JP2010182521A - 回転対陰極型のx線発生装置 - Google Patents

回転対陰極型のx線発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の接触型回転機構や非接触型回転機構を用いた回転対陰極よりも大きなエネルギーを対陰極上の焦点に供給することができ、回転対陰極の大型化を抑制することができる回転対陰極型のX線発生装置を提供する。
【解決手段】回転対陰極と、該回転対陰極を回転させる回転軸機構を備え、該回転対陰極に陰極から射出させた電子を衝突させてX線を発生させる回転対陰極型のX線発生装置であって、
前記回転軸機構が、前記回転対陰極を自転させつつ公転させる回転軸機構によって構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転対陰極型のX線発生装置に関するものである。
従来のX線発生装置においては、例えば、通電によって熱電子を放出するフィラメント(陰極)と、空間的に対向して配置されたターゲット(対陰極)とを有している。
そして、陰極から射出された熱電子が加速電圧により高速で対陰極に衝突する際に、熱電子が保有するエネルギーの一部がX線に変化するように構成されている。
対陰極に衝突する熱電子がX線に変化する効率は非常に小さく、大部分のエネルギーは熱に変化し対陰極を発熱させる要因となる。
従って、対陰極を冷却する技術として、対陰極内部に液体金属や水などの冷却媒体を通すことや、対陰極を回転させることが知られている。
対陰極を冷却するために上記した対陰極を回転させる方法を用いた場合には、対陰極の回転軸を支持するための軸受構造が必要となる。
このような軸受構造として、特許文献1に開示されているような、ラジアルベアリングなどのメカニカル構造が広く利用されている。
なお、上記ラジアルベアリングのメカニカル構造以外にも、磁気浮上型や流体軸受型などの軸受構造もある。これらの軸受構造の共通点は対陰極を回転させる軸が1つのみで、対陰極を自転させるためだけの構造が採られていることである。
通常のフォーカスサイズ(例0.5mm〜2mm)に基づく回転対陰極型のX線発生装置は、医療機器や産業機器分野において必要とされる線量を概ね満たしている。
通常のフォーカスサイズを有する対陰極では、Xを発生させるためのエネルギーをライン状に対陰極に供給し、X線が発生する面積でX線の線量を稼いでいる。X線は対陰極内で全方位に発生するため、ライン状でX線が発生しても対陰極の表面から5〜7度程度の取り出し角度において正方形や真円のフォーカスを得ることが可能である。
一方で、近年、取得画像の分解能向上や幾何学的不鮮明(ボヤケ)の低減のために、フォーカスサイズを小さくする要求が高まっている。
この要求を満たすことが期待されているX線源が、一般的にマイクロフォーカスX線発生装置で、その焦点サイズは数10μm以下である。
10μm以下のマイクロフォーカスサイズに基づく一般的な反射型対陰極の焦点の形は、大きなエネルギーを供給するためにアスペクト比の高い長方形(例えば10μm×1mm)や、楕円形等を使用することができない。
すなわち、焦点のアスペクト比を大きくすると対陰極に供給可能なエネルギーの絶対値は上昇するが、見かけ上の焦点サイズを小さくするために必要な対陰極の表面からの取り出し角度が1度以下になる。
そのため、対陰極内でのX線自己吸収量が多くなり、実際に出射するX線線量は大幅に減少するため、上記したようにアスペクト比の高い長方形や、楕円形等を使用することができないこととなる。
対陰極内でのX線自己吸収量を最小限にするため、X線の取り出し角度は対陰極の表面から45度以上が望ましいため、実質的な焦点のアスペクト比は1〜1.5程度である。
しかしながら、焦点のアスペクト比が小さくなると、マイクロメートルオーダーの微小焦点領域にX線を発生させるためのエネルギーが集中するため、対陰極に過剰な負荷が掛かってしまう。
特開昭53−089388号公報
以上のように、焦点のアスペクト比を小さくしようとすると、対陰極に過剰な負荷が掛かってしまうこととなる。
