JP2010181549A - 表示媒体及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が増大された表示媒体及び表示装置を提供する。
【解決手段】一対の電極16A及び電極16B間に設けられた複数の表示層(表示層20B及び表示層20G)間において、各表示層に含まれるコレステリック液晶42を内包したマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる。
【選択図】図6
【解決手段】一対の電極16A及び電極16B間に設けられた複数の表示層(表示層20B及び表示層20G)間において、各表示層に含まれるコレステリック液晶42を内包したマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる。
【選択図】図6
Description
本発明は、表示媒体及び表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータの普及、インターネットを始めとする情報化社会の発達により、電子情報の一時的な閲覧を目的とする、いわゆる短寿命文書としての紙の消費は、益々増加する傾向にあり、森林資源保護などの地球環境保全や事務環境改善などの理由から、紙に代わる書き換え可能な表示媒体の実現が望まれている。
そこで、無電源でのメモリ性を有し、且つ外部装置によって短時間で画像を書き換えることができる紙に代わる表示媒体として、コレステリック液晶と、電場下で光照射されることで内部光電効果による自由電子の移動が発生する光導電体と、を用いた表示媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、光導電層と表示層とを組み合わせた表示媒体として、フィルム等の一対の基板上に形成された電極と電極との間に、複数の表示層と、光導電層と、の積層された表示媒体が提案されている。特許文献1においては、一対の電極間に設けられた複数の表示層におけるコレステリック液晶として、フォーカルコニックからプレーナーへの状態変化の閾値、及びプレーナーからフォーカルコニックへの状態変化の閾値の互いに異なる液晶材料を用いることによって、一対の電極間に設けられた複数の表示層を選択的に状態変化させている。
本発明は、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が増大された表示媒体、及び表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係る発明は、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられ、予め定められた波長領域の光を吸収することにより該光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極間に積層され、前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じた光学的特性分布による画像を表示する、互いに電気抵抗値の異なる複数の表示層と、を備え、前記複数の表示層は、コレステリック液晶と、該コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルと、を含み、前記複数の表示層間における前記マイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なる表示媒体である。
請求項2に係る発明は、前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、導電剤を含有したことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項3に係る発明は、前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、導電性を有する高分子を含有したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示媒体である。
請求項4に係る発明は、前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、前記コレステリック液晶を内包した第1の部材と、該第1の部材に固定された導電性粒子と、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項5に係る発明は、前記第1の部材は、導電剤を含有したことを特徴とする請求項4に記載の表示媒体である。
請求項6に係る発明は、前記第1の部材は、導電性を有する高分子を含有したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の表示媒体である。
請求項7に係る発明は、前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、前記コレステリック液晶を内包した第1の部材と、該第1の部材を被覆し、導電性を有する高分子を含有した第2の部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項8に係る発明は、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方は、導電剤を含有したことを特徴とする請求項7に記載の表示媒体である。
請求項9に係る発明は、前記第1の部材は、導電性を有する高分子を含有したことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の表示媒体である。
請求項10に係る発明は、前記複数の表示層間における前記コレステリック液晶の電気抵抗値が互いに異なることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項11に係る発明は、前記複数の表示層における、電気抵抗値の連続する表示層間の一方の表示層に対する他方の表示層の電気抵抗値の比が1.5以上10以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項12に係る発明は、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられ、予め定められた波長領域の光を吸収することにより該光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極間に積層され、前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じた光学的特性分布による画像を表示する、互いに電気抵抗値の異なる複数の表示層と、を備え、前記複数の表示層は、コレステリック液晶と、該コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルと、を含み、前記複数の表示層間における前記マイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なる表示媒体と、前記一対の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、前記表示媒体へ画像データに応じた前記光を照射する照射手段と、を備えた表示装置である。
請求項1に記載の発明によれば、複数の表示層間におけるマイクロカプセルの電気抵抗値が同一な場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が容易に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が容易に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項4に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が容易に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が更に増大されると共に、更にコレステリック液晶の配向安定性が得られる、という効果を奏する。
請求項6に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が更に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項7に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が容易に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項8に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が更に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項9に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が更に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項10に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が更に増大された表示媒体が提供される、という効果を奏する。
請求項11に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層の良好な選択的駆動が実現される、という効果を奏する。
請求項12に記載の発明によれば、本発明の構成を有さない場合に比べて、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が増大された表示媒体を備えた表示装置が提供される、という効果を奏する。
本実施の形態の表示媒体は、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられ、予め定められた波長領域の光を吸収することにより該光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極間に積層され、前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じた光学的特性分布による画像を表示する、互いに電気抵抗値の異なる複数の表示層と、を備え、前記複数の表示層は、コレステリック液晶と、該コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルと、を含み、前記複数の表示層間における前記マイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なる表示媒体である。
このように、本実施の形態の表示媒体においては、一対の電極間に設けられた複数の表示層間において、各表示層に含まれるコレステリック液晶を内包したマイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なる。一対の電極間に設けられた複数の表示層間における、コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なるので、該複数の表示層間の電気抵抗値は互いに異なる値となる。従って、該一対の電極間に電圧が印加されると、該一対の電極間に設けられた複数の表示層の各々にかかる分圧は互いに異なる値となる。このため、結果的に、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値(詳細後述)の差が広がり、一対の電極間に設けられた複数の表示層の各々が容易に選択的に駆動(フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化)される。
ここで、各表示層において、コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルを分散した樹脂中に、金属粒子や帯電防止剤等の導電フィラーを分散させることによって表示層の電気抵抗値を調整する方法も考えられるが、該樹脂中において該導電フィラーを均一に分散させることは困難であり、該樹脂中における導電フィラーの凝集等により、導電フィラーの添加量に対する電気抵抗値の変化が急激に生じる場合があり、各表示層の電気抵抗値の調整は困難であった。
一方、本実施の形態の表示媒体においては、コレステリック液晶を内包したマイクロカプセル自体の電気抵抗値を調整することで、各表示層の電気抵抗値を調整することから、容易に各表示層の電気抵抗値が調整される。
このマイクロカプセルの電気抵抗値の調整方法としては、詳細は後述するが、マイクロカプセルに導電剤を含有させる方法、マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法、マイクロカプセルを、コレステリック液晶を内包した第1の部材と該第1の部材に固定化された導電性粒子とから構成する方法、マイクロカプセルを、コレステリック液晶を内包した第1の部材と該第1の部材を被覆する導電性を有する高分子を含む第2の部材とから構成する方法、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
これらの調整方法によって、マイクロカプセルの電気抵抗値の低下が図れる。
これらの調整方法によって、マイクロカプセルの電気抵抗値の低下が図れる。
また、これらの導電剤の含有量、導電性粒子の固定化量、導電性を有する高分子の含有量、及び導電性を有する高分子の種類等を調整することによって、各マイクロカプセルの電気抵抗値の低下量が容易に調整される。このため、結果的に、一対の電極間に設けられた複数の表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が容易に調整される。
なお、上記マイクロカプセルの電気抵抗値を調整することによって調整された、同じ一対の電極間に積層された複数の表示層間の電気抵抗値としては、電気抵抗値の連続する表示層間の一方の表示層に対する他方の表示層の電気抵抗値の比が1.5以上10以下であることが望ましく、2以上5以下であることがより望ましい。
