JP2010174141A - 記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、ポリマー微粒子を含有する記録用インクであって、前記ポリマー微粒子が、反応性基で置換されたポリジメチルシロキサンと、反応性モノマーとを共重合して得られたシリコーン変性ポリマー微粒子である記録用インク。
(2)ポリマー微粒子が、その表面にポリジメチルシロキサンが結合しているものである(1)に記載の記録用インク。
【選択図】なし
Description
気泡の発生を抑制するための消泡剤としては一般にシリコーン系消泡剤が用いられる(特許文献1の段落0054参照)。しかし、従来のシリコーン系消泡剤は、通常シリコーンオイル及びシリカ微粒子からなるが、溶媒に不溶性である範囲内、すなわち分散状態にあるときのみ消泡性を示し、溶解するような状況下では逆に発泡剤として作用してしまう。したがって、消泡剤の添加濃度を溶解度以上に上げなければならないが、消泡剤が記録用インク中に多量に存在すると、インクの他の物性への影響が懸念されるほか、フィルターの詰まり等を引き起こしやすくなり、生産性や信頼性への影響も大きくなってしまうため、消泡性と他の物性を両立させることは難しい。
<1> 少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、ポリマー微粒子を含有する記録用インクであって、前記ポリマー微粒子が、反応性基で置換されたポリジメチルシロキサンと、反応性モノマーとを共重合して得られたシリコーン変性ポリマー微粒子であることを特徴とする記録用インク。
<2> ポリマー微粒子が、その表面にポリジメチルシロキサンが結合しているものであることことを特徴とする<1>に記載の記録用インク。
<3> 反応性基がカルボキシル基又はエポキシ基である<1>又は<2>に記載の記録用インク。
<4> 反応性モノマーが、メチロール基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基の少なくとも一つを含む<1>〜<3>のいずれかに記載の記録用インク。
<5> ポリマー微粒子の含有量が、記録用インクの総量に対して2〜7質量%であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の記録用インク。
<6> 更にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録用インク。
<7> <1>〜<6>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
<8> <7>に記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
<9> インクの飛翔手段を少なくとも有するインクジェット記録装置により、<1>〜<6>のいずれかに記載の記録用インクに吐出力を印加し、インクを液滴として飛翔させて画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明の記録用インクは、反応性基で置換されたポリジメチルシロキサン(以下、単に「ポリジメチルシロキサン」ともいう。)由来の構成単位と反応性モノマー由来の構成単位を含むシリコーン変性ポリマー微粒子を含有する。このシリコーン変性ポリマー微粒子は、ポリジメチルシロキサンと反応性モノマーとを共重合させることにより、得ることができる。ポリジメチルシロキサンと反応性モノマーを共重合させる目的は、ポリジメチルシロキサンを反応性モノマーと強固に結びつけることにより、安定なポリマー微粒子とするためである。
ポリジメチルシロキサンに反応性基が存在せず、反応性モノマーが共重合できない場合には、ポリマー微粒子を形成させても、経時的に溶媒中にシロキサンが溶出してしまい、ポリマー微粒子として溶媒中に分散し続けるのは困難である。
前者の方法では、ポリマー微粒子の内部において、ポリジメチルシロキサンが反応性モノマーと結合したような状態になるが、後者の方法では、ポリマー微粒子の表面においてポリジメチルシロキサンが反応性モノマーと結合した状態になる。両者を比較すると、後者の方が、ジメチルシロキサンを溶媒中の泡に接触させ易いため、ジメチルシロキサンの持つ消泡機能を最大限発揮させられるので好ましい。
反応性基としては、例えばアミノ基、エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、ポリエーテル基、メルカプト基、カルボキシル基、フェノール基、シラノール基等が挙げられるが、起泡、抑泡効果の点でエポキシ基、カルボキシル基が好ましい。
シリコーン変性ポリマー微粒子の含有量は、記録用インクの総量に対して1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは2〜7質量%である。含有量が2質量%以上であると、該ポリマー微粒子の消泡性、起泡性向上機能が十分に発揮されるし、7質量%以下であると、起泡性が低下することがなく、保存安定性に悪影響を及ぼすこともないため好ましい。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチルグリコール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等である。これらの水溶性有機溶剤は、単独で又は2種類以上混合して使用することができる。