このようなことから、微小焦点領域の過剰な負荷を軽減するために、対陰極を高速で回転させることも考えられる。
しかしながら、一般的な回転機構においてベアリングを用いた接触型回転機構では10,000rpm程度が限界であるとされている。
また、磁気軸受を用いた非接触型回転機構でも、50,000rpm程度が限界であるとされている。
一方、対陰極を大型化することでも負荷を軽減することが可能であるが、対陰極の大型化はX線発生装置自体の大型化に直結するため、取扱・持ち運び・回転軸への負荷などにおいて、不利な要素となる。
本発明は、上記課題に鑑み、従来の接触型回転機構や非接触型回転機構を用いた回転対陰極よりも大きなエネルギーを対陰極上の焦点に供給することができ、回転対陰極の大型化を抑制することができる回転対陰極型のX線発生装置の提供を目的とする。
本発明は、次のように構成した回転対陰極型のX線発生装置を提供するものである。
本発明の回転対陰極型のX線発生装置は、回転対陰極と、該回転対陰極を回転させる回転軸機構を備え、該回転対陰極に陰極から射出させた電子を衝突させてX線を発生させる回転対陰極型のX線発生装置であって、
前記回転軸機構が、前記回転対陰極を自転させつつ公転させる回転軸機構によって構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、従来の接触型回転機構や非接触型回転機構を用いた回転対陰極よりも大きなエネルギーを対陰極上の焦点に供給することができ、回転対陰極の大型化を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態を説明するための概略の構造図で、X線発生装置に組み立てられた状態を示している。 従来例における対陰極を回転させる軸を1つだけ備え、対陰極を自転のみさせる構造による回転対陰極上の焦点の軌跡を示す図。 本発明の実施形態における自転機構と公転機構を有する回転対陰極型のX線発生装置による回転対陰極上の焦点の軌跡の一例を示す図。 本発明の実施形態における回転対陰極を自転・公転するための機構の一例である歯車を複数組み合わせた遊星歯車機構を示す図。
つぎに、本発明の実施形態について説明する。
(回転対陰極型のX線発生装置)
図1に、本実施形態における回転対陰極型のX線発生装置の構成を説明する図を示す。
この回転対陰極型のX線発生装置は、ケーシング1に固定された高電圧導入部分2を備え
る。
さらに、この高電圧導入部分2の内部に設けられ熱電子3を放出するフィラメントである陰極4と、この陰極4に対して空間的に向かい合う側に設置されX線5を射出するターゲットである対陰極6を備える。
陰極4は、例えばタングステン、六硼化ランタンなどの高融点かつ低い仕事関数を有する物質で形成される。
一方、対陰極6は、例えばモリブデン、タングステン、銅などのX線を発生させる物質によって形成される。
回転体7は、対陰極6を支持するために用いられるものである。回転体7を対陰極6よりも熱伝導率の高い物質によって形成すれば、対陰極6内で発生した熱を効率良く冷却することが可能になる。回転体7は必ずしも設ける必要はなく対陰極6のみを回転させてもよい。すなわち、回転対陰極は、対陰極6のみにより構成される場合や、対陰極6と回転体7により構成される場合がある。
さらに、対陰極6と回転体7との間に、熱膨張係数差を抑制するための緩衝層や、合金化を防ぐための保護層を導入することもできる。緩衝層、保護層、対陰極6の材料は熱膨張係数が近い材料を選択することが好ましい。
また、緩衝層、保護層、対陰極6の界面に共晶が形成される場合には共晶点が高くなるような材料を用いることが好ましい。
さらに、緩衝層や保護層は熱電子の供給によりX線を発生させないような材料を用いることが好ましい。すなわち、緩衝層や保護層に用いる材料は、軽元素あるいは特性X線のエネルギーが熱電子の加速エネルギーよりも大きな重元素から選択される。
陰極4と対陰極6にはそれぞれ電圧・電流供給装置10が接続される。電圧・電流供給装置10から陰極4へは熱電子3を発生させるための電流を供給し、陰極4と対陰極6の間には陰極4から発生した熱電子3を加速させるための電圧を印加する。
