JP2010214150A - 遊技機 - Google Patents

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文宏 岡戸
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Abstract

【課題】現時点で実行されている表示演出を強制的を中断することなく表示演出の時間を短縮可能な遊技機を提供する。
【解決手段】保留メモリ406の値が予め設定した値と一致した時点で、タイマ407の1秒周期のカウント数をロードし、このロードした値と一致するカウント数と対応する比較値を時間情報記憶部405からロードする。次に比較値をタイマ407の累積値を比較し、一致していれば、その時点で実行されている表示演出を中断して最終段階の表示演出に移行させ、そうでなければ、その時点から最短で表示演出を中断して最終段階の表示演出に移行可能な時点を求める。
【選択図】図38

Description

この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
従来、遊技機の代表としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞(入球)したことを検出するのに伴って、遊技者にとって有利な利益を獲得できる当否抽選を行う。この抽選として、遊技盤に設けた特別図柄表示装置に表示演出である識別変動表示を表示させる。さらに、遊技球が始動口に入球し、未実行状態の表示演出を保留状態としてカウントし、この保留数が所定数に達すると、現時点で実行されている表示演出の時間を直ちに短縮するように短縮処理が行なわれている。したがって、時短処理が行なわれると、予定していた表示演出の形態とは異なる形態の表示演出(時短表示演出)が特別図柄表示装置に表示される(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−123268号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機における時短表示演出は、抽選結果を特別図柄表示装置に早く表示させることができるので、表示演出が開始してから抽選結果が判るまで、遊技者がパチンコ機の操作ハンドルの操作を停止して遊技球を使用しない状態(止め打ち)を低減するのに有効である。
しかし、時短表示演出となる所定条件が成立すると、その時点において特別図柄表示装置で表示されている表示演出の状況の如何に関わらず、直ちに時短処理が行なわれる。したがって、遊技者の遊技経験から予測できる表示演出とは異なる形態の表示演出が直ちに特別図柄表示装置に表示されるのを遊技者が見ることになり、違和感を覚えるとともに、この時短処理が連続的に行なわれると、単調かつ違和感のある表示演出に、さらに面白味が低減させられる。その結果、遊技に対する興趣性の向上を低減させるといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技に対する興趣性の向上を図ることができる遊技機を提供することを主たる目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技球が入球手段に入球したことに基づいて複数種類の表示演出のうちいずれかを表示する表示手段を備えた遊技機において、
所定の前記表示演出の最中に所定の条件が成立した場合に、その所定条件成立から所定時間経過した時点において表示される予定であった前記所定の表示演出の一部が間引かれるようにしたことを特徴とするものである。
この発明に係る遊技機によれば、遊技球が入球手段に入球したことに基づいて複数種類の表示演出のうちいずれかを表示する表示手段を備えた遊技機において、
所定の前記表示演出の最中に所定の条件が成立した場合に、その所定条件成立から所定時間経過した時点において表示される予定であった前記所定の表示演出の一部が間引かれるように構成されているので、興趣の向上を図ることができる。
本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。 前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前面枠セットの構成を示す背面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠の背面構成を示す斜視図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 支持金具の構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 外れ図柄カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 第1図柄変動処理処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 賞球制御処理を示すフローチャートである。 貸球制御処理を示すフローチャートである。 実施例1に係る主制御装置の要部構成を示すブロック図である。 変動パターンテーブルを示した図である。 変動パターンテーブルを示した図である。 変動パターンテーブルを示した図である。 変動パターンAの表示演出が表示された画面を示す図である。 変動パターンBの表示演出が表示された画面を示す図である。 比較テーブルの構成を示した図である。 比較テーブルの構成を示した図である。 比較テーブルの構成を示した図である。 第1図柄変動表示処理を示すフローチャートである。 時間短縮処理を示すフローチャートである。 表示制御処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変形例に係る主制御装置の要部構成を示すブロック図である。
本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
なお、本明細書中の「主制御手段により決定された表示パターンに基づいて行なわれる表示演出の合計時間」とは、表示演出の開始時点から終了時点までの時間間隔、または開始時点や終了時点などを示す。また、「第1時間情報における表示演出の合計時間を所定の時間間隔で分割した時点」とは、表示演出の合計時間を等間隔、一定の規則に基づく時間、不規則な時間に分割した時間間隔の継目の時点、または、これら時間間隔を組み合わせた時間間隔ごとの継目の時点を示したものである。
(0)遊技球の入球可能な入球手段と、前記入球手段への遊技球の入球を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて遊技者の利益に関わる当否抽選を行い、この抽選結果に応じて表示パターンを決定し、この表示パターンをコマンドに変換する主制御手段と、前記主制御手段によりコマンドに変換された表示パターンに基づいて、表示手段で表示される表示演出を制御する表示制御手段とを備えた遊技機において、
前記主制御手段により変換された表示パターンのコマンドには、表示パターンに関する時間情報が含まれており、
前記時間情報は、前記主制御手段により決定された表示パターンに基づいて行なわれる表示演出の合計時間に関連した第1時間情報と、
前記第1時間情報における表示演出の合計時間を所定の時間間隔で分割した時点ごとに関連した第2時間情報とがあり、
前記表示パターンのコマンドは、少なくとも前記第1時間情報を含み、
かつ、前記主制御手段は、
前記時間情報のうち、第2時間情報と関連付けた時間情報値を記憶する時間情報記憶手段と、
前記検出手段により前記入球手段への入球が検出された複数回分の検出結果に基づく表示演出が、未実行状態として保留にされている保留数を記憶する保留数記憶手段と、
前記主制御手段からのコマンドに応じて開始された表示演出に連動して、この表示演出の経過時間を計数する経過時間計数手段と、
前記保留記憶手段に記憶された保留数が予め決めた所定数に達した場合に、前記経過時間計数手段から読み取った計数値と、前記時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値とを比較し、両値が一致しているか否かを判定する比較判定手段と、
前記比較判定手段による比較判定の結果、前記計数値と前記時間情報値が一致したとき、当該時点で行なわれている表示演出の時間を短縮するように前記表示制御手段に指示する時間短縮指示手段と、
を含むように構成されていることを特徴とするものである。