水溶性有機溶剤の添加量は、15〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。添加量が少なすぎるとノズルが乾燥し易くなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラックが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180等が挙げられるが、これに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、ピグメントバイオレット19等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる、顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、15:34、16、22、60、63、66、C.I.バットブルー4、60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、シアン顔料としてピグメントブルー15を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
顔料の平均粒径(D50)は150nm以下が好ましく、更に好ましくは100nm以下である。平均粒径(D50)が150nmを超えると、急激に吐出安定性が低下し、ノズル詰まりやインクの曲がりが発生し易くなる。また、平均粒径(D50)が100nm以下であれば、吐出安定性が向上し更に画像の彩度も向上する。
なお、ここでいう顔料の平均粒径は、23℃、55%RHの環境において、日機装製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定した値である。
また、本発明の記録用インク中の粗大粒子数は、5.0μm以上の粗大粒子数が50個未満であることが好ましく、より好ましくは30個未満である。インク中の水分が蒸発した状態でもこの範囲にあることが好ましい。なお、ここでいう粗大粒子数は、Particle Sizing Systems社製Accusizer780Aでインク5.0μl中の粗大粒子数を測定した値である。
一般的にフッ素系界面活性剤は浸透性が高く、印字品質を向上できる一方、泡立ち易いという問題を有するが、本発明の記録用インクの場合には、フッ素系界面活性剤を含有させても、高い印字品質を維持しながら泡立ちの少ないインクとすることができる。
本発明に使用されるフッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられ、下記一般式(1)で示した構造のものが特に信頼性の観点からも好ましい。
〔化1〕
CF3CF2(CF3CF2)m−CH2CH2O(CH2CH2O)nH …(1)
(式中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表す。)
上記フッ素系界面活性剤の含有量は、記録用インクの総量に対して0.1〜5質量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜5質量%である。含有量が0.1質量%未満では浸透性の向上に顕著な効果がなく、5質量%を超えると、記録用インクを高温下で保存した時に粘度上昇、凝集等が起こり、吐出安定性に問題を生じる。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などに特に好適に適用することが出来る。
(調製例1)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積が150m2/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5N(規定)の硫酸ナトリウム溶液3000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し限外濾過を行った。得られたカーボンブラックを水洗いし乾燥させて、顔料濃度が20質量%となるよう純水中に分散させた。以上により、表面処理したカーボンブラック顔料分散液を調製した。
−表面処理したイエロー顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理し、カルボキシル基を導入したイエロー顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを、限外濾過膜で脱塩濃縮し、顔料濃度15%のイエロー顔料分散液を調製した。
−表面処理したマゼンタ顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントイエロー128の代りにC.I.ピグメントレッド122を用いた点以外は、調製例2と同様にして、カルボキシル基を導入したマゼンタ顔料分散液を調製した。得られた表面処理したマゼンタ顔料は水性媒体中で攪拌時に容易に分散した。
−表面処理したシアン顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントイエロー128の代りにC.I.ピグメントシアン15:3を用いた点以外は、調製例2と同様にして、カルボキシル基を導入したシアン顔料分散液を調製した。得られた表面処理したシアン顔料は水性媒体中で攪拌時に容易に分散した。
