JP2010212435A - 電界効果型トランジスタ - Google Patents

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大志 重松
Shigeru Yagi
茂 八木
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Takeshi Iwanaga
剛 岩永
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Abstract

【課題】ゲート絶縁層とチャネル層との密着性が良好な電界効果型トランジスタを提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、チャネル層と、ソース電極と、ドレイン電極と、を有し、前記ゲート絶縁層は酸化ガリウムを含み、前記チャネル層は有機半導体層である、電界効果型トランジスタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、電界効果型トランジスタに関する。
電界効果型トランジスタ(FET)はゲート電極、ソース電極、ドレイン電極をもつ素子であり、ゲート電極に電圧を印加してソース、ドレイン電極間のチャネル層に流れる電流を制御することによりスイッチング機能を発現させる電子素子である。特に、基板上に作製したFETは、薄膜トランジスタ(TFT)と呼ばれている。
TFTの中でも、有機半導体をチャネル層に用いた有機TFTは、無機半導体を用いたTFTに比べて、製造プロセスが比較的簡易であり製造コストが安くなることが期待されている。また、有機TFTは、無機TFTに比べて成膜温度を低くすることができるため、有機TFTをガラス転移温度の低いプラスチック基板上でも比較的容易に形成することができるという特徴がある。
有機TFTの性能を左右する重要な要素の1つがゲート絶縁膜である。有機TFTにおけるゲート絶縁膜としては誘電率が高く、有機半導体にダメージを与えることなく均一に製膜されたものが求められる。現在、一般的に用いられているものは、Poly vinyl phenol、poly vinyl alchol、Poly imideなどに代表される有機ポリマー類、または、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどに代表される金属酸化物が挙げられる(例えば特許文献1)。
一方、特許文献2には、チャネル層がアモルファス酸化物からなり、ゲート絶縁層がYを含有するアモルファス酸化物である電界効果型トランジスタが開示されている。
特開2003−258261号公報 特開2007−288156号公報
本発明は、ゲート絶縁層が酸化ガリウムを含まない場合に比較して、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性が良好な電界効果型トランジスタを提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基板と、
前記基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、チャネル層と、ソース電極と、ドレイン電極と、を有し、
前記ゲート絶縁層は酸化ガリウムを含み、
前記チャネル層は有機半導体層である、電界効果型トランジスタである。
請求項2に係る発明は、
前記酸化ガリウムにおける、ガリウム(Ga)の原子数をIGa、酸素(O)の原子数をIとしたとき、I/IGaの値は1.3以上1.5以下である、請求項1に記載の電界効果型トランジスタである。
請求項3に係る発明は、
前記基板は可撓性を有する、請求項1又は請求項2に記載の電界効果型トランジスタである。
請求項4に係る発明は、
前記ゲート絶縁層は、有機ガリウム化合物と活性化した酸素とを、酸素及び水素の少なくとも一方を含む雰囲気下にて100℃以下で反応させる工程を経て形成された、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電界効果型トランジスタである。
請求項1に係る発明によれば、ゲート絶縁層が酸化ガリウムを含まない場合に比較して、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性が良好となる。
請求項2に係る発明によれば、酸化ガリウムにおけるガリウム(Ga)及び酸素(O)の原子数比を考慮しない場合に比較して、ゲート絶縁層の絶縁性が良好となる。
請求項3に係る発明によれば、基板が可撓性を有していても、電界効果型トランジスタが構成される。
請求項4に係る発明によれば、100℃を超える温度で層を形成する場合に比較して、熱に弱い基板に形成しても、電界効果型トランジスタが構成される。
本実施形態の電界効果型トランジスタの層構成の一例を示した概略構成図である。 本実施形態の電界効果型トランジスタの層構成の一例を示した概略構成図である。 本実施形態の電界効果型トランジスタの層構成の一例を示した概略構成図である。 (A)は、ゲート絶縁層の形成に用いる成膜装置の一例を側面から見た場合の概略断面図を表し、(B)は、(A)のA1−A2線断面図である。 プラズマ発生装置の他の例を示す概略構成図である。 本実施形態の電界効果型トランジスタの一例において、ゲート電圧Vを変化させたときのソース−ドレイン間電流ISDとソース−ドレイン間電圧VSDとの相関を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明するが、これに限定されるわけではない。
[電界効果型トランジスタ]
