JP2010190562A - 冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置 - Google Patents

冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010190562A
JP2010190562A JP2009297263A JP2009297263A JP2010190562A JP 2010190562 A JP2010190562 A JP 2010190562A JP 2009297263 A JP2009297263 A JP 2009297263A JP 2009297263 A JP2009297263 A JP 2009297263A JP 2010190562 A JP2010190562 A JP 2010190562A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
refrigerant
tube
inner pipe
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009297263A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Sawara
伸宏 佐原
Shiro Koike
史朗 小池
Keiko Ryu
継紅 劉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2009297263A priority Critical patent/JP2010190562A/ja
Publication of JP2010190562A publication Critical patent/JP2010190562A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】誘導加熱によって発熱する部分を他の冷媒配管に対して接続する場合であっても、接続部分の強度を良好にすることが可能な冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置を提供する。
【解決手段】電磁誘導を利用して冷媒を加熱する冷媒加熱装置6であって、銅管51、磁性体管52およびコイル68を備えている。銅管51は、冷媒を通過させる。磁性体管52は、銅管51の径方向外側を覆っており、熱膨張係数が銅管51よりも小さく、磁性が銅管51よりも高い。コイル68は、磁性体管52の径方向外側近傍に配置されている。
【選択図】図13

Description

本発明は、冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置に関する。
冷凍サイクルを循環する冷媒を加熱するために、例えば、以下に示す特許文献1(特開2007−155259号公報)の装置では、電磁誘導によって磁性体を発熱させることで冷媒を加熱させる装置を提案している。
上述のような冷媒加熱装置では、冷媒配管に含まれている磁性体材料を、電磁誘導によって発熱させることで冷媒を加熱している。
しかし、冷媒配管に対して磁性体材料を含ませる具体的態様については全く検討されていない。
このため、例えば、磁性体材料を含んでいる冷媒配管部分の端部を、他の機器から延びている冷媒配管に対して接続する際に、両配管の相性が悪い場合には、当該接続部分の耐圧強度を良好にすることができないおそれがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、誘導加熱によって発熱する部分を他の冷媒配管に対して接続する場合であっても、接続部分の強度を良好にすることが可能な冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置を提供することにある。
第1発明に係る冷媒加熱装置は、電磁誘導を利用して冷媒を加熱する冷媒加熱装置であって、内側配管、外側配管およびコイルを備えている。内側配管は、冷媒を通過させる。外側配管は、内側配管の径方向外側を覆っており、熱膨張係数が内側配管よりも小さく、磁性が内側配管よりも高い。コイルは、外側配管の径方向外側近傍に配置されている。
この冷媒加熱装置では、冷媒を通過させる配管として適した材質の内側配管を、外側配管の材質とは別個に選んで採用することができる。このため、誘導加熱によって発熱する部分を他の冷媒配管に対して接続する場合であっても、接続部分の強度が良好になるような材質を選択することができる。そして、選択された内側配管の材質が、誘導加熱による発熱効果を十分に得られない場合であっても、内側配管とは別部材としての外側配管の材質を、内側配管よりも高い磁性とすることができ、冷媒加熱効果を上げることができる。そして、外側配管と内側配管とが電磁誘導加熱によって短時間の内に急激に昇温することがあっても、内側配管の方が外側配管よりも熱膨張係数が大きいので、急激な熱膨張が生じても、内側配管が外側配管に対してより密着性が向上する方向へ変化する。このため、加熱効率を良好にすることができ、電磁誘導による急激な加熱が要求される時の冷媒加熱効率を良好にすることができる。これにより、内側配管の端部を他の冷媒配管に接続した場合に接続部分の強度を良好にする材料を選択することができ、その場合であっても、誘導加熱による加熱効率を良好にすることが可能になる。
第2発明の冷媒加熱装置は、第1発明の冷媒加熱装置において、内側配管の外側表面と外側配管の内側表面とは、密着している。
この冷媒加熱装置では、内側配管よりも磁性の高い外側配管においては、誘導加熱によって内側配管よりも多くの熱が生じる。そして、ここでは、内側配管の外側表面と外側配管の内側表面とが密着しているため、外側配管で生じた熱が内側配管に伝わる効率を向上させることができる。これにより、内側配管を通過する冷媒を効率的に加熱することができるようになる。
第3発明の冷媒加熱装置は、第1発明または第2発明の冷媒加熱装置において、内側配管の外側表面と外側配管の内側表面とは、柔軟性伝熱性媒体を介して繋がっている。
この冷媒加熱装置では、内側配管よりも磁性の高い外側配管においては、誘導加熱によって内側配管よりも多くの熱が生じる。そして、ここでは、内側配管の外側表面と外側配管の内側表面とを密着させることが困難な形状や部分があっても、柔軟性伝熱性媒体を介して外側配管で生じた熱を内側配管へ効率的に伝えることが可能になっている。これにより、内側配管を通過する冷媒を効率的に加熱することができるようになる。
第4発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第3発明のいずれかの冷媒加熱装置において、電磁誘導を利用した加熱時における外側配管の単位時間当たりの温度上昇幅は、電磁誘導の利用を止めた際の外側配管の単位時間当たりの温度下降幅よりも大きい。
この冷媒加熱装置では、外側配管が電磁誘導により加熱されたとしても、内側配管の熱膨張係数が外側配管の熱膨張係数よりも大きいため、外側配管よりも内側配管の方が熱膨張によって径方向外側に向けて拡がろうとする傾向が強い。このため、内側配管の温度を上げようとする電磁誘導加熱時には、内側配管の外側表面と外側配管の内側表面とはより密着しようとする変形が生じ、外側配管で生じた熱が内側配管に伝わりやすい。さらに、外側配管の電磁誘導による加熱が止められた場合の温度下降幅は、電磁誘導による加熱時の温度上昇幅よりも小さいため、周囲温度等によって緩やかに温度が低下していき、内側配管の収縮も緩やかに行われる。したがって、内側配管の外側表面と外側配管の内側表面との剥離が生じにくい。このため、電磁誘導加熱時における内側配管の加熱の効率化と、電磁誘導加熱停止時における内側配管と外側配管との乖離の程度抑制とを、同時に実現させることが可能になる。
第5発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第4発明のいずれかの冷媒加熱装置において、内側配管と外側配管とは、内側配管および外側配管が有している残留応力もしくは外側配管のみが有している残留応力によって、径方向に互いに押し合っている。この内側配管と外側配管とが径方向に互いに押し合っている状況としては、例えば、内側配管が自己の残留応力により、径方向内側に戻ろうとする変位よりも、外側配管が自己の残留応力によって径方向内側に戻ろうとする変位の方が大きい場合が含まれる。また、内側配管と外側配管とが径方向に互いに押し合っている状況としては、例えば、内側配管には径方向内側に戻ろうとする変位が無いかもしくは実質的にほとんど無い状態であって、外側配管が自己の残留応力によって径方向内側に戻ろうとしている場合等も含まれる。
この冷媒加熱装置では、内側配管と外側配管とは、単に近接して配置されているのではなく、互いに径方向に押し合った状態で配置されているため、電磁誘導加熱によって外側配管に生じた熱をより効率的に内側配管に伝えることができるようになる。
第6発明の冷媒加熱装置は、第5発明の冷媒加熱装置において、外側配管は、塑性変形状態であって、内側配管を外側から押す方向の残留応力を有している。
この冷媒加熱装置では、外側配管が塑性変形の状態にある場合には、電磁誘導加熱を行って温度上昇させた後に電磁誘導加熱を止めて温度低下させることを繰り返したとしても、内側配管との配置関係を保つように維持することが可能になる。
第7発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第6発明のいずれかの冷媒加熱装置において、電磁誘導を生じさせるためのコイルに対する電力の供給を、残留応力を消滅させない範囲で行う制御部をさらに備えている。
この冷媒加熱装置では、電磁誘導加熱による温度上昇によって残留応力が消滅することを回避することが可能になる。
第8発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第7発明のいずれかの冷媒加熱装置において、内側配管の長手方向における両端部は、いずれも、外側配管の長手方向における両端部の外側に位置している。
この冷媒加熱装置では、内側配管の長手方向における両端部のいずれもが、外側配管における長手方向の両端部の外側に位置している。このため、内側配管の両端部を介して接続対象となる他の配管に接続させることにより、他の配管と内側配管と外側配管とをまとめることが可能になる。
なお、仮に、接続対象となる他の配管の材質が内側配管の材質と同じ場合には、接続させた後の強度を良好にすることが可能になり、溶接等も容易になる。
第9発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第8発明のいずれかの冷媒加熱装置において、内側配管は、径方向の厚みが0.2mm以上であり、外側配管は、径方向の厚みが0.2mm以上である。
