JP2010200871A - 周期可変型遊具 - Google Patents

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康司 近石
Yotaro Hatamura
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Abstract

【課題】ブランコや箱形ブランコなどは、振幅の大きさに関わらず、周期はほぼ一定であり。また円弧運動をするため地面との間に挟まれて怪我をしやすい。これらを解決した周期可変型遊具を提供する。
【解決手段】運動部を含む往復動する遊具であって、該運動部は、2カ所のピン結合部を有し地上に設置された基礎体と、3角形状の各頂点にピン結合部を有する揺れリンクと、両端にピン結合部を有し。その一方を基礎体のピン結合部と他方を揺れリンクの2カ所のピン結合部とそれぞれピン結合した2本の支持リンクと、揺れリンクの第3のピン結合部とピン結合する揺動体から構成され、前記5か所のピン結合部の形状がWの文字を上下反転した逆W型をしている
【選択図】図1

Description

人が乗る遊具であって、往復動する遊具に関する。
子供たちが遊園地などで遊ぶ遊具で往復動するものには、長い丸太の両端をロープ等で吊るした遊動円木や、対向した座席を4本のリンクで吊るした箱形ブランコなどがある。
前記遊動円木や箱形ブランコの共通の性質として、振れの周期は振幅の大小に関係なくほぼ一定になる。これは「振り子の等時性」といわれるもので、厳密には振れ角度が小さい範囲(0〜15度以下程度)で等時性が成り立ち、振れ角度が大きくなると周期は若干増加する傾向があるが、遊具として見た場合は実質的にはほぼ一定とみなすことができる。このような性質があるため、例えば周期をゆっくりと静かに振らせてみたいとか、逆に周期を早く激しく動かしたい場合にこれらの周期をコントロールすることはできず、楽しむ幅が狭くなる。
一方遊動円木や箱形ブランコには安全性にも問題がある。例えば遊動円木の場合、質量の大きい丸太が円弧状に動くので、丸太と地面との間隔が広くなったり狭くなったりするため、ここに子供の身体の一部が挟まれて怪我をすることがある。またロープ等が切れて丸太が落下し、このはずみで怪我をすることがある。
また箱形ブランコの場合、遊動円木と同様に地面と箱型ブランコの底との間に子供の身体の一部が挟まれて怪我をすることがある。また、4本のリンクは揺動して角度が変化するが座席部分は常に水平が保たれているので、リンク部と座席部との間で相対運動があり、ここに子供たちが挟まれて怪我をすることがある。
本願は周期を変えて楽しめると共に、安全性を向上させた往復動遊具を提供するものである。
請求項1の発明による往復動する遊具は、運動部を含む往復動する遊具であって、該運動部は、2カ所のピン結合部を有し地上に設置された基礎体と、3角形状の各頂点にピン結合部を有する揺れリンクと、両端にピン結合部を有し。その一方を基礎体のピン結合部と、他方を揺れリンクの第1および第2のピン結合部とそれぞれピン結合した2本の支持リンクと、揺れリンクの第3のピン結合部とピン結合する揺動体から構成され、前記5か所のピン結合部の形状がWの文字を上下反転した逆W型をしていることを特徴としている。
請求項2の発明による往復動する遊具は、揺動体が複数の運動部によって支持されていることを特徴としている。
請求項3の発明による往復動する遊具は、揺動体の上面に1列のシートを取り付けたことを特徴としている。
請求項4の発明による往復動する遊具は、揺動体に対面型のシートを取り付けたことを特徴としている。
請求項5の発明による往復動する遊具は、請求項1に記載の運動部を上下反転し、前記揺動体を地上に設置して基礎体とし、前記基礎体を揺動する揺動体としたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、往復動する遊具は、漕ぎ方を変えることによって、その周期を自由にコントロールできる。例えば、周期の長いゆったりした動きを楽しみたい場合は揺れの振幅を小さめにしてやるとよい。逆に周期の早い激しい動きを楽しみたい場合は、揺れの振幅を大きくすればよい。このように多様な楽しみ方をすることができる。また軌跡がバスタブのように底の緩やかな曲線をしているため、地面との間に人を挟む動きが少ない。またリンクで構成されているため切断して落下するおそれもない。
