JP2010265510A - マグネトロンスパッタリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工体の中央部から周辺部までの全域に渡って均一にスパッタリングを行うことができ、エロージョンの発生を減少することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】マグネトロンスパッタリング装置1において、カソード電極5と、被加工体10上に磁界を形成する磁界形成部7と、アノード電極13とを備える。磁界形成部7は、回転軸8Cからずれた位置に第1の磁極面73Sを有する第1の磁石73と、回転軸8C及び第1の磁石73の周囲に沿って磁極が異なる第2の磁極面72Sを有する第2の磁石72と、第2の磁極面72上の第1の磁石73の周囲に沿った一部に第1の磁極面73Sよりも低く第2の磁極面72Sよりも高い範囲内において第2の磁極面72Sと磁極が同一の第3の磁極面74Sを有する第3の磁石74とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】マグネトロンスパッタリング装置1において、カソード電極5と、被加工体10上に磁界を形成する磁界形成部7と、アノード電極13とを備える。磁界形成部7は、回転軸8Cからずれた位置に第1の磁極面73Sを有する第1の磁石73と、回転軸8C及び第1の磁石73の周囲に沿って磁極が異なる第2の磁極面72Sを有する第2の磁石72と、第2の磁極面72上の第1の磁石73の周囲に沿った一部に第1の磁極面73Sよりも低く第2の磁極面72Sよりも高い範囲内において第2の磁極面72Sと磁極が同一の第3の磁極面74Sを有する第3の磁石74とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、マグネトロンスパッタリング装置に関し、特にカソード電極の保持面に被加工体を保持し、カソード電極の保持面に沿って磁界形成部を回転させて被加工体上に磁界を発生させ、被加工体上に発生させるプラズマ密度を高めて被加工体にスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング装置に関する。
スパッタリング装置は、ガラス、セラミックス、プラスチック、金属又はその他の材料を主成分とする構造体の表面に金属若しくはその化合物又はそれらの混合物等の薄膜をスパッタリング法を用いて形成するものである。この種のスパッタリング装置は、光情報記録媒体、半導体デバイス、電気電子部品、その他、様々な分野における成膜装置として広く使用されている。特に、マグネトロンスパッタリング装置は、成膜効率に優れ、高い成膜速度を得ることができるので、近年のスパッタリング装置の主流になっている。
マグネトロンスパッタリング装置は、ターゲット上に磁界を生じさせ、この磁界によりターゲット上近傍にプラズマの高密度領域を形成し、このプラズマの高密度領域において活性化されたアルゴン(Ar)等の不活性原子をターゲットに加速度的に衝突させることによりターゲット材料を飛散させ、この飛散させたターゲット材料を構造体の表面に堆積させることによりこのターゲット材料を主組成とする薄膜を形成する装置である。
しかしながら、従来のマグネトロンスパッタリング装置においては、磁界により形成されるプラズマの高密度領域が極狭い領域のみに形成されるので、この高密度領域に対応するターゲットの極狭い領域のみに不活性原子が集中して衝突する。このため、ターゲットは部分的に削られ、エロージョンと呼ばれる溝がターゲットに形成されてしまう。このようなマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットの極一部のみをスパッタリングに用いることができるものの、それ以外の部分はスパッタリングに用いることができないので、ターゲットの使用効率が悪く、その改善が望まれている。
下記特許文献1及び特許文献2には、ターゲットの使用効率を向上させるマグネトロンスパッタリング装置が開示されている。このマグネトロンスパッタリング装置は、円柱状の第1磁石と、この第1磁石とは極性が逆向きでかつ第1磁石を囲む円筒状の第2磁石とを有し、ターゲットの表面に沿う方向に回転運動を行い、プラズマの高密度領域を2つの磁石の回転方向に沿って移動させるものである。このような構成を有するマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットの削られる範囲を拡大することができるので、ターゲットの使用効率を向上することができる。
しかしながら、前述の特許文献1及び2に開示されたマグネトロンスパッタリング装置においては、以下の点について配慮がなされていなかった。
特許文献1に開示されたマグネトロンスパッタリング装置においては、第1磁石の重心位置と第2磁石の中心位置とを一致させているが、ターゲットの中心位置(第1磁石及び第2磁石の回転軸心)はずれており第1磁石と第2磁石との中間に設定されている。このマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットの中心からその外縁部近傍に至る領域までプラズマの高密度領域を形成することができるので、ターゲットに均一なスパッタリングを行うことができ、ターゲットの使用効率を向上することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されたマグネトロンスパッタリング装置においては、プラズマの高密度領域が第1磁石と第2磁石との中間の位置に形成されるので、ターゲットの外縁部の領域までプラズマの高密度領域を広げることが難しい。つまり、ターゲットの外縁部の領域のスパッタリングを行うことが難しいので、ターゲットの使用効率は十分ではなかった。
一方、特許文献2に開示されたマグネトロンスパッタリング装置においては、第1磁石の重心を外周の円筒状の第2磁石の中心位置から少しずれた位置に配置するとともに、第2磁石の中心位置とターゲットの中心位置(第1磁石及び第2磁石の回転軸心)とを一致させ、かつターゲット面に対して第1磁石の磁極面及び第2磁石の磁極面を傾斜させている。このマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットの中心位置の左右においてプラズマの高密度領域の形成位置が異なるので、ターゲットの広範囲にスパッタリングを行うことができる。
しかしながら、特許文献2に開示されたマグネトロンスパッタリング装置においては、プラズマの高密度領域が第1磁石と第2磁石との中間の位置に形成されるので、ターゲットの中心位置にプラズマの高密度領域を広げることが難しい。つまり、ターゲットの中央部の領域のスパッタリングを行うことが難しいので、ターゲットの使用効率は十分ではなかった。
なお、マグネトロンスパッタリング装置は、成膜装置としてだけではなく、エッチング装置としても使用されている。マグネトロンスパッタリング装置において、ターゲットに代えてウエーハにスパッタリングが行われるが、この場合にはエッチング深さの分布にばらつきが生じ、エッチングの精度を向上することができない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明は、被加工体の中央部から周辺部までの全域に渡って均一にスパッタリングを行うことができ、エロージョンの発生を減少することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することである。
