JP2010241771A - 縮合ピリミジン誘導体 - Google Patents

縮合ピリミジン誘導体 Download PDF

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Ayumi Kurimoto
歩 栗本
Rieko Sawaki
理恵子 佐脇
Tetsuya Kita
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Abstract

【課題】インスリン分泌促進作用に基づく血糖低下作用を持ち、かつ低血糖リスクなどの安全性の点でより満足のいく、糖尿病疾患の治療剤又は予防剤として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1):
Figure 2010241771

[式中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基などを表し、RおよびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基などを表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、−CO−またはNRを表し、Y−Zは、−CH−CH−、−CH=N−、−N=CH−または−CH=CH−を表し、nは、0から4を表し、Rは、水素原子、または置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基を表す。]で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、インスリン分泌促進作用およびそれに伴う血糖低下作用を有する新規な誘導体またはその塩に関する。更に詳しくは、糖尿病の治療または/および予防に有効である新規な前記化合物または前記化合物を含有する新規な医薬組成物に関する。また、新規な誘導体またはその塩の新規な中間体に関する。
近年、生活習慣の変化から糖尿病の患者は年々増加しており、2025 年には 3 億人を越えるとも予想されている。そのため、糖尿病に関する原因、予防、及び治療に関する研究は精力的になされてきた。糖尿病には主として2つの種類があり、自己免疫疾患などによる膵インスリン分泌機能の低下によって生じるインスリン依存性糖尿病(IDDM)と、持続的な高インスリン分泌に伴う膵疲弊による膵インスリン分泌機能の低下が原因であるインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)とに分けられる。日本人の糖尿病患者の95%以上は、NIDDMと言われており、中程度の症状の患者においては経口糖尿病薬(例えば、スルホニルウレア剤等のインスリン分泌促進剤)の投与が行われ、更に重症の場合は、インスリン製剤の投与がおこなわれている。
スルホニルウレア剤は膵β細胞を刺激し内因性インスリン分泌を促進して血糖を低下させ、インスリン製剤はより直接的に確実に血糖値を低下させる。それぞれ有効な治療手段であるが、いずれも投与量及びタイミング次第で低血糖になるおそれがある。そこで、より優れた血糖降下剤が切望されていた。
低血糖を惹起する原因は、血糖値と薬物の投与タイミングのバランスによるところが大きい。スルホニルウレア剤およびインスリン製剤は血糖値と関係なく作用することから、血糖が上昇していない場合にも同様に作用し、低血糖にいたる。そこで、血糖依存的に作用をコントロールできれば(すなわち高血糖時にのみ作用すれば)低血糖を惹起しない薬剤となりうる。
下記の公知化合物が存在する(例えば、特許文献1〜3)
国際公開第2005/007658号パンフレット 国際公開第2008/008895号パンフレット 国際公開第2008/137436号パンフレット
本発明の課題は、インスリン分泌促進作用に基づく血糖低下作用を持ち、かつ低血糖リスクなどの安全性の点でより満足のいく、糖尿病疾患の治療剤又は予防剤として有用な新規化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、下記式(1)で表される化合物またはその薬学上許容される塩(以下必要に応じ本発明化合物と略称することがある)が、インスリン分泌作用をもつこと、hERG阻害活性が弱いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は:
〔1〕
式(1):
Figure 2010241771
[式中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の飽和複素環基を表し、
RおよびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の飽和複素環基、−C(=O)−R4、−C(=O)O−R4、−C(=O)NH−R4、−S(O)−R4または−S(O)2−R4を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子、−CO−またはNRを表し、
Y−Zは、−CH−CH−、−CH=N−、−N=CH−または−CH=CH−を表し、
nは、0から4を表し、
R4は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の飽和複素環基を表し、
は、水素原子、または置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基を表す。]
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔2〕
1が、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基である、〔1〕記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔3〕
Y−Zが、−CH=CH−または−CH−CH−である、〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔4〕
Xが、酸素原子またはNR(Rは、〔1〕記載と同義である。)である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔5〕
が水素原子であり、R3が−C(=O)O−Rである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔6〕
nが3である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔7〕
Xが酸素原子である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔8〕
1が置換アリール基であり、該置換基が水酸基、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、またはC−Cアルキルスルホニル基である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩;
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬;
〔10〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するインスリン分泌促進剤;
〔11〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する高血糖症に起因する疾患の治療剤;または、
〔12〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症、高インスリン血症、糖代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常またはアテローム性動脈硬化症に対する治療剤に関する。
本発明化合物は、インスリン分泌促進作用を有し、糖尿病治療薬として有用である。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等が挙げられる。好ましくはフッ素原子、または塩素原子が挙げられる。
