JP2010187594A - 培養モニタリング装置及び当該培養モニタリング装置を有する培養装置 - Google Patents

培養モニタリング装置及び当該培養モニタリング装置を有する培養装置 Download PDF

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Abstract

【課題】センサの劣化が生じた場合や、低濃度成分を測定する場合であっても、測定精度を維持したまま成分を分析する。
【解決手段】測定対象成分を含む培養液と既知濃度の測定対象成分とを混合して混合液を調製する混合部と、当該混合液に含まれる当該測定対象成分を分析する分析部とを備える。分析部において混合液に含まれる測定対象成分を測定し、測定値から培養液に含まれる測定対象成分に関する分析結果を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、医薬品等の主原料となる物質を生産する細胞等の微生物を培養する際に使用される培養モニタリング装置及び当該培養モニタリング装置を有する培養装置に関する。
抗体医薬をはじめとする医薬品のなかには、細胞が産生する物質を主成分として含有するものが多い。このような物質は、例えば動物細胞により分泌生産される。したがって、動物細胞を培養し、培養液中に分泌された目的物質を分離精製することで当該物質を得ることができる。細胞の培養方法には、回分培養、連続培養(もしくは灌流培養)及び流加培養(もしくは半回分培養)がある。近年は、生産性向上を理由に流加培養法及び灌流培養法などが用いられることが多い。いずれの培養でも、適切な培養環境で培養するためには培養環境制御を行う必要がある。
細胞を培養する工程では、細胞は分裂を繰り返すことにより増殖するが、培養環境が悪化すると細胞死を起こす細胞が増大し、環境の悪化が持続すると最終的にはすべての細胞が死滅する場合がある。このため、細胞を培養する工程において培養状態をモニタリングし、培養状態に応じて制御を加えることで細胞死を回避することが重要となる。すなわち、細胞を培養する工程において培養状態をモニタリングし、その結果を基に適正な環境へ修正する制御を加える必要がある(例えば、特許文献1及び2参照)。モニタリングするパラメータとしては、温度、攪拌回転速度、溶存酸素濃度、pHが一般的である。その他に、流加培養、灌流培養では、培養制御のために培養液中の成分(例えばグルタミン、グルコース、乳酸、アンモニア、細胞数)をモニタリングし、その測定値より適切な環境(例えば栄養濃度)となる値を推定し、その値に近づく制御を行うことが知られている。
温度、攪拌回転速度、溶存酸素濃度、pH等のパラメータに関しては、オンラインモニタリングできるが、グルタミン等の培養液成分に関しては培養槽から培養液を一旦抜き出して測定するオフラインモニタリングが一般的であり、HPLC、酵素電極を用いた測定装置を使用することが多い。
特開2002−148258号公報 特開2007−29041号公報
上述したように、細胞を培養する際における各種成分のモニタリングには成分毎に種々のセンサを使用する。ところが、センサの劣化等に起因する検出感度の低下が生じると、正確なモニタリングが困難となる。特に、センサの劣化等により検出対象成分の低濃度領域における検出感度が低下するため、例えば長期間に亘る細胞培養(例えば、流加培養や灌流培養)において常に正確なモニタリングを行うことは非常に困難である。例えば、栄養成分を低濃度に維持して細胞培養を行う場合には、低濃度の栄養成分の正確なモニタリングが必要となる。しかしながら、低濃度の栄養成分を細胞培養の全期間に亘って正確にモニタリングできるセンサは知られていない。
以上のように、細胞を培養する際に、各種成分を長期間に亘って正確に検出することができないといった問題があった。そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、センサの劣化が生じた場合や、低濃度成分を測定する場合であっても、測定精度を維持したまま成分を分析できる培養モニタリング装置及び当該培養モニタリング装置を有する培養装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成した本発明に係る培養モニタリング装置は、測定対象成分を含む培養液と既知濃度の測定対象成分とを混合して混合液を調製する混合部と、当該混合液に含まれる当該測定対象成分を分析する分析部とを備える。本発明に係る培養モニタリング装置は、分析部において混合液に含まれる測定対象成分を測定し、測定値から培養液に含まれる測定対象成分に関する分析結果を得ることができる。
