JP2010197268A - 3次元超音波探傷装置及び3次元超音波探傷方法 - Google Patents

3次元超音波探傷装置及び3次元超音波探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】き裂等の欠陥のサイジング作業において、エコー間の距離を3次元的に容易に測定することができるようにした3次元超音波探傷装置及び3次元超音波探傷方法を提供することにある。
【解決手段】超音波センサ101は、検査対象100に超音波を送信し、また、検査対象から現れる反射波を検知すると共に、複数の圧電振動子を備える。3次元表示部103には、検査対象の3次元形状データを3次元探傷データとを重ねて表示する。計算機102Aは、3次元表示部103Cにおいて指定した二点間を結ぶ直線を3次元表示部103Cに表示し、同時に、二点間の距離も3次元表示部103Cに出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非破壊検査技法の一種である超音波探傷装置及び超音波探傷方法に係り、特に、アレイ型超音波センサを使用した3次元超音波探傷装置及び3次元超音波探傷方法に関する。
近年、各種構造材などを検査対象とした超音波探傷法として、フェーズドアレイ法に代表されるように、検査対象内部を高精度に短時間で画像化して検査する探傷方法が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。
フェーズドアレイ法は、圧電振動素子を複数個配列した、いわゆるアレイ型超音波センサを使用し、各圧電振動素子から送信される超音波の波面が干渉し合成波面を形成して伝播していくという原理に基づいたものである。従って、各圧電振動素子の超音波送信タイミングを遅延時間で制御し、それぞれのタイミングをずらすことで、超音波の入射角度が制御でき、超音波を集束させることができる。
また、超音波の受信に際しても、各圧電振動素子で受信した反射超音波を遅延時間に応じて、ずらして加算することで、送信時と同様、超音波の受信入射角度を制御したり、焦点を合わせて超音波を受信したりすることができる。
フェーズドアレイ法としては、圧電振動素子が直線的に並んだ1次元アレイセンサを用い、超音波の送信と受信方向を併進的に走査(スキャン)するリニアスキャン方式や、送信と受信方向を入射点を中心に扇状に変化させるセクタスキャン方式が一般的に知られている。また、圧電振動子が格子状に並んだ2次元アレイセンサを用いると、3次元的に任意の空間位置に焦点を合わせることができ、より検査対象の形状に合ったスキャン方式が可能となる。特に3次元的なスキャンの場合は、センサを動かすことなく超音波を高速にスキャンしたり、超音波の入射角度や集束深さの位置を任意に制御することができ、高速かつ高精度の検査が可能な技術である。
現状では、反射超音波信号から反射源の空間的な位置を特定するためには、切断位置の異なる複数の反射強度分布の2次元画像から推定する方法(以下、2次元フェーズドアレイ法)が一般的である。例えば、リニアスキャンやセクタスキャンの場合には、スキャンの範囲とピッチに対応した複数の2次元画像が取得できるため、表示画面上で順次画像を切り替えることで、反射波が出現する方向を特定することができる。
最近は、複数の方向からの反射超音波信号に内挿処理などを施して3次元格子状のデータを作成し、これをボリュームレンダリングやサーフェスレンダリングといった手法で立体表示する方法(以下、3次元超音波探傷法)が報告されている。3次元格子状のデータを作成する方法は開口合成法やフェーズドアレイ法などいつかあるが、特にフェーズドアレイ法を用いた方法を、ここでは3次元フェーズドアレイ法と呼ぶ(例えば、非特許文献2参照)。3次元格子状のデータとしては、ボクセルと呼ばれる複数の要素立方体を3次元的に配列させたデータ構造が扱いも容易であることから、最も用いられている。これは構造格子とも呼ばれる。ボクセルの他にも、空間的に格子配列の位置が規則正しく並んでいない格子が用いられることもあるが、ボクセルに比べ表示方法がやや難しい。これらは非構造格子と呼ばれ、代表的なものとしては、六面体格子、四面体格子、三角柱(プリズム)格子、四角錐(ピラミッド)格子が挙げられる。また、格子状のデータに変換せずに3次元的な点群として表示する方法もある。これらは、いずれも3次元探傷データとして計算機のメモリ上に保存しているため、測定後に検査者が任意の方向から確認することができる。
一方、近年はこれらのフェーズドアレイ法を用いたきずの寸法測定(サイジング)が産業分野で注目されている。特に、原子力分野においては、国内軽水型原子力発電設備の健全性評価の基準となっている社団法人日本電気協会の技術指針JEAC4207-2004に、炭素鋼及びステンレス鋼の疲労き裂とステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)のき裂高さサイジングの一手法として、フェーズドアレイ法が規定された。現時点では、本指針は同技術規定JEAG4207-2008に引き継がれ、き裂高さのサイジング法としてだけではなく、き裂かどうかの確認手法としてもフェーズドアレイの適用範囲が拡大されている(例えば、非特許文献1参照)。
きず(き裂)の高さを測定する場合、2次元フェーズドアレイ法では、きずの端部エコーを含むセクタスキャンまたはリニアスキャン画像を用いて行っている。この際、測定および解析の手順を定めて実施しなくてはならなず、きずを付与した試験片を用いて手順の妥当性を確認することが推奨されている。これらは、日本非破壊検査協会規格(NDIS)2418により、端部エコー法によるきず高さの測定方法として規定されている(例えば、非特許文献3参照)。
