JP2010209602A - 堤体表層部の被覆構造 - Google Patents

堤体表層部の被覆構造 Download PDF

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Abstract

【課題】遮水性がよく、しかも、用地を拡大することなく、所要の堤体の安定性を確保することができ、優れた力学特性により耐震性を有し、かつ、施工性に優れる堤体表層部の被覆構造を提供する。
【解決手段】複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8をその下部に配設された透水係数が10(−2乗)より大きいポーラスコンクリートである透水性材料5と面接触して結合させて積層構造とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、既設の農業用ため池等に設置する貯水用の堤体もしくは河川の護岸その他の堤体で、表層部の改修、耐震性の向上を行う堤体表層部の被覆構造に関するものである。
耐震性の向上を目指した堤体の改修に関しては、堤体法面勾配の緩和を行うことで堤体断面の拡大による安定性の向上を実現することが考えられるが、これではコストがかかり、工期が長く、また、雑草木の繁茂があり、施工後、上流法面が侵食される懸念がある。
また、アルファルトフェーシングで被覆する堤体の改修では、耐久性に劣り、作業性が悪く、また、施工後後表面保護にひび割れが発生することが懸念される。
これに対して防水性土木シート等の遮水シートを活用することが、下記特許文献等に示されている。
実公昭50−45885号公報 特開2001−98526号公報 特開2006−322302号公報
これらはシートを敷設することにより越流が数時間に亘って連続しても堤防土の浸食を防御するという発想に基づくものであり、例えば、特許文献2では図6に示すように、堤体9の芯土18を盛土し、さらに芯土18を転圧し、その上から本発明の半透水性土木シート1を連続的に施工して芯土18を間隙なく掩覆している。
半透水性土木シート1は、2層の合成繊維綿層2a、2bの中間に、800〜1200デニールのモノヒラメント糸を12〜16本/インチに織り込んだ高密度平布3と、ポリエチレン製またはエチレン−酢酸ビニール共重合体製の防水シート4を介在させて、2層の合成繊維のフェルト状マットのいずれか一方の側の表面から45±10本/cm2の針密度にて全体をニードルパンチ加工して成る。
さらに、半透水性土木シート1の上に客土23を盛土し、転圧する。最後に、堤外側にコンクリート10を打設し、天端11を適宜舗装し、裏法面12に植生を施工すれば完成である。なお、客土の厚さは、適宜数10cm程度とする。
13は河川水、14は河床、15は鋼矢板、16は蒲団籠である。
堤防表面に降った雨水は客土23に浸透し、半透水性土木シート1を透過して芯土18にまで浸透する。空気も同様である。
また、半透水性土木シート1は、シートの両側に摩擦係数の大きい合成繊維綿層2a、2bを有するので、客土23は合成繊維綿層2aに強く付着し、芯土18は合成繊維綿層2bに強く付着し、結果として半透水性土木シート1を介することにより、客土23と芯土18が強力に結合されることとなる。
前記特許文献1から3のような遮水シートを使用するものでは、耐久性が劣り、また、作業性が悪い。施工後、シート損傷により、背面土砂の流出などが懸念される。
また、シート上に客土を盛土する場合には、雑草木の繁茂があり、施工後、上流法面が侵食される懸念がある。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、遮水性がよく、しかも、用地を拡大することなく、所要の堤体安定性を確保することができ、優れた力学特性により高い耐震性を有し、かつ、施工性に優れる堤体表層部の被覆構造を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)をその下部に配設された透水係数が10(−2乗)より大きいポーラスコンクリートである透水性材料と面接触して結合させて積層構造としたことを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、堤体の表面を被覆する複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)は、高い耐久性・耐摩耗性を発揮する。
また、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)を直接堤体の法面に被覆した場合には図2に示すように、池内の水位低下時にため池と堤体の内部において水頭差ができ、堤体内部から表面遮水壁背面に向かって水圧が掛かることにより、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)が浮き上がったり、場合によっては崩壊したり損傷が生じるおそれがある。
これに対して本発明は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)の背面(基層)に排水層を設け、排水を良好にしたので水圧がかからないようにでき、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)が浮き上がったり、場合によっては崩壊したり損傷が生じるおそれはない。
