JP2010182833A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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裕志 高瀬
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Abstract

【課題】衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度の窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に、n型窒化物半導体膜と、p型窒化物半導体膜と、n型窒化物半導体膜およびp型窒化物半導体膜で挟まれる発光部とが積層される構造を有する積層構造部とを備え、前記積層構造部は、前記積層構造部の積層方向に開口される複数の開口部を有し、前記複数の開口部は、前記発光部が発光する領域である発光領域以外の領域に、前記積層構造部の外周側面に沿って周期的に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子に関し、特に発光ダイオードに適用される窒化物半導体発光素子に関するものである。
GaNに代表されるいわゆる窒化物系化合物半導体(一般にInxAlyGa1-x-yN、0≦x≦1、0≦y≦1と表記)を用いて、可視光領域より紫外線領域に至る広い波長範囲の発光素子が実現されている。
このような窒化物半導体発光素子を用いた発光素子は、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。このLEDには、携帯電話等の電子機器のバックライトだけでなく、一般照明や車両のヘッドライト等の幅広い用途があるため、今後、急峻な市場の拡大が期待されている。
しかしながら、LEDは、小型および長寿命という特長があるものの、白熱電球や蛍光灯などと比較して発光効率が低く、高価であるという欠点がある。
そのため、LEDの発光効率(光出力)を高くするおよび低コスト化するためのさまざまな取り組みがなされている。
ここで、一般的なLEDの構造の一例について図を用いて説明する。
図14は、一般的な発光ダイオードの構造を示す図である。
図14に示す従来のLED900は、窒化物半導体発光素子950と、リード線920aと、リード線920bと、透明樹脂910とで主に構成される。
窒化物半導体発光素子950は、基板951と、基板951上に形成されたn型半導体層952、発光層953およびp型半導体層954と、n型半導体層952に接続されているn型電極パッド956と、p型半導体層954と透明電極955を介して接続されるp型電極パッド958とで構成される。
p型電極パッド958およびn型電極パッド956は、それぞれリード線920aおよび920bと金ワイヤーにより電気的に接続される。
上記のように窒化物半導体発光素子950は、電気的に接続されている構成となっている。そして、LED900は、この窒化物半導体発光素子950を透明樹脂910により密閉することで構成されている。
以上のようにして、LED900は構成されている。
LED900では、リード線920aおよびリード線920bに所定の電圧が印加されると、発光層953に電流が注入され、発光層953で、注入された電流を光に変換される。そして、この変換された光が窒化物半導体発光素子950および透明樹脂910を透過し、LED900の外部に放射される。このようにして、LED900は、動作(発光)する。
次に、LED900における発光効率およびコストについて説明する。
まず、窒化物半導体発光素子950は、LED900の発光効率とコストとを決定する重要な素子である。そのため、LED900の発光効率を向上するためには、発光層953に注入された電流を光に変換する効率(内部量子効率)と、発光層953で発生した光を窒化物半導体発光素子950外部に取り出す効率(光取り出し効率)とが重要な要素であり、それらの向上が必要となる。
また、LED900のコストを低下するためには、窒化物半導体発光素子950が半導体ウエハより半導体プロセスを用いて作製されるため、窒化物半導体発光素子950のチップサイズが重要な要素であり、それを小さくすることが必要となる。
しかしながら、窒化物半導体発光素子950のチップサイズを小さくすると、図14に示す窒化物半導体発光素子950の上面の面積(発光面)が小さくなる。そのため、発光層953で発生した光の大半は、窒化物半導体発光素子950の側面へ向かうことになる。この場合、窒化物半導体発光素子950と透明樹脂910とで屈折率差があるため、発光層953で発生した光のうち側面の界面に浅い角度で入射した光はその界面で全反射されてしまい、窒化物半導体発光素子950の外部に光を取り出すことができない。つまり、窒化物半導体発光素子950のチップサイズを小さくすると、結果的に、光取り出し効率が低下してしまうという課題がある。
これに対して、窒化物半導体発光素子950の側面の光取り出し効率を向上させる方法
がいくつか提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献1および特許文献2では、窒化物半導体発光素子950の側面部分に凹凸構造を形成する方法が提案されている。
以下、図を用いて側面部分に凹凸構造が形成される従来の窒化物半導体発光素子について説明する。
図15は、従来の窒化物半導体発光素子を説明するための図である。なお、図15に示す窒化物半導体発光素子1050は、図14の窒化物半導体発光素子950を上面から見た概略図に相当する。なお、この窒化物半導体発光素子1050は、図14に示す窒化物半導体発光素子950と構造がほぼ同一であるため、詳細な説明は省略する。
図15に示すように、窒化物半導体発光素子1050では、上面から、窒化物半導体発光素子1050が備えるn型半導体層1052、透明電極1055、n型電極パッド1056およびp型電極パッド1058を見ることができる。また、図示していないが、窒化物半導体発光素子1050は、窒化物半導体発光素子950と同様、p型半導体層と発光層とn型半導体層1052とを備えている。
