JP2010192665A - 異常検知方法および異常検知装置 - Google Patents

異常検知方法および異常検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体製造装置に備えられた処理部に発生した異常を適切に検知することが可能な半導体製造装置の異常検知方法を提供する。
【解決手段】半導体製造装置に備えられた処理部で発生した異常を検知する異常検知方法において、前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する検知ステップと、前記開始命令が検知されると、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する計測ステップと、計測された電力量と、前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する判定ステップと、前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する通知ステップと、を有することを特徴とする異常検知方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置を製造する半導体製造装置の異常検知方法および異常検知装置に関し、詳しくは、半導体製造装置に備えられた処理部に発生した異常を適切に検知することが可能な異常検知方法および異常検知装置に関する。
デバイス等の基板であるウェーハは、様々な処理を経て製品となる。前記処理は、半導体製造装置に備えられた複数の処理部に応じて様々な種類がある。又、当該処理部の構成(処理室の大きさ、機構等)は、半導体製造装置により大きく異なるため、それに対応する処理の数は、非常に多くなる。
従来、半導体製造装置では、多数の処理を実行するために、複数の処理部が直列又は並列に配置され、一ウェーハが所定の処理を順次実行されるよう構成される。そのため、複数の処理部を備える半導体製造装置は、直列又は並列に配置された当該処理部により、複数枚のウェーハを同時に並行して処理し、半導体製造装置全体の生産性の向上を図っている。
しかしながら、当該構成では、複数の処理部のうち、所定の処理部に異常が発生すると、異常が発生した処理部の直列又は並列に配置された処理部にも影響を及ぼすこととなる。そのため、処理部に発生した異常は速やかに検知され、何らかの対応がされる必要がある。
当該異常の発生に対応するために、特開2006−278547号公報(特許文献1)には、半導体製造装置の異常を検知する方法が開示されている。この異常を検知する方法は、異常を検知するための異常検知アルゴリズムを、半導体製造装置に関する保守作業の実施の有無に応じて切り替えることにより、異常の誤検知を回避する方法である。異常検知アルゴリズムは、1または複数のパラメータを使用した数式で表現されており、異常検知分類(Fault Detection and Classification:FDC)サーバは、当該数式により半導体製造装置の動作状態やプロセスの挙動を把握することができるとしている。尚、前記パラメータには、チャンバ温度、圧力、ガス流量等が使用される。
具体的に説明すると、当該異常を検知する方法では、半導体製造装置に対する保守作業が実施されていない場合、例えば、3つのパラメータp1、p2、p3を使用した第一の数式y1=f(p1、p2、p3)の値が規格内にあるか否かを判定し、異常を検知する。
一方、保守作業が実施された場合、保守作業が実施された直後から所定の期間経過するまでの間において、前記パラメータのうち所定のパラメータp1を含まない第二の数式の値が規格内にあるか否かを判定し、異常を検知する。第二の数式は、所定のパラメータp1以外のパラメータp2、p3を使用した数式y2=f(p2、p3)に対応する。尚、所定のパラメータp1は、例えば、半導体製造装置のプロセスが正常に実施されているにもかかわらず、保守作業が実施された直後から一時的に大きく変動するパラメータである。
当該構成により、保守作業が実施された直後から所定の期間が経過するまでの間は、第一の数式y1とは異なる第二の数式y2を使用して異常検知を実行するため、所定のパラメータp1が変動した場合でも、異常は検知されないものとなる。そのため、所定のパラメータp1の挙動により、半導体製造装置のプロセスが正常に作動しているにも関わらず異常が検知されて誤報が発するという異常発生の誤検知を防止することができるとしている。更に、当該異常を検知する方法により、半導体装置のスループットを向上することができるとしている。
特開2006−278547号公報
しかしながら、特許文献1の異常検知方法は、保守作業の実施と関連する異常発生の誤検知を防止することができるものの、半導体製造装置に備えられた複数の処理部のうち、どの処理部に異常が発生したのかを検知することができない。そのため、異常発生の誤検知を防止できたとしても、異常が発生した処理部を特定することは出来なかった。
又、特許文献1の異常検知方法は、処理部が所定の処理を正常に開始したのか、処理中なのか、所定の処理を正常に完了したのか等の処理の結果について何ら検知することができない。そのため、現実に異常が発生すると、ユーザが半導体製造装置の動作を一時中止して、異常の種類や処理の結果について調査する必要があった。その結果、迅速に異常の解消を図ることができず、半導体製造装置全体に対するスループットが低下するという問題があった。
更に、処理部に発生する異常については、処理を実行する処理部に関する異常(処理部異常)と、処理部により実行される処理に関する異常(レシピ異常)との二種類が存在する。処理部異常は、例えば、処理部の動作不良に起因する設備異常、処理部が全く動作しないダンマリ状態異常が該当する。レシピ異常は、ユーザにより設定された設定値と、処理部により実行された実績値との間で乖離が見られる異常を称し、例えば、ウェーハの搬送異常、チャンバ温度や処理用ガスのガス流量等の処理条件の異常(レシピの異常)が該当する。特許文献1の異常検知方法では、異常の種類について何ら特定することが出来ないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、半導体製造装置に備えられた処理部に発生した異常を適切に検知することが可能な半導体製造装置の異常検知方法および異常検知装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る異常検知方法は、半導体製造装置に備えられた処理部で発生した異常を検知する異常検知方法を前提とする。
前記半導体製造装置は、1又は複数の処理部を備えるよう構成しても構わない。
又、前記処理部は、半導体製造装置内で直列又は並列に配置されるよう構成されても構わない。半導体製造装置に複数の処理部が直列又は並列に配置される場合、ウェーハが搬入された処理部からウェーハが搬出される処理部までの間の複数の処理部は、ウェーハの搬送経路を構成する。
前記異常検知方法は、前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する検知ステップを有する。
前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する方法は、例えば、当該開始命令を送信する上位ホストコンピュータを監視する方法、当該開始命令を受信する半導体製造装置又は処理部を監視する方法が挙げられる。又、所定の処理部へのウェーハの搬入・搬出命令と、所定の処理の開始命令とが同時に送信される場合、処理部にウェーハが搬入・搬出されたことを検知して、当該開始命令を検知しても構わない。この場合は、例えば、処理部内のウェーハの搬入・搬出状態を監視することにより、前記開始命令を検知することになる。
処理は、ウェーハに施される処理であればどのような処理でも構わないが、例えば、ウェーハに対する搬送工程、加熱工程、加圧工程、乾燥工程、洗浄工程、冷却工程、真空工程等が該当する。尚、前記処理部は、1又は複数の処理を実行するよう構成しても構わない。
又、前記異常検知方法は、前記開始命令が検知されると、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する計測ステップを有する。
前記電力量は、処理部が処理を開始した時点から当該処理を完了した時点までに当該処理部により消費される電力が所定の範囲内で変動する場合があるため、例えば、所定の処理を実行する処理部が微小の時間間隔で消費した電力と、当該時間間隔とを乗算した値を、所定の期間内に総和した値を採用することが出来る。前記電力量は、前記処理部を監視して当該処理部が消費する電力と当該電力の消費に要した時間とを所定の周期毎に検出することにより計測されても、前記処理部に電力を供給する所定の電力供給手段を監視することにより計測されても構わない。
又、前記異常検知方法は、計測された電力量と、前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する判定ステップを有する。
前記処理部が前記処理を正常に実行したことは、当該処理部が当該処理の開始命令を受信した時点から当該処理を完了した時点までに異常が発生しなかったことに対応する。又、前記処理部が前記処理を正常に実行したことは、前記処理部が前記開始命令を受信してから前記処理を正常に開始したことを含む。