該電気抵抗値の連続する表示層間の一方の表示層に対する他方の表示層の電気抵抗値の比が1.5以上であると、電極間に積層された複数の表示層が好適に選択的に状態変化(プレーナーとフォーカルコニックとの間の状態変化)し、一対の電極間に設けられた複数の表示層の各々が選択的に状態変化される。一方、該電気抵抗値の比が10を超えると、これらの複数の表示層の状態変化を生じさせるために一対の電極間に印加すべき電圧値として、該比が10以下である場合に比べて大きな電圧値を必要とする場合がある。このため、該電気抵抗値の比は10以下であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、導電性及び導電とは、体積抵抗率が1×106Ωm以下であることを示している。また、絶縁性及び絶縁とは、体積抵抗率が1×106Ωm以上の範囲であることを示している。
以下、本実施の形態における表示媒体及び表示装置の一の形態を具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る表示装置13は、表示媒体10と、表示媒体10に画像を書き込む書込装置11と、を含んで構成されている。
表示媒体10は、基板12と基板14との間に表示素子30と表示素子32とが基板15を介して積層されて構成されている。なお、本実施の形態では、表示媒体10には、2層の表示素子(表示素子30及び表示素子32)が積層されて構成されている場合を説明するが、表示媒体10には、電極間に複数の表示層の積層された構成の表示素子30(詳細後述)が少なくとも1つ設けられた構成であればよく、該表示素子30が2つ以上設けられた構成であってもよいし、電極間に1つの表示層の積層された構成の表示素子32が更に複数設けられた構成であってもよい。
表示素子30は、電極16Aと電極16Bとの間に、光導電層24R、遮光層22R、表示層20G、及び表示層20Bが積層されて構成されている。表示素子32は、1対の電極18Aと電極18Bとの間に、光導電層26C、遮光層22C、及び表示層20Rが積層されて構成されている。
表示層20G、表示層20B、及び表示層20Rは、各々、電場によって特定の色の光の選択反射状態及び透過状態を変調する機能を有し、且つ選択した状態が無電場で保持される。これらの表示層20G、表示層20B、及び表示層20Rは、各々電場によって特定の色の光の選択反射状態にあるときには、入射光のうち互いに異なる色の光を選択反射する。以下、表示層20A、表示層20B、及び表示層20Cを総称する場合には、表示層20と称して説明する。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、表示素子30には、一対の電極間(電極16A及び電極16B間)に2層の表示層が設けられている場合を説明するが(表示素子30における表示層20G及び表示層20B)、詳細を後述するように、各々のマイクロカプセルの電気抵抗値が異なるように調整されていることによって各表示層間の電気抵抗値が異なる状態とされていればよく、1対の電極間に、3層以上の表示層が設けられた構成であってもよい。
なお、表示媒体10が、本発明の表示媒体に相当し、光導電層24R及び光導電層26Cが本発明の表示媒体における光導電層に相当し、表示層20G、及び表示層20Bが、本発明の表示媒体の表示層に相当する。また、表示装置13が、本発明の表示装置に相当する。
表示層20は、図2に示すように、内部にコレステリック液晶42を内包したマイクロカプセル44が、樹脂40中に分散された構成とされている。なお、マイクロカプセル44は、本発明の表示媒体のマイクロカプセルに相当する。
これらの表示層20B、表示層20G、及び表示層20Cにおける、コレステリック液晶42の光の選択反射状態にあるときにおける選択反射波長領域(表示色波長領域)は、互いに異なる。例えば、表示層20Bは、B(ブルー)色の光を選択反射するコレステリック液晶42により構成され、表示層20Gは、G(グリーン)色の光を選択反射するコレステリック液晶42により構成され、表示層20Rは、R(レッド)の色を選択反射するコレステリック液晶42により構成されている。
これらの表示層20B、表示層20G、及び表示層20C各々の反射波長領域(表示色波長領域)は、各表示層20に含まれるコレステリック液晶42の螺旋ピッチにより調整される。コレステリック液晶42の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整される。また、コレステリック液晶42の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、または逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する公知の手法を用いてもよい。
なお、液晶の光学的特性変化を補助する補助部材として、偏光板、位相差板、反射板などの受動光学部品と併用したり、液晶中に2色性色素を添加したりしてもよい。
なお、液晶の光学的特性変化を補助する補助部材として、偏光板、位相差板、反射板などの受動光学部品と併用したり、液晶中に2色性色素を添加したりしてもよい。
コレステリック液晶42は、図3(A)に示すように、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナー、同図(B)に示すように、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック、及び同図(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック、の3つの状態を示す。
上記の3つの状態のうち、プレーナー及びフォーカルコニックは、無電圧で双安定に存在する。したがって、コレステリック液晶の配向状態は、該表示層20を挟む電極間に印加された電圧に対して一義的に決まらず、プレーナーが初期状態の場合には、印加される電圧の増加に伴って、プレーナー、フォーカルコニック、ホメオトロピックの順に変化し、フォーカルコニックが初期状態の場合には、印加される電圧の増加に伴って、フォーカルコニック、ホメオトロピックの順に変化する(図4参照)。
一方、表示層20にかかる分圧が急激にゼロとなった場合には、プレーナーとフォーカルコニックはそのままの状態を維持し、ホメオトロピックはプレーナーに変化する特性を有している(図4参照)。このため、表示層20は、最終的な相状態としては、プレーナー(選択反射状態)、またはフォーカルコニック(透過状態)が選択される。
詳細には、電極間に電圧を印加した後に電圧印加を解除することで、表示層20にかかっていた分圧が急激にゼロとされたときの表示層20が、図4に示すようなスイッチング挙動を示す。電圧印加解除前に電極間に印加されていた電圧がVfh(上側閾値電圧)以上のときには、電圧印加解除後にはコレステリック液晶はホメオトロピックからプレーナーに変化した選択反射状態となり、Vpf(下閾値電圧)とVfhとの間のときには、フォーカルコニックによる透過状態となり、Vpf以下のときには、電圧印加前の状態を継続した状態、すなわちプレーナーによる選択反射状態又はフォーカルコニックによる透過状態となる。
なお、図4中、縦軸は正規化光反射率であり、最大光反射率を100、最小光反射率を0として、光反射率を正規化している。また、プレーナー、フォーカルコニックおよびホメオトロピックの各状態間には、遷移領域が存在するため、正規化光反射率が50以上の場合を選択反射状態、正規化光反射率が50未満の場合を透過状態と定義し、プレーナーとフォーカルコニックの状態変化の閾値の電圧を上側閾値電圧Vpfとし、フォーカルコニックとホメオトロピックの状態変化の閾値の電圧を下側閾値電圧Vfhとした。
そして、本実施の形態では「フォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値」とは、この上側閾値電圧Vpf及び下側閾値電圧Vfhを示している。
そして、本実施の形態では「フォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値」とは、この上側閾値電圧Vpf及び下側閾値電圧Vfhを示している。
コレステリック液晶42は、光学活性化合物を含む液晶材料であり、1)ネマチック液晶にカイラル剤と呼ばれる光学活性化合物等を添加する方法、2)コレステロール誘導体などのようにそれ自身光学活性な液晶材料を用いる方法などによって得られる。前者の場合、ネマチック液晶材料としては、シアノビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゾエート系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、スチルベン系、トラン系など公知のネマチック液晶含有組成物が利用される。カイラル剤としてはコレステロール誘導体や、2−メチルブチル基などの光学活性基を有する化合物等が利用される。
コレステリック液晶42には、色素、粒子などの添加物を加えてもよい。また、架橋性高分子や水素結合性ゲル化剤などを用いてゲル化したものでもよく、また、高分子液晶、中分子液晶、低分子液晶のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。コレステリック液晶の螺旋ピッチは、カイラル剤の種類や添加量、液晶の材質によって変化させることが可能である。選択反射の波長は可視波長域の他、紫外波長域や赤外波長域でもよい。なお、コレステリック液晶を内包した後述するマイクロカプセル44(マイクロカプセル含む)の平均粒径は、メモリー性を発現するためには、コレステリック液晶の螺旋ピッチの少なくとも3倍以上あることが望ましい。
樹脂40としては、マイクロカプセル44を保持し、表示媒体10の変形によるマイクロカプセル44の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、マイクロカプセル44の構成材料に溶解せず、また該構成材料と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が好適に用いられる。また、樹脂40としては、外力に耐える強度をもち、透明材料であることが望まれる。
樹脂40としては、水溶性高分子材料(例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等が挙げられる。
基板12、基板14、及び基板15各々は、絶縁性(体積抵抗で1012Ωcm以上、以下これに準ずる)を有している。また、基板12、基板14、及び基板15各々は、透明(波長380nm以上780nm以下の光の80%以上を透過する)とされている。
基板12、基板15、及び基板14には、ガラス及びシリコン等の無機シート、またはポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、及びポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムが好適に用いられる。
電極16A、電極16B、電極18A、及び電極18Bは、導電性(体積抵抗で2000Ωcm以下、以下これに準ずる)を有すると共に、透明とされている。
電極16A、電極16B、電極18A、及び電極18Bには、ITO(Indium Tin Oxide)、Auなどの金属膜、SnO2、ZnO等の酸化物、ポリピロールなどの導電性高分子の膜などの電気導電体が用いられる。これらの電極16A、電極16B、電極18A、及び電極18Bは、スパッタリング、印刷、CVD、蒸着などにより設けられる。
光導電層24R及び光導電層26Cは、照射された光に対して互いに異なる吸収波長領域を有しており、電場下で吸収波長領域の波長領域の光を照射されると、内部光電効果による自由電子の移動が発生し、光の強度に応じて電気抵抗値が小さくなる性質を有する。
例えば、光導電層26Cと同じ電極間(図1では、電極18A及び電極18Bの電極間)に挟まれた状態で積層されている表示層20Rが選択反射状態にあるときの色が赤色であるとすると、光導電層26Cとしては、赤色の光を吸収することにより電気抵抗値が変化するシアンの色の光導電層を、光導電層26Cとして用いる。
同様に、光導電層24Rと同じ電極間(図1では電極16A及び電極16Bの電極間)に挟まれている表示層20B及び表示層20Gの各々が選択反射状態にあるときの色が各々ブルー、及びグリーンであるとすると、光導電層24Rとしては、青色の光を吸収することにより電気抵抗値が変化する赤い色の光導電層を、光導電層24Rとして用いる。
これによって、例えば、電圧印加部40Aから電極16A及び電極16Bへ電圧が印加されると共に、光照射部34から光導電層24Rへ青色の光が照射されることで、該電極16A及び電極16B間に印加された電圧による、光導電層24Rへの光照射による抵抗変化(電気的特性分布)に応じて分布した分圧が表示層20B及び表示層20Gへ印加されることとなる。
ここで、表示層20B及び表示層20Gについて、色成分の調整材料(例えば、カイラル剤の添加量)以外の構成材料が同じであれば、表示層20B及び表示層20Gにかかる分圧は同じ値となる。しかし、本実施の形態の表示媒体10においては、上述のように、表示層20B及び表示層20Gに含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を調整することで互いに電気抵抗値が異なるように調整されていることから、電極16A及び電極16B間に設けられた表示層20B及び表示層20Gの表示層間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が広がり、一対の電極間に設けられた複数の表示層の各々が容易に選択的に駆動(フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化)される。このマイクロカプセル44の電気抵抗値の調整方法については、詳細を後述する。
これらの光導電層24R及び光導電層26Cとしては、(a)無機半導体材料として、アモルファス・シリコンや、ZnSe、CdSなどの化合物半導体により構成される層、(b)有機半導体材料として、アントラセン、ポリビニルカルバゾールなどにより構成される層、(c)光照射によって電荷を発生する電荷発生材料及び電界によって電荷移動を生ずる電荷輸送材料の混合物や積層体により構成される層などが挙げられる。