図1から図3は、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ(以下、「FET」と称する場合がある)の構成の一例を示す模式断面図である。図1から図3中、機能が共通する部材には同一の符号が付してあり、1が基板、2がソース電極、3がドレイン電極、4がチャネル層、5がゲート電極、6がゲート絶縁層を表す。
以下、図1から図3に示す電界効果型トランジスタの構成について順に説明する。
図1に示す電界効果型トランジスタは、例えば、基板1上にゲート電極5、ゲート絶縁層6、チャネル層4がこの順に設けられ、このチャネル層4上にソース電極2及びドレイン電極3が離間した位置に設けられる。
また、図2に示す電界効果型トランジスタは、例えば、基板1上にゲート電極5、ゲート絶縁層6がこの順に設けられ、このゲート絶縁層6上にソース電極2が設けられている。そして、ソース電極2のゲート絶縁層6と接する側と反対側の面をチャネル層4の一端が覆うように、チャネル層4が設けられている。さらに、チャネル層4のソース電極2を覆う一端と反対側の端において、チャネル層4の上にドレイン電極3が設けられている。
さらに、図3に示す電界効果型トランジスタは、例えば、基板1上にソース電極2及びドレイン電極3が離間した位置に設けられると共に、ソース電極2及びドレイン電極3を被覆するようにチャネル層4が設けられている。そして、このチャネル層4上に、ゲート絶縁層6、ゲート電極5がこの順に設けられている。
図1から図3に示すような電界効果型トランジスタにおいては、ゲート電極5に印加される電圧によってソース電極2とドレイン電極3との間のチャネル層4に流れる電流が制御される。
なお、本実施形態の電界効果型トランジスタを用いて、何らかの電子デバイスを作製する場合には、基板上に、1個以上の本実施形態の電界効果型トランジスタを搭載した構成(半導体装置)として利用してもよく、この半導体装置に、さらに他の素子や回路等を組み合わせることにより電子デバイスを作製してもよい。
次に、本実施形態の電界効果型トランジスタを構成する各部材について詳細に説明する。以下、符号は省略して説明する。
<ゲート絶縁層>
ゲート絶縁層は、酸化ガリウムを含む層である。
ゲート絶縁層に含まれる酸化ガリウムにおける、ガリウム(Ga)及び酸素(O)の原子数を、それぞれIGa及びIとしたとき、I/IGaの値は1.3以上1.5以下であることが好ましく、1.4以上1.5以下がより好ましく、1.5が最も好ましい。I/IGaの値が上記範囲であることにより、ゲート絶縁層の絶縁性が高く(すなわち電気抵抗が高く)、耐圧性、透明性、水蒸気バリア性、及び酸素バリア性に優れ、かつ、経時的な物性変化が極めて小さくなる。
ゲート絶縁層に含まれる酸化ガリウムは、ガリウム(Ga)及び酸素(O)の他に、第3の元素として水素(H)を含む、水素含有酸化ガリウムであることが好ましい。ゲート絶縁層に含まれる酸化ガリウムが水素(H)を含むと、酸化ガリウムのダングリングボンドや構造欠陥を水素が補償することにより、電気的安定性、化学的安定性、及び機械的安定性が向上し、高い硬度及び高い透明性が得られ、かつ、ゲート絶縁層表面の高い撥水性や低摩擦係数が得られる。
ゲート絶縁層中に水素(H)が含まれる場合、ゲート絶縁層に含まれる水素(H)の原子数をIとすると、I/(IGa+I)の値(以下、「ゲート絶縁層内の水素含有比」と称する場合がある)は0.01以上0.30以下が好ましく、0.05以上0.20以下がより好ましい。I/(IGa+I)の値が0.01以上であると、膜内部の構造的な乱れが低減され、電気的に安定で機械的特性が良好になり、I/(IGa+I)の値が0.30以下であると、ゲート絶縁層の硬度や化学的安定性(特に耐水性)が良好となる。
また、電界効果型トランジスタが可撓性を有する基板上に形成されたものである場合は、基板の折り曲げや歪みにゲート絶縁層が耐えうるという観点から、I/(IGa+I)の値は、0.1以上0.2以下であることがさらに好ましい。
ゲート絶縁層中には、炭素(C)が含まれていてもよい。この場合、ゲート絶縁層中における炭素(C)の含有量は、15原子%以下であることが好ましい。ゲート絶縁層中における炭素(C)の含有量が15原子%以下であると、炭素がゲート絶縁層中で−CHや−CHとして存在することが抑制されるため、ゲート絶縁層中の水素(H)含有量が低く抑えられ、ゲート絶縁層中の大気中での化学的安定性等がより高められる。
なお、ゲート絶縁層に含まれる酸化ガリウムは、ガリウム(Ga)以外の金属原子を含まない酸化ガリウムである。特に本実施形態では、ゲート絶縁層に含まれる酸化ガリウムが、希少な金属であるインジウム(In)を含まないため、インジウム(In)を用いずにトランジスタを作製することにより、トランジスタの価格が低く抑えられる。
ゲート絶縁層の厚み方向の組成は、均一であってもよいが、Gaと酸素とを含む組成であれば、膜の厚み方向において組成に傾斜構造を有していたり、多層構造に構成されたものであったりしてもよい。
ゲート絶縁層の厚み方向における酸素の濃度分布は、電極等を支持する支持基材側に向かって減少していてもよいし、支持基材側に向かって増加していてもよい。
ゲート絶縁層中に含まれるガリウム(Ga)、酸素(O)、炭素(C)等の元素の前記含有量は、ラザフォードバックスキャタリング(RBS)により求められる値である。
ここで、前記ラザフォードバックスキャタリング(RBS)について詳述する。RBSでは、加速器(NEC社製の3SDH Pelletron、エンドステーション、CE&A社製のRBS−400)及びシステムとして3S−R10が用いられ、解析にはCE&A社製のHYPRAプログラム等が用いられる。
RBSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle 109°
・RBS測定