前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値は、電力量を基準に統計的手法を用いて決定される値である。例えば、前記処理部が正常に処理を実行したことにより当該処理部が消費した電力量そのものの値や、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から、当該処理部により消費される電力量が、当該処理部が前記処理を正常に開始したことを示す所定の電力量に達した時点までの時間間隔である指定時間が挙げられる。
又、前記異常検知方法は、前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する通知ステップを有する。
前記処理部での異常の発生をユーザに対して通知する方法は、どのような方法でも構わない。例えば、半導体製造装置の表示部又は半導体製造装置に接続されたコンピュータの表示部に、異常が発生した旨を表示して通知する方法、異常が発生した旨のメッセージを音声により発声して通知する方法、異常が発生した旨のアラームを発報して通知する方法、異常が発生した旨の警告ランプを発光して通知する方法、予め登録されたユーザのメールアドレスに電子メールで異常が発生した旨を通知する方法等が挙げられる。
又、前記異常検知方法において、前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を正常に完了した時点までに当該処理部が消費した基準電力量を採用できる。更に、前記判定ステップは、前記処理部が前記処理を完了した際に、当該処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を完了した時点までに計測された電力量が、前記基準電力量を含む所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属さない場合、当該処理部で異常が有ると判定するよう構成することが出来る。
前記基準電力量は、精度を高めるために、例えば、下記の方法により決定される。前記処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を完了した時点までに当該処理部が消費した電力量を所定回数計測する。計測された電力量は、前記処理部が前記処理を正常に実行した結果、当該処理部が消費した電力量となる。統計的手法により複数の電力量から平均値と標準偏差とを算出する。算出された平均値と標準偏差とに基づいて基準電力量を決定する。
前記基準電力量を含む所定の範囲は、例えば、基準電力量を中心値とし、ユーザにより指定された上限値と下限値とから構成されても構わないし、上述した平均値と標準偏差とに基づいて決定されても構わない。
又、前記異常検知方法において、前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から、当該処理部により消費される電力量が、当該処理部が前記処理を正常に開始したことを示す所定の電力量に達した時点までの時間間隔である指定時間を採用できる。更に、前記判定ステップは、前記処理部が前記開始命令を受信した時点からの経過時間が前記指定時間を超過した際に、前記計測ステップにより算出される電力量が、ゼロを下限値とする所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属する場合、当該処理部で異常が有ると判定するよう構成することが出来る。
前記処理部が前記開始命令を受信した時点の当該処理部の状態は、例えば、停止状態(又はスタンバイ状態)に対応し、当該状態では、当該処理部で全く電力が消費されないか(消費電力量がゼロ)、当該処理部の制御回路のみで電力が消費される。一方、前記処理部が前記処理を正常に開始した時点の当該処理部の状態は、当該処理部が当該処理を即時に実行可能な状態に対応し、当該状態では、例えば、当該処理部に備えられた駆動部で所定の電力が主に消費される。前記制御回路が消費する電力量は、駆動部が消費する電力量と比較して低い値である。そのため、停止状態から即時に実行可能な状態までの消費電力量の変動を監視し、消費電力量が所定の電力量に達するために要する経過時間を前記指定時間として決定する。所定の電力量は、制御回路により消費される電力量よりも、駆動部により消費される電力量に近い値である。
ゼロを下限値とする所定の範囲は、ゼロと、ユーザにより指定された上限値から構成されても構わないし、ゼロと、停止状態から即時に実行可能な状態までの所定の電力量の変動から決定された時間を上限値として構成されても構わない。
又、前記異常検知方法において、前記処理部が、キャリアに格納されたウェーハを所定の処理部に搬入・搬出する搬送アームであってもよい。更に、前記基準値が、前記搬送アームが前記ウェーハの搬送を正常に開始した時点から当該搬送を正常に完了した時点までに当該搬送アームが消費した基準電力量であってもよい。
又、前記異常検知方法において、前記通知ステップが、異常が発生した処理部の処理部IDと、当該処理部が実行した処理の処理IDと、当該処理部で処理されたウェーハのウェーハIDのいずれかを、処理部での異常の発生とともに、ユーザに対して通知するよう構成することができる。
一方、他の観点では、本発明は、半導体製造装置に備えられた処理部で発生した異常を検知する異常検知装置を提供することができる。すなわち、本発明に係る異常検知装置は、前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する装置状態監視部を備える。前記開始命令が検知されると、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する装置状態算出部を備える。更に、計測された電力量と、前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する異常検知部を備える。更に、前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する異常通知部を備える。
上述した異常検知方法及び異常検知装置は、半導体製造装置に備えられた複数の処理部に適用しても、特定の処理部にのみ適用しても構わない。又、上述した異常検知方法及び異常検知装置は、複数の処理部を有する一半導体製造装置に適用しても、複数の半導体製造装置から構成される半導体製造ラインに適用しても構わない。
当該構成とすると、異常検知方法及び異常検知装置は、半導体製造装置内で複数のウェーハに対して複数の処理を同時に実行する複数の処理部に対して異常の発生を検知することが可能となる。
本発明の異常検知方法によれば、前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する検知ステップと、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する計測ステップとを備えている。更に、当該異常検知方法は、計測された電力量と、前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する判定ステップと、前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する通知ステップとを備えている。
これにより、所定の処理部で消費される電力量と、所定の基準値とを利用して、当該処理部で発生した異常を検知することが可能となる。更に、処理部で消費される電力量を基準とするため、処理部毎、又は処理部が実行する処理毎に、処理部の異常の有無を検知することが可能となる。そのため、所定の処理部に異常が発生した場合、異常が発生した処理部や処理を特定することが可能となるとともに、当該処理部や当該処理をユーザに知らせることが可能となる。その結果、ユーザは、異常が発生した状況を容易に把握することが可能となり、異常発生状態のまま処理部が放置される可能性を排除し、半導体製造装置の稼働率の向上、半導体製造装置の停止時間の短縮を図ることが可能となる。尚、前記異常検知装置は、複数の半導体製造装置から構成される半導体製造ラインにも適用することが出来るため、半導体製造ライン全体に対するスループットの向上を図ることが可能となる。
又、前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を正常に完了した時点までに当該処理部が消費した基準電力量とすることが出来る。更に、前記判定ステップは、前記処理部が前記処理を完了した際に、当該処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を完了した時点までに計測された電力量が、前記基準電力量を含む所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属さない場合、当該処理部で異常が有ると判定するよう構成することが出来る。
これにより、処理開始から完了までに処理部が消費した電力量は、当該処理部が実行した処理条件(レシピ)に関連するため、基準電力量を利用して、処理部で発生した異常のうち、レシピ異常を特定することが可能となる。そのため、レシピ異常が発生した場合、ユーザに、レシピ異常が発生したことと、レシピ異常により処理部内のウェーハは既に処理済であることとを知らせることが可能となる。その結果、ユーザは、レシピ異常が発生した状況を適切に把握することが可能となり、レシピ異常の発生に応じた適切な処置を実行することが可能となる。
