JP2010245297A - 撮像素子画素構造体の構造決定方法、撮像素子画素構造体の構造決定プログラム、および撮像素子画素構造体の構造決定装置 - Google Patents

撮像素子画素構造体の構造決定方法、撮像素子画素構造体の構造決定プログラム、および撮像素子画素構造体の構造決定装置 Download PDF

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【課題】撮像素子画素構造体の構造を迅速かつ確実に決定することができる撮像素子画素構造体の構造決定方法、撮像素子画素構造体の構造決定プログラム、および撮像素子画素構造体の構造決定装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定工程S1と、第一決定工程S1に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定工程S2と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、撮像素子画素構造体の構造決定方法、撮像素子画素構造体の構造決定プログラム、および撮像素子画素構造体の構造決定装置に関する。
従来、光学像を撮像するためのエリアイメージセンサーとして、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子が知られている。このような固体撮像素子は、例えばビデオカメラやデジタルカメラ等の撮像装置に広く用いられている。固体撮像素子は、同一半導体基板上に、撮像レンズを介して結像した被写体の光学像を受光画素毎に電気信号に光電変換する複数の受光画素を配列した受光画素部と、受光画素毎の電気信号に対し所定の信号処理を行った後に半導体基板外部に出力する信号読出し回路部とを有している。
近年、固体撮像素子を小型化するために、固体撮像素子の画素構造体が微細化・複雑化する傾向にある。これに伴い、画素構造体における感度低下、ノイズの増加が懸念され、固体撮像素子の画素構造体の構造を最適化する必要性が高まっている。ここで、固体撮像素子の画素構造体とは、固体撮像素子へ入射した光が固体撮像素子の内部で示す伝播特性に影響する構造体で、具体的には例えばマイクロレンズや配線等を有する構造体である。
画素構造体の構造を最適化するとは、光学像が結像されるフォトダイオードの受光量等、撮像結果に影響を及ぼす構造体の形状・寸法、特性値の値を求めることである。
一般的に、画素構造体の構造を最適化するためには、まずシミュレーションで画素構造の評価指標を求める。次いで、経験則に基づいて画素構造を修正して、再度シミュレーションで画素構造の評価指標を確認する。このように、従来の画素構造の最適化は、経験則に基づく修正とその確認という作業が繰り返されて行われており、試行錯誤的に最適な画素構造を探索するものであった。
上記シミュレーションを行う手法としては、大きく分けて光学的解析によるシミュレーションと、電磁場解析によるシミュレーションとが知られている。
光学的解析の例として、非特許文献1には光学的解析に基づいた固体撮像素子の構造の最適化が開示されている。非特許文献1では、光を受光領域に集光させるマイクロレンズを備えたFT(Frame Transfer)イメージセンサーが記載されており、このマイクロレンズを備えたFTイメージセンサーによれば光の感度を高めることができる。
また、電磁場解析の例として、特許文献1には集積導波路におけるピクセル(画素構造体)の構造を最適化するようにピクセルを構成する方法が記載されている。この特許文献1に記載の方法では、電磁場シミュレーションツールによってFDTD法による電磁場解析を行い、ピクセルを構成する要素とピクセルに入射する光との相互作用をシミュレートする。この方法によれば、ピクセル内の光検出器に光が好適に到達できる集積導波路を設計することができる。
特開2006−157001号公報
N.Daemen and H.L.Peek, MICROLENSES FOR IMAGE SENSORS, Philips Journal of Research Vol.48 No.3 281-297 1994
しかしながら、非特許文献1に記載されたような光学的解析による最適化の場合には、短い計算時間で解析結果が得られるものの計算精度が相対的に低い。従って、最適な画素構造を得られない恐れがある。特に光の波長と同等かそれ以下の長さの構造を持つ微細な画素において光学的解析が適用された場合には、光学的解析によって得られたパラメーターと実際に最適な構造との間に顕著な乖離が生じるという問題があった。
