JP2010269213A - 廃魚類等の醗酵処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】出荷時期の養鰻場に於いては、毎日の様に商品化出来ない廃鰻が続出して、規模の大きな養鰻場に於いては、多い時は一日100k前後の廃鰻が発生し、其の損失と共に処理に困っていた。
【解決手段】高温に対応出来る醗酵菌を使用する事により、醗酵処理温度を、120℃の温度に醗酵加熱し、攪拌醗酵処理出来る装置に於いて、処理困難な動物性脂肪、蛋白質等を効率よく処理する為に、一基の湯煎タンクの加熱で、85℃〜100℃の温度範囲で効果的な醗酵処理を行い、毎時6℃〜10℃程度の温度で緩やかに醗酵処理温度を上昇させ乍ら、醗酵菌の効果的な高温対応を促し、効率よく攪拌醗酵処理し、更に110℃〜120℃の温熱風を攪拌処理中の醗酵剤に吹き付け乍ら、処理の困難な動物性脂肪、蛋白質等の発酵分解処理を、より効果的に促し、3時間程度の短時間で、醗酵処理を終了する様にした、廃魚類等の醗酵処理方法。
【選択図】図3

Description

本発明は養魚場等で養殖中に於ける事故、病死、傷物等で、商品化出来ない魚等の廃魚類、その他動物性蛋白質、脂肪等の醗酵処理方法に関するものである。
従来、養魚場等に於ける養殖中の死魚、廃魚については、通常は魚粉等に加工されて、家畜飼料の原料、又は肥料等に広く利用されていた。一方養鰻場に於いて死んだ鰻等は、養殖中の加熱された水温が30℃程度の暖かい為に、死後は特に腐乱が激しく、其の為に利用価値も少なく、焼却処分、又は大半は山野、畑地等に埋没処分されていた。
特開2005−103386 特開2005−131447 特開2005−296869
出荷時期の養鰻場に於いては、毎日の様に商品化出来ない廃鰻が続出して、規模の大きな養鰻場に於いては、多い時は一日100k前後の廃鰻が発生し、其の損失と共に処理に困り、其の為に、従来の生ごみ処理機等を使用して廃鰻の醗酵処理を行った場合、醗酵処理温度60℃〜80℃程度の従来の一般的な生ごみ処理装置では、処理槽内に廃鰻等を投入し、3〜4回の醗酵処理を重ねると、処理温度不足の為、処理しきれない脂肪分が残留し、処理を重ねる毎に其の量が次第に増加し、攪拌処理中の処理剤諸共に液状化し、泥状となり、攪拌ロッドが空転状態になり、処理出来なくなる現状である。
本発明の処理方法は、高温に対応出来る醗酵菌を使用する事により、醗酵温度が85℃に達した後に、廃魚類等の処理物を処理槽内に投入し、85℃〜100℃の温度範囲で攪拌醗酵処理するもので、密閉された処理槽の中で、緩やかに85℃〜100℃に上昇させ、攪拌醗酵処理する廃魚類等の醗酵処理方法。
以下の手順で醗酵処理を行う事を特徴とする。
1)醗酵処理層内に処理剤を投入して密閉し、槽内醗酵温度が85℃に成る様に、湯煎ヒーターの加熱で、前以て処理剤を加熱する余熱運転方法。
2)醗酵処理温度が85℃に達した後に廃魚類等を、処理槽内に投入して蓋を閉め、前記醗酵処理剤と廃魚類等を混合攪拌しながら、槽内温度を毎時6℃〜10℃の温度で緩やかに上昇させ乍ら、醗酵菌が高温に対応出来る様に順応と進化を促し、処理槽内の醗酵温度を100℃迄加熱し、更に110℃〜120℃の温熱風を攪拌処理中の醗酵剤に吹き付け乍ら高温醗酵処理を、より効果的に行う攪拌醗酵処理方法。
3)醗酵処理温度85℃〜100℃の比較的高い温度の範囲内で廃魚類の攪拌醗酵処理を行い、処理を続ける場合は、処理物の所定の投入を続行し、又、処理の終了を待って処理運転を停止し、放冷する手順の処理方法。
処理装置内に送風機を設置し、請求項1記載の湯煎タンク内の底部に湯煎ヒーターを付設し、其の上の位置に温熱風装置の金属パイプ、長さ約7メートルを蛇行状、又は環状、その他で付設する。処理運転中は湯煎ヒーターの加熱で、湯煎オイルが約140℃に加熱され、その加熱で処理槽内の醗酵剤の温度は85℃~100℃に加熱されて、攪拌処理し、片方の温熱風パイプが約130℃に熱くなり、其の温熱風装置パイプの中を、送風機から送られる通常の空気を通過させて、約110℃〜120℃に温熱風化し、其の温熱風を攪拌処理中の醗酵剤に吹き付け乍ら、処理物を分解しやすい煮沸状態にして容易に攪拌粉砕し、処理効果を促進し、脂肪分、蛋白質、水分等、特に脂肪分に高い温熱風を吹き付け乍ら攪拌する事により、醗酵分解、蒸発蒸散を、より強力に促す事を特徴とした醗酵処理方法。
