JP2010222733A - フィブリル化繊維偏在積層体及び自動車用摩擦材 - Google Patents

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一郎 北村
Kenji Uhara
賢治 鵜原
Masanobu Matsuoka
昌伸 松岡
Toshihiko Kimura
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Abstract

【課題】層間強度に優れると共に、潤滑特性と摩擦特性のバランスに優れ、クラッチ性能の向上を実現するフィブリル化繊維偏在積層体を提供する。
【解決手段】フィブリル化繊維を含有する不織布と布帛とを、高圧水流交絡処理により積層してなるフィブリル化繊維偏在積層体であり、不織布のフィブリル化繊維は全芳香族ポリアミド繊維又はアクリル繊維から選ばれ、また、布帛を構成する繊維は全芳香族ポリアミド繊維、セルロース繊維又はアクリル繊維から選ばれることが好ましい。このフィブリル化繊維偏在積層体は、表層部が主として高度にフィブリル化した繊維より構成され、それが部分的に縦方向に下部の布帛繊維に三次元的に交絡し、裏面はフィブリル化の少ない繊維より構成される2層構造を有する不織布であり、自動車駆動系での摩擦材として使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は高度にフィブリル化した繊維が偏在したフィブリル化繊維偏在積層体及びそれを用いてなる自動車用摩擦材に関するものである。
摩擦材とは、大きな摩擦抵抗により駆動側の力を被駆動側に伝達したり、動いている物体を安全に停止させたりすることを目的として用いられ、具体的な用途としては、車輌等のクラッチやブレーキに使用される。摩擦材としては、燒結金属等の金属摩擦材と有機繊維等から構成される有機質摩擦材がある。特に、自動車用自動変速機の湿式多板クラッチの摩擦材は、殆どが有機質摩擦材であり、ペーパー摩擦材と呼ばれる摩擦材が主に使用されている。ペーパー摩擦材としては、全芳香族ポリアミド繊維(東レ・デュポン社のケブラー(登録商標)、テイジン・アラミド社のトワロン(登録商標)等)の高度にフィブリル化したパルプを水中に分散させた後に、抄紙し、乾燥後にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂及び無機粒子等を含浸させ、加熱硬化、加圧成形することで製造される摩擦材が主に使用されている。
自動車用自動変速機の湿式多板クラッチ部分では、ペーパー摩擦材が潤滑油に浸された状態で係合されて動力を伝達している。繊維が絡み合ってできているペーパー摩擦材の基材中には気孔部が存在し、その気孔部に潤滑油が保持されることで、摺動中には潤滑油の浸透や浸み出しが起き、潤滑特性を発揮する。一方で、耐熱性に優れた全芳香族ポリアミド繊維の高度にフィブリル化したパルプが、表層一面に存在することにより、良好な摩擦特性を発揮することができる。
しかしながら、従来技術にあっては、抄紙工程で、高度にフィブリル化されたパルプの積層、絡合を行っているために、得られた基材の表裏及び中間層の何れにおいてもパルプが一様に存在した単層品となり、基材の厚み方向ではパルプが均一に分布した状態である。そのため、基材中に気孔部は存在するものの、十分な潤滑油を保持し良好な潤滑特性を発揮するには至っていない。また、近年の自動車業界においては、省エネルギー化、軽量化の追求により、各種使用部品の軽量化及び高効率化が進められている一方、エンジンは高回転、高出力化の傾向にある。自動車用自動変速機においても、自動車エンジンの高回転、高出力化に対応すべく、ペーパー摩擦材に対して摩擦係数の向上や耐熱性、耐久性の更なる改善が求められている。
そこで、繊維基材、樹脂結合剤及び充填剤を含む摩擦面側摩擦材層には、耐熱強度の強い樹脂を結合剤とし、前記摩擦面側摩擦材層とは樹脂結合剤のみが異なり他の組成は同じである裏板側摩擦材層とからなる二層構造の摩擦材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、各層の樹脂結合剤が異なることから、摩擦面側摩擦材層と裏板側摩擦材層とを個別に作製し、加熱加圧成形により一体化しているため、層間で剥離すると言う問題があり、また、同じ繊維基材を用いるので、繊維基材中の気孔部の分布が一様であるため、潤滑特性と摩擦特性のバランス面では改良の課題がある。
