JP2010229655A - コンクリート供試体の識別方法及びコンクリート試験方法 - Google Patents

コンクリート供試体の識別方法及びコンクリート試験方法 Download PDF

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Takeyuki Kimijima
健之 君島
Nobuo Uehara
伸郎 上原
Fumio Asano
文男 浅野
Sueo Hayashi
季穂 林
Masao Kusano
昌夫 草野
Tateshi Morokuma
立志 諸隈
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Abstract

【課題】コンクリート試験を行う際に、養生水槽内に置かれたコンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、このコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別することができるコンクリート供試体の識別方法、及び、多数のコンクリート供試体から目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し取り出すことができるコンクリート試験方法を提供する。
【解決手段】本発明のコンクリート供試体の識別方法は、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、養生水槽中にコンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、これら第1の画像と第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づきコンクリート供試体を識別する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート供試体の識別方法及びコンクリート試験方法に関し、更に詳しくは、コンクリート試験にてコンクリート供試体の水中養生を行う際に養生水槽中のコンクリート供試体の識別に用いて好適なコンクリート供試体の識別方法、及び、この識別方法を利用したコンクリート試験方法に関するものである。
従来、コンクリートの建築物や構造体を建造する際に、打設されたコンクリートの品質を確認するために、このコンクリートと同一組成のコンクリート供試体を用いてコンクリート試験が行われている。
このコンクリート試験は、生コンクリートから、所定の出荷間隔あるいは打設間隔でその一部を抜き取り、この抜き取られた生コンクリートを用いて所定の規格及び基準に基づきコンクリート供試体を作製し、このコンクリート供試体に所定の養生を施した後、所定の検査機関にて強度試験等の各種試験を行うものである。
コンクリート供試体は、通常、生コンクリートを供試体用型枠へ打設し、1日程度静置してから脱型し、その後、試験に供されるまで所定期間、養生水槽中にて水中養生される。
このコンクリート供試体の作製、養生、試験を行う際には、このコンクリート供試体と、このコンクリート供試体に用いられたコンクリートがどのような配合で、どこの現場で使われたものであるか等のコンクリートに関する情報とを対応させる必要がある。
そこで、コンクリートに関する情報とコンクリート供試体とを対応させるために、コンクリート供試体を作製する際に用いたコンクリートに関する情報を、コンクリート供試体の上面、下面、側面などの表面に記載し、他のコンクリート供試体と混同しないように管理されている。
また、コンクリート試験は、打設した日から所定期間が経過した日に強度試験を行わなければならず、しかも、このコンクリート供試体を試験日まで水中で養生する必要がある。そこで、このコンクリート試験では、所定期間が経過し試験日の到来した供試体を養生水槽から取り出して行われる。
この取り出しの際に、養生水槽中に置かれた多数のコンクリート供試体の中から試験日の到来したコンクリート供試体を識別する必要があり、打設日、養生開始日、試験日等の試験日に関する情報をコンクリート供試体の上面等の表面に記入し、この記入された情報に基づいてコンクリート供試体の管理がなされている。
また、近年では、ICタグ(RFID)等の無線タグを備えた非接触通信媒体をコンクリート供試体中に埋め込みまたは取り付け、この非接触通信媒体にコンクリート供試体に用いられたコンクリートに関する情報を書き込み、このコンクリートに関する情報とコンクリート供試体とを対応させて管理する方法、あるいは非接触通信媒体にID番号等を書き込み、このID番号等とサーバ、パソコン等に記憶させたコンクリートに関する情報とを対応させて管理する方法、が行われている(例えば、特許文献1等参照)。
これらの方法では、コンクリート供試体中に備えられた非接触通信媒体により、コンクリート供試体を作製する際に用いたコンクリートに関する情報と、コンクリート供試体とを対応させることができるので、コンクリートに関する情報をコンクリート供試体の表面に記載する必要がなくなり、さらに、コンクリート供試体用の型枠に生コンクリートを打設する時に行うコンクリートに関する情報を荷札等で取り付ける作業、この情報を脱型後のコンクリート供試体に転記する作業、用いたコンクリート、型枠、コンクリート供試体、試験結果の相互を関連付けるための台帳の整備作業等の煩雑かつ多忙な作業がなくなる。
このように、非接触通信媒体を備えたコンクリート供試体を用いれば、コンクリート供試体及びそれに用いられるコンクリート等の情報を、簡易に、かつ間違いなく正確に管理することができる。
特開2004−197312号公報
ところで、従来のコンクリート試験は、上述したように、打設から所定期間経過した所定材齢のコンクリート供試体を、試験日の到来したコンクリート供試体として養生水槽から取り出し、この取り出したコンクリート供試体に対して所定の試験を行うものであるから、コンクリート供試体を養生水中に置いているうちに、このコンクリート供試体の表面が汚染される等により、このコンクリート供試体の表面に記載された試験日に関する文字情報が擦れて見えなくなることがあるという問題点があった。
