JP2010235084A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】これまで以上に応急走行寿命が向上したサイドウォール部強化型ランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】左右一対のビード部1と、ビード部1から夫々タイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、一対のビード部1間にトロイド状に延在してこれら各部を補強する一枚以上のカーカスプライからなるカーカス4と、サイドウォール部2においてカーカス4の内側に配置された断面三日月状のサイド補強ゴム層5と、を備えたランフラットタイヤである。サイドウォール部2を構成するゴム中に炭素繊維からなる短繊維が存在し、かつ、カーカス4を形成する繊維コードがポリケトン繊維コードである。
【選択図】図1

Description

本発明はランフラットタイヤに関し、詳しくは、これまで以上に応急走行寿命が向上したサイドウォール部強化型ランフラットタイヤを提供するに関する。
近年、タイヤ内部の空気圧低下後も応急走行し得る空気入りタイヤとして、カーカスの内方のサイドウォール部に断面三日月状の補強ゴム層を配設してなるランフラットタイヤが広く実用に供せられている。
しかしながら、カーカスの補強コードとしてレーヨン等のセルロース系繊維コードを用いた一般的なサイド補強タイプのランフラットタイヤは、セルロース系繊維の弾性率が十分に高くないため、ランフラット走行時のタイヤの撓みが大きく、また、ランフラット走行によりタイヤが高温になるとカーカスプライの剛性が低下して、タイヤの撓みが更に大きくなる。そのため、ランフラット走行末期のタイヤの故障の主因は、上記断面三日月状のサイド補強ゴム層の割れによるものであり、従来のサイド補強タイプのランフラットタイヤには、ランフラット走行での耐久距離の向上が望まれていた。
この問題に対し、特許文献1にはカーカスの補強コードとして特定の熱収縮応力を有するポリケトン繊維コードを用いることで、タイヤ重量を増加させることなく、ランフラット走行時のタイヤの撓みを抑制する技術が開示されている。これによれば、通常走行時の乗り心地を悪化させること無く、タイヤのランフラット耐久性を大幅に改善できる。しかしながら、特許文献2によれば、ポリケトン繊維の熱収縮応力は温度上昇に従い連続的に上昇するものの、100〜250℃付近でピークとなり、それ以上は温度が上昇するに従い熱収縮応力が低下するという報告もなされている。
特開2006−224952 特開2001−295134
上記事実によれば、サイド補強ゴム温度がポリケトン繊維の熱収縮応力のピーク値付近の温度では、ポリケトン繊維からなるカーカスの熱収縮応力によりランフラット走行時の撓みが抑制される。しかし、更にランフラット走行を継続してサイド補強ゴムが発熱し、カーカス周辺温度がポリケトン繊維の熱収縮応力のピーク温度を超えると、ポリケトン繊維の熱収縮応力が低下し始め、ポリケトン繊維による撓み抑制効果が減少して撓みが増加することになる。その結果として、ランフラット耐久性向上効果が十分に得られない場合がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、これまで以上に応急走行寿命が向上したサイドウォール部強化型ランフラットタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の知見を得るに至った。すなわち、ポリケトン繊維の特徴である熱収縮応力によるランフラット耐久向上効果を十分に得るためにはカーカス周辺温度をポリケトン繊維の熱収縮応力のピーク温度付近に保つ必要があり、その温度はタイヤコードとして望ましい物性のポリケトン繊維では150℃〜200℃の範囲である。
本発明者は、得られた上記知見に基づきさらに鋭意検討した結果、ランフラットタイヤのサイドウォール部を構成するゴムを下記構成とすることにより、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のランフラットタイヤは、左右一対のビード部と、該ビード部から夫々タイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在してこれら各部を補強する一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、前記サイドウォール部において前記カーカスの内側に配置された断面三日月状のサイド補強ゴム層と、を備えたランフラットタイヤにおいて、
前記サイドウォール部を構成するゴム中に炭素繊維からなる短繊維が存在し、かつ、前記カーカスを形成する繊維コードがポリケトン繊維コードであることを特徴とするものである。上記構成とすることにより、これまで以上に応急走行寿命が向上したサイドウォール部強化型ランフラットタイヤを得ることができる。
本発明においては、前記ポリケトン繊維コードは、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含むことが好ましい。これにより、タイヤとしての強度、耐熱性、ゴムとの接着性を十分に維持することができる。また、前記ポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力は0.1〜1.8cN/dtexの範囲であることが好ましい。これにより、ランフラット耐久性を良好に向上させることができる。さらに、前記ポリケトン繊維コードのポリケトン繊維原糸の引張強度は10cN/dtex以上であることが好ましい。これにより、繊維の使用量を減らすことができる。さらにまた、前記ポリケトン繊維コードのポリケトン繊維原糸の弾性率は200cN/dtex以上であることが好ましい。これにより、優れた形態安定性を得ることができる。また、前記ポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての150℃×30分乾熱処理時熱収縮率は1%〜5%の範囲であることが好ましい。これにより、出来上がりのタイヤの形状の悪化を防止することができる。
