JP2010253608A - 脚式ロボット及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標軌道への追従性を高めるとともに、バランス喪失の可能性を低減した脚式ロボットを提供する。
【解決手段】本発明の脚式ロボットの制御方法は、FFトルク算出ステップと、再計算ステップと、変換ステップと、FBトルク算出ステップと、指令ステップを含む。FFトルク算出ステップは、脚式ロボットの動力学モデルを用いて、歩容データに脚式ロボットを追従させるためのFFトルクを算出する。再計算ステップは、算出されたFFトルクが許容トルクを超えている場合、歩容データの目標移動速度を減じて歩容データを修正し、修正された歩容データに基づいてFFトルクを再計算する。変換ステップは、歩容データに基づいて脚関節目標角を算出する。FBトルク算出ステップは、脚関節角の計測値と脚関節目標角との偏差を小さくするFBトルクを算出する。指令ステップは、計算されたFFトルクとFBトルクを脚関節のアクチュエータに指令する。
【選択図】図2

Description

本発明は、脚式ロボットとその制御方法に関する。特に、歩容データに記述された目標軌道への追従性を向上させる技術に関する。
脚式ロボットへの最上位の歩行指令は、脚式ロボットの胴体と足の目標軌道を記述した歩容データで与えられることがある。なお、本明細書では、「足」とは足首関節から先の部位を示し、大腿部と下腿部を含む「脚」とは異なる意味で用いる。脚式ロボットのコントローラは、歩容データから各関節の目標角を導出し、目標角と実際の関節角の偏差が小さくなるように脚関節を駆動する。歩容データに基づく脚式ロボットの制御が例えば特許文献1に開示されている。
特開2007−007799号公報
脚式ロボットは、歩容データにできるだけスムーズに追従することが望ましい。追従性を高める手法として、フィードフォワード制御がある。発明者は、フィードフォワード制御を脚式ロボットに適用する技術を既に提案している(特願2008−033340号、本願の出願時には未公開)。その技術は、脚式ロボットの動力学モデルを用いて、与えられた歩容データに脚式ロボットが追従するための脚関節のフィードフォワードトルクを算出し、算出されたフィードフォワードトルクを関節角のフィードバックトルクに加算して関節アクチュエータに指令するものである。
胴体と足の目標軌道は脚式ロボット全体の動作の経時的データであるから、脚式ロボットの目標移動速度を規定する。目標移動速度が速くなると、脚の各関節の目標角速度も速くなる。目標移動速度が一定であっても脚の各関節は加速と減速を繰り返すので、目標移動速度が速くなるとフィードフォワードトルクが大きくなる。目標移動速度が速すぎる場合、フィードフォワードトルクがアクチュエータの能力を超えてしまったり、或いはフィードフォワードトルクがアクチュエータのリミッタで制限を受けたりして、関節アクチュエータが計算されたフィードフォワードトルクを実現できない場合がある。脚式ロボットでは、複数の脚の関節が協調して動作することによって安定した歩行動作が実現されるため、一つの関節アクチュエータがフィードフォワードトルクを実現できないと関節群の協調動作が乱れて脚ロボットがバランスを崩す虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みて創作された。本発明は、フィードフォワードトルクによって歩容データに記述されている目標軌道への追従性を高めるとともに、高い追従性に伴って生じ得るバランス喪失の可能性を低減した脚式ロボットを実現する。
前述したように、関節ごとにフィードフォワードトルクに制限を設けると、関節群の協調が乱れて脚式ロボットはバランスを崩す虞がある。そこで本発明は、バランスを崩す虞がある場合に、フィードフォワードトルクを決めるベースとなる歩容データを修正し、修正した歩容データからフィードフォワードトルクを再計算することによって、関節群の協調動作、すなわちバランスを維持する。