さらに、コンクリート供試体を養生水中に置くと、このコンクリート供試体中の水和物や間隙水中に含まれる水酸化カルシウムや硫酸アルカリ等が、この養生水中に徐々に溶出・拡散することとなり、その結果、養生水中に溶出した水酸化カルシウムが養生水中に溶け込んだ空気中の炭酸ガスと徐々に反応して、比較的難溶性の炭酸カルシウムを生成し、これが白色の沈殿物となって供試体の表面に沈降、堆積、付着するという問題点があった。
また、このコンクリート供試体の表面に試験日に関する情報が記載されてあっても、このコンクリート供試体を養生水中に置く間に、この記載された情報が見え難くなり、養生水中に配置された多数のコンクリート供試体のなかから試験日の到来したコンクリート供試体を識別することができなくなるという問題点があった。そこで、コンクリート供試体の表面の沈殿物を除去しながら、このコンクリート供試体の表面に記載された情報を判別していく必要があった。
さらに、この養生水槽の中央部に置かれたコンクリート供試体については、養生水槽の端から、コンクリート供試体の表面の沈殿物を除去し、表面に記載された情報を見なくてはならず、このコンクリート供試体の表面に記載された情報を判別することがさらに難しくなるという問題点があった。
一方、非接触通信媒体を備えたコンクリート供試体では、情報の記載を非接触通信媒体に限定するために、このコンクリート供試体の表面への情報の記載をなくすと、養生水槽中のコンクリート供試体を目視にて識別することができなくなるという問題点が生じる。
また、ICタグ(RFID)等の非接触通信媒体に書き込まれた情報を検出することができる距離は短いので、このコンクリート供試体を養生水槽中に置いた場合、ICタグリーダ/ライタ等を用いてICタグ(RFID)等の非接触通信媒体の情報を読み取ることができなくなるという問題点が生じる。
このように、従来の非接触通信媒体を備えたコンクリート供試体では、実際には、ICタグ(RFID)等の非接触通信媒体を用いながらも、養生水槽中にて試験日が到来したコンクリート供試体を識別するために、試験日に関する情報を、従来通りコンクリート供試体の上面等の表面にペンキ、マジック等で記載しなければならず、したがって、ICタグ(RFID)等の非接触通信媒体を用いても、作業の煩雑さ及び多忙さをなくすことはできず、また、間違いを防止し正確な管理を行うことも難しく、思ったほどの効果を上げることは困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、養生水槽内に置かれたコンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、このコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別することができるコンクリート供試体の識別方法、及び、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、養生水槽内に置かれた多数のコンクリート供試体から、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことができ、作業を簡略化し、確実、正確な試験を行うことができるコンクリート試験方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、養生水槽内に貯水された状態の槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中にコンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別することとすれば、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、このコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別することができることを見出し、さらに、コンクリート供試体にコンクリート試験を行うコンクリート試験方法において、上記のコンクリート供試体の識別方法を利用することとすれば、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、養生水槽内に置かれた多数のコンクリート供試体から、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことができ、作業を簡略化し、確実、正確な試験を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のコンクリート供試体の識別方法は、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中にコンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別することを特徴とする。
このコンクリート供試体の識別方法では、養生水槽の貯水された状態の槽内を撮像して得られた第1の画像と、養生水槽中にコンクリート供試体を配置した後の養生水槽の槽内を撮像して得られた第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別することにより、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、このコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別することが可能となる。
前記撮像は、前記養生水槽の上方向または斜め上方向からの前記養生水槽の槽内の撮像であることが好ましい。
このコンクリート供試体の識別方法では、前記撮像を、前記養生水槽の上方向または斜め上方向からの前記養生水槽の槽内の撮像としたことにより、コンクリート供試体の識別を、より簡易にかつより正確に行うことが可能となる。
