JP2010205274A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】追跡対象を示す対象領域の重なり、分裂に加え、一時的な消失や対象領域の誤検出が散発し検出結果の信憑性に欠けるような不安定な状況においても、より時系列的に整合性の良い追跡を可能にする。
【解決手段】特徴量算出部101で算出された対象領域の特徴量を用いて仮追跡処理部102で時系列前後の複数の対象画像間における対象領域同士の対応付けを行うことで対象領域の複数の仮追跡を行い、最終追跡処理部103では、この複数の仮追跡結果を基に、例えば多数決の概念に従い整合性の良い最終的な追跡結果を求めるようにしたので、追跡対象を示す対象領域の重なり、分裂に加え、一時的な消失や対象領域の誤検出が散発し検出結果の信憑性に欠けるような不安定な状況においても、より時系列的に整合性の良い対象領域の追跡が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の時点で時系列に追跡対象を撮影して得られた各時点の対象画像(以後、適宜「フレーム」とも記す)内に存在する追跡対象を示す対象領域を追跡するための画像処理装置に関する。
複数の時点で時系列に撮影された画像内の物体追跡処理としては、特許文献1に、追跡対象物を示す対象領域の連続フレーム間での重なり面積を基に対象領域同士を対応付け、この対応結果に基づき、対象領域の状況を、出現、単連結、結合、消滅、分離のいずれかに分類し、さらには分類が結合又は分離の際には、物体検出時の誤りを補正して物体を追跡する方法が示されている。ここで、物体検出時の誤りとは、例えば、元々複数の物体が、重なり等により1つに連結した領域として検出されることや、元々1つの物体が検出時の何らかの問題により複数に分裂した領域として検出されることを示す。これら検出時の誤りを補正する具体的な方法とは以下の2つである。
第1は、元々複数の物体を示す領域が1つに結合した場合には“連結”と判定し、前フレームにおける連結前の各領域の特徴量を記録する。また、“連結”と判定された領域が分離した場合には、分離時の各領域と、連結前の各領域のあらゆる組み合わせにおいて最も特徴量の一致度が高くなるように領域同士を対応付けて追跡を行う。
第2は、元々1つの物体を示す領域が分離した場合には“分裂”と判定し、分裂している間はパーツとなる各領域を合計した重心を代表位置として追跡を行う。また、“分裂”と判定された領域が結合した場合には、2つに分裂した元々1つの領域が1つに検出されるようになったと判定する。
ここで、このような補正を行う際には、連続フレームの中に、特に信憑性の高い物体検出結果が必要になる。なぜなら、分離という状況でも、連結と判定された領域が分離した場合と、元々1つの物体を示す領域が分離した場合とでは処理が異なるし、結合という状況でも、元々複数の物体を示す領域が結合した場合と、分裂と判定された領域が結合した場合とでは処理が異なるためである。特許文献1では、これを解決するために、画像内の特定範囲内で検出する領域の結果を基準とする初期化ステップが設けられている。これは特許文献1が追跡対象物として人物を想定しており、例えば一度に1人しか通過できないような出入り口付近を映す画像範囲を特定範囲とすれば、その範囲内では信憑性の高い物体検出結果が得られると仮定できるからである。
特開2002−342762号公報
ところが、特許文献1では、時系列で連続する2フレーム間で対象領域の対応付けを行いながら対象領域を追跡している。このため、例えばあるフレームF0で検出された追跡対象物を示す対象領域が、次フレームF1で何らかの問題で検出されず、さらに次のフレームF2では再度検出されたという状況の場合、フレームF0−F1間における対応結果より、フレームF0内の領域は“消滅”という状況に分類され、フレームF2で再び検出されたとしても、同一の対象を示す領域とは判断されない。この場合は、新たに“出現”という状況になり、別の追跡対象物を示す対象領域として追跡が行われる。このように追跡対象物を示す対象領域が追跡途中のフレーム内で全く検出されないという状況は、“人物”を対象とする追跡においては発生しにくい状況かもしれないが、例えば蛍光蛋白を用いて生きた細胞を画像化し、その蛍光画像を用いて生細胞の追跡を行うなどの場合では、蛍光量の変動などの影響による細胞領域の検出の不安定さから十分に発生し得る状況である。つまり、特許文献1では、このような状況において正確な追跡が行えないという課題がある。