測定では、厚み方向の分布を含めて測定される。具体的には、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームの方向に対して160°の位置にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比と膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて膜厚を算出する。密度の誤差は20%以内である。
また、ゲート絶縁層中の水素の含有量は、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(HFS)により求められる。HFSは、加速器(NEC社製の3SDH Pelletron、エンドステーション、CE&A社製のRBS−400)が用いられ、システムとして3S−R10が用いられる。解析には、CE&A社製のHYPRAプログラムが用いられる。
HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle 30°
・HFS測定
測定は、He++イオンビームの方向に対して、検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。このとき、検出器を薄いアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は、参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによって行なう。参照用試料としては、Si中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。白雲母は、水素濃度が6.5atomic%であることが知られている。最表面に吸着している水素(H)は、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって行なわれる。
ゲート絶縁層全体中における各元素の含有量を測定する方法としては、上記方法の他、X線光電子分光(XPS)や二次電子質量分析法により測定する方法も挙げられる。
また、ゲート絶縁層中の水素含有量を測定する方法としては、上記方法の他、赤外吸収スペクトル測定により、ガリウム−水素結合によるピークやN−H結合によるピークの強度から水素含有量を推定する方法も挙げられる。
ゲート絶縁層の結晶性及び非結晶性は特に限定されず、例えば、微結晶、多結晶、又は非晶質が挙げられ、そのいずれであってもよい。
なお、ゲート絶縁層は、安定性や硬度の観点からは、微結晶が含まれた非晶質、非晶質が含まれた微結晶、又は非晶質が含まれた多結晶であってもよいが、半導体膜表面の平滑性や摩擦の点からは非晶質であることが好ましい。結晶性及び非結晶性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別する。また、非晶質性は、X線回折スペクトル測定で回折角に固有の鋭いピークが現れないことによっても判別される。
ゲート絶縁層は、その結晶性及び非結晶性が、微結晶、多結晶あるいは非晶質のいずれの場合においても、その内部構造に含まれる結合欠陥、転位欠陥、結晶粒界の欠陥などを不活性化するために、ゲート絶縁層中に水素やハロゲン元素が含まれていてもよい。ゲート絶縁層中の水素やハロゲン元素は、上記欠陥などに取り込まれて、反応活性点を消失させ、電気的な補償を行う働きを有する。従って、ゲート絶縁層の機能低下につながる欠陥準位による不必要なキャリア生成が抑制される。
<ゲート絶縁層の製造方法>
次に、ゲート絶縁層の製造方法について説明する。
ゲート絶縁層には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法等が利用されるが、リモートプラズマ有機金属化学堆積法を用いることが好ましい。
この場合、酸素を含む物質を、反応に必要なエネルギー状態又は励起状態に活性化する活性化手段によって、前記酸素を含む物質を活性種とし、前記活性種と、活性化していないガリウム(Ga)を含む有機金属化合物とを反応させることにより、基材上にゲート絶縁層を形成することが好ましい。
これにより、基材が有機材料を含む場合、例えば、可撓性を有するプラスチック基板又は電極を形成する場合においても、基材に熱的なダメージを与えることなく、上述した特性を有するゲート絶縁層が形成される。なお、ゲート絶縁層の形成に際しては、基材の表面を予めプラズマによりクリーニングしてもよい。
ゲート絶縁層は、通常は、酸素を含む物質、Ga原子を含む有機金属化合物、又はこれらを気化したガスを、基材が配置された反応室(成膜室)内にて、反応室へと各々の成分又はこれらを含むガスを供給しつつ、反応を終えたガスを反応室から排気しながら行なわれる。かかる観点からは、Gaを含む有機金属化合物を、酸素を含む物質を活性化する活性化手段の下流側に導入することが好ましい。これにより、Gaを含む有機金属化合物が導入された位置よりも上流側で活性化された酸素を含む物質が、活性化手段の下流側で合流するため、活性化していないGaを含む有機金属化合物と活性化した酸素を含む物質とを反応させる工程が設けられる。
この工程では、基材が有機材料を含む場合、例えばITO(錫ドープ酸化インジウム)電極が形成されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基板を用いる場合や、PEDOT(ポリエチレンテレフタレート)及びPSS(ポリスチレンスルホン酸)を含む電極が形成された基板を用いる場合等には、ゲート絶縁層を形成する際の基材(基板等)表面の最高温度が100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることが好ましく、常温(25℃)に近ければ近いほど好ましい。基材表面の最高温度が100℃以下であると、基材の変形が抑えられ、基材に含まれる有機材料の分解等の抑制によりその物性を良好に保てる。
