JP2010166759A - 分散電源連系システムおよび系統連系保護装置 - Google Patents

分散電源連系システムおよび系統連系保護装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置によって、連系点の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減する。
【解決手段】 複数の分散電源保有設備20を第1群と第2群に分類し、うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る第1組および第2組の注入周波数を用いて、第1群の各設備20は第1組の注入周波数の注入電流を注入し、かつ第2組の注入周波数の電圧を測定する。第2群の各設備20はこれと逆にする。両群の各設備20は、自設備が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、他群の設備20が注入する注入電流の総体が生じさせる他群うなりに同期させる同期制御装置50と、自設備の分散電源28を制御してそれから出力する進相無効電力を、連系点18の電圧の高低に拘わらず、注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数の電圧等に応じて増加させる無効電力強制増加手段136を有する電圧上昇抑制装置130を備えている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続された構成の分散電源連系システムに関する。更に、当該分散電源連系システムの一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置に関する。
例えば太陽光発電システム(略称PV)等の分散電源であって、逆潮流有り(即ち、分散電源から系統側へ向かう有効電力の流れ有り)の分散電源を有する分散電源保有設備を、配電系統(例えば低圧配電系統)に複数(例えば多数)接続して、分散電源連系システムを構成することが従来から行われている。各分散電源保有設備を配電系統に連系している点を連系点と呼ぶ。
このような分散電源連系システムにおける主要な課題の一つに、逆潮流によって連系点の電圧が上昇して、当該電圧が電気事業法等で定められている所定の上限値(例えば107V)を超える恐れがあるという課題がある。
そこで、上記電圧上昇を抑制するために、例えば図41に示すような機能を有する電圧上昇抑制装置を分散電源保有設備に設ける(例えば太陽光発電システムのパワーコンディショナ内に設ける)ことが提案されている(例えば非特許文献1の99頁参照)。
この電圧上昇抑制装置は、連系点における電圧(具体的には基本波電圧)を測定し(ステップ301)、当該電圧が所定の上限値(例えば107V)より高いか否かを判断する(ステップ302)。高ければ、更に運転力率が所定の下限値(例えば0.85)以上か否かを判断し(ステップ303)、運転力率が下限値以上の場合は自設備の分散電源を制御してそれから出力する進相無効電力を、上記電圧とその上限値との差に応じて増加させる(ステップ304)。運転力率が下限値よりも小さければ自設備の分散電源を制御してそれから出力する有効電力を、上記電圧とその上限値との差に応じて減少させる(ステップ305)。これによって、連系点の電圧を上限値以下に抑えることができる。
その原理の要点を説明すると次のとおりである。
分散電源から配電系統へ流れる有効電流をIp 、進相無効電流をIq 、配電系統のインピーダンスの内の抵抗分をr、リアクタンス分をxとすると、これらの電流による電圧上昇ΔVupは数1で表される。数1の右辺第2項が−(マイナス)になっていて電圧降下の式と逆なのは、逆潮流かつ進相だからである。
[数1]
ΔVup=Ip ・r−Iq ・x
この数1から分かるように、進相無効電流Iq の増加(即ちステップ304に示した進相無効電力の増加)および有効電流Ip の減少(即ちステップ305に示した有効電力の減少)の少なくとも一方を行うことによって、上記電圧上昇ΔVupを小さくすることができるので、連系点の電圧上昇を抑えることができる。
もっとも、図41はあくまでも一例であり、電圧上昇抑制のためには、上記数1からも分かるように、ステップ303を省いて、ステップ302の電圧判定でYesの場合に、ステップ304およびステップ305の少なくとも一方を行うようにしても良い。即ち、電圧上昇抑制装置は、上記のように進相無効電力を増加させる無効電力増加手段と、上記のように有効電力を減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有していれば良く、一方のみを有する電圧上昇抑制装置も従来から提案されている。
なお、図41におけるステップ306〜309の処理は、電圧が上限値以下の場合のものであるので、ここではその詳しい説明を省略する。
複数の分散電源保有設備が上記のような従来の電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている場合、当該分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置(即ち上流側か下流側か)によって、自設備の分散電源から出力する電力に関して、電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量または有効電力減少量に差が生じて不平等になるという課題がある。この出願において、「上流側」とは系統電源(または上位系統、上位の変圧器)に近い側を言い、「下流側」とはその反対側を言う。
これを図42を参照して説明する。この分散電源連系システムでは、上位の高圧配電線190に変圧器194を介して低圧配電線196が接続された配電系統の低圧配電線196に、上記のような電圧上昇抑制装置をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備200が接続されている。これはよく見られる分散電源連系システムである。198は連系点である。
各分散電源保有設備200から配電系統側へ逆潮流の電力Pr (その大きさはそれぞれ同一とは限らない)が供給されると、連系点198の電圧は、図42に示す例のように、低圧配電線196の下流側ほど高くなる。これは、簡単に言えば、隣り合う二つの連系点198間における各電圧上昇ΔVupは上記数1で表すことができ(但しその大きさは、合計電流等が異なるので、それぞれ異なる)、自設備の連系点198の電圧は、変圧器194の2次電圧(図示例では101V)に、自設備よりも上流側の電圧上昇ΔVupを合計した電圧が加算されるからである。換言すれば、下流側になるほど、電圧上昇ΔVupが多く加算されるので、電圧が高くなる。末端の連系点198の電圧が最も高くなる。
従って、下流側の分散電源保有設備200ほど、上流側の分散電源保有設備200に比べて、その連系点198の電圧が上限値(例えば107V)を超えやすくなるので、連系点の電圧上昇抑制のために、自設備内の分散電源から進相無効電力を多く出力したり、有効電力を大きく減少させたりしなければならない。ちなみに、進相無効電力は分散電源におけるロスを増加させるので、進相無効電力を増加させるのには電源容量の観点から限りがある。
このように、分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置によって、上記のような差が生じるのは不平等である。例えば、分散電源保有設備が売電(有効電力を電力会社に売ること)をしている場合には、売電による収入に差が生じてしまう。自設備よりも上流側で既に電圧がほぼ上限値まで上昇している場合もあり、その場合はいくら自設備で頑張っても、連系点の電圧を上限値以下に抑えることはできない。従って殆ど売電できないことも起こり得る。
例えば分散電源が太陽光発電システムの場合、同一地域ではほぼ同様の日射量があり、ほぼ同量の発電ができるのに、下流側の分散電源ほど活用できる電力が減り、利用率が低下することが起こり得る。
そこでこの発明は、分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置によって、自設備の分散電源から出力する電力に関して、連系点の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することを主たる目的としている。
この発明に係る分散電源連系システムの一つは、分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、(A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、(B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、(C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、(D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、(E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、(F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段をそれぞれ有している、ことを特徴としている。
この分散電源連系システムの作用の概要は次のとおりである。
同期制御装置による制御によって、同期信号ライン等を用いなくても、同一群内の同一周波数の複数の注入電流を同期させることができ、これによって、同期した注入電流の合計値に応じた大きさの注入周波数電圧が配電系統に発生する。
しかも、この発明では、各分散電源保有設備の電流注入装置は自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を配電系統に注入するので、配電系統に発生する上記注入周波数電圧の大きさは、同一群内で運転している複数の分散電源の定格出力の合計値に応じた大きさになる。
従って、他群の分散電源保有設備の電流注入装置が注入する注入周波数の電圧を自設備の注入周波数電圧測定装置で測定することによって、他群で運転している複数の分散電源の定格出力の合計値を知ることができる。ひいては、自群と他群の分散電源保有設備のおおよその割合は予め分かっているので、第1群および第2群の分散電源の合計のおおよその定格出力を知ることができる。それに加えて、自設備の分散電源のその時点での有効電力出力値を用いることによって、第1群および第2群の分散電源の合計のおおよその有効電力出力値を知ることができる。即ち、第1群および第2群全体で今どの程度の有効電力を出力しているかを知ることができる。
そしてその有効電力出力値に応じて、第1群および第2群の全ての分散電源保有設備の電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源から出力する進相無効電力を強制的に増加させる。これによって、逆潮流による配電系統の電圧上昇を、全ての分散電源保有設備が協力して全体的にある程度抑制することができる。
その結果、各分散電源保有設備の分散電源から、その連系点の電圧上昇抑制のために出力する進相無効電力量および/または減少させる有効電力量に関して、配電系統に接続されている位置による差を小さくすることができる。即ち、分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置によって、自設備の分散電源から出力する電力に関して、連系点の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
両群の各分散電源保有設備の電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて減少させる有効電力強制減少手段をそれぞれ有していても良い。
両群の各分散電源保有設備の電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段をそれぞれ有していても良い。
両群の各分散電源保有設備の電圧上昇抑制装置は、前記無効電力強制増加手段および前記有効電力強制減少手段をそれぞれ有していても良い。あるいは、前記無効電力強制増加手段および前記有効電力上限設定手段をそれぞれ有していても良い。
両群の各分散電源保有設備の電流注入装置を、自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を配電系統に注入するものにし、かつ、前記電圧上昇抑制装置の前記無効電力強制増加手段、前記有効電力強制減少手段、前記有効電力上限設定手段を、自設備の注入周波数電圧測定装置が測定する注入周波数の電圧に応じて進相無効電力、有効電力、削減電力をそれぞれ制御するものにしても良い。
前記複数の分散電源保有設備には、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧を監視して、当該電圧の増大から、自設備の分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置を備えている分散電源保有設備が含まれていても良い。
この発明に係る系統連系保護装置の一つは、前記分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、(A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、(B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、(C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、(D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴としている。
この系統連系保護装置の前記電流注入装置が前記第1組の注入電流を注入し、前記注入周波数電圧測定装置が前記第2組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する場合は、前記後続の分散電源保有設備は第1群の分散電源保有設備の一員となる。反対に、前記電流注入装置が前記第2組の注入電流を注入し、前記注入周波数電圧測定装置が前記第1組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する場合は、前記後続の分散電源保有設備は第2群の分散電源保有設備の一員となる。
この発明に係る系統連系保護装置を構成している電圧上昇抑制装置には、前記分散電源連系システムの各分散電源保有設備が備えている電圧上昇抑制装置の前記構成と実質的に同じ構成を採用しても良い。
前記系統連系保護装置は、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧を監視して、当該電圧の増大から、自設備の分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置を更に備えていても良い。
この発明に係る分散電源連系システムによれば、分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置によって、自設備の分散電源から出力する電力に関して、連系点の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
しかも、同一の群に属する複数の分散電源保有設備から配電系統に注入する同一周波数の注入電流を同期させることに、同期信号ラインや外部同期信号源を用いなくて済む。
請求項12に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、単独運転監視装置を備えている分散電源保有設備は、自設備の分散電源が単独運転になったことを検出することができる。分散電源連系システムにおける主要な課題には、上述した連系点の電圧上昇抑制の他に、分散電源の単独運転検出があるけれども、この発明によれば、この二つの主要な課題の解決に、前記電流注入装置、注入周波数電圧測定装置および同期制御装置を共用することができるので、構成の簡素化を図ることができる。ひいては装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
この発明に係る系統連系保護装置によれば、分散電源保有設備が配電系統に接続されている位置によって、自設備の分散電源から出力する電力に関して、連系点の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
しかも、自設備の電流注入装置から配電系統に注入する注入電流を、同一の群に属する分散電源保有設備が注入する同一周波数の注入電流に同期させることに、同期信号ラインや外部同期信号源を用いなくて済む。
請求項23に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、単独運転監視装置によって、自設備の分散電源が単独運転になったことを検出することができる。分散電源連系システムにおける主要な課題には、上述した連系点の電圧上昇抑制の他に、分散電源の単独運転検出があるけれども、この発明によれば、この二つの主要な課題の解決に、前記電流注入装置、注入周波数電圧測定装置および同期制御装置を共用することができるので、構成の簡素化を図ることができる。ひいては装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
この発明に係る分散電源連系システムの一例を示す単線接続図である。 各分散電源保有設備の構成の一例を示す図である。 図2中の電圧上昇抑制装置等における動作の一例を示すフローチャートである。 電圧上昇抑制装置の他の例を示すブロック図である。 図4に示す電圧上昇抑制装置等における動作の一例を示すフローチャートである。 第1組の各電流の波形(A)、およびそれらの合成電流の波形(B)の一例を示す図である。 第1組の各電流の波形(A)、およびそれらの合成電流の波形(B)の他の例を示す図である。 自設備うなりが他群うなりに同期していない場合の一例を示す図である。 自設備うなりを他群うなりに同期させた場合の一例を示す図である。 一致位相が0度の場合の第1組の各電流の位相とその位相差(自設備うなりの位相)の一例を示す図である。 一致位相が180度の場合の第1組の各電流の位相とその位相差(自設備うなりの位相)の一例を示す図である。 一致位相が互いに異なる場合の同一周波数の二つの電流の位相と自設備うなりの位相との関係の一例を示す図である。 一致位相が互いに一致している場合の同一周波数の二つの電流の位相と自設備うなりの位相との関係の一例を示す図である。 同期制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 同期制御装置の構成の他の例を示すブロック図である。 同期制御装置の構成の更に他の例を示すブロック図である。 自設備うなりの位相と他群うなりの位相との関係を単位円で示す図である。 第1組の各電流の周波数を、周波数比率を保ったまま増加させた場合の、増加前の各電流およびうなりの波形(A)、ならびに各電流およびうなりの位相(B)の一例を示す図である。 第1組の各電流の周波数を、周波数比率を保ったまま増加させた場合の、増加後の各電流およびうなりの波形(A)、ならびに各電流およびうなりの位相(B)の一例を示す図である。 第1組の各電流の周波数を、周波数比率を保たないで増加させた場合の、増加後の各電流およびうなりの波形(A)、ならびに各電流およびうなりの位相(B)の一例を示す図である。 うなり位相差の変化をシミュレーションした結果の一例を示す図である。 自群の同一周波数の二つの注入電流間の位相差の変化をシミュレーションした結果の一例を示す図である。 電流注入装置の構成の一例を示すブロック図である。 注入周波数電圧測定装置の構成の一例を示すブロック図である。 判定回路の構成の一例を示すブロック図である。 無効電力制御回路の構成の一例を示すブロック図である。 有効電力制御回路の構成の一例を示すブロック図である。 有効電力制御回路の構成の他の例を示すブロック図である。 シミュレーションに用いた分散電源連系システムのモデルを示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が従来の電圧上昇抑制装置を備えている場合の各連系点の電圧の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が従来の電圧上昇抑制装置を備えている場合の各分散電源から出力する有効電力の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が従来の電圧上昇抑制装置を備えている場合の各分散電源から出力する進相無効電力の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が無効電力強制増加手段を有している電圧上昇抑制装置を備えている場合の各連系点の電圧の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が無効電力強制増加手段を有している電圧上昇抑制装置を備えている場合の各分散電源から出力する有効電力の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が無効電力強制増加手段を有している電圧上昇抑制装置を備えている場合の各分散電源から出力する進相無効電力の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が無効電力強制増加手段および有効電力上限設定手段を有している電圧上昇抑制装置を備えている場合の各連系点の電圧の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が無効電力強制増加手段および有効電力上限設定手段を有している電圧上昇抑制装置を備えている場合の各分散電源から出力する有効電力の変化の一例を示す図である。 シミュレーションにおいて、各分散電源保有設備が無効電力強制増加手段および有効電力上限設定手段を有している電圧上昇抑制装置を備えている場合の各分散電源から出力する進相無効電力の変化の一例を示す図である。 単独運転監視装置の構成の一例を示すブロック図である。 単独運転発生時の第2組の注入周波数の電圧の変化をシミュレーションした結果の一例を示す図である。 従来の電圧上昇抑制装置の機能の一例を示すフローチャートである。 複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されていて逆潮流が有る場合の各連系点の電圧上昇の概略例を示す図である。 図42に相当するものであって、実施例による場合の電圧上昇の概略例を示す図である。