窒化物半導体発光素子1050では、側面の光取り出し効率を向上させるためにp型半導体層と発光層とn型半導体層1052との一部の側面に凹凸側面1060が形成されている。
この構成により、発光層で放射された光のうち、側面に浅い角度で入射するものが凹凸側面1060で反射して発光素子内部に戻り、吸収されてしまうのを防止する。そのため、発光効率を向上することができる。
特開2003−110136号公報 特開2004−6662号公報
しかしながら、従来の窒化物半導体発光素子1050では、外部からの衝撃耐性が低下してしまうという課題がある。以下、それについて説明する。
一般的に、窒化物半導体発光素子は、サファイアまたはSiCなどの基板上に約1000℃で窒化物半導体が結晶成長されて形成される。結晶成長に用いた基板と、例えばGaNなどの窒化物半導体とは、格子定数および熱膨張係数が異なるため、結晶成長されたGaNの窒化物半導体には応力が内在する。
そのため、窒化物半導体発光素子1050の側面に凸凹構造を形成すると、凸凹部である凹凸側面1060にとくに応力が集中することになるので、凸凹構造を起点としてクラックや割れなどが発生しやすくなる。すなわち外部からの衝撃への耐性が低くなってしまう。
したがって、窒化物半導体発光素子1050では、製造工程時、特に実装工程時において、クラック、割れおよびチップ欠けなどの発生確率が増加してしまうため、歩留りが低くなる。このように、窒化物半導体発光素子1050では、低コスト化が困難である。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度の窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る窒化物半導体発光素子は、基板と、前記基板上に、n型窒化物半導体膜と、p型窒化物半導体膜と、前記n型窒化物半導体膜および前記p型窒化物半導体膜で挟まれる発光部とが積層される構造を有する積層構造部とを備え、前記積層構造部は、前記積層構造部の積層方向に開口される複数の開口部を有し、前記複数の開口部は、前記発光部が発光する領域である発光領域以外の領域に、前記積層構造部の外周側面に沿って周期的に形成されることを特徴とする。
この構成により、窒化物半導体発光素子の側面は平坦となり局所的な応力の集中が低減することができるため、外部からの衝撃への耐性を向上することが可能となる。また、側面より離れた距離で配列された開口部は、側面に凸凹を形成した場合と少なくとも同等以上に光取り出し効率を向上させることができる。したがって、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度な窒化物半導体発光素子を実現することができる。
また、発光領域の外側に開口部を有するため、発光領域以外の領域を有効に利用することができる。
なお、開口部は、積層構造部の側面よりも内側に形成されている。
また、前記複数の開口部は、前記外周側面より一定の距離離れた位置に、1以上の列で配列されるのが好ましい。
また、前記開口部は、前記発光部を前記積層構造部の積層方向に横切ってもよい。
また、前記開口部の開口形状は、曲線で囲まれる形状であってもよい。
このような構成により、開口部近辺においてとくに応力の集中を防ぎ分散させることができるので、窒化物半導体発光素子の歩留りをさらに高くすることが可能となる。
また、前記開口部の開口径は、5μm以下であってもよい。
ところで、開口部の直径が大きくなれば窒化物半導体発光素子において開口部の占める割合が増加するため、外部からの衝撃への耐性が弱くなる。また、大きな直径の開口部を配列するには発光領域が小さくなるため、窒化物半導体発光素子の特性が悪化してしまう。
そのため、このように前記開口部の開口径を5μm以下、より好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下で構成することによって、衝撃への耐性が強く、素子の特性へ悪影響を与えずに開口部を配列することができる。衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度な窒化物半導体発光素子を実現することができる。
また、前記開口部が形成される周期は、前記発光部が発光する光の波長である発光波長をλ、前記積層構造部の屈折率をnとする場合に、20λ/n以下であってもよい。
この構成によって、より高効率に側面方向の光を窒化物半導体層の外部に取り出すことができる。
また、前記開口部の深さは、前記発光部が発光する光の波長である発光波長をλ、前記積層構造部の屈折率をnとする場合に、λ/2n以上であってもよい。
この構成によって、より高効率に側面方向の光を窒化物半導体層の外部に取り出すことができる。
本発明によれば、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度の窒化物半導体発光素子を実現することができる。
具体的には、複数の開口部を窒化物半導体発光素子の側面から離れた位置に配列させることにより、外部からの衝撃耐性を悪化させることなく側面方向の光取り出し効率を向上させることができるので、より低コストかつ高輝度な窒化物半導体発光素子を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子を示す図である。図1(a)は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子100を上面から見た概略図を示しており、図1(b)は、図1(a)の点線Aにおける断面構成図を示している。
(構造)
図1(b)に示すように、窒化物半導体発光素子100は、基板1と、基板1上にn型半導体層2、発光層3およびp型半導体層4が積層されてなる積層構造部10と、積層構造部10上に積層された透光性電極5とを備えている。また、窒化物半導体発光素子100は、n型電極パッド6、p型電極パッド7および開口部12を備える。
基板1は、例えばサファイア、SiC、GaN、Si等で形成される半導体基板である。
n型半導体層2は、例えばSiがドープされたGaNからなるn型半導体で形成される層である。
発光層3は、例えばInGaNとGaNの多重量子井戸からなる半導体で形成される層である。
