JP2010272595A - 光学素子、投影光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高次成分も含めて複屈折を低減して優れた光学特性を実現することができる技術を提供する。
【解決手段】180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられ、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子であって、透過部材と、前記透過部材の光線有効領域に形成された反射防止膜と、を有し、前記反射防止膜は、入射する光線のS偏光及びP偏光に対して0.5%以下の反射率を有し、入射する光線の波長をλとして、前記光線有効領域に40度の入射角度で入射して前記反射防止膜を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差が6mλ以上となるように構成されていることを特徴とする光学素子を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられ、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子であって、透過部材と、前記透過部材の光線有効領域に形成された反射防止膜と、を有し、前記反射防止膜は、入射する光線のS偏光及びP偏光に対して0.5%以下の反射率を有し、入射する光線の波長をλとして、前記光線有効領域に40度の入射角度で入射して前記反射防止膜を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差が6mλ以上となるように構成されていることを特徴とする光学素子を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学素子、投影光学系、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
フォトリソグラフィー技術を用いて半導体メモリや論理回路などの微細な半導体デバイスを製造する際に、投影露光装置が使用されている。投影露光装置は、レチクル(マスク)に形成された回路パターンを投影光学系によってウエハ等(基板)に投影して回路パターンを転写する。
投影露光装置で転写できる最小の寸法(解像度)は、露光に用いる光(露光光)の波長に比例し、投影光学系の開口数(NA)に反比例する。従って、波長を短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、解像度はよくなる。このため、半導体デバイスの微細化への要求に伴い、露光光の短波長化及び投影光学系の高NA化が進められてきた。
また、投影光学系には、複屈折を極限まで抑えることが要求されている。投影光学系の複屈折は、光学素子(透過素子)の内部における硝材複屈折と、光学素子の表面に形成された光学薄膜(例えば、反射防止膜)の二偏光間位相差とに大別される。
まず、第1の複屈折としての硝材複屈折について説明する。250nm以下の波長の光に対して用いられる投影光学系の透過素子には、主として、合成石英及びフッ化物系結晶材料が使用されている。透過素子は、一般に、透過素子の結晶配向性による真性複屈折と、透過素子の内部応力による応力複屈折とを有していることが知られている。例えば、フッ化物系結晶材料の1つである蛍石(フッ化カルシウム)は、光学特性上無視できない程度の真性複屈折を有することが報告されている。また、紫外領域の光に対して広く用いられている合成石英のような非結晶材料は、結晶配向性による真性複屈折を実質的に有していない。但し、合成石英においては、熱応力に起因すると考えられる応力複屈折が実験的に観測されており、その複屈折量が投影光学系の光学性能に与える影響は小さくない。
次に、第2の複屈折としての光学薄膜の二偏光間位相差について説明する。投影光学系に用いられる透過素子の表面に形成される反射防止膜を光線が通過する際には、一般的に、S偏光の透過位相とP偏光の透過位相との間に差(二偏光間位相差)が生じる。かかる二偏光間位相差は、透過素子の内部で発生する複屈折と同様に扱えるため、複屈折とみなすことができる。
そこで、各光学素子の硝材複屈折と各面の光学薄膜の二偏光間位相差とを互いに打ち消す(即ち、硝材複屈折と二偏光間位相差とを相殺する)ことによって、投影光学系の全系の複屈折を小さくする技術が提案されている(特許文献1参照)。具体的には、特許文献1は、光学素子の表面に形成される光学薄膜(反射防止膜)の二偏光間位相差を用いて結晶性硝材の真性複屈折や応力複屈折を制御することを開示している。なお、光学薄膜への入射角度が大きくなるほど二偏光間位相差が大きくなるため、一般的には、最大入射角度が大きい、例えば、55度以上の光学薄膜が用いられる。特許文献1では、使用波長157nmにおいて、最大入射角度が60度程度の反射防止膜が用いられている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術(即ち、入射角度範囲が大きい反射防止膜)で打ち消すことができる複屈折は、主に、低次成分の複屈折に限定されるため、高次成分の複屈折が残り、投影光学系の光学性能を著しく損なってしまう。
図8は、55度以上の入射角度で入射する193nmの波長の光に対して用いられる3種類の反射防止膜AR1、AR2及びAR3の光線の入射角度に対する位相差(即ち、位相差の入射角度依存性)を示す図である。図8では、縦軸に位相差[mλ]を採用し、横軸に入射角度[度]を採用している。また、位相差については、S偏光がP偏光に対して遅れる場合を正、S偏光がP偏光に対して進む場合を負としている。反射防止膜AR1、AR2及びAR3は、55度までの入射角度の光に対する反射率を抑えながら(即ち、反射防止特性を維持しながら)、互いに異なる位相差特性で構成されている。