(1)分散電源連系システム全体について
図1は、この発明に係る分散電源連系システムの一例を示す単線接続図である。この分散電源連系システムは、分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備20が配電系統1に(より具体的には、この実施形態では当該配電系統1の低圧配電線16に。以下同様)接続された構成をしている。
配電系統1は、この例では、上位系統2に変電所4を介して高圧配電線10が接続され、その高圧配電線10に複数の変圧器14を介して複数の低圧配電線16が接続された構成をしている。変電所4は、変圧器6と、その2次側と高圧配電線10とを接続する遮断器8とを備えている。高圧配電線10の電圧は、例えば6.6kVであるが、これに限られるものではない。
高圧配電線10には、負荷12が接続されている。この負荷12は、多数の負荷をまとめて図示したものである。
低圧配電線16に、複数の分散電源保有設備20が接続されている。より具体例を挙げると、逆潮流有りの契約をしている低圧連系の分散電源保有設備20が多数高い密度で接続されている(これを低圧高密度連系と言う)。各変圧器14は、例えば、6600V/105Vの柱上変圧器である。
一つの変圧器14に複数の分散電源保有設備20が接続されていても良い。より具体的には、一つの低圧配電線16に、例えば図29、図43に示す例のように、複数の分散電源保有設備20が上流側から下流側に向けて間隔をあけて順に並んで接続されていても良く、このようなものがより現実に近い。
各分散電源保有設備20は、例えば、分散電源を有する発電設備、家庭、スーパーマーケット、工場、その他の設備である。
各分散電源保有設備20の構成の一例を図2に示す。分散電源保有設備20は、連系点18において、配電系統1(具体的にはその低圧配電線16。以下同様)と接続されている。この分散電源保有設備20は、この実施形態では、分散電源28と、それと連系点18との間に設けられたスイッチ22と、配電系統1にその基本波周波数(例えば60Hz)とは異なる周波数である注入周波数の注入電流Iinj を注入する電流注入装置40と、連系点18における電圧Vs に含まれている注入周波数の電圧Vinj を測定する注入周波数電圧測定装置120と、うなりの同期制御を行う同期制御装置50と、連系点18の電圧Vs の上昇抑制を行う電圧上昇抑制装置130とを備えている。
分散電源保有設備20は、この実施形態のように、上記注入周波数電圧Vinj の増大を監視して、自設備内の分散電源28が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置30を更に備えていても良い。
連系点18の電圧Vs の測定のために、必要に応じて計器用変圧器を設けても良い。分散電源28からの出力電流Iout は、この例では計器用変流器23を用いて測定される。
分散電源28は、この実施形態では、太陽電池27と、その出力を交流電力に変換するインバータ(逆変換装置)24とを有している。即ち、太陽光発電システム(略称PV)である。但しこれに限られるものではなく、他の例は後述する。
インバータ24は、直流電力/交流電力の変換を行うインバータ部25と、それを制御して、当該インバータ24から出力する電力(具体的には有効電力および無効電力)等の制御を行う制御回路26とを有している。制御回路26には、当該インバータ24の出力電流Iout 、連系点18の電圧Vs 、電圧上昇抑制装置130からの後述する指令信号等が供給される。この制御回路26からは、電流注入装置40および電圧上昇抑制装置130へ、後述する情報が供給される。
インバータ24には、公知のインバータ(例えば非特許文献1の16−17頁参照)を利用することができる。制御回路26によって、インバータ24から出力する有効電力および無効電力を制御する技術には、公知の技術(例えば特開平7−46852号公報参照)を利用することができる。
上記電流注入装置40、注入周波数電圧測定装置120、同期制御装置50、電圧上昇抑制装置130、単独運転監視装置30の構成および動作の詳細は後述することにして、まず、注入電流の同期の必要性、この分散電源連系システムが用いる注入周波数、うなりの利用、当該うなりの同期制御等について説明する。
(2)注入電流の同期の必要性
複数の分散電源保有設備から同一の配電系統に互いに同一周波数の注入電流を注入する場合、各注入電流の間で同期を取る必要がある。
同期を取れば、各注入電流が合成されるので、各注入電流が小さくても、複数の注入電流が集まって大きな注入電流となり、それによって、注入電流が発生させる注入周波数の電圧も大きくなり、当該電圧を用いての電圧上昇抑制装置や単独運転検出の感度、精度、信頼性等が高まる。
同期を取らないと、複数の注入電流がうまく合成されないだけでなく、複数の注入電流がそれぞれ干渉して打ち消すように働くので(例えば、位相が180度異なる注入電流同士は打ち消されて0になる)、注入周波数電圧を用いての電圧上昇抑制制御や単独運転検出が困難になる。
複数の注入電流の同期を取る技術の一つとして、例えば特開2006−262557号公報には、同期信号ラインや外部同期信号源を用いる技術が記載されている。しかしそのようなものを用いる技術には、(a)同期信号ラインの敷設が非常に困難であり、その断線の危険性もある、(b)外部同期信号源は元々分散電源とは関係のない信号源であるので、信頼性、安定性、継続性等の点で不安がある、等の課題がある。
そこで本発明に係る分散電源連系システムでは、上記のような同期信号ラインや外部同期信号源を用いることなく、複数の分散電源保有設備から配電系統に注入する注入電流を同期させることができる技術を採用している。
(3)注入周波数について
この分散電源連系システムでは、複数の分散電源保有設備20を第1群と第2群との2群に分類する。但し、第1群を構成する複数の分散電源保有設備20と、第2群を構成する複数の分散電源保有設備20とは、図1では図示の都合上、互いに各群ごとに集まっているように図示しているが、そのように集まらずに混在していても良い。
第1群および第2群を構成する分散電源保有設備20の数は、それぞれ、少なくとも2台ずつ以上あれば良い。分散電源連系システムを構築した後に、第1群および/または第2群を構成する分散電源保有設備20の数を変更(増加または減少)しても良い。
そしてこの分散電源連系システムは、数2、表1にも示すように、うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差Δfは両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数f11、f12、f21、f22はそれぞれ異なる第1組および第2組の注入周波数を用いる。
この四つの周波数f11、f12、f21、f22は、いずれも、配電系統1の基本波周波数(例えば60Hz)とは異なる周波数にする。当該基本波周波数と区別(分離)を容易にするためである。各組を成す周波数は、うなりを生じさせる程度に互いに近い周波数にする。周波数差Δfは、うなりの周波数でもある。
なお、この明細書および図面では、符号に添字11を有する物理量(周波数等)と添字12を有する物理量とが第1組を示し、添字21を有する物理量と添字22を有する物理量とが第2組を示している。
[数2]
|f11−f12|=|f21−f22|=Δf
11≠f12≠f21≠f22
Figure 2010166759
第1群に属する各分散電源保有設備20の電流注入装置40は、上記第1組の注入周波数が設定されて当該注入周波数の電流組を含む注入電流Iinj を注入し、同分散電源保有設備20の注入周波数電圧測定装置120は、上記第2組の注入周波数が設定されて当該注入周波数の電圧を測定するよう構成されている。
第2群に属する各分散電源保有設備20の電流注入装置40は、上記第2組の注入周波数が設定されて当該注入周波数の電流組を含む注入電流Iinj を注入し、同分散電源保有設備20の注入周波数電圧測定装置120は、上記第1組の注入周波数が設定されて当該注入周波数の電圧を測定するよう構成されている。
なお、この実施形態では、ノイズの影響をより受けにくくして(即ちSN比をより高めて)測定の精度、信頼性等をより高めるために、各注入周波数電圧測定装置120は、それぞれの組を成す二つの注入周波数が設定されて両注入周波数の電圧を測定するように構成されているが、いずれか一方の注入周波数が設定されて当該注入周波数の電圧を測定するように構成されていても良い。
上記四つの周波数f11、f12、f21、f22を、それらと一定の関係(即ち、ω=2πfの関係)にある四つの角周波数ω11、ω12、ω21、ω22で表しても良いし、配電系統1の基本波に対する四つの次数で表しても良い。
上記第1組および第2組の注入周波数を構成する各注入周波数は、いずれも、配電系統1の基本波周波数の1倍よりも大きい非整数倍(即ち帯小数倍)の周波数にするのが好ましい。そのようにすると、配電系統1に本来は存在しない(存在しても極めて僅かな)、基本波周波数の非整数倍の周波数を用いることになるので、注入電流による電圧を測定することが容易になる。即ち、SN比が良くなる。その結果、各電流注入装置40の小容量化を図ることができる。
例えば、上記四つの周波数f11、f12、f21、f22は、それぞれ、132Hz(2.2次)、144Hz(2.4次)、156Hz(2.6次)、168Hz(2.8次)である。括弧内は、配電系統1の基本波(例えば60Hz=1次)に対する次数で表したものである。以下における実施形態では、全て、ここに例示した周波数を用いている。但しこれに限られるものではない。
(4)うなりの利用について
注入電流の周波数および測定電圧の周波数を表1に示したように分ける理由は次のとおりである。
(A)仮に、全ての分散電源保有設備20の電流注入装置40および注入周波数電圧測定装置120が同じ一つの注入周波数を用いるとすると、一つの分散電源保有設備20において、注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数の電圧Vm は、殆どが、自設備20が注入する注入電流I1 による電圧V1 となり、他の分散電源保有設備20が注入する注入電流I2 による電圧V2 を監視することはできない。なぜなら、高圧配電線10の系統のインピーダンスをZs 、変圧器14のインピーダンスをZt とすると、上記電圧V1 、V2 は次式で表される。Σは合計を表す。そして一般的にZt ≫Zs であるために、V1 ≫V2 となり、互いに同じ周波数である電圧V2 は、遥かに大きい電圧V1 にかき消されて監視することができなくなるからである。
[数3]
1 =(Zs +Zt )×I1
2 =Zs ×ΣI2
従って、全ての分散電源保有設備20が一つの注入周波数を用いる場合は、他の分散電源保有設備20が注入する注入電流による電圧を監視すること、ひいては当該電圧の位相を測定することはできないので、複数の注入電流の同期を取ることはできない。
(B)また仮に、第1群の分散電源保有設備20は一つの(第1の)注入周波数f1 を用い、第2群の分散電源保有設備20は他の一つの(第2の)注入周波数f2 (≠f1 )を用いるとすると、一方の群内の分散電源保有設備20は、周波数が異なるので、他方の群内の分散電源保有設備20が注入する注入電流による電圧を監視することはできるけれども、当該他群の注入電流による電圧と自設備20の注入電流とは周波数が異なるので、他群の注入電流による電圧に自設備20の注入電流を同期させることはできない。
即ち、他群の注入電流による電圧を基準にして、自群内の複数の注入電流をそれぞれ同期させることができない。これは、例えば他群の注入電流による電圧のピーク値の時刻を基準にして自群内の複数の注入電流をそれぞれ同期させようとしても、当該ピーク値の時刻は多数あって一つの時刻に定まらないので、自群内の複数の注入電流はそれぞれバラバラに注入されることになるからである。
(C)これに対して、表1に示したようにすると、一方の群内の分散電源保有設備20は、周波数が異なるので、他方の群内の分散電源保有設備20が注入する注入電流による電圧を監視することができる。しかも、上記数2に示したように、一方の群内の分散電源保有設備20からの注入電流が生じさせるうなりと、他方の群内の分散電源保有設備20からの注入電流が生じさせるうなりとは、互いに同じ周波数Δfであるので、両うなり同士で同期を取ることが可能である。本発明に係る分散電源連系システムは、これを利用するものである。これを以下に更に説明する。
なお、この出願においては、自設備(自分の設備)20が属する方の群を自群、自設備20が属さない方の群を他群と呼ぶ。また、自設備20が注入する注入電流が生じさせるうなりを自設備うなり、他群に属する分散電源保有設備20が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧または電流のうなりを他群うなりと呼ぶ。
図6に、第1組の各電流I11a 、I12a の波形およびそれらの合成電流IC1a(=I11a +I12a )の波形の一例を示す。合成電流IC1aには、包絡線で示すうなりBT1aが生じる。
図7に、第1組の各電流I11b 、I12b の波形およびそれらの合成電流IC1b(=I11b +I12b )の波形の他の例を示す。この電流I11b と図6に示す電流I11a とは、周波数は同じであるが位相が180度異なる。電流I12b と電流I12a との関係も同様である。これは、最も位相差が大きい場合の例を示すものである。
合成電流IC1bには、包絡線で示すうなりBT1bが生じる。このうなりBT1bと図6に示すうなりBT1aとは互いに同期しているけれども、注意して見れば分かるように、この合成電流IC1bと図6に示す合成電流IC1aとは位相が180度異なる。これは、上記電流I11a 、I12a の組と、電流I11b 、I12b の組(これらを成分電流と呼ぶことがある)との間の上記位相差に起因している。このような位相が180度異なる二つの合成電流IC1a、IC1bを互いに合成(加算)すると、その合成電流は0になって消滅してしまう。
上記例から分かるように、成分電流の位相差が180度のように極端でないとしても、二つのうなりが互いに同期していても、その同じ周波数の成分電流同士間に位相差がある場合があり、その場合は、各電流を合成しても同じ周波数の成分電流同士は単純加算されないことになる。
つまり、自群内の複数の分散電源保有設備20から注入する同じ周波数の複数の電流が、位相差が実質的に0度で同期して単純加算されるためには、次の2条件を満たす必要がある。
条件1:自設備うなりと他群うなりとが同期していること。例えば、自設備うなりの位相と他群うなりの位相との位相差が0度であること。
条件2:自設備20が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相が、自設備うなりに対して同一群内で共通した一定の位相関係にあること。例えば、自設備うなりの腹のときの時刻(即ち、自設備うなりの位相が0度のとき)に、上記電流組の各電流の位相が同一群内で共通した一定の位相(例えば0度)にあること。この同一群内で共通した一定の位相とは、後で説明する一致位相θe のことである。
同一群内というのは、換言すれば、即ちある(任意の)分散電源保有設備20から見て表現すれば、自群内のことである。
図2に示した同期制御装置50は、上記二つの条件を満たす制御を行うものである。即ち、同期制御装置50は、自設備20の電流注入装置40が注入する注入電流Iinj を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせる自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備20の電流注入装置40が注入する注入電流Iinj の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる制御を行う。
この同期制御装置50による制御の原理の詳細および同期制御装置50の構成の例は後で詳述する。
図8は、自設備うなりBT1 が他群うなりBT2 に同期していない場合の一例を示す。両うなり間には位相差dθがある。それだけ自設備うなりBT1 が遅れている。
図9は、同期制御装置50によって、自設備うなりBT1 を他群うなりBT2 に同期させた場合の一例を示す。時刻t3 で両うなりが一致して同期し、それ以降は同期状態を保っている。同期制御装置50は、このようなうなりの同期制御(前記条件1を満たす制御)を行うことができる。更にこの同期制御装置50によれば、この同期状態において、前記条件2を満たすことができる。
従って、本発明に係る分散電源連系システムによれば、自設備20の注入電流Iinj が生じさせるうなりと、他群の注入電流Iinj が生じさせるうなりとを同期させることを利用して、同一の群に属する複数の分散電源保有設備20から配電系統1に注入する同一周波数の複数の注入電流を、位相差が実質的に0度でそれぞれ同期させることができる。従って、従来のような同期信号ラインや外部同期信号源を用いなくて済む。
しかも、上記のように複数の注入電流を同期させることによって、個々の分散電源保有設備20の電流注入装置40から注入する注入電流が小さくても、それらの電流が加算されるので、同一群全体として見れば、それから大きな注入電流を配電系統1に注入することができる。その結果、各分散電源保有設備20を構成する電流注入装置40の容量が小さくて済む。しかも、大きな注入電流によって、配電系統1に注入周波数の大きな電圧を発生させることが可能になるので、各注入周波数電圧測定装置120による注入周波数電圧測定の精度、信頼性等を高めることができる。この効果は、同一群に属する分散電源保有設備20の数が多くなるほど高まる。即ち、分散電源保有設備20が配電系統1に高密度連系されている場合に、より大きな効果を発揮する。