又、前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から、当該処理部により消費される電力量が、当該処理部が前記処理を正常に開始したことを示す所定の電力量に達した時点までの時間間隔である指定時間とすることが出来る。更に、前記判定ステップは、前記処理部が前記開始命令を受信した時点からの経過時間が前記指定時間を超過した際に、前記計測ステップにより計測される電力量が、ゼロを下限値とする所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属する場合、当該処理部で異常が有ると判定するよう構成することが出来る。
これにより、指定時間内に処理部が所定の電力量を消費したことは、当該処理部が正常に処理を開始したことに対応するため、指定時間を利用して、処理部で発生した異常のうち、処理部異常を特定することが可能となる。そのため、処理部異常が発生した場合、ユーザに、処理部異常が発生したことと、処理部異常により処理部内のウェーハは未だ処理されていないこととを知らせることが可能となる。その結果、ユーザは、処理部異常が発生した状況を適切に把握することが可能となり、処理部異常の発生に応じた適切な処置を実行することが可能となる。
又、前記処理部が、キャリアに格納されたウェーハを所定の処理部に搬入・搬出する搬送アームであっても構わない。又、前記処理部が搬送アームである場合、前記基準値が、前記搬送アームが前記ウェーハの搬送を正常に開始した時点から当該搬送を正常に完了した時点までに当該搬送アームが消費した基準電力量とすると、搬送アームに発生した処理部異常を検知することが可能となる。
又、前記通知ステップが、異常が発生した処理部の処理部IDと、当該処理部が実行した処理の処理IDと、当該処理部で処理されたウェーハのウェーハIDのいずれかを、処理部での異常の発生とともに、ユーザに対して通知するよう構成することができる。
これにより、処理部に異常が発生した場合、より具体的な異常の内容をユーザに対して通知することが可能となる。そのため、異常発生に対する迅速な対応をユーザに行わせることが可能となり、迅速な異常の解消を図ることが可能となるとともに、半導体製造装置全体に対するスループットの向上を図ることが可能となる。
又、本発明に係る異常検知方法を採用した異常検知装置においても、同一の作用効果を奏する。
以下に、本発明の実施形態に係る異常検知装置について説明する。
本発明の実施形態では、半導体製造装置に複数の搬送アーム、複数のウェーハ処理室(処理チャンバ)等が備えられている。前記搬送アーム、前記ウェーハ処理室等を一括して処理部と称する。
図1は、本発明の実施形態における異常検知装置100及び半導体製造システムを示す概略構成図である。本発明の実施形態に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
異常検知装置100は、ネットワーク回線111を介して、半導体製造ライン109を構成する複数の半導体製造装置108のそれぞれと通信可能に接続されている。尚、図1には、複数の半導体製造装置108として、第一の半導体製造装置108a、第二の半導体製造装置108bの二台が示されている。
第一の半導体製造装置108aは、所定数Lの処理部108aj(j=1〜L:Lは、第一の半導体製造装置108a内に存在する処理部の数)を有している。所定数Lの処理部108ajは、第一の半導体製造装置108a内で直列に配置されており、ウェーハが搬入される第一の処理部108a1からウェーハが搬出される第Lの処理部108aLまで、ウェーハの搬送経路を構成している。一ロット単位を構成する所定数Nのウェーハが格納されたポッド(キャリア)が、第一の半導体製造装置108aに搬入されると、所定の搬送アームにより、ポッドから一枚毎にウェーハが取り出されて、第一の処理部108a1へ順次搬入される。第一の処理部108a1でウェーハに対する処理が完了すると、当該ウェーハは第一の処理部108a1から搬出されて第二の処理部108a2に搬入される。次に、ポッドから次のウェーハが取り出されて、第一の処理部108a1に搬入される。このように、ポッドに格納された所定数Nのウェーハは、従前のウェーハの処理が完了すると、順次一枚毎に所定の処理部に搬入される。そのため、複数のウェーハは、第一の半導体製造装置108a内の所定数Lの処理部108ajで並行して処理を施される。尚、ポッド内のウェーハ全てを半導体製造装置108a内で同時に処理可能とするために、ユーザの選択により、処理部の個数とウェーハの枚数とが同一に設定されても構わない。
最後の処理部108aLで処理が施された処理済ウェーハが所定の搬送アームにより、再度ポッド内へ収納される。第一の半導体製造装置108aで処理された所定数Nのウェーハが全てポッドに格納されると、本実施形態では、当該ポッドは、所定のポッド搬送手段により、第二の半導体製造装置108bに搬入される。
第二の半導体製造装置108bも、第一の半導体製造装置108aと同様に、図示しない所定数の処理部を有しており、複数の処理部は、第二の半導体製造装置108b内に直列に配置され、ウェーハの搬送経路を構成する。そのため、搬入されたポッドの所定数Nのウェーハも、順次、第二の半導体製造装置108bで処理を施されて、再度当該ポッドに格納される。最終的に、全て処理済のウェーハがポッドに格納されると、当該ポッドが第二の半導体製造装置108bから搬出される。
さて、ネットワ−ク回線111には、上位ホストコンピュータ110が接続されている。上位ホストコンピュータ110は、例えば、各半導体製造装置108を監視し、複数の半導体製造装置108(半導体製造ライン109)における半導体装置の生産を管理するMES(Manufacturing Execution System)に対応する。
ネットワーク回線111に接続された前記異常検知装置100は、複数の半導体製造装置108と、上位ホストコンピュータ110とから、ウェーハに関連するデータ、当該ウェーハが搬送される処理部に関連するデータ、当該処理部が実行する処理に関連するデータ等を取得又は受信する。例えば、所定の処理部への所定のウェーハの搬入又は所定の処理部からの所定のウェーハの搬出を示すデータ、所定の処理部に対する動作指示を示すデータ、所定の処理部への処理の開始命令又は所定の処理部からの処理の完了信号等が当該データに該当する。
異常検知装置100は、監視条件設定部101と、装置状態監視部102と、装置状態算出部103と、異常検知部104と、異常通知部105と、処理部状態遷移部106と、レシピ状態遷移部107とを備える。
監視条件設定部101は、装置IDと、処理部IDと、レシピIDと、処理ID(処理ステップID)と、基準値とが関連付けられた監視条件設定テーブルを記憶している(後述する)。
ここで、装置IDは、半導体製造装置を識別することが可能な情報のことであり、処理部IDは、半導体製造装置108に備えられた複数の処理部を識別することが可能な情報のことである。複数の処理部IDは、所定の装置IDに属している。又、ウェーハIDは、複数のウェーハを識別することが可能な情報のことである。更に、レシピIDは、半導体製造装置108で実行される処理条件を識別することが可能な情報のことであり、処理IDは、半導体製造装置108内の所定の処理部で実行される処理を識別することが可能な情報のことである。複数の処理IDは、所定のレシピIDに属している。
基準値は、指定時間と、基準電力量と、基準電力量標準偏差とから構成される。指定時間は、前記処理部が前記処理を正常に開始したと判定するための基準となる時間である。指定時間(sec)は、例えば、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から、当該処理部により消費される電力量が、当該処理部が前記処理を正常に開始したことを示す所定の電力量に達した時点までの時間間隔を採用することができる。前記処理部が前記開始命令を受信した時点では、当該処理部が消費する電力量は、ゼロ又は制御回路が消費する電力量に近い値である。一方、前記処理部が前記処理を正常に開始した時点では、当該処理部が消費する電力量は、当該処理部が備えた駆動部が消費する電力量に相当し、前記制御回路による電力量と比較して、非常に大きい値である。よって、前記駆動部による電力量と前記制御回路による電力量との乖離を利用して、当該乖離が生じた時点から上述した指定時間を決定する。つまり、前記処理部が前記開始命令を受信した時点からの消費電力量を計測し、計測される電力量が急激に増加し、所定の電力量になった時点を前記処理部が前記処理を開始した時点とし、上述した指定時間を決定する。又、前記指定時間は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から当該処理部が正常に起動して所定の電力量を消費した時点までの応答時間と言い換えることが出来る。ユーザにより、前記指定時間は、マージンを含む値であっても構わない。基準電力量(Wh)は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を正常に完了した時点までに当該処理部が消費した電力量である。基準電力量標準偏差(Wh)は、統計的手法により前記基準電力量を測定した際に算出される標準偏差である。尚、指定時間と、基準電力量と、基準電力量標準偏差とは、処理部毎、又は処理毎に異なる値となる。