「アルキル基」としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2-メチルプロピル、1-メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、3-メチルブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、ノニル、またはデシル等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、例えば、3〜8員の単環性のシクロアルキル基等が挙げられる。具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル等が挙げられる。
「アルキレン」としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキレン等が挙げられる。具体的には、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルメチレン、1−エチルメチレン、1−プロピルメチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2−メチルテトラメチレン、または3−メチルペンタメチレン等が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4のアルキレンが挙げられる。
「アルケニレン」としては、例えば、炭素数2〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルケニレン等が挙げられる。具体的には、例えば、ビニレンまたはプロペニレン等が挙げられる。
「アルコキシ基」としては、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝状のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、1−メチルエトキシ基、ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、1-メチルプロポキシ基、1,1−ジメチルエトキシ基、ペントキシ基、3-メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、ヘプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、またはデシルオキシ基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」としては、例えば炭素数2〜5の直鎖状もしくは分枝状のアルコキシカルボニル基が挙げられる。具体的には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、2−メチルエトキシカルボニル、ブトキシカルボニル又は2−メチルプロポキシカルボニル等のC−Cアルコキシカルボニル基が挙げられる。
「アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1−メチルエチルチオ、ブチルチオ、2-メチルプロピルチオ、1-メチルプロピルチオ、1,1−ジメチルエチルチオ、ペンチルチオ、3-メチルブチルチオ、2−メチルブチルチオ、2,2−ジメチルプロピルチオ、1−エチルプロピルチオ、1,1−ジメチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、4−メチルペンチルチオ、3−メチルペンチルチオ、2−メチルペンチルチオ、1−メチルペンチルチオ、3,3−ジメチルブチルチオ、2,2−ジメチルブチルチオ、1,1−ジメチルブチルチオ、1,2−ジメチルブチルチオ、ヘプチルチオ、1−メチルヘキシルチオ、1−エチルペンチルチオ、オクチルチオ、1−メチルヘプチルチオ、2-エチルヘキシルチオ、ノニルチオ、またはデシルチオ等の炭素数1〜10のアルキルチオ基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6のアルキルチオ基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜4のアルキルチオ基が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルキルスルホニル基等が挙げられる。具体的には、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロピルスルホニル、2-メチルエチルスルホニル又はブチルスルホニル等が挙げられる。
「アルキルスルフィニル基」としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルキルスルフィニル基等が挙げられる。具体的には、例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、プロピルスルフィニル、2-メチルエチルスルフィニル又はブチルスルフィニル等が挙げられる。
「アルキルアミノ基」としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルキルアミノ基等が挙げられる。具体的には、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、2−メチルエチルアミノ又はブチルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ基」における2つのアルキルは同一もしくは異なっていてもよく、ジアルキルアミノ基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のジアルキルアミノ基等が挙げられる。具体的には、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ又はエチルプロピルアミノ等が挙げられる。
「アルキル基」、「アルコキシ基」および「アルキレン」の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルコキシ基、C−Cアルコキシカルボニル基、またはヘテロアリールスルホニル基等が挙げられる。
「ハロアルキル基」としては、例えば、1〜5個の同一または異なるハロゲン原子で置換されたC−Cアルキル基等が挙げられる。具体的には、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、またはペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
「ハロアルコキシ基」としては、例えば、1〜5個の同一または異なるハロゲン原子で置換されたC−Cアルコキシ基等が挙げられる。具体的には、例えば、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシまたはペンタフルオロエトキシ基等が挙げられる。
「アリール基」としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられ、具体的には例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」としては、例えば、0〜2個の窒素原子、0〜1個の酸素原子及び0〜1個の硫黄原子から選択される、1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員の単環性もしくは2環性のヘテロアリール基等が挙げられる。具体的には、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアトリアゾリル、ベンゾフラニル、チアジアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニルまたはオキサゾリル等が挙げられる。
「ヘテロアリールスルホニル基」のヘテロアリール部分としては、前記と同様のものが挙げられる。
「飽和複素環基」としては、例えば、0〜2個の窒素原子、0〜1個の酸素原子及び0〜1個の硫黄原子から選択される、1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員の飽和複素環基等が挙げられる。具体的には、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソイミダゾリジニル、テトラヒドロトリアゾロアゼピニル、オキソジヒドロアクリジニル、テトラヒドロシクロペンタクロメニル、オキソベンゾキサチオリル、ジヒドロインデニル、またはオキソアゼパニル等が挙げられる。