一方、特許文献1に記載されたような電磁場解析による最適化の場合には、計算精度は光学的解析よりも相対的に高いが計算時間が相対的に長い。画素構造を最適化する工程では、様々な初期値に基づいて、電磁場解析を繰り返す必要がある。このため、指定すべき初期値の範囲が広いと最適解を決定するまでに要する計算回数が増え、計算に要する時間が膨大になるという問題があった。さらに、指定した初期値に対して最適解が存在しない場合もあり、この場合には膨大な計算時間を費やした上でなお画素構造が決定できないという極めて非効率的な結果となるという問題もあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は撮像素子画素構造体の構造を迅速かつ確実に決定することができる撮像素子画素構造体の構造決定方法、撮像素子画素構造体の構造決定プログラム、および撮像素子画素構造体の構造決定装置の提供を図ることにある。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の撮像素子画素構造体の構造決定方法は、少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定工程と、前記第一決定工程に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定工程と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、第一決定工程では光学的解析が用いられるので、光の透過や屈折に基づいた構造決定が行われる。さらに第二決定工程では電磁場解析によって撮像画素構造体の物性情報をさらに加味した構造決定が行われる。このとき、煩雑な計算を要する電磁場解析のための初期値として、第一決定工程において最適構造として決定された第一情報群が用いられる。したがって、電磁場解析における試行回数を減少させることができる。また、最適な撮像素子画素構造に近い条件が第一決定工程で決定される。したがって、第二決定工程において解が発散するなどして計算不能となることが抑制され、撮像素子画素構造が決定できる可能性が高まる。
また、本発明の撮像素子画素構造体の構造決定方法は、前記光学的解析が近軸理論に基づく光学的解析であることが好ましい。
また、本発明の撮像素子画素構造体の構造決定方法は、前記光学的解析が幾何光学に基づく光学的解析であってもよい。
また、本発明の撮像素子画素構造体の構造決定方法は、前記光学的解析が波動光学に基づく光学的解析であってもよい。
また、本発明の撮像素子画素構造体の構造決定プログラムは、少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定工程と、前記第一決定工程に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定工程と、を電子計算機に処理させることを特徴としている。
この発明によれば、撮像素子画素構造の決定を電子計算機上で行うことができるので、光学素子の現物を試作する手間を省くことができる。また、第一決定工程と第二決定工程とがともに電子計算機によって行われるため、撮像素子画素構造を決定するための繰り返し計算を迅速に行うことができる。
本発明の撮像素子画素構造体の構造決定装置は、少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定部と、前記第一決定工程に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定部と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、第一決定部と第二決定部とによって撮像素子画素構造を決定することができる。また、第一決定部と第二決定部とが分かれて設けられているため、第二決定部が使用されている間に第一決定部が使用されて後続の撮像素子画素決定を進めることができる。
本発明の撮像素子画素構造体の構造決定方法、撮像素子画素構造決定プログラム、および撮像素子画素構造体の構造決定装置によれば、先行して行われる光学的解析と、光学的解析で決定された値が初期値として用いられる電磁場解析とが行われることで、撮像素子画素構造体の構造を迅速かつ確実に決定することができる。
本発明の第1実施形態における撮像素子画素構造体の構造決定方法によって構造が決定される対象となる撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 同撮像装置におけるイメージセンサーを拡大して示す断面図である。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法を示すフローチャートである。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における一部の工程を示すフローチャートである。 (A)ないし(D)は同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における構造決定の一過程を模式的に示す図である。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における構造決定の一過程を模式的に示す図である。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における一部の工程を示すフローチャートである。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における一部の工程を示すフローチャートである。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における一部の工程を示すフローチャートである。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における一部の工程を示すフローチャートである。 同実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法における変形例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の撮像素子画素構造決定プログラムおよび撮像素子画素構造決定装置の概略構成を示すブロック図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法について図1から図11を参照して説明する。