装置状態監視部102は、半導体製造装置108と上位ホストコンピュータ110と通信し、処理部に関するデータと、ウェーハに関するデータと、所定の処理部への処理の開始命令又は所定の処理部からの完了信号とを取得・受信するとともに、監視条件設定部101のデータを取得して、処理部による処理の実行の進捗状況と、ウェーハの処理の進捗状況とを監視する。
装置状態監視部102が、前記開始命令、前記完了信号、ウェーハの搬入、ウェーハの搬出等を検知すると、装置状態算出部103に、当該処理部が消費した電力量を計測させる。装置状態算出部103が計測する電力量の始期は、前記処理部が開始命令を受信した時点、又は前記処理部にウェーハが搬入された時点となる。前記電力量の終期は、前記処理部から完了信号が送信された時点、前記処理部が所定の処理を完了した時点、または前記処理部にウェーハが搬出された時点となる。
装置状態監視部102が、例えば、前記開始命令を検知すると、装置状態算出部103は、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から所定の指定時間を超過した時点までに当該処理部が消費した電力量(以下、初期電力量とする)を計測する。一方、装置状態監視部102が、例えば、前記完了信号を検知すると、装置状態算出部103は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から当該処理を完了した時点までに当該処理部が消費した電力量(以下、終期電力量とする)を計測する。
又、装置状態監視部102が、前記開始命令、前記完了信号、ウェーハの搬入、ウェーハの搬出等を検知すると、異常検知部104に、当該処理部の異常の有無を判定させる。異常検知部104が判定する異常は、装置状態監視部102の検知した対象に応じて異なる。
装置状態監視部102が前記開始命令又はウェーハの搬入を検知すると、異常検知部104は、当該処理部の処理部異常の有無を判定する。一方、装置状態監視部102が前記完了信号又はウェーハの搬出を検知すると、異常検知部104は、当該処理部のレシピ異常の有無を判定する。
処理部異常又はレシピ異常の有無の判定は、前記異常検知部104により、装置状態算出部103が計測した初期電力量又は終期電力量のデータと、監視条件設定部101のデータとに基づいて実行される(後述する)。
判定の結果、前記処理部に異常が発生した場合、異常検知部104からの通知を受けて、異常通知部105が、当該異常を半導体製造装置又は上位ホストコンピュータ110に通知するとともに、処理部状態遷移部106又はレシピ状態遷移部107に、ウェーハに対して所定の処理を実行させる。
当該処置は、異常の種類に応じて異なる。処理部異常が有ると判定された場合、当該処理部異常が発生した処理部内のウェーハは未処理であるから、異常通知部105は、処理部状態遷移部106を介して、当該ウェーハを、未処理ウェーハが格納される所定の場所に退避させる。一方、レシピ異常が有ると判定された場合、当該レシピ異常が発生した処理部内のウェーハは、既に処理を施されているから、異常通知部105は、レシピ状態遷移部107を介して、当該ウェーハを、欠陥ウェーハが格納される所定の場所に退避させる。
このようにして、監視条件設定部101と、装置状態監視部102と、装置状態算出部103と、異常検知部104と、異常通知部105と、処理部状態遷移部106と、レシピ状態遷移部107が、前記開始命令、前記完了信号、ウェーハの搬入、ウェーハの搬出等に応じて、二種類の異常の有無を判定し、発生した異常に対応して、適切な処置を実行する。
尚、上述の構成において、監視条件設定部101は、ハードディスク等の記憶手段により構成することができる。又、装置状態監視部102と、装置状態算出部103と、異常検知部104と、異常通知部105と、処理部状態遷移部106と、レシピ状態遷移部107は、例えば、専用の演算回路、或いはプロセッサとRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリを備えたハードウエアおよび当該メモリに格納され、プロセッサ上で動作するソフトウエア等として実現することができる。
次に図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る異常検知装置100が、半導体製造装置108に備えられた処理部に発生した異常を適切に検知する手順について説明する。図2は、本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
以下では、例えば、第一の半導体製造装置108aに設けられた第一の処理部108a1について異常検知装置100が異常を適切に検知する手順について説明するが、第一の処理部108a1以外の処理部についても同様である。
まず、第一の半導体製造装置108aに対して、所定数Nのウェーハが格納されたポッドが搬入されると、第一の半導体製造装置108aに予め備えられたポッド検知部(図示せず)が、ポッドの搬入を検知する。ポッドの搬入が検知されると、異常検知装置100の装置状態監視部102が、搬入されたポッドについて、ロット情報を取得する(図2:S201)。尚、ロット情報は、ロットID、ロットに属するウェーハ枚数(ロットサイズともいう)、ロットIDに属するウェーハID、レシピID、装置ID、装置IDに属する処理部ID、処理部IDに属する処理ID等が該当する。
ロット情報を取得した装置状態監視部102は、当該ロット情報に基づいて処理状態収集テーブルを作成して、装置状態監視部102に備えられた処理状態記憶部(図示せず)に記憶する(図2:S202)。
図3は、処理状態記憶部に記憶された処理状態収集テーブル300の一例を示す図である。
処理状態収集テーブル300には、図3に示すように、装置ID301と、ウェーハID302と、レシピID303と、処理部ID304と、処理ID305と、処理の状態を示す情報306(以下、処理状態情報とする)とが関連付けて記憶されている。装置ID301には、例えば、第一の半導体製造装置108aの名称である「装置A」等が記憶される。ウェーハID302は、例えば、「A-i」(i=1〜N:Nは、ポッド内に格納されたウェーハの数)等が記憶される。レシピID303には、例えば、「R-i」(i=1〜N)等が記憶される。処理部ID304には、例えば、当該「装置A」に属する処理部を示す「M-A-j」(j=1〜L:Lは、第一の半導体製造装置108a内に存在する処理部の数)等が記憶される。処理ID305には、例えば、処理部ID「M-A-j」に属する処理を示す「S-j-k」(j=1〜L、k=1〜S:Sは、処理部ID「M-A-j」の処理部で実行される処理の数)等が記憶される。尚、以下では、便宜上、所定数Lの処理部が、全て同数の処理を実行するよう記載されるが、所定数Lの処理部が、それぞれ異なる数の処理を実行するよう構成されても構わない。
又、装置状態監視部102が処理状態収集テーブル300を作成した時点では、全ての処理状態情報306に対して、ウェーハが処理部に搬入されていない状態又は処理部が所定の処理を開始していない状態を示す「未」307が記憶される。当該処理状態情報306は、装置状態監視部102により所定の情報に書き換えられる(後述する)。
装置状態監視部102が処理状態収集テーブル300を作成すると、装置ID301と、レシピID303と、処理部ID304と、処理ID305等の監視情報を装置状態算出部103に送信する。当該監視情報を受信した装置状態算出部103は、監視条件設定部101に予め記憶されている監視条件設定テーブルを参照して、当該監視情報に基づいて決定される基準値(指定時間、基準電力量、基準電力量標準偏差)を取得する。
図4は、監視条件設定部101に記憶された監視条件設定テーブル400の一例を示す図である。
監視条件設定テーブル400には、図4に示すように、装置ID401と、レシピID402と、処理部ID403と、処理ID404と、指定時間405と、基準電力量406と、基準電力量標準偏差407とが関連付けて記憶されている。ここで、指定時間「T-j-k」(j=1〜L、k=1〜S)と、基準電力量「W-j-k」(j=1〜L、k=1〜S)と、基準電力量標準偏差「H-j-k」(j=1〜L、k=1〜S)は、それぞれ固有の値である。
本実施形態では、例えば、装置状態算出部103が、監視条件設定テーブル400のうち、処理部ID「M-A-j」の処理部で実行される処理の処理ID「S-j-k」毎に、指定時間「T-j-k」と、基準電力量「W-j-k」と、基準電力量標準偏差「H-j-k」とを取得する。
次に、装置状態算出部103は、取得した基準電力量「W-j-k」と、基準電力量標準偏差「H-j-k」とに基づいて、基準電力量最小値「W-MIN-j-k」(%)(j=1〜L、k=1〜S)と、基準電力量最大値「W-MAX-j-k」(%)(j=1〜L、k=1〜S)を算出する。
ここで、処理ID「S-j-k」に対する基準電力量最小値「W-MIN-j-k」(%)と、基準電力量最大値「W-MAX-j-k」(%)は、それぞれ次式のように与えられる。
「W-MIN-j-k」=(「W-j-k」−「H-j-k」)/「W-j-k」×100 ・・・(1)
「W-MAX-j-k」=(「W-j-k」+「H-j-k」)/「W-j-k」×100 ・・・(2)
尚、前記関係式(1)、関係式(2)は、装置状態算出部103に備えられた関係式記憶部(図示せず)に予め記憶されている。
