JP2010255884A - 熱源機およびその制御方法 - Google Patents

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実 松尾
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Abstract

【課題】運転状態に応じて最適な過熱度を維持することができる熱源機を提供することを目的とする。
【解決手段】凝縮液冷媒を冷却するエコノマイザと、エコノマイザによって過冷却された液冷媒をさらに冷却する冷媒予冷器とを備えたターボヒートポンプである。圧縮機の吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピhsetを用いて蒸発器熱交換量にバランスする蒸発器入口エンタルピhを演算し、蒸発器入口エンタルピhに応じて、冷媒予冷器の高圧液冷媒の過冷却度として目標冷媒予冷器出口過冷却度を決定し、かつ、目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように冷媒予冷器用副膨張弁の開度を調整することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱源機およびその制御方法に関し、より具体的には、圧縮機入口における冷媒過熱度の制御に関するものである。
冷凍機およびヒートポンプの性能向上や、圧縮機に液冷媒が吸い込まれる液バック防止のために、冷媒を圧縮する圧縮機の吸込冷媒の過熱度を最小限に維持することが行われている。例えば、下記特許文献1に示すように、同一圧力下における飽和液温度と飽和ガス温度との差を用いて吸込冷媒を精度良く検知することが提案されている。
特公平5−50666号公報
しかし、特許文献1では、非共沸混合冷媒の使用を前提としており、飽和液と飽和ガスとの間で5℃程度の温度勾配が得られる条件となっている。しかし、このような温度勾配が例えば0.1℃程度の冷媒を用いる場合には、精度良く温度を得ることができないので、特許文献1に記載された発明を用いることは困難となる。
これに対して、蒸発器入口側の過冷却度を一定に維持することによって過熱度を所望値に制御することが行われている。
しかし、図9に示すように、過冷却度を一定に維持していても、運転状態が変化すると過熱度を所望値に維持できないという問題がある。
同図において、吐出圧力Pd、吸込圧力Psの状態が最適な冷媒循環量となっており、吸込冷媒はA点にて最適な過熱度が維持されているとする。このときに、運転状態の変化によって吐出圧力がPd’へと減少すると、過冷却度を一定に維持するため蒸発器の入口エンタルピはhecからhec’へと減少する。すると、エンタルピ落差(hs−hec=hs’−hec’)は維持されるため、蒸発器出口エンタルピはhs’となり(B点)、吸込冷媒は湿り蒸気の領域に入り、液バックが発生してしまう。
一方、運転状態が変化して吐出圧力がPdに維持されたまま吸込圧力がPs’へと減少した場合、蒸発器出口エンタルピはhsのまま維持されるので、吸込冷媒の状態はC点へと移動する。最適な過熱度とされたA点と比較すれば明らかなように、C点では大きな過熱度がついてしまい、効率が悪くなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、運転状態に応じて最適な過熱度を維持することができる熱源機およびその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱源機およびその制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる熱源機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる主膨張弁と、該主膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器の下流側の主流路から分岐された第1分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第1副膨張弁と、該第1副膨張弁によって膨張された冷媒と前記凝縮器の下流側の前記主流路から導かれる液冷媒とを熱交換させるエコノマイザと、前記凝縮器の下流側から分岐された第2分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第2副膨張弁と、該第2副膨張弁によって膨張された冷媒と前記エコノマイザによって熱交換された後の前記主流路を流れる液冷媒とを熱交換させる冷媒予冷器と、前記主膨張弁、前記第1副膨張弁および前記第2副膨張弁の開度を制御する制御部とを備え、前記第1副膨張弁によって膨張されて前記エコノマイザによって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の中間段に導かれるとともに、前記第2膨張弁によって膨張されて前記冷媒予冷器によって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の吸込側に導かれる熱源機であって、前記制御部は、前記圧縮機の吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて前記蒸発器の蒸発器熱交換量にバランスする前記蒸発器の入口の蒸発器入口エンタルピを演算し、該蒸発器入口エンタルピに応じて、前記冷媒予冷器の前記主流路の出口の液冷媒の過冷却度として目標冷媒予冷器出口過冷却度を決定し、かつ、該目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように前記第2副膨張弁の開度を調整することを特徴とする。