さらに、生細胞の追跡においては、画像内の特定範囲内で、信憑性の高い物体検出結果を得るということは難しい。なぜなら、密集する多数の細胞を同時に撮像する状況下では、個々の細胞を個別に良好な条件で撮像し、その細胞を示す領域を正確に検出することは、非常に困難だからである。このため、信憑性の高い検出結果を前提とする特許文献1では、追跡対象を示す対象領域の誤検出が散発する場合には正確な追跡を行えないという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、追跡対象を示す対象領域の重なり、分裂に加え、一時的な消失や対象領域の誤検出が散発し検出結果の信憑性に欠けるような不安定な状況においても、より時系列的に整合性の良い追跡ができる画像処理装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明による画像処理装置は、複数の時点で追跡対象を撮影して得られた各時点の対象画像において前記追跡対象を示す対象領域の特徴量を算出する特徴量算出手段と、算出された前記特徴量を用いて前記対象画像間における前記対象領域の仮追跡結果を複数求める仮追跡処理手段と、前記複数の仮追跡結果の中から前記対象領域の最終的な追跡結果を選出する最終追跡処理手段と、を備え、前記仮追跡処理手段が、時系列で隣接する前記対象画像間における前記対象領域同士の対応付けと時系列で隣接しない前記対象画像間における前記対象領域同士の対応付けを行うことで前記複数の仮追跡結果を得ることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置によれば、算出された対象領域の特徴量を用いて対象画像間における対象領域同士の対応付けを行った仮追跡結果を基に、例えば多数決の概念によって整合性の良い最終的な追跡結果を求めるので、追跡対象を示す対象領域の重なり、分裂に加え、一時的な消失や対象領域の誤検出が散発し検出結果の信憑性に欠けるような不安定な状況においても、より時系列的に整合性の良い対象領域の追跡が可能になるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態の画像処理装置の構成例を示す概略ブロック図である。 図2は、本実施の形態の画像処理装置の制御部により実行される処理の流れを示す概略フローチャートである。 図3は、仮追跡処理部により実行される細胞領域の仮追跡処理なるサブルーチンの処理例を示す概略フローチャートである。 図4は、仮追跡を行う時系列範囲としてn=2とした場合の各時刻t(i)用の細胞画像の取得範囲を模式的に示す説明図である。 図5−1は、認識処理の対象となる細胞画像例を示す図である。 図5−2は、領域毎にラベル化された細胞領域の認識画像例を示す図である。 図6は、時刻t(0)〜t(7)の間で時系列に取得された細胞画像の一例を示す模式図である。 図7は、i=0の場合において、その仮追跡範囲内となる図6に示す時刻t(0)〜t(2)の各細胞画像を起点画像とした場合の仮IDの付与例を示す説明図である。 図8は、時刻t(2)の細胞画像を起点画像とした場合において、時刻t(1)の画像内の細胞領域と、時刻t(2)の起点画像内の細胞領域との対応指標値の算出結果例を示す説明図である。 図9は、時刻t(2)の細胞画像を起点画像とした場合において、時刻t(1)の細胞画像内の細胞領域への仮IDの伝播例を示す説明図である。 図10は、時刻t(0)の細胞画像を起点画像とした場合において、時刻t(1)の細胞画像内の細胞領域と、時刻t(0)の起点画像内の細胞領域との対応指標値の算出結果例を示す説明図である。 図11は、時刻t(0)の細胞画像を起点画像とした場合において、時刻t(1)の細胞画像内の細胞領域への仮IDの伝播例を示す説明図である。 図12は、i=0の場合の仮追跡範囲内の各時刻の細胞画像を起点画像として各起点画像中の細胞領域毎に対応指標値に従いリンク関係を設定した仮追跡処理例を模式的に示す説明図である。 図13は、図12に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。 図14は、図13の仮追跡結果の集計例を示す説明図である。 図15は、i=1の場合の仮追跡範囲内の各時刻の細胞画像を起点画像として各起点画像中の細胞領域毎に対応指標値に従いリンク関係を設定した仮追跡処理例を模式的に示す説明図である。 図16は、図15に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。 図17は、図16の仮追跡結果の集計例を示す説明図である。 図18は、図14、図17の集計例に基づく最終IDの付与例を示す説明図である。 図19は、i=2の場合の仮追跡範囲内の各時刻の細胞画像を起点画像として各起点画像中の細胞領域毎に対応指標値に従いリンク関係を設定した仮追跡処理例を模式的に示す説明図である。 図20は、図19に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。 図21は、図20の仮追跡結果の集計例を示す説明図である。 図22は、図21の集計例に基づく最終IDの付与例を示す説明図である。 図23は、i=4の場合の仮追跡範囲内の各時刻の細胞画像を起点画像として各起点画像中の細胞領域毎に対応指標値に従いリンク関係を設定した仮追跡処理例を模式的に示す説明図である。 図24は、図23に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。 図25は、i=5の場合の仮追跡範囲内の各時刻の細胞画像を起点画像として各起点画像中の細胞領域毎に対応指標値に従いリンク関係を設定した仮追跡処理例を模式的に示す説明図である。 図26は、図25に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。 図27は、図26の集計例に基づく最終IDの付与例を示す説明図である。 図28は、図6に例示した時系列な細胞画像における細胞領域の追跡の結果例を示す模式図である。