本発明のコンクリート試験方法は、コンクリート供試体にコンクリート試験を行うコンクリート試験方法において、所定の大きさ及び形状のコンクリート供試体を作製し、次いで、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中に前記コンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、前記コンクリート供試体を前記養生水槽内にて所定の期間、水中養生し、次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別し、この識別されたコンクリート供試体を前記養生水槽から取り出し、このコンクリート供試体を用いて前記コンクリート試験を行うことを特徴とする。
このコンクリート試験方法では、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中に前記コンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、その後、第1の画像と第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づきコンクリート供試体を識別し、この識別されたコンクリート供試体を用いてコンクリート試験を行うことにより、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、この文字が沈殿物の堆積や付着等により見えなくなった場合においても、多数のコンクリート供試体から、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことが可能になり、識別及び取り出し作業を簡略化し、確実、正確な試験を行うことが可能になる。
前記撮像は、前記養生水槽の上方向または斜め上方向からの前記養生水槽の槽内の撮像であることが好ましい。
このコンクリート試験方法では、前記撮像を、前記養生水槽の上方向または斜め上方向からの前記養生水槽の槽内の撮像としたことにより、コンクリート供試体の識別を、より簡易にかつより正確に行うことが可能となる。よって、このコンクリート供試体を用いてより迅速かつより正確にコンクリート試験を行うことが可能である。
前記コンクリート供試体を作製する際に、このコンクリート供試体に非接触通信媒体を埋め込みまたは取り付けることが好ましい。
このコンクリート試験方法では、コンクリート供試体に非接触通信媒体を埋め込みまたは取り付けることにより、このコンクリート供試体に固有の打設日、養生開始日、試験日等の各種情報を非接触通信媒体に記載することが可能になり、より迅速かつより正確にコンクリート試験を行うことが可能である。
本発明のコンクリート供試体の識別方法によれば、養生水槽内に配置されたコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別することができる。
また、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、あるいは沈殿物の堆積や付着等により記載した文字が見えなくなった場合においても、養生水槽内に配置されたコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別することができる。
本発明のコンクリート試験方法によれば、養生水槽内に配置された多数のコンクリート供試体のなかから、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことができる。したがって、コンクリート供試体の識別作業を簡略化し、確実かつ正確なコンクリート試験を行うことができる。
また、コンクリート供試体に記載した文字が擦れたり、あるいは沈殿物の堆積や付着等により記載した文字が見えなくなった場合においても、養生水槽内に配置された多数のコンクリート供試体のなかから、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことができる。したがって、コンクリート供試体の識別作業を簡略化し、確実かつ正確なコンクリート試験を行うことができる。
さらに、このコンクリート供試体に非接触通信媒体を備えたこととすれば、このコンクリート供試体に固有の打設日、養生開始日、試験日等の各種情報を非接触通信媒体に記載することができるので、従来のようなコンクリート供試体の表面への記載が不要となる。
また、従来のようにコンクリート供試体の表面への記載をしなくても、養生水槽内に配置された多数のコンクリート供試体のなかから、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことができる。
さらに、この非接触通信媒体を利用して、コンクリート試験の全過程の情報を管理することができ、その結果、非接触通信媒体を用いる本来の目的である、作業の煩雑さ及び多忙さをなくし、正確かつ確実な管理を行うことができる。
本発明のコンクリート供試体の識別方法及びコンクリート試験方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「第1の実施形態」
本実施形態のコンクリート供試体の識別方法は、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中にコンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別する方法である。
次に、このコンクリート供試体の識別方法について詳細に説明する。
まず、コンクリート供試体用の型枠内に生コンクリートを打設し、次いで、この生コンクリートを硬化し、その後脱型し、所定の大きさかつ形状のコンクリート供試体を作製する。
次いで、このコンクリート供試体を養生水槽に貯水された水の中に配置する前に、この養生水槽の槽内の第1の画像を撮像する。
この撮像に用いる機器としては、デジタルカメラ、webカメラ、スチールカメラ等、画像情報を撮像または記憶することのできる機器であればよく、特に限定されないが、取り扱い及び処理の迅速性を考慮すると、webカメラが好ましい。
撮像する範囲は、養生水槽内のコンクリート供試体を配置する範囲とその周辺部を少なくとも含むようにする。
画像の撮像は、養生水槽の上方向または斜め上方向から行うのが好ましい。
これにより、コンクリート供試体が新たに置かれる前の養生水槽内におけるコンクリート供試体の情報、例えば、既に養生水槽内に配置されているコンクリート供試体の位置情報等が記録される。