陰極4から射出された熱電子3が高電圧で加速され対陰極6に衝突・散乱し、その衝突・散乱領域からX線5が発生する。
X線の発生原理から、対陰極6に供給したエネルギーの99%程度が熱に変化するため、発生した熱で対陰極6が破損することを防ぐために対陰極6を冷却することが必要となる。
一般的には、対陰極6の内部に、水・液体金属・冷却ガスなどの冷却媒体11を流すことで発生した熱を取り除く冷却機構12が必要となる。
一方、対陰極6を冷却しない場合は、対陰極6とX線発生層を支持する回転体7の比熱容量の合計分までしかエネルギーを供給することができない。
発生するX線5の焦点サイズは、熱電子3が対陰極6に衝突する面積と、熱電子3が対陰極内部6に進入する際に散乱で広がる領域の合成で決まる。
以下において、熱電子が対陰極に衝突する領域を焦点、実際にX線が発生する領域を実焦点、発生したX線を取り出し方向から見た領域を実効焦点、と記す。
焦点サイズは、陰極4から射出した熱電子3が対陰極6に到達するまでの間に、ウェネルト13や静電レンズ14で任意の形や大きさに調整することが可能である。
図1では、陰極4から射出した熱電子3が対陰極6に対して45度で入射しているが、熱電子3が対陰極6に衝突する際に必要な角度は、対陰極6の面から5度以上90度以下である。
熱電子3を5度以下で衝突させると、対陰極6の表面で熱電子3が反射する割合が増加するためX線5の発生量が大幅に減少する。
また、熱電子3の射出量が一定の条件下において、熱電子3の衝突角度が対陰極6に対して垂直(90度)に近づくほど反射電子が減少するためX線5の発生量が増加する。
焦点サイズを微小化する過程で、対陰極6からのX線取り出し角度は対陰極6面に対し
て鋭角から鈍角に変化させる必要がある。
図1では、X線の取り出し角度を45度に設定しているため、実効焦点のアスペクト比1を得るために、焦点のアスペクト比は1.4となる。
10μm以下の微小実効焦点サイズを維持しつつ対陰極内部でのX線の自己吸収量を軽減するためには、対陰極6に対して垂直な方向からX線を取り出すことが重要となる。
ケーシング1の材質は、真空を維持するための強度や対陰極6で発生した輻射熱による発熱に耐えるために、ステンレス鋼やタングステンなどの金属が用いられる。対陰極6の焦点近傍には、X線5をX線発生装置の外部に取り出すためのX線透過窓17が設けられている。X線透過窓17は、X線減衰率が小さく、真空状態を維持することが可能な強度を有するベリリウムやアルミニウム等の物質によって形成される。
対陰極6から発生したX線5は、X線透過窓17を通して外部へ取り出される。ケーシング1は、予めターボ分子ポンプなどの真空排気装置で密封することで、検出・撮影・診断装置に取り付ける際の取り回しやメンテナンスに優れたX線発生装置の提供が可能である。
しかしながら、陰極4から多量の熱電子(大電流)3を得る場合は、ケーシング1の1つの側面等から、排気手段としてターボ分子ポンプなどの排気装置18を取り付け、必要に応じて高真空を維持する機能が必要となる。
ケーシング1の排気装置18で用いるターボ分子ポンプの回転軸と対陰極6を回転させる駆動軸19を一体化させることで、X線発生装置内で高回転する軸を減らすことが可能になり、複数の異なる周波数による共振が引き起こす問題などが発生しなくなる。
また、この構成においては、排気装置18を回転部分に設けるため、対陰極6の駆動軸19とケーシング1との間のシールが必要なくなる。
なお、ケーシング内部1を真空に維持するシール手段として磁気シール装置が広く使われている。すなわち、駆動軸19とそれを包囲するベアリングのポールピース20との間に磁性流体を充填することで、駆動軸19とポールピース20との間に磁性流体の膜が形成される。これにより、駆動軸19の回転を許容しながら駆動軸19の軸方向に真空漏れが生じることが防止される。
(回転対陰極における回転軸)
従来の回転対陰極の回転軸は、対陰極6を自転のみさせるように回転可能に構成されている。そのため、図2に示すように、対陰極6の中央に設けられた自転軸22(第1の回転軸)を中心として、熱電子3が衝突する焦点23の軌跡24は真円を描く。