前記(0)に記載の発明によれば、主制御手段により変換された表示パターンのコマンドには、表示パターンに関する時間情報として第1時間情報と第2時間情報とが含まれている。第1時間情報は、主制御手段により決定された表示パターンに基づいて行なわれる表示演出の合計時間に関連する。第2時間情報は、第1時間情報における表示演出の合計時間を所定の時間間隔で分割した時点ごとに関連する。また、主制御手段は、時間情報記憶手段と、保留数記憶手段と、経過時間計数手段と、比較判定手段と、時間短縮指示手段とを備えている。時間情報記憶手段は、表示パターンに関する時間情報のうち、第2時間情報と関連付けた時間情報値を記憶する。保留数記憶手段は、検出手段により入球手段への入球が検出された複数回分の検出結果に基づく表示演出が、未実行状態として保留にされている保留数を記憶する。経過時間計数手段は、主制御手段からのコマンドに応じて開始された表示演出に連動して、この表示演出の経過時間を計数する。比較判定手段は、保留記憶手段に記憶された保留数が予め決めた所定数に達した場合に、経過時間計数手段から読み取った計数値と、時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値とを比較し、両値が一致しているか否かを判定する。時間短縮指示手段は、比較判定手段による比較判定の結果、計数値と時間情報値が一致したとき、当該時点で行なわれている表示演出の時間を短縮するように前記表示制御手段に指示する。
つまり、入球手段に複数個の遊技球が連続して入球したことを検出手段が検出することにより、表示演出が未実行状態となり保留されるものが発生し、これら複数個の保留分が保留数記憶手段に記憶されてゆく。保留数記憶手段に記憶された保留数が所定数に達すると、経過時間記憶手段から読み取った計数値と、時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値との比較処理が行なわれ、両値が一致したときに当該時点で行なわれている表示演出の時間を短縮するように、主制御手段の構成に含まれた時間短縮指示手段から表示制御手段にその指示がされる。
例えば、第1時間情報を所定の時間間隔で分割した第2時間情報が、表示演出中の区切りのよい時点(例えば、特定のキャラクターが画面に登場してから消えてゆくまで)に割り当てられている場合、その表示演出が途中で中断されることがないようにすることができる。
すなわち、表示演出の時間の短縮処理が行なわれても、表示演出が突然に中断され遊技者の遊技経験から予測している表示演出と異なる形態の表示演出が直ちに特別図柄表示装置に表示されるのを回避することができる。その結果、表示演出を見ている遊技者は、表示演出に対して違和感を覚えることがなく、かつ、面白味が低減するのを抑制することができる。換言すれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることのできる遊技機を提供することができる。
また、表示演出を短縮するための条件検出を主制御手段で行なった後に、表示演出の時間を短縮させる指示を表示制御手段に指示することができるので、主制御手段内で遊技機を統括的に処理および制御することができ、外部から抽選結果を操作するような不正行為を防止するのに有効となる。
また、表示演出の時間を短縮させることにより、抽選の結果を早く表示手段に表示させて遊技者に判らせることができるので、表示演出の間に遊技者が止め打ちをするのを低減させることができ、ひいては遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
前記表示演出は、始動条件の成立に基づいて所定の識別情報の変動表示を開始し、その後に所定の絵柄の態様で停止して当否結果を表示する変動表示演出を含み、前記表示手段は、前記変動表示演出を表示する識別情報変動表示手段であることを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、表示演出は、始動条件の成立に基づいて所定の識別情報の変動表示の表示を開始し、その後に所定の絵柄で停止して当否結果を表示する変動表示演出を含むことが好ましい。また、表示手段は、変動表示演出を表示する識別情報変動表示手段であることをことが好ましい。
本明細書中の「識別情報」とは、数字,英字,漢字などの文字を示す図柄、その他の図、模様、絵(キャラクタなどを含む)またはそれらを組み合わせたもの、またはその他のものであって、遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態など)への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させるための表示情報のことである。
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
変動表示演出の変動表示は、その変動表示演出が行なわれる時間のうち、識別情報の識別が可能または容易とする第1期間と、識別情報の識別が不可能または困難とする第2期間とから区分されており、
前記時間情報記憶手段に記憶された時間情報値は、変動表示演出における前記第2期間内を所定の時間間隔で分割した時点を示す時間情報である
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、変動表示演出の変動表示は、その変動表示演出が行なわれる時間が第1期間と第2期間に区分されている。第1期間は、識別情報の識別が可能または容易とする変動表示がされる。第2期間は、識別情報の識別が不可能または困難とする変動表示がされる。また、時間情報記憶手段に記憶された時間情報値は、変動表示演出における第2期間内を所定の時間間隔で分割した時点を示す時間情報である。
つまり、第2期間内において保留数が所定数に達したときに当該時点で表示手段に表示されている変動表示の時間を短縮可能であるか否かの比較判定処理が比較判定手段によって実行される。
なお、本明細書中の「第1期間」とは、始動条件が成立して識別情報の変動表示が開始し、高速の変動表示になるまでの期間と、高速の変動表示が終了して数字などの図柄が停止して確定するまでの期間であり、「第2期間」は、第1期間を除く識別情報の変動表示が高速に変動している期間のことである。
(3) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記主制御手段からの表示パターンのコマンドに基づき、前記表示手段に所定の表示演出を表示させるための複数種類の表示パターンと、これら表示パターンごとに対応させた画像データとを記憶する画像データ記憶手段と、
前記主制御手段からの表示パターンのコマンドに応じた所定の表示パターンを前記画像データ記憶手段から選択するとともに、この選択した表示パターンの画像データを読み出して変動表示演出用の動画像を作成する動画像作成手段とを備えた、
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、表示制御手段は、画像データ記憶手段と、動画像作成手段を備えている。画像データ記憶手段は、主制御手段からの表示パターンのコマンドに基づき、表示手段に所定の表示演出を表示させるための複数種類の表示パターンと、これら表示パターンごとに対応させた画像データとを記憶する。動画像作成手段は、主制御手段からの表示パターンのコマンドに応じた所定の表示パターンを画像データ記憶手段から選択するとともに、この選択した表示パターンの画像データを読み出して変動表示演出用の動画像を作成する。
すなわち、表示制御手段は、主制御手段からの指示のみにしたがって表示手段に表示する一連の変動表示態様を決定することができる。
(4) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、主制御手段は、始動条件が成立して表示演出が開始されると同時に所定の経過時間を単位周期としてカウントするカウント手段を備え、
かつ、前記第2時間情報は、第1時間情報の合計時間を前記単位周期で除算した複数時点、除算後の値を整数倍した複数時点、またはこれらを組み合わせた複数時点を示す時間情報であって、
前記時間情報記憶手段は、当該第2時間情報と関連付けた時間情報値を記憶した
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、主制御手段は、さらにカウント手段を備える。カウント手段は、始動条件が成立して表示演出が開始されると同時に所定の経過時間を単位周期としてカウントする。また、第2時間情報は、第1時間情報の合計時間を単位周期で除算した複数時点、除算後の値を整数倍した複数時点、またはこれらを組み合わせた複数時点を示す時間情報であって、時間情報記憶手段は、当該第2時間情報と関連付けた時間情報値を記憶している。
すなわち、表示演出の所定の経過時間を単位周期に設定するとともに、この単位周期を整数倍などにして複数個の組み合わせた時点を示す時間情報とし、第2時間情報と関連付けることにより、第2時間情報内で分割する表示演出の時間を任意に設定しやすくするとともに、不用意に多分割するのを抑えることができる。その結果、短い時間間隔に分割した区切りのよい表示演出用の画像データを必要以上に多数作成しなくてよい。
(5) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記比較判定手段は、前記経過時間計数手段から読み取った計数値と、前記時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値との比較処理の結果において、両値が一致しなかった場合に、その計数値以上で、かつ、計数値に最も近い時間情報値を時間情報記憶手段から読み出して、一時的に記憶しておく仮記憶手段を備え、