(画素構造体の構成)
まず、本実施形態の画素構造体を備える撮像装置を例に画素構造体の構成を説明する。
図1は、本実施形態における撮像素子画素構造体の構造決定方法によって構造が決定される対象となる撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像装置1は、外部から入射する光を所定の結像位置に集光させる撮像光学系2と、撮像光学系2によって集光された光を受光する受光領域3aを有して光学像を撮像する撮像素子3と、CDS (Correlated Double Sampling) / AGC (Automatic Gain Control) / ADC (Analog to Digital Converter)等の回路4と、回路4によって読み出された光学像のデジタル信号を処理する画像処理回路5と、撮像された画像情報を表示可能な表示部6と、撮像された画像情報を記憶するための例えば不揮発メモリなどを有する記憶媒体7とを備えている。
図2は、撮像素子3を示す断面図である。図2に示すように、本実施形態の撮像素子3はCMOSエリアイメージセンサーである。また撮像素子3は、画素31、32、33、・・・のように複数の画素(画素構造体)が並べて配置されている。詳細は図示していないが、撮像素子3において上記画素は受光領域3aの面に沿って格子状に配列されている。
以下では受光領域3aの中心付近に位置する画素31(図1参照)の構成について説明する。なお、他の画素についても概略構成は同様である。
画素31は、半導体基板10に構成された撮像素子形成領域11内および撮像素子形成領域11に重畳するように厚さ方向に配置された要素12〜21を備える。具体的には、撮像素子形成領域11内には、受光素子であるフォトダイオード(要素12)と、フォトダイオードに蓄積された電荷を検出するFD (Floating Diffusion)(要素13)と、が設けられている。
また、撮像素子形成領域11に重畳して配置される要素の具体例としては、半導体基板10の面上に配置されたポリシリコン転送電極(要素14)と、絶縁性を有する層間絶縁膜(要素15)と、層間絶縁膜を介して配置された配線回路である配線層(要素16、17、18)と、配線層に積層された保護膜(要素19)と、保護膜にさらに積層された光学系であるカラーフィルタ(要素20)およびマイクロレンズ(要素21)と、である。
上記要素12〜21は、画素31に入射する光を効率的に受光するためにその配置、形状、および物性についての最適化を要する要素である。
図2に示すように、画素31には、マイクロレンズ(要素21)側から光が入射する。たとえば画素31への入射光束22はマイクロレンズ(要素21)で屈折され、多層配線層(要素16、17、18)の隙間を通過して、フォトダイオード(要素12)で受光されて光電変換される。
ここで、入射光束22の開き角α0は、撮像光学系2のFナンバーによって定まるものである。
なお、図2では画素31に入射される光の例として入射光束22を示したが、入射光束は入射光束22だけではない。すなわちマイクロレンズの他の位置から入射される入射光束も存在する。
詳細は図示していないが、撮像素子3において、受光領域3aの中央では入射光束は受光領域3aの面の法線方向にほぼ沿って進む。また、受光領域3aの中央から周辺に向かうにしたがって入射光束は受光領域3aの面の法線に対して角度を有するようになる。このため、受光領域3aの周辺部にある画素における入射光束は、受光領域3a上の位置に応じた光束傾き角(例えば光束傾き角β0)を有して画素に入射する。
(撮像素子画素構造体の構造決定方法)
以下では、上述の撮像素子画素構造体(画素31、32、33、・・・)の構造決定方法について図3から図11を参照して説明する。
画素構造体の構造決定とは、上記画素における要素12〜21の構造(寸法、配置、物性)の最適条件を決定することである。ここで、最適条件とは、フォトダイオード(要素12)における光の感度が最も高くなる条件である。
図3は本実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法の概要を示すフローチャートである。図3に示すように本実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法は、第一決定工程S1と、第一決定工程S1に続いて実行される第二決定工程S2と、を備えている。
以下では、第一決定工程S1について詳述する。
第一決定工程S1は、要素12〜21の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する工程である。
図4は、第一決定工程S1を示すフローチャートである。図4に示すように、第一決定工程S1は、マイクロレンズ(要素21)のパワー配置を決める工程S11と、配線層(要素16、17、18)の配置を決める工程S12と、を有している。工程S11と工程S12とは、いずれも受光領域3aの中央に位置する画素(例えば画素31など)に対する構造決定の工程である。
