JP2010174641A - 内燃機関用点火システム - Google Patents
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Abstract
【課題】漏洩磁束の干渉を回避して効率的な点火エネルギーを発生することのできる内燃機関用点火システムを提供すること。
【解決手段】一次コイルと二次コイルとを鉄心で磁気的に結合させた点火コイルを複数個用いるとともに、異なる放電特性を有する二次コイルを組み合わせることで点火プラグの耐汚損性能や混合気への着火性を向上する内燃機関用点火システムであって、前記点火コイルに開磁路型鉄心構造を採用し、且つ、点火コイルから漏洩する磁束を収束して通す磁性体部分を備えたので、漏洩磁束の干渉を回避することができ、効率的な点火エネルギーを発生できる。また、高価な積層鉄心材を用いることなく、安価な磁性体材料を広く使用することができる。
【選択図】図1
【解決手段】一次コイルと二次コイルとを鉄心で磁気的に結合させた点火コイルを複数個用いるとともに、異なる放電特性を有する二次コイルを組み合わせることで点火プラグの耐汚損性能や混合気への着火性を向上する内燃機関用点火システムであって、前記点火コイルに開磁路型鉄心構造を採用し、且つ、点火コイルから漏洩する磁束を収束して通す磁性体部分を備えたので、漏洩磁束の干渉を回避することができ、効率的な点火エネルギーを発生できる。また、高価な積層鉄心材を用いることなく、安価な磁性体材料を広く使用することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車輌に搭載され内燃機関のシリンダ内の混合気に高電圧を供給して、着火、燃焼させるための内燃機関用点火システムに関するものである。
近年、エンジン等の内燃機関に対して、環境問題を考慮して排気ガスの低減、燃費の向上が要請されている。これらの要請に応えるべく排気環流EGR(Exhaust Gas Recirculation)を増加させたり、直噴エンジンで成層燃焼を行う等の対策を導入する試みがなされている。このように排気ガスを再導入した混合気エンジンや、希薄燃焼エンジン(リーンバーンエンジン)に使用する場合に、着火性の向上が求められ、放電時間の長い点火システムが必要とされる。
また、直噴エンジンの場合、燃焼温度が低いためにカーボンの発生量が多く、点火プラグのくすぶり(点火プラグの発火部にカーボンが付着すること)が激しく、失火を起こす為、二次電圧の立ち上がり時間が速く、放電電流の大きな内燃機関用点火システムが要求されている。
また、直噴エンジンの場合、燃焼温度が低いためにカーボンの発生量が多く、点火プラグのくすぶり(点火プラグの発火部にカーボンが付着すること)が激しく、失火を起こす為、二次電圧の立ち上がり時間が速く、放電電流の大きな内燃機関用点火システムが要求されている。
そこで、これらの要請に応えるべく、例えば、特許文献1には、二次電圧の立ち下り時間が早いが、放電時間の短い二次コイルと、二次電圧の立ち下り時間が遅いが、放電時間の長い二次コイルとを並列に接続して構成した内燃機関用点火システムが提案されている。例えば、図2に示すように内燃機関用点火システムは、電源としてのバッテリ11と点火制御信号をそれぞれのパワートランジスタへ出力するエンジン制御装置12、第1点火コイル部13、第2点火コイル部14と点火プラグ15等から構成されている。第1点火コイル部13は、鉄心16aを介して磁気的に結合された一次コイル17aと二次コイル18a、スイッチング素子としてのパワートランジスタ19a、二次コイルの逆流を防止する高圧ダイオード20a等から構成されており、第2点火コイル部14は、鉄心16bを介して磁気的に結合された一次コイル17bと二次コイル18b、スイッチング素子としてのパワートランジスタ19b、二次コイルの逆流を防止する高圧ダイオード20bとから構成されている。
そして、第1点火コイル部13の二次コイルは、電圧の立ち上がり時間が速く、放電電流が大きくて放電時間の短い二次電圧を後述する点火プラグ15へ出力するため、一次コイルの巻数の50倍以上〜100倍以下の、例えば、100倍の巻数とされている。また、第2点火コイル部14の二次コイルは、電圧の立ち上がり時間が遅いが、放電時間が長い二次電圧を点火プラグ15へ出力するため、一次コイルの巻数の150倍以上〜170倍以下の、例えば、150倍の巻数とされている。
特許文献1に記載されたような点火コイルシステムを実現しようとする場合、閉磁路型若しくは開磁路型の点火コイルを用いることになり、閉磁路型の点火コイルは、文字通り磁路が閉じているので磁束の漏洩が少なく、大きな磁束を得やすいことから比較的大きな点火エネルギーを必要とする場合に用いられる。