しかしながら、2次元フェーズドアレイ法では、きずの上端部および下端部に対応するエコー(以下、上端エコー及び下端エコー)が同一画面に含まれている必要がある。そのため、きずの方向に合わせてセンサ位置や超音波の入射角度を細かく調整する必要があり、作業に手間を要する上、ある程度の経験が必要である。また、きずの形状が同一平面内に含まれる場合は、このように上端エコーおよび下端エコーが良好に表示される画像を探し出して測定すればよいが、例えばSCCのようにきずの形状が枝分かれしていて複雑な場合は、必ずしも同一平面内にきずの形状が含まれるとは限らない。このような場合には、2次元フェーズドアレイ法では正確なきず高さを測定することはできない。
このような場合には、3次元超音波探傷法を使うと非常に有効である。まだ報告されている例は多くないが、3次元超音波探傷法を使ったサイジング方法が考案されている。例えば非特許文献4の場合は、複数回の探傷によって得られた測定データ点を、点群として画面上に表示し、任意の断面で切断表示し、画面上で計算機のマウスやキーボードからの入力によって、例えば上端エコーと下端エコーに相当する二点を指定すると、その二点間の距離が出力されるものである。3次元超音波探傷法を使った場合は、2次元フェーズドアレイ法のように、データ収録時に上端エコーと下端エコーが同時に含まれる画面を探し出す必要が無く、あらかじめ定めた探傷範囲に対し一連のデータ収録を終えた後で、該当する切断面を探し出せばよいため、作業が非常に効率的になるという利点がある。
横野泰和:"フェーズドアレイUTの適用事例及び標準化の世界的動向"、非破壊検査、56、510 (2008) 馬場淳史、北澤聡、河野尚幸、安達裕二、小田倉満、菊池修:"3次元超音波探傷システム「3D Focus-UT」の開発"、日本保全学会 第5回学術講演会 要旨集、155 ( 2008) 社団法人 日本非破壊検査協会 NDIS2418:2005、21頁 Potts, A. ; McNab, A.; Reilly, D.; Toft, M., "Presentation and analysis enhancements of the NDT Workbench a software package for ultrasonic NDT data", REVIEW OF PROGRESS IN QUANTITATIVE NONDESTRUCTIVE EVALUATION: Volume 19. AIP Conference Proceedings, Volume 509, pp. 741-748 (2000).
しかしながら、従来の3次元超音波探傷法を使った欠陥のサイジング方法では、画面上において上端エコーと下端エコーを含む切断面を探し出し、指定する作業は容易ではなく、ある程度の手間を要する。また、どの切断面を観察しているかを把握するためには、常に3次元の表示画面と断層画面を見比べて確認する必要があった。更に、位置の異なるエコーの組み合わせで複数の計測を行いたい場合には、それぞれの組み合わせに対応した複数の切断面を探し出す必要があり、作業が煩雑になるという問題点があった。
本発明の目的は、き裂等の欠陥のサイジング作業において、エコー間の距離を3次元的に容易に測定することができる3次元超音波探傷装置及び3次元超音波探傷方法を提供することにある。
(1) 上記目的を達成するために、本発明は、複数の圧電振動子を備えた超音波センサと、該超音波センサの各圧電振動子に送信信号を供給するパルサーと、前記超音波センサの各圧電振動子素子から受信信号を入力するレシーバと、前記超音波センサで受信した超音波波形を収録するデータ収録部と、該データ収録部で収録した波形から3次元探傷データを生成する画像処理用の計算機と、該計算機により生成された前記3次元探傷データを表示する3次元表示部とを備え、前記計算機は、前記3次元表示部において指定した二点間の距離を出力するようにしたものである。
かかる構成により、き裂等の欠陥のサイジング作業において、エコー間の距離を3次元的に容易に測定することができるものとなる。
(2) 上記(1)において、好ましくは、前記計算機は、前記3次元表示部に、前記3次元探傷データと重ねて3次元形状データを表示するようにしたものである。
(3) 上記(1)において、好ましくは、前記3次元表示部において指定した二点が、前記3次元探傷データ上で反射超音波信号に起因するエコーを構成する点である。
(4) 上記(3)において、好ましくは、前記反射超音波信号に起因するエコーを構成する点は、前記3次元表示部において指定した3次元領域に含まれるとともに、前記エコーの信号値が最大を示す点である。
(5) 上記(1)において、好ましくは、前記3次元表示部において指定した二点の内、一点は、超音波入射点、若しくは、前記3次元形状データを構成する点である。
(6) 上記(1)において、好ましくは、前記計算機は、前記3次元表示部において指定した二点間の距離を、前記3次元表示部に表示するようにしたものである。
(7) 上記(1)において、好ましくは、前記計算機は、前記3次元表示部において指定した二点間を結ぶ直線を、前記3次元表示部に表示するようにしたものである。
(8) 上記(1)において、好ましくは、前記計算機は、超音波入射点に対する、前記3次元表示部において指定した点の相対的な位置を、角度と距離を用いて出力するようにしたものである。
(9)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の圧電振動子を備えた超音波センサを用いて、検査対象に超音波を送信し、また、検査対象からの反射波により、前記検査対象の内部を検査する3次元超音波探傷方法であって、前記3次元表示部で指定した二点間の距離から反射超音波信号に起因する二つのエコー間の距離を計測するようにしたものである。
かかる方法により、き裂等の欠陥のサイジング作業において、エコー間の距離を3次元的に容易に測定することができるものとなる。
(10) 上記(9)において、好ましくは、前記3次元表示部で指定した点から、反射超音波信号に起因するエコーの、超音波入射点に対する相対的な位置を、角度と距離を用いて出力するようにしたものである。
本発明によれば、き裂等の欠陥のサイジング作業において、エコー間の距離を3次元的に容易に測定することができる。
