JP2010281509A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 定常流の冷媒が流入する熱交換器1の流路5の全長に対して、定常流を非定常化させる非定常化領域15の割合を従来よりも小さくする。
【解決手段】 縦長フィン11をオフセット配置することにより、従来の配置である碁盤目状配置よりも非定常化領域15を短縮する。さらに、流路5の全長にわたって熱交換器1に縦長フィン11をオフセット配置すると熱交換器1内を流れる冷媒の通風抵抗が増加することから、非定常化領域15に当たる流路5の上流側には縦長フィン11をオフセット配置するとともに非定常流通過領域16に当たる流路5の下流側には横長フィン12を配置する。流路5の全長のうち、下流側に横長フィン12を配置することにより熱交換器1内を流れる冷媒の通風抵抗の増加を防ぐ。
【選択図】図2
【解決手段】 縦長フィン11をオフセット配置することにより、従来の配置である碁盤目状配置よりも非定常化領域15を短縮する。さらに、流路5の全長にわたって熱交換器1に縦長フィン11をオフセット配置すると熱交換器1内を流れる冷媒の通風抵抗が増加することから、非定常化領域15に当たる流路5の上流側には縦長フィン11をオフセット配置するとともに非定常流通過領域16に当たる流路5の下流側には横長フィン12を配置する。流路5の全長のうち、下流側に横長フィン12を配置することにより熱交換器1内を流れる冷媒の通風抵抗の増加を防ぐ。
【選択図】図2
Description
本発明は熱交換器に関する。
熱交換器は空気等の冷媒が通過することにより熱交換が行われ、熱交換器内の冷媒の流れが、流れの場の任意の点における状態量が時間に対して変化しない定常流である場合よりも流れの場の任意の点における状態量が時間に対して変化する非定常流である場合の方が熱交換効率が向上することが知られている。そこで、定常流の冷媒が流入する熱交換器においては定常流を非定常化するために、また、非定常流が流入する場合でも途中で定常化したときに再び非定常化できるように、定常流の非定常化を促進する手段を熱交換器に設けることで熱交換効率を高めている。
冷媒の流れの非定常化を促進するための手段の一つとして、熱交換器内に設けられ、冷媒が通過する流路に縦長フィンと呼ばれるフィンを配置することが挙げられる。縦長フィンとは流路の延伸方向の長さよりも流路の延伸方向に垂直な方向の長さの方が長いフィンのことを指し、流路の延伸方向の長さの方が長い横長フィン等と比較して定常流を非定常化するのに適していることが知られている。このことから、従来から定常流を非定常化するために流路には縦長フィンが配置されている。
例えば特許文献1では、定常流が流入する熱交換器において、流路の延伸方向に沿って縦長フィンを碁盤目状に配置することにより熱交換器に流入する定常流の冷媒の流れを非定常化させている。
縦長フィンが配置された流路内の領域は、定常流を非定常化させる非定常化領域と、非定常化領域よりも下流側に存在し、非定常流が流れる非定常流通過領域とに分けることができる。高い熱交換効率を得るためには流路の全長のうち、定常流が流れる非定常化領域の割合はできるだけ小さい方が望ましい。
そこで、本発明は流路の全長のうち流路内の非定常化領域の割合を従来よりも小さくした熱交換器を提供することを目的とする。
本発明に係る熱交換器は、冷媒と熱交換を行うために冷媒が流れる流路に沿って複数並べて配置され、前記流路の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する辺の長さL1Pと、前記流路の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する辺の長さL1Vと、がL1V>L1Pであって、前記流路の延伸方向に対してオフセット配置されている縦長フィンと、前記縦長フィンの下流に設けられ、冷媒と熱交換を行うために前記流路の延伸方向に沿って複数並べて配置され、前記流路の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する辺の長さL2Pと、前記流路の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する辺の長さL2Vと、がL2V<L2Pである横長フィンと、を備えることを特徴とする。