かつ、比較判定手段は、次の処理を行う、
比較判定処理の結果、計数値と時間情報値の両値が一致しない場合に、前記計数値に最も近い時間情報値を読み出して、前記仮記憶手段に記憶し、
前記経過時間計数手段から計数値を逐次に読み取り、前記仮記憶手段に一時的に記憶されている時間情報値と比較し、両値が一致するまで比較判定処理を行ない、
前記比較判定処理の結果、両値が一致したときに、当該時点で行なわれている表示演出の時間を短縮するように前記表示制御手段に指示し、かつ、前記仮記憶手段に記憶した時間情報値を消去する
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、比較判定手段は、さらに仮記憶手段を備えている。仮記憶手段は、比較判定手段が経過時間計数手段から読み取った計数値と、時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値との比較処理を行なった際に、その結果において両値が一致しなかった場合に、その計数値以上で、かつ、計数値に最も近い時間情報値を時間情報記憶手段から読み出して、一時的に記憶しておく。そして、比較判定手段は、仮記憶手段に一時的に記憶した値と、経過時間計数手段から逐次に読み取った計数値とが一致するまで比較判定処理を行なう。両値が一致した時点で表示制御手段に現時点で実行されている表示演出の時間を短縮するように指示する。
例えば、時間情報記憶手段から読み取って仮記憶手段に一時的に記憶した時間情報値が、表示演出の区切りのよい時点(例えば、キャラクターが画面に登場してから消えてゆくまで)に割り当てた場合、その表示演出を全て見せた後に、その後の表示演出の時間を短縮するようにすることができる。
すなわち、表示演出の時間を短縮する時点において、その時点で表示手段に表示されている表示演出を突然に中断させることがないので、表示演出を見ている遊技者に違和感を与えることなく、かつ、面白味を低下させるのを抑制することができる。換言すれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができる。
(6) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記比較判定手段は、前記経過時間計数手段から読み取った計数値と、前記時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値との比較処理の結果において、両値が一致しなかった場合に、その計数値以上で最も近い時間情報値を読み出し、当該時間情報値と計数値との偏差を算出する算出手段を備え、
かつ、比較判定手段は、次の処理を行う、
前記算出手段により算出された偏差分の残り時間を減算してゆき、偏差が零になった時点で当該時点で行なわれている表示演出の時間を短縮するように前記表示制御手段に指示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、比較判定手段は、さらに、算出手段を備えている。算出手段は、比較判定手段が経過時間計数手段から読み取った計数値と、時間情報記憶手段に記憶されている時間情報値との比較処理を行なった際に、その結果において両値が一致しなかった場合に、その計数値以上で、かつ、計数値に最も近い時間情報値を時間情報記憶手段から読み出し、両値の偏差を算出する。そして、比較判定手段は、算出した両値が一致するまでの残り時間としての偏差が、零になるまで減算してゆく。偏差の減算処理が零になった時点で表示制御手段に現時点で実行されている表示演出の時間を短縮するように指示する。
例えば、時間情報記憶手段から読み取った時間情報値が、表示演出の区切りのよい時点(例えば、キャラクターが画面に登場してから消えてゆくまで)に割り当てた場合、その表示演出を全て見せた後に、その後の表示演出の時間を短縮するようにすることができる。
すなわち、表示演出の時間を短縮する時点において、その時点で表示手段に表示されている表示演出を突然に中断させることがないので、表示演出を見ている遊技者に違和感を与えることがなく、かつ、面白味を低下させるのを抑制することができる。換言すれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができる。
(7) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の遊技機によれば、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。例えば、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できない。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドル228と発射モータ229(図6参照)などで構成されている。なお、上述した遊技球発射装置38が本発明における遊技球発射手段に相当する。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃え難くなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
ここで、前面枠セット14は、少なくとも遊技球発射ハンドル18に干渉しないようにして本パチンコ機10の下方に拡張して設けられており、具体的な数値を示すと、パチンコ機10の下端から前面枠セット14の下端までの寸法(図1のH1)は、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機10の下端から上皿19までの寸法(図1のH2)も小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では261mmとなっている。かかる構成では、上皿19の位置を下げたことにより、球貸し装置のノズル部と上皿19との距離が大きくなって貸し出される遊技球のこぼれ落ちなどが懸念されるが、本実施例では、当該ノズル部からの遊技球を受ける部分(向かって左側部分)で上皿19の周囲壁の一部を高くした(図1の高壁部19a)。これにより、上皿19の位置を下げた構成にあっても貸し遊技球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。なお、高壁部19aの高さ寸法は、上皿19の下げ寸法に見合うものであればよく、本実施例では25mmとした。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、作動口スイッチ224等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置42と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41とを備えている。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部43による表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。なお、表示部43は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第1図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第1図柄表示装置42が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。この実施例では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることができ、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第2の始動口34は、該第2の始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第1の始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、第2の始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、第2の始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板132,131が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることができる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置38より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール52のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図8の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図10は内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り換えることができるよう構成されており、図9にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第1図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。なお、上述した作動口スイッチ224が本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1の始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。図10,20に示すように、遊技球分配部245は、その上方位置に位置する後述の払出機構部352とは別体としている。図10に示すように、遊技球分配部245は、内枠12にネジで締結固定されており、パチンコ機10の上皿19の排出口67(図3参照)から異物を挿入操作するなどしても動かない、つまり遊技球分配部245が奥側に押されて遊技球分配部245と内枠12との間に隙間が空くようなことが無いし、この隙間に異物を挿入するなどによる不正を防止できる。