なお、光導電層24R及び光導電層26Cは、上述のように、内部光電効果を有し、照射された光の強度に応じて電気抵抗値が変化することから、交流駆動が可能であり、且つ照射された光に対して対象駆動することが望ましく、この観点から、図1に示すように、光導電層24Rは、電荷輸送層(CTL)24Bを上下から挟むように一対の電荷発生層(CGL)24A及び電荷発生層24Cが積層された3層構造であることが望ましい。光導電層26Cもまた、電荷輸送層26Bを上下から挟むように一対の電荷発生層26A及び電荷発生層26Dが積層された3層構造であることが望ましい。
電荷発生層24A、電荷発生層24C、電荷発生層26A、及び電荷発生層26Dは、書込装置11から書込みのために照射される露光光(詳細後述)を吸収して自由電子を発生させる機能を有する層である。電荷発生層24A、電荷発生層24C、電荷発生層26A、及び電荷発生層26D各々を構成する電荷発生材料としては、例えば、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系化合物などが挙げられる。
上記電荷輸送層24B及び電荷輸送層26Bを構成する電荷輸送材料としては、例えば、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系化合物や、LiClO4を添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレンオキシド等が、また電荷発生材と電荷輸送材との複合体として、積層体、混合物、マイクロカプセルなどが挙げられる。
遮光層22R及び遮光層22Cは、各々の層と同じ電極間に挟まれている表示層20に画像が表示されたときに、表示媒体10の非表示面側(図1では、表示媒体10の光照射部34の設けられた側)から入射される外光と、表示画像とを光学分離し、画質の劣化を抑制する。
遮光層22R、及び遮光層22Cには、外部光源からの光や入射光、外光の波長の光などを吸収する材料が用いられ、例えば顔料を分散した樹脂、染料を溶解した樹脂、染料で染色した樹脂などの樹脂色材が利用される。
具体的には、遮光層22Cは、該遮光層22Cと同じ電極間(電極18A及び電極18B)間に積層されている表示層20Rの選択反射状態における色(該電極間に積層されている光導電層26Cの吸収波長領域の光の色と同じ。本実施の形態では赤色とする。)を吸収し、且つ、光照射部34から照射された、光導電層24Rの吸収する波長領域の光に対して透過性を有している。また、表示媒体10の光導電層24Rより、書込装置11に表示媒体10が装着されたときの光照射部34による照射方向側に存在する各層(図1の例では、電極16B、基板15、表示素子32、及び基板14各々)は、光照射部34から照射される、光導電層24Rの吸収する波長領域の光を透過する材料により構成されている。
また、電極18B及び基板14は、光照射部34から照射される、光導電層26Cの吸収する波長領域の光についても透過する材料により構成されている。
また、電極18B及び基板14は、光照射部34から照射される、光導電層26Cの吸収する波長領域の光についても透過する材料により構成されている。
また、遮光層22Rは、該遮光層22Rと同じ電極間(電極16A及び電極16B)間に積層されている表示層20B及び表示層20Gの選択反射状態における色(該電極間に積層されている光導電層24Rの吸収波長領域の光の色と同じ。本実施の形態では青色及び緑色とする。)を吸収する。
<表示層の電気抵抗値の調整方法>
上述のように、本実施の形態の表示媒体10の表示素子32においては、表示素子32に含まれる複数の表示層である表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる。
上述のように、本実施の形態の表示媒体10の表示素子32においては、表示素子32に含まれる複数の表示層である表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる。
このマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なるように調整する方法としては、上述のように、(1)マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法、(2)マイクロカプセルを、コレステリック液晶を内包した第1の部材と該第1の部材に固定された導電性粒子とから構成する方法、(3)マイクロカプセルに導電剤を含有させる方法、(4)マイクロカプセルを、コレステリック液晶を内包した第1の部材と該第1の部材を被覆する導電性を有する高分子を含む第2の部材とから構成する方法、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
また、これらの導電剤の含有量、導電性粒子の固定化量、導電性を有する高分子の種類等を調整することによって、各表示層20間のマイクロカプセル44の電気抵抗値が容易に調整される。以下、各調整方法について詳細に説明する。
また、これらの導電剤の含有量、導電性粒子の固定化量、導電性を有する高分子の種類等を調整することによって、各表示層20間のマイクロカプセル44の電気抵抗値が容易に調整される。以下、各調整方法について詳細に説明する。
なお、上述のように、1対の電極間に設けられた複数の表示層20(表示層20B及び表示層20G)間の電気抵抗値は、含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を調整することによって互いに異なる値とされているが、各表示層20自体は、絶縁性であることが、表示素子全体の必要駆動電圧の低減の観点から望ましい。
すなわち、本実施の形態では、マイクロカプセル44の調整によって表示層20の電気抵抗値の調整(低下)が実現されるが、この調整範囲は、各液晶層20が絶縁性を示す範囲内で行なわれることが望ましい。
すなわち、本実施の形態では、マイクロカプセル44の調整によって表示層20の電気抵抗値の調整(低下)が実現されるが、この調整範囲は、各液晶層20が絶縁性を示す範囲内で行なわれることが望ましい。
(1)マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法、
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための1の方法としては、図5及び図6に示すように、表示層20に含まれるマイクロカプセル44自体を、導電性を有する高分子(以下、導電性高分子と称する場合がある)を含んだ構成とする方法が挙げられる。
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための1の方法としては、図5及び図6に示すように、表示層20に含まれるマイクロカプセル44自体を、導電性を有する高分子(以下、導電性高分子と称する場合がある)を含んだ構成とする方法が挙げられる。
例えば、表示層20B及び表示層20Gの内の、一方の表示層20Gにおけるマイクロカプセル44のみを、導電性高分子を含んだ構成とし、他方の表示層20Bにおけるマイクロカプセル44を絶縁性材料のみから構成する。これによって、導電性高分子を含んだ構成のマイクロカプセル44を含む表示層20Gの電気抵抗値は、絶縁性の高分子材料から構成されたマイクロカプセル44を含む表示20Bの電気抵抗値より低くなるように調整される。すなわち、容易に低抵抗化される。
なお、表示層20B及び表示層20Gの双方について、該双方の表示層に含まれるマイクロカプセル44を、導電性高分子を含んだ構成とし、その導電性高分子の選択や含有量等を調整することによって、表示層20B及び表示層20G間におけるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なる値となるように調整してもよい。
マイクロカプセル44を構成する絶縁性高分子材料としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン等を重合して得られるポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸2-エチルヘキシル、ポリメタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル系重合体、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、クマリン樹脂、テンペル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド、などが挙げられる。これらの高分子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、反応性の理由から、ポリウレタン樹脂が好適に用いられる。
これらの中でも、反応性の理由から、ポリウレタン樹脂が好適に用いられる。
また、マイクロカプセル44を構成する導電性高分子としては、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類、ポリアセチレン類などを、好 ポリアセチレン系、ポリ芳香族ビニリン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、などが挙げられる。これらの高分子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、加工性の理由から、ポリアセチレン系が好適に用いられる。
これらの中でも、加工性の理由から、ポリアセチレン系が好適に用いられる。
上記導電性を有する高分子から構成されたマイクロカプセル44中にコレステリック液晶42を内包する方法としては、マイクロカプセル法が挙げられる。
上記マイクロカプセル法としては、1)コレステリック液晶42を分散した高分子水溶液を相分離させてコレステリック液晶42の液晶滴表面にマイクロカプセル44としての皮膜を形成する相分離法、2)高分子とコレステリック液晶42とを共通溶媒に溶解して、これを水相中に分散して溶媒を蒸発させる液中乾燥法、3)コレステリック液晶42と油溶性モノマーAとの混合溶液(油相液)を水相中に分散して、これに水溶性モノマーBを添加して、モノマーAとモノマーBとを界面重合反応させて皮膜を形成する界面重合法、4)コレステリック液晶42中又は水相中にモノマーを溶解して加熱等によって重合させて析出した高分子でマイクロカプセル44としての皮膜を形成するin situ重合法などが利用される。
−相分離法−
相分離法では、上記に挙げたマイクロカプセル44を構成する高分子として、2種類の水溶性高分子;例えば、ゼラチンとアラビアゴム、たんぱく質と多糖類、たんぱく質とたんぱく質、たんぱく質と核酸、多糖類と核酸などの水溶液を、pHや温度を制御して濃厚相と希薄相に相分離させるコンプレックス・コアセルベーション法や、ポリビニルアルコールやゼラチンやアルキルセルロースなどの水溶性高分子溶液に、水と相溶する有機溶媒;例えば、アルコールやアセトンなどを添加して相分離させるシンプル・コアセルベーション法が利用できる。
相分離法では、上記に挙げたマイクロカプセル44を構成する高分子として、2種類の水溶性高分子;例えば、ゼラチンとアラビアゴム、たんぱく質と多糖類、たんぱく質とたんぱく質、たんぱく質と核酸、多糖類と核酸などの水溶液を、pHや温度を制御して濃厚相と希薄相に相分離させるコンプレックス・コアセルベーション法や、ポリビニルアルコールやゼラチンやアルキルセルロースなどの水溶性高分子溶液に、水と相溶する有機溶媒;例えば、アルコールやアセトンなどを添加して相分離させるシンプル・コアセルベーション法が利用できる。
−液中乾燥法−
液中乾燥法では、上記に挙げたマイクロカプセル44を構成する高分子を液晶と共に低沸点溶媒に溶解し、これを水相中に分散し、減圧又は加熱して溶媒を揮発させる方法などが利用される。
液中乾燥法では、上記に挙げたマイクロカプセル44を構成する高分子を液晶と共に低沸点溶媒に溶解し、これを水相中に分散し、減圧又は加熱して溶媒を揮発させる方法などが利用される。
−界面重合法−
界面重合法では、油溶性モノマーAとしては、塩基酸ハライド、ハロホルメート、イソシアネート、イソチオシアネート、ケテン、カルボジイミド、エポキシ、グリシジルエーテル、オキサゾリン、エチレンイミン、ラクトンなどの官能基を複数有する多価化合物が、水溶性モノマーBとしては、アミン、アルコール、カルボン酸、メルカプタン、フェノールなどの官能基を複数有する多価化合物が利用される。
界面重合法では、油溶性モノマーAとしては、塩基酸ハライド、ハロホルメート、イソシアネート、イソチオシアネート、ケテン、カルボジイミド、エポキシ、グリシジルエーテル、オキサゾリン、エチレンイミン、ラクトンなどの官能基を複数有する多価化合物が、水溶性モノマーBとしては、アミン、アルコール、カルボン酸、メルカプタン、フェノールなどの官能基を複数有する多価化合物が利用される。
−in situ重合法−
in situ重合法では、1)油溶性のモノマーAとモノマーCとを重合させる方法や、2)ラジカル重合性モノマーのような単独で重合可能なモノマーDを利用する方法などで行う。1)の場合、モノマーAとしては界面重合法の項で述べたモノマーAが同様に利用できて、塩基酸ハライド、ハロホルメート、イソシアネート、イソチオシアネート、ケテン、カルボジイミド、エポキシ、グリシジルエーテル、オキサゾリン、エチレンイミン、ラクトンなどの官能基を1分子内に複数有する多価化合物が利用できる。モノマーCとしては、アミン、アルコール、カルボン酸、メルカプタン、フェノールなどの官能基を1分子内に複数有する多価化合物が利用される。2)の場合、モノマーDとしては、多価エポキシ化合物、多価イソシアネート化合物、不飽和炭化水素化合物;例えば、スチレン、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体などが利用される。また、水相から壁材を形成することもでき、この場合はメラミン/ホルムアルデヒドなどの水溶性モノマーを利用する。
