JP2010207840A - Laser beam welding equipment and laser beam welding method - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、レーザ溶接装置、およびレーザ溶接方法に関する。 The present invention relates to a laser welding apparatus and a laser welding method.
溶接部材に対してレーザを照射し、溶接部材を溶接するレーザ溶接方法が知られている。レーザ溶接方法は、溶接部材の溶接部にレーザを照射し、溶接部材を溶融させるが、溶接部を大気に晒した状態でレーザを照射すると、溶接部が冷却する際に酸素を取り込んで酸化皮膜を発生させることがある。 There is known a laser welding method in which a laser is irradiated on a welding member to weld the welding member. The laser welding method irradiates the welded portion of the welded member with laser and melts the welded member. However, when the laser is irradiated with the welded portion exposed to the atmosphere, the welded portion takes in oxygen and cools the oxide film. May occur.
溶接後の溶接部材には、一般的に、防錆を目的とした塗膜を形成させるための塗装工程を実施する。酸化皮膜が発生した溶接部にあっては、塗膜の密着性が低下するため、塗膜の剥がれが生じ易く、溶接部材の品質の低下を招く虞がある。 A coating process for forming a coating film for the purpose of rust prevention is generally performed on the welded member after welding. In the welded portion where the oxide film is generated, the adhesion of the coating film is lowered, so that the coating film is easily peeled off, and the quality of the welded member may be deteriorated.
特許文献1に記載された発明にあっては、シールド用のガスを溶接部周辺に吹き流しながらレーザ溶接を行うことによって、溶接部に酸化皮膜が発生することを防止している(特許文献1を参照)。 In the invention described in Patent Document 1, laser welding is performed while blowing a shielding gas around the welded portion, thereby preventing an oxide film from being generated in the welded portion (see Patent Document 1). reference).
上記の発明にあっては、溶接部に酸化皮膜が発生することを防止することはできるが、シールド用のガスの使用によってレーザ溶接に要するコストが増加するという問題がある。 In the above invention, although an oxide film can be prevented from being generated in the welded portion, there is a problem that the cost required for laser welding increases due to the use of a shielding gas.
そこで本発明は、レーザ溶接に際して、シールド用のガスを使用することなく溶接部に酸化皮膜が発生することを防止し、酸化皮膜の発生の防止に要するコストを低減させるレーザ溶接装置、およびレーザ溶接方法を提供することを目的とする。 Accordingly, the present invention provides a laser welding apparatus and laser welding that prevent the occurrence of an oxide film on a welded portion without using a shielding gas during laser welding and reduce the cost required to prevent the formation of an oxide film. It aims to provide a method.
本発明のレーザ溶接装置は、溶接部材の溶接部の周囲を覆わせて配置する側壁部と、側壁部に連なり溶接部に対して照射されたレーザを通過させる開口部とが形成された筒状部材を有している。筒状部材は、溶接時に溶接部から発生する蒸気を充満しえる容積を有している。 The laser welding apparatus of the present invention has a cylindrical shape in which a side wall portion that covers and arranges the periphery of a welded portion of a welding member, and an opening portion that is connected to the side wall portion and allows a laser irradiated to the welded portion to pass therethrough. It has a member. The tubular member has a volume that can be filled with steam generated from the welded portion during welding.
また、本発明のレーザ溶接方法は、溶接部材の溶接部の周囲を容器で覆わせて行う。溶接部を容器で覆わせた状態で溶接部に対してレーザを照射する。 The laser welding method of the present invention is performed by covering the periphery of the welded portion of the welding member with a container. Laser is irradiated to the welded portion in a state where the welded portion is covered with the container.
本発明によれば、筒状部材の側壁部に覆われた溶接部に対してレーザを照射し、レーザの照射に伴って発生した蒸気を筒状部材の外部に噴出させることによって、シールド用のガスを使用することなく溶接部の周辺に不活性な雰囲気を形成させることができ、酸化皮膜の発生の防止に要するコストを低減させることができる。 According to the present invention, a laser beam is irradiated to the welded portion covered by the side wall portion of the cylindrical member, and the steam generated by the laser irradiation is ejected to the outside of the cylindrical member. An inert atmosphere can be formed around the weld without using gas, and the cost required to prevent the formation of an oxide film can be reduced.