この冷媒加熱装置では、内側配管と外側配管とが0.2mm以上の厚みを有している場合であっても、熱変形による内側配管と外側配管との乖離の程度を小さく抑えることが可能になる。
第10発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第9発明のいずれかの冷媒加熱装置において、内側配管の熱伝導率は、外側配管の熱伝導率よりも高い。
冷媒加熱装置において、外側配管としては、内側配管よりも磁性が高いものを採用しているため、同時に熱伝導率についても内側配管よりも高い素材を選ぶことが困難になったりコストが高くなったりすることがある。
これに対して、ここでは、外側配管よりも高い磁性が要求されない内側配管において、熱伝導率が外側配管よりも高いものを採用することで、電磁誘導加熱によって外側配管で生じた熱を冷媒に効率よく伝えることが可能になる。
第11発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第10発明のいずれかの冷媒加熱装置において、コイルの軸方向と、外側配管の軸方向とは、略同一方向である。
この冷媒加熱装置では、電磁誘導によって外側配管に効率よく渦電流を生じさせることができるようになり、加熱効率を良好にすることができる。
第12発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第11発明のいずれかの冷媒加熱装置において、内側配管は、銅管である。
この冷媒加熱装置では、銅管は、コイルと外側配管との間には存在していないため、コイルに電流が供給されて外側配管に渦電流を生じさせるための磁力線は、銅管によって遮られることが無い。これにより、電磁誘導により生じる磁束を外側配管まで確実に到達させることが可能になる。
第13発明の冷媒加熱装置は、第1発明から第12発明のいずれかの冷媒加熱装置において、外側配管は、強磁性体材料を含有する金属配管である。
この冷媒加熱装置では、電磁誘導によって外部配管において効率的に渦電流を生じさせることが可能になる。
第14発明の空気調和装置は、室内熱交換器、膨張機構、室外熱交換器、圧縮機構、および、第1発明から第13発明のいずれかの冷媒加熱装置を備えている。冷媒加熱装置の内側配管は、圧縮機構の吸入側から室内熱交換器もしくは室外熱交換器まで延びる冷媒連絡配管の一部を構成している。冷媒連絡配管のうち内側配管以外の部分と内側配管とは、同一の金属組成である。
この空気調和装置では、圧縮機構の負荷を小さく抑えることが可能になる。
第15発明の冷媒加熱装置の製造方法は、電磁誘導を利用して冷媒を加熱する冷媒加熱装置の製造方法であって、配管配置ステップ、第1押し拡げステップ、第2押し拡げステップおよびコイル配置ステップを備えている。配管配置ステップは、冷媒を通過させる内側配管の外径よりも大きな内径を有しており、熱膨張係数が内側配管の熱膨張係数よりも小さく、内側配管よりも高い磁性を有している外側配管を、内側配管の外側に配置する。第1押し拡げステップは、外側配管の内側に配置されている内側配管の内面を内側配管の径方向外側に向けて押すことにより、内側配管の外面を外側配管の内面に当てる。第2押し拡げステップは、内側配管の内面を内側配管の径方向外側に向けて押すことにより、内側配管を塑性変形させつつ、外側配管を弾性変形および塑性変形させた状態、外側配管を弾性変形させた状態、および、外側配管を塑性変形させた状態のいずれかの状態で、内側配管の内面に対する内側配管の径方向外側向きの力の付与を解除する。コイル配置ステップは、外側配管の径方向外側近傍にコイルを配置する。
ここでは、冷媒を通過させる配管として適した材質の内側配管を、外側配管の材質とは別個に選んで採用することができる。このため、誘導加熱によって発熱する部分を他の冷媒配管に対して接続する場合であっても、接続部分の強度が良好になるような材質を選択することができる。そして、選択された内側配管の材質が、誘導加熱による発熱効果を十分に得られない場合であっても、内側配管とは別部材としての外側配管の材質を、内側配管よりも高い磁性とすることができ、冷媒加熱効果を上げることができる。そして、外側配管と内側配管とが電磁誘導加熱によって短時間の内に急激に昇温することがあっても、内側配管のほうが外側配管よりも熱膨張係数が大きいので、急激な熱膨張が生じても、内側配管が外側配管に対してより密着性が向上する方向へ変化する。このため、加熱効率を良好にすることができ、電磁誘導による急激な加熱が要求される時の冷媒加熱効率を良好にすることができる。これにより、内側配管の端部を他の冷媒配管に接続した場合に接続部分の強度を良好にする材料を選択することができ、その場合であっても、誘導加熱による加熱効率を良好にすることが可能になる。
さらに、この製造方法では、第2押し拡げステップによって、内側配管が塑性変形しているため、内側配管の外側表面は、外側配管の内側表面から離れる方向への変形が生じにくい。第2押し拡げステップを終えた状態で外側配管が弾性変形している場合には、外側配管が内側配管を径方向外側から締め付けるため、外側配管で生じた熱の内側配管への熱伝達性を向上させることができる。第2押し拡げステップを終えた状態で外側配管が塑性変形している場合においては、外側配管は内側配管よりも塑性変形の程度が大きいため、外側配管は内側配管を径方向外側から締め付けて、外側配管で生じた熱が内側配管へ熱伝達する効率を向上させることができる。
第16発明の冷媒加熱装置の製造方法は、第15発明の冷媒加熱装置の製造方法において、配管配置ステップの配置状態において、内側配管の外面と外側配管の内面との間には隙間が存在している。隙間の径方向の幅は、第1押し拡げステップを終えた段階における内側配管が塑性域に達しているために必要な幅以上である。
仮に、冷媒加熱装置の製造方法において、第1押し拡げステップを終えた段階において、内側配管が塑性域に達することなく弾性域のままである場合には、第2押し拡げステップによって内側配管および外側配管をさらに拡管して、内側配管を塑性域にさせたとしても、内側配管は塑性域に達したばかりである。このため、内側配管は、外側配管の径方向内側に向かう残存応力に対向してする力が弱いもしくは存在しないため、内側配管と外側配管との密着性を高めることが難しい。
これに対して、この方法では、内側配管は、第1押し拡げステップを終えた段階で既に塑性域に達しているため、第2押し拡げステップによって内側配管および外側配管をさらに拡管した後の状態では、内側配管は、外側配管の径方向内側に向かう残存応力に対向することができる。これにより、内側配管と外側配管との密着性を高めることが可能になる。
第17発明の冷媒加熱装置の製造方法は、第15発明または第16発明の冷媒加熱装置の製造方法において、配管配置ステップにおいて、内側配管の長手方向における両端部は、いずれも、外側配管の長手方向における両端部の外側に位置するように配置される。
この方法では、内側配管の長手方向における両端部のいずれもが、外側配管における長手方向の両端部の外側に位置しているため、内側配管の両端部を介して接続対象となる他の配管に接続させることにより、他の配管と内側配管と外側配管とをまとめることが可能になる。
なお、仮に、接続対象となる他の配管の材質が内側配管の材質と同じ場合には、接続させた後の強度を良好にすることが可能になり、溶接等も容易になる。
第1発明の冷媒加熱装置では、内側配管の端部を他の冷媒配管に接続した場合に接続部分の強度を良好にする材料を選択することができ、その場合であっても、誘導加熱による加熱効率を良好にすることが可能になる。
第2発明の冷媒加熱装置では、内側配管を通過する冷媒を効率的に加熱することができるようになる。
第3発明の冷媒加熱装置では、内側配管を通過する冷媒を効率的に加熱することができるようになる。
第4発明の冷媒加熱装置では、電磁誘導加熱時における内側配管の加熱の効率化と、電磁誘導加熱停止時における内側配管と外側配管との乖離の程度抑制とを、同時に実現させることが可能になる。
第5発明の冷媒加熱装置では、外側配管に生じた熱をより効率的に内側配管に伝えることができるようになる。
第6発明の冷媒加熱装置では、温度上昇と温度降下とを繰り返したとしても、内側配管と外側配管との配置関係を保つように維持することが可能になる。
第7発明の冷媒加熱装置では、残留応力が消滅することを回避することが可能になる。
第8発明の冷媒加熱装置では、内側配管の両端部を介して接続対象となる他の配管に接続させることにより、他の配管と内側配管と外側配管とをまとめることが可能になる。
第9発明の冷媒加熱装置では、熱変形による内側配管と外側配管との乖離の程度を小さく抑えることが可能になる。
第10発明の冷媒加熱装置では、外側配管よりも高い磁性が要求されない内側配管において、熱伝導率が外側配管よりも高いものを採用して、電磁誘導加熱によって外側配管で生じた熱を冷媒に効率よく伝えることが可能になる。
第11発明の冷媒加熱装置では、外側配管に効率よく渦電流を生じさせて加熱効率を良好にできる。
第12発明の冷媒加熱装置では、電磁誘導により生じる磁束を外側配管まで確実に到達させることが可能になる。
第13発明の冷媒加熱装置では、電磁誘導によって外部配管において効率的に渦電流を生じさせることが可能になる。
第14発明の空気調和装置では、圧縮機構の負荷を小さく抑えることが可能になる。
第15発明の冷媒加熱装置の製造方法では、第2押し拡げステップを終えた状態で外側配管が弾性変形または塑性変形している場合においては、外側配管は内側配管を径方向外側から締め付けて、外側配管で生じた熱の内側配管への熱伝達性を向上させることができる。
第16発明の冷媒加熱装置の製造方法では、内側配管は、外側配管の径方向内側に向かう残存応力に対向して、外側配管との密着性を高めることが可能になる。
