽和を含む2種又はそれ以上のポリマーのメタセシス(複分解)(metathesis)によるブロックコポリマーの製造方法に関する。別の態様において、本発明は、本発明のメタセシス方法によって製造されたブロックコポリマーに関する。
多くのオレフィンメタセシス方法がすでに当業界で知られている。一般に、オレフィンメタセシスは、不飽和点における1種又はそれ以上のオレフィンの触媒的開裂及び得られた開裂生成物の組換えによる、異なるオレフィン含有反応生成物の生成を意味する。多くの場合、低分子量オレフィン及び環状オレフィンが、低粘度反応混合物、特定の反応生成物、ポリマー生成物分子量の低下、及び/又は反応射出成形(RIM)用組成物に適当な混合物を提供するために、前記反応混合物中に反応剤として使用される。前記方法の例は、特許文献1〜5などに開示されている。
ポリマー状オレフィンを含むメタセシスも知られている。非特許文献1においては、固体ポリマーが、メタセシス触媒との表面接触によって解重合された。ポリマーメタセシスの反応生成物は、ランダム若しくはブロックコポリマー、得られる末端不飽和の官能基化によって得られる官能基化ポリマー、開環メタセシス生成物及び更には架橋固体などを含むことができる。2種又はそれ以上のオレフィンのメタセシスは、「クロスメタセシス」と称する。このような方法の例は、特許文献6〜10及び3並びに他の参考文献によって開示されている。前記方法に適当な不飽和ポリマーとしては、ジエンホモポリマー及びコポリマー又はその部分水素化誘導体が挙げられる。環状オレフィンの使用は、狭い分子量分布を有するポリマーの形成をもたらす可能性がある。例えば、ポリシクロペンテンの開環メタセシス又はエチリデン−ノルボルネンとポリシクロペンテンとの混合物の逐次重合による線状ポリエチレン及びポリ(エチリデン−ノルボルネン)/ポリシクロペンテンジブロックコリマーの製造が非特許文献2に開示された。
特許文献5、4及び11においては、グラフト及びブロックコポリマー及びインターポリマーが、ポリブタジエン又はポリイソプレンのような、オレフィン性不飽和を含む2種のポリマーのメタセシスによって製造された。シクロオクテンのようなモノマー又はシクロオクタジエン−シクロペンタジエン二量体のような二量体も同様に重合に組み込むことができた。ポリブタジエンとポリシクロオクテン又はポリシクロドデセンとのクロスメタセシス及びメタセシスによるEPDMポリマーのグラフト化を含む同様な方法が特許文献12及び13に開示された。前者の方法においては、「エラストマーに熱可塑性が与えられた」。この研究の要約は、非特許文献3に記載された。
同様に、特許文献5、4及び11においては、グラフト及びブロックコポリマー並びにインターポリマーが、ポリブタジエン又はポリイソプレンのようなオレフィン性不飽和を含む2種のポリマーのメタセシスによって製造された。シクロオクテン又はシクロオクタジエン−シクロペンタジエン二量体のようなモノマー又は二量体も同様に重合に組み込まれることができた。例示されたポリマー対には、ポリシクロオクテン及びポリシクロオクタジエンの部分重合セメント(実施例I)、EPDM/ポリブタジエン(実施例II及びV)、並びに異なるシクロオクタジエン含量を有する2種のEPDM/シクロオクタジエンコポリマー(実施例III)がある。
非特許文献4においては、より短鎖のセグメントの改善された充填によってアイソタクチックポリマーセグメントの溶融温度がわずかに増加したポリマーを製造するためのポリプロピレン/1,3−ブタジエンコポリマーのエテノリシスが開示された。特許文献14及び15では、1,4−シス−ポリブタジエンとABSゴム又はSBゴムのようなコポリマーが、任意的に、官能基化剤、特に不飽和カルボン酸エステルの存在下において、メタセシス解重合に供された。特許文献16によれば、生成物は多分散ゴムであり、これは生成物中の不所望な量のビニル基による架橋の存在を示した。
不都合なことに、前述の既知のポリマーオレフィンメタセシス生成物は、平衡状態において個々のブロックが化学的性質の点で互いにそれほど異ならないという事実により、望ましい物理的性質が欠如している。例えば、ポリシクロオクテンとポリシクロドデセンのセグメント特性又はポリブタジエンとポリイソプレンのセグメント特性は化学的にほぼ等しい。このようなポリマーセグメントから構成されるコポリマーは優れた性質を有さない。アニオン重合法によって製造されるブロックコポリマーのような従来のブロックコポリマーは、同一ポリマー鎖中に異種で不混和性のセグメントを容易に組み込むことができる。これらのセグメントはガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)、誘電率又は溶解度パラメーターのような物理的性質が異なるので、得られるポリマーは向上した性質を有する。例えば、比較的高融点の結晶性ポリマーセグメントとエラストマー性ポリマーセグメントとが同一ポリマー鎖中に存在すると、改善されたエラストマー性及び機械的性質、例えば高い引張強度、ヒステリシス及び引裂性を有する熱可塑性材料が得られる。
米国特許第5,731,383号 米国特許第4,994,535号 米国特許第4,049,616号 米国特許第3,891,816号 米国特許第3,692,872号 米国特許第6,867,274号 米国特許第6,410,110号 米国特許第5,603,985号 米国特許第5,559,190号 米国特許第5,446,102号 米国特許第4,010,224号 DE2,131,355 DE2,242,794 ドイツ民主共和国特許DD146,052 ドイツ民主共和国特許DD146,053 米国特許第7,022,789号
Macromol.,33,1494−1496(2000) Macromol.,33(25),9215−9221(2000) J.Mol.Catal.,15,3−19(1982) Macromol.,36,9675−96777(2003)
従来の非ランダムブロックコポリマーの性質の多くを有する、差別化された商業的に有用なコポリマー生成物の形成に特に適した不飽和ポリマーのメタセシス方法が提供できれば、望ましいであろう。更に、得られるポリマー生成物が成形用樹脂、接着剤、シーラント及び耐衝撃性改良剤としての使用に適すれば、望ましいであろう。最後に、入手が容易で安価な不飽和ポリマーを、差別化された商業的に有用な性質を有するコポリマー生成物に転化する方法を提供するのが望ましいであろう。
本発明によれば、メタセシス触媒を、メタセシス条件下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和ポリマー(第1ポリマー)が0.001〜50モル%の不飽和を有し且つ他方の少なくとも1種のエチレン性不飽和ポリマー(第2ポリマー)が0℃未満のTg及び0.001〜5モル%の不飽和を有する非晶質ポリマーである、2種又はそれ以上の化学的に区別可能なエチレン性不飽和ポリマーを含む組成物と接触させることによってクロスメタセシス反応生成物を生成せしめることを含んでなるクロスメタセシス生成物混合物の製造方法が提供される。
本発明の別の実施態様において、メタセシス触媒を、メタセシス条件下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和ポリマー(第1ポリマー)が0.001〜50モル%の不飽和を有し且つ少なくとも1種の他方のエチレン性不飽和ポリマー(第2ポリマー)が0℃未満のTg及び0.001〜5モル%の不飽和を有する非晶質ポリマーである、2種又はそれ以上の化学的に区別可能なエチレン性不飽和ポリマーを含む組成物と接触させることによって生成されるクロスメタセシス反応生成物が提供される。
このメタセシスにおいて使用する適当な不飽和ポリマーは、付加重合、縮合重合、開環付加環化又はエチレン性不飽和を含むポリマーを生成できる他の方法若しくは方法の組合せによって製造されたポリマーである。反応剤ポリマー中のエチレン性不飽和の少なくとも一部、好ましくはその不飽和のほとんど又は実質的に全てが、主鎖又はバックボーン中に位置する(内部不飽和)。このような内部エチレン性不飽和は望ましくは、0℃未満のTg予想値又はTm測定値を有するような充分な長さを有するセグメント(以下、「ソフトセグメント」とも称する)の生成を、不飽和ポリマー反応剤の少なくとも1種にもたらす。反応剤ポリマー及び得られるクロスメタセシス・ポリマー生成物はいずれも前記ソフトセグメントを有する。
望ましくは、第2不飽和ポリマー反応剤のエチレン成分は0.001モル%〜3モル%未満、より好ましくは0.01〜2モル%、更に好ましくは0.1〜1.0モル%である。逆に言えば、第1不飽和ポリマー反応剤のエチレン含量は望ましくは少なくとも10モル%、より好ましくは少なくとも15モル%、更に好ましくは少なくとも20モル%である。いくつかの望ましい実施態様において、不飽和ポリマー反応剤のエチレン炭素含量は40重量%又はそれ以下、好ましくは35重量%又はそれ以下である。ポリマー反応剤中のエチレン性不飽和の量は、目的とするポリマーセグメント長が得られるように、メタセシスの前に部分水素化によって調整することができる。更に望ましくは、第2反応剤ポリマーは、エチレン又はプロピレンと少量のジエンモノマー又はアルキン、特に共役ジエン及び1種又はそれ以上の共重合性コモノマー、特に1種又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーとを共重合させることによって生成する。更に、この反応剤中のジエンモノマーの分布は実質的にランダムである。より好ましくは、ポリマー中に残っている多重不飽和の少なくとも99%、特に少なくとも99.9%が、少なくとも4つのメチレン又は置換メチレン単位によって、最も好ましくは6個のこのような単位によって隔てられる。極めて好ましくは、第2不飽和ポリマー反応剤は、付加重合法、特に配位重合法によって形成する。
好ましくは、第2不飽和ポリマー反応剤は、炭素原子10個超、より好ましくは少なくとも20個、最も好ましくは少なくとも40個の長さを有するセグメントを含む。当業者ならば、不飽和含量の多い不飽和ポリマー反応剤を用いるほど、得られるポリマー生成物中のポリマーブロックが短くなることがわかるであろう。望ましくは、ソフトセグメント含有ポリマーは、Tgが少なくとも−25℃未満、更に好ましくは−40℃未満である。
本発明において反応混合物の反応剤又は成分として使用する不飽和ソフトセグメント含有ポリマーの例には、エチレンと1種若しくはそれ以上のC3〜C20オレフィンモノマー及び1種若しくはそれ以上のジオレフィンとのランダムコポリマー;エチレンと1種若しくはそれ以上のC3〜C20オレフィンモノマー及び1種若しくはそれ以上のアルキンとランダムコポリマー;エチレンと1種若しくはそれ以上のC3〜C20オレフィンモノマー、1種若しくはそれ以上のジオレフィン及び1種若しくはそれ以上のアルキンとのランダムコポリマー;その少なくとも1種がエチレン不飽和を含む2種若しくはそれ以上の縮合性モノマーの縮合によって生成される縮合ポリマー;少なくとも1種の共役ジエンの遊離基重合ホモポリマー及び少なくとも1種の共役ジエンと共重合性コモノマーとの遊離基重合コポリマー、前述のものの部分水素化誘導体、並びに部分水素化共役ジエンホモポリマー(ポリマーが既知の不飽和含量及びTg値を有する限り)が挙げられる。
最も好ましい第2ポリマー反応剤は、5モル%以下、好ましくは3モル%以下、より好ましくは1モル%以下の重合ジエンを含む、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテン及び1種又はそれ以上の共役ジエンとの実質的にランダムなコポリマーである。好ましい共役ジエンは特にブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン及び2−フルオロ−1,3−ブタジエンである。例としては、エチレンとプロピレンとブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン若しくは2−フルオロ−1,3−ブタジエンの1種若しくはそれ以上とのコポリマー;エチレンと1−ヘキセンとブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン若しくは2−フルオロ−1,3−ブタジエンの1種若しくはそれ以上とのコポリマー;又はエチレンと1−オクテンとブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン若しくは2−フルオロ−1,3−ブタジエンの1種若しくはそれ以上とのコポリマーが挙げられる。ポリマーの水素化方法は、ポリマーを通常は溶解又は液化させる必要があるという事実のため、比較的費用がかかり且つ簡便でないので、好ましい反応剤ポリマーは、限られた量の重合ジエンを有するものであって、ジエンホモポリマー又はコポリマーの水素化誘導体ではない。このようなコポリマーは、独特で且つ望ましいことに、直線性の高いクロスメタセシス反応生成物を生じる本質的に低いビニル含量を有する。
クロスメタセシスに使用する残りの不飽和ポリマー反応剤(第1及び第2ポリマー以外の)は、前記型のもの、又は遊離基重合法によって製造されたTg予想値又はTm測定値が100℃超の(ポリマーを含むハードセグメントの)、エチレン系不飽和ポリマー又は1種若しくはそれ以上のジエンのホモポリマー若しくはコポリマー、特に1種若しくはそれ以上の1種若しくはそれ以上の共役ジエンのポリマーであることができる。好ましいポリマーとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、及びポリ(2−フルオロ−1,3−ブタジエン)が挙げられる。
本発明の一実施態様において、少なくとも1種の不飽和ポリマー反応剤は少なくとも1種の他の不飽和ポリマー反応剤と不相溶性であり、得られるクロスメタセシス生成物は、多量のこのクロスメタセシス生成物の形成のために、相溶化される。一般に互いに不相溶性である不飽和ポリマーの例としては、極性基含有ポリマーと非極性ポリマーが挙げられる。本発明に係る組成物の相溶性の向上の証拠としては、メタセシスを経る前の最初のポリマー混合物に比べて、得られるクロスメタセシス・ポリマー生成物の結晶子サイズが低下し、明澄度が改善され、衝撃強度が増大され、延性が改善され且つ/又は引張特性が増強されたことが挙げられる。
本発明の前記実施態様に係る相溶化生成物混合物の製造(特にメルトの状態での)は多くの場合、溶液法で代表的なモノマーの共重合によって製造された又は本発明の前の操作から得られた、少量の予め生成されたクロスメタセシス・コポリマーを、最初は不相溶性のポリマーに添加することによって促進する。予め生成された相溶化剤のこの最初の「種」は、均一なクロスメタセシス生成物の生成を実現するのに必要な時間をかなり短縮できる。更に、反応混合物の粘度を、特にプロセスの最初の段階において低下させるのにオレフィン、特にエチレンを使用できる。それは反応のその後の段階で、オレフィンは添加しないがメタセシス触媒を存在させて、場合によっては減圧下で、反応混合物を加熱することによって除去できる。化学量論量の添加オレフィン、例えば環状オレフィン又はエチレンもまた、得られるクロスメタセシス生成物混合物の分子量の調整に使用できる。
本発明の追加の望ましい実施態様としては、少なくとも1種の反応剤ポリマーが非晶質であって、0.001〜5モル%の不飽和を有し且つ少なくとも1種の他の反応剤が結晶性であり、これもまた0.001〜5モル%の不飽和を有するクロスメタセシス方法が挙げられる。好ましくは、非晶質ポリマーの予想Tgと結晶性ポリマーの測定Tmの差は、少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも80℃、最も好ましくは少なくとも100℃である。極めて望ましくは、結晶性ポリマーのTmは非晶質ポリマーの予想Tgよりも高い。更に好ましくは、結晶性ポリマー及び/又はそのセグメントは少なくとも100℃、極めて好ましくは少なくとも105℃、最も好ましくは少なくとも120℃の結晶融点を有する。更に望ましくは、結晶性ポリマー又はそのセグメントの融点に関連する融解熱は、DSC分析によって測定した場合に、少なくとも20J/g、好ましくは少なくとも40J/g、より好ましくは少なくとも50J/gである。成核剤、熱アニール及び/又は歪の使用によって結晶性が誘発又は増強されたポリマーを含める。
本発明の実施態様を構成する前記ポリマー又はポリマー組成物の全てに関して、それらの生成方法及び成形用樹脂、接着剤及びブレンド組成物の成分としてのそれらの使用方法も本発明の範囲内に含める。
エチレンと1種又はそれ以上のC3〜C20α−オレフィンと共役ジエン又はアルキンとの重合によってソフトセグメントを含む第2のポリマーを形成する本発明の実施態様において、このようなポリマーにはペンダントビニル官能基が本質的に少なく、それによって不飽和レベルの低下のための水素化の必要性を除く。得られるメタセシス生成物は本質的に高いα,ω−不飽和を有し、直線性が高い。適切な配位触媒及び反応条件を選択することによって、このような非晶質コポリマー中のペンダントビニル官能基を、総エチレン基の5%又はそれ以下、更には2%又はそれ以下、更には1%又はそれ以下の低い値まで、また、水素化によって更に低い値まで低下させることができる。従って、得られるメタセシス生成物及びそれらの官能基化誘導体は、架橋結合又はペンダント分岐を形成する傾向が著しく低下している。望ましくは、1.9〜2.5、好ましくは2.0〜2.2の官能価を達成できる。
更に、ソフトセグメント含有コポリマー反応剤中に残されたジエンは得られる生成物にエラストマー性を与える目的で必ずしも使用されず、望ましくはそのように使用されないので、種々のポリマー特性及び特性の組合せを得られる生成物に導入することができる。特に好ましいクロスメタセシス生成物は、ポリブタジエン又はポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)と5モル%以下、好ましくは3モル%以下、より好ましくは2モル%以下、最も好ましくは1モル%以下のブタジエン、イソプレン又は2−クロロ−1,3−ブタジエンを含むエチレン/ジエンコポリマーとのメタセシスによって形成される。
これらの生成物は、接着剤の製造において、成形用樹脂並びにバッグ、ポーチ及び積層供給原料のような多層積層用の接着フィルムとして、更にポリエチレン又は他のオレフィンポリマーのブレンドの生成に使用される相溶化剤として有効に使用される。
実施例1に記載のようにして製造した本発明組成物の、3つの温度におけるSAXSプロットを示す。 比較実験Aに記載のようにして製造した対照組成物の、3つの温度におけるSAXSプロットを示す。 下のグラフは、実施例2に記載のようにして製造した本発明組成物の、1H NMRスペクトルを示し、上のグラフは、比較実験Bに記載のようにして製造した対照組成物の、1H NMRスペクトルを示す。 実施例3に記載のようにして製造した本発明組成物の、TEM走査を示す。 実施例3に記載のようにして製造した本発明組成物の、3つの温度におけるSAXSプロットを示す。 実施例4に記載のようにして製造した本発明組成物の、CRYSTAFグラフを示す。 比較実験Cに記載のようにして製造した対照組成物の、CRYSTAFグラフを示す。
本明細書中における元素周期表(the Periodic Table of the Elements)への全ての言及は、CRC Press,Inc.が2003年に発行し、著作権を有する元素周期表を指すものとする。また、族への全ての言及は、Nomenclature of Inorganic Chemistry;Recommendations 1990,G.J.Leigh,Editor,Blackwell Scientific Publications(1990)に開示された、族の番号付けのためのIUPAC系を用いてこの元素周期表に示された族に対して行うものとする。そうでないことが示されない限り、前後関係から暗示されない限り、或いは当業界において慣例的でない限り、全ての部及びパーセントは重量に基づく。米国特許実施のために、全ての特許、特許出願及びそれらの中で参照された出版物の内容を、特に合成方法、定義(本明細書中に示した定義と矛盾しない程度まで)及び当業界における一般常識に関して、引用することによって全体として本明細書中に組み入れる(又はその対応するUS版を引用することによってそのように組み入れる)。
用語「含んでなる(comprising)」及びその派生語は、その他の成分、工程又は操作が本明細書中に開示されていてもいなくても、その存在を排除するものではない。誤解を避けるために、用語「含んでなる」を使用して本出願において特許請求された全ての組成物は、そうでないことが示されない限り、任意のその他の添加剤、佐剤、又は化合物(ポリマーであってもなくても)を含むことができる。これに対して、「〜から本質的になる(consisting essentially of)」は、それに続く列挙の範囲から、実施可能性に本質的でないものを除いて、全ての他の成分、工程又は操作を除外する。用語「〜からなる(consisting of)」は、特に具体的に記載又は列挙されていない全ての成分、工程又は操作を除外する。用語「又は」は、特に断らない限り、列挙した構成要素を個々に又は任意の組合せで意味する。
そうでないことが明確に示されない限り、本明細書中で化合物に関して使用される単数形は全ての異性体を含み、逆の場合も同様である(例えば、「ヘキサン」はヘキサンの全ての異性体を個別に又は集合的に含む)。用語「化合物」及び「錯体」は本明細書中では、有機−、無機−及び有機金属化合物を意味するのに区別なく使用する。用語「原子」は、イオン状態にかかわらず、即ち、それが電荷若しくは部分電荷を有するにせよ又は別の原子に結合しているにせよ、元素の最小成分を意味する。用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の元素を意味する。好ましいヘテロ原子としては、F、Cl、Br、N、O、P、B、S、Si、Sb、Al、Sn、As、Se及びGeが挙げられる。
用語「ヒドロカルビル」は、分岐鎖又は非分岐鎖、飽和又は不飽和、環状、多環式又は非環状の種を含む、水素及び炭素原子のみを含む一価置換基を意味する。例としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルカンジエニル、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル、アリール及びアルキニル基が挙げられる。「置換ヒドロカルビル」は、1個又はそれ以上の非ヒドロカルビル置換基で置換されたヒドロカルビル基を意味する。用語「ヘテロカルビル」は、1個又はそれ以上の炭素原子及び1個又はそれ以上のヘテロ原子を含むが水素原子を含まない基を意味する。炭素原子と任意のヘテロ原子との結合並びに任意の2個のヘテロ原子間の結合は、単一若しくは複数の共有結合又は配位若しくは他の供与性結合であることができる。例としては、トリクロロメチル、ペルフルオロフェニル、シアノ及びイソシアネート基が挙げられる。用語「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」又は「ヘテロヒドロカルビル」は、水素又は炭素以外の少なくとも1つの原子が1個又はそれ以上の炭素原子及び1個又はそれ以上の水素原子と共に存在している一価の基を意味する。従って、ハロ、ヘテロシクロアルキル、アリール−置換へテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アルキル−置換へテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ジヒドロカルビルボリル、ジヒドロカルビルホスフィノ、ジヒドロカルビルアミノ、トリヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルチオ又はヒドロカルビルセレノ基で置換されたアルキル基は、用語「ヘテロヒドロカルビル」の範囲内である。適当なへテロアルキル基の例としては、クロロメチル、2−シアノエチル、ヒドロキシメチル、ベンゾイルメチル、(2−ピリジル)メチル、クロロベンジル及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