請求項2記載の本発明は、堤体は、貯水用のものであり、農業用のため池の堤体であることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、前記池内の水位低下時にため池と堤体の内部における水頭差は、灌漑期に貯水を灌漑用水として使用したり、農閑期に泥浚えなどで落水(排水)を行ったり、貯水位の低下がある農業用のため池では頻繁に生じるものであり、排水層の存在は農業用のため池に対して特に有効である。
請求項3記載の本発明は、セメント複合材料は、下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合マトリクスに、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(Poly Vinyl Alcohol)短繊維を1vol.%以上3vol.%以下の配合量で配合したクラック分散型の繊維補強セメント複合材料であることを要旨とするものである。
〔M1〕
水結合材の重量百分比(W/C):25%以上
細骨材と結合材の重量比(S/C):1.5以下(0を含む)
単位水量:250〜450Kg/m
練り上がり直後の空気量:3.5〜20%
高性能AE減水剤:30Kg/m未満
〔F1〕
繊維径:0.05mm以下
繊維長:5〜20mm
繊維引張強度:1500〜2400MPa
請求項3記載の本発明によれば、硬化後の高い引張ひずみ性能と低い収縮性を同時に実現する複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)の適正な配合を提供するものであり、引張ひずみが1%以上であることは、載荷方向(応力方向)とほぼ直角方向に多数のクラック(マルチクラック)が発生するクラック分散型の破壊現象が生じていることを意味する。マルチクラックの発生要因であるSteady State Cracking現象(SSC現象)をPVA繊維で実現すべく種々の試験研究を重ねたところ、用いるPVA繊維の性質と、マトリクスの性質をうまく組み合わせると、PVA繊維であっても引張ひずみ1%以上、好ましくは2%以上の高靭性FRC(Fiber Reinforced Concrete:繊維補強コンクリート)材料が得られる。
また、PVA短繊維F1を、水セメント比(W/C×100)が25%以上で砂セメント比(S/C)が1.5以下(0を含む)の調合のマトリクスに、1.5超え〜3vol.%以下の配合量で、3次元方向にランダムに分散配合させた場合と、PVA繊維F2を、水セメント比(W/C×100)が25%以上で砂セメント比(S/C)が1.5以下(0を含む)の調合のマトリクスに、1〜3vol.%の配合量で、3次元方向にランダムに分散配合させた場合には、クラック分散型の高靭性FRC材料が得られる。
請求項4記載の本発明は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、堤体上流側斜面から堤体頂部まで連続させたこと、請求項5記載の本発明は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、堤体上流側斜面から堤体頂部まで連続させ、かつ、堤体下流の法尻まで連続させること、請求項6記載の本発明は、堤体頂部に一部低い箇所を形成し、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、この低い箇所から堤体下流の法尻まで連続させることを要旨とするものである。
請求項4から6記載の本発明によれば、万が一、オーバートッピングした場合でも、堤体の決壊を防ぐことができる。
請求項7記載の本発明は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料の表面に所定の凹凸粗さを形成することを要旨とするものである。
請求項7記載の本発明によれば、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料の上にさらに被覆層を設ける場合でも、所定の凹凸粗さを形成することで付着性を高めることができる。
請求項8記載の本発明は、複複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)の被覆層の上にさらに表面緑化可能な環境ポーラスコンクリート層を形成することを要旨とするものである。
請求項8記載の本発明によれば、堤体の表面の緑化を行うのに、ポーラスコンクリートは空隙率が高いので植生が成立しやすく、植生の復元に伴って生態系復元も達成できる。
以上述べたように本発明の堤体表層部の被覆構造は、改修後の堤体に高い耐久性を期待することができ、特に、気中箇所でも高い耐候性を期待することができ、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)の優れた力学特性により、地震時の安定性を改善することができる。
さらに、貯水用のものである場合には、既設ため池の用地を拡大することなく、所要の堤体安定性を確保することができる。また、ため池の貯水量を確保しながら、所要の堤体安定性を確保することができ、ため池の改修に必要な盛土材料を減らすことができる。
また、盛土が必要な場合でも、遮水性に拘わらずせん断強度の高い材料を使用することができ、改修後の堤体上で、重機やスコップなどを用いた維持管理作業を行うことができる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の堤体表層部の被覆構造の1実施形態を示す縦断側面図で、図中9は貯水用の堤体である。
この貯水用の堤体9は、本実施形態では農業用のため池を形成するためのものである。