シクロアルキル基および飽和複素環基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、カルボキシ基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルコキシ基、C−Cアルコキシカルボニル基、アリール基、またはヘテロアリールスルホニル基等が挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、カルボキシ基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基、C−Cアルキルスルホニル基、C−Cアルキルスルフィニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、または式:−R−R−R等が挙げられる。
としては、例えば、単結合、置換もしくは無置換のC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレン等が挙げられる。
当該C−Cアルキレンの置換基としては、例えば、C−Cアルキル基等が挙げられる。
としては、例えば、単結合、酸素原子、−SO−、−CO−、−COO−、−NR−、−NRCO−、−NRCOO−、−CONR−、または−NRSO−(Rとしては、例えば、水素原子、C−Cアルキル基、またはベンジル等が挙げられる。)等が挙げられる。
としては、例えば、水素原子、アミノ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または飽和複素環基等があげられる。
当該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、および飽和複素環基は、さらに、ハロゲン原子、水酸基、チオール、アミノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルキルアミノ基、ジC−Cアルキルアミノ基、カルボキシ基、カルボキシC−Cアルキル基、カルバモイル基、シアノ基、またはC−Cアルコキシカルボニル基等で置換されていてもよい。
薬学上許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。例えば、酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、またはパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられ、さらにはアルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸などの塩基性あるいは酸性アミノ酸といったアミノ酸塩が挙げられる。
また、本発明には、式(1)で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩が含まれる。また、これらの水和物またはエタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる。さらに、本発明は、本発明化合物(1)のあらゆる互変異性体、存在するあらゆる立体異性体、およびあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
以下に、本発明における式(1)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
式(1)で表される化合物は公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えば、次の方法により合成できる。
式(1)で表される化合物またはその塩は、例えば、以下の方法に従って製造することができる。
製造法1
Y−Zが−CH−CH−である化合物(A−3a)は、例えば下記方法により製造される
Figure 2010241771
[式中、n、RおよびRは前記と同義である。]
化合物(A−2)は、化合物(A−1)から、溶媒存在下、代表的にはボラン試薬存在下、化合物(A−5)と還元的アミノ化反応を行うことにより合成できる。
好ましいボラン試薬としては、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、2−ピコリン・ボラン等が挙げられる。アミン誘導体の使用量としては、例えば化合物(A−1)に対して、通常1当量〜1.5等量の範囲が挙げられる。またボラン試薬の使用量としては、例えば化合物(A−1)に対して、通常1.2当量〜2.0等量の範囲が挙げられる。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、メタノールまたはジクロロメタン等が挙げられる。酸または塩基を添加することもあり、酸としては酢酸等が、塩基としてはトリエチルアミンなどが挙げられる。反応温度としては、例えば約−78℃〜約100℃の範囲が挙げられる。
製造法2
Figure 2010241771
[式中、n、RおよびRは前記と同義である。]
化合物(A−3a)は、化合物(A−2)から、不活性溶媒存在下、ナトリウム試薬(例えば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、カリウム試薬(tert-ブトキシカリウム 、炭酸カリウムなど)の塩基で処理することによって合成できる。好ましい塩基としては炭酸カリウム等が挙げられ、その使用量としては、化合物(A−2)に対して通常1.5〜3当量の範囲から選択される。溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、またはテトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、例えば約0℃〜約140℃の範囲が挙げられる。
製造法3
Y−Zが−CH=N−、−N=CH−または−CH=CH−である化合物(A−3b)は、例えば下記方法により製造される
Figure 2010241771
[式中、n、RおよびRは前記と同義である。]
化合物(A−3b)は、化合物(A−4)から、不活性溶媒中、代表的には光延反応や塩基存在下においてアルキル化反応を行うことにより製造することができる。好ましくは光延反応等が挙げられ、ホスフィンとアゾ化合物、またはホスホランの存在下、化合物(A−6)と反応させることにより合成できる。
好ましいホスフィン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィン等が挙げられる。アゾ化合物としては、例えばジエチルアゾジカルボキシラートまたはN,N,N’,N’-テトラメチルアゾジカルボキサミド等が挙げられる。ホスホラン試薬としては、例えばシアノメチレン−n−トリブチルホスホラン等が挙げられる。ホスフィン化合物の使用量としては、例えば化合物(A−1)に対して、通常1当量〜1.5等量の範囲が挙げられる。またアゾ化合物の使用量としては、例えば化合物(A−1)に対して、通常1当量〜1.5等量の範囲が挙げられる。ホスホランの使用量としては、例えば化合物(A−1)に対して、通常1当量〜1.5等量の範囲が挙げられる。アルコール誘導体の使用量としては、例えば化合物(A−1)に対して、通常1当量〜2等量の範囲が挙げられる。不活性溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、トルエンまたはベンゼン等が挙げられる。反応温度としては、例えば約−78℃〜約100℃の範囲が挙げられる。
製造法4
Xが酸素原子である化合物(1a)は、例えば下記方法により製造される
Figure 2010241771
[式中、n、R、RおよびRは前記と同義である。]
化合物(1a)は溶媒中、式:HORで表される化合物をナトリウム試薬(例えば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、カリウム試薬(tert-ブトキシカリウム、炭酸カリウムなど)の塩基で処理した後に、工程2または3で合成した化合物(A−3)を反応させることで合成できる。好ましい塩基としては炭酸カリウム等が挙げられ、その使用量としては、化合物(A−3)に対して通常1.5〜3当量の範囲から選択される。HOLの使用量としては、例えば化合物(A−3)に対して通常1〜過剰量が挙げられる。溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、またはテトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、例えば約0℃〜約140℃の範囲が挙げられる。