以下、リモートプラズマ有機金属化学堆積法によるゲート絶縁層の作製方法について図4を参照して詳細に説明する。図4は、電極の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略構成図であり、図4(A)は、成膜装置を側面から見た場合の概略断面図であり、図4(B)は、図4(A)中のA1−A2線断面図である。
図4中において、10は成膜室、11は排気口、12は基体回転部、13は基体ホルダー、14は基板、15はガス導入部、16はシャワーノズル、17はプラズマ拡散部、18は高周波電力供給部、19は平板電極、20はガス導入管、21は高周波放電管部である。
図4に示す成膜装置において、成膜室10の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口11が設けられており、成膜室10の排気口11が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部18、平板電極19、及び高周波放電管部21から構成されたプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部21と、高周波放電管部21内に配置され、放電面が排気口11側に設けられた平板電極19と、高周波放電管部21外に配置され、平板電極19の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部18とから構成されている。なお、高周波放電管部21には、高周波放電管部21内にガスを供給するためのガス導入管20の一端が接続されており、このガス導入管20の他端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
本実施形態では、図4に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置に代えて、図5に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図5は、図4に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略構成図であり、プラズマ発生装置の側面図である。
図5中、22が高周波コイル、23が石英管を表し、20は、図4中に示すガス導入管と同様である。このプラズマ発生装置は、石英管23と、石英管23の外周面沿って設けられた高周波コイル22とからなり、石英管23の一端は成膜室10(図5中は不図示)と接続されている。また、石英管23の他端には、石英管23内にガスを導入するためのガス導入管20が接続されている。
平板電極19の放電面側には、図5に示すように、放電面と平行な棒状のシャワーノズル16が接続されており、シャワーノズル16の一端は、ガス導入管15と接続され、このガス導入管15は成膜室10外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室10内には、基体回転部12が設けられており、円筒状の基体14が、シャワーノズルの長手方向と基体14の軸方向とが平行に対面するように基体ホルダー13を介して基体回転部12に取り付けられるようになっている。成膜(ゲート絶縁層の形成)に際しては、基体回転部12が回転することによって、基体14が周方向に回転する。なお、基体14としては、予めゲート電極が形成された基板、又は予めソース電極、ドレイン電極、及びチャネル層が形成された基板等が挙げられる。図4に示した基体14は可撓性を有する基体であるため、基体ホルダー13の外周面に基体14を曲げて筒状にした状態で設置しているが、これに限られず、例えば剛直な基体にゲート絶縁層を形成する場合には、基体ホルダー13の代わりに平板上の基体を固定する基体ホルダーを用いてもよい。成膜に際しては、基体回転部12が回転することによって、基体14が周方向に回転し、ゲート絶縁層が形成されるようになっている。なお、ゲート絶縁層に特定の形状を持たせる場合、当該形状の開口を有するマスクで覆って成膜してもよいし、全面を成膜した後にエッチング等により当該形状をパターニングしてもよい。
ゲート絶縁層の形成は、上記の成膜装置を用いて、例えば以下のように実施される。
まず、HガスとHeガスと酸素ガスとをガス導入管20から高周波放電管21内に導入すると共に、高周波電力供給部18から平板電極19に13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極19の放電面側から排気口11側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部17が形成される。ここで、ガス導入管20から導入された3種類のガスは、成膜室10を平板電極19側から排気口11側へと流れる。平板電極19は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、水素をキャリアガスとして用いて希釈したトリメチルガリウムガスをガス導入管
15、活性化手段である平板電極19の下流側に位置するシャワーノズル16を介して成
膜室10に導入することによって、基体14の表面にガリウム(Ga)と酸素を含む非単結晶膜が成膜される。
基体14に有機材料を用いた基板を用いる場合には、成膜時の基体14の表面温度は、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、50℃以下が特に好ましい。基体14表面の温度が、成膜開始当初は100℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には、基体や有機薄膜が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体14の表面温度を制御することが好ましい。