特に、本発明に係る培養モニタリング装置は、上記測定対象成分を既知濃度で含有する標準液を上記混合部に供給するための標準液保持部を備えることが望ましい。この場合、本発明に係る培養モニタリング装置は、標準液保持部から所定量の標準液を混合部に供給することによって上記混合液を調製することができる。また、本発明に係る培養モニタリング装置は、標準液保持部内の標準液を所定の温度に調節する温度調節装置、例えば冷却する(例えば、10℃)ための冷却装置を有していることが好ましい。
さらに、本発明に係る培養モニタリング装置において、上記混合部としては、特に限定されないが、例えば、ボルテックス、攪拌子若しくはマイクロミキサを適用することが好ましい。
さらにまた、本発明に係る培養モニタリング装置は、上記分析部における測定値から、培養液に添加した測定対象成分の濃度を差し引く演算処理を行う演算装置を有することが好ましい。この場合、本発明に係る培養モニタリング装置は、培養液に含まれていた測定対象成分の濃度を出力することができる。また、本発明に係る培養モニタリング装置において、上記演算装置は、培養液に含まれていた測定対象成分の濃度に基づいて、培養槽の各種運転制御に係る制御信号を出力することもできる。
さらにまた、本発明に係る培養モニタリング装置は、上記演算装置における演算処理の結果を表示する表示装置を備えることが好ましい。この表示装置には、特に限定されないが、例えば、培養液に含まれる測定対象成分の測定時における濃度を表示することができ、また測定対象成分の濃度変化を経時的に表示することもできる。
さらにまた、本発明に係る培養モニタリング装置は、上記分析部における測定値や上記演算装置における演算結果を保存する記憶装置を備えることが好ましい。
一方、本発明によれば、上記培養モニタリング装置を備えた培養装置を提供することができる。すなわち、本発明に係る培養装置は、細胞を培養するための培養槽と、上述した培養モニタリング装置とを備えている。本発明に係る培養装置を使用することによって、培養液に含まれる各種成分を正確にモニタリングすることができる。特に、本発明に係る培養装置は、培養モニタリング装置を用いた培養状態のモニタリング結果を利用して培養条件を制御することが好ましい。この場合、本発明に係る培養装置は、培養モニタリング装置からの出力に基づいて培養条件を制御する制御装置を備える。ここで制御装置とは、例えば、培養槽内への添加培地量の制御、撹拌翼に対する撹拌速度の制御、培養槽内への酸素供給量の制御、培養液の温度の制御、培養液のpHの制御等を挙げることができる。
本発明に係る培養モニタリング装置によれば、培養液に含まれる各種成分について、センサの劣化の有無に拘わらず長期に亘って高精度にモニタリングすることができる。また、本発明に係る培養装置によれば、培養モニタリング装置により培養液に含まれる各種成分について長期に亘って高精度にモニタリングできるため、細胞に最適な環境を維持し、優れた培養環境を長期に亘って維持することができる。
本発明を適用した培養モニタリング装置を備える培養装置を模式的に示す概略構成図である。 グルタミン測定用電極膜の原理を示す図である。 本発明を適用した培養モニタリング装置を備える培養装置を模式的に示す概略構成図である。 劣化前センサ及び劣化後センサを用いて測定したときの培地添加量と測定値の関係を示す特性図である。 サンプルに既知濃度溶液を添加した場合及び添加しなかった場合における培地添加量と測定値の関係を示す特性図である。
以下、本発明に係る培養モニタリング装置を、図面を参照して詳細に説明する。先ず、本発明に係る培養モニタリング装置は、図1に示すように培養装置の一構成として使用することができる。図1に示す培養措置は、培養槽1と、培養槽1内部の培養液の一部を用いて培養液に含まれる各種成分をモニタリングする培養モニタリング装置2とから構成されている。培養装置としては、医薬品等の主原料となる物質を生産する細胞の培養に適用することができる。本発明において、生産対象の物質としては、例えば抗体や酵素等のタンパク質、低分子化合物及び高分子化合物等の生理活性物質を挙げることができる。また、培養対象の細胞としては、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、細菌、酵母、真菌及び藻類等を挙げることができる。特に、抗体や酵素等のタンパク質を生産する動物細胞を培養対象とすることが好ましい。