また、受光領域3aの中央と周辺とでは入射光束の傾きの違いによって画素構造の最適条件が異なっている。このため、第一決定工程S1は受光領域3aの周辺において光束傾き角を有して入射される画素に対して構造を補正する工程S13を有している。工程S13では、工程S11および工程S12によって決定された条件を初期条件として画素の構造の補正が行われる。
以下では、第一決定工程S1における入射光束の扱い方について図5を参照して説明する。図5は第一決定工程S1が画素31に適用される状態を模式的に示す模式図である。
図5(A)ないし(C)には、第一決定工程S1では、画素31のマイクロレンズ(要素21)の最周辺に入射する入射光束22と、入射光束22とは光軸を挟んで反対側のマイクロレンズ(要素21)の最周辺に入射する入射光束23と、マイクロレンズ(要素21)の光軸付近に入射する入射光束24と、をそれぞれ示している。
ここで、入射光束22、23、24のそれぞれの開き角は、共通にα0である。撮像光学系2のFナンバーをFNとしたとき、α0=sin−1(1/(2FN))である。また、図5(D)に示すように、入射光束22、23、24のうち、符号X側から入射してくる最周辺光線を抽出して、これらを新たな入射光束25として考える。このように、マイクロレンズ(要素21)に向かって2α0の角度で集光している入射光束22、23、24をマイクロレンズ(要素21)に向かって傾き角が2α0のコリメート光である入射光束25に置き換える。
図6は、第一決定工程S1において構造決定が行われる要素を模式的に示した図である。ここで、図6に示す各記号について説明する。Pは画素の一つ当たりの幅を示すピッチ、Wはフォトダイオード(要素12)の幅、E1及びE2は画素31においてマイクロレンズ(要素21)の面頂を通る軸(光軸O1)を基準として測った配線層(要素16、17、18)の間隔、Dは層間絶縁膜(要素15)と保護膜(要素19)の厚さの合計値、R1はマイクロレンズ(要素21)の曲率半径、Hはマイクロレンズ(要素21)の厚さ、GはピッチPと幅Wとの差の二分の一の値、α1はα0なる角度でマイクロレンズ(要素21)に入射する光線のマイクロレンズ(要素21)における屈折角をそれぞれ表している。
画素31等の画素の構造決定において、要素12〜21のうち以下に説明する要素については撮像装置1の仕様あるいは撮像素子3の製造プロセス等の条件によって調整範囲が予め制限されている。
具体的には、画素31のピッチPは、撮像装置の仕様で既に決められている。フォトダイオード(要素12)の幅Wは、製造プロセスの制約によって決められている。その他の要素13〜21の材質は、製造プロセスによって決まっており、また、入射光束25が透過する領域における屈折率と分散は既知である。またマイクロレンズ(要素21)の曲率半径R1の下限値は製造プロセスによって決まっている。また曲率半径R1が決まるとマイクロレンズの厚さHも製造プロセスによって一意的に決まる。また、値Gの下限値も製造プロセスによって決まっている。さらに、カラーフィルタ(要素20)の厚さは撮像装置1の仕様で定められる色特性によって予め定められている。
したがって、本実施形態で変数となる要素は、間隔E1、E2の大きさに関わる要素16、17、18の寸法および配置と、曲率半径R1の大きさにかかわる要素21の寸法および配置と、厚さDの大きさに関わる層間絶縁膜(要素15)および保護膜(要素19)の厚さである。
以下では第一決定工程S1における上記変数の決定の工程について図7ないし図9を参照して説明する。
まずマイクロレンズのパワー配置を決める工程S11が行われる。図7に工程S11の詳細なフローを示す。
まず、予め決められた値であるピッチPと値Gとを用いて、マイクロレンズ(要素21)の曲率半径R1の下限値R1minを求める(工程S111)。工程S111では、R1min=P/2−GとしてR1minの値を算出する。
続いて、R1minにおけるマイクロレンズ(要素21)の焦点距離f1および屈折角α1の大きさを周知の近軸光線追跡によって求め、次のa)、b)の条件を満たす厚さDが存在するかどうかを調べる(工程S112)。なお、厚さDは画素の製造プロセスによってとりうる値の範囲に制限を有する。
a)f1≒>D
b)α1f1<≒W/2
上記条件b)は入射光束25の結像位置における像の概略の大きさを表している。第一決定工程S1では、上記のように条件b)として、マイクロレンズ(要素21)、層間絶縁膜(要素15)、保護膜(要素19)、カラーフィルタ(要素)の屈折率差が無いとした場合の近似式を採用することができる。
また、工程S112では、R1=R1minの状態でa)b)の条件を共に満たすDが求まらない場合には、曲率半径R1の値をR1minから漸次大きく変化させる。曲率半径R1の大きさを大きくすると、マイクロレンズ(要素21)の焦点距離が長くなるため、フォトダイオード(要素12)に好適に光学像を結像させるための厚さDの値を大きくする必要がある。
曲率半径R1を大きく変えていくことで上記a)b)の条件を共に満たすDがとり得る場合は、上記a)b)の条件を共に満たす厚さDと、厚さDに対応する曲率半径Rとが決定される。続いて、厚さDに対応する曲率半径Rとが決定された条件の下で配線層(要素16、17、18)の配置を決める工程S12へ移る。
