JP2010253592A - ワーク回転支持装置のクランプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手動によるクランプ体の移動及びワークの保持が容易で且つ、低コストなワーク回転支持装置のクランプ装置を提供する。
【解決手段】支持体に回転自在に支持されると共にワークを案内可能な案内空間部を有する回転保持体及びワークをクランプするクランプ装置9を備えたワーク回転支持装置のクランプ装置であって、先端部がワークに当接可能にされると共に外周におねじ部及び軸心方向に溝部22が形成されたクランプ用軸体21と、回転保持体に設けられてクランプ方向に沿う貫通穴部16が形成されると共に内周から回動規制用ボルト18の先端が溝部へ突出してクランプ用軸体を案内する筒状案内体15と、クランプ用軸体に螺嵌される筒状押さえ体31とから構成し、クランプ用軸体をワーク側に移動させて筒状押さえ体を回転させることにより、筒状案内体の端面を支持面としてクランプ用軸体の先端をワーク側に押し付けてクランプする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワーク回転支持装置のクランプ装置に関するものである。
従来、比較的大きい柱状などの構造物を溶接して組み立てる場合、その仮組された被溶接物(以下、ワークという)を、例えば前後一対の機台にて保持するとともに、これら機台を任意の姿勢に回転させるようにした溶接反転機(ワーク反転装置ともいう)が用いられている。
そして、溶接反転機は、ワークの挿抜が可能な開口部が形成されて回転自在に設けられた回転体と、この回転体に挿通されたワークにクランプ体を移動させることで押し付けてワークの保持を行うクランプ装置とを有するものであった(例えば、特許文献1参照)。
また、上記の溶接反転機(ワーク反転装置)では、手動によるクランプ体の移動は面倒であるから、この移動を電動モータにより自動化したワーク反転装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
実願昭59−40476号(実開昭60−157092号)のマイクロフィルム 特開平6−91395号公報
ところで、上記特許文献1に記載の溶接反転機のクランプ装置によると、クランプ体はねじ軸により構成されており、ワークの保持位置にクランプ体を移動させるには、ハンドルを手動で回転させる必要があるため、クランプ体を大きく移動させる際、例えば断面が大きく異なるワークに交換する際に、手間がかかるという問題があった。
これに対し、上記特許文献2に記載のワーク反転装置では、上記の手間を省くためにクランプ体の移動を自動化したものであるが、手動式に比べて別途電動モータおよび動力伝達機構が必要であり、コストが増大するという問題が生ずる。
そこで、本発明は、手動によるクランプ体の移動およびワークの保持が容易で且つ、低コストなワーク回転支持装置のクランプ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るワーク回転支持装置のクランプ装置は、支持体に所定軸心回りで回転自在に支持されるとともにワークを案内可能な案内空間部を有する回転保持体およびこの回転保持体に設けられて上記案内空間部に案内されたワークを所定方向から押圧してクランプするクランプ装置を備えたワーク回転支持装置のクランプ装置であって、
上記回転保持体に設けられてワークのクランプ方向に沿う貫通穴部が形成された筒状案内体と、
この筒状案内体の貫通穴部に回動規制手段を介して軸心方向でのみ移動自在に案内されて先端部がワークに当接可能にされるとともに外周におねじ部が形成されたクランプ用軸体と、
このクランプ用軸体のおねじ部に螺合し得るめねじ部を有して当該クランプ用軸体に螺嵌される押さえ体とから構成し、
且つ上記回転保持体の案内空間部に案内されたワークをクランプする際に、上記筒状案内体に案内されたクランプ用軸体をワーク側に移動させた後、押さえ体を回転させることにより、筒状案内体の端面を支持面としてクランプ用軸体の先端をワーク側に押し付けるようにしたものである。
また、請求項2に係るワーク回転支持装置のクランプ装置は、請求項1に記載のワーク回転支持装置のクランプ装置において、回動規制手段を、クランプ用軸体に軸心方向で形成された溝部と、筒状案内体の貫通穴部に設けられて上記溝部に突出する突部とから構成したものである。
上記ワーク回転支持装置のクランプ装置の構成によると、手動によるクランプ体の移動およびワークの保持が容易で且つ、ワーク回転支持装置を低コストにすることができる。
本発明の実施の形態に係るワーク回転支持装置の概略構成を示す正面図である。 図1のA−A断面図である。 同ワーク回転支持装置におけるクランプ装置の斜視図である。 図1のB−B断面図である。
以下に、本発明の実施例1に係るワーク回転支持装置のクランプ装置を図1〜図4に基づき説明する。
まず、ワーク回転支持装置の構成を簡単に説明する。