本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元表示画面の表示例の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法の一例の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法で得られた探傷結果の2次元表示画面の表示例の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法で得られた探傷結果の3次元表示画面の表示例の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法の他の方式の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置におけるき裂のサイジング方法の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置におけるき裂のサイジング方法の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面で点を選択する方法の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面でエコーの最大値を持つ点を選択する方法の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面に対する直線状の3次元スケールの表示例の説明図である。 本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、き裂以外を基準とした位置に関する情報の表示例の説明図である。 本発明の一実施形態に用いる3次元超音波探傷装置の他の構成を示すブロック図である。
以下、図1〜図12を用いて、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の3次元超音波探傷装置は、検査対象100に超音波を入射するアレイ型超音波センサ101、送・受信部102と、受信信号及び探傷画像を表示する表示部103で構成されている。
アレイ型超音波センサ101は、図示のように、基本的には超音波を発生し受信する複数個の圧電振動素子104で構成される。アレイ型超音波センサ101は、検査対象100の探傷面に設置される。アレイ型超音波センサ101は、送・受信部102から供給される駆動信号により超音波ビーム105を発生し、これを検査対象100内に伝播させ、これにより現れる反射波を検知して受信信号を送・受信部102に入力する。
送・受信部102は、アレイ型超音波センサ101により超音波の送信と受信を行うもので、計算機102Aと、遅延時間制御部102B1と、パルサー102Cと、レシーバ102Dと、データ収録部102Eを備える。送・受信部102は、パルサー102Cが駆動信号をアレイ型超音波センサ101に供給し、また、アレイ型超音波センサ101から入力する受信信号をレシーバ102Dが処理する。
計算機102Aは、基本的には、CPU102A1と、RAM102A2と、ROM102A3と、外部メモリ102A4より構成されている。ROM102A3には、CPU102A1を制御するプログラムが書き込まれている。CPU102A1は、このプログラムに従ってデータ収録部102Eから必要とされる外部データを読込んだり、RAM102A2や外部メモリ102A4との間でデータの授受を行ったりしながら演算処理し、必要に応じて処理したデータをデータ収録部102Eに出力する。
また、CPU102A1は、遅延時間制御部102Bと、パルサー102Cと、レシーバ102Dとを制御し、必要な動作が得られるようにする。遅延時間制御部102Bは、パルサー102Cから出力される駆動信号のタイミングと、レシーバ102Dによる受信信号の入力タイミングの双方を制御し、これによりフェーズドアレイ方式によるアレイ型超音波センサ101の動作が得られるようにする。
ここにいうフェーズドアレイ方式によるアレイ型超音波センサ101の動作とは、アレイ型超音波センサ101の各圧電振動子から遅延時間に応じて送信される超音波を合成することにより形成される超音波ビーム105の焦点深さ107と入射角度106を制御し、反射超音波を受信する動作のことであり、これによりレシーバ102Dからデータ収録部102Eに受信信号が供給されることになる。そこで、データ収録部102Eは、供給された受信信号を処理し、収録データとして収録すると同時に計算機102Aにデータを送る。これにより、計算機102Aは、各圧電振動素子で得られた波形を遅延時間に応じて合成処理し、各超音波の入射角度ごとの波形に適当な内挿処理を施し、ピクセル形式で代表される2次元正方格子を単位とした2次元探傷データや、ボクセル形式で代表される3次元立方格子を単位とした3次元探傷データを作成し、それを画像化し、表示部103に表示する動作を実行する。
表示部103は、2次元探傷データを表示する2次元表示画面103Bと、3次元探傷データを表示する3次元表示画面103Cと、および各圧電振動子の波形信号を表示する波形表示画面103Aとを備えている。また、図1には表示部103は一つしか示していないが、波形表示画面103Aと2次元表示画面103B、および、3次元表示画面103Cは、複数の表示部に分担させて表示してもよい。
ここで、図2を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元表示画面103Cの表示例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元表示画面の表示例の説明図である。
表示部103上の3次元表示画面103Cには、図2に示すように、3次元探傷データ201が表示されるが、このとき、計算機102Aに接続されたマウス102Fやキーボード102Gを用いた入力により、任意の表示寸法で、任意の視点で表示することができる。このとき、表示寸法を変えるための拡大率は検査者がキーボード102Gから数値入力することもできる。表示色や透明度はボクセル格子単位で与えられるが、マウス102Fとキーボード102Gからの入力により表示色や透明度は反射強度に応じて変えることができる。表示色のカラーパターンは複数準備してあり、検査者が用途に応じて選択できる。
