第1の本発明は、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池と、燃料電池で発生した熱を外部へ取り出すための第1熱媒体と、第1熱媒体を燃料電池へ流通させる第1熱媒体搬送手段と、第1熱媒体の温度を検知する温度検知器とを備え、第1熱媒体搬送手段は温度検知器より低い位置に構成することで、第1熱媒体の蒸発や漏洩等により、第1熱媒体流路の第1熱媒体量が次第に減少した場合に、温度検知器部は第1熱媒体搬送手段より高い位置に配置しているため、第1熱媒体搬送手段が第1熱媒体で満たされなくなる前に、温度検知器部が第1熱媒体で満たされなくなり、温度検知器が予め定められた範囲から外れたことを検知して運転を停止させることが可能になり、水
位検知器を使用しなくても、第1熱媒体搬送手段は常に第1熱媒体で満たされている燃料電池システムが実現できるのである。
第2の本発明は、特に、第1の本発明の温度検知器は燃料電池の第1熱媒体の流入口近傍と燃料電池の第1熱媒体の流出口近傍との少なくとも一方に備え、温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することにより、第1熱媒体の蒸発や漏洩等により、第1熱媒体流路の第1熱媒体量が次第に減少した場合に、温度検知器部は燃料電池よりも高い位置に構成しているため、温度検知部が燃料電池より低い位置に構成している場合と比べて、より早期に温度検知器部が第1熱媒体で満たされなくなり、温度検知器が予め定められた範囲から外れたことを検知して運転を停止させることが可能になり、水位検知器を使用しなくても、第1熱媒体搬送手段は常に第1熱媒体で満たされている燃料電池システムが実現できるのである。
第3の本発明は、特に、第1または第2の本発明の第1熱媒体搬送手段を燃料電池の上面より低い位置に配置することにより、第1熱媒体の蒸発や漏洩等により、第1熱媒体流路の第1熱媒体量が次第に減少した場合に、温度検知器を燃料電池より上面に備えることができなくても、温度検知部は第1熱媒体搬送手段より高い位置に配置しているため、第1熱媒体搬送手段が第1熱媒体で満たされなくなる前に、温度検知器部が第1熱媒体で満たされなくなり、温度検知器が予め定められた範囲から外れたことを検知して運転を停止させることが可能になり、水位検知器を使用しなくても、第1熱媒体搬送手段は常に第1熱媒体で満たされている燃料電池システムが実現できるのである。
第4の本発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの本発明の温度検知器は燃料電池の第1熱媒体の流入口近傍と燃料電池の第1熱媒体の流出口近傍の両方に備えることにより、第1熱媒体の蒸発や漏洩等により第1熱媒体流路の第1熱媒体量が次第に減少した場合に、第1熱媒体の流入口近傍と流出口近傍の温度差が予め定められた範囲から外れたことを検知して、運転を停止することができるため、第1の本発明とあわせて、第1熱媒体流路の第1熱媒体量の減少を検知することができる。
第5の本発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの本発明の第1熱媒体搬送手段の第1熱媒体搬送能力に温度検知器の検知温度に基づいて変化させる搬送能力調整手段を備え、第1熱媒体搬送手段の第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した上限値および下限値を設けることにより、第1熱媒体の温度上昇および温度低下を抑制することができる。
第6の本発明は、特に、特に、第1〜第4のいずれか1つの本発明の第1熱媒体搬送手段の第1熱媒体搬送能力に温度検知器の検知温度に基づいて変化させる搬送能力調整手段を備え、第1熱媒体搬送手段の第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値を設けることにより、第1熱媒体搬送手段の第1熱媒体搬送能力に温度検知器の検知温度に基づいて変化させる搬送能力調整手段を備えた場合でも第1熱媒体流路の第1熱媒体量の減少を検知することができるだけでなく、第1熱媒体搬送手段に発電電力に対応した異常閾値を設けて運転を停止させることにより、第1および第4の本発明とあわせて、より正確に第1熱媒体流路の第1熱媒体量の減少を検知することができる。
第7の本発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの本発明に加えて、第1熱媒体と第2の熱媒体で熱交換を行う熱交換器と、第2熱媒体を搬送する第2熱媒体搬送手段とを有し、第2熱媒体搬送手段の第2熱媒体搬送能力に温度検知器の検知温度に基づいて変化させる搬送能力調整手段を備え、第2流量調整器に発電電力に対応した上限値および下限値を設けることにより、第2熱媒体搬送手段の第2熱媒体搬送能力に温度検知器の検知温度に基づいて変化させる搬送能力調整手段を備えた場合でも、第1熱媒体流路の第1熱媒体量の減少を検知することができるだけでなく、第1熱媒体搬送手段に発電電力に対応した
上限値および下限値を設けることにより、第1熱媒体の温度上昇および温度低下を抑制することができる。
第8の本発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの本発明の第2流量調整器に発電電力に対応した異常閾値を設けることにより、第2熱媒体搬送手段の第2熱媒体搬送能力に温度検知器の検知温度に基づいて変化させる搬送能力調整手段を備えた場合でも第1熱媒体流路の第1熱媒体量の減少を検知することができるだけでなく、第2熱媒体搬送手段に発電電力に対応した異常閾値を設けて運転を停止させることにより、第1および第4の本発明とあわせて、より正確に第1熱媒体流路の第1熱媒体量の減少を検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1において、本実施の形態における燃料電池システム1は、水素リッチな燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2が発電した直流電力を交流電力に変換するとともに電力系統3と連系し負荷4に電力供給をするインバータ5と、発電時に発生する熱を回収し燃料電池2の温度制御を行う冷却水を通流する冷却水流路6と、冷却水を冷却水循環流路6に通流させる冷却水ポンプ7と、冷却水流路6において冷却水の燃料電池2流入口の冷却水温度を検知する温度検知器8aと、燃料電池2により加熱された冷却水を冷却する熱交換器9と、熱交換器9での熱交換により排熱を回収する排熱回収水流路10と、排熱回収水を通流させる排熱回収ポンプ11と、一連の冷却水通流およびインバータ5からの出力電力を制御する制御部15とを備えている。
本実施の形態では、冷却水ポンプ7は燃料電池底面より低い位置に備え、温度検知器8aの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、および第1熱媒体の具体的な実施の一例であり、制御部15は温度検知器が検知する第1熱媒体の温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止することの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。本実施の形態における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知部を燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における燃料電池2の底面より低い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。
