JP2010500569A - 標的の屈折率変動を識別する方法 - Google Patents

標的の屈折率変動を識別する方法 Download PDF

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Abstract

標的の屈折率変動を識別するためのシステム及び方法が、本出願において説明されている。一実施形態は、標的から出てくる出射光の1つ又は複数の特性を識別することと、出射光の1つ又は複数の特性に基づき標的の屈折率変動を決定することを含む。屈折率変動を決定することは、さらに、屈折率変動の分散及び屈折率変動の空間相関長の1つ又は複数を決定することを含む。屈折率変動を決定することは、さらに、屈折率変動の分散及び屈折率変動の空間相関長の1つ又は複数を決定することを含む。

Description

連邦委託研究
本開示は、米国国立衛生研究所により授与された認可番号R01 EB003682及びR01 CA112315、ならびに米国国立科学財団により授与された認可番号CBET−0238903及びCBE T−0417689に基づき政府支援を受けてなされた。したがって、米国政府は、これらの認可に従って本開示にいくつかの権利を有している場合がある。
優先権主張
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる2006年8月11日に出願された「Apparatus and Methods of Partial Wave Spectroscopy」という表題の米国特許出願第60/837,103号の優先権を主張するものである。本出願は、さらに、参照により本明細書に組み込まれる2006年8月11日に出願された「Apparatus and Methods of Ultra−Early Detection of Carcinogenesis in a Single Cell Via Partial Wave Spectroscopy」という表題の米国特許出願第60/837,052号の優先権を主張するものである。
関連特許出願の相互引用
本出願は、本開示と同じ譲受人により2005年10月27日に出願された「MULTI−DIMENSIONAL ELASTIC LIGHT SCATTERING」という表題の同時係属米国特許出願第11/261,452号に関係する。上記の同時係属出願の開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2006年5月19日に出願された「GUIDE−TO−COLONOSCOPY BY OPTICAL DETECTION OF COLONIC MICRO−CIRCULATION AND APPLICATIONS OF THE SAME」という表題の米国出願第60/801,947号の優先権を主張する本開示と同じ譲受人により2005年11月27日に出願された「METHOD OF RECOGNIZING ABNORMAL TISSUE USING THE DETECTION OF EARLY INCREASE IN MICROVASCULAR BLOOD CONTENT」という表題の同時係属米国特許出願第11/604,653号に関係する。上記の同時係属出願の開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、さらに、2006年5月19日に出願された「GUIDE−TO−COLONOSCOPY BY OPTICAL DETECTION OF COLONIC MICRO−CIRCULATION AND APPLICATIONS OF THE SAME」という表題の米国出願第60/801,947号の優先権を主張する本開示と同じ譲受人により2005年11月27日に出願された「APPARATUS FOR RECOGNIZING ABNORMAL TISSUE USING THE DETECTION OF EARLY INCREASE IN MICROVASCULAR BLOOD CONTENT」という表題の同時係属米国特許出願第11/604,659号に関係する。上記の同時係属出願の開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、さらに、2006年5月19日に出願された「FOUR−DIMENSIONAL ELASTIC LIGHT SCATTERING SPECTROSCOPY,LOW−COHERENCE ENHANCED BACKSCATTERING SPECTROSCOPY,RELATED OPTICAL MARKERS,AND APPLICATIONS OF SAME」という表題の米国出願第60/801,954号の優先権を主張する本開示と同じ譲受人により2007年5月11日に出願された「SYSTEMS,METHODS,AND APPARATUSES OF ELASTIC LIGHT SCATTERING SPECTROSCOPY AND LOW−COHERENCE ENHANCED BACKSCATTERING SPECTROSCOPY」という表題の同時係属米国特許出願に関係する。上記の同時係属出願の開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、さらに、2006年5月12日に出願された「Low−Coherence Enhanced Backscattering Spectroscopy and Applications of Same」という表題の米国出願第60/799,970号の優先権を主張する本開示と同じ譲受人により2007年5月11日に出願された「SYSTEMS,METHODS,AND APPARATUSES OF LOW−COHERENCE ENHANCED BACKSCATTERING SPECTROSCOPY」という表題の同時係属米国特許出願に関係する。上記の同時係属出願の開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特許、特許出願、及びさまざまな出版物を含みうる、いくつかの参考文献が、本開示の説明において引用され、説明されている。そのような参考文献の引用及び/又は説明は、単に本開示の説明を明確にするだけのために掲載されており、そのような参考文献が、本明細書で説明されている開示に対する「先行技術」であることを認めるものではない。本明細書において引用され、説明されているすべての参考文献は、それぞれの参考文献があたかも個別に参照により組み込まれているかのように参照によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれている。
本開示は、一般的には、光散乱に関するものであり、具体的には、弾性光散乱及び/又は医療診断治療目的を含む光散乱の応用に関するものである。
悪性形質転換時の構造異常(異形成癌連鎖)は、典型的には、比較的初期の段階が病理学的観点からは一般的に静かな状態にある発癌の過程の比較的後期の段階において発生する。臨床的観点からは(例えば、細胞学的診断では)、発癌の初期段階を明確にすることが望ましい。初期段階では、これらの細胞の基本的なナノスケール構造が初期悪性形質転換のときに乱される可能性があるけれども、遺伝的/後成的変化は、まだ、顕微的結果に変わっていないことがある。
物理的及び技術的限界が、サブミクロン・スケール(例えば、ナノスケール)での細胞組織化の変化の理解を妨げていた。例えば、既存の光学イメージング技術の能力は、回折限界分解能により制約されうる。それに加えて、利用できるイメージング技術では、典型的には、生体細胞及び組織のナノスケール組織化の定量的特徴付けを非破壊的な方法で実行することができない。
結腸直腸癌は、米国における癌死亡率の主要原因の1つとなっている。2006年には、結腸直腸癌(CRC)に関係した死亡者数が約55,170人と推定されている。早期発見が行われていれば、初期段階の結腸直腸癌は治癒可能である。しかし、結腸新生物の性質を考えると、大半の患者は、癌がかなり進行した段階に進んだときに診断されるので、早期発見のため潜在的に危険な状態にある集団(例えば、50歳以上の人々)の効果的なスクリーニングを実施する必要のあることが強調される。例えば、既存結腸直腸癌スクリーニング法は、糞便潜血検査(FOBT)、結腸の直接可視化を行う内視鏡検査(例えば、軟性S状結腸鏡検査又は大腸内視鏡検査)、及び/又は空気バリウム注腸検査を含む。既存の方法は、結腸直腸癌死亡率及び発生率を下げる程度の効果を実証しているけれども、潜在的に患者及び/又は医師が進んで行う気がないため、集団の大部分が、内視鏡スクリーニングを受けていない。
しかし、資源に制約があり、また合併症が予測されることから、潜在的に危険な状態にある集団(例えば、50歳以上)に対し大腸内視鏡検査を実施することは、非実用的であると思われる。それに加えて、一般集団については、進行性CRCの生涯リスクは約6%である。大きな母集団に対し大腸内視鏡検査を実施して、結腸新生物を発生する可能性のある潜在的に危険な状態にある集団の比較的小さな下位集団に至ろうとするのは、費用と時間の面で不効率である。結腸直腸癌スクリーニングのために多数の技術が導入されているが、集団検診に適したロバスト性を有していることについてはまだ実証されていない。例えば、糞DNA分析の立証実績のレポートは、多施設治験において統計的に有意でなかった。さらに、糞DNA分析の著しい費用は、利用を広げるうえでの障壁となる可能性がある。放射線学の観点からは、単一施設研究において、コンピュータ断層撮影コロノグラフィ(仮想大腸内視鏡検査)が有望であったが、残念なことに、多施設治験で立証された感度は、信頼できないものであった。
結腸新生物が潜んでいる可能性の高い患者を識別して、新生物が潜んでいる可能性の高い適切に定めた患者群に対し大腸内視鏡検査を実施し、大腸内視鏡検査の費用、不都合、及び予測される合併症から恩恵を受けることがありえない患者に対する検査を控えるようにする必要がある。
それに加えて、膵臓癌は、米国内の癌死亡のもう1つの主要原因であり、ほとんどの癌が後期の不治の段階で診断されるのである。高分解能イメージング(MRI、CTなど)、分子診断法、及び/又は内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(ERCP)を含む、既存のアプローチは、効果的な治療が可能なように初期膵臓腫瘍を検出するロバスト性を立証していない。
現行のイメージング・モダリティとともにERCPは、腫瘤病変の存在の検出を利用しており、したがって、腫瘍は検出されたときには、典型的には、生物学的に進行しすぎていて治癒できない。長年の研究にもかかわらず、臨床的に十分な分子マーカーが開発されていない。前浸潤癌を診断するのに現在有望な唯一のルートは、膵管を通るもので、膵臓の腺腫又は癌腫の90%がそこから発生する。膵炎(3〜5%の症例)を含む合併症が発生する可能性があるため、現在実施されているように、ERCPは、連続する複数の時点にわたる定期検診には適さない場合がある。
本発明は、一部は、本明細書で説明されている、標的の屈折率変動を識別するためのシステム及び方法を含む。本開示のいくつかの実施形態の概要について、この節で説明する。
一態様では、本開示のいくつかの実施形態は、後方散乱又は透過法を使用して、また出射光の1つ又は複数の特性に基づき標的の屈折率変動を決定することにより、標的から出る出射光の1つ又は複数の特性を識別する、システム上に実装されうる方法を含む。一実施形態では、出射光の1つ又は複数の特性は、出射光の反射の尺度を含む。他の実施形態では、反射の尺度は、出射光の高周波スペクトル成分の尺度を含む。出射光の反射の尺度は、出射スペクトルと出射スペクトルの低周波スペクトル成分の差を含みうる。一実施形態では、出射光の1つ又は複数の特性は、出射光の反射の尺度の自己相関を含む。屈折率変動を決定するステップは、さらに、屈折率変動の分散及び屈折率変動の空間相関長の1つ又は複数を決定するステップを含むことができる。
一態様では、本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのスペクトル成分を含む、標的上に照射される入射光を供給し、標的から後方散乱されたか、又は標的を透過した光の1つ又は複数の事前選択されたスペクトルのうちの1つのスペクトルが標的の1つ又は複数の事前選択された部分に対応する、1つ又は複数の事前選択されたスペクトルの強度を記録し、標的の照射される部分の特性を評価することに関して、ただし標的について評価される特性は標的の1つ又は複数の部分に対する特性であるとして、出射光の1つ又は複数の事前選択されたスペクトルの強度を分析する、システム上に実装されうる方法を含む。
一実施形態は、さらに、標的の照射される部分の出射光により形成される画像を記録することを含む。これらの特性は、標的の、粒子のサイズ、粒子の個数濃度、屈折率、屈折率の空間分布、及び粒子の個数濃度の空間分布のうちの1つ又は複数を含むことができる。一実施形態では、入射光のビーム直径は、入射光が標的のところの平面波に対応するように標的よりも実質的に大きい。入射光は、白色光を含んでもよい。
一実施形態は、さらに、標的の単一散乱粒子を識別するステップを含む。この実施形態は、さらに、標的の1つの粒子の周辺から出る出射光の第1の一組のスペクトルの強度を記録するステップと、標的の粒子の中心から出る出射光の第2の一組のスペクトルの強度を記録するステップとを含むことができる。この実施形態は、さらに、粒子の中心からの記録された出射光の第2の一組のスペクトルの強度を分析することで粒子のサイズを決定するステップと、一様平板モデルに基づき計算されたスペクトルに対し粒子の中心からの記録された出射光の第2のスペクトルのカーブ・フィッティングを実行することで粒子の直径を決定するステップとを含むことができる。
一実施形態は、さらに、標的の高密度充填粒子の集合体の局部的散乱粒子を識別することを含む。この実施形態は、さらに、出射光の1つ又は複数のスペクトルの強度に関係する1つ又は複数の統計的属性を決定するステップを含むことができる。少なくとも1つの統計的属性は、反射率の確率密度分布、反射率の自己相関関数、不規則性の強さ、不規則性の強さの標準偏差、及び不規則性の強さの確率密度のうちの1つ又は複数を含むことができる。一実施形態では、反射率は、出射光の高周波スペクトル成分の一尺度である。