ワーク回転支持装置は、被作業物であるワークを略水平にて保持するとともに鉛直面内で任意の角度(円周方向における角度)に傾動させて、例えば溶接によりワークの組立てを行う際に用いるものである。実際には、このワーク回転支持装置を少なくとも2台具備して、例えば仮溶接された長尺のワークに対して本溶接を行うために用いられるものである。勿論、溶接以外の作業にも適用し得るものである。
図1および図2に示すように、ワーク回転支持装置1は、中央部に側面視が半円形状の切欠部を有するとともにこの切欠部に沿って配置されて回転保持体6(後述する)を回転自在に支持する複数個のローラ部材4が設けられた支持体3と、この支持体3の各ローラ部材4に案内されて円周方向で回転自在に設けられるとともに回転軸方向で貫通されて正面視が矩形状の案内空間部7が形成された回転保持体6と、この矩形状の案内空間部7を形成する回転保持体6の下部に設けられた支持板材8と、上記案内空間部7に挿通されたワーク2を周囲から押し付けて保持するとともに上記回転保持体6の左右側部および上部に取り付けられたクランプ装置9と、上記支持体3側に設けられて上記回転保持体6を回転させる回転駆動装置5とから構成されている。なお、上記回転保持体6は、案内空間部7の上部に対応する円弧部分が分割されて、下側の保持本体部6bと円弧状の保持分割部6a(上部である)とから構成されるとともに、保持分割部6aはヒンジ6cを介して保持本体部6b側に取り付けられて、油圧シリンダー(図示せず)などにより開閉し得るようにされている(図1の仮想線にて、保持分割部6aが開いた状態を示す)。また、上記回転駆動装置5は、回転保持体6の外周面全体に亘って設けられたリングギヤ5aと、支持体3の下部に支持軸体5cを介して支持されるとともに上記リングギヤ5aに噛合するピニオン5bと、上記支持軸体5cを回転させる電動機5dから構成されている。したがって、電動機5dを駆動させると、ピニオン5bおよびリングギヤ5aを介して回転保持体6は円周方向に回転されることになる。
以下、このクランプ装置の構成を図3および図4に基づき説明する。
クランプ装置9は、上記矩形状の案内空間部7の縁にボルト12およびナットにより上記回転保持体6に接合された取付板11と、ワーク2のクランプ方向(回転保持体6の円周から回転軸心への方向)に沿う貫通穴部16とこの貫通穴部16に直交する方向のねじ穴部17とが形成されるとともにワーク2側へ上記貫通穴部が向くように当該取付板11に固着された筒状案内体15と、外周部におねじ部が形成されるとともにこの筒状案内体15に軸心方向でのみ移動自在に案内され且つ軸心方向に溝部22が形成されたクランプ用軸体21と、上記筒状案内体15の内部に向けて先端部が上記溝部22に突出するように当該ねじ穴部17に螺合された回動規制用ボルト18(上記溝部22と筒状案内体15の内周部から突出した当該回動規制用ボルト18(特に、先端の突部)とにより、回動規制手段が構成される)と、このクランプ用軸体21のワーク2側の一端に螺嵌により取り付けられてワーク2と直接接触し得る円形の押さえ具25と、当該クランプ用軸体21の他端側に螺嵌されてクランプ用軸体21の不要な移動を規制する移動規制用筒体35(ナットまたはめねじを有するリングでもよい)と、当該クランプ用軸体21のおねじ部に螺嵌し得るめねじ部33を有してこのクランプ用軸体21のワーク2側に螺嵌されるとともに外周部に3本の棒状の把持用部材32が円周方向において等間隔で且つ放射状に取り付けられた筒状押さえ体31とから構成されている。なお、上記筒状案内体15の貫通穴部16側の内周面にはねじが形成されていないため、クランプ用軸体21を回転させることなく軸心方向で自在に移動させることができる。
次に、上述したワーク回転支持装置1でワーク2を支持して、上記クランプ装置9でワークをクランプする場合について説明する。
すなわち、各クランプ装置9の上記筒状押さえ体31の把持用部材32を把持して、ワーク2側とは逆方向に押してクランプ用軸体21を退避させ、上記ワーク回転支持装置1の矩形状の案内空間部7にワーク2を挿通し得る状態を確保する。この場合、クランプ用軸体21に形成された溝部22とこの溝部22に先端部が配置された回動規制用ボルト18により、クランプ用軸体21は回動することなく上記筒状案内体15に案内されて移動する。なお、予め移動規制用筒体35の位置を調整してクランプ用軸体21のワーク2側への移動を規制しておくことで、上記退避量を少なくすることができる。また、上記案内空間部7の上部の縁に取り付けられたクランプ装置9では、クランプ用軸体21をワーク2側と逆方向(鉛直上方向)に移動させても、クランプ用軸体21およびこのクランプ用軸体21に螺嵌された筒状押さえ体31の自重によりワーク2側(鉛直下方向)に落下して戻ってくるため、当該クランプ用軸体21を移動(上昇)させた後は、このクランプ用軸体21を上記回動規制用ボルト18で締付けて仮固定し、当該クランプ用軸体21の落下を防止する。