また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第7の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例である。
まず、本実施の形態における燃料電池システム1の具体的動作を説明する。
燃料電池システム1は、水素リッチな燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスを燃料電池2に供給することにより発電を行う。燃料電池2での発電では直流電力が出力される。出力さ
れた直流電力はインバータ5により交流電力に変換された後、電力系統3と連系し、負荷4に電力供給する。ここで制御部15は、インバータ5に対して交流電力の発電出力値を指令するとともに、インバータ5での発電出力値に応じて燃料ガスおよび酸化剤ガス流量を流量調整器など(図示せず)を用いて適切に制御する。
一方、燃料電池2では、発電の際に同時に熱も生成される。燃料電池2を通流する冷却水は冷却水流路6を通じて、冷却水ポンプ7を作動させることにより、燃料電池2に供給されて、燃料電池2の内部での熱交換により燃料電池を冷却させる。燃料電池2から流出された冷却水は、熱交換器9に通流されて、冷却される。冷却された冷却水は冷却水ポンプ7により再度循環され、燃料電池2に供給される。さらに燃料電池システム1では、排熱回収ポンプ11を作動することにより燃料電池システム1の外部から排熱回収水を導入する。排熱回収水流路10に導入された排熱回収水は、排熱回収ポンプ11により通流後、熱交換器9に供給される。熱交換器9では、冷却水流路6より供給された冷却水と熱交換することにより、排熱回収水は加熱される。加熱された排熱回収水は排熱回収水流路10を通じて、燃料電池システム1の外部へ排出される。なお排出された排熱回収水に関しては、図示していない風呂、床暖房、給湯などの熱負荷に対して直接供給することもできるし、貯湯タンクなどのバッファーに貯えたのち、前述の熱負荷に供給することもできる。
制御部15は、燃料電池2流入口の温度検知器8aが検知する冷却水温度が所定温度(例えば60℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御する。たとえば、温度検知器8aの検知する冷却水温度が所定温度より高い62℃になった場合は、温度検知器8aが検知する冷却水温度を低下させるため、排熱回収ポンプ11の能力を制御して排熱回収流量を増加させて熱交換器9での熱交換量を増加させる。また温度検知器8aが検知する冷却水温度が所定温度より低い58℃になった場合は、温度検知器8aが検知する冷却水温度を上昇させるため、排熱回収ポンプ11の能力を制御して排熱回収流量を減少させて熱交換器9での熱交換量を減少させる。なお、冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7の能力は、一定の能力として動作する。
以上のように構成された燃料電池システム1について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム1の制御部15は、第1の本発明における温度検知器8aが検知する冷却水温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止する温度の具体的な一例として、燃料電池2流入口の温度検知器8aに所定温度60℃に比べて5℃低い55℃を下限の異常閾値として設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなる。冷却水流路6内の水が蒸発または漏洩が発生し続けると、温度検知器8aの検知部を通過する冷却水量は次第に減少し、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触しなくなり、温度検知器8aは温度低下を検知する。例えば、温度検知器8aが下限の異常閾値である55℃まで低下したことを検知すると、制御部15は、燃料電池システム1の運転を停止させる。このとき、冷却水ポンプ7は温度検知器8aの検知部より低い位置に構成しているので、冷却水ポンプ7は水で満たされおり、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転による冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図2において、図1と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図2に示すように燃料電池システム21は図1に示す燃料電池システム1と比較して、冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aに加えて、燃料電池2流出口にも温度検知器8bを備えている点で異なっている。
本実施の形態では、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より低い位置に備え、温度検知器8aの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に、温度検知器8bの検知部は燃料電池2の底面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。本実施の形態における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知部を燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における燃料電池2の底面より低い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における温度検知器8a、温度検知器8bは、各々、第2または第4の本発明における第1熱媒体の流入口近傍の温度検知器、第1熱媒体の流出口近傍の温度検知器の具体的一例であり、制御部15は第4の本発明における第1熱媒体の流入口近傍と流出口近傍の温度差が予め定められた範囲から外れたことを検知することの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第7の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例である。
制御部15は、燃料電池2流入口の温度検知器8aが検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御する。なお、冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7は、一定の能力で運転する。
以上のように構成された燃料電池システム21について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム21の制御部15は、第4の本発明における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aと燃料電池2流出口の温度検知器8bとの温度差の異常閾値の具体的な一例として、(燃料電池2流出口の温度−燃料電池2流入口の温度差=15℃(正常時:10℃))を設定する。
このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなる。冷却水流路6内の水が蒸発または漏洩が発生し続けると、温度検知器8aの検知部を通過する冷却水量は次第に減少し、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触しなくなり、温度検知器8aは温度低下を検知する。燃料電池2を流れる冷却水の循環量は低下することから、燃料電池2の生成熱による熱回収量が増え、温度検知器8bの検知部を通過する冷却水温度は上昇する。例えば、温度検知器8aが54℃、温度検知器8bが73℃を検知すると、両者の温度差が15℃以上であることから、制御部15は、燃料電池システム21の運転を停止させる。温度検知器8aと温度検知器8bとの温度差の異常により、燃料電池システム21の運転を停止させることができるため、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転を防止でき、実施の形態1とあわせることで、より正確に冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図3において、図1と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図3に示すように燃料電池システム31は図1に示す燃料電池システム1と比較して、燃料電池2は冷却水経路の最高部に構成しており、冷却水は燃料電池2の側面から流入し、燃料電池2の側面から流出する点で異なっている。
本実施の形態では、燃料電池2の流入口の温度検知器8aの検知部および燃料電池2の流出口の温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より低く、燃料電池2の底面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、ラジエター39および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、熱交換器、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。また、本実施の形態における燃料電池2の底面より低い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、制御部15は第5の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した上限値を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bが検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、冷却水ポンプ7の搬送能力を変化させることで冷却水流路6の冷却水流量を制御し、ラジエター39の能力は、一定の搬送能力で運転する。すなわちたとえば、温度検知器8bが検知する冷却水温度が所定温度より高い72℃になった場合は、燃料電池2の生成熱による温度上昇を抑えるために、冷却水ポンプ7の搬送能力を制御させることにより冷却水流量を増加させて、温度検知器8bが検知する冷却水温度を低下させる。また、温度検知器8bが検知する冷却水温度が所定温度より低い68℃になった場合は、燃料電池2の生成熱により温度上昇させるため、冷却水ポンプ7の搬送能力を低下させることにより冷却水流量を減少させて温度検知器8bが検知する冷却水温度を上昇させる。また、制御部15は、冷却水ポンプ搬送能力に、発電電力に対応した上限値を設けており、その一例を図4に示す。図4において、横軸は発電電力、縦軸は冷却水ポンプ搬送能力であり、冷却水ポンプの最大搬送能力を100%とする。冷却水ポンプの搬送能力の上限値は、発電電力に対して、一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは40%、最高発電電力1,000Wでは95%とし、冷却水ポンプの搬送能力は上限値を超えないように制御する。たとえば、200W運転時に、温度検知器8bが所定温度より高い72℃を検知した場合は冷却水ポンプ7の搬送能力を増加させるが、冷却水ポンプ7の搬送能力が上限値である45%となった場合には、制御部15は冷却水ポンプ7の搬送能力を45%以上には増加させない。
以上のように構成された燃料電池システム31について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム31の制御部15は、第1の本発明における温度検知器8bが検知する冷却水温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止する温度の具体的な一例として、温度検知器8bに、所定温度70℃に比べて5℃高い75℃を上限の異常閾値として設定する。また、制御部15は第5の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した上限値を設けることの具体的な実施の一例として、図4に示す上限値を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少すると、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。燃料電池2を通過する冷却水量が低下するため、燃料電池2の生成熱による熱回収量が増加し、温度検知器8bが検知する冷却水温度は次第に上昇する。制御部15は温度検知器8b
が検知する冷却水温度を低下させるため、冷却水ポンプ7の搬送能力を増加させることにより、温度検知器8bが検知する冷却水温度は一旦低下するが、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、燃料電池2を通過する冷却水量はさらに減少するため、温度検知器8bが検知する冷却水温度は上昇し、冷却水ポンプ7の搬送能力も増加する。例えば、1,000W運転時に冷却水流路内の水量が低下し続け、冷却水ポンプ7の搬送能力が95%まで増加すると、制御部15は、冷却水ポンプ7の搬送能力を95%以上には増加させないことから、温度検知器8bが検知する冷却水温度は次第に増加する。温度検知器8bが異常閾値である75℃まで上昇したことを検知すると、制御部15は、燃料電池システム31の運転を停止させる。このとき、温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より低い位置に構成しているが、冷却水ポンプ7は温度検知器8bの検知部より低い位置に構成しているので、冷却水ポンプ7には水で満たされおり、冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。また、冷却水ポンプ7の搬送能力に上限値を備えることで、冷却水流路の水量低下をより早く検知できるのである。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図5において、図3と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図5に示すように燃料電池システム51は図3に示す燃料電池システム31と比較して、冷却水の燃料電池2の流出口の温度検知器8bの検知部が燃料電池2の上面より高い位置に構成している点で異なっている。