また、閉じた磁路を得るために鉄心を略四角状に配設する必要があり、コストの増大を伴う。
逆に、開磁路型の点火コイルは磁束の漏洩が多く大きな磁束を得難いため、大きな点火エネルギーを必要とする場合には向かないが、鉄心は略短冊状に配設するだけで済み、その製造コストを抑えることができる。
また、閉じた磁路を得るために鉄心を略四角状に配設する必要があり、コストの増大を伴う。
逆に、開磁路型の点火コイルは磁束の漏洩が多く大きな磁束を得難いため、大きな点火エネルギーを必要とする場合には向かないが、鉄心は略短冊状に配設するだけで済み、その製造コストを抑えることができる。
特許文献1に記載されたように、複数の一次、二次コイルを用いて一つの点火コイルシステムを実現する場合、大きな点火エネルギーを必要とする時には複数の一次、二次コイルを全部動作させ、それらを重ね合わせることで点火エネルギーを大きくできる。
さらに、長い放電時間を必要とする時には、それぞれの一次、二次コイルを時間差を設けて動作させれば、より長い放電時間を確保できる。
故に、それぞれの一次、二次コイルで発生する点火エネルギーは比較的小さくて良い。このことから、特許文献1にあるような点火コイルシステムを実現するには開磁路型のコイルを選択した方がコスト面で有利である。
さらに、長い放電時間を必要とする時には、それぞれの一次、二次コイルを時間差を設けて動作させれば、より長い放電時間を確保できる。
故に、それぞれの一次、二次コイルで発生する点火エネルギーは比較的小さくて良い。このことから、特許文献1にあるような点火コイルシステムを実現するには開磁路型のコイルを選択した方がコスト面で有利である。
しかし、図3に示すように、開磁路型の第1点火コイル部13と第2点火コイル部14とを近接させて配置すると、それぞれの漏洩磁束A、Bがそれぞれ干渉することとなる。つまり、漏洩磁束Aと、漏洩磁束Bとが中央で互いを打ち消す方向に作用するため、効率的な点火エネルギ発生を阻害する問題があった。
また、図4に示すように第1点火コイル部13と第2点火コイル部14において、一方のコイルの巻き方向を反対にすることにより、同時に動作する場合はこの問題を解決出来るが、時間差を設けて動作する場合は、図3に示すと同様に漏洩磁束が干渉することとなる。
また、図4に示すように第1点火コイル部13と第2点火コイル部14において、一方のコイルの巻き方向を反対にすることにより、同時に動作する場合はこの問題を解決出来るが、時間差を設けて動作する場合は、図3に示すと同様に漏洩磁束が干渉することとなる。
この発明は、上記に鑑み提案されたもので、開磁路型鉄心構造を採用するとともに、点火コイルから漏洩する磁束を収束して通す磁性体部分を備えて、漏洩磁束の干渉を回避することにより効率的な点火エネルギーの発生を実現し、混合気への着火性を向上させることのできる内燃機関用点火システムを提供することを目的とするものである。また、高価な積層鉄心材を用いることなく、安価な磁性体材料を広く使用して、製造コストの低減を実現することにある。
上記目的を達成する為に、本発明の内燃機関用点火システムは、一次コイルと二次コイルとを鉄心で磁気的に結合させた点火コイルを複数個用いるとともに、異なる放電特性を有する二次コイルを組み合わせることで点火プラグの耐汚損性能や混合気への着火性を向上するものであって、前記点火コイルに開磁路型鉄心構造を採用し、且つ、点火コイルから漏洩する磁束を収束して通す磁性体部分を備えたことを特徴とする。
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
本発明では、開磁路型鉄心構造の両側に設けた磁性体により、漏洩磁束の干渉を回避することができ、効率的な点火エネルギーを発生できる。したがって、燃焼温度が低くカーボンの発生量の多い、着火性の悪いエンジンであっても効果的に着火することができる。また、高価な積層鉄心材を用いることなく、安価な磁性体材料を広く使用することができ、製造コストを低減することができる。
本発明の内燃機関用点火システムにおいて、点火コイルに開磁路型鉄心構造を採用し、且つ、点火コイルから漏洩する磁束を収束して通す磁性体部分を備えたことで着火性を向上するという目的が達成できる。
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係る内燃機関用点火システムの磁束方向を示す説明図である。ここで、内燃機関用点火システム100は、開磁路型の第1点火コイル部101と第2点火コイル部102とが近接させて配置されている。第1点火コイル部101は、鉄心103を介して磁気的に結合された一次コイル104と二次コイル105を備えている。また、鉄心103には、漏洩する磁束を収束して通す略U字状の磁性体部分106が接続されている。磁性体部分106は、直線状の鉄心103のそれぞれ端部近傍に接続されるとともに、隣接配置される第2点火コイル部102と対向しない側に配設される。また、磁性体部分106の断面積は、鉄心103の断面積と略等しく形成されている。