本発明においては、前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維はピッチ系炭素繊維からなることが好ましい。これにより、本発明の効果を良好に得ることができる。また、前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維のアスペクト比は5〜1000の範囲であることが好ましい。これにより、熱伝導率の確保と作業性の両立を図ることができる。さらに、サイドウォールに含まれる短繊維の含有率は1〜50体積%の範囲内であることが好ましい。これにより、熱伝導率の確保と作業性の両立が良好なものとなる。さらにまた、前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維の熱伝導率は100Wm−1−1以上であることが好ましく、これにより、本発明の効果を良好に得ることができる。また、前記サイドウォール部を構成するゴム中を構成する短繊維含有ゴムの熱伝導率は0.35〜1.5Wm−1−1の範囲であることが好ましい。熱伝導率が1.5Wm−1−1を超えるほど炭素繊維からなる短繊維を含有させると、ゴムの成型性が悪化してしまう。
本発明によれば、これまで以上に応急走行寿命が向上したサイドウォール部強化型ランフラットタイヤを提供することができる。
本発明のランフラットタイヤの一例の片側断面図である。
以下、図を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のランフラットタイヤの好適例の片側断面図であり、左右一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1、2、3を補強する一枚以上のカーカスプライからなるカーカス4と、サイドウォール部2のカーカス4の内側に配置した一対の断面三日月状サイド補強ゴム層5とを備える。
また、図示例のタイヤにおいては、ビード部1内に夫々埋設したリング状のビードコア6のタイヤ半径方向外側にビードフィラー7が配置されており、更に、カーカス4のトレッド部のタイヤ半径方向外側には二枚のベルト層からなるベルト8が配置されている。さらに、このベルト8のタイヤ半径方向外側でベルト8の全体を覆うようにベルト補強層9Aが配置され、更に、該ベルト補強層9Aの両端部のみを覆うように一対のベルト補強層9Bが配置されている。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト8を構成する。また、ベルト補強層9A,9Bは、通常、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなる。
なお、図示例のカーカス4は、平行に配列された複数の補強コードをコーティングゴムで被覆してなるカーカスプライ1枚から構成され、また、該カーカス4は、前記ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア6間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア6の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカス4のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。カーカスプライの補強コードとしては、レーヨンやナイロン、ポリエステル、ポリケトンなど種々のものを好適に使用することができる。更に、図示例のベルト8は、二枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト8を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。更に、本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト補強層9A,9Bの配設も必須ではなく、別の構造のベルト補強層を配設することもできる。
本発明においては、サイドウォール部2を構成するゴム中に炭素繊維からなる短繊維が存在し、かつ、カーカス4を形成する繊維コードがポリケトン繊維コードであることが肝要である。サイドウォール部2を構成するゴム中に炭素繊維からなる短繊維が存在することにより、サイドウォール部2の熱伝導率が大きくなり、サイド補強ゴム層5で発生した熱を効率よく放散させることができる。これにより、サイド補強ゴム層5の温度をポリケトンの熱収縮応力のピーク温度である150〜200℃範囲に維持するこが可能となり、その結果、サイドウォール補強型のランフラットタイヤの応急相応寿命を向上させることが可能となる。
まず、サイドウォール部2を構成するゴム中に含まれる炭素繊維からなる短繊維について説明する。サイドウォール部2に含まれる炭素短繊維は、熱伝導率の高さからピッチ系炭素繊維であることが好ましい。ピッチ系の炭素繊維は、熱伝導率が高く、また高い剛性を有しているため本発明における炭素繊維として好適に用いることができるためである。
また、短繊維のアスペクト比は5〜1000の範囲が好ましい。アスペクト比が5未満となるとゴム中に分散した際の繊維間の距離が長くなり、十分な熱伝導性が得られず、本発明の効果を良好に得ることができない。一方、アスペクト比が1000を超えると、ゴム中への分散が悪化し、均一な熱伝導性を得られず、やはり、本発明の効果を良好に得ることができない。
さらに、サイドウォール部2を構成するゴム中に含まれる短繊維の含有率は1〜50体積%の範囲内であることが好ましい。1%未満では十分な熱伝導性を得られず、本発明の効果を良好に得ることができない。一方、50%を超えるとゴムの成形性が悪化してしまい、実用的に用いることが困難となってしまう。
さらにまた、サイドウォール部2を構成するゴムに含まれる短繊維の熱伝導率は100Wm−1−1以上であることが好ましい。短繊維の熱伝導率が100Wm−1−1未満ではサイドウォール部2を構成するゴムに含有させても、十分な熱伝導率が得られず、本発明の効果を良好に得ることができない。
なお、サイドウォール部2を構成する短繊維含有ゴムの熱伝導率としては、0.35〜1.5Wm−1−1の範囲であることが好ましい。0.35Wm−1−1未満では熱伝導率が不十分であり、1.5Wm−1−1を超えるまで炭素繊維を混入するとゴムの成形性が悪化してしまうためである。