第17発明の冷媒加熱装置の製造方法では、内側配管の両端部を介して接続対象となる他の配管に接続させることにより、他の配管と内側配管と外側配管とをまとめることが可能になる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の冷媒回路図である。 室外機の正面側を含む外観斜視図である。 室外機の内部配置構成斜視図である。 室外機の機械室の内部構造を示す全体前方斜視図である。 アキューム管に取り付けられた電磁誘導加熱ユニットの概略斜視図である。 電磁誘導加熱ユニットから遮蔽カバーを取り除いた状態の外観斜視図である。 アキューム管に取り付けられた電磁誘導加熱ユニットの断面図である。 電磁誘導加熱ユニットの周囲に磁束が生じている状態の説明図である。 二重管の製造フローチャートである。 銅管の軸方向視断面図である。 磁性体管の軸方向視断面図である。 拡管前における磁性体管に銅管が挿入されている状態を示す側断面図である。 拡管前における磁性体管に銅管が挿入されている状態を示す軸方向視断面図である。 拡管中の様子を示す側断面図である。 図14に示すU−U断面図である。 図14に示すV−V断面図である。 図14に示すW−W断面図である。 二重管の側断図である。 銅管の半径を0.35mmだけ拡管した状態における銅管および磁性体管の応力分布を示す図である。 銅管の半径を0.40mmだけ拡管した状態における銅管および磁性体管の応力分布を示す図である。 銅管の半径を0.45mmだけ拡管した状態における銅管および磁性体管の応力分布を示す図である。 銅管の半径を0.50mmだけ拡管した状態における銅管および磁性体管の応力分布を示す図である。 銅管が半径を0.55mmだけ拡管した後における磁性体管についての残留応力分布を示す図である。 他の実施形態(A)の二重管の側断面図である。 セートル工法の説明のための軸方向に平行な断面図である。 セートル工法の説明のための軸方向に垂直な断面図である。 セートル工法の拡管変位が0.30mm時の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法の拡管変位が0.35mm時の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法の拡管変位が0.40mm時の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法の拡管変位が0.45mm時の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法の拡管変位が0.50mm時の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.50mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 拡管ブレードの径方向変位の違いによる拡管後の固着圧力を示す表である。 拡管ブレードの径方向変位の違いによる拡管後の固着圧力を示すグラフである。 セートル工法で0.45mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.46mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.47mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.49mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.52mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.60mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.65mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 セートル工法で0.70mm拡管された後の接触圧力分布を示す図である。 周囲温度が10℃高くなった場合の銅管の固着圧力分布を示す断面図である。 周囲温度が10℃高くなった場合の磁性体管の固着圧力分布を示す断面図である。 マンドレル工法の説明のための軸方向に平行な断面図である。 軸方向へ5.0mm進展した状態での固着圧力分布を示す図である。 軸方向へ10.0mm進展した状態での固着圧力分布を示す図である。 軸方向へ25.0mm進展した状態での固着圧力分布を示す図である。 軸方向へ40.0mm進展した状態での固着圧力分布を示す図である。 軸方向へ45.0mm進展した状態での固着圧力分布を示す図である。 軸方向へ50.0mm進展した状態での固着圧力分布を示す図である。 拡管ヘッド径の違いによる拡管後の固着圧力の変化を示す表である。 拡管ヘッド径の違いによる拡管後の固着圧力の変化を示すグラフである。 マンドレル工法のΦ17.5による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ17.6による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ17.65による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ17.7による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ17.8による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ17.9による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ18.0による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ18.1による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ18.2による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ18.4による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ18.6による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 マンドレル工法のΦ18.8による拡管後の接触圧力分布を示す図である。 バルジ工法の説明のための軸方向に平行な断面図である。 2.24kgf/mm2の圧力での接触圧力分布を示す図である。 2.56kgf/mm2の圧力での接触圧力分布を示す図である。 3.84kgf/mm2の圧力での接触圧力分布を示す図である。 6.08kgf/mm2の圧力での接触圧力分布を示す図である。 8.00kgf/mm2の圧力での接触圧力分布を示す図である。 8.00kgf/mm2の圧力解除後の接触圧力分布を示す図である。 最高圧力の違いによる拡管後の固着圧力の相違を示す表である。 最高圧力の違いによる拡管後の固着圧力の相違を示すグラフである。 バルジ工法の6.0kgf/mm2拡管後の接触圧力分布を示す図である。 バルジ工法の7.0kgf/mm2拡管後の接触圧力分布を示す図である。 バルジ工法の7.2kgf/mm2拡管後の接触圧力分布を示す図である。 バルジ工法の7.8kgf/mm2拡管後の接触圧力分布を示す図である。 バルジ工法の8.0kgf/mm2拡管後の接触圧力分布を示す図である。 バルジ工法の8.2kgf/mm2拡管後の接触圧力分布を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態における電磁誘導加熱ユニット6を備えた空気調和装置1を例に挙げて説明する。
<1−1>空気調和装置1
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
空気調和装置1は、熱源側装置としての室外機2と、利用側装置としての室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行うものである。この空気調和装置1は、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、室内ファン42、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6等を備えている。
圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、室外機2内に収容されている。室内熱交換器41および室内ファン42は、室内機4内に収容されている。
冷媒回路10は、吐出管A、室内側ガス管B、室内側液管C、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、吸入管G、および、ホットガスバイパス回路Hを有している。室内側ガス管Bおよび室外側ガス管Eは、ガス状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒をガス冷媒に限定しているものではない。室内側液管Cおよび室外側液管Dは、液状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒を液冷媒に限定しているものではない。
吐出管Aは、圧縮機21と四路切換弁22とを接続している。室内側ガス管Bは、四路切換弁22と室内熱交換器41とを接続している。室内側液管Cは、室内熱交換器41と室外電動膨張弁24とを接続している。室外側液管Dは、室外電動膨張弁24と室外熱交換器23とを接続している。室外側ガス管Eは、室外熱交換器23と四路切換弁22とを接続している。
アキューム管Fは、四路切換弁22とアキュームレータ25とを接続しており、室外機2の設置状態で鉛直方向に伸びている。アキューム管Fの一部に対して、電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられている。アキューム管Fは、少なくとも後述するコイル68によって周囲を覆われている部分において、内側に冷媒を流している銅管51と、銅管51の周囲を覆うように設けられた磁性体管52とを備えた二重管50を有している(図7参照)。銅管51は、C1220によって構成されている。磁性体管52は、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)430によって構成されている。このSUS430は、強磁性体材料であって、磁界に置かれると渦電流を生じつつ、自己の電気抵抗によって生ずるジュール熱により発熱する。冷媒回路10を構成する配管のうち磁性体管52以外の部分は、銅管51で構成されている。
このように電磁誘導加熱を行うことで、アキューム管Fを電磁誘導によって加熱させることができ、アキュームレータ25を介して圧縮機21に吸入される冷媒を暖めることができる。これにより、空気調和装置1の暖房能力を向上させることができる。また、例えば、暖房運転の起動時においては、圧縮機21が十分に暖まっていない場合であっても、電磁誘導加熱ユニット6による迅速な加熱によって起動時の能力不足を補うことができる。さらに、四路切換弁22を冷房運転用の状態に切り換えて、室外熱交換器23等に付着した霜を除去するデフロスト運転を行う場合には、電磁誘導加熱ユニット6がアキューム管Fを迅速に加熱することで、圧縮機21は迅速に暖められた冷媒を対象として圧縮することができる。このため、圧縮機21から吐出するホットガスの温度を迅速に上げることができる。これにより、デフロスト運転によって霜を解凍させるのに必要とされる時間を短縮化させることができる。これにより、暖房運転中に適時デフロスト運転を行うことが必要となる場合であっても、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ、ユーザの快適性を向上させることができる。