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図13〜図16を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、裏パックユニット203を軸線Cを軸心として開き、第1制御基板ユニット201を軸線Aを軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を、図17〜図19を用いて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。但し、図18では便宜上、カードユニット接続基板314が取付台301から取り外された状態を示している。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、裏パックユニット203の正面図を図20に示し、分解斜視図を図21に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体化となるようにユニット化されている。つまり、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
タンクレール356の構成について詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図20,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
なお、図6,図20に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
なお、図9に示すように、裏パックユニット203は、被締結孔240及びナイラッチ386と、固定具241,242とによって、内枠12の裏面に着脱自在に取り付けられている。このように固定具241,242も用いているので、タンク355に供給される遊技球の重みで裏パックユニット203が内枠12から外れてしまうことを防止している。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図23を用いて説明する。図23は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図33の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路643、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第2図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置42及び第2図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流5ボルトの電圧を監視し、この電圧が5ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図33のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,613のデータがクリアされる。
ところで、第1図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図24に示すように、左・中・右の3つの図柄列L,M,Rが設定されており、図柄列L,M,R毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第1図柄:例えば特別図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄が配されて一連の図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左図柄列Lにおいては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示され、中図柄列M及び右図柄列Rにおいては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示される。そして、左図柄列L→右図柄列R→中図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第1図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第1図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、第1図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「676」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「676」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で綴り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は10で、その値は 「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第1図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽通は、第1図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第1図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算給果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、第2図柄表示装置41の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図26〜図37のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図31において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1の始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図32のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。このように始動入賞処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図33は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。図33のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図33のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。その内容は図33で説明した通りである(但し、この払出制御装置311のNMI割込み処理ではステップS804の電源断通知コマンドの送信はない)。
次に、メイン処理について説明する。