基体14の表面温度は、加熱及び/又は冷却手段(不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度上昇に任せてもよい。基体14を加熱する場合には、ヒータを基体14の外側や内側に設置してもよい。基体14を冷却する場合には、基体14の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
また、放電による基体14の表面温度の上昇を避けたい場合には、基体14の表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
Gaを含むガスとしては、例えば、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム等を含むガスが用いられる。また、これらのガスは、2種以上混合してもよい。
Gaの供給材料として酸素原子を含む有機金属化合物を用い、Gaと酸素とを主に含むGaO膜を形成する場合、成膜室10内には活性水素が存在することが好ましい。活性水素は、キャリアガスとして使用する水素ガスや有機金属化合物に含まれる水素原子から供給されるものでもよい。また、キャリアガスとして、ヘリウムなどの希ガスや水素を組み合わせて用いれば、ヘリウムなどの希ガスと水素とによる基体14の表面で成長する膜のエッチング効果により、100℃以下の低温でも、高温成長時と同等の水素の少ない非晶質のGaと酸素の化合物が形成される。
上述した方法により、活性化された水素、酸素、希ガス、及びGaが基体14の表面近傍に存在し、さらに活性化された希ガスや水素が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。それゆえ、基体14の表面には、水素含有量が少なく、酸素とGaが三次元的な結合を構成する硬質膜であり表面層が低温で形成される。
図4に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いたり、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いたりしてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
さらに、これらの装置を2種以上組み合わせて用いてもよく、あるいは同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体14表面の温度が上昇しないためには、高周波発振装置が好ましいが、熱の照射を防止する装置を設けてもよい。
2種以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが好ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図4に示す成膜装置を例に挙げると、シャワーノズル16を電極として成膜室10内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、ガス導入管15を介して、シャワーノズル16に高周波電圧を印加して、シャワーノズル16を電極として成膜室10内に放電を起こさせる。あるいは、シャワーノズル16を電極として利用する代わりに、成膜室10内の基体14とプラズマ発生領域である平板電極19とに挟まれた位置に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して成膜室10内に放電を起こさせてもよい。
また、異なる2種のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーが大きく変わり、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧で行なってもよい。大気圧で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
<チャネル層>
チャネル層は有機半導体材料によって構成された有機半導体層である。
有機半導体材料としては、例えば低分子有機半導体材料(例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン、ペリレン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、スチルベン、アリールビニル、ピラゾリン、トリフェニルアミン、トリアリールアミン、オリゴチオフェン、フタロシアニン、又はこれらの誘導体等)、又は高分子有機半導体材料(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ポリアリールアミン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂、フルオレン−ブチオフェン共重合体、フルオレン−アリールアミン共重合体、又はこれらの誘導体等)が挙げられるが、これに限るものではない。
チャネル層の形成方法としては、公知の形成方法が挙げられ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、キャスト法、スピンコート法、浸漬塗布法、バーコート法、LB法、インクジェット法、ナノインプリンティング法などが挙げられる。
<電極>
ソース電極、ドレイン電極、及びゲート電極に用いられる電極材料は、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子等が使用される。