吸入管Gは、アキュームレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続している。
ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの途中に設けられた分岐点A1と室外側液管Dの途中に設けられた分岐点D1とを接続している。ホットガスバイパス回路Hは、途中に冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切換可能なホットガスバイバス弁27が配置されている。なお、ホットガスバイパス回路Hは、ホットガスバイバス弁27と分岐点D1との間に、通過する冷媒圧力を下げるキャピラリーチューブ28が設けられている。このキャピラリーチューブ28は、暖房運転時において室外電動膨張弁24が低下させる冷媒圧力に近づけることができるため、ホットガスバイパス回路Hを通じた室外側液管Dへのホットガスの供給により、室外側液管Dの冷媒圧力上昇を抑えることができる。
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、暖房運転を行う際の接続状態を実線で示し、冷房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
室外熱交換器23は、熱交フィン23zを有している。
室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部12と、室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部13とが、通信線11aによって接続されることで、制御部11を構成している。この制御部11は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
<1−2>室外機2
図2に、室外機2の正面側の外観斜視図を示す。図3に、室外熱交換器23および室外ファン26との位置関係についての斜視図を示す。図4に、室外機2の機械室の内部構造を示す全体前方斜視図を示す。
室外機2は、天板2a、底板2b、フロントパネル2c、左側面パネル2d、右側面パネル2fおよび背面パネル2eによって構成される略直方体形状の室外機ケーシングによって外表面を構成している。
室外機2は、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されており左側面パネル2d側である送風機室と、圧縮機21や電磁誘導加熱ユニット6が配置されており右側面パネル2f側である機械室と、に仕切り板2hを介して区切られている。また、室外機2は、底板2bに対して螺着されることで固定され、室外機2の最下端部を右側と左側において構成する室外機支持台2gを有している。なお、電磁誘導加熱ユニット6は、機械室のうちの左側面パネル2dおよび天板2aの近傍である上方の位置に配置されている。ここで、上述した室外熱交換器23の熱交フィン23zは、略水平方向に板厚方向が向くようにしつつ、板厚方向に複数並んで配置されている。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26および室外熱交換器23の下方を沿うように配置されている。
室外機2の仕切り板2hは、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されている送風機室と、電磁誘導加熱ユニット6、圧縮機21およびアキュームレータ25等が配置されている機械室と、を区切るように前方から後方に向けて上端から下端に掛けて仕切っている。圧縮機21およびアキュームレータ25は、室外機2の機械室の下方の空間に配置されている。そして、電磁誘導加熱ユニット6、四路切換弁22および室外制御部12は、室外機2の機械室の上方の空間であって、圧縮機21やアキュームレータ25等の上の空間に配置されている。室外機2を構成する機能要素であって機械室に配置されている圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、図1において示した冷媒回路10による冷凍サイクルを実行するように、吐出管A、室内側ガス管B、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、ホットガスバイパス回路H等を介してそれぞれ接続されている。
<1−3>電磁誘導加熱ユニット6
図5に、アキューム管Fに取り付けられた電磁誘導加熱ユニット6概略斜視図を示す。図6に、電磁誘導加熱ユニット6から遮蔽カバー75を取り除いた状態の外観斜視図を示す。図7に、アキューム管Fに取り付けられた電磁誘導加熱ユニット6の断面図を示す。
電磁誘導加熱ユニット6は、アキューム管Fのうち発熱部分である磁性体管52を径方向外側から覆うように配置されており、電磁誘導加熱によって磁性体管52を発熱させる。このアキューム管Fの発熱部分は、内側の銅管51と外側の磁性体管52とを有する二重管構造となっている。
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61、第2六角ナット66、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64、ボビン本体65、第1フェライトケース71、第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74、第1フェライト98、第2フェライト99、コイル68、遮蔽カバー75、サーミスタ14およびヒューズ15等を備えている。
第1六角ナット61および第2六角ナット66は、樹脂製であって、図示しないC型リングを用いて、電磁誘導加熱ユニット6とアキューム管Fとの固定状態を安定させる。第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64は、樹脂製であって、アキューム管Fをそれぞれ上端位置および下端位置において径方向外側から覆っている。この第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64は、第1〜第4フェライトケース71〜74をネジ69を介して螺着させるための、ネジ69用の螺着孔を4つ有している。さらに、第2ボビン蓋64は、サーミスタ14を差し込んで、磁性体管52の外表面に取り付けるための電磁誘導サーミスタ差し込み開口64fを有している。また、第2ボビン蓋64は、ヒューズ15を差し込んで、磁性体管52の外表面に取り付けるためのヒューズ差し込み開口を有している。サーミスタ14は、検知温度を信号にして制御部11まで伝える。ヒューズ15は、検知結果を信号にして制御部11まで伝える。ヒューズ15から所定制限温度を超えた温度検知の知らせを受けた制御部11は、コイル68への電力供給を停止させる制御を行って、機器の熱損傷を回避させる。ボビン本体65は、樹脂製であって、コイル68が巻き付けられる。コイル68は、ボビン本体65の外側においてアキューム管Fの延びる方向を軸方向として螺旋状に巻き付けられている。コイル68は、図示しない制御用プリント基板に接続されており、高周波電流の供給を受ける。制御用プリント基板は、制御部11によって出力制御される。第1フェライトケース71は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込み、ネジ69によって螺着固定されている。第1フェライトケース71〜第4フェライトケース74は、透磁率の高い素材であるフェライトによって構成された第1フェライト98および第2フェライト99を収容している。第1フェライト98および第2フェライト99は、図8の磁束説明図において示すように、コイル68によって生じる磁界を取りこんで磁束の通り道を形成することで、磁界が外部に漏れ出しにくいようにしている。遮蔽カバー75は、電磁誘導加熱ユニット6の最外周部分に配置されており、第1フェライト98および第2フェライト99だけでは呼び込みきれない磁束を集める。この遮蔽カバー75の外側にはほとんど漏れ磁束が生じず、磁束の発生場所について自決することができている。
<1−4>二重管50の製造例
以下に、本発明の一実施形態に係る二重管の製造方法の例を示す。
図9に、二重管50の製造工程における、所定部分に着目したフローチャートを示す。
(ステップS11)
ステップS11では、銅管51と、磁性体管52とを準備する。
図10に示すように、銅管51は、JIS規格によって規定されているC1220T−1/2Hによって構成されており、内径a1、外径b1および厚みc1の形状を有している。ここで、内径a1、外径b1および厚みc1は、いずれも拡管処理が行われる前の段階の値であり、銅管51が残留応力を有していない状態での値である。銅管51の内径a1は、17.05mmである。銅管51の外径b1は、19.05mmである。銅管51の厚みc1は、1.0mmである。なお、C1220T−1/2Hの熱膨張係数(線熱膨張係数)は、16.8×10-6(1/KELVIN)である。
図11に示すように、磁性体管52は、JIS規格によって規定されているSUS430によって構成されており、内径x1、外径y1および厚みz1の形状を有している。ここで、内径x1、外径y1および厚みz1は、いずれも拡管処理が行われる前の段階の値であり、磁性体管52が残留応力を有していない状態での値である。磁性体管52の内径x1は、19.6mmである。磁性体管52の外径y1は、22.0mmである。磁性体管52の厚みz1は、1.2mmである。なお、SUS430の熱膨張係数(線熱膨張係数)は、C1220の熱膨張係数(線熱膨張係数)よりも小さく、11.7×10-6(1/KELVIN)である。また、SUS430は、C1220よりも磁性が高く、磁場に置かれた場合にC1220よりも多くの渦電流が発生し、より多くの発熱を伴う。ここで、磁性体管52は、軸方向の長さが、銅管51の軸方向の長さよりも短いものを用いる。
(ステップS12)
ステップS12では、磁性体管52の軸方向と銅管51の軸方向とが略平行となるようにして、磁性体管52に銅管51を挿入する。ここでは、銅管51が端部において固定支持された状態(図示せず)となっており、磁性体管52は、移動自在な状態で存在している。
図12に示すように、銅管51の軸方向の長さは、磁性体管52の軸方向の長さよりも長く、銅管51の軸方向両端部は、磁性体管52の軸方向両端部よりもさらに外側に位置している。
図13に示すように、磁性体管52に銅管51が挿入された状態では、銅管51の外周表面と磁性体管52の内周表面との間に隙間が形成されている。ここでは、s+t=磁性体管52の内径−銅管51の外径=19.6mm−19.05mm=0.55mmの関係にある。
(ステップS13)