また、第1層が、油吸収性繊維及びフィラーを含み、第2層が耐高温性のアラミド繊維、フィラー、シリカ粒子、摩擦調節粒子及び所望によりガラス繊維を含む二層繊維質基材において、第1層は、第2層よりも低い密度を有している二層繊維質基材が開示されている(例えば、特許文献2参照)。本特許文献では、第1層と第2層とが異なる組成と密度を有する二層繊維質基材が開示されているが、この二層繊維質基材は抄紙工程での抄き合わせによる製造方法により得られるものであり、各層は三次元的に交絡されていないので、上下層での層間強度に改良の課題がある。また、第1層に油吸収性繊維を含むことにより、潤滑油の浸透性は向上するが、一方で、油吸収性繊維が潤滑油を取り込むことにより、浸み出し性が悪くなると言う課題がある。
また、乾式不織布と湿式不織布とを絡合一体化し、湿式不織布側から摩擦調整剤を充填し、全体に熱硬化性樹脂を含浸、硬化した基材を加熱圧縮成形した湿式摩擦材が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、本特許文献の明細書中には、乾式不織布と湿式不織布の各層を構成する繊維の径や状態に関する記載は無く、また実施例においても、同じ太さのパラアラミド繊維からなる乾式不織布と湿式不織布とをニードルパンチにより絡合一体化した例が記載されているだけである。これは、本特許文献が、二層の層間強度を維持することに主眼をおいているためであり、潤滑特性と摩擦特性のバランス面では改良の課題がある。
また、フィブリル化繊維が偏在し、該繊維の含有量が、片表面>反対側表面であるフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法であって、抄紙機の抄網上にフィブリル化繊維含有量が相対的に少ない第1原料スラリーを送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、該湿潤ウェブ上にフィブリル化繊維含有量が相対的に多い第2原料スラリーを送出して湿式抄紙することを特徴とするフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。本特許文献では、抄紙工程での抄き合わせによる製造方法が開示されており、各層は三次元的に交絡されていないので、上下層での層間強度に改良の課題がある。また、本特許文献は、通気性を有するピンホールフリーの緻密な不織布の製造方法に関するものであり、自動車用摩擦材の潤滑特性と摩擦特性に関する記載はない。
特開平07−292128号公報 特開平10−046499号公報 特開2004−217790号公報 特開2005−023471号公報
本発明の目的は、層間強度に優れると共に、潤滑特性と摩擦特性のバランスが良好なフィブリル化繊維偏在積層体とそれを用いてなる自動車用摩擦材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明に到達した。
すなわち、本発明は、フィブリル化繊維を含有してなる不織布と布帛とを高圧水流交絡処理により積層してなることを特徴とするフィブリル化繊維偏在積層体、及びそれを用いてなる自動車用摩擦材を提供するものである。
本発明のフィブリル化繊維偏在積層体においては、不織布がさらにフィブリル化した繊維より太い短繊維を含有し、不織布を構成する全繊維に対するフィブリル化繊維の含有量が10〜90質量%であり、フィブリル化した繊維より太い短繊維の含有量が10〜90質量%であることが好ましい。
フィブリル化繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維及びセルロース繊維から選ばれる少なくとも1種であり、更には全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、フィブリル化した繊維より太い短繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維及びセルロース繊維から選ばれる少なくとも1種であり、特に全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
布帛が、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維及びセルロース繊維から選ばれる少なくとも1種の短繊維を含有してなることが好ましい。
フィブリル化繊維を含有してなる不織布の目付量が5〜80g/mで、布帛の目付量が80〜800g/mであることが好ましい。
本発明は、フィブリル化した繊維が偏在し、且つ、繊維同士が三次元的に交絡されている積層体である。即ち、表層部が主としてフィブリル化した繊維より構成され、それが部分的に縦方向に下部の布帛を構成する繊維に三次元的に交絡し、裏面(布帛)はフィブリル化の少ない繊維より構成される積層体である。このように、表裏の緻密性に差異を設けることで、表層面での摩擦効果を維持しつつ、裏面では潤滑油の浸透と浸み出しを良くして、潤滑特性と摩擦特性のバランスが良好なフィブリル化繊維偏在積層体となり、スムーズな変速やタイムラグ解消が可能で、高レスポンス化及び高機能化が可能となる自動車用摩擦材を提供することができる。