このため、回転対陰極の回転軸が1つであり、自転用のみとされている場合には、対陰極面内の特定部分(破線部分)のみに熱電子による負荷が掛かることとなる。
一方、本発明にかかる実施形態では、図3に示すように、従来の回転対陰極面の中央付近に設けられた自転軸22(第1の回転軸)以外に、回転対陰極の公転軸25(第2の回転軸)が設けられる。
このように、回転対陰極6に公転機構を設けることで、熱電子3が衝突する焦点23の軌跡24は図3に代表されるような幾何学的曲線を描く。この結果、熱電子3による負荷を対陰極6の面内に分散することが可能になる。
したがって、自転機構および公転機構を有する回転対陰極は、自転機構のみを有する回転対陰極よりも、冷却効率を向上させることができる。
なお、上記で説明した図3の自転軸22は、図1の第1の回転軸100に相当し、図3の公転軸25(第2の回転軸)は、図1の第2の回転軸200に相当する。図1における第1の回転軸100と第2の回転軸200は説明のために便宜的に記載したものであり、実際には後述するように、遊星歯車機構等により回転軸が構成される。
本実施形態では、上記した回転対陰極を回転させる回転軸機構が、前記回転対陰極を自
転させつつ公転させる回転軸機構によって構成されている。
回転対陰極の半径が同じ場合、図2の従来例による自転機構のみを有する焦点23の軌跡24と、図3の本実施形態による自転機構と公転機構を同時に有する焦点23の軌跡24の長さを比較すると、図3における軌跡の方が長いことが分かる。
自転速度(自転周期)・公転速度(公転周期)・回転対陰極半径26・公転半径27・焦点23などのパラメータを適宜設定することにより、自転機構と公転機構を同時に有する回転対陰極21の焦点23の軌跡24は、様々に変化する。
しかし、この軌跡は特殊な条件下以外において、自転機構のみ有する回転対陰極21の焦点23の軌跡24より長くなる。
特殊な条件下とは、回転対陰極21の自転周期と公転周期の比が整数の場合などである。特殊な条件以外では、自転機構と公転機構を同時に有する回転対陰極21は自転機構のみを有する回転対陰極21より長い軌跡24を得ることが可能である。
焦点23の軌跡24が長くなることは、ある特定の位置を通過した焦点23が再度同じ位置に戻るまでの時間が長くなることを意味し、冷却時間が長くなることと同意義である。
このようなことから、熱電子3で発熱した対陰極6をより長い時間を掛けて冷却が可能となり、一度に供給が可能な熱電子3の数を増加することができるため、対陰極6で発生するX線量5の絶対量が増加する。
(自転機構および公転機構)
上記のような、自転機構および公転機構は、例えば図1に示した遊星歯車機構300を用いることにより実現することができる。
図4に、遊星歯車機構300の上面図を示す。遊星歯車機構300は、サンギア(太陽歯車)28を中心とした、複数のプラネタリギア(遊星歯車)29が自転しつつ公転する構造を持った増速・減速機構である。
遊星歯車機構の特徴は、少ない段数で大きな減速比が得られること、大きなトルクが伝達できること、入力軸と出力軸を同軸上に配置できることである。
例えば、遊星歯車機構300は、サンギア28、プラネタリギア29、プラネタリギア29の公転運動を担うプラネタリキャリア30、リングギア31の4点から構成される。
サンギア28の自転、プラネタリギア29の公転(プラネタリキャリア30の自転)、リングギア31の自転の3要素の内、1つを固定、1つを入力、1つを出力に接続する。
サンギア28、プラネタリギア29、リングギア31をそれぞれ固定・入力・出力の何れに割り当てるかによって、減速比や回転方向が決定することが可能となる。
例えば、プラネタリギア29を回転対陰極21の自転および公転(出力)に利用し、サンギア28を駆動ギア(入力)、リングギア31を固定ギアとして利用することができる。
ここで、図3で説明した回転対陰極上の焦点23をサンギア28の中心位置とし、焦点23を固定とし、エネルギーを常時供給するようにした場合、以下のように構成することができる。