また、本発明は、ターゲットの使用効率を向上することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することである。更に、本発明は、ウエーハのエッチングの精度を向上することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の実施例に係る特徴は、マグネトロンスパッタリング装置において、被加工体を保持する保持面とこの保持面に対向する非保持面とを有するカソード電極と、カソード電極の非保持面から保持面とは反対側に離間して配設され、保持面の中央部に交差する線を回転軸として保持面に沿って回転し、保持面に保持される被加工体上に磁界を形成する磁界形成部と、カソード電極の保持面から非保持面とは反対側に離間して配置されたアノード電極とを備え、磁界形成部は、回転軸上の位置とは異なる位置にカソード電極の非保持面に対向配置された第1の磁極面と、回転軸及び第1の磁極面を含む領域の周囲に沿って非保持面に対向配置され、第1の磁極面とは磁極が異なると共に第1の磁極面よりも磁界強度が弱い第2の磁極面と、回転軸及び第1の磁極面を含む領域の周囲に沿って非保持面に対向配置され、第2の磁極面と磁極が同じであり第2の磁極面よりも磁界強度が強い第3の磁極面とを備える。
また、マグネトロンスパッタリング装置において、磁界形成部は、第1の磁極面を有する第1の磁石と、第2の磁極面を有する第2の磁石と、第3の磁極面を有する第3の磁石とを備え、第1〜第3の磁極面は、保持面に対して、第1の磁極面、第3の磁極面、第2の磁極面の順に離間して配置されていることが好ましい。
また、マグネトロンスパッタリング装置において、第1の磁石は第1の磁極面を円形状とする円柱状磁石であり、第2の磁石は、第1の磁石の第1の磁極面の第1の中心と回転軸とを結ぶ直線上に第2の中心を有し、回転軸及び第1の磁石を含む領域の周囲を取り囲む環状磁石であり、第3の磁石は、第2の磁極面上における第1の磁石と第2の磁石との距離が短い側の領域に配設されていることが好ましい。
また、マグネトロンスパッタリング装置において、第3の磁極面は保持面との距離が面内で均一であることが好ましい。
また、マグネトロンスパッタリング装置において、第3の磁極面は保持面との距離が回転軸から第1の中心に向かって連続的若しくは段階的に短くなっていることが好ましい。
また、マグネトロンスパッタリング装置において、磁界形成部は、回転軸と第1の中心とを結ぶ直線上において第1の磁石と第3の磁石の保持面の周辺部側との間の第1のヨークギャップに比べて第1の磁石と第2の磁石の保持面の中央側との間の第2のヨークギャップが広く設定され、第2のヨークギャップ側において第1の磁石と第2の磁石との間に発生する漏洩磁界によって保持面の中央部における被加工体上にプラズマ領域が形成され、第1の磁石と第2の磁石又は第3の磁石との間であって第1の磁石の周囲において、被加工体上に形成されるプラズマ領域を形成する漏洩磁界の強度は、プラズマ領域のプラズマ密度を保持面の中央部からプラズマ領域までの距離で割った値が均一になるように調整されていることが好ましい。
また、マグネトロンスパッタリング装置において、カソード電極、磁界形成部及びアノード電極を内部に収納するチャンバと、チャンバ内に不活性ガスを供給するガス供給源と、カソード電極とアノード電極との間に所定の電圧を印加する電源と、チャンバ内のガスを排気する排気システムと、磁界形成部を回転軸を中心として回転させる回転駆動部とを更に備え、被加工体にはターゲットが使用され、このターゲットはカソード電極の保持面に保持され、アノード電極にはウエーハが保持され、ターゲットの組成物質がウエーハ上に成膜されることが好ましい。
更に、マグネトロンスパッタリング装置において、カソード電極、磁界形成部及びアノード電極を内部に収納するチャンバと、チャンバ内にエッチングガスを供給するガス供給源と、カソード電極とアノード電極との間に所定の電圧を印加する電源と、チャンバ内のガスを排気する排気システムと、磁界形成部を回転軸を中心として回転させる回転駆動部とを備え、被加工体にはウエーハが使用され、このウエーハはカソード電極の保持面に保持され、ウエーハの表面がエッチングされることが好ましい。
本発明によれば、被加工体の中央部から周辺部までの全域に渡って均一にスパッタリングを行うことができ、エロージョンの発生を減少することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することができる。
また、本発明によれば、ターゲットの使用効率を向上することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することができる。更に、本発明によれば、ウエーハのエッチングの精度を向上することができるマグネトロンスパッタリング装置を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
また、以下に示す実施例はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(実施例1)
本発明の実施例1は、成膜装置としてのマグネトロンスパッタリング装置に本発明を適用した例を説明するものである。
本発明の実施例1は、成膜装置としてのマグネトロンスパッタリング装置に本発明を適用した例を説明するものである。
[装置構成]
図1に示すように、実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1は、被加工体10を保持する保持面(表面)5Aとこの保持面5Aに対向する非保持面(裏面)5Bとを有するカソード電極5と、カソード電極5の非保持面5Bから保持面5Aとは反対側に離間して配設され、保持面5Aの中央部に交差する線(仮想線)上に配置された回転軸8Cを中心として保持面5Aに沿って回転し、保持面5Aに保持される被加工体10上に磁界を形成する磁界形成部7と、カソード電極5の保持面5Aから非保持面5Bとは反対側に離間して配置されたアノード電極13とを備えている。このマグネトロンスパッタリング装置1は、カソード電極5、磁界形成部7及びアノード電極13を内部に収納するチャンバ(真空チャンバ)2と、チャンバ2内に不活性ガスを供給するガス供給源3と、カソード電極5に高周波を供給しカソード電極5とアノード電極との間に電圧を発生させる高周波電源(電源)6と、チャンバ2内のガスを排気する排気システム4と、磁界形成部7を回転軸8Cを中心として回転させる回転駆動部8とを更に備えている。
図1に示すように、実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1は、被加工体10を保持する保持面(表面)5Aとこの保持面5Aに対向する非保持面(裏面)5Bとを有するカソード電極5と、カソード電極5の非保持面5Bから保持面5Aとは反対側に離間して配設され、保持面5Aの中央部に交差する線(仮想線)上に配置された回転軸8Cを中心として保持面5Aに沿って回転し、保持面5Aに保持される被加工体10上に磁界を形成する磁界形成部7と、カソード電極5の保持面5Aから非保持面5Bとは反対側に離間して配置されたアノード電極13とを備えている。このマグネトロンスパッタリング装置1は、カソード電極5、磁界形成部7及びアノード電極13を内部に収納するチャンバ(真空チャンバ)2と、チャンバ2内に不活性ガスを供給するガス供給源3と、カソード電極5に高周波を供給しカソード電極5とアノード電極との間に電圧を発生させる高周波電源(電源)6と、チャンバ2内のガスを排気する排気システム4と、磁界形成部7を回転軸8Cを中心として回転させる回転駆動部8とを更に備えている。
