以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明は、複数のメディアを同時に利用するリッチメディアコミュニケーションにおいて、端末間連携によって、メディアの品質の劣化の予兆を検出して、メディアの品質が劣化する前に、流量を調整して品質の劣化を回避する劣化予兆検出および劣化回避の分野に関する。本発明によるコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、複数のメディアを統合利用したコミュニケーションをする2つの端末間において、複数のメディアの通信品質の劣化の予兆を端末毎に検出し、端末間で通信品質の劣化情報を交換し、各メディアの通信流量にフィードバックをかけて通信流量を変更するよう制御する。
まず、本発明によるコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムを用いたネットワークシステムのネットワーク構成例について説明する。図1は、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムを用いたネットワークシステムのネットワーク構成例を示すブロック図である。
なお、本実施形態において、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、例えば、音声、映像及びデータ共有を組み合わせたWeb会議システムや、ソフトフォン等の複数のメディアを統合したコミュニケーションシステムに適用できる。
図1に示すように、本実施形態では、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムを用いたネットワークシステムは、複数の端末111〜115と、複数のIPネットワーク101〜103とを含む。また、図1に示すように、各IPネットワーク101〜103には、複数の端末111〜115が接続されている。また、IPネットワーク101〜103は複数の境域拠点を拠点間回線で結ばれており、IPネットワーク101〜103は、それぞれ拠点間回線で接続されている。
また、図1に示すように、各IPネットワーク101〜103は、それぞれルータ121〜126を含む。例えば、拠点間回線を経由してIPネットワーク101〜103間でデータの送受信が行われるときには、ルータ123〜126をデータが通過する。また、本実施形態では、1つのIPネットワークの拠点内においても複数のルータ121,122等が無数に存在しており、DiffServによる優先度制御されたルータを経由してデータの送受信を行う場合を想定している。
図1に示すようなネットワークシステムにおいて、端末が利用する拠点間回線において、複数のメディアを統合利用してコミュニケーションを行うときに、それぞれのメディアによるデータは、IPレベルで同一の回線を通過する。この場合、一般に、他のアプリケーションを用いた通信によるデータも同一の拠点間回線を通過するので、利用可能帯域が不足すると、輻輳が発生して、品質が劣化してしまう。そこで、本実施形態では、複数のメディアを同時に利用するリッチメディアコミュニケーションにおいて、メディア毎に通信品質の劣化の予兆を検出して、品質劣化の情報を端末間でリアルタイムに交換する。そのようにすることによって、本実施形態では、通信品質の劣化がコミュニケーション品質に影響を与える前に、通信品質の劣化を事前に回避するようにしている。
なお、図1に示すネットワークシステムの構成例は一例であり、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、様々な構成のネットワークシステムに適用可能である。例えば、図1では、ネットワークシステムが3つのIPネットワーク101〜103を含む場合を示しているが、3つに限らず、例えば、ネットワークシステムは、4以上のIPネットワークを含むものであってもよい。また、例えば、図1では、5つの端末111〜115を含む場合を示しているが、5つに限らず、例えば、ネットワークシステムは、6以上の端末を含んでいてもよい。
