JP2010247469A - インクジェット記録用水性反応液、インクジェット記録用水性インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクと共に使用することにより、記録媒体上に、輪郭部の不明瞭性及びカラーブリードが改善され、さらに耐擦過性、耐マーカー性及び光沢性に優れた画像を形成させるインクジェット記録用水性反応液を提供すること。
【解決手段】インクと共に使用され、該インクを凝集せしめるインクジェット記録用水性反応液であって、少なくとも、多価金属塩及びブロックポリマーを含み、かつ、該ブロックポリマーが、少なくとも非イオン性の親水性ユニットを有していることを特徴とするインクジェット記録用水性反応液。
【選択図】なし
【解決手段】インクと共に使用され、該インクを凝集せしめるインクジェット記録用水性反応液であって、少なくとも、多価金属塩及びブロックポリマーを含み、かつ、該ブロックポリマーが、少なくとも非イオン性の親水性ユニットを有していることを特徴とするインクジェット記録用水性反応液。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクとの反応性を具備したインクジェット記録用水性反応液、該反応液とインクとからなるインクジェット記録用水性インクセット、及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インクが液体であるために、以下の問題があった。すなわち、インクが、普通紙などの記録媒体上に着弾した際に、インク液滴が記録媒体中に浸透して、輪郭部が不明瞭となったり、また、隣接する異なる色間の境界滲み(所謂カラーブリード)が発生したりするといった現象が観測されていた。
上記問題を解決することを目的として、記録媒体に、多価金属塩溶液を適用した後、少なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むインクを適用する方法が提案されている(特許文献1参照)。すなわち、この方法によれば、多価金属イオンを含有する反応液(多価金属塩溶液)と、該多価金属イオンと反応し得る染料とが、記録媒体上で接触することにより、不溶性物が形成される。そして、この結果として、輪郭部の不明瞭性が改善された、カラーブリードを生じることがない、さらには、耐裏抜け性に優れた高品位の画像を得ることが可能となる。
また、塩との作用により増粘又は凝集するブラックインクと、その塩を含有するカラーインクとを組み合わせて使用することにより、画像濃度が高くかつカラーブリードがない、高品位のカラー画像が得られるという技術手段も開示されている(特許文献2参照)。すなわち、塩を含有する第1の液と、インクとの2液を印字することで、良好な画像を得ることが可能となる。
しかしながら、上記したような、多価金属塩溶液を用いたインクセットでは、インクと反応液との反応により、反応液と反応した色材部分が、凝集を起こしやすく、記録媒体の上部に残る状態となり、凹凸構造を形成する。このために、得られる記録物においては、光沢性の低下、記録箇所を擦った際の色材の削れ(耐擦過性の低下)、及び記録箇所を水性マーカーペンでマークした際の印字物の汚れ(耐マーカー性の低下)が生じやすくなるということが分かっている。また、2液を用いる他の技術においても、これと同様の課題があり、改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、インクと共に使用することで、記録媒体上に、輪郭部の不明瞭性及びカラーブリードが改善され、さらに耐擦過性、耐マーカー性及び光沢性が優れた画像を形成させるインクジェット記録用水性反応液を提供することにある。また、本発明の目的は、上記のような優れた画像形成が可能となる反応液とインクとからなるインクジェット記録用水性インクセット、及び該インクセットを用いたインクジェット記録方法並びに該記録方法により得られる記録物を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明の第一は、インクと共に使用され、該インクを凝集せしめるインクジェット記録用水性反応液であって、少なくとも、多価金属塩及びブロックポリマーを含み、かつ、該ブロックポリマーが、少なくとも非イオン性の親水性ユニットを有していることを特徴とするインクジェット記録用水性反応液である。
本発明の第二は、少なくとも着色剤として顔料を含有し、さらにアニオン成分を含有する少なくとも一色のインクと、上記本発明のインクジェット記録用水性反応液との組み合わせを有することを特徴とするインクジェット記録用水性インクセットである。
本発明の第三は、上記本発明のインクジェット記録用水性インクセットを用い、該インクセットを構成するインクジェット記録用水性反応液とインクとを、記録媒体に付与して、前記インクを凝集せしめることを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明によれば、インクと共に使用することで、印字濃度の向上、カラーブリードの抑制、耐擦過性、耐マーカー性及び光沢性の向上が実現された画像を形成できるインクジェット記録用水性反応液が提供される。また、本発明によれば、前記した優れた効果が実現されるインクジェット記録用水性インクセット及びインクジェット記録方法が提供される。
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、「インクジェット記録用水性反応液」を「反応液」と称し、また、「インクジェット記録用水性インクセット」を「インクセット」と称する。
[反応液]
本発明の反応液は、組み合わせて用いるインク中の色材成分の分散状態を記録媒体上で不安定化させて凝集させ、印字濃度を向上、さらには、カラーブリードを抑制するために、多価金属塩を水性媒体中に含んで構成される。さらに、本発明の反応液は、印字後の画像の耐擦過性、耐マーカー性、光沢性を改良するために、樹脂であるブロックポリマーを含んでいることを特徴とする。以下、本発明の反応液を構成する各成分について説明する。
本発明の反応液は、組み合わせて用いるインク中の色材成分の分散状態を記録媒体上で不安定化させて凝集させ、印字濃度を向上、さらには、カラーブリードを抑制するために、多価金属塩を水性媒体中に含んで構成される。さらに、本発明の反応液は、印字後の画像の耐擦過性、耐マーカー性、光沢性を改良するために、樹脂であるブロックポリマーを含んでいることを特徴とする。以下、本発明の反応液を構成する各成分について説明する。
(多価金属塩)
本発明の反応液は、反応液中に多価金属塩を含有しているため、紙面上で金属カチオンがインクと接し、該インクを凝集せしめる特性を有する。本発明においては、凝集反応性を高めるために、金属カチオンの価数が、2価以上であることを要するが、例えば4価の金属カチオンなど、過度に反応性の強い金属カチオンを用いると、反応液自体が印字記録前に凝集反応を起こしてしまう場合がある。このため、本発明で使用する多価金属塩としては、反応液自体の凝集反応は起こさせずに、印字記録後にインクを凝集させるために、以下のものが挙げられる。例えば、インクジェット記録での使用上、安全面において差し障りのないCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+及びBa2+などの2価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+及びY3+などの3価金属イオンなどが挙げられる。また、陰イオンとしては、SO4 2-、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、CO3 2-、CH3COO-、及びHCOO-などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の反応液は、反応液中に多価金属塩を含有しているため、紙面上で金属カチオンがインクと接し、該インクを凝集せしめる特性を有する。本発明においては、凝集反応性を高めるために、金属カチオンの価数が、2価以上であることを要するが、例えば4価の金属カチオンなど、過度に反応性の強い金属カチオンを用いると、反応液自体が印字記録前に凝集反応を起こしてしまう場合がある。