実施例1において、マグネトロンスパッタリング装置1は成膜装置であり、被加工体10にはターゲットが使用される。このターゲットはカソード電極5の保持面5Aに保持され、アノード電極13にはウエーハ11が保持される。保持面5Aはカソード電極5のアノード電極13側に対向する表面である。従って、非保持面5Bはカソード電極5のアノード電極13側とは反対の裏面である。ウエーハ11はアノード電極13のカソード電極5側に対向する表面上に保持される。そして、マグネトロンスパッタリング装置1は、ターゲット上(ターゲットのアノード電極13側の表面上)に磁界形成部7により磁界を生じさせ、この磁界によりターゲット上近傍にプラズマの高密度領域を形成し、このプラズマの高密度領域において活性化された不活性原子をターゲット表面に加速度的に衝突させることによりターゲット材料を飛散させ、この飛散させたターゲット材料をウエーハ11の表面に堆積させる。ウエーハ11の表面に堆積された薄膜はターゲット材料を主組成として成膜されている。
マグネトロンスパッタリング装置1において、カソード電極5の非保持面5Bの周縁でカソード電極5を保持するカソード筐体51が配設されている。更に、カソード電極5及びカソード筐体51の側面周囲には一定の距離を持ってカソードシールド52が配設されている。カソード電極5とカソード筐体51とによって周囲が密閉された内部には磁界形成部7が配設されている。
カソード電極5の保持面5Aに保持される被加工体10つまりターゲットは円盤形状により製作され、ターゲットの組成材料には金属若しくはその化合物又はそれらを含む混合物等が使用されている。また、ターゲット材料を飛散させるウエーハ11には、実施例1において、半導体基板、ガラス基板、炭化シリコン(SiC)基板、セラミックス基板、樹脂基板等が使用される。ここで、半導体基板には、シリコン基板に限定されるものではなく、GaAs基板等の化合物半導体基板が含まれる。セラミックス基板には例えばAlTiC基板等が含まれる。
ガス供給源3から供給される不活性ガスには例えばArガスが使用される。また、排気システム4には、チャンバ2内を減圧する真空ポンプ、バルブ等が含まれる。符号21はチャンバ2及び高周波電源6にそれぞれ接続された接地である。
回転駆動部8は、モータ81と、その回転軸に連結された駆動側プーリ82と、磁界形成部7に連結され回転軸8Cを中心に回転する回転主軸85と、回転主軸85に連結された従動側プーリ83と、駆動側プーリ82と従動側プーリ83とに掛け回された伝達ベルト84とを備えている。回転駆動部8は、モータ81の回転軸の回転を回転主軸85に伝達し、回転軸8Cを中心として磁界形成部7を回転させるようになっている。
磁界形成部7は、図1、図2(A)及び図2(B)に示すように、回転軸8Cから保持面5Aの周辺部に向かってずれた位置(図2(A)及び図2(B)中右側にずれた位置)にカソード電極5の非保持面5Bに対向配置させた第1の磁極面73Sを有する第1の磁石73と、回転軸8Cと第1の磁石73との間を除き回転軸8C及び第1の磁石73の周囲に沿ってカソード電極5の非保持面5Bに対向配置させ、保持面5Aから第1の磁極面73Sよりも離間し、第1の磁極面73Sに対して磁極が異なる第2の磁極面72Sを有し、かつ第1の磁石73に比べて磁界強度が弱い第2の磁石72と、第2の磁極面72S上の第1の磁石73の周囲に沿った一部に第1の磁極面73Sよりも低く(保持面5Aから離間し)第2の磁極面72Sよりも高い(保持面5Aに近い)範囲内においてカソード電極5の非保持面5Bに対向配置させ、第2の磁極面72Sと磁極が同一の第3の磁極面74Sを有し、かつ第2の磁石72に比べて磁気強度が強い第3の磁石74とを備える。
磁界形成部7は、ヨーク磁石を構築し、回転駆動部8の回転主軸85に連結された円盤状の支持台71を備え、この支持台71上に第1の磁石73及び第2の磁石72が取り付けられ固定されている。第3の磁石74は第2の磁石72の第2の磁極面72S上に取り付けられ固定されている。
実施例1において、第1の磁石73は第1の磁極面73Sを円形状とする円柱状磁石である。第1の磁石73の直径はL3、第1の磁石73の第1の磁極面73Sの支持台71からの高さはt1である。ここで、第1の磁極面73Sは、カソード電極5の保持面5Aに対応した表面であり、保持面5Aと同様にアノード電極13側の表面である。実施例1においては、第1の磁極面73Sは保持面5Aに平行に一定の距離を持って離間されている。平行とは、理想的には数学上の平行であるが、実用上問題無い範囲において平行に近ければよい。第1の磁石73には、例えばFeNdB(鉄・ネオジム・ホウ素)やCoSm(コバルト・サマリウム)等の強い磁界強度を有する希土類を主成分とする永久磁石を実用的に使用することができる。第1の磁極面73Sの極性はここではN極である。なお、第1の磁石73の第1の磁極面73Sは、好ましくは円形状であるが、必ずしもこの形状に限定されるものではなく、楕円形状、多角形形状等であってもよい。
第2の磁石72は、第1の磁石73の第1の磁極面73Sの第1の中心C1(ここでは重心と等価である。)と回転軸8Cとを結ぶ直線(仮想線)上に第2の中心C2(同様にここでは重心と等価である。)を有し、回転軸8C及び第1の磁石73の周囲を取り囲む環状磁石である。第2の磁石72の外径(つまり、ヨーク永久磁石の外径)L2は被加工体10の直径L1の約0.5〜0.6倍の大きさに設定されている。第2の磁極面72SはここではS極である。第2の磁石72の第2の磁極面72Sの支持台71からの高さはt2である。第2の磁極面72Sの定義は前述の第1の磁極面73Sの定義と同様である。ここで、第2の磁石72の外径をこのように規定しているのは、それ以上に大きくなると、被加工体10の中央部近傍にプラズマが発生しにくく、被加工体10の中央部が残りやすくなるためである。また、それ以下にしても、被加工体10の中央近傍にプラズマが発生しにくくなる。第2の磁石72には例えば第1の磁石73と同様に希土類を主成分とする永久磁石を実用的に使用することができる。なお、第2の磁石72の第2の磁極面72Sは、好ましくは真円環状であるが、必ずしもこの形状に限定されるものではなく、楕円環状、多角形環状等であってもよい。
第2の磁石72の第1の磁石73がずれた方向の少なくとも半径以上の領域、つまり保持面5Aの周辺部から保持面5Aの中央部に向い第2の磁極面72Sの2分の1〜4分の3の面積範囲内の領域おいて、第2の磁石72はそれ以外の領域より強い磁界が発生するように構成されている。第1の磁石73の第1の中心C1が第2の磁石72の第2の中心C2からずれた時点において漏洩磁界の磁界強度の分布はそのようになるが、被加工体10の中央近傍と外周近傍では磁界形成部7を回転させたときの線速度に大きな差が生じるため、被加工体10のエロージョンを均一化するにはその漏洩磁界強度の差を極端に大きくする必要がある。実施例1においては、第2の磁石72の第2の磁極面72S上の一部(2分の1〜4分の3の面積範囲内の領域)に第3の磁石74が配設されている。