一般的な生ごみ処理機は、醗酵処理温度60℃〜80℃程度が普通一般的な従来の生ごみ処理機の醗酵処理温度であるが、しかし乍ら、廃魚類、特に廃鰻等の脂肪分の多いものは、上記の一般的醗酵処理温度60℃〜80℃では醗酵処理温度不足の為に、蛋白質、特に脂肪分の分解処理が不充分な為に、其の1回の処理の終了に、7時間〜8時間の長時間を必要とし、尚も充分な処理とは言えず、非能率的であり、コストの掛かる処理方法でった。
出荷時の成廃鰻は特に脂肪分が多く、醗酵処理の際は、脂肪分の排除に困難を極める、一般的な生ごみ処理機の60℃〜80℃程度の醗酵処理温度より、本処理方法の比較的高い醗酵処理温度85℃~100℃程度の高い温度の範囲内で処理し乍ら、更に醗酵処理温度より高い温度の、110℃〜120℃の温熱風を吹付け乍ら処理する事により、脂肪分の多い廃鰻等も、3時間程度の短時間で、難なく醗酵処理を終了する事が出来る。更に醗酵処理剤が常に、適度の水分状態を保ち乍ら、次の処理物投入と、醗酵処理を連続的、効果的に処理出来る様に強力に促し、何時でも、次の処理物投入が出来る、待機の状態となる。
従来の処理装置は、醗酵処理促進の為、適切な処理温度と其の保持の為に、湯煎ヒーターと、更に強力な熱風ヒーターを使用していた。特に熱風ヒーターは、300℃程度の高い温度の電熱を連続的に、終始長時間に亙り使用し、かなりの電力を消費し、更に、火災発生の危険性が多分にあり、又、高額の電力料負担を強いられていた。本装置は特に電力消費量の一番大きな、其の熱風ヒーターを削除し、湯煎ヒーターだけとし、湯煎タンク内の隙間と余熱を有効に利用する為に、温熱風パイプを付設し、其の温熱風を有効利用するものである。
処理運転中は、処理槽内の加温とその必要な温度の維持の為に、湯煎ヒーターは、特に必要不可欠な重要な装置であり、其のヒーターにより、熱くなったオイルの余熱と、湯煎タンク内の隙間を有効に利用するものであり、約140℃に熱せられた湯煎タンクのオイルの中に温熱風装置パイプを付設したもので、其の湯煎の熱で、約130℃に熱せられた温熱風装置の空洞の金属パイプの中を、送風機から送られてくる通常の空気を通過させて、約110℃〜120℃に温熱風化し、その温熱風を有効に利用するもので、従来の処理装置に比較して、電力の消費量を大幅に削減する事が出来た。
本処理方法は、1回の投入処理を3時間程度の短時間で終了する事が出来るので、1日3回の投入処理を終了する事が充分可能であり、小型ながら、中、大型の処理機に匹敵する処理能力を充分に備えており、其の為に大きなコストダウンとなり、効果的な醗酵処理を行う事が出来、効率的、経済的にも大きく社会貢献するものである。従来の処理装置は、300℃の高温熱風ヒーターを使用していた為に、火災発生の恐れが多分に有り、危険性の多い装置であった。
本装置は、其の熱風ヒーターを削除した事により、火災発生の恐れは全く無く、其の為に安全で、安心して効果的な処理を短時間で終了する事が出来る。更に湯煎タンク内の温度低下や醗酵温度の低下にも殆ど影響は無く、サーもスタッドの作用により、各部における適切な温度を充分に維持し乍ら、省電力で、終始効率よく効果的な醗酵処理が出来る好適な処理方法である。
本処理方法による醗酵処理残渣物は、窒素、燐酸、加理等の有効肥料成分を多く含んだ上質の有機肥料が生産出来る。
処理機の平面図 側断面図 攪拌ローター、湯煎ヒーター、温熱風パイプの配置図 側断面図、湯煎ヒーター、温熱風パイプの配置図