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. In the description of the drawings, the same elements are denoted by the same reference numerals, and redundant description is omitted. In addition, the dimensional ratios in the drawings are exaggerated for convenience of explanation, and may be different from the actual ratios.
図1には、本実施形態に係るレーザ溶接装置100を示す。本実施形態にあっては、本発明のレーザ溶接装置およびレーザ溶接方法を、載置台80上に重ね合わせて配置した鋼板210、220を溶接部材200とし、その溶接部材200に対してレーザを照射して溶接を行うレーザ溶接装置100、およびレーザ溶接方法に適用している。
FIG. 1 shows a
図1、および図2を参照して、レーザ溶接装置100を概説すれば、溶接部材200の溶接部230の周囲を覆わせて配置する側壁部64と、側壁部64に連なり溶接部230に対して照射されたレーザを通過させる開口部65とが形成され、溶接時に溶接部230から発生する蒸気Vを充満しえる容積の筒状部材60を有している(図7(A)をも参照)。筒状部材60の側壁部64は、溶接部230に対するレーザの照射方向に沿って伸びるように形成している(図5(C)をも参照)。レーザ溶接装置100は、筒状部材60を溶接部材200に対して押し付けて配置することによって溶接部材200をクランプする。
Referring to FIG. 1 and FIG. 2, the
本明細書における溶接部230とは、溶接部材210、220を溶接させるために溶接部材210、220に対してレーザを照射する部位、およびその周辺部を意味するものである。以下、本実施形態について詳述する。
The
図1および図2を参照して、レーザ溶接装置100は、溶接部材200に対してレーザを照射してレーザ溶接を行うレーザ溶接ロボット10と、溶接部230の周囲を覆うように配置される筒状部材60と、レーザ溶接装置100の各部の動作を制御する制御部40と、レーザを発振するレーザ発振器50と、を有している。
Referring to FIGS. 1 and 2,
レーザ溶接ロボット10は、レーザ発振器50から伝送されたレーザを溶接部230に対して照射するレーザ加工ヘッド20と、レーザ加工ヘッド20を所定の位置に移動させるためのロボットアーム30と、を有している。レーザ発振器50からレーザ加工ヘッド20へのレーザの伝送には、光ファイバ35を利用している。なお、各図においてレーザ加工ヘッド20から照射したレーザLは、破線で示す。
The
レーザ加工ヘッド20は、伝送されたレーザを溶接部230に対して集束させて照射するためのレンズ群21と、回動自在な光学ミラー22と、を有している。光ファイバケーブル35からレーザ加工ヘッド20内に伝送されたレーザは、レンズ群21を通過し、光学ミラー22に入射する。光学ミラー22は、図示しない駆動源によって回動し、所定の溶接軌跡に沿ってレーザを走査する。レーザを楕円形状(図7(A)を参照)や、円形形状、直線形状などの任意の溶接軌跡に沿って走査する。
The
ロボットアーム30は、一般的な多間接ロボットアーム30である。教示作業によって与えられた動作に従って先端部に配置されたレーザ加工ヘッド20をさまざまな方向へ移動させる。ロボットアーム30を移動させて定められた溶接軌跡に沿ってレーザを照射させることが可能である。
The
筒状部材60には、筒状部材60を溶接部材200上に配置したり(図1中矢印cで示す)、溶接部材200から退避させたり(図1中矢印c′で示す)するためのアーム部69を取り付けている。図示しない駆動ロボットによってアーム部69の動作を駆動させている。
The
図2を参照して、筒状部材60は、側壁部64と、側壁部64に連なる第1の開口部66および第2の開口部67と、を有した円筒状の外形形状を有している。第1の開口部66の面形状を円形に形成し、第2の開口部67の面形状を楕円形に形成している(図6(A)を参照)。
Referring to FIG. 2,
アーム部69を動作させて筒状部材60を溶接部材200上に配置する。アーム部69は、筒状部材60を溶接部材200に対して押し付ける(押し付けを図中矢印Pで示す)。アーム部69による押し付けによって、第2の開口部67の接地面と溶接部材200との間に隙間を形成させずに筒状部材60を配置する。筒状部材60は、側壁部64によって溶接部230の周囲を囲むように覆う。
The
筒状部材60は、溶接部材200に押し付けられることによって第1と第2の溶接部材210、220をクランプする。筒状部材60に溶接部材200をクランプさせる機能を付加することによって、筒状部材60の配置と溶接部材200のクランプを同時に行うことができ、筒状部材60の配置作業の作業効率を向上させることができる。クランプ装置を別体に設けた場合と比較して、装置の製造コストを低減させることが可能になる。
The
アーム部69の構造は、図示されるものに限定されず、筒状部材60を溶接部材200に対して押し付けることが可能な形態において適宜変更することが可能である。
The structure of the