本発明は、脚式ロボットの制御方法に具現化することができる。その方法は、フィードフォワードトルク算出ステップと、再計算ステップと、変換ステップと、フィードバックトルク算出ステップと、指令ステップを含む。フィードフォワードトルク算出ステップは、脚式ロボットの動力学モデルを用いて、与えられた歩容データに脚式ロボットが追従するように脚関節を駆動するためのフィードフォワードトルクを算出する。ここで、歩容データは脚式ロボットの胴体と足の目標軌道を記述しており、脚式ロボットの目標移動速度を規定する。再計算ステップは、算出されたフィードフォワードトルクが予め定められた許容トルクを超えている場合、歩容データにおける脚式ロボット目標移動速度を減じて与えられた歩容データを修正し、修正された歩容データに基づいてフィードフォワードトルクを再計算する。変換ステップは、歩容データが修正されている場合には修正された歩容データに基づいて、歩容データが修正されていない場合には与えられた歩容データに基づいて脚関節目標角を算出する。フィードバックトルク算出ステップは、脚関節角の計測値と脚関節目標角との偏差が小さくなるように脚関節を駆動するためのフィードバックトルクを算出する。指令ステップは、計算されたフィードバックトルクとフィードフォワードトルクを脚関節のアクチュエータに指令する。
前述したように、歩容データは、脚式ロボットの胴体と足の目標軌道を記述しており、脚式ロボットの目標移動速度を規定する。ここで、「胴体の目標軌道」は、胴体に固定の座標系における固定点の3次元座標と胴体の姿勢(ロール角、ピッチ角、及びヨー角)の6パラメータの時系列データである。胴体の6パラメータの時系列データであるから当然に速度が規定される。「足の目標軌道」についても同様である。また、「脚式ロボットの目標移動速度」とは、典型的には、上記した固定点の目標移動速度、或いは、脚式ロボットの重心の目標移動速度のいずれかで表わされる。
また、脚式ロボットは、脚の関節毎にフィードフォワードトルクとフィードバックトルクを算出する。
上記の制御方法は、フィードバックトルクとともにフィードフォワードトルクを脚関節のアクチュエータに指令することによって、フィードバック制御を超える高い追従性が得られる。その一方で上記の制御方法は、算出されたフィードフォワードトルクが予め定められた許容トルクを超えている場合、歩容データにおける目標移動速度を減じて与えられた歩容データを修正し、修正された歩容データに基づいてフィードフォワードトルクを再計算する。この方法は、フィードフォワードトルクがアクチュエータにとって過大となることが予想される場合、過大となった関節のフィードフォワードトルクを制限するのではなく、フィードフォワードトルクの大きさを決める主因である歩容データを修正して脚の全関節のフィードフォワードトルクを再計算する。修正された歩容データから動力学モデルに基づいてフィードフォワードトルクを再計算するので、再計算後のフィードフォワードトルクは脚関節群の協調的な動作を実現するものとなる。即ち、上記の制御方法は、歩容データへの追従性を高めるとともに、追従性を高めることによって生じるバランス喪失の可能性を低減することができる。
再計算ステップで用いる許容トルクは、例えば、脚関節のアクチュエータが実際に出力することのできる最大出力トルクを採用すればよい。或いは許容トルクは、電源の最大出力電流によってアクチュエータが出力することのできるトルク(最大電流相当トルク)を採用してもよい。最大電流相当トルクを許容トルクとして採用する場合は、電源の最大出力電流によって全ての脚関節のアクチュエータが同時に出力することのできるトルクを合計した総トルクを許容トルクとして採用してもよい。この場合、再計算ステップでは、全ての脚関節のフィードフォワードトルクを合計した総トルクが最大電流相当トルクを超えている場合に、歩容データを修正してフィードフォワードトルクを再計算する。
また、再計算ステップは、脚式ロボットの両足が接地している間に目標移動速度がゼロとなるように歩容データを修正することが好ましい。そのような修正によって、脚式ロボットは転倒することなく停止することができる。
本発明は、脚式ロボットに具現化することもできる。その脚式ロボットは、脚式ロボットの胴体と足の目標軌道を記述した歩容データを記憶している記憶装置と、脚関節のアクチュエータへトルクの指令値を出力するコントローラを備える。コントローラが、上記した制御方法の各ステップを実行する。この脚式ロボットは、歩容データへの高い追従性と、倒れ難さを両立する。
本発明によれば、フィードバックトルクによって歩容データへの追従性を高めるとともに、高い追従性に起因するバランス喪失の可能性を低減した脚式ロボットを実現することができる。
