JP2010269768A - スライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法 - Google Patents

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【課題】設計や加工・組立てが容易であり、かつ構造が単純で剛性を保つことが容易なスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法を提供する。また、本発明はバネなどの分離力のバラつきを調整・管理する必要が無く、機体をマヌーバさせてフェアリング1を回避させる必要が無いスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法を提供する。
【解決手段】搭載物3を収容する空間を備え搭載物を宇宙空間に放出するロケットであって、ロケット本体の先端に被せられ搭載物3を収容する収容空間を形成するフェアリング1と、フェアリング1と搭載物3との間に位置する複数のスライドレールと、を備え、スライドレールのうち一本のみが他のスライドレールよりも長く、フェアリング1がスライドレールに沿ってスライドし、他のスライドレールより長いスライドレールの終端を中心に回転することによって脱頭する。
【選択図】図7

Description

本発明はロケット本体の先端に被せられ搭載物を収容する収容空間を形成するフェアリングを脱頭するためのスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法に関する。
従来から宇宙観測機器を宇宙空間に露出させたり、衛星を分離可能な状態にするにあたって、ロケット本体の先端に被せられているフェアリングを開頭する方法には、クラムシェル開頭(分割開頭)方式と脱頭(一体開頭)方式とがある。
図1は非特許文献1に記載されているクラムシェル開頭(分割開頭)方式である。
クラムシェル開頭(分割開頭)方式には大きく分けて、平行開頭方式、非平行開頭方式、2段開頭方式がある。
クラムシェル開頭(分割開頭)方式は非特許文献1に示すようにフェアリングが2つ以上に分割できる構造になっており、火工品などによってこれらの結合を解除し、ばね等の分離力によって分割されたフェアリング開頭片を平行、またはある回転中心周りに回転させて機体より引き離す方式である。以下に図1を使って詳しく説明する。
図1の(A)に平行開頭方式を示す。開頭部101を機体軸102にして対称に二分し、前方のバネ103と、後方のバネ104で各開頭片を機体軸に垂直な方向にかつ回転を与えないで押し出す方式である。
図1の(B)に非平行開頭方式を示す。前方のバネ103と、後方のバネ104の強さを加減して開頭部の先端から開くように開頭片に回転を与えて開頭する方式である。
図1の(C)に2段開頭方式を示す。これは開頭部101を円錐部105と円筒部106に分け、まず円錐部105を非平行開頭し、その後で円筒部106を平行開頭する方式である。
また、脱頭(一体開頭)方式については非特許文献2に記載されている。図2に示すようにフェアリング201が機軸方向202に一体のまま分離・開頭する方式である。
脱頭(一体開頭)方式のフェアリング201はフェアリング201が機体や搭載物に接触することなく分離・開頭するために比較的大きな分離力を必要とし、かつ機体軸方向202と平行にフェアリング201を分離する必要がある。そのため、フェアリング201の数箇所にバラつきの小さいバネ等を配置している。
また、フェアリング201を分離させた後、フェアリング201と機体を接触させないために、機体をマヌーバ(機体に搭載されているジェット燃料を噴射して衛星の位置や姿勢を修正すること)させて分離後の機体推進によるフェアリング201との追突・接触を回避する必要がある。
ミューロケットの二、三の機構について、東京大学宇宙航空研究所報告第8巻第2号(A) ISRAEL AIRCRAFT INDUSTRIES、LTDホームページ URL:http://www.iai.co.il/sip_storage/files/8/35368.pdf
しかし、クラムシェル開頭(分割開頭)方式のようにフェアリングを分割できる構造にすると、2つ以上のフェアリングを互いに隙間なく結合しなければならず、高精度の加工・組立て技術を要してしまう。
また、分割面が比較的長く必要であり、そのため、フェアリングの剛性が低下するため、飛翔中の空力荷重により口開きしないよう、結合・分離機構を連続的に配置したり、分割面にラップ代を設けたりする必要が生じ、フェアリング構造が複雑化してしまう。