次に、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムの機能構成について説明する。図2は、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、説明を簡単にするために、図2に示す例では、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システム、端末210を中心として、通信相手端末220と、隣接端末230とを含む場合を説明する。端末210〜230は、具体的には、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理端末によって実現される。
なお、隣接端末230は、端末210の通信相手ではないが同一拠点に存在する端末である。また、図2に示す例では、端末210と、通信相手端末220と、隣接端末230とを分けて示しているが、実際には双方向でコミュニケーションを行うので、端末210、端末220、端末230には、同一の機能が対称的に存在する。また、図2に示す端末210〜230は、図1に示した端末111〜115に相当する。
端末210は、通信経路管理部211、品質劣化測定部212、劣化情報交換部213、品質劣化予兆検出部214、品質調整部215、記憶部216、メディア受信部217、及びメディア送信部218を含む。なお、本実施形態では、メディアとして、例えば、音声通信や、映像通信、資料共有による通信、アプリケーション共有による通信を想定する。また、メディアとして、例えば、チャット等のリアルタイムコミュニケーションを想定する。
通信経路管理部211は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPUによって実現される。通信経路管理部211は、通信経路の接続情報のリストを記憶部216に記憶させ管理する機能を備える。具体的には、通信経路管理部211は、定期的に(所定期間毎に)、ネットワークシステムが備えるWebサーバ(図示せず)から、ネットワークを介して、通信経路の接続情報のリストをダウンロードする機能を備える。また、通信経路管理部211は、通信経路が変更されたときに、ダウンロードした情報に基づいて、記憶部216に記憶する通信経路の接続情報のリストを更新する機能を備える。
なお、本実施形態では、通常、通信経路の変更には回線工事が必要となるので、頻繁には通信経路の変更が発生しないことを前提とする。
図3は、通信経路の接続情報のリストの例を示す説明図である。図3に示すように、通信経路管理部211は、通信経路の接続情報のリスト(通信経路情報340のリスト)として、拠点間回線の終端となるA拠点識別子341と、B拠点識別子342とのリストを記憶部216に記憶させる。通信経路は複数の拠点にまたがって接続される。例えば、図1に示す例では、IPネットワーク101、IPネットワーク102、及びIPネットワーク103が直列接続されている。そのため、IPネットワーク101とIPネットワーク103との通信経路情報は、IPネットワーク101とIPネットワーク102との通信経路情報、及びIPネットワーク102とIPネットワーク103との通信経路情報を接続した情報となる。なお、この通信経路情報340は、記憶部216に格納される。
品質劣化測定部212は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPUによって実現される。品質劣化測定部212は、通信相手端末220から受信したデータに基づいて、メディア毎に、各メディアによる通信の品質劣化を測定する機能を備える。また、品質劣化測定部212は、測定結果に基づいて、受信したデータの通信に用いたメディアに対応する品質劣化交換情報を作成する機能を備える。なお、品質劣化交換情報とは、端末210と通信相手端末220との間の通信品質の劣化状況を示す情報であって、端末210と通信相手端末220との間で相互に交換される。
図4は、品質劣化測定部212が通信の品質劣化を測定して求める品質劣化情報の例を示す説明図である。図4に示すように、品質劣化情報310は、メディア種別311、通信種別312、遅延313、パケットロス314、及び影響メディア315を含む。
品質劣化測定部212は、通信の品質劣化を、パケットロス314の発生率と通信遅延313の時間とに基づいて判定する。そして、品質劣化測定部212は、パケットロスが多くなった、又は通信遅延時間が長くなったと判定すると、通信品質が劣化していると判定する。
また、図4において、メディア番号311は、通信に用いられるメディアを識別するための識別子であり、音声通信や、映像通信、資料共有による通信、アプリケーション共有による通信、チャット等のメディア毎に割り振られる。また、通信種別312は、通信種別がTCPであるかUDPであるかを区別するための識別子である。また、影響メディア315は、メディア間の影響関係を指定する情報である。