本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。以下に説明する本実施の形態では、本発明の追跡対象を示す対象領域として細胞領域の追跡を行う画像処理装置の例を示すが、本発明における追跡対象を示す対象領域は細胞領域に限らず、他の追跡対象を示す対象領域の追跡を行う画像処理装置としても適用可能である。
図1は、本実施の形態の画像処理装置の構成例を示す概略ブロック図である。本実施の形態の画像処理装置100は、複数の時点で追跡対象としての生細胞を撮影して得られた各時点の対象となる細胞画像において生細胞を示す細胞領域の特徴量を算出する特徴量算出部101と、算出された細胞領域の特徴量を用いて細胞画像間における細胞領域同士の対応付けを行うことで該細胞領域の仮追跡を行う仮追跡処理部102と、仮追跡処理部102による仮追跡の結果に基づいて細胞領域の最終的な追跡結果を求める最終追跡処理部103とを備えるマイクロコンピュータ構成の制御部104と、入力された画像及び各部で利用するデータを保持しておくメモリ105とから構成されている。
ここで、仮追跡処理部102は、仮追跡を行う時系列範囲内の複数の時点の細胞画像のそれぞれを該仮追跡の起点となる起点画像として設定する起点画像設定部201と、細胞領域を識別するための仮IDを細胞画像における細胞領域のそれぞれに付与する仮ID付与部202と、異なる時点の細胞画像間における細胞領域同士の対応度合いを示す対応指標値を算出する対応指標値算出部203と、起点画像における細胞領域から時系列に沿って前方又は後方の時点の細胞画像における細胞領域へ向けて対応指標値が最も高い細胞領域の仮IDを順次伝播することで細胞画像間における細胞領域同士の対応付けを行う仮ID伝播部204とから構成されている。なお、処理対象である時系列の細胞画像の入力構成や、出力後の細胞追跡結果の処理構成に関しては、本実施の形態では特に限定しない。
図2は、本実施の形態の画像処理装置100の制御部104により実行される処理の流れを示す概略フローチャートであり、図3は、仮追跡処理部102により実行されるステップS5の細胞領域の仮追跡処理なるサブルーチンの処理例を示す概略フローチャートである。ここでは、撮影開始時刻t(0)から撮影終了時刻t(T)までの複数の時刻(時点)で細胞を撮影して得られた時系列の複数の細胞画像を用いて細胞領域の追跡を行う際の処理の流れを示している。以下、図1に示す構成例と対比しながら追跡処理例について説明する。
まず、制御部104は、注目すべき細胞画像の時系列順序を示す符号iを0に設定し(ステップS1)、時刻t(i−n)〜t(i+n)の細胞画像を取得する(ステップS2)。nは後述の仮追跡を行う際の時系列範囲を決定する値であり、本実施の形態では、n=2として説明する。ここで、i=0の場合、i−n=0−2=−2であり、時刻t(−2)の細胞画像は存在しない。そこで、i−n<0の場合には、ステップS2で取得する画像の時系列先端の画像は時刻t(0)の画像とする。また、符号iを順次繰り越し、i+n>Tとなった場合には、やはり画像が存在しないので、ステップS2で取得する画像の時系列後端の画像は時刻t(T)の画像とする。
図4は、注目すべき細胞画像に対して仮追跡を行う時系列範囲としてn=2とした場合の各時刻t(i)用の細胞画像の取得範囲を模式的に示す説明図である。図4中の黒丸部分は、符号iで示される注目すべき細胞画像の撮影時点を表している。結果的に、時系列先端のi=0の場合には3枚の細胞画像(フレーム)を、時系列2番目のi=1の場合には4枚の細胞画像を、時系列中間のi=2〜T−2の場合には5枚の細胞画像を、i=T−1の場合には4枚の細胞画像を、時系列後端のi=Tの場合には3枚の細胞画像を取得する。
次に、特徴量算出部101は、取得した各細胞画像の細胞領域を認識し、各細胞領域の特徴量を算出する(ステップS3)。細胞領域の認識処理に関しては、例えば本出願人による特願2005−24511なる提案例を利用すればよい。その手順の概略を説明すると、まず、細胞画像に対しシェーディング補正や輪郭強調処理を行う。次に、背景領域を除去し、残りの各画素における輝度勾配方向を求める。次に、各画素が輝度勾配方向に沿って到達する輝度極値画素を求め、近接する輝度極値画素に到達した各画素を同一の画素値とするラベル領域画像を作成する。さらに、各ラベル領域の境界付近における細胞画像の輝度情報を基に、ラベル領域の再統合を行い、最終的な細胞領域画像を得るというものである。例えば、図5−1に示すような細胞画像に対してこのような認識処理を行い、図5−2に示すように領域毎にラベル化された細胞領域の認識画像を得る。