装置状態算出部103は、処理ID「S-j-k」に対する基準電力量最小値「W-MIN-j-k」と、基準電力量最大値「W-MAX-j-k」とを算出すると、算出した基準電力量最小値「W-MIN-j-k」と、基準電力量最大値「W-MAX-j-k」と、処理ID「S-j-k」と、先ほど取得した指定時間「T-j-k」とに基づいて、パラメータテーブルを作成して、装置状態算出部103に備えられたパラメータ記憶部(図示せず)に記憶する(図2:S203)。
図5は、パラメータ記憶部に記憶されたパラメータテーブル500の一例を示す図である。
パラメータテーブル500には、図5に示すように、処理部ID501と、処理ID502と、指定時間503と、基準電力量最小値504と、基準電力量最大値505とが関連付けて記憶されている。
装置状態算出部103がパラメータテーブル500を作成すると、当該パラメータテーブル500の作成完了の信号を装置状態監視部102に送信し、装置状態監視部102又は異常検知部104からの命令を受信するまで待機する。
当該作成完了の信号を受信した装置状態監視部102は、第一の半導体製造装置108aに属する所定の処理部108aj(j=1〜L)への処理の開始命令、所定の処理部108ajからの処理の完了信号、所定の処理部108ajへのウェーハの搬入、所定の処理部108ajからのウェーハの搬出等を検知することにより、第一の半導体製造装置108aを監視する。
さて、第一の半導体製造装置108aに備えられた搬送アームが、搬入されたポッドから最初に処理すべきウェーハを取り出し、最初の処理部である第一の処理部108a1に当該ウェーハを搬入する。例えば、最初に処理されるウェーハのウェーハIDを「A-1」とし、第一の処理部108a1の処理部IDを「M-A-1」とする。
最初のウェーハが第一の処理部108a1に搬入されると、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110が、第一の処理部108a1へのウェーハの搬入を検知して、第一の処理部108a1に最初の処理ID「S-1-1」の処理の開始命令Aを送信する。第一の処理部108a1へのウェーハの搬入は、予め第一の処理部108a1内に備えられたセンサの検知信号により検知される。第一の処理部108a1からのウェーハの搬出も同様である。
第一の半導体製造装置108aを監視していた装置状態監視部102は、第一の処理部108a1に送信された処理ID「S-1-1」の処理の開始命令Aを検知する(図2:S204)。
装置状態監視部102が当該開始命令Aを検知すると、先ほど作成した処理状態収集テーブル300のうち、処理ID「S-1-1」に関連付けられた処理状態情報「未」の書き換えを実行する(図2:S205)。
図3には、装置状態監視部102による書き換えが実行される前の処理状態収集テーブル300を、図6には、装置状態監視部102による書き換えが実行された後の処理状態収集テーブル300を示している。
図6Aに示すように、装置状態監視部102が、処理状態収集テーブル300のうち、第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」601と、処理ID「S-1-1」602とから特定される処理状態情報「未」を「処理中」603に書き換える。尚、処理状態情報「処理中」は、ウェーハが処理部に搬入された状態又はウェーハに対して処理部が所定の処理を実行している状態を示す情報である。又、「処理中」603を書き換える際に、装置状態監視部102が、処理部IDと、処理IDとに加えて装置IDと、ウェーハIDと、レシピIDとに基づいて処理状態情報を特定しても構わない。
装置状態監視部102が、処理状態収集テーブル300の書き換えを完了すると、装置状態算出部103に、第一の処理部108a1が当該開始命令Aを受信した時点から第一の処理部108a1が消費する電力量の計測を開始させる旨の計測開始命令Aを送信する。当該計測開始命令Aを受信した装置状態算出部103は、第一の処理部108a1と通信し、第一の処理部108a1が消費する電力量の計測を開始する。
例えば、前記開始命令Aを受信した第一の処理部108a1は、処理ID「S-1-1」に要する所定の電力の供給を図示しない所定の電力供給手段から受けて当該電力の消費を開始するが、装置状態算出部103は、第一の処理部108a1と通信して、消費する電力を検知し、第一の処理部108a1が前記開始命令Aを受信した時点からの電力量の計測を開始する。
ところで、装置状態監視部102は、前記計測開始命令Aを装置状態算出部103に送信すると同時に、異常検知部104に、最初の処理を実行する第一の処理部108a1の処理部異常の有無を判定させる旨の判定命令(監視開始トリガA)を送信する。当該監視開始トリガAを受信した異常検知部104は、処理部異常の有無の判定を開始する(図2:S206)。
まず、異常検知部104は、装置状態算出部103が作成したパラメータテーブル500から、処理部ID「M-A-1」と、処理ID「S-1-1」とから特定される指定時間「T-1-1」を取得する。更に、異常検知部104は、監視開始トリガAを受信した時点からの経過時間の計測を開始する。この経過時間は、第一の処理部108a1が処理ID「S-1-1」の処理の開始命令Aを受信した時点からの経過時間に対応する。
経過時間の計測を開始した異常検知部104は、経過時間と指定時間「T-1-1」とを比較しながら、当該経過時間が指定時間「T-1-1」を超過するまで、待機する。
経過時間が前記指定時間「T-1-1」を超過すると、異常検知部104が、装置状態算出部103に、初期電力量を計測させる旨の初期電力量計測命令Aを送信する。
当該初期電力量計測命令Aを受信した装置状態算出部103は、第一の処理部108a1が前記開始命令Aを受信した時点から装置状態算出部103が当該初期電力量計測命令Aを受信した時点までに第一の処理部108a1が消費した初期電力量「Ps-1-1」(Wh)を計測する。装置状態算出部103が初期電力量を計測する場合、計測された電力量そのままの値でもよいし、以下で説明する判定量を算出してもよい。
判定量「WP-j-k」(%)(j=1〜L、k=1〜S)は、装置状態算出部103が計測した電力量「P-j-k」(Wh)(j=1〜L、k=1〜S)と、基準電力量「W-j-k」(Wh)(j=1〜L、k=1〜S)とに基づいて算出される値である。前記判定電力量「WP-j-k」(%)は、次式のように与えられる。
「WP-j-k」=「P-j-k」/「W-j-k」×100 ・・・(3)
尚、前記関係式(3)は、装置状態算出部103に備えられた関係式記憶部に予め記憶されている。当該電力量「P-j-k」に、初期電力量「Ps-1-1」を代入すれば、初期判定量「WPs-j-k」となり、後述する終期電力量「Pe-1-1」を代入すれば、終期判定量「WPe-j-k」となる。
装置状態算出部103は、前記関係式(3)に初期電力量「Ps-1-1」(Wh)と基準電力量「W-1-1」(Wh)とを代入して、初期判定量「WPs-1-1」(%)を算出する。装置状態算出部103が初期判定量「WPs-1-1」を算出すると、初期判定量「WP-1-1」を異常検知部104に送信する。異常検知部104は、受信した初期判定量「WP-1-1」が、ゼロを下限値とする所定の初期範囲に属するか否かを判定する(図2:S207)。
初期判定量が所定の初期範囲に属するか否かを判定する方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
異常検知部104が、初期判定量と、下限値であるゼロとを比較し、両者の大小関係を決定する。更に、異常検知部104が、初期判定量と、所定の初期範囲の上限値とを比較し、両者の大小関係を決定する。決定された大小関係に基づいて、初期判定量が、ゼロと上限値との間に含まれる場合、異常検知部104は、初期判定量が、ゼロを下限値とする所定の初期範囲に属すると判定する。尚、所定の初期範囲の上限値は、ユーザにより適宜設計変更可能で、第一の処理部108a1に関する応答時間の実績値や初期消費電力量の実績値等に基づいて決定される。
初期判定量が、所定の初期範囲に属する場合、何らかの原因により処理部が全く動作しないダンマリ状態異常が発生し、第一の処理部108a1が所定の電力量を消費しないことに対応するから、第一の処理部108a1に処理部異常が発生したことになる。そのため、異常検知部104は、第一の処理部108a1で処理部異常が有ると判定する(図2:S207NO)。
異常検知部104が、処理部異常により第一の処理部108a1が正常に処理を開始していないと判定すると、当該処理部異常と第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」等を異常通知部105に通知する(図2:S208)。
処理部異常の通知を受信した異常通知部105は、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110に対して処理部異常が発生したことを通知し、例えば、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110に備えられた表示部に、処理部異常と、当該処理部異常が発生した第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」と、ウェーハID「A-1」、処理ID「S-1-1」を表示させる。更に、異常通知部105が、処理部ID「M-A-1」が属する装置ID「装置A」と、処理ID「S-1-1」が属するレシピID「R-1」とを前記表示部に表示させても構わない。尚、異常通知部105は、前記表示部に通知内容を表示させるとともに、警告メッセージを発声させたり、警告ランプを発光させたりして、ユーザに通知内容を通知するよう構成しても構わない。
