JP2010251665A - 電力変換用半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子の動作に伴って生じるサージ電圧を抑制できる電力変換用半導体装置1を提供する。
【解決手段】高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bとを積層し、その間に出力端子板3を設けるとともに、これら高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bと出力端子板3とを一対の電極板2a,2bで挟持した。そして、この一対の電極板2a,2bの間にコンデンサ5を設けた。これによりコンデンサ5とスイッチング素子4との距離が短くなり、寄生インダクタンスを低減できるため、サージ電圧を低減できる。
【選択図】図3
【解決手段】高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bとを積層し、その間に出力端子板3を設けるとともに、これら高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bと出力端子板3とを一対の電極板2a,2bで挟持した。そして、この一対の電極板2a,2bの間にコンデンサ5を設けた。これによりコンデンサ5とスイッチング素子4との距離が短くなり、寄生インダクタンスを低減できるため、サージ電圧を低減できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、サージ電圧を低減できる電力変換用半導体装置に関する。
従来から、電力変換用半導体装置が知られている(下記特許文献1)。この電力変換用半導体装置は図11に示すごとく、2枚の電極板91a,91bと、この2枚の電極板91a,91bに挟持されたスイッチング素子(IGBT素子)92およびフライホイールダイオード93と、電極板91a,91bに接する冷却器97a,97bと、コンデンサ96とを備える。
コンデンサ96は、スイッチング素子92のスイッチング動作に伴って生じるサージ電圧を吸収するためのものである。すなわち、スイッチング素子92を動作させると、配線等に存在する寄生インダクタンスに起因してサージ電圧が発生する。このサージ電圧が高くなりすぎると、スイッチング素子92が破損する場合があるため、コンデンサ96を設けている。
しかしながら、図11に示すごとく、従来の電力変換用半導体装置90は、コンデンサ96がスイッチング素子92の直近には設けられておらず、スイッチング素子92から比較的離れた位置に設けられている。そして、コンデンサ96とスイッチング素子92とは、電極板91および接続端子98によって接続されている。
このように従来の電力変換用半導体装置90は、スイッチング素子92とコンデンサ96との間の電流経路が長い構造になっているため、この電流経路上、すなわち電極板91および接続端子98上に存在する寄生インダクタンスが大きい。サージ電圧は寄生インダクタンスに比例するため、この構造にするとサージ電圧も大きくなる。
このように従来の電力変換用半導体装置90は、スイッチング素子92とコンデンサ96との間の電流経路が長い構造になっているため、この電流経路上、すなわち電極板91および接続端子98上に存在する寄生インダクタンスが大きい。サージ電圧は寄生インダクタンスに比例するため、この構造にするとサージ電圧も大きくなる。
特に、電力変換用半導体装置には大電流が流れるため、スイッチング素子の周囲に僅かな寄生インダクタンスが存在するだけでも、大きなサージ電圧が発生し、スイッチング素子を破損する原因になり得る。そのため、スイッチング素子の動作に伴って生じるサージ電圧を抑制できる電力変換用半導体装置が望まれている。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、スイッチング素子の動作に伴って生じるサージ電圧を抑制できる電力変換用半導体装置を提供しようとするものである。
本発明は、所定間隔をおいて対向配置された金属製の高電位側電極板および低電位側電極板と、
上記高電位側電極板と上記低電位側電極板との間に設けられた金属製の出力端子板と、
上記高電位側電極板と上記出力端子板との間に介在し、上記高電位側電極板と上記出力端子板とに各々電気的に接続された高電位側スイッチング素子と、
上記低電位側電極板と上記出力端子板との間に介在し、上記低電位側電極板と上記出力端子板とに各々電気的に接続された低電位側スイッチング素子と、
上記高電位側電極板と上記低電位側電極板との間に設けられ、上記高電位側電極板と上記低電位側電極板とに各々電気的に接続されたコンデンサと、
を備えることを特徴とする電力変換用半導体装置にある(請求項1)。
上記高電位側電極板と上記低電位側電極板との間に設けられた金属製の出力端子板と、
上記高電位側電極板と上記出力端子板との間に介在し、上記高電位側電極板と上記出力端子板とに各々電気的に接続された高電位側スイッチング素子と、
上記低電位側電極板と上記出力端子板との間に介在し、上記低電位側電極板と上記出力端子板とに各々電気的に接続された低電位側スイッチング素子と、