ステップS13では、図14のU−U面に示すように、拡管部材89を、銅管51の一端側から圧入させていくことで、銅管51を拡管させる。ステップS13、14の拡管は、常温下(例えば、20℃)で行われる。拡管部材89は、挿入方向先端部分に、銅管51の内径a1よりも大きな外径を有するヘッド89hを有している。このヘッド89hは、挿入方向先端側から後方に行くにつれて徐々に外径が大きくなるように傾斜した傾斜形状部分を有している。実際には、銅管51の拡管にわずかに遅れて、磁性体管52も拡管されるようになる。
図15に、銅管51のみが拡管され、磁性体管52が未だ拡管されていない状況である、図14のU−U断面図を示す。ここでは、上述した隙間s+tが消滅しており、銅管51の外周表面と磁性体管52の内周表面とが接した状態となっている。ここでは、銅管51のみが拡管されており、磁性体管52はなんら変化が生じていない。具体的には、図15に示すように、磁性体管52の外径y1、内径x1、厚みz1は同じ値で維持されている。これに対して、銅管51は、内径がa1→a2に拡大、外径がb1→b2に拡大、厚みがc1→c2と薄くなって、それぞれ変化している。なお、ここで、銅管51の外周表面と磁性体管52の内周表面との隙間のs+tの長さは、銅管51が拡管されることによって弾性変形の領域を超えて塑性変形領域に達するために必要とされる長さより長くなるように設けられている。これにより、図14のU−U断面図に示す状態まで銅管51が拡管された状態では、銅管51は弾性変形を終えて、塑性変形の領域に達しているため、半径を短くする方向に戻ろうとする応力がほとんど生じていない。
(ステップS14)
ステップS14では、図14のV−V面に示すように、拡管部材89によって銅管51だけでなく磁性体管52をも拡管させる。
図16に、銅管51および磁性体管52の両方が拡管され始めている状況である、図14のV−V断面図を示す。ここでは、銅管51の外周表面と磁性体管52の内周表面とが接して銅管51が塑性領域に達した状態となった後に、拡管部材89が銅管51を径方向外側にさらに拡管させることで、磁性体管52は、銅管51の外周表面から径方向外側に向かう力を受けて、径方向外側に拡管され始めている。具体的には、図16に示すように、磁性体管52の外径は、y1→y2に拡大、内径はx1→x2に拡大、厚みはz1→z2に薄くなって、それぞれ変形している。銅管51は、内径がa2→a3に拡大、外径がb2→b3に拡大、厚みがc2→c3に薄くなって、それぞれ変化している。ここでは、銅管51と磁性体管52の両方が拡管されており、図19〜図22に示すように、銅管51および磁性体管52の両方に、それぞれ応力が生じている。図19は、銅管51の内径が拡管開始から0.35mm延びた状態での応力分布を示している。ここでは、銅管51が既に塑性領域に達しているため、銅管51の半径を小さくする方向に戻ろうとする応力がほとんど生じていない状態である。これに対して、磁性体管52は拡管され始めたばかりの状態であり、弾性変形の領域にあり、磁性体管52の半径を短くしようとする方向の応力が働いている。このため、銅管51においても、磁性体管52の応力に対抗するための半径をより大きくする方向に応力が生じている。図20は、銅管51の内径が拡管開始から0.40mm延びた状態での応力分布を示している。図21は、銅管51の内径が拡管開始から0.45mm延びた状態での応力分布を示している。図22は、銅管51の内径が拡管開始から0.50mm延びた状態での応力分布を示している。これらの応力分布に示すように、磁性体管52が塑性変形の領域に達するまでは、銅管51と磁性体管52とは径方向に互いに押し合う方向に応力が生じている。なお、ステップS14では、銅管51の半径が0.55mm延びた状態となるまで拡管させている。図23に、銅管51が半径を0.55mmだけ拡管した後に、拡管のための力の作用を解除した後における磁性体管52についての残留応力分布を示す。この図23に示すように、銅管51の半径が0.55mm延びた状態となるまで拡管させた後では、磁性体管52には、銅管51の外表面を径方向内側に押すための残留応力が良好に残存していることが確認される。
(ステップS15)
ステップS15では、図14のW−W面に示すように、拡管部材89が行き去って、銅管51の内周表面から径方向外側に押される力が解除されることで、銅管51および磁性体管52が半径を短くする方向にわずかに収縮する。具体的には、図17に示すように、磁性体管52は、外径がy2→y3に縮小、内径がx2→x3に縮小、厚みがz2→z3となって厚くなっている。銅管51は、内径がa3→a4に縮小、外径がb3→b4に縮小、厚みがc3→c4となって厚くなっている。
図17に、銅管51および磁性体管52が拡管された後の状況である、図14のW−W断面図を示す。ここでは、拡管部材89が行き去っており、銅管51および磁性体管52の両方が、半径を小さくする方向にわずかに変形して安定した状態になる。この状態では、磁性体管52および銅管51は塑性変形の領域になっているが、磁性体管52は銅管51よりも、塑性変形の領域の程度が浅い。このため、銅管51は径方向における残留応力が少ないのに対して、磁性体管52には径方向外側から銅管51を押すような残留応力が多く残存している。これにより、二重管50では、磁性体管52と銅管51との密着性が良好な状態となっている。
ここで得られる二重管50は、図18に示すように、長手方向に沿うように銅管51の外周表面と磁性体管52の内周表面とが密着した面が広く確保されている。このため、上述した電磁誘導加熱ユニット6によって磁性体管52に渦電流を生じさせて発熱させた場合に、銅管51への熱伝達を良好にすることができる。これにより、冷媒の加熱効率を向上させることができている。
<1−5>二重管50の性質および利用
制御部11は、サーミスタ14による検知温度が−50〜150℃の範囲内で維持されるように、コイル68に対する電力の供給および各構成機器の制御を行う。
この使用温度範囲としての−50℃〜150℃では、二重管50の外径(磁性体管52の外径)は、0.0674mm程度変化し、二重管50の内径(銅管51の内径)は、0.0509mm程度変化する。
上述のようにして得られた二重管50では、内側に位置している銅管51のほうが磁性体管52よりも線熱膨張係数が大きいため、電磁誘導加熱ユニット6によって誘導加熱を開始した場合には、銅管51のほうが磁性体管52よりも半径が増大する方向への熱膨張の程度が大きい。このため、誘導加熱を開始して銅管51および磁性体管52の温度が上がっていく場合には、誘導加熱によって大きく熱膨張しようとする銅管51と、誘導加熱をしたとしても銅管51ほどの熱膨張は生じない磁性体管52とは、径方向に押し合う応力が増大するように状態が変化する。このため、二重管50の銅管51と磁性体管52とは、誘導加熱が必要とされる状況において、密着状態がより良好になるようになっている。
また、電磁誘導加熱ユニット6はアキューム管Fに取り付けられており、二重管50はアキューム管Fの一部となっているため、空気調和装置1の使用時には、低温低圧冷媒が流れる。このように、二重管50に低温低圧冷媒が流れたとしても、上述のようにして銅管51の半径が一度0.55mmまで広がるように拡管して得られた二重管50では、―130℃より低い温度にならなければ、銅管51と磁性体管52との押し合う応力は大きく減少することはなく、ほぼ消滅しない。そして、空気調和装置1では、アキューム管Fには所定温度として−50℃以上の温度の冷媒が流れることが制御部11の制御によって確保されている。これにより、二重管50の銅管51と磁性体管52とが乖離してしまうことを避けることができる。
なお、上記寸法の銅管51について半径が0.50mmまでしか拡管されていない場合には、磁性体管52に残存している残留応力は、−30℃程度で消滅もしくは大きく減少してしまう。このため、空気調和装置1のアキューム管Fに流す冷媒温度が−50℃程度まで低下するように制御部11によって運転される場合には、二重管50の銅管51と磁性体管52との乖離が生じるおそれがある。
このように、銅管51の半径の拡管の程度による磁性体管52の半径の拡管の程度として、磁性体管52の厚み内径もしくは外径を考慮しつつ、制御部11が制御しているアキューム管Fを通過する冷媒温度の範囲内で残留応力の大きな減少や消滅が生じない程度を積極的に選定して拡管処理を行っている。これにより、二重管50に制御冷媒温度範囲内における低温低圧冷媒が流れたとしても、二重管50の銅管51と磁性体管52とが乖離してしまうことを避けて、機器の信頼性を向上させることができている。
また、電磁誘導加熱ユニット6による誘導加熱では、磁性体管52は、供給電力に応じた急激な温度上昇を生じ、1秒間に30℃〜150℃程度、もしくは1秒間に50℃〜100℃程度上昇する。アキューム管Fを通過する冷媒を暖める制御を行う必要が生じて、このように急激な温度変化が生じたとしても、二重管50の銅管51と磁性体管52とは互いに径方向に押し合う強さが増大するように変形する。このため、線熱膨張係数の大きい銅管51を内側に配置することで、誘導加熱時の加熱を効率的に行うことが可能になっている。また、誘導加熱によって直接的に発熱を生じるのは磁性体管52であるが、冷媒と磁性体管52との間に存在している銅管51は、線熱膨張係数が大きいため、熱伝達の観点からも冷媒の加熱を効率的に行うことができるようになっている。これに対して、誘導加熱を終えた後の二重管50の温度低下速度は、誘導加熱時の温度上昇速度よりもかなり小さい。このため、二重管50の銅管51と磁性体管52とで線熱膨張係数が異なることに起因する銅管51と磁性体管52との乖離の発生を、より確実に防ぐことができている。
また、サーミスタ14の検知温度が150℃より高い温度にならないように制御部11が供給電力量の制御をしているため、磁性体管52がそのキュリー温度を超えることがないようになっている。このため、誘導加熱を行った後であっても、磁性体管52には銅管51を径方向内側に向けて押す残留応力が残り続ける。これにより、二重管50を誘導加熱する場合の信頼性を向上させることができている。
<本実施形態の空気調和装置1の特徴>
本実施形態に係る二重管50では、長手方向に沿うように銅管51の外周表面と磁性体管52の内周表面とが互いに径方向に押し合った状態で密着した面が、広く確保されている。このため、上述した電磁誘導加熱ユニット6によって磁性体管52に渦電流を生じさせて発熱させた場合に、銅管51への熱伝達を良好にすることができる。これにより、冷媒の加熱効率を向上させることができている。
また、熱伝達率を良好に維持するために、アキューム管Fのうち二重管50以外の部分では、銅管が採用されているが、二重管50の内側の銅管51も略同一素材が採用されている。このため、アキューム管Fのうち二重管50以外の部分と、二重管50とを溶接等により接続した場合に、熱変化による疲労に強い接続状態を形成させることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(A)