次いで、作製した上記のコンクリート供試体を養生水槽に貯水された水の中に配置する。
その後、再び養生水槽の槽内の第2の画像を撮像する。
撮像する範囲は、このコンクリート供試体を配置する前に撮像した養生水槽内の範囲と同一、あるいはその範囲を少なくとも含むようにする。
これにより、既に養生水槽内に配置されていたコンクリート供試体の位置情報と新たに配置されたコンクリート供試体の位置情報等が記録される。
次いで、これら第1の画像と第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づきコンクリート供試体を識別する。
照合する際に、後に撮像した第2の画像中にあるコンクリート供試体から、前に撮像した第1の画像中にあるコンクリート供試体を除いて残ったものが、新たに置いたコンクリート供試体であるから、これら第1の画像と第2の画像とを照合することにより、新たに配置したコンクリート供試体の位置情報を得ることができる。よって、養生水槽内に配置されたコンクリート供試体のなかから、新たに配置されたコンクリート供試体のみを識別することができる。
この画像の照合は、画像同士を目視で比較して行ってもよい。例えば、これら2つの画像の写真を目視で比較し、これら2つの画像の差異から新たに配置したコンクリート供試体の位置を識別してもよい。
また、画像の照合は、画像をデジタル情報で記録し、デジタル処理により行ってもよい。例えば、デジタルカメラで画像を撮影し、そのデータをパーソナルコンピュータに入力し、このパーソナルコンピュータにて画像処理ソフトにより2つの画像の照合を行い、その差を求める。この時、差の部分にあるコンクリート供試体が、求めたいコンクリート供試体である。
ここで、識別されたコンクリート供試体の位置情報と、打設日、養生開始日、試験日等の情報とを対応させれば、所定期間経過後、試験日が到来したコンクリート供試体のみを識別し、取り出すことができる。
例えば、パーソナルコンピュータ等を用いて、識別されたコンクリート供試体の位置情報と、打設日、養生開始日、試験日等の情報とを対応させておけば、養生日数ごとにコンクリート供試体を管理したり、あるいは試験日の到来したコンクリート供試体を直ちに識別し、養生水槽から取り出すことができる。
本実施形態のコンクリート供試体の識別方法によれば、コンクリート供試体の表面に打設日、養生開始日、試験日等の各種情報が記載されていない場合においても、また、コンクリート供試体の表面に記載された打設日、養生開始日、試験日等の各種情報が擦れたり、あるいは表面への沈殿物の堆積や付着等により見えなくなったとしても、多数のコンクリート供試体の中から取り出すべきコンクリート供試体を識別することができる。
「第2の実施形態」
本実施形態のコンクリート試験方法は、第1の実施形態のコンクリート供試体の識別方法を利用したコンクリート試験方法であり、コンクリート供試体にコンクリート試験を行うコンクリート試験方法において、所定の大きさ及び形状のコンクリート供試体を作製し、次いで、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中に前記コンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、前記コンクリート供試体を前記養生水槽内にて所定の期間、水中養生し、次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別し、この識別されたコンクリート供試体を前記養生水槽から取り出し、このコンクリート供試体を用いて前記コンクリート試験を行う方法である。
次に、このコンクリート試験方法について詳細に説明する。
まず、コンクリート供試体用の型枠内に生コンクリートを打設し、次いで、この生コンクリートを硬化し、その後脱型して、所定の大きさ、所定の形状のコンクリート供試体をコンクリート1配合につき3本ずつ作製する。
このコンクリート供試体の上面に、打設日、出荷場所、型枠番号等の情報を油性インキ等にて記載する。ここでは、これらのコンクリート供試体を、コンクリート供試体(S)とする。
この場合、コンクリート供試体の表面に記載された情報は、養生水槽の槽内で試験日の到来したコンクリート供試体を識別するためには必要はない。しかしながら、同一の日に、配合、納入先、サンプリングロット等の異なる複数の種類のコンクリート供試体を作製しているために、これら複数種のコンクリート供試体のその後におけるコンクリート試験結果と、これら複数種のコンクリート供試体を作製する際に用いたコンクリートに関する情報とを対応させるために必要となる。
次いで、水温が所定の温度に維持された養生水槽中にコンクリート供試体(S)を配置するが、このコンクリート供試体(S)を配置する前に、この養生水槽の槽内の第1の画像を撮像する。この養生水槽内には、昨日あるいはそれ以前に作製されたコンクリート供試体(<S)が既に配置されている。
次いで、このコンクリート供試体(S)を養生水槽中に配置した後、養生水槽の槽内の第2の画像を撮像する。この時の養生水槽内には、今配置されたばかりのコンクリート供試体(S)と、昨日あるいはそれ以前に作製されたコンクリート供試体(<S)とが置かれている。したがって、養生水槽内にコンクリート供試体(S)を配置する前の第1の画像と、配置した後の第2の画像とを照合すると、その差の部分にあるのがコンクリート供試体(S)となる。
次の日には、また新たなコンクリート供試体(S<)が作製され、同様の手順により養生水槽内に配置され、画像が撮像される。
そして、コンクリート供試体(S)の打設日から28日後に、このコンクリート供試体(S)を養生水槽から取り出す。
ここで、例えば、養生水槽内に配置された全てのコンクリート供試体が、打設日から28日後に試験を行うものである場合には、コンクリート供試体(S)及びコンクリート供試体(S<)が混在している。
一方、中庸熱セメントを使用したコンクリート、あるいは低熱セメントを使用したコンクリート等の場合には、打設日から56日、あるいは91日という長期養生が必要となるので、このようなコンクリート供試体が混在している場合には、養生水槽内には、コンクリート供試体(<S)、コンクリート供試体(S)、コンクリート供試体(S<)が混在している。