ところで、処理部異常の通知を受信した異常通知部105は、前記表示部に通知内容を通知すると同時に、処理部状態遷移部106に、第一の処理部108a1で実行される予定のある処理又はウェーハの搬送を禁止させるよう指示する。当該処理部状態遷移部106は、第一の処理部108a1を処理不可の状態へ遷移させる(図2:S209)。
処理部状態遷移部106が第一の処理部108a1を処理不可の状態へ遷移させる場合、例えば、処理部状態遷移部106が、第一の処理部108a1内に搬入されたウェーハを、未処理ウェーハが格納される所定の未処理ウェーハ保持場所へ退避させる。更に、処理部状態遷移部106が、例えば、退避させたウェーハのウェーハID「A-1」を取得して、当該ウェーハID「A-1」から後続に処理されるウェーハID「A-2」等を特定し、それらのウェーハIDのウェーハを第一の処理部108a1で処理させないように、第一の処理部108a1への後続のウェーハの搬送を停止させる。
一方、初期判定量が、所定の初期範囲に属しない場合、異常検知部104は、第一の処理部108a1に処理部異常が発生していないと判定する(図2:S207YES)。第一の処理部108a1で異常が無いと判定されると、異常検知部104は待機状態となる。
このようにして、処理部により消費される初期電力量と、指定時間とに基づいて、処理部異常の有無を判定することが可能となるとともに、当該処理部異常が発生した処理部を特定することが可能となる。更に、処理部状態遷移部106により処理部異常が発生した処理部内の未処理ウェーハを所定の未処理ウェーハ保持場所へ退避させ、適切な処置を実行させることが可能となる。
異常検知部104が待機状態となる一方、第一の処理部108a1は、処理ID「S-1-1」の処理を継続して実行する。この際、装置状態算出部103は、第一の処理部108a1が消費する電力量を継続して計測するとともに、装置状態監視部102は、第一の処理部108a1を継続して監視する。
さて、第一の処理部108a1が処理ID「S-1-1」の処理を完了すると、第一の処理部108a1を監視している装置状態監視部102が、第一の処理部108a1による処理ID「S-1-1」の処理の完了を検知する(図2:S210)。
装置状態監視部102が、第一の処理部108a1による処理の完了を検知する方法は、どのような方法でも構わない。例えば、処理ID「S-1-1」の処理が完了すると、第一の処理部108a1が処理ID「S-1-1」の処理の完了信号を第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110に送信するよう構成し、装置状態監視部102が、第一の処理部108a1、第一の半導体製造装置108a、上位ホストコンピュータ110のいずれかから当該完了信号を検知するよう構成する方法が挙げられる。又、装置状態監視部102が、第一の処理部108a1と通信し、処理ID「S-1-1」の処理の完了を検知するよう構成しても構わない。
装置状態監視部102は、処理ID「S-1-1」の処理の完了を検知すると、処置状態収集テーブル300のうち、処理ID「S-1-1」に対応する処理状態情報「処理中」606の書き換えを実行する(図2:S211)。
処理の完了時に、装置状態監視部102が処理状態収集テーブルの書き換えを実行する場合、装置状態監視部102が、装置状態算出部103に、終期電力量を計測させる旨の終期電力量計測命令Aを送信する。当該終期電力量計測命令Aを受信した装置状態算出部103は、第一の処理部108a1が前記開始命令Aを受信した時点から処理ID「S-1-1」の処理を完了した時点までに第一の処理部108a1が消費した終期電力量「Pe-1-1」(Wh)(例えば、「10Wh」)を計測する。
装置状態監視部102は、計測された終期電力量を装置状態算出部103から取得し、図6Aに示す処理状態収集テーブル300のうち、第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」601と、処理ID「S-1-1」602とから特定される処理状態情報「処理中」603を、終期電力量「10Wh」604に書き換える(図6B)。
装置状態監視部102が、処理状態収集テーブル300の書き換えを完了すると、異常検知部104に、第一の処理部108a1のレシピ異常の有無を判定する旨の判定命令(監視終了トリガA)を送信する。当該監視終了トリガAを受信した異常検知部104は、レシピ異常の有無の判定を開始する(図2:S212)。
異常検知部104は、装置状態算出部103のパラメータテーブル500から、処理部ID「M-A-1」と、処理ID「S-1-1」とから特定される基準電力量最小値「W-MIN-1-1」(%)と、基準電力量最大値「W-MAX-1-1」(%)とを取得する。更に、異常検知部104は、装置状態算出部103に、前記関係式(3)に終期電力量「Pe-1-1」と基準電力量「W-1-1」とを代入して算出される終期判定量「WPe-1-1」を算出させる旨の終期判定量算出命令Aを送信する。
当該終期判定量算出命令Aを受信した装置状態算出部103は、前記関係式(3)に終期電力量である「10Wh」(Wh)と基準電力量「W-1-1」(Wh)とを代入して、終期判定量「WPe-1-1」(%)を算出する。異常検知部104は、装置状態算出部103から終期判定量「WPe-1-1」を取得し、終期判定量が、基準電力量最小値と基準電力量最大値との間に含まれるか否かを判定する(図2:S213)。
終期判定量が基準電力量最小値と基準電力量最大値との間に含まれるか否かを判定する方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
異常検知部104が、終期判定量と、基準電力量最小値とを比較し、両者の大小関係を決定する。更に、異常検知部104が、終期判定量と、基準電力量最大値とを比較し、両者の大小関係を決定する。決定された大小関係に基づいて、異常検知部104は、終期判定量が、基準電力量最小値と基準電力量最大値との間に含まれるか否かを判定する。
当該判定を採用すると、処理部が処理を正常に完了したにも関わらず、例えば、保守作業における処理部への新たな部材交換、処理部の部材の老朽化等により、処理部が消費する終期電力量が基準電力量に対して聊か低くなる場合や聊か高くなる場合であっても、異常検知部104が、レシピ異常が発生したと誤って判定することなく、レシピ異常の発生の多発を防止することが可能となる。
終期判定量が、基準電力量最小値と基準電力量最大値との間に含まれない場合、処理部が完了した処理に、ユーザにより設定された設定値と、処理部により実行された実績値との間で乖離があったことに対応するから、第一の処理部108a1にレシピ異常が発生したことになる。そのため、異常検知部104は、第一の処理部108a1でレシピ異常が有ると判定する(図2:S213NO)。
異常検知部104が、レシピ異常により第一の処理部108a1が正常に処理を完了していないと判定すると、当該レシピ異常と第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」等を異常通知部105に通知する(図2:S214)。
レシピ異常の通知を受信した異常通知部105は、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110に対してレシピ異常が発生したことを通知し、例えば、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110に備えられた表示部に、レシピ異常と、当該レシピ異常が発生した第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」と、ウェーハID「A-1」、処理ID「S-1-1」を表示させる。
又、レシピ異常の通知を受信した異常通知部105は、前記表示部に通知内容を通知すると同時に、レシピ状態遷移部107に、当該処理部で実行される予定のある処理又はウェーハの搬送を禁止させるよう指示する。当該レシピ状態遷移部107は、第一の処理部108a1を処理不可の状態へ遷移させる(図2:S215)。
レシピ状態遷移部107が処理部を処理不可の状態へ遷移させる場合、例えば、レシピ状態遷移部107が、第一の処理部108a1内に搬入されたウェーハを、欠陥ウェーハが格納される所定の欠陥ウェーハ保持場所へ退避させる。更に、レシピ状態遷移部107が、例えば、退避させたウェーハのウェーハID「A-1」を取得して、当該ウェーハID「A-1」から後続に処理されるウェーハID「A-2」等を特定し、それらのウェーハIDのウェーハを第一の処理部108a1で処理させないように、第一の処理部108a1への後続のウェーハの搬送を停止させる。このような処置は、処理部状態遷移部106と同様である。
このようにして、処理部により消費された終期電力量と、基準電力量とに基づいて、レシピ異常の有無を判定することが可能となるとともに、当該レシピ異常が発生した処理部を特定することが可能となる。更に、レシピ状態遷移部107によりレシピ異常が発生した処理部内の欠陥ウェーハを所定の欠陥ウェーハ保持場所へ退避させ、適切な処置を実行させることが可能となる。