上記高電位側電極板と上記低電位側電極板との間に設けられ、上記高電位側電極板と上記低電位側電極板とに各々電気的に接続されたコンデンサと、
を備えることを特徴とする電力変換用半導体装置にある(請求項1)。
本発明の作用効果につき説明する。
本発明では、高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子とを積層し、その間に出力端子板を設けるとともに、これら高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子と出力端子板とを一対の電極板で挟持した。そして、この一対の電極板の間にコンデンサを設け、2個のスイッチング素子とコンデンサとが電極板によって並列接続されるようにした。
このようにすると、スイッチング素子の近傍にコンデンサを配置することができ、スイッチング素子とコンデンサとを繋ぐ電流の経路を短くすることができる。これにより、電流経路上に存在する寄生インダクタンスを小さくすることが可能となる。サージ電圧の大きさは寄生インダクタンスに比例するため、寄生インダクタンスを小さくすることにより、サージ電圧を小さくすることができる。
本発明では、高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子とを積層し、その間に出力端子板を設けるとともに、これら高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子と出力端子板とを一対の電極板で挟持した。そして、この一対の電極板の間にコンデンサを設け、2個のスイッチング素子とコンデンサとが電極板によって並列接続されるようにした。
このようにすると、スイッチング素子の近傍にコンデンサを配置することができ、スイッチング素子とコンデンサとを繋ぐ電流の経路を短くすることができる。これにより、電流経路上に存在する寄生インダクタンスを小さくすることが可能となる。サージ電圧の大きさは寄生インダクタンスに比例するため、寄生インダクタンスを小さくすることにより、サージ電圧を小さくすることができる。
従来の電力変換用半導体装置(図11参照)は、1個のスイッチング素子92のみを一対の電極板91a,91bで挟持しているため、電極板91a,91bの間隔を十分に広げることができなかった。そのため、コンデンサ96を電極板91a,91bの間に配置しにくかった。しかし、本発明では2個のスイッチング素子を積層配置したため、電極板(高電位側電極板及び低電位側電極板)の間隔を広げることができ、この電極板の間にコンデンサを配置することが可能となる。その結果、コンデンサとスイッチング素子との間の電流経路が小さくなり、インダクタンスを低減することができる。
以上のごとく、本発明によれば、スイッチング素子の動作に伴って生じるサージ電圧を抑制できる電力変換用半導体装置を提供することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記高電位側スイッチング素子と上記出力端子板と上記低電位側スイッチング素子とが積層した積層体と、上記コンデンサとをそれぞれ複数個備え、上記積層体と上記コンデンサとを交互に隣接配置したことが好ましい(請求項2)。
このようにすると、上記積層体と積層体との間のスペースを有効活用することが可能になる。すなわち、出力端子板の電位は各積層体によって異なっているため、隣接する出力端子板は、一定の距離以上、離す必要がある。上記構成を採用することにより、出力端子板と出力端子板との間にコンデンサを配置することができるため、スペースを有効活用でき、電力変換用半導体装置を小型化できる。
本発明において、上記高電位側スイッチング素子と上記出力端子板と上記低電位側スイッチング素子とが積層した積層体と、上記コンデンサとをそれぞれ複数個備え、上記積層体と上記コンデンサとを交互に隣接配置したことが好ましい(請求項2)。
このようにすると、上記積層体と積層体との間のスペースを有効活用することが可能になる。すなわち、出力端子板の電位は各積層体によって異なっているため、隣接する出力端子板は、一定の距離以上、離す必要がある。上記構成を採用することにより、出力端子板と出力端子板との間にコンデンサを配置することができるため、スペースを有効活用でき、電力変換用半導体装置を小型化できる。
また、上記高電位側スイッチング素子と上記出力端子板と上記低電位側スイッチング素子とが積層した積層体を複数個備え、1個の上記コンデンサが、上記高電位側電極板と上記低電位側電極板とを介して複数個の上記積層体に電気的に接続されており、個々の上記積層体と上記コンデンサとの距離が均等にされていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、スイッチング素子とコンデンサとの間に存在する寄生インダクタンスが、全ての積層体について均等になる。そのため、全ての積層体についてサージ電圧が均等になり、局所的にサージ電圧が高くなるような不具合が生じにくくなる。
また、コンデンサが1個の場合、コンデンサを複数個有する場合と比較して、回路内で共振が起きにくいというメリットもある。