実施例1のフィブリル化繊維偏在積層体の表面の表層部を走査型電子顕微鏡にて撮影した写真である。 実施例1のフィブリル化繊維偏在積層体の裏面の表層部を走査型電子顕微鏡にて撮影した写真である。 実施例1のフィブリル化繊維偏在積層体の表面の表層部をタテ方向より走査型電子顕微鏡にて撮影した写真である。
以下、本発明のフィブリル化繊維の偏在する積層体について詳細に説明する。
本発明のフィブリル化繊維偏在積層体に用いる布帛の形態としては、乾式不織布、織物、編み物などがあげられる。これらの布帛の形態の中でも、フィブリル化繊維を含有してなる不織布との水流交絡処理が容易である観点より、乾式不織布が好ましく用いられる。
乾式不織布は、カードと呼ばれる機械やエアレイと呼ばれる空気流で一定方向またはランダムに短繊維を並べて、ウェブを形成した後、ニードルパンチ、レジンボンド、サーマルボンド、ステッチボンド等の処理方法により、該ウェブを結合する方法によって得られる。製造方法に特に制限はないが、不織布と絡合するための高圧水流交絡処理時に、効率的に繊維が三次元に交絡できる観点から、繊維同士が固着しておらず、且つ、繊維間が比較的ルーズであるニードルパンチにより結合することが好ましい。
上記乾式不織布に用いる繊維の繊維長と繊維径には、特に制限はないが、布帛の製造し易さの観点から、繊維長は2〜200mm、繊維径は2〜50μmであることが好ましく、更には、繊維長は10〜100mm、繊維径は10〜30μmであることが好ましい。繊維長が2mm未満の場合、繊維同士の絡み合いによる結合力が弱く、十分な強度の布帛を得ることができない場合があり、一方、繊維長が200mmを超えた場合、高圧水流交絡処理時に繊維が三次元に交絡せず、十分な強度のフィブリル化繊維偏在積層体を得ることができない場合がある。また、繊維径が2μm未満の場合、カードやエアレイにより乾式ウェブを形成した際に、均一な地合のウェブにならず、結果として不均一な布帛となる場合があり、一方、繊維径が50μmを超えた場合、繊維間同士の絡み合いによる結合力が弱く、十分な強度の布帛を得ることができない場合がある。
布帛に用いる繊維には、特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらのコポリマー等のポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン繊維、ポリアクリロニトリル、モダクリル等のアクリル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、全芳香族ポリアミド繊維、半芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリイミド繊維、ウレタン繊維等の合成繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等の半合成繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨン等のセルロース繊維、コラーゲン、アルギン酸、キチン質などを溶液にしたものを紡糸した再生繊維を用いることができる。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体などの形でも利用でき、また、複数の成分からなる複合繊維を用いても良い。上記繊維の他に、ケナフ、竹、麻等のパルプ化していない天然繊維や、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、岩石繊維(ロック・ファイバー)、チタニア、アルミナ、シリカ等の酸化物繊維を用いることができ、当然ではあるが、これら複数の材質からなる複合繊維を用いても良い。これらの繊維の中で、耐熱性と高強度の観点から、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維であることが好ましく、耐熱性の観点から、更に好ましいのは全芳香族ポリアミド繊維である。全芳香族ポリアミド繊維の中でも、特にパラ系全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。
布帛の目付量は、特に制限はないが、80〜800g/mが好ましく、更には200〜400g/mであることが好ましい。目付量が80g/m未満の場合、十分な強度や潤滑油の保持ができないことがあり、一方、800g/mを超えた場合、布帛が厚くなり、フィブリル化繊維偏在積層体も厚くなってしまい、クラッチ本体、ひいては大型のトランスミッションが必要になることがある。