本明細書中で使用する用語「芳香族」は、(4δ+2)π電子(δは1又はそれ以上の整数である)を含む多原子環状共役環系を意味する。2個又はそれ以上の多原子シクロ環(cyclic ring)を含む環系に関して本明細書中で使用する「縮合」は、それらの少なくとも2つの環に関して、少なくとも1対の隣接原子が2つの環に含まれることを意味する。用語「アリール」は、単一の芳香環、或いは一緒に縮合され、共有結合され又はメチレン若しくはエチレン部分のような共通の基に結合された複数の芳香環であることができる一価芳香族置換基を意味する。芳香環の例としては、特にフェニル、ナフチル、アントラセニル及びビフェニルが挙げられる。
「置換アリール」は、任意の炭素に結合した1個又はそれ以上の水素が、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換へテロシクロアルキル、ハロ、ハロアルキル(例えばCF3)、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィノ、アルコキシ、アミノ、チオ、ニトロ並びに飽和及び不飽和ヒドロカルビレン基(芳香環に縮合された、共有結合した又はメチレン若しくはエチレン部分のような共通の基に結合したものを含む)のような1個又はそれ以上の官能基で置換されたアリール基を意味する。共通の結合基はまた、ベンゾフェノン基中で見られるようなカルボニル、ジフェニルエーテル基中で見られるような酸素又はジフェニルアミン基中で見られるような窒素であることもできる。
「エチレン性不飽和」又は「エチレン基」は、二重結合(非芳香族sp2電子混成)によって結合された隣接脂肪族炭素原子、好ましくは式:―CR*=CR*−又は−CR*=CR* 2[式中、R*はそれぞれ独立して水素、ハロ、ニトリル、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル(水素を数えずに20個以下の原子を含む)である]を有するものを意味する。本明細書中で使用するエチレン性不飽和パーセントは、ポリマーの総炭素−炭素結合含量に基づいて計算する。用語「エチレン炭素含量」は、このような二重結合された炭素原子による総ポリマー重量のパーセントを意味する。わかりやすくするために、完全不飽和ポリブタジエン、ポリイソプレン及びポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)ポリマーのエチレン炭素含量はそれぞれ42、34及び26重量%である。用語「ペンダント」は、ポリマーの第二又は第三置換炭素に結合した基又は置換基を意味する。用語「末端」は、ポリマーの第一炭素に結合した基又は置換基を意味する。
本明細書中で使用する用語「ポリマー」は、多数の反復単位を含む、分子量が少なくとも100、好ましくは少なくとも1000の高分子化合物を意味する。好ましくは、少なくとも1つの反復単位が、連続的に又は非連続的に、平均して6回又はそれ以上、より好ましくは10回又はそれ以上、最も好ましくは20回又はそれ以上現れる。平均して6個未満のこのような反復単位を含む分子を本明細書中ではオリゴマーと称する。この用語は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマーなどを含む。用語「インターポリマー」は本明細書中では用語「コポリマー」と同義で用いて、通常は別の共重合性モノマーから得られた少なくとも2種の差別化される反復単位を重合形中に組み込むポリマーを意味する。得られるコポリマー又はインターポリマー中の最小の主要なモノマーは一般に用語「コモノマー」によって言及される。
用語「セグメント」は、エチレン性不飽和によって隔てられる又は単一末端不飽和を含むポリマーの場合にはエチレン性不飽和によって停止される、均一な組成及び炭素少なくとも12個、好ましくは少なくとも20個、より好ましくは少なくとも30個の炭素鎖長を有する不飽和ポリマーの部分を意味する。脂環式又は芳香族基のような環状部分内部に現れる不飽和は、セグメントを形成しない。望ましくは、本発明のコポリマー中のセグメントは、内部環又は環状部分を実質的に含まない。本明細書中で使用する用語「均一組成」は、同一(コ)モノマー流から得られたセグメントを意味し、各セグメント中の配列及び立体規則性は各(コ)モノマーの相対反応性によって左右される。従って、任意の2つ又はそれ以上のセグメント中のモノマーの配列及び立体規則性は、本質的に同一であるものから実質的に異なるものまで多岐にわたることができ、変動度はこれらの2つの極値の中間であることができる。
用語「ブロックコポリマー」は、2種又はそれ以上の区別可能な非ペンダントポリマーセクション(ブロック)を有するポリマーを意味する。望ましくは、ブロックコポリマーは、同一ポリマー中の「ハード」結晶性又はガラス質ブロックを接続する「ソフト」又はエラストマー性ブロックの存在を特徴とする熱可塑性エラストマー(TPE)の性質を示す。ハードセグメントの溶融温度又はガラス転移温度以下の温度においては、このポリマーはエラストマー性を示す。ハードセグメントの結晶融点より高い温度において、このポリマーは流動性になり、熱可塑性挙動を示す。
用語「不飽和ブロックコポリマー」は、ブロック間に又はその1個若しくはそれ以上のブロック内にエチレン性不飽和を含むブロックコポリマーを意味する。ブロックコポリマー内の不飽和ポリマー又は不飽和ブロックは1種又はそれ以上のセグメントを含むことができる。用語「非晶質」は、ポリマー、ポリマーブロック又はポリマーセグメント(以下これらをまとめてポリマー実体(polymeric entities)と称する)のうち結晶融点のないものを意味する。用語[結晶性」は、結晶融点を有するポリマー実体を意味する。用語「半結晶性」は、同一化学組成の完全に結晶性の又はより完全に結晶性のポリマー実体よりも低い結晶融点を有するポリマー実体を意味する。より具体的には、本明細書中で使用する「半結晶性」は、そのポリマー実体の達成可能な最大結晶化度の90%未満の結晶化度を有するポリマー実体を意味する。誤解を避けるために、用語「結晶性」は半結晶性ポリマー実体を含む。
用語「バックボーン」は、ポリマーの最長連続ポリマー鎖を意味する。全ての他のポリマー鎖は側鎖、分岐又はグラフト化ポリマー鎖と称される。短鎖又は短鎖分岐は、3個又はそれ以上の炭素を含むモノマーの重合によって得られるバックボーンからの分岐を意味する。2個又はそれ以上のエチレン性不飽和を含むこのようなモノマーの重合は、得られるポリマー中に不飽和分岐(ペンダント不飽和)を形成することができる。このような不飽和分岐を含むポリマーのメタセシスは、「くし」型ブロックコポリマー、即ち、中央バックボーン鎖からぶら下がった多数のポリマー鎖を有するポリマーを形成することができる。或いは、得られるポリマー生成物は架橋することができる。
本明細書中で使用する用語「化学的に区別可能な」は、ポリマー、ブロック又はセグメントを別のポリマー、ブロック又はセグメントから区別できるようにする識別可能な化学的性質又は特性を含むポリマー実体を意味する。特に除外されるのは、単一不飽和ポリマーのメタセシス時に形成され得る生成物のような、分子量又は分子量分布のみが互いに異なるポリマー実体である。化学的に区別可能なポリマー実体の例としては、組成、タクチシティ、密度、結晶化度、結晶子サイズ、結晶融点、ガラス転移温度、誘電率、溶解度パラメーター又は相互作用パラメーターχが異なるものが挙げられる。前記値は、予想値又は実測値であることができる。化学的に区別可能なポリマー実体の存在は、識別可能な融点のような標準分析方法によって、NMR方法、極性基含有ポリマーのIR分析、CRYSTAF、ATREF、TREFによって、又は他の方法によって容易に測定できる。本発明のメタ−ブロックコポリマー中の好ましい、化学的に区別可能なポリマーブロックは、結晶融点、極性(χ)、タクチシティ(rrr又はmmmトリアド)、予想ガラス転移温度(Tg)、相互作用パラメーターχ、又は予想溶解度パラメーターの差異によって特徴付けられるものである。
本明細書中におけるポリマーセグメントの化学的性質は、既知の方法による不飽和ポリマーのエテノリシス、及び標準分析法による残留セグメントの性質の分析によって測定できる。エラトリエーション(elutriation)、クロマトグラフィー又は他の分別方法による異なるセグメントの分離が、分析の前に必要な場合もある。
本発明のポリマー反応剤及び生成物中のポリマー実体中のモノマー及びコポリマー、コモノマー量、不飽和レベル、分岐並びにタクチシティの確認は、NMR技術、例えば、NMR and Macromolecules:sequence,dynamic and domain structure,James C. Randall,ed.;ACS Symposium Series,247;American Chemical Society,Washington,D.C.(1984)(以下、Randall)に開示されたものを用いて実施できる。
本明細書中におけるポリマーの性質は、実測値、即ち、サンプルに基づく測定値若しくは計算値によって特徴付けられるか又は予想される性質であることができる。用語「予想(される)」は、ポリマー実体の性質に関して用いる場合には、Jozef Bicerano,Prediction of Polymer Properties 2nd ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York(以下、Bicerano)に開示された無限大分子量、室温(25℃)、アタクチック、ポリマー計算方法によって予測されるものである。この方法はまた、Pharmacopeia,Inc.の子会社であるMolecular Simulations Inc.から入手可能な、SYNTHIA(登録商標)を含むソフトウェアに組み入れられている。Bicerano法に従って計算した、いくつかの代表的ポリマーの予想される性質を、表Iに示す。
Figure 2010501719
用語「エラストマー」は、25℃未満、好ましくは0℃未満のTg及びASTM−D−1708に従って21℃において試験した場合に少なくとも90%の弾性回復率を有するポリマー実体を意味する。結晶融点(Tm)は、DSCによってASTM D−3418試験法に従って測定されたピーク融点を意味する。
不飽和非晶質ポリマー反応剤は、望ましくは、適当にはチーグラー/ナッタ、メタロセン、ポストメタロセン若しくは他の配位重合触媒を用いた、エチレン、1種若しくはそれ以上のC3〜C8α−オレフィンコモノマー及びジエンの付加重合によって製造し、その適当な製造方法は以下により詳細に開示されている。用語「チーグラー/ナッタ重合触媒」は、金属が元素周期表の第2族、第12族若しくは第13族に由来する有機金属化合物を、少なくとも1種の他の化合物、特に元素周期表の第4族、第5族若しくは第6族から選ばれた金属ハライド、酸化物又はオキシハライドと共に含む、オレフィン重合に適した触媒組成物を意味する。
本発明のソフトセグメント含有コポリマー反応剤の比較的低い不飽和含量のため、本発明のクロスメタセシスに関与するセグメントは望ましくは、モノマー反復単位の平均数として表されるセグメント長又はSLが20〜1000、好ましくは40〜100であり、これは約0.1〜5モル%の重合ジエン、好ましくは1〜2.5モル%のジエンを含むコポリマーに相当する。更に望ましくは、得られるメタセシス生成物中に存在するソフトセグメントは非晶質である。
好ましい実施態様において、一方の不飽和ポリマー反応剤は、1−オクテンを2〜10モル%含むブタジエンエチレン及び1−オクテンのコポリマー、又はエチレンを2〜65モル%含むブタジエン、プロピレン及びエチレンのコポリマーであり、それによって非晶質の脂肪族ポリマーセグメントを形成する。他方のポリマー反応剤は好ましくはポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)又はポリ(2−フルオロ−1,3−ブタジエン)である。得られるクロスメタセシス・ポリマー生成物は、同一ポリマー中の両ポリマー反応剤からのソフトセグメントのランダムな組合せを含み、それによって2種のポリマーの相溶化ブレンドを生成する。本発明のためには、用語「ランダム」は、記述可能な決定的なパターンには従わず且つ/又はそれからは生じない性質又は結果を意味する。メタセシス法は、不飽和ポリマー中のどのエチレン結合が開裂するか且つ得られる分子断片にどの程度組換えが起こって新しい結合を形成するかが予測不可能であり、しかも既定の規則に従わないので、ランダムである。このような方法は、ポリマーセグメントのランダム分布、ひいてはポリマーブロックのランダム分布を有する組成物をもたらすことがわかっている。
反応剤ポリマー中のエチレン性不飽和の量は、任意の適当な方法、例えば一塩化ヨウ素滴定(ICI)、NMR分析又は他の方法によって測定できる。適当な場合には、これらの方法の組合せを使用できる。ICI滴定は、ポリマー中に存在する全ての不飽和と反応させるために一塩化ヨウ素を用いる、種々のポリマー中の炭素−炭素不飽和レベルを測定するためのよく知られた方法である。この方法は、内部不飽和と末端又はビニル不飽和とを区別しない。
NMR分光分析は、ビニル不飽和(ジエンの1,2−付加によって得られる)ではなくてポリマー中の内部不飽和(ジエンの1,4−付加によって得られる)の量がこの方法を用いて測定できる事実によって、共役ジエンのホモポリマー及びコポリマーについて使用するのに特に有用である。ポリマー分析のNMR法としては特にRandall法が挙げられる。
本発明に使用するのに好ましい不飽和ポリマー反応剤の組合せは、1種又はそれ以上の非晶質セグメント、特に高分岐エチレン/1−オクテンコポリマー、及びポリブタジエン又はポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)から選ばれた少なくとも1種の他の不飽和ポリマーを含むものである。極めて望ましくは、不飽和ポリマーを2種のみ使用する。
本発明に使用するのに適当な不飽和ポリマーは好ましくは、ポリマーバックボーン中又はその1つ若しくはそれ以上の分岐中に非末端エチレン性不飽和を含む。不飽和ポリマー反応剤の少なくとも1種に何らかの非末端不飽和が存在するならば、末端又はビニル不飽和も本発明の範囲から逸脱することなしに存在できる。エチレン性不飽和は、重合後に分子当たり所望のレベルの非末端エチレン性不飽和を生じる量で存在するジエン、特にブタジエンによってもたらされる。
追加の適当なポリマーとしては、官能基、例えばヒドロキシル、酸、特にカルボン酸、エステル、特にカルボン酸エステル、アミン、ハライド、ニトリル、無水物又はチオール官能基を含むポリマーが挙げられる。一般に、前記のような極性官能基の存在は、安定で且つ影響を受けないメタセシス触媒の使用を必要とする可能性がある。適当な触媒としては、第一世代グラブス(Grubbs)触媒、例えばビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−ベンジリデンルテニウムジクロリド及び第二世代グラブス触媒、例えばトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾル−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウムジクロリドを含む均一ルテニウム触媒が挙げられる。それらの原理の発明者であるRobert H.Grubbsにちなんで命名された「第一世代グラブス触媒」及び「第二世代グラブス触媒」は、国際出願公開WO 96/04289号及びWO 02/083742号などに開示されている。第1世代及び第二世代グラブス触媒は、空気、水分並びに酸及びエステル官能基のような多様な極性官能基に対して比較的耐性である傾向がある。
不飽和反応剤ポリマーは、標準重合技術を用いて、例えば、遊離基重合、付加重合、開環重合、アニオン重合、カチオン重合、縮合重合又はメタセシス重合法を用いて1種又はそれ以上のオレフィンを含むオレフィン混合物を少なくとも1種の共役又は非共役ジエンと一緒に重合させることによって、容易に製造できる。不飽和反応剤ポリマーを製造する方法は、得られるメタセシス生成物に影響を与える可能性がある。例えば、反応剤ポリマーの少なくとも一種が例えばオレフィンと共役ジエンとのアニオン重合によって製造される単純なジブロック又はトリブロックコポリマーである場合には、一般に比較的長さの長いブロックが得られるであろう。不飽和ポリマー反応剤の種々の製造方法についてのより詳細な説明を以下に記載する。
A.遊離基重合
コモノマーの遊離基重合は、多数のコモノマーを用いて非晶質又はソフトブロックを含む種々の不飽和ポリマーを生成するのに適している。遊離基重合はまた、極性及び非極性モノマーに適合し、得られるポリマーはその他の官能基化ポリマーセグメントによるグラフト化に供することができる。最終ポリマーは、所望ならば、不飽和レベルを低下させ且つ/又は末端不飽和を排除するために水素化することができる。適当な技術は、1種又はそれ以上の共重合性モノマーとジエン及び/又はアセチレン誘導体のようなエチニル化合物との遊離基共重合並びに場合によってはグラフト化による、ペンダント及び/又はバックボーン不飽和を有する線状又は分岐ポリマーの形成、更に1種又はそれ以上のモノマーの遊離基重合条件下における重合及び場合によってはグラフト化(更には場合によっては高温処理、脱水素化、脱ハロ水素化又は不飽和を増加させるための他の方法を含む)が挙げられる。
遊離基重合への使用に適当なモノマーは、実質的に全てのエチレン性不飽和モノマーを含む。適当なモノマーの例及びこのような方法に関する詳細は、”Polymer Handbook”,4thEd,Brandrup,Immergut,and Grulke,Eds.,Wiley,1999及び”Copolymerization”,G.E.Ham,Ed.,High Polymers,Vol.XVIII,Interscience,1964に記載されている。
遊離基重合法によって適当に重合される好ましいモノマーには、脂肪族及び芳香族α−オレフィン及び置換オレフィン、共役及び非共役ジエン、並びに環状オレフィン及びポリオレフィンなどがある。例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、ビニルシクロヘキサン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、3−n−プロピル−1,3−ペンタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−3−メチル−1,3−ヘキサジエン、デカジエン、ジビニルベンゼン、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン、ベンゾシクロブテン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン及びそれらの混合物が挙げられる。
B.付加重合
以下により詳細に開示する遷移金属触媒重合のような付加重合方法は、多数のモノマー(通常は、保護されていない極性基含有モノマーは除く)に適合する。いくつかのモノマーは、高融点を有する結晶性ポリマー又は非常に低いガラス転移温度を有するポリマーを生成できる。1種又はそれ以上の付加重合性モノマーをジエン、好ましくは共役アルカジエン、特に1,4−ブタジエン及び/又はアルキン化合物、特にアセチレン誘導体と一緒に重合させることによって生成したポリマーは、ペンダント及び/又はバックボーン不飽和を有する分岐又は線状ポリマーを形成する。更に、鎖末端不飽和は、β−水素化物脱離によって得ることができ、且つ/又は少量のバックボーン不飽和が重合プロセスの間にランダム自発的脱水素化によって得ることができる。付加重合法によって生成させる親不飽和ポリマーは、例えば末端及び/又はペンダント不飽和を優先的に水素化することによってエチレン性不飽和の量を前記の好ましい範囲に制限し且つ/又は不飽和の型を制御するために、部分水素化させることができる。
付加重合法によって適当に重合されるモノマーを一部挙げると、脂肪族及び芳香族α−オレフィン及び置換オレフィン、共役及び非共役ジエン並びに環状オレフィン及びポリオレフィンがある。例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、ビニルシクロヘキサン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、3−n−プロピル−1,3−ペンタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−3−メチル−1,3−ヘキサジエン、デカジエン、ジビニルベンゼン、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン、ベンゾシクロ−ブテン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン及びそれらの混合物が挙げられる。
C.アニオン重合
アニオン重合は、逐次モノマー付加方式又はカップリング法によるような、エチレン性不飽和を含むブロックコポリマーの製造において非常に有用であることが多い。ポリマーへのバックボーン及び/又はペンダント不飽和の導入には、共役ジエン又は多官能価モノマーを使用する。ポリマー、特にブタジエン又はイソプレンを含むポリマーは、不飽和の量及び型の制御のために部分水素化することができる。アニオン重合条件下における重合に適当なモノマーとしては、
エチレン、スチレン、α−メチルスチレン及びp−ビニルトルエン、
共役ジエン、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、3−n−プロピル−1,3−ペンタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、
ジビニルベンゼン及びジビニルトルエン、
メチルメタクリレート、シアノアクリレート及びブチルアクリレート、
アクリロニトリル
が挙げられる。
D.開環重合
開環重合は、官能性コモノマーを使用する場合には、バックボーン又はペンダント不飽和を有するポリマー及びコポリマーをもたらすことができる。不飽和はまた、不飽和アルコールのような開始基の選択によってポリマー中に組み入れることもできる。開環重合を受けやすい適当な化合物を一部挙げると、
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン及びトリオキサン、
ラクタム類、例えばカプロラクタム、
環状チオエーテル、