第2副膨張弁によって膨張されて冷媒予冷器によって熱交換した後のガス冷媒は圧縮機の吸込側に導かれる。すなわち、圧縮機の吸込冷媒の過熱度は、第2副膨張弁によって決定される。
圧縮機吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて蒸発器熱交換量にバランスする蒸発器入口エンタルピを得る。この蒸発器入口エンタルピは冷媒予冷器の高圧(主回路側)出口冷媒のエンタルピに相当する。そして、蒸発器入口エンタルピに応じて目標冷媒予冷器出口過冷却度が決定され、この目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように第2副膨張弁の開度が調整される。したがって、運転状態が変化しても、蒸発器熱交換量に応じて第2副膨張弁の開度が調整されることになるので、圧縮機吸込冷媒の目標過熱度が維持されることになる。これにより、熱源機性能を低下させることなく、かつ、圧縮機入口に液冷媒が吸い込まれる液バックを防止することができる。
さらに、本発明の熱源機では、前記制御部は、前記第2副膨張弁の開度を調整する際に用いた前記蒸発器入口エンタルピを用いて、前記エコノマイザの前記主流路の出口の液冷媒の過冷却度として目標エコノマイザ出口過冷却度を決定し、該目標エコノマイザ出口過冷却度を満足するように前記主膨張弁の開度を調整することを特徴とする。
主膨張弁によって、エコノマイザ出口の過冷却度が決定される。このエコノマイザ出口過冷却度の目標値を決定する際に、上記発明の蒸発器入口エンタルピを用いることとした。したがって、目標冷媒予冷器出口過冷却度は蒸発器熱交換量に応じて決定されるので、エコノマイザ出口過冷却度も蒸発器熱交換量に応じて決定されることになる。これにより、主膨張弁の開度は、所望の性能が発揮されるように運転状態に応じて調整されることになる。
さらに、本発明の熱源機では、前記目標冷媒予冷器出口過冷却度は、前記蒸発器入口エンタルピが、前記冷媒予冷器の能力によって決まる該冷媒予冷器の前記主流路の出口の液冷媒のエンタルピである能力依存冷媒予冷器出口エンタルピよりも小さい場合には、該能力依存冷媒予冷器出口エンタルピによって演算されることを特徴とする。
冷媒予冷器の能力によって決まる能力依存冷媒予冷器出口エンタルピは、具体的には、冷媒予冷器によって得ることができる最小のエンタルピとされる。したがって、蒸発圧力における飽和温度よりも僅かに高い温度に相当する飽和液エンタルピが用いられる。
運転状態に応じて運転を維持するためには蒸発器熱交換量にバランスさせた演算用蒸発器入口エンタルピを用いるべきであるが、能力依存冷媒予冷器出口エンタルピよりも演算用蒸発器入口エンタルピが低い場合には、冷媒予冷器の能力を超えて冷媒を冷却することはできないので、この場合は、能力依存冷媒予冷器出口エンタルピが選択される。
さらに、本発明の熱源機では、前記目標エコノマイザ出口過冷却度は、前記目標エコノマイザ出口過冷却度に対応するエコノマイザ出口エンタルピをが、前記エコノマイザの能力によって決まる該エコノマイザの前記主流路の出口の液冷媒のエンタルピである能力依存エコノマイザ出口エンタルピよりも小さい場合には、該能力依存エコノマイザ出口エンタルピによって演算されることを特徴とする。
エコノマイザの能力によって決まる能力依存エコノマイザ出口エンタルピは、具体的には、エコノマイザによって得ることができる最小のエンタルピとされる。したがって、エコノマイザのガス冷媒出口の中間圧力における飽和温度よりも僅かに高い温度に相当する飽和液エンタルピが用いられる。
運転状態に応じて運転を維持するためには目標エコノマイザ出口過冷却度に対応するエコノマイザ出口エンタルピを用いるべきであるが、能力依存エコノマイザ出口エンタルピよりもエコノマイザ出口エンタルピが低い場合には、エコノマイザの能力を超えて冷媒を冷却することはできないので、この場合は、能力依存エコノマイザ出口エンタルピが選択される。
なお、エコノマイザ出口エンタルピは、例えば、冷媒予冷器出口エンタルピと凝縮器出口エンタルピとの中間値が用いられる。
さらに、本発明の熱源機では、前記制御部は、前記蒸発器入口エンタルピを演算する際に、当該熱源機の定格時における定格冷媒流量を用いることを特徴とする。
蒸発器熱交換量は、蒸発器におけるエンタルピ落差と冷媒流量との積によって得ることができる。本発明では、定格時の冷媒流量を用いて蒸発器熱交換量とバランスさせることとした。これにより、運転状態が変化しても(すなわち部分負荷となっても)冷媒流量として大きめの定格流量が用いられるので、液バックとなる可能性を最小限にすることができる。
さらに、本発明の熱源機では、前記制御部は、前記蒸発器入口エンタルピを演算する際に、現在値の冷媒流量を用いることを特徴とする。
蒸発器熱交換量は、蒸発器におけるエンタルピ落差と冷媒流量との積によって得ることができる。本発明では、運転時における現在値の冷媒流量を用いて蒸発器熱交換量とバランスさせることとした。これにより、運転状態が変化しても現在の状態に対応した冷媒流量が用いられるので、適切な過熱度が実現でき、熱源機の効率を向上させることができる。
さらに、本発明の熱源機では、前記蒸発器は、外気との間で熱交換を行う空気熱交換器とされ、前記制御部は、外気が0℃以下の場合に、演算された前記蒸発器熱交換量を所定量減じることを特徴とする。