この場合には、スイッチング素子とコンデンサとの間に存在する寄生インダクタンスが、全ての積層体について均等になる。そのため、全ての積層体についてサージ電圧が均等になり、局所的にサージ電圧が高くなるような不具合が生じにくくなる。
また、コンデンサが1個の場合、コンデンサを複数個有する場合と比較して、回路内で共振が起きにくいというメリットもある。
また、上記高電位側電極板と上記出力端子板との間に、上記高電位側スイッチング素子および第1の金属ブロックが設けられ、上記出力端子板と上記低電位側電極板との間に、上記低電位側スイッチング素子および第2の金属ブロックが設けられていることが好ましい。
このようにすると、高電位側電極板と低電位側電極板との間の間隔を、金属ブロックによって広げることができる。そのため、電極板の間にコンデンサを配置しやすくなる。また、金属ブロックの厚みを適宜調節することにより、コンデンサの厚みと、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子、出力端子板の合計厚みとの寸法差に容易に対応することができる。金属ブロックの材料としては、例えば電気伝導性が高い銅を用いることができる。
このようにすると、高電位側電極板と低電位側電極板との間の間隔を、金属ブロックによって広げることができる。そのため、電極板の間にコンデンサを配置しやすくなる。また、金属ブロックの厚みを適宜調節することにより、コンデンサの厚みと、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子、出力端子板の合計厚みとの寸法差に容易に対応することができる。金属ブロックの材料としては、例えば電気伝導性が高い銅を用いることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換用半導体装置につき、図1〜図6の3相インバータを用いて説明する。図1は本例の電力変換用半導体装置1の斜視図であり、図2は図1の一部切欠斜視図である。また、図2〜図5は、冷却器7及び制御回路8を組み合わせた状態における、電力変換用半導体装置1の矢視図である。
図1〜図5に示すごとく、本例の電力変換用半導体装置1は、所定間隔をおいて対向配置された金属製の高電位側電極板2aおよび低電位側電極板2bを備える。
この高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとの間に、金属製の出力端子板3が設けられている。
本発明の実施例にかかる電力変換用半導体装置につき、図1〜図6の3相インバータを用いて説明する。図1は本例の電力変換用半導体装置1の斜視図であり、図2は図1の一部切欠斜視図である。また、図2〜図5は、冷却器7及び制御回路8を組み合わせた状態における、電力変換用半導体装置1の矢視図である。
図1〜図5に示すごとく、本例の電力変換用半導体装置1は、所定間隔をおいて対向配置された金属製の高電位側電極板2aおよび低電位側電極板2bを備える。
この高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとの間に、金属製の出力端子板3が設けられている。
高電位側電極板2aと出力端子板3とに各々電気的に接続された高電位側スイッチング素子4aが、高電位側電極板2aと出力端子板3との間に介在している。
また、低電位側電極板2bと出力端子板3とに各々電気的に接続された低電位側スイッチング素子4bが、低電位側電極板2bと出力端子板3との間に介在している。
そして、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとに各々電気的に接続されたコンデンサ5が、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとの間に設けられている。
以下、詳述する。
また、低電位側電極板2bと出力端子板3とに各々電気的に接続された低電位側スイッチング素子4bが、低電位側電極板2bと出力端子板3との間に介在している。
そして、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとに各々電気的に接続されたコンデンサ5が、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとの間に設けられている。
以下、詳述する。
図1に示すごとく、スイッチング素子4の制御端子10が電力変換用半導体装置1の側部に設けられており、この制御端子10は図3に示すごとく、制御回路8に接続されている。制御回路8の制御により、スイッチング素子4がスイッチング動作する。
電極板2a,2bはスイッチング素子4の電極であるとともに、スイッチング素子4から発生した熱を放熱するための放熱板を兼ねている。
図1、図4に示すごとく、冷却器7は断面四角形状の管状部材であり、管内70に冷媒が流れる。この冷却器7は熱伝導性を有する絶縁板を介して電極板2a,2bに接触しており、上記冷媒によって電極板2およびスイッチング素子4を冷却している。