なお、本実施の形態では追跡対象を示す対象領域を抽出する方法として、細胞の認識処理を示したが、追跡対象を示す対象領域の抽出方法は、追跡対象や画像の種類によって変わるものであり、本発明では特に限定しない。
このような認識処理により、細胞領域の認識画像を得た後、特徴量算出部101は、各細胞領域の特徴量を得る。特徴量は、細胞領域の位置、大きさ、形状、輝度、色のうちの少なくとも一つに関する数値などで示される特徴量であり、粒子解析と呼ばれる汎用的な画像処理法などを利用して求めることができる。
次いで、仮追跡処理部102による処理に移行する。まず、起点画像設定部201は、取得した各時刻の細胞画像を、注目すべき細胞領域に対する仮追跡を行う際の起点画像に設定する(ステップS4)。つまり、i=0の場合には、その仮追跡範囲内となる時刻t(0)〜t(2)の各細胞画像を起点画像に順次設定する。次に、仮ID付与部202、対応指標値算出部203、仮ID伝播部204は、順次設定される各起点画像を基に細胞領域の仮追跡を行う(ステップS5)。
図6は、例えば時刻t(0)〜t(7)の間で時系列に取得された細胞画像の一例を示す模式図である。以後の追跡処理の説明は、この時系列に取得された細胞画像を対象に行う例で説明する。なお、図6では各細胞領域が確認し易いように、図5−2のような領域毎のラベル値による表示を行わず、認識された全ての細胞領域を輪郭線のみで簡単に示すものとする。また、数字(領域No.)は各細胞領域を各時刻の細胞画像内で識別するための通し番号である。
まず、仮ID付与部202は、起点画像内の各細胞領域に対して、同一の細胞を示す細胞領域であることを識別するための仮IDを付与する(ステップS501)。仮IDは、起点画像内の各細胞領域では異なるように付与する。図7は、図6の時系列画像を処理する際のi=0の場合、つまり、図6に示す時刻t(0)〜t(2)の各細胞画像をそれぞれ起点画像とした場合の仮IDの付与例を示す説明図である。
次に、制御部104は、符号jを1に設定し(ステップS502)、追跡起点画像(ここでは便宜上、時刻t(s)の画像とする)の時系列に沿った前方にある時刻t(s−j)の細胞画像が仮追跡時の処理対象画像であるか判定する。この処理は、“s−j≧0?又はs−j≧i−n?”を判定することで行われる(ステップS503)。前者の“s−j≧0?”では、対象となる細胞画像が存在するかを判定し、後者の“s−j≧i−n?”では、対象となる細胞画像が仮追跡を行う際の時系列範囲内であるかを判定する。
ステップS503の判定結果が肯定(Yes)の場合、対応指標値算出部203は、時刻t(s−j)の細胞画像内の細胞領域と、時刻t(s−j+1)〜t(s−j+N)の各細胞画像内の細胞領域との対応指標値を算出する(ステップS504)。ここで、Nは対応指標値を算出する際の細胞画像の時系列範囲を決定する値である。N=1の場合、対応指標値は時系列で隣接する2枚の細胞画像内(連続2フレーム内)の細胞領域同士でのみ算出されるが、N=2の場合には、前述の算出に加え、時系列で隣接せずに間に1枚の細胞画像を挟む2枚の細胞画像内(不連続2フレーム内)の細胞領域同士でも対応指標値が算出される。つまり、異なる時間間隔の複数の細胞画像間で対応指標値を算出することで、細胞認識処理の問題等で一時的に消失し、再度検出されるような場合があったとしても、同一細胞を示す領域としての対応付けが可能になる。本実施の形態では、N=2として説明する。なお、追跡起点画像を跨いだ画像間(s−j+N≦sで判定される)では対応指標値を算出しない。
ここで、対応指標値とは、異なる細胞画像内の細胞領域R1,R2が、同一の細胞を示す領域であるかを推定するための指標値である。具体的には、細胞領域R1,R2が存在する2つの細胞画像を重ねた際の細胞領域R1,R2の重なり面積Area#OLとR1,R2のそれぞれの面積Area_R1,Area_R2より、(1)式により求める方法がある。ここで、wは重み係数であり、R1に対するR2の対応指標値と、R2に対するR1の対応指標値を同じとする場合にはw=0.5となる。
また、対応指標値は、特徴量算出部101により算出された細胞領域R1,R2のX個の特徴量により規定される特徴空間における細胞領域R1,R2の距離dの逆数又は距離dを用いた減少関数として求める方法もある。なお、特徴空間での細胞領域R1,R2の距離dの計算法には、(2)式に挙げる重み付き市街地距離を求める方法、(3)式に挙げる重み付きユークリッド距離を求める方法、(4)式に挙げるマハラノビス汎距離を求める方法などがある。

なお、(4)式における距離dは、細胞領域全体の分布の分散による影響を正規化した空間での距離となる。
