JP2010230834A - 光学センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】波面センサーの場合、波面の傾きの分解能と平面分解能がトレードオフの関係に有り、光線センサーの場合、光線方向の分解能と、平面分解能がトレードオフの関係に有り、両者を同時に高精細に検出するには限界がある。
【解決手段】マイクロレンズアレイ2と、所定のピッチで少なくとも一次元に配置された検出素子6とを備える光学センサー1において、マイクロレンズアレイ2を構成するそれぞれのマイクロレンズからの光の検出素子6への照射位置を前記所定ピッチの方向に変位させることができる光偏向素子を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、液晶光学素子とそれを用いた光センサーに関し、特に、液晶層セル内にマイクロレンズアレイ構造を持ち、液晶層を挟む透明電極を用いて液晶を駆動することにより光学特性を可変とする液晶マイクロレンズアレイと、それを用い、波面及び光線方向を検出する光センサーに関するものである。
液晶光学素子の代表的な例として液晶レンズの様なレンズパワー可変のレンズが知られている。例えば、複数の輪帯電極を用い、液晶に印加する電圧の面内分布を変化させ、屈折率分布を形成し、レンズパワーを変更し、焦点を合わせる機構が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、特許文献1に記載の構成により電圧分布を与える代わりに、液晶を封入する基板に曲率を持たせ、同様の機能を持つ液晶レンズについても提案されている(例えば、特許文献2参照。)。基板に形成する形状はこの例に限られず、フレネルレンズ形状やプリズム形状、さらにマイクロレンズアレイ形状やマイクロプリズム形状であっても構わず、それぞれの機能を持った光学素子が達成できる。
また、マイクロレンズアレイとCCD(Charge Coupled Device)に代表される2次元イメージセンサーを組み合わせた構成で、シャックハルトマン(Shack-Hartmann)波面センサーが知られている。元々は天体望遠鏡のミラーを評価する装置として開発され、光学装置を透過した光波面の形状や光学系の収差を測定することができ、天体望遠鏡や眼科の分野で利用されている。
例えば、天体観測の分野では、波面センサーとアクチュエーターにより制御される可変形鏡からなる位相補償光学が採用され、観測装置の高解像度化が図られている。波面センサーは、シャックハルトマンセンサーが代表的なものであり、波面センサーが捉えた情報を元に位相制御計算機によって、アクチュエーターを制御し、可変形鏡を変形させている。このアクチュエーターの微小な運動によって可変形鏡が変形し、光路に導かれた星像の大気揺らぎなどによる位相乱れの補償が行われ、クリアな星像を得ている。
シャックハルトマン波面センサーは、2次元のマイクロレンズアレイとその焦点面に配置された2次元イメージセンサーから構成されており、この構成によりマイクロレンズアレイが形成する焦点スポット位置により、波面の局所的な傾斜が計算され、全体の波面が求まり、収差等の値が計算される。
シャックハルトマン波面センサーの模式的な断面図を図6に示す。波面は紙面右側から入射しており、センサーの右側に示してある直線及び曲線が波面を表している。図6(a)は平面波面の場合で、図6(b)が曲率や収差を持った波面を測定する場合を表している。図6(a)の平面波面の場合には、マイクロレンズアレイ2による焦点スポットは、2次元イメージセンサー61の各アレイの中心に集光され、等間隔の規則的なパターンになり、図6(b)の曲率や収差を持った波面の場合は、局所的な波面の傾きにより、焦点スポット位置が中心からずれ、各マイクロレンズアレイ2におけるずれ量により、波面の曲率や収差を計算することができる。
すなわち、2次元イメージセンサー61は、マイクロレンズアレイ2に対応した仮想的なサブアパーチャに分割されており、それぞれのサブアパーチャのサイズが測定する波面の平面分解能に対応し、サブアパーチャ内のピクセル数が局所的な波面の傾きの分解能に対応する。このような波面センサーとして、干渉計が知られているが、干渉計に比べた場