このため、本発明で使用する多価金属塩としては、反応液自体の凝集反応は起こさせずに、印字記録後にインクを凝集させるために、以下のものが挙げられる。例えば、インクジェット記録での使用上、安全面において差し障りのないCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+及びBa2+などの2価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+及びY3+などの3価金属イオンなどが挙げられる。また、陰イオンとしては、SO4 2-、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、CO3 2-、CH3COO-、及びHCOO-などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、反応液中における多価金属塩の含有量は、本発明にかかる効果を考慮すると、反応液全質量を基準として、0.01質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、1質量%以上5質量%以下の範囲である。
(ブロックポリマー)
次に、本発明で使用するブロックポリマーについて説明する。なお、ブロックポリマーとは、異なる繰り返し単位構造からなるポリマーセグメント(ユニット)が共有結合で結合した共重合体であり、ブロックコポリマー、ブロック共重合体とも呼ばれる。本発明に用いるブロックポリマーは、多価金属塩のイオンにより凝集されないように、非イオン性の親水性ユニットを有することを特徴とする。さらに、該ブロックポリマーは、吐出安定性の観点から、疎水性ユニット、非イオン性の親水性ユニット、イオン性の親水性ユニットが、順に並ぶ構造を有するブロック共重合体であることが好ましい。この場合、吐出が安定になる要因としては、以下のことが考えられる。先ず、疎水性ユニット及び親水性ユニットを有することで、反応液中でミセルを形成するようになり、反応液の自由エネルギーが減少して、粘度が下がり、安定な吐出が実現される。また、イオン性の親水性ユニットを有することで、熱インクジェット方式によるインクジェット記録方法において、熱に対する分解などの反応性に対して耐性が強くなり、安定な吐出が実現される。
次に、本発明で使用するブロックポリマーについて説明する。なお、ブロックポリマーとは、異なる繰り返し単位構造からなるポリマーセグメント(ユニット)が共有結合で結合した共重合体であり、ブロックコポリマー、ブロック共重合体とも呼ばれる。本発明に用いるブロックポリマーは、多価金属塩のイオンにより凝集されないように、非イオン性の親水性ユニットを有することを特徴とする。さらに、該ブロックポリマーは、吐出安定性の観点から、疎水性ユニット、非イオン性の親水性ユニット、イオン性の親水性ユニットが、順に並ぶ構造を有するブロック共重合体であることが好ましい。この場合、吐出が安定になる要因としては、以下のことが考えられる。先ず、疎水性ユニット及び親水性ユニットを有することで、反応液中でミセルを形成するようになり、反応液の自由エネルギーが減少して、粘度が下がり、安定な吐出が実現される。また、イオン性の親水性ユニットを有することで、熱インクジェット方式によるインクジェット記録方法において、熱に対する分解などの反応性に対して耐性が強くなり、安定な吐出が実現される。
この際、上記ブロックポリマーがイオン性を強め、多価金属塩と反応して反応液自体が凝集してしまうことのないように、上記ブロックポリマーにおける非イオン性の親水性ユニットとイオン性の親水性ユニットの重合度の比が、以下の範囲であることが好ましい。すなわち、非イオン性の親水性ユニットの重合度を10としたとき、イオン性の親水性ユニットの重合度が5以下であることが好ましい。さらには、非イオン性の親水性ユニットの重合度を10としたとき、イオン性の親水性ユニットの重合度が3以下であることがより好ましい。上記で言うユニットの重合度の比とは、ユニットを構成している重合したモノマーの数の比を意味する。
また、本発明に用いるブロックポリマーとしては、具体的な例を挙げると、以下の通りである。アクリル、メタクリル系ブロック共重合体、ポリスチレンと他の付加重合系又は縮合重合系のブロック共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシアルキレンのブロックを有するブロック共重合体など、従来から知られているブロック共重合体を用いることができる。本発明において、ブロックポリマーは、AB、ABA、ABCなどのブロック形態であることがより好ましい。A、B、Cはそれぞれ異なるブロックセグメントを示す。また、本発明では、ブロック共重合体が、ある共重合体鎖にT字状に結合してグラフト共重合体となっていてもよい。また、本発明に用いるブロックポリマーは、ポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として含有することが、ポリマー設計が安定に行われるという観点から好ましい。
前記したイオン性の親水性ユニットの具体的構造としては、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
(一般式(1)中、R0は−X−(COOH)r、−X−(COO−M)rを表す。Xは炭素数1乃至20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は−(CH(R5)−CH(R6)−O)p−(CH2)m−CH3-r−若しくは−(CH2)m−(O)n−(CH2)q−CH3-r−。又は、それらのメチレン基の少なくとも一つがカルボニル基又は芳香環構造で置換された構造を表す。rは1乃至2を表す。pは1乃至18までの整数を表す。mは0乃至35までの整数を表す。nは1又は0を表す。qは0乃至17の整数を表す。Mは一価又は多価のカチオンを表す。R5、R6はアルキル基を表す。R5、R6は同じでも又は異なっていてもよい。)
(一般式(1)中、R0は−X−(COOH)r、−X−(COO−M)rを表す。Xは炭素数1乃至20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は−(CH(R5)−CH(R6)−O)p−(CH2)m−CH3-r−若しくは−(CH2)m−(O)n−(CH2)q−CH3-r−。又は、それらのメチレン基の少なくとも一つがカルボニル基又は芳香環構造で置換された構造を表す。rは1乃至2を表す。pは1乃至18までの整数を表す。mは0乃至35までの整数を表す。nは1又は0を表す。qは0乃至17の整数を表す。Mは一価又は多価のカチオンを表す。R5、R6はアルキル基を表す。R5、R6は同じでも又は異なっていてもよい。)
さらに、前記した疎水性ユニット或いは非イオン性の親水性ユニットの具体的構造としては、下記の一般式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
(一般式(2)中、R1は炭素数1乃至18までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5)−CH(R6)−O)p−R7及び−(CH2)m−(O)n−R7から選ばれる基である。また、該基における、芳香環中の水素原子は炭素数1乃至4の直鎖状又は分岐状のアルキル基と、また、芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。pは1乃至18の整数、mは1乃至36の整数、nは0又は1である。R5、R6はそれぞれ独立に水素原子若しくは−CH3である。R7は水素原子、炭素数1乃至18までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2COOR8からなる。また、R7が水素原子以外である場合、R7中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1乃至4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又は−F、−Cl、−Brと、また、芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R8は水素原子又は炭素数1乃至5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表す。)