図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻り、それから後述する通常処理(図27参照)に移行する。例えば、通常処理のステップS202まで実行されて電源断となった場合には、電源断前の番地へ戻り、通常処理のステップS203から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図27において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パ夕ーンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図28に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄例の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS307では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS306に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カタンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS310では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS311に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS306,S310が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図27のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS207では、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部43にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると第1の始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図31に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図29のフローチャートを参照して説明する。
図29において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第1図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図30のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄〉で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄〉が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動種別を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図29の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止命令を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図34は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ523がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。
図35において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図36)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図37)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図36に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
また、図37に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
次に、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について説明する。
なお、本実施例では、第1の始動口33に所定数の遊技球が入球し、識別変動表示としての表示演出が未実行状態にある保留数が所定数に達したとき、その時点で実行されている表示演出を中断させて表示演出の時間を短縮可能であるか否を判定する。判定の結果、表示演出の中断が可能であれば、その時点の表示演出を中断し、表示演出の中断が禁止されている抽選結果を表示させる最終段階の表示演出に移行させて表示演出の時間を短縮する。また、現時点の表示演出を中断して時間の短縮が不可能であると判定した場合は、表示演出中で時間の短縮可能な最短な時点まで表示演出を行い、それ以後の表示演出を中断して最終段階の表示演出に移行させることのできるパチンコ機について説明する。
図38は、本実施例に係るパチンコ機の主制御装置の構成を示すブロック図である。
前述したように、主制御装置261は、パチンコ機10の遊技を統括制御するものであり、図38に示すように、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示結果が予め設定した特定の図柄の組合せ(大当り図柄)となったことを必要条件に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる機能を有するものである。要するに、主制御装置261は、「0」〜「676」までの値をとり得る大当たり乱数カウンタC1(特別遊技状態となるか否かを決定するための第1乱数群)の値(第1乱数)に基づいて特別遊技状態を発生させているのである。
具体的には、図23に示す主制御装置261のCPU501は、大当たり乱数カウンタC1を発生させる第1乱数発生部400(第1乱数群発生機能)を有している。主制御装置261のRAM503は、第1の始動口33に遊技球が入賞する毎に、このRAM503の保留球格納エリアのうちの大当たり乱数カウンタC1の値を記憶するエリア(第1乱数記憶部402)を備えている。また、主制御装置261のCPU501は、この保留球格納エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であるか否かを判定する第1判定部404(判定機能)をも有している。
なお、第1の始動口33に設けられた作動口スイッチ224での遊技球の入賞検出のタイミングで、第1乱数発生部400での大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)がRAM503の保留球格納エリア(第1乱数記憶部402)に記憶されるようになっている。また、低確率時においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)が2個の値「337,673」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)が10個の値「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の第1乱数発生部400,第1判定部404は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
そして、CPU501で大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であると判定した場合には、主制御装置261から可変入賞装置32に特別遊技状態とするための信号が出力される。可変入賞装置32は、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動するという大当たり動作を実行する。
また、主制御装置261は、図38に示すように、第1の始動口33での遊技球の入賞検出に基づいて、第1図柄表示装置42に表示させるべき変動表示演出を決定し、この決定した変動表示演出の実行を表示制御装置45に指示する。具体的には、主制御装置261は、第1の始動口33への遊技球の入賞検出時における各種のカウンタ値(例えば、リーチ乱数カウンタC3や変動種別カウンタCS1やその他のカウンタなど)に基づいて、第1図柄表示装置42に表示させるべき変動表示演出を決定し、この決定した変動表示演出の実行を示唆する各種のコマンド(例えば、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドや確定コマンドなど)を表示制御装置45に出力指示する。つまり、主制御装置261は、第1図柄の変動表示における変動の態様を指示する変動パターンをコード化した変動パターン指令としての変動パターンコマンドと、変動停止時の第1図柄を示す停止識別情報指令としての停止図柄コマンドとを表示制御装置45に送信し、その後に、第1図柄を停止させるタイミングを示す識別情報確定指令としての確定コマンドを所定のタイミングで表示制御装置45に送信する構成となっている。
