JP2010204802A - 無線icタグシステム及び無線icタグ読み取り方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無線ICタグ(12)が付された被運搬物(10)を積載した状態で移送可能な運搬台(14)と、運搬台の移送経路上のアンテナユニット(16)に複数配置されており、無線ICタグとの通信用電波を放射する無線アンテナ(21,22,23)と、運搬台に配置されており、被運搬物を運搬台に積載していない状態では各無線アンテナとの間で安定した無線通信性能が得られる無線IC基準タグ(18)と、被運搬物を運搬台に積載した状態で各無線アンテナと無線IC基準タグとの通信状況を判別し、通信状況の悪化している無線アンテナを通信状況の悪化していない無線アンテナよりも優先して通信用電波を放射させる制御手段(42)とを具備する。
【選択図】図1
Description
なぜならば、上記各技術を組み合わせて見ても、各アンテナからの電波放射は予め決められた固定の順序で単に切り替えられるのみであり、これでは、読み取り易い位置のタグを繰り返し読み取る一方、読み取り難い位置のタグについては依然として読み取れないままになり、運搬台の通信状況を改善できないからである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、タグの読み漏れを減らすことができる無線ICタグシステム及び無線ICタグ読み取り方法を提供することである。
ここで、本来読み取られる可能性の高い無線IC基準タグと各無線アンテナとの通信結果を用いれば、これら各無線アンテナからの電波放射をインテリジェンスな順序、つまり、最も効果的な順序に変更することができる。仮に、上記性質の無線IC基準タグに対する無線アンテナの通信状況が悪化していた場合には、積載された被運搬物の影響によって、当該無線IC基準タグの周辺に配置された無線ICタグとの通信状況も同様に悪化していると考えられ、運搬台のうち通信状況が悪化している領域を確実に識別することができるからである。
この結果、運搬台の通信状況が良好に改善され、無線ICタグの読み漏れを減らすことができる無線ICタグシステムを構築できる。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、優位の無線アンテナを劣位の無線アンテナよりも先に並べれば、当該優位の無線アンテナによる通信用電波の放射機会が多くなる。
第4の発明によれば、第2や第3の発明の作用に加えてさらに、優位の無線アンテナを劣位の無線アンテナよりも通信用電波の放射回数を増加させれば、この場合にも、優位の無線アンテナによる通信用電波の放射機会がより一層確実に多くなる。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、無線IC基準タグを積載面に対して均等配置してあれば、運搬台のうち通信状況が悪化している領域を確実に識別できる指標になる。
第6の発明によれば、第1から第5の発明の作用に加えてさらに、極超短波による通信方式を用いれば、上述のタグが安価になり、安価なシステムを構築できる。
そして、運搬台は、被運搬物が積載されていない状態では各無線アンテナとの間で安定した無線通信性能が得られる無線IC基準タグを備えており、各無線アンテナと無線IC基準タグとの通信状況を各無線アンテナによる無線IC基準タグの読み取り回数から判別し、読み取り回数の少ない無線アンテナの順位を読み取り回数の多い無線アンテナの順位よりも優位に決定するステップと、優位の無線アンテナを劣位の無線アンテナよりも通信用電波の放射機会を増やすステップと、増やされた放射機会に沿って通信用電波を放射させるステップとから構成される。
次に、この優位の無線アンテナによる通信用電波の放射機会が増やされており、この悪化している無線アンテナの放射期間を確実に長く設定できる。続いて、当該設定内容に沿って通信用電波の放射を実行すると、読み取り難い無線ICタグにより多くの読み取り機会を与えることができる。この結果、運搬台の通信状況が良好に改善され、無線ICタグの読み漏れを確実に減らすことができる。
図1は、本実施例に係る無線ICタグシステムの概要図であり、当該システムは、多数の物品(被運搬物)10を所定の場所(例えば保管場所、出荷元、倉庫等)から他の所定の場所(例えば使用場所、出荷先、売場等)に運搬する際に、その搬出状況や搬入状況等の管理を行うものである。
本実施例のカーゴ14は、その高さ方向で見て下段(積載面)14a及び上段(積載面)14cの2段で構成されている。