蒸発器として空気熱交換器を用いる場合、冬期のように外気温度が0℃以下となると、空気熱交換器に霜が付着し、熱交換能力が減少する。本発明では、演算された蒸発器交換熱量を所定量減じることとした。これにより、蒸発圧力が高めに設定されるので、過熱度が大きめに設定され、液バックを回避することができる。
また、本発明の熱源機の制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる主膨張弁と、該主膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器の下流側の主流路から分岐された第1分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第1副膨張弁と、該第1副膨張弁によって膨張された冷媒と前記凝縮器の下流側の前記主流路から導かれる液冷媒とを熱交換させるエコノマイザと、前記凝縮器の下流側から分岐された第2分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第2副膨張弁と、該第2副膨張弁によって膨張された冷媒と前記エコノマイザによって熱交換された後の前記主流路を流れる液冷媒とを熱交換させる冷媒予冷器とを備え、前記第1副膨張弁によって膨張されて前記エコノマイザによって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の中間段に導かれるとともに、前記第2膨張弁によって膨張されて前記冷媒予冷器によって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の吸込側に導かれる熱源機の制御方法であって、前記圧縮機の吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて前記蒸発器の蒸発器熱交換量にバランスする前記蒸発器の入口の蒸発器入口エンタルピを演算し、該蒸発器入口エンタルピに応じて、前記冷媒予冷器の前記主流路の出口の液冷媒の過冷却度として目標冷媒予冷器出口過冷却度を決定し、かつ、該目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように前記第2副膨張弁の開度を調整することを特徴とする。
第2副膨張弁によって膨張されて冷媒予冷器によって熱交換した後のガス冷媒は圧縮機の吸込側に導かれる。すなわち、圧縮機の吸込冷媒の過熱度は、第2副膨張弁によって決定される。
圧縮機吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて蒸発器熱交換量にバランスする蒸発器入口エンタルピを得る。この蒸発器入口エンタルピは冷媒予冷器の高圧(主回路側)出口冷媒のエンタルピに相当する。そして、蒸発器入口エンタルピに応じて目標冷媒予冷器出口過冷却度が決定され、この目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように第2副膨張弁の開度が調整される。したがって、運転状態が変化しても、蒸発器熱交換量に応じて第2副膨張弁の開度が調整されることになるので、圧縮機吸込冷媒の目標過熱度が維持されることになる。これにより、熱源機性能を低下させることなく、かつ、圧縮機入口に液冷媒が吸い込まれる液バックを防止することができる。
本発明の熱源機およびその制御方法によれば、以下の効果を奏する。
圧縮機吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて蒸発器熱交換量にバランスする蒸発器入口エンタルピを得て、この蒸発器入口エンタルピに応じて目標冷媒予冷器出口過冷却度が決定し、この目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように第2副膨張弁の開度を調整することとした。これにより、運転状態が変化しても、蒸発器熱交換量に応じて第2副膨張弁の開度が調整されることになるので、圧縮機吸込冷媒の目標過熱度が維持されることになる。したがって、熱源機性能を低下させることなく、かつ、圧縮機入口に液冷媒が吸い込まれる液バックを防止することができる。
本発明の第1実施形態にかかるターボヒートポンプの概略構成図である。 図1のターボヒートポンプの動作を示した圧力−エンタルピ線図である。 本発明の第1実施形態にかかる主膨張弁の動作を示した制御ブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかるエコノマイザ用副膨張弁の動作を示した制御ブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかる冷媒予冷器用副膨張弁の動作を示した制御ブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかる冷媒予冷器用副膨張弁および主膨張弁の動作を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる冷媒予冷器用副膨張弁および主膨張弁の動作を示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態にかかる冷媒予冷器用副膨張弁および主膨張弁の動作を示したフローチャートである。 冷凍サイクルの動作を示した圧力−エンタルピ線図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱源機が示されている。同図に示された熱源機は、ターボヒートポンプとされている。なお、同図ではヒートポンプ運転が示されているが、冷房サイクル運転が可能とされた熱源機についても本発明は適用可能である。