また、品質劣化測定部212は、メディア受信部217が受信するデータに基づいて、複数のメディアによる通信品質を個別に測定し、メディア毎に品質劣化情報310を集計する。また、品質劣化測定部212は、各メディアの受信帯域を監視し、通信帯域が削減されたかどうかを判定する。そして、品質劣化測定部212は、それらの判定結果に基づいて、品質劣化交換情報を作成する。
図5は、品質劣化測定部212が作成する品質劣化交換情報の例を示す説明図である。図5に示すように、品質劣化交換情報320は、送信側拠点識別子321、受信側拠点識別子322、メディア毎の品質劣化情報323、メディア毎の利用帯域324、及びメディア毎の削減帯域325を含む。
図5において、送信側拠点識別子321は、通信相手端末220の拠点を示す識別子である。また、受信側拠点識別子322は、受信側である端末210自身の拠点を示す識別子である。また、メディア毎の品質劣化情報323は、パケットロスや通信遅延の割合をメディア毎に示す情報である。また、メディア毎の利用帯域324は、メディアが実際に利用している帯域をメディア毎に示す情報である。また、メディア毎の削減帯域325は、本実施形態で示すコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避方法等によって、希望している帯域よりも削減された帯域量をメディア毎に示す情報である。
劣化情報交換部213は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。品質劣化情報交換部213は、通信拠点間の通信品質の劣化状況を示す拠点間の劣化情報を作成する機能を備える。また、劣化情報交換部213は、通信相手端末220と、ネットワークを介して品質劣化交換情報320を交換する機能を備える。具体的には、劣化情報交換部213は、品質劣化測定部212が生成した品質劣化交換情報320を通信相手端末220に送信するとともに、通信相手端末220側で作成された品質劣化交換情報320を、ネットワークを介して通信相手端末220から受信する。例えば、劣化情報交換部213は、通信相手端末220、及び端末210と同じ拠点内における隣接端末230と、ブロードキャストパケットを交換することによって、他のコミュニケーションにおける通信品質の劣化状況を示す情報を取得する。
また、劣化情報交換部213は、通信相手端末220及び隣接端末230と、ネットワークを介して拠点間の劣化情報を交換する機能を備える。具体的には、劣化情報交換部213は、生成した拠点間の劣化情報を通信相手端末220や隣接端末230に送信するとともに、通信相手端末220や隣接端末230側で作成された拠点間の劣化情報を、ネットワークを介して通信相手端末220や隣接端末230から受信する。
また、劣化情報交換部213は、多数の拠点間回線におけるメディア毎の品質劣化情報を算出し、記憶部216に記憶させる機能を備える。
なお、隣接端末は同一拠点に存在する端末であり、劣化情報交換部213は、ルータのサブネットマスク内にある端末に対してブロードキャストパケットで送信することによって、交換すべき品質劣化交換情報320と拠点間の劣化情報とを隣接端末230に転送する。
また、劣化情報交換部213は、拠点間の劣化情報を作成する場合、端末210内で作成した品質劣化交換情報320、及び通信相手端末220と隣接端末230とから受信した品質劣化交換情報320に基づいて、拠点間の劣化情報を作成する。
図6は、劣化情報交換部213が作成する拠点間の劣化情報の例を示す説明図である。図6に示すように、拠点間の劣化情報330は、管理番号331、送信側拠点識別子332、受信側拠点識別子333、依存拠点識別子情報334、メディア毎の品質劣化情報335、メディア毎の利用帯域合計336、メディア毎の削減帯域合計337、更新時間338、及び集計回数339を含む。