一方、終期判定量が、基準電力量最小値と基準電力量最大値との間に含まれる場合、異常検知部104は、第一の処理部108a1にレシピ異常が発生していないと判定する(図2:S213YES)。異常検知部104が、レシピ異常が無いと判定すると、処理ID「S-1-1」の処理に関する判定処理を完了する。
ところで、第一の処理部108a1が継続して処理を実行する場合、異常検知装置100は、上述したS204からS215までの処理を繰り返すことになる(図2:S216NO)。
例えば、第一の処理部108a1が、処理ID「S-1-1」の処理の完了信号を第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110に送信すると、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110が、処理ID「S-1-1」に関連付けられたレシピID「R-1」を特定して、処理ID「S-1-1」の次の処理ID「S-1-2」を特定する。更に、第一の半導体製造装置108a又は上位ホストコンピュータ110が、第一の処理部108a1に処理ID「S-1-2」の処理の開始命令Bを送信する。第一の半導体製造装置108aを監視していた装置状態監視部102が、処理ID「S-1-2」の処理の開始命令Bを検知する(図2:S204)。
装置状態監視部102が、処理ID「S-1-2」の処理の開始命令Bを検知すると、処理状態収集テーブル300のうち、処理ID「S-1-2」に対応する処理状態情報「未」の書き換えを実行する(図2:S205)。
図6Bに示すように、装置状態監視部102が、図6Bに示す処理状態収集テーブル300のうち、第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」601と、処理ID「S-1-2」602とから特定される処理状態情報「未」605を「処理中」606に書き換える(図6C)。
更に、装置状態監視部102は、装置状態算出部103に、第一の処理部108a1が前記開始命令Bを受信した時点から第一の処理部108a1が消費する電力量の計測を開始させる旨の計測開始命令Bを送信する。当該計測開始命令Bを受信した装置状態算出部103は、第一の処理部108a1が前記開始命令Bを受信した時点からの第一の処理部108a1が消費する電力量を計測する。尚、処理ID「S-1-2」の処理に対応する電力量を計測する際に、装置状態算出部103が、処理ID「S-1-1」の処理に対応する電力量のデータをリセットしても構わない。
装置状態監視部102は、前記計測開始命令Bを装置状態算出部103に送信すると同時に、異常検知部104に監視開始トリガBを送信する。監視開始トリガBを受信した異常検知部104は、処理部異常の有無の判定を開始する(図2:S206)。
当該判定の手順は、上述したS207からS215までに対応する処理となるため、割愛する。
さて、第一の処理部108a1に処理部異常及びレシピ異常が発生することなく、第一の処理部108a1が、レシピID「R-1」のうち、最後の処理ID「S-1-S」までの処理を完了すると、第一の半導体製造装置108aを監視している装置状態監視部102が、第一の処理部108a1による処理ID「S-1-S」の処理の完了を検知する(図2:S210)。
装置状態監視部102は、処理ID「S-1-S」の処理の完了を検知すると、処理状態収集テーブル300のうち、処理ID「S-1-S」に対応する処理状態情報「処理中」の書き換えを実行する(図2:S211)。
処理の完了時に、装置状態監視部102が、装置状態算出部103に、終期電力量計測命令Zを送信する。当該終期電力量計測命令Zを受信した装置状態算出部103は、第一の処理部108a1が処理ID「S-1-S」の処理の開始命令Zを受信した時点から処理ID「S-1-S」の処理を完了した時点までに第一の処理部108a1が消費した終期電力量(例えば、「20Wh」)を計測する。
装置状態監視部102は、計測された終期電力量を装置状態算出部103から取得し、処理状態収集テーブル300のうち、第一の処理部108a1の処理部ID「M-A-1」601と、処理ID「S-1-S」607とから特定される処理状態情報「処理中」を、図6Dに示す終期電力量「20Wh」608に書き換える。
次に、装置状態監視部102は異常検知部104に監視終了トリガZを送信し、当該異常検知部104は、レシピ異常の有無の判定を開始する(図2:S212)。
当該判定の手順は、上述したS213からS215までに対応する処理となるため、割愛する。
異常検知部104が、第一の処理部108a1が処理ID「S-1-S」の処理を正常に実行したと判定すると、第一の処理部108a1が実行する全ての処理に関する判定処理が完了する(図2:S216YES→END)。これにより、ウェーハID「A-1」に対する第一の処理部108a1の全ての処理(処理ID「S-1-1」〜「S-1-S」)について異常検知処理が完了する。
このように、本発明の異常検知方法は、前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する検知ステップと、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する計測ステップとを備える。更に、当該異常検知方法は、計測された電力量と、前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する判定ステップと、前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する通知ステップとを備える。
これにより、所定の処理部で消費される電力量と、所定の基準値とを利用して、当該処理部で発生した異常を検知することが可能となる。更に、処理部で消費される電力量を基準とするため、処理部毎、又は処理部が実行する処理毎に、処理部の異常の有無を検知することが可能となる。そのため、所定の処理部に異常が発生した場合、異常が発生した処理部や処理を特定することが可能となるとともに、当該処理部や当該処理をユーザに知らせることが可能となる。その結果、ユーザは、異常が発生した状況を容易に把握することが可能となり、異常発生状態のまま処理部が放置される可能性を排除し、半導体製造装置の稼働率の向上、半導体製造装置の停止時間の短縮を図ることが可能となる。尚、前記異常検知装置は、複数の半導体製造装置から構成される半導体製造ラインにも適用することが出来るため、半導体製造ライン全体に対するスループットの向上を図ることが可能となる。
又、前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を正常に完了した時点までに当該処理部が消費した基準電力量とすることが出来る。更に、前記判定ステップは、前記処理部が前記処理を完了した際に、当該処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を完了した時点までに計測された電力量が、前記基準電力量を含む所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属さない場合、当該処理部で異常が有ると判定するよう構成することが出来る。
これにより、処理開始から完了までに処理部が消費した電力量は、当該処理部が実行した処理条件(レシピ)に関連するため、基準電力量を利用して、処理部で発生した異常のうち、レシピ異常を特定することが可能となる。そのため、レシピ異常が発生した場合、ユーザに、レシピ異常が発生したことと、レシピ異常により処理部内のウェーハは既に処理済であることとを知らせることが可能となる。その結果、ユーザは、レシピ異常が発生した状況を適切に把握することが可能となり、レシピ異常の発生に応じた適切な処置を実行することが可能となる。
又、前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から、当該処理部により消費される電力量が、当該処理部が前記処理を正常に開始したことを示す所定の電力量に達した時点までの時間間隔である指定時間とすることが出来る。更に、前記判定ステップは、前記処理部が前記開始命令を受信した時点からの経過時間が前記指定時間を超過した際に、前記計測ステップにより計測される電力量が、ゼロを下限値とする所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属する場合、当該処理部で異常が有ると判定するよう構成することが出来る。
これにより、指定時間内に処理部が所定の電力量を消費したことは、当該処理部が正常に処理を開始したことに対応するため、指定時間を利用して、処理部で発生した異常のうち、処理部異常を特定することが可能となる。そのため、処理部異常が発生した場合、ユーザに、処理部異常が発生したことと、処理部異常により処理部内のウェーハは未だ処理されていないこととを知らせることが可能となる。その結果、ユーザは、処理部異常が発生した状況を適切に把握することが可能となり、処理部異常の発生に応じた適切な処置を実行することが可能となる。
又、前記通知ステップが、異常が発生した処理部の処理部IDと、当該処理部が実行した処理の処理IDと、当該処理部で処理されたウェーハのウェーハIDのいずれかを、処理部での異常の発生とともに、ユーザに対して通知するよう構成することができる。
これにより、処理部に異常が発生した場合、より具体的な異常の内容をユーザに対して通知することが可能となる。そのため、異常発生に対する迅速な対応をユーザに行わせることが可能となり、迅速な異常の解消を図ることが可能となるとともに、半導体製造装置全体に対するスループットの向上を図ることが可能となる。