上記実施形態では、銅管51と磁性体管52とが直接接している二重管50を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
図24に示すように、例えば、磁性体管52から銅管51への熱伝達性能を良好に保てる材質であれば、径方向内側に配置される銅管51と径方向外側に配置される磁性体管52との間に、他の材料を含有する介在部97を介在させた二重管250を採用してもよい。この介在させる他の材料としては、例えば、磁性体管52から銅管51への熱伝達を良好にする観点から、伝熱性能に優れた材料であることが好ましい。また、磁性体管52と銅管51との物理的な密着性を良好にして熱伝達を良好に行うことができる接触部分を確保する観点から、柔軟性を有している材料であることが好ましい。これらの観点からは、介在部97は、例えば、シリコーンおよびシリコーン樹脂等の合成高分子等が好ましい。
(B)
上記実施形態では、冷媒回路10のうち、アキューム管Fに対して電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられる場合について説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、アキューム管F以外の他の冷媒配管に設けられていてもよい。この場合には、電磁誘導加熱ユニット6を設ける冷媒配管部分に磁性体管52等の磁性体を設ける。
(C)
上記実施形態では、磁性体管52としてSUS430を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、鉄、銅、アルミ、クロム、ニッケル等の導体およびこれらの群から選ばれる少なくとも2種以上の金属を含有する合金等としてもよい。磁性体材料としては、例えば、強磁性体であって電気抵抗が比較的高いものであり使用温度範囲(上記空気調和装置1では、−50℃〜150℃を例に挙げている)よりもキュリー温度が高い材料が好ましい。
なお、磁性体材料は、例えば、アキューム管Fのすべてを構成していてもよいし、アキューム管Fの内側表面のみに形成されていてもよく、アキューム管F配管を構成する材料中に含有されることで存在していてもよい。
また、SUSとしては、例えば、フェライト系、マルテンサイト系の2種およびこれらの種類を組み合わせたものを採用してもよい。
(D)
上記実施形態では、磁性体管52が塑性変形の領域になるまで拡管を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
銅管51が塑性領域まで拡管されていれば、磁性体管52は弾性領域までしか拡管されていない場合であっても、二重管50において銅管51と磁性体管52とが径方向に互いに押し合う状態を良好に確保することができる。
(E)
上記実施形態では、銅管51の端部を固定した状態で拡管処理を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、セートル拡管処理によって銅管51および磁性体管52を拡管させるようにしてもよい。
<2>二重管50の好適な製造例について
<2−1>セートル工法、マンドレル工法およびバルジ工法の比較について
発明者らは、上述したような、磁性体管52の内側に配置された銅管51を拡管することで二重管50を得る製造方法について、セートル工法、マンドレル工法およびバルジ工法の3つの工法のいずれによっても、本発明の二重管50を得ることができることを確認した。さらに、これらのセートル工法、マンドレル工法およびバルジ工法の3つの工法の違いについて解析した。
以下、セートル工法、マンドレル工法およびバルジ工法の違いについて、実験結果を示しつつ説明する。
<2−2>解析の前提について
セートル工法、マンドレル工法およびバルジ工法のいずれの解析においても、以下の材質および寸法の銅管51、磁性体管52を用いた。これらは、長さ以外については、上述した実施形態で用いたものと同じである。
銅管51については、材質C1220T−1/2H、外径19.05mm、肉厚1.0mmであり、弾性率12040.8kgf/mm2、ポアソン比0.34、線膨張係数16.8×10-6/KELVIN、降伏応力20.0kgf/mm2、ひずみ硬化率24.0kgf/mm2であった。
磁性体管52については、材質SUS430、外径22.00mm、肉厚1.2mmであり、弾性率20408.2kgf/mm2、ポアソン比0.30、線膨張係数11.7×10-6/KELVIN、降伏応力32.0kgf/mm2、ひずみ硬化率2040.8kgf/mm2であった。
銅管51と磁性体管52の材料物性はバイリニア等方硬化として表現する。この材料モデルは、原点から応力とひずみの正側に延びた二直線の応力-ひずみ曲線で記述される。最初の直線の勾配は材料の弾性率と見なされる。指定された降伏応力点で折れる二番目の直線は、接線係数(ひずみまたは加工硬化率とも呼ぶ)で定義される線形勾配をもつ。ひずみ硬化率はゼロ未満ではなく、弾性率より大きくてはならない。
また、摩擦係数については、銅管51と拡管ブレード(セートル拡管)または拡管ヘッド(マンドレル拡管)の接触面では0.1とし、銅管51と磁性体管52の接触面では0.2とした。
なお、二重管50の軸方向における入口と出口の距離をある程度確保すれば、入口と出口の幾何形状の変化による影響がなくなるため、本解析においては、銅管51と磁性体管52の長さとして必ずしも実際に電磁誘導加熱ユニット6に採用される長さのものを試料とする必要はないとして解析を行った。なお、上記電磁誘導加熱ユニット6に採用される銅管51の長さは375.0mm、磁性体管52の長さは240.0mmである。
また、銅管51と磁性体管52から構成される二重管50の構造および拡管荷重の対称性(セートル拡管の場合は近似対称性)を考えると、拡管過程は軸対称モデルを用いて解析または近似的に解析することが可能であるとした。
拡管解析には、汎用構造FEM解析コードのANSYS−V10を用いて行った。評価項目は、拡管後の銅管51と磁性体管52との固着圧力分布である。
実際の拡管過程では銅管51の片端を完全に固定するため、本解析では、拡管の開始端とは反対側の端部である拡管終了端を完全固定とした。また、磁性体管52については、解析の安定性を考慮し、拡管終了端側を軸方向に拘束した。
バイリニア等方硬化という材料挙動を示すと仮定した場合の銅管51と磁性体管52の降伏則については、von−Misesの降伏則を用いることが一般的である。しかしながら、例えば、実際に銅管51が延ばされて造られたことを考えると、その材料挙動は方向依存性を有することが容易に想像できるため、本解析においては、銅管51と磁性体管52は材料軸方向に異なる応力−ひずみ特性を示すことを考慮し、降伏の判定には、修正von−Misesの降伏条件であるHillの降伏式を使用した。Hillの降伏式は加工硬化を仮定しているため、サイクル負荷の場合や比例負荷とは見なせない問題には妥当性を欠く。また、異方性の主軸は材料(すなわち要素)座標系に一致しており、負荷過程にわたって変化しないものと仮定した。Hillの異方性降伏式では、指定した降伏応力に対する各方向降伏応力の比を与える必要があり、これは、与えられた方向でのMises降伏応力における比を表わしている。本解析では、Hillの降伏式における比Rxx、Ryy、Rzz、Rxy、Ryz、Rxzを0.5、1.0、1.0、1.0、1.0、1.0とする。なお、Hillの降伏式における比Rxx、Ryy、…、Rxzを1.0とした場合、Hillの降伏式はMisesの降伏式に帰する。
以下、セートル工法、マンドレル工法およびバルジ工法について、それぞれ解析内容を示す。
<2−3>セートル工法について
セートル工法による拡管では、図25、図26に示すように、磁性体管52の内側に銅管51を配置した状態で、銅管51の内側に挿入された拡管ブレード50Bが回りながら銅管51さらには磁性体管52を内側から径方向に押し広げる拡管工法である。
銅管51は、長さが100.0mmのものを用いた。磁性体管52は、長さが70.0mmのものを用いた。拡管ブレード50Bは、全長50.0mm、直線部長さ40.0mm、R半径10.0の物を用いた。ここで、要素数は18504、節点数は17530であった。
ここで、軸方向に変位せず回転しながら径方向に広がる拡管ブレード50Bが剛体で、また、近似的に径方向において均等に広がるものとする。これにより、セートル拡管過程を近似的に軸対称の問題として扱うことができるようにした。解析では、拡管ブレード50Bを表わす剛体要素に径方向の強制変位を、0.40mm〜1.60mmまでの間であって0.05mm毎の各値を変位量とした場合について、それぞれ測定した。
拡管ブレード50Bの径方向強制変位が0.5mmである場合のセートル拡管中および拡管後における銅管51と磁性体管52の接触(固着)圧力分布を図27〜図32に示す。図中、左側が銅管51から受ける圧力分布を示し、右側が磁性体管52から受ける圧力分布を示している。なお、軸方向は応力を受ける位置を示し、軸に垂直な方向は応力の大きさを示している(以下、他の図においても同じ)。
これによると、拡管ブレードの径方向変位が0.3mmを超えて始めて磁性体管52の圧力分布が生じているので、これより大きな変位で銅管51と磁性体管52が接触することが明らかになった。また、拡管ブレード50Bが径方向に広がるにしがたい、銅管51と磁性体管52の接触圧力が高くなり、同時に銅管51と磁性体管52が軸方向に相対的に(図中では、銅管51が磁性体管52に対し下方に)移動することが確認された。なお、セートル拡管後、銅管51および磁性体管52に対する拡管力の付与を解除すると、図32に示すように、銅管51と磁性体管52の接触圧力は大きく低下するが、銅管51と磁性体管52の固着が依然保持されていることが確認された。
図27〜図32に示すように、セートル拡管後の銅管51と磁性体管52の接触圧力は、拡管ブレード50BのR部近傍に当たった箇所においては大きくかつ変動する分布になっているが、拡管ブレード50Bの中央部近傍に当たった箇所においては小さくかつ概ね均等な分布になっていることが確認された。
次に、拡管ブレード50Bの径方向強制変位の違いによるセートル拡管後の銅管51と磁性体管52の拡管ブレード50B中央部に対応する箇所および二重管50端部箇所の固着圧力の変化をそれぞれ図33、図34に示す。
さらに、拡管ブレード50Bの径方向強制変位を変えた場合における拡管後の銅管51と磁性体管52との固着圧力分布の各様子を図35〜図42に示す。