レーザ溶接に際して、溶接部230の周囲を囲んだ状態で第1の開口部66の側からレーザを入射させる。第1の開口部66、筒状部材60の内部空間68、第2の開口部67を通過させて溶接部230に対してレーザを照射する。レーザの照射によって付与された熱により、溶接部材200が溶融する。所定の溶接軌跡に沿ってレーザを照射し、溶接ビード240を形成させる。レーザが照射された溶接部230が凝固すると、溶接が終了する。
During laser welding, a laser is incident from the
筒状部材60を利用してレーザ溶接を実施することによって、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止することが可能になる。酸化皮膜の発生を防止する原理について説明する。
By performing laser welding using the
図3(A)を参照して、被溶接部材200である鋼板上に筒状部材60を配置した状態で溶接部230に対してレーザを照射する。
With reference to FIG. 3 (A), laser is irradiated to welded
図3(B)を参照して、レーザを照射した部位に局所的な温度上昇が生じ、溶接部材200が蒸発して金属の蒸気Vを発生させる。レーザが照射された溶接部230は、溶融しつつ周辺に存在する雰囲気酸素を消費しながら蒸発する。蒸発した金属の蒸気Vが筒状部材60内に充満し、筒状部材60の内部空間68の圧力が増加する。筒状部材60の内部空間68と外部との間に圧力差が生じる。この圧力差によって、第1の開口部66に向かう蒸気Vの流れが発生する。
Referring to FIG. 3 (B), a local temperature rise occurs at the site irradiated with laser, and
側壁部64は、第2の開口部67の側で発生した金属の蒸気Vに指向性を持たせて第1の開口部66の側へ導流させる機能を発揮する。
The
図4(A)を参照して、金属の蒸気Vは、筒状部材60の内部空間68に残留した酸素とともに第1の開口部66から筒状部材60の外部へ噴出する。筒状部材60の内部空間68の酸素濃度が低下し、溶接部230周辺においては、酸素が存在しない不活性な雰囲気が形成されることになる。
Referring to FIG. 4A, metal vapor V is jetted out of
金属の蒸気Vおよび酸素の噴出に伴って筒状部材60の内部空間68の圧力が低下する。
The pressure in the
レーザが照射された溶接部230は、不活性な雰囲気の中で冷却し、凝固する。酸素を取り込むことなく凝固するため、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止できる。
The welded
図4(B)を参照して、圧力が低下した状態にある筒状部材60の内部空間68へ大気中の空気aが次第に流れ込む。レーザが照射された溶接部230は、レーザを照射した後、空気aが流れ込むまでの間に冷却、および凝固し、酸素を取り込む温度領域から脱する。このため、流入した空気aに含まれる酸素によって生じ得る酸化皮膜の発生を防止することができる。
With reference to FIG. 4 (B), air a in the atmosphere gradually flows into the
溶接部材200と第2の開口部67の接地面との間に隙間が生じた状態でレーザ溶接を実施すると、発生した蒸気Vが隙間から漏洩し、第1の開口部66から噴出する蒸気Vの勢いが低下する。このような場合、酸化皮膜の発生を防止する効果を十分に発揮することができない虞がある。筒状部材60を溶接部材200に対して押し付けて配置することによって隙間が生じることを防止でき、酸化皮膜の発生をより確実に防止することが可能になる。
When laser welding is performed in a state where a gap is generated between the welding
溶接後の溶接部材には、一般的に、防錆等を目的とした塗膜を形成するための塗装工程を実施する。酸化皮膜が発生した溶接ビードに塗膜を形成すると、塗膜の密着性が低下し、塗膜の剥がれが生じ易くなる。溶接ビードにおいて生じた塗膜の剥がれを起点として溶接部材全体に形成させた塗膜の剥がれが生じ、溶接後の溶接部材の品質の低下を招く虞がある。 Generally, a coating process for forming a coating film for the purpose of preventing rust or the like is performed on the welded member after welding. When a coating film is formed on the weld bead in which the oxide film is generated, the adhesion of the coating film is lowered and the coating film is easily peeled off. The peeling of the coating film formed on the entire welded member starts from the peeling of the coating film generated in the weld bead, and there is a possibility that the quality of the welded member after welding is deteriorated.