本発明は、特に高温に対応出来る醗酵菌を用いた醗酵処理剤を使用する事により、処理槽内温度が85℃に達した後に、廃魚類等の処理物を処理槽内に投入し、攪拌醗酵処理を行い乍ら、更に請求項3記載の醗酵温度を毎時6℃〜10℃程度の緩やかな昇温を行い、醗酵菌が高温に対応出来る様に順応、進化を促し乍ら、85℃〜100℃の高温範囲内で効果的な醗酵処理を行い、更に発酵処理温度より高い110度〜120℃程度の温熱風を攪拌処理中の醗酵剤に吹きつけ乍ら効果的な処理を行う事により、脂肪分の多い廃魚、廃鰻等動物性蛋白質、脂肪分も、3時間程度の短時間で効果的な醗酵処理を終了する事が出来る。
本発明の処理装置を、図1、図2、図3に基づき説明する。
処理装置(1)は、長さ2m高さ1,35m、幅1,35mの金属製、長方形の箱型の処理装置で、其の箱の中(1)の天板から下方へ、直径1m、長さ1,3m、の断面形状U字型の醗酵処理槽(2)が垂設され、其のU字型処理槽(2)の円弧面を下方から包む様な形で、請求項1記載の湯煎オイル又は、熱湯の使用出来る湯煎タンク(3)が取り付けてある。該タンク(3)の中には湯煎オイルを入れ、タンク(3)内に設けられる湯煎ヒーター(4)で、適切な温度に加熱できる様になっている。
処理槽(2)内に支承される回転軸(5)には、週方向に突出した4本の攪拌ロッド(6)が複数組、回転軸(5)上に設けてある。又攪拌ロッド(6)に近接した破砕版(18)を、処理槽(2)の内壁から各固定立設し、攪拌処理中の処理物が、内壁に固定した破砕版(18)と、攪拌ロッド(6)の回転時の交差により摩擦し、破砕効果を高める様に設計され、回転軸(5)の一方端に設けたスプロケット(7)に、掛け回されるチェーン(8)を、駆動モーターのギアーに掛けて、回す事により回転軸(5)が回転する。
図3、温熱風装置パイプ。
処理装置(1)内に送風機(9)を設置し、装置内の湯煎タンクの中の底部に、湯煎ヒーター(4)付設位置の、10cm程度離れた上の位置の、側断面図の右側に、1,5インチの空洞の温熱風装置、金属パイプ(10)を、長さ7mを、蛇行状に付設する。処理運転中は湯煎ヒーターにより加熱された、140℃のオイルの熱で、約130℃に熱くなった温熱風パイプ(10)の中を、送風機(9)から送られる通常の空気を通過させて、約110℃〜120℃に温熱風化させる。
温熱風装置パイプ(10)で熱くなった110℃〜120℃の温熱風を、温熱風送風パイプ(21)を経由し、処理槽(2)内の混合攪拌し砕けながら回転する醗酵剤に、温熱風吹き出しパイプ(20)より110℃〜120℃の温熱風を吹付け乍ら脂肪分、蛋白質等の醗酵分解と其の蒸発蒸散を強力に促し、密閉状態の処理槽内で発生するガスや臭気は、吹き込まれる温熱風の風圧により、処理槽内から配管パイプ(14)に押し出され、脱臭装置(15)内に圧送され、 (15) 内の木炭、竹炭等の活性炭を介して臭気を除去し、排出口(16)より、無害な状態で外部に排出する。
本処理装置を用いて廃鰻の醗酵処理実施例を以下説明する。
米糠、穀類粕類、植物性繊維素等、木屑等に醗酵菌を混合した醗酵処理剤、水分30%程度の状態で、処理槽内容積の約60%を占有する醗酵剤の容量、重量約150kを、処理槽上部に設けた投入口(12)より投入して蓋を閉め、湯煎ヒーターの電源を入れて予熱運転を開始した。
処理槽内の醗酵処理温度が85℃に成る様に、湯煎タンク(3)内のオイルを湯煎ヒーターにより加熱し、醗酵処理剤の温度が85℃に達した時点で、水分含有量約70%の生の状態の廃鰻50kを、処理槽の投入口(12)より一度に投入し、蓋を閉めて密封状態にし、攪拌醗酵処理運転を開始した。廃鰻投入時一時的に醗酵温度が低下し、85℃を下回ったが、運転加熱中の為に、25分程度で85℃の醗酵温度に復元した。通常の場合、処理槽内で使用する醗酵剤の量は、経済的効果を考慮し、処理する廃鰻等処理物の約3倍重量程度を使用する。
処理槽内の醗酵温度が毎時6℃〜10℃程度上昇するように湯煎ヒーターを加温調整した。醗酵処理運転開始後一時間をすぎると、処理槽内の醗酵温度が85℃をオーバーし、一見して槽内の処理状態は、殆どの鰻の内臓が破れて砕け、鰻の原型は略消えて、処理物が何であったのか判別出来ない程の粉砕状態である。醗酵運転開始2時間後では90℃をオーバーして、殆どの鰻の姿は見当たらず完全に姿が消えて、醗酵処理剤の中に砕けて溶け込んだ状態である。2時間30分で醗酵温度が100℃をオーバーしたが、槽内の脂肪分も蒸発蒸散し、其の直後に加熱を停止した。