(5)同期制御装置50による制御の原理の詳細説明
図14〜図16に、同期制御装置50の構成の例をそれぞれ示す。それの説明に先立って、同期制御装置50による制御の原理を詳細に説明する。以下の説明では、第1組の周波数の電流等を例にしているが、第2組の周波数の電流等についても同じである。
なお、これ以降の説明においては、時間的に変化する(即ち時間tによって変化する)物理量であることを表す必要がある場合に、それを表す(t)を各符号に付けることにする。但し、図面中の符号においては、図示を簡略化するために、当該(t)や、ベクトル量であることを表す符号を省略している。
(5−1)二つの電流位相θ11(t)、θ12(t)の位相一致時刻Te と一致位相θe による表現
まず、第1組の電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)とΔθinj(t)(=θ12(t)−θ11(t)。これを自設備うなりの位相と呼ぶ)の関係について考察する。
第1組の電流I11(t)、I12(t)をベクトル量で表すと次式となる。ここでω11、ω12は、前記設定された周波数f11、f12を角周波数ω11(=2πf11)、ω12(=2πf12)で表したものであって、これらは時間的には変化しない固定値である。
Figure 2010166759
Figure 2010166759
初期位相は、φ1 、φ2 を用いるのが一般的であるが(数4、数5の左から3番目の式)、ここでは位相θ11(t)、θ12(t)の自設備うなり位相Δθinj(t)に対する関係を明らかにするため、電流I11(t)、I12(t)(共にベクトル量。以下同様)の初期位相φ1 、φ2 を共通の時刻(時刻遅れまたは進み)Te と共通の位相θe を使用して、表現し直した(数4、数5の一番右の式)。Te 、θe とφ1 、φ2 との関係は次式となる。
[数6]
e =(φ2 −φ1 )/(ω11−ω12
[数7]
θe =(ω11・φ2 −ω12・φ1 )/(ω11−ω12
上記時刻Te 、位相θe を使用して、自設備うなりの位相Δθinj(t)は以下のように表現される。まず、両電流I11(t)、I12(t)の商を取ると次式となる。
Figure 2010166759
従って、上記商の偏角が電流I11(t)とI12(t)との位相差、即ち自設備うなりの位相Δθinj(t)であるから、それは次式となる。また、位相θe は0となり消える。
[数9]
Δθinj(t)=θ12(t)−θ11(t)=(ω12−ω11)(t−Te
数9から、時刻Te 、位相θe の意味は以下のとおりである。
e :Δθinj(t)の位相が0度となる時刻(即ち、電流I11(t)とI12(t)の位相が一致する時刻。従ってこれを、位相一致時刻と呼ぶ)。
θe :Δθinj(t)が0度となる時刻(位相一致時刻)Te での電流I11(t)、I12(t)の位相(即ち、電流I11(t)とI12(t)の位相が一致するときの位相。従ってこれを、一致位相と呼ぶ)。
位相一致時刻Te 、一致位相θe を用いて電流I11(t)、I12(t)を、その合成によるうなりBT1 について考察すると、実は先に示した図6と図7とは、位相一致時刻Te が共通であるのに対して、図6は一致位相θe が0度、図7は一致位相θe が180度の場合をシミュレーションした例である。両図について先に説明したとおり、位相一致時刻Te が共通(互いに一致)していても、一致位相θe が異なると、同じ周波数の電流同士は同期せず単純加算されない。一致位相θe が180度異なれば、加算すると消滅する。
(5−2)自群内の複数の分散電源保有設備20において一致位相θe を共通にしておく理由
自群内の同じ周波数の電流同士の同期について、うなりそのものではなく、第1組の上記各電流の位相θ11(t)、θ12(t)と自設備うなりの位相Δθinj(t)との関係で以下にまとめる。これは、本発明は、うなりだけではなく、そこから更に考察して、うなりを生成する二つの信号(電流や電圧)の位相に着目したものだからである。
上記位相θ11(t)、θ12(t)は、数4、数5、数9から、位相一致時刻Te と一致位相θe 、または、自設備うなりの位相Δθinj(t)と一致位相θe を用いて、次式で表すことができる。
[数10]
θ11(t)=ω11(t−Te )+θe ={ω11/(ω12−ω11)}・Δθinj(t)+θe
[数11]
θ12(t)=ω12(t−Te )+θe ={ω12/(ω12−ω11)}・Δθinj(t)+θe
数10、数11によれば、位相θ11(t)、θ12(t)は、自設備うなりの位相Δθinj(t)との関係において、電流I11(t)、I12(t)の一致位相θe によって分類(グループ分け)できることが分かる。そして、グループが同じ(即ち一致位相θe が同じ)場合にのみ、第1組内の同じ周波数の電流同士は同期(単純加算)されることが分かる。
このことを、シミュレーションを行った図で示す。なお、図10〜図13、図18B、図19B、図20Bの位相を示す図において、位相が360度の点と0度の点とを縦軸に平行に結ぶ縦線が記載されているが、これはシミュレーションソフトの都合によるものであり、位相は360°=0°であるから、当該縦線は無いものと考えるのがより正確である。
図10に、一致位相θe が0度の場合の各電流の位相θ11a(t)、θ12a(t)とその位相差(即ち自設備うなりの位相)Δθinja(t)の一例を示し、図11に、一致位相θe が180度の場合の各電流の位相θ11b(t)、θ12b(t)とその位相差(即ち自設備うなりの位相)Δθinjb(t)の一例を示す。但し両図では、位相一致時刻Te は互いに共通(同じ)としている。
図10、図11に示すように、位相一致時刻Te が同じであれば、一致位相θe が違っても、自設備うなりの位相Δθinj(t)は両図で互いに一致している。即ち同期している。
しかし、図12に示すように、両電流の周波数は互いに同じであるけれども、うなりの位相Δθinj(t)との関係で、一致位相θe が0度の電流の位相θ11a(t)と、一致位相θe が180度の電流の位相θ11b(t)とは互いに一致しない。図示しないけれども、位相θ12a(t)とθ12b(t)とも互いに一致しない。即ち、同じ周波数の電流同士であるけれども同期しない。
これに対して、一致位相θe を自群内で全て共通に(例えば0度に)しておくと、図13に示すように、上記位相θ11a(t)とθ11b(t)とは互いに一致する。図示しないけれども、位相θ12a(t)とθ12b(t)とも互いに一致する。即ち、同じ周波数の電流同士は、位相が0度で同期する。
以上は、同一群内の2台の分散電源保有設備20について説明したが、それ以上の台数の場合も同様である。即ち、同一群内の複数の分散電源保有設備20において一致位相θe を共通にしておくことが重要である。このことは第1群についても言えるし、第2群についても言える。但し、第1群と第2群とで一致位相θe が共通である必要はない。あくまでも同一群内で共通であれば良い。
また、数9から分かるように、位相一致時刻Te を制御することによって、自設備うなりの位相Δθinj(t)を制御することができる。従って、自設備うなりの位相Δθinj(t)を他群うなりの位相Δθm(t)(これの求め方は後述する)に一致させて、自設備うなりと他群うなりとを同期させることができる。
従って、(a)上記のように同一群内で一致位相θe を共通にしておくことを保ちつつ、(b)各分散電源保有設備20において位相一致時刻Te を制御して自設備うなりを他群うなりに同期させることによって、同じ周波数の複数の注入電流を、位相が0度でそれぞれ同期させることができる。
その結果、同一の群に属する複数の分散電源保有設備20から配電系統1に注入する同一周波数の注入電流を同期させることに、同期信号ラインや外部同期信号源を用いなくて済む。
(5−3)うなり同期の過程で注入電流の位相を変化させる場合の説明
自設備うなりの位相Δθinj(t)を、他群うなりの位相Δθm(t)に合わせに行くためには、組を成す電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)を、それぞれの前記設定された角周波数ω11、ω12(これらは前述したように時間的に変化するものではなく、設定された固定値である)による一定増加の状態から、一時的に(過渡的に)変化させる必要がある。この変化させる過程での電流I11(t)、I12(t)を考察するために、前記数4、数5をそれぞれ次のように変更する。
Figure 2010166759
Figure 2010166759
但し、位相φ1(t)、φ2(t)は次式で表される。
[数14]
φ1(t)=dθ11(t)+φ1
φ2(t)=dθ12(t)+φ2
上記位相φ1(t)の導出は以下による(位相φ2(t)についても同様)。
位相θ11(t)は、それを変化させる量をdθ11(t)とすると、次式で表すことができる。次式の第2行と第3行との関係から、数14の第1行に示したφ1(t)が導出される。
[数15]
θ11(t)={ω11・t+dθ11(t)}+φ1
=ω11・t+{dθ11(t)+φ1
=ω11・t+φ1(t)
また、位相φ1 、φ2 が上記のように時間的に変化する位相φ1(t)、φ2(t)となったことから、前記位相一致時刻Te 、一致位相θe もここでは同様に時間的に変化するものとして、Te(t)、θe(t)で表す。そうしたのが、前記数12、数13の一番右の式である。
その結果、前記数6は次の数16に、数7は次の数17に、数8は次の数18に、数9は次の数19に、数10は次の数20に、数11は次の数21に、それぞれ変更される。
[数16]
e ={φ2(t)−φ1(t)}/(ω11−ω12
={φ2 −φ1 +dθ12(t)−dθ11(t)}/(ω11−ω12
[数17]
θe(t)={ω11・φ2(t)−ω12・φ1(t)}/(ω11−ω12
={ω11・φ2 −ω12・φ1 +ω11・dθ12(t)−ω12・dθ11(t)}/(ω11−ω12
Figure 2010166759
[数19]
Δθinj(t)=θ12(t)−θ11(t)=(ω12−ω11)(t−Te(t))
[数20]
θ11(t)=ω11(t−Te(t))+θe(t)={ω11/(ω12−ω11)}・Δθinj(t)+θe(t)
[数21]
θ12(t)=ω12(t−Te(t))+θe(t)={ω12/(ω12−ω11)}・Δθinj(t)+θe(t)
(5−4)一致位相θe(t)を固定値に保つことと、位相θ11(t)、θ12(t)の変化量との関係
上記数17から、一致位相θe(t)が固定値(時間的に変化しない)ことの条件を求める。微小な時間Δtが経ったときの一致位相θe(t)の変化量は、数17の第2行目の時間的変動項を用いて、次式で表される。
[数22]
θe(t+Δt)−θe(t)
={ω11・dθ12(t+Δt)−ω12・dθ11(t+Δt)}/(ω11−ω12)−{ω11・dθ12(t)−ω12・dθ11(t)}/(ω11−ω12
={(ω11(dθ12(t+Δt)−dθ12(t))−ω12(dθ11(t+Δt)−dθ11(t))}/(ω11−ω12
上記数22から、一致位相θe(t)が固定値である(変化しない)ための十分条件は次式で表される(次式が成立すれば良い)。
[数23]
{ω11(dθ12(t+Δt)−dθ12(t)}−ω12{dθ11(t+Δt)−dθ11(t)}=0
即ち次式であることが分かる。
[数24]
{dθ11(t+Δt)−dθ11(t)}/{dθ12(t+Δt)−dθ12(t)}=ω11/ω12
ここで、{dθ11(t+Δt)−dθ11(t)}、{dθ12(t+Δt)−dθ12(t)}(これを(ア)とする)は、電流I11(t)、I12(t)の元々設定された角周波数による位相変化量ω11・Δt、ω12・Δt(これを(イ)とする)から、制御のために変化させた部分についての位相変化量である。
従って、上記(ア)、(イ)の位相変化量を互いに加えた、電流I11(t)、I12(t)の時刻tから時刻(t+Δt)までの合計の(全体の)位相変化量をΔθ11、Δθ12とすると、次式となる。
[数25]
Δθ11=ω11・Δt+{dθ11(t+Δt)−dθ11(t)}
[数26]
Δθ12=ω12・Δt+{dθ11(t+Δt)−dθ11(t)}
数24〜数26から、一致位相θe(t)が固定値である(変化しない)十分条件は次式となる。
[数27]
Δθ11/Δθ12=ω11/ω12
以上から、電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)を、その位相の変化量Δθ11、Δθ12間の比率を前記設定された角周波数ω11、ω12間の比率と同じ比率に保ったまま変化させることが、前記一致位相θe(t)が固定値θe (時間的に変化しないので(t)を付けていない)となるための十分条件であることが分かる。・・・結論A
逆に、一致位相θe が固定値であれば、電流I11(t)、I12(t)の位相変化量間の比は、前記設定された角周波数ω11、ω12間の比率になることを次に示す。
それらの時刻tから時刻(t+Δt)までの位相変化量をΔθ11、Δθ12とする。上記数20、数21と一致位相θe が固定値であることから、次式が得られる。
[数28]
θ11(t)=ω11・(t−Te(t))+θe
[数29]
θ12(t)=ω12・(t−Te(t))+θe
[数30]
θ11(t+Δt)=ω11・{(t+Δt)−Te(t+Δt)}+θe
[数31]
θ12(t+Δt)=ω12・{(t+Δt)−Te(t+Δt)}+θe
上記数28〜数31から次式が得られる。
[数32]
Δθ11=θ11(t+Δt)−θ11(t)
=ω11{Δt−(Te(t+Δt)−Te(t)}
[数33]
Δθ12=θ12(t+Δt)−θ12(t)
=ω12{Δt−(Te(t+Δt)−Te(t)}
その結果、次式の関係を維持した位相θ11(t)、θ12(t)の増減制御となる。
[数34]
Δθ11/Δθ12=ω11/ω12
以上から、一致位相θe(t)が固定値の位相θe であるとし、位相一致時刻Te(t)のみの制御とすることが、電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)を、その位相の変化量Δθ11、Δθ12間の比率を前記設定された角周波数ω11、ω12間の比率と同じ比率に保ったまま変化させることの十分条件となる。・・・結論B
上記結論Aおよび結論B(即ち数27および数34)から、一致位相θe を固定値とし、位相一致時刻Te(t)のみの制御をすること(これを位相一致時刻制御方式と呼ぶ)と、電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)を、その位相の変化量Δθ11、Δθ12間の比率を前記設定された角周波数ω11、ω12間の比率と同じ比率に保ったまま変化させること(これを位相変化量制御方式と呼ぶ)とは、等価(必要十分条件)であると言うことができる。
なお、数32、数33では時刻tと時刻(t+Δt)との間の位相変化量を示したが、Δtを限りなく0として、位相変化量を時間tによる微分形式で表しても良い。その場合は次式となる。
[数35]
dθ11(t)/dt=ω11・{1−dTe(t)/dt}
[数36]
dθ12(t)/dt=ω12・{1−dTe(t)/dt}
良く知られているように、位相[rad]の時間微分は角周波数[rad/s]であるので、数35、数36の左辺を角周波数ω11(t)、ω12(t)と置き換え、両式の比を取ると次式が得られる。
[数37]
ω11(t)/ω12(t)=ω11/ω12
即ち、位相変化量の代わりに、角周波数ω11(t)、ω12(t)に着目すると、一致位相θe を固定値とし、位相一致時刻Te(t)のみの制御をすること(位相一致時刻制御方式)と、数37に示すように、電流I11(t)、I12(t)の角周波数ω11(t)、ω12(t)を、両者間の比率を元の前記設定された角周波数ω11、ω12間の比率に保ったまま増減制御すること(これを周波数制御方式と呼ぶ)とも、等価であると言うことができる。なお、前述したように、周波数を角周波数で表しても良いし、次数で表しても良い。それぞれ等価である。
図18、図19に、第1組の各電流I11(t)、I12(t)の周波数f11(t)、f12(t)を、周波数比率を保ったまま増加させた場合の一例を示す。図18Aは、増加前の各電流I11(t)、I12(t)およびうなりBT1(t)の波形を示し、図18Bは、各電流の位相θ11(t)、θ12(t)およびうなりの位相Δθinj(t)の位相を示す。図19Aは、増加後の各電流I11(t)、I12(t)およびうなりBT1(t)の波形を示し、図19Bは、各電流の位相θ11(t)、θ12(t)およびうなりの位相Δθinj(t)の位相を示す。
図18B、図19B中に点P3 、P4 でそれぞれ示すように、うなりの位相Δθinj(t)が0度の時点で、両位相θ11(t)、θ12(t)が互いに0度で一致していることは、周波数変化の前後で変わらない。即ち、前述した一致位相θe が0度で一定であることが保たれている。
比較例として、図20に、第1組の各電流I11(t)、I12(t)の周波数f11(t)、f12(t)を、周波数比率を保たないで(即ち、上記周波数制御方式の条件を守らないで)増加させた場合の一例を示す。増加前は、図18と同じであるのでそれを参照するものとする。図20Aは、増加後の各電流I11(t)、I12(t)およびうなりBT1(t)の波形を示し、図20Bは、各電流の位相θ11(t)、θ12(t)およびうなりの位相Δθinj(t)の位相を示す。
図20B中に点P5 で示すように、周波数の増加後は、うなりの位相Δθinj(t)が0度の時点で、両位相θ11(t)、θ12(t)は互いに180度で一致することに変化している。即ち、前述した一致位相θe は、0度から180度に変化してしまっている。これは上記周波数制御方式の条件を守らなかったからである。
以上から分かるように、位相一致時刻制御方式、位相変化量制御方式および周波数制御方式のいずれを用いても、その方式によって、自設備うなりを他群うなりに同期させることによって、前述したように、同じ周波数の複数の注入電流を、位相が実質的に0度でそれぞれ同期させることができる。従って、従来のような同期信号ラインや外部同期信号源を用いなくて済む。
なお、上記三つの制御方式(即ち、位相一致時刻制御方式、位相変化量制御方式および周波数制御方式)の内のどれか一つの制御方式を同一群内の全ての同期制御装置50において統一して採用しても良いし、複数の制御方式を混在させても良い。統一して採用すれば、同期制御装置50の設計、製作が容易になる等の利点がある。混在させても良いのは、先に詳述したように、上記三つの制御方式は互いに実質的に等価だからである。自群内の同期制御装置50の制御方式と他群内の同期制御装置50の制御方式との関係においても、上記と同様に、制御方式を統一しても良いし、混在させても良い。
(6)同期制御装置50の説明
次に、上記(5)で説明した原理に基づく制御を行う同期制御装置50の構成等の例を説明する。
図14は、同期制御装置の構成の一例を示すブロック図である。この同期制御装置50は、他群うなり位相算出器(他群うなり位相算出手段)58と、電流位相設定器(電流位相設定手段)70と、うなり同期器(うなり同期手段)88とを備えている。
他群うなり位相算出器58は、前記連系点18の電圧Vs(t)に含まれている電圧であって、他群に属する分散電源保有設備20の電流注入装置40の注入周波数(以下ではこれを角周波数で表す)ω21(t)、ω22(t)の電圧V21(t)、V22(t)を測定して、当該電圧に基づいて前記他群うなりの位相Δθm(t)を算出するものである。
より具体的にはこの例では、他群うなり位相算出器58は、上記電圧V21(t)、V22(t)の位相θ21(t)、θ22(t)をそれぞれ算出する位相算出器52、54と、両位相θ21(t)、θ22(t)の減算を行って他群うなりの位相Δθm(t)を求める減算器56とを備えている。