図9は、硝材複屈折に起因する位相差の射出瞳面内分布の一例を示す図である。図9では、縦軸に位相差[mλ]を採用し、横軸に射出瞳座標Pを採用している。また、位相差が射出瞳面内で回転対称な分布を有すると仮定している。図9を参照するに、射出瞳座標Pが大きくなるにつれて、位相差が増大している。これは、硝材の製造工程において、硝材の周辺部に応力が残存しやすいからである。
このような硝材複屈折は、投影光学系を構成する複数の光学素子のそれぞれに形成する反射防止膜として、図8に示す反射防止膜AR1、AR2及びAR3を適当に選択することで低減させることが可能である。但し、図8に示されているように、光線の入射角度が45度を超えた場合、光線の入射角度が増加するにつれて、反射防止膜AR1、AR2及びAR3の位相差は共に減少している。従って、反射防止膜AR1、AR2及びAR3を適当に選択して投影光学系の全系の二偏光間位相差を低減させる場合に、相殺することが困難な成分として残ってしまう。このような相殺困難な位相差成分は、二偏光間位相差の射出瞳面分布の高次成分となって表れ、上述したように、投影光学系の光学性能を著しく低下させてしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、高次成分も含めて複屈折を低減して優れた光学特性を実現することができる技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光学素子は、180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられ、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子であって、透過部材と、前記透過部材の光線有効領域に形成された反射防止膜と、を有し、前記反射防止膜は、入射する光線のS偏光及びP偏光に対して0.5%以下の反射率を有し、入射する光線の波長をλとして、前記光線有効領域に40度の入射角度で入射して前記反射防止膜を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差が6mλ以上となるように構成されていることを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、高次成分も含めて複屈折を低減して優れた光学特性を実現する技術を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としての投影光学系100の構成を示す概略断面図である。投影光学系100は、180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられる光学系であって、物体面OPのパターン(例えば、物体面OPに配置されたレチクルのパターン)を像面IP(例えば、像面IPに配置されたウエハ)に投影する。投影光学系100は、複数の光学素子110を有するが、図1では、簡略化して光学素子110a、110b及び110cで示している。なお、図1において、LR1、LR2及びLR3は光軸を通過する光線を示し、LR4、LR5及びLR6は軸外を通過する光線を示している。また、投影光学系100は、本実施形態では、テレセントリックな光学系であり、光線LR2及びLR5は、光軸に平行な主光線である。
ここで、投影光学系100における二偏光間位相差について説明する。図1には、光線LR1、LR2及びLR3の偏光成分が示されている。光線LR1に関して、光学素子110aに入射する前の偏光成分をPC1及びPC2で規定し、光学素子110bを透過した後の偏光成分をPC3及びPC4で規定し、光学素子110cを透過した後の偏光成分をPC5及びPC6で規定する。なお、偏光成分PC1、PC3及びPC5は紙面に平行な偏光成分であり、偏光成分PC2、PC4及びPC6は紙面に垂直な偏光成分である。
図1を参照するに、光学素子110aに入射する前においては、偏光成分PC1及びPC2は、等しい波面を有する。但し、2つの光学素子110a及び110bを通過した後においては、偏光成分PC3と偏光成分PC4との間に波面のずれ、即ち、二偏光間位相差が生じる。かかる二偏光間位相差は、光学素子の内部の複屈折(硝材複屈折)及び光学素子の表面に形成された光学薄膜(本実施形態では、反射防止膜)の二偏光間位相差に起因している。二偏光間位相差が生じた状態で、光線が像面に到達すると、投影光学系100の光学性能(例えば、結像性能)が劣化してしまう。
投影光学系100における二偏光間位相差は、上述したように、最小限になるように補正されているが、大きな入射角度で光線が光学素子を通過した際に生じる射出瞳面内分布の高次成分については補正することが困難である。
そこで、本実施形態では、図2に示すように、上述した問題点を解決する光学薄膜の一例としての反射防止膜114を、透過部材112の表面SR(光線有効領域)に有する光学素子110dを用いる。光学素子110dは、投影光学系100において、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子である。
光学素子110dは、合成石英で構成された透過部材(硝材)112を切削及び研磨して形成されるレンズ(透過部材)である。但し、光学素子110は、レンズに限定されず、回折光学素子などのその他の光学素子を含む。