請求項2の発明によれば、複数の運動部で支持するため長い揺動体や大きい容積の揺動体を支持することができる。またその運動の軌跡は揺動体のどの場所でも同じにすることができる。
請求項3の発明によれば、揺動体の上面に1列のシートを取り付けたので一度に何人もの子供たちが楽しむことができる。
請求項4の発明によれば、揺動体に対面型のシートを取り付けたので、子供たちはもちろん、老人たちも乗ってゆっくりとした動きを楽しむことができる。
請求項5の発明によれば、運動部を上下反転することにより、リンク等の大きく動く部分を上下入れ替えることができるので、箱型ブランコのような装着物の形状に応じてより安全な構造を選択できる。
本発明の第1の実施形態を図1〜図5を参照しながら以下に説明する。先ず主な構成部品を説明する。1は地面に設置されている基礎体、2および3は両端にピン結合部を持つ支持リンク、4は二等辺三角形の各頂点にピン接合部を持つ揺れリンク、5は揺動体である。
前記各構成部材間は以下に述べるように、互いにピンで回動自在に結合されている。支持リンク2,3の下方部は基礎体1とピン結合部12,13でそれぞれピン結合され、上方部は揺れリンク4の二等辺三角形の底辺部とピン結合部24,34でピン結合されている。揺れリンク4の二等辺三角形の頂点は揺動体5の下部52とピン結合部45でピン結合されている。
各ピンの配置を図5で説明する。この図においては、各ピン結合部だけを取り出してモデル化している。実線は中立状態、2点鎖線は揺動の途中の状態を表している。中立状態において、支持リンク2,3はハの字状に下方に広がった配置となっている。揺れリンク4は二等辺三角形の底辺のピン結合部24,34を上方に、頂点のピン結合部45を下方に向けて配置されている。5つのピン結合部はWの文字を上下反転した逆Wの形状をしている。このような配置にすることにより、揺れリンクの頂点のピン結合部45は軌跡6の曲線を描いて往復動する。この逆Wの形状により軌跡6の形状は変化する。図5ではピン結合部45の高さはピン結合部12とピン結合部13を結んだ線よりも下に突出しているが、このピン結合部45をピン結合部12とピン結合部13を結んだ線上に近づけると軌跡は直線に近くなる。逆に下方向に下げると円運動に近くなる。
次に遊具全体の構成を説明する。前記で説明した基礎体1、支持リンク2,3および揺れリンク4の組み合わせを1組の運動部とすると、図1の左右方向に2組の運動部A,Bにより揺動体が支持されている。また各運動部A,Bは図2、図3のようにそれぞれ運動部A1,A2および運動部B1,B2で揺動体5を両側から挟むように支持している。
以上により、揺動体5は計4組の運動部によって支持されているので、揺動体5は安定して揺動し、揺動体5のどの場所も軌跡6のように往復動する。この揺動体5の上面53に図6のようにシート6をつけると各座席の人は軌跡6で動くことになる。
次に動かし方について図6を用いて説明する。図6は1列のシート7を揺動体5の上面53に取り付けた実施例である。安全を期するためにカバー8をリンク等の動く部品のある領域の両側面を覆っている。シート7に跨った状態で加速をするには、ハンドル71を持ち、ぶらんこを漕ぐ要領で揺動体5の動きに合わせて、前後あるいは上下に身体を揺すると容易に加速させることができる。周期は漕ぎ方によってコントロールすることができる。周期の長いゆったりした動きを楽しみたい場合は揺れの振幅を小さめにしてやるとよい。逆に周期の早い激しい動きを楽しみたい場合は、揺れの振幅を大きくすればよい。このように周期を自由に変えられる理由は軌跡が通常のブランコなどと異なり、同一曲率になっていない点にある。
以下詳しく説明するが、ここでは摩擦抵抗や風圧などは無視して考えることにする。軌跡6の全体の形状は、底が緩やかな曲線を持つバスタブのような形状をしている。すなわち、軌跡6は性質の異なる3つの領域に分けられる。その一つは、軌跡6上の中立点P0を中心とした点P1から点P2の範囲で、曲率が小さく、小曲率部Cを形成している。したがって、この範囲内のみで動かすと、非常に長いロープのブランコと同じで周期が長くゆったりとした動きになる。他の二つの領域は左右に分かれており、軌跡6上の点P1から点P3の範囲で、曲率の大きい右大曲率部Rおよび軌跡6上の点P2から点P4の範囲で、曲率の大きい左大曲率部Lを形成している。この範囲での揺動体5の挙動は共に短いロープのブランコと同じで加減速が大きい動きになる。