又、本発明に係る異常検知方法を採用した異常検知装置においても、同一の作用効果を奏する。
又、前記処理部が、キャリアに格納されたウェーハを所定の処理部に搬入・搬出する搬送アームであっても、当該搬送アームは所定の電力量を消費するため、本発明に係る異常検知方法を採用することが出来る。尚、搬送アームに係る前記基準値は、前記搬送アームが前記ウェーハの搬送を正常に開始した時点から当該搬送を正常に完了した時点までに当該搬送アームが消費した基準電力量となる。
又、本発明では、異常検知部が、終期判定量が基準電力量最小値と基準電力量最大値との間に含まれるか否かを判定するよう構成したが、当該構成に代えて、終期電力量が基準電力量を含む所定の終期範囲に属するか否かを判定するよう構成しても構わない。
又、本発明の実施形態に係る異常検知方法又は異常検知装置は、半導体製造装置内で同時に所定の処理を実行する複数の処理部に対して、異常の発生を検知するよう構成されることが好ましい。
又、本発明の実施形態に係る異常検知方法又は異常検知装置では、所定の処理部内のウェーハ検知センサによる当該ウェーハの搬入の検知を、当該処理部による最初の処理の実行の開始の検知に対応させたが、当該処理部に対して従前の処理部による最後の処理の実行の完了の検知に対応させても構わない。
又、本発明の実施形態に係る異常検知方法又は異常検知装置では、装置状態監視部が処理状態収集テーブルの書き換えを完了すると、当該装置状態監視部が異常検知部に判定命令(監視開始トリガ又は監視終了トリガ)を送信するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、装置状態監視部が、前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知すると、異常検知部に監視開始トリガを送信するよう構成しても構わない。又、装置状態監視部が、前記処理部から送信された所定の処理の完了信号を検知すると、異常検知部に監視終了トリガを送信するよう構成しても構わない。更に、装置状態監視部による書き換え処理を省略しても構わない。
又、本発明の実施形態に係る異常検知方法又は異常検知装置では、装置状態監視部が処理状態収集テーブルの書き換えを実行する際に、当該処理状態収集テーブルの処理状態情報に終期電力量を記憶するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、装置状態監視部が処理状態収集テーブルの書き換えを実行する際に、装置状態算出部により算出された終期判定量を、当該処理状態収集テーブルの処理状態情報に記憶するよう構成しても構わない。
図7は、処理状態収集テーブルの処理状態情報のうち、終期電力量を終期判定量に変更した処理状態収集結果テーブル700の一例を示した図である。
図7に示すように、処理状態収集結果テーブル700には、装置ID701と、ウェーハID702と、レシピID703と、処理部ID704と、処理ID705と、処理状態情報706とが関連付けて記憶されることになるが、処理状態情報のうち、記憶される又は書き換えられる「未」と「処理中」は変更されることなく、終期電力量の値が終期判定量(例えば、「100%」、「90%」等)に変更されて記憶されていることが理解される。当該構成とすると、例えば、処理状態収集結果テーブルを視認したユーザは、処理の進捗状況を百分率で理解することが可能となるため、所定の処理の実行の進捗状況と所定の処理部に搬入・搬出したウェーハの処理の進捗状況を容易に把握することが可能となる。
又、本発明の実施形態に係る半導体製造装置では、上述した処理部が直列して配置されていない場合にも適用可能である。
又、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変形および応用が可能である。例えば、上記実施形態の処理部は、搬送装置と処理チャンバ等の複数の処理部から構成されていてもよい。
以上のように、本発明に係る半導体製造装置は、半導体製造装置の設備稼働率の低下、スループットの低下、設備の停止時間の増大等の抑制に有用であり、半導体製造装置に備えられた処理部に発生した異常を適切に検知することが可能な半導体製造装置の異常検知方法および異常検知装置として有効である。
本発明の実施形態における異常検知装置及び半導体製造システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態における実行手順を示すためのフローチャートである。 本発明の実施形態における処理状態収集テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態における監視条件設定テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態におけるパラメータテーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態において書き換えられた処理状態収集テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態における処理状態収集結果テーブルの一例を示した図である。
100 異常検知装置
101 監視条件設定部
102 装置状態監視部
103 装置状態算出部
104 異常検知部
105 異常通知部
106 処理部状態遷移部
107 レシピ状態遷移部
108 半導体製造装置
109 半導体製造ライン
110 上位ホストコンピュータ
111 ネットワーク回線

Claims (6)

  1. 半導体製造装置に備えられた処理部で発生した異常を検知する異常検知方法において、
    前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する検知ステップと、
    前記開始命令が検知されると、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する計測ステップと、
    計測された電力量と、前記処理部が前記処理を正常に実行した場合に当該処理部が消費した電力量により決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する判定ステップと、
    前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する通知ステップと、
    を有することを特徴とする異常検知方法。
  2. 前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を正常に完了した時点までに当該処理部が消費した基準電力量であり、
    前記判定ステップは、前記処理部が前記処理を完了した際に、当該処理部が前記開始命令を受信した時点から前記処理を完了した時点までに計測された電力量が、前記基準電力量を含む所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属さない場合、当該処理部で異常が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の異常検知方法。
  3. 前記基準値は、前記処理部が前記開始命令を受信した時点から、当該処理部により消費される電力量が、当該処理部が前記処理を正常に開始したことを示す所定の電力量に達した時点までの時間間隔である指定時間であり、
    前記判定ステップは、前記処理部が前記開始命令を受信した時点からの経過時間が前記指定時間を超過した際に、前記計測ステップにより計測される電力量が、ゼロを下限値とする所定の範囲に属するか否かを判定し、当該電力量が所定の範囲に属する場合、当該処理部で異常が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の異常検知方法。
  4. 前記処理部が、キャリアに格納されたウェーハを所定の処理部に搬入・搬出する搬送アームであり、
    前記基準値が、前記搬送アームが前記ウェーハの搬送を正常に開始した時点から当該搬送を正常に完了した時点までに当該搬送アームが消費した基準電力量である
    請求項2に記載の異常検知方法。
  5. 前記通知ステップが、異常が発生した処理部の処理部IDと、当該処理部が実行した処理の処理IDと、当該処理部で処理されたウェーハのウェーハIDのいずれかを、処理部での異常の発生とともに、ユーザに対して通知する
    請求項1に記載の異常検知方法。
  6. 半導体製造装置に備えられた処理部で発生した異常を検知する異常検知装置において、
    前記処理部に送信された所定の処理の開始命令を検知する装置状態監視部と、
    前記開始命令が検知されると、前記処理部が当該開始命令を受信した時点から当該処理部が消費した電力量を計測する装置状態算出部と、
    計測された電力量と、前記処理を正常に実行した前記処理部が消費した電力量より決定される基準値とに基づいて、当該処理部の異常の有無を判定する異常検知部と、
    前記処理部で異常が有ると判定された場合、当該処理部での異常の発生をユーザに対して通知する異常通知部と、
    を有することを特徴とする異常検知装置。
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