(一般式(2)中、R1は炭素数1乃至18までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5)−CH(R6)−O)p−R7及び−(CH2)m−(O)n−R7から選ばれる基である。また、該基における、芳香環中の水素原子は炭素数1乃至4の直鎖状又は分岐状のアルキル基と、また、芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。pは1乃至18の整数、mは1乃至36の整数、nは0又は1である。R5、R6はそれぞれ独立に水素原子若しくは−CH3である。R7は水素原子、炭素数1乃至18までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2COOR8からなる。また、R7が水素原子以外である場合、R7中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1乃至4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又は−F、−Cl、−Brと、また、芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R8は水素原子又は炭素数1乃至5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表す。)
以下、疎水性ユニットをAセグメント、非イオン性の親水性ユニットをBセグメント、イオン性の親水性ユニットをCセグメントと呼ぶ場合がある。
一般式(1)で表される、Cセグメント(イオン性の親水性ユニット)の繰り返し単位構造の具体例としては、以下に記載したものが挙げられる。
一般式(1)で表される、Cセグメント(イオン性の親水性ユニット)の繰り返し単位構造の具体例としては、以下に記載したものが挙げられる。
一般式(2)で表される、Aセグメント(疎水性ユニット)の繰り返し単位構造の具体例としては、以下に記載したものが挙げられる。
一般式(2)で表される、Bセグメント(非イオン性の親水性ユニット)の繰り返し単位構造の具体例としては、以下に記載したものが挙げられる。
また、本発明に用いるブロックポリマーを構成する各ブロックセグメント(ユニット)は、上記したような繰り返し単位から選択された単一のものからなる構造のものでも、複数の繰り返し単位を有する構造のものでもよい。複数の繰り返し単位を有する構造のブロックセグメントの例としては、ランダム共重合体や徐々に組成比が変化するグラジュエーション共重合体がある。また、本発明に用いるブロックポリマーは、ブロック共重合体構造が、他のポリマーにグラフト結合したポリマーであってもよい。
本発明において、ブロックポリマー中における一般式(1)或いは一般式(2)で表される繰り返し単位構造の含有量は、ブロックポリマー全体に対して、0.01mol%以上99mol%以下、好ましくは1mol%以上90mol%以下の範囲が好ましい。0.01mol%未満ではイオン性官能基或いは疎水性官能基或いは非イオン性親水性基の働くべき高分子相互作用が不充分な場合があり、99mol%を超えると逆に相互作用が働きすぎて機能が不充分な場合がある。本発明に用いるブロックポリマーの数平均分子量(Mn)は、200以上10,000,000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1,000以上1,000,000以下である。10,000,000を超えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、溶剤に分散しにくかったりする場合がある。200未満である場合、分子量が小さく高分子としての立体効果が出にくかったりする場合がある。各ブロックセグメント(ユニット)の好ましい重合度は、3以上10,000以下である。より好ましくは5以上5,000以下であり、さらに好ましくは10以上4,000以下である。
また、本発明に用いるブロックポリマーは、反応液を付与した際に、記録媒体上で被覆層を形成しやすい点でも、フレキシブルであることが好ましい。このためには、その主鎖のガラス転移温度Tgは、好ましくは20℃以下であり、より好ましくは0℃以下であり、さらに好ましくは−20℃以下である。この点でもポリビニルエーテル構造を有するポリマーは、一般にガラス転移点が低く、フレキシブルな特性を有するため、本発明において、好ましく用いられる。上記した繰り返し単位構造例の場合、そのガラス転移温度は−20℃くらいか、それ以下である場合が多い。
本発明において好ましく用いられるポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として有するブロック共重合体の重合は、主にカチオン重合で行われることが多い。開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸などのプロトン酸。BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4、FeCl3、RAlCl2、R1.5AlCl1.5(Rはアルキルを示す)などのルイス酸とカチオン源の組み合わせが例として挙げられる。なお、カチオン源としては、プロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などが挙げられる。これらの開始剤を重合性化合物(モノマー)と共存させることにより重合反応が進行し、ブロック共重合体を合成することができる。本発明において好ましく用いられるポリビニルエーテル繰り返し単位構造を有するブロック共重合体は、より好ましくはポリビニルエーテル繰り返し単位構造が、50mol%以上、好ましくは70mol%以上、さらに好ましくは90mol%以上含有される。
本発明にさらに好ましく用いられる重合方法について説明する。ポリビニルエーテル構造を含むポリマーの合成法は、多数報告されている(例えば、特開平11−080221号公報)。中でも、青島らによるカチオンリビング重合による方法(ポリマーブレタン誌 15巻、1986年、417頁、特開平11−322942号公報、特開平11−322866号公報)が代表的である。カチオンリビング重合でポリマー合成を行うことで、ホモポリマーや2成分以上のモノマーからなる共重合体、さらにはブロック共重合体、グラフトポリマー、グラジュエーションポリマーなどの様々のポリマーを、長さ(分子量)を正確に揃えて合成できる。また、他にHI/I2系、HCl/SnCl4系などでリビング重合を行うこともできる。
また、本発明の反応液中におけるブロックポリマーの含有量は、前記した本発明にかかる効果を考慮すると、反応液全質量を基準として、0.1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.5質量%以上10質量%以下の範囲である。
(溶媒)
次に、本発明の反応液に用いられる溶媒について説明する。
本発明では、直鎖、分岐鎖、環状の各種脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、複素芳香族炭化水素やハロゲン含有溶媒などの有機溶媒、水性溶媒、水などが溶媒として含まれる。特に、本発明の反応液では、水及び水性溶媒をそれぞれまた共存させて使用することができる。水性溶媒の例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類。エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミンなどの含窒素溶媒などを挙げることができる。なお、後述で参照するインクの用途においては、紙での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール類を用いることもできる。
次に、本発明の反応液に用いられる溶媒について説明する。