上述したように、筒状部材60を利用してレーザ溶接を実施することによって、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止でき、酸化皮膜の発生に伴って生じ得る溶接後の溶接部材200の品質の低下を防止することが可能になる。
As described above, by performing laser welding using the
次に、レーザ溶接に利用する筒状部材60の好適な形状について説明する。
Next, the suitable shape of the
図5(A)を参照して、図示されるような形状の溶接部材200をクランプ手段70によってクランプし、破線で示された溶接部230に対してレーザを照射して溶接を行う場合、溶接部230に対して垂直にレーザを照射すると、レーザの光路上に配置されたクランプ手段70とレーザとが干渉することになる。このような場合、レーザを照射する面に対して傾斜させてレーザを照射することによって、クランプ手段70に干渉させることなく溶接部230に対してレーザを照射させることが可能になる。
With reference to FIG. 5 (A), when welding
図5(B)を参照して、レーザを照射する面に対して直交する方向に伸びる形状の筒状部材60を用いると、筒状部材60とレーザとが干渉することになり、溶接部230に対してレーザ溶接を照射することが困難になる。
Referring to FIG. 5B, when
図5(C)を参照して、側壁部64がレーザの照射方向に沿って伸びるような形状の筒状部材60を利用すれば、筒状部材60に干渉させることなく溶接部230に対してレーザを照射させることが可能になる。このように、溶接部材200の形状や、溶接部材200上に配置されたクランプ手段70によってレーザの照射角度に制約が生じるような場合であっても、レーザの照射角度に合わせた形状の側壁部64を形成することによって、筒状部材60をレーザ溶接に好適に利用することが可能になる。
Referring to FIG. 5C, if a
図6(A)、および(B)を参照して、筒状部材60を溶接部材200に対して傾斜させて配置する場合には、溶接部230の形状やレーザの照射軌跡に合わせて第1と第2の開口部66、67の形状を適宜変更させることが望ましい。
6A and 6B, when the
第1の開口部66の面形状を円形に形成し、第2の開口部67の面形状を楕円形に形成することによって、溶接部材200との間に隙間を生じさせずに筒状部材60を配置することが可能になる(図6(A)を参照)。
By forming the surface shape of the
例えば、第1の開口部66の面形状を楕円形に形成し、第2の開口部67の面形状を円形に形成したりすることも可能である(図6(B)を参照)。
For example, the surface shape of the
第1と第2の開口部66、67の面形状は図示された形状に限定されるものではなく、レーザの照射角度や、溶接部材および溶接部の形状等に合わせて適宜変更することが可能である。
The surface shapes of the first and
次に作用について説明する。 Next, the operation will be described.