本実施の形態では、燃料電池2の流出口の温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、ラジエター39および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、熱交換器、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。また、本実施の形態における冷却水の燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知部を燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における燃料電池2の底面より低い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、制御部15は、第6の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、ラジエター39の能力を変化させることでラジエター39での放熱量を制御し、冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7の能力は、一定の能力で運転する。また、制御部15は、冷却水ポンプ搬送能力に、発電電力に対応した異常閾値を設けており、その一例を図6に示す。図6において、横軸は発電電力、縦軸は冷却水ポンプ搬送能力であり、冷却水ポンプの最大搬送能力を100%とする。冷却水ポンプの搬送能力の異常閾値(上限値)は、発電電力に対して一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは30%、最高発電電力1,000Wでは85%とし、制御部15は冷却水ポンプ7の搬送能力の上限値となった場合は、燃料電池システム51の運転を停止する。
以上のように構成された燃料電池システム51について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム51の制御部15は、第6の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値を設けることの具体的な実施の一例として、図6に示す異常閾値(上限値)を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。燃料電池2を通過する冷却水量が低下し、燃料電池2の生成熱による熱回収量が増加するため、温度検知器8bの検知する冷却水温度は次第に上昇する。制御部15は温度検知器8bの検知する冷却水温度を低下させるため、冷却水ポンプ7の搬送能力を増加させることにより、温度検知器8bの検知する冷却水温度は一旦低下するが、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、燃料電池2を通過する冷却水量はさらに減少するため、温度検知器8bの検知する冷却水温度は上昇し、冷却水ポンプ7の搬送能力も次第に増加する。例えば、1,000W運転時に冷却水流路内の水量が低下し続け、冷却水ポンプ7の搬送能力が異常閾値である85%まで増加すると、制御部15は、燃料電池システム51の運転を停止させる。冷却水ポンプの搬送能力に異常閾値を設けることで、燃料電池システム51の運転を停止させることができるため、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転を防止でき、実施の形態1とあわせることで、より正確に冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図7において、図3と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図7に示すように燃料電池システム71は図3に示す燃料電池システム31と比較して、制御部15は、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知する冷却水温度を制御する点で異なっている。
本実施の形態では、燃料電池2の流入口の温度検知器8aの検知部および燃料電池2の流出口の温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より低く、燃料電池2の底面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、および第1熱媒体の具体的な実施の一例であり、制御部15は温度検知器8bが検知する第1熱媒体の温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止することの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。また、本実施の形態における燃料電池2の底面より低い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第7の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例であり、制御部15は第7の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した上限値を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御する。なお、冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7の能力は、一定の能力として動作する。また、制御部15は、排熱回収ポンプ11
の搬送能力に、発電電力に対応した上限値を設けており、その一例を図8に示す。図8において、横軸は発電電力、縦軸は排熱回収ポンプ11搬送能力であり、排熱回収ポンプ11の最大搬送能力を100%とする。排熱回収ポンプ11の搬送能力の上限値は、発電電力に対して一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは30%、最高発電電力1,000Wでは80%とし、排熱回収ポンプ11の搬送能力の上限値を超えないように制御する。たとえば、200W運転時に、温度検知器8bの検知する冷却水温度が、所定温度より高い72℃になった場合は排熱回収ポンプ11の搬送能力を増加させるが、排熱回収ポンプ11の搬送能力が上限値である30%となった場合には、制御部15は排熱回収ポンプ11の搬送能力30%で維持する。
以上のように構成された燃料電池システム71について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム71の制御部15は、第1の本発明における温度検知器8bが検知する温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止する温度の具体的な一例として、燃料電池2流出口の温度検知器8bに、所定温度70℃に比べて5℃高い75℃を上限の異常閾値として設定する。また、制御部15は第7の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した上限値を設けることの具体的な実施の一例として、図8に示す上限値を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。燃料電池2を通過する冷却水量が低下するため、燃料電池2の生成熱による回収熱量が増加し、温度検知器8bの検知する冷却水温度は次第に上昇する。