金属としてはマグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、タンタル、インジウム、パラジウム、リチウム、カルシウムおよびこれらの合金が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛等の金属酸化膜があげられる。
導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール、ポリピリジン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等があげられる。
電極の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、キャスト法、スピンコート法、浸漬塗布法、バーコート法、LB法、インクジェット法、ナノインプリンティング法などが挙げられる。さらに具体的には、例えば、上記の電極材料を、蒸着法やスパッタ等の公知の薄膜形成方法を用いて作製した薄膜を、公知のフォトリソグラフィー法やリフトオフ法を利用して形成する方法、インクジェット等によりレジストを用いて所望のパターン(電極形状)にエッチングする方法、アルミニウムなどの電極材料を直接熱転写する方法等が挙げられる。また、電極材料として導電性高分子を用いる場合には、例えば、これを溶媒に溶解させ、インクジェット等によりパターニングする方法も挙げられる。
<基板>
基板としては、リン等を高濃度にドープしたシリコン単結晶やガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリススチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニルデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂等のプラスチック基板等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
特に、電子ペーパー又はデジタルペーパーや携帯電子機器等の可撓性を求められる電子デバイスに用いられる電子回路に本実施形態の電界効果型トランジスタを用いる場合、基板として可撓性がある基板を用いることが望ましい。具体的には、基板として曲げ弾性率が1000MPa以上、より好ましくは5000MPa以上である基板を用いることにより、可撓性がある表示素子の駆動回路や電子回路に適応する。
可撓性を有する基板を構成する材料としては有機材料が挙げられるが、前記のように、ゲート絶縁層及びチャネル層を100℃以下で形成させることにより、基板が損傷を受けずに電界効果型トランジスタが作製される。
以上説明した本実施形態の電界効果型トランジスタは、ゲート絶縁層が酸化ガリウムであるため、ゲート絶縁層の材料としてYやHfO等の金属酸化物を用いた場合に比べて、ゲート絶縁層と有機半導体層との密着性が高い。
また、本実施形態の電界効果型トランジスタは、ゲート絶縁層が酸化ガリウムであるため、有機高分子化合物を用いてスピンコート等の塗布法によりゲート絶縁層を形成する場合に比べ、ゲート絶縁層内の膜ムラが少なく、On/Off比及びFET移動度が良好であると考えられる。
さらに、本実施形態の電界効果型トランジスタは、ゲート絶縁層が酸化ガリウムであり、SiOやSiN等に比べて誘電率の高い材料を用いてゲート絶縁層が形成されているため、ゲート絶縁層の絶縁性が良好であり、On/Off比及びFET移動度が良好であると考えられる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
<電界効果型トランジスタの作製>
基体として厚さ50μmのPETフィルム(東レ社製、ルミラー)の片面に膜厚0.2μmのITOが成膜されているPETフィルムを用いた。基体へのゲート絶縁層の形成は図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、成膜装置の成膜室10内の基体ホルダー13に基体を載せ固定した。
次に排気口11を介して成膜室10内を、圧力が0.1Paになるまで真空排気した。次に、Heガスと水素ガスと酸素ガスとを混合したガスをガス導入管20から、直径50mmの電極19が設けられた高周波放電管部21内に、450sccm(水素ガス200sccm、Heガス150sccm,5%He希釈酸素ガス100sccm)導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力80Wにセットしチューナでマッチングを取り電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルガリウムガスを含む混合ガスを、ガス導入管15を介してシャワーノズル16から成膜室10内のプラズマ拡散部17に、トリメチルガリウムガスの流量が4sccmとなるように導入した。さらにHeガスをキャリアガスとした酸素ガスを1.5sccmで導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室10内の反応圧力は40Paであった。この条件で27分間成膜することにより膜厚0.1μmの水素を含むGaO膜を形成した。
なお、ゲート絶縁層の成膜に際しては、加熱は行わなかった。また、Alパイプに貼り付けておいたサーモテープの色を、成膜後に確認したところ、40℃であった。すなわち、成膜時における基体の最高温度が40℃であることを意味する。
次に、ゲート絶縁層が形成された基体を成膜室10から取り出し、ゲート絶縁層の上にチャネル層(有機半導体層)の製膜を行った。本実施例ではスピンコート法でチャネル層を作製した。前記絶縁層上に、具体的には、TIPSペンタセン(6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン)のトルエン溶液をスピンコートし、膜厚70nmになるように成膜を行った。更にホットプレートにて60℃で1時間の乾燥を行ってチャネル層を形成した。