in situ重合法では、1)油溶性のモノマーAとモノマーCとを重合させる方法や、2)ラジカル重合性モノマーのような単独で重合可能なモノマーDを利用する方法などで行う。1)の場合、モノマーAとしては界面重合法の項で述べたモノマーAが同様に利用できて、塩基酸ハライド、ハロホルメート、イソシアネート、イソチオシアネート、ケテン、カルボジイミド、エポキシ、グリシジルエーテル、オキサゾリン、エチレンイミン、ラクトンなどの官能基を1分子内に複数有する多価化合物が利用できる。モノマーCとしては、アミン、アルコール、カルボン酸、メルカプタン、フェノールなどの官能基を1分子内に複数有する多価化合物が利用される。2)の場合、モノマーDとしては、多価エポキシ化合物、多価イソシアネート化合物、不飽和炭化水素化合物;例えば、スチレン、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体などが利用される。また、水相から壁材を形成することもでき、この場合はメラミン/ホルムアルデヒドなどの水溶性モノマーを利用する。
(2)マイクロカプセルを、コレステリック液晶を内包した第1の部材と、該第1の部材に固定された導電性粒子とから構成する方法
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための1の方法としては、図7及び図8に示すように、表示層20に含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50に固定された導電性粒子52と、から構成する方法が挙げられる。
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための1の方法としては、図7及び図8に示すように、表示層20に含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50に固定された導電性粒子52と、から構成する方法が挙げられる。
例えば、表示層20B及び表示層20Gの内の、一方の表示層20Gにおけるマイクロカプセル44のみを、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50に固定された導電性粒子52と、から構成し、他方の表示層20Bにおけるマイクロカプセル44を絶縁性材料から構成する。これによって、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50に固定された導電性粒子52と、から構成されたマイクロカプセル44を含む表示層20Gの電気抵抗値は、絶縁性の高分子材料から構成されたマイクロカプセル44を含む表示20Bの電気抵抗値より低くなるように調整される。
なお、表示層20B及び表示層20Gの双方について、含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と該第1の部材50に固定された導電性粒子52とから構成し、その導電性粒子52の種類や固定化される導電性粒子52の量や密度等を調整することによって、表示層20B及び表示層20G間におけるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なる値となるように調整してもよい。
上記導電性粒子52は、第1の部材50に内包されているコレステリック液晶42とマイクロカプセルとの界面に存在するように、第1の部材50の内周面側に突出するように該内周面に固定化されていてもよいし、第1の部材50の外周面側に固定化されていてもよいが、内周面側に突出するように該内周面に固定化されていると、第1の部材50に内包されているコレステリック液晶42の配向安定化が図れる。
この導電性粒子52としては、下記粒子が挙げられる。
導電性粒子52として用いられる有機粒子としては、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類、ポリアセチレン類などを、好 ポリアセチレン系、ポリ芳香族ビニリン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、などの導電性高分子の微粒子が挙げられる。これらは液晶に溶解しないように、架橋されていることが望ましい。
導電性粒子52として用いられる無機粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子などの金属酸化物粒子、金コロイド、銀コロイドなどの金属コロイド、硫化亜鉛粒子、硫化セレン粒子などの半導体粒子などが挙げられる。
導電性粒子52の大きさは、平均粒径がコレステリック液晶42の螺旋ピッチの1/10倍以上5倍以下の範囲、より望ましくは、1/5以上2倍以下の範囲にあることが好ましい。例えば、赤色を反射する螺旋ピッチ400nmのコレステリック液晶42の場合、平均粒径は40nm以上2μm以下の範囲が好ましく、より望ましくは80nm以上800nm以下である。平均粒径が上記範囲内にあると、マイクロカプセル44に内包されているコレステリック液晶42の配向安定化が得られる。
この第1の部材50に固定化されている導電性粒子52の密度(すなわち固定化量)や、固定化する導電性粒子52の種類等を調整することで、マイクロカプセル44の電気抵抗値が容易に調整される。
ここで、導電性粒子52の平均粒径および粒子密度の測定方法は次のように行う。表示層20を鋭利な刃物で切断し、その断面をアルコールで洗浄・乾燥したのちに、金を蒸着する。これを走査電子顕微鏡(日立製作所製S−4500型)で観察して、コレステリック液晶42を含む領域と第1の部材50との界面に存在する導電性粒子52の直径を計測し、表面密度を計数した。
なお、上記第1の部材50としては、上記「マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法」で示したマイクロカプセル44の構成材料を適宜用いればよい。
すなわち、第1の部材50としては、上記「マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法」で示した絶縁性高分子を用いてもよいし、さらに該方法で示した導電性高分子を含んだ構成としてもよい。なお、導電性高分子を含んだ構成とする場合には、構成材料を調整することによって電気抵抗値を調整されたマイクロカプセル44を含む表示層20B及び表示層20Gが、互いに抵抗値が異なるように調整されればよい。
すなわち、第1の部材50としては、上記「マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法」で示した絶縁性高分子を用いてもよいし、さらに該方法で示した導電性高分子を含んだ構成としてもよい。なお、導電性高分子を含んだ構成とする場合には、構成材料を調整することによって電気抵抗値を調整されたマイクロカプセル44を含む表示層20B及び表示層20Gが、互いに抵抗値が異なるように調整されればよい。
また、第1の部材50としては、更に、後述する導電剤54を更に含んだ構成としてもよい。この場合についても、電気抵抗値を調整されたマイクロカプセル44を含む表示層20B及び表示層20Gが、互いに抵抗値が異なるように調整されればよい。
この第1の部材50に、上記導電性粒子52を固定化させる方法としては、第1の部材50の内周面側に導電性粒子52を固定化する場合には、第1の部材50の構成材料である高分子又はその前駆体(モノマー)とコレステリック液晶42との混合物の中に、導電性粒子52を添加する方法によって、コレステリック液晶42と第1の部材50との界面に粒子を付着させればよい。また、予め、第1の部材50の構成材料である高分子又はその前駆体(モノマー)に導電性粒子52を添加してもよいし、コレステリック液晶42中に導電性粒子52を添加してもよい。
また、導電性粒子52として有機粒子を適用する場合、当該有機粒子を重合にて形成し得るモノマー成分(粒子の原料としてのモノマー)を各成分と共に配合し、液晶含有組成物製造時に重合させることで導電性粒子52を析出させて、第1の部材50とコレステリック液晶42との界面に存在させるようにしてもよい。
具体的な製法としてマイクロカプセル法で例示すると、例えば、まず、コレステリック液晶42と、第1の部材50用のモノマーと、導電性粒子52用のモノマーと、必要に応じて配向剤と、を水相中に分散・乳化させる。そして、加熱して、導電性粒子52用のモノマーから導電性粒子52を生成するとともに、第1の部材50用のモノマーからマイクロカプセル状の第1の部材50を生成する。生成された導電性粒子52はマイクロカプセル状の第1の部材50の内壁に固定化された状態となる。このように導電性粒子52を重合・析出させる方法を用いてもよい。なお、上記モノマー成分の反応速度の相違や添加量の相違を利用して導電性粒子52の粒子径や、第1の部材50に固定化される粒子密度が制御される。
(3)マイクロカプセルに導電剤を含有させる方法
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための方法としては、図9及び図10に示すように、該マイクロカプセル44に導電剤54を含有させる方法を用いてもよい。
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための方法としては、図9及び図10に示すように、該マイクロカプセル44に導電剤54を含有させる方法を用いてもよい。
例えば、表示層20B及び表示層20Gの内の、一方の表示層20Gにおけるマイクロカプセル44のみを、該マイクロカプセル44に導電剤54を含有させた形態とし、他方の表示層20Bにおけるマイクロカプセル44を絶縁性材料から構成する。これによって、該マイクロカプセル44に導電剤54を含有させた形態とされた表示層20Gの電気抵抗値は、絶縁性の高分子材料から構成されたマイクロカプセル44を含む表示20Bの電気抵抗値より低くなるように調整される。
なお、表示層20B及び表示層20Gの双方について、含まれるマイクロカプセル44を、該マイクロカプセル44に導電剤54を含有させた形態とし、その構成材料や含有される導電剤54の種類や量を調整することによって、表示層20B及び表示層20G間におけるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なる値となるように調整してもよい。
上記導電剤54としては、臭化テトラブチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
マイクロカプセル44に導電剤54を含有させる方法としては、下記方法を用いればよい。
具体的には、上記マイクロカプセル44を構成する材料として挙げた絶縁性高分子や、導電性高分子に、上記導電剤54を混合する、マイクロカプセルを導電剤分散液に浸して含侵させる等の方法を用いて含有させればよい。この導電剤54の種類や含有量、導電剤54を含有させるバインダーとしての高分子の材料や該バインダー中に含まれる導電性高分子の種類や含有量等を調整することによって、マイクロカプセル44の含有量が容易に調整される。
具体的には、上記マイクロカプセル44を構成する材料として挙げた絶縁性高分子や、導電性高分子に、上記導電剤54を混合する、マイクロカプセルを導電剤分散液に浸して含侵させる等の方法を用いて含有させればよい。この導電剤54の種類や含有量、導電剤54を含有させるバインダーとしての高分子の材料や該バインダー中に含まれる導電性高分子の種類や含有量等を調整することによって、マイクロカプセル44の含有量が容易に調整される。
(4)マイクロカプセルを、コレステリック液晶を内包した第1の部材と該第1の部材を被覆する導電性高分子を含む第2の部材とから構成する方法
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための方法として、図11及び図12に示すように、表示層20に含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50を被覆する導電性高分子を含む第2の部材56と、から構成する方法が挙げられる。
表示層20B及び表示層20Gの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値を異なる値とするための方法として、図11及び図12に示すように、表示層20に含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50を被覆する導電性高分子を含む第2の部材56と、から構成する方法が挙げられる。
例えば、表示層20B及び表示層20Gの内の、一方の表示層20Gにおけるマイクロカプセル44のみを、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50を被覆する導電性高分子を含む第2の部材56と、から構成し、他方の表示層20Bにおけるマイクロカプセル44を絶縁性材料から構成する。これによって、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50を被覆する導電性高分子を含む第2の部材56と、から構成されたマイクロカプセル44を含む表示層20Gの電気抵抗値は、絶縁性の高分子材料から構成されたマイクロカプセル44を含む表示20Bの電気抵抗値より低くなるように調整される。
なお、表示層20B及び表示層20Gの双方について、含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50を被覆する導電性高分子を含む第2の部材56と、から構成し、その構成材料や導電性高分子の含有量を調整することによって、表示層20B及び表示層20G間におけるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なる値となるように調整してもよい。
また更に、第1の部材50と第2の部材56の少なくとも一方に、上記に説明した導電剤54を含有、導電性粒子52を固定化させた形態を組み合わせて用いても良い。また更に、第1の部材50として、上記「マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法」で示した絶縁性高分子を用いてもよいし、さらに該方法で示した導電性高分子を含んだ構成としてもよい。