第3の磁石74は、このように半環状の第3の磁極面74Sを有し、保持面5Aに近づけ磁界強度を強くするために、第2の磁極面72Sに比べて高い高さt3を有する。実施例1において、第3の磁極面74Sの高さt3は均一に設定されている。ここで、第3の磁極面74Sの定義は前述の第1の磁極面73Sの定義と同様であり、結果的に第3の磁極面74Sの全域に渡って保持面5Aとの間の距離は均一化されている。第3の磁石74にはFeNdB等の軟鉄材料を実用的に使用することができる。第3の磁石74は第2の磁石72の一部の領域の高さ(第3の磁極面74Sの高さt3)と第1の磁石73の第1の磁極面73Sとの高さt1との差を小さくし、かつこの第3の磁極面74Sの磁界強度を強くすることができるので、被加工体10の中央近傍と外周近傍とにおいて発生する漏洩磁界の強度差をより大きくすることができる。
このように構成される磁界形成部7においては、第2の磁石72の第2の磁極面72Sよりも第1の磁石73の第1の磁極面73S及び第3の磁石74の第3の磁極面74Sを被加工体10に近づけているので、これらの第1の磁石73、第2の磁石72及び第3の磁石74によって生じる磁界は被加工体10を通過して被加工体10上にまで強い磁界強度を持って及ぶ。
更に、磁界形成部7においては、第1の磁石73の第1の磁極面73Sの高さt1に対して、第2の磁石72の第2の磁極面72Sの高さt2及び第3の磁石74の第3の磁極面74Sの高さt3を低く(保持面5Aから離れた位置に)設定しているので、磁界を外側に広げられると共にプラズマ領域の密度分布を広くすることができる。図1、図2(A)及び図2(B)に示すように、回転軸8C、第2の中心C2、第1の中心C1のそれぞれを結ぶ直線上において、保持面5Aの周辺部側の第1の磁石73と第3の磁石74との間の第1のヨークギャップに発生する磁界M2は被加工体10の周縁まで拡がる。符号P2は磁界M2によって発生するプラズマ領域である。同様に、保持面5Aの中央部側の第1の磁石73と第2の磁石72との間の第2のヨークギャップに発生する磁界M1は被加工体10の回転軸8Cを含みそれを超えた領域まで拡がる。符号P1は磁界M1によって発生するプラズマ領域である。
[スパッタリング特性]
次に、実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いてスパッタリングを実施した実験結果は以下の通りである。被加工体10は5インチ径(L1)を有する非磁性材料であるアルミニウムターゲットを用いた。磁界形成部7の第2の磁石72の外径(L2)は70mm(被加工体10の直径の0.56倍)、第1の磁石73の厚さ(高さt1)は16mmに設定した。第2の磁石72の第2の中心C2からずらして狭くなる第1のヨークギャップは8mmに固定した。第1の磁石73は36mm(図1中、符号73(1))、30mm(図1中、符号73(2))、28mm(図1中、符号73(3))、25mm(図1中、符号73(4))の4種類の直径(L3)を選び、第2のヨークギャップの幅を調節した。また、第2の磁石72は軟鉄材により製作し、第2の磁石72の幅は5mm、高さt2は10mmに設定した。第3の磁石74はFeNdBにより製作し、第3の磁石74の幅は5mm、高さt3は8mm(第3の磁石74のみの高さ3mm)に設定した。
次に、実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いてスパッタリングを実施した実験結果は以下の通りである。被加工体10は5インチ径(L1)を有する非磁性材料であるアルミニウムターゲットを用いた。磁界形成部7の第2の磁石72の外径(L2)は70mm(被加工体10の直径の0.56倍)、第1の磁石73の厚さ(高さt1)は16mmに設定した。第2の磁石72の第2の中心C2からずらして狭くなる第1のヨークギャップは8mmに固定した。第1の磁石73は36mm(図1中、符号73(1))、30mm(図1中、符号73(2))、28mm(図1中、符号73(3))、25mm(図1中、符号73(4))の4種類の直径(L3)を選び、第2のヨークギャップの幅を調節した。また、第2の磁石72は軟鉄材により製作し、第2の磁石72の幅は5mm、高さt2は10mmに設定した。第3の磁石74はFeNdBにより製作し、第3の磁石74の幅は5mm、高さt3は8mm(第3の磁石74のみの高さ3mm)に設定した。
更に、磁界形成部7の回転軸8Cは第2の中心C2から20mmずれた位置に設定された。この磁界形成部7は回転駆動部8により偏心回転し、スパッタリング放電時にプラズマ領域が回転移動する。
磁界形成部7を回転軸8Cを中心に回転させることにより、被加工体10の中央部分(回転軸8Cに一致する部分)には漏洩磁界の分布によって第2のヨークギャップに発生するプラズマのピークからずれた弱いプラズマが発生する。この中央部分に発生する弱いプラズマは磁界形成部7が回転しても移動しないので、被加工体10の中央部分は常にスパッタされた状態になる。被加工体10の中央部分以外の領域においては磁界形成部7の回転とともにプラズマが移動するので、単位時間当たりにスパッタされる量は回転半径に反比例する。従って、被加工体10の中央部分は常時スパッタされ続けるが、プラズマ密度が小さいので、他の領域と共に被加工体10は削られ、全面をエロージョンとすることができる。
図3は直径36mmの第1の磁石73を用いたマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面を示す。図3中、横軸は被加工体(ターゲット)10の回転軸8Cからの位置(mm)、横軸は被加工体10の厚さ(mm)である。データS0はスパッタリング開始前の被加工体10の表面形状、データS1は500Wの高周波出力において70時間のスパッタリングを実施した後の被加工体10の表面形状、データS2は最後までスパッタリングを実施した後の計算上の被加工体10の表面形状である。
図4は直径30mmの第1の磁石73を用いたマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面を示す。図5は直径28mmの第1の磁石73を用いたマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面を示す。図6は直径25mmの第1の磁石73を用いたマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面を示す。横軸、縦軸、データS0〜S2のそれぞれは図3に示す場合と同様である。
図7は前述の特許文献1に開示されたマグネトロンスパッタリング技術を利用し、外径が5インチのカソード及び外径が70mmのヨーク磁石を用いてスパッタリングを実施した実験結果(比較例)を示す。図8は前述の特許文献2に開示されたマグネトロンスパッタリング技術を利用し、外径が5インチのカソード及び外径が70mmのヨーク磁石を用いてスパッタリングを実施した実験結果(比較例)を示す。
図3〜図6に示すように、実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、磁界形成部7の第1の磁石73の直径L3を変化させることにより、被加工体10の中央付近並びに周縁付近におけるエロージョン形状に変化が発生する。特に、図5に示す第1の磁石73の直径L3が28mmに設定されたとき、被加工体10の中心から半径50mmの範囲内においてエロージョン深さの分布が小さくなっている。このときのターゲット使用効率は計算により約70%であった。
これに対して、特許文献1に係るマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲット中心近傍ばかりが集中的にスパッタリングされるため、図7に示すようにエロージョン深さの分布が非常に大きい。また、ターゲットの中心ばかりが削れるため、ターゲット使用効率も非常に小さい。