ここで、オフセット配置とは、流路の延伸方向に対して垂直な方向について、フィンの配置が1つ前方(流路の上流側)のフィンに対してずれた位置に配置されていることを意味している。
また、本発明に係る熱交換器は、前記縦長フィンのL1Pに対するL1Vの比が、2から22であることを特徴とする。
また、本発明に係る熱交換器は、前記流路の延伸方向における前記縦長フィン同士の間隔が、0.5L1Vから2L1Vであることを特徴とする。
また、本発明に係る熱交換器は、前記流路の延伸方向に垂直な方向における前記縦長フィン同士の間隔が、0からL1Vであることを特徴とする。
縦長フィンをオフセット配置することにより、従来の縦長フィンを碁盤目状に配置した場合と比較して、非定常化領域を短縮することができる。
さらに、流路の延伸方向の全長にわたって熱交換器に縦長フィンをオフセット配置すると熱交換器内を流れる冷媒の通風抵抗が増加することにより冷媒が熱交換器に流入しにくくなるという別の問題が生じうるが、本発明では非定常化領域にはオフセット配置された縦長フィンを設ける一方で非定常流通過領域には通風抵抗の少ない横長フィンを設けている。これにより熱交換器内を流れる冷媒の通風抵抗の増加を防いでいる。
本発明に係る熱交換器1の構成について、図1を用いて説明する。熱交換器1は上壁2と、上壁2に対向して設けられた底壁3と、上壁2と底壁3との間に設けられた側壁4とを備えている。これら上壁2、底壁3、側壁4,4は空気等の冷媒が流れる流路5を構成している。
さらに側壁4,4の間には複数のチューブ6が側壁4と略平行に設けられている。ここで、上壁2および底壁3の内部にはチューブ6に接続する管路7が形成され、この管路7およびチューブ6には液体が流れる。
また、チューブ6の周辺には複数のフィン10が設けられている。チューブ6およびフィン10の構成について図2に示す。チューブ6は流路5の延伸方向、すなわち、図1のy軸で示すように熱交換器1の冷媒流入面8から冷媒流出面9に向かう方向に沿って延びている。また、フィン10は縦長フィン11及び横長フィン12から構成され、縦長フィン11および横長フィン12は流路5の延伸方向に沿ってチューブ6の周辺に配置されている。
ここで、縦長フィン11の定義につき、本発明においては、図3に示すように、流路5の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する辺の長さL1Pと、流路5の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する辺の長さL1Vと、がL1V>L1Pであるフィン10を縦長フィン11と呼ぶ。また、横長フィン12の定義につき、流路5の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する辺の長さL2Pと、流路5の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する辺の長さL2Vと、がL2V<L2Pであるフィン10を横長フィン12と呼ぶ。
図2に戻り、縦長フィン11は流路5の上流側、すなわち熱交換器1の冷媒流入面8側に設けられている。一方、横長フィン12は流路5の下流側、すなわち熱交換器1の冷媒流出面9側に設けられている。
ここで、縦長フィン11はオフセット配置されている。オフセット配置とは、後述する図7に示すように、流路5の延伸方向に対して垂直な方向について、フィン10の配置が1つ前方(流路5の上流側)のフィン10に対してずれた位置に配置されていることを意味している。本発明においては、縦長フィン11をオフセット配置することにより、従来の碁盤目状配置に比べて非定常化領域を短縮している。以下、熱交換器1において行われる熱交換について説明した後、本発明に係る熱交換器1と従来の熱交換器1の非定常化領域の長さを比較する。
まず、熱交換器1において行われる熱交換について説明する。図1にて示すように、熱交換器1の冷媒流入面8から流路5に空気等の冷媒が通過する。冷媒が流路5を流れる際に冷媒と、チューブ6、縦長フィン11および横長フィン12との間で熱交換が行われることによりチューブ6内を流れる液体が冷却される。