p型半導体層4は、例えばMgがドープされたGaNからなるp型半導体で形成される層である。
n型電極パッド6およびp型電極パッド7は、それぞれn型半導体層2および透光性電極5に電気的に接続されるように形成されている。
また、n型電極パッド6は、例えば、Ti、Al、Ni、Au等の金属の多層膜で構成され、p型半導体層4および発光層3の一部を選択的に除去することで露出したn型半導体層2に接する形で形成されている。
透光性電極5は、例えばITO(In_x Sn_1−x O)、ZnOまたはNi/Auなどで構成され、p型半導体層4に接する形で形成されている。
p型電極パッド7は、例えばTi、Al、Ni、Auなどの金属の多層膜で構成され、透光性電極5の一部に接する形で形成されている。
発光領域8は、積層構造部10における発光領域であり、透光性電極5の下方の領域である。これは、p型半導体層4において、印加電流の拡散する領域が概ね透光性電極5の直下の領域であり、積層構造部10における発光領域8は、概ね透光性電極5直下の領域となるからである。
積層構造部10は、n型半導体層2、発光層3およびp型半導体層4とを備える。また、積層構造部10は、透光性電極5の下方に発光領域8と、発光領域8の外側、すなわち発光領域8の周縁から外側の領域に開口部形成領域11とを備える。ここで、下方とは、図1(b)で示す下方であり、透光性電極5から基板1の方向を指す。また、外側とは、図1(a)上で示す外側に対応する。
開口部12は、積層構造部10の側面よりも内側に形成されている。すなわち、開口部形成領域11に、p型半導体層4、発光層3およびn型半導体層2で構成される積層構造部10の一部が選択的に除去されて形成されている。
なお、開口部12は、図1(a)に示すように、発光領域8の外側の開口部形成領域11に設けられ、積層構造部10における発光領域以外の領域を有効に利用できるので好ましい。
以上のように、窒化物半導体発光素子100は構成される。
次に、開口部12の機能について、具体的に説明する。
図2は、窒化物半導体発光素子の側面での光の挙動を説明するための図である。図2(a)は、窒化物半導体発光素子100の側面部が凸凹構造のない平坦な構造である場合を示す図である。図2(b)は、窒化物半導体発光素子100の側面部に凸凹が形成された場合の構造を示す図である。図2(c)は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子100の側面部に側面より一定の距離で開口部が形成された場合の構造を示す図である。
まず、窒化物半導体発光素子100の発光領域8で発生した光は全方位に広がる。そして、その一部の光が横方向(図1(b)に示す水平方向)に伝搬して窒化物半導体発光素子100の側面に到達する。
図2(a)に示すように、窒化物半導体発光素子100の側面が平坦な場合、窒化物半導体発光素子100の側面と外部との界面に入射する光の角度θaが臨界角より大きくなると、光は全反射してしまう。そのため、窒化物半導体発光素子100の外部に取り出すことができない。
また、図2(b)に示すように、窒化物半導体発光素子100の側面に凸凹構造が形成される場合、図2(a)と同じ角度で進行する光に対して、凸凹構造があることにより界面への入射角θbを臨界角より小さくすることができる。そのため、図2(a)の場合に比べて、高い光取り出し効率で窒化物半導体発光素子100外部に光を取り出すことができる。すなわち、窒化物半導体発光素子100の側面が平坦な場合に比べ高い光出力を得ることができる。しかし、上述したように、窒化物半導体発光素子100の側面に凸凹構造を形成することによって、局所的に窒化物半導体発光素子100の側面に内在する応力が集中するため、クラックや割れなどが発生しやすくなる。すなわち外部からの衝撃への耐性が低くなってしまう。
一方、図2(c)に示すように、本実施の形態1における窒化物半導体発光素子100では、開口部形成領域11に、側面より一定の距離で開口部12が形成される。この場合、図2(a)と同じ角度で進行する光は、開口部12があることにより反射または散乱される。そのため、窒化物半導体発光素子100の側面と外部との界面への光の入射角θcを臨界角より小さくすることができる。特に、界面近傍での多重反射を利用して、界面への入射角θcを小さくすることができるため、多重反射により光の光路が長くなり、その結果、光がその光路中で吸収され、光出力を低下させることがない。したがって、図2(a)の場合に比べて、高い光取り出し効率で窒化物半導体発光素子100外部に光を取り出すことができる。
このように、開口部12を備える窒化物半導体発光素子100では、窒化物半導体発光素子100の側面が平坦な場合に比べ高い光出力を得ることができる。
さらに、本実施の形態1における窒化物半導体発光素子100の界面は平坦であり、内在する応力が集中しにくい構造である。そのため、側面に凸凹構造が形成される場合に比べてクラックや割れなどの発生確率は低い。
図3は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子に対する、横方向に伝搬する光の透過率特性の光学シミュレーション結果を示す図である。図3(a)は、光学シミュレーションを行うために用いたモデルを示す図である。図3(b)は、光学シミュレーションを行うために用いたパラメータを示す表である。図3(c)は、光の入射角度を変化させるときの入射角度と透過率特性との関係を示す図である。図3(d)は、開口部12の周期T1と光取り出し効率との関係を示す図である。ここで、この光学シミュレーションは、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法を用いて行っている。
図3(a)に示すように、この光学シミュレーションでは、窒化物半導体発光素子100に相当する窒化物半導体に、開口部12に相当する直径T1/2の円状の開口が、界面より距離T1離れたところに周期T1で配列されている構造のモデルを用いている。そして、図3(c)では、図3(a)に対し、図3(b)で示すパラメータを用いて算出した光の入射角度を変化させそれぞれの入射角度での透過率特性が示されている。すなわち、図3(c)では、開口部12がない場合と開口部12が周期T1=2μmで配列される場合に、光の入射角度と透過率特性との関係が算出された光学シミュレーション結果が示されている。