一実施形態は、さらに、出射光の1つ又は複数のスペクトルについて、出射光の強度と入射光の強度により正規化された出射光の強度のゆっくりと変化する成分との間の差を求めることで反射率を決定するステップを含む。この実施形態は、さらに、出射光の1つ又は複数のスペクトルの反射率及び出射光の1つ又は複数のスペクトルの反射率の自己相関関数から不規則性の強さを決定するステップを含むことができる。不規則性の強さは、屈折率変動の分散と屈折率変動の空間相関長のうちの1つ又は複数の一尺度とすることが可能である。一実施形態では、この方法は、不規則性の強さの統計的パラメータを決定するステップを含むことができる。統計的パラメータは、不規則性の強さ及び所定の領域にわたって平均された不規則性の強さの標準偏差のうちの1つ又は複数を含むことができ、所定の領域は実質的に細胞の一領域に対応する。統計的パラメータは、細胞の領域上の不規則性の強さの所定の百分位数に対する平均及び標準偏差のうちの1つ又は複数を含むことができる。統計的パラメータは、さらに、複数の細胞にわたって平均された、不規則性の強さの平均及び不規則性の強さの標準偏差のうちの1つ又は複数を含むことができる。統計的パラメータは、さらに、複数の細胞にわたる、不規則性の強さの標準偏差、不規則性の強さの平均、及び不規則性の強さの標準偏差のうちの1つ又は複数を含むことができる。
一実施形態で、複数の細胞が、細胞学的試料の少なくとも一部である。複数の細胞は、固定細胞、生体細胞、及び/又は染色した細胞のうちの1つ又は複数とすることができる。イメージング・システムの分解能の回折限界により制限されうる、出射光が出てくる標的の事前選択された部分のサイズは、マイクロスケールのオーダーとしてよい。一実施形態では、標的は、生体試料である。標的は、さらに、生体の少なくとも一部分とすることができる。それに加えて、生体試料は、細胞標品の少なくとも一部分である。生体組織は、悪性形質転換を受ける組織を含むことがある。
一実施形態は、組織の局所領域に対する物理的特性を評価するステップを含むことができる。その組織について評価すべき物理的特性は、1つ又は複数の細胞の面積のオーダーのスケールの組織の1つ又は複数の部分に対するものとしてよい。この実施形態は、さらに、単一細胞の細胞構造内の変化を検出するなど、組織の単一細胞の物理的特性を評価するステップを含むことができる。この変化は、癌性変化に対応しうる。癌性変化は、膵臓癌、結腸癌、肝臓癌、肺癌、食道癌、胃癌、子宮頸癌、口腔癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、胆管癌、前立腺癌、及び/又は頭頸部癌に対応しうる。標的は、内視鏡的に正常な生体試料、組織学的に正常な生体試料、及び細胞学的に正常な生体試料から得られる。
一実施形態では、標的は、非腫瘍性組織と異なる解剖学的部分から得られる組織の腺腫及び癌腫のうちの1つ又は複数を検出するための非腫瘍性組織を含む。例えば、標的は、腺腫及び癌腫の1つ又は複数が潜在的に潜んでいる解剖学的領域の組織の近位及び遠位の少なくとも一方の解剖学的領域の組織を含む。一実施形態では、この方法は、さらに、結腸内のどこかから得られた組織の特性の識別に基づき結腸の少なくとも一部の中の腺腫及び癌腫のうちの1つ又は複数の存在を検出することを含む。結腸内のどこかから得られる組織は、盲腸、上行結腸、肝弯曲部、横行結腸、脾湾曲部、下行結腸、S状結腸、及び直腸のうちの少なくとも1つを含む。
一実施形態は、さらに、非腫瘍性組織から出る出射光の1つ又は複数のスペクトルの強度を分析することで膵臓新生物を検出することを含む。非腫瘍性組織は、場合によっては、十二指腸膨大部周囲粘膜である場合もある。非腫瘍性組織は、遺伝的及び環境的要因のうちの少なくとも1つの影響を受け、結果として膵臓新生物を生じる組織である場合もある。一実施形態は、さらに、非腫瘍性組織から出る出射光の1つ又は複数のスペクトルの強度を分析することで肺癌を検出することを含む。非腫瘍性組織は、口腔粘膜であるものとしてよい。この実施形態は、さらに、慢性閉塞性肺疾患の患者群のうちから肺癌の患者を識別するステップ、及び/又は慢性閉塞性肺疾患の患者群のうちから肺癌の家系の患者を識別するステップを含むことができる。患者群は、喫煙者群であってもよい。一実施形態は、HT29細胞のさまざまな遺伝的変異などの、細胞のさまざまな遺伝的変異を識別することを含む。
他の態様では、本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのスペクトル成分を有する入射光を供給する光源、入射光をコリメートする動作が可能なように構成された1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第1の集合体、入射光を標的に集光する動作が可能なように構成された1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第2の集合体、及び標的の照射される部分の入射光の照射から出る出射光の1つ又は複数の事前選択されたスペクトルの強度を記録する受け側端部を備えるシステムを備える。
一実施形態では、標的に照射される光のビームの直径は、標的に照射される光のビームが平面波に対応するように標的のサイズよりも実質的に大きい。一実施形態では、光源は、白色光源を含む。光源は、複数の狭帯域光源から光の少なくとも1つのスペクトル成分を取り出すことができる。光源は、アーク灯、白色発光ダイオード、レーザー光源、及びカラー発光ダイオードのうちの1つ又は複数としてよい。レーザー光源は、1つ又は複数の放射波長を有する1つ又は複数のレーザーを備えることができる。一実施形態では、カラー発光ダイオードは、さらに、1つ又は複数のスペクトル放射範囲を有する1つ又は複数の発光ダイオードを含むことができる。
一実施形態では、1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第1の集合体は、4−fシステムと絞りを備える。例えば、4−fシステムは、2レンズ4−fシステムとしてよい。一実施形態では、レンズは、正レンズである。それに加えて、レンズは、フーリエ・レンズ、球面レンズ、屈折率分布型レンズ、非球面レンズ、円柱レンズ、凸凸レンズ、及び/又は平凸レンズであってよい。さらに、絞りは、一実施形態では、2枚のレンズの共通焦点面内に実質的に配置されうる。一実施形態では、システムは、光源と4−fシステムとの間に配置された集光器を備える。
一実施形態では、受け側端部は、イメージング分光器を備える。受け側端部は、さらに、標的から出る出射光の画像を記録するための光検出器を備えることができる。それに加えて、光検出器は、イメージング分光器と結合され、所定の位置の周りを移動する動作が可能なように構成された走査ステージは、イメージ分光器及び光検出器と結合されうる。光検出器は、CCDカメラであってよい。一実施形態では、光検出器は、複数の光検出器とすることができる。
一実施形態では、1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第2の集合体は、対物レンズを備える。出射光は、対物レンズにより集光されうる。この実施形態は、さらに、対物レンズにより集光された出射光の焦点を合わせて出射光の画像を拡大するチューブ・レンズ及び対物レンズにより集光された出射光を偏向する動作が可能なように構成されたフリッパー・ミラーを備えることができる。フリッパー・ミラーは、出射光をカメラに偏向して像を記録する前に視覚化するという動作が可能なように構成されうる。一実施形態では、標的は、生体試料の1つ又は複数の生体細胞を含みうる。
一実施形態では、受け側端部は、さらに、1つ又は複数の単一チャネル直線配列分光計及び/又はフィルタを備え、これにより、出射光の少なくとも1つのスペクトル成分のうちの1つ又は複数の成分の強度を記録することができる。フィルタは、チューナブル・フィルタ、フィルタ・ホイール、及び/又はダイクロイック・フィルタとすることができる。
本開示は、方法及びこれらの方法を実行する処理システムを含む、これらの方法を実行するシステム、及び処理システム上で実行されたときにシステムにこれらの方法を実行させるコンピュータ可読媒体を含む。
本開示の他の特徴は、付属の図面及び以下の詳細な説明から明白になるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、一実施形態による、アガロース・ゲルに埋め込まれた6μmのポリスチレン微小球の顕微鏡画像を示す図である。
図2は、一実施形態による、ミー理論から計算で求められた、シミュレートされた後方散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の周辺から記録された後方散乱スペクトルを例示する図である。
図3は、一実施形態による、平板モデルに基づき計算で求められた、シミュレートされた後方散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の中心から散乱された光から記録された後方散乱スペクトルを例示する図である。
図4は、一実施形態による、FDTDシミュレーションから計算で求められた、散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の中心から記録された後方散乱スペクトルを例示する図である。
図5は、一実施形態による、直径のサイズが異なる2つの球に対するFDTDシミュレーション結果に基づき計算で求められた後方散乱スペクトルを例示する図である。
図6は、一実施形態による、平均径が可変である空中の塊状ポリスチレン微小球の画像、及び、4つの微小球のそれぞれが平板モデルから導き出された散乱スペクトルIs(λ)にフィッティングされた中心から記録された散乱スペクトルIc(λ)を例示する図である。
図7は、一実施形態による、部分波分光法を実行するための分光システムの例示的な略図である。
図8は、一実施形態による、分光システムによる部分波分光法を介して得られた微小球の例示的な画像及び例示的なスペクトルを示す図である。
図9Aは、一実施形態による、部分波分光法を介して得られた細胞の画像ならびに雑音除去及び背景反射の後の反射率スペクトルR(λ)のプロットを示す図である。
図9Bは、一実施形態による、EGFTノックダウンHT29細胞、通常のHT29細胞、及びCSKノックダウンHT29細胞について得られた、一組の細胞学的細胞画像及び一組の部分波分光細胞画像を例示する図である。
図9Cは、一実施形態による、EGFR HT29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞に対する反射率R(k)及び不規則性の強さLdの統計的パラメータのプロットを例示する図である。
図9Dは、一実施形態による、EGFR H29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞に対する不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
図10は、一実施形態による、対照ラット及びAOM処置ラットの結腸上皮細胞から記録された後方散乱光の強度から決定される、波長の関数としての反射率スペクトルR(λ)のプロット及び反射率スペクトルの統計的パラメータのプロットを例示する図である。
図11は、一実施形態による、対照ラット及びAOM処置ラットから得られた結腸上皮細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
図12は、一実施形態による、対照及びAOM処置ラット(発癌の開始後2、5、及び8週)から記録された組織学的に正常な結腸上皮細胞の、不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLdの空間分布を示す画像である。
図13は、一実施形態による、1D平板モデルにより決定されるような、相関長lc及び屈折率変動<Δn2>を有する不規則性の強さLdのバラツキを示すプロットである。
図14Aは、一実施形態による、FDTDシミュレーション及び合成後方散乱画像に使用される要素の幾何学的形状の実施例を例示する図である。
図14Bは、一実施形態による、部分波分光法から得られた画像の一部の後方散乱スペクトルを分析するためFDTDシミュレーションから得られたスペクトルと1D平板モデルとを比較するプロットである。
図15は、一実施形態による、不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差が細胞学的に悪性の膵臓癌細胞についてプロットされたヒト生体試料の部分波分光法を介して得られたデータを示す棒グラフである。
図16は、一実施形態による、不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLdが細胞学的に正常な膵臓癌細胞についてプロットされたヒト生体試料の部分波分光法を介して得られたデータを示す棒グラフである。
図17は、一実施形態による、結腸内のどこにも腺腫又は癌腫、非進行腺腫又は癌腫、及び進行腺腫又は癌腫がない状態で、部分波分光法を介して患者の正常な外見の直腸粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLdを示す棒グラフである。
図18は、一実施形態による、膵臓癌の患者及び異形成のない対照患者からの正常な外見の十二指腸膨大部周囲粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
図19は、一実施形態による、肺癌の患者、COPDの患者、肺癌を患っていない患者、及びの肺癌はないが、肺癌の家系である患者からの正常な外見の頬粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
以下の説明及び図面は、例示的なものであり、制限であると解釈されないものとする。本開示を十分に理解できるように、多数の具体的な詳細事項を説明する。しかし、いくつかの場合において、よく知られているか、又は標準とみなされる詳細事項については、説明をわかりにくくしないために取りあげない。本開示における一実施形態への参照は、同じ実施形態の参照であってよいが、必ずしもそうではなく、そのような参照は、複数の実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態を意味する。
本明細書において「一実施形態」又は「実施形態」と記述されている場合、これは、その実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態では」という語句が本明細書のさまざまな箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らず、また別の、もしくは代替えの実施形態が他の実施形態と相互排他的であるわけでもない。さらに、いくつかの実施形態では提示されうるが、他の実施形態では提示されえない、さまざまな特徴が説明される。同様に、いくつかの実施形態については要件となりうるが、他の実施形態については要件とはなりえない、さまざまな要件が説明される。