ここで、熱交換器1の冷媒流入面8に定常流の冷媒が流入した場合、この定常流は流路5内の縦長フィン11によって流れがかく乱されることによって非定常化する。この点について、縦長フィン11を碁盤目状に配置した流路(以下、碁盤目状配置型流路と呼ぶ)30、および、縦長フィン11をオフセット配置した流路(以下、オフセット配置型流路と呼ぶ)31における定常流の非定常化について流体解析を行った結果得られた流れのパターンを図4に示す。
なお、この流体解析では、碁盤目状配置型流路30について縦長フィン11の列を2列にしている。また、碁盤目状配置型流路30とオフセット配置型流路31に流入する冷媒は流速3m/sの定常流としている。
図4に、流路5の長さが等しい碁盤目状配置型流路30とオフセット配置型流路31が示されている。両者の流路5とも、流路5の上流側に非定常化領域15が形成され、下流側に非定常流通過領域16が形成されている。ここで、流体解析の結果、碁盤目状配置型流路30における非定常化領域15の割合は流路5の全長の約半分程度であるのに対し、オフセット配置型流路31における非定常化領域15の割合は流路5の全長の2割程度に短縮され、碁盤目状配置型流路30と比べてオフセット配置型流路31の非定常流通過領域16の割合が大幅に増加することが分かった。
ここで、上述の流体解析における縦長フィン11における熱伝達率と、流路5の流入部からの距離との関係を図5に示す。ここで、白抜きの三角プロットは碁盤目状配置型流路30における縦長フィン11の熱伝達率を示し、一方で黒塗りの三角プロットはオフセット配置型流路31における縦長フィン11の熱伝達率を示している。なお、熱伝達率とは、固体表面とその周辺を流れる流体との間の熱伝達のし易さを表すパラメータであり、熱伝達率が高いほど熱交換効率が高い。図5のグラフから、碁盤目状配置型流路30においては流路5の全長に対する定常流が流れる非定常化領域15の割合が大きいために流路5の上流側の熱伝達率が低いのに対して、オフセット配置型流路31においては非定常化領域15の割合が小さいために流路5のほぼ全長にわたって高い熱伝達率を有しており、碁盤目状配置型流路30よりも熱交換効率が高いことが理解される。
さらに、碁盤目状配置型流路30およびオフセット配置型流路31を流れる冷媒の無次元温度と、流路5の流入部からの距離との関係を図6に示す。ここで無次元温度とは、空気の流出時の温度と流入時との温度差である温度上昇量を、フィンの壁部分の温度と空気の流入時の温度との温度差で割った無次元のパラメータである。また、図6に示すグラフにおいては白抜きの丸型プロットは碁盤目状配置型流路30における冷媒の無次元温度を示し、一方で黒塗りの丸型プロットはオフセット配置型流路31における冷媒の無次元温度を示している。碁盤目状配置型流路30においては冷媒の無次元温度の値が低い、すなわち縦長フィン11からの熱伝達率が小さいが、オフセット配置型流路31における冷媒の無次元温度は流路5の入り口側から上昇しており、縦長フィン11からの熱伝達率が高いことを示している。このグラフによっても、オフセット配置型流路31が碁盤目状配置型流路30に比べて熱伝達率が高いことが理解される。
以上説明したように、縦長フィン11をオフセット配置することにより、従来の碁盤目状配置と比較して著しい熱交換効率の向上が図られる。ここで、熱交換効率向上の理由として、以下に説明する<1>流れの加速化<2>流れの蛇行化<3>渦の成長の3つの要素が作用することによるものと推定される。
まず、<1>流れの加速化について説明する。図7には縦長フィン11と、縦長フィン11の周辺を流れる冷媒の流れのパターンが示されている。ここでは冷媒の流れの主流を矢印20で示す。流路5に流入した定常流の冷媒はまず流路5の最上流にある第1の縦長フィン21に衝突する。第1の縦長フィン21に衝突した冷媒の主流20は第1の縦長フィン21の端部に流れ、矢印22に示すように第1の縦長フィン21端部から剥離する。このとき第1の縦長フィン21の後方には流速がほぼ0またはきわめて低い流速の冷媒がとどまる淀み域23が発生する。ここで、第1の縦長フィン21から剥離した冷媒の主流20は第1の縦長フィン21から離れるように斜め下流方向に流れ、これに伴って淀み域23の縦方向(流路の延伸方向に対して垂直の方向)の長さは第1の縦長フィン21の長さL1Vよりも長くなる。