図3(c)に示すように、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がない場合(平坦な側面の場合)、入射角0°(界面に垂直)から入射角23°の範囲における透過率は約82%となる。それ以上、すなわち入射角23°以上の範囲では、全反射のため透過率はほぼ0%となる。
それに対して、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がある場合、入射角0°から入射角23°の範囲における透過率は50%程度であり、平坦な側面の場合に比べて減少する。しかし、臨界角より大きな入射角度の範囲での透過率は、20〜40%程度となり、平坦な側面の場合に比べて大幅に増加する。
この光学シミュレーション結果から、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がある場合には、その光取り出し効率は、側面が平坦な場合の3.1倍程度になり、その効率が向上する。このように、側面が平坦な場合に比べて光取り出し効率が向上するのは、周期的に配列された開口部12による回折や散乱の影響によるものと考えられる。
図3(d)には、開口部12が配列される周期を示す周期T1と光取り出し効率との関係が示されている。ここでは、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がない場合(平坦な側面の場合)を点線で、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がある場合を実線で示している。
図3(d)に示すように、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がある場合、周期T1が10μmのときの光取り出し効率は、平坦な場合とほぼ同じになっている。また、開口部12がある場合の光取り出し効率は、周期T1が短くなるにつれ徐々に増加し、周期2μmで最大値すなわち平坦な場合3.1倍となったあと、減少する。
この結果から、開口部12を配列する周期T1は10μm以下で特に4μm以下が好ましく、2μm付近が最適である。なお、最適な周期T1は、窒化物半導体発光素子100の窒化物半導体層内での光学波長によって決まるものであるので、光学波長が変化すればそれに対応して最適な周期T1も変化する。
したがって、開口部12が配列される周期T1は、発光層3で発光される光の発光波長をλ、窒化物半導体発光素子100の積層構造部10の屈折率をnとすると、20λ/n以下で特に10λ/n以下が好ましく、4λ/n付近が最適である。
また、図4は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子が備える開口部の開口径と光取り出し効率との関係を示す図である。図4(a)は、光学シミュレーションを行うために用いたモデルを示している。また、図4(b)は、図4(a)の光学シミュレーションの結果を示している。ここで、図4(a)に示すように、開口部12が配列される周期T1を2μmとしている。また、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がない場合(平坦な側面の場合)を点線で、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がある場合を実線で示している。
図4(b)に示すように、光取り出し効率は、開口径aが0(平坦な側面の場合)から大きくなるにつれ徐々に増加し、開口径aが0.5〜1μmの範囲で最大値となった後、減少する。
この結果から、開口部12の直径は、開口部12を配列する周期T1の1/4から1/2であるのが好ましい。
また、窒化物半導体発光素子100を樹脂封止する際において用いられる樹脂の粘度は1000〜100000mPa・sと高い。そのため、上述のように微細な開口径とすることにより、開口部12内への樹脂の入り込みを防ぐことができる。それにより開口部12と窒化物半導体発光素子100の積層構造部10との屈折率差を大きくすることができるので好ましい。
また、図5は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子が備える開口部の開口形状と光取り出し効率との関係を示す図である。図5(a)は、光学シミュレーションを行うために用いたモデルを示している。また、図5(b)は、図5(a)の光学シミュレーションの結果を示している。ここで、図5(a)に示すように、開口部12が配列される周期T1を2μmとし、開口形状を楕円状とし、界面と垂直方向の開口径を1μmと固定している。そして、界面と平行方向の開口径(開口幅b)を変化させるときの開口形状による光取り出し効率の変化が図5に示されている。また、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がない場合(平坦な側面の場合)が点線で、窒化物半導体発光素子100の側面に開口部12がある場合が実線で示されている。
図5に示すように、光取り出し効率は、平衡方向の開口幅bが2μmから小さくなるにつれて徐々に増加し、開口幅bの平行/垂直方向の比が0.75程度で最大になった後、減少する。
この結果から、開口部12の開口形状は、開口径の平行/垂直方向の比が0.5から1.5であるのが好ましい。
なお、開口部12の界面からの深さについてはとくに限定はない。ただし、発生する光の窒化物半導体発光素子100の積層構造部10内での光学波長の少なくとも半分以上、すなわちλ/2n以上であることが好ましい。
以上の光学シミュレーション結果から、実施の形態1における窒化物半導体発光素子100が備える開口部12を最適化することができる。すなわち、開口部12が配列される周期T1は、発光層3で発光される光の発光波長をλ、窒化物半導体発光素子100の積層構造部10の屈折率をnとすると、20λ/n以下で特に10λ/n以下が好ましく、4λ/n付近が最適である。また、開口部12の開口形状は、開口径の平行/垂直方向の比が0.5から1.5であるのが好ましく、開口部12の直径は、開口部12を配列する周期T1の1/4から1/2であるのが好ましい。