ターボヒートポンプ1は、1つのターボ圧縮機2と、並列に構成された4つの冷媒系統4A,4B,4C,4D(以下、単に符号4を用いる。)を備えている。これら冷媒系統4は、吐出管ヘッダ3と吸込管ヘッダ5との間に設けられている。
ターボ圧縮機2は、インバータ駆動の電動モータ11により駆動される2段圧縮とされた多段ターボ圧縮機であり、吸入口2Aおよび吐出口2Bの他に、図示省略の第1羽根車と第2羽根車との間に設けられている中間吸込口2Cを備えている。吸入口2Aおよび中間吸込口2Cから吸い込まれた低圧の冷媒ガスおよび中間圧の冷媒ガスを第1羽根車および第2羽根車の回転により順次遠心圧縮し、圧縮した高圧の冷媒ガスを吐出口2Bから吐出するように構成されている。
ターボ圧縮機2の冷媒吸込側には、吸込圧力センサP_a及び吸込温度センサT_aが設けられている。ターボ圧縮機2の冷媒吐出側には、吐出圧力センサP_d及び吐出温度センサT_dが設けられている。ターボ圧縮機2の中間吸込側には、中間吸込温度センサT_c’が設けられている。また、中間ヘッダ12からターボ圧縮機2へと流れ込む冷媒の圧力を測定する中間圧力センサP_cが設けられている。
ターボヒートポンプ1は、図示しない制御部を備えており、各所に設けた温度センサおよび圧力センサの検出値に基づいて、冷温水温度が設定値となるように、入口ベーン12の開度および電動モータ11の回転数等が制御されるようになっている。
各冷媒系統4は、それぞれ、ヒートポンプ運転時に蒸発器として使用される空気熱交換器6と、利用側熱交換器9とを備えている。
利用側熱交換器9に接続された冷温水回路19は共通の冷温水入口ヘッダ20及び冷温水出口ヘッダ22に接続されている。冷温水入口ヘッダ20の上流側には、温度センサ24が設けられている。冷温水出口ヘッダ22の下流側には、温度センサ26および流量センサ28が設けられている。これらセンサの温度は、制御部へと送られ、ターボヒートポンプ1が出力している負荷が演算される。
各冷媒系統4は、それぞれ、吐出管ヘッダ3と吸込管ヘッダ5との間に、利用側熱交換器9と、エコノマイザ15と、冷媒予冷器17と、主膨張弁7と、空気熱交換器6とを順次接続して構成された閉サイクルのヒートポンプサイクルとなっている。
空気熱交換器6は、ファン(図示せず)を介して空気(外気)が流通可能とされているフィンアンドチューブ型の熱交換器が用いられており、冷媒がチューブ内を流通するように構成されている。この空気熱交換器6は、利用側熱交換器9において凝縮液化され、主膨張弁7で膨張された低圧の液冷媒を空気と熱交換させて蒸発ガス化する蒸発器として機能する。
エコノマイザ15は、ヒートポンプサイクルの主回路10側を流れる液冷媒と、主回路10からエコノマイザ用分岐管(第1分岐流路)30により分流されてエコノマイザ用副膨張弁(第1副膨張弁)14により中間圧に減圧された冷媒とを熱交換させる。エコノマイザ15は、冷媒の蒸発潜熱で主回路10側を流れる液冷媒を過冷却するプレート式熱交換器等の冷媒/冷媒熱交換器からなる中間冷却器とされている。また、液冷媒を過冷却することにより蒸発された中間圧の冷媒ガスは、中間ヘッダ12を介して、中間吸込み口2Cからターボ圧縮機2の中間圧の圧縮冷媒中に吸入される。これにより、中間冷却器方式のエコノマイザサイクルを構成している。
エコノマイザ15によって蒸発された冷媒ガスの温度は、エコノマイザ中圧出口温度センサT_cによって計測される。また、エコノマイザ15によって過冷却された液冷媒の温度は、エコノマイザ高圧出口温度センサT_gによって計測される。
冷媒予冷器17は、主回路10においてエコノマイザ15の下流側に設けられ、蒸発器として機能する空気熱交換器6に対して、乾き度が略零となる所望値に予冷された冷媒を供給するものである。この冷媒予冷器17は、エコノマイザ15と同一構成のプレート式熱交換器等の冷媒/冷媒熱交換器から構成されており、主回路10側を流れる液冷媒と、エコノマイザ15の上流側の主回路から分岐された冷媒予冷器用分岐管32を通り、冷媒予冷器用膨張弁(第2副膨張弁)18により減圧された冷媒とを熱交換させる。冷媒予冷器用膨張弁18によって減圧された冷媒の蒸発潜熱により主回路10側を流れる液冷媒を冷却するように構成されている。また、液冷媒を冷却することにより蒸発された冷媒ガスは、吸込管ヘッダ5へと導かれる。
冷媒予冷器17によって蒸発された冷媒ガスの温度は、冷媒予冷器低圧出口温度センサT_iによって計測される。また、冷媒予冷器17によって過冷却された液冷媒の温度は、冷媒予冷器高圧出口温度センサT_jによって計測される。
主膨張弁7は、エコノマイザ15および冷媒予冷器17を経て過冷却された液冷媒を膨張させて低圧の液冷媒とし、蒸発器として機能する空気熱交換器6に供給するものである。
利用側熱交換器9は、複数のプレートを平行に積層し、複数の冷媒流路と複数の冷温水流路とを交互に配列して構成したプレート型熱交換器を直列多段に接続した構成とされている。この利用側熱交換器9は、凝縮器として機能するもので、冷温水回路19を介して循環される温水と冷媒とを熱交換させ、温水を設定温度に加熱することにより、温水を取り出せるように構成されている。
利用側熱交換器9の主回路10における下流側には、凝縮器出口温度センサT_eが設けられている。
吐出管ヘッダ3と吸込管ヘッダ5との間には、ホットガスバイパス配管44が設けられている。ホットガスバイパス配管44には、開閉弁とされたホットガスバイパス弁45が設けられている。
次に、図2に示された圧力−エンタルピ線図を参照して、ターボヒートポンプ1の動作を説明する。