尚、これらの3次元描画アルゴリズムは、例えばグラフィックス・アプリケーション向けの業界標準のグラフィックス・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(グラフィックスAPI)であるOpenGL(登録商標)やDirectX(登録商標)に代表されるライブラリの中で実現されており、これらのグラフィックスAPIをプログラム中で用いて、表示する物体の形状や視点、表示位置などの必要な情報を与えればディスプレイ上の任意の位置に、任意の視点で、任意の色、透明度、大きさで3次元形状を描画することが容易にできる。
また、3次元表示画面103Cには、検査対象100の形状を表す3次元形状データ202が3次元探傷データ201と同時に表示される。3次元形状データ202は、計算機102Aの外部から読込む。特に、検査対象100のCADデータが存在している場合には、これを読込んで表示させることができる。CADデータのフォーマットは、市販のCADソフトウェアで入出力可能なデータ形式となっている。例えば多くのCADソフトウエァで読込み・出力可能なSTL(Stereo LithographyまたはStandard Triangulated Languageの略)形式を使用する。STL形式は物体の表面を多数の三角形の集合で表現したものであり、STLファイル内にはこれらの三角形の面法線ベクトルと3つの頂点の座標値が書き込まれている。グラフィックスAPIを用いてSTL形式のファイルから3次元形状データ202を表示させることは、複数の直線や三角形を描画することで容易に実現できる。3次元形状データは図2のように輪郭のみを表示することも可能であるし、外面を塗りつぶして不透明、もしくは半透明な表示とすることも可能である。これらは三角形を描画する際に、グラフィックスAPIに実装されている描画関数に与える透明度の値を変えることで容易に実現できる。これにより3次元形状データ202と3次元探傷データ201が重なっていても検査者が見易いような表示にすることができる。また、必要に応じて3次元形状データ202の表示・非表示を切り替えることもできる。
また、図には示していないが、複数の3次元形状データ202を同時に3次元表示画面103Cに表示することもできる。
選択された3次元形状データ202は、計算機102Aに接続されたマウス102Fやキーボード102Gからの入力により、3次元探傷データ201とは独立して、それぞれ任意の視点で、任意の位置に、任意の寸法で表示することができる。
次に、図3〜図12を用いて、本実施形態の3次元超音波探傷により、フェーズドアレイ法によって得られた探傷画像から検査対象の内部のき裂のサイジングを行う場合について説明する。
最初に、図3を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法の一例の説明図である。
図3は、3次元超音波探傷法の一つである3次元フェーズドアレイ法を用い、平板302の底面の発生部303Dから発生している、き裂303のサイジングを行う場合を示している。
ここでは、平板302として、主に金属を想定しているが、樹脂等の様々な材質に適用できる。き裂303は枝分かれしており、端部303A、303B、303Cを有しているものとする。図3(A)はき裂303の位置の鳥瞰図を示し、図3(B)は上面図を示し、図3(C)及び図3(D)は側面図を示している。また、ここでは、き裂303はSCC(応力腐食割れ)のような枝分かれしたものを想定しているが、特に枝分かれしていないき裂であってもよいものである。
図3(A)に示すように、アレイ型超音波センサ101は、き裂303を探傷するのに好適な探傷面306に、適当なカップラント(超音波伝播媒体)を通して設置する。また、アレイ型超音波センサ101は、縦波発生用であっても、横波発生用であってもよく、さらに、探傷面306との間に適当なくさびを介して設置する場合もある。例えば、縦波発生用センサをくさびを介して設置し、横波を平板302に入射させる場合などである。
3次元的なスキャン方式は、遅延制御部102B1(図1)で制御する遅延時間パターンにより如何様にも設定できるが、ここでは2次元のセクタ面を180度回転させるスキャン方式(以下、セクタ回転スキャン方式)を例にとって説明する。
セクタ回転スキャン方式は、遅延時間を変化させるだけで、従来のセクタスキャンを適当な角度ピッチで、セクタの中心軸周りに回転させる方法である。セクタ回転スキャン方式では、アレイ型超音波センサ101を固定したままで、検査対象の内部を体積的にスキャンすることが可能である。
図3(A)は、セクタ面を矢印R1の方向に回転させ、収録データとしてセクタ群301を取得している様子を示している。また、図3(B)は、上面から見た場合の複数のセクタ面の位置を一点鎖線で示している。図3(B)には、一例として、セクタの回転ピッチ7.5度で24枚のセクタ面を図示しているが、図の見易さを考慮し、図3(A)には一部のセクタのみを図示している。セクタを構成する超音波ビーム105の数と焦点深さ107、およびセクタの回転ピッチは、想定されるき裂303の寸法や、必要とされる空間分解能に応じて設定する。
次に、図4を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法で得られた探傷結果の2次元表示画面の表示例について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法で得られた探傷結果の2次元表示画面の表示例の説明図である。