光学素子110dにおいて、透過部材112の表面(詳細には、有効光線領域)には、光学薄膜として、反射防止膜114が形成されている。反射防止膜114は、光学素子110dの光学作用(光学特性)を補助する機能を有し、具体的には、レンズの表面での反射を低減(防止)させる機能を有する。反射防止膜114は、低屈折率材料や高屈折率材料などで構成される。低屈折率材料は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)などを含む。高屈折率材料は、例えば、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ネオジウム(NdF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)などを含む。これらの材料は、使用波長の光に対して光吸収が小さいことが要求され、1.30以上、且つ、1.80以下の屈折率、3×10−4以下の消衰係数を有する。
反射防止膜114は、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した積層構造を有する。反射防止膜114は、本実施形態では、透過部材112の表面側から順に、第1の層と、第2の層と、第3の層と、第4の層と、第5の層と、第6の層と、第7の層とを含む7層構造で構成される。第1の層、第3の層、第5の層及び第7の層は、1.43の屈折率を有するフッ化マグネシウムからなる低屈折率材料層である。第2の層、第4の層及び第6の層は、1.69の屈折率を有するフッ化ランタンからなる高屈折率材料層である。
また、光学素子110dに入射する光線の波長λを193nmとした場合において、反射防止膜114の各層の基本的な光学的膜厚を以下に示す。第1の層は、0.36λの光学的膜厚を有する。第2の層は、0.39λの光学的膜厚を有する。第3の層は、0.36λの光学的膜厚を有する。第4の層は、0.32λの光学的膜厚を有する。第5の層は、0.29λの光学的膜厚を有する。第6の層は、0.31λの光学的膜厚を有する。第7の層は、0.19λの光学的膜厚を有する。但し、反射防止膜114の各層の光学的膜厚は、反射防止膜114としての特性が変わらない範囲で調整することが可能であり、本実施形態では、±0.05λの範囲で調整することが可能である。
反射防止膜114は、入射する光線の波長における光吸収がないことが理想的であるが、実際には、光吸収がわずかながら発生してしまう。反射防止膜114における光吸収は、反射防止膜114の厚さを薄くすることで低減させることが可能であるため、本実施形態では、反射防止膜114の各層の合計の光学的膜厚、即ち、積層構造の光学的膜厚を2.6λ以下としている。また、透過部材112と反射防止膜114の密着性を向上させるために、透過部材112の表面SRと反射防止膜114との間に密着性向上層を形成してもよい。
反射防止膜114を光線が透過する際のS偏光及びP偏光の透過率の入射角度依存性を図3に示す。図3では、縦軸に透過率[%]を採用し、横軸に入射角度[度]を採用している。図3を参照するに、反射防止膜114は、光線の入射角度が40度以下の範囲において、S偏光及びP偏光に対して99.5%以上の透過率(即ち、S偏光及びP偏光に対して0.5%以下の反射率)を有し、良好な透過率特性を実現している。
反射防止膜114を光線が透過する際の位相差の入射角度依存性を図4に示す。図4では、縦軸に位相差[mλ]を採用し、横軸に入射角度[度]を採用している。また、位相差については、S偏光がP偏光に対して遅れる場合を正、S偏光がP偏光に対して進む場合を負としている。図4を参照するに、反射防止膜114を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差(の絶対値)は、入射角度が40度である場合に6mλ以上となっており、反射防止膜114は大きな位相差を付与することができる。但し、反射防止膜114を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差は、入射角度が18度未満である場合に0.8mλ未満(即ち、入射角度が18度以上である場合に0.8mλ以上)となっており、反射防止膜114による複屈折の補正量が小さくなる。
反射防止膜114の位相差の入射角度特性は、従来の最大入射角度が大きい反射防止膜(図8参照)と比較して、高次成分が小さいという特徴を有する。図5は、最大入射角度が60度である(即ち、従来の)反射防止膜AR4の位相差特性を示す図である。図5では、縦軸に位相差[mλ]を採用し、横軸に入射角度[度]を採用している。また、位相差については、S偏光がP偏光に対して遅れる場合を正、S偏光がP偏光に対して進む場合を負としている。図5を参照するに、反射防止膜AR4は、入射角度が60度までの範囲において反射率を抑え、且つ、入射角度が40度である場合に−2.3mλ、入射角度が60度である場合に−17.0mλの位相差を付与する。反射防止膜AR4は、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した積層構造を有する。反射防止膜114は、本実施形態では、基板側から順に、第1の層と、第2の層と、第3の層と、第4の層と、第5の層とを含む7層構造で構成される。第1の層、第3の層及び第5の層は、フッ化マグネシウムからなる低屈折率材料層である。第2の層及び第4の層は、フッ化ランタンからなる高屈折率材料層である。また、反射防止膜AR4の各層の基本的な光学的膜厚は、入射する光線の波長λを193nmとして、第1の層が0.42λ、第2の層が0.47λ、第3の層が0.26λ、第4の層が0.27λ、第5の層が0.25λである。