図7(A)を参照して、レーザ溶接に際して、溶接部230の周囲を側壁部64によって囲ませるようにして筒状部材60を配置する。この際、溶接部材200と第2の開口部67の接地面との間に隙間が生じないように筒状部材60を配置する。
With reference to FIG. 7A, the
アーム部69は、筒状部材60を溶接部材200に対して押し付けることによって、溶接部材200をクランプする。
The
筒状部材60を配置した状態で溶接部230に対してレーザを照射する。側壁部64がレーザの照射方向に沿って伸びるような形状に形成されているため、筒状部材60に干渉させることなくレーザを照射させることができる。レーザは、第2の開口部67の面形状に合わせて設定された溶接軌跡に沿って照射する。
Laser is irradiated to the welded
レーザが照射された溶接部230は、溶融しつつ周辺に存在する雰囲気酸素を消費しながら蒸発し、金属の蒸気Vを発生させる。蒸発した金属の蒸気Vが筒状部材60内に充満し、筒状部材60の内部空間68の圧力が増加する。筒状部材60の内部空間68と外部との間に圧力差が生じる。圧力差によって、第1の開口部66へ向かう蒸気Vの流れが生じる。
The welded
金属の蒸気Vは、第1の開口部66から筒状部材60外部に向けて噴出する。この際、筒状部材60の内部空間68に残留した酸素が一緒になって外部へ噴出する。
The metal vapor V is ejected from the
筒状部材60の側壁部64は、金属の蒸気Vに指向性を持たせて第1の開口部66の側へ蒸気Vを導流させる。筒状部材60の内部空間68に残留した酸素が筒状部材60の外部に噴出されることによって、筒状部材60の内部空間68の酸素濃度が低下し、溶接部230の周辺に不活性な雰囲気を形成させる。
The
図7(B)を参照して、レーザが照射された溶接部230は、不活性な雰囲気の中で酸素を取り込むことなく凝固する。このため、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止できる。
With reference to FIG. 7B, the welded
圧力が低下した状態にある筒状部材60の内部空間68へ大気中の空気aが次第に流れ込む。溶接ビード240は、冷却して酸素を取り込む温度領域から脱した状態にあるため、流入した空気aに含まれる酸素によって酸化皮膜が発生することはない。
Air a in the atmosphere gradually flows into the
筒状部材60を利用することによって、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止し、溶接ビード240に形成される塗膜の密着性が低下することを防止できる。塗膜の密着性の低下に伴って生じ得る溶接部材200の品質の低下を防止することが可能になる。
By using the
ここで、従来の技術として、溶接ビードに酸化皮膜が発生することを防止するために、シールド用のガスを溶接部に吹き流しなら溶接を行うレーザ溶接装置が知られている。このような従来のレーザ溶接装置を用いてレーザ溶接を行う場合には、シールド用のガスの利用に伴って材料コストが増加し、溶接作業に費やすコストが増加するという問題がある。また、シールド用のガスを供給および排出するための構造をレーザ溶接装置に付加するため、装置構成が煩雑化し、装置の製造コストの増加を招くという問題がある。 Here, as a conventional technique, in order to prevent an oxide film from being generated on the weld bead, a laser welding apparatus that performs welding if a gas for shielding is blown into the welded part is known. When laser welding is performed using such a conventional laser welding apparatus, there is a problem that the material cost increases with the use of the shielding gas, and the cost for welding work increases. In addition, since a structure for supplying and discharging the shielding gas is added to the laser welding apparatus, the apparatus configuration becomes complicated, resulting in an increase in the manufacturing cost of the apparatus.
これに対して本実施形態にあっては、筒状部材60を配置した状態でレーザを照射し、レーザの照射に伴って発生した蒸気Vを利用して溶接部230の周囲に不活性な雰囲気を形成することによって、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止する。シールド用のガスを使用せずに酸化皮膜が発生することを防止でき、シールド用のガスの使用に伴って生じる材料コストの増加を防止できる。さらに、筒状部材60を付加した簡素な構造のレーザ溶接装置100によってレーザ溶接を実施するとともに酸化皮膜の発生を防止することができるため、装置構成が煩雑化することを防止でき、装置構成の煩雑化に伴って生じ得る装置の製造コストの増加を防止できる。
On the other hand, in this embodiment, a laser beam is irradiated in a state where the
上述したように、本実施形態によれば、筒状部材60の側壁部64に覆われた溶接部230に対してレーザを照射し、レーザの照射に伴って発生した蒸気Vを筒状部材60の外部に噴出させることによって、溶接部230の周辺に不活性な雰囲気を形成させることができる。このため、溶接ビード240に酸化皮膜が発生することを防止でき、酸化皮膜の発生に伴って生じ得る溶接部材200の品質の低下を防止することができる。シールド用のガスを使用することなく酸化皮膜の発生を防止することができ、酸化皮膜の発生を防止するために要するコストを低減させることができる。さらに、筒状部材60を付加した簡素な構造のレーザ溶接装置100によって酸化皮膜の発生を防止することができるため、装置構成の煩雑化に伴って生じ得る装置の製造コストの増加を防止できる。
As described above, according to the present embodiment, the welded
側壁部64がレーザの照射方向に沿って伸びるような形状に形成されているため、筒状部材60に干渉させずにレーザを照射させることができる。
Since the
筒状部材60を溶接部材200に押し付けて配置することによって、筒状部材60の配置と溶接部材200のクランプを同時に行うことができ、筒状部材60の配置作業の作業効率を向上させることができる。クランプ装置を別体に設けた場合と比較して、装置の製造コストを低減させることができる。
By placing the
本実施形態は、適宜変更することができる。 This embodiment can be changed as appropriate.