製造法5
XがNRを表し、かつRが置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基である化合物(1b)は、例えば下記方法により製造される
Figure 2010241771
[式中、n、Y、Z、R、R、RおよびRは前記と同義である。]
化合物(1b)は溶媒中、パラジウム錯体(例えばジベンジリデンパラジウム、パラジウム(II)クロライド、パラジウム(II)アセテートなど)、ホスフィン配位子(例えばトリフェニルホスフィン、トリt-ブチルホスフィン、DPPF,BINAPなど)、塩基(例えば炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、tert-ブトキシカリウム、トリエチルアミンなど)の存在下、工程2又は3で合成した化合物(A−3)と、式:HNRで表される化合物を反応させることで合成できる。好ましいパラジウム錯体としてはジベンジリデンパラジウム錯体等が挙げられ、その使用量は化合物(A−3)に対して通常0.05〜1当量の範囲から選択される。配位子としては通常BINAP等が挙げられ、その使用量はパラジウム錯体に対して通常1〜4当量の範囲から選択される。塩基としては炭酸カリウム等が挙げられ、その使用量としては、化合物(A−3)に対して通常1.5〜3当量の範囲から選択される。HNRの使用量としては、例えば化合物(A−3)に対して通常1〜過剰量が挙げられる。溶媒としては、例えばトルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、またはテトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、例えば約0℃〜約140℃の範囲が挙げられる。
製造法6
XがNRを表し、かつ、製造法5で述べた以外の化合物(1c)は、下記方法により製造される
Figure 2010241771
[式中、n、R、R、RおよびRは前記と同義である。]
化合物(1c)は溶媒中、式:HNRで表される化合物を、ナトリウム試薬(例えば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、カリウム試薬(tert-ブトキシカリウム、炭酸カリウムなど)の塩基で処理した後に、工程2または3で合成した化合物(A−3)を反応させることで合成できる。好ましい塩基としては炭酸カリウム等が挙げられ、その使用量としては、化合物(A−3)に対して通常1.5〜3当量の範囲から選択される。HNRの使用量としては、例えば化合物(A−3)に対して通常1〜過剰量が挙げられる。溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、またはテトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、例えば約0℃〜約140℃の範囲が挙げられる。
本発明の式(1)の化合物において、1つ以上の不斉点がある場合、通常の方法に従って、その不斉点を有する原料を用いるか、または途中の段階で不斉を導入することにより製造することができる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割などを行うことで得ることができる。光学分割法として例えば、式(1)の化合物もしくはその中間体を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、もしくは2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、またはアセトニトリル等の非プロトン系溶媒、及びこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、 N−ベンジルオキシアラニン 、もしくは乳酸等のモノカルボン酸、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸もしくはリンゴ酸等のジカルボン酸、またはカンファースルフォン酸もしくはブロモカンファースルフォン酸等のスルホン酸)と塩を形成させるジアステレオマー法により行うことができる。
式(1)の化合物もしくはその中間体がカルボキシ基等の酸性官能基を有する場合は、光学活性なアミン(例えばα−フェネチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネ等の有機アミン)と塩を形成させることにより行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し収率を向上させることができる。光学活性な酸、またはアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン系溶媒及びこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸または塩基で処理しフリー体として得ることもできる。
以上において使用した原料や試薬などは、特にことわらない限り、市販の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法を用いて製造することができる。本発明の縮合ピリミジン化合物、その中間体、又はその原料化合物が官能基を有している場合、必要に応じて、適当な工程、すなわち製造法1、2,3又は4で示された各製造方法の途中の段階等で、当業者の常法に従い、増炭反応、置換基導入反応、又は官能基変換反応等を行うことができる。これらについては「実験化学講座(日本化学会編、丸善)」、又は「コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーション、R.C.ラロック著、(VCH パブリッシャーズ,Inc、1989)」等に記載された方法等を用いることができる。増反反応としては、例えば、エステル基を水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いてヒドロキシメチル基とした後、脱離基を導入し、シアノ基を導入する方法等が挙げられる。官能基変換反応としては、例えば、酸ハライド、スルホニルハライド等を用いてアシル化又はスルホニル化を行う反応、ハロゲン化アルキル等のアルキル化剤を反応させる反応、加水分解反応、Friedel-Crafts反応やWittig反応等の炭素-炭素結合形成反応、酸化もしくは還元反応等が挙げられる。
また、本発明の化合物、またはその中間体及び各反応の原料化合物がアミノ基、カルボキシル基、水酸基、またはオキソ基等の官能基を有している場合、必要に応じて反応させたい部位以外のこれらの基を予め適当な保護基で保護しておき、それぞれの反応を実施した後またはいくつかの反応を実施した後に保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。好適な保護基、保護する方法、および脱保護する方法としては、「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd Edition (John Wiley & Sons, Inc.;1990)」等に詳細に記載されている。
本発明における「高血糖症」とは、健常者の早朝空腹時血糖が60〜100mg/dLであるのに対し、血糖値が健常時に調節される範囲を超えて上昇することを意味する。
本発明化合物は、優れた血糖低下作用を有しているので、哺乳動物(例えば、ヒト,マウス,イヌ,ラット,ウシなど)に対して安全な糖尿病の予防および/または治療剤として使用できる。本発明化合物は、食後高血糖抑制剤ならびに耐糖能異常または空腹時血糖異常である者の糖尿病の予防および/または治療剤として使用できる。例えば、糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖異常、糖尿病性合併症(例えば、網膜症、神経障害、腎症など)、肥満症、高インスリン血症、膵炎、慢性肝疾患、先端巨大症、クッシング症候群、褐色細胞腫、グルカゴノーマ、甲状腺機能亢進症などの予防に有用である。
本願発明における「糖尿病」とは、空腹時血糖値が126mg/dL以上、あるいは75gブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値が200mg/dL以上の状態を意味する。