また、図8に示す特許文献2に係るマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲット全体に渡ってエロージョンが広がり、ターゲット使用効率は非常に高く約80%であった。これは、ターゲットの最外周までもエロージョン領域になっているためである。しかしながら、ターゲットの中央部はスパッタリングにより削れる速度が遅いため、最もエロージョンの深い部分が0mmに達したときでも、ターゲットの中心はまだ3mm以上も残っており、均一なエロージョン形状を得ることが難い。
実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、特許文献2に係るマグネトロンスパッタリング装置におけるターゲット使用効率には達しないものの、若干漏洩磁界が外側に拡がるように調節すれば同様の80%以上の使用効率を得ることが可能である。
このように実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、磁気形成部7の回転軸8Cに対して第2の磁石72の第2の中心Cをずらし、回転軸8Cを第1の磁石73と第2の磁石72との間の第2のヨークギャップ内に設定し、かつ第1の磁石73の第1の磁極面73Sを被加工体10に近づけ第1の磁極面73Sに対して第2の磁石72の第2の磁極面72Sの高さに差を設けたので、プラズマ密度分布が広がりやすくなり、被加工体10上の中央近傍部における磁界M1をプラズマ収束が可能な強度を維持しつつ回転軸8Cの周囲に磁界M1を広げたので、被加工体10の中央部でのプラズマ密度を減少することができる。更に、マグネトロンスパッタリング装置1においては、第2の磁石72の第2の中心C2に対して第1の磁石73の第1の中心C1を保持面5Aの周辺側にずらして第1のヨークギャップにおける第1の磁石73と第3の磁石74との間の磁界M2の強度を強くし、かつ第1の磁石73の第1の磁極面73S及び第3の磁石74の第3の磁極面74Sを被加工体10に近づけ、かつ第3の磁石74の磁界M2の強度を強くし、加えて第1の磁石73の第1の磁極面73Sに対して第3の磁石74の第3の磁極面74Sの高さに差を設けたので、被加工体10上の周辺部における磁界M2の強度を強くし被加工体10の周縁に磁界M2を拡げたので、被加工体10の周辺部のプラズマ密度を増加させることができる。加えて第1の磁石73をずらしたことで、磁界M1を形成する第2のヨークギャップは広がるため、磁界M1の強度に対する磁界M2の強度はより大きくなる。一方、磁気形成部7が回転するときに磁界M2が動く線速度は回転半径に反比例する。従って、磁界M2が動く線速度は磁界M1が動く線速度よりも大きいので、被加工体10の各領域で単位時間当たりに形成されるプラズマの密度はより平均化される。そのため、被加工体10の中央部分及び周辺部分を含み、被加工体10の全体に渡って凹凸の少ないエロージョン深さの分布を得ることができ、結果的にエロージョンの局所的な発生を減少することができるので、被加工体10つまりターゲットの使用効率を向上することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、前述の実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1の磁界形成部7の構造を変えた例を説明するものである。
本発明の実施例2は、前述の実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1の磁界形成部7の構造を変えた例を説明するものである。
[装置構成]
図9及び図10に示すように、実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1は、磁界形成部7の第2の磁石72の一部すなわち第1のヨークギャップにおける第3の磁石74の磁界M2の強度を変化させたものである。詳細には、第3の磁石74の磁界Mの強度は保持面5Aの周辺部から中央部に向かって連続的に小さくなるように設定されている。
図9及び図10に示すように、実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1は、磁界形成部7の第2の磁石72の一部すなわち第1のヨークギャップにおける第3の磁石74の磁界M2の強度を変化させたものである。詳細には、第3の磁石74の磁界Mの強度は保持面5Aの周辺部から中央部に向かって連続的に小さくなるように設定されている。
第3の磁石74は、第1の磁石73の第1の中心Cと回転軸8Cとを結ぶ直線上において、保持面5Aの周辺部から中央部に向かって連続的又は段階的に厚さが薄く形成されている。すなわち、保持面5Aの最も周辺部において第3の磁石74の高さt3は最も高く、保持面5Aの中央部に向かうに従って第3の磁石74の高さt3は減少し、漏洩磁界の強度差は連続的又は段階的に変化する。
[スパッタリング特性]
次に、実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いてスパッタリングを実施した実験結果は以下の通りである。被加工体10は、実施例1に係るスパッタリング特性において使用した被加工体10と同様に、5インチ径(L1)を有する非磁性材料であるアルミニウムターゲットを用いた。磁界形成部7の第2の磁石72の外径(L2)は第1実施例と同じ70mmであるが、磁界M1をさらにターゲットの中心に近づけるため、図10に示すように、磁界M1の第2のヨークギャップ部分がさらに5mm小さくなるように第2の磁石72側の一部に軟鉄材を配置した。また、図9に示すように第2の磁石72の外径(L2)を65mm(被加工体10の直径の0.52倍)としてもよい。第1の磁石73の外径(L1)は最も特性が良好であった前述の図5に示す実験に使用した28mmを使用した。第3の磁石74は、長さ10mm、幅5mmを有し、厚さが最大5mmから最小1mmまで1mm毎に段階的に異なる複数種類の板状のFeNdB磁石を使用した。図10(A)に示すマグネトロンスパッタリング装置1の第3の磁石74の保持面5Aの周辺部から中央部までの長さL4は40mmに設定した。同様に、図10(B)に示すマグネトロンスパッタリング装置1の第3の磁石74の長さL4は45mm、図10(C)に示すマグネトロンスパッタリング装置1の第3の磁石74の長さL4は50mmに設定した。
次に、実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いてスパッタリングを実施した実験結果は以下の通りである。被加工体10は、実施例1に係るスパッタリング特性において使用した被加工体10と同様に、5インチ径(L1)を有する非磁性材料であるアルミニウムターゲットを用いた。磁界形成部7の第2の磁石72の外径(L2)は第1実施例と同じ70mmであるが、磁界M1をさらにターゲットの中心に近づけるため、図10に示すように、磁界M1の第2のヨークギャップ部分がさらに5mm小さくなるように第2の磁石72側の一部に軟鉄材を配置した。また、図9に示すように第2の磁石72の外径(L2)を65mm(被加工体10の直径の0.52倍)としてもよい。第1の磁石73の外径(L1)は最も特性が良好であった前述の図5に示す実験に使用した28mmを使用した。第3の磁石74は、長さ10mm、幅5mmを有し、厚さが最大5mmから最小1mmまで1mm毎に段階的に異なる複数種類の板状のFeNdB磁石を使用した。図10(A)に示すマグネトロンスパッタリング装置1の第3の磁石74の保持面5Aの周辺部から中央部までの長さL4は40mmに設定した。同様に、図10(B)に示すマグネトロンスパッタリング装置1の第3の磁石74の長さL4は45mm、図10(C)に示すマグネトロンスパッタリング装置1の第3の磁石74の長さL4は50mmに設定した。