本明細書で使用される用語は、一般に、本開示の文脈内で、またそれぞれの用語が使用される特定の文脈において、当業の通常の意味を有する。本開示を説明するために使用されるいくつかの用語は、発明の実施者に対する本開示の説明に関する付加的な手引きとなるように、以下で説明されるか、又は本明細書の他の場所で説明される。便宜上、いくつかの用語は、例えば、斜体及び/又は引用符を使って強調表示される場合がある。強調表示の使用は、用語の範囲及び意味に影響を及ぼすことはなく、用語の範囲と意味は、強調されようとされまいと、同じ文脈において同じである。同じことが複数の言い方で述べられることは理解されるであろう。
したがって、本明細書で説明されている用語の1つ又は複数に対し代替えの専門用語及び同義語を使用することができ、用語が本明細書で詳述又は説明されているかどうかについて特別な意義はない。特定の用語に対し同義語が用いられる。1つ又は複数の同義語を用いていても、他の同義語の使用を排除するものではない。本明細書で説明されている用語の実施例を含む本明細書のどこかの場所で実施例を使用していても、例示することのみを目的としており、いかなる形でも本開示又は例示されている用語の範囲及び意味を制限しない。同様に、本開示は、本明細書に示されているさまざまな実施形態を限定されるものではない。
本開示の範囲を制限することを意図せずに、本開示の実施形態による例示的な計測器、装置、方法、及びその関連する結果について以下で説明する。読者の便宜のために実施例において表題又は副題が使用される場合があるが、決して本発明の範囲を制限するものではないことに留意されたい。さらに、いくつかの理論が本明細書において提案され説明されているが、いかなる形でも、正しかろうが間違っていようが、本開示が特定の理論又は動作方式にこだわらずに本開示により実施される限り本開示の範囲を制限すべきではない。
断りのない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本開示が関係している技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。食い違いがある場合、本書が、定義も含めて、優先する。
本明細書で使用されているように、「約、およそ(around、about、又はapproximately)」は、一般に、所定の値又は範囲の20パーセント以内、好ましくは10パーセント以内、より好ましくは5パーセント以内を意味するものとする。本明細書で示されている数量は近似値であり、「約、およそ(around、about、又はapproximately)」は明示的に述べられていなければ推論できることを意味している。
本開示のいくつかの実施形態は、例えば、部分波分光法を介して、標的の屈折率変動を識別するためのシステム及び方法を含む。
一態様では、本開示は、対象物体を光学的に調査し、複合多粒子系内の孤立単一散乱要素又は局部的散乱要素から局部的散乱シグネチャを識別することに関係する。
この例示的な実施形態では、本開示により弾性後方散乱分光顕微鏡が備えられ、これにより、表面散乱(例えば、波が球面上で伝搬することによる散乱)及び中心散乱(例えば、波が粒子の中心を通って往復光路を進行することによる散乱)を含む、単一均質ミクロン・スケール粒子の異なる部分から生じる局部的散乱特徴を識別する。注目する標的から出た光は、分析のため、ほとんどの場合、後方散乱された光となることが意図されているが、本発明の原理は、注目する標的を透過し、次いで感知された光を包含し、又はそれに適用可能であると考えられる。
一態様では、本開示は、さらに、対象物体を光学的に調査して、ナノスケールの細胞構造の変化、例えば、生体の単一細胞の変化を検出することに関係する。それに加えて、生体の単一細胞のスケールで対象物体を光学的に調査する機能は、例えば細胞学的試料を光学的に調査することにより、発癌の検出にも応用できる。
一態様では、本開示のいくつかの実施形態は、さらに、結腸癌が発症したAOM処置ラット・モデルを光学的に調査し、例えば、ナノスケールで調査された試料の屈折率の変動により示されるような、細胞構造内の不規則性の程度の増大を観察することを含む。一実施形態では、不規則性の程度の増大を示す細胞は、組織学的及び/又は細胞学的に正常である。そのようなものとして、部分波分光法を使用することで、発癌は組織学的に正常な細胞において識別されうることに留意されたい。他の実施形態では、細胞は、組織学的及び/又は細胞学的に異常であるものとしてよい。
腫瘍性疾患は、腫瘍又は病変に至る過程の少なくとも一部であり、腫瘍又は病変は、膵臓癌、結腸癌、結腸の腺腫性ポリープ、肝臓癌、肺癌、乳癌、及び/又は他の癌などの異常細胞又は組織(例えば、前癌性又は癌性)であるものとしてよい。異常組織は、病変又は腫瘍であるとしてよいが、異常組織は、さらに、それ自体は異形成表現型をまだ示していない異形成病変の発症に先立つ組織、及びそれらの病変又は前異形成組織の近辺にある組織である場合もある。
本明細書で説明されている特定の応用例は、早期結腸直腸癌検出における結腸、膵臓癌細胞に対する膵臓、肺癌に対する口腔粘膜のそのような前癌性変化の検出に関するものであるが、他の応用例も説明される。他の生物学的に関係する応用例は、生体工学による組織発生及び/又は細胞増殖の監視を含む。さらに他の応用例は、高分子機械及び分子量データ、固体高分子材料の形態構造の特徴付けなど、医療に関連する開示の使用を超えて考えられる。
弾性後方散乱
マイクロスケール構造からナノスケール構造への光散乱信号は、波長(例えば、スペクトル)及び散乱角において特徴的な構造依存パターンを示す。逆方向のスペクトル及び散乱角などのシグネチャは、典型的には、組織構造内の微妙な変化に敏感である。そこで、いくつかの場合において、発癌の早期検診に弾性光散乱分光法が使用されうる。弾性光散乱分光実験において、例えば、約数ミリメートルの面積の組織領域が典型的には照射され、この領域内の散乱体の平均サイズに関する情報が得られる。
いくつかの応用例では、ナノメートル領域などの、サブミクロン・スケールの試料の特性を決定するために、複合多粒子系内の孤立単一散乱体又は局部的構造から散乱シグネチャを得ることができる。例えば、細胞学的分析では、局部的散乱シグネチャを得ることで、細胞母集団から数個の癌細胞を識別し、分析することができる。さらに、局部的構造からの散乱の特徴付けを用いることで、生体細胞からの散乱シグネチャの発生元により細胞構造/細胞小器官を識別することが可能である。散乱特徴を持つ局所的微細構造の詳細を取り込んだいくつかの技術としては、例えば、分光光干渉断層計、スペクトル・イメージング、角度依存散乱、共焦点分光法、及び顕微分光法がある。
したがって、本開示の一実施形態によれば、顕微鏡法及びスペクトル・シグネチャの部分回折感度によりもたらされる両方の回折限界局部的構造情報を利用するために弾性後方散乱分光顕微鏡法が運用される。そこで、一実施形態では、表面散乱及び中心散乱を含む、単一均質ミクロン・スケール粒子の異なる部分から生じる異なる局所性の高い散乱特徴が、はっきり識別されうる。
図1は、一実施形態による、アガロース・ゲルに埋め込まれた6μmのポリスチレン微小球の顕微鏡画像を例示している。
この実施例では、アガロース・ゲル濃度は、約1%であり、〜8×105粒子/mlの微小球密度を有する。画像に示されているように、球の周辺と中心に2つの明るい可視領域がある。2つの明るい可視領域を有する類似のパターンが、他のサイズ(D=3.1、4.78、10.1μm)を有する微小球について観察されうる。微小球の周辺[Ip(λ)]及び中心[Ic(λ)]からの散乱スペクトルは、それぞれ図2及び図3に示されている。この実施例では、I(λ)は、入射光供給源のスペクトルプロファイルにより正規化された後方散乱スペクトルである。スペクトルは、ミクロン・サイズの粒子による散乱を特徴とするリップル構造として知られる高周波振動を示す。スペクトルの高周波成分が分析されるべきなので、一実施形態では、低周波成分はハイパス・フィルタで除去することができる。
図2は、一実施形態による、ミー理論から計算で求められた、シミュレートされた後方散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の周辺から記録された後方散乱スペクトルを例示している。
一実施形態では、周辺密度Ip(λ)のスペクトル特徴が、記録され、調べられる。図に示されているようなリップル構造は、表面上を伝搬する波(例えば、表面波)の間の干渉効果から生じ、遠距離場ミー理論によりモデル化されうる。ミー理論では、マクスウェルの方程式の解析解を使って球形粒子による電磁放射線のミー散乱を記述する。ほとんどの場合、ミー理論は、球形粒子の直径と電磁放射線の波長との比の範囲が広い球形粒子に対し適用可能である。ミー理論の文脈で粒子という用語を使用した場合、これは、通常は、周囲物質の屈折率と異なる屈折率を有する物質の集塊を指す。
図に示されているように、Ip(λ)とミー理論により決定されるスペクトルとの間には良好な相関があり、遠距離場ミー散乱は、表面散乱により支配されることを示しており、これは理論的説明と呼応する。
部分波分光法
図3は、一実施形態による、平板モデルに基づき計算で求められた、シミュレートされた後方散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の中心から散乱された光から記録された後方散乱スペクトルを例示している。
一実施形態では、微小球の中心から散乱された光のスペクトルの強度を記録することができる。微小球の中心から散乱された光は、例えば、1D軌跡にそって、細胞内構造の間で反射する光波に対応する。これからわかるように、中心から後方散乱された光の強度プロットにおけるリップルは、図2に例示されているように周辺から散乱された光に比べて遅く振動する。遅く振動しているリップルは、遠距離場ミー理論によるモデリングに基づいて予測されるものではない。さらに、異常リップル構造Ic(λ)は、周囲媒体(データは図に示されていない)の屈折率と無関係であるものとして観察されるが、ミー理論では、リップル構造は散乱体と媒体との間の相対的屈折率に依存すると予測している。
微小球の中心から散乱された光の遅い振動パターンは、球体−媒体間界面から反射された光と球体の中心を通る往復光路を進行する光との間の干渉によるものと考えられる。したがって、後方散乱スペクトルの周波数及びピーク位置は、球体直径に実質的に等しい厚さを有する一様な平板モデルIs(λ)から予測できる。1D平板モデルは、一方向(例えば、n(z))で変化する屈折率を有する平板からの後方散乱のスペクトルを計算するための簡略化されたモデルである。1D平板モデルから計算された後方散乱スペクトルIs(λ)は、ほとんどの場合において、解析的に決定されうる。図に示されているように、一様な平板モデルにより決定されるような後方散乱スペクトルのスペクトル・ピークIs(λ)は、Ic(λ)のスペクトル・ピークに対応する。したがって、一様な平板モデルは、注目する試料の後方散乱光から記録された部分波分光信号をモデル化するために使用されうる。
さらに、異なる屈折率(n=1.59、1.46)及び1.5から6μmまでのさまざまな直径D(データは図に示されていない)を有する多数の微小球(N=30)も撮像された。微小球からの後方散乱光のスペクトルが得られた後、平板モデルのシミュレーションにより得られたスペクトルと比較してよく合っていると決定された。
図4は、一実施形態による、時間領域差分法(FDTD)シミュレーションから計算で求められた、散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の中心から記録された後方散乱スペクトルを例示している。
一実施形態では、後方散乱スペクトルIc(λ)の記録及び平板モデルから、又は時間領域差分法(FDTD)により計算で求められたスペクトルへのフィッティングIc(λ)は、部分回折精度で粒子のサイズを特徴付けるために使用できる。例えば、粒子サイズが散乱スペクトルから決定されうる精度は、記録されたスペクトルを時間領域差分法(FDTD)により生成される数値データと比較することにより決定されうる。
時間領域差分法(FDTD)では、時空間メッシュが導入され、マクスウェルの方程式が、メッシュ上の有限差分方程式系で置き換えられうる。したがって、FDTDシミュレーションを使って、マクスウェルの方程式を数値解法で解くことにより、所定の幾何学的形状及び境界条件について任意の空間的位置で散乱強度を決定することができる。この実験で実行されたシミュレーションでは、さまざまなサイズの誘電体微小球の幾何学的形状が、12.5nmの空間分解能の階段近似法を使用してFDTD格子内に組み込まれる。
一実施形態では、可視光の完全な周波数範囲を含む時間領域パルス平面波の発生するために、散乱場法が使用されうる。一実施形態では、中心散乱スペクトルIc(λ)は、微小球の中心を通る光路上に配置され、発生源スペクトルにより正規化された観測点で時間領域場強度の離散フーリエ変換を実行することにより求めることができる。数値シミュレーションは、シミュレーションとD=6μmの微小球に対する実験欠陥とを比較することにより妥当性が検証されうる。図に示されているように、FDTDシミュレーションにより計算されたスペクトルは、実験的に記録された後方散乱スペクトルIc(λ)を正確に予測する。
図5は、一実施形態による、直径のサイズが異なる2つの球に対するFDTDシミュレーション結果に基づき計算で求められた後方散乱スペクトルを例示している。
球体からの記録されたスペクトルは、一実施形態では、直径のサイズを決定するために使用されうる。例えば、FDTDモデルにおける微小球のサイズを変化させて、粒子サイズに対する後方散乱スペクトルIc(λ)の依存性の感受性を試験することができる。図5は、FDTD計算スペクトルIc(λ)が、直径の差が50nmである微小球について異なることが観察されうる。さらに、球体に対する後方散乱スペクトルIc(λ)のピーク位置は、一実施形態では、同じ屈折率及び球体直径と同等の厚さを持つ平板モデルによりうまく合わせることができる。そこで、異なるサイズの粒子は、一実施形態により、異なるサイズの粒子について、記録された後方散乱スペクトルを平板モデルにより決定されたスペクトルにカーブ・フィッティングすることで部分回折ナノスケール精度で識別できる。いくつかの実施形態では、スペクトルは、FDTDにより決定されうる。
図6は、一実施形態による、平均径が可変である空中の塊状ポリスチレン微小球の画像、及び、4つの微小球のそれぞれが平板モデルから導き出された散乱スペクトルIs(λ)にフィッティングされた中心から記録された散乱スペクトルIc(λ)を例示している。