図6に示すように、拠点間の劣化情報330は、管理番号331、送信側拠点識別子332、及び受信側拠点識別子333を含み、劣化情報交換部213は、これらの情報をキーにして、拠点間の劣化情報を集計する。また、劣化情報交換部213は、品質劣化交換情報320の送信側識別子321と受信側識別子322とが同一である品質劣化情報320に対応するメディア毎の品質劣化情報323を合計して、メディア毎の品質劣化情報335を求める。また、劣化情報交換部213は、品質劣化交換情報320の送信側識別子321と受信側識別子322とが同一である品質劣化情報320に対応するメディア毎の利用帯域324を合計して、メディア毎の利用帯域合計336を求める。また、劣化情報交換部213は、品質劣化交換情報320の送信側識別子321と受信側識別子322とが同一である品質劣化情報320のメディア毎の削減帯域325を合計して、メディア毎の削減帯域合計337を求める。
また、劣化情報交換部213は、集計処理を実行した時間を更新時間338として求め、集計回数339を1と求める。なお、劣化情報交換部213は、以前に集計処理を実行したときの拠点間の劣化情報330の集計回数339が1であり、送信側拠点識別子332と受信側拠点識別子333とが同じ値である拠点間の劣化情報330が存在している場合には、その以前の拠点間の劣化情報330を廃棄する。
また、劣化情報交換部213は、品質劣化交換情報320に基づいて集計して求めた拠点間の劣化情報330の中で、拠点間の劣化情報330の送信側拠点識別子332と受信側拠点識別子333とが、記憶部216に記憶する通信経路情報340に含まれるA拠点識別子341とB拠点識別子342との対と一致するものがあるか否かを判断する。
一致するものがない場合には、劣化情報交換部213は、拠点間回線で直接結ばれる隣接拠点ではないと判断し、複数の拠点間回線を経由すると判断する。その場合、劣化情報交換部213は、依存拠点識別子情報334として、経由する拠点の拠点間の劣化情報330を示す送信側拠点識別子と受信側拠点識別子との対を列挙して求める。これは、複数の拠点間の通信回線が影響している可能性があることを明確にするためである。
また、通過している拠点の拠点間の劣化情報330が存在している場合には、劣化情報交換部213は、メディア毎の利用帯域の合計336、及びメディア毎の削減帯域の合計337を、通過している拠点の拠点間の劣化情報330にも加算して反映させる。
本実施形態では、拠点間の劣化情報330は、通信相手端末220及び隣接端末230と随時交換されていくことによって、さらに拠点間の劣化情報の集計範囲が拡大されていく。
劣化情報交換部213は、拠点間の劣化情報330の送信側拠点識別子332と受信側拠点識別子333とが同じ値で、集計回数339が同じ値であるものを集計する。このとき、劣化情報交換部213は、更新時間338が指定時間よりも古いものを除外して集計を行う。
また、拠点間の劣化情報330を集計する場合には、他の端末に転送された品質劣化交換情報320が各端末で集計されて、その結果、それぞれの端末で作成される拠点間の劣化情報330に反映される。そのため、品質劣化交換情報320が多重に集計される可能性がある。従って、劣化情報交換部213は、メディア毎の品質劣化情報335、メディア毎の利用帯域合計336、及びメディア毎の削減帯域合計337を合計するのではなく、最悪値を求め、集計回数339を1加算した拠点間の劣化情報330を作成する。この場合、劣化情報交換部213は、メディア毎の品質劣化情報335として最大値を求め、メディア毎の利用帯域合計336として最小値を求め、メディア毎の削減帯域合計337として最大値を求める。また、劣化情報交換部213は、更新時間338として集計対象の拠点間の劣化情報の更新時間338のうち、最も古い時間を求める。
なお、劣化情報交換部213は、集計回数が一定数以上の拠点間の劣化情報330については、他の端末に転送されないように制御する。
また、集計回数が2以上である拠点間の劣化情報330が他の端末から転送されて複数存在した場合、劣化情報交換部213は、更新時間338が最新である拠点間の劣化情報330を採用して処理を実行する。そのようにすることによって、劣化情報交換部213は、何度も集計する手間を省き、集計回数が無限に増えることを防止している。
また、集計した拠点間の劣化情報の中に、通信経路情報340に含まれる拠点間回線の情報が存在しない場合には、劣化情報交換部213は、格納されている拠点間の劣化情報330の中から、依存拠点識別子情報334に含まれる拠点識別子のリストが通信経路情報340に相当するものを検索して特定する。そして、劣化情報交換部213は、特定した情報を予測情報として、格納された拠点間の劣化情報330のメディア毎の品質劣化情報335、メディア毎の利用帯域の合計336、メディア毎の削減帯域の合計337をコピーして、該当する拠点間の通信における拠点間の劣化情報330として作成する。なお、劣化情報交換部213は、予測情報であることを識別するために、集計回数339を0として拠点間の劣化情報330を作成するものとする。