図11は図10(A)に示すマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面を示す。図11中、横軸は被加工体(ターゲット)10の回転軸8Cからの位置(mm)、横軸は被加工体10の厚さ(mm)である。データS0はスパッタリング開始前の被加工体10の表面形状、データS1は500Wの高周波出力において70時間のスパッタリングを実施した後の被加工体10の表面形状、データS2は最後までスパッタリングを実施した後の計算上の被加工体10の表面形状である。同様に、図12は図10(B)に示すマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面、図13は図10(C)に示すマグネトロンスパッタリング装置1によってスパッタリングが行われた被加工体10のエロージョン断面を示す。
図11〜図13に示すように、マグネトロンスパッタリング装置1の磁界形成部7の第3の磁石74の厚さを変化させることにより、第3の磁石74の領域においてエロージョンの平坦性をある程度制御することができる。特に、図12に示すように、図10(B)に示すマグネトロンスパッタリング装置1を使用した場合、被加工体10の中央領域から周辺部に向かって約50mmの範囲内において、非常に均一なエロージョン形状が得られた。このときのターゲット使用効率は、約77%であり、実施例1に係るターゲット使用効率に比べて高い。更に、被加工体10の中心から半径50mmの範囲内において、エロージョン深さの分布は±6%であった。
このように構成される実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、前述の実施例1に係るマグネトロンスパッタリング装置1により得られる効果と同様の効果を奏することができる。更に、実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、ターゲット使用効率を向上することができ、ほぼ平坦化されたエロージョン形状を得ることができる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、前述の実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1においてエロージョンの分布の最適化を図った例を説明するものである。
本発明の実施例3は、前述の実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1においてエロージョンの分布の最適化を図った例を説明するものである。
実施例3に係るマグネトロンスパッタリング装置1の構成は基本的には前述の実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1の構成と同一である。前述の実施例2に係る図10(B)に示すマグネトロンスパッタリング装置1を用いて図12に示す良好なエロージョンの分布が得られた結果から、エロージョンの平坦度は磁界形成部7の第3の磁石74の配置された領域により変化する。そこで、図10(B)に示すマグネトロンスパッタリング装置1を用いて図12に示すエロージョンの分布が得られるための漏洩磁界構成は磁界形成部(ヨーク磁石)7の磁界を測定することにより求められる。
図14は、磁界形成部7の第2の磁石72の第2の中心C2を0mmとし、第1の磁石73が最も外側にずれた方向を0度−180度(データD)、30度−150度(データC)、60度−120度(データB)、90度−270度(データA)の方向毎に被加工体10の表面高さでの垂直方向の漏洩磁界を測定した結果である。横軸は第2の磁石72の直径(L2:mm)、縦軸は垂直磁束密度(Gauss)である。図15は図14中左側の破線で囲んだ領域を拡大した図であり、図16は図14中右側の破線で囲んだ領域を拡大した図である。
データA〜Dにおいて、垂直方向磁界がおよそゼロになる近傍が最もプラズマ封じ込めの磁界強度が強いと考えられ、その強度を表わす、垂直方向磁界の被加工体10の位置による変化率ΔBpは下記(1)式により求められる。
ΔBp=(B1−B2)/(x1−x2) …(1)
B1;x1位置での垂直方向磁界
B2;x2位置での垂直方向磁界
なお、一般的には水平方向磁界がプラズマ封じ込めに寄与する磁界であるので、この水平方向磁界を磁界強度の数値として用いることができる。但し、磁界強度の実測では、水平方向磁界の値は測定プローブを当てるときの被加工体10の表面に対する垂直性や、水平方向磁界に対するプローブの微妙な角度ずれなどで、測定誤差が出やすい。垂直方向磁界であれば、被加工体10の表面に測定プローブをぴったりと押し当てることで測定することができるので、測定誤差が少ない。従って、このような垂直方向磁界の変化率ΔBpを用いて評価することが望ましい。
B1;x1位置での垂直方向磁界
B2;x2位置での垂直方向磁界
なお、一般的には水平方向磁界がプラズマ封じ込めに寄与する磁界であるので、この水平方向磁界を磁界強度の数値として用いることができる。但し、磁界強度の実測では、水平方向磁界の値は測定プローブを当てるときの被加工体10の表面に対する垂直性や、水平方向磁界に対するプローブの微妙な角度ずれなどで、測定誤差が出やすい。垂直方向磁界であれば、被加工体10の表面に測定プローブをぴったりと押し当てることで測定することができるので、測定誤差が少ない。従って、このような垂直方向磁界の変化率ΔBpを用いて評価することが望ましい。
図14〜図16において、垂直方向磁界がゼロになる近傍を拡大し、ゼロになる点と第2の磁石72の測定時の角度とから、被加工体10の表面上での垂直方向磁界がゼロになるプラズマ収束部PDとその位置とを求めることができる。
図17(A)及び図17(B)は、磁界形成部7の回転を停止した状態において、被加工体10上に一定間隔で求めた垂直方向磁界がゼロになるプラズマ収束部PD1〜PD7とそれらの被加工体10上での位置とを示す。プラズマ収束部PD1〜PD7は、磁界形成部7の第1の磁石73と第2の磁石72との間において第1の磁石73の周囲に沿って生成される。ここで、前述の通り、磁界形成部7においては、第1の磁石73の第1の中心C1は第2の磁石72の第2の中心C2から被加工体10の周辺部側にずれて配置され、かつ第2の磁石72に比べて第3の磁石74の磁気強度が強く設定されているので、プラズマ収束部PD1〜PD7は第2の中心C2から第1の中心C1側にずれている。
プラズマ収束部PD1は、回転軸8Cから距離r1の位置に生成され、被加工体10の最も周辺側に生成される。プラズマ収束部PD2は、プラズマ収束部PD1から一定間隔離れ、回転軸8Cから距離r2の位置に生成される。同様に、プラズマ収束部PD3は、プラズマ収束部PD2から一定間隔離れ、回転軸8Cから距離r3の位置に生成され、…、プラズマ収束部PD7は、プラズマ収束部PD6から一定間隔離れ、回転軸8Cから距離r7の位置に生成される。プラズマ収束部PD7は、被加工体10の最も中央部に生成され、回転軸8Cから最も近い位置に生成される。そして、プラズマ収束部PD1の垂直方向磁界の磁界強度は最も強く、順次磁界強度は小さくなり、プラズマ収束部PD7の垂直方向磁界の磁界強度は最も弱くなる。