合、測定波面のダイナミックレンジが広いという特徴を持っている。
一方で、波面の傾きの分解能と、ダイナミックレンジはトレードオフの関係に有り、マイクロレンズのFno(Fno=f/D、f:焦点距離、D:アパーチャー径)が大きいと、傾きの分解能は高くなるが、ダイナミックレンジは小さくなり、Fnoが小さいと、ダイナミックレンジは広くなるが、傾きの分解能は小さくなる。また、同一のFnoのレンズで考える場合、波面の傾きの分解能と平面分解能がトレードオフの関係になる(例えば、特許文献3参照。)。
さらに、マイクロレンズアレイとCCD(Charge Coupled Device)センサーに代表される2次元イメージセンサーを組み合わせることにより、物体の輝度・色情報が、物体から放射される光線の方向を記録することで関連付けを行い取得することができる。これらの複合的な情報から、物体の平面としての画像に限定されず、適当な画像処理を行うことにより、物体の任意の視点からの視差画像を得ることができ、さらに、物体全体にフォーカシングされた画像を得ることができる。
光線の記録の様子を、簡略化して平面で表し、図7を用いて説明する。図7(a)は、物体71からの光線がマイクロレンズアレイ2を通して2次元イメージセンサー61で撮像される様子を示す断面図である。マイクロレンズアレイはピンホールアレイで置き換えることもでき、物体からの光線は、各アレイとそれに対応する2次元イメージセンサーの画素の相対的な位置関係から光線方向まで含めて記録される。これは、2点を通る光線は唯一であるという事実に基づいており、このような2点を定義することで光線の方向、またそれに関連付けて輝度・色情報が得られるのである。
このような手法は、元をたどると、Lippman[1908]やIves[1930]提案のIP(Integral Photography)にその根源を見つけることができる。IPでは立体像の記録・再生を目的としており、図7(a)を用いて説明すると、記録時は、物体71からの光線を2次元イメージセンサー61で記録し、再生時は、記録した画像を2次元イメージセンサーの位置に配置した平面ディスプレイ72に表示することにより、光線が記録時と同一経路を逆方向にたどり、左から見ると元の物体が再生されて見えるというものである。IPにおいては、再生される立体像の奥行きが逆転して見えるという、PsuedoScopic像の問題がある。
一方で、光線の再生方法の別の手法として図7(b)に示すような手法がある。例えば、各アレイの中心に白色点光源73を配置し、記録した画像を透過型ディスプレイ72に表示することにより、元の物体が虚像74として再生され、元の物体の立体情報まで記録されていることが分かる。この場合には、IPの様なPseudoScopic像の問題は生じない。
また、物体をレンズにより結像し、マイクロレンズアレイとの位置関係を任意に変更し光線を記録することができる。例えば、図8に示すように、物体をレンズアレイ上に結像し、その実像の光線を記録することも可能で、離れていることによる光線の広がりを防ぎ、シャープな画像を記録することができる(例えば、非特許文献4参照。)。
レンズ面(u,v)、マイクロレンズ面(s,t)に加えて、仮想面(u’,v’)、(s’,t’)を考える。仮想面(u’,v’,s’,t’)を通る光線(輝度、色情報を持つ)をL’(u’,v’,s’,t’)とすると、仮想面(s’,t’)上の照度は、次式(数1)に比例する。
Figure 2010230834
ここで、Aは、開口関数(開口部を 1, 遮蔽部を 0 とした関数)で、また、簡単のため、伝搬距離による減衰は無視した。ここで、Eを実際の面である(u,v),(s,t)面で定義する光線L(u,v,s,t)で表したい。そこで、変数γ=(α+β―1)/β、δ=(α+β−1)/αを導入することで、次式(数2)で表すことができる。
Figure 2010230834
上式(数2)を使い、α、β等のパラメータを適当に指定することで、任意の視点からの画像や、任意の奥行きに焦点を合わせた画像を計算することができる。
特許第3047082号公報(第1−4頁、第1−3図) 特開2001−272646号公報(第1頁、第1−3図) 特開平11−295152号公報(第4頁、図4)