培養モニタリング装置2は、培養槽1から培養液を抜き出すための第1流路3と、第1流路3の中途部に配設された第1ポンプ4と、モニタリング対象の成分に関する標準液を備える標準液保持部5と、標準液保持部5から標準液を抜き出すだめの第2流路6と、第2流路6の中途部に配設された第2ポンプ7と、第1流路3及び第2流路6と接続された混合器8と、混合器8に接続された培地成分分析計9と、培地成分分析計9から出力された分析値を演算処理する演算装置10と、演算装置10における演算結果を出力する出力装置11とを備えている。なお、図示していないが、培養モニタリング装置は、第1ポンプ4及び第2ポンプ7における溶液の吸引動作、混合器4における溶液の混合動作等を制御する動作制御装置を備えていてもよい。また、これら第1ポンプ4、第2ポンプ7及び混合器4は、それぞれ独立に制御可能な装置であってもよい。
培養モニタリング装置2において、標準液とは、モニタリング対象の成分を既知の濃度で含む溶液である。ここで、モニタリング対象の成分としては、特に限定されないが、グルコース、グルタミン等の栄養成分、アンモニアや乳酸等の生成物質等の培地成分を例示することができる。特に、モニタリング対象の成分としては、栄養成分を低濃度で培養する連続培養や流加培養を前提とすると、グルコースやグルタミン等の栄養成分とすることが好ましい。
また、標準液保持部5は、モニタリング対象の成分の濃度が異なる複数種類の標準液を有していてもよい。この場合、標準液保持部5は、複数の標準液を適宜選択し、選択された標準液を第2流路6と連結できるような構成となる。また、標準液保持部5は、モニタリング成分として複数種類の成分についてそれぞれ標準液(濃度の異なる複数の標準液でもよい)を有していてもよい。この場合、標準液保持部5は、モニタリング対象の成分毎に異なる第2流路6が連結されるような構成となる。
さらに、標準液保持部5は、標準液を所望の温度に制御する温度制御装置を有していることが好ましい。標準液の温度としては、特に限定されないが、標準液に含まれる成分の分解を抑制する場合には例えば10℃以下、好ましくは4℃以下とすることができる。また、標準液の温度としては、特に限定されないが、標準液を長期保存する場合には例えば−10℃以下、好ましくは−20℃以下とすることができる。すなわち、温度制御装置としては、標準液を例えば10℃以下、若しくは例えば−10℃以下に維持できる冷蔵装置を使用することが好ましい。
培養モニタリング装置において、混合器8とは、第1流路3及び第2流路6と連結されており、これら第1流路3及び第2流路6を介してから供給された溶液を混合することができる。具体的に混合器8としては、特に限定されないが、ボルテックス、攪拌子若しくはマイクロミキサ等の溶液を混合できる機能を有してれば如何なる装置を使用することも可能である。また、第1流路3及び第2流路6としては何ら限定されず、例えば通常の培養装置に使用される管状部材を使用することができる。また、第1流路3の中途部に配設された第1ポンプ4、第2流路6の中途部に配設された第2ポンプ7は、何ら限定されず、例えば通常の培養装置に使用されるポンプ装置を使用することができる。
培養モニタリング装置において、培地成分分析計9は、混合器8から供給された溶液に含まれるモニタリング対象の成分について分析する装置である。すなわち、培地成分分析計9は、図示しないが、モニタリング対象の成分を特異的に検出できるセンサを備える。
モニタリング対象の成分としてグルタミンを検出するセンサとしては、図2に模式的に示すように、グルタミンを基質として反応しうる酵素が固定された電極膜20と、白金を有する電極21とを備えるセンサを例示することができる。電極膜20には、グルタミナーゼ及びグルタミン酸オキシダーゼが固定されている。グルタミンを含有する溶液と電極膜20とを接触させると、電極膜20に固定されたグルタミナーゼにより以下の反抗が進行する。
グルタミン+HO→グルタミン酸+NH
また、溶液にグルタミン酸が存在すると、電極膜20に固定されたグルタミン酸オキシダーゼにより以下の反応式に従って過酸化水素が発生する。
グルタミン酸+O→ケトグルタレート+NH+H
白金を含有する電極21において、式3に示す反応により電流が生じる。
→2H+O+2e
電極21に生じた電流の大きさは過酸化水素の発生量と比例するため、電極21に生じた電流値から溶液に含まれるグルタミン濃度を測定することができる。なお、溶液にグルタミンとグルタミン酸が存在している場合には、図2に示したセンサのみではグルタミンとグルタミン酸の合計量しか測定することができない。このため、溶液にグルタミンとグルタミン酸が存在している場合には、グルタミン酸オキシダーゼが固定された電極膜を有するセンサによって、溶液に含まれるグルタミン酸濃度のみを測定し、グルタミン及びグルタミン酸の合計の濃度からグルタミン酸濃度を差し引くことで、溶液に含まれるグルタミン濃度を測定することができる。