例えば、図3(d)より、周期T1が10μm以下で、より好ましくは4μm以下であることから、開口部12の直径すなわち開口径は、5μm以下、より好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下であることが好ましい。それにより衝撃への耐性が強く、素子の特性へ悪影響を与えずに開口部12を配列することができる。
(製造方法)
次に、窒化物半導体発光素子100の製造方法について説明する。
図6は、実施の形態1における窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図である。
まず、基板1に、例えば有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いてn型半導体層2、発光層3およびp型半導体層4を積層して積層構造部10となる厚さ5μmの窒化物半導体層を形成する(図6(a))。
次に、フォトリソグラフィーを用いて、積層構造部10の開口部形成領域11における開口部12を形成する部分とn型電極パッド6を形成する部分とに例えばフォトレジストによるマスクパターンを形成する。そして、p型半導体層4、発光層3およびn型半導体層2の一部を、例えばCl2ガスなどを用いてエッチングする(図6(b))。
次に、p型半導体層4上に透光性電極5として例えば厚さ200nmのITO(Indium Tin Oxide)を電子ビーム蒸着により形成する(図6(c))。
次に、図6(b)でエッチングにより露出したn型半導体層2上のn型電極パッド6を形成する部分と透光性電極5上の一部とにそれぞれn型電極パッド6およびp型電極パッド7として厚さ300nmのTi/Al/Ni/Au多層膜を電子ビーム蒸着により形成する(図6(d))。
次に、例えばダイシングにより窒化物半導体発光素子100を素子単位に分割する(図6(e))。
以上の工程により、窒化物半導体発光素子100が形成される。
この製造方法により、窒化物半導体発光素子100は、透光性電極5の下方にある発光領域8の周囲を覆う形で配列された開口部12を備えることが可能となる。
以上、実施の形態1によれば、窒化物半導体発光素子100がフォトリソグラフィーにより低コストで形成された開口部12を備えることにより、窒化物半導体層である積層構造部10内を横方向に伝搬する光を効率よく外部に出射することができる。それにより、クラックや割れが発生しにくい、高効率な窒化物半導体発光素子100を実現できる。すなわち、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度の窒化物半導体発光素子を実現することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、開口部を1列備える窒化物半導体発光素子について説明したが、開口部を2列以上の複数列に配列されていても構わない。実施の形態2では、複数列に配列された開口部を備える窒化物半導体発光素子について説明する。
図7は、実施の形態2における窒化物半導体発光素子を説明するための図である。
また、図7(a)は、実施の形態2における窒化物半導体発光素子200の特徴的な構造の部分を示す図である。なお、窒化物半導体発光素子200の構造は、図7(a)に示した部分を除き、実施の形態1の窒化物半導体発光素子100とほぼ同じである。そのため、同様の要素には同一の符号を付しており、それらの説明は省略する。
図7(a)に示されるように、窒化物半導体発光素子200の開口部形成領域11の開口部12は、界面より離れたところに複数列配列される。
窒化物半導体発光素子200では、開口部12が複数列配列されることにより、実施の形態1と比べてより多重反射が容易になる。そのため、光の取り出しを効果的により向上させることができる。
図7(b)は、実施の形態2における窒化物半導体発光素子200に対する、開口部の列数と光取り出し効率との関係を示す図である。ここで、開口部12は、図7(a)に示すように、界面と略平行で複数列に配列されている。さらに、隣接する窒化物半導体側の配列および外部界面側の配列において、一方の配列における開口部12と他方の配列における2つの開口部12とを頂点とする正三角形を形成するように開口部12が配列されている。
図7(b)から、窒化物半導体発光素子200は、1列の開口部12を備える場合よりも2列の開口部12を備える場合の方が光取り出し効率が向上することがわかる。また、2列の開口部12を備える場合の方が3列以上の開口部12を備える場合よりも光取り出し効率が高いこともわかる。
したがって、開口部12は、2列で配列されることがより好ましい。
なお、実施の形態2では、円形形状である開口部12を複数列に並べた構造を用いて説明したが、この限りではない。実施の形態1で示したように開口部12を楕円形状で最適化させる方法を用いてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、光取り出し効率を向上するために、開口部を備える窒化物半導体発光素子について説明したが、開口部のみでなくてもよい。実施の形態3では、さらに光取り出し効率を向上させるために、開口部とともに反射膜を備える窒化物半導体発光素子について説明する。
(構造)
図8は、実施の形態3における窒化物半導体発光素子を示す図である。図8(a)は、実施の形態3における窒化物半導体発光素子300を上面から見た概略図を示しており、図8(b)は、図8(a)の点線Aにおける断面構成図を示している。なお、図1と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図8に示す窒化物半導体発光素子300は、実施の形態1に係る窒化物半導体発光素子100に対して、p型電極パッド307と基板320と反射膜321との構成が異なる。
図8(b)に示すように、窒化物半導体発光素子300は、基板320と、基板320上に反射膜321を介してn型半導体層2、発光層3およびp型半導体層4が積層されてなる積層構造部10と、積層構造部10上に積層された透光性電極5とを備えている。また、窒化物半導体発光素子300は、p型電極パッド307および開口部12を備える。