本発明の不織布に用いる「フィブリル化繊維」とは、繊維内部のフィブリル(小繊維)が、摩擦作用で表面に現れて毛羽立ちささくれた極細短繊維を言う。フィブリル化繊維には、剛直な高分子が繊維の長さ方向に高度に配向して構成された繊維を擂り潰して得られる、高度にフィブリル化した繊維(例えば、アラミドパルプ)も含まれる。摩擦特性の観点から、フィブリル化繊維は高度にフィブリル化した状態にあることが、好ましい。フィブリル化状態の程度は、JIS−P−8121に準拠して、カナダ標準濾水度(Canadian Standard Freeness又はCSF)測定法によって評価できる。CSFは、本発明の効果を阻害しない範囲であればよいが、好ましくは、10〜800ml、更に好ましくは100〜700mlである。CSFが10ml未満の場合、抄造時の濾水性が悪くなり、均一な地合の抄造原紙が得られないことがあり、一方、800mlを超えた場合、十分なフィブリル化が進んでおらず、摩擦特性に劣る場合がある。
フィブリル化繊維の平均繊維長に特に制限はないが、0.1〜5mmであることが好ましく、更には、0.5〜2mmであることが好ましい。平均繊維長が0.1mm未満の場合、高圧水流交絡処理によってフィブリル化繊維が三次元に交絡できず、層間で剥離し易いことがある。一方、5mmを超えた場合、抄造法により不織布を形成する際に、分散不良による地合の悪化を招くことがある。なお、フィブリル化繊維の平均繊維長は、KAYANNI−FS−200繊維長測定器(バルメットオートメーション社製)を用い、フィブリル化繊維の繊維長の度数分布を測定し、その長さ加重平均から求められる。
フィブリル化繊維の繊維径は、特に制限はないが、5〜1000nmであることが好ましくは、更には50〜500nmであることが好ましい。5nm未満の場合、単繊維自体の強度が低下し、摩擦特性に劣ることがあり、一方、1000nmを超えた場合、フィブリル化の進行程度が低く、同様に摩擦特性に劣ることがある。なお、フィブリル化繊維の繊維径は、フィブリル化繊維を水等で十分希釈した後に乾燥させて顕微鏡か好ましくは電子顕微鏡で観察することにより求められる。
フィブリル化繊維はフィブリル化できる繊維であれば、特に制限はなく、ポリアクリロニトリル、モダクリル等のアクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨン等のセルロース繊維、液晶ポリエステル系樹脂を紡糸することによって得られる液晶ポリエステル系繊維、羊毛繊維を用いることができる。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体などの形でも利用でき、また、複数の成分からなる複合繊維を用いても良い。上記繊維の他に、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を含むものも利用できる。さらに、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維等も含まれる。当然ではあるが、これら複数の材質からなる複合繊維を用いても良い。これらの繊維の中で、耐熱性と高強度の観点から、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維であることが好ましく、摩耗特性の観点から、更に好ましいのは全芳族ポリアミド繊維である。全芳香族ポリアミド繊維の中でも、特にパラ系全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。
フィブリル化繊維を含む不織布の目付量に、特に制限はないが、5〜80g/mが好ましく、更には10〜50g/mであることが好ましい。目付量が5g/m未満の場合、良好な地合と強度を有する不織布を得ることができないことがあり、一方、80g/m以上の場合、高圧水流交絡処理により、十分な繊維交絡が生じず、層間で剥離し易くなることがある。
フィブリル化繊維を含む不織布の製造法に特に制限はないが、フィブリル化繊維を損傷させることがなく、加工性及びフィブリル化繊維の歩留性に優れている観点から、好ましいのは湿式不織布である。
フィブリル化繊維を含む不織布は、フィブリル化繊維単独で製造しても良いが、フィブリル化繊維とフィブリル化した繊維より太い短繊維とを混合して製造することにより、抄造法で製造する際の抄紙性が向上する。混合して用いる場合、不織布を構成する全繊維に対するフィブリル化繊維の含有量が10質量%以上であることが好ましく、更には10〜90質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることが特に好ましい。不織布を構成する全繊維に対するフィブリル化繊維の含有量が10質量%未満の場合、フィブリル化繊維偏在積層体の表層にフィブリル化した繊維より太い短繊維の占める割合が多くなることで、繊維が交絡されにくくなり、剥離性が劣ることがある。一方、不織布を構成する全繊維に対するフィブリル化繊維の含有量が90質量%を超える場合、フィブリル化繊維偏在積層体の表層にフィブリル化した繊維の占める割合が多くなり、返って摩擦特性が劣ることがある。