品質劣化予兆検出部214は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPUによって実現される。品質劣化予兆検出部214は、拠点間の劣化情報330に基づいて、各メディアによる通信品質の劣化情報から他のメディアによる通信品質劣化の予兆を検出する機能を備える。品質劣化情報310はメディア毎に記憶部216に格納されており、品質劣化予兆検出部214は、通信品質劣化が判明した場合には、品質劣化情報310に含まれる影響メディア315で列挙されているメディアの帯域を順に削減する処理を行う。そのようにすることによって、品質劣化予兆検出部214は、影響メディアの品質劣化の発生を事前に回避する。なお、品質劣化予兆検出部214は、既に通信を行っているメディアに対する通信品質劣化回避の処理と、新たに通信を開始するメディアに対する通信品質劣化回避の処理とを別々に行う。
また、品質劣化予兆検出部214は、既に通信しているメディアに対する通信品質劣化回避の処理だけを行う場合には、メディアを用いた通信が行われる拠点同士の拠点間の劣化情報330を参照する。該当する拠点間の劣化情報330が存在しない場合には、品質劣化予兆検出部214は、既存の拠点間の劣化情報330に基づいて、中継する拠点間回線に関する拠点間の劣化情報330から作成する。中継する拠点間回線が複数あり、複数の拠点間の劣化情報330がある場合には、品質劣化予兆検出部214は、最悪値を集計する。また、品質劣化予兆検出部214は、拠点間の劣化情報330に基づいて、メディア毎の劣化を判定する。劣化が発生している場合には、品質劣化予兆検出部214は、処理対象のメディア自身及び影響メディア315で示したメディアの帯域を削減するように、品質調整部215に指示する。
また、新しいメディアに対する通信品質劣化回避の処理を行なう場合には、他のメディアを用いた通信が既に行われている場合が多いので、新たな通信による品質劣化を回避する必要がある。そこで、品質劣化予兆検出部214は、まず、拠点間の劣化情報330に含まれるメディア毎の削減帯域合計337を参照し、既に削減されている帯域があるか否かを判断する。既に削減されている帯域がある場合には、新たな通信を行うと、帯域が逼迫してパケットロスや通信遅延の増加等で通信品質が劣化する可能性が高いので、品質劣化予兆検出部214は、依存関係で示したメディアに対する帯域を削減する。
以上の機能により、端末210において、通信品質劣化を回避するために帯域の削減が行われる。また、他の端末でも同様に、拠点間の劣化情報330を交換しているので、それぞれの端末がメディアに対する帯域を削減する。このように、各端末が交換した拠点間の劣化情報330に基づいて帯域を調整することによって、共有している拠点間の回線で通信品質の劣化が発生する可能性が低減される。
品質調整部215は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPUによって実現される。品質調整部215は、品質劣化予兆検出部214の指示に従って、各メディアに対して帯域の調整を行う機能を備える。なお、メディアによって帯域の削減割合が異なり、例えば、音声通信を行う場合には、帯域の削減の幅が小さい。また、映像通信を行う場合には、画質の品質を落とすことによって、帯域の削減の幅を広くすることができる。また、資料共有やアプリケーション共有による通信を行う場合には、時間を遅らせることによって帯域の削減を行うことが可能である。品質調整部215は、メディア毎に帯域の削減の指示に従って帯域削減の処理を行うが、音声通信のように帯域の削減が不可能であるメディアによる通信を行う場合には、影響メディアで示された別のメディアに対する帯域を削減することで対応できる。
記憶部216は、具体的には、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置によって実現される。記憶部216は、品質劣化情報310、品質劣化交換情報320、拠点間の劣化情報330、及び通信経路情報340を格納する。