図3に示した、セクタ群301の各画像は、セクタ面を指定することにより2次元表示画面103Bに自由に表示させることが可能である。図3は、例えば、図3(B)に示した断面位置305のセクタ面404を選択して2次元表示画面103Bに表示した例を示している。点線405は、き裂303のセクタ面404への投影線であり、本実施形態の理解を容易にするために図示したものである。
セクタ面404には、図3に示したように、入射点406、およびき裂303の発生部303D、端部303Aが含まれているため、発生部303Dでの反射に起因するエコー403Dと、端部303Aでの反射に起因するエコー403Aが表示されており、他の端部での反射に起因するエコーは表示されていない。また、入射点から真下に進んで平板302の底面での反射に起因する底面エコー403Eも表示される。図4に示してある輪郭線402は、平板302の輪郭線であり、外部から読み込んだ平板302のCADデータから計算されて2次元表示画面103Bに探傷結果と共に表示される。
次に、図5を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法で得られた探傷結果の3次元表示画面の表示例について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法で得られた探傷結果の3次元表示画面の表示例の説明図である。
図5は、セクタ回転スキャン方式で取得した収録データから作成した3次元探傷データを3次元表示画面103Cに表示した例を示している。ここで、点線505は、き裂303の3次元形状であり、本実施形態の理解を容易にするために図示したものである。
ここで用いた収録データは、図3に示したき裂303の端部303A、303B、303Cおよび発生部303Dを含む、もしくは、これらの近傍を通過する複数のセクタ面から構成されているため、3次元表示画面103Cには、端部303A、303B、303C、発生部303Dでそれぞれ反射した超音波に起因するエコー503A、503B、503C、503Dが表示される。また、図4同様に、底面エコー503Eも表示される。更に、外部から読み込んだアレイ型超音波センサ101のCADデータ501と、平板302のCADデータ502が探傷結果と共に表示される。
2次元フェーズドアレイ法では、図4に示したようなセクタ画像を一枚一枚確認しながら複数のエコー位置を特定しなくてはならないのに対し、3次元フェーズドアレイ法では、図5に示したような3次元画像から複数のエコーを一度に確認できるため、探傷作業が効率良く短時間で行える。
次に、図6を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法の他方式について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法の他の方式の説明図である。
図6は、セクタ回転スキャン方式以外の代表的な3次元的なスキャン方式として、セクタ面を団扇の如く煽りながらデータを収集する方式(以下、セクタ煽りスキャン)の例を示している。図6は、セクタ煽りスキャンで、前述のき裂303を探傷している様子を示している。アレイ型超音波センサ101の設置に関しては、前述のセクタ回転スキャンの場合と同様である。
セクタ煽りスキャン方式は、遅延時間の設定により、従来のセクタスキャンを適当な角度ピッチで、超音波入射点を中心にセクタ面に垂直な方向に回転させる方法である。セクタ煽りスキャン方式によっても、アレイ型超音波センサ101を固定したままで、検査対象内部を体積的にスキャンすることが可能である。
図6は、セクタ面を矢印602の方向に煽り、収録データとしてセクタ群601を取得している様子を示している。セクタを構成する超音波ビーム105の数と焦点深さ107、およびセクタの煽り角のピッチは、想定されるき裂303の寸法や、必要とされる空間分解能に応じて設定する。
次に、図7〜図12を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置における3次元スキャン方法によって得られた3次元探傷データを用いて、き裂のサイジングを行う方法について説明する。
図7及び図8は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置におけるき裂のサイジング方法の処理内容を示すフローチャートである。図9は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面で点を選択する方法の説明図である。図10は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面でエコーの最大値を持つ点を選択する方法の説明図である。図11は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面に対する直線状の3次元スケールの表示例の説明図である。
まず、図7のステップS100において、操作者が、3次元表示画面上で、き裂発生部Dでの反射に起因するエコーを含む第一の立方体領域を指定する。
ここで、図9を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置において、3次元表示画面で点を選択する方法について説明する。
図9は、き裂303を含んだ平板302の3次元探傷データが3次元表示画面103Cに表示されている例を示している。表示されている各エコーおよびCADデータは、図5にて説明したものと同様である。
ここで、き裂303の発生部303Dから、最もき裂303が進展している端部303Aまでの距離を計測する場合について説明する。き裂の距離計測モードは、3次元表示画面103C上のボタンをマウス103Fでクリックする等して起動する。
図7のステップS100では、3次元表示画面103C上で、発生部303Dでの反射に起因するエコー503Dを含む第一の立方体領域702を指定する。
次に、図7のステップS100の詳細について、図8のフローチャート及び図10を用いて説明する。