次に、回転保持体6の保持分割部6aを上方へ開き、ワーク2を支持板材8に載せた後に、保持分割部6aを閉じて固定する。そして、上記筒状押さえ体31の把持用部材32を把持して、クランプ用軸体21をワーク2側へ移動させる。すなわち、上述したクランプ用軸体21の退避方向とは逆方向への移動を行う。この場合、移動規制用筒体35によりクランプ用軸体21の移動が規制されて押さえ具25をワーク2へ接触させることができなければ、当該移動規制用筒体35をクランプ用軸体21の端部側に移動させて、クランプ用軸体21の移動を確保する。なお、上部のクランプ装置9については、上述した通りクランプ用軸体21が回動規制用ボルト18の締付けにより仮固定されているため、当該回動規制用ボルト18を緩めてからクランプ用軸体21を移動(下降)させる。そして、各クランプ用軸体21の先端部に取り付けられた各押さえ具25を、ワーク2へ接触させた後は、筒状押さえ体31の把持部材を把持して当該筒状押さえ体31を回転させ、クランプ用軸体21に螺嵌された当該筒状押さえ体31を上記筒状案内体15に接触させるまで上記回転により移動させる。そして、筒状押さえ体31を筒状案内体15に接触させてからさらに回転させると、この筒状案内体15の端面を支持面としてクランプ用軸体21の先端部に螺嵌された押さえ具25がワーク2を押し付けるため、ワーク2がクランプされる。
上記の動作によりワーク2が左右および上部のクランプ装置9によりクランプされた後は、ワーク2の本溶接を行う箇所が上を向くように、上記回転駆動装置5により回転保持体6を回転させる。具体的には、電動機5dを駆動させることにより、ピニオン5bおよびリングギヤ5aを介して回転保持体6を回転させ、ワーク2の被溶接箇所が上を向けば電動機5dの駆動を停止させる。
上記ワーク回転支持装置1のクランプ装置9の構成によると、回転保持体6の案内空間部7にワーク2挿通用の空間を確保するため、およびワーク2を押さえ具25で押さえるために、クランプ用軸体21を移動させる必要があるが、このクランプ用軸体21は筒状案内体15に螺嵌されていないため当該クランプ用軸体21を回転させる必要はなく、上記の移動を手早く行うことができる。また、クランプ用軸体21に螺嵌された筒状押さえ体31の回転による締付けは、筒状押さえ体31を筒状案内体15に接触するまで移動させてから行われるため、従来のようにクランプ用軸体21自体を回転させて締付ける場合に比べて、締付けを行う回転量を減らすことができ、ワーク2をクランプするための作業を軽減することができる。さらに移動規制用筒体35は、クランプ用軸体21の不要な移動を規制することにより、クランプ用軸体21の移動量を減らすことができるとともに、筒状案内体15からの脱落を防止することもできる。また、回動規制用ボルト18は、クランプ用軸体21の回動を規制するだけでなく、クランプ用軸体21を締付けて仮固定できるため、自重によるクランプ用軸体21の移動や脱落を防止し、上部のクランプ装置9によるクランプ操作を容易にすることができる。
ところで、クランプ用軸体21の自重などによる脱落を防止するため、クランプ用軸体21のワーク2側と反対側の端部に、脱落防止用フランジ部を設けてもよい。
なお、回動規制手段の一例として、クランプ用軸体21の溝部22と筒状案内体15の内周部から突出した回動規制用ボルト18とを示したが、勿論このような構成に限定されるものではなく、例えば回動規制用ボルト18の代わりに、筒状案内体15の内周部に凸部を設けたものでもよい。
また、各クランプ装置9を回転保持体6の側面に取り付けたものを説明したが、回転保持体6の内側に配置することで、各クランプ装置9が回転保持体6の側面から突出しないようにしたものでもよい。
1 ワーク回転支持装置
2 ワーク
3 支持体
6 回転保持体
7 案内空間部
9 クランプ装置
11 取付板
15 筒状案内体
16 貫通穴部
17 ねじ穴部
18 回動規制用ボルト
21 クランプ用軸体
22 溝部
25 押さえ具
31 筒状押さえ体
32 把持用部材
33 めねじ部

Claims (2)

  1. 支持体に所定軸心回りで回転自在に支持されるとともにワークを案内可能な案内空間部を有する回転保持体およびこの回転保持体に設けられて上記案内空間部に案内されたワークを所定方向から押圧してクランプするクランプ装置を備えたワーク回転支持装置のクランプ装置であって、
    上記回転保持体に設けられてワークのクランプ方向に沿う貫通穴部が形成された筒状案内体と、
    この筒状案内体の貫通穴部に回動規制手段を介して軸心方向でのみ移動自在に案内されて先端部がワークに当接可能にされるとともに外周におねじ部が形成されたクランプ用軸体と、
    このクランプ用軸体のおねじ部に螺合し得るめねじ部を有して当該クランプ用軸体に螺嵌される押さえ体とから構成し、
    且つ上記回転保持体の案内空間部に案内されたワークをクランプする際に、上記筒状案内体に案内されたクランプ用軸体をワーク側に移動させた後、押さえ体を回転させることにより、筒状案内体の端面を支持面としてクランプ用軸体の先端をワーク側に押し付けるようにしたことを特徴とするワーク回転支持装置のクランプ装置。
  2. 回動規制手段を、クランプ用軸体に軸心方向で形成された溝部と、筒状案内体の貫通穴部に設けられて上記溝部に突出する突部とから構成したことを特徴とする請求項1に記載のワーク回転支持装置のクランプ装置。
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