さらに、細胞領域R1,R2が存在する2つの細胞画像が時系列的に離れる程、値が低くなるような係数を設定し、これを前述の2つの方法による対応指標値に乗じて、最終的な対応指標値としても良い。例えば、時系列的に隣接する画像間では係数=1、時系列で間に1枚の画像を挟む場合には係数=0.9等のようにする。
前述した2つの方法により算出される対応指標値は、いずれも値が大きいほど、同一の細胞を示す領域である可能性が高くなる。例えば、図8は、時刻t(2)の細胞画像を起点画像とした場合において、j=1のとき、つまり、時刻t(s−j)=t(2−1)=t(1)の画像内の細胞領域と、時刻t(s−j+1)=t(2−1+1)=t(2)の細胞画像(=起点画像)内の細胞領域との対応指標値の算出結果例を示す説明図である。この結果より、時刻t(1)の細胞画像内のNo.1の細胞領域は時刻t(2)の細胞画像内のNo.2の細胞領域と同一の細胞を示す領域である可能性が高く、時刻t(1)の細胞画像内のNo.2の細胞領域は時刻t(2)の細胞画像内のNo.3の細胞領域と同一の細胞を示す領域である可能性が高いと推定できる。なお、対応指標値が所定の閾値より低い場合には、細胞領域同士の対応はないとし、図中に表示していない。
対応指標値が算出された後は、仮ID伝播部204は、時刻t(s−j)の画像内の各細胞領域に対し、最も対応指標値の高い細胞領域の仮IDを伝播する(ステップS505)。図9は、時刻t(2)の細胞画像を起点画像とした場合において、j=1のとき、つまり、時刻t(s−j)=t(2−1)=t(1)の細胞画像内の細胞領域への仮IDの伝播例を示す説明図である。図8に示した結果に従い、最も対応指標値が高い領域の仮IDが伝播されている。すなわち、時刻t(1)の細胞画像内のNo.1の細胞領域には時刻t(2)の細胞画像内のNo.2の細胞領域の仮IDが伝播され、時刻t(1)の細胞画像内のNo.2の細胞領域には時刻t(2)の細胞画像内のNo.3の細胞領域の仮IDが伝播されている。
なお、仮IDの伝播先である細胞領域に対し、対応する細胞領域が存在しない場合には、仮ID付与部202は、その細胞領域に対して新たな仮ID付与する。つまり、対応指標値が所定の閾値より低い細胞領域同士を対応付けることはなく、仮追跡の精度が向上する。
仮IDの伝播が終了した後は、制御部104は、符号j=j+1とし(ステップS506)、再度ステップS503の判定を行う。以上、ステップS503〜S506の処理を、異なる起点画像毎にそれぞれ行うことで、起点画像から時系列に沿った前方への複数の仮追跡結果を得る。そして、ステップS503での判定結果が否定(No)となった時点で、時系列に沿った前方への仮追跡処理を終了する。
時系列に沿った前方への仮追跡処理が終了した後は、制御部104は、再度、符号j=1に設定し(ステップS507)、今度は起点画像から時系列に沿った後方への仮追跡処理を実行する。手順としては、まず追跡起点画像(時刻t(s))の時系列に沿った後方にある時刻t(s+j)の画像が仮追跡時の処理対象画像であるか判定する。この処理は、“s+j≦T?又はs+j≦i+n?”を判定することで行われる(ステップS508)。前者の“s+j≦T?”は、対象となる細胞画像が存在するかを判定し、後者の“s+j≦i+n?”は対象の細胞領域画像が仮追跡を行う際の時系列範囲内であるかを判定している。
ステップS508の判定結果が肯定(Yes)の場合、対応指標値算出部203は、時刻t(s+j)の細胞画像内の細胞領域と、時刻t(s+j−N)〜t(S+j−1)の各細胞画像内の細胞領域との対応指標値を算出する(ステップS509)。なお、追跡起点画像を跨いだ画像間(s+j−N≧sで判定される)では対応指標値を算出しない。
図10は、時刻t(0)の細胞画像を起点画像とした場合において、j=1のとき、つまり、時刻t(s+j)=t(0+1)=t(1)の細胞画像内の細胞領域と、時刻t(s+j−1)=t(0+1+1)=t(0)の細胞画像(=起点画像)内の細胞領域との対応指標値の算出結果例を示す説明図である。この結果より、時刻t(1)の細胞画像内のNo.1の細胞領域は時刻t(0)の細胞画像内のNo.1の細胞領域と同一の細胞を示す領域である可能性が高く、時刻t(1)の細胞画像内のNo.2の細胞領域も時刻t(0)の細胞画像内のNo.1の細胞領域と同一の細胞を示す領域である可能性が高いと推定できる。図8の場合と同様、対応指標値が所定の閾値より低い場合には、細胞領域同士の対応はないとし、図中に表示していない。
対応指標値が算出された後は、仮ID伝播部204は、時刻t(s+j)の細胞画像内の各細胞領域に対し、最も対応指標値の高い細胞領域の仮IDを伝播する(ステップS510)。図11は、時刻t(0)の細胞画像を起点画像とした場合において、j=1のとき、つまり、時刻t(s+j)=t(0−1)=t(1)の細胞画像内の細胞領域への仮IDの伝播例を示す説明図である。図10に示した結果に従い、最も対応指標値が高い領域の仮IDが伝播されている。すなわち、時刻t(1)の細胞画像内のNo.1,No.2の細胞領域共に時刻t(0)の細胞画像内のNo.1の細胞領域の仮IDが伝播されている。なお、仮IDの伝播先である細胞領域に対し、対応する細胞領域が存在しない場合には、前方への仮追跡の場合と同様、仮ID付与部202は、その細胞領域に対して新たな仮IDを付与する。