図8のステップS101において、検査者は、図10(A)に示すように、ある視線方向で表示された3次元表示画面上の点801をマウス102F(図1)で指定する。この際、点801を指定する位置は、選択したいエコー、すなわち図示の例では、エコー503Dの近傍に設定する。
同様に、ステップS102において、検査者は、マウス102Fで二点目として点802を指定する。この際、一点目と二点目を対角とする正方形803がエコー503Dを含むように二点目を指定する。
2点の位置が指定されると、ステップS103において、計算機102A(図1)は、正方形803で構成される立方体領域702を決定する。ただし、視線に垂直な方向には空間位置が定まらないだめ、この段階では3次元探傷データの最も手前か奥の位置、またはその中間位置に設定される。
次に、ステップS104において、検査者は、マウス102Fで視線方向を変える。すなわち、図9に示す状態では、3次元形状データ502は、x−z平面が正面に来るように図示されている。これを、例えば、右側面から見た場所の表示に切り替える。具体的には、マウス102Fで3次元形状データ502の縦の辺をドラッグして、表示座標系のz軸周りに90度回転させることで、y−z平面が正面を向くように視線を変えることができる。このとき、3次元形状データ502の代わりに、3次元探傷データ503Aや503E等をドラッグしても表示座標系のz軸周りに90度回転させることができる。3次元表示画面103Cにあらかじめz軸周りに90度回転させるように設定されたボタンを表示させておき、この押しボタンをマウスでクリックすることで視線方向を変えても良い。
この状態で、ステップS105において、計算機102Aは、再度、立方体領域702がエコー503Dを含んでいるかを確認する。立方体領域702は、3次元探傷データとは独立にマウス102Fで平行移動させることが可能である。
ステップS105の判定において、立法体領域702がエコー503Dを含んでいない場合には、ステップS106において、操作者は、立法体領域702を、エコー503Dが含まれるようにマウス102Fで移動させる。
そして、再度、ステップS104において、3次元表示の視線方向を変えて、同様の確認を繰り返す。通常、1〜2回この操作を繰り返すと、立法体領域702にエコー503Dが含まれるようになる。以上の操作により、第一の立法体領域702を指定する。
ここで、指定する3次元領域は立法体としているが、立法体以外の3次元領域、例えば、直方体や球などであってもよいものである。
次に、図7のステップS110において、計算機102Aは、第一の立方体領域702に含まれるボクセルを選出する。
次に、ステップS115において、計算機102Aは、第一の立方体領域702に含まれるボクセルの中で、最大値を持つボクセルを選出し、ステップS120において、計算機102Aは、図8(B)に示すように、ボクセル804を画面上で確認できるような色で3次元表示画面103Cに表示する。
次に、ステップS125において、検査者は、点が所望の位置に表示されているかどうかを確認し、所望の位置で無い場合は、再度ステップS100からステップ115までを繰り返す。
所望の位置である場合には、ステップS130において、計算機102Aは、この点を第一のボクセル位置として決定する。
次に、ステップS135〜ステップS160において、検査者及び計算機102Aは、3次元表示画面103C上で発生部303Aでの反射に起因するエコー503Aを含む第二の立方体領域701を指定する。第二の立方体領域701の指定方法および第二のボクセル位置の決定方法は、第一の立方体領域702の指定方法および第一のボクセル位置決定方法と同様である。
次に、ステップS165において、計算機102Aは、第一のボクセル位置と第二のボクセル位置の座標値から、二点間の距離を算出する。
更に、ステップS170において、計算機102Aは、第一のボクセル位置と第二のボクセル位置を結んだ直線状の3次元スケールを、画面上で確認できるような色で3次元表示画面に表示する。
すなわち、図11に示すように、第一のボクセル位置と第二のボクセル位置を結んだ直線状の3次元スケール1101を、画面上で確認できるような色で3次元表示画面103Cに表示する。その際、二点間の距離L1も3次元スケールの近傍の表示部1102に表示される(例えば、図示のように、「3mm」とき列の二点間の距離表示される)。
ここで、3次元スケール1101の両端の点1103Aおよび点1103Dは、マウス102Fでドラッグすることにより、表示されている視線方向に垂直な方向に、任意の位置に平行移動させることが可能であり、3次元スケール1101の設定位置の微調整をすることが可能である。また、点1103Aまたは点1103Dを大きく移動させることにより、3次元スケール1101を他の部分の距離計測に適用することもできる。点1103Aまたは点1103Dが移動した場合には、二点間を結ぶ直線だけではなく、二点間の距離の表示部1102の数値も対応して変わる。
また、3次元スケール1101を定義する点は、エコーに対応する点だけではなく、超音波入射点やCADデータ501、502で定義されている任意の点を用いることができるため、ボクセルデータで定義されている以外の二点間の距離計測を実行することも可能である。
これらの3次元描画処理は、前述の通り、例えば代表的なグラフィックスAPIであるOpenGLやDirectXで提供されているライブラリをプログラム中で用いることにより容易に実現できる。
以上のように、検査者は3次元表示画面103C上で3次元スケール1101を操作することにより、3次元探傷データを切断表示することなく、き裂303のサイジングはもちろんのこと、様々な位置の距離計測をすることができるため、計測作業が容易に効率良く実施できる。
ここで、図12を用いて、本実施形態による3次元超音波探傷装置において、き裂以外を基準とした位置に関する情報の表示について説明する。
図12は、本発明の一実施形態による3次元超音波探傷装置において、き裂以外を基準とした位置に関する情報の表示例の説明図である。図12(A)は図11の上面図であり、図12(B)は図11の側面図である。