図1、図4に示すごとく、冷却器7は断面四角形状の管状部材であり、管内70に冷媒が流れる。この冷却器7は熱伝導性を有する絶縁板を介して電極板2a,2bに接触しており、上記冷媒によって電極板2およびスイッチング素子4を冷却している。
また、図2、図3に示すごとく、本例の電力変換用半導体装置1は、高電位側スイッチング素子4aと出力端子板3と低電位側スイッチング素子4bとが積層した積層体6と、コンデンサ5とをそれぞれ複数個備え、積層体6とコンデンサ5とを交互に隣接配置している。
また、コンデンサ5と積層体6とは、合成樹脂11によって封止されている。
また、コンデンサ5と積層体6とは、合成樹脂11によって封止されている。
一方、図3、図4に示すごとく、高電位側スイッチング素子4と出力端子板3との間には第1の金属ブロック14aが設けられている。この金属ブロック14は、高電位側スイッチング素子4aと出力端子板3との間隔を広げて、ワイヤ15が出力端子板3に接触しないようにするためのものである。同様にして、低電位側スイッチング素子4bと低電位側電極板2bとの間には第2の金属ブロック14bが設けられている。
このように本例では、高電位側電極板2aと出力端子板3との間に、高電位側スイッチング素子4aおよび第1の金属ブロック14aが設けられ、出力端子板3と低電位側電極板2bとの間に、低電位側スイッチング素子4bおよび第2の金属ブロック14bが設けられている。
このように本例では、高電位側電極板2aと出力端子板3との間に、高電位側スイッチング素子4aおよび第1の金属ブロック14aが設けられ、出力端子板3と低電位側電極板2bとの間に、低電位側スイッチング素子4bおよび第2の金属ブロック14bが設けられている。
図6に、本例の電力変換用半導体装置1を用いたインバータの回路図を示す。同図に示すごとく、本例の電力変換用半導体装置1は、6個のスイッチング素子4と、3個のコンデンサ5からなる。スイッチング素子4はIGBT素子とフライホイールダイオードから構成されている。高電位側スイッチング素子4aのコレクタ端子40aは高電位側電極板2aに接続されている。また、高電位側スイッチング素子4aのエミッタ端子41aと、低電位側スイッチング素子4bのコレクタ端子40bとは、出力端子板3を介して接続されている。そして、低電位側スイッチング素子4bのエミッタ端子41bは低電位側電極板2bに接続されている。
図6に示すごとく、高電位側電極板2aは直流電源81の正極に接続されており、低電位側電極板2bは直流電源81の負極に接続されている。そして、スイッチング素子4a,4bを動作させることにより、出力端子3から交流電力を出力する。この交流電力により、本例では三相交流モータ80を駆動している。
図6に示すごとく、高電位側電極板2aは直流電源81の正極に接続されており、低電位側電極板2bは直流電源81の負極に接続されている。そして、スイッチング素子4a,4bを動作させることにより、出力端子3から交流電力を出力する。この交流電力により、本例では三相交流モータ80を駆動している。
図6に示すごとく、寄生インダクタンスL1〜L6は、電流経路上、すなわち、スイッチング素子4aと高電位側電極板2aとの間や、高電位側電極板2aとコンデンサ5との間等に生じる。なお、図6のL1〜L6は仮想のコイルであり、実際には接続されていない。
次に、本例の電力変換用半導体装置1の作用効果につき説明する。
本例では図3〜図5に示すごとく、高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bとを積層し、その間に出力端子板3を設けるとともに、これら高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bと出力端子板3とを一対の電極板2a,2bで挟持した。そして、この一対の電極板2a,2bの間にコンデンサ5を設け、2個のスイッチング素子4a,4bとコンデンサ5とが電極板2a,2bによって並列接続されるようにした。
このようにすると、スイッチング素子4a,4bの近傍にコンデンサ5を配置することができ、スイッチング素子4a,4bとコンデンサ5とを繋ぐ電流の経路を短くすることができる。これにより、電流経路上に存在する寄生インダクタンスを小さくすることが可能となる。サージ電圧の大きさは寄生インダクタンスに比例するため、寄生インダクタンスを小さくすることにより、サージ電圧を小さくすることができる。
本例では図3〜図5に示すごとく、高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bとを積層し、その間に出力端子板3を設けるとともに、これら高電位側スイッチング素子4aと低電位側スイッチング素子4bと出力端子板3とを一対の電極板2a,2bで挟持した。そして、この一対の電極板2a,2bの間にコンデンサ5を設け、2個のスイッチング素子4a,4bとコンデンサ5とが電極板2a,2bによって並列接続されるようにした。
このようにすると、スイッチング素子4a,4bの近傍にコンデンサ5を配置することができ、スイッチング素子4a,4bとコンデンサ5とを繋ぐ電流の経路を短くすることができる。これにより、電流経路上に存在する寄生インダクタンスを小さくすることが可能となる。サージ電圧の大きさは寄生インダクタンスに比例するため、寄生インダクタンスを小さくすることにより、サージ電圧を小さくすることができる。