脚式ロボットの模式的ブロック図を示す。 脚式ロボットのコントローラが実行する制御のフローチャートを示す。 歩容データの修正の一例を示す。
実施例の脚式ロボットが有する技術的特徴を挙げる。
(1)脚式ロボットの動力学モデルは、多リンク構造の脚式ロボットを左右の足と左右の膝と胴体にそれぞれ質量が集中する集中質量系でモデル化した質点モデルである。歩容データは、脚機構の左右の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢の時系列データ、即ち目標軌道を記述したデータである。「足(胴体)の位置姿勢」とは、絶対座標系における足(胴体)の位置の座標と、ロール角、ピッチ角、ヨー角の6パラメータに相当する。フィードフォワードトルク算出ステップは、「脚の左右の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢の時系列データを記述した歩容データ」と、「脚式ロボットを左右の足と左右の膝と胴体にそれぞれ質量が集中する集中質量系でモデル化した質点モデル」を用いて、脚式ロボットが歩容データに追従するように脚関節を駆動するためのフィードフォワードトルクを算出する。なお、「脚機構の左右の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢の時系列データを記述した歩容データ」は、「脚機構の左右の足の位置姿勢、胴体の姿勢、及び脚式ロボット全体の重心位置の時系列データを記述した歩容データ」であってもよい。両者は実質的に等価である。なぜならば、左右の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢から脚式ロボット全体の重心位置を算出することができ、逆に、「脚機構の左右の足の位置姿勢、胴体の姿勢、及び脚式ロボット全体の重心位置」から胴体の位置を算出することができるからである。
(2)脚式ロボット10は、FFトルク(フィードフォワードトルク)が許容トルクを超えた場合、予め与えられた歩行周期Tsと歩数Nsで移動速度を徐々に減じて停止するように歩容データを修正する。
図面を参照して実施例の脚式ロボットを説明する。図1に、脚式ロボット10の模式的ブロック図を示す。脚式ロボット10は、一対の脚機構12とコントローラ20を備える。脚機構12は、人間の脚を模した多リンク構造を有している。即ち、脚機構12は、大腿リンクと下腿リンクが膝関節で揺動可能に連結しており、下腿リンクと足リンクが足首関節で揺動可能に連結している構造を有している。そして一対の脚機構12が夫々股関節で揺動可能に胴体に連結している構造を有している。各関節にはモータ(アクチュエータ)14とエンコーダ16が備えられている。脚機構12は人間の脚を模した幾何学的構造を有していればよく、脚機構の細部は種々の構造を取り得るので、脚式ロボット10の機構については詳しい説明を省略する。図1では、脚機構12の一つの関節のモータ14とエンコーダ16のみを図示しており、リンク機構そのものの図示と他の複数のモータとエンコーダの図示を省略していることに留意されたい。
コントローラ20について説明する。コントローラ20は、記憶部38、FFトルク算出部30、変換部32、FB制御部34、及びモータドライバ36を備えている。ここで、「FF」の文字は「フィードフォワード」を意味しており、「FB」の文字は「フィードバック」を意味する。以下の説明でも「フィードフォワード」を「FF」と称し、「フィードバック」を「FB」と称する場合がある。
記憶部38には、歩容データ、脚式ロボットの機構をモデル化した動力学モデル、及び、許容トルクのデータが記憶されている。歩容データは、脚式ロボット10の胴体と足の目標軌道を記述したデータである。具体的には、歩容データには、脚機構12の左右の足の位置姿勢、及び、胴体の位置姿勢の時系列データが記述されている。時系列データであるから、歩容データは脚式ロボット10の目標移動速度の情報も当然に含んでいる。ここで、「目標移動速度」は、胴体の目標移動速度を意味する。別言すれば、「歩容データ」は、脚式ロボット10の胴体と左右の足の位置姿勢の時系列データと胴体の目標移動速度の変化を記述したデータである。歩容データは、予め与えられている。