次に、カーカス4を形成するポリケトン繊維コードについて説明する。
本発明に係るポリケトン繊維コードは、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本撚り合わせてなり、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含まれることが好ましい。より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%含まれ、高温下で収縮し、室温に戻すと伸長する可逆性を有する。50質量%未満だと、タイヤとしての強度、耐熱性、ゴムとの接着性のいずれかの性能が不十分となるおそれがあるためである。
また、ポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力は、0.1〜1.8cN/dtex、好ましくは0.4〜1.6cN/dtex、より好ましくは0.6〜1.4cN/dtexの範囲である。これにより、ランフラット走行時のタイヤの撓みを抑制し、その結果として、タイヤのランフラット耐久性を良好に向上させることができる。最大熱収縮応力が0.1cN/dtex未満の場合には、ランフラット走行耐久性を十分に向上させることができない。一方、最大熱収縮応力が1.8cN/dtexを超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
さらに、ポリケトン繊維コードのポリケトン繊維原糸の引張強度が10cN/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは15cN/dtex以上である。引張強度が10cN/dtex未満の場合、タイヤとしての強度が不十分となるおそれがある。また、引張強度が高いほど使用する繊維の重量を少なくすることができる。
さらにまた、引張弾性率は高いほど同一荷重下での寸法変化が小さく、形態安定性に優れていため、ポリケトン繊維コードのポリケトン繊維原糸の引張弾性率が200cN/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは250cN/dtex以上である。引張弾性率が200cN/dtex未満の場合、ランフラット走行耐久性を十分に向上させることができない。なお、引張強度および引張弾性率は、JIS−L−1013に準じて測定することにより得られる値であり、引張弾性率は伸度0.1%における荷重と伸度0.2%における荷重から算出した初期弾性率の値である。
また、本発明においては、ポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%〜5%の範囲であることが好ましい。ディップ処理済みコードとして、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が5%を超えると、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。なお、乾熱処理時熱収縮率とは、同様のディップ処理済みコードに対しオーブン中で150℃、30分の乾熱処理を行ない、熱処理前後のコード長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測して下式により求められる値である。
乾熱処理時熱収縮率(%)={(Lb−La)/Lb}×100
但し、Lbは熱処理前のコード長、Laは熱処理後のコード長である。また、ポリケトン繊維における引張強度および引張弾性率は、JIS−L−1013に準じて測定することにより得られる値であり、引張弾性率は伸度0.1%における荷重と伸度0.2%における荷重から算出した初期弾性率の値である。
サイドウォール部2を構成するゴムによってカーカス4周辺温度をポリケトン繊維の最大熱収縮応力付近に維持し、ランフラットタイヤの撓み抑制効果を得るにあたり、
ポリケトン繊維コードが下記式(I)及び式(II):
σ≧−0.01×E+1.2・・・(I)
σ≧0.02・・・(II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]
の条件を満たすことが好ましい。ここで、上記ポリケトン繊維コードの177℃における熱収縮応力σは、一般的なディップ処理を施した加硫前のポリケトン繊維コードの25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する応力であり、また、上記ポリケトン繊維コードの25℃における49N荷重時の弾性率Eは、JISのコード引張り試験による伸び−引張応力曲線の49N時の接線から算出した単位cN/dtexでの弾性率である。
また、ポリケトン繊維コードは、下記式(III):
Nt=tanθ=0.001×N×(0.125×D/ρ)1/2・・・(III)
[式中、Nは撚り数(回/10cm)で、ρはコードの比重(g/cm)で、Dはコードの総デシテックス数(dtex)である]
で定義される撚り係数(Nt)が0.34以上であることが好ましい。
ここで、撚り数Nは、上記フィラメント束を複数本撚り合わせる際の撚り数である。Ntが0.34未満であると、疲労性が著しく低下し、耐久性が不足するおそれがある。
さらに、本発明においては、カーカスプライにおけるポリケトン繊維コードの打ち込み数が35〜60(本/50mm)であることが好ましい。カーカスプライにおけるポリケトン繊維コードの打ち込み数が35(本/50mm)未満では、カーカス強度が不足して、耐久性が不足する。なお、打ち込み数が60(本/50mm)を超えても、打ち込み可能であれば、特に制限されない。
さらにまた、ポリケトン繊維コードは、繊度が500〜2000dtexのポリケトンからなるフィラメント束を2本又は3本撚り合わせてなるものであることが好ましい。例えば、上記ポリケトンからなるフィラメント束に下撚りをかけ、次いでこれを複数本合わせて、逆方向に上撚りをかけることで、双撚り構造の撚糸コードとして得ることができる。ポリケトン繊維コードに用いるフィラメント束の繊度が500dtex未満では、弾性率・熱収縮応力共に不十分であり、2000dtexを超えると、コード径が太くなり、打ち込みを密にできない。なお、ポリケトンからなるフィラメント束の本数が1本であっても、4本以上であっても、撚り係数(Nt)が0.34以上であれば、特に制限されない。