制御部15は温度検知器8bの検知する冷却水温度を低下させるため、排熱回収ポンプ11の搬送能力を増加させることにより、燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知する冷却水温度が低下し、さらに温度検知器8bの検知する冷却水温度も低下するが、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、燃料電池2を通過する冷却水量はさらに減少するため、温度検知器8bの検知する冷却水温度は燃料電池2の生成熱による熱回収量の増加により上昇し、排熱回収ポンプ11の搬送能力も増加する。例えば、1,000W運転時に冷却水流路の水量が低下し続け、排熱回収ポンプ11の搬送能力が80%まで増加すると、制御部15は、排熱回収ポンプ11の搬送能力を80%以上には増加させないことから、温度検知器8bの検知する冷却水温度は次第に増加する。温度検知器8bが異常閾値である75℃まで上昇したことを検知すると、制御部15は、燃料電池システム71の運転を停止させる。冷却水ポンプ7は温度検知器8bの検知部より低い位置に構成しているので、冷却水ポンプ7には水で満たされおり、冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。また、排熱回収ポンプ11の搬送能力に上限値を備えることで、冷却水流路の水量低下をより早く検知できるのである。
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図9において、図9と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図9に示すように燃料電池システム91は図3に示す燃料電池システム31と比較して、冷却水ポンプ7は、燃料電池2の上面より高い位置に設ける点で異なっている。冷却水の燃料電池2流出口の温度検知器8bの温度検知部は、冷却水ポンプ7より高い位置に構成する。
本実施の形態では、燃料電池2の流入口の温度検知器8aの検知部は燃料電池2の上面より低い位置に備え、燃料電池2の流出口の温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の上面より高く、温度検知器
8bの検知部より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。また、本実施の形態における冷却水の燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知部を燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第8の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例であり、また、制御部15は、第8の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御し、冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7の能力は、一定の能力として動作する。また、制御部15は、排熱回収ポンプ11の搬送能力に、発電電力に対応した異常閾値(上限値)を設けており、その一例を図10に示す。図10において、横軸は発電電力、縦軸は排熱回収ポンプ11搬送能力であり、排熱回収ポンプ11の最大搬送能力を100%とする。排熱回収ポンプ11の搬送能力の上限値は、発電電力に対して、一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは40%、最高発電電力1,000Wでは70%とし、制御部15は排熱回収ポンプ11の搬送能力が上限値となった場合は、燃料電池システム91の運転を停止する。
以上のように構成された燃料電池システム91について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム91の制御部15は、第8の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値を設けることの具体的な実施の一例として、図8に示す異常閾値(上限値)を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。燃料電池2を通過する冷却水量が低下するため、温度検知器8bの検知する冷却水温度は燃料電池2の生成熱による回収熱量の増加により次第に上昇する。制御部15は温度検知器8bの検知する冷却水温度を低下させるため、排熱回収ポンプ11の搬送能力を増加させることにより、燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知する冷却水温度が低下し、温度検知器8bの検知する冷却水温度も低下するが、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、燃料電池2を通過する冷却水量はさらに減少するため、温度検知器8bの検知する冷却水温度は燃料電池2の生成熱により上昇し、排熱回収ポンプ11の搬送能力も増加する。例えば、1,000W運転時に冷却水流路の冷却水量が低下し続け、排熱回収ポンプ11の搬送能力が異常閾値である70%まで増加すると、制御部15は燃料電池システム91の運転を停止させる。冷却水ポンプの搬送能力に異常閾値を設けることで、燃料電池システム91の運転を停止させることができるため、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転を防止でき、実施の形態1とあわせることで、より正確に冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態7)
図11は、本発明の実施の形態7における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図11において、図1と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図11に示すように燃料電池システム111は図1に示す燃料電池システム1と比較して、冷却水は、燃料電池2の底面から流入し、燃料電池2の上面から流出する点で異なっている。
本実施の形態では、温度検知器8aの検知部は燃料電池2の底面より低い位置に、温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。本実施の形態における冷却水の燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知部を燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における燃料電池2の底面より低い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における温度検知器8a、温度検知器8bは、各々、第2または第4の本発明における第1熱媒体の流入口近傍の温度検知器、第1熱媒体の流出口近傍の温度検知器の具体的一例であり、制御部15は第4の本発明における第1熱媒体の流入口近傍と流出口近傍の温度差が予め定められた範囲から外れたことを検知することの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第7の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例である。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bが検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御する。冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7は、一定の能力で運転する。