Ren Ng,et.al "Light Field Photography with a Hand-held Plneoptic Camera"Stanford Tech Report CTSR 2005-02,
しかし、上述した従来技術では、以下のような問題がある。例えば、波面センサーの場合、波面の傾きの分解能と、ダイナミックレンジはトレードオフの関係に有り、マイクロレンズのFno(Fno=f/D、f:焦点距離、D:アパーチャー径)が大きいと、傾きの分解能は高くなるが、ダイナミックレンジは小さくなり、Fnoが小さいと、ダイナミックレンジは広くなるが、傾きの分解能は小さくなる。また、同一のFnoのレンズで考える場合、波面の傾きの分解能と平面分解能がトレードオフの関係にあり、焦点距離を長くすると、波面の傾きの分解能が高くなるが、平面分解能が低下し、焦点距離を短くすると、平面分解能は高くなるが、波面の傾きの分解能が低下する。
また、光線センサーの場合には、例えば、図8の様な構成の場合、物体71の各点の情報は、マイクロレンズアレイ2の各レンズに対応した2次元イメージセンサー61のサブアパーチャ62に記録され、サブアパーチャ62内の各画素に光線の方向が記録され、物体71の平面分解能と光線方向の分解能は、トレードオフの関係にあり、マイクロレンズアレイのピッチを大きくすると、光線方向の分解能は高まるが、空間周波数が低下する。
これらは、総情報量が、2次元イメージセンサーの画素数で制限されているためで、波面傾きと平面分解能、光線の方向と、物体の各点の輝度・色情報を同時に同一の2次元イメージセンサーで測定しているために生じており、2次元イメージセンサーの高分解能化が要望されている。
また、波面センサーにおいては、波面の傾きの情報(位相情報)と同時に、強度分布を測定したいという要望が有り、また、光線センサーにおいても、光線方向は不要で、なるべく高精細な二次元画像を取得したいという要望が有り、いずれの場合にも、二次元検出素子の前に配されたマイクロレンズアレイが邪魔になり、低解像度の画像情報しか得られていない。
そこで、本発明は上記課題を解決し、結果として二次元検出素子の分解能を高めることを可能とし、必要に応じてマイクロレンズアレイの光学機能を無くすことが可能な変調可能な光偏向素子、例えば液晶光学素子、及びそれを用いた波面センサー、さらには光線センサーを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の光学センサーは下記記載の構成を採用するものである。
この発明にかかる光学センサーは、マイクロレンズアレイと、所定のピッチで少なくとも一次元に配置された光検出素子と、を備える光学センサーにおいて、マイクロレンズアレイを構成するそれぞれのマイクロレンズからの光の検出素子への照射位置を所定ピッチの方向に変位させることができる光偏向素子を有することを特徴とする。
また、光偏向素子は、第1の電極が形成された第1の基板と、第2の電極が形成された第2の基板と、第1の基板および第2の基板で挟持された液晶層とを備え、液晶層に、所定の勾配の位相分布を形成するように電圧を印加して、所定ピッチの方向に照射位置を変位させる液晶光学素子であることを特徴とする。また、マイクロレンズアレイは、液晶光学素子における第1の基板と第2の基板との間に配置されていることを特徴とする。
また、所定の勾配の位相分布とは、プリズムアレイ状の位相分布であり、第1の電極または第2の電極には、プリズムアレイ状に位相分布を形成するように電圧を印加することを特徴とする。また、マイクロレンズ構造は、複数のマイクロレンズがマトリックス状に形成された構造であり、マイクロレンズの列に対応して、所定の勾配の位相分布を形成するように、電圧が印加されることを特徴とする。
また、第1の電極または第2の電極は、所定の勾配の位相分布を形成するように、1つの電極群を形成し、該1つの電極群が繰り返し配置されることを特徴とする。
前記電極群に対応する前記マイクロレンズの列数Mと、2次元検出素子の一列の画素数Nとの関係が、M≦N/20であることを特徴とする。また、第1の電極または第2の電極は、ストライプ形状であることを特徴とする。