p型電極パッド307は、例えばTi、Al、Ni、Auなどの金属の多層膜で構成され、透光性電極5に電気的に接続されるように形成されている。
基板320は、例えばSiC、GaN、Si等の導電性を有する単結晶の半導体基板、またはAu、Cu、Ni、W若しくはこれらを含む合金で形成された基板である。
反射膜321は、Al、AgまたはAlおよびAgを含む金属膜である。
また、反射膜321および基板320は、n型半導体層2と電気的に接続されるように形成されている。
以上のように、窒化物半導体発光素子300は構成される。
このような構成とすることにより、発光領域8で発生する光のうち基板320側へ放射される光が反射膜321により反射されてロスなく開口部形成領域11に到達することができる。そして、開口部形成領域11に形成された開口部12により窒化物半導体発光素子300外部に取り出すことができる。
それにより、積層構造部10の発光層3で発光した光をより高効率で外部に出射することができるので、より高輝度な窒化物半導体発光素子300を実現することができる。
(製造方法)
次に、窒化物半導体発光素子300の製造方法を説明する。
図9は、実施の形態3における窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図である。
まず、基板1に、例えば有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いてn型半導体層2、発光層3およびp型半導体層4を積層して積層構造部10となる厚さ5μmの窒化物半導体層を形成する(図9(a))。
次に、フォトリソグラフィーを用いて、積層構造部10の開口部形成領域11の一部の領域に例えばフォトレジストによるマスクパターンを形成する。そして、p型半導体層4、発光層3およびn型半導体層2の一部を、例えばCl2ガスなどを用いてエッチングする(図9(b))。
次に、P型半導体層4上に透光性電極5として例えば厚さ200nmのITO(Indium Tin Oxide)を電子ビーム蒸着により形成する(図9(c))。
次に、透光性電極5上の一部に厚さ300nmのTi/Au多層膜を、P型電極パッド207として電子ビーム蒸着により形成する(図9(d))。
次に、例えばレーザリフトオフやエッチングにより基板1を除去し、その後厚さ200nmの反射膜321および基板320を形成する(図9(e))。
次に、例えばダイシングにより窒化物半導体発光素子300を素子単位に分割する(図9(d))。
以上の工程により、窒化物半導体発光素子300が形成される。
この製造方法により、窒化物半導体発光素子300は、基板320側に反射膜321を配置し、発光領域8の周囲を覆う形で配列された開口部12を備えることが可能となる。
以上、実施の形態3によれば、開口部12と反射膜321とを備える窒化物半導体発光素子300は、反射膜321により基板320側に放射される光を少ない損失で側面付近の開口部形成領域11に到達させることができ、そして開口部12により効率よく外部に出射させることができる。このようにして、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつより高効率な窒化物半導体発光素子を実現できる。
なお、実施の形態3において、円形形状である開口部12を1列に並べた構造を用いて説明したがこの限りではない。実施の形態1で示したように開口部12を楕円形状で最適化させる方法や、実施の形態2で示したように開口部12を複数列に並べる方法を用いてもよい。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4では、光取り出し効率を向上するために、開口部とともに反射膜を備える窒化物半導体発光素子について、実施の形態3とは別の態様を説明する。
(構造)
図10は、実施の形態4における窒化物半導体発光素子の構造を示す図である。なお、図1および図8と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図10に示す窒化物半導体発光素子400は、実施の形態3に係る窒化物半導体発光素子300に対して、n型電極パッド406と基板420と反射膜421との構成が異なる。また、窒化物半導体発光素子400は、実施の形態3に係る窒化物半導体発光素子300の透光性電極5を備えていない。
図10に示すように、窒化物半導体発光素子400は、基板420と、基板420上に反射膜421を介してp型半導体層4、発光層3およびn型半導体層2が積層されてなる積層構造部10とを備える。また、窒化物半導体発光素子400は、n型電極パッド406と、開口部12とを備える。
n型電極パッド406は、積層構造部10のn型半導体層2上に例えば、Ti、Al、Ni、Au等の金属の多層膜で構成され、n型半導体層2と電気的に接続されるように形成されている。
また、開口部は、反射膜321の上方(図10での上方)にある発光領域8を囲う開口部形成領域11に形成されている。
基板420は、例えばSiC、GaN、Si等の導電性を有する単結晶の半導体基板またはAu、Cu、Ni、W若しくはこれらを含む合金で形成される基板である。
反射膜421は、Al、Agまたはこれらを含む金属膜である。
また、反射膜421および基板420は、p型半導体層4と電気的に接続されるように形成されている。
以上のように、窒化物半導体発光素子400は構成される。
このような構成とすることにより、発光層3と反射膜421との距離が近くなるので横方向に伝搬する光が増加し、開口部形成領域11に到達する光が増加する。そして、開口部形成領域11に形成された開口部12によって到達した光を窒化物半導体発光素子400の外部に効率よく取り出すことができる。
それにより、発光層3で発光した光をより高効率で外部に出射することができるので、より高輝度な窒化物半導体発光素子400を実現することが可能となる。
なお、実施の形態2において、円形形状である開口部12を1列に並べた構造を用いて説明したがこの限りではない。実施の形態1で示したように開口部12を楕円形状で最適化させる方法や、実施の形態2で示したように開口部12を複数列に並べる方法を用いてもよい。
(実施の形態5)