溶接部材200に筒状部材60を押し付けて配置しているが、筒状部材60は、第2の開口部67の接地面と溶接部材200との間に隙間が形成されないように配置されていればよく、その配置方法は、特に限定されるものではない。
Although the
側壁部64の形状は、レーザの入射角度、照射方向に合わせて適宜変更することができ、図示された形状に限定されるものではない。
The shape of the
(変形例1)
図8を参照して、本変形例に係るレーザ溶接装置100は、溶接部材200に設定された複数個所の溶接部231、232に対してそれぞれ配置される複数個の筒状部材61、62を有している。前述した実施形態と同様の部材および溶接方法については、その説明を一部省略する。
(Modification 1)
Referring to FIG. 8, the
図8を参照して、溶接部材200上に第1と第2の溶接部231、232が設定されている場合、第1と第2の溶接部231、232に対してそれぞれ配置する第1と第2の筒状部材61、62をレーザ溶接装置100に設ける。
Referring to FIG. 8, when the first and second welded
レーザ溶接に際して、第1と第2の筒状部材61、62を配置した状態でレーザを照射する。レーザは、第1の溶接部231から第2の溶接部232の順に照射する。
At the time of laser welding, laser irradiation is performed with the first and second
第2の溶接部232には、第2の筒状部材62を予め配置しているため、第1の溶接部231にレーザを照射した後、第2の溶接部232へ第1の筒状部材61を移動、および配置する作業を行う必要がない。このため、第1の溶接部231に対するレーザの照射に引き続いて第2の溶接部232に対するレーザの照射を実施することが可能になる。
Since the second
複数の溶接部231、232に対してレーザを照射するレーザ溶接に筒状部材61、62を利用した場合において、溶接作業の作業効率を向上させることが可能になる。
When the
上述したように、本変形例によれば、溶接部材200上に設定された複数個所の溶接部231、232に対してそれぞれ配置する複数個の筒状部材61、62をレーザ溶接装置100に設けている。このため、複数の溶接部231、232に対してレーザを照射するレーザ溶接に筒状部材61、62を利用した場合において、溶接作業の作業効率を向上させることができる。
As described above, according to the present modification, the
本変形例にあっては、第1と第2の筒状部材61、62にアーム部69を取り付けることによって、それぞれの筒状部材61、62に溶接部材200をクランプさせる機能を付加した形態としているが、筒状部材61、62と別体のクランプ装置を利用して溶接部材200をクランプさせることも可能である。
In this modification, by attaching the
溶接部の個数、および筒状部材の個数は、適宜変更することが可能である。また、筒状部材は、レーザの照射角度に合わせて、レーザの照射方向に沿って伸びる形状にして側壁部を形成させることも可能である。 The number of welds and the number of cylindrical members can be changed as appropriate. In addition, the cylindrical member can be formed in a shape extending along the laser irradiation direction in accordance with the laser irradiation angle to form the side wall portion.