図11に示した例では、3次元表示部において指定した二点として、き裂の両端の点1103Aおよび点1103D指定し、それに対して3次元スケール1101を表示している。それに対して、3次元表示部において指定した二点の内の一点を、き裂以外の点として指定することができる。
第1の例としては、3次元表示部において指定した二点の内の一点として、超音波入射点を基準とした位置に関する情報を与える場合がある。以下、点1103Aの場合で説明する。
3次元表示部において指定した二点の内の一点として、超音波入射点1204を指定する。指定の仕方は、図8及び図10にて説明したように立方体表示により指定してもいいが、3次元表示画面103Cに「超音波入射点」の押しボタンを表示しておき、この押しボタンをマウスでクリックすることで、超音波入射点1204を指定することもできる。
二点が指定されると、図12に示す探傷面306からの距離L2zが計算され、3次元表示画面103Cの端の適当な位置に表示される。もちろん別画面に表示されても構わない。これは、外部から読み込んだ平板302のCADデータ502で定義されている平面と、点1103Aの距離を計算することで容易に実現できる。
更に、探傷面306に垂直な方向から見た時の、超音波入射点1204から点1103Aまで結んだ直線を探傷面306に投影した距離L2xyが計算される。これも、平板302のCADデータ502で定義されている平面の幾何情報と、点1103Aおよび超音波入射点1204の座標値から容易に計算できる。
また、超音波入射点1204を原点とした座標系における点1103Aの仰角θ2zおよび方位角θ2xyが計算され、3次元表示画面103Cに表示される。この場合の座標軸は、一般的に、探傷面306の法線方向(一点鎖線)をz軸に設定する。x軸およびy軸は検査対象に合わせて任意に設定して構わないが、検査対象の辺や側面などの特徴形状を基準とする。
3次元スケール1101のもう一方の端点である点1103Dに対しても、同様に距離、仰角、方位角をそれぞれ得ることができる。
第2の例としては、3次元表示部において指定した二点の内の一点として、3次元スケール1101の端点を基準とした位置に関する情報を与える場合がある。以下、3次元スケール1101の端点1206の場合で説明する。
3次元表示部において指定した二点の内の一点として、CADデータ502の端点1206を指定する。指定の仕方は、図8及び図10にて説明したように立方体表示により指定してもいいが、3次元表示画面103Cに「端点」の押しボタンを表示しておき、この押しボタンをマウスでクリックした上で、図9に示すCADデータ502の中で任意の端点付近を立方体表示により指定することで、端点1206を容易に指定することもできる。
二点が指定されると、図12に示す端点1206からの距離L3xy,L3zが計算され、3次元表示画面103Cの端の適当な位置に表示される。もちろん別画面に表示されても構わない。これは、外部から読み込んだ平板302のCADデータ502で定義されている平面と、点1103Dの距離を計算することで容易に実現できる。
また、端点1206を原点とした座標系における点1103Dの方位角θ3xyが計算され、3次元表示画面103Cに表示される。なお、この場合の仰角は0度である。
更に、検査者が3次元スケール1101の端点のいずれか、例えば点1103Aを指定した後、3次元表示画面103C上のボタン等で指示することにより、2次元表示画面103Bには、計測データを構成する複数のセクタ面の内で、最も点1103Aとの距離が小さいセクタ(例えば、404)が自動的に表示される。
次に、図13を用いて、本発明の一実施形態に用いる3次元超音波探傷装置の他の構成について説明する。
図13は、本発明の一実施形態に用いる3次元超音波探傷装置の他の構成を示すブロック図である。
図1に示した3次元超音波探傷装置は、フェーズドアレイ法によって3次元探傷データが得られるものであるが、本発明はフェーズドアレイ以外の方法によって得られた3次元探傷データにも適用できる。たとえば3次元探傷データが開口合成法によって得られた場合でも適用できる。
図13は、3次元探傷データを開口合成法によって得る場合の3次元超音波探傷装置の構成を示している。
本例の3次元超音波探傷装置は、検査対象100に超音波を入射するアレイ型超音波センサ101と、送・受信部102と、受信信号及び探傷画像を表示する表示部103とで構成されている。
アレイ型超音波センサ101は、図示のように、基本的には超音波を発生し受信する複数個の圧電振動素子104で構成され、検査対象100の探傷面に設置された後、送・受信部102から供給される駆動信号により超音波105Bを発生し、これを検査対象100内に伝播させ、これにより現れる反射波を検知して受信信号を送・受信部102に入力する働きをする。
アレイ型超音波センサ101の個々の圧電振動素子104は、駆動信号制御部102B2からパルサーを介して発せられる駆動信号により所要のタイミングで順次駆動され、圧電振動素子104から発生された超音波の反射波を、複数の圧電振動素子104で2次元的に受信し、受信信号は送・受信部102のレシーバ102Dに入力される。すなわち、アレイ型超音波センサ101の個々の圧電振動素子104は、圧電振動素子104の総数分の反射波をそれぞれ受信することになる。
レシーバ102Dに入力された信号は、順次、データ収録部102Eに収録データとして収録され、収録データを用いて計算機102Aは各圧電振動素子104で得られた波形を開口合成によって3次元画像化処理し、表示部103に表示する。
計算機102Aは、基本的にはCPU102A1と、RAM102A2と、ROM102A3と、外部メモリ102A4とから構成されている。ROM102A3にはCPU102A1を制御するプログラムが書き込まれており、CPU102A1はこのプログラムに従ってデータ収録部102Eから必要とされる外部データを読込んだり、あるいは又RAM102A2との間でデータの授受を行ったりしながら演算処理し、必要に応じて処理したデータをデータ収録部102Eへ出力する。