(合成例1)
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、カルボキシル基変性シリコーンオイル(信越化学社製:X−22−162C)25.0g、N−メチロールアクリルアミド25.0g、メタクリル酸メチル10.0g、2−エチルヘキシルメタクリレート35.0g及び純水200gの混合物全体の10%を入れて混合し、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、上記混合物の残りの90%を仕込み、ラジカル重合開始剤〔2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〕2.5重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、フラスコ内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で2時間反応させた。
続いて冷却し、水酸化ナトリウムでpHを7〜8となるように調整してポリマー分散液を得た。
N−メチロールアクリルアミドの代りにグリシジルメタクリレートを用いた点以外は、合成例1と同様にしてポリマー分散液を得た。
カルボキシル基変性シリコーンオイル「X22−162C」の代りに、エポキシ基変性シリコーンオイル「X−22−169AS(信越化学社製)」を用いた点以外は、合成例1と同様にしてポリマー分散液を得た。
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アミノエチルメタクリレート25.0g、メタクリル酸メチル10.0g、2−エチルヘキシルメタクリレート35.0g、ポリエチレングリコールジアクリレート(n≒4)10.0g及び純水200gの混合物全体の10%を入れて混合し、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、上記混合物の残りの90%を仕込み、ラジカル重合開始剤〔2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〕2.5重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、フラスコ内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、70℃で2時間反応させた。
続いて、滴下ロートに、カルボキシル基変性シリコーンオイル(信越化学社製:X−22−162C)25.0重量部、シクロヘキサン250.0重量部、ラジカル重合開始剤〔2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〕2.5重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、フラスコ内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、0℃で2時間反応させた。
反応後、シクロヘキサンを蒸発留去し、冷却した後、水酸化ナトリウムでpHを7〜8となるように調整してポリマー分散液を得た。
アミノエチルメタクリレートの代りにアクリル酸を用いた点以外は、合成例4と同様にしてポリマー分散液を得た。
アミノエチルメタクリレートの代りに2−ヒドロキシエチルアクリレートを用いた点以外は、合成例4と同様にしてポリマー分散液を得た。
カルボキシル基変性シリコーンオイルの代りにエポキシ基変性シリコーンオイル(信越化学社製:X−22−169AS)を用いた点以外は、合成例4と同様にしてポリマー分散液を得た。
カルボキシル基変性シリコーンオイルを抜いた点以外は、合成例4と同様にしてポリマー分散液を得た。
カルボキシル基変性シリコーンオイルの代りに非反応性のポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学社製:X22−6191)を用いた点以外は、合成例4と同様にしてポリマー分散液を得た。
<インクの作成>
表1、表2に示される処方の材料を混合し、pHが9になるように水酸化ナトリウム10質量%水溶液で調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクを作成した。
表中の顔料及びポリマー微粒子の欄の数値は固形分としての質量%、他の原料の欄の数値は質量%である。
なお、表に記載の原材料は次のとおりである。
・従来の消泡剤:シリコーン系消泡剤−KM−72F(信越化学工業社製)
・有機溶剤A:グリセリン
・有機溶剤B:1,3−ブタンジオール
・有機溶剤C:ポリエチレングリコール
・活性剤A :フッ素系界面活性剤−ゾニールFS300(Dupont社製)
・活性剤B :フッ素系界面活性剤−S−145(旭硝子社製)
・活性剤C :アルコール系界面活性剤−ソフタノールEP7025(日本触媒社製)
・活性剤D :アセチレングリコール系界面活性剤−オルフィンE1010
(日信化学工業社製)
・水 :イオン交換水
<インク粘度>
各インクの粘度を、R型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃で測定した。
<インクの体積平均粒径>
各インクの体積平均粒子径(D50%)を粒度分布測定装置(日機装株社製:マイクロトラックUPA)を用いて測定した。