さらにまた、ポリケトンは、下記一般式(IV):
Figure 2010235084
[式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表わされる繰り返し単位から実質的になることが好ましい。本発明においては、式(IV)中のAがエチレン基であることが特に好ましい。
本発明のランフラットタイヤは、上記要件を満足することのみが重要であり、それ以外のタイヤ構造の詳細や材料などについては特に制限されるものではなく、常法により製造することができる。また、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1、2および比較例1〜4)
下記表1、2に示す材質、最大熱収縮応力、原糸引張強度、原糸弾性率、乾熱処理時熱収縮率を有する繊維コードをカーカスコードとして、図1に示すタイプのサイド補強タイプのランフラットタイヤを作製した。サイドウォール部には、同表に示すアスペクト比、熱伝導率を有する炭素繊維(日本グラフトファイバー社 GRANOC XN100)を用いて、同表に示す所定の炭素繊維含有量、熱伝導率を有するゴムを用いた。得られたランフラットタイヤのランフラット耐久性を下記の方法により評価し、結果を下記表1、2に併記した。なお、タイヤサイズは、225/60R17である。
(ランフラット耐久性)
ランフラット耐久性は供試タイヤに内圧を充填することなくドラム試験を行うことで評価した。ランフラット耐久性はタイヤが故障に至るまでの走行距離を測定し、比較例1のタイヤが故障に至るまでの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きいほど、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット性に優れていることを示す。なお、ドラム試験条件は、荷重6.47kN、速度89km、温度38度とした。
Figure 2010235084
※1 150℃×30分における乾熱処理時熱収縮率
Figure 2010235084
実施例1、2および比較例1〜4の結果より、サイドウォール部を構成するゴム中に炭素繊維からなる短繊維を含有させ、カーカス材としてポリケトン繊維を用いることによりランフラット耐久性が向上していることがわかる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 サイド補強ゴム層
6 ビードコア
7 ビードフィラー
8 ベルト
9A,9B ベルト補強層

Claims (11)

  1. 左右一対のビード部と、該ビード部から夫々タイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在してこれら各部を補強する一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、前記サイドウォール部において前記カーカスの内側に配置された断面三日月状のサイド補強ゴム層と、を備えたランフラットタイヤにおいて、
    前記サイドウォール部を構成するゴム中に炭素繊維からなる短繊維が存在し、かつ、前記カーカスを形成する繊維コードがポリケトン繊維コードであることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記ポリケトン繊維コードが、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記ポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲である請求項1または2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記ポリケトン繊維コードのポリケトン繊維原糸の引張強度が10cN/dtex以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記ポリケトン繊維コードのポリケトン繊維原糸の弾性率が200cN/dtex以上である請求項1〜4のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記ポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%〜5%の範囲である請求項1〜5のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維がピッチ系炭素繊維からなる請求項1〜6のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  8. 前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維のアスペクト比が5〜1000の範囲である請求項1〜7のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  9. 前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維の含有率が1〜50体積%の範囲内である請求項1〜8のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  10. 前記サイドウォール部を構成するゴム中に含まれる短繊維の熱伝導率が100Wm−1−1以上である請求項1〜9のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  11. 前記サイドウォール部を構成するゴム中を構成する短繊維含有ゴムの熱伝導率が0.35〜1.5Wm−1−1の範囲である請求項1〜10のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
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