以上のように構成された燃料電池システム111について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム111の制御部15は、第4の本発明における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aと冷却水の燃料電池2流出口の温度検知器8bとの温度差の異常閾値の具体的な一例として、(燃料電池2流出口の温度−燃料電池2流入口=0℃)を設定する。このとき、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少して、温度検知器8bの検知部を通過する冷却水量が減少し、温度検知器8bの検知部が冷却水と接触しなくなると、温度検知器8bは温度低下を検知する。制御部15は、温度検知器8bが検知する冷却水温度を上昇させるため、排熱回収ポンプ11の搬送能力を低下させることにより、熱交換器9での回収熱量が低下し、燃料電池2流入口の温度検知器8aが検知する冷却水温度は上昇する。たとえば、温度検知器8aが63℃、温度検知器8bが55℃を検知すると、制御部15は、燃料電池2流出口の温度より燃料電池2流入口の温度が低いことを検知して、燃料電池システム111の運転を停止させる。温度検知器8aと温度検知器8bとの温度差の異常により、燃料電池システム111の運転を停止させることができるため、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転を防止でき、実施の形態1とあわせることで、より正確に冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
本実施の形態では、温度検知部は冷却水ポンプ7の吐出側に構成しているため、冷却水循環量が減少した場合、温度検知部が冷却水ポンプ7の吸入側に構成している実施の形態1の構成と比較してより長く水で満たされることから、より長く燃料電池システム111の運転を継続できる。
一方で温度検知部が冷却水ポンプ7の吸入側に構成している実施の形態1の構成は、実施の形態7の構成と比較して、温度検知部がより早く温度異常値からはずれることから、より早く燃料電池システム1の運転を停止することができる。
(実施の形態8)
図12は、本発明の実施の形態8における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図12において、図1と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図12に示すように燃料電池システム121は図11に示す燃料電池システム111と比較して、冷却水ポンプ7は、燃料電池2の上面より低く、燃料電池の底面より高い位置に設ける点で異なっている。
本実施の形態では、温度検知器8aの検知部は燃料電池2の底面より低い位置に、温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より高く、燃料電池2の上面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、ラジエター39、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、熱交換器、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。また、本実施の形態における温度検知器8a、温度検知器8bは、各々、第2または第4の本発明における第1熱媒体の流入口近傍の温度検知器、第1熱媒体の流出口近傍の温度検知器の具体的一例であり、制御部15は第4の本発明における第1熱媒体の流入口近傍と流出口近傍の温度差が予め定められた範囲から外れたことを検知することの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。また、本実施の形態における燃料電池2の上面より低く、底面より高い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、制御部15は第5の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した下限値を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、冷却水ポンプ7の搬送能力を変化させることで冷却水流路6の冷却水流量を制御し、ラジエター39の能力は一定の能力で運転する。また、制御部15は、冷却水ポンプ搬送能力に、発電電力に対応した下限値を設けており、その一例を図13に示す。図13において、横軸は発電電力、縦軸は冷却水ポンプ搬送能力であり、冷却水ポンプの最大搬送能力を100%とする。冷却水ポンプの搬送能力の下限値は、発電電力に対して、一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは10%、最高発電電力1,000Wでは50%とし、冷却水ポンプの搬送能力は下限値以下にならないように制御する。たとえば、200W運転時に、温度検知器8bの検知する冷却水温度が所定温度より低い68℃になった場合は冷却水ポンプ7の搬送能力を低下させるが、冷却水ポンプ7の搬送能力が下限値である10%となった場合には、制御部15は冷却水ポンプ7の搬送能力を10%で維持する。
以上のように構成された燃料電池システム121について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム121の制御部15は、第4の本発明における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aと燃料電池2流出口の温度検知器8bとの温度差の異常閾値の具体的な一例として、(燃料電池2流出口の温度−燃料電池2流入口の温度差=0℃(正常時:10℃))を設定する。また、制御部15は第5の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した下限値を設けることの具体的な実施の一
例として、図13に示す下限値を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、温度検知器8bの検知部を通過する冷却水量は次第に減少し、温度検知器8bの検知部は冷却水と接触しなくなり、温度検知器8bは温度低下を検知する。制御部15は温度検知器8bの検知する冷却水温度を上昇させるため、冷却水ポンプ7の搬送能力を低下させるが、温度検知器8bの検知部は冷却水と接触していないことから、温度は上昇せず、冷却水ポンプ7の搬送能力は低下しつづける。
たとえば、1,000W運転時に冷却水流路内の水量が低下し続け、冷却水ポンプ7の搬送能力が50%まで低下すると、制御部15は、冷却水ポンプ7の搬送能力を50%で維持する。冷却水ポンプ7の搬送能力が50%以下に低下した場合、燃料電池2を通過する冷却水の循環量がさらに低下し、燃料電池2の生成熱による回収熱量が増加するため、温度検知器8bの検知する冷却水温度はさらに上昇するが、温度検知器8bの温度検知部は冷却水と接触していないことから、温度検知器8bは温度上昇を検知しないため、冷却水ポンプ7の搬送能力に下限値を設けることで、温度検知器8bの検知部を通過する冷却水の温度上昇を防止できるのである。なお、温度検知器8aが60℃、温度検知器8bが58℃を検知すると、制御部15は、燃料電池2流出口の温度より燃料電池2流入口の温度が低いことを検知して、燃料電池システム121の運転を停止させる。