また、下段14a及び上段14cの各開放や、この上段14cの上方は、例えば搬出ゲート(アンテナユニット)16に対峙している。
より詳しくは、まず、本実施例の上段14cについて、上記開放を紙面下側に見た図2に示されるように、金属柵14bの左面の近傍であって奥行き方向の略中央位置には布製のクッション10が配置され、その右側面に商品タグAが付されている。また、この金属柵14bの奥面の近傍であって移送方向の略中央位置には皮製のバッグ10が配置されており、その上面に商品タグBが付されている。
ここで、本実施例の下段14aや上段14cには、計8枚の基準タグ(無線IC基準タグ)18が取り付けられている。
一方、各タグ12,18のチップからのアンサー信号は各アンテナ21,22,23で受信されてリーダライタ30に供給される。これにより、これら各タグ12,18とリーダライタ30との間では非接触の無線通信が可能になり、リーダライタ30は、複数のタグ12,18のデータ、より具体的にはタグ12,18のタグ情報やその通信回数を同時に取得できるし、書き込みも可能になる。
また、このリーダライタ30は、例えばネットワークを経由してパーソナルコンピュータ40に接続されており、各アンテナ21,22,23の制御指令がリーダライタ30に向けて出力され、また、各タグ12,18の管理記録がコンピュータ40に向けて出力される。
センサ19がカーゴ14の近接を検出すると、この検出信号をリーダライタ30のインターフェース部31に出力する。
図6のステップS601では、インターフェース部41に接続されたアンテナ制御部(制御手段)42がセンサイベントの有無を判別しており、当該センサイベントがあった場合、すなわちYESと判定したときにはステップS602に進む。
詳しくは、この制御部42の放射実行部45は、第1回目の読み取り順序、例えばアンテナ21が第1番目に、次いで、アンテナ22が第2番目に、その後、アンテナ23が第3番目に読み取る旨を記憶部46から受け取り、インターフェース部41,31を介してリーダライタ30の制御部32に向けて出力する。
つまり、このアンテナ22は、所定の期間(例えば300msec)が経過するまで、タグ12,18に向けて電波を送信する。続いて、この所定の期間が経過すると、アンテナ切替器35がアンテナ22による電波放射を中止し、アンテナ23による電波放射に切り替える。
ところで、A〜Hの各商品タグ12は物品10の荷姿に応じて様々な位置に配置されるのに対し、a1〜d2の各基準タグ18は、上段14cや下段14aに対して均等に固定配置されているため、物品10をカーゴ14に積載していない状態では各アンテナ21,22,23との間で安定した無線通信性能が得られる性質を有しており、各アンテナ21,22,23の通信順位を例えば基準タグ18の読み取り回数で判別すると、各アンテナ21,22,23の通信順位は常に一定であって変動しない。
そこで、アンテナ制御部42は各アンテナ21,22,23の通信順位に応じてカーゴ14のうち通信状況が悪化している領域を識別している。
このステップS604では、制御部42の通信状況判別部43が、各アンテナ21,22,23による基準タグ18のみの第1回目の読み取り回数を記憶部46から受け取り、各アンテナ21,22,23に優劣を設ける。
そして、制御部42の優先放射決定部44が、第2回目の読み取り順序を、アンテナ22が第1番目に、次いで、アンテナ23が第2番目に、その後、アンテナ21が第3番目に並び替えてステップS605に進む。
これにより、まず、アンテナ22がタグ12,18に向けて上記所定の期間の経過まで電波を送信し、次に、アンテナ23が、続いて、アンテナ21が電波をそれぞれ送信する。そして、各アンテナ22,23,21による各商品タグ12や基準タグ18の読み取り回数は記憶部46に格納される。
そして、その読み取り回数が未だアンテナ22、アンテナ23、アンテナ21の順に少なく、しかも、このアンテナ21の読み取り回数がアンテナ22,23に比してより多いときには、通信状況判別部43は、やはりアンテナ22をアンテナ21,23よりも優位に、次いで、アンテナ23をアンテナ21よりも優位に決定する。
ところで、本実施例の優先放射決定部44は、上記例で云えば、第2回目の読み取り順位は優位のアンテナ22を劣位のアンテナ21よりも先に並び替えるに対し、第3回目の読み取り順位はアンテナ22の放射回数をアンテナ21,23よりも増やしているが、アンテナ22の放射機会を多くするために、順序の並び替えと放射機会の増加の両方を実行しても良い。