電流位相設定器70は、自設備の電流注入装置40が注入する注入電流を構成する電流組の各電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)が、前記自設備うなりの位相Δθinj(t)に対して同一群内で共通した一定の位相関係になるように、当該電流組の各電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)をそれぞれ設定するものである。例えば、自設備うなりの位相Δθinj(t)が0度になるときの各電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)を、共通の一致位相θe (例えば0度)に設定するものである。
より具体的にはこの例では、電流位相設定器70は、前記設定された周波数(以下ではこれを角周波数で表す)ω11、ω12に基づいて、位相関数ω11・t、ω12・tをそれぞれ発生させる位相関数発生器60、62と、前記固定値の一致位相θe を設定する一致位相設定器(一致位相設定手段)64と、この一致位相θe を位相関数ω11・t、ω12・tにそれぞれ加算して次式で表される位相θ110(t)、θ120(t)をそれぞれ出力する加算器66、68とを備えている。
[数38]
θ110(t)=ω11・t+θe
[数39]
θ120(t)=ω12・t+θe
うなり同期器88は、前記自設備うなりの位相Δθinj(t)と前記他群うなりの位相Δθm(t)との位相差であるうなり位相差dθ(t)を次式に従って求めて、当該うなり位相差dθ(t)が同一群内で共通した一定値(例えば0度)になるように、前記位相一致時刻制御方式に基づいて、即ち固定値の一致位相θe を用いて位相一致時刻Te(t)のみを制御して、前記数28、数29に基づいて位相θ11(t)、θ12(t)を制御して、自設備うなりの位相Δθinj(t)を制御するものである。
[数40]
dθ(t)=Δθinj(t)−Δθm(t)
より具体的にはこの例では、うなり同期器88は、上記数40の演算を行う減算器(うなり位相算出手段)72と、うなり同期制御のための増減率制御関数rを発生させる増減率制御関数発生器74と、この増減率制御関数rを積分して前記位相一致時刻Te(t)を出力する積分器76と、この位相一致時刻Te(t)に前記角周波数ω11、ω12をそれぞれ掛ける掛算器78、80と、両掛算器78、80からの信号を前記位相θ110(t)、θ120(t)から減算して、前記数28、数29で示す位相θ11(t)、θ12(t)をそれぞれ算出する減算器82、84と、両位相θ11(t)、θ12(t)の差を求めて次式で示す自設備うなりの位相Δθinj(t)を出力する減算器(自設備うなり算出手段)86とを備えている。
[数41]
Δθinj(t)=θ12(t)−θ11(t)=(ω12−ω11)(t−Te(t))
この数41は、前記数9中の位相一致時刻Te を、一般化して時間的に変動する量として表したものである。即ち、数41は、うなり同期動作中に位相一致時刻Te(t)が変化する過渡状態をも含めて一般化した式であり、数9は、うなり同期後に位相一致時刻Te(t)が一定値に落ち着いた定常状態を示したものである。数10、数11も定常状態を示したものである。
減算器82、84から出力される位相θ11(t)、θ12(t)は、電流注入装置40にも供給される。これについては後で図23を参照して説明する。
電流位相設定器70は、より具体的にはその一致位相設定器64は、例えば、自設備うなりの位相Δθinj(t)が0度になるときの一致位相θe を0度に設定するものである。但し、当該一致位相θe は、必ずしも0度でなくても良く、上記(5)の原理説明の項でも説明したように、同一群内で共通した一定値であれば良い。
一致位相θe を0度に設定する場合は、上記一致位相設定器64、加算器66、68を設けなくて済む。即ち、一致位相θe を0度以外に設定する場合と違って、一致位相設定手段としては、特別な機器を設けてなくて済むので、同期制御装置50の構成の簡素化を図ることができる。図15、図16に示す例においても同様である。但し、一致位相θe を0度に設定する場合に、一致位相設定器64、加算器66、68を設けていなくても、概念的には、一致位相θe を0度に設定する一致位相設定手段は有る、と言うことができる。
このうなり同期器88は、この例では、上記うなり位相差dθが0度になるように制御するものである。但し、うなり位相差dθは必ずしも0度でなくても良く、同一群内で共通した一定値であれば良い。その場合でも、自設備うなりの位相Δθinj(t)と他群うなりの位相Δθm(t)とは同期しているからである。図15、図16に示す例の同期制御装置50においても同様である。
このうなり同期器88における制御方式は、上記(5)の原理説明の項でも説明したように、上記うなり位相差dθ(t)が同一群内で共通した一定値(例えば0度)になるように、自設備の電流注入装置40が注入する注入電流Iinj を構成する電流組の各電流I11(t)、I12(t)の位相θ11(t)、θ12(t)を、両位相の変化量間の比率Δθ11/Δθ12を両電流の前記設定された周波数間の比率ω11/ω12と同じ比率に保ったまま変化させて、前記自設備うなりを前記他群うなりに同期させる制御方式(即ち位相変化量制御方式)と等価である。
また、上記うなり位相差dθ(t)が同一群内で共通した一定値になるように、当該位相差dθ(t)に応じて、自設備の電流注入装置40が注入する注入電流Iinj を構成する電流組の各電流I11(t)、I12(t)の周波数ω11(t)、ω12(t)を、両周波数間の比率ω11(t)/ω12(t)を前記設定された周波数間の比率ω11/ω12に保ったまま増減させて、前記自設備うなりを前記他群うなりに同期させる制御方式(即ち上記周波数制御方式)と等価である。
なお、周波数の増減制御時には、上記周波数ω11(t)、ω12(t)が設定周波数ω11、ω12からずれるが、そのずれは僅かであるので、組を成す周波数間の位相差検出に与える影響は無視することができる。
上記うなり位相差dθ(t)の取り得る範囲は次式で表される。
[数42]
−180°(即ち−π)<dθ(t)≦180°(即ちπ)
図17に示すように、他群うなりの位相Δθm(t)を基準に考えると、うなり位相差dθ(t)が正(0〜180度)の場合は周波数ω11(t)、ω12(t)を減少させて、自設備うなりの位相Δθinj(t)を遅らせ、負(0〜−180度)の場合は周波数ω11(t)、ω12(t)を増加させて自設備うなりの位相Δθinj(t)を進める。なお、ちょうど−180度の場合は、正か負かどちらを考えても良い。
これをもう少し詳しく説明すると、他群うなりの位相Δθm(t)も自設備うなりの位相Δθinj(t)も、一致制御(同期制御)完了後は、うなりの周期Lの間に360度変化する。両位相を単位円で考えると、うなりの周期L(=1/Δf)の間に一周する。
両周波数ω11(t)、ω12(t)を上記のように比率を保ったまま増加させると、自設備うなりの位相Δθinj(t)はうなりの周期Lに対して360度より大きくなる。逆に減少させると、360度より小さくなる。従って、自設備うなりの位相Δθinj(t)の時間進みを、他群うなりの位相Δθm(t)の時間進みに対して進める、または遅らせることができるので、自設備うなりの位相Δθinj(t)を他群うなりの位相Δθm(t)の位相に一致させることができる。即ち同期させることができる。
一致制御(同期制御)完了後は、自設備うなりの位相Δθinj(t)も他群うなりの位相Δθm(t)も、上記のようにうなりの周期Lで決まる一定の時間進みとなる。
上記は、第1群の分散電源保有設備20から見て説明したものであるが、第2群の分散電源保有設備20から見ると第1群の分散電源保有設備20は他群であるので、第2群の分散電源保有設備20においても上記と同様の制御が行われる。それによって、自設備うなりの位相Δθinj(t)と他群うなりの位相Δθm(t)とは互いに近づいて一致して同期するように制御される。
上記増減率制御関数rは、例えば、次式で表すことができる。即ち、rはdθ(t)の関数であり、正確に表現すれば、r(dθ(t))である。kは係数である。
[数43]
r=k・dθ(t)
上記係数kは、定数でも良いし、dθ(t)に応じて変化するものでも良い。前者にすれば、増減率制御関数rはうなり位相差dθ(t)に比例して直線的に変化する。後者にすれば、増減率制御関数rはうなり位相差dθ(t)に応じて非線形に変化する。係数kをどのように設定するかは、必要とする制御の応答特性等に応じて決めれば良い。増減率制御関数rが取り得る値の範囲に、上限値および下限値を設けても良い。
積分器76は、上記増減率制御関数rを積分して前記位相一致時刻Te(t)を出力するものであるので、うなり位相差dθ(t)が0になって増減率制御関数発生器74から供給される増減率制御関数rが0になっても、その直前の位相一致時刻Te(t)の値を保って出力し続ける。従って、自設備うなりの位相Δθinj(t)と他群うなりの位相Δθm(t)とが同期した後も、その同期状態を保持することができる。図9中の時刻t3 以降がその状態である。
同期制御装置50のより具体例を図15に示す。図14に示した同期制御装置50と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては図14との相違点を主体に説明する。
この同期制御装置50は、上記と同様の他群うなり位相算出器58、一致位相設定器64、減算器72および減算器86の他に、位相一致時刻発生器(位相一致時刻発生手段)100および位相発生器(位相発生手段)114を備えている。
他群うなり位相算出器58は、この例では、フィルタ90、離散フーリエ変換器92、94および演算回路96を備えている。
フィルタ90は、連系点18の電圧Vs から、配電系統の基本波成分を除去するものである。このようなフィルタ90を設けておくのが好ましく、そのようにすると、SN比を高めて、離散フーリエ変換器92、94による第2組の注入周波数の電圧V21(t)、V22(t)の抽出を精度良く行うことができる。
離散フーリエ変換器92、94は、フィルタ90からの電圧を受けて、それをそれぞれ離散フーリエ変換して、上記電圧V21(t)、V22(t)(共にベクトル量)をそれぞれ抽出して出力するものである。これによって、上記電圧V21(t)、V22(t)を測定することができる。この両電圧V21(t)、V22(t)は、他群の分散電源保有設備20(より具体的にはその電流注入装置40)から注入される注入電流に含まれる同一周波数の電流がそれぞれ同期すると、前述した理由から、大きな電圧となる。
演算回路96は、前記自設備うなりの位相Δθinj(t)を表す場合に商を取ったのと同様に(数18、数19参照)、上記電圧V21(t)、V22(t)を受けてそれらの商を取り、かつその商の偏角argを取り出して、次式で表される他群うなりの位相Δθm(t)を算出するものである。
Figure 2010166759
上記フィルタ90を設ける場合は、演算回路96と減算器72との間に、フィルタ90による位相のずれを補償する位相補償器を設けておいても良い。
位相一致時刻発生器100は、上記増減率制御関数発生器74と積分器76とを合わせたものに相当する。増減率制御関数発生器74として、ここでは、定数kを設定する増幅器98を備えている。
クロック装置(クロック手段)102は、時刻tを表す信号を発生するものである。
位相発生器114について説明するに当たり、上記数28、数29を展開しておくと、それぞれ次式となる。
[数45]
θ11(t)=ω11・(t−Te(t))+θe
=ω11・t−ω11・Te(t)+θe
[数46]
θ12(t)=ω12・(t−Te(t))+θe
=ω12・t−ω12・Te(t)+θe
位相発生器114は、上記時刻t、位相一致時刻Te(t)および一致位相θe を用いて、上記数45、数46の第2行目で表される上記位相θ11(t)、θ12(t)を発生させるものである。加算器66、68、減算器82、84は、上記と同様である。
上記第1組の周波数f11、f12は、この例では、増幅器104、106、108、110の増幅率として設定されている。
増幅器104、105および増幅器106、107は、前記位相関数発生器60、62の一部をそれぞれ構成しており、それぞれ次式の演算を行う。
[数47]
2πf11・t=ω11・t
2πf12・t=ω12・t
増幅器108、109および増幅器110、111は、前記掛算器78、80にそれぞれ相当しており、それぞれ次式の演算を行う。
[数48]
2πf11・Te(t)=ω11・Te(t)
2πf12・Te(t)=ω12・Te(t)
従って、減算器82、84からは、上記数45、数46で示される位相θ11(t)、θ12(t)が出力される。即ち、図14の場合と同様の位相θ11(t)、θ12(t)が出力される。即ち、この同期制御装置50と図14に示す同期制御装置50とは、機能的に等価である。
上記位相発生器114の代わりに、図16に示す同期制御装置50を構成する位相発生器(位相発生手段)118を用いても良い。この位相発生器118は、上記増幅器108〜111、減算器82、84の代わりに、t−Te(t)の演算を行う減算器116を設けたものである。
この位相発生器118は、上記数45、数46のそれぞれ第1行目の演算を行うものである。従って、加算器66、68からは、上記数45、数46に示される位相θ11(t)、θ12(t)が出力される。即ち、この図16に示すこの同期制御装置50と、図14および図15に示す同期制御装置50とは、それぞれ機能的に等価である。
位相一致時刻発生器100が発生する位相一致時刻Te(t)、一致位相設定器64で設定する一致位相θe については前述のとおりである。
この図16から分かるように、位相一致時刻発生器100は、それから発生する上記位相一致時刻Te(t)によって、各同期制御装置50内における装置時間を早めたり遅らせたりするものであると言うこともできる。
第1群に属する注入周波数電圧測定装置120、電流注入装置40および同期制御装置50と、第2群に属するそれらとは、それぞれ同様の構成をしている。但し、注入電流の周波数の組および測定電圧の周波数の組は前述したように異なる(例えば表1参照)。
上記数45、数46等は、第1群に属する分散電源保有設備20の注入周波数について記載したものであるが、第2群に属する分散電源保有設備20においても、周波数が違う以外は、上記と同様の制御が行われる。
上記数45、数46を、両群に共通の式で表すと次式となる。これは、前記数1と同じものである。
[数49]
θa(t)=ωa(t−Te(t))+θe
θb(t)=ωb(t−Te(t))+θe
上記数49中の位相θa(t)、θb(t)、角周波数ωa 、ωb を、第1群に属する分散電源保有設備20の電流注入装置40および同期制御装置50においてはθ11(t)、θ12(t)、ω11、ω12と読み替えれば良く、第2群に属する分散電源保有設備20の電流注入装置40および同期制御装置50においてはθ21(t)、θ22(t)、ω21、ω22と読み替えれば良い。読み替えた後の制御については上述のとおりである。図23に示す電流注入装置40においても同様である。
なお、上記(5)の原理説明の項において上記三つの制御方式について述べたのと同様の理由から、上記図14〜図16に示した同期制御装置50の三つの構成例の内のどれか一つの構成を同一群内において統一して採用しても良いし、複数の構成を混在させても良い。統一して採用すれば、同期制御装置50の設計、製作が容易になる等の利点がある。混在させても良いのは、上述したように、上記三つの構成例は、互いに実質的に等価の制御方式に基づいているからである。自群内の同期制御装置50の構成と他群内の同期制御装置50の構成との関係においても、上記と同様に、構成を統一しても良いし、混在させても良い。
(7)電流注入装置40の説明
上記電流注入装置40の構成の一例を図23に示す。
この電流注入装置40は、第1群に属する分散電源保有設備20内のものであって、上記同期制御装置50から供給される二つの位相θ11(t)、θ12(t)を用いて、当該位相θ11(t)、θ12(t)をそれぞれ有する二つの正弦波交流信号S11(t)、S12(t)を発生する注入信号発生器42、44と、両正弦波交流信号S11(t)、S12(t)を互いに加算して注入信号Sinj(t)(=S11(t)+S12(t))を作る加算器46と、この加算器46からの注入信号Sinj(t)を用いて前記注入電流Iinj を形成する注入電流形成器(注入電流形成手段)48とを備えている。掛算器47および増幅器49については後述する。従って、注入電流Iinj には、前記組を成す二つの電流I11(t)、I12(t)が含まれることになる。この例では、注入信号発生器42、44および加算器46で、注入信号発生手段を構成している。
上記正弦波交流信号S11(t)、S12(t)を数式で示すと次式のとおりである。S11p 、S12p は、それぞれ振幅のピーク値である。
[数50]
11(t)=S11p・sinθ11(t)
12(t)=S12p・sinθ12(t)
上記電流I11(t)、I12(t)を数式で表すと次のとおりである。I11p 、I12p は、それぞれ振幅のピーク値であり、これを所望のものにすれば良い。このピーク値I11p 、I12p は、両者を互いに実質的に等しくするのが実際的であるが、それに限られるものではない。
[数51]
11(t)=I11p・sinθ11(t)
12(t)=I12p・sinθ12(t)
注入電流形成器48は、例えば、加算器46からの注入信号を増幅する増幅器である。あるいは、加算器46からの注入信号Sinj(t)を、変調回路の信号波として使用するインバータ(例えばPWMインバータ)である。
注入信号発生手段は、上記二つの正弦波交流信号S11(t)、S12(t)を含む注入信号を発生するものでも良い。例えば、両正弦波交流信号S11(t)、S12(t)に更に他の信号Sx(t)を加えた注入信号、例えば方形波状の注入信号Sinj(t)を発生するものでも良い。測定時に、当該他の信号Sx(t)はフィルタ等において除去して、正弦波交流信号S11(t)、S12(t)が作る注入電流による電圧を抽出することができるからである。
第2群に属する分散電源保有設備20内の電流注入装置40も、例えば、図23に示す装置と同様の構成をしている。
(8)うなり位相差dθ(t)等のシミュレーション結果
上記図15に示した同期制御装置50を用いて、自設備うなりの位相Δθinj(t)を他群うなりの位相Δθm(t)に同期させる制御のシミュレーションを行った結果を説明する。
シミュレーションでは、第1群に属する2台の電流注入装置40および同期制御装置50と、第2群に属する2台の電流注入装置40および同期制御装置50とを用いた。前記表1に示す周波数の組み合わせは、f11=132Hz、f12=144Hz、f21=156Hz、f22=168Hzとした。また、配電系統1を模擬したラインに、乱数発生器からバックグラウンドノイズを注入した。これは配電系統の実態に近づけるためである。
上記うなり位相差dθ(t)の変化を図21に示し、第1群の同一周波数(具体的にはf11)の二つの注入電流間の位相差Dθ1(t)の変化を図22に示す。
図22に示すように、シミュレーション開始時(これは、電流注入装置40および同期制御装置50の電源投入時に相当する)は、位相差Dθ1(t)は180度ずれているものとした。即ち、位相差を最大とした。
図21に示すように、シミュレーション開始後しばらくは、第2群(他群)の注入電流が生じさせる電圧に比べてバックグラウンドノイズが大きいので、うなり位相差dθ(t)は安定せず、最大で±180度まで振れているが、0.5秒付近以降からうなり位相差dθ(t)は急速に小さくなり、約3.5秒で0度になった。即ち、自設備うなりが他群うなりに同期した。これは、シミュレーション開始後少し時間が経過すると、第2群の注入電流が生じさせる電圧の位相が前述した同期制御装置50による制御によって徐々に揃って、他群うなりの位相Δθm(t)が徐々に明確になり、それと共にうなり位相差dθ(t)も徐々に明確になり、そして第1群(自群)においても前述した同期制御装置50による制御によってうなり位相差dθ(t)が0度になるように制御された結果である。