また、フィブリル化した繊維より太い短繊維の繊維長は、特に制限はないが、0.5〜30mmであることが好ましく、更には1〜20mmであることが好ましい。繊維長が0.5mm未満の場合、高圧水流交絡処理により、十分な繊維交絡が生じず、層間で剥離しやすくなることがある。一方、30mmを超えた場合、抄造法で製造する際に水中での繊維分散状態の悪化により、得られる不織布の地合が悪くなる。フィブリル化した繊維より太い短繊維の繊維径は、特に制限はないが、0.1〜10dtexであることが好ましくは、更には0.4〜5dtexであることが好ましい。
不織布に用いるフィブリル化した繊維より太い短繊維の素材には特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらのコポリマー等のポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン繊維、ポリアクリロニトリル、モダクリル等のアクリル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ウレタン繊維等の合成繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等の半合成繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨン等のセルロース繊維、コラーゲン、アルギン酸、キチン質などを溶液にしたものを紡糸した再生繊維を用いることができる。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体などの形でも利用でき、また、複数の成分からなる複合繊維を用いても良い。上記繊維の他に、ケナフ、竹、麻等のパルプ化していない天然繊維や、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、岩石繊維(ロック・ファイバー)、チタニア、アルミナ、シリカ等の酸化物繊維を用いることができ、当然ではあるが、これら複数の材質からなる複合繊維を用いても良い。これら繊維の中で、耐熱性と高強度の観点から、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維であることが好ましく、摩耗特性の観点から、更に好ましいのは全芳族ポリアミド繊維である。全芳香族ポリアミド繊維の中でも、特にパラ系全芳香族ポリアミドが好ましい。
本発明のフィブリル化繊維偏在積層体は、フィブリル化繊維を含有してなる不織布と布帛とが、高圧水流交絡処理によって積層されてなる。不織布のフィブリル化繊維が、布帛の表面に混ざり合い、食い込んで三次元的に交絡して一体化することにより、十分な層間強度が発現し、一方で、積層体表面層でフィブリル化繊維がリッチになるように偏在することにより、良好な摩擦特性を発現することができる。一方、中間層〜裏面では布帛の繊維が三次元方向に配向するため繊維間に多数の空隙が形成されて嵩高となり、これにより、良好な潤滑油の保持と浸み出し機能を発現することができる。
本発明のフィブリル化繊維偏在積層体の目付量に特に制限はないが、好ましくは85〜880g/mであり、更には150〜500g/mであることが好ましい。目付量が85g/m未満の場合、十分な強度や潤滑油の保持ができないことがあり、一方、880g/mを超えた場合、フィブリル化繊維偏在積層体の厚みが厚くなってしまい、クラッチ本体ひいてはトランスミッションの大型化を招くことになる。
本発明のフィブリル化偏在積層体において、布帛と不織布との目付量比率(布帛目付量÷不織布目付量)に特に制限はないが、目付量比率=1〜160の範囲内であることが好ましく、更には4〜80の範囲内にあることが好ましい。両者の目付量比率が1未満の場合、積層体内の空隙が少なくなり、良好な潤滑油保持を発現できないことがあり、一方、160を超えた場合、フィブリル化繊維偏在積層体の表層にフィブリル化繊維の占める割合が少なくなり、摩耗特性が劣ることがある。
また、本発明の布帛を構成する繊維と不織布を構成する繊維とは、同種の繊維素材でも良いし、異種の繊維素材でも良いが、耐熱性と摩耗特性の観点から、両繊維共に全芳族ポリアミド繊維で構成することが好ましい。