エピクロロヒドリン及びその誘導体、
オキセパン類及びオキセタン類、
ラクトン類、
ラクチド類、
環状無水物、並びに
環状アミン
などがある。
E.メタセシス重合
不飽和モノマー又はモノマー混合物のメタセシスは、本発明に従って使用する1種又は全ての不飽和ポリマーの製造に使用できる。このようなポリマー及びコポリマーは必然的にバックボーンに沿ってエチレン性不飽和を含む。その他のペンダント二重結合は、多官能価モノマーを用いることによって導入できる。このようなメタセシス重合に使用するのに適当なモノマーを一部挙げると、
非環式ジエン、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、3−n−プロピル−1,3−ペンタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−3−エチル−1,3−ブタジエン及び2−エトキシ−3−メチル−1,3−ヘキサジエン、
環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロオクテン、
環状ジエン、例えばシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン、ノルボルナジエン及びシクロオクタジエン
などがある。
F.縮合又は逐次重合
縮合ポリマー及びコポリマーは、ペンダント又はバックボーン不飽和を有するコモノマーを用いて製造でき、それによって本発明のメタセシス法の1種又は全ての不飽和ポリマー反応剤として使用するのに適当な不飽和ポリマーを製造できる。更に、エステル官能基を含むポリマーは、バックボーン若しくはペンダント不飽和を含む分子とのエステル交換に暴露して、本発明の方法に使用するのに適当な不飽和ポリマーを生成できる。このようなエステル交換法(及び本発明)に使用するのに適当な化合物の例としては、ポリエステル、ポリ無水物(polyanhydride)、ポリアセタール、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、絹フィブロイン、セルロース、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリスルフィド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイミン、ポリサッカライド及びタンパク質が挙げられる。本発明に使用するのに好ましい縮合又は逐次ポリマーとしては、エチレン性不飽和ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン及びポリエーテルが挙げられる。
ポリマー対間のエチレン性不飽和含量及びTgに関して前に開示した要件が観察されるならば、不飽和ポリマーを製造するための前記方法は全て本発明の方法への使用に適当であることを理解すべきである。本発明に使用するのに最も好ましい不飽和ソフトセグメント含有ポリマーは、エチレン、1種又はそれ以上のC3〜C20脂肪族α−オレフィン及び共役ジエン、特にブタジエン、イソプレン又は2−クロロ−1,3−ブタジエンの付加重合、特に配位重合によって製造される、約1.8〜5.0の多分散度を有する、比較的均一な組成のポリオレフィン系炭化水素である。
メタセシス法の説明
ここで使用するのに適当なメタセシス条件は、1種又はそれ以上のメタセシス触媒とそれぞれの不飽和ポリマー反応剤との逐次又は同時接触を含む。メタセシスは液相中で、例えば溶剤を用いて又は1種若しくはそれ以上のポリマーのメルト中で、或いは固相法で行うことができ、メタセシスは、ポリマーがその方法の間じゅう常に完全に混和性又は可溶性であることを必要としない。不飽和ポリマー反応剤は、このメタセシスと並行して又は連続して、1つ又はそれ以上の塊状重合反応器、溶液重合反応器、スラリー重合反応器、懸濁重合反応器、気相重合反応器又は他の重合反応器中で、この方法の1単位操作として又は別々に合成できる。一実施態様において、このメタセシスの親ポリマーは、メタセシスの前に共製造し、回収又は単離の前にこの方法に供するので、不飽和ポリマー反応剤の再溶融、溶解及び/又はブレンドの必要がない。極めて望ましくは、温度及び反応媒体は、反応混合物の少なくとも1種の成分を溶融させるか又は充分に可溶化させて流体反応媒体を形成するように、選択する。
得られるポリマー生成物の分子量は下は250g/モルから上は1×107g/モルまでの範囲であることができる。多分散度(Mw/Mn)は、親ポリマーの多分散度及び官能価に左右される。得られるポリマー生成物に適当なMw/Mnの範囲は、約1.0〜100、好ましくは1.8〜10である。
この方法の生成物はポリマーセグメントのランダム分布であるので、生成物は未結合ポリマーセグメントの一部を含む可能性がある。未結合セグメントの部分は、CRYSTAF、TREF又はATREFのような、任意の適当な分析法によって特性決定することができる。一般に、未結合セグメントの量は2〜98%、好ましくは2〜5%の範囲である。未結合配列の部分は、不飽和ポリマー反応剤の性質及び得られるポリマー生成物の最終使用目的によって異なり得る。
メタセシス生成物
本発明のコポリマー生成物は、ポリマーブロック及びブロック長さのランダム分布を含む。ブロックの長さ分布は、最初のポリマー反応剤中のセグメントの長さ分布及び行ったメタセシスの程度に左右される。本発明のポリマーは、ランダムポリマーのブロック連結性の存在及びブロック長さの統計的分布によって、純粋なジブロック、トリブロック又は他のコポリマーから区別される。2つより多くのポリマー型が存在し且つ/又はペンダント鎖不飽和が最初に存在するか若しくはメタセシスプロセスの間に発生する場合には、得られる生成物中にくし型ポリマーのような、更なるポリマー型が存在するであろう。
1つ又はそれ以上のバックボーン不飽和を有する線状不飽和ポリマーについてメタセシスを行う場合には、結果として線状ポリマーが生じる。バックボーン不飽和と不飽和長鎖分岐を含むペンダント不飽和との組合せを有する不飽和ポリマーについてメタセシスを行う場合には、結果としてポリマー生成物中に分岐が生じる。1種又はそれ以上の不飽和親ポリマーが主にペンダント不飽和を有し且つ少なくとも1種の他の不飽和親ポリマーが主にバックボーン不飽和を有する場合には、くし型が形成される。1種の不飽和ポリマーが主にペンダントビニル官能基を含む特殊な場合については、結果として架橋網状構造が生じて、軽度に架橋した又は完全に加硫された生成物を含む生成物が生成される可能性がある。他方、末端不飽和はこの方法に正味の影響がなく、得られる生成物中に比較的長い末端ブロックを発生させるだけである。好ましくは、反応剤ポリマー中のほとんどの又は実質的に全てのエチレン性不飽和は無限不飽和である。
本発明に従って得られる具体的な非限定的ポリマー生成物としては、以下の組合せ又は不飽和反応剤ポリマーのメタセシスによって生じるものが挙げられる。いずれの場合においても、Tm又はTgの値は実測値又は予想値であることができる。
A.不飽和分岐ポリエチレン+不飽和ジエンゴム
1.クロスメタセシス生成物は好ましくは、関連Tg1(associated Tg1)を有する非晶質ポリエチレン(ソフトセグメント)及び関連Tg2を有するエラストマー性ジエンポリマー(ソフトセグメント)又は短鎖非ポリマーセグメント(不飽和度の高いジエンポリマー(ジエンポリマー中の不飽和レベル10〜50モル%、好ましくは10〜48モル%)を用いる場合には特に)からなる。極性基含有ジエンエラストマー、特に2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン又はアクリロニトリル/1,3−ブタジエンコポリマーを使用すると、ポリエチレンのようなポリオレフィンとの相溶性が改善されたエラストマー生成物が得られる。
2.ポリマー生成物中の分岐ポリエチレンセグメントの質量分率は望ましくは4%から96%まで幅がある。未結合低密度ポリエチレンの質量分率は望ましくは50%未満、好ましくは25%又はそれ以下である。
前記実施態様において、
Tg1は好ましくはTg2より高く、より好ましくはTg2より少なくとも25℃高く、最も好ましくはTg2より少なくとも50℃高い。
B.不飽和ポリプロピレン/エチレンコポリマー+不飽和ジエンゴム
1.関連Tg1を有するプロピレン/エチレンコポリマーセグメント及び関連Tg2を有するエラストマー性ジエンポリマーのセグメント又は短鎖非ポリマーセグメント(不飽和度の高いジエンポリマー(ジエンポリマー中の不飽和レベル10〜50モル%、好ましくは10〜48モル%)を用いる場合には特に)からなる。極性基含有ジエンエラストマー、特に2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン又はアクリロニトリル/1,3−ブタジエンコポリマーを使用すると、ポリプロピレンのようなポリオレフィンとの相溶性が改善されたエラストマー生成物が得られる。
2.ポリマーは、任意的に、関連結晶融点又はTmを有する結晶性又は半結晶性ポリプロピレンセグメントを含むことができる。
3.プロピレン/エチレンエラストマーセグメントの質量分率は望ましくは4〜96%である。極めて望ましくは、未結合ポリプロピレンの質量分率は50%未満、好ましくは25%又はそれ以下である。
前記実施態様において、
Tmは100℃より高く、より好ましくは130℃より高く、最も好ましくは150℃より高い。
Tg1は好ましくはTg2より高く、より好ましくはTg2より少なくとも25℃高く、最も好ましくはTg2より少なくとも50℃高い。
C.不飽和極性基含有非晶質ポリマー+不飽和ジエンゴム
1.クロスメタセシス生成物は好ましくは、関連Tg1を有する極性基含有非晶質ポリマーのセグメント及び関連Tg2を有するエラストマー性ジエンポリマーのセグメント又は短鎖非ポリマーセグメント(不飽和度の高いジエンポリマーを使用する(不飽和10〜50モル%、好ましくは10〜48モル%)場合には特に)からなる。
2.生成物中の極性基含有非晶質ポリマーの質量分率は望ましくは4%から96%まで幅がある。未結合極性基含有ポリマーの質量分率は望ましくは50%未満、好ましくは25%又はそれ以下である。
前記実施態様において:
Tg1は好ましくはTg2より高く、より好ましくはTg2より少なくとも25℃高く、最も好ましくはTg2より少なくとも50℃高い。
D.不飽和極性基含有非晶質ポリマー+不飽和極性基含有ジエンエラストマー
1.クロスメタセシス生成物は好ましくは、関連Tg1を有する極性基含有非晶質ポリマーのセグメント及び関連Tg2を有するエラストマー性極性基含有ジエンポリマーのセグメント(ソフトセグメント)又は短鎖非ポリマーセグメント(不飽和度の高いジエンポリマーを使用する(不飽和10〜50モル%、好ましくは10〜48モル%)場合には特に)からなる。ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−フルオロ−1,3−ブタジエン)又はアクリロニトリル/1,3−ブタジエンコポリマーの使用は、極性基置換ジエンポリマーの形成に好ましい。
2.コポリマー生成物中の極性基含有非晶質ポリマーセグメントの質量分率は望ましくは4%から96%まで幅がある。未結合極性基含有非晶質ポリマーセグメントの質量分率は望ましくは50%未満、好ましくは25%又はそれ以下である。
前記実施態様において:
Tg1は好ましくはTg2より高く、より好ましくはTg2より少なくとも25℃高く、最も好ましくはTg2より少なくとも50℃高い。
種々のポリマーセグメントの確認は、CRYSTAF、TREF、ATREF、DSC、IR若しくはNMR法又はそれらの組合せを用いて実施する。
付加重合による不飽和反応剤ポリマーの合成
本発明において使用するための不飽和ハードセグメント反応剤ポリマーの好ましい製造方法は、エチレン、1種又はそれ以上のα−オレフィン及びジオレフィンの付加重合である。このような共重合に適当な触媒には、オレフィンモノマーの重合に使用するための、前に開示した既知の遷移金属系配位触媒がある。特に好ましい触媒は第4族金属、特にジルコニウム又はハフニウム、及びヘテロ原子含有ドナー配位子を含む。望ましい触媒は、末端不飽和が少ないインターポリマー生成物を生成する。ポリマー中の不飽和、特に末端不飽和の存在は、メタセシス触媒との接触前に、得られるインターポリマーの水素化によって更に減少させることができる。望ましくは、不飽和ポリマー中のオレフィン性不飽和の出現率は、0.01〜0.1%に調整し、末端不飽和は0.001%以下、好ましくは0.0001%未満とする。このような値の測定において、エチレン単位及びそのいずれの炭素上のいずれの置換基も、エチレン単位の理論重量に含める。
配位触媒成分として有用な適当な第4族金属錯体の例には、1つ又はそれ以上の非局在化π−結合配位子又は多価ルイス塩基配位子を含む元素周期表第3族〜第15族から選ばれた遷移金属の錯体がある。例としては、メタロセン、ハーフメタロセン、制限幾何及び多価ピリジルアミン−、ポリエーテル−又は他のポリキレート化塩基錯体が挙げられる。錯体は一般的に式:MKkxzによって表されるか、又はその二量体である。前記式において、
Mは、元素周期表の第3族〜第15族、好ましくは第3族〜第10族、より好ましくは第4族〜第8族、最も好ましくは第4族から選ばれた金属であり;
Kはそれぞれ独立して、KをMに結合させる非局在化π電子又は1個若しくはそれ以上の電子対を含む基であり、前記K基は水素原子を数えずに50個以下の原子を含み、場合によっては2個又はそれ以上のK基が結合して架橋構造(橋かけ構造)を形成でき、更に場合によっては、1つ又はそれ以上のK基がZに、Xに又はZ及びXの両方に結合でき;
Xはそれぞれ独立して、40個の非水素原子を有する一価アニオン部分であり、場合によっては1個又はそれ以上のX基が結びつくことによって二価又は多価アニオン基を形成でき、更に場合によっては1個又はそれ以上のX基と1個又はそれ以上のZ基とが結びつくことによって、Mに共有結合され且つそれに配位される部分を形成することができ;
Zはそれぞれ独立して、ZをMに配位させる少なくとも1つの非共有電子対を含む非水素原子50個以下の中性ルイス塩基ドナー配位子であり;
kは0〜3の整数であり;
xは1〜4の整数であり;
zは0〜3の数であり;且つ
和k+xはMの形式酸化状態(formal oxidation state)に等しい。
適当な金属錯体には、環状又は非環状非局在化π結合アニオン性配位基であることができる1〜3個のπ結合アニオン性又は中性配位基を含むものがある。このようなπ結合基の例は、共役又は非共役、環状又は非環状ジエン及びジエニル基、アリル基、ボラタベンゼン基、ホスホール及びアレーン基である。用語「π結合」は、部分非局在化π結合からの電子の共有によって遷移金属に配位基を結合させることを意味する。
非局在化π結合基中の各原子は独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル置換ヘテロ原子(ヘテロ原子は元素周期表の第14族〜第16族から選ばれる)からなる群から選ばれた基で置換されることができ、このようなヒドロカルビル置換ヘテロ原子基は更に、第15族又は第16族のヘテロ原子を含む部分によって置換されることができる。更に、2つ又はそれ以上のこのような基が一緒に、部分水素化又は完全水素化縮合環系を含む縮合環系を形成することもできるし、或いは金属と共にメタロサイクルを形成することもできる。用語「ヒドロカルビル」には、C1〜C20直鎖、分岐鎖及び環状アルキル基、C6〜C20芳香族基、C7〜C20アルキル置換芳香族基並びにC7〜C20アリール置換アルキル基を含める。適当なヒドロカルビル置換ヘテロ原子基には、ホウ素、珪素、ゲルマニウム、窒素、燐又は酸素の一置換、二置換及び三置換基があり、ヒドロカルビル基はそれぞれ、1〜20個の炭素原子を含む。例としては、N,N−ジメチルアミノ、ピロリジニル、トリメチルシリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジ(t−ブチル)シリル、トリフェニルゲルミル及びトリメチルゲルミル基が挙げられる。第15族又は第16族ヘテロ原子含有部分の例としては、遷移金属又はランタニド金属に結合し且つヒドロカルビル基、π結合基又はヒドロカルビル置換ヘテロ原子に結合したアミノ、ホスフィノ、アルコキシ若しくはアルキルチオ部分又はその二価誘導体、例えばアミド、ホスフィド、アルキレンオキシ若しくはアルキレンチオ基が挙げられる。
適当なアニオン性非局在化π結合基の例としては、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロアントラセニル、ヘキサヒドロアントラセニル、デカヒドロアントラセニル基、ホスホール及びボラタベンジル基並びにそれらの不活性置換誘導体、特にそれらのC1〜C10ヒドロカルビル置換又はトリス(C1〜C10ヒドロカルビル)シリル置換誘導体が挙げられる。好ましいアニオン性非局在化π結合基は、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、2,3−ジメチルインデニル、フルオレニル、2−メチルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、1−インダセニル、3−ピロリジノインデン−1−イル、3,4−(シクロペンタ(l)フェナントレン−1−イル及びテトラヒドロインデニルが挙げられる。
ボラタベンジル配位子は、ベンゼンのホウ素含有類似体であるアニオン性配位子である。これらは、既に当業界で知られており、G.Herberich,et al.,Organometallics,14,1,471−480(1995)に記載されている。好ましいボラタベンゼニル配位子は式:
Figure 2010501719
[式中、R1は、好ましくは水素、ヒドロカルビル、シリル、ハロ若しくはゲルミルからなる群から選ばれた不活性置換基であり、前記R1は水素を数えずに20個以下の原子を有し、場合によっては2個の隣接R1基が結合されることができる]
に相当する。このような非局在化π結合基の二価誘導体を含む錯体において、その1個の原子は、共有結合又は共有結合された二価基によって、錯体の別の原子に結合されて、架橋系を形成する。
ホスホールは、シクロペンタジエニル基の燐含有類似体であるアニオン性配位子である。これらは既に当業界で知られており、国際出願公開WO 98/50392号などに記載されている。好ましいホスホール配位子は式:
Figure 2010501719
[式中、R1は前に定義した通りである]
に相当する。本発明に使用するのに好ましい遷移金属錯体は、式:MKkxz又はその二量体に相当し、前記式において、
Mは、第4族の金属であり;
Kは、非局在化π電子を含む基であり、Kはこの非局在化π電子によってMに結合され、前記Kは水素原子を数えずに50個以下の原子を含み、場合によっては2つのK基が結合して、架橋構造を形成でき、更に場合によっては1つのKがX又はZに結合でき;
Xはそれぞれ、40個以下の非水素原子を有する一価アニオン性部分であり、場合によっては1個又はそれ以上のX基と1個又はそれ以上のK基が結合してメタロサイクルを形成し、更に場合によっては1個又はそれ以上のX基と1個又はそれ以上のZ基が結合して、Mに共有結合し且つそれに配位結合する部分を形成し;
Zはそれぞれ独立して、ZをMに配位結合させる少なくとも1つの非共有電子対を含む、非水素原子が50個以下の中性ルイス塩基ドナー配位子であり;
kは0〜3の整数であり;
xは1〜4の整数であり;
zは0〜3の数であり;
和k+xは、Mの形式酸化状態に等しい。
好ましい錯体には1又は2個のK基を含むものがある。後者の錯体には、2個のK個を結合させる架橋基を含むものがある。好ましい架橋基は、式(ER’2e[式中、Eは珪素、ゲルマニウム、錫又は炭素であり、R’は、それぞれ独立して、水素又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ及びそれらの組合せから選ばれた基であり、前記R’は30個以下の炭素又は珪素原子を有し、eは1〜8である]に相当するものである。好ましくは、R’はそれぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、tert−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ又はフェノキシである。
2個のK基を含む錯体の例は、式:
Figure 2010501719
[式中、Mはチタン、ジルコニウム又はハフニウム、好ましくは+2又は+4の形式酸化状態のジルコニウム又はハフニウムであり;
3はそれぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ及びそれらの組合せからなる群から選ばれ、前記R3は20個の非水素原子を有し、又は隣接R3基は一緒に二価誘導体(即ち、ヒドロカルバジイル、シラジイル又はゲルマジイル基)を形成して、縮合環系を形成し;
X”は、それぞれ独立して、非水素原子40個以下のアニオン性配位基であり、或いは2個のX”基が一緒に、非水素原子40個以下の二価アニオン性配位基を形成するか又は一緒に、非局在化π電子によってM(Mは+2の形式酸化状態にある)に結合した、4〜30個の非水素原子を有する共役ジエンであり;
R’、E及びeは前に定義した通りである]
に相当する化合物である。
2個のπ結合基を含む架橋配位子の例は、ジメチルビス(シクロペンタジエニル)シラン、ジメチルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン、ジメチルビス(2−エチルシクロペンタジエン−1−イル)シラン、ジメチルビス(2−t−ブチルシクロペンタジエン−1−イル)シラン、2,2−ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)プロパン、ジメチルビス(インデン−1−イル)シラン、ジメチルビス(テトラヒドロインデン−1−イル)シラン、ジメチルビス(フルオレン−1−イル)シラン、ジメチルビス(テトラヒドロフルオレン−1−イル)シラン、ジメチルビス(2−メチル−4−フェニルインデン−1−イル)シラン、ジメチルビス(2−メチルインデン−1−イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(フルオレン−1−イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレン−1−イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレン−1−イル)シラン、(1,1,2,2−テトラメチ)−1,2−ビス(シクロペンタジエニル)ジシラン、1,2−ビス(シクロペンタジエニル)エタン及びジメチル(シクロペンタジエニル)−1−(フルオレン−1−イル)メタンである。
好ましいX”基は、水素化物、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハロヒドロカルビル、ハロシリル、シリルヒドロカルビル及びアミノヒドロカルビル基から選ばれ、或いは2個のX”基が一緒に共役ジエンの二価誘導体を形成するか又はそれらが一緒に中性π結合共役ジエンを形成する。
本発明に使用するのに適当な前記式の金属錯体の例としては以下のものが挙げられる:
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルベンジル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルフェニル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、
ビス(シクロペンタジエニル)チタン−アリル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルメトキシド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル、
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
インデニルフルオレニルジルコニウムジメチル、
ビス(インデニル)ジルコニウムメチル(2−(ジメチルアミノ)ベンジル)、
ビス(インデニル)ジルコニウムメチルトリメチルシリル、
ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムメチルトリメチルシリル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルベンジル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルメトキシド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン(III)アリル、
ジメチルシリルビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル、
(ジメチルシリルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル、
ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウム−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデン−1−イル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデン−1−イル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラヒドロフルオレニル)ジルコニウムビス(トリメチルシリル)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、
(イソプロピリデン)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジベンジル、及び
ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル。
本発明において使用する金属錯体の更なる種類は、前記式MKXxz又はその二量体(式中、M、K、X、x及びzは前に定義した通りであり、Zは、Kと共にMを含むメタロサイクルを生成する非水素原子50個以下の置換基である)に相当する。
好ましいZ置換基には、Kに直接結合した、酸素、硫黄、ホウ素又は元素周期表の第14族の一員である少なくとも1個の原子を含む30個以下の非水素原子と、Mに共有結合した窒素、燐、酸素又は硫黄からなる群から選ばれた別の原子とを含む基がある。
より具体的には、本発明に従って使用するこの種類の第4族金属錯体には、式:
Figure 2010501719
[式中、Mは、チタン若しくはジルコン、好ましくは+2、+3又は+4の形式酸化状態のチタンであり;
1は1〜5個のR2基で場合によっては置換された非局在化π結合配位基であり;
2はそれぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ及びそれらの組合せからなる群から選ばれ、前記R2は20個以下の非水素原子を有し、又は隣接R2基が一緒に二価誘導体(即ち、ヒドロカルバジイル、シラジイル又はゲルマジイル基)を形成して、縮合環系を形成し;
各Xは、ハロ、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ又はシリル基であり、前記基は20個以下の非水素原子を有し、又は2個のX基が一緒に中性C5〜C30共役ジエン若しくはその二価誘導体を形成し;
xは1又は2であり;
Yは−O−、−S−、−NR’−、−PR’−であり;
X’は、SiR’2、CR’2、SiR’2SiR’2、CR’2CR’2、CR’=CR’、CR’2SiR’2又はGeR’2(R’は、それぞれ独立して、水素、又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ及びそれらの組合せから選ばれた基であり、前記R’は30個以下の炭素又は珪素原子を有する)である]
に相当する「制限幾何触媒(constrained geometry catalysts)」がある。
前記制限幾何金属錯体の具体例には、式:
Figure 2010501719
[式中、Arは水素を数えずに6〜30個の原子のアリール基であり;
4はそれぞれ独立して、水素、Ar、又はヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、トリヒドロカルビルシロキシ、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルバジイルアミノ、ヒドロカルビルイミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルバジイルホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリルオキシ置換ヒドロカルビル、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル若しくはヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルから選ばれたAr以外の基であり、前記R基は水素原子を数えずに40個以下の原子を有し、場合によっては2個の隣接R4基が結合して、多環式縮合環基を形成でき;
Mはチタンであり;
X’は、SiR6 2、CR6 2、SiR6 2SiR6 2、CR6 2CR6 2、CR6=CR6、CR6 2SiR6 2、BR6、BR6L”又はGeR6 2であり;
Yは、−O−、−S−、−NR5−、−PR5−、―NR5 2又は−PR5 2であり;
5はそれぞれ独立して、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、前記R5は水素以外の20個以下の原子を有し、場合によっては2個のR5基が又はR5とY若しくはZとが環系を形成し;
6はそれぞれ独立して、水素、又はヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、−NR5 2及びそれらの組合せから選ばれた一員であり、前記R6は20個以下の非水素原子を有し、場合によっては2個のR6基が又はR6とZとが環系を形成し;
Zは、中性ジエン又は一座若しくは多座ルイス塩基(場合によってはR5、R6又はXに結合した)であり;
Xは水素、水素を数えずに60個以下の原子を有する一価アニオン性配位基であり、又は2個のX基が結合して、二価配位基を形成し;
xは1又は2であり;
zは0、1又は2である]
に相当する化合物がある。
前記金属錯体の好ましい例は、シクロペンタジエニル又はインデニル基の3位及び4位の両方においてAr基で置換されている。
前記金属錯体の例としては、以下のものが挙げられる:
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,3−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(ピロル−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(ピロル−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(ピロル−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(1−メチルピロル−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(1−メチルピロル−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(1−メチルピロル−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(4−メトキシフェニル)−4−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、及び
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン。
付加重合触媒としての使用に適当な金属錯体の更なる例は、式:
Figure 2010501719
[式中、Mは+2、+3又は+4の形式酸化状態にあるチタンであり;
7はそれぞれ独立して、水素化物、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン−ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン−ホスフィノ置換ヒドロカルビル又はヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R7基は水素を数えずに40個以下の原子を有し、場合によっては2個又はそれ以上の前記基が一緒に二価誘導体を形成でき;
8は、金属錯体の残りと共に縮合系を形成する二価ヒドロカルビレン基又は置換ヒドロカルビレン基であり、前記R8は水素を数えずに1〜30個の原子を含み;
aは、二価の部分、又はMへの配位−供給結合を形成できる、1個のσ結合と中性の2個の電子対を含む部分であり、前記Xaは、ホウ素又は元素周期表の第14族の一員を含み且つまた窒素、燐、硫黄又は酸素を含み;
Xは、環状非局在化π結合配位基である配位子の類を除いた60個以下の原子を有する一価アニオン性配位基であり、場合によっては2個のX基が一緒に二価配位基を形成し;
Zはそれぞれ独立して、20個以下の原子を有する中性配位化合物であり;
xは0、1又は2であり;
zは0又は1である]
に相当する多環式錯体である。
このような錯体の好ましい例は、式:
Figure 2010501719
に相当する3−フェニル置換s−インデセニル錯体;式:
Figure 2010501719
に相当する2,3−ジメチル置換s−インデセニル錯体;又は
式:
Figure 2010501719
に相当する2−メチル置換s−インデセニル錯体である。
このような金属錯体の別の例には、式:
Figure 2010501719
を有するものがある。
具体的な金属錯体としては、以下のものが挙げられる:
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、及びそれらの混合物、特に位置異性体の混合物。
付加重合法に使用するための金属錯体の説明に役立つ更なる実例は、式:
Figure 2010501719
[式中、Mは+2、+3又は+4の形式酸化状態のチタンであり;
Tは−NR9−又は−O−であり;
9はヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ジヒドロカルビルボリル若しくはハロヒドロカルビル又は、水素を数えずに、原子10個以下であり;
10はそれぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン−ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル又はヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R10基は水素原子を数えずに40個以下の原子を有し、場合によっては2個又はそれ以上の前記隣接R10基が一緒に二価誘導体を形成して、飽和又は不飽和縮合環を形成でき;
aは、非局在化π電子を有さない二価の部分、又はMへの配位−共有結合を形成できる1個のσ結合と中性の2個の電子対を含むこのような部分であり、前記X’は、ホウ素又は元素周期表の第14族の一員を含み且つまた窒素、燐、硫黄又は酸素を含み;
Xは、非局在化π電子によってMに結合した環状配位基である配位子の類を除いた60個以下の原子を有する一価アニオン性配位基であるか、又は2個のX基が一緒になって二価アニオン性配位基であり;
Zはそれぞれ独立して、20個以下の原子を有する中性配位化合物であり;
xは0、1又は2であり;
zは0又は1である]
に相当する。
極めて好ましくは、Tは=N(CH3)であり、Xはハロ又はヒドロカルビルであり、xは2であり、X’はジメチルシランであり、zは0であり、且つR10はそれぞれ、水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジヒドロカルビルアミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル基又はヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル基(水素を数えずに20個の原子の)であり、場合によっては2個のR10基が結合することができる。
前記式の金属錯体の実例としては、以下の化合物が挙げられる:
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、及び
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)。
本発明の実施において使用できる第4族金属錯体の実例として、更に以下のものが挙げられる:
(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタンジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−インデニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル;
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)アリル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)2,4−ジメチルペンタジエニル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)3−メチル−1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,4−ジメチルペンタジエン−3−イル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(6,6−ジメチルシクロヘキサジエニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル=メチルフェニルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル=メチルフェニルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
1−(tert−ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)エタンジイルチタン(IV)ジメチル、及び
1−(tert−ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)エタンジイルチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン。
言うまでもなく、他の非局在化π結合錯体、特に他の第4族金属を含むものも当業者には明らかであろう。これらは特に、以下:WO 03/78480、WO 03/78483、WO 02/92610、WO 02/02577、US 2003/0004286及び米国特許第6,515,155号、第6,555,634号、第6,150,297号、第6,034,022号、第6,268,444号、第6,015,868号、第5,866,704号及び第5,470,993号に開示されている。
有効に使用される金属錯体の別の例は、多価ルイス塩基の金属錯体、例えば式:
Figure 2010501719
好ましくは
Figure 2010501719
[式中、Tbは、好ましくは水素以外の2個又はそれ以上の原子を含む架橋基であり;
b及びYbはそれぞれ独立して、窒素、硫黄、酸素及び燐からなる群か選ばれ、より好ましくはXb及びYbが共に窒素であり;
b及びRb’はそれぞれ独立して、水素、或いは、任意的に、1個若しくはそれ以上のヘテロ原子を含むC1〜C50ヒドロカルビル基又はその不活性置換誘導体であり(適当なRb及びRb’基の非限定的例にはアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、(ポリ)アルキルアリール及びシクロアルキル基並びにそれらの窒素、燐、酸素及びハロゲン置換誘導体があり、適当なRb及びRb’の具体例としてはメチル、エチル、イソプロピル、オクチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジ(イソプロピル)フェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5−トリフルオロメチルフェニル及びベンジルが挙げられる);
gは0又は1であり;
bは、元素周期表の第3族〜第15族又はランタニド系列から選ばれた金属元素、好ましくは第3族〜第13族金属、より好ましくは第4族〜第10族金属であり;
bは水素を数えずに1〜50個の原子を含む一価、二価又は三価アニオン性配位子であり(適当なLb基の例としては、ハライド;水素化物;ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ;ジ(ヒドロカルビル)アミド、ヒドロカルビレンアミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド;ヒドロカルビルスルフィド;ヒドロカルビルオキシ、トリ(ヒドロカルビルシリル)アルキル;及びカルボキシレートが挙げられ、より好ましいLb基はC1〜C20アルキル、C7〜C20アラルキル及び塩化物である);
hは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数であり、jは1又は2であり、h×jの値は電荷を釣り合わせるように選ばれ;
bは、水素を数えずに50個以下の原子を含む、Mbに配位した中性配位基であり(好ましいZb基には脂肪族及び芳香族アミン、ホスフィン、並びにエーテル、アルキン、アルカジエン、更にはそれらの不活性置換誘導体があり、適当な不活性置換基にはハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ジ(ヒドロカルビル)アミン、トリ(ヒドロカルビル)シリル及びニトリル基があり、好ましいZb基としてはトリフェニルホスフィン、テトラヒドロフラン、ピリジン及び1,4−ジフェニルブタジエンが挙げられる);
fは1〜3の整数であり;
b、Rb及びRb’の2つ又は3つが結合して、単環又は多環の環構造を形成することができ;
hは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数であり;
矢印は配位結合を表し、点線は任意の二重結合を示す]
を有する化合物である。
一実施態様において、RbはXbに対して比較的小さい立体障害を有するのが好ましい。この実施態様において、最も好ましいRb基は、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、最も近い分岐点がXbから少なくとも3原子隔たっている分岐鎖アルキル基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ又はトリヒドロカルビルシリル置換誘導体である。この実施態様において極めて好ましいRb基はC1〜C8直鎖アルキル基である。
同時に、この実施態様において、Rb’は好ましくはYbに対して比較的大きい立体障害を有する。この実施態様に適当なRb’の非限定的例としては、1個又はそれ以上の第二又は第三炭素中心を含むアルキル又はアルケニル基、シクロアルキル、アリール、アルカリール、脂肪族若しくは芳香族複素環式基、有機若しくは無機オリゴマー、ポリマー若しくは環状基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ若しくはトリヒドロカルビルシリル置換誘導体である。この実施態様における好ましいRb’基は水素を数えずに3〜40個、より好ましくは3〜30個、最も好ましくは4〜20個の原子を含み、分岐鎖又は環状である。
好ましいTb基の例は、以下の式:
Figure 2010501719
に相当する構造である。前記式において、各Rdは、C1〜C10ヒドロカルビル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、ベンジル又はトリルである。各Reは、C1〜C10ヒドロカルビル、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、ベンジル又はトリルである。更に、Rd若しくはRe基の2つ若しくはそれ以上が又はRd基とRe基の混合物が一緒になって、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレンのようなヒドロカルビル基の多価誘導体、又はナフタレン−1,8−ジイルのような多環式縮合環多価ヒドロカルビル基若しくはヘテロヒドロカルビル基を形成できる。
前記多価ルイス塩基錯体の好ましい例としては、以下のものが挙げられる:
Figure 2010501719
[式中、Rd’は、それぞれ独立して、水素及び1個若しくはそれ以上のヘテロ原子を、任意的に、含むC1〜C50ヒドロカルビル基、又はそれらの不活性置換誘導体から選ばれ、或いは更に場合によっては2つの隣接Rd’基が一緒になって二価架橋基を形成することができ;
d’は4であり;
b’は、第4族金属、好ましくはチタン若しくはハフニウム又は第10族金属、好ましくはNi若しくはPdであり;
b’は、水素を数えずに原子50個以下の一価配位子、好ましくはハライド若しくはヒドロカルビルであり、又は2個のLb’基が一緒になって二価若しくは中性配位基、好ましくはC2〜C50ヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル若しくはジエン基である]。
多価ルイス塩基錯体としては、更に第4族金属誘導体、特に式:
Figure 2010501719
[式中、R11は、水素を数えずに1〜30個の原子を含むアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロへテロアルキル、アリール及びそれらの不活性置換誘導体又はそれらの二価誘導体から選ばれ;
1は、水素以外の1〜41個の原子の、好ましくは水素以外の1〜20個の原子の二価架橋基、最も好ましくはモノ−又はジ−C1〜C20ヒドロカルビル置換メチレン又はシラン基であり;