うなり位相差dθ(t)の上記のような減衰と共に、図22に示すように、第1群の同一周波数の二つの注入電流間の位相差Dθ1(t)も徐々に小さくなり、うなり位相差dθ(t)が0度になって両うなりが同期した約3.5秒の時点で、位相差Dθ1(t)も0度になっている。第1群の他の(周波数f12の)同一周波数の二つの注入電流間の位相差Dθ2(t)も、図示を省略するけれども、上記位相差Dθ1(t)と同様に、約3.5秒の時点で0度になった。
即ち、本発明に従って両うなりを同期させることによって、自群の同一周波数の二つの注入電流を、位相差が0度で同期させることができることを確認できた。
(9)分散電源保有設備20の更なる説明
上記各分散電源保有設備20を構成する注入周波数電圧測定装置120、電圧上昇抑制装置130の説明、および、電流注入装置40の追加説明を以下に行う。その場合、(9−1)電流注入装置40が自設備の分散電源28の定格出力に応じた大きさの注入電流を注入する方式と、(9−2)同分散電源28の有効電力出力値に応じた注入電流を注入する方式の両方が採り得るので、両方式の例について以下に説明する。
なお、以下においては、第1群に属する分散電源保有設備20内の注入周波数電圧測定装置120、電圧上昇抑制装置130、電流注入装置40、更には単独運転監視装置30を例に説明するが、第2群に属する分散電源保有設備20内の各装置120、130、40、30も同様の構成をしている。前述したように(例えば表1参照)、扱う電流等の周波数の組が異なるだけである。
また、以下においては、特に必要でない限り、時間的に変化する物理量であることを表す(t)は各符号につけないことにする。
(9−1)電流注入装置40が自設備の分散電源28の定格出力に応じた大きさの注入電流を注入する方式の例
(9−1−1)電流注入装置40の更なる説明
この場合の電流注入装置40の構成の一例を図23に示している。この電流注入装置40には、図2に示す分散電源28から(具体的にはそのインバータ24から、より具体的にはその制御回路26から)、当該分散電源28の定格出力Prated が与えられる。定格出力Prated は、例えば4kWであるが、これに限られるものではない。
上記定格出力Prated に増幅器49によって係数Kinj を掛けた信号と、上記注入信号Sinj とを掛算器47によって掛け合わせた信号を、上記注入電流形成器48に供給する。これによって、注入電流形成器48から、定格出力Prated に応じた(この例では比例した)大きさの注入電流Iinj を出力することができる。
係数Kinj は、上記注入電流Iinj の注入によって、他群に属する分散電源保有設備20の連系点18における電圧Vs に含まれる注入周波数電圧Vinj の含有率が所望程度(例えば0.02%程度)になる値を選定すれば良い。一例を挙げると、定格出力Prated が4kWの場合に、注入電流形成器48から0.4Aの注入電流Iinj を出力するような値にすれば良い。但しこの値に限定されるものではない。
(9−1−2)注入周波数電圧測定装置120の説明
上記注入周波数電圧測定装置120の構成の一例を図24に示す。
注入周波数電圧測定装置120は、上記連系点18における電圧Vs に含まれている上記一組の注入周波数の電圧V21、V22の少なくとも一方を測定してそれを注入周波数電圧Vinj として出力するものでも良いけれども、この実施形態では電圧V21、V22の両方を測定するようにしている。そのほうが注入周波数電圧測定のSN比、信頼性等が高まるからである。
この注入周波数電圧測定装置120は、離散フーリエ変換器122、123、絶対値演算器124、125および平均値演算器126を備えている。
離散フーリエ変換器122、123は、それぞれ、図15に示した離散フーリエ変換器92、94と同じ機能を有している。従って、この離散フーリエ変換器122、123を省略して、図15に示した離散フーリエ変換器92、94を前記他群うなり位相算出器58とこの注入周波数電圧測定装置120とに共用しても良い。即ち、絶対値演算器124、125に、図15に示した離散フーリエ変換器92、94から出力される前記注入周波数の電圧V21、V22をそれぞれ供給しても良い。そのようにすると、構成の簡素化を図ることができる。従ってより実際的である。
絶対値演算器124、125は、それぞれ、上記電圧V21、V22の絶対値|V21|、|V22|を算出して出力するものである。両絶対値は、平均値演算器126に供給されると共に、この実施形態では単独運転監視装置30(図39も参照)にも供給される。両絶対値|V21|、|V22|を、平均値演算器126を介さずに単独運転監視装置30に直接供給することによって、単独運転監視装置30による分散電源28の単独運転の後述する高速検出に寄与する。
平均値演算器126は、次式に従って上記二つの絶対値|V21|、|V22|の平均値を算出して、それを注入周波数電圧Vinjaとして出力する。
[数52]
inja=(|V21|+|V22|)/2
平均値演算器126において、更に、上記演算で得られた注入周波数電圧Vinjaの所定時間(例えば1秒程度)の平均値を算出してそれを注入周波数電圧Vinjaとして出力するようにしても良い。そのようにすると、瞬時電圧変動やノイズの影響を抑制することができるので、注入周波数電圧測定のSN比、信頼性等がより向上する。
なお、図2においては、包括的に、注入周波数電圧測定装置120から注入周波数電圧Vinj を出力するように図示しているけれども、この注入周波数電圧Vinj は、より具体的には、図24に示す実施形態の場合は、単独運転監視装置30に供給するものが上記二つの絶対値|V21|、|V22|であり、後述する電圧上昇抑制装置130に供給するものが平均化処理された上記注入周波数電圧Vinjaである。
(9−1−3)電圧上昇抑制装置130の説明
図2中に電圧上昇抑制装置130の一例を示し、この電圧上昇抑制装置130等における動作の一例を図3に示す。図3中のステップ404〜416は、図41中のステップ301〜309に相当している。
この電圧上昇抑制装置130は、無効電力増加手段132、有効電力減少手段134、無効電力強制増加手段136および有効電力強制減少手段138を備えている。これらの手段の具体的な構成の例は後述する。
無効電力増加手段132は、分散電源保有設備20と配電系統1(具体的にはその低圧配電線16)との連系点18における基本波電圧(配電系統1の基本波周波数(例えば60Hz)の電圧)が所定の上限値(例えば107V)よりも高い場合に、自設備20の分散電源28を制御してそれから出力する進相無効電力を、上記基本波電圧とその上限値との差に応じて増加させるものである。
有効電力減少手段134は、上記連系点18における基本波電圧が上記上限値よりも高い場合に、自設備20の分散電源28を制御してそれから出力する有効電力を、上記基本波電圧とその上限値との差に応じて減少させるものである。
両手段132、134のより具体例を図3も参照して説明すると、無効電力増加手段132は、上記連系点18における基本波電圧を測定し(ステップ404)、当該基本波電圧が上記上限値より高いか否かを判断し(ステップ405)、高ければ自設備20の分散電源28から配電系統1へ供給する電力の力率(これを運転力率と呼ぶ)が所定の下限値(例えば0.85)以上が否かを判断し(ステップ406)、運転力率が下限値以上の場合は自設備20の分散電源28を制御してそれから出力する進相無効電力を、上記基本波電圧とその上限値との差に応じて増加させる(ステップ407)。
ステップ404において、測定した基本波電圧の所定時間(例えば1秒程度)の平均値を算出するようにしても良い。そのようにすると、瞬時電圧変動やノイズの影響を抑制することができるので、基本波電圧測定のSN比、信頼性等が向上する。
有効電力減少手段134は、ステップ404から406まで進んできて、上記運転力率が下限値よりも小さければ自設備20の分散電源28を制御してそれから出力する有効電力を、上記基本波電圧とその上限値との差に応じて減少させる(ステップ408)。
なお、この実施形態では、電圧上昇抑制装置130は、上記無効電力増加手段132および有効電力減少手段134の両方を有しているけれども、連系点18の電圧上昇抑制のためには、両手段132、134の少なくとも一方を有していれば良いことは、図41の所で説明したとおりである。
また、進相無効電力の増加および有効電力の減少の少なくとも一方を行うことによって、逆潮流による連系点18の電圧上昇を抑制することができる原理は、先に数1を参照して説明したとおりであるので、その説明を参照するものとして、ここでは重複説明を省略する。
また、図3中のステップ413〜416の処理は、図41中のステップ306〜309の処理に相当しており、基本波電圧が上限値以下の場合のものである。このような処理機能は、本発明に必須のものではないので、ここではその詳しい説明を省略する。
無効電力強制増加手段136は、自設備20の分散電源28を制御して当該分散電源28から出力する進相無効電力を、連系点18における基本波電圧の高低に拘わらず、自設備20の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数電圧Vinj およびその時点の自設備20の分散電源28の有効電力出力値に応じて(例えば比例して)増加させる。「その時点」というのは、換言すれば、当該進相無効電力制御を開始する時点(より厳密に言えば当該開始直前。例えば1〜数制御サイクル前の時点)のことである。以下の有効電力制御等においても同様である。
自設備20の分散電源28の有効電力出力値は、例えば、当該分散電源28から(具体的にはそのインバータ24から、より具体的にはその制御回路26から)与えられる。あるいは、上記有効電力出力値として、電圧上昇抑制装置130から分散電源28に与える後述する有効電力指令値Pcom を用いても良い。両者は制御の結果、実質的に同じ値になるからである。このことは、分散電源28等の出力制御の技術分野において周知である。
有効電力強制減少手段138は、自設備20の分散電源28を制御して当該分散電源28から出力する有効電力を、連系点18における基本波電圧の高低に拘わらず、自設備20の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数電圧Vinj およびその時点の自設備20の分散電源28の有効電力出力値に応じて(例えば比例して)減少させる。
両手段136、138のより具体例を図3も参照して説明すると、前述した注入周波数電圧測定装置120によって注入周波数電圧Vinj を測定する(ステップ401)。無効電力強制増加手段136は、当該注入周波数電圧Vinj および自設備20の分散電源28の有効電力出力値に応じた(例えば両者に比例した)無効電力強制増加量Qe を演算し(ステップ402)、自設備20の分散電源28を制御して当該分散電源28から出力する進相無効電力を、連系点18における基本波電圧の高低に拘わらず、上記無効電力強制増加量Qe だけ増加させる(ステップ409)。
有効電力強制減少手段138は、上記注入周波数電圧Vinj および自設備20の分散電源28の有効電力出力値に応じた(例えば両者に比例した)有効電力強制減少量Pdne を演算し(ステップ403)、自設備20の分散電源28を制御して当該分散電源28から出力する有効電力を、連系点18における基本波電圧の高低に拘わらず、上記有効電力強制減少量Pdne だけ減少させる(ステップ410)。
なお、ステップ401〜403の位置は、一例として、ステップ404の前に記載しているけれども、それに限られるものではなく、例えばステップ407、408等とステップ409との間でも良い。また、進相無効電力についてのステップ402および409の制御と、有効電力についてのステップ403および410の制御の順序も、どちらが先でも良い。ステップ401〜410の制御は、通常は極めて短い周期の制御サイクルで繰り返されるからである。以上のことは、上記ステップ403および410の代わりにステップ411および412を有する図5に示す制御においても同様である。
無効電力強制増加手段136による進相無効電力の増加および有効電力強制減少手段138による有効電力の減少の少なくとも一方を行うことによって、逆潮流による連系点18の電圧上昇を抑制することができる一般的な原理は、先に数1を参照して説明したとおりであるのでその説明を参照するものとする。
また、電圧上昇抑制装置130を構成する各手段による制御の詳細な具体例は後述するとして、ここではまず、本発明に係る分散電源連系システムの全体的な作用について説明する。
前述したように、同期制御装置50による制御によって、同期信号ライン等を用いなくても、同一群内の複数の分散電源保有設備20から配電系統1に注入する同一周波数の複数の注入電流を同期させることができ、これによって、同期した注入電流の合計値に応じた(具体的には比例した)大きさの注入周波数電圧Vinj が配電系統1に発生する。
しかも、前述したように(図23およびその説明参照)この実施形態では、各分散電源保有設備20の電流注入装置40は自設備の分散電源28の定格出力Prated に応じた大きさの注入電流Iinj を配電系統1に注入するので、配電系統1に発生する上記注入周波数電圧Vinj の大きさは、同一群内で運転している複数の分散電源28の定格出力の合計値P2ratedに応じた(具体的には比例した)大きさになる。これを簡単に式で表すと次式となる。K1 は係数であり、これは具体的には配電系統1のインピーダンスに比例した係数である。
[数53]
inj =K1 ・P2rated
従って、他群の分散電源保有設備20の電流注入装置40が注入する注入周波数の電圧Vinj を自設備の注入周波数電圧測定装置120で測定することによって、他群で運転している複数の分散電源28の定格出力の合計値P2ratedを知ることができる。これを式で表すと、上記数53を変形して次式となる。
[数54]
2rated=(1/K1 )・Vinj
しかも、自群と他群の分散電源保有設備20のおおよその割合(より厳密に言えば両群の分散電源保有設備20全体の定格出力に対する自群の分散電源保有設備20の定格出力の割合R1 )は、当該分散電源連系システムの構成内容に依って予め分かっているので、その割合を用いて、第1群および第2群の分散電源の合計のおおよその定格出力Ptratedを知ることができる。これを上記割合R1 を用いて簡単に式で表すと次式となる。例えば、高密度集中連系で分散電源保有設備20の数が多い場合は、第1群と第2群とはほぼ同量設置されていると見ることができるので、上記割合R1 は約0.5である。
[数55]
trated=(1/R1 )・P2rated
=(1/K1 1 )・Vinj
それに加えて、自設備の分散電源28のその時点での有効電力出力値Pout を用いることによって、第1群および第2群の分散電源28の合計のおおよその有効電力出力値Ptoutを知ることができる。即ち、第1群および第2群全体で今どの程度の有効電力Ptoutを出力しているかを知ることができる。これを簡単に式を用いて表すと次式となる。K3 は係数である。Pout /Prated は、自設備の分散電源保有設備20の定格出力Prated に対する有効電力出力値Pout の割合であり、ここでは簡単な例として、この割合をどの分散電源保有設備20においても同じにしている。これは、例えば分散電源保有設備20が太陽光発電システムの場合には、同一の地域の日射量はほぼ同じであるので、定格出力に対して全ての分散電源保有設備20がほぼ同じ割合で有効電力を出力していると見ても差し支えないからである。
[数56]
tout=(Pout /Prated )・Ptrated
=(Pout /Prated )・(1/K1 1 )Vinj
=K3 ・Vinj ・Pout
これ以降はまず無効電力強制増加手段136による制御について説明すると、上記全体の有効電力出力値Ptoutに応じて(例えば比例して)、具体的にはそれを次式のように変形したものに応じて、第1群および第2群の全ての分散電源保有設備20の電圧上昇抑制装置130は、自設備の分散電源28から出力する進相無効電力を上記無効電力強制増加量Qe だけ強制的に増加させる。これを簡単に式を用いて表すと次式となる。K4 、K5 (=K4 ・K3 )は係数である。この係数K5 には、上記割合R1 等の係数が全て反映されている。従ってこの係数K5 を、当該分散電源連系システムの構成に応じて予め決めておいて、それを電圧上昇抑制装置130に設定、保存すれば良い。
[数57]
e =K4 ・Ptout
=K4 ・K3 ・Vinj ・Pout
=K5 ・Vinj ・Pout
無効電力強制増加量Qe を、上記のように全体の有効電力出力値Ptoutに応じた量、具体的には数57に示すように注入周波数電圧Vinj および自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout に応じた(例えば比例した)量にすることによって、無効電力強制増加量Qe を適度なものにすることができる。この無効電力強制増加量Qe が多過ぎると、両群全ての分散電源保有設備20の分散電源28から出力する進相無効電力が不必要に多過ぎることになるので、不経済である。無効電力強制増加量Qe が少な過ぎると、進相無効電力出力による電圧上昇抑制効果が小さくなる。
但し上記説明からも分かるように、無効電力強制増加量Qe は必ずしも厳密に定める必要はないので、上記割合R1 および上記全体の有効電力出力値Ptoutを必ずしも厳密に知る必要はなく、ひいては上記係数K5 を必ずしも厳密に定める必要はなく、ある程度の範囲に入っていれば良い。
上記進相無効電力の増加によって、逆潮流による配電系統1の電圧上昇を、全ての分散電源保有設備20が協力して全体的にある程度抑制することができる。進相無効電力の増加によって配電系統1の電圧上昇を抑制することができることは、先に数1を参照して説明したとおりである。
上記電圧上昇抑制の概略例を図43を参照して説明すると、配電系統1(より具体的にはその低圧配電線16)の電圧が、従来技術では二点鎖線L1 で示すように上昇していたのを(対応する図42参照)、この分散電源連系システムによれば、実線L2 で示す例のように抑制することができる。
その結果、各分散電源保有設備20の分散電源28から、その連系点18の電圧上昇抑制のために出力する進相無効電力量および/または減少させる有効電力量に関して、配電系統1に接続されている位置による差を小さくすることができる。
即ち、従来は自設備の連系点の電圧が上限値を超える分散電源保有設備(例えば下流側の分散電源保有設備)だけがその電圧を抑えるために個別に自設備の分散電源から出力する進相無効電力量を増加および/または有効電力を減少させており、自設備の連系点の電圧が上限値以下の分散電源保有設備(例えば上流側の分散電源保有設備)は進相無効電力を増加および/または有効電力を減少させることはしなかったのであるが、この分散電源連系システムによれば、上記のように、両群の分散電源保有設備20全体が一致協力して配電系統1の電圧上昇をある程度抑制するので、下流側の分散電源保有設備20の連系点18の電圧が上限値を超えにくくなり、一部の(即ち下流側の)分散電源保有設備20だけが特別に多く進相無効電力を増加させたり、有効電力量を減少させたりする必要がなくなる。
その結果、分散電源保有設備20が配電系統1に接続されている位置によって、自設備の分散電源28から出力する電力に関して、連系点18の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
上記無効電力強制増加手段136の代わりに有効電力強制減少手段138を用いても良い。この有効電力強制減少手段138による制御について、上記無効電力強制増加手段136との相違点を主体に説明すると、上記全体の有効電力出力値Ptoutに応じて(例えば比例して)、第1群および第2群の全ての分散電源保有設備20の電圧上昇抑制装置130は、自設備の分散電源28から出力する有効電力を上記有効電力強制減少量Pdne だけ強制的に減少させる。これを簡単に式を用いて表すと次式となる。K6 は係数である。この係数K6 には、上記割合R1 等の係数が全て反映されている。従ってこの係数K6 を、当該分散電源連系システムの構成に応じて予め決めておいて、それを電圧上昇抑制装置130に設定、保存すれば良い。
[数58]
dne =K6 ・Vinj ・Pout