(変形例2)
図9(A)および(B)を参照して、本変形例に係るレーザ溶接装置100にあっては、筒状部材60は、溶接部材200をクランプするクランプ手段70に一体にして設けられており、クランプ手段70が溶接部材200をクランプすることによって溶接部230の周囲を覆って筒状部材60が配置される。前述した実施形態、および変形例と同様の部材および溶接方法については、その説明を一部省略する。
(Modification 2)
Referring to FIGS. 9A and 9B, in
図9(A)を参照して、図示されるように複数個所に溶接部231〜233が設定された溶接部材200をクランプ手段70によってクランプさせる。このとき、クランプ手段70と別体にして設けた筒状部材61〜63を配置すると、クランプ手段70によって溶接部材200をクランプさせる作業と、溶接部材200上に筒状部材61〜63を配置する作業が必要になり、筒状部材61〜63を利用することによる作業遅延が生じる虞がある。
With reference to FIG. 9 (A), the
図9(B)を参照して、筒状部材61〜63をクランプ手段70に一体にして設け、クランプ手段70により溶接部材200をクランプさせることによって、クランプ手段70によるクランプ作業と、筒状部材61〜63の配置作業を同時に行うことが可能になる。このため、クランプ手段70とともに筒状部材61〜63を利用する場合において、筒状部材61〜63を利用することによって生じ得る作業遅延を低減させることが可能になる。
With reference to FIG. 9 (B), the
前述した実施形態、および変形例にあっては、筒状部材60のみによって溶接部材200をクランプさせる構成になっているが、本変形例にあっては、クランプ手段70、および筒状部材61〜63によって溶接部材200をクランプさせることができるため、溶接部材200をより強固にクランプすることが可能になる。
In the embodiment and the modification described above, the
上述したように、本変形例によれば、溶接部材200をクランプするクランプ手段70に筒状部材61〜63を一体にして設けているため、クランプ手段70による溶接部材200のクランプ作業と、筒状部材60の配置作業を同時に行うことができる。このため、クランプ手段70とともに筒状部材61〜63を利用する場合において、筒状部材61〜63を利用することによって生じ得る作業遅延を低減させることができる。
As described above, according to this modification, since the
溶接部の個数、および筒状部材の個数は、適宜変更することが可能である。 The number of welds and the number of cylindrical members can be changed as appropriate.
本発明は、適宜変更することが可能である。 The present invention can be modified as appropriate.
筒状部材60の外形形状は、図示された円筒形状に限定されるものでない。筒状部材内で発生した蒸気を充満し得る容積を有し、筒状部材の内部空間から外部へ噴出させることによって溶接部の周辺に不活性な雰囲気を形成し得る範囲において、適宜変更することが可能である。
The outer shape of the
溶接部材の配置や形状、材質は、適宜変更することが可能である。 The arrangement, shape, and material of the welding member can be changed as appropriate.
本発明のレーザ溶接装置、およびレーザ溶接方法は、レーザ溶接によって形成された溶接ビードに酸化皮膜が発生することを好適に防止することを目的としたレーザ溶接に広く適用することが可能である。 The laser welding apparatus and laser welding method of the present invention can be widely applied to laser welding for the purpose of suitably preventing an oxide film from being generated on a weld bead formed by laser welding.
以下、本発明の実施形態を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。 Embodiments of the present invention will be specifically described below based on examples. In addition, this invention is not limited only to these Examples, It can change suitably.
(実施例1)
図10(A)、および(B)を参照して、実施例1にあっては、酸化皮膜の発生を防止することが可能な筒状部材60の高さ寸法hと内径寸法d1との関係について検討した。
Example 1
Referring to FIGS. 10A and 10B, in Example 1, the relationship between the height dimension h and the inner diameter dimension d1 of the
円筒形の筒状部材60の高さ寸法hと内径寸法d1を変化させてレーザ溶接を実施し、その結果から筒状部材60の形状が酸化皮膜の発生の有無に与える影響について調べた。
Laser welding was performed by changing the height dimension h and the inner diameter dimension d1 of the
レーザ溶接装置100には、レーザ出力、レーザの走査速度、および溶接軌跡を予め教示させた。溶接部材200には、重ね合わせて配置した板厚1.4mm、0.65mmの鋼板を利用した。具体的には、以下の条件でレーザを照射させた。
The
(1)レーザ発振器に入力するレーザ出力:4000W
(2)照射されたレーザの走査速度:70mm/s
(3)溶接ビードの直径d2が5mmとなるように円形の溶接軌跡に沿ってレーザを走査する(溶接ビードの直径d2は、溶接ビード中心位置間での距離である)。
(1) Laser output input to the laser oscillator: 4000 W
(2) Scanning speed of irradiated laser: 70 mm / s
(3) The laser is scanned along a circular welding trajectory so that the diameter d2 of the weld bead is 5 mm (the diameter d2 of the weld bead is a distance between the weld bead center positions).