これらの組み合わせは、何れの組み合わせを用いても良いが、結果的に、構成材料を調整することによって電気抵抗値を調整されたマイクロカプセル44を含む表示層20B及び表示層20Gが、互いに抵抗値が異なるように調整されればよい。
これらの組み合わせは、何れの組み合わせを用いても良いが、結果的に、構成材料を調整することによって電気抵抗値を調整されたマイクロカプセル44を含む表示層20B及び表示層20Gが、互いに抵抗値が異なるように調整されればよい。
上記第1の部材50としては、上記マイクロカプセル44を構成する材料として挙げた絶縁性高分子材料を適宜用いればよい。また、上述のように、この第1の部材50に、該マイクロカプセル44を構成する材料として挙げた導電性高分子を含む形態を組み合わせても良いし、導電性粒子52を固定化した形態や、導電剤54を含んだ形態を更に組み合わせても良い。
上記第2の部材56としては、上記「マイクロカプセルを、導電性を有する高分子を含んだ構成とする方法」で示したマイクロカプセル44の構成材料として挙げた導電性高分子を含んだ構成とすればよい。さらに、この第2の部材56に、導電性粒子52を固定化した形態や、導電剤54を含んだ形態を更に組み合わせても良い。
表示層20に含まれるマイクロカプセル44を、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50を被覆する導電性高分子を含む第2の部材56と、から構成する方法としては、下記方法を用いればよい。
具体的には、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50から作成したマイクロカプセルを導電性高分子を含む第2の部材56の溶液に浸し、乾燥させればよい。
具体的には、コレステリック液晶42を内包した第1の部材50と、該第1の部材50から作成したマイクロカプセルを導電性高分子を含む第2の部材56の溶液に浸し、乾燥させればよい。
上記のように構成された表示媒体10の表示素子32においては、制御部38の制御によって電圧印加部40が制御されて、電圧印加部40Bから電極18A及び電極18B間に電圧が印加されると、電極18Aと電極18Bとの間に積層された各層には、それぞれの分圧が印加される。その状態で光導電層26Cに光照射部34から該光導電層26Cの吸収波長領域の光が照射されると、その照射された光に応じて光導電層26Cの抵抗分布が変化するため、該抵抗分布に応じて分布した分圧が表示層20Rに印加されることとなる。この表示層20Rに印加される電圧分布の変化によって、該表示層20Rの液晶の配向が変化するので、該照射された光に応じた情報が表示層20Rに表示・記録される。
一方、1対の電極間に複数の表示層の積層された表示素子30では、制御部38の制御によって電圧印加部40が制御されて、電圧印加部40Aから電極16A及び電極16B間に電圧が印加されると、電極16Aと電極16Bとの間に積層された各層には、それぞれの分圧が印加される。その状態で光導電層24Rに光照射部34から該光導電層24Rの吸収波長領域の光が照射されると、その照射された光に応じて光導電層24Rの抵抗分布が変化するため、該抵抗分布に応じて分布した分圧が表示層20B及び表示層20Gに印加される。
このとき、本実施の形態では上記説明したように、一対の電極間に設けられた複数の表示層としての表示層20B及び表示層20Gは、各々含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なることから、表示層20B及び表示層20Gの電気抵抗値は互いに異なる。このため、図13に示すように、表示層20Bに係る分圧VBと、表示層20Gに係る分圧VGは異なる値となる。
このとき、本実施の形態では上記説明したように、一対の電極間に設けられた複数の表示層としての表示層20B及び表示層20Gは、各々含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なることから、表示層20B及び表示層20Gの電気抵抗値は互いに異なる。このため、図13に示すように、表示層20Bに係る分圧VBと、表示層20Gに係る分圧VGは異なる値となる。
例えば、表示層20B及び表示層20Gの内の、表示層20Gについてのみ、含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が低くなるように、マイクロカプセル44の構成を上記に示した各構成(図5〜図12参照)とする。この場合には、表示媒体10の電極16A及び電極16Bに印加した電圧と、表示媒体10の表示層20Bにおける正規化反射率との関係は、図14に示す線図60Bの関係を示し、該電極16A及び電極16Bに印加した電圧と、表示媒体10の表示層20Gにおける正規化反射率との関係は、図14に示す線図60Gの関係となる。
すなわち、マイクロカプセル44の電気抵抗値の調整を行なわなかった場合には、表示層20G及び表示層20Bにおけるフォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値である上側閾値、及びプレーナーとフォーカルコニックとの間の状態変化の閾値である下側閾値は、各々同じ値となると考えられる。
一方、本実施の形態の表示媒体10では、液層層20Gと液層層20Bとの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる値となるように調整されている。このため、図14に示すように、電気抵抗値が低くなるように調整された表示層20Gにおける、フォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値である上側閾値としての電圧値B2と、表示層20Bにおけるフォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値である上側閾値としての電圧値G2とは、異なる値(図14ではB2<G2の関係)となり、これらの閾値の差が増大することとなる。
一方、本実施の形態の表示媒体10では、液層層20Gと液層層20Bとの各々に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる値となるように調整されている。このため、図14に示すように、電気抵抗値が低くなるように調整された表示層20Gにおける、フォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値である上側閾値としての電圧値B2と、表示層20Bにおけるフォーカルコニックとホメオトロピックとの間の状態変化の閾値である上側閾値としての電圧値G2とは、異なる値(図14ではB2<G2の関係)となり、これらの閾値の差が増大することとなる。
同様に、図14に示すように、電気抵抗値が低くなるように調整された表示層20Gにおける、プレーナーとフォーカルコニックとの間の状態変化の閾値である下側閾値としての電圧値G1と、表示層20Bにおける該状態変化の閾値である下側閾値としての電圧値B2とは、異なる値(図14ではB1<G1)となり、これらの閾値の差が増大することとなる。
なお、上記実施の形態では、一対の電極間に積層された複数の表示層(表示層20B及び表示層20G)について、表示層に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なるように調整することによって、該複数の表示層間の電気抵抗値が異なるように調整する場合を説明したが、さらに、各表示層に含まれるコレステリック液晶42の構成材料(液晶材料)を適宜選択することによって、コレステリック液晶42自体の電気抵抗値が異なるように更に調整してもよい。
このように、マイクロカプセル44の電気抵抗値の調整に加えて更に、マイクロカプセル44に内包されるコレステリック液晶42の電気抵抗値を調整することで、各表示層20間の上記状態変化の閾値(上側閾値、下側閾値)の差の増大が図れる。
このように、マイクロカプセル44の電気抵抗値の調整に加えて更に、マイクロカプセル44に内包されるコレステリック液晶42の電気抵抗値を調整することで、各表示層20間の上記状態変化の閾値(上側閾値、下側閾値)の差の増大が図れる。
なお、上記マイクロカプセル44の電気抵抗値は、マイクロカプセル44の構成以外は同一構成とした表示層の電気抵抗値の測定結果を基準とし、マイクロカプセル44の構成を上記のように調整(導電性材料の付与、導電性粒子の固定化、導電性高分子材料を含んだ構成、導電性高分子材料を含む層によって第1の部材を被覆等)した表示層の電気抵抗値の測定結果との差分から、求めればよい。
また、各表示層の電気抵抗値の測定は下記の条件で行った。表示層の一対の電極間に電圧(実効電圧140V、周波数100Hz)を印加し、インピーダンス・アナライザ(ソーラトロン社製SI−1260)を用いて抵抗値を測定し、表示素層の面積・厚みで規格化し、抵抗率ρ(Ω・cm)を求めた。
なお、本実施の形態では、一対の電極間に設けられた複数の表示層としては、2層である場合を説明した。具体的には、電極16A及び電極16B間には、1層の光導電層24Rと、2層の表示層20B及び表示層20Gが設けられている場合を説明したが。しかし、この一対の電極間に設けられる複数の表示層は、各表示層に含まれるマイクロカプセル44の電気抵抗値が異なることによって各表示層間の電気抵抗値が異なるように調整されていればよく、3層以上であってもよいことはいうまでもない。
次に、上記表示媒体10に画像を書き込む書込装置11、及び表示媒体10及び書込装置11を備えた表示装置13について説明する。
図1に示すように、表示装置13は、書込装置11及び上記表示媒体10を備えている。書込装置11は、光照射部34、制御部38、電圧印加部40を含んで構成されている。光照射部34、電圧印加部40は、制御部38に信号授受可能に接続されている。
なお本実施の形態では、光照射部34が本発明の表示装置の照射手段に相当し、電圧印加部40が、電圧印加手段に相当する。
制御部38は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータとして構成されており、書込装置11内の装置各部を制御する。
電圧印加部40は、電圧印加部40A及び電圧印加部40Bを含んで構成されている。電圧印加部40Aは、表示媒体10の電極16A及び電極16Bに信号授受可能に接続されており、電極16A及び電極16Bに電圧を印加する。電圧印加部40Bは、表示媒体10の電極18A及び電極18Bに信号授受可能に接続されており、電極18A及び電極18Bに電圧を印加する。
書込装置11には、表示媒体10を装着するためのスロット(図示省略)が設けられており、このスロット(図示省略)に表示媒体10が装着されることで、スロット(図示省略)に設けられたコネクタ(図示省略)等を介して表示媒体10の電極16A及び電極16Bが電圧印加部40Aに電気的に接続され、表示媒体10の電極18A及び電極18Bが電圧印加部40Bに電気的に接続されるように構成されている。
また、表示媒体10が書込装置11の図示を省略するスロットに装着されると、光照射部34は、表示媒体10の基板14側から基板12側へ向かって露光光を照射可能な状態となる。
また、表示媒体10が書込装置11の図示を省略するスロットに装着されると、光照射部34は、表示媒体10の基板14側から基板12側へ向かって露光光を照射可能な状態となる。
電圧印加部40は、制御部38から入力された信号に基づいた電圧を、表示媒体10の電極16A及び電極16B、及び電極18A及び電極18Bに印加可能に構成されていればよいが、より速い速度表示を行う観点から、AC出力が可能であり且つ高いスルーレートを有することが好ましい。電圧印加部40としては、例えば、バイポーラ高電圧アンプなどが用いられる。
光照射部34は、表示媒体10の複数の光導電層(光導電層24R及び光導電層26C)に光を照射し、表示媒体10に含まれる光導電層の数と同じ種類数の、互いに異なる波長領域の光を出射する複数の光源を含んで構成されている。
上記構成の表示装置13においては、制御部38の制御によって、電圧印加部40により各々の表示素子30及び表示素子32の電極16A及び電極16B、または電極18A及び電極18Bの何れかに電圧を印加しつつ、光照射部34から表示媒体10の光導電層24R及び光導電層26Cへ赤色または緑色の像様に相当する光を表示媒体10の基板14側から基板12側へ向かって照射することによって、表示媒体10に画像が形成される。
ここで、上述のように、表示媒体10の一対の電極16A及び電極16B間に設けられた複数の表示層(表示層20B及び表示層20G)は、該表示層20B及び表示層20Gにおけるマイクロカプセル44の電気抵抗値が互いに異なる値となるように調整されることで、互いに異なる電気抵抗値となるように調整されている。このため、一対の電極間に設けられた複数の表示層(表示層20B及び表示層20G)間の、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化の閾値の差が広がった状態とされている、従って、表示装置13では、電極16A及び電極16B間に、各表示層20B及び表示層20Gの印加電圧と正規化反射率との関係(図14参照)に応じて、フォーカルコニックとプレーナーとの間の状態変化が選択的に生じる電圧値の電圧を印加することで、表示層20B及び表示層20Gの内の何れか一方のみをフォーカルコニックへ状態変化またはプレーナーへ状態変化させたり、双方をフォーカルコニックまたはプレーナーへ状態変化させることが可能となる。
以下、本発明を、実施例を挙げて更に具体的に説明する。ただし、これらの各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
―表示媒体の作製―
実施例1では、図1に示す表示媒体において、表示素子30内の、それぞれ表示層20B,表示層20Gのみを備えた構成の表示媒体を作製した。具体的には、市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを基板14及び電極16Bとし、遮光層22Rとして、ピロロピロール顔料を分散させた部分けん化ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を1.2μm厚にスピンコートしたものを2組用意した。
―表示媒体の作製―