有効電力強制減少量Pdne を、上記のように全体の有効電力出力値Ptoutに応じた量、具体的には数58に示すように注入周波数電圧Vinj および自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout に応じた(例えば比例した)量にすることによって、無効電力強制増加量Qe を適度なものにすることができる。この有効電力強制減少量Pdne が多過ぎると、両群全ての分散電源保有設備20の分散電源28から出力する有効電力を不必要に減らし過ぎることになるので、不経済である。有効電力強制減少量Pdne が少な過ぎると、有効電力減少による電圧上昇抑制効果が小さくなる。
但し上記説明からも分かるように、有効電力強制減少量Pdne は必ずしも厳密に定める必要はないので、上記割合R1 および上記全体の有効電力出力値Ptoutを必ずしも厳密に知る必要はなく、ひいては上記係数K6 を必ずしも厳密に定める必要はなく、ある程度の範囲に入っていれば良い。
上記有効電力の減少によって、逆潮流による配電系統1の電圧上昇を、全ての分散電源保有設備20が協力して全体的にある程度抑制することができる。有効電力の減少によって配電系統1の電圧上昇を抑制することができることは、先に数1を参照して説明したとおりである。
その結果、無効電力強制増加手段136の場合と同様に、各分散電源保有設備20の分散電源28から、その連系点18の電圧上昇抑制のために出力する進相無効電力量および/または減少させる有効電力量に関して、配電系統1に接続されている位置による差を小さくすることができる。即ち、分散電源保有設備20が配電系統1に接続されている位置によって、自設備の分散電源28から出力する電力に関して、連系点18の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
上記無効電力強制増加手段136と有効電力強制減少手段138とは、いずれか一方を用いても良いし、両者を併用しても良い。即ち、電圧上昇抑制装置130は、上記無効電力強制増加手段136および有効電力強制減少手段138のいずれか一方を備えていても良いし、両方を備えていても良い。
(9−1−4)無効電力増加手段132、有効電力減少手段134、無効電力強制増加手段136および有効電力強制減少手段138のより具体例
これらの手段132、134、136、138のより具体的な例を、図25〜図27を参照して説明する。なお、以下で説明する例は、上記手段132、134、136および138の全てを備えている場合の例であるが、それに限られるものでないことは前述のとおりである。
図25に示す判定回路140は、図3に示した処理を行う無効電力増加手段132および有効電力減少手段134の一部を構成しており、両手段132、134に共通の回路である。
この判定回路140は、減算器142、比較器143、AND回路144、比較器145、NOT回路146およびAND回路147を備えている。
減算器142は、上記連系点18の電圧Vs からその前記上限値Vlim (例えば107V)を減算して次式で表される差電圧ΔVを出力する。上限値Vlim は電圧上昇抑制装置130に設定、保存される。なお、電圧Vs に含まれる高調波電圧は基本波電圧に比べれば小さいので、以下の実施例では基本波電圧の代わりに電圧Vs を用いており、このようにしても差し支えはない。
[数59]
ΔV=Vs −Vlim
比較器143は、上記差電圧ΔVが0Vより大きいか否かを判断して(図3中のステップ405に相当)、0Vよりも大きいときに論理値1の信号を出力してそれをAND回路144および147に与える。
比較器145は、自設備の分散電源保有設備20の運転力率Pfがその前記下限値Pflim (例えば0.85)以上か否かを判断して(ステップ406に相当)、下限値Pflim 以上のときに論理値1の信号を出力してそれをAND回路144およびNOT回路146に与える。従って、ステップ406における判断がYesのときに、AND回路144から論理値1の信号が出力される。運転力率Pfは、分散電源28から(具体的にはそのインバータ24から、より具体的にはその制御回路26から)電圧上昇抑制装置130に与えられる。下限値Pflim は電圧上昇抑制装置130に設定、保存される。
NOT回路146は、比較器145からの信号の論理値を反転させてそれをAND回路147に与える。従って、ステップ406における判断がNoのときにAND回路147から論理値1の信号が出力される。
図26に示す無効電力制御回路150は、図3に示した処理を行う無効電力増加手段132の残りの部分および無効電力強制増加手段136を構成している。
この無効電力制御回路150は、増幅器152、掛算器153、積分器154、加算器155、掛算器156および増幅器157を備えている。
増幅器152は、上記差電圧ΔVに所定の係数Kq を掛けて出力する。この係数Kq は、例えば1×106 であるが、これに限られるものではない。
掛算器153は、増幅器152からの信号と上記AND回路144からの信号とを掛け算して出力する。即ち、AND回路144から出力される信号が論理値1のときに、次式で表される信号を出力する。これが1回の制御サイクルにおける(即ち図3中のステップ407における)進相無効電力増加量である。
[数60]
q ・ΔV
積分器154は、掛算器153からの上記進相無効電力増加量Kq ・ΔVを積分して進相無効電力Qを算出してそれを加算器155に与える。例えば、制御開始時の進相無効電力Qの初期値を0とすると、上記積分によって、制御開始からその時点までの上記進相無効電力増加量Kq ・ΔVの累積(合計)が、その時点で出力すべき進相無効電力Qとなる。
掛算器156は、上記注入周波数電圧測定装置120からの注入周波数電圧Vinjaと、その時点での自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout とを掛け算して出力する。即ちこの例では、注入周波数電圧として、上記平均値の注入周波数電圧Vinjaを用いている。有効電力出力値Pout は分散電源28から(具体的にはそのインバータ24から、より具体的にはその制御回路26から)与えられる。以上は、図27、図28においても同様である。
増幅器157は、掛算器156からの信号に所定の係数Kqeを掛けて、次式で表される無効電力強制増加量Qe を算出する。これが前記数57をより具体化したものである。係数Kqeは上記係数K5 に相当する。この係数Kqeは、例えば0.225×104 であるが、これに限られるものではない。
[数61]
e =Kqe・Vinja・Pout
以上の処理が、図3中のステップ402の処理に相当する。
加算器155は、積分器154からの進相無効電力Qと増幅器157からの無効電力強制増加量Qe とを加算して(図3中のステップ409に相当)、次式で表される無効電力指令値Qcom を出力する。より具体的には、この無効電力指令値Qcom を分散電源28に(具体的にはそのインバータ24に、より具体的にはその制御回路26に)与えて、当該分散電源28から出力する進相無効電力をその値に制御する。
[数62]
com =Q+Qe
以上の処理が、図3中のステップ407および409の処理に相当する。
なお、この無効電力指令値Qcom によって、インバータ24から出力する進相無効電力Qを当該無効電力指令値Qcom と実質的に同じ値に制御する技術には、例えば上記特開平7−46852号公報等に記載されている公知の技術を利用することができる。後述する(図27、図28参照)有効電力指令値Pcom によって、インバータ24から出力する有効電力を当該有効電力指令値Pcom と実質的に同じ値に制御する技術についても同様である。
図27に示す有効電力制御回路160aは、図3に示した処理を行う有効電力減少手段134の残りの部分および有効電力強制減少手段138を構成している。
この有効電力制御回路160aは、減算器162、増幅器163、掛算器164、積分器165、加算器166、掛算器167および増幅器168を備えている。
増幅器163は、上記差電圧ΔVに所定の係数Kpdn を掛けて出力する。この係数Kpdn は、例えば1×106 であるが、これに限られるものではない。
掛算器164は、増幅器163からの信号と上記AND回路147からの信号とを掛け算して出力する。即ち、AND回路147から出力される信号が論理値1のときに、次式で表される信号を出力する。これが1回の制御サイクル(即ち図3中のステップ408)における有効電力減少量である。
[数63]
pdn ・ΔV
積分器165は、掛算器164からの上記有効電力減少量Kpdn ・ΔVを積分して有効電力強制減少量Pdne を算出してそれを加算器166に与える。例えば、制御開始時の有効電力減少量Pdnの初期値を0とすると、上記積分によって、制御開始からその時点までの上記有効電力減少量Kpdn ・ΔVの累積(合計)が、その時点での有効電力減少量Pdnとなる。
掛算器167は、上記注入周波数電圧測定装置120からの注入周波数電圧Vinjaと、その時点での自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout とを掛け算して出力する。
増幅器168は、掛算器167からの信号に所定の係数Kpdneを掛けて、次式で表される有効電力強制減少量Pdne を算出する。これが前記数58をより具体化したものである。係数Kpdneは上記係数K6 に相当する。この係数Kpdneは、例えば0.1×104 であるが、これに限られるものではない。
[数64]
dne =Kpdne・Vinja・Pout
以上の処理が、図3中のステップ403の処理に相当する。
加算器166は、積分器165からの有効電力減少量Pdnと増幅器168からの有効電力強制減少量Pdne とを加算して(図3中のステップ410に相当)、次式で表される有効電力減少量Pdncom を出力する。
[数65]
dncom =Pdn+Pdne
減算器162は、自設備の分散電源28の最大有効電力出力Pmax (即ち有効電力抑制がない場合に出力可能な最大有効電力)から上記有効電力減少量Pdncom を減算して、次式で表される有効電力指令値Pcom を出力する。より具体的には、この有効電力指令値Pcom を分散電源28に(具体的にはそのインバータ24に、より具体的にはその制御回路26に)与えて、当該分散電源28から出力する有効電力をその値に制御する。
[数66]
com =Pmax −Pdncom
以上の処理が、図3中のステップ408および410の処理に相当する。
なお、分散電源28が太陽光発電システムの場合は、そのインバータ24は通常、太陽電池27の出力電圧を制御して当該太陽電池27が出力する有効電力が最大になるように制御する(これはPmax 制御と略称されている)。分散電源28が太陽光発電システムの場合は、このPmax 制御による有効電力が上記最大有効電力出力Pmax であると言うことができる。これは図28に示す有効電力制御回路160bにおいても同様である。
また、図27において、掛算器167に入力される有効電力出力値Pout は、前述したようにその時点での自設備の分散電源28の有効電力出力値であり、これは、減算器162から出力する有効電力指令値Pcom よりも例えば一つ前の制御サイクルにおける有効電力指令値Pcom と実質的に同じ値になる。これは図28に示す有効電力制御回路160bにおいても同様である。
以上のような構成および作用によって、この実施例の分散電源連系システムは、各分散電源保有設備20において、図3に示す制御を行うことができる。
その結果、各分散電源保有設備20の分散電源28から、その連系点18の電圧上昇抑制のために出力する進相無効電力量および/または減少させる有効電力量に関して、配電系統1に接続されている位置による差を小さくすることができる。即ち、分散電源保有設備20が配電系統1に接続されている位置によって、自設備の分散電源28から出力する電力に関して、連系点18の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
(9−1−5)有効電力上限設定手段139の説明
電圧上昇抑制装置130は、上記有効電力強制減少手段138の代わりに、図4および図5に示す例のように、有効電力上限設定手段139を備えていても良い。即ち上記電圧上昇抑制装置130は、無効電力強制増加手段136および有効電力上限設定手段139のいずれか一方を備えていても良いし、両方を備えていても良い。この有効電力上限設定手段139を備えている場合の例を、上記有効電力強制減少手段138を備えている場合との相違点を主体に説明する。
有効電力上限設定手段139は、自設備20の分散電源28を制御して当該分散電源28から出力する有効電力の上限値を、連系点18における基本波電圧の高低に拘わらず、自設備20の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数電圧Vinj およびその時点の自設備20の分散電源28の有効電力出力値に応じた(例えば比例した)削減電力を自設備の分散電源28の定格出力から減じて得られる有効電力上限値Plim に制限する。
これを図5を参照して、図3との相違点を主体に説明すると、有効電力上限設定手段139は、上記有効電力上限値Plim を演算し(ステップ411)、自設備の分散電源28を制御して当該分散電源28から出力する有効電力の上限値を、連系点18における基本波電圧の高低に拘わらず、強制的に当該有効電力上限値Plim に制限する(ステップ412)。
分散電源28から出力する有効電力の上限値を強制的に制限することによっても、上記有効電力強制減少手段138による場合と同様に、逆潮流による連系点18の電圧上昇を抑制することができる。有効電力を自由に増大させることができなくなるからである。その一般的な原理は、先に数1を参照して説明したものと同様であるのでその説明を参照するものとする。
上記有効電力上限設定手段139によって、第1群および第2群の全ての分散電源保有設備20の電圧上昇抑制装置130は、自設備の分散電源28から出力する有効電力の上限値を、上記有効電力上限値Plim に制限する。これによって、逆潮流による配電系統1の電圧上昇を、全ての分散電源保有設備20が協力して全体的にある程度抑制することができる。
その結果、各分散電源保有設備20の分散電源28から、その連系点18の電圧上昇抑制のために出力する進相無効電力量および/または減少させる有効電力量に関して、配電系統1に接続されている位置による差を小さくすることができる。即ち、分散電源保有設備20が配電系統1に接続されている位置によって、自設備の分散電源28から出力する電力に関して、連系点18の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
上記有効電力上限設定手段139の具体例を、図28を参照して、図27との相違点を主体に説明する。図28に示す有効電力制御回路160bは、図3(または図5)に示した処理を行う有効電力減少手段134の残りの部分および上記有効電力上限設定手段139を構成している。
この有効電力制御回路160bにおいては、積分器165と加算器166とは、図27の例と前後の位置を逆にしている。この例では、増幅器173からの出力によって、有効電力減少量Pdnを急激に増大させて、有効電力を有効電力上限値Plim に制限するためである。
そして、この有効電力制御回路160bは、図27に示したものと同様の増幅器168と上記加算器166との間に、減算器169、170、比較器171、掛算器172および増幅器173を有している。
減算器169は、自設備の分散電源28の定格出力Prated から、上記増幅器168からの有効電力強制減少量Pdne (これは前記削減電力に相当する)を減算して、次式で表される有効電力上限値Plim を算出してそれを減算器170に与える。この定格出力Prated は、自設備の分散電源28から(具体的にはそのインバータ24から、より具体的にはその制御回路26から)与えられる。有効電力強制減少量Pdne は上記数64に示したとおりである。
[数67]
lim =Prated −Pdne
=Prated −(Kpdne・Vinja・Pout
以上の処理が、図5中のステップ411の処理に相当する。
減算器170および比較器171は、その時点の自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout が上記有効電力上限値Plim を超えているか否かを判断する。即ち、減算器170は、有効電力出力値Pout から有効電力上限値Plim を減算して次式で表される差電力ΔPを出力する。
[数68]
ΔP=Pout −Plim
比較器171は、上記差電力ΔPが0より大か否かを判断し、0より大ならば論理値1の信号を出力し、0以下ならば論理値0の信号を出力する。これで、有効電力出力値Pout が有効電力上限値Plim を超えているか否かを判定している。
掛算器172は、比較器171からの信号と上記差電力ΔPとを掛け算して出力する。即ち、ΔPが0より大ならばΔPを出力し、ΔPが0以下ならば0を出力する。即ち、有効電力出力値Pout が有効電力上限値Plim を超えているときに差電力ΔPが出力される。
増幅器173は、掛算器172からの信号に所定の係数Klim を掛けて出力する。即ち、有効電力減少量Klim ・ΔPを出力する。この係数Klim は、例えば1×103 であるが、これに限定されるものではない。
加算器166は、上記掛算器164からの上記数63に示した有効電力減少量Kpdn ・ΔVと増幅器173からの有効電力減少量Klim ・ΔPとを加算して、次式で表される有効電力減少量Pdnd を算出してそれを積分器165に与える。
[数69]
dnd =Kpdn ・ΔV+Klim ・ΔP
積分器165は、上記数69で示される有効電力減少量Pdnd を積分して、それを上記有効電力減少量Pdnとして減算器162に与える。
この有効電力制御回路160bにおいては、自設備の分散電源28から出力する有効電力出力値Pout が有効電力上限値Plim を少しでも超えると、その差電力ΔPに大きな係数Klim を掛けた値で有効電力減少量Pdnを急激に増大させることができるので、結局、有効電力指令値Pcom を有効電力上限値Plim に制限することができる。ひいては、自設備の分散電源28から出力する有効電力の上限値をこの有効電力上限値Plim に制限することができる。
上記の処理が、図5中のステップ412の処理に相当する。
図5においては、ステップ408とステップ412とは別に図示しているけれども、図28に示す有効電力制御回路160bにおいては、両ステップ408、412を一緒に処理していると言うことができる。
なお、上記有効電力強制減少手段138と有効電力上限設定手段139のいずれを用いるかは、具体的には上記有効電力制御回路160a(図27参照)と有効電力制御回路160b(図28参照)のいずれを用いるかは、例えば分散電源28の性質等に応じて決めれば良い。例えば、分散電源28が太陽光発電システムの場合は、分散電源28から出力する有効電力の上限値を有効電力上限値Plim に制御する方が容易な場合があるので、有効電力上限設定手段139、具体的には有効電力制御回路160b(図28参照)を採用しても良い。
(9−2)電流注入装置40が自設備の分散電源28の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を注入する方式の例
この方式の例を、上記(9−1)の方式の例との相違点を主体に説明する。
この場合の各分散電源保有設備20の電流注入装置40は、自設備20の分散電源28の有効電力出力値Pout に応じた大きさの注入電流Iinj を配電系統1に注入する。
その具体例を示すと、図23に示した電流注入装置40において、増幅器49に、定格出力Prated の代わりに、その時点の自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout を入力すれば良い。それ以外の構成および動作は、図23について説明したとおりである。自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout は、当該分散電源28から(具体的にはそのインバータ24から、より具体的にはその制御回路26から)与えられる。