次に、本発明のフィブリル化繊維偏在積層体の製造法について説明を行う。本発明の積層体は、布帛を製造する工程、不織布を製造する工程(繊維をフィブリル化する工程、ウェブを製造する工程)、繊維を3次元絡合する工程、水分を除去(乾燥)する工程により製造される。即ち、布帛と不織布とを製造した後、両者を重ね合わせ、不織布側から高圧柱状水流により繊維を3次元的に絡合させることで、繊維同士の絡み合いによって、層間の剥離強度を発現させることができる。高圧水流交絡処理によれば、フィブリル化繊維を損傷させることがない。
不織布を製造する工程において、繊維をフィブリル化する工程は、短繊維を水中に懸濁し、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、ボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備で適当な叩解条件の下、フィブリル化を行う。
また、ウェブを製造する工程は、従来公知の方法が用いられる。湿式不織布を製造する場合は、フィブリル化繊維を水中に投入し、パルパー等の回転式の装置で混合し、分散を行い、濃度0.1〜3.0%程度の繊維懸濁液を調製する。次いで、懸濁液を用い、長網、短網、円網等のワイヤーを少なくとも一つ有する抄紙機で抄造し湿式不織布を得る。
次に、布帛と不織布とを重ね合わせ、多孔質支持体上に載せ、高圧柱状水流を噴射し、繊維を絡合させて積層体を得る。
多孔質支持体とはワイヤーあるいはパンチングプレート等が好ましく、ワイヤーを例にとると60〜150メッシュ相当のものが好ましい。高圧水流を噴射するノズルの径は10〜500μmの範囲が好ましく、ノズルの間隔は10〜1500μmが好ましい。これらのノズルは搬送されるウェブの、幅方向に亘り、少なくとも1回以上くまなく水流で加工できる範囲が必要である。絡合に用いる水圧は、0.5〜20MPaの範囲で用いることが好ましい。更に好ましくは4〜15MPaである。0.5MPa未満だと、交絡が不十分で、十分な剥離強度が発現しないことがあり、一方、20MPaを超えると、フィブリル化繊維が飛散したり、フィブリル化繊維自体がダメージを受けてしまい、フィブリル化繊維の強度が損なわれることがある。加工速度は3〜100m/分の範囲が好ましい。また、不織布側から所定の条件で高圧柱状水流を噴射した後、更に、布帛側を上側にして多孔質支持体上に載せ、高圧柱状水流を噴射し、繊維を絡合させても良く、また、この操作を繰り返して、高圧柱状水流を噴射しても良い。
このようにして得られた積層体は、余分な水分を吸引あるいはウェットプレスなどの方法で取り除いた後、乾燥させる。乾燥させる装置としては、シリンダードライヤー、エアドライヤー、エアスルードライヤー、サクションドライヤー等が好ましく、水が実質上完全に除去される温度で使用することができる。
前記のように構成されたフィブリル化繊維偏在積層体は、熱硬化性樹脂及び摩擦摩耗調整剤を含浸させると共に樹脂を硬化させた状態で、例えば、自動車や自動二輪等の駆動系において、オートマチックトランスミッション中の湿式多板クラッチやロックアップクラッチの摩擦材として利用できる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、シアン酸エステル系樹脂、その他湿式摩擦材用のもの、油・ゴム・エポキシ樹脂、等により改質された変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリロニトリルブタジエンゴム、フッ素ゴムなど、その他多環芳香族ピッチを配合したシアン酸エステル系樹脂、フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、フェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、ノボラックエポキシ樹脂/シアン酸エステル系樹脂の組成物などが挙げられ、適宜、硬化触媒、成形用の離型剤等を添加できる。
摩擦摩耗調整剤としては、ケイソウ土、グラファイト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カシューレジン(登録商標、カシュー社)・ダスト(硬化樹脂粉末)、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)・ダスト(硬化樹脂粉末)、二硫化モリブデン、三酸化アンチモン、カーボン短繊維、鉄、ステンレス、銅、黄銅等の金属短繊維もしくは粉体等従来公知のものが挙げられ、これらを適宜組み合わせて添加できる。また、これらの摩擦摩耗調整剤は、フィブリル化繊維偏在積層体を製造した後に、含浸法等により添加することもできるし、フィブリル化繊維と同時にこれら摩耗摩擦調整剤をパルパー等の回転式装置の水中に投入して混合し、分散を行い、抄造して得られた湿式不織布を、高圧水流処理により布帛と絡合させる布帛サイドに固定化することもできる。