さらに、分離後のフェアリング開頭片が機体やペイロード(衛星や観測機等)と接触しないようにするため、開頭片の大きさ・剛性や分割・分離形態の設計・選択に多くの技術と時間を要してしまう。
また、脱頭(一体開頭)方式を選択しても、脱頭したフェアリングが機体やペイロード(衛星など)に接触することなく分離・開頭するためには比較的大きな分離力が必要となり、高出力のバネなどとその出力に拮抗するだけの構造強度を必要とするほか、その分離力によっては分離するフェアリングの大きさに制約が生じてしまう。
また、機軸方向と平行に分離するためには、数箇所に配置したバネなどの分離力のバラつきを小さくする必要があり、調整や管理に大きな労力が必要となってしまう。
また、フェアリングの分離・開頭後もなお機体とフェアリングは同一直線状にあるため、機体をマヌーバさせてフェアリングを回避する必要が生じてしまう。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、設計や加工・組立てが容易であり、かつ構造が単純で剛性を保つことが容易なスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法を提供することにある。また、本発明の目的はバネなどの分離力のバラつきを調整・管理する必要が無く、機体をマヌーバさせてフェアリングを回避させる必要が無いスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法を提供することにある。
本発明によれば、搭載物を収容する空間を備え搭載物を宇宙空間に放出するロケットに設けられたスライド式フェアリング脱頭装置であって、
ロケット本体の先端に被せられ搭載物を収容する収容空間を形成するフェアリングと、
前記フェアリングと前記搭載物との間に位置する複数のスライドレールと、を備え、
前記スライドレールのうち一本のみが他のスライドレールよりも長く、
前記フェアリングが前記スライドレールに沿ってスライドし、他のスライドレールより長いスライドレールの終端を中心に回転することによって脱頭する、ことを特徴とするスライド式フェアリング脱頭装置が提供される。
本発明の実施形態によれば、前記スライドレールのうち一本のみが他のスライドレールよりも長いロングスライドレールであり、
他のスライドレールは前記ロングスライドレールより短いショートスライドレールであり、
前記ロングスライドレールにはレール上をスライドする引っ掛かり型スライダが取り付けられており、前記ロングスライドレールの終端に前記引っ掛かり型スライダのスライドを止めるスライドエンドが設けられており、
前記フェアリングの内周部には、前記引っ掛かり型スライダに引っ掛かるように取り付けられており前記引っ掛かり型スライダから外れることができる引っ掛けピンと、前記フェアリングの内周部と一体となっており前記ショートスライドレールの案内に沿ってレール上をスライドする一体型スライダが取り付けられている。
また、前記フェアリングの後端には結合部が設けられており、
前記フェアリングの中心軸上の内側には一本のスプリングが設けられており、
前記結合部が開放すると前記スプリングの押し出し力により前記フェアリングが前記スライドレールに沿ってスライドし、
前記ショートスライドレールの終端に前記一体型スライダが至ったとき前記フェアリングと前記一体型スライダとが一体となって前記ショートスライドレールから外れ、
前記ロングスライドレールの終端に前記引っ掛かり型スライダが至ったとき引っ掛かり型スライダが前記スライドエンドで止まり、前記引っ掛かり型スライダ内を前記引っ掛けピンがスライドし引っ掛けピンが引っ掛かることで前記フェアリングが前記引っ掛けピンを中心に回転し、
その後前記引っ掛かり型スライダから前記引っ掛けピンが外れることでロケットから前記フェアリングが脱頭する。
また、本発明によれば、ロケット本体の先端に被せられ搭載物を収容する収容空間を形成するフェアリングが、
前記フェアリングと前記搭載物との間に位置し1本のみが他より長い複数のスライドレールに沿ってスライドし、
他のスライドレールより長いスライドレールの終端を中心に回転することによって脱頭する、ことを特徴とするスライド式フェアリング脱頭方法が提供される。
上述したスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法によれば、フェアリングを分割する必要が無いため、そのフェアリングの剛性を保つことが容易で、かつ一体成形による加工・組立て工数の削減を図ることができる。