このように、コンクリート供試体(<S)、コンクリート供試体(S)、コンクリート供試体(S<)のうち2種あるいは3種が混在している中から、上記の第1の画像と第2の画像との差により識別された位置のコンクリート供試体を取り出すことにより、コンクリート供試体(S)のみを取り出すことができる。
ここで、コンクリート供試体(S)を取り出す時は、以下の処理を行うこともできる。
第1の画像と第2の画像との差により識別された位置のコンクリート供試体(S)を取り出す際、取り出し時には、コンクリート供試体(S)の周囲の状況(コンクリート供試体(S)の周囲に置かれている他のコンクリート供試体の状況)は、コンクリート供試体(S)の配置時とは変わっている。したがって、コンクリート供試体(S)を取り出す前に養生水槽の槽内の画像を撮像し、その画像と上記識別されたコンクリート供試体(S)の画像を画像処理等により照合することにより、取り出し時に養生水槽内に存在する多数のコンクリート供試体の中から、取り出したいコンクリート供試体(S)の位置を認識することができる。
また、第1の画像と第2の画像との差により識別された位置のコンクリート供試体(S)の位置情報を養生水槽内の座標に変換しておけば、その座標情報をもとに、取り出し時に養生水槽内に存在する多数のコンクリート供試体の中から、取り出したいコンクリート供試体(S)の位置を認識することができる。
このようにして取り出したコンクリート供試体(S)について圧縮強度試験を行う。
例えば、打設日から7日後、28日後に試験を行う場合には、コンクリート供試体(S)をコンクリート1配合につき6本ずつ作製し、養生水槽内に、7日後に試験する3本(コンクリート供試体(S1))を配置する前後に画像の撮影を行い、28日後に試験する3本(コンクリート供試体(S2))を配置する前後に画像の撮影を行ってもよい。
一般に、生コンクリート工場では、通常、150mの出荷量の生コンクリートに対して1回以上、1回あたり3本から9本のコンクリート供試体を作製している。また、工場工程管理用としても数本のコンクリート供試体を作製している。このように、生コンクリート工場全体では、通常1日に30本から100本のコンクリート供試体を作製しており、これらのコンクリート供試体を硬化・脱型後、養生水槽内で養生している。
したがって、コンクリート試験を行うためには、毎日、多数のコンクリート供試体が存在する養生水槽内から、その日に試験すべきコンクリート供試体のみを取り出さなければならず、簡易、安価、正確な識別方法が求められている。
本実施形態のコンクリート試験方法は、上記の要請に答えるべく提案されたものであり、養生水槽内に配置された多数のコンクリート供試体の情報を一度に把握し、識別することができ、簡易、安価、正確に試験すべきコンクリート供試体を識別することができる。
したがって、試験すべきコンクリート供試体を、手間をかけず簡易に、正確、確実かつ安価に取り出すことができる。
「第3の実施形態」
本実施形態のコンクリート試験方法は、第1の実施形態のコンクリート供試体の識別方法を利用したコンクリート試験方法であり、コンクリート供試体にコンクリート試験を行うコンクリート試験方法において、所定の大きさ及び形状のコンクリート供試体を作製する際に、このコンクリート供試体に非接触通信媒体を埋め込みまたは取り付け、次いで、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、次いで、前記養生水槽中に前記コンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、次いで、前記コンクリート供試体を前記養生水槽内にて所定の期間、水中養生し、次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別し、この識別されたコンクリート供試体を前記養生水槽から取り出し、このコンクリート供試体を用いて前記コンクリート試験を行う方法である。
次に、このコンクリート試験方法について詳細に説明する。
まず、コンクリート供試体用の型枠内に生コンクリートを打設し、次いで、この生コンクリートを硬化し、その後脱型して、所定の大きさ、所定の形状のコンクリート供試体をコンクリート1配合につき3本ずつ作製する。
この生コンクリート打設の際に、この生コンクリート中にICタグ(RFID)等の非接触通信媒体を埋め込む。埋め込み方法は、型枠内にICタグ(RFID)を配置した後、生コンクリートを流し込んでもよく、あるいは、型枠内に生コンクリートを流し込む途中でICタグ(RFID)を埋め込んでもよく、生コンクリートを流し込んだ後、この生コンクリートの打設面からICタグ(RFID)を埋め込んでもよい。
このように、生コンクリートの打設面からICタグ(RFID)を埋め込めば、生コンクリート中の砂利等によりICタグ(RFID)が破損されることなく、簡易にICタグ(RFID)を埋め込むことができ、さらに、コンクリート供試体の圧力試験に影響を与えない。
また、ICタグ(RFID)等の非接触通信媒体をコンクリート供試体に取り付けてもよい。
このICタグ(RFID)には、コンクリートに関する所定の情報を書き込んでもよく、あるいは、コンクリートに関する所定の情報をサーバやパーソナルコンピュータ等に保存し、これらに対応するID番号をICタグに書き込み、このID番号をICタグリーダ/ライタで読み込み、サーバやパーソナルコンピュータ等に保存されたコンクリートに関する所定の情報と対応させてもよい。
このICタグ(RFID)への情報の書き込みは、コンクリート供試体への埋め込み前でも埋め込み後でもよい。
このICタグ(RFID)としては、アクティブ型、パッシブ型のいずれでも構わないが、ICタグは強度試験後、廃棄される等の点を考慮すると、パッシブ型が好ましい。また、このICタグは、コンクリート供試体に関する識別情報またはID番号等の書き込み/読み取りが可能なものであればよいが、識別情報の改ざん等を防止するためには、既に書き込まれた識別情報やID番号等の消去や上書きができず、識別情報の追加部分を書き込むのみとしたものが好ましい。
コンクリートに関する所定の情報としては、
(1)コンクリート供試体の作製日、生コンクリートを製造した工場名、製造ロット番号等