また、モニタリング対象の成分としてグルコースを検出するセンサとしては、グルコースオキシダーゼを固定した電極膜を備えるセンサを使用することができる。グルコースオキシダーゼによればグルコースを基質としてグルコノラクトン及び過酸化水素が生成される。すなわち、上述したグルタミンを検出する場合と同様に、生成した過酸化水素からと溶液に含まれるグルコース濃度を測定することができる。
培養モニタリング装置において、演算装置10は、培地成分分析計9からの出力を入力する入力部と、入力部で入力したデータからモニタリング対象の成分の濃度を演算処理する演算処理部と、演算処理部で算出したモニタリング対象の成分の濃度データを出力する出力部とを備える。演算装置10としては、特に限定されないが、入力部及び/又は出力部として機能するI/Oインターフェース、演算処理部として機能しうる中央演算処理装置(CPU)、各種データを格納しうるメモリー等を備えるコンピュータを使用することができる。
培養モニタリング装置において、出力装置11は、モニタリング対象の成分の濃度データを可視化できる装置であることが好ましく、例えば演算装置10に接続されたモニタやプリンタ等である。
なお、上述した培養モニタリング装置は、図示しないが、第1流路3の中途部における培養槽1と第1ポンプ4の間に、モニタリング対象の成分を通過し、他の成分を除去するためのフィルター装置を有していても良い。
以上のように構成された培養モニタリング装置は、培養槽1内の培養液に含まれるモニタリング対象の成分の濃度を測定することができる。先ず、混合器8において、培養液の一部と標準液とを混合してモニタリング対象の成分を測定するための溶液を調製する。すなわち、第1ポンプ4によって培養槽1内の培養液を第1流路3を介して混合器8に供給するとともに、第2ポンプ7によって標準液保持部5の標準液を第2流路6を介して混合器8に供給する。
ここで、標準液には、培養液に含まれるモニタリング対象の成分の濃度と比較して高濃度のモニタリング対象の成分が含まれている。したがって、培養槽1から抜き取った培養液と標準液とを混合すると、混合液に含まれるモニタリング対象の成分は、混合前の培養液と比較すると高濃度となる。
次に、培地成分分析計9において、培養液と標準液との混合液を用いてモニタリング対象の成分を分析する。培地成分分析計9においては、混合液に含まれるモニタリング対象の成分を検出し、その濃度を測定する。培地成分分析計9は、使用態様にもよるが、長期間の分析によってモニタリング対象の成分の検出感度が低下する。特に、培養液に含まれるモニタリング対象の成分の濃度範囲では、培地成分分析計9におけるセンサの経時劣化により当該成分を全く検出できないことがある。しかしながら、このような培地成分分析計9におけるセンサの経時劣化は上記濃度範囲において生じる問題であり、上記濃度範囲を上回る濃度範囲では経時劣化の影響が無くモニタリング対象の成分を検出することができる。
より具体的に、流加培養においては、培養液に含まれるグルタミン濃度を0.15〜0.3mM程度に維持しており、この濃度範囲のグルタミンをモニタリングする必要がある。ところが、グルタミナーゼ及びグルタミン酸オキシダーゼが固定された電極膜20及び白金からなる電極21を備えるセンサは、モニタリング開始から約1ヵ月使用すると約0.2mM以下のグルタミンを検出できなくなる。しかしながら、このセンサをモニタリング開始から約1ヵ月使用したとしても、約0.5mM以上のグルタミンは劣化前とほぼ同等の検出感度を維持できることが明らかとなった。
したがって、上述した培養モニタリング装置2において、標準液保持部5から供給された標準液を培養液と混合して、モニタリング対象成分をより高濃度にすることで、センサの経時劣化が生じたとしてもモニタリング対象成分を高精度に検出することができる。特に、モニタリング対象成分の濃度を0.5mM以上とすることが好ましく、0.7mM以上とすることがより好ましい。
次に、混合液に含まれるモニタリング対象成分の濃度を演算装置10に出力する。演算装置10では、混合液にモニタリング対象成分の濃度から、標準液の添加によって高まった分の濃度を差し引くことで、培養液に含まれていたモニタリング対象成分の濃度を算出する。演算装置10では、培養液に含まれていたモニタリング対象成分の濃度を算出した後、この値と過去のデータとを比較することで、培養液に含まれていたモニタリング対象成分の濃度変化を算出することもできる。
次に、演算装置10において算出された、モニタリング対象成分の濃度値或いはその濃度変化を出力装置11に出力する。本発明に係る培養モニタリング装置2によれば、出力装置11に出力されたモニタリング対象成分の濃度値或いはその濃度変化をセンサの経時劣化が生じたとしても長期間に亘って確認することができる。