さらに、主制御装置261は、図38に示すように、時間情報記憶部405、保留メモリ406、タイマ407、比較判定部408、および時間短縮指示部409などから構成されている。なお、時間情報記憶部405は、本発明の時間情報記憶手段に、保留メモリ406は保留数記憶手段に、タイマ407は経過時間計数手段に、比較判定部408は、比較判定手段に、時間短縮指示部409は、時間短縮指示手段にそれぞれ相当する。以下、各部の構成について具体的に説明する。
時間情報記憶部405は、第1の始動口33に遊技球が入球して始動条件が成立したときに主制御装置261から表示制御装置45に送信される変動パターンコマンドに含まれる複数種類の情報が記憶されている。この情報は、実行される一連(1回分)の表示演出の情報(第1時間情報)を複数個の表示演出に分割し、この分割した表示演出の時間情報(第2時間情報)と関連付けて記憶したものである。
また、時間情報記憶部405に記憶されている情報は、主制御装置261が表示制御装置45に送信する情報と同一のものであって、表示制御装置45に備わった変動パターンテーブル410と一部関連付けてある。そのため、変動パターンテーブル410の構成について先に説明する。
図39から図41に示すように、本実施例ではパターンAからパターンCまでの3パターンがある。各パターンは、それぞれについて遊技者が大当たり状態を期待する低い期待度から高い期待度の順番に通常の変動表示、ノーマルリーチ演出表示、およびスペシャルリーチ演出表示となる変動表示の態様を備えている。
また、各パターンの表示演出では、その表示演出が前期の短縮禁止期間、中期の短縮可能期間、および後期の短縮禁止期間の3つに分割されている。前期および後期の短縮禁止期間は、その期間内で実行されている表示演出を中断して表示演出の時間の短縮ができないようになっている。なお、前期および後期の短縮禁止期間は、本発明の第1期間に相当し、中期の短縮可能期間は、本発明の第2期間に相当する。
前期の短縮禁止期間は、例えば、表示演出の開始に伴って識別情報が低速から所定速度の高速の変動表示に移行するまでの期間である。
後期の短縮禁止期間は、抽選の結果を表示すための最終段階の表示演出が実行される期間である。
短縮可能期間は、前期の短縮禁止期間の終了後に識別情報の変動表示が高速状態で安定している期間である。さらに、この短縮可能期間は、所定の時間間隔のブロックに分割されている。各ブロック内では、所定の表示演出の開始時点と、各表示演出が切りのよい状態で終了する終了時点によって決定されている。つまり、1ブロックで短時間の1つの表示演出が実行されるようになっている。
図39のパターンAでは、短縮可能期間がA〜Eの合計5個のブロックに分割されている。各ブロックでは、例えば次のような表示演出が実行される。ブロックAでは、図42に示すように、第1図柄表示装置42の表示画面の右上部から左上部に向けて小さい鳥が横切るように移動し、ブロックBでは、ブロックAに登場した鳥よりも大きい鳥、ブロックCでは飛行機、ブロックDではヘリコプター、ブロックEでは隕石が移動する表示演出が実行されるように設定されている。このパターンAでは、これら分割時間の表示演出のいずれか1つが短縮可能期間内にリーチ予告演出として実行されるようになっている。なお、このリーチ予告演出の選択は、主制御装置261から送信される変動パターンコマンドに応じて表示制御装置45が適時に選択するようになっている。
図40に示すパターンBでは、短縮可能期間が同じ時間間隔Fで合計7個に等分割されている。この分割時間内に、例えば、図43に示すように、分割数に応じた数の魚が1〜7の順番に湖面を飛び跳ねる表示演出を実行するように設定されている。
図41に示すパターンCでは、短縮可能期間が異なる時間間隔で3つのブロックG〜Iに分割されており、この分割時間内のいずれか1つの表示演出が実行されるようになっている。例えば、ブロックGでは枯葉が舞うような表示演出、ブロックHでは恐竜キャラクタのネッシーが湖面に姿を表すような表示演出、ブロックIでは、地震により地面などが揺れてからおさまるまでの表示演出が実行されるように設定されている。
さらに、各パターンにおけるスペシャルリーチ演出表示で短縮可能期間の後半のブロック、例えば、パターンAではブロックE、パターンCではブロックIで実行されるリーチ予告演出は、他のブロックで実行される表示演出よりも、大当たり状態を遊技者に期待させる期待値の大きい表示演出が実行されるようになっている。
変動パターンテーブル410は、上述のように構成されている。ここで、変動パターンテーブル410と関連付けて時間情報記憶部405に記憶した情報は、変動パターンテーブル410で説明した、パターンA〜Cの情報と、各パターンの変動表示態様である通常変動表示、リーチ演出表示、およびスペシャルリーチ演出表示の情報が記憶されている。なお、変動パターンテーブル410は、本発明の画像データ記憶手段に相当する。また、38に示す、CPU521は動画像作成手段に相当する。
具体的には、図44から図46に示すように、パターン毎にカウント数と比較値を記憶している。カウント数は、後述するタイマ407が4(ms)で通常処理を実行しながら、その累積値が1秒になったときを1秒周期として「+1」カウントアップするのに対応したカウント数である。すなわち、始動条件が成立して表示演出が開始する「0」時点から短縮可能期間が終了するまでの7秒までである。
比較値は、表示演出内における前期の短縮禁止期間の開始時点、短縮可能期間の開始および短縮可能期間内で分割された複数個の表示演出の終了時点の時間情報値である。
図38に戻って、保留メモリ406は、第1の始動口33に入球した遊技球を作動口スイッチ224が検出するごとに、その結果を逐次に累積加算して保留にするとともに、第1の始動口33への遊技球の入球の検出にともなって第1図柄表示装置42に識別変動表示である表示演出が実行されるとき、累積加算されている保留数が減算されるようになっている。
つまり、第1の始動口33に遊技球が入球して第1図柄表示装置42で表示演出が実行されている間に、さらに、第1の始動口33に遊技球が入球すると、現時点で実行できない表示演出の回数が保留数として累積されてゆき、表示演出が実行されるごとにその保留数が減算されてゆく。
なお、本実施例の場合、図4に示すように、遊技盤30に保留ランプ44が4個配備されているので、保留数として記憶できる最大値を「4」として設定している。したがって、保留数が4個の状態で、それ以後に第1の始動口33に遊技球が入球しても累積加算されないようになっている。
タイマ407は、第1の始動口33に遊技球が入球したことを作動口スイッチ224が検出し、第1図柄表示装置42で表示演出が開始されると同時に、表示演出の経過時間を4(ms)毎に累積加算(計数)するとともに、この累積値が1秒に達したとき(1秒周期)に「+1」をカウントアップ(計数)するようになっている。4(ms)毎の累積値および1秒周期のカウント数そのそれぞれは、適時に各部から参照されるようになっている。なお、タイマ407は、本発明の経過時間計数手段と、カウント手段とを兼ね備えた構成となっている。
比較判定部408は、保留メモリ406の保留数が所定数に達すると、その時点で第1図柄表示装置42において実行されている表示演出を中断し、以後に実行される予定であった表示演出を中断して時間を短縮し、後期の短縮禁止期間内で実行される最終段階の表示演出(抽選結果の表示する)まで移行可能であるか否かを判定するようになっている。
つまり、その時点において複数個に分割した表示演出のいずれかが第1図柄表示装置42において実行されている場合は、その表示演出の中断ができないと判定する。それ以外の分割した表示演出が開始または終了する時点であれば、その時点で表示演出を中断し、以後の短縮可能能期間内に残った未実行状態の表示演出の時間を短縮可能であると判定する。この判定結果において、表示演出の時間の短縮が可能であると判定した場合は、その時短有効であるコマンドを後述する時間短縮指示部409に送信し、そうでない場合は、表示演出を中断して表示演出の時間を短縮可能な時点を比較判定により求め、求まった時点で時間短縮指示部409に時短有効であるコマンドを送信する。
ここで、比較判定部408の具体的な処理を説明する。パターンAの通常の変動表示が実行されている最中に予め決定しておいた保留数の値が「3」になったときに表示演出の時間短縮を判定する場合を例にとって説明する。なお、ブロックBの時点で大きな鳥が画面を横切るリーチ予告の表示演出が実行されものとする。この表示演出の変動パターンは、主制御手装置261が予め表示制御装置45に送信した変動パターンコマンドによって決定されている。
第1図柄表示装置42で実行されている表示演出が開始してから3.5秒が経過した時点で保留メモリ406の値が「3」になる。この時点では、パターンAのブロックBの時点で大きな鳥が画面を横切るリーチ予告の表示演出が実行されている。
比較判定部408は、表示演出の経過時間をタイマ407から読み取る。次に、タイマ407から読み取った1秒周期のカウント数と同じ値が時間情報記憶部405のパターンAに記憶されている時間情報値としての比較値にあるか否かを比較判定する。
この場合、表示演出開始から3.5秒が経過した時点である。この値は、タイマ407における1秒周期のカウント数が「4」に達していないのでカウント数が「3」となる。したがって、テーブルAからカウント数「3」の箇所を求める。