同様にして、第1の縦長フィン21に対してオフセット配置された第2の縦長フィン24の後方にも縦方向の長さが第2の縦長フィン24よりも縦方向の長さが長い淀み域23が発生する。
冷媒の主流20は淀み域23を通過するようには流れず、淀み域23を避けるように流れる。第1の縦長フィン21から剥離した冷媒の主流20は第2の縦長フィン24の側方を通過して第1の縦長フィン21の後方に配置された第3の縦長フィン25に向かう。一方、第2の縦長フィン24後方の淀み域23は縦方向に延びており、この淀み域23を避けるようにして流れる冷媒の主流20の流路面積は狭くなる。ここで、定常流においては任意の流れ方向に垂直な断面を通過する流量Qは時間に対して変化しないから、Q=AV(ただし、Aは流路面積、Vは流速)、より、流路面積Aが減少すると冷媒の流速Vが増す。冷媒の流速が増加するほど流れ場のかく乱が大きくなることが知られており、かく乱が成長することによって流れは非定常化する。このように、縦長フィン11をオフセット配置することにより冷媒の流れが加速し、かく乱が成長することから、流れの非定常化が促進される。
次に、<2>流れの蛇行化について説明する。図7に示すように、縦長フィン11がオフセット配置されていることにより、冷媒の主流20の流れは蛇行する。蛇行する流れにおいては蛇行の内側の流れよりも外側の流れの方が速くなる。この結果、流路5内を流れる冷媒の流速が不均一になり、流れが不安定となる。流れの不安定性を増大させることで流れの非定常化が促進される。
次に、<3>渦の成長について説明する。前述したように、縦長フィン11の後方には淀み域23が発生し、淀み域23内には渦26が発生している。この渦26は流れの主流20に対して振動を与える。この振動により冷媒の流れが不安定となり、流れの非定常化が促進される。ここで、前述した<1>の作用により冷媒の主流20の流速は増加する。流速が増加すると渦26が大きくなる。渦26が大きくなると冷媒の主流20に与える振動が大きくなり、流れの不安定性が増加する。この結果、流れの非定常化が促進される。さらに冷媒の主流20の流速が増加すると渦26は縦長フィン11端部後方にとどまる双子渦から縦長フィン11から離れた位置に発生するカルマン渦に変化する。カルマン渦は双子渦よりも流れを不安定にさせることが知られており、流れの非定常化がさらに促進される。
以上、オフセット配置された縦長フィン11における、流れを非定常化させる仕組みについて説明した。ここで、上記の説明には本発明の作用効果についての理論的な理解を助けるための仮説も含まれており、本発明の作用効果を得る上で上記3つの要素が厳密に作用されることは必ずしも必要ではない。
なお、上記3つの要素に照らし、縦長フィン11のオフセット配置につき、流路5の延伸方向における縦長フィン11同士の距離は0.5L1Vから2L1Vであることが望ましい。縦長フィン11同士の距離が近すぎると図8Aに示すように縦長フィン11と淀み域23との間隔が縮み、流れの主流20がこの間隔を流れる上で通風抵抗が過大になるからである。また一方で縦長フィン11同士の距離が遠すぎると図8Bのように一旦狭くなった冷媒の流路面積が広がってしまい、前述した<1>流れの加速化の効果が低減するからである。
また、流路5の延伸方向に垂直な方向における縦長フィン11同士の距離は0(図7の状態)からL1Vであることが望ましい。縦長フィン11同士の距離が近すぎると図9Aのように縦長フィン11と淀み域23との間隔が狭い領域が延び、冷媒の主流20が当該領域を流れる上で通風抵抗が過大になるからである。また一方で縦長フィン11同士の距離が遠すぎると図9Bのように淀み域23による流路面積の減少効果が小さくなり前述した<1>流れの加速化の効果が得られなくなるからである。
次に、図10にオフセット配置型流路31において縦長フィン11の形状を種々変更して流体解析を行ったときの、流路5の全長に対する非定常化領域15の割合の変化を示す。ここでは、縦長フィン11の形状についてアスペクト比という概念を導入する。アスペクト比とは縦長フィン11の辺の長さについて、流路5の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する縦の辺の長さL1Vに対する流路5の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する横の辺の長さL1Pの比L1V/L1Pで表される数値である。