耐糖能異常とは、75g ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値が140〜200mg/dLであるものをいう。
空腹時血糖異常とは空腹時血糖値が100〜126mg/dLの範囲のものをいう。
メタボリックシンドロ−ムとは耐糖能異常、高脂血症、高血圧を合併する動脈硬化易発症状態をいう。具体的には、現在の基準においては、ウエストが男性で85cm以上、女性で90cm以上であり、かつ以下の3項目のうち2項目以上に該当するものをいう。
1.中性脂肪値 150mg/dL以上、HDL(高密度リポ蛋白)コレステロール値 40mg/dL未満のどちらか(または両方)
2.最高血圧 130mmHg以上、最低血圧 85mmHg以上のどちらか(または両方)
3.空腹時血糖値110mg/dL以上
これらの予防・治療剤の投与経路は経口、非経口のいずれでもよい。
本発明化合物を前記治療剤(医薬)として用いる場合、本発明化合物の含有量は、医薬全体の0.1〜100重量%である。
本発明化合物および本発明化合物を含有する医薬の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、例えば、これらを糖尿病などの治療薬として成人(約60kg)に経口投与する場合、本発明化合物として、約0.1〜500mg、好ましくは約1〜100mg、さらに好ましくは5〜100mg投与することが好ましい。これらの量は1日1回〜数回に分けて投与することができる。
本発明化合物および本発明化合物を含有する医薬は、食前投与、食間投与または食後投与のいずれでもよい。
本発明で用いられる製剤は、活性成分として本発明化合物以外の薬学上許容される成分を含有していてもよい。この成分としては、例えば、賦形剤、安定剤などが挙げられる。これらの成分は本発明の目的が達成される限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能である。剤形の具体例としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、カプセル剤(マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、吸入剤、軟膏、点眼剤などが用いられる。これらの製剤は常法(例えば日本薬局方記載の方法など)に従って調製される。
本発明の化合物は、投与形態については特に限定は無く、経口又は非経口的に投与される。経口投与用の製剤としては、例えば、カプセル剤、散剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤等を挙げることができ、非経口投与用の製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、点眼剤、直腸内投与剤、吸入剤、噴霧剤(スプレー剤、エアゾル剤、または吸入器もしくは通気器用カートリッジ噴霧用の水剤/懸濁剤等)、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、点耳剤、テープ剤、経皮パッチ製剤、湿布剤、外用散剤等を挙げることができる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、崩壊剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張剤、界面活性剤、防腐剤、香料等を含有することができ、2種以上の製剤用添加物を適宜用いることができる。
経口投与用製剤のうち、乳剤及びシロップ剤等の液体製剤は、水;ショ糖、ソルビット、果糖等の糖類;ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類;p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤;ストロベリーフレーバー、ペパーミントフレーバー等のフレーバー類等の製剤用添加物を用いて製造することができる。カプセル剤、錠剤、散剤及び顆粒剤等の固形製剤は、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニット等の賦形剤;デンプン、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤;ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤;脂肪酸エステル等の界面活性剤;グリセリンなどの可塑剤等を用いて製造することができる。
非経口投与用製剤のうち、注射剤、点滴剤、点眼剤、点耳剤等の形態の液体製剤は、好ましくは滅菌された等張の液体製剤として調製できる。例えば、注射剤は塩溶液、ブドウ糖溶液、又は塩水とブドウ糖溶液との混合物からなる水性媒体を用いて調製することができる。直腸内投与剤は例えばカカオ脂等の担体を用いて調製することができる。通常は坐剤の形態として調製することができる。
軟膏、クリーム剤およびゲル剤には通常 0.01 〜 10w/w% の本発明の化合物が含まれ、水性または油性基剤に好適な増粘剤及び/またはゲル化剤及び/または溶媒を添加してもよい。例えば、該基剤としては、水及び/または液体パラフィンなどの油または落花生油もしくはヒマシ油などの植物油、またはポリエチレングリコールなどの溶媒が挙げられる。増粘剤及びゲル化剤としては、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、蜜蝋、カルボキシポリメチレン及びセルロース誘導体及び/またはモノステアリン酸グリセリル及び/または非イオン性乳化剤が挙げられる。
ローション剤には通常 0.01 〜 10w/w% の本発明の化合物が含まれ、水性または油性基剤で処方してもよく、一般に乳化剤、安定剤、分散剤、沈殿防止剤、または増粘剤を含んでいてもよい。
外用散剤には通常 0.01 〜 10w/w% の本発明の化合物が含まれ、好適な粉末基剤、例えば、タルク、乳糖、またはデンプンによって形成してもよい。
点滴薬は水性または非水性基剤で処方してもよく、分散剤、可溶化剤、沈殿防止剤または防腐剤を含んでいてもよい。
スプレー剤は、例えば好適な液化噴射剤を使用して、水溶液もしくは懸濁液として、または計量用量吸入器のような加圧パックから送達されるエアゾルとして処方してもよい。
吸入に適したエアゾル剤は、懸濁液または溶液のいずれかであってよく、一般に本発明の化合物およびフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物などの適切な噴射剤、特にヒドロフルオロアルカン、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合物を含む。エアゾル剤は所望により界面活性剤、例えばオレイン酸またはレシチンおよび共溶媒、例えばエタノールなどの当技術分野で十分公知のさらなる調剤賦形剤を含んでもよい。
具体的には、錠剤の製造法は、本発明の化合物をそのまま、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなど)、結合剤(例えば、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)、崩壊剤(乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなど)もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和したものを、適当な方法で顆粒とした後、滑沢剤などを加え、圧縮成型するかまたは、本発明の化合物をそのまま、または賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和したものを、直接圧縮成型して製するか、またはあらかじめ製した顆粒にそのまま、もしくは適当な添加剤を加えて均等に混合した後、圧縮成型しても製造することもできる。注射剤の製造法は、本発明化合物の一定量を、水性溶剤の場合は注射用水、生理食塩水、リンゲル液など、非水性溶剤の場合は通常植物油などに溶解、懸濁もしくは乳化して一定量とするか、または本発明化合物の一定量をとり注射用の容器に密封して製することができる。