実施の形態4では、光取り出し効率を向上するために、開口部を備えるとともに、発光層に近い距離に反射膜を備えることで、横方向に伝搬する光を増加させる窒化物半導体発光素子について説明した。実施の形態5では、さらに光取り出し効率を向上するために、横方向に伝搬する光を増加させる窒化物半導体発光素子についての別の態様について説明する。
(構造)
図11は、実施の形態5における窒化物半導体発光素子の構造を示す図である。なお、図1および図10と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図11に示す窒化物半導体発光素子500は、実施の形態4に係る窒化物半導体発光素子400に対して、n型電極パッド506と透光性基板551と高反射p型電極571とp型バンプ572とn型バンプ573との構成が異なる。
図11に示すように、窒化物半導体発光素子500は、基板420と、基板420上にp型バンプ572および高反射p型電極571を介して、p型半導体層4およびn型半導体層2が積層されてなる積層構造部10と、積層構造部10上に実装される透光性基板551とを備える。また、窒化物半導体発光素子500は、n型電極パッド506と、開口部12とを備える。
n型電極パッド506は、n型半導体層2に電気的に接続するように、基板420の1部の領域上のn型バンプ573に形成されている。
また、開口部12は、高反射p型電極571の上方にある発光領域8を囲う開口部形成領域11に形成されている。
透光性基板551は、例えばサファイア等の発光波長に対して透光性を有する単結晶基板である。
高反射p型電極571は、Al、Agまたはこれらを含む金属膜で構成される反射膜であり、p型半導体層4とp型バンプ572と電気的に接続されるように形成されている。
以上のように、窒化物半導体発光素子500は構成される。
このような構成とすることにより、発光層3と高反射p型電極571との距離が近くなるので横方向に伝搬する光が増加し、開口部形成領域11に到達する光が増加する。さらに、透光性基板551と積層構造部10との屈折率差のため、透光性基板551とn型半導体層2の界面では全反射が起こるので、横方向に伝搬する光がさらに増加し、開口部形成領域11に到達する光が増加する。そして、開口部形成領域11に形成された開口部12によって窒化物半導体発光素子500の外部に効率よく取り出すことができる。
それにより、発光層3で発光した光をより高効率で外部に出射することができるので、より高輝度な窒化物半導体発光素子500を実現することが可能となる。
なお、実施の形態5において、円形形状である開口部12を1列に並べた構造を用いて説明したがこの限りではない。実施の形態1で示したように開口部12を楕円形状で最適化させる方法や、実施の形態2で示したように開口部12を複数列に並べる方法を用いてもよい。
(実施の形態6)
実施の形態3では、光取り出し効率を向上するために、反射膜とともに開口部を備える窒化物半導体発光素子について説明したが、窒化物半導体発光素子が開口部を備える箇所はこれに限らない。実施の形態6では、反射膜とともに開口部を備える窒化物半導体発光素子の別の態様について説明する。
(構造)
図12は、実施の形態6における窒化物半導体発光素子を示す図である。図12(a)は、実施の形態6における窒化物半導体発光素子600を上面から見た概略図を示しており、図12(b)は、図12(a)の点線Aにおける断面構成図を示している。なお、図8と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図12に示す窒化物半導体発光素子600は、実施の形態3に係る窒化物半導体発光素子300に対して、開口部612の構成が異なる。
図12(b)に示すように、窒化物半導体発光素子600は、基板320と、基板320上に反射膜321を介してn型半導体層2、発光層3およびp型半導体層4が積層されてなる積層構造部10と、積層構造部10上に積層された透光性電極5とを備えている。また、窒化物半導体発光素子600は、p型電極パッド307および開口部612を備える。
p型電極パッド307は、透光性電極5に電気的に接続されるように形成されている。
また、開口部612は、上面から見て発光層3およびp型半導体層4の外側を囲う第2の開口部形成領域611に形成されている。すなわち、開口部612は、窒化物半導体発光素子600を素子分離するためのスクライブ領域に形成されている。
このような構成とすることにより、第2の開口部形成領域611である開口部612を形成する領域の面積が増加し、開口部612の数が実施の形態3における開口部12に比べて増加する。そのため、発光領域8から基板320側に出射され、反射膜321と透光性電極5の間を横方向に伝搬する光を、より高効率に窒化物半導体発光素子600外部に取り出すことができる。それにより、高輝度な窒化物半導体発光素子600を実現することができる。すなわち、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度の窒化物半導体発光素子を実現することができる。
なお、実施の形態6において、円形形状である開口部612を1列に並べた構造を用いて説明したがこの限りではない。実施の形態1で示したように開口部612を楕円形状に最適化させる方法や、実施の形態2で示したように開口部612を複数列に並べる方法を用いてもよい。
(実施の形態7)
実施の形態7では、実施の形態6における開口部を備える窒化物半導体発光素子と別の態様の開口部を備える窒化物半導体発光素子について説明する。
(構造)
図13は、実施の形態7における窒化物半導体発光素子を示す図である。図13(a)は、実施の形態7における窒化物半導体発光素子700を上面から見た概略図を示しており、図13(b)は、図13(a)の点線Aにおける断面構成図を示している。なお、図8と図12と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図13に示す窒化物半導体発光素子700は、実施の形態6に係る窒化物半導体発光素子600に対して、さらに開口部12の構成を有する点が異なる。