ここで、縦長フィン11の縦の辺の長さL1Vが0.5mm以下の場合は流路5の延伸方向における縦長フィン11同士の距離を0.5mmとした。この流路5における解析結果のグラフを実線で示す。この解析結果によれば、アスペクト比が2以上となると好適に非定常流通過領域16が形成される。また、縦長フィン11の縦の辺の長さL1Vが0.5mmより長い場合には縦長フィン11同士の距離を0.75mmとした。この解析結果のグラフを破線で示す。この解析結果によれば、アスペクト比が22以下であれば非定常流通過領域16が好適に形成される。
以上、オフセット配置された縦長フィン11の機能や形状について説明した。次に、オフセット配置された縦長フィン11の下流側に配置された横長フィン12の作用について説明する。
横長フィン12は、流路5の通風抵抗の増加を防止するためにオフセット配置された縦長フィン11の下流に設けられている。すなわち、流路5の全長にわたって縦長フィン11をオフセット配置した場合、碁盤目状に配置された場合よりも通風抵抗が増加するという別の問題が発生する。通風抵抗が増加すると流路5に流入する冷媒の流量が減少するから、結果として熱交換効率が低下するおそれがある。そこで本発明では非定常化領域に縦長フィン11を配置し、非定常流通過領域には横長フィン12を設けている。横長フィン12は縦長フィン11よりも通風抵抗が低いため、流路5の通風抵抗の増加を防ぐことが可能となる。
次に、横長フィン12の配置や形状を変形した熱交換器1の例を図11に示す。図11Aにはオフセット配置された横長フィン12が配置された熱交換器1が示されている。また、図11Bには流路5の延伸方向に対して傾斜した2列の横長フィン12が配置された熱交換器1が示されている。また、図11Cには流路5の延伸方向に対して傾斜した3列の横長フィン12が配置された熱交換器1が示されている。また、図11Dには非定常流通過領域の全長にわたる長さを有する2枚の横長フィン12が配置された熱交換器1が示されている。また、図11Eには非定常流通過領域の上流には流路5の延伸方向の辺の長さL2Pを短くした第1の横長フィン42が配置され、その下流には第1の横長フィン42よりもL2Pが長い第2の横長フィン43が配置された熱交換器1が示されている。これら図11Aから図11Eに示されたいずれの熱交換器1についても、従来の碁盤目状配置型流路30を備えた熱交換器1よりも流路5の全長に対する非定常化領域15の割合が小さくなり、熱交換効率が向上する。
また、本発明に係る熱交換器1を空調用のエバポレータに搭載した例を図12に示す。エバポレータでは、フィン間を通過する空気の温度が低下し、この空気温度の低下に伴って空気中の水蒸気がフィン上に凝縮することにより流路面積が小さくなって通風抵抗が増大する場合があるが、本発明に係る熱交換器1によれば水分凝縮による通風抵抗の増加を防ぐことができる。すなわち、図12に示すように空気中の水分はまず縦長フィン11に衝突する。その際に縦長フィン11上には水分が凝縮する。縦長フィン11上の凝縮水の量が増加して凝縮水の水滴が大きくなると重力の作用により凝縮水は縦長フィン11から垂れ、これにより縦長フィン11から凝縮水が除去される。さらに、流路5の上流において空気が縦長フィン11と衝突する際に水分がほぼ凝縮されて空気中から除去されるから、下流の横長フィン12上には除湿された空気が流れることになり、横長フィン12上には水分が殆ど凝縮しない。したがって、本発明における熱交換器1をエバポレータに用いればフィン上に水分が凝縮することによる通風抵抗の増加や熱交換量の減少を防ぐことができる。
次に、本発明にかかる熱交換器1について、縦長フィン11および横長フィン12の設置例を図13から図18に示す。