複合系内の局部的散乱シグネチャは、一実施形態により、後方散乱スペクトルIc(λ)を分析することにより識別されうる。例えば、異なるサイズを有する集塊状ポリスチレン微小球は、図6に示されているように使用されうる。プロット602、604、606、608において、粒子は高密度充填されているが、個々の単一散乱特徴Ic(λ)は、粒子間の多重散乱の影響を受けることなく識別できる。
一実施形態では、集塊状複合体を含む粒子のサイズは、記録された後方散乱スペクトルを所定のスペクトルでフィッティングすることで識別されうる。一実施形態では、所定のスペクトルは、平板モデルから計算される。例えば、粒子サイズは、最小二乗最小化アルゴリズムを使用して、平板モデルIs(λ)により予測されるスペクトルを後方散乱スペクトルIc(λ)にフィッティングすることにより、標準誤差〜50nmで正確に求められる。それに加えて、後方散乱スペクトルIc(λ)は、周囲媒体(データは図に示されていない)の屈折率と無関係であり、このため、単一粒子から散乱シグネチャを容易に検出できる。比較すると、プロット610の表面散乱は、媒体の屈折率及び隣接する粒子間の多重散乱相互作用の影響を受ける。
したがって、部分波分光法により、単一散乱粒子及び高密度充填散乱体内の局部的散乱特徴を検出することができる。いくつかの実施形態では、部分波分光法は、生体細胞、固定細胞、及び/又は染色された細胞の内部構造を(例えば、細胞標品の一部として)特徴付けて、疾病特有の細胞変化に関連する分光マーカーの識別を行うために使用できる。部分波分光法を使用すると、さらに、光学顕微鏡法及び分光光干渉断層法の複数のモダリティで光散乱信号及び結像の発生源を容易に決定できる。部分波分光法では、事実上、標的をそれぞれ回折限界横断サイズを持つ並列チャネルの集合体に分割し、それらのチャネル内で伝搬する後方散乱波を検出し、遠距離場内の後方散乱スペクトルの変動部分の分光分析により標的内の屈折率変動の統計的特性を定量化する。
さらに、一実施形態では、組織構造をプローブで調べるために部分波分光法が使用されうる。例えば、組織屈折率の空間的変動は、部分波分光法により識別され、これにより、細胞内固形物(例えば、タンパク質、DNA、及びRNA)の濃度の空間的変動を示す指標をさらに実現することができる。特に、光子が一次元で伝搬する場合、1Dの反射信号は、弱い屈折率変動に対する長さスケールの非自己平均である。したがって、1D軌跡にそって進行する光波の干渉のため、後方散乱光は屈折率変動を反射し、これにより、例えば、ナノスケールで細胞構造の特徴付けを可能にすることができる。
例えば、組織又は細胞構造を評価するために、波長の関数としての後方散乱光強度が、記録され、分析される。光学マーカー及び光学マーカーの統計的パラメータは、組織/細胞構造を評価することに関して後方散乱光スペクトルから決定されうる。本明細書では、例示的な一組の光学マーカー及び統計的パラメータが説明されているが、それでも、特には説明されていない他の光学的マーカー及び統計的にパラメータも考えられ、本開示の範囲内にある。
反射率R(k)
反射率R(k)の変動部のスペクトルは、得られた画像のそれぞれの部分に対する後方散乱スペクトルI(k)から決定されうる。
R(k)を決定するために、まず最初に、ローパス・フィルタを使用して、後方散乱スペクトルI(k)の高周波雑音を濾波することができる。一態様では、高周波雑音は、例えば、不規則性のないポリスチレン微小球の試料から後方散乱された光の雑音レベルを解析的に計算することで得られる、サブミクロン・スケールの試料の不規則性に関する情報(例えば、屈折率の変動により示される)を欠いている信号特性から生じる。したがって、例えば、雑音の振幅及びカットオフ周波数は、ポリスチレン試料の後方散乱光の計算から決定されうる。ある場合には、約.08のカットオフ周波数を有する6次のローパス・バターワースフィルタが使用されうる。
使用すべきローパス・フィルタのカットオフ周波数は、付加的に計測器のスペクトル分解能に対応しうる。計測器の点広がり関数よりも高いスペクトル周波数を有するスペクトル変動は、計測器の雑音に起因するため、これらの変動を除去するようにフィルタを設計することができ、これにより雑音濾波I’(k)を得ることができる。例えば、計測器の点広がり関数限界スペクトル分解能が、3nmの帯域幅を有している場合、CCDは、例えば、.25nmの帯域幅を持つスペクトルをオーバーサンプリングすることができる。
多項式関数<I(k)>は、I’(k)をフィッティングするように選択され、多項式の次数は、I’(k)の遅い可変部、例えば、4次多項式とマッチするのに適しているものとして決定されうる。一実施形態によれば、R’(k)は、式R’(k)=[I’(k)−<I(k)>]/I(k)により決定されうるが、ただし、I(k)は、入射光の強度である。<I(k)>は、低域通過濾波強度スペクトルであり、これは、不規則性の強さLを決定するために分析される高周波スペクトル成分を有していない。
R’(k)の最小値をゼロにシフトして、正のスペクトルを得ることができる。こうして、反射率R(k)の変動部分は、R(k)=R’(k)+|R’(k)|minで表すことができる。一実施形態では、変動する反射率R(k)を決定することで、細胞などの、散乱媒体中の屈折率変動(例えば、ナノスケールでの変動)からの光子の多重干渉の後の反射強度から生じる後方散乱スペクトルの変動成分が識別される。
不規則性の強さL
不規則性の強さLは、L=α<Δn>lとして定義され、ただし、<Δn>は、単一1Dチャネルにおける屈折率変動の分散であり、lは、これらの屈折率変動の空間相関長であり、αは、数因子である。そこで、不規則性の強さLは、屈折率変動と相関長の両方に比例する。
単一散乱体と複数散乱体との間の領域に対する光散乱を説明する、メゾスコピック光輸送理論によれば、不規則性の強さLは、一実施形態では、2つの実験的に得られた物理量、つまり、波数依存反射率R(k)と、kを波数として、反射率の自己相関関数C(Δk)=<R(k)R(k+Δk)>/<R(k)R(k)>とにより決定されうる。
長さLの不規則性の弱い媒体(例えば、R(k)<<1)では、メゾスコピック光輸送理論による、1Dチャネル上のR(k)の分布は、nを平均屈折率として、反射率の平均が
Figure 2010500569
である対数正規分布に従う。細胞内で、lが典型的にはナノメートル・スケールのオーダーであり、屈折率変動の分散が1よりもかなり小さい(例えば、L<<1)ものとすると、反射率の平均に対する式は、さらに、
Figure 2010500569
のように簡略化されうる。
したがって、生体細胞内では、式(1)により、R(k)は、典型的には、一実施形態により、不規則性の強さLに比例することが予想される。さらに、C(Δk)は、
Figure 2010500569
のように表すことができる。
したがって、一実施形態では、不規則性の強さLは、上記2つの式(1)及び(2)から計算で求めることができる。
不規則性の強さLdのナノスケール屈折率変動への依存性は、数値実験を介して実証されている。Lは、屈折率の空間変動を反映し、また屈折率は、細胞内分子の濃度に比例しているため、不規則性の強さは、例えば、サブミクロン又はナノスケールのレベルで細胞内物質の空間的変動を反映する。細胞内の特定の場所で、屈折率Δnの標準偏差は、細胞内固形物の局所的濃度に比例するとしてよい。
数値計算により、ナノメートル範囲(例えば、1から65nmまでの範囲、又は回折限界よりもかなり低い長さスケール)のlに対し、また0.01から0.05までの範囲(生物学的関連性のある領域内)のΔnに対し、L∝<Δn>lと決定されている。Lは、原理上、kl<<1についてlに一次従属なので、1D伝搬光子のスペクトル分析を使って評価されうる最小相関長に対し制限はない。
屈折率の相関長l
屈折率の相関長lは、
Figure 2010500569
で記述することができるが、ただし、相関長lは、典型的には、ナノメートル範囲内である(例えば、1から65nmまで、またkl<<1で、kは波数である)。不規則性の強さLは、式(1)〜(2)から決定されうる。屈折率変動の空間相関長lは、細胞の高分子「構成要素」のサイズに対応するものと解釈できる。図13は、Lがlと<Δn2>の両方に一次従属であることを示している。図に示されているように、不規則性の強さは、回折限界よりもかなり小さいスケールでナノスケール相関長に比例する。
図7は、一実施形態による、部分波分光法を実行するための分光システムの例示的な略図を示している。
標的に光を照射するシステムは、一実施形態では、少なくとも1つのスペクトル成分を有する入射光を供給する光源を備える。光源は、白色光源であってよい。それに加えて、光源は、複数の狭帯域光源、及び/又はアーク灯、白色発光ダイオード、レーザー光源、及びカラー発光ダイオードのうちの1つ又は複数から光の少なくとも1つのスペクトル成分を得ることができる。レーザー光源は、1つ又は複数の放射波長を有する1つ又は複数のレーザーを備えることができる。一実施形態では、カラー発光ダイオードは、1つ又は複数のスペクトル放射範囲を有する1つ又は複数の発光ダイオードを備える。
一実施形態では、システムは、さらに、入射光をコリメートする動作が可能なように構成された1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第1の集合体及び/又は入射光を標的に集束させる動作が可能なように構成された1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第2の集合体を備える。1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第1の集合体は、4fシステムと絞りを備えることができ、4fシステムは、例えば、2レンズ4fシステムである。レンズは、正レンズ、及び/又はフーリエ・レンズ、球面レンズ、屈折率分布型レンズ、非球面レンズ、円柱レンズ、凸凸レンズ、及び平凸レンズのうちの1つ又は複数であってよい。さらに、絞りは、2枚のレンズの共通焦点面内に配置されうる。一実施形態では、システムは、さらに、光源と4fシステムとの間に配置された集光器を備える。1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第2の集合体は、さらに、対物レンズを備え、後方散乱光は、この対物レンズにより集光される。システムは、さらに、対物レンズにより集光された後方散乱光の焦点を合わせて後方散乱光の画像を拡大するチューブ・レンズ及び対物レンズにより集光された後方散乱光を偏向する動作が可能なように構成されたフリッパー・ミラーを備えることができる。一実施形態では、フリッパー・ミラーは、後方散乱光をカメラに偏向して像を記録する前に視覚化するという動作が可能なように構成されうる。
システムは、さらに、後方散乱(又は透過)光の1つ又は複数の事前選択されたスペクトルの強度を記録する受け側端部を備えることもできる。スペクトルは、標的内の「チャネル」内の進行する単一の次元にそって伝搬する後方散乱/透過光に対応しうる、標的の事前選択された部分から出る後方散乱(又は透過)光の事前選択された部分に対応する。後方散乱光は、標的の照射部分上の入射光の照射から後方散乱されうる。受け側端部は、さらに、標的から出る後方散乱光の画像を記録するためイメージング分光器及び/又は光検出器を備えることもできる。一実施形態では、受け側端部は、イメージング分光器と結合された光検出器、及びイメージ分光器及び光検出器と結合された走査ステージを備える。走査ステージは、所定の位置の周りを移動する動作が可能なように構成されうる。光検出器は、CCDカメラ及び/又は複数の光検出器であってよい。さらに他の実施形態では、受け側端部は、さらに、1つ又は複数の単一チャネル直線配列分光計及び/又はフィルタを備え、これにより、後方散乱光の少なくとも1つのスペクトル成分のうちの1つ又は複数の成分の強度を記録することができる。フィルタは、チューナブル・フィルタ、フィルタ・ホイール、及び/又はダイクロイック・フィルタのうちの1つ又は複数としてよい。
図7に示されている例示的な実施形態では、キセノン・ランプ(例えば、100W)からの広帯域白色光は、完全発散角が約〜0.8°である4fシステム(L1−A1−L2)によりコリメートされうる。コリメートされた光は、低開口数(NA)の対物レンズ(例えば、NA=0.4)により試料上に焦点を合わせることができる。一実施形態では、標的に照射される光のビームの直径は、標的に照射される光のビームが平面波に対応するように標的のサイズよりも実質的に大きい。この実施例では、ビーム直径は、約120μmである。後方散乱光は、同じ対物レンズにより集光され、チューブ・レンズにより集束されて、拡大像を形成することができる。一実施形態では、CCDカメラと結合されたイメージング分光器は、走査ステージ上に取り付けることができる。それに加えて、一実施形態により、フリッパー・ミラーがデジタル・カメラ上に像を結び、像を視覚化し、対物レンズと試料との間の距離を調節するようにできる。
図8は、一実施形態による、分光システムによる部分波分光法を介して得られた微小球の例示的な画像及び例示的なスペクトルを示している。
画像とスペクトルを得るために、一実施形態では、例えば、イメージング分光器の入射スリットが、所定のステップ・サイズ(例えば、10μm)で像面のx軸にそって走査されうる。走査ステップでは、CCDカメラが、像のy軸と光の波長に対応するx軸にそった空間位置に対応するy軸でマトリクスを記録することができる。したがって、計測器は、CCDからの異なる波長の強度を積分することにより回折限界空間分解能で画像を記録することができる。最終画像のピクセルについて、一実施形態では、部分回折感度(例えば、ナノメートル・スケールの)を与えるように記録された対応するスペクトルがあり、標的それ自体の事前選択された部分のサイズが回折限界で制限されるという事実があるにもかかわらず散乱体の構造を特徴付ける。
ヒト癌細胞株モデル
一実施形態では、部分波分光法を使用して、HT29ヒト結腸癌細胞株などの他の何らかの方法で組織学的に区別できない細胞内の構造変化(例えば、サブミクロン、ナノスケールの)を識別することができる。HT29細胞の悪性挙動は、遺伝的修飾により制御できるので、一実施形態では、HT29細胞のさまざまな遺伝的変異を部分波分光法により光学的に調べ、悪性挙動の差が光学的に識別されうるかどうかを判定することができる。この実施例では、HT29細胞の3つの変種、つまり、オリジナルのHT29対照細胞株、悪性度の増大と悪性挙動をもたらす、腫瘍抑制遺伝子、C末端Srcキナーゼ(CSK)のノックダウンの後のH29細胞、及び細胞株の悪性度を抑制する、上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子のノックダウンの後のHT29細胞が使用される。