曲率半径R1の大きさを小さく変えても厚さDとして適切な値が得られない場合には、工程S113においてNOが選択される。すると、マイクロレンズ(要素21)に加えてさらに層内絶縁膜(要素15)と保護膜(要素19)との間に層内レンズ(不図示)を介在させて画素の設計を試みる(工程S115)。工程S115では、層内レンズの曲率半径をR2とした場合のマイクロレンズと層内レンズとの合成曲率半径をR12、合成焦点距離をf12として次のb’)を満たすように曲率半径R1、R2を決定する。
b’)α1f12<≒W/2
続いて、上記b’)で決定された曲率半径R1、R2が決定された条件の下で次のa’)を満たすDが存在するかを調べる(工程S116)。
a’)f12≒>D
工程S116では、上記a’)を満たすDが製造プロセス内で調整できる(YES)場合には工程S114へ移行して厚さDが決定される。上記a’)を満たすDが調整できない(NO)場合には工程S117移行して製造プロセスにおいて調整可能な最短の厚さDに対して工程S115のb’)を満たすようにR1、R2を決定して工程S11を完了する。
このようにマイクロレンズのパワー配置を決める工程S11では、要素12〜21のうち要素15、要素19、要素21(および層内レンズ)の寸法と配置とが決定される。なお、工程S11での決定は確定ではなく後続の各工程において不適切な結果となった場合には工程S11が再度実行される場合がある。
工程S11に続いて、配線配置を決める工程S12が実行される。図8は、工程S12を詳細に示すフローチャートである。工程S12では、配線層(要素16、17、18)は視野絞りとしての作用のみが考慮されている。また、工程S12では、配線層(要素16、17、18)のうちもっともフォトダイオード(要素12)から遠くに配置された要素18について配置を決定する工程が最初に実行される。続いて、要素18の配置が決定された後に要素17に対する工程S11が実行される。このように、配線層のそれぞれに対して要素12から遠い順に順番に配置が決定される。以下、要素18に対する工程S11を代表して説明する。
図8に示すように、まず配線層間隔E1、E2の初期値が設定される(工程S121)。本実施形態ではE1、E2の初期値は予め定められた初期値が用いられており、E1=E2=W/2である。なお、必要に応じて他の初期値が採用されてもよい。
続いて、入射光束25の開き角が0±α0度となる範囲で、開き角=0度となる位置を含む数箇所が選択されて近軸マージナル光線追跡が行われ、開口比が計測される(工程S122)。
続いて、上記開口比に基づいて、フォトダイオード(要素12)に到達する光量を見積り、開き角が0度以外の位置における光量落ちの大きさが計算される(工程S123)。
続いて、工程S123において計算された光量落ちが、撮像装置1の仕様を満たしているかどうかを確認する(工程S124)。仕様を満たしている(YES)場合にはそのまま工程S12が完了となる。
仕様を満たしていない(NO)場合には、配線層(要素18)間隔E1、E2の値を漸次拡大して、工程S122から工程S124を繰り返して実行する。
なお、製造プロセスの制約の範囲内で適切な配線層間隔を見出せない場合は、マイクロレンズのパワー配置の工程S11へ戻って、厚さDを短くした上で再度工程S12を実施する。
工程S12が完了したら、工程S12までで決定された変数に基づいて、受光領域3a内の周辺部分に設けられた周辺画素の構造を決定する。周辺画素の構造の決定方法は、中央の画素に対して決定された構造を補正する方法が採用されている。
図9は、工程S13を詳細に示すフローチャートである。以下では、周辺画素のうち入射光束25が傾きβ0度で入射する周辺画素を例に説明する。図9に示すように、まず、傾き角β0である入射光束25のうち、マイクロレンズ(要素21)の中心を通る光線が、マイクロレンズ(要素21)の面頂付近とフォトダイオード(PD、要素12)の中心付近を通るように、マイクロレンズ(要素21)を受光領域3aの面に沿って偏心させる(工程S131)。なお、マイクロレンズと共に上述の層間レンズが採用されている場合には、マイクロレンズと層間レンズとを共に偏心させる。
マイクロレンズ(要素21)の偏心量は、受光領域の中央を起点として、画素の配列方向に基づく直交する2直線を軸とした軸方向成分に分解されて決定される。
続いて、入射光束25の開き角が0±α0度となる範囲で、開き角=0度となる位置を含む数箇所が選択されて近軸マージナル光線追跡が行われ、開口比が計測される(工程S132)。
続いて、上記開口比に基づいて、フォトダイオード(要素12)に到達する光量を見積り、開き角が0度以外の位置における光量落ちの大きさが計算される(工程S133)。
続いて、工程S123において計算された光量落ちが、撮像装置1の仕様を満たしているかどうかを確認する(工程S134)。仕様を満たしている(YES)場合にはそのまま工程S13が完了となる。
仕様を満たしていない(NO)場合には、配線層(要素18)の位置を受光領域3aの面に沿って偏心させ、工程S132から工程S134を繰り返して実行する。
このように、工程S11〜工程S13を有する第一決定工程S1によって、要素12〜21の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群I1が光学的解析によって決定される。