動力学モデルは、脚関節のモータ14が出力するトルクと各リンクの運動の関係、即ち脚式ロボット10の運動方程式に相当する。ここで、動力学モデルは、脚式ロボット10の多リンク機構を左右の足と左右の膝と胴体に質量が集中する集中質量系でモデル化した質点モデルである。
許容トルクは、各モータの最大出力トルクのデータ、及び、脚式ロボット10の電源が出力することのできる最大電流の大きさにモータの電流/トルク変換定数を乗じたトルク値のデータである。このトルク値を最大電流相当トルクと称する。最大電流相当トルクは、脚式ロボット10の脚の全関節のアクチュエータが同時に出力することのできる総トルクに相当する。
図2に、コントローラ20が実行する制御のフローチャートを示す。図1と図2を参照してコントローラ20の制御を説明する。FFトルク算出部30は、動力学モデルに歩容データを当てはめて、記憶された歩容データ(目標軌道)に脚式ロボット10が追従するのに必要な各脚関節のモータのトルクを算出する(S4)。FFトルク算出部30が算出するトルクがFFトルク(フィードフォワードトルク)に相当する。また、ステップS4の処理がFFトルク算出ステップに相当する。別言すれば、FFトルク算出ステップでは、「脚機構の左右の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢の時系列データを記述した歩容データ」と、「脚式ロボットの多リンク機構を左右の足と左右の膝と胴体に質量が集中する集中質量系でモデル化した質点モデル」を用いて、脚式ロボットが歩容データに追従するように脚関節を駆動するためのフィードフォワードトルクを算出する。さらに要約して表現すると、FFトルク算出ステップでは、与えられた歩容データに脚式ロボットが追従するように脚関節を駆動するためのFFトルクを算出する。FFトルク算出部30は、各脚関節のFFトルクを算出する。
FFトルク算出部30はさらに、算出したFFトルクが許容トルクを超えているか否かをチェックする(S6)。このステップS6の処理をさらに詳細に説明する。FFトルク算出部30は、次の2種類のチェックを実行する。第一に、FFトルク算出部30は、各関節のFFトルクがその関節のモータの最大出力トルクを超えているか否かをチェックする。第2に、FFトルク算出部30は、各関節のFFトルクを合計した総トルクが、最大電流相当トルクを超えているか否かをチェックする。前述したように、最大出力トルクと最大電流相当トルクが許容トルクに相当する。いずれかのチェックでFFトルクが許容トルクを超えている場合、FFトルク算出部30は、歩行データに記述された目標移動速度を減じて歩行データを修正し、修正された歩容データでFFトルクを再計算する(S6:YES、S8、S4)。FFトルク算出部30は、いずれか一つの関節でもFFトルクが許容トルクを超えている場合、目標移動速度を減じてFFトルクを再計算する。なお、図1において、FFトルク算出部30から伸びており、「歩容データ」のブロックを斜めに横切る矢印は、FFトルク算出部30が歩容データを修正可能であることを表している。
ステップS8において、FFトルク算出部30は、脚式ロボット10の両足が接地した状態で目標移動速度がゼロとなるように歩容データを修正する。歩容データの修正の具体例は後述する。FFトルク算出部30は、算出されたFFトルクが許容トルク以下となるまで上記の処理を繰り返す。
FFトルクの算出に続いて、変換部32が歩容データを実現するための脚関節目標角を算出する(S10)。即ち、変換部32は、歩容データが修正された場合には修正後の歩容データに基づいて、歩容データが修正されていない場合は与えられた歩容データに基づいて脚関節目標角を算出する。詳しくは、変換部32は、歩容データに記述されている「左右の足の位置姿勢のデータと胴体の位置姿勢のデータ」から各脚関節の目標角を求める。ステップS10の処理が変換ステップに相当する。夫々の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢は、多リンク機構である脚機構の両端リンクの位置姿勢に相当するから、脚関節の目標角はロボット工学におけるいわゆる「逆キネマティクス計算」で求めることができる。「逆キネマティクス計算」はよく知られているので詳細な説明は省略する。