(2)生コンクリートの品質(スランプ、空気量、塩化物イオン量、練りあがり温度等)
(3)生コンクリートの原材料(骨材の産地、種類、密度等)
(4)生コンクリートの組成(材料の種類、配合比)
(5)生コンクリートの納入先、納入時間、荷下ろし時間
(6)圧縮強度(試験日、試験データ等)
(7)その他、仕様等で定められた項目
などがある。
このようにして作製された非接触通信媒体を埋め込みまたは取り付けたコンクリート供試体をコンクリート供試体(S)とする。
次いで、養生水の温度が所定の温度に維持された養生水槽内にコンクリート供試体(S)を配置するが、このコンクリート供試体(S)を配置する前に、養生水槽の槽内の第1の画像を撮像する。なお、この養生水槽内には、前日以前に作製されたコンクリート供試体(<S)が既に配置されている。
次いで、コンクリート供試体(S)を養生水槽内に配置した後、養生水槽の槽内の第2の画像を撮像する。この時、養生水槽内には、コンクリート供試体(S)とコンクリート供試体(<S)が配置されている。
この養生水槽内にコンクリート供試体(S)を配置する前の第1の画像と、配置した後の第2の画像とを照合すると、その差の部分にあるのがコンクリート供試体(S)となる。
次の日には、また新たなコンクリート供試体(S<)が作製され、同様な手順にて養生水槽内に配置され、画像が撮像される。
そして、コンクリート供試体(S)の打設日から28日後に、コンクリート供試体(S)を養生水槽から取り出す。
ここで、例えば、養生水槽内に配置された全てのコンクリート供試体が、打設日から28日後に試験を行うものである場合には、コンクリート供試体(S)及びコンクリート供試体(S<)が混在している。
一方、中庸熱セメントを使用したコンクリート、あるいは低熱セメントを使用したコンクリート等の場合には、打設日から56日、あるいは91日という長期養生が必要となるので、このようなコンクリート供試体が混在している場合には、養生水槽内には、コンクリート供試体(<S)、コンクリート供試体(S)、コンクリート供試体(S<)が混在している。
このように、コンクリート供試体(<S)、コンクリート供試体(S)、コンクリート供試体(S<)のうち2種あるいは3種が混在している中から、上記の第1の画像と第2の画像との差により識別された位置のコンクリート供試体を取り出すことにより、目的とするコンクリート供試体(S)のみを取り出すことができる。
ここで、コンクリート供試体(S)を取り出す時は、以下の処理を行うこともできる。
第1の画像と第2の画像との差により識別された位置のコンクリート供試体(S)を取り出す際、取り出し時には、コンクリート供試体(S)の周囲の状況(コンクリート供試体(S)の周囲に置かれている他のコンクリート供試体の状況)は、コンクリート供試体(S)の配置時とは変わっている。したがって、コンクリート供試体(S)を取り出す前に養生水槽の槽内の画像を撮像し、その画像と上記識別されたコンクリート供試体(S)の画像を画像処理等により照合することにより、取り出し時に養生水槽内に存在する多数のコンクリート供試体の中から、取り出したいコンクリート供試体(S)の位置を認識することができる。
また、第1の画像と第2の画像との差により識別された位置のコンクリート供試体(S)の位置情報を養生水槽内の座標に変換しておけば、その座標情報をもとに、取り出し時に養生水槽内に存在する多数のコンクリート供試体の中から、取り出したいコンクリート供試体(S)の位置を認識することができる。
このようにして取り出したコンクリート供試体(S)について圧縮強度試験を行う。
この試験結果と、ICタグからICタグリーダ/ライタで読み込んだコンクリートに関するデータとを対応させて、これらの情報をサーバやパーソナルコンピュータ等に送信し、情報を保存、管理する。
または、上記の試験結果と、ICタグに書き込まれたID番号のデータとを、コンクリートに関する情報を保存したサーバやパーソナルコンピュータ等に送信し、このサーバやパーソナルコンピュータ等でD番号を基に試験結果とコンクリートに関する情報とを対応させて管理する。
次に、本実施形態のコンクリート試験方法について、さらに詳しく説明する。
本実施形態のコンクリート試験方法としては、次の[A]及び[B]の2種類の試験方法がある。
[A]コンクリート試験方法(その1)
(1)ICタグ(非接触通信媒体)が埋め込まれた、または取り付けられたコンクリート供試体を作製する。
a)コンクリートに関する所定の情報を、ICタグリーダ/ライタに入力し、ICタグに書き込む。
または、
b)コンクリートに関する所定の情報を、サーバ、パソコン等に入力し、それをICタグリーダ/ライタに無線等で送信し、ICタグに書き込む。
(2)コンクリート供試体を養生水槽中に置く前に、養生水槽内の第1の画像を撮像する。
(3)コンクリート供試体を養生水槽内に配置する。
(4)コンクリート供試体を養生水槽内に配置した後、養生水槽内の第2の画像を撮像する。
(5)コンクリート供試体を所定期間、養生水槽内で保管(水中養生)する。
(6)上述した識別方法により識別された試験日の到来した(所定材齢の)コンクリート供試体を取り出す。
(7)取り出したコンクリート供試体の強度試験を行い、試験結果とICタグからICタグリーダ/ライタで読み込んだデータとを対応させ、これらの情報をサーバやパーソナルコンピュータ等に送信する。
(8)(7)の情報を保存したサーバやパーソナルコンピュータ等で(7)の情報を管理する。
このコンクリート試験方法(その1)によれば、次のような効果を奏することができる。
ICタグを利用し、さらに養生水槽内の所定材齢のコンクリート供試体の識別を画像で行うので、
(1)型枠に文字、番号等を記載する等の作業が不要になり、作業の効率化を図ることができる。また、間違いによるコンクリートと型枠番号との不一致等が解消され、試験結果の信頼性、正確性が向上し、試験の作業性が向上する。
(2)型枠を外した際の、コンクリート供試体への文字、番号等の転記が不要になり、作業の効率化を図ることができる。また、転記ミスによるコンクリートと供試体との不一致等が解消され、試験結果の信頼性、正確性が向上し、試験の作業性が向上する。