光学的解析によってなされる上記第一決定工程S1では、要素12〜21に対する第一情報群I1は確定された値として決定される。しかしながら、例えば光の波長と同等かそれ以下の長さの構造を持つ微細な画素の構造を決定する場合には、光学的解析によって得られたパラメータと実際に最適な構造との間に顕著な乖離が生じる場合がある。
この問題を解決するため、本実施形態では、第一決定工程S1に引き続いて、第二決定工程S2が実行される。
以下では、本実施形態の第二決定工程S2について詳述する。
第二決定工程S2は、要素12〜21の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する工程である。
図10は、電磁場シミュレーションを用いて画素構造を最適化する第二決定工程S2を詳細に示すフローチャートである。図10に示すように、第二決定工程S2では、まず、第一決定工程S1で決定された略画素構造を入力する(工程S21)。
続いて、第一決定工程S1で使用された要素12〜21寸法や配置の初期値よりも詳細な物性値が第二決定工程S2における画素構造初期値として入力される(工程S22)。
工程S22では、マイクロレンズ(要素21)や配線層(要素16、17、18)の詳細な形状情報(3次元的な非対称性を含む寸法、配置)を工程S21で入力した略画素構造に追加する。また、画素の構成要素の物性値として、屈折率とその分散に加えて、吸収係数とその分散を付加する。あるいは誘電率、透磁率、導電率等にしても良い。物性値としては、周知のDrudeモデルや、多損失誘Lorentzモデルなどを利用して付加しても良い。
続いて、電磁場シミュレーションの準備として光源情報の設定や光検出器の設定を行った上で、電磁場シミュレーションを実施する(工程S23)。
電磁場シミュレーションの周知の方法には、FEM(Finite Element Method、有限要素法)、FDFD法(Finite-Difference Frequency-Domain Method、有限差分周波数領域法)、及びFDTD法(Finite-Difference Time-Domain Method、有限差分時間領域法)を含むいくつかのものが存在している。
電磁場シミュレーションを実行するに際しての準備は、まず画素への入射光束を発する光源を設定する。例えば、連続光源であるかパルス光源であるかの設定や中心波長や振幅などである。入射光束の開き角度や傾き角などは、第一決定工程S1で設定した開き角α0、傾き角β0を用いることができる。さらに準備として電磁場の観測領域を設定する。観測領域は、例えば画素31のフォトダイオード(要素12)と、隣接する画素32のフォトダイオード(要素12)と、に設定されるように必要に応じて複数設けられていてもよい。また、観測領域は要素12以外の場所に設定されていてもよく、例えば、画素31の表面に設けられていてもよい。
続いて、工程S23で得られた電磁場情報に基づいて、光学効率や周辺光量落ち、クロストークなどの値を算出する(工程S24)。
光学効率は、画素表面に入射する分光放射照度に対する、画素のフォトダイオード(要素12)で入射する光の分光放射照度の比率である。これら放射照度は、電磁場データからポインティングベクトルを求めることで算出できる。
画素の性能評価指標は、フォトダイオード領域内のポインティングベクトルを積算した総受光量であっても良いし、総受光量に画素の感度係数、撮像装置の露光時間等の係数をかけて、画素で発生する総電荷量に換算しても良い。
また、画素の性能評価指標は、撮像素子中心付近の画素の受光量に対する周辺部の画素の受光量の比(シェーディング)であっても良い。
また、画素の性能指標は、隣接する画素間におけるクロストーク量であっても良い。なお、上記に説明した指標の全てを用いても良いし、上記で説明した以外の指標を導入しても良い。これら評価指標を算出するためのプログラムは、市販されている数値解析プログラム:MATLABなどを利用して作成することができる。
続いて、光学効率や周辺光量落ち、クロストークなどが、所定の目標に到達したかどうかを判定する(工程S25)。
工程S25では、工程S24で算出された性能評価指標が、撮像装置1の目標値に到達したかどうかを判定する。工程S24で算出された性能評価指標が目標値以上である場合は、画素の構成要素の寸法、配置、材質は、十分最適化されたと判断され、第二決定工程S2が完了する。
一方、工程S24で算出された性能評価指標が目標値に達していない場合は、工程S26に進む。
光学効率や周辺光量落ち、クロストークなどが目標に到達していない場合は、画素構造を構成する要素の寸法、配置、物性値を変更する(工程S26)。
工程S26では、工程S22で設定した構成要素の寸法、配置、材質を変更する。さらに、新たな構成要素、例えばフォトダイオード(要素12)以外の領域を遮光する部材などを追加しても良い。
続いて、工程S26において変更された要素12〜21の寸法、配置、および物性値に基づいて、工程S23〜工程S25が、工程S25で(YES)が選択されるまで繰り返される。
工程S25でYESが選択されたら、第二決定工程S2が完了する。第二決定工程S2によって、要素12〜21の寸法、配置、材質を示す第二情報群I2が決定される。これにより、撮像素子3における画素31等の画素構造体の構造が決定できる。