また、上記したスライドレールにより、フェアリング分離時の挙動を拘束するため、機体や搭載物(人工衛星、探査機、観測機などのペイロード)と接触を心配する必要が無い。
また、フェアリング先端のデッドスペースにスプリングを配置し、スライドレールによるフェアリングの挙動を拘束するため、搭載物包絡域を拡大することができる。
また、前記フェアリングの中心軸上の内側にスプリングが1本のみ設けられているため、脱頭(一体開頭)方式のようにフェアリング後端より押し上げる形態と比較し、スプリングの本数を削減でき、また、スプリング出力のバラつきを管理する必要が無くなる。
さらに、引っ掛かり型スライダ、引っ掛けピン、スライドエンドにより分離後のフェアリングを機体軸方向より引き離すため、フェアリングとの再衝突を回避するマヌーバ動作が必要なくなる。
図1は非特許文献1に記載されているクラムシェル開頭(分割開頭)方式の従来技術である。(A)は平行開頭方式、(B)は非平行開頭方式、(C)は2段開頭方式を示す図である。 図2は非特許文献2に記載されている脱頭(一体開頭)方式の従来技術である。 図3は本願発明の第1実施形態のスライド式フェアリング脱頭装置をもつロケットの全体構成図である。 図4は引っ掛かり型スライダの構成図、及びフェアリング脱頭時に引っ掛かり型スライダから引っ掛けピンが離脱する仕組みを説明する図である。 図5はロングスライドレール、引っ掛かり型スライダ、スライドエンド、及び引っ掛けピンの斜視図である。 図6は引っ掛かり型スライダの様々な構成と引っ掛けピンの動向を示した図である。(A)は鍔部が直線で短いタイプである。(B)は引っ掛かり型スライダの鍔部の溝が弧を描いており、引っ掛けピンを回転しやすくしたタイプである。(C)は(B)の鍔部を長くしたタイプである。 図7は本発明の第1実施形態のスライド式フェアリング脱頭装置を使用したスライド式フェアリング脱頭方法について説明する図である。 図8は本発明の第2実施形態のスライド式フェアリング脱頭装置を使用したスライド式フェアリング脱頭方法について説明する図である。 図9は本発明の第3実施形態のスライド式フェアリング脱頭装置を使用したスライド式フェアリング脱頭方法について説明する図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図3は本願発明のスライド式フェアリング脱頭装置をもつロケットの全体構成図である。本発明は、ロケット本体の先端に被せられ、搭載物を収容する収容空間を形成するフェアリングと、フェアリングと搭載物との間に位置する複数のスライドレールとを備える構造を持つ。
また、本発明のスライド式フェアリング脱頭方法は主に小型衛星打ち上げロケットや観測ロケットなど、搭載物を収容する空間を備え、搭載物を宇宙空間に放出するロケットのフェアリング分離・開頭において使用可能である。
フェアリング1は先端が丸くなったコーンと円筒からなる構造で、ロケット本体2の先端に被せられ、搭載物3を収容する収容空間を形成する。構造様式はハニカムサンドイッチ殻構造でもよく、サンドイッチからの表面板には、軽量化だけでなく、外荷重による構体の変形を抑えて、衛星搭載領域を広く取ることを目的として、比強度・比剛性の高いCFRPを適用してもよい。また、フェアリング1の中心軸20上の内側には一本のスプリング4が設けられている。
フェアリング1の後端の内周部には、一体型スライダ10や図示しない引っ掛けピン14(図4、及び図5を参照)が取り付けられている。一体型スライダ10や引っ掛けピン14については後ほど詳しく説明する。
また、フェアリング1の後端には結合部21が設けられており、火工品などにより結合部21を開放できるようになっている。
フェアリング1のスプリング4は、フェアリング1の中心軸20上の内側に設けられた外筒5と内筒6との間に設けられている。外筒5の前端はフェアリング1の先端の内側に接するように設けられており、後端には内筒6の通る穴が設けられている。内筒6の前端は外筒5の中に、後端はロケット本体2に設けられた枠組み7に接するように設計されている。スプリング4は前端が外筒5の中心軸上の前端に、後端が内筒6の前端に接している。フェアリング1はスプリング4が十分に圧縮された状態で、結合部21によりロケット本体2と結合されている。
すなわち、フェアリング1後端の結合部21が開放すると、フェアリング1に取り付けられたスプリング4の弾性により内筒6が外筒5から押し出され、スプリング4の押し出し力によりフェアリング1が機軸方向にスライドするように設計されている。