メディア受信部217は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。メディア受信部217は、音声通信や、映像通信、資料共有による通信、アプリケーション共有による通信、チャット等の各メディアを用いた通信を行って、ネットワークを介してデータを受信する機能を備える。また、メディア受信部217は、通信相手端末220から受信した通信の状況を示す情報を、品質劣化測定部212に通知(出力)する機能を備える。また、メディア受信部217は、受信した通信の状況を示す情報を、モニタ(図示せず)の画面に表示させたり、スピーカから音声出力させたりする機能を備える。
メディア送信部218は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。メディア送信部218は、音声通信や、映像通信、資料共有による通信、アプリケーション共有による通信、チャット等の各メディアを用いたデータを、ネットワークを介して送信し、通信相手端末220に転送する機能を備える。なお、メディア送信部218は、データの送信に関して、通信帯域を品質調整部215によって指定されたメディア毎の利用帯域324に絞ってデータ送信を行う。また、メディア送信部218は、品質調整部215によって帯域の削減が指示された場合には、メディア毎の削減帯域325を、通信データに載せて(付加して)送信する。
通信相手端末220は、劣化情報交換部223、メディア受信部227、及びメディア送信部228を含む。なお、劣化情報交換部223の機能は、端末210の劣化情報交換部213の機能と同様である。また、メディア受信部227の機能は、端末210のメディア受信部217の機能と同様である。また、メディア送信部228の機能は、端末210のメディア送信部218の機能と同様である。
隣接端末230は、劣化情報交換部233を含む。なお、劣化情報交換部233の機能は、端末210の劣化情報交換部213の機能と同様である。
なお、端末210の記憶装置(例えば、記憶部216)は、通信品質の劣化を検出し、通信品質の劣化を回避する処理を実行するための各種プログラムを記憶している。例えば、端末210の記憶装置は、コンピュータに、メディア毎に通信品質の劣化を測定する品質劣化測定処理と、通信相手の端末との間、及び通信元の端末と同じ拠点内に存在する他の端末との間で、通信品質の劣化状況を示す交換情報を交換して、各拠点間の通信品質劣化の状況を集計する品質劣化情報交換処理と、メディア間の影響関係を指定する影響関係情報に基づいて、通信品質の劣化の影響が伝播する可能性がある他のメディアを事前に検出することによって、通信品質劣化を予兆検出する予兆検出処理とを実行させるためのコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避プログラムを記憶している。
次に、動作について説明する。図7は、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムにより、通信品質の劣化を検出し、通信品質の劣化を回避する処理の一例を示す流れ図である。コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、所定のタイミングで、品質劣化計測の制御を開始する。例えば、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、所定期間毎に、品質劣化計測の制御を開始するようにしてもよい。また、例えば、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、ユーザによって処理開始の指示操作が行われたことに基づいて、品質劣化計測の制御を開始するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、品質劣化計測の制御が開始されるまでの間には、各メディアによるデータの送受信が随時行われているものとする。
品質劣化計測の制御を開始すると、端末210は、通信相手端末220から受信したデータに基づいて、各メディアによる通信の品質劣化を測定し、受信したデータの通信に用いたメディアに対応する品質劣化交換情報320を作成する(ステップS411)。この場合、端末210は、通信の品質劣化を、パケットロス314の発生率と通信遅延313の時間とに基づいて判定する。そして、端末210は、パケットロスが多くなった、又は通信遅延時間が長くなったと判定すると、通信品質が劣化していると判定する。