なお、上述した培養モニタリング装置2においては、培養槽1から抜き出した培養液と標準液とを混合した混合液にモニタリング対象成分の濃度を測定しているが、センサの経時劣化が生じるまでは標準液を混合せず培養液をそのまま測定し、センサの経時劣化が生じた後に標準液と培養液とを混合して混合液について測定してもよい。センサの経時劣化は、モニタリング対象成分の濃度変化を指標にして適宜判断することができるし、また予め設定した期間の経過を指標にしても良い。
ところで、本発明の技術的範囲は、図1に示した培養モニタリング装置2に限定されるものではなく、例えば、図3に示すような、培養モニタリング装置30にも適用される。図3に示す培養モニタリング装置30において、図1に示した培養モニタリング装置2と同じ装置及び構成については同符号を付すことによりその詳細な説明を省略する。
培養モニタリング装置30は、流加培地等の添加培地を充填した貯留槽31から培養槽1に対して供給する添加培地量やタイミング等を制御する制御信号を出力するものであってもよい。すなわち、培養モニタリング装置30を備える培養装置は、流加培地等の添加培地を充填した貯留槽31と、貯留槽31と培養槽1とを連結する第3流路32と、第3流路32の中途部に配設された第3ポンプ33と、培養モニタリング装置30からの制御信号に基づいて第3ポンプ33等の動作を制御する制御装置34とを備える。なお、図3に示す培養装置において、制御装置34による動作制御対象としては第3ポンプ33のみを例示として図示している。しかしながら、制御装置34は、培養槽1内の培養液に対して酸素を供給する酸素供給装置、培養槽1内の培養液に対する撹拌装置、培養液の温度制御装置、培養液のpH制御装置等に対して制御信号を出力する構成であっても良い。
図3に示す培養装置によれば、演算装置10において算出した培養液に含まれるモニタリング対象成分の濃度に基づいて、例えば第3ポンプ33の動作を制御し、培養槽1内への添加培地の供給量及び/又は供給タイミングを制御することができる。より具体的に、制御装置34は、予め閾値を設定し、演算装置10で算出した培養液に含まれるモニタリング対象成分の濃度が当該閾値を下回った場合に第3ポンプ33を駆動する。これにより、貯留槽31に充填された添加培地は培養槽1に供給され、培養装置1内の培養液におけるモニタリング対象成分を所望の濃度範囲に調節することができる。
以上で説明したように本発明を適用した培養モニタリング装置30によれば、培養槽1内の培養液に含まれるモニタリング対象成分を高精度に検出できるため、長期間に亘った培養に際して培養液に対する当該成分の効果的な添加を実現することができる。
〔実験例1〕
本実験例では、培養液中のグルタミンを検出するセンサが経時劣化すること及び当該経時劣化によりグルタミンの低濃度領域における検出感度が低下することを実証した。本実験例では、グルタミンセンサとしてグルタミンセンサ:BioProfile100plus (NOVA社),グルタミン電極膜(NOVA社,型番 24456)を使用した。
先ず、1L培養槽に緩衝液(PBS)を800mL入れ、流加培養用添加培地(グルタミン濃度:55mM)を1mLずつ加え、培養槽からサンプリングしたサンプル(培地を添加した緩衝液)のグルタミン濃度を測定した。劣化前のセンサ及び1ヵ月の使用による劣化後のセンサを使用してグルタミン濃度を検出した結果を図4に示す。なお、図4の横軸は流加培養用添加培地の緩衝液に対する添加量(mL)を示し、縦軸はセンサによって検出されたグルタミン濃度を示す。
図4に示すように、劣化前のセンサを使用した場合には、グルタミン濃度が0.2mM以下でも検出可能であるのに対し、1ヶ月使用後の劣化したセンサを使用した場合には、0.2mM以下では検出不可能となった。一方、図4に示すように、センサが劣化しても、グルタミン濃度が0.5mM以上、好ましくは0.7mM以上の範囲では、劣化前の電極とほぼ同等の検出能力があることが判明した
以上の結果から、本実験例により、センサの経時劣化はグルタミン濃度が0.5mM未満といった範囲において検出感度の低下といった問題を引き起こすが、グルタミン濃度が0.5mM以上の濃度範囲では正常の検出感度を維持していることが明らかとなった。
〔実験例2〕