(3)ICタグリーダ/ライタで、所定のコンクリート供試体を、簡易、正確、確実に識別することができる。
特に、ICタグリーダ/ライタを携帯可能なICタグリーダ/ライタとすれば、各供試体に関する情報をICタグから直接読み込むことにより、サーバ等と情報のやりとりをすることなく、その場で、すぐに必要な情報を把握することができる。
(4)ICタグリーダ/ライタとサーバやパーソナルコンピュータ等を無線等で接続すれば、IDを介して所定のコンクリート供試体に打設したコンクリートデータ(品質、材料等)を簡易に確認することができる。
(5)識別情報に関するデータの保存、書き込みが簡易にできる。
[B]コンクリート試験方法(その2)
(1)ICタグ(非接触通信媒体)が埋め込まれた、または取り付けられたコンクリート供試体を作製する。
(2)供試体の作製に用いたコンクリートに関する所定の情報をサーバやパーソナルコンピュータ等に保存する。
(3)(1)に対応するID番号をICタグに書き込む。このID番号の書き込みは、コンクリート供試体への埋め込み前でも埋め込み後でも、または取り付け前でも取り付け後でもよい。
(4)コンクリート供試体を養生水槽内に配置する前に、養生水槽内の第1の画像を撮像する。
(5)コンクリート供試体を養生水槽内に配置する。
(6)コンクリート供試体を養生水槽内に配置した後、養生水槽内の第2の画像を撮像する。
(7)コンクリート供試体を所定期間、養生水槽内で保管(水中養生)する。
(8)上述した識別方法により識別された試験日の到来した(所定材齢の)コンクリート供試体を取り出す。
(9)取り出したコンクリート供試体の強度試験を行い、試験結果とID番号のデータを上記(2)の情報を保存したサーバやパーソナルコンピュータ等に送信する。
(10)(2)及び(9)の情報を保存したサーバやパーソナルコンピュータ等で、ID番号をもとに(2)と(9)の情報を対応させて管理する。
このコンクリート試験方法(その2)においても、上記のコンクリート試験方法(その1)と同様の効果を奏することができる。
コンクリート試験においては、同日に多くのロットのコンクリート供試体を作製し、これらのコンクリート供試体を同日に試験することが多い。
その際、本実施形態のコンクリート試験方法によれば、特定の日に試験を行うコンクリート供試体を識別できさえすれば、ICタグ、サーバに保存された情報を対応させることにより、同ロットのコンクリート供試体の試験結果を集約することができる。
すなわち、様々なロットのコンクリート供試体が混在しても、これらのコンクリート供試体をランダムに全て試験をすれば、各コンクリート供試体の試験結果とロット情報を対応させることができ、そのロットのコンクリートに関する情報と対応させて、同ロット(例えば3本)ごとの試験結果を把握し、集計することができる。
また、立会い試験などで、特定のロット(例えば3本)のみを探したい場合がある。そのため、同じロットのコンクリート供試体を、例えば3本、縦に重ねる等のセットにして養生水槽内に置くこともある。
この際においても、本実施形態のコンクリート試験方法によれば、同日に作製された多数のコンクリート供試体を養生水槽内に配置する前に、これらのコンクリート供試体のICタグの情報を読み取ることにより、またはICタグから読み取ったID番号等をサーバやパーソナルコンピュータ等の情報と対応させることにより、簡易、正確、確実に同じロットごとにコンクリート供試体を分別することができる。
この際、ICタグから情報、ID番号等を読み取るには、通常のICタグリーダ/ライタを用いればよいが、より効率的に行うためには、斜面を形成し、斜面上、または斜面の側面にICタグの読み取り装置を取り付けるとよい。
例えば、コンクリート供試体にICタグを埋め込んだ場合、外側からはICタグの場所が分らず、このコンクリート供試体の周囲にICタグリーダ/ライタを動かして、信号を感知する場所を探す必要がある。
そこで、斜面上に複数のICタグの読み取り装置またはロングレンジリーダーを設置する。コンクリート供試体は、通常円柱状であるから、コンクリート供試体は斜面上を転がり、この転がる過程で、ICタグは、斜面上に取り付けられたいずれかの読み取り装置により、その情報やID番号が読み取られる。これにより、ICタグの埋め込み箇所を捜す必要なく、簡易にICタグの情報やID番号を読み取り、同じロットごとにコンクリート供試体を分別することができる。
この斜面の長さは、コンクリート供試体の外周の長さ以上、この斜面の幅は、コンクリート供試体の高さ以上、であることが好ましい。
また、斜面の側面に側壁を設け、この側壁に複数のICタグの読み取り装置またはロングレンジリーダーを設置することもでき、斜面上、側壁上の両方に複数のICタグの読み取り装置またはロングレンジリーダーを設置することもできる。
この斜面の角度は、コンクリート供試体が斜面上を転がる速さが、ICタグの読み取り装置またはロングレンジリーダーがコンクリート供試体中のICタグの情報を安定的に読み取れる程度になるように調整する。
この方法の場合、ポータブルのICタグリーダ/ライタより出力の大きい読み取り装置またはロングレンジリーダーを用いることができる。
さらに、コンクリート供試体を養生水槽中に置く前に、ロットごとに分別した際、同じロット(例えば3本)中の1本の上部に目印または非接触通信媒体を取り付けてもよい。取り付け方法は、コンクリート供試体の上部に直接取り付けてもよく、目印または非接触通信媒体を取り付けたキャップ状のものをコンクリートにかぶせたり、あるいは取り付けてもよい。
目印を取り付けた場合、上述したコンクリート供試体の識別方法により同日に試験されるコンクリート供試体を絞り込んでから、特定のロットに対応する目印を捜すことにより、簡易に特定のコンクリート供試体を捜すことができる。
ここで、コンクリート供試体に非接触通信媒体を取り付けた場合には、この非接触通信媒体にロット情報を書き込むことにより、養生水槽中から特定のロットのコンクリート供試体のみを取り出すことができる。
このコンクリート供試体の取り出し方法の一例について説明する。
(1)コンクリート供試体を養生水槽中に置く前にロットごとに分別する。
(2)ロット情報をキャップに組み込んだ非接触通信媒体に書き込む。