図13に示す熱交換器1においては、チューブ6に第1のコルゲートフィン50と第2のコルゲートフィン51とが設置されている。第1のコルゲートフィン50は一枚の板を折り曲げた状態でチューブ6に設置されており、流路5の延伸方向に対する垂直面52を複数設けている。垂直面52には複数の四角孔53が打ち抜かれており、四角孔53の横幅(図13Aにおけるx方向の幅)は垂直面よりもやや小さい幅であり、また縦方向の幅(図13Aにおけるz方向の幅)は第1のコルゲートフィン50の板厚よりも長く構成されている。第1のコルゲートフィン50の板厚よりも四角孔53の縦幅を長く取ることにより、四角孔53が打ち抜かれていない部分が縦長フィン11として機能する。一方、第2のコルゲートフィン51は流路5の延伸方向に対して平行に配置され、さらにフィンの板材の一部を切り込んで折り曲げることにより傾斜板54を形成している。傾斜板54を切り込む際には傾斜板54の流路5の延伸方向の長さを第2のコルゲートフィン51の板厚よりも長く設け、さらに、傾斜板54を折り曲げる際には流路の延伸方向に対して0°以上45°未満となるように折り曲げる。このような構造をとることにより第2のコルゲートフィン51は横長フィン12として機能する。
また、図14に示す熱交換器1においては、チューブ6に一枚のコルゲートフィン55が設置されている。このコルゲートフィン55は流路5の延伸方向に対して平行に配置され、さらに一部が切り込まれて折り曲げられており、その折り曲げ部が第1の折り曲げ部56と第2の折り曲げ部57とから構成されている。第1の折り曲げ部56および第2の折り曲げ部57を切り込む際には、第1の折り曲げ部56および第2の折り曲げ部57の流路5の延伸方向の長さをコルゲートフィン55の板厚よりも長くなるように切り込み、さらに、第1の折り曲げ部56を折り曲げる際には流路5の延伸方向に対して45°以上90°以下となるように折り曲げ、一方で第2の折り曲げ部57を折り曲げる際には流路5の延伸方向に対して0°以上45°未満となるように折り曲げる。このような構造をとることにより第1の折り曲げ部56は縦長フィン11として機能し、また一方で第2の折り曲げ部57は横長フィン12として機能する。
また、図15に示す熱交換器1においては、チューブ6が等間隔に設置され、それぞれのチューブ6に横長フィン12の役割を果たす第2のコルゲートフィン51が設けられている。さらに、この熱交換器1には複数のチューブ6にわたって設置されるプレートフィン60を備える。プレートフィン60にはチューブ6に挿入するためチューブ6と同じ幅の溝61が設けられ、この溝61に沿ってプレートフィン60をチューブ6に挿入することによりプレートフィン60がチューブ6に固定される。さらにプレートフィン60には複数の四角孔53が打ち抜かれている。四角孔53の横幅はプレート板62の横幅よりもわずかに小さい幅であり、また四角孔53の縦幅はプレート板62の板厚よりも長く構成されている。このような四角孔53の構成により、プレート板62の四角孔53で打ち抜かれていない部分が縦長フィン11として機能する。
また、図16Aには縦長フィン11と、横長フィン12の役割を果たす第2のコルゲートフィン51とがチューブ6に設けられている。図16Aに示す熱交換器1においては、縦長フィン11をプレートフィン60の一部を切り書くことによって形成している。すなわち、図16Bに示すようにまずチューブ6にプレートフィン60を設置し、その後図16Cのようにプレートフィン60の一部を切り欠く。この時、切り欠きの縦方向の幅はプレートフィン60の板厚よりも長くなるように構成されている。これにより切り欠かれなかったプレートフィン60の部分は図16Aに示すような縦長フィン11として機能する。
また、図17には熱交換器1を上から見たときの図が示されている。この熱交換器1はチューブ6と縦長フィン11が一体成形された縦長フィン付きチューブ63と、横長フィン12として機能する第2のコルゲートフィン51とを複数組み合わせることにより熱交換器1を組み立てる例を示している。この例においては、第2のコルゲートフィン51の図17から見て横方向の幅LW2を縦長フィン11の幅LW1よりも大きく構成している。これは、縦長フィン11が隣接するチューブ6に当接することにより縦長フィン11が曲がるのを防ぐためである。すなわち、縦長フィン付きチューブ63と第2のコルゲートフィン51を複数組み合わせたときに縦長フィン11と隣接するチューブ6との間に間隙部64が形成されるように、第2のコルゲートフィン51の幅を縦長フィン11の幅よりも大きくしている。