FB制御部34は、変換部32が算出した脚関節目標角と、エンコーダ16によって計測された実際の関節角との偏差が小さくなるように脚関節を駆動するためのFBトルク(フィードバックトルク)を算出する(S12)。FB制御部34は、関節毎にFBトルクを算出する。FB制御部34で用いられる制御ルールは、PID制御ルールやH無限大制御ルールなどであり、それらは良く知られているので詳しい説明は省略する。
コントローラ20は、FFトルク算出部30によって算出されたFFトルクとFB制御部34によって算出されたFBトルクをモータドライバ36を介してモータ14へ指令する(S14)。この処理が指令ステップに相当する。モータドライバ36は、指令されたトルクが出力されるようにモータ14へ供給する電流を制御する。コントローラ20は、以上の処理を制御サンプリング毎に実行する。
図3に、歩容データの修正例を示す。図3のグラフは、歩容データにおける脚式ロボットの目標移動速度の経時的変化を示す。前述したように「目標移動速度」は胴体の目標移動速度である。時刻T1でFFトルクが許容トルクを超えた場合を仮定する。破線Aは、与えられた歩容データにおける当初の目標移動速度の経時的変化を示している。一点鎖線Bが、修正後の目標移動速度の経時的変化を示している。Vsは、時刻T1、即ちFFトルクが許容トルクを超えたときの目標移動速度である。TLは、予め与えられた歩数Nsを予め与えられた一歩の歩行周期で歩行するのに要する時間を示す。脚式ロボット10は、FFトルクが許容トルクを超えた場合、予め与えられた歩行周期Tsと歩数Nsで移動速度を徐々に減じて停止するようにプログラムされている。符号T2は、修正された目標移動速度がゼロとなるタイミングを表している。歩数Nsに至るまでの一歩毎の目標移動速度V(i)は次の数式で与えられる。
Figure 2010253608
(数1)において、iは、FFトルクが許容トルクを超えた時刻T1からの歩数を表す。t(i)は、時刻T1から第i歩を進むまでに要する時間を表す。(数1)から明らかなとおり、歩数Nsに至ったときに目標移動速度V(Ns)はゼロとなる。即ち、歩数Nsを進んで両足が接地しているときに移動速度がゼロとなる。コントローラ20は、上記の(数1)に従って歩容データにおける目標移動速度を修正する。すなわち、コントローラ20は、予め与えられた歩数Nsを進んだ後に脚式ロボット10の両足が接地した状態で目標移動速度がゼロとなるように歩容データを修正する。(数1)で得られた一歩毎の離散的な目標移動速度V(i)を曲線補間することによって、図3の符号Bの曲線、即ち修正後の目標移動速度の経時的変化が得られる。
脚式ロボット10の利点を列挙する。
(1)脚式ロボット10に与えられる歩容データは、胴体と各足の位置姿勢の経時的変化(目標軌道)と胴体の移動速度の経時的変化(目標移動速度)を記述している。コントローラ20は、脚式ロボット10の動力学モデルを用いて歩容データに追従するように脚関節を駆動するFFトルクを算出し、FFトルクでフィードフォワード制御を行う。脚式ロボット10は、フィードフォワード制御を備えることによって、歩容データの目標軌道への高い追従性を実現する。
(2)脚式ロボット10は、FFトルクが許容トルクを超えた場合に、予め与えられた歩数で停止するように目標移動速度を減じて歩容データを修正し、修正した歩容データに基づいてFFトルクを再計算する。そのため、脚式ロボット10は、高い追従性を有するとともに、高い追従性に伴うバランスの崩し易さを抑制する。特に、一対の脚で歩行する脚式ロボットは、バランスを崩すと転倒に至る虞がある。実施例に示したように、本発明の技術は、一対の脚で歩行する脚式ロボットへの適用が好適である。
なお、脚式ロボットを左右の足と膝、及び胴体に集中質量化した動力学モデルを用いてFFトルクを算出し、算出したFFトルクをFBトルクに加算する制御については、発明者が既に出願した特許出願(特願2008−033340号、本願の出願時には未公開)に詳しいのでそちらを参照されたい。
実施例の好適な変形例を説明する。実施例では、「左右の足の位置姿勢と胴体の位置姿勢の時系列データ(目標軌道)を記述した歩容データ」から各脚関節の目標角を算出した。歩容データは、脚式ロボットの胴体の目標移動速度と、予め定められた移動速度の条件下で作成された一歩行周期分の各脚関節の角度の時系列データ(関節角動作パターン)が記述されていてもよい。その場合、FFトルク算出ステップでは、目標移動速度と定められた移動速度の比率で関節角動作パターンを時間軸方向に伸縮することによって、各関節の目標角の時系列データを求めることができるとともに、胴体と足の位置姿勢の時系列データ(目標軌道)を求めることができる。即ち、目標移動速度と関節角動作パターンを記述した歩容データは実施例の歩容データと実質的に等価である。