前方への仮追跡の場合も、後方への仮追跡の場合も、対応指標値が最も高い細胞領域の仮IDを順次伝播するので仮追跡の精度が向上する。
仮IDの伝播が終了した後は、制御部104は、符号j=j+1とし(ステップS511)、再度ステップS508の判定を行う。以上、ステップS508〜S511の処理を、異なる起点画像毎にそれぞれ行うことで、起点画像から時系列に沿って後方への複数の仮追跡結果を得る。そして、ステップS508での判定結果が否定(No)となった時点で、仮追跡処理を終了する。
つまり、注目すべき時刻t(0)のNo.1,2の細胞領域の追跡結果を求めるためのi=0の場合において、仮追跡処理部102は、図12に模式的に示すように、時刻t(0)〜t(2)の細胞画像をそれぞれ起点画像とし、各起点画像内の細胞領域(図12中の領域No.を丸付きで示す)毎に最も高い対応指標値に従い時系列に沿って前方又は後方に矢印で示すようなリンク関係を設定する処理を仮追跡として行う。本実施の形態では、このように、起点画像を変更することで得られる更なるリンク関係を用いて追跡の精度を向上させるものである。図13は、図12に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。
仮追跡処理が終了した後、最終追跡処理部103は、仮追跡の結果に基づいて注目している時刻t(i)の細胞画像内の各細胞領域の最終追跡結果を決定する(S6)。具体的には、まず、時刻t(i)の細胞画像内の細胞領域の1つに注目し、この細胞領域と同一の仮IDが付与された時刻t(i−n)〜t(i)の細胞画像内の各細胞領域の数を、仮追跡結果を基にカウントする。この場合、注目している細胞領域と同一の仮IDが付与された細胞領域がない場合のみ、注目している細胞領域自身をカウントする。
図13に示す仮追跡結果を用いて詳細に説明する。図13は、時刻t(0)の各細胞領域の追跡結果を求めるためのi=0の場合の仮追跡結果である。そこで、まず、時刻t(i)=t(0)の細胞画像内のNo.1の細胞領域を注目領域とする。そして、図13中の時刻t(0)を起点画像とする場合の時刻t(i−n)〜t(i)=t(0−2)〜t(0)の画像、実際には時刻t(0)の画像のみが対象になるが、その時刻t(0)の細胞画像内で注目領域と同一の仮IDが付く細胞領域を確認する。結果的に、注目領域と同一の仮IDが付く領域はない。よって、この場合は注目領域自身をカウントする。
次に、図13中の時刻t(1)を起点画像とする場合の仮追跡結果を確認すると、注目領域と同一の仮IDが時刻t(0)の細胞画像内のNo.2の細胞領域に付いている。よって、t(0)の細胞画像のNo.2の細胞領域をカウントする。最後に、図13中の時刻t(2)を起点画像とする場合の仮追跡結果を確認すると、上記と同様に、注目領域と同一の仮IDが時刻t(0)の細胞画像内のNo.2の細胞領域に付いている。よって、時刻t(0)の細胞画像のNo.2の細胞領域を再度カウントし、結果的に2とする。以上で、時刻t(0)の細胞画像内のNo.1の細胞領域に対する仮追跡結果を基にした集計が終了する。
次に、注目領域を、時刻t(0)の細胞画像内のNo.2の細胞領域に変更して同様の処理を行う。図14は、上述の仮追跡結果の集計例を示す説明図である。
仮追跡結果の集計が終了した後は、多数決の概念に従い、最も数が多い細胞領域と同一の最終IDを注目領域に対して付与する。最終IDとは、同一の細胞を示す細胞領域であることを識別するための最終的なIDである。図14に示す集計例の場合、時刻t(0)の細胞画像のNo.1,2の細胞領域は、互いに他方の細胞領域と同一の最終IDを付与することになり、この場合には2つの細胞領域に対し、同一の最終IDを付与する。
なお、時刻t(0)の細胞画像を起点画像とした、時系列に沿った後方への仮追跡結果は、この時全く参照されないが、符号iを繰り越し、次の時刻の細胞画像での最終追跡結果を求める際に参照される。本説明では、時系列に沿った後方への仮追跡結果を説明する都合上、事前に算出する例を説明したものである。
次に、ステップS7により符号iを順次繰り越した場合の様子を説明する。図15は、図12の場合に準じて、注目すべき時刻t(1)の細胞画像の各細胞領域の追跡結果を求めるためのi=1の場合において、時刻t(0)〜t(3)の細胞画像を取得し、これらの時刻t(0)〜t(3)の細胞画像をそれぞれ起点画像とし、各起点画像内の細胞領域毎に最も高い対応指標値に従い時系列に沿って前方又は後方に矢印で示すようなリンク関係を設定した処理例を示す模式図である。
図16は、図15に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。