スライドレールはフェアリング1と搭載物3との間に位置する。また、スライドレールは複数本存在し、一本のみが他のスライドレールよりも長く構成されている。短いスライドレールをショートスライドレール8と呼び、長いスライドレールをロングスライドレール9と呼ぶ。
ショートスライドレール8には、フェアリング1の内周部と一体となって取り付けられている一体型スライダ10が、ショートスライドレール8の案内に沿ってレール上をスライドするように構成されている。ショートスライドレール8の終端17には一体型スライダ10のスライドを止めるストッパのような器具は設けられていない。すなわち、フェアリング1と共にスライドした一体型スライダ10はフェアリング1と共にショートスライドレール8から外れるように構成されている。ショートスライドレール8は2本または3本が好ましいが、それ以上でもそれ以下でもよい。
ロングスライドレール9にはロングスライドレール9の案内に沿ってレール上をスライドする引っ掛かり型スライダ11が取り付けられている。引っ掛かり型スライダ11はレール上を抵抗少なくスライドできるようになっている。
ロングスライドレール9の終端にはスライドエンド12が設けられており、引っ掛かり型スライダ11のスライドを止めるように構成されている。
なお、衛星や宇宙観測機器などの搭載物はスライドレールの内側に搭載される。
次に図4にて引っ掛かり型スライダ11について説明する。図4は引っ掛かり型スライダの構成図、及びフェアリング脱頭時に引っ掛かり型スライダ11から引っ掛けピン14が離脱する仕組みを説明する図である。
引っ掛かり型スライダ11には溝13が構成されており、その溝13にフェアリング1の内周部に取り付けられている引っ掛けピン14が引っ掛けられている。引っ掛かり型スライダ11の溝13は、(A)のようにフェアリング1の結合部21が開放(例えば火工品による破断)される前の段階(すなわちフェアリング1がスライドする前の段階)に引っ掛けピン14が収まっている収容部11aと、フェアリング1の結合部21が開放され、スライドし始めた際、(B)および(C)のようにフェアリング1のスライドと共に引っ掛けピン14で引っ掛かり型スライダ11を押して移動させる押し出し部11bと、ショートスライドレール8から一体型スライダ10が外れ、引っ掛かり型スライダ11のスライドがスライドエンド12に止められるとともにフェアリング1が引っ掛けピン14を中心として回転する際、(D)のようにその引っ掛けピン14の回転を助ける鍔部11c、とからなる。
引っ掛かり型スライダ11は、フェアリング1がスライドする動きと共に、引っ掛けピン14に押し上げられ、さらにフェアリング1が引っ掛けピン14を中心に回転すると、引っ掛かり型スライダ11から引っ掛けピン14が外れることができるように構成されている。
なお、ショートスライドレール8とロングスライドレール9は平行に設置されているため、フェアリング1はスライドレール8、9と平行にスライドする。すなわち、引っ掛けピン14から引っ掛かり型スライダ11には機軸方向への外力しかかからないため、ショートスライドレール8から一体型スライダ10が外れる前に、引っ掛かり型スライダ11から引っ掛けピン14が外れることはない。また、宇宙空間の無重力状態において、スプリング4の押し出し力以外の外力は、ほとんど存在しないことが多いため、ショートスライドレール8から一体型スライダ10が外れても、フェアリング1はスライドレール8、9と平行にスライドし続ける。したがって、引っ掛かり型スライダ11がスライドエンド12によってスライドを止められるまで、引っ掛けピン14が引っ掛かり型スライダ11から外れることはない。
また、ショートスライドレール8から一体型スライダ10が離脱した直後にスライドエンド12に引っ掛かり型スライダ11が衝突し、フェアリングが回転できるように構成すれば、ロケットの推力がまだある場合や、微量の大気による空気抵抗がある時にでも本願発明による開頭は可能である。
図5はロングスライドレール9、引っ掛かり型スライダ11、スライドエンド12、及び引っ掛けピン14の斜視図である。
引っ掛けピン14はこの図では円筒形を直角に曲げた形をしているが、引っ掛かり型スライダ11の溝13の中でスライドできればコの字形に曲がり、フェアリング1の内壁に2箇所で固定されていてもよい。また、他の形状でもよい。
また、この図では引っ掛かり型スライダ11の突起15がレール上の溝16に嵌まるように構成されているが、引っ掛かり型スライダ11がレール上を抵抗少なくスライドできれば他の方法でもよい。