また、図4に示すように、品質劣化情報310において、メディア番号311は、音声通信や、映像通信、資料共有による通信、アプリケーション共有による通信、チャット等のメディア毎に割り振られる。また、通信種別312は、通信種別がTCPであるかUDPであるかを区別するための識別子である。
端末210の品質劣化測定部212は、メディア受信部217が受信するデータに基づいて、複数のメディアによる通信品質を個別に測定し、メディア毎に品質劣化情報310を集計する。また、品質劣化測定部212は、各メディアの受信帯域を監視し、通信帯域が削減されたかどうかを判定する。そして、品質劣化測定部212は、それらの判定結果に基づいて、品質劣化交換情報320を作成する。
図5に示すように、品質劣化交換情報320は、送信側拠点識別子321、受信側拠点識別子322、メディア毎の品質劣化情報323、メディア毎の利用帯域324、及びメディア毎の削減帯域325を含む。ここで、送信側拠点識別子321は、通信相手端末220の拠点を示す識別子である。また、受信側拠点識別子322は、受信側である端末210自身の拠点を示す識別子である。また、メディア毎の品質劣化情報323は、パケットロスや通信遅延の割合をメディア毎に示す情報である。また、メディア毎の利用帯域324は、メディアが実際に利用している帯域をメディア毎に示す情報である。また、メディア毎の削減帯域325は、本実施形態で示すコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避方法等によって、希望している帯域よりも削減された帯域量をメディア毎に示す情報である。
次に、端末210は、品質劣化情報を通信相手端末220と交換する(ステップS412)。通信相手の端末側で作成された劣化情報を入手することによって、端末210は、送信に用いるメディアについて受信側の劣化情報交換情報320を取得することができる。また、端末210は、通信相手端末222が保有している多数の拠点間の劣化情報330を入手する(受信する)ことによって、広範囲の拠点間の通信品質の劣化情報を入手できる。
次に、端末210は、品質劣化情報を拠点内の各隣接端末230端末間と交換する(ステップS413)。隣接端末は同一拠点に存在する端末であり、端末210は、ルータのサブネットマスク内にある端末に対してブロードキャストパケットで送信することによって、交換すべき品質劣化交換情報320と拠点間の劣化情報330とを隣接端末230に転送する。そして、端末210内で作成した品質劣化交換情報320、及び通信相手端末220と隣接端末230とから受信した品質劣化交換情報320に基づいて、拠点間の劣化情報330を作成する。
次に、端末210は、拠点間の劣化情報の算出を行う(ステップS414)。図6に示すように、拠点間の劣化情報330は、管理番号331、送信側拠点識別子332、及び受信側拠点識別子333を含み、端末210は、これらの情報をキーにして、拠点間の劣化情報を集計する。また、端末210は、品質劣化交換情報320の送信側識別子321と受信側識別子322とが同一である品質劣化情報320に対応するメディア毎の品質劣化情報323を合計して、メディア毎の品質劣化情報335を求める。また、端末210は、品質劣化交換情報320の送信側識別子321と受信側識別子322とが同一である品質劣化情報320に対応するメディア毎の利用帯域324を合計して、メディア毎の利用帯域合計336を求める。また、端末210は、品質劣化交換情報320の送信側識別子321と受信側識別子322とが同一である品質劣化情報320のメディア毎の削減帯域325を合計して、メディア毎の削減帯域合計337を求める。
また、端末210は、集計処理を実行した時間を更新時間338として求め、集計回数339を1と求める。なお、端末210は、以前に集計処理を実行したときの拠点間の劣化情報330の集計回数339が1であり、送信側拠点識別子332と受信側拠点識別子333とが同じ値である拠点間の劣化情報330が存在している場合には、その以前の拠点間の劣化情報330を廃棄する。
また、端末210は、品質劣化交換情報320に基づいて集計して求めた拠点間の劣化情報330の中で、拠点間の劣化情報330の送信側拠点識別子332と受信側拠点識別子333とが、記憶部216に記憶する通信経路情報340に含まれるA拠点識別子341とB拠点識別子342との対と一致するものがあるか否かを判断する。