12は、ルイス塩基官能価を含むC5〜C20ヘテロアリール基、特にピリジン−2−イル基若しくは置換ピリジン−2−イル基又はそれらの二価誘導体であり;
1は、第4族金属、好ましくはジルコニウム又はハフニウムであり;
1は、アニオン性、中性又はジアニオン性配位基であり;
x’は0〜5の数字であって、このようなX1基の数を表し;
結合、任意結合及び電子供与性相互作用はそれぞれ、線、点線及び矢印で表される]
に相当するヒドロカルビルアミン置換へテロアリール化合物のハフニウム誘導体が挙げられる。
好ましい錯体は、配位子形成が、アミン基からの水素脱離、及び場合によっては1個又はそれ以上の更なる基(特にR12からの)の喪失によるものである。更に、ルイス塩基官能価、好ましくは電子対からの電子供与は、金属中心に更なる安定性をもたらす。好ましい金属錯体は式:
Figure 2010501719
[式中、M1、X1、x’、R11及びT1は前に定義した通りであり、
13、R14、R15及びR16は水素、ハロ、又は水素を数えずに原子20個以下のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール若しくはシリル基であり、或いは隣接R13、R14、R15若しくはR16基が結合して、縮合環誘導体を形成でき、
結合、任意結合及び電子対供与性相互作用は、それぞれ、線、点線及び矢印で表される]
に相当する。
前記金属錯体のより好ましい例は、式:
Figure 2010501719
[式中、M1、X1及びx’は前に定義した通りであり、
13、R14、R15及びR16は前に定義した通りであり、好ましくはR13、R14及びR15が水素又はC1〜C4アルキルであり且つR16がC6〜C20アリール、最も好ましくはナフタレニルであり;
aは、それぞれ独立して、C1〜C4アルキルであり且つaは1〜5であり、最も好ましくは窒素に対して2つのオルト位にあるRaがイソプロピル又はt−ブチルであり;
17及びR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン又はC1〜C20アルキル若しくはアリール基であり、最も好ましくはR17及びR18の一方が水素であり且つ他方がC6〜C20アリール基、特に2−イソプロピル、フェニル又は縮合多環式アリール基、最も好ましくはアントラセニル基であり、
結合、任意結合及び電子対供与性相互作用はそれぞれ、線、点線及び矢印で表される]
に相当する。
極めて好ましい金属錯体は式:
Figure 2010501719
[式中、X1は、それぞれ、ハライド、N,N−ジメチルアミド又はC1〜C4アルキルであり、好ましくは各X1がメチルであり;
c、Rf及びRgは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1〜C20アルキル又はC6〜C20アリールであり、又は2つの隣接Rc、Rf又はRg基が結合して環を形成し、cは1〜4の整数であり、f及びgは独立して1〜5の整数であり;
hはそれぞれ独立して、水素又はC1〜C6アルキルである]
に相当する。
金属錯体の更なる例は、下記式:
Figure 2010501719
[式中、RxはC1〜C4アルキル又はシクロアルキル、好ましくはメチル、イソプロピル、t−ブチル又はシクロヘキシルであり、X1は、それぞれ、ハライド、N,N−ジメチルアミド又はC1〜C4アルキル、好ましくはメチルである]
を有する錯体である。
このような金属錯体の例としては、以下のものが挙げられる:
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1,2−ナフタレンジイル−κ−C2)−2−ピリジンメタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジメチル;
[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1,2−ナフタレニル−κ−C2)−2−ピリジンメタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジ(n−ブチル);
[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1,2−ナフタレンジイル−κ−C2)−2−ピリジンメタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジメチル;
[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1,2−ナフタレニル−κ−C2)−2−ピリジンメタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジ(n−ブチル);
[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル]−5−(2−エチルベンゾフラン−3−イル−κ−C4)−2−(N’−メチル)イミダゾル−2−イル)メタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジメチル;
[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル]−5−(2−エチルベンゾフラン−3−イル−κ−C4)−2−(N’−メチル)イミダゾル−2−イル)メタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジ(n−ブチル);
[N−[2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル]−5−(2−エチルベンゾフラン−3−イル−κ−C4)−2−(N’−メチル)イミダゾル−2−イル)メタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジ(メチル);及び
[N−[2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1,2−ナフタレニル−κ−C4)−2−ピリジンメタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ハフニウムジ(n−ブチル)。
多価ルイス塩基の適当な金属錯体の例としては、式:
Figure 2010501719
[式中、R20は、水素を数えずに5〜20個の原子を含む芳香族若しくは不活性置換芳香族基、又はそれらの多価誘導体であり;
3は、水素を数えずに1〜20個の原子を有するヒドロカルビレン若しくはシラン基、又はそれらの不活性置換誘導体であり;
3は第4族金属、好ましくはジルコニウム又はハフニウムであり;
Gはアニオン性、中性又はジアニオン性配位基;好ましくは水素を数えずに20個以下の原子を有するハライド、ヒドロカルビル又はジヒドロカルビルアミド基であり;
gは1〜5の数であり、このようなG基の数を示し;
結合及び電子供与性相互作用はそれぞれ線及び矢印で表される]
に相当するポリエーテル化合物が挙げられる。
好ましくは、このような錯体は、式:
Figure 2010501719
[式中、T3は、水素を数えずに原子2〜20個の二価架橋基、好ましくは置換又は非置換C3〜C6アルキレン基であり;
Ar2は、それぞれ独立して、水素を数えずに原子6〜20個のアリーレン基又はアルキル−若しくはアリール−置換アリーレン基であり;
3は第4族金属、好ましくはハフニウム又はジルコニウムであり;
Gはそれぞれ独立して、アニオン性、中性又はジアニオン性配位基であり;
gは1〜5の数であり、このようなX基の数を示し;
電子供与性相互作用は矢印で表される]
に相当する。
前記式の金属錯体の例としては、下記化合物が挙げられる:
Figure 2010501719
[式中、M3はHf又はZrであり;
Ar4はC6〜C20アリール又はそれらの不活性置換誘導体、特に3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロル−1−イル又はアントラセン−5−イルであり;
4は、それぞれ独立して、C3〜C6アルキレン基、C3〜C6シクロアルキレン基又はそれらの不活性置換誘導体を含み;
21は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル(水素を数えずに原子50個以下の)であり;
Gは、それぞれ独立して、ハロ又は水素を数えずに原子20個以下のヒドロカルビル若しくはトリヒドロカルビルシリル基であり、或いは2個のG基が一緒になって前記ヒドロカルビル若しくはトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である]。
特に好ましいのは、式:
Figure 2010501719
[式中、Ar4は、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル又はアントラセン−5−イルであり;
21は、水素、ハロ又はC1〜C4アルキル、特にメチルであり;
4は、プロパン−1,3−ジイル又はブタン−1,4−ジイルであり、
Gは、クロロ、メチル又はベンジルである]
の化合物である。
前記式の最も好ましい金属錯体は、
Figure 2010501719
である。
前記多価ルイス塩基錯体は好都合には、遷移金属源及び中性多価配位子源を含む標準的メタル化及び配位子交換法によって製造される。更に、錯体はまた、対応する第4族金属テトラアミド及びヒドロカルビル化剤、例えばトリメチルアルミニウムを出発原料とする、アミド脱離及びヒドロカルビル化法によって製造できる。他の方法も同様に使用できる。これらの錯体は中でも米国特許第6,320,005号、第6,103,657号、国際出願公開02/38628号、WO 03/40195号及び米国特許出願公開第04/0220050号の開示から知られている。
不飽和ハードセグメントポリマー反応剤の合成用助触媒
一般に、前記金属錯体は、活性化助触媒と接触させることによってオレフィン重合に対して活性にする。適当な助触媒には、第4族金属オレフィン重合錯体と共に使用するために当業界で既に知られている化合物がある。適当な活性化助触媒の例としては、中性ルイス酸、例えばC1〜C30ヒドロカルビル置換第13族化合物、特にトリ(ヒドロカルビル)アルミニウム化合物又はトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物及びそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体(各ヒドロカルビル又はハロゲン化ヒドロカルビル基中に1〜10個の炭素を有する)、より特別には過フッ素化トリ(アリール)ホウ素化合物、最も特別にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;非ポリマー、相溶性、非配位性イオン形成化合物(酸化条件下におけるこのような化合物の使用を含む)、特に相溶性、非配位性アニオンのアンモニウム−、ホスホニウム−、オキソニウム−、カルボニウム−、シリリウム−若しくはスルホニウム−塩、又は相溶性非配位性アニオンのフェロセニウム−、鉛−若しくは銀塩;並びに前記カチオン形成助触媒及び方法の組合せが挙げられる。前記活性化助触媒及び活性化方法は、以下の参考文献中に、オレフィン重合のための種々の金属錯体について既に教示されている:EP−A−277,003、US−A−5,153,157、US−A−5,064,802、US−A−5,321,106、US−A−5,712,185、US−A−5,350,723、US−A−5,425,872、US−A−5,625,087、US−A−5,883,204、US−A−5,919,983、US−A−5,783,512、WO 99/15534及びWO 99/42467。
中性ルイス酸の組合せ、特に各アルキル基の炭素数が1〜4であるトリアルキルアルミニウムと各ヒドロカルビル基の炭素数が1〜20であるハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの組合せ、更にはこのようなルイス酸混合物とポリマー又はオリゴマーアルモキサンとの組合せ、及び単一中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマー又はオリゴマーアルモキサンとの組合せを、活性化助触媒として使用できる。金属錯体:トリス(ペンタフルオロフェニル−ボラン:アルモキサンの好ましいモル比は1:1:1〜1:5:20、より好ましくは1:1:1.5〜1:5:10である。
本発明の一実施態様において助触媒として有用な適当なカチオン形成化合物は、プロトンを供与できるブレンステッド酸であるカチオンと相溶性非配位性アニオン、A-を含む。本明細書中で使用する用語「非配位性」は、第4族金属含有前駆体錯体及びそれから得られる触媒誘導体に配位しないか、又はこのような錯体に弱くしか配位せず、それによって中性ルイス塩基で置換されるように充分に不安定のままであるアニオン又は物質を意味する。非配位性アニオンは特に、カチオン性金属錯体中で電荷を釣り合わせるアニオンとして作用する場合には、アニオン性置換基又はそのフラグメントを前記カチオンに移動させず、それによって中性錯体を形成するアニオンを意味する。「相溶性アニオン」は、最初に形成された錯体が分解する場合に中性まで分解せず且つ望ましいその後の重合又は錯体の他の用途を妨害しないアニオンを意味する。
好ましいアニオンは、電荷を帯びた金属又はメタロイドコアを含む単一配位錯体を含むものであり、このアニオンは、2つの成分を合した場合に形成され得る活性触媒種(金属カチオン)の電荷を釣り合わせることができる。また、前記アニオンは、オレフィン系、ジオレフィン系及びアセチレン系不飽和化合物又は他の中性ルイス塩基、例えばエーテル若しくはニトリルで置換されるように充分に不安定でなければならない。適当な金属としては、アルミニウム、金及び白金が挙げられるが、これらに限定するものではない。適当なメタロイドとしては、ホウ素、燐及び珪素が挙げられるが、これらに限定するものではない。単一金属又はメタロイド原子を含む配位錯体を含むアニオンを含む化合物は言うまでもなく、よく知られており、その多くは、特にアニオン部分に単一ホウ素原子を含むこのような化合物は市販されている。
好ましくは、このような助触媒は、下記一般式:
(L*−H)g +(A)g-
[式中、L*は中性ルイス塩基であり;
(L*−H)+はL*の共役ブレンステッド酸であり;
g-は、g−の電荷を有する非配位性相溶性アニオンであり;
gは1〜3の整数である]
で表すことができる。
より好ましくは、Ag-は式:
[M’Q4-
[式中、M’は、+3の形式酸化状態のホウ素又はアルミニウムであり;
Qはそれぞれ独立して、水素化物、ジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシド、ハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシ及びハロ置換シリルヒドロカルビル基(過ハロゲン化ヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビルオキシ基及び過ハロゲン化シリルヒドロカルビル基を含む)から選ばれ、前記Qは炭素数が20個以下である(但し、Qは1つ以下がハライドである)]
に相当する。適当なヒドロカルビルオキシドQ基の例は、US−A−5,296,433に開示されている。
より好ましい実施態様において、dは1であり、即ち対イオンは1つの負電荷を有し、A-である。付加重合において特に有用なホウ素を含む活性化助触媒は、以下の一般式:
(L*−H)+(BQ4-
[式中、L*は前に定義した通りであり、
Bは形式酸化状態3のホウ素であり;
Qは非水素原子が20個以下のヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、フッ素化ヒドロカルビル、フッ素化ヒドロカルビルオキシ又はフッ素化シリルヒドロカルビル基である(ただし、Qは1つ以下がヒドロカルビルである)]
で表すことができる。
好ましいルイス塩基塩はアンモニウム塩、より好ましくは1個又はそれ以上のC12〜C40アルキル基を含むトリアルキルアンモニウム塩である。最も好ましくは、Qはそれぞれ、フッ素化アリール基、特にペンタフルオロフェニル基である。
付加重合において活性化助触媒として使用できるホウ素化合物の非限定的な実例は、以下の通りである:
三置換アンモニウム塩、例えば:
トリメチルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(sec−ブチル)アンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=n−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=ベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=テトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=テトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=ペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルオクタデシルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
ジアルキルアンモニウム塩、例えば:
ジ(i−プロピル)アンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタデシルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタドデシルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
ジオクタデシルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
三置換ホスホニウム塩、例えば:
トリフェニルホスホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルホスホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
二置換オキソニウム塩、例えば:
ジフェニルオキソニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(o−トリル)オキソニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
ジ(オクタデシル)オキソニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
二置換スルホニウム塩、例えば:
ジ(o−トリル)スルホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
メチルオクタデシルスルホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。
好ましい(L*−H)+カチオンは、メチルジオクタデシルアンモニウムカチオン、ジメチルオクタデシルアンモニウムカチオン、及び1個又は2個のC14〜C18アルキル基を含むトリアルキルアミンの混合物から得られるアンモニウムカチオンである。後者の化合物の特に好ましい例は、市販の長鎖アミンに基づき、これをビス−(水素化牛脂(tallow)アルキル)メチルアンモニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと称する。
別の適当なイオン形成性活性化助触媒は、式:
(Oxh+g(Ag-h
[式中、Oxh+は、h+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり;
hは1〜3の整数であり;
g-及びgは前に定義した通りである]
で表されるカチオン性酸化剤と非配位性相溶性アニオンとの塩を含む。
カチオン性酸化剤の例としては、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag+又はPb+2が挙げられる。Ag-の好ましい実施態様は、ブレンステッド酸含有活性化助触媒に関して前に定義したアニオン、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
別の適当なイオン形成性活性化助触媒は、カルベニウムイオンと式:
[C]+-
[式中、[C]+はC1〜C20カルベニウムイオンであり、
-は−1の電荷を有する非配位性相溶性アニオンである]
で表される非配位性相溶性アニオンの塩である化合物を含む。好ましいカルベニウムイオンはトリチルカチオン、即ちトリフェニルメチリウムである。
更に適当なイオン形成性活性化助触媒は、シリリウムイオンと式:
(Q1 3Si)+-
[式中、Q1はC1〜C10ヒドロカルビルであり、A-は前に定義した通りである]
で表される非配位性相溶性アニオンの塩である化合物を含む。
好ましいシリリウム塩活性化助触媒は、トリメチルシリリウム=テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリエチルシリリウム=テトラキスペンタフルオロフェニルボレート及びそれらのエーテル置換付加物である。シリリウム塩は、J.Chem Soc. Chemi. Comm.,1993,383−384及びLambert,J.B.ら,Organometallics,1994,13,2430−2443に既に一般的に開示されている。付加重合触媒用の活性化助触媒としての前記シリリウム塩の使用は、US−A−5,625,087に開示されている。
アルコール類、メルカプタン類、シラノール類及びオキシム類とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとのいくつかの錯体もまた、有効な触媒活性化剤である。このような助触媒はUS−A−5,296,433に開示されている。
更にUS−A−6,395,671に開示された、拡張アニオン(expanded anion)と総称される非配位性アニオンを含む種の助触媒も、オレフィン重合に適当に使用できる。一般に、これらの助触媒(イミダゾリド、置換イミダゾリド、イミダゾリニド、置換イミダゾリニド、ベンズイミダゾリド又は置換ベンズイミダゾリドアニオンを有するものによって例示される)は以下のように表すことができる:
Figure 2010501719
[式中、A*+はカチオン、特にプロトン含有カチオン、好ましくは1個又は2個のC10〜C40アルキル基を含むトリヒドロカルビルアンモニウムカチオン、特にメチルジ(C14〜C20アルキル)アンモニウムカチオンであり、
3はそれぞれ独立して、水素又はハロ、水素を数えずに原子30個以下の、好ましくはC1〜C20アルキルの、ヒドロカルビル、ハロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリルヒドロカルビル若しくはシリル(モノ−、ジ−及びトリ(ヒドロカルビル)シリルを含む)基であり、
2はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)アルマンである]。
これらの触媒活性化剤の例としては、以下:
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾリド、及び
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド
のトリヒドロカルビルアンモニウム塩、特にメチルジ(C14〜C20アルキル)アンモニウム塩が挙げられる。
他の活性化剤としては、PCT公報WO 98/07515号に記載されたもの、例えばトリス(2,2’,2”−ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネートが挙げられる。活性化剤の組合せ、例えばアルモキサンとイオン化活性化剤との組合せも適当であり、例えばEP−A−0573120、PCT公報WO 94/07928号及びWO 95/14044号並びに米国特許第5,153,157号及び第5,453,410号を参照されたい。WO 98/09996号は、触媒化合物を過塩素酸塩、過ヨウ素酸塩及びヨウ素酸塩(それらの水和物を含む)によって活性化することを記載している。WO 99/18135号は、有機ボロアルミニウム活性化剤の使用を記載している。WO 03/10171号は、ブレンステッド酸とルイス酸との付加物である触媒活性化剤を開示している。触媒化合物を活性化するための他の活性化剤又は方法は、例えば米国特許第5,849,852号、第5,859,653号、第5,869,723号、EP−A−615981及びPCT公報WO 98/32775号に記載されている。
前述の通り、適当な活性化助触媒としては、ポリマー又はオリゴマーアルモキサン、特にメチルアルモキサン(MAO)、トリイソブチルアルミニウム改質メチルアルモキサン(MMAO)又はイソブチルアルモキサン;ルイス酸改質アルモキサン、特に各ヒドロカルビル又はハロゲン化ヒドロカルビル基中の炭素数が1〜10である過ハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)アルミニウム−又は過ハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素改質アルモキサン、最も好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン改質アルモキサンが挙げられる。このような助触媒は、米国特許第6,214,760号、第6,160,146号、第6,140,521号及び第6,696,379号に既に開示されている。
使用する触媒/助触媒のモル比は、好ましくは1:10,000〜100:1、より好ましくは1:5000〜10:1、最も好ましくは1:1000〜1:1の範囲である。アルモキサンは、単独で活性化助触媒として用いる場合には、一般にモルベースで金属錯体の量の少なくとも100倍、より多くの場合にはこの量の約1000倍である、主たる触媒文献よりも少ない量(<100:1)で使用できる。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランは、活性化助触媒として使用する場合には、0.5:1〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1、最も好ましくは1:1〜5:1のモル比で使用する。残りの活性化助触媒は一般に、金属錯体とほぼ等モル量で使用する。
ジエンエラストマーの製造
低下された不飽和レベル及び/又は得られるエラストマー中の1,2−付加による低いビニル(ペンダント)不飽和レベルが望ましい場合には特に、前記付加重合条件を、本発明のクロスメタセシスに使用する適当なジエン系エラストマーの製造に使用できる。このようなポリマーについては、配位重合条件下におけるジエンとエチレン又は同様なオレフィンとの共重合が好ましい。更に、共重合性オレフィンコモノマーを使用しない場合には特に、アニオン重合条件の使用も許容され得る。極性基含有ジエンモノマーの重合及び共役ジエンホモ重合の場合には、遊離基重合条件も使用できる。
ジエンポリマー中の不飽和レベル(ひいてはメタセシス生成物中に生成されるポリマーセグメントの長さ)は、水素化又は当業者によく知られた他の適当な方法によって制御できる。或いは、メタセシス生成物の分子量を低下又は増加させるために、エチレンのようなオレフィン又はシクロオクテンのような環状オレフィンをメタセシスの間に使用できる。
メタセシス条件
製造後、不飽和ポリマーは、オレフィンの開裂及び開裂生成物の転位を引き起こす条件下でメタセシス触媒と接触させる。オレフィンメタセシス反応又は不飽和脂環式モノマーの開環重合の促進に有効であることがわかっている種々の触媒組成物も、本発明の方法の促進に有効な触媒組成物である。これらの触媒組成物は不均一でも均一でもよく、前者は反応生成物からより容易に除去できる点で有利であるのに対し、後者は触媒活性の観点から一般により効率的である。
適当な触媒組成物の例としては、固体、分散液、懸濁液、溶液の又は純粋な形態の、第5族〜第10族から選ばれた遷移金属、好ましくはモリブデン、タンタル、タングステン、ルテニウム又はレニウムの有機又は無機誘導体が挙げられる。固体の形態では、触媒又はその個々の成分は、不活性キャリヤー又は担体、例えば高表面積金属酸化物、メタロイド酸化物、金属炭化物、金属硼化物、金属窒化物、ゼオライト若しくはクレイの表面に担持させることができる。好ましい化合物としては、ルテニウム、モリブデン又はタングステンの化合物又は錯体、特にハライド、オキシハライド、テトラ有機アンモニウムタングステート、テトラ有機アンモニウムモリブデネート、そのルイス塩基誘導体及び前記の混合物が挙げられる。
本発明の実施に使用する適当な均一触媒組成物の例としては、米国特許第4,010,224号にすでに開示されたもの、特に(A)金属が元素周期表の第1族、第2族、第12族又は第13族から選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物、(B)金属が元素周期表の第5族、第6族又は第7族の金属からなる群から選ばれる、特にモリブデン又はタングステンである少なくとも1種の金属誘導体及び、任意的に、(C)少なくとも1種のキレート化材料又はルイス塩基材料を含む組成物が挙げられる。後者の化合物の例としては、エーテル、カルボン酸エステル、ケトン、アルデヒド、カーボネート、ニトリル、アルコール、チオール、水及びそれらの混合物が挙げられる。
成分(A)として選択できる有機金属化合物の代表的な例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタリウムの化合物が挙げられ、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛及びカドミウム化合物が好ましく、アルミニウム化合物が最も好ましい。
触媒成分(A)として有用な有機金属化合物の代表的な例は、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合を有する有機アルミニウム化合物である。このような化合物の代表的なものは、トリ(C1〜C10)ヒドロカルビルアルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリトリルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム及びトリフェニルアルミニウム;ハロゲン化有機アルミニウム、例えば塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジ−n−プロピルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、ヨウ化ジエチルアルミニウム及びフッ化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化プロピルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、二ヨウ化エチルアルミニウム、二臭化フェニルアルミニウム、二臭化トリルアルミニウム、二臭化ベンジルアルミニウム、二塩化フェニルアルミニウム、二ヨウ化トリルアルミニウム、二ヨウ化ベンジルアルミニウム、塩化ジフェニルアルミニウム、塩化ジトリルアルミニウム、及び臭化ジベンジルアルミニウム;水素化有機アルミニウム化合物、例えば水素化ジフェニルアルミニウム及び二水素化フェニルアルミニウム;並びに前記の混合物である。
その他の適当な有機金属化合物は、アルカリ金属化合物、例えばエチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、アミルナトリウム、ブチルカリウム、フェニルカリウム、フェニルナトリウム、フェニルリチウム、リチウム−アルミニウムテトラブチル、リチウム−アルミニウムテトラエチル、リチウム−アルミニウムトリエチルクロリド及びナトリウムアルミニウムテトラエチル;アルカリ土類金属化合物、例えばジフェニルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルカルシウムクロリド及びジエチルバリウム;第12族有機金属化合物、例えばジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、エチル亜鉛クロリド、ジエチルカドミウム及びジブチルカドミウム;フェニルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド及びエチルマグネシウムクロリド;並びに前記化合物の混合物である。成分(A)として使用するのに好ましい化合物は、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウム二ハライド及びアルミニウムセスキハライド(各アルキル気中の炭素数は4以下である)である。
メタセシス触媒の成分(B)として有用なモリブデン及びタングステンの適当な誘導体には、対応するハライド、アセチルアセトン酸塩、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩及びアルコラートがある。例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物、例えば五塩化モリブデン、六塩化タングステン、五臭化モリブデン、六臭化タングステン、五ヨウ化モリブデン、五フッ化モリブデン、六フッ化モリブデン及び六フッ化タングステンが挙げられる。他の例としては、燐酸モリブデン、燐酸タングステン、硝酸モリブデン、硝酸タングステン、アセチルアセトン酸モリブデン、アセチルアセトン酸タングステン、硫酸モリブデン及び硫酸タングステンが挙げられる。これらの化合物の混合物も使用できる。タングステン及びモリブデンのハライド(代表的には六塩化タングステン及び五塩化モリブデン)が特に好ましい。
触媒組成物の成分(C)として使用するのに適当な化合物は、一般式R−Y−H[式中、Yは酸素及び硫黄からなる群から選ばれ、Rは水素又は総炭素数が20以下のヒドロカルビル若しくは置換ヒドロカルビル基であり、ヒドロカルビル基上の置換基はヒドロキシ、チオ、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルチオ、オキシ−及びスルホ−からなる群から選ばれる]の化合物である。例としては、水、硫化水素、アルカノール、芳香族アルコール、メルカプタン、ヒドロカルビルペルオキシド、ポリアルコール、ポリメルカプタン、ヒドロキシメルカプタン、アルカノールエーテル、アルカノールチオエーテル、メルカプトエーテル及びメルカプトチオエーテルが挙げられる。成分(C)として使用するための材料の代表例としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、1,1−ジメチルベンジルアルコール、フェノール、tert−ブチルカテコール、クレゾール、α及びβ−ナフチルアルコール;メルカプタン、例えばメチル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル−、ブチル−、アミル−若しくはアリルメルカプタン、チオフェノール、4−メチルチオフェノール又は4−メルカプトフェノール;ヒドロペルオキシド、例えばクミルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド;ヒドロジスルフィド、例えばクミルヒドロジスルフィド及びs−ブチルヒドロジスルフィド;ポリアルコール、例えばエチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール;ポリメルカプタン、例えば1,3−プロパンジチオール、1,4−ジチオベンゼン;及びヒドロメルカプタン、例えば1−ヒドロキシ−2−チオエタン又は1−ヒドロキシ−4−チオベンゼンが挙げられる。
前記触媒組成物中に使用する成分(C)の量は、触媒組成物の活性を制御するために調整する。一般に、触媒組成物は、使用する成分(C)の量が比較的小さい(ゼロを含む)場合により高い活性を示す。
一般に、各触媒成分の量は、0.3/1〜20/1の範囲のモル比(B)/(C)内で調整し、モル比(A)/(B)は0.5/1〜15/1の範囲内である。(B)/(C)のより好ましい比は0.5/1〜5/1であり、(A)/(B)のより好ましい比は0.5/1〜8/1である。(B)/(C)の更に好ましい比は1/1〜2/1であり、(A)/(B)の更に好ましい比は0.75/1〜5/1である。
前記触媒組成物は、オレフィン含有ポリマーと組み合わせる前に又は「in situで」、既知の方法で成分を混合することによって調製できる。「予め形成する」方法によれば、触媒成分を一緒に混合してから、本発明の方法に使用するオレフィン含有ポリマーに触媒成分の全てを暴露する。「in situ」法においては、触媒成分は、メタセシスに供する不飽和ポリマーを含む反応混合物に別々に添加する。触媒成分は、純粋な化合物として又はオレフィンメタセシス反応の触媒活性に悪影響を与えない液体中の懸濁液若しくは溶液として混合できる。このような液体の代表的なものは、飽和炭化水素、例えばヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物である。
3種の触媒成分相互の添加順序は、さまざまであることができる。以下の手法は全て、適当に使用できる:
1.成分(A)、(B)及び(C)の同時添加;
2.成分(A)、(B)及び(C)の任意の順序での逐次添加;
3.任意の2つの成分の接触(場合によっては反応生成物の回収又は精製を含む)と、それに続く、この二成分生成物の残りの成分への添加;
4.任意の2つの成分の混合物の接触、それに続く、得られる二成分混合物又は反応生成物の接触(精製してもしなくても)。
好ましい一実施態様において、触媒組成物は、少なくとも1種のハロゲン化有機アルミニウム及び少なくとも1種のタングステン誘導体を含む。好ましいハロゲン化有機アルミニウムは、塩化ジアルキルアルミニウム、塩化ジ−n−プロピルアルミニウム、塩化ジイソブチオルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、ヨウ化ジエチルアルミニウム、フッ化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化プロピルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、二ヨウ化エチルアルミニウム、二臭化フェニルアルミニウム、二臭化トリルアルミニウム、二臭化ベンジルアルミニウム、二ヨウ化フェニルアルミニウム、二ヨウ化トリルアルミニウム、二ヨウ化ベンジルアルミニウム、塩化ジフェニルアルミニウム、塩化ジトリルアルミニウム、臭化ジベンジルアルミニウム及びそれらの混合物である。
好ましいタングステン誘導体としては、+4又は+6の酸化状態のタングステンのハライド、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩及びカルボン酸塩、好ましくは六塩化タングステン、六臭化タングステン、六ヨウ化タングステン、六フッ化タングステン、二リン酸タングステン、六硝酸タングステン、トリアセチルアセトン酸タングステン、オキシ塩化タングステン及び三硫酸タングステンが挙げられる。最も好ましいタングステン誘導体は六塩化タングステンである。
この実施態様における2つの触媒成分間のモル関係は、一般に0.5/1〜15/1、より好ましくは0.7/1〜8/1、更に好ましくは0.8/1〜5/1である。触媒成分は、純粋な化合物として又は不活性脂肪族若しくは芳香族液体中の溶液若しくは懸濁液の形で反応させることができる。このような液体の代表的なものは、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン及びトルエンである。
本発明のメタセシス法を促進するのに有効な第3の触媒組成物は、三ハロゲン化アルミニウム及び第5族、第6族又は第7族化合物、好ましくはタングステン化合物、特にタングステンが4〜6の酸化状態にあるタングステン化合物の有機又は無機誘導体を含む。好ましい三ハロゲン化アルミニウムは、三塩化アルミニウム又は三臭化アルミニウムである。好ましいタングステン化合物は、四塩化物、五塩化物及び六塩化物、臭化物並びにヨウ化物、六フッ化タングステン及びタングステンのオキシ塩化物である。場合によっては、有機金属化合物は、ゲル形成の抑制補助剤として及びより低い触媒レベルで重合速度を増加させるために触媒組成物中に存在できる。適当な任意の有機金属化合物の例としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのアルキル、アリール及びアルカリール誘導体;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムのアルキルハライド、アリールハライド及びアルカリールハライド誘導体;並びに第12族金属のアルキル、アリール及びアルカリール誘導体、例えばジアルキル亜鉛及びジアリール亜鉛が挙げられ、前記アルキル、アリール又はアルカリール基の炭素数は10以下である。
本発明の重合の促進において有効な他の種類の触媒は、米国特許第4,994,535号に開示されたものであり、一般に第13族〜第14族金属の有機金属誘導体、特にアルミニウム又は錫の有機誘導体又は有機ハロ誘導体、好ましくはテトラアルキル錫、トリアルキルアルミニウム及びジアルキルアルミニウムハライド(各アルキル基の炭素数は10以下である);第5族、第6族又は第7族金属、特にモリブデン又はタングステンの少なくとも1種の誘導体;並びに場合によってはキレート化剤、例えばルイス塩基が挙げられる。
本発明において使用するのに適当なその他のメタセシス触媒は、ルテニウム又はオスミウム錯体、例えば米国特許第6,838,489号、第6,818,586号、第6,806,325号、第6,624,265号、第6,313,332号、第5,977,393号、第5,917,071号、第5,710,298号、第5,750,815号、第5,728,917号、第5,312,940号及び第5,342,909号に開示されたものである。前記メタセシス触媒の例としては、形式的には+2の酸化状態であり、16個の電子数を有し且つ五配位された金属中心を有するルテニウム及びオスミウムカルベン錯体が挙げられる。これらの錯体は一般式:
Figure 2010501719
[式中、MAはルテニウム又はオスミウムであり;
A及びXBは同一又は異なるアニオン性配位子、好ましくは塩化物であり;
Aは中性電子ドナー配位子であり;
Bは中性電子ドナー配位子又は窒素含有複素環式カルベンであり;
A及びRBは、それぞれ独立して、水素、又は水素を数えずに原子20個以下のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボキシレート、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル若しくはシリル基、それらのアルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアリール若しくはハロアルカリール置換誘導体;或いは前記のいずれかの官能基化誘導体(官能基はヒドロキシル、チオール、アルコール、スルホン酸、ホスフィン、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、イミド(imide)、イミド(imido)、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメート、アセタール、ケタール、ボロネート、シアノ、シアノヒドリン、ヒドラジン、オキシム、ヒドラジド、エナミン、スルホン、スルフィド、スルフェニル若しくはハロゲンである)である]
を有する。
好ましい一実施態様において、金属錯体は、LBが第三ホスフィン、特にトリフェニルホスフィンであり且つLAが第三ホスフィン又は窒素含有複素環式配位子、特に式:
Figure 2010501719
[式中、Arは、それぞれ独立して、アリール基、特にフェニル若しくは2,4,6−トリメチルフェニルであり、RCは、それぞれ独立して、水素若しくはアニオン性配位基であるか又は複数のRC基が共同で、イミダゾリジン環に縮合される1つ若しくはそれ以上の環を形成できる]
のイミダゾリジニル又はトリアゾリル配位子であるルテニウム誘導体である。
前記ルテニウム又はオスミニウム触媒へのイミダゾリジニル又はトリアゾイル配位子の組み込みは、オレフィンメタセシス法において錯体の性質を改善する。詳細には、触媒は、タングステン−及びモリブデン−塩三成分組成物に匹敵する向上したメタセシス活性を持ちながら、ルテニウム−ホスフィン錯体のオレフィンに対する一般的官能基耐性を保持する。このような触媒(グラブス(Grubbs)II触媒と称する)は、極性基含有ポリマーのメタセシスに特に望ましい。
本発明の方法に使用する操作条件はさまざまであることができる。反応は好都合にはメルトを含む液体の形態で又は更には固相において、例えば前に開示した表面解重合系で実施できる。従って、ポリマー材料を任意の特定の反応に使用する場合に、反応は溶液中で、メルト中で或いは「膨潤された」固体として、ポリマーマトリックスに入る及び/又はポリマー若しくはメタセシスからの解重合反応生成物を部分溶解させる溶媒を用いて、反応を実施することが可能である。溶液条件を使用する場合に使用できる溶媒は、使用するポリマーを溶解又は膨潤させる全ての不活性液体を含む。都合の良い溶媒は、それ自体はメタセシス反応を阻害も妨害もしない脂肪族、芳香族又は脂環式炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン及びシクロヘキサンである。オレフィン反応体の1種又はそれ以上が液体である場合には、反応はバルクで、即ち溶媒を別個に添加せずに実施できる。
メタセシスの前に1種又はそれ以上のエチレン性不飽和モノマーの分子量を低下させるために、当業界で知られるように、少量のエチレンを反応混合物に含ませることができる。一般に、使用するエチレンの量は、メタシス触媒モル当たり0.5〜10モル、好ましくは0.5〜2モルである。
本発明の反応に使用するメタセシス触媒の量は、広い濃度にわたって変化させることができ、それが決定的であることはわかっていない。使用する触媒組成物の最適量は、温度、反応体の純度及び望ましい反応時間のような多数の因子によって決まる。触媒は望ましくは、不飽和ポリマーの重量に基づき0.01〜1%の量(遷移金属成分の重量に基づく)で使用する。