従来の電力変換用半導体装置1(図11参照)は、1個のスイッチング素子92のみを一対の電極板91a,91bで挟持しているため、電極板91a,91bの間隔を十分に広げることができなかった。そのため、コンデンサ96を電極板91a,91bの間に配置しにくかった。しかし、本発明では2個のスイッチング素子4a,4bを積層配置したため、電極板2a,2bの間隔を広げることができ、この電極板2a,2bの間にコンデンサ5を配置することが可能となる。その結果、コンデンサ5とスイッチング素子4a,4bとの間の電流経路を小さくでき、インダクタンスを低減できる。
また、本例では図3に示すごとく、高電位側スイッチング素子4aと出力端子板3と低電位側スイッチング素子4bとが積層した積層体6と、コンデンサ5とをそれぞれ複数個備え、積層体6とコンデンサ5とを交互に隣接配置している。
このようにすると、積層体6と積層体6との間のスペースを有効活用することが可能になる。すなわち、出力端子板3の電位は各積層体6によって異なっているため、隣接する出力端子板3は、一定の距離以上、離す必要がある。上記構成を採用することにより、出力端子板3と出力端子板3との間にコンデンサ5を配置することができるため、スペースを有効活用でき、電力変換用半導体装置1を小型化できる。
このようにすると、積層体6と積層体6との間のスペースを有効活用することが可能になる。すなわち、出力端子板3の電位は各積層体6によって異なっているため、隣接する出力端子板3は、一定の距離以上、離す必要がある。上記構成を採用することにより、出力端子板3と出力端子板3との間にコンデンサ5を配置することができるため、スペースを有効活用でき、電力変換用半導体装置1を小型化できる。
また、本例では図3、図4に示すごとく、高電位側スイッチング素子4aと出力端子板3との間に第1の金属ブロック14aを設け、低電位側スイッチング素子4bと低電位側電極板2bとの間に第2の金属ブロック14bを設けた。
このようにすると、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとの間の間隔を、金属ブロック14a,14bによって広げることができる。そのため、電極板2a,2bの間にコンデンサ5を配置しやすくなる。また、金属ブロック14の厚みを適宜調節することにより、コンデンサ5の厚みと、高電位側スイッチング素子4a、低電位側スイッチング素子4b、出力端子板3の合計厚みとの寸法差に容易に対応することができる。金属ブロック14の材料としては、例えば電気伝導性が高い銅を用いることができる。
このようにすると、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとの間の間隔を、金属ブロック14a,14bによって広げることができる。そのため、電極板2a,2bの間にコンデンサ5を配置しやすくなる。また、金属ブロック14の厚みを適宜調節することにより、コンデンサ5の厚みと、高電位側スイッチング素子4a、低電位側スイッチング素子4b、出力端子板3の合計厚みとの寸法差に容易に対応することができる。金属ブロック14の材料としては、例えば電気伝導性が高い銅を用いることができる。
以上のごとく、本例によれば、スイッチング素子の動作に伴って生じるサージ電圧を抑制できる電力変換用半導体装置1を提供することができる。
(実施例2)
(実施例2)
本例は、コンデンサ5の取り付け位置および数、大きさを変更した例である。図7〜図9に示すごとく、本例では高電位側スイッチング素子4aと出力端子板3と低電位側スイッチング素子4bとが積層した積層体6を複数個備え、1個のコンデンサ5(図9参照)が、高電位側電極板2aと低電位側電極板2bとを介して複数個の積層体6に電気的に接続されており、個々の積層体6とコンデンサ5との距離xが均等にされている。
より詳しくは、本例では制御端子10を設けた側に出力端子板3を突出させている。そして電極板2a,2bを、制御端子10を設けた側の反対側に延ばし、この電極板2a,2bの間に1個のコンデンサ5を配置した。
より詳しくは、本例では制御端子10を設けた側に出力端子板3を突出させている。そして電極板2a,2bを、制御端子10を設けた側の反対側に延ばし、この電極板2a,2bの間に1個のコンデンサ5を配置した。
上記構成にすると、スイッチング素子4とコンデンサ5との距離x(図9参照)が均等であるため、スイッチング素子4とコンデンサ5との間に存在する寄生インダクタンスが、全ての積層体6について均等になる。そのため、全ての積層体6についてサージ電圧が均等になり、局所的にサージ電圧が高くなるような不具合が生じにくくなる。
また、図10の回路図に示すごとく、本例では6個のスイッチング素子4に対し、1個のコンデンサ5を並列接続している。このようにすると、コンデンサ5を複数個備える場合(図6参照)と比較して、回路内で共振が起きにくいというメリットもある。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