a)分別した供試体のICタグに書き込まれている情報を読み取り、必要な情報をキャップに組み込んだ非接触通信媒体に書き込む。
または、
b)分別した供試体のICタグに書き込まれている情報を読み取り、それに対応した固有番号をキャップに組み込んだ非接触通信媒体に書き込む。
または、
c)分別した供試体のICタグに書き込まれているID番号を読み取り、それに対応した固有番号をキャップに組み込んだ非接触通信媒体に書き込む。
供試体のICタグに書き込まれているID番号は、サーバやパーソナルコンピュータ等に保存されているコンクリート供試体を作成する際に用いられたコンクリートに関する情報と対応付けられており、キャップに組み込んだ非接触通信媒体に書き込む固有番号も、同様にサーバやパーソナルコンピュータ等のコンクリートに関する情報と対応付けられている。
(3)同ロットのコンクリート供試体のうち1本にキャップをかぶせ、同じロットごとにセットにし、これらのコンクリート供試体を養生水槽中に置く。
このコンクリート供試体を養生水槽中に置く前後の操作については、上述した[A]コンクリート試験方法(その1)の(2)〜(5)の操作、[B]コンクリート試験方法(その2)の(4)〜(7)の操作と同様である。
(4)上述した識別方法により試験日の到来した(所定材齢の)コンクリート供試体を識別する。識別されたコンクリート供試体は、ロットごとに分別して養生水槽中に置かれている。
(5)取り出したい特定のコンクリート供試体のロットの情報や固有番号をサーバやパーソナルコンピュータ等から読み取る。
(6)(4)で識別されたコンクリート供試体のうち、キャップを被ったコンクリート供試体について、リーダ/ライタ等の読み取り装置で、キャップに組み込んだ非接触通信媒体の情報や固有番号を読み取り、取り出したい特定ロットのコンクリート供試体を識別する。
(7)(6)で識別した特定ロットのコンクリート供試体を取り出し、強度試験を行う。
このコンクリート供試体の強度試験時の操作については、上述した[A]コンクリート試験方法(その1)の(6)〜(8)の操作、[B]コンクリート試験方法(その2)の(8)〜(10)の操作と同様である。
コンクリート供試体に備えられたICタグ(RFID)等の非接触通信媒体は、強度試験時に廃棄されること、また、強度試験の結果に影響を及ぼさないことが求められるので、その特性、形状、価格等が制限される。したがって、コンクリート供試体を養生水槽中に配置した状態で、ICタグリーダ/ライタ等を用いて、ICタグ(RFID)等の非接触通信媒体の情報を読み取ることは難しい。
一方、キャップに組み込む非接触通信媒体は,強度試験時には取り外されるので、その特性、形状、価格等が制限されることもなく、コンクリート供試体を養生水槽中に配置した状態においても、ICタグリーダ/ライタ等の読み取り装置を用いて、情報や固有番号等を読み取ることのできる非接触通信媒体を組み込むことができる。
さらに、読み取り装置が該当するキャップに近づいた場合には、キャップに近づいたことを光、音等の信号で知らせるようにすることもできる。この場合、信号はキャップから発せられるようにすることもでき、読み取り装置や別の装置から発せられるようにすることもできる。
また、同日に試験されるコンクリート供試体を絞り込んでから、読み取り装置により特定のコンクリート供試体を捜すことができるので、捜す対象を絞ることができ、簡易に特定のコンクリート供試体を捜すことができる。
本実施形態のコンクリート試験方法においても、第2の実施形態のコンクリート試験方法と同様の効果を奏することができる。
しかも、非接触通信媒体を備えたコンクリート供試体を用いてコンクリート試験を行うので、コンクリート供試体に固有の打設日、養生開始日、試験日等の各種情報を非接触通信媒体に記載することができ、この非接触通信媒体に基づき養生水槽内に配置された多数のコンクリート供試体のなかから、目的とするコンクリート供試体を簡易かつ正確に識別し、取り出すことができる。
さらに、この非接触通信媒体を利用して、コンクリート試験の全過程の情報を管理することができる。

Claims (5)

  1. 養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、
    次いで、前記養生水槽中にコンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、
    次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別することを特徴とするコンクリート供試体の識別方法。
  2. 前記撮像は、前記養生水槽の上方向または斜め上方向からの前記養生水槽の槽内の撮像であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート供試体の識別方法。
  3. コンクリート供試体にコンクリート試験を行うコンクリート試験方法において、
    所定の大きさ及び形状のコンクリート供試体を作製し、
    次いで、養生水槽の貯水された槽内を撮像して第1の画像を得、
    次いで、前記養生水槽中に前記コンクリート供試体を配置し、このコンクリート供試体を含む前記養生水槽の槽内を撮像して第2の画像を得、
    次いで、前記コンクリート供試体を前記養生水槽内にて所定の期間、水中養生し、
    次いで、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合し、これら2つの画像の差異に基づき前記コンクリート供試体を識別し、この識別されたコンクリート供試体を前記養生水槽から取り出し、このコンクリート供試体を用いて前記コンクリート試験を行うことを特徴とするコンクリート試験方法。
  4. 前記撮像は、前記養生水槽の上方向または斜め上方向からの前記養生水槽の槽内の撮像であることを特徴とする請求項3記載のコンクリート試験方法。
  5. 前記コンクリート供試体を作製する際に、このコンクリート供試体に非接触通信媒体を埋め込みまたは取り付けることを特徴とする請求項3または4記載のコンクリート試験方法。
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