多段ターボ圧縮機2の吸入口2Aから吸入された低温低圧の冷媒ガスaは、第1羽根車によりb点まで圧縮され、中間吸込み口2Cから吸い込まれた中間圧の冷媒ガスと混合されてc点の状態となった後、第2羽根車に吸い込まれてd点まで圧縮される。この状態で多段ターボ圧縮機2から吐き出された冷媒dは、吐出管ヘッダ3を介して各冷媒系統4の利用側熱交換器9に導かれ、温水入口ヘッダ20から導かれた温水と熱交換して冷却されることにより凝縮液化されて高圧液冷媒eとなる。
この高圧液冷媒eは、一部分が主回路10から分岐されてエコノマイザ用膨張弁14に導かれる。この冷媒は、エコノマイザ用膨張弁14によりf点まで減圧された後、エコノマイザ15に流入される。この中間圧冷媒fは、エコノマイザ15で冷凍サイクルの主回路10側を流れる高圧液冷媒eと熱交換され、液冷媒eから吸熱して蒸発ガス化された後、中間ヘッダ12を経てターボ圧縮機2の中間吸込み口2Cから圧縮途中の中間圧冷媒ガス中に吸入される。
一方、エコノマイザ15において、中間圧冷媒fと熱交換された主回路10側の高圧液冷媒eは、g点まで過冷却されて冷媒予冷器17に至る。主回路10から分岐されて冷媒予冷器用膨張弁18へと導かれた液冷媒は、冷媒予冷器用膨張弁18によりh点まで減圧されて冷媒予冷器17に流入し、主回路10側の高圧液冷媒gと熱交換される。このh点の低圧冷媒は、冷媒予冷器17で主回路側の液冷媒gと熱交換されて蒸発ガス化された後、i点を経てターボ圧縮機2の吸入管路に戻されることにより、空気熱交換器6の出口冷媒と合流される。
g点の高圧液冷媒は、冷媒予冷器17での予冷によりj点まで冷却された後、主膨張弁7によりk点まで減圧され、空気熱交換器6の入口に至る。この低圧冷媒kは、乾き度が略零の液単相冷媒である。このように、エコノマイザ15と空気熱交換器6との間に冷媒予冷器17を設け、エコノマイザ15により過冷却された冷媒を更に予冷することによって、空気熱交換器6に乾き度が略零の液単相冷媒を供給することが可能となる。
空気熱交換器6に供給された液単相の冷媒kは、外気と熱交換されて蒸発される。空気熱交換器6を流通した冷媒は、その出口において過熱状態の低圧ガス冷媒aとなり、再び多段ターボ圧縮機2に吸入され、以下同様のサイクルを繰り返す。
次に、図3を用いて、主膨張弁7の制御について説明する。
主膨張弁7は、制御部により、エコノマイザ15の主回路10側の液冷媒出口の過冷却度が設定値となるようにPI制御される。制御部には、ターボ圧縮機2の吐出飽和温度と、エコノマイザ高圧出口温度と、目標エコノマイザ高圧出口温度Tmsetが入力される。吐出飽和温度は、吐出圧力センサP_d及び吐出温度センサT_dから得られた圧力および温度から演算される。エコノマイザ高圧出口温度は、エコノマイザ高圧出口温度センサT_gから得られた温度が用いられる。目標エコノマイザ高圧出口温度Tmsetについては後述する(図6参照)。
図3に示されているように、吐出飽和温度とエコノマイザ高圧出口温度との差分をとることにより、各冷媒系統4に対する個別エコノマイザ高温出口過冷却度を得る。また、吐出飽和温度と目標エコノマイザ高圧出口温度Tmsetとの差分をとることにより、目標エコノマイザ高温出口過冷却度を得る。この目標エコノマイザ高温出口過冷却度は、各冷媒系統に共通のものとなる。また、各系統の個別エコノマイザ高温出口過冷却度を平均することによって平均エコノマイザ高温出口過冷却度を得る。
目標エコノマイザ高温出口過冷却度に対して個別エコノマイザ高温出口過冷却度を減算し、PI演算を行う。また、目標エコノマイザ高温出口過冷却度に対して平均エコノマイザ高温出口過冷却度を減算し、PI演算を行う。そして、それぞれPI演算された出力値を合算した後に、主膨張弁開度指令値を得る。
次に、図4を用いて、エコノマイザ用副膨張弁14の制御について説明する。
エコノマイザ用副膨張弁14は、制御部により、ターボ圧縮機2の中間段に供給される冷媒の過熱度すなわち中間吸込過熱度が設定値となるようにPI制御される。制御部には、中間吸込温度と、中間飽和温度が入力される。中間吸込温度は、中間吸込温度センサT_c’から得られた温度が用いられる。中間飽和温度は、中間圧力センサP_cから得られた圧力から演算される。中間吸込温度と中間飽和温度との差分をとることにより、中間吸込過熱度が得られる。そして、運転状態ごとに定められた目標中間吸込過熱度を減算し、PI演算を行う。この出力値に基づいて、エコノマイザ用副膨張弁14の開度指令値が決定される。
次に、図5を用いて、冷媒予冷器用副膨張弁17の制御について説明する。
冷媒予冷器膨張弁17は、制御部により、冷媒予冷器17の主回路10側の液冷媒出口の過冷却度が設定値となるようにPI制御される。制御部には、ターボ圧縮機2の吐出飽和温度と、冷媒予冷器高圧出口温度と、目標冷媒予冷器高圧出口温度Tesetが入力される。吐出飽和温度は、吐出圧力センサP_dから得られた圧力から演算される。冷媒予冷器高圧出口温度は、冷媒予冷器高圧出口温度センサT_jから得られた温度が用いられる。目標冷媒予冷器高圧出口温度Tesetについては後述する(図6参照)。
図5に示されているように、吐出飽和温度と冷媒予冷器高圧出口温度との差分をとることにより、各冷媒系統4に対する個別エコノマイザ高温出口過冷却度を得る。また、吐出飽和温度と目標冷媒予冷器高圧出口温度Tesetとの差分をとることにより、目標冷媒予冷器高温出口過冷却度を得る。この目標冷媒予冷器高温出口過冷却度は、各冷媒系統に共通のものとなる。また、各系統の個別冷媒予冷器高温出口過冷却度を平均することによって平均冷媒予冷器高温出口過冷却度を得る。