すなわち、上記回転対陰極の自転の中心から該回転対陰極の末端までの距離である回転対陰極の半径26が、公転半径27(サンギア28とプラネタリギア29の中心間距離)よりも長くすることにより、X線5を連続的に発生させることができる。
また、回転対陰極の半径26が公転半径27よりも短い場合は、X線5をパルス状に発生させることができる。
X線5が連続的に発生するか、パルス状に発生するかは形成する焦点23の位置と、回転対陰極の半径26と公転半径27に影響を受ける。
回転対陰極の面内を有効に活用する1つの方法として、焦点23をプラネタリギア29の中心軌道上に形成して、回転対陰極の半径26はプラネタリギア29の公転半径の2倍にすることで、X線5が発生する面の全面に熱電子3を供給することが可能になる。
自転機構と公転機構を有する回転対陰極は、X線5が発生する面の全面に効率良く熱電子3を供給することが可能になるため、従来と同じ大きさの回転対陰極を用いてもより大きなX線が得られることや、長時間の使用が可能になる。
また、従来の回転対陰極21より小型の回転対陰極21を用いても従来と同じX線強度を得ることが可能になる。
発生するX線5の実効焦点サイズ・輝度を一定にするには、自転機構と公転機構を有する回転対陰極21の対陰極6と熱電子3の入射角度15を一定に維持することが好ましい。特に、X線発生装置から射出後のX線光路を常に一定に保つためには、発生するX線の実効焦点が空間的に固定されている必要性がある。
実効焦点を空間的に固定するためには、対陰極6に対する熱電子3の入射角度だけでなく、入射方向も重要となるため、陰極4を対陰極6と連動させて動かすことは装置の大型化に繋がるため困難である。
そのため、本実施形態においては、熱電子3を射出する陰極4は固定し、図1の示すように、回転軸機構による前記回転対陰極の自転軸(第1の回転軸100)の向きと、公転軸(第2の回転軸200)の向きを揃え、同一方向となるように構成される。例えば、第1の回転軸100と第2の回転軸200を回転対陰極に対して垂直方向に設けることができる。
これにより、前記入射角度と入射方向を一定に維持することが可能となる。
また、上記対陰極に発生させたX線の取り出し角度が、前記回転軸機構による前記回転対陰極の自転と公転中において、所定の角度を保つことが可能となる。
従来の対陰極6は特定部分のみに熱電子3を当てるため、対陰極6の一部のみ平坦であればよい。しかし、本実施形態の対陰極6は、回転軸機構によって自転と公転が可能に構成されているため、対陰極6の上面の広い範囲に熱電子3が衝突する。そのため、本実施形態の回転対陰極は、平板状の構成としている。この結果、自転機構と公転機構の回転軸が振れることがあっても、対陰極6が平面であることから、熱電子3の入射角度は変わらないという利点も有する。
以上、好ましい実施形態を上げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、対陰極の回転動力としてダイレクトモーター32を設けたが、回転軸用モーターを対陰極の回転軸とは別の所に設けて適宜の動力伝達手段、例えばベルトとプーリとを有する機構によって動力を伝える構成でも良い。
自転・公転用の歯車遊星機構において、本実施形態では駆動ギア:サンギア28、固定ギア:リングギア31としているが、駆動ギアがリングギア31で固定ギアをサンギア28とすることも可能である。
また、固定ギアを設定せずに、サンギア28とリングギア31を共に駆動ギアとして利用することで、回転対陰極(プラネタリギア29)の自転・公転速度やそれぞれの回転方向が駆動ギア1つの場合よりも細かに設定することが可能になる。
回転対陰極21を載せるプラレタリギア29の数は最低でも一つは必要であるが、遊星歯車機構の回転バランスを取るためにプラネタリギア29を複数設けることが可能である。
本実施形態では回転対陰極21の自転機構と公転機構に歯車同士が物理的に接触する遊星歯車機構を提案しているが、遊星歯車機構を応用した磁気式遊星歯車機構を用いた自転・公転機構を用いても良い。