第2点火コイル部102は、第1点火コイル部101と対称に構成されており、鉄心107を介して磁気的に結合された一次コイル108と二次コイル109を備えている。また、鉄心107には、漏洩する磁束を収束して通す略U字状の磁性体部分110が接続されている。磁性体部分110は、直線状の鉄心107のそれぞれ端部近傍に接続されるとともに、隣接配置される第1点火コイル部101と対向しない側に配設される。また、磁性体部分110の断面積は、鉄心107の断面積と略等しく形成されている。
以上のように構成された内燃機関用点火システムでは、図1に示すように磁性体部分106が漏洩磁束を収束させて通すので、開磁路型鉄心構造の点火コイルを並設したものであっても、漏洩磁束相互の干渉を回避することができ、効率的な点火エネルギーを発生させることができる。また、高価な積層鉄心を用いることなく、広く磁性体材料を使用することができる。
また、本発明は上述の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の設計変更が可能である。
100 内燃機関用点火システム
101 第1点火コイル部
102 第2点火コイル部
103 鉄心
104 一次コイル
105 二次コイル
106 磁性体部分
107 鉄心
108 一次コイル
109 二次コイル
110 磁性体部分
101 第1点火コイル部
102 第2点火コイル部
103 鉄心
104 一次コイル
105 二次コイル
106 磁性体部分
107 鉄心
108 一次コイル
109 二次コイル
110 磁性体部分
Claims (1)
- 一次コイルと二次コイルとを鉄心で磁気的に結合させた点火コイルを複数個用いるとともに、異なる放電特性を有する二次コイルを組み合わせることで点火プラグの耐汚損性能や混合気への着火性を向上する内燃機関用点火システムであって、
前記点火コイルに開磁路型鉄心構造を採用し、且つ、点火コイルから漏洩する磁束を収束して通す磁性体部分を備えたことを特徴とする内燃機関用点火システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009015290A JP2010174641A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 内燃機関用点火システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009015290A JP2010174641A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 内燃機関用点火システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010174641A true JP2010174641A (ja) | 2010-08-12 |
Family
ID=42705856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009015290A Withdrawn JP2010174641A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 内燃機関用点火システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010174641A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012094644A (ja) * | 2010-10-26 | 2012-05-17 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関用点火装置 |
CN103545098A (zh) * | 2013-10-08 | 2014-01-29 | 太仓康茂电子有限公司 | 一种闭磁路点火线圈 |
-
2009
- 2009-01-27 JP JP2009015290A patent/JP2010174641A/ja not_active Withdrawn
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