ここで、拡管ブレード50Bの径方向変位が0.46mm以下の場合には、拡管後のスプリングバック(弾性変形後に生じる、元の状態に戻ろうとする変形)により銅管51と磁性体管52とが互いに固着しないことが分かった。拡管ブレード50Bの径方向変位が0.52mm以上の場合には、銅管51と磁性体管52との固着圧力は、拡管ブレード50BのR部(湾曲部分)に当たった箇所の近傍において大きく変動している。これに対して、拡管ブレード50Bの径方向変位が0.52mm以上の場合には、銅管51と磁性体管52との固着圧力は、拡管ブレード50BのR部(湾曲部分)以外に当たった箇所においては概ね均等な分布になっている。よって、拡管ブレード50Bの径方向変位は0.52mm以上が望ましい。
また、図34に示すように、拡管ブレード50Bの径方向変位が1.2mm程度までについては、銅管51と磁性体管52との固着圧力は、拡管ブレード50Bの径方向変位が大きくなるにつれて高くなることが分かった。そして、拡管ブレード50Bの径方向変位が1.2mmを超えると、銅管51と磁性体管52との固着応力が低くなっていくことが分かった。なお、拡管ブレード50Bの径方向変位が0.95mm〜1.2mmの場合には、銅管51と磁性体管52との固着圧力が高い状態で安定することが分かった。
ここで、拡管ブレード50Bの径方向変位が1.20mmを超えた後、銅管51と磁性体管52との固着圧力が低下したのは、降伏後の材料物性変化の違いによる銅管51と磁性体管52のスプリングバック量の相対的な変化に原因があると推測される。また、銅管51と磁性体管52との固着圧力の最大値は、拡管ブレード50Bの径方向変位が0.95mmを超えた辺りで分布が不安定になっているが、固着状況の評価は中央箇所の平均値で行うのが望ましい。固着圧力の最大値の乱れは、接触条件の指定(銅管51と磁性体管52の相互食い込みトレランスの設定値)、計算メッシュなどに依存する可能性があると考えられる。以上より、拡管ブレード50Bの径方向変位量は、0.95mmおよびその近傍の値がより好ましい。
常温下(製造時の常温の下で)で拡管を行うことにより銅管51と磁性体管52とを固着させて得られる二重管50では、周囲温度の変化により、銅管51と磁性体管52の固着状況が変化することがあるが、銅管51は磁性体管52より線膨張係数が大きく、周囲温度が製造時の常温より高ければ、銅管51が磁性体管52より径方向の熱膨張変位が大きいため、銅管51と磁性体管52の固着状態は強まる方向に変化することになる。これに対して、周囲温度が製造時の常温より低くなる場合、銅管51が磁性体管52より径方向の熱収縮変位が大きいため、銅管51と磁性体管52の固着状態が弱まる方向に変化することになる。
そして、周囲温度が製造時の常温より低下する場合の銅管51と磁性体管52の固着状態の変化を次のような簡易手法で評価することができる。具体的には、銅管51と磁性体管52が完全に固着し、外気温度が常温より10.0℃高くなったとする。銅管51と磁性体管52の熱膨張係数を使えば、この温度変化により生じる銅管51と磁性体管52の接触圧力は、7.72×10-2kgf/mm2となる。すなわち、図43、図44に示すように、温度が10.0℃高くなれば、銅管51と磁性体管52の接触圧力が7.72×10-2kgf/mm2増すことになる。言い換えれば、温度が−10.0℃変化すれば、銅管51と磁性体管52の固着圧力が7.72×10-2kgf/mm2減ることになる。例えば、拡管ブレード50Bの径方向変位が0.5mmの場合、セートル拡管後の銅管51と磁性体管52の固着圧力は0.391kgf/mm2であり、外気温度の変化量が0.391×(−10.0℃)/7.72×10-2=−50.6℃となれば、銅管51と磁性体管52の固着圧力はゼロとなり、銅管51と磁性体管52は固着しなくなると考えることができる。すなわち、例えば製造時の常温を20.0℃とすると、周囲温度が−30.0℃となった場合に銅管51と磁性体管52とが固着しなくなることが把握できた。上述と同様な手法で、拡管ブレード50Bの径方向変位が0.55mmの場合、銅管51と磁性体管52の固着圧力がなくなるには、外気温度の変化量が−135.2℃必要である。これは、周囲温度が−115.2℃に低下する必要があることを意味する。すなわち、上記二重管50を備えた電磁誘導加熱ユニット6の使用環境下が、−115.2℃に低下するまで、固着圧力を確保できるということになる。
<2−4>マンドレル工法について
マンドレル工法は、図45に示すように、軸方向に拡管部材89(図14と同様であり、拡管ヘッドともいう)を軸方向に前進させることにより、銅管51および磁性体管52を押し広げるという、拡管効率の優れた拡管工法である。
なお、ここでは、径方向に変位せず軸方向にのみ前進する拡管部材89が銅管51を径方向に均等に広げると仮定する。これにより、マンドレル拡管過程を軸対称の問題として解析することとした。
銅管51は、長さが40.0mmのものを用いた。磁性体管52は、長さが30.0mmのものを用いた。拡管部材89は、ヘッド径φが17.4〜18.8mmであり、直線部長さが1.0mmであり、断面Rが20.0mmのものを用いた。ここでは、要素数は9032であり、節点数は8839であった。拡管部材89は、ヤング率が21000.0kgf/mm2、ポアソン比が0.30、軸方向強制変位が50.0mmであった。
ここで、拡管部材89の径がφ18.0mmの場合において、拡管部材89の軸方向変位の進展に伴うマンドレル拡管中および拡管後の銅管51と磁性体管52の接触固着圧力分布を図46〜図51に示す。
これによると、拡管部材89が軸方向に進展するにしたがい、銅管51と磁性体管52が接触をしていくことが明らかになった。また、拡管後、二重管50の入口と出口では、銅管51と磁性体管52の接触圧力が高いが、入口に入った箇所近傍と出口を出る手前の箇所近傍では、銅管51と磁性体管52の接触圧力がゼロで銅管51と磁性体管52が固着しないことが分かった。これに対し、二重管50の入口と出口をある程度離れた場所では、銅管51と磁性体管52の接触圧力が概ね均等に分布し、銅管51と磁性体管52が固着していることが分かった。さらに、セートル工法の場合と同様に、マンドレル工法の場合においても、銅管51と磁性体管52が軸方向に相対的に(図中では、銅管51が磁性体管52に対して上方に)移動していくことが明らかになった。
ここで、拡管部材89の径の違いによるマンドレル拡管後の銅管51と磁性体管52の固着圧力(中央近傍)および最大固着圧力(入口または出口近傍)の変化をそれぞれ図52、図53に示す。
また、拡管部材89の径の違いによるマンドレル拡管後の銅管51と磁性体管52との固着圧力分布を図54〜図65に示す。
これらによると、拡管部材89の径がφ17.6mmより小さい場合、銅管51と磁性体管52は拡管後のスプリングバック(弾性変形後の元に戻ろうとする変形)により固着しないことが明らかになった。また、拡管部材89の径がφ18.2mm以上になると、銅管51と磁性体管52の固着圧力がほぼ同様になっていることが分かった。さらに、セートル拡管の場合と比べて、マンドレル拡管の場合は拡管後の銅管51と磁性体管52の固着圧力分布はより均等になっていることが分かった。なお、拡管部材89の径がφ18.8mmより大きくなると、塑性変形の体積不変という前提条件を満足するため、銅管51の固定端が大きく膨らむことが明らかになった。上述のことをまとめると、マンドレル拡管の拡管部材89の径は、φ17.7〜φ18.4mmの場合がより好ましいことが分かった。
また、セートル工法の場合と同様にして周囲温度の変化を考慮すると、拡管部材89の径がφ17.7mmとφ18.0mmおよびφ18.4mmの場合、周囲温度がそれぞれ−139.0℃、−203.0℃および−251.0℃に低下すれば、銅管51と磁性体管52は固着しなくなることが明らかになった。
なお、上述したセートル拡管は工法が便利であるが、銅管51と磁性体管52の固着圧力の分布が不均一になる恐れがある。また、拡管ブレード50Bの径方向変位を制御するトルクの把握が難しいというデメリットがある。さらに、セートル拡管は工数が多く効率が低く大量生産に不適切である。以上を考慮すると、上記実施形態の電磁誘導加熱ユニット6の二重管50の製造は、本マンドレル工法により製造することが好ましい。
<2−5>バルジ工法について
バルジ工法では、図66に示すように、銅管51の内側に圧力を加えることによって拡管を行う工法である。
ここで、圧力が銅管51を径方向に均等に広げると仮定する。これにより、バルジ拡管過程を軸対称の問題として解析することができる。解析では、バルジ拡管の圧力が線形的に昇圧し最大値に達してから、線形的に降圧すると仮定する。
銅管51は、長さが40.0mmのものを用いた。磁性体管52は、長さが30.0mmのものを用いた。最大バルジ圧は、4.0〜9.0kgf/mm2とした。要素数は5350であり、節点数は5374であった。
なお、ここでは、上述した拘束条件以外に、銅管51の開始端を完全固定とした。バルジ拡管の圧力をゼロに戻した後、銅管51の開始端における拘束を解放することにより、拡管後の自由状態を得るようにした。
ここで、最大圧力が8.0kgf/mm2である場合のバルジ拡管中および拡管後における銅管51と磁性体管52の接触圧力を図67〜図72に示す。これによると、圧力が2.56kgf/mm2以上になって始めて銅管51と磁性体管52が接触することが明らかになった。また、圧力が高くなっていくにしがたい、銅管51と磁性体管52の接触圧力が高くなることが読み取れる。バルジ拡管後、銅管51と磁性体管52の接触圧力は二重管50の入口近傍と出口近傍においては大きくかつ変動する分布になっているが、その他の箇所においては小さくかつ概ね均等な分布になっており、銅管51と磁性体管52の固着が保持されることが把握される。なお、拡管後、拡大圧力により剛性の低い二重管50の入口近傍と出口近傍においては銅管51が大きく膨らんだ残留変形が残ることが分かった。
ここで、圧力の違いによるバルジ拡管後の銅管51と磁性体管52の接触圧力(中央部近傍の平均値)と最大接触圧力(入口近傍と出口近傍)の変化をそれぞれ図73、図74に示す。
また、最大圧力の違いによるバルジ拡管後の銅管51と磁性体管52の固着圧力分布を図75〜図80に示す。
これらによると、最大圧力が6.0kgf/mm2より小さい場合、銅管51と磁性体管52は拡管後のスプリングバック(弾性変形後の元に戻ろうとする変形)により固着しないことが明らかになった。
また、セートル工法やマンドレル工法の場合と同様にして周囲温度の変化を考慮すると、バルジ拡管の最大圧力が7.0kgf/mm2と8.0kgf/mm2および9.0kgf/mm2の場合、外気温度がそれぞれ−45.0℃と−98.0℃および−150.0℃に低下すれば、銅管51と磁性体管52は固着しなくなることが明らかになった。
以上より、バルジ拡管の最大圧力としては、7.0〜8.0kgf/mm2であることが好ましい。