以上のように、液晶マイクロレンズアレイと二次元検出素子を有するセンサーは、液晶マイクロレンズアレイの透明電極群に所定の電圧勾配を与え、液晶層に所定の勾配の位相分布を与えることにより、マイクロレンズとしての機能だけではなく、プリズムアレイとしての機能も持ち、二次元検出素子への集光スポットを、例えば、画素ピッチの半分だけチルトすることが可能で、チルト前後で画像を取得することで、二次元検出素子の見かけ上の画素数、画素密度を2倍にすることができ、その結果、高分解能の波面センサーや光線センサーが得られる。
さらに、液晶マイクロレンズアレイの透明電極群に所定の電圧を与えることにより、マ
イクロレンズアレイの機能を無くし、素通しの状態にすることが可能で、必要により、波面センサーを強度センサーに、光線センサーを高精細なイメージセンサーに切り替えることができる。
本発明にかかる液晶マイクロレンズアレイの一例を示す部分断面図である。 本発明にかかる波面センサーの2次元検出素子からの出力を示すグラフである。 本発明にかかる液晶マイクロレンズアレイの透明電極の構造の一例を説明するための図である。 本発明にかかる液晶マイクロレンズアレイの液晶層に形成されるチルトを達成するプリズム状の位相分布を説明するグラフである。 本発明にかかる液晶マイクロレンズアレイの液晶分子の配向状態の一例を説明するための断面図である。 Shack-Hartmann波面センサーの動作原理を説明するための模式的な断面図である。 光線センサーの動作原理、及びそれを用いた画像再生の一例を説明するための模式図である。 光線センサーにより取得した情報より、所望の画像を再構築する手法について説明するための模式図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる液晶マイクロレンズアレイ及びそれを用いたセンサーの好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明にかかる波面センサーの一例を、図面を用いて説明する。図1は、波面センサーの拡大断面図である。本実施例では、光偏向素子として、液晶光学素子の基板間にマイクロレンズアレイ1を内在した液晶マイクロレンズアレイ1を用いている。
図面左方向から、光波面が液晶マイクロレンズアレイ1に入射し、マイクロレンズアレイ2により2次元検出素子6に集光している様子を示している。液晶マイクロレンズアレイ1は、マイクロレンズアレイ2を形成された透明基板3と対向する透明基板4により、液晶層5が挟持された構造となっている。また、透明基板3、4には、透明電極7(透明基板3の透明電極は図示せず)が形成されており、液晶を駆動できるようになっている。
液晶層5に透明電極により所定の電圧を印加することにより、印加前後で図の点線、実線のように光線が画素ピッチの半分だけチルトしている様子を示している。実線時には、画素間の遮光部にスポットの重心がきており、画素a、bどちらの画素にスポットがあるか不定となっている。一方で、点線時には丁度aの画素に集光し、スポット位置が正確に検出されている。このように、ハーフピッチずらして2回測定することにより、仮想的にセンサーがハーフピッチずれたことに相当し、センサーの画素数が見かけ上二倍となったような効果がある。
実際にはスポット位置は、画素位置に限定されず、図2のような強度分布からスポット重心を検出しており、ハーフピッチずらして2度測定することは、1度目の検出で得られたグラフの白点に加えて、2度目の検出で得られた黒点部のデータが追加されることを意味し、これらのデータを図2のように処理することで測定データより求まる強度分布の近似曲線がより高精度に求まり、その結果、スポット位置がより高精度に検出できることを意味する。
スポットをハーフピッチずらすために、液晶層には図3に示されるような透明電極7により適当な電圧が印加される。透明電極7は、透明電極群10、透明電極群10’と、繰り返し配置されることにより構成されている。電極群10は、マトリックス状に配置されたマイクロレンズ11の列に対応して配置されている低抵抗のストライプ電極8と、それらを接続する高抵抗電極9より構成される。