本発明では、直鎖、分岐鎖、環状の各種脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、複素芳香族炭化水素やハロゲン含有溶媒などの有機溶媒、水性溶媒、水などが溶媒として含まれる。特に、本発明の反応液では、水及び水性溶媒をそれぞれまた共存させて使用することができる。水性溶媒の例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類。エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミンなどの含窒素溶媒などを挙げることができる。なお、後述で参照するインクの用途においては、紙での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール類を用いることもできる。
また、本発明において、反応液中における溶媒の含有量は、反応液全質量に対して、20質量%以上95質量%以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、30質量%以上90質量%以下の範囲である。
(その他の成分)
さらに、本発明の反応液には、上記の成分の他に、所望の物性値を持つ反応液とするために、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤などを添加することができる。
さらに、本発明の反応液には、上記の成分の他に、所望の物性値を持つ反応液とするために、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤などを添加することができる。
[インクセット]
前記で説明した本発明の反応液は、少なくとも着色剤として顔料を含有し、かつアニオン成分を含有する少なくとも一色のインクと組み合わせてインクセットとして画像形成に好適に用いることができる。ここで、前記インク中のアニオン成分としては、疎水性ユニットとアニオン性の親水性ユニットとを有する顔料分散用ブロックポリマーや、アニオン性の自己分散顔料が挙げられる。以下、インクセットを構成するインクについて詳細に説明する。
前記で説明した本発明の反応液は、少なくとも着色剤として顔料を含有し、かつアニオン成分を含有する少なくとも一色のインクと組み合わせてインクセットとして画像形成に好適に用いることができる。ここで、前記インク中のアニオン成分としては、疎水性ユニットとアニオン性の親水性ユニットとを有する顔料分散用ブロックポリマーや、アニオン性の自己分散顔料が挙げられる。以下、インクセットを構成するインクについて詳細に説明する。
[インク]
(顔料)
顔料の具体的な例として、好ましくは、黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料が挙げられる。なお、上記した以外の色顔料や、無色又は淡色の顔料、金属光沢顔料などを使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
(顔料)
顔料の具体的な例として、好ましくは、黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料が挙げられる。なお、上記した以外の色顔料や、無色又は淡色の顔料、金属光沢顔料などを使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示した。
黒の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500。Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製)。Black Pearls L、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R。Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)。Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170。Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上、デグッサ社製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)などを挙げることができる。勿論、これらに限定されない。
黒の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500。Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製)。Black Pearls L、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R。Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)。Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170。Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上、デグッサ社製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)などを挙げることができる。勿論、これらに限定されない。
シアンの顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2。C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60などが挙げられる。勿論、これらに限定されない。
マゼンタの顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1。C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146。C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207などが挙げられる。勿論、これらに限定されない。
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16。C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93。C.I.Pigment Yellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128。C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154などが挙げられる。勿論、これらに限定されない。
(分散樹脂)
上記した顔料を用いる場合には、分散樹脂を併用する。分散樹脂としては、前記した反応液に用いるブロックポリマーと同様の成分からなる、顔料分散用ブロックポリマーをアニオン成分として用いることができる。本発明においては、該分散用ブロックポリマーが、疎水性ユニットとアニオン性の親水性ユニットが順に並んだ構造であることが好ましく、この場合、インク中の顔料がマイクロカプセル化してインクの吐出がより安定になる。また、該分散用ブロックポリマーが、さらに、非イオン性の親水性ユニットを有していることが好ましく、この場合、インクの吐出がさらに安定になる。また、イオン性を強め、前記した反応液中の多価金属塩との反応性を上げるために、疎水性ユニットと非イオン性の親水性ユニットとイオン性の親水性ユニットの重合度の比が、以下の範囲であることが好ましい。すなわち、疎水性ユニットの重合度を10としたとき、非イオン性の親水性ユニットの重合度が1未満、イオン性の親水性ユニットの重合度が1以上5以下であることが好ましい。また、反応液中のブロックポリマーと同様に、上記分散用ブロックポリマーは、ポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として含有することが好ましい。この場合、ポリマー設計がより安定となる。