なお、この図において、図中の14aはフェアリングに接している引っ掛けピン14の断面である。
図6は引っ掛かり型スライダ11の様々な構成と引っ掛けピン14の動向を示した図である。(A)は鍔部が直線で短いタイプである。このような構成の場合、引っ掛けピン14は鍔部11cで回転しつつ機体軸と垂直方向に離脱するが、フェアリング11が回転しており、さらにロケットの搭載物3等は機体軸方向に進行し続けるためフェアリングと搭載物等は衝突しないと考えられる。
(B)は引っ掛かり型スライダの鍔部11cの溝が弧を描いており、引っ掛けピン14を回転しやすくしたタイプである。(A)に比べ、フェアリング1がより後方に行きやすくなり、搭載物3との衝突の可能性がさらに少なくなる。
(C)は(B)の鍔部11cを長くしたタイプである。(C)は(B)のように回転しやすいばかりでなく、(B)よりもより搭載物等から放してフェアリング1を放出することができる。これにより、フェアリング1と搭載物3との衝突の可能性は(B)と比べさらに少なくなる。
(D)は鍔部11cが斜めに構成されているタイプである。鍔部11cを斜めに構成することにより、スプリング4の押し出し力による直進方向の力を全て回転力に使用せずに、直進と回転のバランスをうまくとることが出来る。(D)は特にロケット本体2がスピンしているときに有効に利用できる。
次に、図7にてスライド式フェアリング脱頭装置を使用したスライド式フェアリング脱頭方法について説明する。
(A)はフェアリング1の結合部21が開放する前の状態、(B)はフェアリング1の一体型スライダ10がショートスライドレール8から外れた状態、(C)はフェアリング1が回転している状態、(D)はロケット本体2からフェアリング1の脱頭が完了した状態を示す図である。
フェアリング1の脱頭時、結合部21が開放すると、(B)のようにスプリング4の押し出し力によりフェアリング1がスライドレール8、9に沿ってスライドする。ショートスライドレール8の終端17に一体型スライダ10が至ったとき、フェアリング1と一体型スライダ10とが一体となってショートスライドレール8から外れる。なお、この時点では、フェアリング1の進行方向とロケット本体2の進行方向は同じである。
(C)に示すように、引っ掛かり型スライダ11が引っ掛けピン14に押され、ロングスライドレール9に案内されてスライドし、ロングスライドレール9の終端に至ったとき、引っ掛かり型スライダ11がスライドエンド12で止まり、引っ掛かり型スライダ11内を引っ掛けピン14がスライドし、引っ掛けピン14が鍔部11cに引っ掛かることで、フェアリング1が引っ掛けピン14を中心に回転する。そしてその後、引っ掛かり型スライダ11から引っ掛けピン14が外れることでロケットからフェアリング1が脱頭する。
(D)はロケット本体2からフェアリング1の脱頭が完了した状態を示す図である。搭載物3はスライドレール8、9の内側に収納されていたため、フェアリング1の脱頭時にもフェアリング1が搭載物3に接触するなどして傷つけることはない。そのため、安全に搭載物3を収容し、宇宙空間に放出することができる。
図8は本発明の第2実施形態である。図のように、第2実施形態はロケット本体2に取り付けられた枠組み7の上部枠18が内筒6の後端に取り付けられており、その上部枠18がフェアリング1と共に放出される構成をとる。
なお、そのほかの構成については第1実施形態と同様である。
この構成により、搭載物3の前方が空くため、搭載物3をロケット本体2の前方から放出することができる。
図9は本発明の第3実施形態を示す図である。図のように、第3実施形態ではフェアリング1の脱頭が完了した後、スライドレール8、9が外側に倒れるようになっている。例えばスライドレール8、9の後端の内側に、スライドレール8、9を外側に倒すための機構19(例えばスプリング、アクチュエータなど)が設置されている。また、スライドレール8、9の後端に一定方向に倒れるような機構(例えば蝶番等)を付けてもよい。
なお、そのほかの構成については第1実施形態と同様である。
これにより、搭載物3を放出する際に搭載物3の周囲に広い空間を形成することができるため、搭載物3を傷つける心配がなく、また、搭載物3に大きいものを選択することができる。
本発明のスライド式フェアリング脱頭装置及びスライド式フェアリング脱頭方法によれば、フェアリング1を分割する必要が無いため、そのフェアリング1の剛性を保つことが容易で、かつ一体成形による加工・組立て工数の削減を図ることができる。
また、スライドレール8、9により、フェアリング1分離時の挙動を拘束するため、機体や搭載物3(人工衛星、探査機、観測機などのペイロード)と接触を心配する必要が無い。