悪性挙動に差があるにもかかわらず、HT29のこれらの変種は、生体細胞又は染色された細胞標品の顕微鏡検査により観察可能な組織学的な差異を示さない。この実施例では、3種類のHT29細胞を、同じ時点にエタノールで固定し、遺伝操作処理した後に細胞の増殖時間が同じになるようにし、また実験時間内ではそれ以上増殖が生じないようにようにする。専門細胞学者がHT29細胞のそれぞれの変種に対し細胞病理学的調査を実施し、3種類の細胞株が細胞学的に区別できないことを確認した。3種類の細胞のそれぞれから〜30無作為選択細胞に対し部分波分光法測定を実施した(例えば、1細胞当たり〜500 1Dチャネル)。
一実施形態では、部分波分光計測装置は、点(x,y)に対する後方散乱信号I(λ,x,y)を測定することができる。次いで、一実施形態では、I(λ,x,y)中の雑音を除去し、非変動成分I(λ)を差し引き、残余を定数係数だけシフトすることによりI(λ,x,y)から後方散乱信号R(λ,x,y)の変動成分を抽出することができ、これにより、R(λ)はゼロから有限数まで変化する。信号解析のパラメータは、ケース・バイ・ケースでシミュレート・データ及び実験データを使って数値実験で最適化されうる。
図9Aは、一実施形態による、部分波分光法を介して得られた細胞の画像ならびに雑音除去及び背景反射の後の反射率スペクトルR(λ)のプロットを示している。
プロット902は、部分波分光法を介して得られたHT29細胞の顕微鏡画像である。プロット904に示されているように、反射率スペクトルR(λ)は、結腸細胞内のナノ構造の屈折率変動から反射された1D伝搬光子の干渉に由来する後方散乱スペクトルI(λ)の微変動成分である。プロット904の差し込み図は、部分波分光法で記録されたHT29細胞の事前選択部分から得られる後方散乱スペクトルI(λ)のプロットである。
図9Bは、一実施形態による、EGFTノックダウンHT29細胞、通常のHT29細胞、及びCSKノックダウンHT29細胞について得られた、一組の細胞学的細胞画像及び一組の部分波分光細胞画像を例示している。
画像群906は、3種類の細胞のヘマトキシリン及びエオシン染色を用いて得られた細胞学的細胞画像を示している。以上のように、細胞学画像は、実質的に類似しているように見え、EGFTノックダウンHT29細胞、正常HT29細胞、及びCSKノックダウンHT29細胞については区別できないように見える。画像群908は、部分波分光法から決定された画像処理された細胞内の不規則正の強さのバラツキをカラーで表している。不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差の増大は、対照HT29細胞に対しCKSノックダウンHT29細胞について観察され、不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差の減少は、対照HT29細胞に対しEGFRノックダウンHT29細胞について観察されうる。したがって、悪性度の最も高い細胞株からの細胞(CSKノックダウン)は、最高の細胞内不規則性の強さを有しているが、悪性度の最も低い細胞株(EGFRノックダウン)は、最低の不規則性を示している。そこで、一実施形態では、より高い不規則性の強さを識別することが、細胞内の高まった悪性挙動を決定することにかかわる。
部分波分光法を実行する雑音レベルを決定するために、部分波分光法が実行される細胞を覆うスライド・ガラスの不規則性の強さを調べる。画像910に示されているように、スライド・ガラスの不規則性の強さは、EGFRノックダウンHT29細胞に関するものと比べて一様にかなり小さく、したがって無視できる。
図9Cは、一実施形態による、EGFR HT29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞に対する反射率R(k)及び不規則性の強さLdの統計的パラメータのプロットを例示している。
プロット912は、3種類のHT29細胞に対する反射率R(k)の自己相関関数の減衰を例示している。図に示されているように、自己相関関数In(C(Δk))対(Δk)2の減衰速度は、対照細胞に対し、EGFRノックダウンHT29細胞については速く、CSKノックダウンHT29細胞については遅い。
分布の多数の統計量が、不規則性の強さの画像から決定できる。例えば、細胞は、一組の便利な2つの統計量、平均細胞内不規則の強さ、Ldc、(例えば、xとyに対する平均L(x,y))及び細胞内標準偏差σにより特徴付けることができる。細胞群に対する細胞平均<Ldc>及び<σ>の平均(例えば、特定の細胞株からのすべての細胞)は、群平均(例えば、細胞株平均)である。
プロット914は、L−σLパラメータ空間内でEGFR H29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞について細胞上で平均をとった不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLの値を示している。プロット914内のそれぞれの点は、細胞の不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLに対応する(例えば、〜400個のチャネルについて平均をとる)。プロット914に示されているように、H29細胞種類のさまざまな遺伝的変異は、より悪性度の高いCSKノックダウン細胞が高いL及びσにより定量化されている不規則性の高いナノ構造を有するL−σLパラメータ空間内の別の領域を覆う。全体として、L及びσのうちの1つ又は複数が増大すると、これは、細胞株の悪性度が増大することを意味する。
したがって、HT29細胞の3つの遺伝的変異は、対応する細胞の不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLを決定することで識別されうる。プロット914の差し込み図は、不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLが小さい領域に対する主プロット914の拡大であり、異なる2つの種類のHT29細胞の間の分離を示している。
図9Dは、一実施形態による、EGFR HT29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞に対する不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
プロット916は、細胞種類の3つの遺伝的変異について無作為に選択された〜30個の細胞について平均をとることにより得られた3種類のHT29細胞に対する平均不規則性の強さLの棒グラフである。このプロットから、EGFRノックダウンHT29細胞に対する不規則性の強さLの減少及びCSKノックダウン細胞に対する不規則性の強さLの増大が観察されうる。プロット918は、それぞれの細胞種類について〜30個の細胞にわたって平均をとった不規則性の強さの標準偏差σLの棒グラフである。エラー・バーは、平均の標準誤差を表す。不規則性の強さの標準偏差の棒グラフは、正常の、及びノックダウンされたHT29細胞に対する不規則性の強さの標準偏差σLの有意な変化を示している。例えば、EGFRノックダウンHT29細胞については減少、CSKノックダウンHT29細胞については著しい増大が、対照HT29細胞のσL値に関して、観察されうる。したがって、一実施形態では、部分波分光法により、他の方法では組織学的に、及び/又は細胞学的に区別できないが、遺伝的には異なる細胞の構造変化を感知することができる。
発癌物質処置動物モデル
動物モデルは、病態生理学的機序を理解するうえで価値があり、診断マーカー及び治療戦略の開発に使用されうる。特に、動物モデルは、発癌の初期段階を研究するために使用できる。したがって、発癌物質処置ラットで動物研究を行い、初期前癌性変化の診断のために部分波分光法が有望かどうかを調べる。例えば、アゾキシメタン(AOM)処置ラット・モデルは、結腸癌発症を研究し、診断マーカー及び化学抗癌剤を開発するために使用されてきた。AOM処置ラット・モデルは、結腸癌発症の好適な動物モデルであるが、それは、形態的、遺伝的、及び後成的変化がヒトの結腸癌発症と類似しているからである。
アゾキシメタン(AOM)処置ラットでは、結腸癌発症は、ヒトと似た段階を辿って進行する。例えば、結腸癌発症の最初期の検出可能なマーカーである異常腺窩巣は、AOM処置ラット・モデルとヒトの両方における結腸粘膜表面上で観察される前駆病変である。AOM処置ラットでは、異常腺窩巣は、AOM注入後8〜12週程度で発症し、腺腫又は癌腫は、20〜30週で観察されることがあり、癌腫は40週後に発症する。ヒト結腸癌発症では、末期病変(例えば、AOM注入後40週の腫瘍)は、症状を示しうる。初期病変(例えば、AOM処置後20週を過ぎた頃の腺腫又は癌腫)は、症状を示すには至らないが、生検の顕微鏡検査を介して組織学的に検出されうる。そこで、分子生物学では、異常腺窩巣がAOM処置後約8週と早い段階で検出されうるため、癌検出のフロンティアをなおいっそう早い段階へと推し進めることができる。しかし、発癌の開始後4〜12週よりも前に診断を行えるような、組織学的、分子、又は遺伝的マーカーは、これまで、発見されていない。
この実験では、18匹のオスのFisher 344ラット(150〜200g)を、AOM(15mg/kg)又は生理食塩水の2回の週1腹腔内投与を受けた集団に等しく無作為に分けた。ラットに標準食餌を与え、2回目の投与後のさまざまな時点(2、5、及び8週)において殺処理した。ラットから結腸を取り出して、リン酸緩衝生理食塩水ですすぎ洗いした。二価陽イオンのキレート化を穏やかな機械的解離と組み合わせた技術を使用して結腸上皮細胞を採取した。簡単に言うと、結腸を取り外して、1.0mMのジチオスレイトールを含む生理食塩水で洗ったということである。次いで、洗浄緩衝液で結腸を膨らませ、37℃の温度で約5分間、PBS中でインキュベートすることができる。内容物を排出した後、結腸嚢に、1.5mMのEDTA及び0.5mMのジチオスレイトールを含むpH 7.2の100mMのPBSを再充填し、37℃で約15分間、PBS中でインキュベートすることができる。嚢を空にし、500gの遠心分離機で細胞を収集し、次いで、適切な緩衝液中ですすいだ。細胞は、分離後約1時間の間、いつものように生存能力を有する。結腸粘膜から無作為に得た採取結腸細胞に対し部分波分光法による測定を実行できる。細胞の生存性を確認するために、細胞を採取してから1時間以内にすべての測定を実施した。すべての結腸上皮細胞は、組織学的に正常であった。
図10は、一実施形態による、対照ラット及びAOM処置ラットの結腸上皮細胞から記録された後方散乱光の強度から決定される、波長の関数としての反射率スペクトルR(λ)のプロット及び反射率スペクトルの統計的パラメータのプロットを例示している。
プロット1004は、対照ラット及びAOM処置ラット(AOM処置後2、5、及び8週)の結腸上皮細胞内の反射率R(λ)の確立密度関数(p.d.f.)P(R)を示している。細胞からのR(λ)の確率密度関数は、細胞の異なる部分からのR(λ)のヒストグラム解析から計算できる。この実施例では、R(λ)は、約〜500ピクセル/細胞の画像について約545から555nmまでの範囲の波長(λ)上でR(λ)を平均することにより計算される。他の帯域も、平均計算に使用できる。反射率は、10−4〜10−3のオーダーであると決定され、これは、これらの生体細胞が、不規則性の弱い媒体と考えられることを示している。
プロット1004の実線は、1Dメゾスコピック光輸送理論により予測される、おおよそ対数正規分布している(r>0.97)確率密度関数P(R)についてフィッティングされた曲線である。確率密度関数Rの対数正規分布は、生体細胞内部の屈折率変動により生じる1D反射信号における位相変化及び干渉効果から形成されうる。プロット1006は、それぞれ2週目、5週目、及び8週目の対照及びAOM処置ラットから得た結腸上皮細胞における自己相関関数C(Δk)を示している。対数スケールでは、C(Δk)は(r>0.99の場合に(Δk))への一次従属におおよそ従う。
図11は、一実施形態による、対照ラット及びAOM処置ラットから得られた結腸上皮細胞の不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
グラフ1102は、一実施形態による、それぞれAOM処置後2、5、及び8週目の対照ラット及びAOM処置ラットに対する結腸上皮細胞内の不規則性の強さLの確立密度関数P(L)のプロットである。したがって、一実施形態では、Lの分布は、発癌の進行を監視し、発癌進行の異なる段階における細胞を識別するために決定されうる。
グラフ1104は、一実施形態による、それぞれAOM処置後2、5、及び8週目の対照ラット及びAOM処置ラットに対する部分波分光法から得られる不規則性の強さLの変化を示す棒グラフである。この実施例では、Lは、それぞれの時点において約20〜30個の細胞に対し平均される。エラー・バーは、平均の標準誤差を表す。図に示されているように、AOM処置後2週目で、不規則性の強さの増大が観察されうる。不規則性の強さは、AOMへの露出が増大すると時間の経過とともに増大し続ける。
グラフ1106は、それぞれAOM処置後2、5、及び8週目の対照ラット及びAOM処置ラットに対する結腸上皮細胞内の標準偏差SDLの差を示す棒グラフである。この実施例では、Lは、それぞれの時点において約20〜30個の細胞に対し平均される。エラー・バーは、平均の標準誤差を表す。AOM処置後ほぼ2週目に、不規則性の強さの標準偏差の増大が観察可能である。不規則性の強さは、AOMへの露出が増大すると時間の経過とともに増大し続け、AOMに露出された細胞は、AOMへの時間露出が増大すると、徐々に異成分を含むようになることを示す。不規則性の強さのこのような進行性及び統計的に有意な変化は、L及びSDLの変化がAOMの急性作用によるものである可能性がないことを示している。したがって、一実施形態では、注目している細胞から後方散乱された光から決定される統計的パラメータ(例えば、L及びSDL)は、結腸上皮細胞における初期前癌形質転換を検出するための潜在的マーカーとして使用されうる。不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差の検出可能な変化に対する時点(例えば、AOM処置後2週)は、現在知られている組織学的及び分子マーカーの発生に先立つことに留意されたい。
図12は、一実施形態による、対照及びAOM処置ラット(発癌の開始後2、5、及び8週)から記録された組織学的に正常な結腸上皮細胞の、不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLの空間分布を示す画像を例示している。