図6は、反射防止膜114の位相差の入射角度特性と反射防止膜AR4の位相差の入射角度特性とを比較した結果を示す図である。図6では、縦軸に位相差[mλ]を採用し、横軸に入射角度をそれぞれの反射防止膜の最大入射角度で規格化した値(入射角度/最大入射角度)Pxを採用している。一般的に、光学系の射出瞳面内では、外側に向かって入射角度が増大して最外周で最大となるため、図6におけるPxは仮想的な射出瞳面内座標とみなすことができる。図6を参照するに、Pxが約0.7である場合には、反射防止膜114の位相差と反射防止膜AR4の位相差は同等の値であるが、Pxが0.7より大きくなると、反射防止膜AR4の位相差が急激に減少している。従って、反射防止膜114は、反射防止膜AR4と比較して、射出瞳面内における位相差分布の高次成分の発生を抑えながら、複屈折を補正することが可能である。
光線の最大入射角度が40度を超える光学素子に反射防止膜AR4を適用した場合には、射出瞳面内における位相差分布の高次成分が発生してしまう。また、光線の最大入射角度が40度を超える光学素子に反射防止膜114を適用した場合には、40度を超える角度で入射する光線に対して透過率が不十分である。従って、射出瞳面内の位相差分布の高次成分の発生を抑えながら、複屈折を補正するためには、入射する光線の最大入射角度が18度以上、且つ、40度以下の光学素子に反射防止膜114を適用し、入射角度40度における位相差を大きくする必要がある。反射防止膜114は、上述したように、入射角度40度における位相差が6mλ以上と大きな値を有しているため、複屈折を十分に補正することができる。
図6を参照するに、Px=1.0において、反射防止膜114の位相差は、反射防止膜AR4の位相差の半分程度である。但し、反射防止膜114を適用した複数の光学素子で光学系を構成することで、Px=1.0における複屈折補正量を調整することが可能である。具体的には、反射防止膜114を適用した2つの光学素子を光学系内に配置することで、Px=1.0における複屈折補正量を反射防止膜AR4と同等にすることができる。投影光学系は、一般には、投影光学系の透過率や射出瞳面内透過率分布を向上させるために、大きな入射角度の光学素子、例えば、55度以上の入射角度の光学素子を減らすことを目標に設計される。このため、投影光学系においては、最大入射角度が40度以下である光学素子の数が多くなる。従って、投影光学系100において、反射防止膜114を適用した多くの光学素子110dを用いることが可能である。
また、光線の最大入射角度が30度以下の光学素子に通常用いられる3層の反射防止膜では、30度で入射する光線に対して3mλ程度の位相差を付与することができるが、30度を超える角度で入射する光線に対して透過率が不十分である。例えば、3層の反射防止膜として、フッ化マグネシウムからなる第1の層が1.3λ、フッ化ランタンからなる第2の層が1.3λ、フッ化マグネシウムからなる第3の層が0.8λである場合、40度で入射する光線のS偏光の反射率が1%を超えてしまう。
このように、反射防止膜114が適用された光学素子110dを含む投影光学系100によれば、透過率を損なうことなく、高次成分も含めて複屈折を低減して優れた光学特性を実現することができる。
以下、図7を参照して、投影光学系100を適用した露光装置200について説明する。露光装置200は、ステップ・アンド・スキャン方式でレチクル220のパターンをウエハ240に露光する投影露光装置である。但し、露光装置200は、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式も適用することができる。
露光装置200は、図7に示すように、照明装置210と、レチクル220を支持するレチクルステージ(不図示)と、投影光学系100と、ウエハ240を支持するウエハステージ250とを備える。
照明装置210は、転写用の回路パターンが形成されたレチクル220を照明し、光源212と、照明光学系214とを有する。光源212は、例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどのエキシマレーザーを使用する。但し、光源212は、エキシマレーザーに限定されず、波長約157nmのF2レーザーや狭帯域化した水銀ランプなどを使用してもよい。照明光学系214は、光源212からの光を用いてレチクル220を照明する光学系であって、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。
投影光学系100は、レチクル220のパターンをウエハ240に投影する光学系である。投影光学系100は、上述したように、反射防止膜114が透過部材112の表面SRに形成された光学素子110dを含む複数の光学素子110を有する。
ウエハ240は、レチクル220のパターンが投影(転写)される基板であり、ウエハステージ250に支持及び駆動される。但し、ウエハ240の代わりにガラスプレートやその他の基板を用いることもできる。
ウエハステージ250は、ウエハ240を支持及び駆動する。ウエハステージ250は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。