透明電極群10には、両端にそれぞれ電圧V1、V2が印加される。そして、抵抗分割により、ストライプ電極10−1には、電圧V1が、ストライプ電極10−2には、電圧(V1−(V1−V2)/3)が、ストライプ電極10−3には、電圧(V1−2(V1−V2)/3)が、ストライプ電極10−4には、電圧V2の電圧が印加される。また、同様に透明電極群10’には、両端のストライプ電極10’−1とストライプ電極10’−4に、それぞれ電圧V1と電圧V2が印加されるので、ストライプ電極10’−2はストライプ電極10−2と同じ電圧、ストライプ電極10’−3はストライプ電極10−3と同じ電圧が印加される。このように印加電圧値が一定の勾配を持つように印加される電極群が、繰り返し配置されている。
このような電圧分布を持つように液晶層に電圧が印加されること、及び、液晶の粘弾性により、電極ピッチが細かくなるにつれて、位相分布は平滑化され、図4に示すような、各ストライプ電極位置に応じて、所定の傾きを持ったプリズム状の位相分布が得られる。これにより、スポット位置のチルトが可能になる。ここでは、分割数を4としたが、必要に応じて、さらに分割数を増やしても良い。
電極群10が、マイクロレンズアレイの1列に対応する場合、チルトを達成するために電圧差V1−V2を印加しても、レンズパワーへの影響は無い。そこで、マイクロレンズアレイピッチ内をさらに細かく分割して、ストライプ電極を形成することが必要であるが、この分解能には限界がある。従って、複数のマイクロレンズアレイ列を束ねて、電極群10が対応するようにすることで、ストライプ電極に電圧を印加するための配線数を減らすことができる。
しかしながら、束ねたマイクロレンズアレイの各列のレンズパワーもチルト電圧により変動してしまうため、束ねられる数の限界がある。例えば、ピッチD、焦点距離fのマイクロレンズアレイを考えると、集光のために必要なリタデーションRは、次式(数3)で表される。
Figure 2010230834
また、プリズムによりハープピクセルだけチルトさせるのに必要なリタデーションRは、次式(数4)で表される。
Figure 2010230834
従って、レンズに必要なリタデーションの10%程度の変動がプリズムによるチルトで変動しても問題ないと考えれば、R≧10Rより、M≦N/40となる。さらに、20%まで許容すると、M≦N/20が成り立つ。例えば、1600×1600の画素数を有する2次元イメージセンサー(2次元検出素子)を用い、一つの液晶マイクレンズアレイに対して、40×40に分割すると、2次元素子における一列の画素数はN=40となり、M=2が成り立ち、図3の点線で示した様に2列のマイクロレンズアレイに対応して、1本のストライプ電極を設け、プリズム状位相分布を与えることができる。
さらに、別の実施例として、光線センサーについて説明する。基本的な構成は、液晶マイクロレンズアレイとそれに対応した検出素子であり、先の実施例の波面センサーと同一である。特に光線センサーの場合には、外界像の像を場所や倍率を変化させるメインレンズが一体化されている構成も考えられる。また、電極構造も波面センサーと同一であり、チルト電圧をON/OFFし、2回に分けて画像を取得し、チルト方向の画像列を互いに交互に入れ子状態として、データを処理した合成画像により情報量を倍に増やすことができる。
図5は、光線センサーに使う液晶マイクロレンズアレイ1の断面模式図を示しており、液晶として、ネマチック液晶をホモジニアス配向した例を示している。液晶層5には、液晶分子51の配向状態を示しており、P型の液晶の場合、電圧非印加状態が図の左側領域、電圧印加状態が右側領域に示す液晶配向状態となる。ホモジニアス配向の場合、偏光特性があるため、偏光フィルター52と組み合わせて、変調可能な偏光成分を選択して利用することが望ましい。
ここで、液晶の常光線側の屈折率とマイクロレンズアレイ構造を形成した透明材質の屈折率を一致させておくと、透明電極群両端に同一の電圧V1=V2=Vを印加し、対向電極間との電圧差を十分に印加すると、液晶分子51は図5の右側領域のように立ち、屈折率マッチングが達成でき、マイクロレンズ、及びプリズム機能がなくなり素通し状態となる。これにより、二次元検出素子には、外界像がそのまま結像され、フル画素数分の解像度を持った二次元画像を取得することができる。