画像群1202は、AOM投与後2、5、及び8週目の対照及びAOM処置ラットからの結腸上皮細胞の隣接するピクセルに関するそれぞれのピクセルにおける不規則性の強さLの空間分布を示している。画像群1204は、AOM投与後2、5、及び8週目の対照及びAOM処置ラットから得られた結腸上皮細胞を含む多数のピクセルにおける不規則性の強さの標準偏差の空間分布SDLを示している。以上から、結腸細胞の不規則性の強さと不規則性の強さの標準偏差の進行上の差は、AOMに曝してから数週間以内に観察されうる。不規則性の強さの増大は、典型的には、細胞構成が、次第に不均質になってきていることを示す。一実施形態では、不規則性の強さの増大を使用することにより、現在従来の組織病理学的手段により検出可能な時期よりも早い段階の癌腫及び/又は腺腫であることによる細胞構成における変化を識別することができる。
したがって、一実施形態では、部分波分光法を使用することで、例えば、固定することなく、単一の生体細胞からナノスケール構造に関する詳細を得ることができる。対照細胞と前癌性細胞との間の不規則性の長さLのシフトは、一実施形態では、細胞ナノ構造の不規則性の強さを高め、不均一さを徐々に高めることで、発癌の発達が識別されうることを示す。これらの変化は、AOM投与後の結腸癌発生の初期段階(例えば、2週)において検出されうる。不規則性の長さの変化は、場合によっては約4〜6週に識別されうる、他の細胞又は組織学的マーカーを使用して典型的に可能な時期よりも早い時間スケールで観察されうる。不規則性の長さにより反映されるようなナノスケールの変化は、ヒトの疾病及びAOM処置ラット・モデルのホールマークである「領域発癌」の後成的/遺伝的変化を表す可能性が高い場合がある。
一実施形態では、不規則性の強さの増大は、確率密度関数P(R)の分布の広がりから識別されうる。一実施形態では、不規則性の強さの増大は、さらに、メゾスコピック光輸送理論の予測に呼応する形で、プロット1004に例示されているよう、確率密度関数P(R)の分布の平均のより高い値及び延ばされた対数正規分布の裾へのシフトで識別される。
より高い不規則性の強さは、屈折率変動<Δn>及び/又は屈折率相関長lの増大により引き起こされうる。そのため、一実施形態では、不規則性の強さを決定することにより、前癌形質転換の過程の早い段階で細胞内に生じる変化が、識別されうる。特に、例えば、より高い<Δn>は、細胞内固形物(例えば、DNA、RNA、タンパク質、及び脂質)の密度増大に関連付けられうる。同様に、lの変化は、細胞核内のクロマチンの塊化などの高分子凝集によるものである場合がある。生体組織には典型的な、Δn〜0.02については、結腸細胞の相関長は、ほとんどの場合、10nmのオーダーであり、タンパク質複合体、細胞骨格、及びヌクレオソームなどの細胞の基本的構成要素のサイズに対応している。
一実施形態では、ナノスケールにおける部分波分光法による生体細胞の不均質性の統計的特性の特徴付けは、例えば、癌の機序を明らかにするのに役立ちうる。さらに、一実施形態では、部分波分光法は、生物学的研究及び癌検出を容易にするために細胞学的試料に対し実行されうる。
図13は、一実施形態による、1D平板モデルにより決定されるような、相関長l及び屈折率変動<Δn>を有する不規則性の強さLのバラツキを示すプロットを例示している。
プロット1302は、一実施形態による、相関長lに対する不規則性の強さの感度を例示している。平板は、一定の背景屈折率がn〜1.38であり、屈折率変動が<Δn>max=0.02である、約200の層内に無作為に分布する屈折率を有する。屈折率の相関長lは、
Figure 2010500569
となる。この実施例では、相関長は、kを波数としてkl<<1となるように、0から65nmまで変わる。
プロット1304は、一実施形態による、屈折率変動<Δn>に対する不規則性の強さLの感度を例示している。この実施例では、厚さがおおよそ5μmの不均質誘電体平板が、1D平板モデルとして使用される。この実施例では、平板は、一定の背景屈折率がn〜1.38であり、屈折率変動が<Δn>max〜0.05である、約200の層内に無作為に分布する屈折率を有する。均質な平板の効果は取り除かれる。例示されているように、Lは、lと<Δn>の両方に一次従属である。したがって、以上のように、不規則性の強さLは、回折限界よりもかなり小さいスケールで、例えば、ナノスケールで相関長に比例しうる。
図14Aは、一実施形態による、FDTDシミュレーション及び合成後方散乱画像に使用される要素の幾何学的形状の実施例を示している。
要素1402及び1404は、直径8μm、高さ5μmの不均質誘電体円筒である。この実施例では、要素1402は、約20nmの分解能でFDTDにインポートされる。要素1402は、600nm×600nm×100nmの矩形ブロック内にランダム屈折率分布を有する。要素1404は、60nm×60nm×60nmのブロック内にランダム屈折率分布を有する。両方の要素について、平均屈折率はn〜1.38、最大屈折率変動はΔnmax〜0.02である。
合成後方散乱画像1406及び1408は、FDTDにより計算された遠距離場散乱場に回折理論を適用することにより得られる。
図14Bは、一実施形態による、部分波分光法から得られた画像のピクセルの後方散乱スペクトルを分析するためFDTDシミュレーションから得られたスペクトルと1D平板モデルとを比較するプロットである。
この実施例で実行されたFDTDシミュレーションでは、ベレンジャーの完全整合層(PML)吸収境界条件を使用して格子が終端される。全場/散乱場技術を使用して、FDTD格子内を伝搬するx偏光平面波の発生源を形成することができる。逆方向の遠距離場散乱波を決定するために、フェーザ領域内の修正版の3D近−遠距離場変換を実装することができる。
プロット群1410は、合成顕微鏡画像内の4つの位置におけるFDTD計算後方散乱スペクトルとFDTD要素内の対応する配置に従う垂直屈折率分布を有する1D平板モデルにより計算されたスペクトルとの比較を例示している。プロット群1412は、点広がり関数平均FDTD計算後方散乱スペクトルと対応する1D平板モデル計算スペクトルとの比較を例示している。点広がり関数平均FDTDスペクトルは、
Figure 2010500569
のように計算することができるが、ただし、IFDTD(x,y,λ)は、(x,y)に配置されているピクセルにおけるFDTDシミュレーションにより決定されたスペクトルであり、PSF(x,y)は、点広がり関数であり、(x,y)は、合成顕微鏡画像内の4つの異なる位置に配置されていた。
一実施形態では、1D平板モデルにおける屈折率分布は、
Figure 2010500569
で計算することができるが、ただし、n(x,y,z)は、座標(x,y,z)に配置されたピクセルにおける屈折率であり、(x,y)は、合成顕微鏡画像内の4つの位置に配置された。
人体データ
膵臓癌診断のため、細胞学的試料に対し部分波分光法を実行することにより人体研究が実施された。部分波分光法を使って細胞内で測定することができ、また膵臓癌発症に対する診断に使用される2つのシグネチャ、細胞ナノ構造の不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差が識別された。これらのシグネチャは、さらに、膵臓癌の診断にも使用されうる。部分波分光法は、生体細胞、染色された細胞、及び/又は固定細胞に対し実行できることに留意されたい。
膵臓癌の細胞学的診断の次善の感度率は、一部は細胞学により識別できる率直に言って悪性のように見える細胞が比較的珍しいことによるものである。しかし、組織学的に正常に見える細胞であっても、顕微鏡では見えない細部では、ナノスケールの変化があり得る。膵臓癌の患者における従来の細胞学では非悪性であると考えられる上皮細胞がナノスケールの異常を有するかどうかを判定するために、微細針吸引(FNA)生検によりすでに得られている、保存膵臓細胞診スライドが部分波分光法によるスクリーニングに使用された。これらの患者の病歴(膵臓細胞診を含む)が利用可能であった。そこで、実際に膵臓癌を患っている患者から偽陰性細胞診へのアクセスが利用可能である。
この実験では、保存細胞診標本(例えば、アルコールで固定)の部分波分光法分析が、9人の患者について実施された(3人の対照患者及び6人の腺癌患者)。膵臓癌の患者から得られる標本は、細胞学的に悪性の癌細胞及び細胞学的に正常な癌細胞の両方を含む。
部分波分光法を実行した後、それぞれの細胞内の不規則性の強さLの空間分布が決定された(例えば、L(x,y,))。次いで、それぞれの与えられた細胞に対する平均の不規則性の強さLが、与えられた細胞の画像に対するすべてのピクセル(x,y)にわたってL(x,y,)を平均することにより計算された。それぞれの細胞について、この細胞内の不規則性の強さの標準偏差σLdも、決定することができる。そこで、それぞれの細胞は、パラメータの対、不規則性の強さLと不規則性の強さの標準偏差σLにより特徴付けられた。
図15は、一実施形態により、不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差が膵臓癌患者から得られた細胞学的に悪性の膵臓細胞と膵臓癌を患っていない患者から得られた細胞学的に正常な膵臓細胞とについてプロットされた、ヒト生体試料の部分波分光法を介して得られたデータを示す棒グラフを含む。
グラフ1502は、7人の対照患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さLと膵臓腺癌の9人の患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さとを対比した棒グラフである。グラフ1504は、7人の対照患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さの標準偏差σLdと膵臓腺癌の9人の患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さの標準偏差とを対比した棒グラフである。
図16は、一実施形態により、不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLdが膵臓癌患者から得られた細胞学的に正常の膵臓細胞と膵臓癌を患っていない患者から得られた細胞学的に正常な膵臓細胞とについてプロットされた、ヒト生体試料の部分波分光法を介して得られたデータを示す棒グラフを含む。
グラフ1602は、9人の対照患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さLと膵臓腺癌の10人の患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さとを対比した棒グラフである。グラフ1604は、9人の対照患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さの標準偏差σLdと膵臓腺癌の10人の患者から得られた細胞診標本の不規則性の強さの標準偏差とを対比した棒グラフである。図からわかるように、不規則性の強さLと不規則性の強さの標準偏差σLdは両方とも、膵臓癌の患者から得られた非細胞学的に悪性の細胞内で著しく増大した。したがって、膵臓癌の有無は、一実施形態により、細胞学的に正常であると検出された膵臓細胞の部分波分光分析を介して識別されうる。部分波分光法は、細胞学的に非悪性のように見える膵臓細胞を悪性と正しく分類することにより膵臓細胞の細胞学的診断を潜在的に革新する可能性がある。
本開示の他の実施形態では、部分波分光法は、細胞を採取できる多数の臓器の癌検出及び疾病診断に適用可能である。細胞学的診断のため細胞試料を現在採取できるそのような臓器の例としては、限定はしないが、頸部、乳房、前立腺、口腔、食道、肺、膀胱などがある。
例えば、膀胱癌の検出に関連する難題の1つは、そのことであるが、ただし膀胱粘膜から隠されている細胞は患者の尿から容易に採取される。しかし、細胞診では、異形成(前癌状態)膀胱細胞と非異形成膀胱細胞とを区別できない。したがって、膀胱内の異形成を検出する信頼性の高い手段の1つは、生検を用いるもので、カテーテルを尿道に挿入する必要があり、痛みを伴い、侵襲的である。したがって、細胞学的試料中の異形成膀胱細胞と正常膀胱細胞とを区別できるようにする技術は、膀胱癌の管理に対し大きな影響を潜在的に有する。さらに、分光細胞学を用いて、肺、乳房、及び食道を含む他のさまざまな臓器内の癌を診断するために定期的に採取される細胞学的試料の分析を補助することができる。
膵臓癌検出に関連する困難は、膵臓から得られた細胞の分析のため後方散乱分光顕微鏡の実装により潜在的に解消されうる。例えば、膵管からの細胞は、膵液の産生を誘発する、セクレチンの静脈内注射に続いてファーター膨大部を通して導入されるブラシにより採取されうる膵液中の剥離細胞の吸引を使って採取できる。現在実行されているように、膵臓細胞診の感度は、容認できないほど低い(つまり、<50%)。細胞学的診断の改善は、光学分光法、例えば、光散乱分光顕微鏡法により細胞診を高めることで達成されうる。分光法で補助された細胞診の利点の1つは、従来の顕微鏡細胞診の分解能よりもかなり低い−最大数ナノメートルまでの−長さスケールで細胞構造を評価することが可能になるという点である。
フィールド効果
いくつかの癌リスク層別化技術では、「フィールド効果」を利用するが、これは、結腸の一領域内のバイオマーカーの評価で、結腸全体を通して現在/将来の腫瘍性病変の発症可能性を判定できるという概念である。例えば、結腸の一領域内に腫瘍性病変を生じる遺伝的/環境的要因は、結腸全体を通して関与しない(例えば、結腸鏡的、組織学的、及び/又は内視鏡的に正常に見える)粘膜内で検出可能な場合がある。
組織学的及び/又は内視鏡的に正常な「フィールド」で記録された微細構造変化の分子基盤を支持する証拠が存在する。例えば、Chenらは、近年、シクロオキシゲナーゼ2及びオステオポンチンを含む、プロトオンコジーンのパネルが、結腸直腸癌が潜んでいる患者の組織学的及び/又は内視鏡的に正常な粘膜内に著しい過剰発現を示すと報告した。これは、新生物発生前MINマウスにおいても顕著であり、また重要なことに、プロトオンコジーン過剰発現の大きさは、対照腸管上皮(APCのC57BL/6マウス野生型)と腺腫様組織又は癌腫様組織との中間であり、腫瘍形成に対するこれらの変化の関連性を主張するものとなっていた。さらに、後成的事象(例えば、インスリン成長因子II刷り込みの喪失)は、腺腫又は癌腫が潜んでいる患者の関与のない粘膜中で増える可能性がある。
一般に使用される臨床例は、近位結腸内の新生物形成を予測する軟性S状結腸鏡検査による遠位腺腫又は癌腫の識別である。他の試みとしては、結腸腺腫及び癌腫で色素内視鏡を使用して直腸異常腺窩巣(ACF)の相関関係を調べる技術がある。残念なことに、既存のマーカーの性能特性は、次善最適である(例えば、軟性S状結腸鏡検査が進行近位病変を検出する能力に対する感度及び陽性適中率は、それぞれ40%及び6%である)。