冷却水ポンプ7は温度検知器8bの検知部より低い位置に構成しているので、冷却水ポンプ7には水で満たされおり、冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態9)
図14は、本発明の実施の形態9における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図14において、図12と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図14に示すように燃料電池システム141は図12に示す燃料電池システム12と比較して、制御部15が第6の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値(下限値)を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている点で異なる。
本実施の形態では、温度検知器8bの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の底面より高く、燃料電池2の上面より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、ラジエター39、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、熱交換器、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。本実施の形態における燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知部を燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における燃料電池2の上面より低く、底面より高い位置に冷却水ポンプ7を設ける構成は第3の本発明における第1熱媒体搬送手段は燃料電池の上面より低い位置に配置することの具体的一例である。また、制御部15は第5の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した下限値を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知する冷却水温度が所定温度(
例えば70℃)になるように、冷却水ポンプ7の搬送能力を変化させることで冷却水流路6の冷却水流量を制御し、ラジエター39の能力は、一定の搬送能力で運転する。また、制御部15は、冷却水ポンプ搬送能力に、発電電力に対応した下限値を設け、その一例を図15に示す。図15において、横軸は発電電力、縦軸は冷却水ポンプ搬送能力であり、冷却水ポンプの最大搬送能力を100%とする。冷却水ポンプの搬送能力の下限値は、発電電力に対して、一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは15%、最高発電電力1,000Wでは60%とし、制御部15は、冷却水ポンプの搬送能力が下限値になれば、燃料電池システム141の運転を停止させる。
以上のように構成された燃料電池システム141について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム141の制御部15は、第6の本発明における第1熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値(下限値)を設けることの具体的な実施の一例として、図15に示す上限値を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、燃料電池2流出口の温度検知器8bの検知部を通過する冷却水量は次第に減少し、温度検知器8bの検知部は冷却水と接触しなくなり、温度検知器8bは温度低下を検知する。制御部15は温度検知器8bの検知する冷却水温度を上昇させるため、冷却水ポンプ7の搬送能力を低下させるが、温度検知器8bの検知部は冷却水と接触しないことから、温度検知器8bは冷却水の温度上昇を検知せず、冷却水ポンプ7の搬送能力は低下しつづける。例えば、1,000W運転時に冷却水流路内の水量が低下し続け、冷却水ポンプ7の搬送能力が60%まで低下すると、制御部15は、燃料電池システム141の運転を停止させる。冷却水ポンプ7の搬送能力に異常閾値を設けることで、燃料電池システム141の運転を停止させることができるため、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転を防止でき、実施の形態1とあわせることで、より正確に冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態10)
図16は、本発明の実施の形態10における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図16において、図1と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図16に示すように燃料電池システム161は図1に示す燃料電池システム1と比較して、冷却水ポンプ7を、燃料電池2の上面より高い位置に設ける点で異なっている。
本実施の形態では、温度検知器8aの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の上面より高く、温度検知器8aの検知部より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、熱交換器、および第1熱媒体の具体的な実施の一例であり、制御部15は温度検知器が検知する第1熱媒体の温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止することの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。本実施の形態における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知部を冷却水ポンプと燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第7の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例であり、第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した下限値を設けることの具体的
な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御する。冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7の能力は、一定の能力として動作する。また、制御部15は、排熱回収ポンプ11の搬送能力に、発電電力に対応した下限値を設けており、その一例を図17に示す。図17において、横軸は発電電力、縦軸は排熱回収ポンプ11搬送能力であり、排熱回収ポンプ11の最大搬送能力を100%とする。排熱回収ポンプ11の搬送能力の下限値は、発電電力に対して、一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは10%、最高発電電力1,000Wでは40%とし、制御部15は排熱回収ポンプ11の搬送能力の下限値以下にならないように制御する。すなわち、たとえば、200W運転時に、温度検知器8aの検知する冷却水温度が、所定温度より低い58℃になった場合は排熱回収ポンプ11の搬送能力を低下させるが、排熱回収ポンプ11の搬送能力が下限値である40%となった場合には、制御部15は排熱回収ポンプ11の搬送能力40%で維持する。