そして、本実施例によれば、カーゴ14には、A〜Hの商品タグ12を付した物品10が積載される他、a1〜d2の基準タグ18が配置されている。この基準タグ18は、物品10をカーゴ14に積載していない状態では各送受信アンテナ21,22,23との間で安定した無線通信性能が得られており、カーゴ14のうち電波到達状況が悪化している領域を識別するための指標として用いられる。
そこで、通信状況の悪化している領域に対して読み取り機会を増やす、すなわち、通信状況の悪化しているアンテナ21,22,23の放射機会を増やすべく、その優先放射決定部44がこの悪化しているアンテナ22,23を悪化していないアンテナ21よりも優先させる旨を決定し、その放射実行部45が通信状況の悪化しているアンテナ22,23、つまり、優位のアンテナ22,23を優先して通信用電波を放射させる。
また、通信状況判別部43では、各アンテナ21,22,23による基準タグ18の読み取り回数からアンテナ21,22,23の優劣を決めているため、通信状況の悪化しているアンテナ22,23を優位のアンテナ22,23として確実に得ることができるし、また、優先放射決定部44がその優位のアンテナ22,23による通信用電波の放射機会を増やしているので、この悪化しているアンテナ22,23の電波放射期間を確実に長く設定できる。そして、放射実行部45がこの設定内容に沿って通信用電波の放射を実行すると、読み取り難い商品タグ12により多くの読み取り機会を与えることができる。
具体的には、本実施例では、上述の如くゲート16を1度通過するまでに(例えば20sec)、各アンテナ21,22,23からの放射順番及び放射機会が、a1〜d2の基準タグ18との読み取り結果を用いて変更可能に構成されており、当該20secが経過するまでは、基準タグ18との直前の読み取り結果を用いて動的に変更される。
そして、1度目から5度目の通過において、アンテナ21が計7回、アンテナ22が計9回、アンテナ23が計9回読み取っており、平均すれば、アンテナ21が1.4回、アンテナ22が1.8回、アンテナ23が1.8回読み取っていることを示している。
一方、商品タグ12について見ると、例えば下段14aに積載されたパーソナルコンピュータの商品タグFは、1度目から5度目の通過において、アンテナ21が計10回(平均2回)、アンテナ22が計9回(平均1.8回)、アンテナ23が計5回(平均1回)読み取り、また、上段14cに積載された紙製の箱の商品タグGは、アンテナ21が計8回(平均1.6回)、アンテナ22が計10回(平均2回)、アンテナ23が計5回(平均1回)読み取っている。
これらを本実施例で見ると、図8に示される如く、上段14cに配置された基準タグa1は、1度目から5度目の通過において、アンテナ21が計10回(平均2回)、アンテナ22が計15回(平均3回)、アンテナ23が計10回(平均2回)読み取っている。
続いて、下段14aに積載されたパーソナルコンピュータの商品タグFは、アンテナ21が計13回(平均2.6回)、アンテナ22が計14回(平均2.8回)、アンテナ23が計4回(平均0.8回)読み取り、上段14cに積載された紙製の箱の商品タグGは、アンテナ21が計8回(平均1.6回)、アンテナ22が計16回(平均3.2回)、アンテナ23が計7回(平均1.4回)読み取っている。
これら本実施例と比較例とを併記した結果は、図9に示されるように、まず、当該実験に先立って行われた基準タグ18のみを配置したカーゴ14の読み取り実験に関しては、本実施例と比較例とはほぼ等しい成績であったのに対し(同図(a))、A〜Hの商品タグ12及びa1〜d2の基準タグ18の双方を配置したカーゴ14の読み取り実験では、同図(b)のうち、例えば本実施例の総読み取り数が比較例よりも約60回分増えており、ゲート16の通過期間内におけるタグ12,18の返答率が向上していることが分かる。
なお、読み取りのばらつきについては、同図(b)に示されるように、本実施例が比較例よりも大きくなっている。これは、上記優先放射決定部44が通信状況の悪化しているアンテナ22,23の放射機会をアンテナ21に比して単に増やしたためであり、この放射機会の増加方法を改善すれば、解消可能になると考えられる。