目標冷媒予冷器高温出口過冷却度に対して個別冷媒予冷器高温出口過冷却度を減算し、PI演算を行う。また、目標冷媒予冷器高温出口過冷却度に対して平均エコノマイザ高温出口過冷却度を減算し、PI演算を行う。そして、それぞれPI演算された出力値を合算した後に、冷媒予冷器用副膨張弁開度指令値を得る。
次に、図6を用いて、目標エコノマイザ高圧出口温度Tmset及び目標冷媒予冷器高圧出口温度Tesetの決定方法と、冷媒予冷器用副膨張弁17及び主膨張弁7の開度制御について説明する。
同図に示されているように、まず、ターボ圧縮機2の吸込冷媒の目標過熱度(図2の状態a)に相当する目標吸込冷媒エンタルピhsetを求める(ステップS1)。この目標吸込冷媒エンタルピhsetは、各運転状態におけるエンタルピとして吸込冷媒圧力ごとに設定しておく。
次に、ステップS2にて、下式(1)を満足する演算用蒸発器入口エンタルピhを求める。
Qe=Gmstd×(hset-h) ・・・(1)
ここで、Qeは蒸発器である空気熱交換器6の熱交換量である蒸発器熱交換量を意味する。Gmstdは、ターボヒートポンプ1の定格運転時(100%負荷時)における冷媒流量を意味する。
蒸発器熱交換量Qeは、空気熱交換器6の前後の冷媒温度差と冷媒流量から得ることができ、或いは、利用側熱交換器9の出力熱量(冷温水の温度差と冷温水流量から得る)からターボ圧縮機2の動力を減算することによって得ることができる。
式(1)によって得られる演算用蒸発器入口エンタルピhは、現在の蒸発器熱交換量Qeにバランスさせたときの蒸発器入口エンタルピを示し、この蒸発器入口エンタルピを用いることによって、所望の運転状態が維持されることになる。
次に、ステップS3にて、冷媒予冷器17の能力によって決まる能力依存冷媒予冷器高圧出口エンタルピheminを求める。冷媒予冷器17の形状や体格等が具体的に決まると、蒸発器となる空気熱交換器6出口の蒸発飽和温度Teに近づけてどこまで冷却できるかが決まる。そこで、蒸発飽和温度Teに補正温度Cを加算した温度を冷媒の飽和液温度として、飽和液エンタルピを得る。この飽和液エンタルピを能力依存冷媒予冷器高圧出口エンタルピheminとする。すなわち、能力依存冷媒予冷器高圧出口エンタルピheminは、熱交換器の性能上冷却可能な飽和液エンタルピを意味する。
次に、ステップS4にて、目標冷媒予冷器高圧出口エンタルピhesetを求める。この目標冷媒予冷器高圧出口エンタルピhesetは、ステップS2で得られた演算用蒸発器入口エンタルピhと、ステップS3で得られた能力依存冷媒予冷器高圧出口エンタルピheminとを比較し、大きい方を用いる。この理由は次の通りである。すなわち、演算用蒸発器入口エンタルピhを用いることによって、式(1)で定めた所望の運転状態を維持することができるので、このエンタルピhを用いることが望ましい。しかし、能力依存冷媒予冷器高圧出口エンタルピheminよりも演算用蒸発器入口エンタルピhが低い場合には、冷媒予冷器17の能力を超えて冷却することはできないので、この場合には能力依存冷媒予冷器出口エンタルピheminが選択される。
次に、ステップS5にて、目標冷媒予冷器高圧出口エンタルピhesetを飽和液エンタルピとする飽和温度Tesetを演算する。この飽和温度Tesetが、図5に示した目標冷媒予冷器高圧出口温度Tesetとして用いられる。
次に、ステップS6にて、演算用エコノマイザ高圧出口エンタルピh’を下式(2)を用いて求める。
h’=(hcl+heset)/2 ・・・(2)
ここで、hclは、凝縮器となる利用側熱交換器9の出口液冷媒の飽和液エンタルピである。この飽和液エンタルピは、吐出圧力センサP_dから得られる圧力と、凝縮器出口温度センサT_eから得られた温度から演算することができる。
式(2)で示すように、演算用エコノマイザ高圧出口エンタルピh’は、目標冷媒予冷器高圧出口エンタルピhesetと凝縮器出口飽和液エンタルピhclとの平均値である。ただし、必ずしも平均値を用いる必要はなく、エコノマイザ15と冷媒予冷器17との能力の相対関係から決定すればよい。また、式(2)から明らかなように、演算用エコノマイザ高圧出口エンタルピh’は、蒸発器熱交換量Qe(式(1)参照)とバランスするように決定された目標冷媒予冷器高圧出口エンタルピhesetから得られるようになっている。
次に、ステップS7にて、エコノマイザの能力によって決まる能力依存エコノマイザ高圧出口エンタルピhmminを求める。エコノマイザ15の形状や体格等が具体的に決まると、エコノマイザ中圧出口温度センサT_cによって得られるエコノマイザ中圧出口温度Tmに近づけてどこまで冷却できるかが決まる。そこで、蒸発飽和温度Tmに補正温度Cを加算した温度を冷媒の飽和液温度として、飽和液エンタルピを得る。この飽和液エンタルピを能力依存エコノマイザ高圧出口エンタルピhmminとする。すなわち、能力依存エコノマイザ高圧出口エンタルピhmminは、熱交換器の性能上冷却可能な飽和液エンタルピを意味する。
次に、ステップS8にて、目標エコノマイザ高圧出口エンタルピhmsetを求める。この目標エコノマイザ高圧出口エンタルピhmsetは、ステップS6で得られた演算用エコノマイザ高圧出口エンタルピh’と、ステップS7で得られた能力依存エコノマイザ高圧出口エンタルピhmminとを比較し、大きい方を用いる。この理由は次の通りである。すなわち、演算用エコノマイザ高圧出口エンタルピh’を用いることによって、式(2)で定めた所望の過冷却度の配分を維持することができるので、このエンタルピh’を用いるのが望ましい。しかし、能力依存エコノマイザ高圧出口エンタルピhmminよりも演算用エコノマイザ高圧出口エンタルピh’が低い場合には、エコノマイザ15の能力を超えて冷却することはできないので、この場合には能力依存エコノマイザ高圧出口’エンタルピhmminが選択される。