次に実際の動きを説明する。激しく早い動きをする場合は、ピン接合部45を点P3のように高い位置からスタートして動かす。ピン接合部45は点P1まで来たときに十分高い位置エネルギーを速度エネルギーに転換しているので、速い速度で小曲率部Cに入る。小曲率部Cは曲率が小さく位置エネルギーの変化も少ないので、ピン接合部45はあまり加減速しないでほぼこの速い速度で通り過ぎ点P2に到達する。点P2に到達したときの速度は点P1の速度と同じである。従って左大曲率部Lでは点P3の対称の位置にある点P4まで上昇して止まり、逆方向に動き始める。以降このサイクルを繰り返す。このように高い振り上げ位置まで揺動させると速度は速くなりサイクルは短くなる。
ゆっくりと動かす場合は、例えば右大曲率部Rの低い位置である点P5からスタートして動かす。ピン接合部45が点P1に到達したときの速度はさきほどの点P3からスタートした例と比べると遅い。従って、小曲率部Cを通過する時間は長くなる。左大曲率部Lでは点P5の対称の位置にある点P6まで上昇して止まり、逆方向に動き始める。以降このサイクルを繰り返す。このように低い振り上げ位置で揺動させると速度は遅くなりサイクルは長くなる。
次に、極端にサイクルが長くなる場合について説明する。小曲率部Lの曲率は、リンクの寸法や配置を工夫することによって、近似的に0すなわちほぼ直線にすることもできることは前述したとおりであるが、この場合に点P5を限りなく点P1に近づけると、ピン接合部45は超微速で点P1に入ってくる。従って小曲率部Cでの動きは超微速の等速運動となる。すなわちサイクル時間を極端に大きくすることもできる。
以上説明したように、本構造の振り子運動は、ピン接合部45をどこまで振り上げるかによって、そのサイクルが全く異なる。
次に第2の実施形態について図7、図8を用いて説明する。全体形状は対面するシート107を左右に設けた箱型ブランコである。揺動体105は中央部が高くなりその内部に、支持リンク2,3および揺れリンク4を収納しているので、動く部品に人がアクセスできないので安全である。
運動部の構成は第1の実施形態を上下反転したものである。第1の実施形態の基礎体1に相当する部品はここでは揺動体105として揺動する。また第1の実施形態の揺動体5に相当する部品はここでは基礎体101となり、地面に固定される。このように反転しても動きの軌跡は第1の実施形態の軌跡6と全く同じになる。
第1の実施形態の正面図 第1の実施形態の側面図 第1の実施形態の上面図 第1の実施形態の斜視図 第1の実施形態の運動軌跡 第1の実施形態のシートを取り付けた例 第2の実施形態の正面図 第2の実施形態の側面図
1.基礎体
2.支持リンク
3.支持リンク
4.揺れリンク
5.揺動体
6.軌跡
7.シート
8.カバー
101.基礎体
105.揺動体
107.シート


























Claims (5)

  1. 運動部を含む往復動する遊具であって、該運動部は、2カ所のピン結合部を有し地上に設置された基礎体と、3角形状の各頂点にピン結合部を有する揺れリンクと、両端にピン結合部を有し。その一方を基礎体のピン結合部と、他方を揺れリンクの第1および第2のピン結合部とそれぞれピン結合した2本の支持リンクと、揺れリンクの第3のピン結合部とピン結合する揺動体から構成され、前記5か所のピン結合部の形状がWの文字を上下反転した逆W型をしていることを特徴とする往復動する遊具
  2. 揺動体が複数の運動部によって支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の往復動する遊具
  3. 揺動体の上面に1列のシートを取り付けたことを特徴とする請求項2記載の往復動する遊具
  4. 揺動体に対面型のシートを取り付けたことを特徴とする請求項2記載の往復動する遊具
  5. 請求項1に記載の運動部を上下反転し、前記揺動体を地上に設置して基礎体とし、前記基礎体を揺動する揺動体としたことを特徴とする請求項1乃至4記載の往復動する遊具



















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