経口用製剤担体としては、例えば、デンプン、D−マンニトール、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの製剤分野において常用されている物質が用いられる。
注射用担体としては、例えば、蒸留水、生理食塩水、グルコース溶液、輸液剤などが用いられる。その他、製剤一般に用いられる添加剤を適宜添加することもできる。
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤など)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩酸塩、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、GI−262570、JTT−501、MCC−555、YM−440、KRP−297、CS−011等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、メトホルミン等)、インスリン分泌促進剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等のスルホニルウレア剤;レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤(例、シタグリプチンまたはそのリン酸塩、ビルダグリプチン、アログリプチンまたはその安息香酸塩、デナグリプチンまたはそのトシル酸塩等)、GLP−1、GLP−1アナログ(エキセナタイド、リラグルタイド、SUN−E7001、AVE010、BIM−51077、CJC1131等)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、β3アゴニスト(例、GW−427353B、N−5984等)が挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポレスタット、ミナレスタット、フィダレスタット、ラニレスタット、SK−860、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3、BDNF等)、PKC阻害剤(例、LY−333531等)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン等)が挙げられる。抗高脂血症剤としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらのナトリウム塩等)、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤等が挙げられる。降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、リジノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、シラザプリル、テモカプリル、トランドラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン、シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサンタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン等)、カルシウム拮抗剤(例、塩酸ニカルジピン、塩酸マニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、アムロジピン等)等が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、SR−141716A等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等が挙げられる。利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
併用薬剤は、好ましくはGLP−1、GLP−1アナログ、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、DPP-IV阻害剤などである。上記併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
本発明化合物が、併用薬剤と組み合せて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。特に、ビグアナイド剤は通常の投与量よりも低減できる。したがって、これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は安全に防止できる。それに加えて、糖尿病合併症剤、抗高脂血症剤、降圧剤などの投与量は低減でき、その結果これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は効果的に防止できる。
以下において、参考例、実施例、および薬理試験例により本発明をより具体的にするが、この発明はこれらに限定されるものではない。なお、化合物の同定は、NMRスペクトル、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)などにより行った。
本明細書におけるNMRは、JEOL JNM-ALシリーズAL300およびAL400を用いて測定した。
本明細書において次の略号を使用することもある。
NMRデータおよび参考例ならびに実施例においては以下の略号を使用する。
s : シングレット(singlet)
d : ダブレット(doublet)
t : トリプレット(triplet)
m : マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J : カップリング定数(coupling constant)
Hz : ヘルツ(Hertz)
CDCl3: 重クロロホルム
DMSO−d6: 重ジメチルスルホキシド
THF : テトラヒドロフラン
DMF : N,N−ジメチルホルムアミド
Me : メチル
Et : エチル
t−Bu:1,1−ジメチルエチル
Ph:フェニル
Boc:t−ブトキシカルボニル
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
PPh:トリフェニルホスフィン
DMAP:4-ジメチルアミノピリミジン
WSCI:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド
以下に本発明を、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
参考例1
tert-butyl [4-(4-chloro-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-7-yl)cyclohexyl]carbamate
tert-ブチル [4-(4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキシル] カルバメート
Figure 2010241771
4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン(461 mg, 3.0 mmol)と tert-ブチル (4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート(645 mg, 3.0 mmol)のトルエン(20 mL)懸濁液 にnBu3P=CHCNのトルエン(0.5M)溶液(12 mL)を室温で加えた。反応溶液を 90℃に加熱し、8時間攪拌した。室温まで放冷し水を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出した後、Na2SO4で乾燥した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し標題化合物を得た(179 mg, 17%)。
1H-NMR (CDCl3):δ 8.62(s, 1H), 7.38 (d, J=3.6 Hz, 1/2H), 7.32 (d, J=3.6 Hz, 1/2H), 6.62 (d, J=3.6 Hz, 1H), 4.87 (brs, 1/2H), 4.76-4.68 (m, 1H), 4.52 (brs, 1/2H), 3.94 (brs, 1/2H), 3.60 (brs, 1/2H), 2.23-1.81 (m, 8H), 1.48 (s, 9H).