FB制御部は、関節目標角と実関節角との偏差に加えて、関節目標角速度と実関節角速度の偏差を使ってFBトルクを算出してもよい。
FFトルクが許容トルクを超えた後の目標移動速度を、(数1)に代えて次の(数2)に基づいて修正してもよい。
Figure 2010253608
ここで、a1は予め与えられた負の加速度である。その他のパラメータの意味は(数1)で用いたパラメータと同じである。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:脚式ロボット
12:脚機構
14:モータ
16:エンコーダ
20:コントローラ
30:FFトルク算出部
32:変換部
34:FB制御部
36:モータドライバ
38:記憶部

Claims (6)

  1. 脚式ロボットの制御方法であり、
    脚式ロボットの動力学モデルを用いて、脚式ロボットの胴体と足の目標軌道を記述した与えられた歩容データに脚式ロボットが追従するように脚関節を駆動するためのフィードフォワードトルクを算出するステップと、
    算出されたフィードフォワードトルクが予め定められた許容トルクを超えている場合、歩容データにおける脚式ロボット目標移動速度を減じて与えられた歩容データを修正し、修正された歩容データに基づいてフィードフォワードトルクを再計算するステップと、
    歩容データから脚関節目標角を算出するステップと、
    脚関節角の計測値と脚関節目標角との偏差が小さくなるように脚関節を駆動するためのフィードバックトルクを算出するステップと、
    フィードバックトルクとフィードフォワードトルクを脚関節のアクチュエータに指令するステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  2. 前記再計算ステップは、脚式ロボットの両足が接地している間に前記目標移動速度がゼロとなるように歩容データを修正することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  3. アクチュエータの最大出力トルクと、電源の最大出力電流によってアクチュエータが出力することのできるトルクのいずれか一方を前記許容トルクとして用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 脚式ロボットの胴体と足の目標軌道を記述した歩容データを記憶している記憶装置と、
    脚関節のアクチュエータへトルクの指令値を出力するコントローラと、を備えており、
    コントローラが、
    脚式ロボットの動力学モデルを用いて、記憶された歩容データに脚式ロボットが追従するように脚関節を駆動するためのフィードフォワードトルクを算出するステップと、
    算出されたフィードフォワードトルクが予め定められた許容トルクを超えている場合、歩容データにおける脚式ロボット目標移動速度を減じて記憶された歩容データを修正し、修正された歩容データに基づいてフィードフォワードトルクを再計算するステップと、
    歩容データから脚関節目標角を算出するステップと、
    脚関節角の計測値と脚関節目標角との偏差が小さくなるように脚関節を駆動するためのフィードバックトルクを算出するステップと、
    フィードバックトルクとフィードフォワードトルクを脚関節のアクチュエータに指令するステップと、
    を実行することを特徴とする脚式ロボット。
  5. コントローラは、前記再計算ステップにおいて、脚式ロボットの両足が接地している間に前記目標移動速度がゼロとなるように歩容データを修正することを特徴とする請求項4に記載の脚式ロボット。
  6. コントローラは、アクチュエータの最大出力トルクと、電源の最大出力電流によってアクチュエータが出力することのできるトルクのいずれか一方を許容トルクとして用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の脚式ロボット。
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