なお、縦長フィン11と隣接するチューブ6との間に間隙部64を設ける代わりに、図18に示すように縦長フィン11の端部に接着用の突起65を設けても良い。この突起65は柔軟性を備えており、隣接するチューブ6に当接したときに当接時の衝撃を吸収して縦長フィン11が曲がるのを防ぐ。この突起65により隣接するチューブ6と縦長フィン11とが接続され、チューブ6間で熱が伝わりやすくなる。
以上、熱交換器1内の縦長フィン11および横長フィン12の設置例を図13から図18に示したが、いずれの熱交換器1においても、従来の碁盤目状配置型流路30を備えた熱交換器1よりも流路5の全長に対する非定常化領域15の割合が小さくなり、熱交換効率が向上する。
1 熱交換器、2 上壁、3 底壁、4 側壁、5 流路、6 チューブ、7 管路、8 冷媒流入面、9 冷媒流出面、10 フィン、11 縦長フィン、12 横長フィン、15 非定常化領域、16 非定常流通過領域、20 冷媒の主流、23 淀み域、26 渦、30 碁盤目状配置型流路、31 オフセット配置型流路。
Claims (4)
- 熱交換器であって、
冷媒と熱交換を行うために冷媒が流れる流路に沿って複数並べて配置され、前記流路の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する辺の長さL1Pと、前記流路の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する辺の長さ
L1Vと、がL1V>L1Pであって、前記流路の延伸方向に対してオフセット配置されている縦長フィンと、
前記縦長フィンの下流に設けられ、冷媒と熱交換を行うために前記流路の延伸方向に沿って複数並べて配置され、前記流路の延伸方向に対して0°以上45°未満の角度を有する辺の長さL2Pと、前記流路の延伸方向に対して45°以上90°以下の角度を有する辺の長さL2Vと、がL2V<L2Pである横長フィンと、
を備えることを特徴とする、熱交換器。 - 請求項1記載の熱交換器であって、
前記縦長フィンのL1Pに対するL1Vの比が、2から22であることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1記載の熱交換器であって、
前記流路の延伸方向における前記縦長フィン同士の間隔が、0.5L1Vから2L1Vであることを特徴とする熱交換器。 - 請求項2記載の熱交換器であって、
前記流路の延伸方向に垂直な方向における前記縦長フィン同士の間隔が、0からL1Vであることを特徴とする熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009135172A JP2010281509A (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2010281509A true JP2010281509A (ja) | 2010-12-16 |
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ID=43538407
Family Applications (1)
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JP2009135172A Pending JP2010281509A (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 熱交換器 |
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JP (1) | JP2010281509A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015107814A1 (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | 株式会社ミクニ | 熱交換器用伝熱管および熱交換器 |
-
2009
- 2009-06-04 JP JP2009135172A patent/JP2010281509A/ja active Pending
Cited By (1)
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