本実験例では、実験例1と同様に、劣化後のセンサを使用して流加培養用添加培地を1mLずつ添加した緩衝液を培養液に見立て、グルタミン濃度を測定した。ただし、本実験例では、実施例1のようにそのまま測定するサンプルと、サンプル1mLに20mMのグルタミンを35μL混合することでサンプル中のグルタミン濃度を0.7mM高めたサンプルそれぞれについてグルタミン濃度を測定した。培地添加量とそれに対するグルタミン濃度の測定値をプロットしたグラフを図5に示す。図5の横軸は流加培養用添加培地の緩衝液に対する添加量(mL)を示し、縦軸はセンサによって検出されたグルタミン濃度を示す。
図5に示すように、サンプルに既知濃度(20mM)のグルタミンを添加して測定し、グルタミン添加による上昇分(0.7mM)を差し引いた結果の方が、サンプルをそのまま測定する方法に比べて低濃度まで直線性が保たれ、測定精度がよいことがわかる。
1…培養槽、2…培養モニタリング装置、3…第1流路、4…第1ポンプ、5…標準液保持部、6…第2流路、7…第2ポンプ、8…混合器、9…培地成分分析計、10…演算装置、11…出力装置11、34…制御装置

Claims (13)

  1. 測定対象成分を含む培養液と既知濃度の測定対象成分とを混合して混合液を調製する混合部と、
    当該混合液に含まれる当該測定対象成分を分析する培地成分分析部とを備え、
    培地成分分析部において混合液に含まれる測定対象成分を測定し、測定値から培養液に含まれる測定対象成分に関する分析結果を得ることを特徴とする培養モニタリング装置。
  2. 上記測定対象成分を既知濃度で含有する標準液を上記混合部に供給するための標準液を保持する標準液保持部を備え、上記培養液と上記標準液とを混合して上記混合液を調製することを特徴とする請求項1記載の培養モニタリング装置。
  3. 上記培養液の流路となる第1流路と、上記標準液の流路となる第2流路と、これら第1流路及び第2流路が接続されて上記培養液と上記標準液とを混合することができる混合器とを備えることを特徴とする請求項2記載の培養モニタリング装置。
  4. 上記標準液保持部は、標準液を所望の温度に調節及び維持することができる温度調節装置を有することを特徴とする請求項2記載の培養モニタリング装置。
  5. 上記培地成分分析部における測定値から、培養液に添加した測定対象成分の濃度を差し引く演算処理を行う演算装置を有することを特徴とする請求項1記載の培養モニタリング装置。
  6. 上記演算装置における演算処理結果を出力する出力装置を備えることを特徴とする請求項5記載の培養モニタリング装置。
  7. 細胞を培養するための培養液を充填する培養槽と、
    請求項1乃至6いずれか一項記載の培養モニタリング装置とを備える、培養装置。
  8. 上記培養モニタリング装置からの制御信号を入力し、当該制御信号に基づいて培養条件を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項7記載の培養装置。
  9. 上記制御装置は、添加培地の添加量及び/又は添加タイミングを制御することを特徴とする請求項8記載の培養装置。
  10. 測定対象成分を含む培養液と既知濃度の測定対象成分とを混合して混合液を調製し、
    当該混合液に含まれる当該測定対象成分を分析し、
    当該混合液に含まれる測定対象成分の測定値から培養液に含まれる測定対象成分に関する分析結果を得ることを特徴とする培養モニタリング方法。
  11. 上記測定対象成分を既知濃度で含有する標準液と上記培養液とを混合して上記混合液を調製することを特徴とする請求項10記載の培養モニタリング方法。
  12. 上記混合液に含まれる測定対象成分の測定値から、培養液に添加した測定対象成分の濃度を差し引く演算処理を行うことを特徴とする請求項11記載の培養モニタリング方法。
  13. 上記測定対象成分を検出するためのセンサが劣化して検出感度が低下した時点で上記混合液に含まれる当該測定対象成分を分析することを特徴とする請求項10記載の培養モニタリング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013085516A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Hitachi Plant Technologies Ltd 細胞培養制御方法、細胞培養制御装置及びこれを備える細胞培養装置
KR101449194B1 (ko) * 2012-12-24 2014-10-16 주식회사 포스코 미생물 반응조 연속 모니터링 장치
DE102014000188A1 (de) 2013-01-15 2014-11-06 Fanuc Corporation Motorantriebseinheit mit Wärmeradiator

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