その後、半導体膜上に、EB蒸着(昭和真空製EB蒸着装置)により、メタルマスクを用いて、ソース、ドレイン電極を金で作製した。そのときの電極厚は0.1μmである。またチャネル長、チャネル幅はそれぞれ、20μm,1000μmにした。
<ゲート絶縁層の組成分析>
上記のゲート絶縁層をPETフィルムへ成膜する際、それぞれ同時にSi基板へも成膜し、ゲート絶縁層サンプル膜を形成した。ゲート絶縁層サンプル膜の赤外線吸収スペクトル測定を実施したところ、いずれも微小のGa−H結合、Ga−O結合に起因するピークが確認された。これらのことから、ゲート絶縁層には、ガリウムと酸素と水素とが含まれていることがわかった。
ゲート絶縁層サンプル膜のRHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像には、いずれもハローパターンのみが見え、膜は非晶質膜であることがわかった。
Si基板上に形成されたゲート絶縁層サンプル膜の組成をラザフォード・バック・スキャタリングとハイドロジェン・フォワードスキヤタリングを用いて測定した。その結果、ガリウムと酸素と水素がそれぞれ33.3、50.0、16.7原子%であることが分った。ガリウムと酸素の原子数比は1:1.5となる。すなわち、ゲート絶縁層内の酸素含有比が1.5である。また、酸素は膜全体に分布しており、炭素は検出されなかった。この結果、PETフィルム上に形成された膜、非晶質膜で、水素を含んだ膜であることが分った。
<ゲート絶縁層の誘電率評価>
PETフィルム上にゲート絶縁層を製膜した後、インピーダンスアナライザー1260(Solartron社製)を使用して、誘電率を測定したところ、10であった。
<ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価>
JIS D0202−1988に準拠した碁盤目テープ剥離試験により、密着性を評価した。PETフィルム上に形成されたゲート絶縁層の上に有機半導体のチャネル層を製膜した後、表面に幅2mm間隔に5×5のマス目となるように縦横それぞれ6本の切り込みを入れた。この上にセロテープ(登録商標)を貼り付け、90度の角度で急激に剥離した。判定は25マスの内、剥離しないマス目の数で表し、チャネル層が全く剥離しない場合を25/25、完全に剥離する場合を0/25として表すことにする。本実施例の膜では、25/25となった。
<トランジスタ特性の評価>
上記で作製したトランジスタを、半導体パラメータアナライザ(アジレント製、HP4156B)およびプローバーを用いて、出力、伝達特性を測定した。
図6に、ゲート電圧Vを変化させたときの、ソース−ドレイン間電流ISDとソース−ドレイン間電圧VSDの相関を測定したISD−VSD特性の一例を示す。図6中、●、■、◆、及び▲は(すなわち、VSD=−80VにおけるISDの絶対値が低いものから順に)、それぞれゲート電圧Vが0V、−10V、−20V、及び−30VのときにおけるISD―VSD特性である。
図6において、Vの変化に応じて、ISDの値が大きく変化することから、電界効果型トランジスタとして良好に動作していることがわかる。
また、図6に示すグラフから、以下のようにしてOn/Off比及びFET移動度を求めた。具体的には、On/Off比は、ソース−ドレイン間に電圧を−80V印加したときにおいて、ゲート電圧が0Vのときのソース−ドレイン間電流Ioffと、ゲート電圧を−30V印加したときのソース−ドレイン間電流Ionと、の比Ion/Ioffから求めた。
また、FET移動度μは、次式(1)より求めた。
μ=2L・ISD−sat/{W・C・(V−Vth} 式(1)
ここで、Lはチャネル長、Wはチャネル幅、ISD−satは飽和電流値、Cはキャパシタンス、Vはゲート電圧、Vthは閾値電圧である。なお、閾値電圧Vthは、トランジスタの伝達特性(一定のソース−ドレイン電極間の電圧VSDを印加させながら、ゲート電圧Vを変化させたときのソース−ドレイン電極間の電流ISDを測定して得られるISD―V特性)において、ISDが0(A)のときのゲート電圧における閾値電圧であり、本実施例ではVth=0(V)である。
なお、上記飽和電流値ISD−satは、飽和しているときの電流値であり、具体的には、例えば図6では、Vが−20VのときのISD−satは4.1nA、Vが−30VのときのISD−satは4.6nAである。
またキャパシタンスCは、下式(2)から求めた。
C=L・W・ε・ε/d 式(2)
ここで、Lはチャネル長、Wはチャネル幅、εはゲート絶縁層の比誘電率、εは真空の誘電率、dはゲート絶縁層の厚みである。
すべての実施例、比較例において、上述のようにして移動度を求めた。結果を表1に示す。On/Off比が高いこと、および、FET移動度が高いことから、ゲート絶縁層とチャネル層との間に良好な界面が出来ていることが推定される。
(実施例2)
<電界効果型トランジスタの作製>
ゲート絶縁層を作製するときの水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルガリウムガスを含む混合ガスの流量が4sccmとなるように導入し、さらにHeガスをキャリアガスとした酸素ガスを0.8sccmで導入した以外は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<ゲート絶縁層の組成分析>
実施例1と同じように分析した結果、ガリウムと酸素と水素がそれぞれ36.2、47.0、16.8原子%であることが分った。ガリウムと酸素の原子数比は1:1.3となる。すなわち、ゲート絶縁層内の酸素含有比が1.3である。また、酸素は膜全体に分布しており、炭素は検出されなかった。この結果、PETフィルム上に形成された膜、非晶質膜で、水素を含んだ膜であることが分った。
<誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
<電界効果型トランジスタの作製>
基体として、ITOが成膜されているPETフィルムの代わりに、表面に膜厚0.2μmの金が蒸着されているシリコンウエハーを用いた以外は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<組成分析、誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の組成分析、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
<電界効果型トランジスタの作製>
ゲート絶縁層を作製するときの水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルガリウムガスを含む混合ガスの流量が4sccmとなるように導入し、さらにHeガスをキャリアガスとした酸素ガスを1.6sccmで導入した以外は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<ゲート絶縁層の組成分析>
実施例1と同じように分析した結果、ガリウムと酸素と水素がそれぞれ33.5、54.1、12.4原子%であることが分った。ガリウムと酸素の原子数比は1:1.6となる。すなわち、ゲート絶縁層内の酸素含有比が1.6である。酸素は膜全体に分布しており、炭素は検出されなかった。この結果、PETフィルム上に形成された膜は、非晶質膜で、水素を含んだ膜であることが分った。
<誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
<電界効果型トランジスタの作製>
チャネル層の成膜において、TIPSペンタセンの代わりにP3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン))を用いた以外は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<組成分析、誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の組成分析、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
<電界効果型トランジスタの作製>(ゲート絶縁膜がY
基板として、表面に厚さ0.1mの酸化イットリウムが製膜されたハイドープのシリコンウエハーを用いた。このシリコンウエハーはゲート電極として利用できる。チャネル層の作製以降は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
<電界効果型トランジスタの作製>(ゲート絶縁膜がHfO
基板として、表面に厚さ0.1μmの酸化ハフニウムが製膜されたハイドープのシリコンウエハーを用いた。このシリコンウエハーはゲート電極として利用できる。チャネル層の作製以降は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
<電界効果型トランジスタの作製>(ゲート絶縁膜がSiO
基板として、表面に厚さ0.3μmの酸化シリコンが製膜されたハイドープのシリコンウエハーを用いた。このシリコンウエハーはゲート電極として利用できる。チャネル層の作製以降は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
<電界効果型トランジスタの作製>(ゲート絶縁膜がSiN
基板として、表面に厚さ0.1μmの窒化シリコンが製膜されたハイドープのシリコンウエハーを用いた。このシリコンウエハーはゲート電極として利用できる。チャネル層の作製以降は、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタの作製を行った。
<誘電率評価、密着性評価、及びトランジスタ特性評価>
実施例1と同じように、ゲート絶縁層の誘電率評価、ゲート絶縁層とチャネル層との密着性評価、及びトランジスタ特性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010212435
表1の結果より、実施例では、比較例に比べ、ゲート絶縁層とチャネル層との間の密着性が良好であることが分かる。
1: 基板
2: ソース電極
3: ドレイン電極
4: チャネル層
5: ゲート電極
6: ゲート絶縁層

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、チャネル層と、ソース電極と、ドレイン電極と、を有し、
    前記ゲート絶縁層は酸化ガリウムを含み、
    前記チャネル層は有機半導体層である、電界効果型トランジスタ。
  2. 前記酸化ガリウムにおける、ガリウム(Ga)の原子数をIGa、酸素(O)の原子数をIとしたとき、I/IGaの値は1.3以上1.5以下である、請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 前記基板は可撓性を有する、請求項1又は請求項2に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 前記ゲート絶縁層は、有機ガリウム化合物と活性化した酸素とを、酸素及び水素の少なくとも一方を含む雰囲気下にて100℃以下で反応させる工程を経て形成された、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電界効果型トランジスタ。
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