以上説明したように、本実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法によれば、第一決定工程S1では光学的解析が用いられて光の透過や屈折に基づいた構造決定が行われる。さらに第二決定工程S2では電磁場解析によって撮像画素構造体の物性情報をさらに加味した構造決定が行われる。
このとき、煩雑な計算を要する電磁場解析のための初期値として、第一決定工程S1において最適構造として決定された第一情報群I1が用いられる。したがって、電磁場解析における試行回数を減少させることができる。
また、最適な撮像素子画素構造に近い条件が第一決定工程S1で決定される。したがって、第二決定工程S2において解が発散するなどして計算不能となることが抑制され、撮像素子画素構造が決定できる可能性が高まる。
(変形例)
以下では、第1実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定方法の変形例について図11を参照して説明する。図11は本変形例の撮像素子画素構造体の構造決定方法における第二決定工程を示すフローチャートである。
図11に示すように、本変形例では、工程S25と工程S26との間に、所定のアルゴリズムに従って新たな構造を生成する工程S27を有している。
工程S27では、例えば、Philip E. Gill, WalterMurray, and Margaret H. Wright, “Practical Optimization”, Academic Press, Inc., San Diego, CA, 1981に開示されている非線形最適化手順を、MATLABなどでソフト化して使用している。
また、工程S27は、エンジニアス・ジャパン社:iSIGHTなどの最適化ソフトウエアに電磁場シミュレーションソフトをリンクさせて実施しても良い。
また、画素の各構成要素の寸法、配置、材料の物性値の微小変化に対する画素の性能評価指標の変化量をテーブル化しておき、それをもとに新たな画素構造を生成するようにしても良い。
このように工程S27を有することで、画素性能指標が目標に達しなかった場合に画素構造を再構成するための新たな設定が容易になる。
(第2実施形態)
以下では、本発明の第2実施形の撮像素子画素構造体の構造決定プログラムおよび態撮像素子画素構造体の構造決定装置について図12を参照して説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と共通の箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
図12は、本実施形態の撮像素子画素構造体の構造決定装置50(以下「構造決定装置50」と称する。)の概略構成を示すブロック図である。
図12に示すように、本実施形態の構造決定装置50は、要素12〜21の寸法や配置位置の情報を入力するための入力部51と、入力部51において入力された値に基づいて画素構造を決定する構造決定プログラム100が記憶されたHDD(Hard Disk Drive)52と、構造決定プログラム100および構造決定プログラム100に基づく一時的情報が記憶されるRAM(Random Access Memory)53と、構造決定プログラム100の指令に基づいて演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)54と、CPU54によって演算処理された結果を表示する表示部55とを備えている。
構造決定プログラム100は、第一決定工程S1と第二決定工程S2とを有している。本実施形態では、HDD52には、第一決定工程S1を実行する第一決定部101と、第二決定工程S2を実行する第二決定部102とが論理的に分けて記憶されている。
本実施形態では、第1実施形態で説明した第一決定工程S1と第二決定工程S2とが共に電子計算機によるシミュレーションとして実行される。
第一決定工程S1は、市販の光学設計ソフトCode-V、Zemax、LightTools等を利用して実施することができる。これらの市販の光学設計ソフトの最適化機能を利用すると、マイクロレンズのパワー配置を決める工程、配線配置を決める工程、周辺画素の構造を補正する工程を同時に実施することも可能である。すなわち、撮像装置1の仕様(画素の受光量、周辺光量落ち量など)を目標値とし、上述のR1、R2、D、E1、E2、マイクロレンズや配線層の偏心量をパラメータとして、最適化を実行すれば良い。
第二決定工程S2は、市販の光学設計ソフトを利用して実施することができる。例えばオプティウェーブ社:OptiFDTD、ルーメリカル社:FDTDSolutions等の市販製品を利用することができる。
本実施形態の構造決定プログラム100によれば、撮像素子画素構造の決定を電子計算機上で行うことができるので、光学素子の現物を試作する手間を省くことができる。また、第一決定工程S1と第二決定工程S2とがともに電子計算機によって行われるため、撮像素子画素構造を決定するための繰り返し計算を迅速に行うことができる。
また、本実施形態の構造決定装置50によれば、第一決定部101と第二決定部102とによって撮像素子画素構造を決定することができる。また、第一決定部101と第二決定部102とが分かれて設けられている。このため、第二決定部102が使用されている間に第一決定部101が使用されて後続の撮像素子画素決定を進めることができ、画素構造体の構造決定を効率的に行うことができる。