また、フェアリング1先端のデッドスペースにスプリング4を配置し、スライドレール8、9でフェアリング1の挙動を拘束するため、搭載物3の包絡域を拡大することができる。
また、フェアリング1の中心軸上の内側にスプリング4が1本のみ設けられているため、脱頭(一体開頭)方式のようにフェアリング後端より押し上げる形態と比較し、スプリング4の本数を削減でき、また、スプリング出力のバラつきを管理する必要が無くなる。
さらに、引っ掛かり型スライダ11、引っ掛けピン14、スライドエンド12により分離後のフェアリング1を機体軸方向より引き離すため、フェアリング1との再衝突を回避するマヌーバ動作が必要なくなる。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 フェアリング
2 ロケット本体
3 搭載物
4 スプリング
5 外筒
6 内筒
7 枠組み
8 ショートスライドレール
9 ロングスライドレール
10 一体型スライダ
11 引っ掛かり型スライダ
11a 収容部
11b 押し出し部
11c 鍔部
12 スライドエンド
13 溝
14 引っ掛けピン
15 突起
16 レール上の溝
17 ショートスライドレールの終端
18 枠組みの上部枠
19 スプリング
20 中心軸
21 結合部

Claims (4)

  1. 搭載物を収容する空間を備え搭載物を宇宙空間に放出するロケットに設けられたスライド式フェアリング脱頭装置であって、
    ロケット本体の先端に被せられ搭載物を収容する収容空間を形成するフェアリングと、
    前記フェアリングと前記搭載物との間に位置する複数のスライドレールと、を備え、
    前記スライドレールのうち一本のみが他のスライドレールよりも長く、
    前記フェアリングが前記スライドレールに沿ってスライドし、他のスライドレールより長いスライドレールの終端を中心に回転することによって脱頭する、ことを特徴とするスライド式フェアリング脱頭装置。
  2. 前記スライドレールのうち一本のみが他のスライドレールよりも長いロングスライドレールであり、
    他のスライドレールは前記ロングスライドレールより短いショートスライドレールであり、
    前記ロングスライドレールにはレール上をスライドする引っ掛かり型スライダが取り付けられており、前記ロングスライドレールの終端に前記引っ掛かり型スライダのスライドを止めるスライドエンドが設けられており、
    前記フェアリングの内周部には、前記引っ掛かり型スライダに引っ掛かるように取り付けられており前記引っ掛かり型スライダから外れることができる引っ掛けピンと、前記フェアリングの内周部と一体となっており前記ショートスライドレールの案内に沿ってレール上をスライドする一体型スライダが取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のスライド式フェアリング脱頭装置。
  3. 前記フェアリングの後端には結合部が設けられており、
    前記フェアリングの中心軸上の内側には一本のスプリングが設けられており、
    前記結合部が開放すると前記スプリングの押し出し力により前記フェアリングが前記スライドレールに沿ってスライドし、
    前記ショートスライドレールの終端に前記一体型スライダが至ったとき前記フェアリングと前記一体型スライダとが一体となって前記ショートスライドレールから外れ、
    前記ロングスライドレールの終端に前記引っ掛かり型スライダが至ったとき引っ掛かり型スライダが前記スライドエンドで止まり、前記引っ掛かり型スライダ内を前記引っ掛けピンがスライドし引っ掛けピンが引っ掛かることで前記フェアリングが前記引っ掛けピンを中心に回転し、
    その後前記引っ掛かり型スライダから前記引っ掛けピンが外れることでロケットから前記フェアリングが脱頭する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスライド式フェアリング脱頭装置。
  4. ロケット本体の先端に被せられ搭載物を収容する収容空間を形成するフェアリングが、
    前記フェアリングと前記搭載物との間に位置し1本のみが他より長い複数のスライドレールに沿ってスライドし、
    他のスライドレールより長いスライドレールの終端を中心に回転することによって脱頭する、ことを特徴とするスライド式フェアリング脱頭方法。
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