実施例1では、図1に示す表示媒体において、表示素子30内の、それぞれ表示層20B,表示層20Gのみを備えた構成の表示媒体を作製した。具体的には、市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを基板14及び電極16Bとし、遮光層22Rとして、ピロロピロール顔料を分散させた部分けん化ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を1.2μm厚にスピンコートしたものを2組用意した。
一方、電極16AとしてのITO電極の形成されたPET樹脂フィルム(基板12に相当)を用意した。
さらに、同フィルムの電極16A上に、コレステリック液晶マイクロカプセル塗料B(青色の表示層20B用の塗料)をアプリケート塗布することにより20μm厚の表示層20Bを形成した。そして、この表示層20Bと、上記ITO蒸着PET樹脂フィルム上に設けた遮光層22Rとが向かい合わせとなるように、これらをアクリル樹脂系接着シートを用いて貼り合わせることによって、表示媒体1Bを作製した。
同様にして、上記フィルムの電極16A上に、コレステリック液晶マイクロカプセル塗料G(青色の表示層20G用の塗料)をアプリケート塗布することにより20μm厚の表示層20Gを形成した。
そして、この表示層20Gと、上記ITO蒸着PET樹脂フィルム上に設けた遮光層22Rとが向かい合わせとなるように、これらをアクリル樹脂系接着シートを用いて貼り合わせることによって、表示媒体1Gを作製した。
そして、この表示層20Gと、上記ITO蒸着PET樹脂フィルム上に設けた遮光層22Rとが向かい合わせとなるように、これらをアクリル樹脂系接着シートを用いて貼り合わせることによって、表示媒体1Gを作製した。
なお、上記の青色の表示層20B用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bは、下記のようにして得た。
まず、ネマチック液晶E44(メルク社製)にカイラル剤R1011(メルク社製)とカイラル剤R811(メルク社製)を適量添加して選択反射のピーク波長が480nmになるようにコレステリック液晶を調製した。これらにそれぞれポリイソシアネート化合物タケネートD−110N(武田薬品工業社製)と酢酸エチルを加えて油相組成物を調製し、これを1%ポリビニルアルコール水溶液中に投入し、撹拌・乳化して10μm径のo/w型エマルジョンを調製した。これを60℃で3時間加熱することによって、内部にコレステリック液晶を内包した、ポリウレタンから構成されたマイクロカプセルを得た。このマイクロカプセルを遠沈回収後、ポリビニルアルコール水溶液を加えてコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bを得た。
まず、ネマチック液晶E44(メルク社製)にカイラル剤R1011(メルク社製)とカイラル剤R811(メルク社製)を適量添加して選択反射のピーク波長が480nmになるようにコレステリック液晶を調製した。これらにそれぞれポリイソシアネート化合物タケネートD−110N(武田薬品工業社製)と酢酸エチルを加えて油相組成物を調製し、これを1%ポリビニルアルコール水溶液中に投入し、撹拌・乳化して10μm径のo/w型エマルジョンを調製した。これを60℃で3時間加熱することによって、内部にコレステリック液晶を内包した、ポリウレタンから構成されたマイクロカプセルを得た。このマイクロカプセルを遠沈回収後、ポリビニルアルコール水溶液を加えてコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bを得た。
また、上記の緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gは、下記のようにして得た。
具体的には、上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bの調整において用いたカイラル剤R1011(メルク社製)とカイラル剤R811(メルク社製)の添加量を調整して、選択反射のピーク波長が560nmになるようにコレステリック液晶を調製した。
また、上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bの調整において用いた
ポリイソシアネート化合物タケネートD−110N(武田薬品工業社製)の0.01%重量部のポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン(PEDOT)を油相生成物に加えることによって、内部にコレステリック液晶を内包し、マイクロカプセル殻にポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン(PEDOT)を含有したマイクロカプセルを得た。そして、このマイクロカプセルを遠沈回収後、ポリビニルアルコール水溶液を加えてコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gを得た。
具体的には、上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bの調整において用いたカイラル剤R1011(メルク社製)とカイラル剤R811(メルク社製)の添加量を調整して、選択反射のピーク波長が560nmになるようにコレステリック液晶を調製した。
また、上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bの調整において用いた
ポリイソシアネート化合物タケネートD−110N(武田薬品工業社製)の0.01%重量部のポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン(PEDOT)を油相生成物に加えることによって、内部にコレステリック液晶を内包し、マイクロカプセル殻にポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン(PEDOT)を含有したマイクロカプセルを得た。そして、このマイクロカプセルを遠沈回収後、ポリビニルアルコール水溶液を加えてコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gを得た。
−液晶層20B及び液晶層20Gの抵抗値の測定−
上記の手順で作成した表示媒体1Bにおける表示層20Bの電気抵抗率を測定したところ、5×108Ω・mであった。
なお、この電気抵抗率は、表示媒体の一対の電極間に電圧(実効電圧140V、周波数100Hz)を印加し、インピーダンス・アナライザ(ソーラトロン社製SI−1260)を用いて抵抗値を測定し、表示素層の面積・厚みで規格化し、電気抵抗率ρ(Ω・cm)を求めた。
上記の手順で作成した表示媒体1Bにおける表示層20Bの電気抵抗率を測定したところ、5×108Ω・mであった。
なお、この電気抵抗率は、表示媒体の一対の電極間に電圧(実効電圧140V、周波数100Hz)を印加し、インピーダンス・アナライザ(ソーラトロン社製SI−1260)を用いて抵抗値を測定し、表示素層の面積・厚みで規格化し、電気抵抗率ρ(Ω・cm)を求めた。
同様にして、表示媒体1Gにおける表示層20Gについて、同じ方法を用いて電気抵抗率を測定したところ、2.5×108Ω・mであった。
このため、液晶層20Gのマイクロカプセルの調整によって、液晶層20B及び液晶層20Gの電気抵抗値が異なる値となっていたといえる。
このため、液晶層20Gのマイクロカプセルの調整によって、液晶層20B及び液晶層20Gの電気抵抗値が異なる値となっていたといえる。
―評価―
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
本実施例1で作製した表示媒体1Bと表示媒体1Gとを直列に接続して、0Vから1000Vまで、10Vずつ電圧値を上昇させて、各電圧値の電圧を0.2秒間印加した後に電圧を急激に0Vとしたときの反射率を、分光輝度計 CM−2022(ミノルタ社製)にて測定した。表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係は、図15の線図70Bに示される値となった。このため、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は175Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、630Vであった。下側閾値、上側閾値はそれぞれ最大反射率の20%、80%の反射率になる電圧と定義した。
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
本実施例1で作製した表示媒体1Bと表示媒体1Gとを直列に接続して、0Vから1000Vまで、10Vずつ電圧値を上昇させて、各電圧値の電圧を0.2秒間印加した後に電圧を急激に0Vとしたときの反射率を、分光輝度計 CM−2022(ミノルタ社製)にて測定した。表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係は、図15の線図70Bに示される値となった。このため、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は175Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、630Vであった。下側閾値、上側閾値はそれぞれ最大反射率の20%、80%の反射率になる電圧と定義した。
同時に測定した表示媒体1Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係は、図15の線図70Gに示される値となった。このため、表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は275Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、775Vであった。
従って、表示層20G及び表示層20Bの内、表示層20Bに比べてマイクロカプセル44を、導電性高分子を含んだ構成とした表示層20Gの方が、上側閾値及び下側閾値の双方の低下が見られ、これらの表示層20G及び表示層20B間の閾値の差が増大したといえる。
―表示媒体への書込評価―
表示媒体への書き込み評価のために図1に示す表示媒体において、表示素子30及び表示素子32の内の、表示素子30のみを備えた構成の表示媒体を作製した。具体的には、市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを基板14及び電極16Bとし、この上に、電荷発生層24C、電荷輸送層24B、及び電荷発生層24Aの3層構造の光導電層24Rを形成した。詳細には、まず、アンスロン系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液をスピンコートして0.1μm厚の電荷発生層24Cを形成し、つぎにベンジジン系電荷輸送材料とポリカーボネート樹脂のモノクロロベンゼン溶液をアプリケータでコートして3μm厚の電荷輸送層24Bを形成し、最後に再度、アンスロン系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液をスピンコートして0.1μm厚の電荷発生層24Aを形成して光導電層24Rを得た。この光導電層24Rの最大光吸収波長は、440nmであった。
表示媒体への書き込み評価のために図1に示す表示媒体において、表示素子30及び表示素子32の内の、表示素子30のみを備えた構成の表示媒体を作製した。具体的には、市販のITO蒸着PET樹脂フィルムを基板14及び電極16Bとし、この上に、電荷発生層24C、電荷輸送層24B、及び電荷発生層24Aの3層構造の光導電層24Rを形成した。詳細には、まず、アンスロン系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液をスピンコートして0.1μm厚の電荷発生層24Cを形成し、つぎにベンジジン系電荷輸送材料とポリカーボネート樹脂のモノクロロベンゼン溶液をアプリケータでコートして3μm厚の電荷輸送層24Bを形成し、最後に再度、アンスロン系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液をスピンコートして0.1μm厚の電荷発生層24Aを形成して光導電層24Rを得た。この光導電層24Rの最大光吸収波長は、440nmであった。
次に、遮光層22Rとして、ピロロピロール顔料を分散させた部分けん化ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を1.2μm厚にスピンコートした。一方、電極16AとしてのITO電極の形成されたPET樹脂フィルム(基板12に相当)を用意した。さらに、同フィルムの電極16A上に、コレステリック液晶マイクロカプセル塗料B(青色の表示層20B用の塗料)をアプリケート塗布することにより20μm厚の表示層20Bを形成した後に、さらに、コレステリック液晶マイクロカプセル塗料G(緑色の表示層20G用の塗料)をアプリケート塗布することにより20μm厚の表示層20Gを形成した。
そして、得られた2枚の基板を、上記形成した表示層20Gと、上記形成した遮光層22Rとが向かい合わせとなるように、アクリル樹脂系接着シートを用いて貼り合わせることによって、表示媒体1を作製した。
そして、得られた2枚の基板を、上記形成した表示層20Gと、上記形成した遮光層22Rとが向かい合わせとなるように、アクリル樹脂系接着シートを用いて貼り合わせることによって、表示媒体1を作製した。
作製した表示媒体1について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
上記構成とした書込装置11を用いて光源35から露光強度500μW/cm2で表示媒体1へ光を照射するとともに、電極16Aと電極16Bに周波数10Hz、500Vの対称矩形波パルス電圧を200ms印加したところ、表示媒体が透明となった。
次に、パルス電圧の電圧値を1000Vとしたところ、表示媒体がシアンとなった。次にパルス電圧の電圧値を150Vとしたところ、表示媒体が緑色となった。さらに、パルス電圧の電圧値を700Vとしたところ、青色となった。