参考例2
2-Fluoro-4-methylsulfonylphenol
2-フルオロ-4-メチルスルホニルフェノール
Figure 2010241771
4-ブロモ-3-フルオロフェノール(7.98 g, 42 mmol)のDMSO (22 ml)溶液に0℃でメタンスルフィン酸ナトリウム(8.58 g, 84 mmol)、ヨウ化銅(I) (1.6 g, 8.4 mmol)、プロリン(1.93 g, 16.8 mmol)、水酸化ナトリウム(0.67 g, 16.8 mmol)を加えた。反応溶液を100℃で17時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗った後、Na2SO4で乾燥した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し標題化合物を得た(2.08 g, 26%)
1H-NMR (CDCl3):δ 7.70-7.63(m, 2H), 7.15 (dd, J=8.4, 8.4 Hz, 1H), 5.86 (d, J=4.2 Hz, 1H), 3.03 (s, 3H).
実施例1
tert-butyl (4-{4-[2-fluoro-4-(methylsulfonyl)phenoxy]-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-7-yl}cyclohexyl)carbamate
tert-ブチル (4-{4-[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェノキシ]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル}シクロヘキシル)カルバメート
Figure 2010241771
参考例1の化合物(179 mg, 0.510 mmol)と参考例2の化合物(194 mg, 1.020 mmol)のDMF (3 mL)溶液にK2CO3 (141 mg, 1.020 mmol) を室温で加えた。反応混合物を120℃に加熱し、12時間攪拌した。室温まで放冷し水を加え、酢酸エチル(100 mL)で抽出した後、Na2SO4で乾燥した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し標題化合物を得た(107 mg, 42%)。
1H-NMR (CDCl3):δ 8.39(s, 1H), 7.83 (m, 2H), 7.55 (m, 1H), 7.33 (d, J=3.6 Hz, 1/2H), 7.27 (d, J=3.6 Hz, 1/2H), 6.69 (d, J=3.6 Hz, 1H), 4.88 (brd, J=6.9 Hz, 1/2H), 4.77-4.71 (m, 1H), 4.52 (brd, J=6.9 Hz, 1/2H), 3.95 (brs, 1/2H), 3.65 (brs, 1/2H), 3.13 (s, 3H), 2.23-1.82 (m, 8H), 1.49 (s, 9H).
LC/MS:m/z=505(MH)
実施例2
tert-butyl (4-{4-[2-fluoro-4-(methylsulfonyl)phenoxy]-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-7-yl}cyclohexyl)methylcarbamate
tert-ブチル (4-{4-[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェノキシ]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル}シクロヘキシル)メチルカルバメート
Figure 2010241771
実施例1の化合物(79 mg, 0.157 mmol)のDMF (2 mL)溶液にtBuOK(35 mg, 0.313 mmol) を室温で加え、1時間攪拌した後、反応混合物にヨウ化メチル(27 mg, 0.188 mmol)を加え、2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル(50 mL)で抽出した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し標題化合物を得た(12 mg, 15%)。
1H-NMR (CDCl3):δ 8.39(s, 1H), 7.82 (m, 2H), 7.53 (m, 1H), 7.33 (d, J=3.6 Hz, 1/2H), 7.26 (d, J=3.6 Hz, 1/2H), 6.70 (m, 1H), 4.83 (brs, 1/2H), 4.75-4.70 (m, 1H), 3.96 (brs, 1/2H), 3.12 (s, 3H), 2.79 (s, 3H), 2.19-1.74 (m, 8H), 1.49 (s, 9H).