本発明を利用すれば、誘導加熱によって発熱する部分を他の冷媒配管に対して接続する場合であっても、接続部分の強度を良好にすることが可能であるため、冷媒配管の一部に電磁誘導加熱を行う部分を有する冷媒加熱装置や空気調和装置およびこれらの製造方法として特に有用である。
1 空気調和装置
6 電磁誘導加熱ユニット
10 冷媒回路
11 制御部
14 サーミスタ
15 ヒューズ
21 圧縮機(圧縮機構)
22 四路切換弁
23 室外熱交換器
24 電動膨張弁(膨張機構)
25 アキュームレータ
41 室内熱交換器
50 二重管
51 銅管(内側配管)
52 磁性体管(外側配管)
65 ボビン本体
68 コイル
71〜74 第1フェライトケース〜第4フェライトケース
75 遮蔽カバー
97 介在部(柔軟性伝熱性媒体)
98、99 第1フェライト、第2フェライト
F アキューム管、冷媒配管
特開2007−155259号公報

Claims (17)

  1. 電磁誘導を利用して冷媒を加熱する冷媒加熱装置(6)であって、
    冷媒を通過させる内側配管(51)と、
    前記内側配管(51)の径方向外側を覆っており、熱膨張係数が前記内側配管(51)よりも小さく、磁性が前記内側配管(51)よりも高い外側配管(52)と、
    前記外側配管(52)の径方向外側近傍に配置されたコイル(68)と、
    を備えた冷媒加熱装置(6)。
  2. 前記内側配管(51)の外側表面と前記外側配管(52)の内側表面とは、密着している、
    請求項1に記載の冷媒加熱装置(6)。
  3. 前記内側配管(51)の外側表面と前記外側配管(52)の内側表面とは、柔軟性伝熱性媒体(97)を介して繋がっている、
    請求項1に記載の冷媒加熱装置(6)。
  4. 前記電磁誘導を利用した加熱時の前記外側配管(52)の単位時間当たりの温度上昇幅は、前記電磁誘導の利用を止めた際の前記外側配管(52)の単位時間当たりの温度下降幅よりも大きい、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  5. 前記内側配管(51)と前記外側配管(52)とは、前記内側配管(51)および前記外側配管(52)が有している残留応力もしくは前記外側配管(52)のみが有している残留応力によって、径方向に互いに押し合っている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  6. 前記外側配管(52)は、塑性変形状態であって、前記内側配管(51)を外側から押す方向の残留応力を有している、
    請求項5に記載の冷媒加熱装置(6)。
  7. 前記電磁誘導を生じさせるための前記コイル(68)に対する電力の供給を、前記残留応力を消滅させない範囲で行う制御部(11)をさらに備えた、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  8. 前記内側配管(51)の長手方向における両端部は、いずれも、前記外側配管(52)の長手方向における両端部の外側に位置している、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  9. 前記内側配管(51)は、径方向の厚みが0.2mm以上であり、
    前記外側配管(52)は、径方向の厚みが0.2mm以上である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  10. 前記内側配管(51)の熱伝導率は、前記外側配管(52)の熱伝導率よりも高い、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  11. 前記コイル(68)の軸方向と、前記外側配管(52)の軸方向とは、略同一方向である、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  12. 前記内側配管(51)は、銅管である、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  13. 前記外側配管(52)は、強磁性体材料を含有する金属配管である、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の冷媒加熱装置(6)。
  14. 室内熱交換器(41)と、
    膨張機構(24)と、
    室外熱交換器(23)と、
    圧縮機構(21)と、
    前記圧縮機構(21)の吸入側から前記室内熱交換器(41)もしくは前記室外熱交換器(23)まで延びる冷媒連絡配管の一部を前記内側配管(51)が構成している請求項1から13のいずれかの冷媒加熱装置(6)と、
    を備え、
    前記冷媒連絡配管のうち前記内側配管(51)以外の部分と前記内側配管(51)とは、同一の金属組成である、
    空気調和装置(1)。
  15. 電磁誘導を利用して冷媒を加熱する冷媒加熱装置(6)の製造方法であって、
    冷媒を通過させる内側配管(51)の外径よりも大きな内径を有しており、熱膨張係数が前記内側配管(51)の熱膨張係数よりも小さく、前記内側配管(51)よりも高い磁性を有している外側配管(52)を、前記内側配管(51)の外側に配置する配管配置ステップと、
    前記外側配管(52)の内側に配置されている前記内側配管(51)の内面を前記内側配管(51)の径方向外側に向けて押すことにより、前記内側配管(51)の外面を前記外側配管(52)の内面に当てる第1押し拡げステップと、
    前記内側配管(51)の内面を前記内側配管(51)の径方向外側に向けて押すことにより、前記内側配管(51)を塑性変形させつつ、前記外側配管(52)を弾性変形および/または塑性変形させた状態で、前記内側配管(51)の内面に対する前記内側配管(51)の径方向外側向きの力の付与を解除する第2押し拡げステップと、
    前記外側配管(52)の径方向外側近傍にコイル(68)を配置するコイル配置ステップと、
    を備えた冷媒加熱装置(6)の製造方法。
  16. 前記配管配置ステップの配置状態において、前記内側配管(51)の外面と前記外側配管(52)の内面との間には隙間が存在しており、
    前記隙間の径方向の幅は、前記第1押し拡げステップを終えた段階における前記内側配管(51)が塑性域に達しているために必要な幅以上である、
    請求項15に記載の冷媒加熱装置(6)の製造方法。
  17. 前記配管配置ステップにおいて、前記内側配管(51)の長手方向における両端部は、いずれも、前記外側配管(52)の長手方向における両端部の外側に位置するように配置される、
    請求項15または16に記載の冷媒加熱装置(6)の製造方法。
JP2009297263A 2009-01-21 2009-12-28 冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置 Pending JP2010190562A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009297263A JP2010190562A (ja) 2009-01-21 2009-12-28 冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009011362 2009-01-21
JP2009297263A JP2010190562A (ja) 2009-01-21 2009-12-28 冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010190562A true JP2010190562A (ja) 2010-09-02

Family

ID=42816792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009297263A Pending JP2010190562A (ja) 2009-01-21 2009-12-28 冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010190562A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160130285A (ko) * 2014-09-30 2016-11-10 가부시키가이샤 나노테크 용액 이송 냉각 장치
JP7409867B2 (ja) 2019-12-26 2024-01-09 株式会社前川製作所 バイメタル配管、断熱配管及び冷凍システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160130285A (ko) * 2014-09-30 2016-11-10 가부시키가이샤 나노테크 용액 이송 냉각 장치
KR101851486B1 (ko) * 2014-09-30 2018-06-07 가부시키가이샤 나노테크 용액 이송 냉각 장치
JP7409867B2 (ja) 2019-12-26 2024-01-09 株式会社前川製作所 バイメタル配管、断熱配管及び冷凍システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2479796C1 (ru) Кондиционер
CN102348944B (zh) 空调装置
JP4826643B2 (ja) 空気調和装置
EP2184565A1 (en) Heating device for refrigerant
EP2538146B1 (en) Cold/hot water supply apparatus
EP2597381A2 (en) Cold/hot water supply apparatus
JP5067505B2 (ja) 空気調和装置
JP5647396B2 (ja) 空気調和装置
EP2381740A1 (en) Electromagnetic induction heating unit and air conditioning device
JP2010190562A (ja) 冷媒加熱装置、その製造方法および空気調和装置
EP2461109B1 (en) Cold/hot water supply apparatus
JP4016546B2 (ja) 流体加熱装置
EP3598026B1 (en) Cooling system
EP2489946B1 (en) Cold/hot water supply apparatus
JP2006189184A (ja) 加熱器
JP2011158223A (ja) 四方弁及びそれを用いた冷凍サイクル
JP2007187365A (ja) 加熱器
WO2010106803A1 (ja) 空気調和装置
JP2010243149A (ja) 空気調和装置
JP2008256323A (ja) 空気調和機の加熱器