上記した顔料を用いる場合には、分散樹脂を併用する。分散樹脂としては、前記した反応液に用いるブロックポリマーと同様の成分からなる、顔料分散用ブロックポリマーをアニオン成分として用いることができる。本発明においては、該分散用ブロックポリマーが、疎水性ユニットとアニオン性の親水性ユニットが順に並んだ構造であることが好ましく、この場合、インク中の顔料がマイクロカプセル化してインクの吐出がより安定になる。また、該分散用ブロックポリマーが、さらに、非イオン性の親水性ユニットを有していることが好ましく、この場合、インクの吐出がさらに安定になる。また、イオン性を強め、前記した反応液中の多価金属塩との反応性を上げるために、疎水性ユニットと非イオン性の親水性ユニットとイオン性の親水性ユニットの重合度の比が、以下の範囲であることが好ましい。すなわち、疎水性ユニットの重合度を10としたとき、非イオン性の親水性ユニットの重合度が1未満、イオン性の親水性ユニットの重合度が1以上5以下であることが好ましい。また、反応液中のブロックポリマーと同様に、上記分散用ブロックポリマーは、ポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として含有することが好ましい。この場合、ポリマー設計がより安定となる。
(自己分散顔料)
また、水に自己分散可能な顔料も使用できる。金属カチオンと反応し、凝集させられるためには、アニオン性の自己分散顔料であることが好ましい。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがある。市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上、キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)などが挙げられる。
また、水に自己分散可能な顔料も使用できる。金属カチオンと反応し、凝集させられるためには、アニオン性の自己分散顔料であることが好ましい。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがある。市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上、キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)などが挙げられる。
(水性媒体)
上記したような色材を分散させる水性媒体として、水、或いは、水と水性溶媒との混合溶媒を用いることができる。水性溶媒は、特に限定されるものではなく、反応液に用いる水性溶媒として前記したものと同様のものを用いることができる。また、カラーインクをインクジェット法(例えば、バブルジェット(登録商標)法など)で記録媒体に付着せしめる場合には、優れたインクジェット吐出特性を有するようにインク所望の粘度、表面張力を調整することが好ましい。
上記したような色材を分散させる水性媒体として、水、或いは、水と水性溶媒との混合溶媒を用いることができる。水性溶媒は、特に限定されるものではなく、反応液に用いる水性溶媒として前記したものと同様のものを用いることができる。また、カラーインクをインクジェット法(例えば、バブルジェット(登録商標)法など)で記録媒体に付着せしめる場合には、優れたインクジェット吐出特性を有するようにインク所望の粘度、表面張力を調整することが好ましい。
(その他の成分)
さらに、インク中には、上記の成分の他に、所望の物性値を持つインクとするために、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤などを添加することができる。
さらに、インク中には、上記の成分の他に、所望の物性値を持つインクとするために、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤などを添加することができる。
(インクの色調)
前記反応液と組み合わせてインクセットを構成するインクの色調は、特に限定されず、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックから選ばれる少なくとも1つの色調を示すインクとすればよい。具体的には、所望の色調のインクとなるように前記した色材の中から適宜選択して用いることができる。ここで、各インク中の色材の含有量は、例えば、インクジェット記録に好適に用いるために、該インクが優れたインクジェット吐出特性を備え、また、所望の色調や濃度を有するように適宜選択すればよい。目安としては、例えば、インク全質量に対して、1質量%以上50質量%以下の範囲が好ましい。また、前記顔料分散用ブロックポリマーを用いる場合、インク中における該分散用ブロックポリマーの含有量は、インク中の顔料の含有量に対して、5質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。また、インク中における水の含有量は、インク全質量を基準として、50質量%以上95質量%以下の範囲であることが好ましい。また、インク中における水性溶媒の含有量は、インク全質量を基準として、3質量%以上40質量%以下の範囲であることが好ましい。
前記反応液と組み合わせてインクセットを構成するインクの色調は、特に限定されず、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックから選ばれる少なくとも1つの色調を示すインクとすればよい。具体的には、所望の色調のインクとなるように前記した色材の中から適宜選択して用いることができる。ここで、各インク中の色材の含有量は、例えば、インクジェット記録に好適に用いるために、該インクが優れたインクジェット吐出特性を備え、また、所望の色調や濃度を有するように適宜選択すればよい。目安としては、例えば、インク全質量に対して、1質量%以上50質量%以下の範囲が好ましい。また、前記顔料分散用ブロックポリマーを用いる場合、インク中における該分散用ブロックポリマーの含有量は、インク中の顔料の含有量に対して、5質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。また、インク中における水の含有量は、インク全質量を基準として、50質量%以上95質量%以下の範囲であることが好ましい。また、インク中における水性溶媒の含有量は、インク全質量を基準として、3質量%以上40質量%以下の範囲であることが好ましい。
また、反応液と組み合わせるインクは、1種類に限定されるものでなく、異なる色調のインクを2つ以上組み合わせて多色画像の形成に適したインクセットとすることがより好ましい。この場合2つ以上のインクのうち、少なくとも1つのインクが反応液と反応すればよい。水性媒体中に色材が分散させられているインクであれば、他のインクが染料を色材として含むインクとしてもよく、勿論、全てのインクを水性媒体に色材が分散させられているインクとしてもよい。このようなインクセットによれば、多色画像をインクジェット記録装置で形成する場合に問題とされる、異なる色調のインクが記録媒体上で隣接して付与されたときのブリーディングを抑えることができる。
より具体的には、インクジェット多色画像において問題とされるブリーディングは、黒色インクと他のカラーインクとの間が特に顕著になりやすい。他のインクとしては、例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、レッドインク、グリーンインク及びブルーインクから選ばれる少なくとも1つのインクが該当する。このため、本発明においても、反応液と相互作用するように水性媒体にイオン性基の作用によって色材を分散させた構成とするインクとしては、黒色インクを組み合わせることが好ましい。そして、他のカラーインクについては、染料を水性媒体に溶解したインクとしてもよく、勿論、黒色インクと同様に色材をイオン性基の作用によって水性媒体に分散させたインクとしてもよい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法では、インクと、該インク中の少なくとも1成分と反応して該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させ、インクを記録媒体上で凝集せしめる反応液とを組み合わせたインクセットを用いる。そして、(i)インクを記録媒体に付与する工程;及び(ii)該反応液を該記録媒体の少なくとも該インクが付与される領域に付与する工程、を有する記録方法を採用する。この結果、輪郭部の不明瞭性が改善された、カラーブリードを生じることがない、高画像濃度の画像を得ることができる。なお、このようなインクセットを用いることで、高画像濃度及び高発色で印字品位を良好にできる理由は明らかではないが、以下のことが考えられる。例えば、反応液とインクとを、インクジェット法によって、紙面上に飛翔させ、両者を付着させた場合、インク中では安定し存在していた顔料などの色材が、紙面に付着後、急速に反応液によって不安定化される。そして、これにより、インクが急速に凝集或いはゲル化することで、紙面上の着弾位置に顔料が残存するためと考えられる。