計算機102Aによる開口合成で生成された3次元探傷データ201を3次元形状データ202と共に表示し処理する方法、および探傷画像から検査対象内部のき裂のサイジングを行う方法は、前に説明した第1の実施形態で示した方法と同一の処理であるので、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、検査者は3次元表示画面上で3次元スケールを操作することにより、3次元探傷データを切断表示することなく、き裂のサイジングはもちろんのこと、様々な位置の距離計測をすることができるため、計測作業が容易に効率良く実施できる。
100…検査対象
101…アレイ型超音波センサ
102…送・受信部
102A…計算機
102A1…CPU
102A2…RAM
102A3…ROM
102A4…外部メモリ
102B1…遅延時間制御部
102B2…駆動信号制御部
102C…パルサー
102D…レシーバ
102E…データ収録部
102F…マウス
102G…キーボード
103…表示部
103A…波形表示部
103B…2次元表示画面
103C…3次元表示画面
104…圧電振動素子
105、105B…超音波
106…入射角度
201…3次元探傷データ
202…3次元形状データ
301…セクタ群
302…平板
303…き裂
303A,303B,303C…端部
303D…発生部
304…矢印
305…断面位置
306…探傷面
402…輪郭線
403A,403D,403E…エコー
404…セクタ面
405…点線
406…入射点
501…CADデータ
502…CADデータ
503A,503B,503C,503D,503E…エコー
601…セクタ群
602…矢印
901,902…立方体領域
901,902…点
1003…正方形
1004…ボクセル
1101…3次元スケール
1103A,1103D…点
1204…超音波入射点
1206…端点

Claims (10)

  1. 複数の圧電振動子を備えた超音波センサと、
    該超音波センサの各圧電振動子に送信信号を供給するパルサーと、
    前記超音波センサの各圧電振動子素子から受信信号を入力するレシーバと、
    前記超音波センサで受信した超音波波形を収録するデータ収録部と、
    該データ収録部で収録した波形から3次元探傷データを生成する画像処理用の計算機と、
    該計算機により生成された前記3次元探傷データを表示する3次元表示部とを備え、
    前記計算機は、前記3次元表示部において指定した二点間の距離を出力することを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  2. 請求項1記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記計算機は、前記3次元表示部に、前記3次元探傷データと重ねて3次元形状データを表示することを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  3. 請求項1記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記3次元表示部において指定した二点が、前記3次元探傷データ上で反射超音波信号に起因するエコーを構成する点であることを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  4. 請求項3記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記反射超音波信号に起因するエコーを構成する点は、前記3次元表示部において指定した3次元領域に含まれるとともに、前記エコーの信号値が最大を示す点であることを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  5. 請求項1記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記3次元表示部において指定した二点の内、一点は、超音波入射点、若しくは、前記3次元形状データを構成する点であることを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  6. 請求項1記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記計算機は、前記3次元表示部において指定した二点間の距離を、前記3次元表示部に表示することを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  7. 請求項1記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記計算機は、前記3次元表示部において指定した二点間を結ぶ直線を、前記3次元表示部に表示することを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  8. 請求項1記載の3次元超音波探傷装置において、
    前記計算機は、超音波入射点に対する、前記3次元表示部において指定した点の相対的な位置を、角度と距離を用いて出力することを特徴とする3次元超音波探傷装置。
  9. 複数の圧電振動子を備えた超音波センサを用いて、検査対象に超音波を送信し、また、検査対象からの反射波により、前記検査対象の内部を検査する3次元超音波探傷方法であって、
    前記3次元表示部で指定した二点間の距離から反射超音波信号に起因する二つのエコー間の距離を計測することを特徴とする3次元超音波探傷方法。
  10. 請求項9記載の3次元超音波探傷方法において、
    前記3次元表示部で指定した点から、反射超音波信号に起因するエコーの、超音波入射点に対する相対的な位置を、角度と距離を用いて出力することを特徴とする3次元超音波探傷方法。
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