なお、ここで図13に示した仮追跡結果に対し、図16で新たに加えられたデータは、時刻t(3)の各細胞領域に対する伝播結果、及び、時刻t(3)の細胞画像を起点画像とする場合の伝播結果である。つまり、符号iを繰り越す際には、細胞画像の取得、細胞領域の認識、特徴量の算出、細胞領域の仮追跡は以前の処理で行われていない部分のみを行えばよい。以前の処理で既に行われている部分に関しては、処理時に、そのデータをメモリに記憶しておき、以後、必要な時に読み出して使用すればよい。
図17は、i=1の場合の仮追跡結果(図16に示す仮追跡結果)の集計例を示す説明図である。時刻t(i)=t(1)の細胞画像のNo.1の細胞領域を注目領域とした場合、時刻t(0)のNo.1の細胞領域が同一の仮IDとなるのは図16中に示す各時刻t(0)〜t(3)を起点画像とする場合の4回、時刻t(0)のNo.2の細胞領域が同一の仮IDとなるのは図16中に示す時刻t(1)〜t(3)を起点画像とする場合の3回、時刻t(1)のNo.2の細胞領域が同一の仮IDとなるのは図16中に示す時刻t(0)を起点画像とする場合の1回である。
同様に、時刻t(i)=t(1)の細胞画像のNo.2の細胞領域を注目領域とした場合、時刻t(0)のNo.1の細胞領域が同一の仮IDとなるのは図16中に示す時刻t(0)を起点画像とする場合の1回、時刻t(1)のNo.1の細胞領域が同一の仮IDとなるのは図16中に示す時刻t(0)を起点画像とする場合の1回、同一の仮IDの細胞領域がなく自身をカウントするのが図16中に示す時刻t(1)〜t(3)を起点画像とする場合の3回である。
図18は、図14、図17の集計例に基づく最終IDの付与例を示す説明図である。図14の集計結果より、時刻t(0)の細胞画像内のNo.1,2の2つの細胞領域には同一の最終ID(F_ID1)を付与し、その後、図17の集計結果より、時刻t(1)のNo.1の細胞領域には時刻t(0)のNo.1の細胞領域と同一の最終ID(F_ID1)を伝播し、時刻t(1)のNo.2の細胞領域には新たな最終ID(F_ID2)を付与する。
同様にして、i=2,4,5の場合の処理例について説明する。まず、図19は、図12、図15の場合に準じて、注目すべき時刻t(2)の細胞画像の各細胞領域の追跡結果を求めるためのi=2の場合において、時刻t(0)〜t(4)の各細胞画像を取得し、これらの時刻t(0)〜t(4)の各細胞画像をそれぞれ起点画像とし、各起点画像内の細胞領域毎に最も高い対応指標値に従い時系列に沿って前方又は後方に矢印で示すようなリンク関係を設定した処理例を示す模式図である。図20は、図19に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図であり、図21は、図20に示した仮追跡結果の集計結果例を示す説明図であり、図22は、図21に基づく最終IDの付与例を示す説明図である。
ここで、集計結果においてカウント数が同値の場合には、既に最終IDが付与されている細胞領域のうち時系列的に近いものから最終IDを伝播する。よって、時刻t(2)のNo.1の細胞領域は時刻t(1)のNo.1の細胞領域から、時刻t(2)のNo.2の細胞領域は時刻t(1)のNo.1の細胞領域から、時刻t(2)のNo.3の細胞領域は時刻t(1)のNo.2の細胞領域から、時刻t(2)のNo.4の細胞領域は時刻t(1)のNo.2の細胞領域からそれぞれ最終IDを伝播する。
次に、図23は、図12、図15、図19の場合に準じて、注目すべき時刻t(4)の細胞画像の各細胞領域の追跡結果を求めるためのi=4の場合において、時刻t(2)〜t(6)の各細胞画像を取得し、これらの時刻t(2)〜t(6)の各細胞画像をそれぞれ起点画像とし、各起点画像中の細胞領域毎に最も高い対応指標値に従い時系列に沿って前方又は後方に矢印で示すようなリンク関係を設定した処理例を示す模式図である。図24は、図23に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図である。この場合、時刻t(3)中のNo.3の細胞領域と時刻t(5)中のNo.2の細胞領域とは、時刻t(4)の細胞画像では追跡関係が一時的に途絶えているが、対応指標値を算出する際に時刻t(3),t(5)の細胞画像間でも対応指標値が算出されて仮追跡に活かされるため、時刻t(3)中のNo.3の細胞領域と時刻t(5)中のNo.2の細胞領域とは同一の仮IDの伝播付与により対応関係が維持される。
さらに、図25は、図12、図15、図19、図23の場合に準じて、注目すべき時刻t(5)の細胞画像の各細胞領域の追跡結果を求めるためのi=5の場合において、時刻t(3)〜t(7)の各細胞画像を取得し、これらの時刻t(3)〜t(7)の各細胞画像をそれぞれ起点画像とし、各起点画像中の細胞領域毎に最も高い対応指標値に従い時系列に沿って前方又は後方に矢印で示すようなリンク関係を設定した処理例を示す模式図である。図26は、図25に示す細胞領域間のリンク関係を仮IDの伝播表として示す説明図であり、図27は、図26の仮追跡結果の集計結果に基づく最終IDの付与例を示す説明図である。結果的に、時刻t(3)中のNo.3の細胞領域は、時刻t(4)の細胞画像では追跡関係が一時的に途絶えるが、上述のように時刻t(3),t(5)の細胞画像間でも対応指標値が算出されて仮追跡に活かされるため、時刻t(5)中のNo.2の細胞領域に同一の最終ID(F_ID2)が付与される。