10℃の環境下で、作成したインクを100mlのメスシリンダーに10ml入れ、該インクと気泡の体積が100mlになるまで一定圧力の空気を注入し、該インクと気泡の体積が100mlになった時点で空気の注入を停止した。
空気の注入開始から空気の注入停止までの時間を起泡時間とし、空気の注入を停止した時点から該インクと気泡の体積が20mlになるまでの時間を計測して消泡時間として、以下の基準で評価した。
(起泡性)
◎:起泡時間が15秒以上
○:起泡時間が10秒以上、15秒未満
△:起泡時間が5秒以上、10秒未満
×:起泡時間が5秒未満
(消泡性)
◎:消泡時間が600秒未満
○:消泡時間が600秒以上、1200秒未満
△:消泡時間が1200秒以上、1800秒未満
×:消泡時間が1800秒以上
温度23℃、50%RHに調整された環境下でインクジェットプリンタ(リコー社製:IPSIO GX−5000)を用い、インクの吐出量が等しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録媒体に同じ付着量のインクが付くように設定した。
次いで、Microsoft Word2000で作製した64ポイントの黒四角の記載のあるチャートをXerox4024紙(富士Xerox社製)に打ち出し、印字前の黒四角部をX−rite938で測色し、下記評価基準により判定した。
印字モードは、プリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを用いた。
(評価基準)
◎:ブラック 1.3以上、イエロー 0.85以上、
マゼンタ 0.95以上、シアン 1.1以上。
○:ブラック 1.2以上1.3未満、イエロー 0.8以上0.85未満、
マゼンタ 0.9以上0.95未満、シアン 1.0以上1.1未満。
△:ブラック 1.1以上1.2未満、イエロー 0.7以上0.8未満、
マゼンタ 0.8以上0.9未満、シアン 0.9以上1.0未満。
×:ブラック 1.1未満、イエロー 0.7未満、
マゼンタ 0.8未満、シアン 0.9未満。
各インクをインクカートリッジに充填して65℃で3週間保存し、増粘及び凝集の状態を、下記基準により評価した。
◎:増粘及び凝集は全く見られない。
○:若干の増粘が見られる。
△:増粘及び凝集が著しい。
また、カルボキシル基変性シリコーンオイルを用いないで合成したポリマー微粒子(比較例1,3)又は非反応性のポリエーテル変性シリコーンオイルを用いて合成したポリマー微粒子(比較例2,4)を含有させた場合には、起泡性と消泡性がともに「×」であった。
更に、反応性基で置換されたポリジメチルシロキサンと反応性モノマーの共重合と反応性モノマー自身の重合とを同時に行わせる方法で合成したポリマー微粒子を用いた実施例1〜3と、反応性モノマーを重合させた後、重合させた反応性モノマーと反応性基で置換されたポリジメチルシロキサンとを共重合させる方法で合成したポリマー微粒子を用いた実施例4〜7とを比較すると、後者の方が起泡性及び消泡性に優れていた。
なお、実施例3、4、7及び比較例3〜4において画像濃度が低下したのは、フッ素系以外の界面活性剤を用いたためと考えられる。
実施例10〜11では、実施例3〜4におけるポリマー微粒子の含有量を1質量%又は10質量%に変えたが、実施例10(1質量%)の場合には起泡性及び消泡性がやや低下し、実施例11(10質量%)の場合には、起泡性がやや低下するとともに保存安定性も低下した。
Claims (9)
- 少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、ポリマー微粒子を含有する記録用インクであって、前記ポリマー微粒子が、反応性基で置換されたポリジメチルシロキサンと、反応性モノマーとを共重合して得られたシリコーン変性ポリマー微粒子であることを特徴とする記録用インク。
- ポリマー微粒子が、その表面にポリジメチルシロキサンが結合しているものであることを特徴とする請求項1に記載の記録用インク。
- 反応性基がカルボキシル基又はエポキシ基である請求項1又は2に記載の記録用インク。
- 反応性モノマーが、メチロール基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基の少なくとも一つを含む請求項1〜3のいずれかに記載の記録用インク。
- ポリマー微粒子の含有量が、記録用インクの総量に対して2〜7質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の記録用インク。
- 更にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録用インク。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項7に記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
- インクの飛翔手段を少なくとも有するインクジェット記録装置により、請求項1〜6のいずれかに記載の記録用インクに吐出力を印加し、インクを液滴として飛翔させて画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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