なお、本実施例では3相インバータを例にして用いたが、2相式インバータを用いても同様な作用効果を有する。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
なお、本実施例では3相インバータを例にして用いたが、2相式インバータを用いても同様な作用効果を有する。
1 電力変換用半導体装置
2a 高電位側電極板
2b 低電位側電極板
3 出力端子板
4a 高電位側スイッチング素子
4b 低電位側スイッチング素子
5 コンデンサ
6 積層体
7 冷却器
8 制御回路
2a 高電位側電極板
2b 低電位側電極板
3 出力端子板
4a 高電位側スイッチング素子
4b 低電位側スイッチング素子
5 コンデンサ
6 積層体
7 冷却器
8 制御回路
Claims (3)
- 所定間隔をおいて対向配置された金属製の高電位側電極板および低電位側電極板と、
上記高電位側電極板と上記低電位側電極板との間に設けられた金属製の出力端子板と、
上記高電位側電極板と上記出力端子板との間に介在し、上記高電位側電極板と上記出力端子板とに各々電気的に接続された高電位側スイッチング素子と、
上記低電位側電極板と上記出力端子板との間に介在し、上記低電位側電極板と上記出力端子板とに各々電気的に接続された低電位側スイッチング素子と、
上記高電位側電極板と上記低電位側電極板との間に設けられ、上記高電位側電極板と上記低電位側電極板とに各々電気的に接続されたコンデンサと、
を備えることを特徴とする電力変換用半導体装置。 - 請求項1において、上記高電位側スイッチング素子と上記出力端子板と上記低電位側スイッチング素子とが積層した積層体と、上記コンデンサとをそれぞれ複数個備え、上記積層体と上記コンデンサとを交互に隣接配置したことを特徴とする電力変換用半導体装置。
- 請求項1において、上記高電位側スイッチング素子と上記出力端子板と上記低電位側スイッチング素子とが積層した積層体を複数個備え、1個の上記コンデンサが、上記高電位側電極板と上記低電位側電極板とを介して複数個の上記積層体に電気的に接続されており、個々の上記積層体と上記コンデンサとの距離が均等にされていることを特徴とする電力変換用半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009102314A JP2010251665A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 電力変換用半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009102314A JP2010251665A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 電力変換用半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010251665A true JP2010251665A (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=43313644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009102314A Withdrawn JP2010251665A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 電力変換用半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010251665A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8839509B2 (en) | 2011-08-31 | 2014-09-23 | Denso Corporation | Method for manufacturing electronic apparatus |
JP2015207739A (ja) * | 2014-04-23 | 2015-11-19 | 株式会社豊田中央研究所 | スナバ回路内蔵モジュール |
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EP3146563A1 (de) * | 2014-05-21 | 2017-03-29 | Robert Bosch GmbH | Kommutierungszelle |
-
2009
- 2009-04-20 JP JP2009102314A patent/JP2010251665A/ja not_active Withdrawn
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DE102014209690B4 (de) * | 2014-05-21 | 2020-02-20 | Robert Bosch Gmbh | Kommutierungszelle |
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