次に、ステップS9にて、目標エコノマイザ高圧出口エンタルピhmsetを飽和液エンタルピとする飽和温度Tmsetを演算する。この飽和温度Tmsetが、図3に示した目標エコノマイザ高圧出口温度Tmsetとして用いられる。
以上の通り、本実施形態に係るターボヒートポンプ1およびその制御方法によれば、以下の作用効果を奏する。
圧縮機吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピhsetを用いて、蒸発器熱交換量Qeにバランスする目標蒸発器入口エンタルピhを得るようにした(式(1)参照)。そして、式(1)を用いることにより蒸発器熱交換量Qeに応じた目標冷媒予冷器高圧出口温度Tesetを決定し、図5に示したように、この温度Tesetを用いて目標冷媒予冷器高圧出口過冷却度を演算し、この目標冷媒予冷器高圧出口過冷却度を満足するように冷媒予冷器用副膨張弁18の開度を調整するようにした。したがって、運転状態が変化しても、蒸発器熱交換量Qeに応じて冷媒予冷器用副膨張弁18の開度が調整されることになるので、圧縮機吸込冷媒の目標過熱度が維持されることになる。これにより、ターボヒートポンプ1の性能を低下させることなく、かつ、圧縮機入口に液冷媒が吸い込まれる液バックを防止することができる。
また、エコノマイザ出口過冷却度の目標値を決定する際に、上記の冷媒予冷器出口過冷却度を演算する際に用いたエンタルピhesetを用いることとした(式(2)参照)。このエンタルピhesetは蒸発器熱交換量Qeに応じて決定されるので、エコノマイザ高圧出口過冷却度も蒸発器熱交換量Qeに応じて決定されることになる。これにより、主膨張弁7の開度は、ターボヒートポンプ1の所望性能が発揮されるように運転状態に応じて調整されることになる。
また、式(1)にて冷媒流量として定格流量Qmstdを用いることとしたので、運転状態が変化しても(すなわち部分負荷となっても)冷媒流量として大きめの定格流量が用いられるので、液バックとなる可能性を最小限にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態では式(1)にて定格冷媒流量Gmstdを用いたのに対して、現在値の冷媒流量Gmを用いる点で相違する。その他は同様なので、その説明を省略する。
図7に示されているように、本実施形態では、ステップS2’にて、式(1’)を用いて演算用蒸発器入口エンタルピhを計算する。
Qe=Gm×(hset-h) ・・・(1’)
ここで、Gmは、ターボヒートポンプ1の現在値における冷媒流量を意味する。現在値冷媒流量Gmは、タ1ーボヒートポンプ1の運転状態を制御部が把握することによって演算することができる。
このように、本実施形態では、運転時における現在値冷媒流量Gmを用いて蒸発器熱交換量Qeとバランスさせ得る式を用いることとした。これにより、運転状態が変化しても現在値冷媒流量Gmが用いられるので、適切な過熱度が実現でき、ターボヒートポンプ1の効率を更に向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態および第2実施形態に対して、異なる蒸発圧力を用いる点で相違する。その他は同様なので、その説明を省略する。なお、本実施形態は、第1実施形態に対して、ステップS2’にて現在値冷媒流量Gmを用いる点で相違するが、この点は第2実施形態と同様なので、その説明を省略する。
図8に示されているように、ステップS1’にて、ターボ圧縮機2の吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピhsetを求める際に、吸込冷媒の圧力を用いずに、高めの圧力を用いる。
本実施形態のターボヒートポンプ1は、蒸発器として空気熱交換器6を用いているので、冬期のように外気温度が0℃以下となると、空気熱交換器6に霜が付着し、熱交換能力が減少することになる。そこで、本実施形態では、空気熱交換器6が着霜する条件で空気熱交換器6の能力を所定量減じることとした。
具体的には、運転時の実際の蒸発圧力Peを用いずに、外気温度よりも負荷見合い分だけ下がった温度を蒸発温度Te’として蒸発圧力Pe’を決定する。例えば,100%負荷に対して、外気温度と蒸発温度の差が7℃とした場合,40%負荷では7×0.4=2.8℃となるので,外気温度から2.8℃下がった温度を蒸発温度とみなす。
ステップS3’でも、ステップS1’にて求めた蒸発温度Te’を用いて能力依存冷媒予冷器出口エンタルピheminを演算する。
このように、蒸発圧力が高めに設定されるので、過熱度が大きめに設定され、液バックを回避することができる。
1 ターボヒートポンプ(熱源機)
6 空気熱交換器(蒸発器)
7 主膨張弁
9 利用側熱交換器(凝縮器)
10 主回路(主流路)
14 エコノマイザ用副膨張弁(第1副膨張弁)
15 エコノマイザ
17 冷媒予冷器
18 冷媒予冷器用膨張弁(第2副膨張弁)
30 エコノマイザ用分岐管(第1分岐流路)
32 冷媒予冷器用分岐管(第2分岐流路)

Claims (8)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる主膨張弁と、
    該主膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記凝縮器の下流側の主流路から分岐された第1分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第1副膨張弁と、