図18(A)は、図17(A)及び図17(B)に示す磁界形成部7の回転を停止した状態におけるプラズマ収束部PD1〜PD7と、磁界形成部7を180度回転させて停止した状態におけるプラズマ収束部PD1‘〜PD7’との関係を示す。被加工体10の断面で見ると、被加工体10上の各位置におけるプラズマ密度PDは0度から180度までのプラズマ収束部PD1〜PD7及びPD1‘〜PD7’の和になる。
図18(B)に示すように、磁界形成部7は回転軸8Cを中心として回転するとき、プラズマ収束部PD1〜PD7は角速度一定で回転するので、回転半径rが大きいほど線速度は大きくなり、プラズマ密度PDは平均化される。被加工体10の各位置でのプラズマの単位時間当たり密度は、下記(2)式の通り、回転半径rで割れば求められる。
ΔBp/r …(2)
なお、被加工体10の中心(回転軸8C)は回転半径rが0となるため、ΔBp/rは計算上無限大になるが、被加工体10の中心には磁界M1の強度が最も強くなる位置から離れておおよそ正規分布するプラズマの端部がくるように設定されている。つまり、磁界形成部7の回転動作中連続的にスパッタされて周囲とほぼ同じレートになるように、磁界形成部7と被加工体10との位置関係が最適化されている。
なお、被加工体10の中心(回転軸8C)は回転半径rが0となるため、ΔBp/rは計算上無限大になるが、被加工体10の中心には磁界M1の強度が最も強くなる位置から離れておおよそ正規分布するプラズマの端部がくるように設定されている。つまり、磁界形成部7の回転動作中連続的にスパッタされて周囲とほぼ同じレートになるように、磁界形成部7と被加工体10との位置関係が最適化されている。
図19は前述の図12に示す被加工体10の実際のエロージョンの形状を示す図であり、図20は各位置での単位時間当たりプラズマ密度の値(絶対値)とそれぞれの回転半径rつまり被加工体10の半径との関係をグラフ化したものである。図19と図20とを比較すると、単位時間当たりのプラズマ密度に相当する値が大きいほどエロージョン形成スピードが速いので、図20に示すグラフはおおよそ図19に示す被加工体10の実際のエッチング量に近い形状になる。具体的には、図20において、大きな値となっている半径8mm及び47mm近傍は、図19において最もエロージョンが深くなっている。なお、図20でプロットした各値は、例えば磁界M1及びM2の最も強い位置のみをプロットしているため、半径が8mm以下および48mm以上ではデータが得られていないが、これらの領域は、それぞれ磁界M1及びM2から広がったプラズマでスパッタされるので、ΔBp/rの値は徐々に小さくなることが推測される。
上述したように、この各位置でのプラズマの単位時間当たりの密度ΔBp/rがほぼ一定になるように磁界形成部7の漏洩磁界分布を調節すれば、被加工体10の全面に渡ってほぼ均一なスパッタリングにより削られ、平坦なエロージョンの形状が得られる。
このように実施例3に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、磁界形成部7の漏洩磁界を制御することにより、被加工体10の平坦なエロージョン形状を実現することができる。
(実施例4)
本発明の実施例4は、エッチング装置としてのマグネトロンスパッタリング装置に本発明を適用した例を説明するものである。
本発明の実施例4は、エッチング装置としてのマグネトロンスパッタリング装置に本発明を適用した例を説明するものである。
[装置構成]
図21に示すように、実施例4に係るマグネトロンスパッタリング装置1は、基本的には前述の実施例1又は実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1と同様の構成であるが、カソード電極5の保持面5Aを被加工体10を保持する基板ステージとして使用し、アノード側にガス供給部3から供給されたエッチングガスを被加工体10の表面上にシャワーのように噴出すガスシャワーアノード12を備えている。このマグネトロンスパッタリング装置1は例えば高い集積度が要求されるウエーハのエッチング装置として実用的に使用することができる。
図21に示すように、実施例4に係るマグネトロンスパッタリング装置1は、基本的には前述の実施例1又は実施例2に係るマグネトロンスパッタリング装置1と同様の構成であるが、カソード電極5の保持面5Aを被加工体10を保持する基板ステージとして使用し、アノード側にガス供給部3から供給されたエッチングガスを被加工体10の表面上にシャワーのように噴出すガスシャワーアノード12を備えている。このマグネトロンスパッタリング装置1は例えば高い集積度が要求されるウエーハのエッチング装置として実用的に使用することができる。
被加工体10の材質やエッチング方法に合わせてエッチングガスに反応性の高いガス種を選べば、低圧力下においてマグネトロンを発生させ高密度なプラズマが得られるリアクティブイオンエッチングを実施することができる。スパッタリング率の高いArガスを選べば、様々な材料の物理的エッチングが可能なスパッタエッチングを実現することができる。
なお、基板ステージとして使用されるカソード電極5には、エッチングプラズマに対して十分な冷却を行えるように、冷却水、ヘリウムガス等を用いた冷却システムを備えることができる。
[スパッタリング(エッチング)特性]
実施例4に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いてスパッタリング(エッチング)を実施した実験結果は以下の通りである。カソード電極5の直径は5インチ、被加工体10の直径は4インチに設定された。被加工体10には単結晶シリコンウエーハが使用された。図22に示すように、マグネトロンスパッタリング装置1において、被加工体10の保持位置に対するガス供給原3からのエッチングガスの供給方向はX方向であり、ガスの排気システム4への排気方向はY方向である。
実施例4に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いてスパッタリング(エッチング)を実施した実験結果は以下の通りである。カソード電極5の直径は5インチ、被加工体10の直径は4インチに設定された。被加工体10には単結晶シリコンウエーハが使用された。図22に示すように、マグネトロンスパッタリング装置1において、被加工体10の保持位置に対するガス供給原3からのエッチングガスの供給方向はX方向であり、ガスの排気システム4への排気方向はY方向である。
図23はエッチングガスとしてArガスを使用したときの被加工体10のスパッタエッチングにおけるエッチングレート分布を示す。図24はエッチングガスとしてSF6+O2ガスを使用したときの被加工体10の反応性イオンエッチングにおけるエッチングレート分布を示す。データEXは図22に示すX方向のエッチングレート分布であり、データEYはY方向のエッチングレート分布である。
いずれの場合においても、前述の実施例1〜実施例3に係るマグネトロンスパッタリング装置1において説明した被加工体10のエロージョンの形状に近いエッチングレート分布が得られ、マグネトロンスパッタエッチングでありながら、被加工体10の4インチ内の分布が±6%〜±10%程度の比較的良好なエッチングレート分布特性を得ることができた。なお、SF6を用いる反応性イオンエッチングにおいては、ガスの流れる方向、排気口の方向等の影響を受けやすく、スパッタエッチングとは少し分布特性が異なる。