本発明のインクジェット記録方法では、インクと、該インク中の少なくとも1成分と反応して該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させ、インクを記録媒体上で凝集せしめる反応液とを組み合わせたインクセットを用いる。そして、(i)インクを記録媒体に付与する工程;及び(ii)該反応液を該記録媒体の少なくとも該インクが付与される領域に付与する工程、を有する記録方法を採用する。この結果、輪郭部の不明瞭性が改善された、カラーブリードを生じることがない、高画像濃度の画像を得ることができる。なお、このようなインクセットを用いることで、高画像濃度及び高発色で印字品位を良好にできる理由は明らかではないが、以下のことが考えられる。例えば、反応液とインクとを、インクジェット法によって、紙面上に飛翔させ、両者を付着させた場合、インク中では安定し存在していた顔料などの色材が、紙面に付着後、急速に反応液によって不安定化される。そして、これにより、インクが急速に凝集或いはゲル化することで、紙面上の着弾位置に顔料が残存するためと考えられる。
本発明のインクジェット記録方法において、インクと反応液とからなるインクセットをインクジェット法で付与する順序としては、下記のような様々な場合が考えられる。
a:反応液を印字した後にインクを印字する。
b:インクを印字した後に反応液を印字する。
c:インクを印字した後に反応液を印字させ、さらにインクを印字させる。
d:反応液を印字した後にインクを印字させ、さらに反応液を印字させる。
しかし、本発明では、インクを反応液に先立って記録媒体に記録する工程を少なくとも含むbの方法で、インクジェット記録を実行することが好ましい。
a:反応液を印字した後にインクを印字する。
b:インクを印字した後に反応液を印字する。
c:インクを印字した後に反応液を印字させ、さらにインクを印字させる。
d:反応液を印字した後にインクを印字させ、さらに反応液を印字させる。
しかし、本発明では、インクを反応液に先立って記録媒体に記録する工程を少なくとも含むbの方法で、インクジェット記録を実行することが好ましい。
これまでの発明者らの検討によれば、本発明による効果は、以下のようにして得られると考えられる。例えば、bの記録方法においては、先ず、インク91が記録媒体25に付与され(図1(a)参照)、次いで、インクが付与された部位に反応液92が付与される(図1(b)参照)。そのため、インク中の色材は、記録媒体25に反応液が付与された直後から記録媒体表面上で反応液と反応することにより、インク中の色材をより多く記録媒体25の表面に留めることができる。この結果、輪郭部の不明瞭性が改善され、かつカラーブリードを生じることがない画像が得られると考えられる。さらに、後がけしたポリマー入りの反応液が、印字物の凹凸を防ぎ、平滑化を促進することで、画像の、光沢性を向上させ、耐擦過性及び耐マーカー性を良好にすることが可能となると考えられる。
また、上記反応液とインクとのインクセットを複数、若しくは上記反応液とインクとのインクセットと他のインクを組み合わせることによって、カラー画像の形成に好適に用い得るインクセットを提供することができる。そして、このようなインクセットを用いて、例えば、反応液によって色材が不安定化するブラックインクを含むインクセットを用いて、黒色画像部及びカラー画像部と隣接するような記録を行った場合に、ブリーディングの発生を極めて有効に抑えることができる。
本発明のインクジェット記録方法で使用する反応液及びインクは、インクジェットヘッドから吐出可能である特性を有することが好ましい。インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液体の特性としては、例えば、その粘度を1mPa・s(cps)以上15mPa・s(cps)以下、その表面張力を25mN/m(dyne/cm)以上とすることが好ましい。特には、その粘度を1mPa・s(cps)以上5mPa・s(cps)以下、その表面張力を25mN/m(dyne/cm)以上50mN/m(dyne/cm)以下とすることがより好ましい。また、本発明による効果をより一層発揮するためには、特にインクの表面張力が35mN/m(dyne/cm)以上50mN/m(dyne/cm)以下の範囲にあることが最も好適である。何故ならば、本発明のインクジェット記録方法を用いることで、記録媒体の比較的上部にあるインクを反応液中のポリマーで被覆することが可能となると推察している。したがって、記録媒体の比較的上部に色材が存在しやすくなる表面張力が35mN/m(dyne/cm)以上50mN/m(dyne/cm)以下の範囲のインクを反応液と組み合わせて用いることが最も好適と考えられるからである。
用いられるインクジェット記録方法は、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行う熱インクジェット方式のような周知の方法であってもよい。また、コンティニュアス型又はオンデマンド型のいずれの方法を用いてもよいがオンデマンド型インクジェット法が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本実施例及び比較例のインクは、全てBkインクを例として挙げているが、本発明に用いるインクは、Cyインク、Mgインク、Yeインクであってもよい。さらに、本発明においては、反応液が、複数色のインクを凝集させるものであってもよい。なお、以下の記載において、「%」とあるものは、特に断りがない限り質量基準である。
[ブロックポリマーの合成]
反応液及びインクにそれぞれ用いるブロックポリマーを、各ユニットを構成する単位構造を、AセグメントはA−イ(以下単に「A」と表記)、BセグメントはB−エ(以下単に「B」と表記)、CセグメントはC−サ(以下単に「C」と表記)として合成した。
反応液及びインクにそれぞれ用いるブロックポリマーを、各ユニットを構成する単位構造を、AセグメントはA−イ(以下単に「A」と表記)、BセグメントはB−エ(以下単に「B」と表記)、CセグメントはC−サ(以下単に「C」と表記)として合成した。
[反応液の調製]
(反応液1)
ブロックポリマーとして、上記3つのモノマー成分を繰返し単位とし、Aの重合度が90、Bの重合度が90、Cの重合度が15であるトリブロック型ポリマーを用いた。これを、A90−B90−C15と簡略表記する。以下同様の表記を用いるが、各数は各ユニットの重合度を示している。該トリブロック型ポリマーをTHF中に溶解し、KOH溶液を混ぜ合わせて転相した後、エバポレーションを行ってから、多価金属塩として硝酸マグネシウムを含む、以下の成分を以下の組成で混合し、十分撹拌して溶解後、加圧濾過して、反応液1を調製した。
・トリブロック型ポリマー 4%
・硝酸マグネシウム 2.5%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・水 74.5%
(反応液1)
ブロックポリマーとして、上記3つのモノマー成分を繰返し単位とし、Aの重合度が90、Bの重合度が90、Cの重合度が15であるトリブロック型ポリマーを用いた。これを、A90−B90−C15と簡略表記する。以下同様の表記を用いるが、各数は各ユニットの重合度を示している。該トリブロック型ポリマーをTHF中に溶解し、KOH溶液を混ぜ合わせて転相した後、エバポレーションを行ってから、多価金属塩として硝酸マグネシウムを含む、以下の成分を以下の組成で混合し、十分撹拌して溶解後、加圧濾過して、反応液1を調製した。