本発明は、堤体9の被覆構造として、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8をその下部に配設された透水係数が10(−2乗)より大きいポーラスコンクリートである透水性材料5と面接触して結合させて積層構造とした。
複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8の厚さは05mm〜50mm、ポーラスコンクリートの厚さは100mm程度とする。
複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC:High Performance Fiber Reinforced Cementitious Composites)8は、高靱性コンクリートとも略称されているが、モルタルマトリックス中に短繊維を体積比で1〜2%程度混入することにより、引張応力下において最初のひびわれが発生した後も1〜2%程度のひずみまで応力が低下しないひずみ硬化挙動(strain hardening property)を示し、かつマルチプルクラッキング(Multiple cracking property)と呼ばれる多数の微細なひび割れが分散発生する特徴を有する。
図3に示すように、セメントに繊維を混入させた複合材料(DFRCC : Ductile Fiber Reinforced Cementitious Composites)は、ひび割れ面で繊維が架橋して応力伝達し、部材にせん断補強効果を付加できるものであるが、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)もその1つとして、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC:Engineered Cementitious Composites)に代表される。
クラック分散型の繊維補強セメント複合材料4は、例えば、特開2003−192421号公報に記載された自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料を改良したものを使用する。すなわち、本発明においては、下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合マトリクスに、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(Poly Vinyl Alcohol)短繊維を1vol.%以上3vol.%以下の配合量で配合したクラック分散型の繊維補強セメント複合材料である。
〔M1〕
水結合材の重量百分比(W/C):25%以上
細骨材と結合材の重量比(S/C):1.5以下
単位水量:250〜450Kg/m3
練り上がり直後の空気量:3.5〜20%
高性能AE減水剤:30Kg/m3未満
〔F1〕
繊維径:0.05mm以下
繊維長:5〜20mm
繊維引張強度:1500〜2400MPa
〔F1〕の条件を満たすビニロン短繊維としては、ポリビニールアルコール樹脂を原料として製造されたコンクリートと同等以上の弾性係数を有する短繊維であるのが好ましく、代表的なものとして、引張強度が90kgf/cm2級、弾性係数(ヤング率)が2900kgf/mm2級で、比重が約1.3で形状が0.66mmφ×30mmの公知のもの(株式会社クラレ製)が使用できる。
ビニロン短繊維の配合量が1vol.%未満では割れ発生後の耐力が十分ではなく堤体改修の目的が十分に達成できない。他方、ビニロン短繊維の配合量が3.0vol.%を超えるような多量となると、施工上必要な流動性を満たすことが困難となる。
また、高靭性FRC材料で使用する高性能AE減水剤としては、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系等のものが使用できる。この中でもポリカルボン酸系またはポリエーテル系のものが好ましい。
ポーラスコンクリートは、セメントペーストに主に粗骨材を加えて作られ、 連続した空隙を多く含む特殊コンクリートであり、通常の密実なコンクリートとは異なり、透水性・通気性が有る。
本発明で使用するポーラスコンクリートは、粗骨材の大きさで10(−2乗)より大きい透水係数を確保した。
次に施工手順について説明する。本発明では、先にポーラスコンクリートを施工するが、下記施工手順となる。
(1)吸出し防止シート19の設置
(2)ポーラスコンクリート用型枠設置
(3)ウインチの設置
(4)ポーラスコンクリートのアジテータ車からの荷卸し
(5)ペースト落下量の確認
(6)ポーラスコンクリートの敷均し・整正
(7)ポーラスコンクリートの締固め
(8)端部の締固め
(9)ポーラスコンクリート打設後の散水養生
(10)養生マット+散水
(11)養生マット十散水十ブルーシート
次に、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8の施工を行う。複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8はクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC)として説明する。
(1)ECC打設前の散水
(2)施工継目部の処理(ラス網)
(3)ECCベースコンクリートの製造・運搬
(4)ECCベースコンクリートの荷卸し
(5)ECCの現場練混ぜ(二次練り)
(6)ECCの運搬
(7)ECCの敷き均し
(8)ECCの整正・締め固め〔船底型面振動〕
(9)ECCの入力仕上げ
(10)ECCの養生〔養生マット+散水+ブルーシート〕
クラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC)の敷き均しを実施するには、練混ぜ直後のモルタルフロー値が165mm以上、好ましくは170〜180mmであるのがよい。165mm未満であると材料が適当に分散せず、均一に敷き均しができなくなることがある。
しかし、あまりフロー値が高いとポンプ圧送時に材料分離を起こし、繊維が凝集してファイバーボールを生ずることがあるので180mm以下であるのがよい。このようなモルタルフロー値を安定して確保するには、30Kg/m3未満の高性能AE減水剤を配合し、練混ぜ直後の空気量を3.5〜20%好ましくは10〜20%とするのがよい。さらにこのような流動性を維持しながら材料分離抵抗を高めるために増粘剤を添加することが好ましい。とくにウエランガムなどの微生物発酵のバイオポリマーの使用(単位水量に対して0.01〜0.2%程度を配合する)が有益である。
なお、適度な粒度の粉体量を確保するために、セメントの一部をフライアッシュや高炉スラグ等の混和材で代替し、また骨材としては最大粒径が0.8mm以下、平均粒径が0.4mm以下の細骨材を使用するのが好ましい。したがって、前記〔M1〕の条件として、さらに、細骨材粒径:最大粒径0.8mm以下、平均粒径0.4mm以下という要件を加えるのが好ましい。そして、この細骨材と結合材の重量比(S/C)が1.5以下となるように配合するのがよい。水結合材比(W/C)については、敷き均し作業性を良好にするには25%以上とすることが必要である。
このようにして敷き均し施工したクラック分散型の繊維補強セメント複合材料は前記の〔F1〕および〔M1〕の条件を満たす限りにおいて、材齢28日の硬化体の引張試験にて引張ひずみ1%以上を示すクラック分散型の高靭性FRC材料層となる。このため、割れ発生のメカニズムが、微小な割れが無数に生じたものとなり、幅の大きな割れには至らない。
前記クラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC)である複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8は、堤体9の上流側斜面から堤体9の頂部20まで連続させる。
かつ、堤体9の下流の法尻7まで連続させた。
また、堤体9の頂部20に一部低い箇所21を形成し、この低い箇所21から堤体9の下流の法尻7まで連続させるようにした。
このようにすることで、万が一、オーバートッピングした場合でも、堤体の決壊を防ぐことができる。
図示は省略するが、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料8の表面に所定の凹凸粗さを形成する。
この所定の凹凸粗さは、ブラストまたはウォータージェットによる表面処理により形成する。
このようにすることで、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料8の上にさらに被覆層を設ける場合でも付着性を高めることができる。
図5は本発明の第2実施形態を示すもので、複複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)8の被覆層の上にさらに表面緑化可能な環境ポーラスコンクリート層24を形成した。
緑化コンクリートとして用いられているポーラスコンクリートでは、粗骨材として、5号粗骨材(粒径13mm〜20mm)や6号粗骨材(粒径5〜13mm)程度ものが多く用いられる。
生物の生息を考慮した緑化ポーラスコンクリートでは、可能な限り大きな空隙径を持ち、空隙の量も多いことが望まれ、スラグ細骨材を含む細骨材、セメントを含む粉体、水、及び必要に応じて用いる混和剤からなるモルタルと粗骨材を混練し、その後、養生して硬化させることにより製造されたポーラスコンクリートが好適である。
モルタルが、(1)セメントを60重量%以上含む粉体100重量部、(2)スラグ細骨材を50重量%以上含む細骨材50〜200重量部、及び(3)混和剤が4重量部以下であって、水と混和剤の合計量として15〜35重量部、からなるものであり、粗骨材の配合割合の上限が実積率、下限が実積率より10%少ない量であり、モルタルの配合割合が、空隙率が20〜35%となる量である。
粗骨材としては、特に限定はなく一般的なコンクリート用の粗骨材が使用可能である。例えば、川砂利、陸砂利、砕石等を用いることができる。粗骨材の粒径については、空隙率が高く、空隙径が大きいポーラスコンクリートを製造する場合には、通常、最大寸法25mm程度以上のものを用いることが好ましいが、空隙率がより低く空隙径がより小さくても良い場合には、これを下回る粒径の粗骨材を用いても良い。
セメントとしては、JISに定められたポルトランドセメント、混合セメント等の水硬性セメントを用いることができる。その他、必要に応じて、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、シリカフューム、石灰石粉、珪石粉等のその他の粉体も使用できる。本発明では、セメントと、必要に応じて用いるその他の粉体を合計したものを粉体として用いる。粉体中に占めるセメントの割合は、60重量%程度以上とすることが好ましい。
細骨材としては、スラグ細骨材を用いた。スラグ細骨材としては、潜在水硬性を示すものであればよく、特に、JIS A 5011で規定される高炉スラグ細骨材が好ましい。また、スラグ細骨材は、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の一般的な細骨材と混合使用することも可能である。本発明では、細骨材としては、土木建築学会で規定される、5mmふるいを85重量%以上通過するものを用いることができる。