次に、この求めたカウント数「3」に関連付けられた時間情報値である比較値が読み取られ、その時点のタイマ407の累積値と比較される。累積値が3.5秒(3500ms)で、比較値が4000(ms)であるので、両値は一致しない。したがって、比較判定部408は、この時点で分割したいずれかの表示演出が第1図柄表示装置42で実行されているものであって、この時点で表示演出を中断することができないと判定する。
次に、この時点から短縮可能期間内で表示演出の中断が可能な時点を求める。具体的には、テーブルAのカウント数の「3」に関連付けた比較値が4000(ms)であって、この値は表示演出が開始された初期時点「0」から4秒後に現在実行されている表示演出が終了することを意味する。したがって、比較判定部408は、その内部に備わった仮記憶部408Aに時間記憶情報記憶部405から読み取った比較値の4000(ms)を一時的に記憶するとともに、タイマ407による表示演出開始からの4(ms)ごとの累積値をリアルタイムに読み取り、この読み取った累積値と比較値の4000(ms)と一致するまで比較判定処理をする。
比較判定処理の結果、両値が一致すると、その時点で表示演出を中断して後期の短縮禁止期間まで移行する時短処理が可能であるとする時短有効のコマンドを時間短縮指示部409に送信する。同時に、仮記憶部408に一時的に記憶した比較値をクリア(消去)する。以上で、比較判定部408の一連の処理が終了する。なお、タイマ407の1秒周期でカウントアップしたカウント数と比較値が一致した場合は、その時点で時短処理が可能であるので、時短有効のコマンドを時間短縮指示部409に送信する。
図38に戻って、時間短縮指示部409は、比較判定部408からの受信したコマンドの指示に基づいて、時短可能であるとする時短コマンドを表示制御装置45に送信するようになっている。
リセット部411は、始動条件が成立した場合に表示演出が開始される時点で、タイマ407の累積値およびカウント数を初期値「0」にリセット(初期化)する。なお、リセット部411は、本発明の初期化手段に相当する。
表示制御装置45は、主制御装置261からのコマンドの指示に基づいて、主制御装置261で決定された変動表示演出を第1図柄表示装置42に表示させるように表示制御する。具体的には、表示制御装置45は、主制御装置261からのコマンドの指示に基づいて、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示を開始させ、主制御装置261の第1判定部404での判定結果に応じた変動表示結果を表示させるように第1図柄表示装置42を表示制御する。つまり、表示制御装置45は、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンを読み出し、この読み出した変動パターンに従った画像を第1図柄表示装置42に表示し、確定コマンドを受信すると停止図柄コマンドにより指定された停止第1図柄を確定表示する構成となっている。なお、上述したように、第1の始動口33は、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示の契機となるものである。
また、主制御装置261の時間短縮指示部409からの時短コマンドの指示に基づいて、その時点で実行している表示演出を中断させ、短縮禁止期間に実行される最終段階の図柄が停止するまでの表示演出を実行するように表示制御する。
次に、上述の実施例1のパチンコ機10における表示演出の時間を短縮させる処理について、図27および図47〜図50を用いて説明する。
先ず、主制御装置261の通常処理の要部について説明するが、上述の実施例と共通する処理については、同一符号を付すに留め、異なる処理部分について具体的に説明する。
主制御装置261のCPU501は、図27を用いて前述したように、通常処理を4(ms)毎に実行しており、この通常処理のステップS205にて第1図柄変動処理を行っている。
この第1図柄変動処理が開始すると同時に、図47に示すように、ステップS400Aでは、主制御装置261に備わったタイマ407が、4(ms)毎に累積加算してゆき累積値が1秒に達した否かを判定する。判定の結果、1秒に達していればステップS400Bに進む。そうでなければ、ステップS401に進む。
ステップ400Bでは、4(ms)の累積値が1秒に達したので、タイマ407の値「1」をカウントアップしてゆく。
大当り中でもなく、第1図柄が変動表示中であれば、ステップS401,S402,S407と進み、ステップS407では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過したのであればステップS408に進み、そうでないならステップS409に進む。
ステップS409では、主制御装置261のCPU501において、その時点で実行されている表示演出の時間を短縮することができるか否かを比較判定部408が判定する。具体的には、図48に示すように、ステップS1310に進み、このステップでは、表示演出が開始して所定時間が経過したか否かを判定する。つまり、図39〜図41のパターンA〜Cに示すように、前期の短縮禁止期間における表示演出の時間が経過したか否かを判定している。この処理の時点で、前期の短縮禁止期間の表示演出が終了し、次の中期の短縮可能期間に移行可能であれば、次のステップS1320に進む。そうでなければ、本処理を終了する。
ステップS1320では、その時点における保留メモリ406に記憶されている第1の始動口33に入球して検出され、未実行状態にある表示演出の保留数の値を確認する。保留数が予め設定された基準値に達していれば、ステップS1330に進み、そうでなければ、本処理を終了する。
ステップS1330では、保留数が所定の基準値に達しているので、その時点において実行されている表示演出の時間を短縮可能であるか否かを比較判定部408が判定するために必要である表示演出の比較情報を各部から読み出す(ロード)。具体的には、実行されている変動パターンに対応する図44から図46に示すパターンA〜Cのいずれかから選択するとともに、タイマ407の1秒周期のカウント数と、このカウント数に対応する時間情報値である比較値を時間情報記憶部405からロードする。
ステップS1340では、先ず、選択したパターンの比較値とタイマ407の累積値とを比較し、その比較判定の結果、両値が一致していれば、その時点の表示演出を中断して後期の短縮禁止期間に移行が可能であると判定し、ステップS1350に進む。そうでない場合は、本処理を終了し、4(ms)の通常処理に戻る。つまり、比較判定の結果、両値が一致していない場合は、ロードした比較値が表示演出を中断するのに最短の時点であるので、4(ms)毎の通常処理を行いながらタイマ407の累積値をロードし、このロードした累積値と、時間情報記憶部405からロードして比較判定部408内の仮記憶部408Bに一時的に記憶した比較値とが一致するまで、比較判定部408がリアルタイムに比較判定処理を行なう。
ステップS1350では、その時点での表示演出を中断可能な時点に達しているので、表示制御装置45に変動中時短コマンドを送信するように時間短縮指示部409に送信する。
ステップS1360では、時短判定部402から送信されたコマンドに応じて時間短縮指示部409が、変動中の時短作動時の値を設定する。この設定値を変動中時短コマンドとして、主制御装置261から表示制御装置45に送信して本処理を終了する。
次に、表示制御装置45のCPU521により実行される表示制御処理について、図49を用いて説明する。
図49において、まずステップS1401では、主制御装置261から何らかのコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1401が「NO」の場合、コマンドを受信するまで待機する。ステップS1401が「YES」の場合、ステップS1402に進み、そのコマンドが停止図柄コマンド、変動パターンコマンドといった図柄表示に直接関係のある表示コマンド(但し、時短コマンドは除く)であるか否かを判定する。表示コマンドを受信すると、ステップS1403に進み、その表示コマンドの内容をワークRAM523に格納する。
続いて、ステップS1404では、ワークRAM523に格納された情報に基づき、画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する。内部コマンドは、変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドであり、ワークRAM523に格納された情報に基づいてその都度必要な内部コマンドが生成される。これにより、画像コントローラ526は、CPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を行い、第1図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。このとき、CPU521は、その都度の表示演出に同期させながら、音声類、ランプ類を駆動するための制御コマンドを音声ランプ制御装置262に対して送信する。これにより、音声ランプ制御装置262は、CPU521からの制御コマンドに従って音声類やランプ類を駆動させる。