・トリブロック型ポリマー 4%
・硝酸マグネシウム 2.5%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・水 74.5%
(反応液2〜4の調製)
反応液2〜4に用いるブロックポリマーとして、下記表1に記載のブロックポリマーをそれぞれ用いる以外は、反応液1と同様の方法で、反応液2〜4を調製した。
反応液2〜4に用いるブロックポリマーとして、下記表1に記載のブロックポリマーをそれぞれ用いる以外は、反応液1と同様の方法で、反応液2〜4を調製した。
(反応液5、6の調製)
反応液5、6に用いるブロックポリマーとして、下記表1に記載のブロックポリマーをそれぞれ用いた。これらのブロックポリマーを、それぞれTHF中に溶解し、KOH溶液を混ぜ合わせて転相した後、エバポレーションを行った。次に、以下の組成で各成分を混合し、十分撹拌して溶解した後、加圧濾過して、多価金属塩を含有しない反応液5、6を調製した。
・ブロックポリマー 4%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・水 77%
反応液5、6に用いるブロックポリマーとして、下記表1に記載のブロックポリマーをそれぞれ用いた。これらのブロックポリマーを、それぞれTHF中に溶解し、KOH溶液を混ぜ合わせて転相した後、エバポレーションを行った。次に、以下の組成で各成分を混合し、十分撹拌して溶解した後、加圧濾過して、多価金属塩を含有しない反応液5、6を調製した。
・ブロックポリマー 4%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・水 77%
(反応液7の調製)
以下の組成で各成分を混合し、十分撹拌して溶解した後、加圧濾過し、ブロックポリマーを含有しない反応液7を調製した。
・硝酸マグネシウム 2.5%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・水 78.5%
以下の組成で各成分を混合し、十分撹拌して溶解した後、加圧濾過し、ブロックポリマーを含有しない反応液7を調製した。
・硝酸マグネシウム 2.5%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・水 78.5%
[インクの調製]
(インク1)
インク1に用いるブロックポリマーとして、疎水性ユニットと、イオン性の親水性ユニットとを有する顔料分散用ブロックポリマー(A45−B0−C10)を用いた。該分散用ブロックポリマー及びBk顔料をTHF中に溶解し、KOH溶液を混ぜ合わせて転相した後、分散及びエバポレーションを行い、水性顔料分散体Bkを調製した。さらに、以下に示す組成で溶剤及び添加剤と混合し、十分攪拌して、溶解することで、顔料が含有されたインクジェット用のインク1を得た。
・Bk顔料(Monarch 880;
キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 4%
・顔料分散用ブロックポリマー 4%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製)
0.3%
・水 72.7%
(インク1)
インク1に用いるブロックポリマーとして、疎水性ユニットと、イオン性の親水性ユニットとを有する顔料分散用ブロックポリマー(A45−B0−C10)を用いた。該分散用ブロックポリマー及びBk顔料をTHF中に溶解し、KOH溶液を混ぜ合わせて転相した後、分散及びエバポレーションを行い、水性顔料分散体Bkを調製した。さらに、以下に示す組成で溶剤及び添加剤と混合し、十分攪拌して、溶解することで、顔料が含有されたインクジェット用のインク1を得た。
・Bk顔料(Monarch 880;
キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 4%
・顔料分散用ブロックポリマー 4%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製)
0.3%
・水 72.7%
(インク2〜5)
インク2〜5に用いるブロックポリマーとして、下記表1に記載の顔料分散用ブロックポリマーをそれぞれ用いる以外は、インク1と同様の方法で、インク2〜5を調製した。
インク2〜5に用いるブロックポリマーとして、下記表1に記載の顔料分散用ブロックポリマーをそれぞれ用いる以外は、インク1と同様の方法で、インク2〜5を調製した。
(インク6)
ポリマーを用いて顔料を分散させる代わりに、自己分散顔料であるCAB−0−JET200(キャボット社製)を着色剤として用い、以下の組成で各成分を混合し、十分撹拌して溶解した後、加圧濾過して、インク6を調製した。
・自己分散顔料 4%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製))
0.3%
・水 76.7%
ポリマーを用いて顔料を分散させる代わりに、自己分散顔料であるCAB−0−JET200(キャボット社製)を着色剤として用い、以下の組成で各成分を混合し、十分撹拌して溶解した後、加圧濾過して、インク6を調製した。
・自己分散顔料 4%
・グリセリン 7%
・ジエチレングリコール 5%
・トリメチロールプロパン 7%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル社製))
0.3%
・水 76.7%
[インクセットの作製]
上記で得られた反応液1〜7とインク1〜6とを下記表1に示すように組み合わせて実施例1〜24及び比較例1〜12のインクセットを作製した。
上記で得られた反応液1〜7とインク1〜6とを下記表1に示すように組み合わせて実施例1〜24及び比較例1〜12のインクセットを作製した。
[評価]
上記で得たインクセットを用いて、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF−900(キヤノン社製)により、画像を形成した。その際、同一スキャンで反応液とインクが接するように、本体を改造して、インクを印字した後に、インクを印字した領域に、反応液を打ち込むようにした。被プリント材としては、A4普通紙SW−101(キヤノン社製)を使用した。以上の方法で形成した画像を用いて、以下の評価試験を行った。
上記で得たインクセットを用いて、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF−900(キヤノン社製)により、画像を形成した。その際、同一スキャンで反応液とインクが接するように、本体を改造して、インクを印字した後に、インクを印字した領域に、反応液を打ち込むようにした。被プリント材としては、A4普通紙SW−101(キヤノン社製)を使用した。以上の方法で形成した画像を用いて、以下の評価試験を行った。
(OD)
ベタ印字部について、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてOD(Optical Density)値を測定した。測定したOD値を、以下の基準にて評価した。
○:OD値が1.3以上。
△:OD値が1.1以上1.3未満。
×:OD値が1.1未満。
ベタ印字部について、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてOD(Optical Density)値を測定した。測定したOD値を、以下の基準にて評価した。
○:OD値が1.3以上。
△:OD値が1.1以上1.3未満。
×:OD値が1.1未満。
(カラーブリード)
印字画像は10cm四方の正方形内を、5×5のマス目(1マスのサイズ:2cm×2cm)で仕切り、ブラックインクと各カラーインクで交互にベタ印字したものにより、ブラック印字部とカラー印字部との境界部の滲み、混色の度合いを評価した。評価結果は以下の基準に基づき判定した。なお、前記で使用した各カラーインクは、実施例1におけるインク1のBk顔料を、それぞれ、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントイエロー74に代えて調製したものである。