したがって、フィールド効果に現在利用可能な形態学的マーカーは、リスク層別化には不適である。フィールド効果が、結腸新生物を有する患者を識別することに対し敏感である可能性があることをいくつかの証拠が示唆している。結腸新生物が潜んでいる被検者の組織学的及び/又は内視鏡的に正常な粘膜内に、フィールド効果の深い遺伝的及び後成的変化があると報告している研究もある。しかし、臨床診療で実現可能である方法論を用いてこれらの分子事象を検出することは、厄介であった。
膵臓癌スクリーニングのため膵管を調べることで、急性膵炎の発生する危険性がもたらされる。隣接する膨大部周囲十二指腸粘膜は、既存の上部内視鏡検査手段を介してアクセスでき、それを調べることにより、膵炎又は他の重大な合併症を生じる潜在的危険性なしで膵臓新生物の存在を診断することが可能になる。フィールド効果に基づき、膵臓などの特定の組織部位内の腫瘍性病変を、膨大部に隣接する十二指腸粘膜内で検出可能にすることができる。十二指腸粘膜は、生体内又は生体外で(例えば、内視鏡手段から得られる組織生検から)調べることができる。
一実施形態では、部分波分光法を使用して、フィールド効果の検出を通じて結腸全体にわたる結腸癌発症リスクを識別することができる。結腸癌発症のアゾキシメタン処置ラット・モデルから得られたデータは、ACF又は腺腫又は癌腫形成に先立つ時点における部分波分光法データの変化を示す。さらに、これらのマーカーは、発癌の進行と合わせて時間の経過とともに進行する。
ヒトの研究では、細胞学的に正常な粘膜の部分波分光分析は、新生物形成のなかったものと比較したときに腺腫又は癌腫が潜んでいる患者の差異を検出することができることが観察される。したがって、部分波分光法の技術的進歩は、結腸癌スクリーニングの実用的手段につながる可能性がある。上述のように、フィールド効果の活用は、結腸直腸癌スクリーニング(例えば、遠位腺腫又は癌腫又はACFの評価)の一戦略である。
一実施形態では、部分波分光法を使った粘膜ナノ構造及び微細構造マーカーの分析は、進行の段階に関する検出について、古典的な形態学的及び/又は生化学的マーカーの分析を超えていた。例えば、新生物形成の危険性は、形態的病変(ポリープ)の検出よりのかなり早い段階で視覚的に正常な結腸粘膜において評価された。悪性形質転換は、部分波分光スクリーニングを介して検出可能な、膵臓癌、結腸癌、肝臓癌、肺癌、食道癌、胃癌、子宮頸癌、口腔癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、胆管癌、前立腺癌、及び/又は頭頸部癌など、さまざまな種類の癌に至る可能性がある。
図17は、一実施形態による、結腸内のどこにも腺腫又は癌腫、非進行腺腫又は癌腫、及び進行腺腫又は癌腫がない状態で、部分波分光法を介して患者の正常な外見の直腸粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLdを示す棒グラフである。
結腸癌発症の識別は、大腸内視鏡検査を受けている被検者から得られた生体外組織上で、部分波分光法を用いて実行できる。この実験で、部分波分光法により撮像される細胞は、正常な外見の直腸粘膜からブラシで採取された。それに加えて、部分波分光データは、さらに、上行結腸、肝弯曲部、横行結腸、脾湾曲部、下行結腸、及び/又はS状結腸の組織から得られ、これにより、結腸内の腺腫又は癌腫を検出することができる。11人の患者は、現在の大腸内視鏡検査で非進行性の腺腫又は癌腫を有すると記録されており、4人の患者は、進行性の腺腫又は癌腫を患っており、20人の患者は、大腸内視鏡検査により判定されたように、癌腫を患っていなかった。
プロット1702及び1704に示されているように、癌患者の不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLは、腺腫又は癌腫を患っている患者では増大し、進行性の腺腫又は癌腫を患っている患者についてはさらに増大した。部分波分光法を実行することにより、結腸内に腺腫又は癌腫が潜んでいる患者体内の正常な外見の直腸粘膜から得られた不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差は、新生物形成のない被検者と、又は進行度の遅い腺腫/癌腫を有する被検者と比較したときに観察できる。
図18は、一実施形態による、膵臓癌の患者及び異形成のない対照患者からの正常な外見の十二指腸膨大部周囲粘膜から得られた細胞の不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
一実施形態では、部分波分光法は、膵臓癌を患っている上部内視鏡手術を受けている患者(陽性群)と膵臓疾病又は癌の病歴のない患者(陰性対照群)の正常な外見の十二指腸膨大部周囲粘膜から採取した生検から得られた細胞に対し実行できる。この実験は、膵臓癌を患っていない26人の患者と膵臓癌を患っている10人の患者に対し実施された。膵臓癌の有無は、病歴により、又は外科手術中に判定された。従来の細胞学の手順に従って細胞をガラス面にこすりつけて、固定し、部分波分光法を、これらの十二指腸細胞学スライド上で実行した。この実験では、平均すると、患者1人当たり〜50個の細胞が得られ、評価された。
プロット1802及び1804に示されているように、膨大部周囲粘膜から評価された不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLは、癌を患っていない対照患者と比較して膵臓癌の患者の場合に高い。したがって、PCが潜んでいる患者の識別は、無症候性患者のスクリーニングに理想的な、膵臓を調べることなく上部内視鏡検査の際に実行できる侵襲の少ない、危険性の非常に低い十二指腸ブラッシングにより行うことができる。したがって、一実施形態では、部分波分光法を使用し、フィールド効果を通じて十二指腸膨大部周囲粘膜を撮像することで膵臓癌を識別することができる。撮像された十二指腸膨大部周囲粘膜は、正常又は異常のように見える可能性がある。
図19は、一実施形態による、肺癌の患者、COPDの患者、肺癌を患っていない患者、及びの肺癌はないが、肺癌の家系である患者からの正常な外見の頬粘膜から得られた細胞の不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。
一実施形態では、部分波分光法を使用し、正常な外見の口腔粘膜からブラシで採取した細胞を調べることにより肺癌スクリーニングを行うことができる。この実験では、肺癌を患っていないが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患っている16人の患者、肺癌を患っていないが、肺癌の家系である7人の患者、及び肺癌の19人の患者に対し、部分波分光法が実行された。プロット1902及び1904に示されているように、口腔粘膜から評価された不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差は、癌を患っていない対照患者と比較して肺癌の患者の場合に高い。それに加えて、口腔粘膜から評価された不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差は、癌を患っていない対照患者と比較して、肺癌を患っていないが、肺癌の家系である患者の場合に高い。したがって、一実施形態では、肺癌が潜んでいる、又は肺癌の危険性のある患者の識別は、頬の粘膜から細胞標本を取り出して調べることで行うことができる。
いくつかの実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照しつつ説明されているが、さまざまな修正及び変更をこれらの実施形態に加えることができることは明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、制限ではなく、例示することを目的としているものとみなすべきである。本明細書では、特定の例示的な実施形態を参照しつつ説明を行っている。付属の請求項で定められているように、より広い精神と範囲から逸脱することなく本発明にさまざまな修正を加えられることは明白であろう。したがって、本明細書及び図面は、制限ではなく、例示することを目的としているものとみなすべきである。
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〔図1〕一実施形態による、アガロース・ゲルに埋め込まれた6μmのポリスチレン微小球の顕微鏡画像を示す図である。〔図2〕一実施形態による、ミー理論から計算で求められた、シミュレートされた後方散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の周辺から記録された後方散乱スペクトルを例示する図である。〔図3〕一実施形態による、平板モデルに基づき計算で求められた、シミュレートされた後方散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の中心から散乱された光から記録された後方散乱スペクトルを例示する図である。 〔図4〕一実施形態による、FDTDシミュレーションから計算で求められた、散乱スペクトルを重ねた、図1のポリスチレン微小球の中心から記録された後方散乱スペクトルを例示する図である。 〔図5〕一実施形態による、直径のサイズが異なる2つの球に対するFDTDシミュレーション結果に基づき計算で求められた後方散乱スペクトルを例示する図である。 〔図6〕一実施形態による、平均径が可変である空中の塊状ポリスチレン微小球の画像、及び、4つの微小球のそれぞれが平板モデルから導き出された散乱スペクトルIs(λ)にフィッティングされた中心から記録された散乱スペクトルIc(λ)を例示する図である。 〔図7〕一実施形態による、部分波分光法を実行するための分光システムの例示的な略図である。 〔図8〕一実施形態による、分光システムによる部分波分光法を介して得られた微小球の例示的な画像及び例示的なスペクトルを示す図である。 〔図9A〕一実施形態による、部分波分光法を介して得られた細胞の画像ならびに雑音除去及び背景反射の後の反射率スペクトルR(λ)のプロットを示す図である。 〔図9B〕一実施形態による、EGFTノックダウンHT29細胞、通常のHT29細胞、及びCSKノックダウンHT29細胞について得られた、一組の細胞学的細胞画像及び一組の部分波分光細胞画像を例示する図である。 〔図9C〕一実施形態による、EGFR HT29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞に対する反射率R(k)及び不規則性の強さLdの統計的パラメータのプロットを例示する図である。 〔図9D〕一実施形態による、EGFR H29細胞、対照HT29細胞、及びCSK HT29細胞に対する不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。 〔図10〕一実施形態による、対照ラット及びAOM処置ラットの結腸上皮細胞から記録された後方散乱光の強度から決定される、波長の関数としての反射率スペクトルR(λ)のプロット及び反射率スペクトルの統計的パラメータのプロットを例示する図である。 〔図11〕一実施形態による、対照ラット及びAOM処置ラットから得られた結腸上皮細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。 〔図12〕一実施形態による、対照及びAOM処置ラット(発癌の開始後2、5、及び8週)から記録された組織学的に正常な結腸上皮細胞の、不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLdの空間分布を示す画像である。 〔図13〕一実施形態による、1D平板モデルにより決定されるような、相関長lc及び屈折率変動<Δn2>を有する不規則性の強さLdのバラツキを示すプロットである。 〔図14A〕一実施形態による、FDTDシミュレーション及び合成後方散乱画像に使用される要素の幾何学的形状の実施例を例示する図である。 〔図14B〕一実施形態による、部分波分光法から得られた画像の一部の後方散乱スペクトルを分析するためFDTDシミュレーションから得られたスペクトルと1D平板モデルとを比較するプロットである。 〔図15〕一実施形態による、不規則性の強さ及び不規則性の強さの標準偏差が細胞学的に悪性の膵臓癌細胞についてプロットされたヒト生体試料の部分波分光法を介して得られたデータを示す棒グラフである。 〔図16〕一実施形態による、不規則性の強さL及び不規則性の強さの標準偏差σLdが細胞学的に正常な膵臓癌細胞についてプロットされたヒト生体試料の部分波分光法を介して得られたデータを示す棒グラフである。 〔図17〕一実施形態による、結腸内のどこにも腺腫又は癌腫、非進行腺腫又は癌腫、及び進行腺腫又は癌腫がない状態で、部分波分光法を介して患者の正常な外見の直腸粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLdを示す棒グラフである。 〔図18〕一実施形態による、膵臓癌の患者及び異形成のない対照患者からの正常な外見の十二指腸膨大部周囲粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。 〔図19〕一実施形態による、肺癌の患者、COPDの患者、肺癌を患っていない患者、及びの肺癌はないが、肺癌の家系である患者からの正常な外見の頬粘膜から得られた細胞の不規則性の強さLd及び不規則性の強さの標準偏差σLを示す棒グラフである。

Claims (91)

  1. 標的の特性を識別する方法であって、
    入射光の光源で標的を照射するステップと、
    前記光が後方散乱及び透過の機序の少なくとも1つにより前記標的から発せられ、前記標的から出る前記光の1つ又は複数の特性を識別するステップと、
    前記出射光のスペクトルの少なくとも1つの事前選択部分の1つ又は複数の特性に基づき前記標的の屈折率の変動を決定するステップとを含む方法。
  2. 前記出射光の前記1つ又は複数の特性は、前記出射光の反射の尺度を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記反射の前記尺度は、前記出射光の高周波スペクトル成分の尺度を含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記出射光の前記反射の前記尺度は、前記出射スペクトルと前記出射スペクトルの低周波スペクトル成分の差を含む請求項3に記載の方法。
  5. 前記出射光の前記1つ又は複数の特性は、前記出射光の反射の前記尺度の自己相関を含む請求項4に記載の方法。