図11を参照して、溶接ビード240に酸化皮膜が形成されなかったと判定された条件には、○の印を付している。溶接ビード240に発生した酸化皮膜が塗膜の密着性に影響を与えない程度の厚さ寸法(0.5〜2.0μm)で形成されたと判定された条件には、△の印を付している。塗膜の密着性に悪影響を与える程の厚さ寸法(2μm〜)で酸化皮膜が形成されたと判定された条件には、×の印を付している。
Referring to FIG. 11, a condition where it is determined that no oxide film is formed on
この結果より、筒状部材60の内径寸法d1が同一の場合には、筒状部材60の高さ寸法hが大きい方が、酸化皮膜の発生をより効果的に抑制することができることがわかる。筒状部材60の高さ寸法hが低い場合には、溶接部230の周囲へ容易に大気中の空気aが流れ込むため、不活性な雰囲気を形成し難くなる。
From this result, it can be seen that when the inner diameter dimension d1 of the
(実施例2)
図12を参照して、実施例2にあっては、面積S(図10(B)中破線で示す箇所の面積)が異なる複数種類の溶接ビード240を形成し、溶接ビード240の面積と酸化皮膜の発生を防止することが可能な筒状部材60の形状との関係について検討した。図中には、異なる面積で形成されたそれぞれの溶接ビード240について、酸化皮膜が形成されなかったとの判定結果が得られた筒状部材60の高さ寸法hと内径寸法d1との関係を示している。
(Example 2)
Referring to FIG. 12, in Example 2, a plurality of types of
直線で示す条件の溶接ビード240は、12mm2の大きさの面積に形成している。破線で示す条件の溶接ビード240は、20mm2の大きさの面積に形成している。一点鎖線で示す条件の溶接ビード240は、33mm2の大きさの面積に形成している。その他、レーザ溶接に係る各条件は、前述した実施例1と同様の条件で実施した。
The
この結果より、溶接ビード240の面積Sが大きくなると、溶接部材200が蒸発する際に消費する酸素量が増加するため、同一の内径寸法d1の筒状部材60にあっては、高さ寸法hをより小さく設定することが可能になることが確認できる。
From this result, when the area S of the
10 レーザ溶接ロボット、
20 レーザ加工ヘッド、
21 レンズ群、
22 光学ミラー、
30 ロボットアーム、
35 光ファイバ、
40 制御部、
50 レーザ発振器、
60 筒状部材、
64 側壁部、
65 開口部、
66 第1の開口部、
67 第2の開口部、
68 筒状部材の内部空間、
69 アーム部、
70 クランプ手段、
80 載置台、
100 レーザ溶接装置、
200 溶接部材、
210 第1の溶接部材、
220 第2の溶接部材、
230 溶接部、
240 溶接ビード、
V 蒸気、
a 空気。
10 Laser welding robot,
20 laser processing head,
21 lens group,
22 Optical mirror,
30 robot arm,
35 optical fiber,
40 control unit,
50 laser oscillator,
60 tubular member,
64 side wall,
65 opening,
66 first opening,
67 second opening,
68 the internal space of the tubular member,
69 arm part,
70 clamping means,
80 mounting table,
100 laser welding equipment,
200 welded parts,
210 a first welding member;
220 second welding member,
230 welds,
240 weld beads,
V steam,
a Air.
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009055316A JP2010207840A (en) | 2009-03-09 | 2009-03-09 | Laser beam welding equipment and laser beam welding method |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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