○:各箇所とも他色間の境界線が鮮明であり、境界部に滲みや混色が見られない。
△:境界部に多少の滲みや混色が見られる。
×:境界部に滲みや混色がはっきりと確認できる。
印字画像は10cm四方の正方形内を、5×5のマス目(1マスのサイズ:2cm×2cm)で仕切り、ブラックインクと各カラーインクで交互にベタ印字したものにより、ブラック印字部とカラー印字部との境界部の滲み、混色の度合いを評価した。評価結果は以下の基準に基づき判定した。なお、前記で使用した各カラーインクは、実施例1におけるインク1のBk顔料を、それぞれ、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントイエロー74に代えて調製したものである。
○:各箇所とも他色間の境界線が鮮明であり、境界部に滲みや混色が見られない。
△:境界部に多少の滲みや混色が見られる。
×:境界部に滲みや混色がはっきりと確認できる。
(耐擦過性)
印字10秒後、30秒後、1分後、10分後、1日後の各印字画像を一定の力で擦ることで、印字の乱れ具合を評価した。評価結果は以下の基準に基づき判定した。
○:5箇所とも擦れがほとんど見られない。
×:一部の箇所で擦れる、若しくは尾引きが見られる。
印字10秒後、30秒後、1分後、10分後、1日後の各印字画像を一定の力で擦ることで、印字の乱れ具合を評価した。評価結果は以下の基準に基づき判定した。
○:5箇所とも擦れがほとんど見られない。
×:一部の箇所で擦れる、若しくは尾引きが見られる。
(耐マーカー性)
印字10秒後、30秒後、1分後、10分後、1日後の各印字画像を市販の水性蛍光マーカーペンSpotliter(PILOT社製)にて、印字部上にマーカーすることで、印字の乱れ具合を評価した。評価結果は以下の基準に基づき判定した。
○:印字が全く乱れない。
×:一部でも印字乱れがある。
印字10秒後、30秒後、1分後、10分後、1日後の各印字画像を市販の水性蛍光マーカーペンSpotliter(PILOT社製)にて、印字部上にマーカーすることで、印字の乱れ具合を評価した。評価結果は以下の基準に基づき判定した。
○:印字が全く乱れない。
×:一部でも印字乱れがある。
(光沢性)
印字画像はカラーブリード評価で用いた画像を使用し、写像性測定器ICM−IDP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。測定したC値%を、以下の基準にて評価した。
○:C値%が55以上。
△:C値%が40以上55未満。
×:C値%が40未満。
上記で得られた評価結果を表2に示す。
印字画像はカラーブリード評価で用いた画像を使用し、写像性測定器ICM−IDP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。測定したC値%を、以下の基準にて評価した。
○:C値%が55以上。
△:C値%が40以上55未満。
×:C値%が40未満。
上記で得られた評価結果を表2に示す。
以上の通り、実施例においては、各特性が良好な画像を形成できることが示された。また、実施例の中でも特に、実施例1、2、6、7、22においては、OD、カラーブリード、耐擦過性、耐マーカー性、光沢性の、それぞれの評価項目においてバランスの良い、優れた特性が得られることが示された。
Claims (12)
- インクと共に使用され、該インクを凝集せしめるインクジェット記録用水性反応液であって、少なくとも、多価金属塩及びブロックポリマーを含み、かつ、該ブロックポリマーが、少なくとも非イオン性の親水性ユニットを有していることを特徴とするインクジェット記録用水性反応液。
- 前記ブロックポリマーが、さらに、疎水性ユニットとイオン性の親水性ユニットとを有している請求項1に記載のインクジェット記録用水性反応液。
- 前記非イオン性の親水性ユニットと前記イオン性の親水性ユニットにおける重合度の比が、非イオン性の親水性ユニットの重合度を10としたとき、イオン性の親水性ユニットの重合度が5以下である請求項2に記載のインクジェット記録用水性反応液。
- 前記ブロックポリマーが、ポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性反応液。
- 前記多価金属塩が、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、及びY3+のいずれか1種を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性反応液。
- 少なくとも着色剤として顔料を含有し、さらにアニオン成分を含有する少なくとも一色のインクと、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性反応液との組み合わせを有することを特徴とするインクジェット記録用水性インクセット。
- 前記アニオン成分が、顔料分散用ブロックポリマーであり、かつ、該分散用ブロックポリマーが、疎水性ユニットとアニオン性の親水性ユニットを有している請求項6に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
- 前記分散用ブロックポリマーは、さらに非イオン性の親水性ユニットを有しており、該分散用ブロックポリマーを構成する各ユニットにおける重合度の比が、疎水性ユニットの重合度を10としたとき、非イオン性の親水性ユニットの重合度が1未満、アニオン性の親水性ユニットの重合度が1以上5以下である請求項7に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
- 前記分散用ブロックポリマーが、ポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として含有する請求項7又は8に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
- 前記インクに含まれるアニオン成分が、着色剤の自己分散顔料である請求項6に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
- 請求項6乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクセットを用い、該インクセットを構成するインクジェット記録用水性反応液とインクとを記録媒体に付与して、前記インクを凝集せしめることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記インクを前記反応液に先立って記録媒体に付与する請求項11に記載のインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009101058A JP2010247469A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | インクジェット記録用水性反応液、インクジェット記録用水性インクセット及びインクジェット記録方法 |
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JP (1) | JP2010247469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10676628B2 (en) | 2016-06-08 | 2020-06-09 | Ricoh Company, Ltd. | Surface treatment liquid composition for substrate, ink set, recording method, recording device, storage container, and printed matter |
-
2009
- 2009-04-17 JP JP2009101058A patent/JP2010247469A/ja active Pending
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