この場合に配電系統1に発生する注入周波数電圧Vinj の大きさは、同一群内で運転している複数の分散電源28の有効電力出力値Pout の合計値P2outに応じた(具体的には比例した)大きさになる。これを、上記数53に対応させて式で表すと次式となる。
[数70]
inj =K1 ・P2out
図2〜図4に示した無効電力強制増加手段136は、自設備の分散電源28を制御してそれから出力する進相無効電力を、連系点18の基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数電圧Vinj に応じて(例えば比例して)増加させる。即ち、無効電力強制増加量Qe の算出に際しては、上記(9−1)の方式の場合と違って、自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout を考慮する必要はない。これは、各分散電源保有設備20内の電流注入装置40側において既にそれが考慮されているからである。これは、以下に述べる有効電力強制減少手段138における有効電力強制減少量Pdne の算出、および、有効電力上限設定手段139における有効電力上限値Plim の算出についても同様である。
具体的には、上記無効電力強制増加手段136の一部を構成する、図26に示した無効電力制御回路150において、掛算器156を省略して、注入周波数電圧Vinjaを増幅器157に直接入力すれば良い。それ以外の構成および動作は、図26について説明したとおりである。
この場合に増幅器157から出力される無効電力強制増加量Qe を、上記数61に対応させて式で表すと次式となる。
[数71]
e =Kqe・Vinja
図2および図3に示した有効電力強制減少手段138は、自設備の分散電源28を制御してそれから出力する有効電力を、連系点18の基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数電圧Vinj に応じて(例えば比例して)減少させる。
具体的には、上記有効電力強制減少手段138の一部を構成する、図27に示した有効電力制御回路160aにおいて、掛算器167を省略して、注入周波数電圧Vinjaを増幅器168に直接入力すれば良い。それ以外の構成および動作は、図27について説明したとおりである。
この場合に増幅器168から出力される有効電力強制減少量Pdne を、上記数64に対応させて式で表すと次式となる。
[数72]
dne =Kqdne・Vinja
図4および図5に示した有効電力上限設定手段139は、自設備の分散電源28を制御してそれから出力する有効電力の上限値を、連系点18の基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数電圧Vinj に応じた(例えば比例した)削減電力(即ち有効電力強制減少量Pdne )を自設備の分散電源28の定格出力Prated から減じて得られる有効電力上限値Plim に制限する。
具体的には、上記有効電力上限設定手段139の一部を構成する、図28に示した有効電力制御回路160bにおいて、掛算器167を省略して、注入周波数電圧Vinjaを増幅器168に直接入力すれば良い。それ以外の構成および動作は、図28について説明したとおりである。
この場合に減算器169から出力される有効電力上限値Plim を、上記数67に対応させて式で表すと次式となる。
[数73]
lim =Prated −Pdne
=Prated −(Kpdne・Vinja
この(9−2)の方式においても、上記(9−1)の方式の場合と同様に、上記電圧上昇抑制装置130は、上記無効電力強制増加手段136および有効電力強制減少手段138のいずれか一方を備えていても良いし、両方を備えていても良い。あるいは有効電力強制減少手段138の代わりに有効電力上限設定手段139を用いる場合は、上記無効電力強制増加手段136および有効電力上限設定手段139のいずれか一方を備えていても良いし、両方を備えていても良い。
この(9−2)の方式も、上記(9−1)の方式と同様に、逆潮流による配電系統1の電圧上昇を、全ての分散電源保有設備20が協力して全体的にある程度抑制することができる。
その結果、各分散電源保有設備20の分散電源28から、その連系点18の電圧上昇抑制のために出力する進相無効電力量および/または減少させる有効電力量に関して、配電系統1に接続されている位置による差を小さくすることができる。即ち、分散電源保有設備20が配電系統1に接続されている位置によって、自設備の分散電源28から出力する電力に関して、連系点18の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および/または有効電力減少量に差が生じて不平等になることを軽減することができる。
なお、上記(9−1)の方式と(9−2)の方式とは、各電流注入装置40から配電系統1に注入する注入電流Iinj の大きさの決め方が異なるので、一つの分散電源連系システム内においては、両方式を混在させないことが好ましい。
但し、同じ方式のものであれば、各分散電源保有設備20における電圧上昇抑制装置130の構成を、前述した幾つかの例のものにして混在させても構わない。電圧上昇抑制機能が少しずつ異なるだけだからである。
(10)電圧上昇抑制のシミュレーション結果の説明
図29に示すように、前記配電系統1の低圧配電線16に5台の分散電源保有設備20(上流側から1号〜5号)が接続されていて、各分散電源保有設備20から低圧配電線16に逆潮流の電力Pr1〜Pr5を供給するモデルを用いて、低圧配電線16の電圧上昇抑制制御のシミュレーションを行った。
シミュレーションの条件として、高圧配電線10の電圧Vshを変圧器14の2次側(低圧側)に換算した電圧を105.7Vとした。変圧器14の容量を20kVA、そのインピーダンスを0.016+j0.021Ωとした。低圧配電線16の各区間のインピーダンスZ1 を(0.011+j0.012)/4Ωとした。
5台の分散電源保有設備20は、全て同一群に属するものとした。他群の分散電源保有設備の注入電流による前記注入周波数電圧Vinj を模擬するために、各分散電源保有設備20が測定する連系点電圧Vs 中の注入周波数電圧Vinj の含有率を0.02%(105.7Vに対して)とした。
各分散電源保有設備20は、定格出力が4kWであるが、1秒毎に前記最大有効電力出力Pmax (即ち有効電力抑制がない場合に出力可能な最大有効電力)を1kWずつ増加させて、4秒後以降は最大有効電力出力Pmax を4kWに固定した。即ち、各分散電源保有設備20の分散電源28の最大有効電力出力Pmax を、シミュレーション開始後1秒の時刻t4 では1kW、2秒後の時刻t5 では2kW、3秒後の時刻t6 では3kW、4秒後の時刻t7 以降は4kWとした。これは、各分散電源保有設備20の分散電源28が太陽光発電システムであって、雲が晴れて日射量が4秒間で急増した場合を模擬したものである。
比較例として、各分散電源保有設備20が図41に示した機能を有する従来の電圧上昇抑制装置を備えている場合の、各連系点18の電圧Vs1〜Vs5、1号〜5号の分散電源保有設備20が出力する有効電力P1 〜P5 および進相無効電力Q1 〜Q5 の変化の一例を図30〜図32にそれぞれ示す。これらの図における時間軸(横軸)は互いに対応している。図33〜図38においても同様である。
図30に示すように、1号の分散電源保有設備20の連系点18の電圧Vs1は、4秒後の点のH1 でも上限値(107V)に達しないが、それよりも下流側になるほど連系点18の電圧上昇が早く、5号の分散電源保有設備20の連系点18の電圧Vs5は、約1.3秒後の点H2 で上限値に達している。
図31に示すように、1号、2号の分散電源保有設備20は、有効電力の抑制はなく、4秒後の時刻t7 で定格出力(4kW)の有効電力P1 、P2 を出力することができているが、それよりも下流側の分散電源保有設備20では、点H3 、H4 、H5 以降において、図41中のステップ302、303、305のルートによる有効電力減少作用が働いて、有効電力P3 〜P5 が小さく抑えられている。例えば5号の分散電源保有設備20の有効電力P5 は、定格出力が4kWであるにも拘わらず、約1kWに抑えられている。これは不平等である。
図32に示すように、1号、2号の分散電源保有設備20は、進相無効電力Q1 、Q2 を全く出力せずに済んでいるが、それよりも下流側の分散電源保有設備20では、点H6 〜H8 以降において、図41中のステップ302〜304のルートによる進相無効電力増加作用が働いて、進相無効電力Q3 〜Q5 を増加させている。この点でも不平等である。なお、点H3 〜H5 以降は、図41中のステップ302、303、305のルートによる有効電力減少作用が働くため(図31参照)、進相無効電力の増加を停止している。
上記図31、図32から分かるように、従来技術では、1号〜5号の分散電源保有設備20の間に、有効電力および無効電力に関して不平等がある。
実施例1として、各分散電源保有設備20が上記(9−1)の方式を採用しており、かつ上記無効電力増加手段132、有効電力減少手段134および無効電力強制増加手段136(図2、図3参照)を有している電圧上昇抑制装置130を備えている場合の、各連系点18の電圧Vs1〜Vs5、1号〜5号の分散電源保有設備20が出力する有効電力P1 〜P5 および進相無効電力Q1 〜Q5 の変化の一例を図33〜図35にそれぞれ示す。
上記各手段132、134および136の具体的な構成は、図25(判定回路)、図26(無効電力制御回路)および図28(有効電力制御回路160b)に示したものにした。各係数の値は、先に例示したものにした。
図33に示すように、各連系点18の電圧Vs1〜Vs5の上昇が抑制されており、しかも末端の5号の分散電源保有設備20の連系点18の電圧Vs5でも、4秒後の点H9 まで上限値(107V)にならない。
図34に示すように、末端の5号の分散電源保有設備20でも、有効電力減少作用は働かず、他の分散電源保有設備20と同様に4秒後の時刻t7 で定格出力(4kW)の有効電力P5 を出力することができている。即ち、他の分散電源保有設備20と平等に有効電力を出力することができている。
図35に示すように、1号〜5号の分散電源保有設備20は、平等に進相無効電力Q1 〜Q5 を出力している。これによって、全ての分散電源保有設備20が協力して、低圧配電線16の電圧上昇を全体的に抑制しているのである。4秒後の時刻t7 では、皆平等に、約2kvarの進相無効電力Q1 〜Q5 を出力している。
上記図34、図35から分かるように、無効電力強制増加手段136を備えている実施例1では、1号〜5号の分散電源保有設備20の間で、有効電力および無効電力に関して平等になっている。
実施例2として、各分散電源保有設備20が上記(9−1)の方式を採用しており、かつ上記無効電力増加手段132、有効電力減少手段134、無効電力強制増加手段136および有効電力上限設定手段139(図4、図5参照)を有している電圧上昇抑制装置130を備えている場合の、各連系点18の電圧Vs1〜Vs5、1号〜5号の分散電源保有設備20が出力する有効電力P1 〜P5 および進相無効電力Q1 〜Q5 の変化の一例を図36〜図38にそれぞれ示す。
図36に示すように、各連系点18の電圧Vs1〜Vs5の上昇が抑制されており、しかも末端の5号の分散電源保有設備20の連系点18の電圧Vs5でも、4秒後の時刻t7 より少し手前の点H10まで上限値(107V)にならない。
図37に示すように、1号〜5号の分散電源保有設備20は、点H11以降は、平等に有効電力P1 〜P5 を約3.4kWに制限している(即ち約0.6kWの抑制を行っている)。
図38に示すように、1号〜5号の分散電源保有設備20は、平等に進相無効電力Q1 〜Q5 を出力している。これによって、全ての分散電源保有設備20が協力して、低圧配電線16の電圧上昇を全体的に抑制しているのである。4秒後の時刻t7 では、皆平等に、約1.6kvarの進相無効電力Q1 〜Q5 を出力している。
上記図37、図38から分かるように、無効電力強制増加手段136および有効電力上限設定手段139を備えている実施例2では、1号〜5号の分散電源保有設備20の間で、有効電力および無効電力に関して平等になっている。
上記実施例1と実施例2とを比べると、実施例1では1号〜5号の分散電源保有設備20が時刻t7 以降に出力する皮相電力SP1 は次式のとおりである。
[数74]
SP1 =√{(4kW)2 +(2kvar)2 }≒4.5kVA
これに対して、実施例2では、1号〜5号の分散電源保有設備20が時刻t7 以降に出力する皮相電力SP2 は次式のとおりであり、各分散電源保有設備20の分散電源28の定格出力4kW(これは力率1と考えれば4kVAに相当する)以内に収めることができている。
[数75]
SP2 =√{(3.4kW)2 +(1.6kvar)2 }≒3.8kVA
上記シミュレーションによって、上記実施例1、2の分散電源連系システムによれば、分散電源保有設備20が配電系統1に接続されている位置によって、自設備の分散電源28から出力する電力に関して、連系点18の電圧上昇抑制のために必要な進相無効電力増加量および有効電力減少量に差が生じて不平等になることを防止することができることが確かめられた。
(11)分散電源28の他の例
分散電源28は、上記例の太陽光発電システム以外のものでも良い。例えば、インバータを用いる例を挙げると、分散電源28は、燃料電池と上記インバータ24のようなインバータとを有する燃料電池発電設備等でも良い。その場合の上記電圧上昇抑制装置130による当該分散電源28(より具体的にはそのインバータ)の制御は前記と同様である。
あるいは、交流発電機を有していてインバータを用いない例を挙げると、分散電源28は、コージェネレーション発電設備、風力発電設備等でも良い。上記電圧上昇抑制装置130からの指令信号(例えば上記無効電力指令値Qcom 、有効電力指令値Pcom 等)に応答して、交流発電機から出力する有効電力および/または無効電力を指令値に制御する技術は、公知の技術(例えば特開平10−191569号公報参照)を利用することができる。簡単に説明すれば、交流発電機の出力電圧の位相を制御することによって、有効電力を制御することができる。交流発電機の界磁を制御して出力電圧の大きさを制御することによって、無効電力を制御することができる。
(12)単独運転監視装置30の説明
上記複数の分散電源保有設備20には、自設備の注入周波数電圧測定装置120が測定する注入周波数の電圧を監視して、当該電圧の増大から、自設備の分散電源28が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置30を備えている分散電源保有設備20が含まれていても良い。単独運転とは、変電所4の遮断器8が開放されて上位系統2からの電力供給がない状態において、分散電源保有設備20内の分散電源28だけで発電を継続して配電系統1に電力を供給している状態を言う。このような単独運転を防止する必要があることは、例えば上記非特許文献1の42−53頁にも記載されている。
上記単独運転監視装置30の構成の一例を図39に示す。この単独運転監視装置30は、判定器36、37、AND回路38および継続時間判定器39を備えている。
判定器36、37は、それぞれ、前述した(図24およびその説明参照)注入周波数電圧測定装置120から与えられる注入周波数電圧の絶対値|V21|、|V22|を所定の判定値J1 、J2 と比較して、絶対値|V21|、|V22|が判定値J1 、J2 以上になれば、検出信号S1 、S2 をそれぞれ出力するものである。この判定値J1 、J2 は、例えば、単独運転が発生していない状態、即ち連系運転時(換言すれば系統健全時)の絶対値|V21|、|V22|の2倍程度にそれぞれ設定しておけば良い。
両判定値J1 、J2 は、互いに同じ値にしても良いし、判定周波数等に応じて互いに異ならせても良い。
AND回路38は、両検出信号S1 、S2 の論理積を取り、両信号S1 、S2 が共に出力されているときに検出信号S3 を出力する。
上記検出信号S3 を単独運転検出信号としてこの単独運転監視装置30からそのまま出力するよりも、この例のように、継続時間判定器39によって、検出信号S3 が所定の継続確認時間T0 継続していることを判定して継続したときに単独運転検出信号S4 を出力するようにするのが好ましい。そのようにすると、単独運転以外の何らかの原因による電圧Vs 等の瞬時の変動による誤検出を防止することができる。この継続確認時間T0 は、それを長くすると、その分、単独運転検出が遅くなるので、例えば0.05秒程度にすれば良い。この例ではこの単独運転検出信号S4 の出力によって、単独運転監視装置30は、最終的に、それが設けられている分散電源保有設備20内の分散電源28が単独運転になったことを検出したことになる。
単独運転監視装置30による単独運転検出後に分散電源28の解列を行うには、例えば、図2に示す例のように、上記単独運転検出信号S4 によってスイッチ22を開放しても良いし、上記単独運転検出信号S4 によってインバータ24にゲートブロックをかけて当該インバータ24を停止しても良いし、両者を併用しても良い。
なお、この例の単独運転監視装置30のように、一組の注入周波数の両方の注入周波数の電圧を測定して検出信号S1 、S2 のAND条件で検出信号S3 、単独運転検出信号S4 を出力するようにすると、単独運転検出を慎重に行って誤検出をより確実に防止することができるので好ましいけれども、いずれか一方の注入周波数の電圧のみを測定して単独運転検出を行うようにしても良い。
分散電源連系システムにおける主要な課題には、上述した連系点の電圧上昇抑制の他に、分散電源28の単独運転検出があるけれども、分散電源保有設備20が単独運転監視装置30をも備えていることによって、この二つの主要な課題の解決に、前記電流注入装置40、注入周波数電圧測定装置120および同期制御装置50を共用することができるので、構成の簡素化を図ることができる。ひいては装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
図1に示した配電系統を模したシミュレーションモデルを用いて、単独運転検出のシミュレーションを行った結果の一例を図40に示す。
測定開始から3秒後の時刻t0 で変電所遮断器8を開放して単独運転を発生させた。上記電圧V21の絶対値|V21|は時刻t2 =3.035秒で判定値J1 以上になり、上記電圧V22の絶対値|V22|は時刻t1 =3.025秒で判定値J2 以上になり、上記単独運転監視装置30は両者のAND条件で判定するから、遅い方の時刻t2 =3.035秒で単独運転を検出した。最終的な単独運転検出は、即ち上記単独運転検出信号S4 の出力は、0.05秒に設定している上記継続確認時間T0 の経過後に行われた。
単独運転発生から最終的な単独運転検出までの時間T1 は次式で表されるので、0.1秒以内の高速検出を行うことができたことが分かる。
[数76]
1 =(t2 −t0 )+T0
=(3.035−3.000)+0.05
=0.085 [秒]
なお、上記(9−2)に示したように、各分散電源保有設備20の電流注入装置40が自設備の分散電源28の有効電力出力値Pout に応じた大きさの注入電流Iinj を注入する方式を採用している場合、注入周波数電圧測定装置120(図24参照)で測定し、上記単独運転監視装置30(図39参照)で単独運転判定に使用する注入周波数電圧Vinj (具体的にはその絶対値|V21|、|V22|)の大きさは上記有効電力出力値Pout の変動に伴って変動するけれども、(a)この有効電力出力値Pout の変動に伴う注入周波数電圧Vinj の変動と、(b)上記単独運転に伴う注入周波数電圧Vinj の変動とを比べると、(b)の方が急激かつ大きな変化となる。例えば上記(b)の場合に実際の配電系統1においては単独運転時に注入周波数電圧Vinj は0.1秒以内に1桁程度増大するのに対して、上記(a)の場合に分散電源28が太陽光発電システムの場合でも日射量変化によって有効電力出力値Pout が1桁変動するのに少なくとも秒単位の時間がかかるので、この(a)に伴う注入周波数電圧Vinj の変動は単独運転検出に支障を与えるものではない。また必要に応じて、上記注入周波数電圧Vinj の変動の速さを区別する時定数を有する回路を単独運転監視装置30等に設けておいても良い。