また、本実施形態では対陰極の自転・公転のために遊星歯車機構を設けたが、自転・公転を行なう適宜の動力手段、例えばクランク等を有する機構によって自転・公転する構成でも良い。
回転対陰極型のX線発生装置として図1に示す構造のものを用いる場合、従来と同じ直
径の回転対陰極21よりもX線の強度を5倍強くするためには以下のように構成すればよい。
回転対陰極21の自転周期が公転周期の16倍(サンギア28のギア数がプラネタリギア29のギア数の16倍)とする。
図1に示す構造において、回転対陰極21の公転周期と自転周期の比は遊星歯車機構のサンギア28とプラネタリギア29のギア比で決まる。そのため、上記したギア数のもとでは、熱電子3が対陰極6に形成する焦点23の位置が回転対陰極21の自転軸周期上の場合は、図2に示す従来の自転軸のみを有する回転対陰極21の軌跡24よりも5倍程度長くなる。
その際、図3に示すように、回転対陰極21の中心部分まで熱電子3を照射しX線5を発生させることが可能になるため、従来と同じ直径の回転対陰極21よりもX線の強度を5倍強くすることが可能になる。
1:ケーシング
2:高電圧導入部分
3:熱電子
4:陰極
5:X線
6:対陰極
7:回転体
10:電圧・電流導入装置
11:冷却媒体
12:冷却機構
13:ウェネルト
14:静電レンズ
17:X線透過窓
18:排気装置
19:駆動軸
20:ポールピース
22:回転対陰極の自転軸
23:焦点
24:焦点の軌跡
25:回転対陰極の公転軸
26:回転対陰極の半径
27:回転対陰極の公転半径
28:サンギア
29:プラネタリギア
30:プラネタリキャリア
31:リングギア
32:ダイレクトモーター
34:歯車
100:第1の回転軸
200:第2の回転軸
300:遊星歯車機構

Claims (6)

  1. 回転対陰極と、該回転対陰極を回転させる回転軸機構を備え、該回転対陰極に陰極から射出させた電子を衝突させてX線を発生させる回転対陰極型のX線発生装置であって、
    前記回転軸機構が、前記回転対陰極を自転させつつ公転させる回転軸機構によって構成されていることを特徴とする回転対陰極型のX線発生装置。
  2. 前記回転軸機構による前記回転対陰極の自転軸の向きと、公転軸の向きが同一方向であることを特徴とする請求項1に記載の回転対陰極型のX線発生装置。
  3. 前記回転軸機構による前記回転対陰極の自転の中心から該回転対陰極の末端までの距離が、前記回転軸機構による前記回転対陰極の公転半径より長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転対陰極型のX線発生装置。
  4. 前記回転対陰極に発生させたX線の取り出し角度が、前記回転軸機構による前記回転対陰極の自転と公転中において、所定の角度を保つことが可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転対陰極型のX線発生装置。
  5. 前記回転対陰極は、平板状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転対陰極型のX線発生装置。
  6. 回転対陰極型のX線発生装置であって、
    熱電子を放出する陰極と、
    前記熱電子が照射されることによりX線を発生させ、第1の回転軸と第2の回転軸により回転可能に構成されている平板状の回転対陰極と、を有し、
    前記第1の回転軸は、前記回転対陰極に対して垂直方向であって、該回転対陰極面の中央に設けられ、かつ、
    前記第2の回転軸は、前記第1の回転軸と同一方向の軸であって、前記回転対陰極の面内において該第1の回転軸とは異なる位置に設けられており、
    前記第1の回転軸による前記回転対陰極の回転により前記熱電子が該回転対陰極に照射される軌跡よりも、該第1の回転軸および前記第2の回転軸による該回転対陰極の回転により該熱電子が該回転対陰極に照射される軌跡の方が長いことを特徴とする回転対陰極型のX線発生装置。
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