露光において、光源212から発せられた光は、照明光学系214によってレチクル220を照明する。レチクル220のパターンを反映する光は、投影光学系100によってウエハ240上に結像する。露光装置200が用いる投影光学系100は、上述したように、透過率を損なうことなく、高次成分も含めて複屈折を低減して優れた光学特性を実現することができる。従って、露光装置200は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)を提供することができる。なお、デバイスは、露光装置200を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
Claims (10)
- 180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられ、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子であって、
透過部材と、
前記透過部材の光線有効領域に形成された反射防止膜と、
を有し、
前記反射防止膜は、
入射する光線のS偏光及びP偏光に対して0.5%以下の反射率を有し、
入射する光線の波長をλとして、前記光線有効領域に40度の入射角度で入射して前記反射防止膜を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差が6mλ以上となるように構成されていることを特徴とする光学素子。 - 前記反射防止膜は、前記光線有効領域に18度の入射角度で入射して前記反射防止膜を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差が0.8mλ以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
- 前記反射防止膜は、入射する光に対して、屈折率が1.30以上、且つ、1.80以下、消衰係数が3×10−4以下の材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
- 前記透過部材は、合成石英で構成され、
前記反射防止膜は、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した積層構造を有し、
前記積層構造は、2.6λ以下の光学的膜厚を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記反射防止膜は、前記透過部材の表面側から順に、低屈折率材料層で構成された第1の層と、高屈折率材料層で構成された第2の層と、低屈折率材料層で構成された第3の層と、高屈折率材料層で構成された第4の層と、低屈折率材料層で構成された第5の層と、高屈折率材料層で構成された第6の層と、低屈折率材料層で構成された第7の層とを含み、
前記第1の層は、(0.36±0.05)λの光学的膜厚を有し、
前記第2の層は、(0.39±0.05)λの光学的膜厚を有し、
前記第3の層は、(0.36±0.05)λの光学的膜厚を有し、
前記第4の層は、(0.32±0.05)λの光学的膜厚を有し、
前記第5の層は、(0.29±0.05)λの光学的膜厚を有し、
前記第6の層は、(0.31±0.05)λの光学的膜厚を有し、
前記第7の層は、(0.19±0.05)λの光学的膜厚を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記反射防止膜と前記透過部材の表面との間に密着性向上層を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の光学素子。
- 180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられる投影光学系であって、
180nm以上、且つ、250nm以下の波長の光に対して用いられ、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子であって、
透過部材と、前記透過部材の光線有効領域に形成された反射防止膜と、を有し、入射する光線の最大入射角度が40度以下である光学素子を備え、
前記反射防止膜は、
入射する光線のS偏光及びP偏光に対して0.5%以下の反射率を有し、
入射する光線の波長をλとして、前記光線有効領域に40度の入射角度で入射して前記反射防止膜を透過する光線のS偏光とP偏光との位相差が6mλ以上となるように構成されていることを特徴とする投影光学系。 - 光源からの光でレチクルを照明する照明光学系と、
前記レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系とを有し、
前記投影光学系は、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の光学素子を含むことを特徴とする露光装置。 - レチクルのパターンを基板に投影する請求項7に記載の投影光学系を有し、前記基板を露光することを特徴とする露光装置。
- 請求項8又は9に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
露光された前記基板を現像するステップと、
を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
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WO2014168185A1 (ja) * | 2013-04-10 | 2014-10-16 | デクセリアルズ株式会社 | 位相差補償素子及び投射型画像投影装置 |
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