さらにまた、a1〜d2の基準タグ18を上段14cや下段14aに対して均等配置してあれば、カーゴ14のうち通信状況が悪化している領域を確実に識別できる指標になる。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例で説明したカーゴ14やゲート16の形態は一例であり、上段14cのみ、或いは下段14aのみの台車や籠車であっても良いし、また、金属柵14bの手前側の他、奥側にも複数の送受信アンテナを有したゲートであっても良い。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、無線ICタグの読み漏れを減らすことができるとの効果を奏する。
12 商品タグ(無線ICタグ)
14 カーゴ(運搬台)
14a 下段(積載面)
14c 上段(積載面)
16 搬出ゲート(アンテナユニット)
18 基準タグ(無線IC基準タグ)
21,22,23 送受信アンテナ(無線アンテナ)
30 リーダライタ
42 アンテナ制御部(制御手段)
43 通信状況判別部
44 優先放射決定部
45 放射実行部
Claims (7)
- 無線ICタグが付された被運搬物を積載した状態で移送可能な運搬台と、
該運搬台の移送経路上のアンテナユニットに複数配置されており、前記無線ICタグとの通信用電波を放射する無線アンテナと、
前記運搬台に配置されており、前記被運搬物を該運搬台に積載していない状態では前記各無線アンテナとの間で安定した無線通信性能が得られる無線IC基準タグと、
前記被運搬物を前記運搬台に積載した状態で前記各無線アンテナと該無線IC基準タグとの通信状況を判別し、該通信状況の悪化している無線アンテナを該通信状況の悪化していない無線アンテナよりも優先して前記通信用電波を放射させる制御手段と
を具備することを特徴とする無線ICタグシステム。 - 請求項1に記載の無線ICタグシステムであって、
前記制御手段は、
前記各無線アンテナと前記無線IC基準タグとの通信状況を該各無線アンテナによる該無線IC基準タグの読み取り回数から判別し、該読み取り回数の少ない無線アンテナの順位を前記読み取り回数の多い無線アンテナの順位よりも優位に決定する通信状況判別部と、
該優位の無線アンテナを劣位の無線アンテナよりも前記通信用電波の放射機会を増やす優先放射決定部と、
該増やされた放射機会に沿って前記通信用電波を放射させる放射実行部と
を備えていることを特徴とする無線ICタグシステム。 - 請求項2に記載の無線ICタグシステムであって、
前記優先放射決定部は、前記優位の無線アンテナを前記劣位の無線アンテナよりも先に並べていることを特徴とする無線ICタグシステム。 - 請求項2又は3に記載の無線ICタグシステムであって、
前記優先放射決定部は、前記優位の無線アンテナを前記劣位の無線アンテナよりも前記通信用電波の放射回数を増加させることを特徴とする無線ICタグシステム。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の無線ICタグシステムであって、
前記無線IC基準タグは、前記被運搬物を積載する積載面に複数配置されており、互いに等間隔、且つ、同方向に向いた状態で前記積載面に配置されていることを特徴とする無線ICタグシステム。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の無線ICタグシステムであって、
前記電波は、極超短波の周波数帯であることを特徴とする無線ICタグシステム。 - 被運搬物を積載した運搬台が該運搬台の移送経路上のアンテナユニットに複数配置された無線アンテナを通過する際に、該各無線アンテナが前記被運搬物に付された無線ICタグの情報を非接触で読み取る無線ICタグ読み取り方法であって、
前記運搬台は、前記被運搬物が積載されていない状態では前記各無線アンテナとの間で安定した無線通信性能が得られる無線IC基準タグを備えており、
前記各無線アンテナと該無線IC基準タグとの通信状況を該各無線アンテナによる該無線IC基準タグの読み取り回数から判別し、該読み取り回数の少ない無線アンテナの順位を前記読み取り回数の多い無線アンテナの順位よりも優位に決定するステップと、
該優位の無線アンテナを劣位の無線アンテナよりも前記通信用電波の放射機会を増やすステップと、
該増やされた放射機会に沿って前記通信用電波を放射させるステップと
から構成される無線ICタグ読み取り方法。
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WO2007110964A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | Fujitsu Limited | 位置検出プログラム及び位置検出システム |
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