加熱停止後30分、送風機による通常の空気を送りながら、加熱停止状態で槽内の温度低下、冷却を図り乍ら、攪拌運転だけで仕上げ処理を行い、一回の処理作業を、約3時間で終了した。その後槽内の温度が徐々に低下し、50℃〜60℃に低下した状態で、U字型の処理槽2の下方に設けた排出扉13から処理剤を取出して見ると、鰻の姿は全く無く、骨も全く見当たらず、脂肪分、水分も分解蒸散し、水分状態約30%程度の処理剤だけに成り、処理物投入前と殆ど変わらず、被処理物消滅状態で、即、次の処理物投入可能な待機の状態で、略乾燥した処理剤だけに成り出てきた。
廃魚類等の醗酵酵処理に於いて、養殖中の死魚廃魚類は脂肪分が多く、特に廃鰻の場合は脂肪分が多く、その排除に困難を極める。従来の醗酵装置の60℃~80℃の温度では処理温度不足で、脂肪分が多い為に、3~4回の投入処理を続けると、処理分解出来ない脂肪分が残留し、投入処理を重ねる毎に、その都度、次第に脂肪分が多くなり、攪拌中の処理剤が諸共に液状化し、泥状になり、攪拌ロッドが空転状態となり処理が出来なくなる。
本処理方法は、高温に対応出来る醗酵菌を使用する事により、85℃〜120℃の高温範囲で醗酵処理を行い、通常の醗酵菌より高い温度で処理出来る事により、一般的な生ごみ処理機の60℃~80℃程度の醗酵処理温度より本処理方法の比較的高い処理温度85℃~100℃の高い温度範囲で醗酵処理し、更に、醗酵処理温度より高い110℃〜120℃の温熱風を吹き付けて脂肪分等を分解処理し、蒸発蒸散させ乍ら処理する事により、脂肪分の多い廃魚廃鰻も、3時間程度の短時間で醗酵処理を終了し、更に一ヶ月間程度は、醗酵剤の入れ替え無しに効果的な醗酵処理を終了する事が出来る。
1 処理装置
2 処理槽
3 湯煎タンク
4 湯煎ヒーター
5 回転軸
6 攪拌ロッド
7 スプロケット
8 チェーン
9 送風機
10 温熱風装置(パイプ)
11 送風口
12 投入口
13 排出口
14 配管パイプ(脱臭)
15 脱臭装置
16 排気口
17 送風パイプ
18 破砕版
19 湯煎タンクの栓、オイル膨張時のエアー弁
20 温熱風吹き出しパイプ
21 温熱風送風パイプ
22 オイル面(油面)
M 駆動モーター

Claims (3)

  1. 金属製箱形の醗酵処理装置で、0℃〜120℃の温度範囲に醗酵加熱し、攪拌醗酵処理出来る装置に於いて、湯煎オイル、又は熱湯が使用出来る湯煎タンクを設置し、該湯煎タンク内には湯煎オイルを入れ、処理槽内に、醗酵菌を加えた醗酵処理剤を入れて加熱し、廃魚類等の処理物を入れ、攪拌醗酵処理出来る事を特徴とする廃魚類等の醗酵処理方法。
  2. 請求項1記載の醗酵処理装置内に送風機を付設し、湯煎タンク内湯煎ヒーター付設位置の、上の位置に、温熱風装置パイプを付設し、処理槽内に処理剤を入れて加熱し、オイルの加熱により、処理槽内の加熱と共に温熱風装置パイプも加熱され、加熱した温熱風装置パイプの中を、送風機から通常の空気を通過させて、処理槽内の温度85℃〜100℃より高い温度に温熱風化し、攪拌処理中の醗酵剤に吹き付け乍ら、処理困難な廃魚類等の動物性脂肪、蛋白質等の醗酵分解処理を、より効果的に促す様にした事を特徴とする、廃漁類等の醗酵処理方法。
  3. 槽内処理剤の醗酵温度が85℃に達した後に、廃魚類等の処理物を投入し、醗酵処理剤と廃魚類等を混合攪拌し乍ら、槽内処理温度を、毎時6℃〜10℃の温度で緩やかに上昇させて、醗酵菌が高温に対応出来る様に、順応と進化を促し乍ら、85℃~100℃の温度範囲で攪拌醗酵処理を行い、更に110℃〜120℃の高い温熱風を吹きつけ乍ら、醗酵処理を効果的に促進し、3時間程度で醗酵処理を終了する様にした事を特徴とする廃魚類等の醗酵処理方法。
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