LC/MS:m/z=519(MH)
薬理試験例
ICRマウス(8週齢)より単離したランゲルハンス氏島を用いて本発明化合物のインスリン分泌促進能を試験した。実体顕微鏡を用いて単離した200個程度のランゲルハンス氏島を10%FBS添加細胞培養用培地で1時間培養した。さらに反応開始1時間前に低グルコース(2.8mM)のKrebs−Ringers Buffer(KRB)に入れ替えた。これを0.45mLの低グルコース(2.8mM)あるいは高グルコース(11.1mM)のKRBにて希釈した本発明化合物溶液の入った試験管にに4個/0.05mLずつ添加した。37℃で1時間加温した後、上清0.1mLをランゲルハンス氏島の混入がないように穏やかに回収した。回収液はインスリン定量まで−20℃にて保存した。インスリン定量はインスリンキット(セティ・メディカルラボ株式会社)にて実施した。
a) cAMP試験
HIT-T15細胞は大日本住友製薬株式会社より購入し、10%ウシ胎児血清を含むF-12培地で培養した。96穴プレートにHIT-T15細胞を20,000cells/0.1mL/wellでまき、37℃で72時間培養した。培地を除去し、直ちに0.1mLのstimulation buffer(0.1%BSA/1×Hank's/20mM HEPES(pH7.4))で洗浄した。溶液を除去し、薬剤希釈液(stimulation bufferに本発明化合物及び0.5mM IBMX含有)を0.05mL添加した。37℃で30分培養し、Lysis buffer(1%Triton X-100、50mM Phosphate buffer (pH7.0))を0.05mL添加して撹拌し細胞を溶解した。
HTRF試薬(HTRF cAMP Dynamic2、セティ・メディカルラボ株式会社)を用い、プロトコルに従って細胞溶解液のcAMPを定量した。測定には、EnVision(株式会社パーキンエルマージャパン社)を用いた。
結果を表1に示す。本発明化合物は、いずれも10μM以下の濃度でHIT-T15の細胞内cAMP上昇作用を示した。
Figure 2010241771
b) インスリン分泌試験
96穴プレートに、HIT-T15細胞を 20,000cells/0.1mL/wellでまき、37℃で72時間培養した。培地を除去し、0.1mLの0.1% bovine serum albumin 含有HEPES-balanced Krebs-Ringer bicarbonate buffer (pH 7.4) (KRBB) で1回洗浄した後、KRBBを 0.1mL/wellずつ添加し、37 ℃で60分培養した。次に、KRBBを除去し、16.7 mM glucose と本発明化合物を含む KRBB を 0.05mL/well添加し、37 ℃で60分培養した。60分後に上清を0.03mL回収した。
この回収液を 0.1%bovine serum albuminを含むPBS(-)で10倍希釈した後、インスリン測定キットであるInsulin bulk(セティ・メディカルラボ株式会社)とハムスターインスリン標準液(株式会社シバヤギ)を用いて添付プロトコルに従いインスリン濃度を定量した。測定には、EnVision(株式会社パーキンエルマージャパン)を用いた。
c) hERG阻害試験
hERG(human ether-a-go-go)遺伝子を安定発現させたCHO細胞(Cytomyx Limited)を用い、パッチクランプ法にて実施した。細胞はカバーガラスに接着させ、チャンバー内に設置し、灌流液〔組成(mmol/L):NaCl:137,KCl:4,CaCl2:1.8,MgCl2:1,glucose:10,HEPES:10,pH7.4、温度:25±1℃〕を流速2〜2.5 mL/minにて持続灌流した。位相差顕微鏡下で電極内液〔組成(mmol/L):KCl:130,MgCl2:1,EGTA:5,MgATP:5,HEPES:10,pH7.2〕を充填したガラス電極(2〜8 MΩ)を細胞にアタッチし、ホールセル状態にした。保持電位は-80 mVとし、脱分極パルスは+40 mVを1秒間、再分極パルスは-50 mVを2秒間として15秒間隔で繰り返した。hERG電流は、パッチクランプアンプからA/D コンバーターを介して、データ解析ソフトに導き、電圧固定モードにより測定および記録した。テール電流のピーク値が300 pA以上の細胞を試験に供し、被験物質は1細胞につき1濃度、1回、10分間以上適用した。
結果を表2に示す。本発明化合物の、hERG阻害活性IC50は10μM以上であった。
Figure 2010241771
本発明化合物は、インスリン分泌促進作用を有し、糖尿病治療薬として有用である。

Claims (12)

  1. 式(1):
    Figure 2010241771
    [式中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の飽和複素環基を表し、
    RおよびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の飽和複素環基、−C(=O)−R4、−C(=O)O−R4、−C(=O)NH−R4、−S(O)−R4または−S(O)2−R4を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、−CO−またはNRを表し、
    Y−Zは、−CH−CH−、−CH=N−、−N=CH−または−CH=CH−を表し、
    nは、0から4を表し、
    R4は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の飽和複素環基を表し、
    は、水素原子、または置換もしくは無置換のC1−C3アルキル基を表す。]
    で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
  2. 1が、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基である、請求項1記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  3. Y−Zが、−CH=CH−または−CH−CH−である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  4. Xが、酸素原子またはNR(Rは、請求項1記載と同義である。)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  5. が水素原子であり、R3が−C(=O)O−Rである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  6. nが3である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  7. Xが酸素原子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  8. 1が置換アリール基であり、該置換基が水酸基、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、またはC−Cアルキルスルホニル基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するインスリン分泌促進剤。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する高血糖症に起因する疾患の治療剤。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症、高インスリン血症、糖代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常またはアテローム性動脈硬化症に対する治療剤。
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