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を示す。
(実施例1)
全芳香族アラミドパルプ(デュポン社製、商品名:ケブラー、CSF260ml)を水中に添加し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて、乾燥質量20g/mの湿式不織布を傾斜短網抄紙機で抄造した。
一方、全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×51mm)をローラーカードにて開繊してウェブを製造し、ニードルパンチ方式により、目付量280g/mの乾式不織布を得た。
次に、上記の湿式不織布と乾式不織布とを重ね合わせ、湿式不織布側を上にして76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(10MPa)、加工速度7m/分で水流交絡処理を行った。さらに湿式不織布を反転し、圧力(14MPa)、加工速度10m/分の条件で水流噴射して、高圧水流交絡処理(以下、WJP処理)を行った。
ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、140℃で3分間乾燥を行い、実施例1のフィブリル化繊維偏在積層体(目付292g/m)を作製した。
(実施例2)
全芳香族アラミドパルプ(デュポン社製、商品名:ケブラー、CSF260ml)、全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×3mm)をそれぞれ65/35とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて、乾燥質量20g/mの湿式不織布を傾斜短網抄紙機で抄造した。
得られた湿式不織布を用いる以外は、実施例1と同じ方法でWJP処理を行い、実施例2のフィブリル化繊維偏在積層体(目付293g/m)を得た。
(比較例1)
全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×3mm)を水中に添加し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて、乾燥質量35g/mの湿式不織布を傾斜短網抄紙機で抄造した。
得られた湿式不織布を用いる以外は、実施例1と同じ方法でWJP処理を行い、比較例1のフィブリル化繊維偏在積層体(目付303g/m)を得た。
(比較例2)
湿式不織布を重ね合わせずに、全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×51mm)からなる目付量278g/mの乾式不織布のみを用いた。
(比較例3)
湿式不織布を重ね合わせずに、全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×51mm)からなる目付量278g/mの乾式不織布のみを用い、実施例1と同じ方法でWJP処理を行い、比較例3の不織布を得た。
(比較例4)
全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×3mm)のみを水中に添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて、乾燥質量300g/mの湿式不織布を傾斜短網抄紙機で抄造した。次に、乾式不織布と重ね合わせずに、実施例1と同じ方法でWJP処理を行ったところ、WJP処理の工程で湿式不織布が崩壊した。
(比較例5)
全芳香族アラミドパルプ(デュポン社製、商品名:ケブラー、CSF260ml)、全芳香族アラミド短繊維(東レ・デュポン社製、商品名:ケブラー、2.2dtex×3mm)をそれぞれ65/35とする配合で、乾燥質量300g/mの湿式不織布を傾斜短網抄紙機で抄造した。次に、乾式不織布と重ね合わせずに、実施例1と同じ方法でWJP処理を行ったところ、WJP処理の工程で湿式不織布が崩壊した。
<評価試験>
(1)目付(g/m):
JIS L1913 6.2(サイズ20cm×20cm、n=5)。
(2)通気性(cm/cm/sec):
JIS L1913 6.8(フラジール形法 125Pa)。
(3)摩耗係数:
5cm×15cmのサンプルA、7cm×17cmのサンプルBを用意し、サンプルBにサンプルAを重ね、サンプルAの上から荷重(300g、600g)を載せ、4.8cm/分の速度で走行させる。動き始める最大応力Fs、走行中の応力Fdとし、静摩擦係数(μs)をFs/荷重、動摩擦係数(μd)をFd/荷重より求める。タテ方向同士およびヨコ方向同士、各3回測定し、平均値を採る。