メタセシスのプロセス条件は、本発明のポリマー組成物の製造に適当な任意の操作可能条件全体にわたって広範囲に変化することができる。反応体ポリマー、生成物ポリマー及びメタセシス触媒の分解温度未満の、好ましくは任意の溶媒又は希釈剤(使用する場合)の標準沸点未満の任意の温度が一般に適当である。メタセシスを純粋なポリマーメルト中で実施する場合には、プロセス温度は、前記分解温度に応じて、約100℃から約350℃まで広範囲に変動できる。一般に、ポリマーメルト又はガラス転移温度よりも約20〜50℃高い温度が好ましい。液体希釈剤又は溶媒中に溶解させた反応体ポリマーを用いてメタセシスを実施する場合には、温度は典型的には約25℃から約150℃までの範囲であることができる。好ましいグラブス触媒と共に使用するのに好ましい温度は約35℃から約100℃まで、より好ましくは約85℃までの範囲である。典型的には、約1気圧のプロセス圧力が適当であるが、所望ならばこれより高圧及び低圧も使用できる。メタセシス法は平衡に達するので、反応体ポリマーの転化は典型的には不完全である。サンプルを反応混合物から採取し、例えばCRYSTAF又はATREFによって分析して、平衡転化に達する時点を測定することができる。メタセシス反応は、生成物ポリマーの異なる分布を得るために、平衡転化の達する前の任意の時点で停止することができる。
メタセシスが所望の程度まで進行したら、触媒を不活性化させることができ、所望ならば、得られるポリマーを水素化して残留不飽和を除去できる。メタセシス触媒の適当な不活性化方法には、水;アルコール;カルボン酸又はその金属塩若しくはエステル誘導体;或いは一酸化炭素との反応がある。得られる触媒残渣は濾過、溶媒抽出若しくは他の適当な方法によってポリマーから除去することもできるし、又はポリマー中に残しておくこともできる。適当な水素化触媒には、既に当業界で知られたもの、特に貴金属触媒、例えば白金又はパラジウム含有化合物又は錯体がある。
本発明は、具体的に開示されていない成分のない状態で操作可能であり且つ多段階システム設計において任意の他の適当な反応若しくは方法と組合せることができると理解される。以下の実施例は、本発明を更に説明するために記載するのであって、限定的なものと解釈してはならない。特に断らない限り、全ての部及び百分率は重量ベースで表してある。
以下の実施例中において、用語「グラブスII触媒」は、ベンジリデン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムからなるメタセシス触媒を意味する。
全てのメタセシス反応は、窒素ガスの不活性雰囲気下で実施する。
不飽和反応剤ポリマー
以下の製造において、反応剤ポリマーの不飽和レベルは、1H NMRスペクトルデータから計算する。
ポリブタジエン(PBD)(1,2−ビニル2%,シス1,4−重合98%;概算Mw=250,000g/モル;Scientific Polymer Productsから入手可能)。エチレン炭素含量=42%。
水素化ポリブタジエン(HPBD)−PBDを、J.Polym.sci.Polym.Chem.,1992,30,397−408に記載した方法に実質的に従って部分水素化する。従って、PBDをo−キシレン中に溶解させ、95℃に加熱してから、p−トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)及びトリ(n−プロピル)アミンTPA(TSH及びTPAのいずれについても1.1モル/モル不飽和)を添加することによって、2%溶液を製造する。4時間還流後、溶液を室温に冷却し、メタノールへの添加によって沈殿させる。乾燥濾過固体を、温トルエン中に溶解させ且つメタノールに添加することによって、再沈殿させる。水素化レベルは、1H NMR分光分析によって測定した場合に90%である。不飽和レベルは5.5モル%である。Tm=109℃。
水素化ニトリル/ブタジエンゴム(HNBR)−アクリルニトリル含量が33%及びムーニー粘度(Mooney-Viscosity)UML(1+4)@100℃が61の部分水素化アクリロニトリル/ブタジエンランダムコポリマー(エチレン性不飽和の水素化は概ね90%)(THERBAN(登録商標)3467,Lanxess,Incから入手可能)。Tg=−25℃。不飽和レベルは0.81モル%である。
エチレン/1−オクテン/ブタジエンコポリマー−エチレン及び1−オクテンの混合物とブタジエンの共重合は、コンピューター制御された2LのParrバッチ反応器中で実施する。反応器は、電気加熱マントルによって加熱され、冷水を含む内部蛇行冷却コイルによって冷却される。反応器の底部にステンレス鋼ボール弁を装着する。ステンレス鋼ボール弁は、標準安定剤及び酸化防止剤のトルエン溶液を含むステンレス鋼容器中に反応器内容物を出す。収集容器中に排出後、ポリマー混合物を窒素で20分間パージする。
全ての化学物質及び触媒は、窒素充填ドライボックス中で操作する。1−オクテン、ブタジエン及び混合ヘキサン溶媒(Isopar(登録商標)E,ExxonMobil Chemicals,Inc.から入手可能)を、アルミナ(8×14 A2アルミナ,UOP Corporationから入手可能)、次いで触媒(Q5(登録商標)反応体,Engelhard Corporationから入手可能)に通すことによって精製する。エチレンを、アルミナ(A204(登録商標),LaRouch、Inc.から入手可能)と次に0.4nm分子篩を含む第1カラム、次いでQ5(登録商標)反応体を含む第2カラムに通す。全ての移動に使用する窒素は、A204アルミナ、0.4nm分子篩及びQ5(登録商標)反応体を含む単一カラムに通す。
反応器には、予め秤量した量の混合アルカン(700g)及び1−オクテン(20g)を含むショットタンクから装入を行う。ショットタンクは、ショットタンクを上に取り付けた実験室用スケールによって所望のレベルまで満たす。コンピューター操作されるコントローラー(Emerson Micro Motion(登録商標)コントローラー)を用いて、ブタジエンを装填する。溶媒、ブタジエン及び任意の1−オクテン添加の後、反応器を重合温度まで加熱し、3.4MPaの目標圧力に達するまでエチレンを添加する。
触媒(US−A−6,150,297に従って製造された((t−ブチルアミド)ジメチル(1H−シクロペンタン[l]−フェナントレン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル)、トリエチルアルミニウム掃去剤及び活性化剤(メチルジ(オクタデシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)を窒素雰囲気下でトルエン中で記載した順序で合する。この混合物をシリンジ中に吸い込み、触媒ショットタンクに圧力移動させ、その後にトルエン5mLで3回すすぐ。触媒溶液を反応器に装入後、反応が終了するまで、要求に応じてエチレンを3.4MPaで供給する。
重合を10分間実施し、次いで反応器内容物を収集容器に排出する。窒素でパージ後、ポリマー溶液をトレイに注ぎ、実験室用フード中に一晩入れて、溶媒を蒸発させる。次いで、トレイを真空オーブンに移し、145℃において減圧下で加熱して、全ての残留溶媒を除去する。揮発性成分の蒸発後に、42gの総ポリマー収量が得られる。GPC分析により、Mw=200,000及びMn=90,000ダルトンであることがわかる。NMR分析により、ポリマー鎖のバックボーン中の二重結合が95%であり且つ側鎖ビニル含量が5%及び1−オクテン含量が8.5モル%であることがわかる。
不飽和2.1モル%及び融解転移126℃のポリ(エチレン−コ−ブタジエン)はこうして得られる。
不飽和0.38モル%及びガラス転移−38℃のポリ(エチレン−コ−ブタジエン−コ−オクテン)はこうして得られる。
ポリシクロ−オクテン(PCO)−シクロ−オクテン(1Mトルエン溶液10mL)を0.1モル%のベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムと接触させ、得られた混合物を55℃で2時間加熱してから、ブチルビニルエーテル(10ミリモル)を添加する。溶液を冷却し、メタノールへの添加によって沈殿させる。得られたポリマー生成物の重量平均分子量は、GPC(PS標準)によって測定した場合に289,000g/モルである。エチレン炭素含量は21.8重量%である。
塩化フルマリル(furmaryl)で改質されたビスフェノール−Aポリカーボネート−モノマー/停止剤比が16/1である、塩化フマリルで改質されたビスフェノール−Aポリカーボネートを以下の方法に従って製造する。
A.溶液の製造: アルカリ性ビスフェノールーA水溶液: ビスフェノール−A(BisA)(6.5g,27ミリモル)を100mLのガラス瓶中に量り入れる。瓶を窒素でフラッシする。次いで、1.5モル/lの水酸化ナトリウム溶液50mL(NaOH 75ミリモル)を加える。瓶を再び窒素でフラッシする。ビスフェノールを、電磁撹拌機によってわずかに撹拌しながら溶解させる。
トリエチルアミン(カップリング触媒溶液): トリエチルアミン(2.0g)を250mlガラス瓶中に量り入れる。ジクロロメタン(150ml)を加え、得られた混合物を振盪して、均一溶液を形成する。瓶をSchott自動計量分配装置に接続し、そこからビュレットに溶液を入れる。
停止剤溶液: p−tert−ブチルフェノール(PTBP)(0.281g;1.87ミリモル)を100mlガラス瓶中に量り入れる。ジクロロメタン(50ml)を加える。停止剤を、わずかに振盪することによって溶解させた後、瓶をSchott自動計量分配装置に接続し、そこからビュレットに溶液を入れる。
トリホスゲン溶液: ビス(トリクロロメチル)カーボネート(トリホスゲン;4.5g)を250mlガラス瓶中に量り入れ、これに45mlジクロロメタンを入れ、瓶をわずかに振盪することによって完全に溶解させる。トリホスゲン溶液を含むガラス瓶をSchott自動計量分配装置に接続し、そこからビュレットに溶液を入れる。
B.合成: ジャケット付き反応器を、水浴によって35℃の目的温度に温度制御する。反応器を窒素でフラッシする。ビスフェノール−A溶液を反応器中に入れる。撹拌機を起動させ、300rpmに保持する。凝縮器の冷却水を入れる。ジクロロメタン(20ml)を加える。pHを、32重量%のHCl水溶液の添加によって13(+/−0.1)に調整する。トリホスゲン溶液(27ml)を2分以内に添加する。得られた混合物を30分間反応させる。pHを、15重量%HCl水溶液の添加によって9の値に調整する。塩化フマリル(0.23g)をシリンジによって添加する。混合物を10分間反応させる。pHを、20重量%NaOH水溶液によって12.5の値まで増加させる。停止剤溶液(10ml)を一度に加える。トリホスゲン溶液(11ml)を2分かけて添加する。得られた混合物を30分間反応させる。トリエチルアミン溶液(30ml)を加える。NaOH溶液(30重量%を3ml)を加える。得られた混合物を更に10分間反応させる。その間中、更なる20重量%のNaOHの添加によってpHを12.5に保持する。
C.ポリマーの精製: 前記合成から得られた有機相及び水性相のエマルジョンを250mlビーカー中に放出し、次いで液体を250ml分液漏斗に入れる。軽い方の水性相をデカンテーションによって除去する。ポリマー溶液を含む重い方の有機相を、分液漏斗に入れ戻し、2モル/lのHCl水溶液100mlと共に充分に混合する。次に、ポリマー相を250mlビーカー中に分離する。水性相を除去する。ポリマーを分液漏斗に入れ、HCl洗浄を繰り返す。次いで、ポリマーを100ml脱イオン水で、各回前記酸洗浄と同様な方法で4回洗浄する。得られた純粋なポリマー溶液をアルミニウムパンに入れ、電気加熱ディスク上で加温して、ジクロロメタンを蒸発によって除去する。得られた固体ポリマー、不飽和ポリカーボネートを100℃、10mbarで12時間乾燥させる。改質ポリカーボネートは以下の性質を有する:Mw,27.5g/モル(対PS標準);PDI,3.89;組み込まれたフマリル10.5モル%(4重量%);不飽和レベル,1.5モル%:Tg,144℃。
ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(エチレングリコール)(平均Mn 380〜420g/モル)50.0g、マレイン酸ジメチル8.82g及びイソフタル酸10.3gの撹拌混合物をフラスコに加え、窒素でフラッシする。混合物を165℃に加熱し、1500ppmのモノブチル錫オキシド触媒を加える。2時間後、フラスコを真空下に更に2時間置き、冷却して、不飽和ポリ(エチレンオキシド)ポリマーを生成する。Tg=−54.3℃。Mw=7,570g/モル,Mw/Mn=4.33(対ポリスチレン標準)。不飽和レベルは4.9モル%である。
分析
前述の特定記述的開示及び以下の実施例において、以下の分析法を用いることができる。
SAXS
小角X線散乱(SAXS)実験を、Advanced Photon Source(APS)、DND−CATの5−ID−Dビームラインで行う。標準APS Undulator AをX線源として用い、X線エネルギーを15keV(λ=0.82656Å)に設定した。二次元散乱パターンをMARUSA,Inc.のCCDカメラ上に、収集データ取得時間を1秒に設定して収集する。検出器の角度較正は、ベヘン酸銀標準を用いて行う。サンプルと検出器の距離は531.9cmに設定する。二次元散乱パターンを、PV−WAVEプラットフォーム上でデータ可視化及び分析ソフトウェアパッケージを用いた2−D画像のラジアルインテグレーション(radial integration)によって、散乱角に対する散乱強度の一次元データセットに換算する。この一次元パターンの換算及び分析はJADE(登録商標)分析ソフトウェアで行う。DSC分析を、アルミニウムDSCパン中に装填したサンプル約20mgについて行う。サンプルパンをアルミニウムリッドで密封する。DSC実験を、Linkam(登録商標)DSCセルを用いて実施する。サンプルを20℃から300℃まで10℃/分で加熱し、次いで20℃まで10℃/分の冷却速度で冷却する。SAXSパターンを、熱サイクルの間に2℃間隔で収集する。
CRYSTAF
分岐分布を、PolymerChar(Valencia,Spain)から市販されているCRYSTAF 200ユニットを用いて結晶化分析分別法(CRYSTAF)によって測定する。サンプルを1,2,4−トリクロロベンゼン中に160℃において1時間溶解させ(0.66mg/mL)、95℃で45分間安定化させる。サンプリング温度は、0.2℃/分の冷却速度で95〜30℃の範囲である。赤外線検知器を用いて、ポリマー溶液濃度を測定する。温度の低下の間にポリマーが結晶化する際に、累積可溶濃度(cumulative soluble concentration)を測定する。累積プロファイルの分析的導関数(analytical derivative)は、ポリマーの短鎖分岐分布を反映する。
CRYSTAFピーク温度及び面積は、CRYSTAF Software(Version 2001.b,PolymerChar,Valencia,Spain)に含まれるピーク分析モジュールによって確認する。CRYSTAFピーク発見ルーチンは、ピーク温度をdW/dTにおける極大として確認し、導関数曲線の確認ピークの両側における最大正変曲間の面積を確認する。CRYSTAF曲線を算出するために、好ましい処理パラメーターは、温度限界が70℃、温度限界の上方の平滑パラメーターが0.1、温度限界の下方の平滑パラメーターが0.3である。
DSC標準方法
示差走査熱量測定法の結果を、RCS冷却アクセサリー及びオートサンプラーを装着したTAIモデルQ1000DSCを用いて定量する。50ml/分の窒素パージガス流を用いる。サンプルを薄いフィルムにプレスし、プレス中で約175℃において溶融させ、次いで室温(25℃)まで空冷する。次いで、3〜10mgの材料を直径6mmのディスクにカットし、正確に秤量し、軽量アルミニウムパンに入れ(約50mg)、次いで閉じた状態でクリンプする。サンプルの熱挙動を、以下の温度分布を用いて詳細に調べる。サンプルを180℃まで急速加熱し、前の熱履歴を全て除くために3分間等温に保持する。次いで、サンプルを−40℃まで10℃/分の冷却速度で冷却し、−40℃に3分間保持する。次に、サンプルを150℃まで10℃/分の加熱速度で加熱する。冷却曲線及び第2加熱曲線を記録する。
DSC融解ピークを、−30℃と融解終端との間に引かれた直線ベースラインに関する熱流量(W/g)の極大として測定する。融解熱を、直線ベースラインを用いて−30℃と融解終端との間の融解曲線下の面積として測定する。
GPC
ゲル透過クロマトグラフシステムは、Polymer Laboratories Model PL−210又はPolymer Laboratories Model PL−220測定器からなる。カラム及びカルーセルコンパートメントは140℃において操作する。Polymer Laboratoriesの3つの10ミクロンMixed−Bカラムを用いる。溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンである。サンプルを、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む50mlの溶媒中0.1gのポリマー濃度で調製する。サンプルを、160℃で2時間軽く撹拌することによって調製する。使用する注入量は100μlであり、流量は1.0ml/分である。
GPCカラムセットの較正は、個々の分子量間に少なくとも10の隔たりがある6個の「カクテル」混合物に配置された、分子量が580〜8,400,000の範囲の21種の狭分子量分布ポリスチレン標準を用いて行う。標準はPolymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入する。ポリスチレン標準は、1,000,000又はそれ以上の分子量については溶媒50ml中に0.025gで、1,000,000未満の分子量については溶媒50ml中に0.05gで調製する。ポリスチレン標準を80℃において穏やかに撹拌しながら30分間溶解させる。狭標準混合物を、最初に、そして分解を最小にするために最高分子量成分が減少する順で流す。ポリスチレン標準ピーク分子量を、以下の式(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載):
ポリエチレン=0.431(Mポリスチレン
を用いてポリエチレン分子量に換算する。
ポリエチレン換算分子量の計算は、Viscotek TriSECソフトウェアVersion 3.0を用いて実施する。
圧縮永久歪
圧縮永久歪は、ASTM D395に従って測定する。サンプルは、厚さ3.2mm、2.0mm及び0.25mmの直径25.4cmの円形ディスクを、12.7mmの全厚に達するまで積み重ねることによって調製する。これらのディスクは、ホットプレスを用いて、(190℃において圧力0で3分間、続いて190℃において86MPaで2分間、続いて86MPaにおいて低温の流水を用いてプレス内で冷却)の条件下で成形した12.7cm×12.7cmの圧縮成形プラックから切り取る。
密度
密度測定用のサンプルは、ASTM D1928に従って調製する。測定は、ASTM D792,Method Bを用いてサンプルプレスの1時間以内に行う。
曲げ弾性率/割線弾性率/貯蔵弾性率
サンプルは、ASTM D1928を用いて圧縮成形する。曲げ弾性率及び2%割線弾性率は、ASTM D−790に従って測定する。貯蔵弾性率は、ASTM D5026−01又は同等の方法に従って測定する。
光学的性質
厚さ0.4mmのフィルムを、ホットプレス(Carver Model #4095−4PR1001R)を用いて圧縮成形する。ペレットを、ポリテトラフルオロエチレンシートの間に挟み、190℃において55psi(380kPa)で3分間、続いて1.3MPaで3分間、次いで2.6MPaで3分間加熱する。次に、フィルムをプレス中で1.3MPaにおいて低温の流水で1分間冷却する。圧縮成形フィルムは、光学的測定、引張挙動、回復率及び応力緩和に用いる。
明澄度は、ASTM D1746に指定されているようにBYK Gardner Haze−gardを用いて測定する。
45°光沢度は、ASTM D−2457に指定されているようにBYK Gardner Glossmeter Microgloss 45°を用いて測定する。
内部ヘイズは、ASTM D 1003 Procedure Aに基づいてBYK Gardner Haze−gardを用いて測定する。表面擦過傷を除くためにフィルム表面に鉱油を適用する。
機械的性質−引張、ヒステリシス及び引裂強さ
一軸引張における応力−歪関係を、ASTM D1708マイクロ引張試験片を用いて測定する。サンプルを、Instronを用いて21℃において500%min-1で伸張させる。引張強度及び破断点伸びを、5個の試験片の平均から報告する。
100%及び300%ヒステリシスを、ASTM D1708マイクロ引張試験片を用いてInstron(登録商標)測定器によって繰り返し荷重から100%及び300%歪まで測定する。サンプルを、21℃において3サイクルの間、267%min-1で荷重を加え且つ除去する。300%及び80℃における繰り返し実験を、環境室を用いて実施する。80℃の実験においては、サンプルを、試験前に試験温度において45分間平衡させる。21℃、300%歪繰り返し実験においては、第1荷重除去サイクルからの150%歪における収縮応力を記録する。全ての実験についての%回復率を、荷重がベースラインに戻った歪を用いて第1荷重除去サイクルから計算する。%回復率は、
Figure 2010501719
[式中、εfは繰り返し荷重に由来する歪であり、εsは、荷重が第1荷重除去サイクルの間にベースラインに戻る歪である]
と定義する。
応力緩和は、環境室を装着したInstron(登録商標)測定器を用いて50%歪及び37℃において12時間測定する。ゲージの形状寸法は76mm×25mm×0.4mmであった。環境室で37℃において45分間平衡化させた後、サンプルを333%min-1で50%歪まで伸張させる。応力を時間の関数として12時間記録した。12時間後の%応力緩和を、下記式:
Figure 2010501719
[式中、L0は、時間0の50%歪における荷重であり、L12は12時間後の50%歪における荷重である]
を用いて計算した。
引張ノッチ付き引裂強さ実験を、0.88g/cc又はそれ以下の密度を有するサンプルについてInstron(登録商標)測定器を用いて行う。形状寸法は、試験片長さの1/2においてサンプル中に2mmのノッチが入れられた76mm×13mm×0.4mmのゲージセクションからなる。サンプルを、破断するまで21℃において508mm・min-1で伸張させる。引裂エネルギーを、最大荷重における歪までの応力−伸び率曲線下の面積として計算する。少なくとも3個の試験片の平均を報告する。
TMA
熱機械分析(侵入温度)を、180℃及び成形圧10MPaで5分間二次成形してから空冷した直径30mm×厚さ3.3mmの圧縮成形ディスクについて行う。使用した測定器は、Perkin−Elmerから入手可能な銘柄、TMA 7である。この試験において、半径1.5mmのチップ(P/N N519−0416)を有するプローブをサンプルディスクの表面に1Nの力で適用する。温度を25℃から5℃/分で上昇させる。プローブの侵入距離を温度の関数として測定する。プローブがサンプル中に1mm侵入したら、実験を終了させる。