    該第1副膨張弁によって膨張された冷媒と前記凝縮器の下流側の前記主流路から導かれる液冷媒とを熱交換させるエコノマイザと、
    前記凝縮器の下流側から分岐された第2分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第2副膨張弁と、
    該第2副膨張弁によって膨張された冷媒と前記エコノマイザによって熱交換された後の前記主流路を流れる液冷媒とを熱交換させる冷媒予冷器と、
    前記主膨張弁、前記第1副膨張弁および前記第2副膨張弁の開度を制御する制御部と、
    を備え、
    前記第1副膨張弁によって膨張されて前記エコノマイザによって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の中間段に導かれるとともに、前記第2膨張弁によって膨張されて前記冷媒予冷器によって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の吸込側に導かれる熱源機であって、
    前記制御部は、前記圧縮機の吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて前記蒸発器の蒸発器熱交換量にバランスする前記蒸発器の入口の蒸発器入口エンタルピを演算し、
    該蒸発器入口エンタルピに応じて、前記冷媒予冷器の前記主流路の出口の液冷媒の過冷却度として目標冷媒予冷器出口過冷却度を決定し、かつ、
    該目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように前記第2副膨張弁の開度を調整することを特徴とする熱源機。
  2. 前記制御部は、前記第2副膨張弁の開度を調整する際に用いた前記蒸発器入口エンタルピを用いて、前記エコノマイザの前記主流路の出口の液冷媒の過冷却度として目標エコノマイザ出口過冷却度を決定し、
    該目標エコノマイザ出口過冷却度を満足するように前記主膨張弁の開度を調整することを特徴とする請求項1に記載の熱源機。
  3. 前記目標冷媒予冷器出口過冷却度は、前記蒸発器入口エンタルピが、前記冷媒予冷器の能力によって決まる該冷媒予冷器の前記主流路の出口の液冷媒のエンタルピである能力依存冷媒予冷器出口エンタルピよりも小さい場合には、該能力依存冷媒予冷器出口エンタルピによって演算されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源機。
  4. 前記目標エコノマイザ出口過冷却度は、前記目標エコノマイザ出口過冷却度に対応するエコノマイザ出口エンタルピをが、前記エコノマイザの能力によって決まる該エコノマイザの前記主流路の出口の液冷媒のエンタルピである能力依存エコノマイザ出口エンタルピよりも小さい場合には、該能力依存エコノマイザ出口エンタルピによって演算されることを特徴とする請求項2又は3に記載の熱源機。
  5. 前記制御部は、前記蒸発器入口エンタルピを演算する際に、当該熱源機の定格時における定格冷媒流量を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱源機。
  6. 前記制御部は、前記蒸発器入口エンタルピを演算する際に、現在値の冷媒流量を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱源機。
  7. 前記蒸発器は、外気との間で熱交換を行う空気熱交換器とされ、
    前記制御部は、外気が0℃以下の場合に、演算された前記蒸発器熱交換量を所定量減じることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱源機。
  8. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる主膨張弁と、
    該主膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記凝縮器の下流側の主流路から分岐された第1分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第1副膨張弁と、
    該第1副膨張弁によって膨張された冷媒と前記凝縮器の下流側の前記主流路から導かれる液冷媒とを熱交換させるエコノマイザと、
    前記凝縮器の下流側から分岐された第2分岐流路に設けられ、液冷媒を膨張させる第2副膨張弁と、
    該第2副膨張弁によって膨張された冷媒と前記エコノマイザによって熱交換された後の前記主流路を流れる液冷媒とを熱交換させる冷媒予冷器と、
    を備え、
    前記第1副膨張弁によって膨張されて前記エコノマイザによって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の中間段に導かれるとともに、前記第2膨張弁によって膨張されて前記冷媒予冷器によって熱交換した後のガス冷媒が前記圧縮機の吸込側に導かれる熱源機の制御方法であって、
    前記圧縮機の吸込冷媒の目標過熱度に相当する目標吸込冷媒エンタルピを用いて前記蒸発器の蒸発器熱交換量にバランスする前記蒸発器の入口の蒸発器入口エンタルピを演算し、
    該蒸発器入口エンタルピに応じて、前記冷媒予冷器の前記主流路の出口の液冷媒の過冷却度として目標冷媒予冷器出口過冷却度を決定し、かつ、
    該目標冷媒予冷器出口過冷却度を満足するように前記第2副膨張弁の開度を調整することを特徴とする熱源機の制御方法。
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