  6. 前記屈折率変動を決定するステップは、さらに、前記屈折率変動の分散及び前記屈折率変動の空間相関長の1つ又は複数を決定するステップを含む請求項1に記載の方法。
  7. 標的の物理的特性を識別する方法であって、
    少なくとも1つのスペクトル成分を有する入射光の光源を備えるステップと、
    前記入射光で前記標的を照射するステップと、
    前記標的に前記入射光を照射した後、後方散乱及び透過の前記機序の少なくとも1つにより前記標的から出る光の1つ又は複数の事前選択スペクトルの強度を記録し、前記1つ又は複数の事前選択スペクトルのうちの1つのスペクトルが前記標的の事前選択部分からの光に対応するステップと、
    前記標的について評価される前記特性は前記標的の1つ又は複数の部分に対するものであり、前記標的の前記照射部分の前記特性を評価することに関して出射光の前記1つ又は複数のスペクトルの強度を分析するステップとを含む方法。
  8. さらに、前記標的の前記照射部分から出る前記光の少なくとも1つの部分に基づき画像を生成することを含む請求項7に記載の方法。
  9. 前記物理的特性は、前記標的の、それぞれ、粒子のサイズ、粒子の濃度、屈折率、屈折率の空間分布、粒子の濃度の空間分布、屈折率変動の標準偏差、屈折率変動の分散、屈折率変動の長さスケール、屈折率変動の不規則性のうちの1つ又は複数を含む請求項7に記載の方法。
  10. 前記入射光のビーム直径は、前記入射光が前記標的のところの平面波に対応するように前記標的よりも実質的に大きい請求項7に記載の方法。
  11. 前記入射光は、白色光を含む請求項10に記載の方法。
  12. さらに、前記標的の単一散乱粒子を識別することを含む請求項7に記載の方法。
  13. さらに、前記標的の粒子の周辺から出る出射光の第1の一組のスペクトルの強度を記録することを含む請求項12に記載の方法。
  14. さらに、前記標的の前記粒子の中心から出る出射光の第2の一組のスペクトルの強度を記録することを含む請求項12に記載の方法。
  15. さらに、前記粒子の前記中心から出る記録された出射光の前記第2の一組のスペクトルの強度を分析することを介して前記粒子のサイズを決定することを含む請求項12に記載の方法。
  16. さらに、前記粒子の前記中心から出る記録された前記出射光の前記第2のスペクトルを所定の直径の粒子に対する所定のスペクトルにカーブ・フィッティングすることを介して前記粒子の前記直径を決定することを含む請求項13に記載の方法。
  17. 前記所定のスペクトルは、一様な平板モデルに基づき決定される請求項16に記載の方法。
  18. さらに、前記標的の高密度充填粒子の集合体の局部的散乱粒子を識別することを含む請求項7に記載の方法。
  19. さらに、前記出射光の前記1つ又は複数のスペクトルの強度に関係する1つ又は複数の統計的属性を決定することを含む請求項7に記載の方法。
  20. 前記少なくとも1つの統計的属性は、反射率の確率密度分布、前記反射率の自己相関関数、不規則性の強さ、前記不規則性の強さの前記標準偏差、及び前記不規則性の強さの前記確率密度分布のうちの1つ又は複数を含む請求項18に記載の方法。
  21. 前記反射率は、前記出射光の前記高周波スペクトル成分の一尺度である請求項20に記載の方法。
  22. さらに、前記出射光の前記1つ又は複数のスペクトルについて、前記出射光の強度と前記入射光の前記強度により正規化された前記出射光の前記強度のゆっくりと変化する成分との間の差を求めることで前記反射率を決定することを含む請求項21に記載の方法。
  23. さらに、前記出射光の前記1つ又は複数のスペクトルの前記反射率及び前記反射率の自己相関関数から前記不規則性の強さを決定することを含む請求項20に記載の方法。
  24. 前記不規則性の強さは、屈折率変動の分散と前記屈折率変動の空間相関長のうちの1つ又は複数の一尺度である請求項23に記載の方法。
  25. さらに、前記不規則性の強さの統計的パラメータを決定することを含む請求項23に記載の方法。
  26. 前記統計的パラメータは、所定の領域にわたって平均された不規則性の強さ及び前記不規則性の強さの標準偏差のうちの1つ又は複数を含む請求項25に記載の方法。
  27. 前記所定の領域は、細胞の一領域に実質的に対応する請求項26に記載の方法。
  28. 前記統計的パラメータは、前記細胞の前記領域上の前記不規則性の強さの所定の百分位数に対する平均及び標準偏差のうちの1つ又は複数を含む請求項26に記載の方法。
  29. 前記統計的パラメータは、複数の細胞にわたって平均された、前記平均不規則性の強さ及び前記不規則性の強さの前記標準偏差のうちの1つ又は複数を含む請求項26に記載の方法。
  30. 前記統計的パラメータは、複数の細胞にわたる、不規則性の強さの標準偏差、不規則性の強さの平均、及び前記不規則性の強さの前記標準偏差のうちの1つ又は複数を含む請求項26に記載の方法。
  31. 前記複数の細胞は、細胞学的試料の少なくとも一部である請求項30に記載の方法。
  32. 前記複数の細胞は、固定細胞、生体細胞、及び染色された細胞のうちの1つ又は複数である請求項30に記載の方法。
  33. 前記標的の前記事前選択部分の前記サイズは、ナノスケールのオーダーである請求項7に記載の方法。
  34. 前記標的の前記事前選択部分の前記サイズは、マイクロスケールのオーダーである請求項7に記載の方法。
  35. 前記標的の前記事前選択部分の前記サイズは、細胞の少なくとも一部の領域のサイズのオーダーである請求項7に記載の方法。
  36. 前記標的は、生体試料である請求項7に記載の方法。
  37. 前記標的は、前記生体の少なくとも一部である請求項36に記載の方法。
  38. 前記生体試料は、細胞学的試料の少なくとも一部である請求項36に記載の方法。
  39. 前記生体試料は、悪性形質転換を受ける組織を含む請求項38に記載の方法。
  40. さらに、前記組織の局部的領域に対する前記特性を評価することを含む請求項39に記載の方法。
  41. 前記組織について評価すべき前記特性は、1つ又は複数の細胞の面積のオーダーのスケールの前記組織の1つ又は複数の部分に対する特性である請求項40に記載の方法。
  42. さらに、単一細胞の前記特性を評価するステップを含む請求項40に記載の方法。
  43. 単一細胞の前記特性を評価するステップは、さらに、前記単一細胞の細胞構造内の変化を検出することを含む請求項42に記載の方法。
  44. 前記変化は、癌性変化に対応する請求項43に記載の方法。
  45. 前記癌性変化は、膵臓癌、結腸癌、肝臓癌、肺癌、食道癌、胃癌、子宮頸癌、口腔癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、胆管癌、前立腺癌、及び/又は頭頸部癌のうちの少なくとも1つに対応する請求項44に記載の方法。
  46. 前記標的は、内視鏡的に正常な生体試料、組織学的に正常な生体試料、及び細胞学的に正常な生体試料から得られる請求項37に記載の方法。
  47. 前記標的は、非腫瘍性組織と異なる解剖学的部分内に配置された組織の腺腫及び癌腫のうちの1つ又は複数を検出するための前記非腫瘍性組織を含む請求項36に記載の方法。
  48. 前記標的は、腺腫及び癌腫の1つ又は複数が潜在的に潜んでいる前記解剖学的領域の組織の近位及び遠位の少なくとも一方の解剖学的領域からの組織を含む請求項47に記載の方法。
  49. さらに、前記結腸内の任意の場所から得られた組織の特性の識別に基づき前記結腸の少なくとも一部の中の腺腫及び癌腫のうちの1つ又は複数の存在を検出することを含む請求項48に記載の方法。
  50. 前記結腸内の任意の場所から得られる前記組織は、盲腸、上行結腸、肝弯曲部、横行結腸、脾湾曲部、下行結腸、S状結腸、及び直腸のうちの少なくとも1つから採取できる請求項49に記載の方法。
  51. さらに、非腫瘍性組織から出る出射光の前記1つ又は複数のスペクトルの強度を分析することで膵臓新生物を検出することを含む請求項47に記載の方法。
  52. 前記非腫瘍性組織は、十二指腸膨大部周囲粘膜である請求項51に記載の方法。
  53. 前記非腫瘍性組織は、遺伝的及び環境的要因のうちの少なくとも1つの影響を受け、結果として前記膵臓新生物を生じる組織である請求項51に記載の方法。
  54. さらに、非腫瘍性組織から出る出射光の前記1つ又は複数のスペクトルの強度を分析することで肺癌を検出することを含む請求項47に記載の方法。
  55. 前記非腫瘍性組織は、口腔粘膜である請求項51に記載の方法。
  56. さらに、慢性閉塞性肺疾患の患者群のうちから肺癌の患者を区別することを含む請求項54に記載の方法。
  57. さらに、慢性閉塞性肺疾患の前記患者群のうちから肺癌の家系の患者を区別することを含む請求項54に記載の方法。
  58. 前記患者群は、喫煙者である請求項56に記載の方法。
  59. さらに、細胞のさまざまな遺伝的変異を識別することを含む請求項36に記載の方法。
  60. 前記細胞は、HT29細胞である請求項69に記載の方法。
  61. さらに、イメージング・システムを備えることを含み、
    少なくとも1つのスペクトル成分を有する入射光を前記標的上に供給するための光源を備えるステップと、
    前記入射光をコリメートする動作が可能なように構成された1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第1の集合体を備えるステップと、
    前記入射光を前記標的上に集束させる動作が可能なように構成された1つ又は複数の光学コンポーネントからなる第2の集合体を備えるステップと、
    出射光の1つ又は複数の事前選択スペクトルの前記強度を記録し、前記1つ又は複数の事前選択スペクトルのうちの1つのスペクトルが前記標的の照射後に出射する前記光の少なくとも事前選択された一部に対応する受け側端部を備えるステップとを含む請求項1に記載の方法。
  62. 前記標的に照射される光のビームの直径は、前記標的に照射される光の前記ビームが平面波に対応するように前記標的のサイズよりも実質的に大きい請求項61に記載の方法。
  63. 前記光源は、白色光源を含む請求項61に記載の方法。
  64. 前記光源は、複数の狭帯域光源から光の少なくとも1つのスペクトル成分を取り出す請求項61に記載の方法。
  65. 前記光源は、アーク灯、白色発光ダイオード、レーザー光源、及びカラー発光ダイオードのうちの1つ又は複数である請求項61に記載の方法。
  66. 前記レーザー光源は、1つ又は複数の放射波長を有する1つ又は複数のレーザーを備える請求項65に記載の方法。
  67. 前記カラー発光ダイオードは、さらに、1つ又は複数のスペクトル放射範囲を有する1つ又は複数の発光ダイオードを備える請求項65に記載の方法。
  68. 1つ又は複数の光学コンポーネントからなる前記第1の集合体は、4−fシステムと絞りを備える請求項61に記載の方法。
  69. 前記4−fシステムは、2レンズ4−fシステムである請求項68に記載の方法。
  70. 前記レンズは、正レンズである請求項69に記載の方法。
  71. 前記レンズは、フーリエ・レンズ、球面レンズ、屈折率分布型レンズ、非球面レンズ、円柱レンズ、凸凸レンズ、及び平凸レンズのうちの少なくとも1つである請求項70に記載の方法。
  72. 前記絞りは、前記2枚のレンズの共通焦点面内に実質的に配置される請求項68に記載の方法。
  73. さらに、前記光源と前記4−fシステムとの間に配置された集光器を備える請求項61に記載の方法。
  74. 前記受け側端部は、イメージング分光器を備える請求項61に記載の方法。
  75. 前記受け側端部は、さらに、前記標的から出る前記出射光の画像を記録するための光検出器を備える請求項74に記載の方法。
  76. さらに、前記イメージング分光器と結合された光検出器と、前記イメージ分光器及び前記光検出器と結合された、所定の位置の周りを移動する動作が可能なように構成された走査ステージとを備える請求項75に記載の方法。
  77. 前記光検出器は、CCDカメラである請求項76に記載の方法。
  78. 前記光検出器は、複数の光検出器である請求項76に記載の方法。
  79. 前記1つ又は複数の光学コンポーネントからなる前記第2の集合体は、対物レンズを備える請求項61に記載の方法。
  80. 前記出射光は、前記対物レンズにより集光される請求項79に記載の方法。
  81. さらに、前記対物レンズにより集光された出射光を集束させて前記出射光の像を拡大するためのチューブ・レンズを備える請求項80に記載の方法。
  82. さらに、前記対物レンズにより集光される前記出射光を偏向する動作が可能なように構成されたフリッパー・ミラーを備える請求項80に記載の方法。
  83. 前記フリッパー・ミラーは、前記出射光をカメラに偏向して像を記録する前に視覚化するという動作が可能なように構成されている請求項82に記載の方法。
  84. 前記標的は、生体試料の1つ又は複数の生体細胞を含む請求項81に記載の方法。
  85. 前記受け側端部は、さらに、1つ又は複数の単一チャネル直線配列分光計を備える請求項61に記載の方法。
  86. 前記受け側端部は、さらに、出射光の少なくとも1つのスペクトルのうちの1つ又は複数のスペクトルの強度を記録するためのフィルタを備える請求項85に記載の方法。
  87. 前記フィルタは、チューナブル・フィルタ、フィルタ・ホイール、及びダイクロイック・フィルタのうちの1つ又は複数である請求項86に記載の方法。
  88. 前記出射光が出てくる前記標的の前記事前選択部分の前記サイズは、イメージング・システムの分解能の回折限界のオーダーである請求項61に記載の方法。
  89. 出射光の前記1つ又は複数の事前選択スペクトルは、前記標的の前記事前選択された部分内の一次元伝搬波の前記スペクトルを含む請求項1に記載の方法。
  90. 前記標的は、微細針吸引を介して採取される請求項46に記載の方法。
  91. 統計的パラメータを決定するステップは、1つの単一細胞内の異なる場所に関して類似の統計的パラメータ間の差異を決定するステップと、1つの身体内の複数の異なる単一細胞に関して類似の統計的パラメータ間の差異を決定するステップと、複数の異なる身体内の複数の異なる単一細胞に関して類似の統計的パラメータ間の差異を決定するステップと、1つの身体内の細胞の異なる集団に関して類似の統計的パラメータ間の差異を決定するステップと、複数の異なる身体内の細胞の異なる集団に関して類似の統計的パラメータ間の差異を決定するステップのうちの1つ又は複数を含む請求項25に記載の方法。
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