以上のように、時系列に沿って前方及び後方の数枚の細胞画像を用い、それぞれ起点画像を変更設定した場合における複数の仮追跡結果を集計し、多数決の概念に従い、最も頻度の高い仮追跡結果を最終的な追跡結果に採用することにより、細胞領域の誤検出が散発し検出結果の信憑性に欠けるような不安定な状況においても、各細胞画像において、より時系列的に整合性の良い最終追跡結果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、細胞領域中で注目領域に対し同一の仮IDが付く各細胞領域の数を、仮追跡結果よりカウントし、カウントが多い細胞領域の最終IDを伝播するようにしているが、同一の仮IDが付く各細胞領域に対し、所定の規則に従った得点を加算し、最も得点が多い細胞領域の最終IDを伝播するようにしても良い。
所定の規則としては、例えば、以下のようなものを例示できる。
A.注目領域が存在する時刻t(i)の画像より時系列に沿って前方の細胞画像を起点画像とした場合の仮追跡結果より、時刻t(i)の細胞画像より時系列に沿って後方の細胞画像を起点画像とした場合の仮追跡結果の方が高い得点とする。
B.注目領域が存在する時刻t(i)の画像から時系列に沿って離れる細胞画像内の細胞領域ほど、低くなるような得点とする。
C.注目領域との対応指標値に応じた得点とする。
また、本実施の形態では、注目領域が存在する時刻t(i)の細胞画像に対し、時系列に沿って前方と後方とで同数(2枚ずつ)の細胞画像を用いて仮追跡を行っているが、前方と後方とで異なる枚数の細胞画像範囲に設定して仮追跡を行っても良い。
或る注目領域に関して最終追跡結果が決定された後は、制御部104は符号i=i+1とし(ステップS7)、処理対象となる細胞画像の有無をt(i)≦t(T)により判定する(ステップS8)。判定結果がt(i)≦t(T)であり、まだ処理対象となる細胞画像がある場合には(ステップS8:Yes)、前述のステップS2〜S7を同様に繰り返す。一方、判定結果がt(i)>t(T)であり、処理対象となる細胞画像がない場合には(ステップS8:No)、最終追跡結果を出力して(ステップS9)、画像処理装置100での細胞領域追跡処理を終了する。
図28は、図6に例示した時系列な細胞画像における細胞領域の追跡の結果例を示す模式図である。図28では、同一の最終IDが付与された細胞領域に対して同一の斜線処理(ハッチング処理)や各種の色による塗りつぶしの処理を施すことにより対応関係を示している(実際の画像表示例では、色分けなどにより区別される)。図28より誤認識により生ずる可能性の高い時系列的に不安定な分割線で区切られた領域や一時的に消失した領域に関しては、同一の細胞領域として追跡しており、また、時系列的に安定した分割線で区切られる領域に関しては、異なる細胞領域として追跡している様子が確認できる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。例えば、前述の特徴量算出部101、仮追跡処理部102、最終追跡処理部103等の各部による処理手順は、あらかじめ用意された対象領域追跡プログラムをパーソナルコンピュータなどのコンピュータで実行することにより実現するようにしてもよい。この対象領域追跡プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することもできる。また、この対象領域追跡プログラムは、ハードディスク、FD、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることにより実行することもできる。
100 画像処理装置
101 特徴量算出部
102 仮追跡処理部
103 最終追跡処理部
201 起点画像設定部
202 仮ID付与部
203 対応指標値算出部
204 仮ID伝播部

Claims (1)

  1. 複数の時点で追跡対象を撮影して得られた各時点の対象画像において前記追跡対象を示す対象領域の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    算出された前記特徴量を用いて前記対象画像間における前記対象領域の仮追跡結果を複数求める仮追跡処理手段と、
    前記複数の仮追跡結果の中から前記対象領域の最終的な追跡結果を選出する最終追跡処理手段と、
    を備え、
    前記仮追跡処理手段は、時系列で隣接する前記対象画像間における前記対象領域同士の対応付けと時系列で隣接しない前記対象画像間における前記対象領域同士の対応付けを行うことで前記複数の仮追跡結果を得ることを特徴とする画像処理装置。
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