このため、一対の電極間に積層された複数の液晶層である液晶層20B及び液晶層20Gが容易に選択的に駆動されたといえる。
(実施例2)
実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G2を用いた以外は、実施例1と同じ方法により表示媒体2Gを作製し、評価を行なった。
実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G2を用いた以外は、実施例1と同じ方法により表示媒体2Gを作製し、評価を行なった。
具体的には、実施例1で調整したコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gの調整において用いた液晶に臭化テトラブチルアンモニウムを液晶に対して10ppm添加することによって、より抵抗値の低いコレステリック液晶を内包したマイクロカプセル(導電性高分子)とした以外は、該実施例1の塗料Gと同じ方法及び材料により、塗料G2を調整した。この塗料G2を用いて表示層20Gを調整し、ITO電極の形成されたPET樹脂フィルムを2枚用意し、この2枚のフィルム間に本実施例2で調整した液晶層20Gのみを挟んだ構成の表示媒体2Gを調整した。
−液晶層20Gの抵抗値の測定−
本実施例2で調整した表示媒体2Gの表示層20Gについて、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗値を測定したところ、1.6×108Ω・mであった。
このため、液晶層20Gのマイクロカプセル及びコレステリック液晶の双方の調整によって、液晶層20B(実施例1と同じ)及び液晶層20Gの電気抵抗値が異なる値となっていたといえる。またさらに、実施例1で調整した液晶層20G(マイクロカプセルのみを低抵抗化したもの)に比べて更に電気抵抗値の低下が図れていたといえる。
本実施例2で調整した表示媒体2Gの表示層20Gについて、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗値を測定したところ、1.6×108Ω・mであった。
このため、液晶層20Gのマイクロカプセル及びコレステリック液晶の双方の調整によって、液晶層20B(実施例1と同じ)及び液晶層20Gの電気抵抗値が異なる値となっていたといえる。またさらに、実施例1で調整した液晶層20G(マイクロカプセルのみを低抵抗化したもの)に比べて更に電気抵抗値の低下が図れていたといえる。
―評価―
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
実施例1で作製した表示媒体1Bと、本実施例2で調整した表示媒体2Gとを直列に接続して、実施例1と同様にして表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係、及び表示媒体2Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係を評価した。
その結果、表示媒体1B(表示層20B)の反射率と印加電圧との関係は、図15の線図72Bに示される値となった。このため、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は175Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、630Vであった。
一方、表示媒体2G(表示層20G)の反射率と印加電圧との関係は、図15の線図72Gに示される値となった。このため、表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は325Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、875Vであった。
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
実施例1で作製した表示媒体1Bと、本実施例2で調整した表示媒体2Gとを直列に接続して、実施例1と同様にして表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係、及び表示媒体2Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係を評価した。
その結果、表示媒体1B(表示層20B)の反射率と印加電圧との関係は、図15の線図72Bに示される値となった。このため、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は175Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、630Vであった。
一方、表示媒体2G(表示層20G)の反射率と印加電圧との関係は、図15の線図72Gに示される値となった。このため、表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は325Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、875Vであった。
従って、本実施例2では、表示層20G及び表示層20Bの内、マイクロカプセル44を導電性高分子を含んだ構成とし、且つ該マイクロカプセル44内に内包されたコレステリック液晶として低抵抗の材料を含んだ構成とした表示層20Gの方が、表示層20Bに比べて、上側閾値及び下側閾値の双方の低下が見られ、これらの表示層20G及び表示層20B間の閾値の差が増大したといえる。また、上記実施例1で調整した表示層20Gと表示層20Bとの間の閾値の差に比べて、実施例2では、さらなる閾値の差の増大が図れたといえる。
―表示媒体への書込評価―
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本実施例2で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体2を調整した。
本実施例2で作製した表示媒体2について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本実施例2で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体2を調整した。
本実施例2で作製した表示媒体2について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
上記構成とした書込装置11を用いて光源35から露光強度500μW/cm2で表示媒体2へ光を照射するとともに、電極16Aと電極16Bに周波数10Hz、500Vの対称矩形波パルス電圧を200ms印加したところ、表示媒体が透明となった。
次に、パルス電圧の電圧値を1000Vとしたところ、表示媒体がシアンとなった。次にパルス電圧の電圧値を150Vとしたところ、表示媒体が緑色となった。さらに、パルス電圧の電圧値を750Vとしたところ、青色となった。
このため、一対の電極間に積層された複数の液晶層である液晶層20B及び液晶層20Gが容易に選択的に駆動されたといえる。
(実施例3)
上記実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G3を用いた以外は、実施例1と同じ方法により表示媒体3Gを作製し、評価を行なった。
上記実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G3を用いた以外は、実施例1と同じ方法により表示媒体3Gを作製し、評価を行なった。
具体的には、実施例1で調整したコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gの調整においてポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン(PEDOT)に変えて酸化スズ微粒子(平均粒子径100nm)を液晶に対して1wt%添加すること以外は、該実施例1の塗料Gと同じ方法及び材料により、塗料G3を調整した。この塗料G3を用いて表示層20Gを調整し、ITO電極の形成されたPET樹脂フィルムを2枚用意し、この2枚のフィルム間に本実施例3で調整した液晶層20Gのみを挟んだ構成の表示媒体3Gを調整した。
−液晶層20Gの抵抗値の測定−
上記調整した表示媒体3Gについて、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗率を測定したところ、2×108Ω・mであった。
このため、液晶層20Gのマイクロカプセル及びコレステリック液晶の双方の調整によって、液晶層20B(実施例1と同じ)及び液晶層20Gの電気抵抗値が異なる値となっていたといえる。またさらに、実施例1で調整した液晶層20G(マイクロカプセルのみを低抵抗化したもの)に比べて更に電気抵抗値の低下が図れていたといえる。
上記調整した表示媒体3Gについて、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗率を測定したところ、2×108Ω・mであった。
このため、液晶層20Gのマイクロカプセル及びコレステリック液晶の双方の調整によって、液晶層20B(実施例1と同じ)及び液晶層20Gの電気抵抗値が異なる値となっていたといえる。またさらに、実施例1で調整した液晶層20G(マイクロカプセルのみを低抵抗化したもの)に比べて更に電気抵抗値の低下が図れていたといえる。
―評価―
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
実施例1で作製した表示媒体1Bと、本実施例3で調整した表示媒体3Gとを直列に接続して、実施例1と同様にして表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係、及び表示媒体3Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係を評価した。
その結果、表示媒体1B(表示層20B)の反射率と印加電圧との関係は、図15の線図72Bに示される値となった。このため、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は175Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、630Vであった。
一方、表示媒体3G(表示層20G)の反射率と印加電圧との関係を測定したところ、該表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は300Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、825Vであることがわかった。
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
実施例1で作製した表示媒体1Bと、本実施例3で調整した表示媒体3Gとを直列に接続して、実施例1と同様にして表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係、及び表示媒体3Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係を評価した。
その結果、表示媒体1B(表示層20B)の反射率と印加電圧との関係は、図15の線図72Bに示される値となった。このため、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は175Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、630Vであった。
一方、表示媒体3G(表示層20G)の反射率と印加電圧との関係を測定したところ、該表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は300Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、825Vであることがわかった。
従って、表示層20G及び表示層20Bの内、マイクロカプセル44に導電性微粒子を固定した構成とした表示層20Gの方が、表示層20Bに比べて、上側閾値及び下側閾値の双方の低下が見られ、これらの表示層20G及び表示層20B間の閾値の差が増大したといえる。
―表示媒体への書込評価―
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本実施例3で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体3を調整した。
本実施例3で作製した表示媒体3について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本実施例3で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体3を調整した。
本実施例3で作製した表示媒体3について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
上記構成とした書込装置11を用いて光源35から露光強度500μW/cm2で表示媒体3へ光を照射するとともに、電極16Aと電極16Bに周波数10Hz、500Vの対称矩形波パルス電圧を200ms印加したところ、表示媒体3が透明となった。
次に、パルス電圧の電圧値を1000Vとしたところ、表示媒体がシアンとなった。次にパルス電圧の電圧値を150Vとしたところ、表示媒体3が緑色となった。さらに、パルス電圧の電圧値を725Vとしたところ、青色となった。
このため、一対の電極間に積層された複数の液晶層である液晶層20B及び液晶層20Gが容易に選択的に駆動されたといえる。
このため、一対の電極間に積層された複数の液晶層である液晶層20B及び液晶層20Gが容易に選択的に駆動されたといえる。
(比較例1)
上記実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G4を用いた以外は、実施例1と同じ方法により比較表示媒体1Gを作製し、評価を行なった。