DMA
動的機械分析(DMA)は、ホットプレス中で180℃及び圧力10MPaで5分間二次成形してからプレス中で90℃/分で冷却した圧縮成形ディスクについて行う。試験は、デュアルカンチレバー・フィクスチャー(dual cantilever fixture)を装着したARES制御歪レオメーター(TA Instruments)を用いて行う。
1.5mmのプラックをプレスし、寸法32×12mmのバーに切り込みを入れる。サンプルを10mm(グリップ離隔距離ΔL)隔てられたフィクスチャー間において両端部でクランプし、−100℃から200℃までの連続的温度段階(5℃/段階)に供する。各温度において、捩り弾性率G’を、角振動数10rad/sにおいて、トルクが充分であり且つ測定が線形領域に入ることを確実にするために歪振幅を0.1〜4%に保持して、測定する。
熱膨張発生時のサンプルのたるみを防ぐために、10gの初期静的力を保持する(オートテンション・モード)。結果として、グリップ離隔距離ΔLが温度と共に増加する(ポリマーサンプルの融点又は軟化点より高温では特に)。試験は、最大温度において又はフィクスチャー間の間隔が65mmに達した時点で停止する。
メルトインデックス
メルトインデックス又はI2を、ASTM D1238,Condition 190℃/2.16kgに従って測定する。メルトインデックス又はI10もまた、ASTM D1238,Condition 190℃/10kgに従って測定する。
ATREF
分析温度上昇溶離分別(analytical temperature rising elution fractionation)(ATREF)分析を、米国特許第4,798,081号に記載された方法に従って行う。分析しようとする組成物をトリクロロベンゼンに溶解させ、温度を0.1℃/分の冷却速度で20℃までゆっくり低下させることによって、不活性担体(ステンレス鋼ショット)を含むカラム中で結晶化させる。カラムには赤外線検知器を装着する。次に、溶離液(トリクロロベンゼン)の温度を20℃から120℃まで1.5℃/分の速度でゆっくり上昇させることによって、結晶化したポリマーサンプルをカラムから溶離させることによって、ATREFクロマトグラム曲線を作成する。
TREF
大規模TREF分別を、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)2リットル中にポリマー15〜20gを160℃で4時間の撹拌によって溶解させることによって実施する。ポリマー溶液は、30〜40メッシュ(600〜425μm)の技術的品質球形ビーズ(Potters Industries(HC30 Box20,Brownwood,TX,76801)から入手可能)とステンレス鋼の直径0.028”(0.7mm)のカットワイヤショット(Pellets,Inc.(63 Industrial Drive,North Tonawanda,NY,14120)から入手可能)の60:40(v:v)混合物を充填した3インチ×4フィート(7.6cm×12cm)の鋼カラム上に15psig(100kPa)の窒素によって、強制的に注入する。カラムを、最初に160℃に設定された熱制御オイルジャケット中に浸漬する。カラムは最初に125℃まで高速で冷却し、次いで20℃まで0.04℃/分でゆっくり冷却し、1時間保持する。温度を0.167℃/分で増加させながら、新鮮なTCBを約65ml/分で導入する。
分取TREFカラムからの溶離液を約2000mlずつ、16ステーション・加熱フラクションコレクター中に収集する。各フラクションにおいて、約50〜100mlのポリマー溶液が残るまで、ロータリーエバポレーターを用いてポリマーを濃縮する。濃縮された溶液を一晩放置してから、過剰のメタノールを添加し、濾過し、すすぐ(最終すすぎを含めてメタノール約300〜500ml)。濾過工程は、3位真空補助式濾過ステーション(3 position vacuum assisted filtering station)上で5.0μmポリテトラフルオロエチレン塗布濾紙(Osmonics Inc.から入手可能,Cat#Z50WP04750)を用いて行う。濾過されたフラクションは、真空オーブン中で60℃において一晩乾燥させ、化学天秤で秤量してから、更なる試験に用いる。
13 C NMR分析
サンプルは、10mm NMRチューブ中でテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物約3gを0.4gのサンプルに加えることによって調製する。チューブとその内容物を150℃に加熱することによって、サンプルを溶解させ、均質化する。100.5MHzの13C共振周波数に相当するデータを、JEOL Eclipse(登録商標)400MHzスペクトロメーター又はVarian Unity Plus(登録商標)400MHzスペクトロメーターを用いて収集する。データは、6秒のパルス繰り返し遅延によってデータファイル当たり4000のトランジェントを用いて獲得する。定量分析のために最小信号対雑音比を達成するために、多くのデータファイルを共に加える。スペクトル幅は、32Kデータ点の最小ファイルサイズで25,000Hzである。サンプルを10mm広帯域プローブ中で130℃において分析する。コモノマーの組み込みを、Randallのトリアッド法(Randall,James C.:JMS−Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29,201−317(1989))を用いて測定する。
1 H NMR分析
プロトン核磁気共鳴(1H NMR)分光法のサンプルは、10mm NMRチューブ中で0.4gのサンプルに約3gのd−1,1,2,2−テトラクロロエタン(TCE)を加えることによって調製する。チューブとその内容物を120℃に加熱することによって、サンプルを溶解させ、均質化する。完全な溶解には約15分を要する。場合によっては、充分な均質化のために、ヒートガンによるサンプルの加熱が必要である。ポリマーの完全な溶解を保証するために、サンプルチューブを目視検査する。データは、300MHz Varian INOVA Spectrometerを用いて収集する。120℃において32の走査を集める。プロトンの化学シフトは、7.26ppMにおいてTCE溶媒からの残留プロトンシグナルに対して言及する。
FTIR
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)は、万能全反射減衰(Universal Attenuated Total Reflectance)(ATR)Sampling Accessoryを装着したPerkinElmer Spectrum Oneスペクトロメーターを用いて行う。各サンプルスペクトルの前にバックグランドスペクトルを入手し、各分析後には結晶表面サンプリング領域を清浄にする。各固体サンプルを結晶(内部反射エレメント)に押し付け、以下の機器パラメーターを用いてデータを収集する:分解能4cm-1で650cm-1から4000cm-1までスキャン回数32回。データを、Spectrum v5.0ソフトフェアを用いて分析する。
TEM
透過電子顕微鏡法(TEM)のサンプルを、−100℃においてLeica UC6:FC6クリオ・ウルトラミクロトームを用いてダイアモンドナイフで研磨し(polish)、次いで室温においてRuO4蒸気で3時間染色する。厚さ約90nmの薄い切片を室温において収集し、120kVの加速電圧で作動するJEOL JEM−1230 TEMによって検査する。画像を、Gatan Multiscan CCDカメラ,Model 749を用いてデジタル記録し、Adobe Photoshop CS2で後処理する。
原子間力顕微鏡法(AFM)
−80℃で操作されるFC極低温室を使用してLeica UCT(登録商標)ミクロトーム用いて、サンプル材料から複数の切片を収集する。ダイアモンドナイフを用いて、サンプル材料全体を厚さ120nmに切断する。切片を、新た劈開したマイカ表面に載せ、標準AFM試験片金属支持ディスク上にダブルカーボンテープ(double carbon tape)で取り付ける。切片を、DI NanoScope IV(登録商標)Multi−Mode(登録商標) AFMを使用して、位相検出を用いるタッピングモードにおいて検査する。全ての実験において、ナノセンサーチップを用いる。
基本手順: 以下の実施例及び比較実験においては、特に断らない限り、反応剤(即ち、出発)ポリマーは前述のようにして製造する。
実施例1
部分水素化ポリブタジエン(HPBD)及び部分水素化ニトリル/ブタジエンゴム(HNBR)各0.25gを含むトルエン溶液を95℃に温め、ポリマーが完全に溶解されるまで同温度において撹拌する。この撹拌溶液に、グラブス(Grubbs)IIメタセシス触媒8mgを加える。1時間後、冷却溶液からメタノールの添加によって生成物を沈殿させ、濾過によって回収する。単離した固体から減圧下で揮発性成分を除去すると、回収生成物0.45gが得られる。回収生成物のSAXS分析は、生成物がHPBD及びHNBRのクロスメタセシス・コポリマーであることを示すミクロドメインへのHPBD及びHNBRポリマーセグメントの相分離を示す。3つの温度における結果を示すグラフを図1に示す。300℃において観察されるピークは、クロスメタセシス・コポリマー生成物の液相中に存在する秩序ミクロ相形態(ordered microphase morphology)の証拠である。
比較実験A
HPBD及びHNBR反応剤ポリマーを用いて、メタセシス触媒を用いない以外は実施例1を繰り返す。回収生成物のSAXSによる分析は、20〜300℃の範囲内の結晶性ポリマーのTm未満の全ての温度においてHPBD結晶ラメラ散乱寄与が明白であるという事実によって、それが元のポリマーの単離されたブレンドであることを示している。試験範囲内の3つの温度におけるSAXSのグラフを図2に示す。300℃においてピークが観察されなかったことは、比較実験Aの生成物が液相においてミクロ相秩序(microphase order)を示さないこと、ひいては比較実験Aの生成物が単一ポリマーブレンドと一致することを示している。
図1及び2のSAXSの結果は、実施例1の生成物については元の不飽和ポリマーとは化学的に区別可能なセグメントを含む不相溶性ポリマーブロックのミクロ相分離に関する散乱ピークが結晶性ポリマー相のTmより高い温度で(特に300℃における散乱パターンでは)観察されるという事実によって、ブロックコポリマーが実施例1のクロスメタセシス反応で製造されることを示している。図2の比較生成物においては、未変化の結晶性ポリマー(HPBD)の特徴的結晶X線パターンがTm未満において認められ、且つミクロ相分離散乱ピークを検出できず、これは生成物が元のポリマーのブレンドにすぎないことを示している。
実施例2
不飽和ポリ(エチレンオキシド)各0.25g及びポリ(エチレン−コ−ブタジエン)0.25gを含むトルエン溶液を105℃に温め、ポリマーが溶解されるまで同温度で撹拌する。この撹拌溶液に、グラブスII触媒9mgを加える。1時間後、冷却溶液からメタノールの添加によってポリマー生成物を沈殿させ、濾過によって回収する。減圧下における単離材料からの揮発性成分の除去により、回収ポリマー生成物0.47gが得られる。この回収生成物にテトラヒドロフラン(30ml)を加え、これを一晩振盪機上に置いて、メタセシスされていない不飽和ポリ(エチレンオキシド)を抽出する。抽出後に残っているポリマーを濾過し、乾燥させ、1H NMR分光法によって分析する。これを図10に示す(下方のスペクトル)。
比較実験B
メタセシス触媒を用いない以外は実施例2を繰り返す。結果を図3に示す(上方のスペクトル)。図3の上方のスペクトルと下方のスペクトルの比較から、ポリ(エチレンオキシド)部分が実施例2のポリマー生成物には存在するが、比較実験Bの生成物には存在しないことが示される。これらの結果は、実施例2においてはメタセシスセグメント交換反応によってブロックコポリマーが形成される証拠を提供するが、同じことは比較実験Bでは起こらない。
実施例3
フマリル改質ポリカーボネート0.25g及びポリ(エチレン−コ−オクテン−コ−ブタジエン)0.25gを含むトルエン溶液を105℃に温め、ポリマーが完全に溶解されるまで同温度で撹拌する。この撹拌溶液に、グラブスIIメタセシス触媒9mgを加える。1時間後、冷却溶液からメタノールの添加によってポリマー生成物を沈殿させ、生成物を濾過によって回収する。減圧下における揮発性成分の除去により、ポリマー生成物0.47gが得られる。図4に示したTEMによる分析は、材料の秩序ミクロ相形態を示す。図5は、3つの温度におけるSAXSデータを示す。300℃におけるピークは液相中に、25℃及び100℃の非液相においてに見られるようなミクロ相秩序を示している。これらのデータは、メタセシスセグメント交換反応によるブロックコポリマーの生成を示す。
実施例4
ポリ(エチレン−コ−ブタジエン)0.10g及びポリ(エチレン−コ−オクテン−コ−ブタジエン)0.40gを含むトルエン溶液を105℃に温め、ポリマーが完全に溶解されるまで同温度で撹拌する。この撹拌溶液に、六塩化タングステン触媒8,000ppm及びトリ−n−ブチルメチル錫助触媒13,000ppmを加える。1時間後、冷却溶液からメタノールの添加によってポリマー生成物を沈殿させ、濾過によって回収する。減圧下における濾過生成物からの揮発性成分の除去により、回収ポリマー生成物0.47gが得られる。これを、図6に見られるように結晶化分別法(CRYSTAF)によって分析する。
比較実験C
メタセシス触媒を加えない以外は実施例4を繰り返す。回収した生成物を、図7に見られるようにCRYSTAFによって分析する。意義深いことに、図7では80℃にピークが観察されるが、これは図6のCRYSTAFプロットでは観察されない。80℃のピークは、ポリ(エチレン−コ−ブタジエン)ポリマーの存在による。実施例4の生成物に80℃にピークが存在しない(図6)ことは、このポリマー生成物の溶解性がメタセシスセグメント交換の結果として増加することを示しており、従ってブロックコポリマーの形成の証拠を提供する。これに対して、比較実験Cの比較生成物に80℃にピークが存在する(図7)ことは、この生成物がメタセシスされていない結晶性ポリマーとポリ(エチレン−コ−オクテン−コ−ブタジエン)の単純なブレンドであることを示している。
実施例5
ポリ(シクロオクタジエン)及び部分水素化ポリ(ニトリル−ブタジエン)ゴム各0.25gを含むトルエン溶液を50℃に加温し、ポリマーが完全に溶解されるまで同温度で撹拌する。この撹拌溶液に、ベンジリデン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム8.02mgを加える。1時間後、冷却溶液からメタノールの添加によってポリマー生成物を沈殿させ、濾過によって回収する。減圧下において単離固形分から揮発性成分を除去すると、固体熱可塑性生成物0.39が残される。SAXS、DSC及びNMRによる分析は、メタセシスコポリマー生成物中において30℃より高い温度では不飽和の存在を示したが、結晶性ポリマーセグメントは検出されなかった。

Claims (22)

  1. メタセシス触媒を、メタセシス条件下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和ポリマー(第1ポリマー)が0.001〜5モル%の不飽和を有し且つ少なくとも1種の他のエチレン性不飽和ポリマー(第2ポリマー)が0℃未満のTg予想値及び0.001〜5モル%の不飽和を有する非晶質ポリマーである、2種又はそれ以上の化学的に区別可能なエチレン性不飽和ポリマーを含む組成物と接触させることによってクロスメタセシス反応生成物を生成せしめることを含んでなるクロスメタセシス生成物混合物の製造方法。
  2. 前記第1不飽和ポリマー反応剤が10〜50モル%のエチレン性不飽和を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1不飽和ポリマー反応剤のエチレン炭素含量が40重量%又はそれ以下である請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1不飽和ポリマーがジエンホモポリマー又は1種若しくはそれ以上のオレフィンとジエンとのコポリマー、又はそれらの部分水素化誘導体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第2不飽和ポリマーがエチレン、1種若しくはそれ以上のC3〜C20オレフィン及びジエン若しくはアルキンのコポリマー、又はそれらの部分水素化誘導体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第2不飽和ポリマーがエチレン、1種若しくはそれ以上のC3〜C20オレフィン及びジエン若しくはアルキンのコポリマー、又はそれらの部分水素化誘導体である請求項4に記載の方法。
  7. 前記第1不飽和ポリマーがポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)若しくはポリ(2−フルオロ−1,3−ブタジエン)又はそれらの部分水素化誘導体であり且つ前記第2不飽和ポリマーがエチレン、1種若しくはそれ以上のC3〜C8α−オレフィン及びブタジエンのコポリマーである請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  8. 前記第1不飽和ポリマーがポリイソプレン、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)若しくはポリ(2−フルオロ−1,3−ブタジエン)、又はポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)若しくはポリ(2−フルオロ−1,3−ブタジエン)の部分水素化誘導体であり且つ前記第2不飽和ポリマーがエチレン、1種若しくはそれ以上のC3〜C20オレフィン及びブタジエンのコポリマーである請求項3に記載の方法。
  9. 前記第2不飽和ポリマーが部分水素化ニトリルブタジエンゴムポリ(エチレンオキシド)、不飽和ポリカーボネート及びポリ(エチレン−コ−オクテン−コ−ブタジエン)からなる群から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記メタセシスを、(A)金属が元素周期表の第1族、第2族、第12族又は第13族から選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物、(B)金属が第5族、第6族又は第7族の金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属誘導体及び、任意的に、(C)少なくとも1種のキレート化材料又はルイス塩基材料を含む触媒の存在下で実施する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記メタセシスを、(A)金属が元素周期表の第1族、第2族、第12族又は第13族から選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物、(B)金属が第5族、第6族又は第7族の金属、好ましくはモリブデン又はタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属誘導体及び、任意的に、(C)少なくとも1種のキレート化材料又はルイス塩基材料を含む触媒の存在下で実施する請求項9に記載の方法。
  12. 前記メタセシスを、一般式:
    Figure 2010501719
    [式中、MAはルテニウム又はオスミウムであり;
    A及びXBは同一又は異なるアニオン性配位子であり;
    Aは中性電子ドナー配位子であり;
    Bは中性電子ドナー配位子又は窒素含有複素環式カルベンであり;
    A及びRBは、それぞれ独立して、水素、又は水素を数えずに原子20個以下のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボキシレート、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル若しくはシリル基、それらのアルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアリール若しくはハロアルカリール置換誘導体;又は前記のいずれかの官能基化誘導体(官能基はヒドロキシル、チオール、アルコール、スルホン酸、ホスフィン、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、イミド(imide)、イミド(imido)、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメート、アセタール、ケタール、ボロネート、シアノ、シアノヒドリン、ヒドラジン、オキシム、ヒドラジド、エナミン、スルホン、スルフィド、スルフェニル若しくはハロゲンである)である]
    の化合物を含む触媒の存在下で実施する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記触媒が、LBが第三ホスフィンであり且つ、LAが第三ホスフィン又は窒素含有複素環式配位子であるルテニウム誘導体を含む請求項12に記載の方法。
  14. 前記LAが式:
    Figure 2010501719
    [式中、Arは、それぞれ独立して、原子50個以下のアリール基であり、且つRCはそれぞれ独立して水素若しくはアニオン性配位基であるか又は複数のRC基が共同で1つ若しくはそれ以上の縮合環を形成できる]
    のイミダゾリジニル−又はトリアゾリル−配位子である請求項13に記載の方法。
  15. Arが、それぞれ独立して、フェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルである請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法に従って製造できるクロスメタセシス反応生成物。
  17. 前記第2ポリマーのTg予想値が−25℃未満である請求項16に記載の方法に従って製造できるクロスメタセシス反応生成物。
  18. 1つのポリマーブロックが部分水素化ポリブタジエンを含み且つ別のポリマーブロックが部分水素化ブタジエンニトリルゴムを含む請求項16又は17に記載のクロスメタセシス反応生成物。
  19. 1つのポリマーブロックがポリ(エチレンオキシド)を含み且つ別のポリマーブロックがポリ(エチレン−コ−ブタジエン)を含む請求項16又は17に記載のクロスメタセシス反応生成物。
  20. 1つのポリマーブロックがポリ(エチレン−コ−ブタジエン)を含み且つ別のポリマーブロックがポリ(エチレン−コ−オクテン−コ−ブタジエン)を含む請求項16又は17に記載のクロスメタセシス反応生成物。
  21. 1つポリマーブロックが不飽和ポリカーボネートを含み且つ別のポリマーブロックがポリ(エチレン−コ−オクテン−コ−ブタジエン)を含む請求項16又は17に記載のクロスメタセシス反応生成物。
  22. 請求項16〜21のいずれか1項に記載のクロスメタセシス反応生成物の部分水素化誘導体。
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