(4)引張強力(N)、伸度(%):
JIS K6550(引張速度10cm/分、試料幅2cm、n=5)。
(5)剥離性試験:
試験片端部から1cm長に市販のセロハンテープ(12mm幅、基材セロハン、ゴム系粘着剤)を貼り付け、セロハンテープの上部から48g/cmの荷重を30秒かける。次に、鉛直方向で試験片上端を固定し、セロハンテープ部に鉛直下方に荷重をかけて、剥離時の荷重を測定し、剥離荷重とする。上記試験を3回実施し、3回の平均値を採る。
(6)油浸透性・水浸透性:
市販の機械油(タービンオイル、粘度 ISO VG32)を試験片表面に0.5ml滴下して、液が完全に試験片に浸透する時間(秒)を測定し、油浸透速度とする。上記試験を6回実施し、最大値と最小値を捨てて残りの4回の平均値を採る。水(水道水)でも同様の試験を行う。
上記の実施例1〜2及び比較例1〜3で得られたフィブリル化繊維偏在積層体及び不織布について、上述した評価試験により評価した。その結果を表1及び表2に示す。
図1及び図2は、上記の実施例1で得られたフィブリル化繊維偏在積層体の表面及び裏面の表層部を、走査型電子顕微鏡にて撮影した写真である。図3は、同表面の表層部をタテ方向より走査型電子顕微鏡にて撮影した写真である。上記の写真から、表面はフィブリル化繊維が多く、裏面はフィブリル化繊維が殆ど存在しない積層体が得られており、フィブリル化繊維と乾式不織布の短繊維とが、高圧水流交絡処理によって絡み合っていることがわかる。
表1及び表2より、比較例2,3の結果から、WJP処理を行うことによって、摩擦特性や油浸透性は殆ど変化しないが、繊維の絡み合いによる結合力が増すことで、剥離性及び引張強度が向上することがわかる。また、フィブリル化繊維の含有量が異なる、実施例1,2の結果から、剥離性及び引張強度は、フィブリル化繊維の多い実施例1が優れているが、摩擦特性は、フィブリル化繊維に短繊維を混合した実施例2が優れていることがわかる。一方、フィブリル化繊維を含有しない比較例1は、実施例1,2に比べて摩擦特性は優れているが、剥離性が劣る。
上記結果から、フィブリル化繊維の含有量を調節することによって、摩擦特性と潤滑特性のバランスの良いフィブリル化繊維偏在積層体となり得ることがわかる。
特に、実施例2のフィブリル化繊維偏在積層体は、各比較例に比べて剥離性に優れると共に、比較例3よりも、表面と裏面の油浸透性並びに摩擦係数が高く、潤滑特性と摩擦特性のバランスに優れることがわかる。また、裏面の油浸透性が表面の油浸透性より低く浸み出し性に優れているため、高レスポンス化が可能な自動車用摩擦材となり得る。
本発明のフィブリル化繊維偏在積層体は、表層面での摩擦効果と裏面での潤滑油の浸透や浸み出し性に優れていることから、自動車用摩擦材などに好適に用いられる。自動車用摩擦材以外では、防護布帛や濾材などの資材用途に最適な材料である。

Claims (7)

  1. フィブリル化繊維を含有してなる不織布と布帛とを、高圧水流交絡処理により積層してなることを特徴とするフィブリル化繊維偏在積層体。
  2. 不織布がさらにフィブリル化した繊維より太い短繊維を含有し、不織布を構成する全繊維に対するフィブリル化繊維の含有量が10〜90質量%であり、フィブリル化した繊維より太い短繊維の含有量が10〜90質量%である請求項1記載のフィブリル化繊維偏在積層体。
  3. フィブリル化繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維及びセルロース繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載のフィブリル化繊維偏在積層体。
  4. フィブリル化した繊維より太い短繊維が、全芳香族ポリアミド繊維及びアクリル繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載のフィブリル化繊維偏在積層体。
  5. 布帛が、全芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維及びセルロース繊維から選ばれる少なくとも1種の短繊維を含有してなる請求項1記載のフィブリル化繊維偏在積層体。
  6. フィブリル化繊維を含有してなる不織布の目付量が5〜80g/mで、布帛の目付量が80〜800g/mである請求項1〜5の何れか1項記載のフィブリル化繊維偏在積層体。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載のフィブリル化繊維偏在積層体を用いてなる自動車用摩擦材。
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