上記の効果は、先の実施例の波面センサーでも同様で、ストライプ状の透明電極群への印加電圧と対向基板への印加電圧を適当に制御することにより、位相モード、強度モード、2つのモードの画像を切り替え、波面情報、強度情報を取得することができる。
さらに、ストライプ状の透明電極群に印加する電圧をV1、V2の2値とし、その間のストライプ電極の電位を抵抗分割で決めていたが、それぞれの電極に独立に電圧を印加しても良い。
さらに、上述した内容は、一方向に関する高精細化について述べているが、ストライプ状の電極群を直交して配置して、X,Y方向両方の高精細化をするのが望ましい。
また、プリズムアレイ状に位相分布を形成するように電圧を印加することができるならば、電極形状はストライプ状でなくてもよい。例えばマイクロレンズ構造の個々のレンズに対応して電極を設けてもよい。
また、上記の実施例では、2次元に配置された検出素子を用いたが、一次元に配置された検出素子であっても、同じ効果が得られる。また、上記の実施例では、マイクロレンズ構造は、第1の基板と第2の基板間の液晶層側に形成した例を示したが、第1の基板または第2の基板の外側に配置してもよい。また、この場合、所定の勾配の位相分布を与える為の印加電圧によるマイクロレンズのレンズパワーへの影響が無いため、透明電極群に対応し束ねられるマイクロレンズアレイ列の数の制限が無くなり、より多くのマイクロレンズアレイ列を束ね、引き出し電極数を減らす等の設計の自由度が上がる。
1 液晶マイクロレンズアレイ
2 マイクロレンズアレイ
3、4 透明基板
5 液晶層
6 2次元検出素子
7、8 透明電極

Claims (8)

  1. マイクロレンズアレイと、所定のピッチで少なくとも一次元に配置された検出素子と、を備える光学センサーにおいて、
    前記マイクロレンズアレイを構成するそれぞれのマイクロレンズからの光の前記検出素子への照射位置を前記所定ピッチの方向に変位させることができる光偏向素子を有することを特徴とする光学センサー。
  2. 前記光偏向素子は、第1の電極が形成された第1の基板と、第2の電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板で挟持された液晶層とを備え、該液晶層に、所定の勾配の位相分布を形成するように電圧を印加して、前記所定ピッチの方向に照射位置を変位させる液晶光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光学センサー。
  3. 前記マイクロレンズアレイは、前記液晶光学素子における前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光学センサー。
  4. 前記所定の勾配の位相分布とは、プリズムアレイ状の位相分布であり、前記第1の電極または前記第2の電極には、プリズムアレイ状に位相分布を形成するように電圧を印加することを特徴とする請求項2または3に記載の光学センサー。
  5. 前記マイクロレンズアレイは、複数のマイクロレンズがマトリックス状に形成された構造であり、前記マイクロレンズの列に対応して、前記所定の勾配の位相分布を形成するように、前記液晶光学素子に電圧が印加されることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の光学センサー。
  6. 前記第1の電極または前記第2の電極は、前記所定の勾配の位相分布を形成するように、1つの電極群を形成し、該1つの電極群が繰り返し配置されることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の光学センサー。
  7. 前記電極群に対応する前記マイクロレンズの列数Mと、前記2次元検出素子の一列の画素数Nとの関係が、M≦N/20であることを特徴とする請求項6に記載の光学センサー。
  8. 前記第1の電極または第2の電極は、ストライプ形状であることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の光学センサー。
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