なお、表示コマンドを一旦受信するとその後に確定コマンド受信するまでの間、CPU521と画像コントローラ526との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。その間、CPU521は、画像コントローラ526の制御と図43に示すコマンド受信処理とを並行して行う。音声ランプ制御装置262における制御も同様である。
ステップS1402で受信したコマンドが表示コマンドでない場合(ステップS1402が「NO」の場合)には、ステップS1405に進み、受信コマンドが変動中時短コマンドであるか否かを判定する。ステップS1405が「YES」の場合(変動中時短コマンドである場合)には、ステップS1406に進む。
ステップS1405が「NO」の場合、すなわち主制御装置261からの受信コマンドが表示コマンドでも時短コマンドでもない場合には、当該コマンドは確定コマンドであると考えられる。故に、ステップS1407にて確定コマンドであることを確認した上で、ステップS1408では確定表示処理として画像コントローラ526に対して停止図柄での確定表示を指示する。これにより、画像コントローラ526は変動していた図柄を停止図柄で確定させる。こうして、図柄の変動開始から変動停止(確定表示)までの一連の表示処理が行われる。表示制御装置45は、図柄の変動開始時および変動停止時に主制御装置261によるコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変動については、表示制御装置45内のCPU521および画像コントローラ526による自立的な画像制御によって担保される。
ここで、ステップS1406の時短表示処理について説明する。前述したように、主制御装置261から送信された変動中時短コマンドを受信すると、その時点において、実行されている表示演出が直ちに中断されて、図39から図41に示すいずれか1つの後期の短縮禁止期間の表示演出を開始する。具体的には、表示制御装置45にて生成される内部コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,…,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,…,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次に行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次に行われる。かかる表示演出において、表示制御装置45で変動中時短コマンドを受信すると、データ出力が所定のリーチ演出データまで一気にジャンプすることにより表示演出の時間短縮による時短が行われる。換言すれば、通常変動データやリーチ演出データショートカットが行われることにより通常変動演出の時短が行われる。
なお、図27の変動開始処理を実行に際して、図50に示すように、ステップS501からステップS510を経ていずれかのマンドを主制御装置261から表示制御装置45に送信した後であって、ステップS503からステップS511のいずれかにおいて表示制御装置45側で変動パターンが決定すると、ステップS512においてその時点で主制御装置261に備わったタイマ407の累積値およびカウント数をクリアにする。クリアされたタイマ407は、次の、変動パターンの表示演出が開始すると同時に、リセットされ新たに表示演出の経過時間を累積およびカウントしてゆく。
上述のように、表示演出中の短縮可能期間を分割したブロック単位で時間管理をすることにより、そのブロック単位で、リーチ予告のように遊技者にとって有利な情報を与える表示演出を実行させることができる。このブロックごとに分割した表示演出を変動パターンテーブルのパターン毎に対応した演出情報としての表示演出の経過時間を含む時間情報と関連付けて時間情報記憶部405に記憶しておくとで、この演出情報を利用して、リーチ予告のような主要な表示演出が実行されている場合は、その表示演出を中断することなく全ての表示演出を遊技者に見せることができ、それ以外の表示演出は中断して即座に短縮禁止期間のリーチ演出を実行させることができる。
また、時短処理をする場合、主制御装置261側に備わった時間情報記憶部405に記憶されたカウント数と比較値、およびタイマ407あらロードする1秒周期のカウント数と4(ms)のカウント数を利用するだけで、短縮可能期間内のいずれの時点において,時短可能であるか否かを容易に判定することができる。すなわち、主制御装置261は、表示制御装置45に含まれる情報などをロードして利用する必要がないので、時短可能の判定の処理負担を軽減することができる。
また、表示演出の時間を短縮する条件として、第1の始動口33に遊技球が入球して作動口スイッチ224により検出された結果に基づいて、未実行状態にある表示演出の保留数が所定の保留数に達したときを条件として設定することで、累積保留数が最大値を超えることを回避することができる。つまり、所定の保留数に達した時点で現時点の表示演出の時間を短縮することで、保留数を早く減らすことができる。したがって、保留数の最大値以上の遊技球の入球があった場合に、その契機によって得られる大当たり状態に移行するための抽選の権利を遊技者が失うのを回避することができる。
これらの条件を満たすことによって、遊技の興趣性の向上を図ることができる遊技機を実現することができる。
また、保留数が所定数に達したときに、その時点またはその時点で実行されている分割した表示演出が終了した時点で表示演出を中断することにより、以後に実行される予定であった表示演出を行わずに、後期の短縮禁止期間のリーチ演出まで早く移行させることができるので、パチンコ機10の稼働率の向上を図ることができる。すなわち、遊技者は、表示演出が開始しても、リーチ演出が終了して遊技者にとって有利な大当たり状態になるまで遊技を中断(止め打ち)することがある。この中断している期間は、遊技球を使用しておらず、パチンコ機10が稼動していない状態となる。しかしながら、表示演出の時間が短くすることで、パンチン機10の稼働率を高くすることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1では、表示演出の短縮可能期間にA〜Eのいずれかの分割時間のブロック内でリーチ予告の表示演出が実行される形態であったが、図40に示すように、当分割されたブロック内の表示演出が連続して実行される場合に適用することができる。この場合、図40に示すパターンBから比較値をロードし、比較判定部408が比較判定処理を行うことにより実現することができる。すなわち、上述の実施例1と同様の効果を奏する。
(2)上述した実施例1では、比較判定部408が、比較判定処理する時点で表示演出を即座に中断することができない場合は、時間情報記憶部405のパターンからロードした比較値とタイマ407からロードする4(ms)の累積値を比較していたが、次のように構成し、表示演出の中断が可能な最短な時間を求めてもよい。
例えば、図51示すように、主制御装置261に時短時点算出部412を設け、時間情報記憶部405からロードした所定条件を満たす比較値と、保留数が所定数に達した時点のタイマ407の4(ms)の累積値との偏差を求め、この偏差分をタイマ407により累積加算させて一致する時点を求めてもよいし、偏差から累積値を減算させて「0」になった時点を時短可能時点として判定するようにしてもよい。なお、時短時点算出部412は、本発明の算出手段に相当する。
(3)上述した実施例1では、1個のタイマ407を用いて、4(ms)毎の累積加算した累積値と、4(ms)毎の累積によって1秒に達した時点の1秒周期のカウント数を求める両方の機能を備えていたが、それぞれを個別に備えた構成であってもよい。
(4)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。
以上のように、この発明は、パチンコ機等の遊技機に適している。
33 … 第1の始動口
42 … 第1図柄表示装置
45 … 表示制御装置
224 … 作動口スイッチ
261 … 主制御装置
405 … 時間情報記憶部
406 … 保留メモリ
407 … タイマ
408 … 比較判定部
409 … 時間短縮指示部
410 … 変動パターンテーブル

Claims (1)

  1. 遊技球が入球手段に入球したことに基づいて複数種類の表示演出のうちいずれかを表示する表示手段を備えた遊技機において、
    所定の前記表示演出の最中に所定の条件が成立した場合に、その所定条件成立から所定時間経過した時点において表示される予定であった前記所定の表示演出の一部が間引かれるようにしたことを特徴とする遊技機。
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