細骨材に含まれるスラグ細骨材の割合は、50〜100重量%程度の範囲とすることが好ましく、スラグ細骨材の割合が多くなる程、ポーラスコンクリートの強度が高くなる傾向にある。
更に、必要に応じて、減水剤、AE剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の各種の混和剤を用いることも可能である。
前記環境ポーラスコンクリートは、空隙率が20〜35%程度の範囲、即ち、コンクリート1m3中に200〜350リットル程度の空隙が存在することが好ましい。空隙率が低すぎると、充分な量の連続空隙を形成できず、緑化コンクリートとして不適切である。一方、空隙率が高すぎると、モルタル量が不足することになり、充分な強度が得られないので好ましくない。
従って、前記環境ポーラスコンクリートでは、粗骨材と空隙部を除いた残部が、粉体、細骨材、水及び必要に応じて用いる混和剤からなるモルタルの容積となる。通常は、使用する粗骨材の種類にもよるが、コンクリート1m3中に、粉体、細骨材、水及び混和剤が合計量として60〜250リットル程度の範囲で含まれることになる。
本発明の堤体表層部の被覆構造の第1実施形態を示す縦断側面図である。 本発明の堤体表層部の被覆構造との比較例を示す貯水用堤体表層部の被覆構造の縦断側面図である。 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)の説明図である。 本発明の堤体表層部の被覆構造の要部の斜視図である。 本発明の堤体表層部の被覆構造の第2実施形態を示す要部の斜視図である。 従来例を示す縦断側面図である。
1…半透水性土木シート 2a、2b…合成繊維綿層
3…高密度平布 4…防水シート
5…透水性材料 6…法肩
7…法尻
8…複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)
9…堤体 10…コンクリート
11…天端 12…裏法面
13…河川水 14…河床
15…鋼矢板 16…蒲団籠
17…基礎コンクリート 18…芯土
19…吸出防止シート 20…頂部
21…低い箇所 23…客土
24…環境ポーラスコンクリート層

Claims (8)

  1. 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)をその下部に配設された透水係数が10(−2乗)より大きいポーラスコンクリートである透水性材料と面接触して結合させて積層構造としたことを特徴とする堤体表層部の被覆構造。
  2. 堤体は、貯水用のものであり、農業用のため池の堤体である請求項1記載の堤体表層部の被覆構造。
  3. セメント複合材料は、下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合マトリクスに、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(Poly Vinyl Alcohol)短繊維を1vol.%以上3vol.%以下の配合量で配合したクラック分散型の繊維補強セメント複合材料である請求項1または請求項2記載の堤体表層部の被覆構造。
    〔M1〕
    水結合材の重量百分比(W/C):25%以上
    細骨材と結合材の重量比(S/C):1.5以下(0を含む)
    単位水量:250〜450Kg/m
    練り上がり直後の空気量:3.5〜20%
    高性能AE減水剤:30Kg/m未満
    〔F1〕
    繊維径:0.05mm以下
    繊維長:5〜20mm
    繊維引張強度:1500〜2400MPa
  4. 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、堤体上流側斜面から堤体頂部まで連続させた請求項1ないし請求項3記載のいずれかに記載の堤体表層部の被覆構造。
  5. 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、堤体上流側斜面から堤体頂部まで連続させ、かつ、堤体下流の法尻まで連続させる請求項1ないし請求項3記載のいずれかに記載の堤体表層部の被覆構造。
  6. 堤体頂部に一部低い箇所を形成し、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、この低い箇所から堤体下流の法尻まで連続させる請求項5記載の堤体表層部の被覆構造。
  7. 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料の表面に所定の凹凸粗さを形成する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の堤体表層部の被覆構造。
  8. 複複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)の被覆層の上にさらに表面緑化可能な環境ポーラスコンクリート層を形成する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の堤体表層部の被覆構造。
JP2009057834A 2009-03-11 2009-03-11 堤体表層部の被覆構造 Active JP5300015B2 (ja)

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