一般に、電磁場解析を用いる場合には膨大な計算時間が必要である。例えば、数μmの画素ピッチの撮像素子画素に可視単色光が入射したときの光の振る舞いを電磁場解析すると、一般的なパーソナルコンピュータでは数時間〜数十時間が必要となる。画素構造の最適化を行うためには、この電磁場解析を反復して行う必要があり、その数倍〜数十倍の計算時間が必要となる。また、反復計算を行っても解が発散や振動することで、必ずしも最適解が得られない場合もある。
本実施形態の構造決定装置50では第一決定工程S1によって、最適解に近い画素構造を得ることができる。第一決定工程S1の結果を第二決定工程S2での初期値とすることで、第二決定工程S2において画素構造を最適化する際に、従来よりも少ない計算回数で画素構造の最適化結果を得ることができる。
したがって、本実施形態の構造決定装置50では、最適化に必要な計算時間を従来法に対して数十%程度減少させることができる。これは上述のパーソナルコンピュータ程度の処理能力を有する電子計算機においては数十時間〜数百時間程度の減少に相当する。その結果、一般に普及しているパーソナルコンピュータ程度の演算処理能力を有する電子計算機であっても画素構造を決定することができるという効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記第1実施形態では、第一決定工程S1において受光領域3aの面に沿う2次元の略寸法及び略配置を決定したが、これに限らず、第一決定工程において画素の3次元構造を光学的解析によって決定することもできる。
また、上記第1実施形態では、撮像装置の仕様あるいは製造プロセス制約によって予め決まっている要素についてはその寸法、配置を変数としない例を示した。これに限らず、調整可能な範囲内で上記要素の寸法、配置を変数として第一決定工程においてそれぞれ決定することもできる。
また、上記第1実施形態では、第一決定工程S1を近軸光線追跡法で計算する説明を行ったが、これに限らず第一決定工程は幾何光学的な光線追跡法によっても実施することができる。この場合には、近軸光線追跡法で行うよりもより高精度で撮像素子画素構造の寸法、配置を決定することができるため、第二決定工程において少ない計算回数、すなわち短い計算時間で精度の高い画素構造の最適化結果を得ることができる。
さらに、第一決定工程は波動光学的な解析によっても実施することができる。この場合には、上記幾何光学的な光線追跡法よりもさらに高精度で撮像素子画素構造の寸法、配置を決定することができる。したがって、第二決定工程においてさらに少ない計算回数、すなわちさらに短い計算時間で精度の高い画素構造の最適化結果を得ることができる。
また、上記第1実施形態では、画素の構造を決定するために中央と周辺の2領域に対して構造決定を行う例を示したが、これに限らず、受光領域の中央から任意の位置で(例えば所定間隔おきに)複数の画素に対して構造決定を行うこともできる。この場合、従来法では構造決定に要する時間が膨大になるために実行不可能であった多地点における画素構造の個別設計が可能になり、受光領域の中央と周辺との間における光量落ちの程度の変化に対応して好適な構造に調整することができる。
12、13、14、15、16、17、18、19、20、21 要素
31、32、33 画素(撮像素子画素構造体)
I1 第一情報群
I2 第二情報群
S1 第一決定工程
S2 第二決定工程
101 第一決定部
102 第二決定部

Claims (6)

  1. 少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定工程と、
    前記第一決定工程に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定工程と、
    を備える撮像素子画素構造体の構造決定方法。
  2. 前記光学的解析が近軸理論に基づく光学的解析である請求項1に記載の撮像素子画素構造体の構造決定方法。
  3. 前記光学的解析が幾何光学に基づく光学的解析である請求項1に記載の撮像素子画素構造体の構造決定方法。
  4. 前記光学的解析が波動光学に基づく光学的解析である請求項1に記載の撮像素子画素構造体の構造決定方法。
  5. 少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定工程と、
    前記第一決定工程に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定工程と、
    を電子計算機に処理させる撮像素子画素構造体の構造決定プログラム。
  6. 少なくとも受光素子と配線回路と光学系とを要素として有する撮像素子画素構造体に配置される前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第一情報群を光学的解析によって決定する第一決定部と、
    前記第一決定工程に続いて、前記要素のそれぞれの物性情報と前記第一情報群とを初期条件として前記要素の寸法、相対位置関係あるいは物性情報を示す第二情報群を電磁場解析によって決定する第二決定部と、
    を備える撮像素子画素構造体の構造決定装置。
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