図13(b)に示すように、窒化物半導体発光素子700は、基板320と、基板320上に反射膜321を介してn型半導体層2、発光層3およびp型半導体層504が積層されてなる積層構造部10と、積層構造部10上に積層された透光性電極5とを備えている。
また、窒化物半導体発光素子600は、p型電極パッド307、開口部12および開口部612とを備える。
p型電極パッド307は、透光性電極5に電気的に接続されるように形成されている。
開口部12は、透光性電極5の下方である発光領域8を囲う開口部形成領域11に形成されている。
開口部612は、上面から見て発光層3およびp型半導体層504の外側を囲う第2の開口部形成領域611に形成されている。すなわち、開口部612は、開口部12の発光領域8の周囲にあり、窒化物半導体発光素子700を素子分離するためのスクライブ領域に形成されている。
このような構成とすることにより、発光領域8から横方向に出射する光は、開口部12により高効率に取り出すことができる。また、発光領域8から基板320側に出射され、反射膜321と透光性電極5の間を横方向に伝搬する光は、開口部612により高効率に取り出すことができる。
このように、開口部12および開口部612を両方備えることによって、より高輝度な窒化物半導体発光素子700を実現することができる。したがって、衝撃耐性を悪化させることなく発光効率を向上することが可能な、低コストかつ高輝度の窒化物半導体発光素子を実現することができる。
なお、実施の形態7において、円形形状である開口部12および開口部612をそれぞれ1列に並べた構造を用いて説明したがこの限りではない。実施の形態1で示したように開口部12および開口部612を楕円形状に最適化させる方法や、実施の形態2で示したように開口部12および開口部612を複数列に並べる方法を用いてもよい。
以上、本発明の窒化物半導体発光素子について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、窒化物半導体発光素子に利用でき、特に各種表示用または照明用の高輝度窒化物半導体発光ダイオードに利用することができる。
実施の形態1における窒化物半導体発光素子を示す図である。 窒化物半導体発光素子の側面での光の挙動を説明するための図である。 実施の形態1における窒化物半導体発光素子に対する、横方向に伝搬する光の透過率特性の光学シミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1における窒化物半導体発光素子が備える開口部の開口径と光取り出し効率との関係を示す図である。 実施の形態1における窒化物半導体発光素子が備える開口部の開口形状と光取り出し効率との関係を示す図である。 実施の形態1における窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図である。 実施の形態2における窒化物半導体発光素子を説明するための図である。 実施の形態3における窒化物半導体発光素子を示す図である。 実施の形態3における窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図である。 実施の形態4における窒化物半導体発光素子の構造を示す図である。 実施の形態5における窒化物半導体発光素子の構造を示す図である。 実施の形態6における窒化物半導体発光素子を示す図である。 実施の形態7における窒化物半導体発光素子を示す図である。 一般的な発光ダイオードの構造を示す図である。 従来の窒化物半導体発光素子を説明するための図である。
1、320、420、951 基板
2、952、1052 n型半導体層
3、953 発光層
4、504、954 p型半導体層
5 透光性電極
6、406、956、1056 n型電極パッド
7、307、958、1058 p型電極パッド
8 発光領域
10 積層構造部
11 開口部形成領域
12、612 開口部
100、200、300、400、500、600、700、950、1050 窒化物半導体発光素子
321、421 反射膜
506 n型電極パッド
551 透光性基板
571 高反射p型電極
572 p型バンプ
573 n型バンプ
611 第2の開口部形成領域
910 透明樹脂
920a、920b リード線
955、1055 透明電極

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に、n型窒化物半導体膜と、p型窒化物半導体膜と、前記n型窒化物半導体膜および前記p型窒化物半導体膜で挟まれる発光部とが積層される構造を有する積層構造部とを備え、
    前記積層構造部は、前記積層構造部の積層方向に開口される複数の開口部を有し、
    前記複数の開口部は、前記発光部が発光する領域である発光領域以外の領域に、前記積層構造部の外周側面に沿って周期的に形成される
    ことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記複数の開口部は、前記外周側面より一定の距離離れた位置に、1以上の列で配列される
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記開口部は、前記発光部を前記積層構造部の積層方向に横切る
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記開口部の開口形状は、曲線で囲まれる形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記開口部の開口径は、5μm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記開口部が形成される周期は、前記発光部が発光する光の波長である発光波長をλ、前記積層構造部の屈折率をnとする場合に、20λ/n以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記開口部の深さは、前記発光部が発光する光の波長である発光波長をλ、前記積層構造部の屈折率をnとする場合に、λ/2n以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
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