(13)系統連系保護装置180の説明
各分散電源保有設備20内の上記電流注入装置40、同期制御装置50、注入周波数電圧測定装置120および電圧上昇抑制装置130に着目すれば、これらの装置40、50、120および130は、当該分散電源保有設備20用の、電圧上昇抑制機能を有する系統連系保護装置180(図2参照)を構成している、と言うことができる。換言すれば、各分散電源保有設備20は、上記電流注入装置40、同期制御装置50、注入周波数電圧測定装置120および電圧上昇抑制装置130を有する系統連系保護装置180をそれぞれ備えている、と言うことができる。
この場合も、上記(9−1)に示したように、電流注入装置40が自設備の分散電源28の定格出力に応じた大きさの注入電流を注入する方式と、上記(9−2)に示したように、電流注入装置40が自設備の分散電源28の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を注入する方式の両方が採り得る。
この系統連系保護装置180は、前述したように、上記単独運転監視装置30を更に備えていても良い。その場合は、各系統連系保護装置180は、自設備内の分散電源28の単独運転を検出する単独運転検出機能をも有していることになる。
分散電源28がインバータ24を有している場合は、このインバータ24と系統連系保護装置180とを一体にして、パワーコンディショナ(略称PCS)と呼ばれる装置にしても良い。
(14)後続の分散電源保有設備用の系統連系保護装置
前述したように、上記分散電源連系システムを構築した後に、上記第1群および/または第2群を構成する分散電源保有設備20の数を変更(以下では増加に着目)しても良い。所要の分散電源保有設備20を、修理等のために別の(例えば新しい)分散電源保有設備と交換しても良い。
このような増加、交換等のために、上記分散電源連系システムの配電系統1に接続されて、上記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる分散電源保有設備を後続の分散電源保有設備と呼ぶことにすると、当該後続の分散電源保有設備は、例えば、上記分散電源保有設備20と実質的に同じ構成のものにすれば良い。
あるいは、系統連系保護装置に着目して、後続の分散電源保有設備用の系統連系保護装置を、上記分散電源保有設備20用の系統連系保護装置180(上記(13)項参照)と実質的に同じ構成にしても良い。要は、後続の分散電源保有設備用に、上記分散電源保有設備20用の系統連系保護装置180と実質的に同じ構成の系統連系保護装置を設けておけば良い。
即ち、この後続の分散電源保有設備およびそれ用の系統連系保護装置に、図2〜図5等に示した例と同じ符号を付して説明すると、後続の分散電源保有設備20用に上述したような系統連系保護装置180を設けておけば良い。この系統連系保護装置180は、上述したように、単独運転監視装置30を備えていても良い。この分散電源保有設備20、電圧上昇抑制装置130、系統連系保護装置180等の具体例は、前述したとおりであるので、ここでは重複説明を省略する。
上記のようにすれば、後続の分散電源保有設備20は、先行の(即ち先行して存在する)上記分散電源連系システムの一員となって、上記分散電源保有設備20、電圧上昇抑制装置130、系統連系保護装置180等について説明したのと同様の作用効果を奏することができる。
その場合、後続の分散電源保有設備20用の上記電流注入装置40に上記第1組の注入周波数f11およびf12が設定され、上記注入周波数電圧測定装置120に上記第2組の注入周波数f21およびf22が設定されている場合は、当該後続の分散電源保有設備20は第1群の分散電源保有設備の一員となる。反対に、後続の分散電源保有設備20用の上記電流注入装置40に上記第2組の注入周波数f21およびf22が設定され、上記注入周波数電圧測定装置120に上記第1組の注入周波数f11およびf12が設定されている場合は、当該後続の分散電源保有設備20は第2群の分散電源保有設備の一員となる。
換言すれば、後続の分散電源保有設備20を上記第1群の分散電源保有設備の一員にしたければ、後続の分散電源保有設備20用の上記電流注入装置40に上記第1組の注入周波数f11およびf12を設定し、上記注入周波数電圧測定装置120に上記第2組の注入周波数f21およびf22を設定しておけば良い。反対に、後続の分散電源保有設備20を上記第2群の分散電源保有設備の一員にしたければ、後続の分散電源保有設備20用の上記電流注入装置40に上記第2組の注入周波数f21およびf22を設定し、上記注入周波数電圧測定装置120に上記第1組の注入周波数f11およびf12を設定しておけば良い。
なお、後続の分散電源保有設備20用の系統連系保護装置180を構成する同期制御装置50の制御方式や構成は、上記分散電源連系システムの上記同期制御装置50の上記三つの制御方式(即ち、位相一致時刻制御方式、位相変化量制御方式および周波数制御方式)や三つの構成例(図14〜図16参照)について説明したのと同様の理由から、同一群に属することになる上記同期制御装置50の制御方式や構成と合わせて同一群内で統一されるようにしても良いし、異なるものとして複数の制御方式や構成が混在するようにしても良い。合わせれば、同期制御装置の設計、製作が容易になる等の利点がある。異なるものにしても良いのは、先に詳述したように、上記三つの制御方式は互いに実質的に等価であり、また上記三つの構成例は互いに実質的に等価の制御方式に基づいているからである。
また、先行の分散電源連系システムの上記同期制御装置50が備えている電流位相設定手段が、自設備うなりの位相が0度になるときの電流組の各電流の位相を0度に設定するものであり、うなり同期手段が、自設備うなりの位相と他群うなりの位相との位相差を0度にするものであるときは、それと同様に、後続の分散電源保有設備20用の系統連系保護装置180を構成する同期制御装置50が備えている電流位相設定手段は、自設備うなりの位相が0度になるときの電流組の各電流の位相を0度に設定するものになり、うなり同期手段は、自設備うなりの位相と他群うなりの位相との位相差を0度にするものになる。後続装置用の同期制御装置も、同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、自設備うなりを他群うなりに同期させるものだからである。
上記の場合は、後続装置用の電流位相設定手段は、自設備うなりの位相が0度になるときの電流組の各電流の位相を0度に設定するものであり、0度に設定する場合は0度以外に設定する場合と違って、特別な設定手段を設けなくて済むので、後続装置用の同期制御装置の構成を簡素化することができる。
同様に、先行の分散電源連系システムの上記同期制御装置50が備えている位相一致時刻発生手段が、うなり位相差を0度にする位相一致時刻Te(t)を発生するものであり、一致位相設定手段が、自設備うなりの位相が0度になるときの一致位相θe を0度に設定するものであるときは、それと同様に、後続の分散電源保有設備20用の系統連系保護装置180を構成する同期制御装置50が備えている位相一致時刻発生手段は、うなり位相差を0度にする位相一致時刻Te(t)を発生するものになり、一致位相設定手段は、自設備うなりの位相が0度になるときの一致位相θe を0度に設定するものになる。後続装置用の同期制御装置も、同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、自設備うなりを他群うなりに同期させるものだからである。
上記の場合は、後続装置用の一致位相設定手段は、自設備うなりの位相が0度になるときの一致位相を0度に設定するものであり、0度に設定する場合は0度以外に設定する場合と違って、特別な設定手段を設けなくて済むので、後続装置用の同期制御装置の構成を簡素化することができる。
先行の分散電源連系システムが、上記(9−1)に示したように電流注入装置40が自設備の分散電源28の定格出力に応じた大きさの注入電流を注入する方式を採用している場合は、後続装置用の系統連系保護装置180もこれと同じ方式を採用するものとし、上記(9−2)に示したように電流注入装置40が自設備の分散電源28の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を注入する方式を採用している場合は、後続装置用の系統連系保護装置180もこれと同じ方式を採用すれば良い。即ち、上記(9−1)の方式と(9−2)の方式とは、一つの分散電源連系システム内において混在させないことが好ましく、その理由は前述したとおりである。
この発明は、例えば太陽光発電システム等の複数の分散電源を配電系統に接続して、分散電源連系システムを構成する場合に適用することができる。
1 配電系統
16 低圧配電線
18 連系点
20 分散電源保有設備
28 分散電源
30 単独運転監視装置
40 電流注入装置
50 同期制御装置
120 注入周波数電圧測定装置
130 電圧上昇抑制装置
132 無効電力増加手段
134 有効電力減少手段
136 無効電力強制増加手段
138 有効電力強制減少手段
139 有効電力上限設定手段
140 判定回路
150 無効電力制御回路
160a、160b 有効電力制御回路
180 系統連系保護装置
s 連系点の電圧
inj 注入電流
inj 注入周波数電圧
「系統連系規程」、JEAC 9701−2006、社団法人日本電気協会 系統連系専門部会、平成18年8月30日第4版第2刷発行、頁16−17、42−53、99

Claims (23)

  1. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段をそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  2. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて減少させる有効電力強制減少手段をそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  3. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段をそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  4. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて減少させる有効電力強制減少手段とをそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  5. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段とをそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  6. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて増加させる無効電力強制増加手段をそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  7. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて減少させる有効電力強制減少手段をそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  8. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段をそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  9. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて減少させる有効電力強制減少手段とをそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  10. 分散電源をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続されており、かつ各分散電源保有設備は、それと前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方を有する電圧上昇抑制装置をそれぞれ備えている分散電源連系システムにおいて、
    (A)前記複数の分散電源保有設備を第1群と第2群との2群に分類し、
    (B)うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組および第2組の注入周波数を用いて、
    (C)前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (D)前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、
    (E)両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えており、
    (F)かつ両群の各分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段とをそれぞれ有している、ことを特徴とする分散電源連系システム。
  11. 前記複数の分散電源保有設備には、太陽電池と、当該太陽電池の出力を交流電力に変換するインバータとを有して成る分散電源を備えている分散電源保有設備が含まれており、
    前記インバータを有する分散電源保有設備の前記電圧上昇抑制装置は、前記インバータを制御するものである請求項1ないし10のいずれかに記載の分散電源連系システム。
  12. 前記複数の分散電源保有設備には、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧を監視して、当該電圧の増大から、自設備の分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置を備えている分散電源保有設備が含まれている請求項1ないし11のいずれかに記載の分散電源連系システム。
  13. 請求項1ないし5のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  14. 請求項1ないし5のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて減少させる有効電力強制減少手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  15. 請求項1ないし5のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  16. 請求項1ないし5のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、(c)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて減少させる有効電力強制減少手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  17. 請求項1ないし5のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の定格出力に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧および自設備の分散電源の有効電力出力値に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、(c)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧およびその時点の自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  18. 請求項6ないし10のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて増加させる無効電力強制増加手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  19. 請求項6ないし10のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて減少させる有効電力強制減少手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  20. 請求項6ないし10のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  21. 請求項6ないし10のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、(c)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて減少させる有効電力強制減少手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  22. 請求項6ないし10のいずれかに記載の分散電源連系システムの前記配電系統に接続されて、前記第1群および第2群の分散電源保有設備の内の一方の群の一員となる後続の分散電源保有設備のための系統連系保護装置であって、当該後続の分散電源保有設備を自設備、当該自設備が一員となる方の分散電源保有設備の群を自群、当該自設備が一員とならない方の分散電源保有設備の群を他群と呼ぶと、
    (A)前記第1組および第2組の内の一方の組の注入周波数の電流組を含む注入電流であって、自設備の分散電源の有効電力出力値に応じた大きさの注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、
    (B)自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって、前記第1組および第2組の内の他方の組の注入周波数を構成している少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置と、
    (C)自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置と、
    (D)(a)自設備と前記配電系統との連系点における基本波電圧が所定の上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて増加させる無効電力増加手段と、前記基本波電圧が前記上限値よりも高い場合に自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力を、前記基本波電圧と前記上限値との差に応じて減少させる有効電力減少手段との少なくとも一方と、(b)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する進相無効電力を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じて増加させる無効電力強制増加手段と、(c)自設備の分散電源を制御して当該分散電源から出力する有効電力の上限値を、前記基本波電圧の高低に拘わらず、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧に応じた削減電力を自設備の分散電源の定格出力から減じて得られる有効電力上限値に制限する有効電力上限設定手段とを有している電圧上昇抑制装置とを備えている、ことを特徴とする系統連系保護装置。
  23. 自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数の電圧を監視して、当該電圧の増大から、自設備の分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置を更に備えている請求項13ないし22のいずれかに記載の系統連系保護装置。
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