このように実施例4に係るマグネトロンスパッタリング装置1においては、誘導結合プラズマ(ICP)のようなチャンバを石英とする、高周波電源をICPと基板バイアスとそれぞれ2台用意する等の特殊な装置構成を必要としないで、単純にスパッタリング装置からエッチング装置に改良することができる。従って、簡単な装置構成によって低圧力下において高速かつ良好なエッチングレート分布が得られるエッチング装置を実現することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を複数の実施例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。
上記のように、本発明を複数の実施例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。
本発明は、被加工体の中央部から周辺部までの全域に渡って均一にスパッタリングを行うことができ、エロージョンの発生を減少することができるマグネトロンスパッタリング装置に広く適用することができる。
1…マグネトロンスパッタリング装置、2…チャンバ、3…ガス供給源、4…排気システム、5…カソード電極、5A…保持面、5B…非保持面、6…高周波電源、7…磁界形成部、72…第2の磁石、72S…第2の磁極面、73…第1の磁石、73S…第1の磁極面、74…第3の磁石、74S…第3の磁極面、8…回転駆動部、85…回転主軸、8C…回転軸、10…被加工体、11…ウエーハ、12…ガスシャワーアノード、13…アノード電極。
Claims (8)
- 被加工体を保持する保持面とこの保持面に対向する非保持面とを有するカソード電極と、
前記カソード電極の前記非保持面から前記保持面とは反対側に離間して配設され、前記保持面の中央部に交差する線を回転軸として前記保持面に沿って回転し、前記保持面に保持される前記被加工体上に磁界を形成する磁界形成部と、
前記カソード電極の前記保持面から前記非保持面とは反対側に離間して配置されたアノード電極と、を備え、
前記磁界形成部は、
前記回転軸上の位置とは異なる位置に前記カソード電極の前記非保持面に対向配置された第1の磁極面と、
前記回転軸及び前記第1の磁極面を含む領域の周囲に沿って前記非保持面に対向配置され、前記第1の磁極面とは磁極が異なると共に前記第1の磁極面よりも磁界強度が弱い第2の磁極面と、
前記回転軸及び前記第1の磁極面を含む領域の周囲に沿って前記非保持面に対向配置され、前記第2の磁極面と磁極が同じであり前記第2の磁極面よりも磁界強度が強い第3の磁極面と、
を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。 - 前記磁界形成部は、
前記第1の磁極面を有する第1の磁石と、
前記第2の磁極面を有する第2の磁石と、
前記第3の磁極面を有する第3の磁石と、を備え、
前記第1〜第3の磁極面は、前記保持面に対して、前記第1の磁極面、前記第3の磁極面、前記第2の磁極面の順に離間して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング装置。 - 前記第1の磁石は前記第1の磁極面を円形状とする円柱状磁石であり、
前記第2の磁石は、前記第1の磁石の前記第1の磁極面の第1の中心と前記回転軸とを結ぶ直線上に第2の中心を有し、前記回転軸及び前記第1の磁石を含む領域の周囲を取り囲む環状磁石であり、
前記第3の磁石は、前記第2の磁極面上における前記第1の磁石と前記第2の磁石との距離が短い側の領域に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のマグネトロンスパッタリング装置。 - 前記第3の磁極面は、前記保持面との距離が面内で均一であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
- 前記第3の磁極面は、前記保持面との距離が前記回転軸から第1の中心に向かって連続的若しくは段階的に短くなっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
- 前記磁界形成部は、
前記回転軸と前記第1の中心とを結ぶ直線上において前記第1の磁石と前記第3の磁石の前記保持面の周辺部側との間の第1のヨークギャップに比べて前記第1の磁石と前記第2の磁石の前記保持面の中央側との間の第2のヨークギャップが広く設定され、
前記第2のヨークギャップ側において前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に発生する漏洩磁界によって前記保持面の中央部における前記被加工体上にプラズマ領域が形成され、
前記第1の磁石と前記第2の磁石又は前記第3の磁石との間であって前記第1の磁石の周囲において、前記被加工体上に形成されるプラズマ領域を形成する漏洩磁界の強度は、前記プラズマ領域のプラズマ密度を前記保持面の中央部からプラズマ領域までの距離で割った値が均一になるように調整されていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のマグネトロンスパッタリング装置。 - 前記カソード電極、前記磁界形成部及び前記アノード電極を内部に収納するチャンバと、
前記チャンバ内に不活性ガスを供給するガス供給源と、
前記カソード電極と前記アノード電極との間に所定の電圧を印加する電源と、
前記チャンバ内のガスを排気する排気システムと、
前記磁界形成部を前記回転軸を中心として回転させる回転駆動部と、を更に備え、
前記被加工体にはターゲットが使用され、このターゲットは前記カソード電極の前記保持面に保持され、前記アノード電極にはウエーハが保持され、前記ターゲットの組成物質が前記ウエーハ上に成膜されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマグネトロンスパッタリング装置。 - 前記カソード電極、前記磁界形成部及び前記アノード電極を内部に収納するチャンバと、
前記チャンバ内にエッチングガスを供給するガス供給源と、
前記カソード電極と前記アノード電極との間に所定の電圧を印加する電源と、
前記チャンバ内のガスを排気する排気システムと、
前記磁界形成部を前記回転軸を中心として回転させる回転駆動部と、を更に備え、
前記被加工体にはウエーハが使用され、このウエーハは前記カソード電極の前記保持面に保持され、前記ウエーハの表面がエッチングされることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009117691A JP2010265510A (ja) | 2009-05-14 | 2009-05-14 | マグネトロンスパッタリング装置 |
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JP2010265510A true JP2010265510A (ja) | 2010-11-25 |
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ID=43362734
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CN113832438A (zh) * | 2020-06-24 | 2021-12-24 | 东京毅力科创株式会社 | 成膜装置和成膜方法 |
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2009
- 2009-05-14 JP JP2009117691A patent/JP2010265510A/ja active Pending
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