以上のように構成された燃料電池システム161について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム161の制御部15は、第1の本発明における温度検知器8aが検知する温度が予め定められた範囲から外れた場合に運転を停止する温度の具体的な一例として、燃料電池2流入口の温度検知器8aに、所定温度60℃に比べて5℃低い55℃を下限値として設定する。また、制御部15は第7の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した下限値を設けることの具体的な実施の一例として、図17に示す下限値を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、温度検知器8aの検知部を通過する冷却水量は次第に減少し、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触しなくなり、温度検知器8aは温度低下を検知する。制御部15は温度検知器8aの検知する冷却水温度を上昇させるため、排熱回収ポンプ11の搬送能力を低下させるが、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触しないことから、温度検知器8aは温度上昇を検知せず、排熱回収ポンプ11の搬送能力は低下しつづける。例えば、1,000W運転時に冷却水流路内の水量が低下し続け、排熱回収ポンプ11の搬送能力が40%まで低下すると、制御部15は、排熱回収ポンプ11の搬送能力を40%で維持する。排熱回収ポンプ11の搬送能力が40%以下に低下した場合、熱交換器での熱回収量がさらに低下するため、温度検知器8aの検知する冷却水温度はさらに上昇するが、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触していないことから、温度検知器8aは温度上昇を検知しない。そのため、排熱回収ポンプ11の搬送能力に下限値を設けることで、温度検知器8aの検知部を通過する冷却水の温度上昇を防止できるのである。温度検知器8aが55℃以下であることを検知すると、制御部15は、燃料電池システム161の運転を停止させる。
冷却水ポンプ7は温度検知器8aの検知部より低い位置に構成しているので、冷却水ポンプ7には水で満たされおり、冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。
(実施の形態11)
図18は、本発明の実施の形態11における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図18において、図1と互いに同一あるいは、相当する部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図18に示すように燃料電池システム181は図16に示す燃料電池システム16と比
較して、制御部15が第8の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値(下限値)を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている点で異なる。
本実施の形態では、温度検知器8aの検知部は燃料電池2の上面より高い位置に備える。また、冷却水ポンプ7は燃料電池2の上面より高く、温度検知器8aの検知部より低い位置に備える。
なお本実施の形態における構成部材としての冷却水流路6、冷却水ポンプ7、および、流体としての冷却水は、各々、第1の本発明における第1熱媒体経路、第1熱媒体搬送手段、熱交換器、および第1熱媒体の具体的な実施の一例である。本実施の形態における冷却水の燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知部を冷却水ポンプと燃料電池2の上面より高い位置に設ける構成は第2の本発明における温度検知器の少なくとも一つは燃料電池の上面より高い位置に配置することの具体的一例である。また、本実施の形態における構成部材としての排熱回収水流路10、排熱回収ポンプ11、流体としての排熱回収水は、各々、第8の本発明における第2熱媒体経路、第2熱媒体搬送手段、および第2熱媒体の具体的な実施の一例であり、第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値(下限値)を設けることの具体的な実施の一例としてその機能を備えている。
制御部15は、燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知する冷却水温度が所定温度(例えば70℃)になるように、排熱回収ポンプ11の能力を変化させることで排熱回収水流路10の排熱回収流量を制御する。冷却水流路6に冷却水を通流させる冷却水ポンプ7の能力は、一定の能力として動作する。また、制御部15は、排熱回収ポンプ11の搬送能力に、発電電力に対応した異常閾値(下限値)を設けており、その一例を図19に示す。図19において、横軸は発電電力、縦軸は排熱回収ポンプ11搬送能力であり、排熱回収ポンプ11の最大搬送能力を100%とする。排熱回収ポンプ11の搬送能力の下限値は、発電電力に対して、一次直線となるように設定し、最低発電電力200Wでは15%、最高発電電力1,000Wでは45%とし、制御部15は排熱回収ポンプ11の搬送能力の下限値以下になった場合は、燃料電池システム181の運転を停止する。
以上のように構成された燃料電池システム181について、以下その動作、作用を説明する。本実施の形態における燃料電池システム181の制御部15は、第8の本発明における第2熱媒体搬送能力に発電電力に対応した異常閾値(下限値)を設けることの具体的な実施の一例として、図19に示す下限値を設定する。このとき、冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩すると、冷却水流路6の冷却水の循環量が次第に減少し、冷却水流路6の上部から水が満たされなくなり、冷却水流路6の最高部に配置した燃料電池2も水で満たされなくなる。冷却水流路6内の水が蒸発もしくは漏洩しつづけると、燃料電池2流入口の温度検知器8aの検知部を通過する冷却水量は次第に減少し、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触しなくなり、温度検知器8aは温度低下を検知する。制御部15は温度検知器8aの検知する冷却水温度を上昇させるため、排熱回収ポンプ11の搬送能力を低下させるが、温度検知器8aの検知部は冷却水と接触しないことから、温度検知器8aは温度上昇を検知せず、排熱回収ポンプ11の搬送能力は低下しつづける。例えば、1,000W運転時に冷却水流路内の水量が低下し続け、排熱回収ポンプ11の搬送能力が45%まで低下すると、制御部15は、燃料電池システム18の運転を停止させる。排熱回収ポンプ11の搬送能力に異常閾値を設けることで、燃料電池システム181の運転を停止させることができるため、冷却水ポンプ7に水が満たされない状態での運転を防止でき、実施の形態1とあわせることで、より正確に冷却水ポンプ7の故障を防止でき、水位検知器を使用しなくても、冷却水流路6の冷却水量の減少を検知することができるのである。