上記実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G4を用いた以外は、実施例1と同じ方法により比較表示媒体1Gを作製し、評価を行なった。
具体的には、実施例1においてコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Bの調整において用いたカイラル剤R1011(メルク社製)とカイラル剤R811(メルク社製)の添加量を調整して、選択反射のピーク波長が560nmになるように調製した以外は、実施例1で用いた塗料Bと同じ材料及び同じ方法で塗料G4を調整した。
この塗料G4を用いて表示層20Gを調整し、ITO電極の形成されたPET樹脂フィルムを2枚用意し、この2枚のフィルム間に本比較例1で調整した液晶層20Gのみを挟んだ構成の比較表示媒体1Gを調整した。
この塗料G4を用いて表示層20Gを調整し、ITO電極の形成されたPET樹脂フィルムを2枚用意し、この2枚のフィルム間に本比較例1で調整した液晶層20Gのみを挟んだ構成の比較表示媒体1Gを調整した。
−液晶層20Gの抵抗値の測定−
上記調整した比較表示媒体1Gについて、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗率を測定したところ、4.9×108Ω・mであった。
また、別途、ITO電極の形成されたPET樹脂フィルムを2枚用意し、この2枚のフィルム間に上記実施例1で調整した液晶層20Bのみを挟んだ構成とし、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗値を測定したところ、5×108Ω・mであり、ほぼ同じ抵抗値であった。
上記調整した比較表示媒体1Gについて、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗率を測定したところ、4.9×108Ω・mであった。
また、別途、ITO電極の形成されたPET樹脂フィルムを2枚用意し、この2枚のフィルム間に上記実施例1で調整した液晶層20Bのみを挟んだ構成とし、実施例1と同じ方法を用いて電気抵抗値を測定したところ、5×108Ω・mであり、ほぼ同じ抵抗値であった。
―評価―
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
実施例1で作製した表示媒体1Bと、本比較例1で調整した比較表示媒体1Gとを直列に接続して、実施例1と同様にして表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係、及び比較表示媒体1Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係を評価した。
その結果、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は240Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、740Vであった。
また、表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は240Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、740Vであり、表示層20Bと同じ値であった。
――表示層20B及び表示層20Gの電気応答特性の測定――
実施例1で作製した表示媒体1Bと、本比較例1で調整した比較表示媒体1Gとを直列に接続して、実施例1と同様にして表示媒体1Bの表示層20Bの反射率と印加電圧との関係、及び比較表示媒体1Gの表示層20Gの反射率と印加電圧との関係を評価した。
その結果、表示層20Bの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は240Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、740Vであった。
また、表示層20Gの下側閾値(プレーナーとフォーカルコニックとの状態変化の閾値)は240Vであり、上側閾値(フォーカルコニックとホメオトロピックとの状態変化の閾値)は、740Vであり、表示層20Bと同じ値であった。
―表示媒体への書込評価―
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本比較例1で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして比較表示媒体1を調整した。
本比較例1で作製した比較表示媒体1について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本比較例1で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして比較表示媒体1を調整した。
本比較例1で作製した比較表示媒体1について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
上記構成とした書込装置11を用いて光源35から露光強度500μW/cm2で比較表示媒体1へ光を照射するとともに、電極16Aと電極16Bに周波数10Hz、矩形波パルス電圧を200ms印加し、印加電圧を変化させたが、何れの電圧を印加した場合についても、表示層20G特有の色である緑色、表示層20B特有の色である青色の表示がなされることはなかった。
このため、一対の電極間に積層された複数の液晶層である液晶層20B及び液晶層20Gの選択的に駆動は、比較例1では実現されなかった。
このため、一対の電極間に積層された複数の液晶層である液晶層20B及び液晶層20Gの選択的に駆動は、比較例1では実現されなかった。
(比較例2)
上記実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G5を用いた以外は、実施例1と同じ方法により比較表示媒体2Gを作製し、評価を行なった。
上記実施例1において用いた緑色の表示層20G用の塗料として挙げた上記コレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gに代えて、下記塗料G5を用いた以外は、実施例1と同じ方法により比較表示媒体2Gを作製し、評価を行なった。
具体的には、実施例1においてコレステリック液晶マイクロカプセル塗料Gの調整において用いたポリビニルアルコール水溶液に、酸化チタン微粒子(平均粒子径18.3nm、Aldrich製)をポリビニルアルコール固形分の1wt%加えた以外は、実施例1で用いた塗料Bと同じ材料及び同じ方法で塗料G5を調整した。この塗料G5を用いて表示層20Gを調整した。
―表示媒体への書込評価―
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本比較例2で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして比較表示媒体2を調整した。
本比較例2で作製した比較表示媒体2について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
上記構成とした書込装置11を用いて光源35から露光強度500μW/cm2で比較表示媒体2へ光を照射するとともに、電極16Aと電極16Bに周波数10Hz、矩形波パルス電圧を200ms印加し、印加電圧を変化させたが、表示層20G特有の色である緑色を表示させたときに一様な緑色にならずに一部が青や黒表示となるような表示ムラが観測され、実用に適さないことが分かった。
実施例1で作製した表示媒体1において、表示層20Gに替えて本比較例2で調整した表示層20Gを用いた以外は、実施例1と同様にして比較表示媒体2を調整した。
本比較例2で作製した比較表示媒体2について、図1に示す書込装置11を用いて、基板14側から基板12側へ向かって光照射部34から光の照射を行なうことによって表示媒体への書込みを行った。詳細には、電圧印加部40として、松定プレシジョン社製高圧アンプを用いると共に、ナショナルインスツルメンツ社製波形発生ボードを組み込んだパーソナルコンピュータを、制御部38に相当する機能を有する装置として用いた。また、光照射部34としては、440nmのLED光源35を用いた。
上記構成とした書込装置11を用いて光源35から露光強度500μW/cm2で比較表示媒体2へ光を照射するとともに、電極16Aと電極16Bに周波数10Hz、矩形波パルス電圧を200ms印加し、印加電圧を変化させたが、表示層20G特有の色である緑色を表示させたときに一様な緑色にならずに一部が青や黒表示となるような表示ムラが観測され、実用に適さないことが分かった。
10 書込装置
11 表示媒体
16A、16B、18A、18B 電極
20B、20G 表示層
24R、26C 光導電層
34 光照射部
40 電圧印加部
11 表示媒体
16A、16B、18A、18B 電極
20B、20G 表示層
24R、26C 光導電層
34 光照射部
40 電圧印加部
Claims (12)
- 一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられ、予め定められた波長領域の光を吸収することにより該光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、
前記一対の電極間に積層され、前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じた光学的特性分布による画像を表示する、互いに電気抵抗値の異なる複数の表示層と、
を備え、
前記複数の表示層は、コレステリック液晶と、該コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルと、を含み、前記複数の表示層間における前記マイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なる表示媒体。 - 前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、導電剤を含有したことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、導電性を有する高分子を含有したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示媒体。
- 前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、前記コレステリック液晶を内包した第1の部材と、該第1の部材に固定された導電性粒子と、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記第1の部材は、導電剤を含有したことを特徴とする請求項4に記載の表示媒体。
- 前記第1の部材は、導電性を有する高分子を含有したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の表示媒体。
- 前記複数の表示層の内の少なくとも1層に含まれる前記マイクロカプセルは、前記コレステリック液晶を内包した第1の部材と、該第1の部材を被覆し、導電性を有する高分子を含有した第2の部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方は、導電剤を含有したことを特徴とする請求項7に記載の表示媒体。
- 前記第1の部材は、導電性を有する高分子を含有したことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の表示媒体。
- 前記複数の表示層間における前記コレステリック液晶の電気抵抗値が互いに異なることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の表示媒体。
- 前記複数の表示層における、電気抵抗値の連続する表示層間の一方の表示層に対する他方の表示層の電気抵抗値の比が1.5以上10以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の表示媒体。
- 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられ、予め定められた波長領域の光を吸収することにより該光の強度分布に応じた電気的特性分布を示す光導電層と、前記一対の電極間に積層され、前記一対の電極に印加された電圧による前記光導電層の電気的特性分布に応じて分布した分圧が印加され、該分圧に応じた光学的特性分布による画像を表示する、互いに電気抵抗値の異なる複数の表示層と、を備え、前記複数の表示層は、コレステリック液晶と、該コレステリック液晶を内包したマイクロカプセルと、を含み、前記複数の表示層間における前記マイクロカプセルの電気抵抗値が互いに異なる表示媒体と、
前記一対の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記表示媒体へ画像データに応じた前記光を照射する照射手段と、
を備えた表示装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016526076A (ja) * | 2013-05-24 | 2016-09-01 | ナノグラム・コーポレイションNanoGram Corporation | シリコン/ゲルマニウム系ナノ粒子及び高粘度アルコール溶媒を含有する印刷用インク |
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2009
- 2009-02-04 JP JP2009023730A patent/JP2010181549A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016526076A (ja) * | 2013-05-24 | 2016-09-01 | ナノグラム・コーポレイションNanoGram Corporation | シリコン/ゲルマニウム系ナノ粒子及び高粘度アルコール溶媒を含有する印刷用インク |
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