一致するものがない場合には、端末210は、拠点間回線で直接結ばれる隣接拠点ではないと判断し、複数の拠点間回線を経由すると判断する。その場合、端末210は、依存拠点識別子情報334として、経由する拠点の拠点間の劣化情報330を示す送信側拠点識別子と受信側拠点識別子との対を列挙して求める。これは、複数の拠点間の通信回線が影響している可能性があることを明確にするためである。
また、通過している拠点の拠点間の劣化情報330が存在している場合には、端末210は、メディア毎の利用帯域の合計336、及びメディア毎の削減帯域の合計337を、通過している拠点の拠点間の劣化情報330にも加算して反映させる。
本実施形態では、拠点間の劣化情報330は、通信相手端末220及び隣接端末230と随時交換されていくことによって、さらに拠点間の劣化情報の集計範囲が拡大されていく。
端末210は、拠点間の劣化情報330の送信側拠点識別子332と受信側拠点識別子333とが同じ値で、集計回数339が同じ値であるものを集計する。このとき、端末210は、更新時間338が指定時間よりも古いものを除外して集計を行う。
また、拠点間の劣化情報330を集計する場合には、他の端末に転送された品質劣化交換情報320が各端末で集計されて、その結果、それぞれの端末で作成される拠点間の劣化情報330に反映される。そのため、品質劣化交換情報320が多重に集計される可能性がある。従って、端末210は、メディア毎の品質劣化情報335、メディア毎の利用帯域合計336、及びメディア毎の削減帯域合計337を合計するのではなく、最悪値を求め、集計回数339を1加算した拠点間の劣化情報330を作成する。この場合、端末210は、メディア毎の品質劣化情報335として最大値を求め、メディア毎の利用帯域合計336として最小値を求め、メディア毎の削減帯域合計337として最大値を求める。また、端末210は、更新時間338として集計対象の拠点間の劣化情報の更新時間338のうち、最も古い時間を求める。
なお、端末210は、集計回数が一定数以上の拠点間の劣化情報330については、他の端末に転送されないように制御する。
また、集計した拠点間の劣化情報の中に、通信経路情報340に含まれる拠点間回線の情報が存在しない場合には、端末210は、格納されている拠点間の劣化情報330の中から、依存拠点識別子情報334に含まれる拠点識別子のリストが通信経路情報340に相当するものを検索して特定する。そして、端末210は、特定した情報を予測情報として、格納された拠点間の劣化情報330のメディア毎の品質劣化情報335、メディア毎の利用帯域の合計336、メディア毎の削減帯域の合計337をコピーして、該当する拠点間の通信における拠点間の劣化情報330として作成する。なお、端末210は、予測情報であることを識別するために、集計回数339を0として拠点間の劣化情報330を作成するものとする。
次に、端末210は、通信相手の端末の拠点間に関する品質劣化情報の抽出を行う(ステップS415)。端末210は、該当する拠点間の劣化情報330が存在する場合には、その情報を利用して品質劣化情報の抽出を行う。また、端末210は、該当する拠点間の劣化情報330が存在しない場合には、既存の拠点間の劣化情報330に基づいて、中継する拠点間回線に関する拠点間の劣化情報330から作成する。中継する拠点間回線が複数あり、複数の拠点間の劣化情報330がある場合には、端末210は、最悪値を集計する。
次に、端末210は、通信相手への回線に関する削減帯域を合計する(ステップS416)。この場合、端末210は、ステップS416で抽出した通信相手の端末の拠点間に関する品質劣化情報に基づいて、該当する削減帯域を特定する。
そして、端末210は、通信で用いるセッションが新しいセッションであるかどうかを判定する(ステップS417)。新しいセッションでない場合には、端末210は、ステップS418の制御に移行する。また、端末210は、新しいセッションである場合にはステップS419の制御に移行する。
ステップS418の処理は、新しいセッションがない場合に実行される。この場合、端末210は、通信品質の劣化が発生しているかどうかを判定する(ステップS418)。そして、端末210は、通信品質が劣化していた場合にはステップS420の制御に移行する。また、端末210は、通信品質が劣化してない場合には、通信品質回避の制御を行う必要がないので、処理を終了する。
新しいセッションがあった場合には、端末210は、既に通信帯域が削減されているか否かの判定を行う(ステップS419)。この場合、端末210は、拠点間の劣化情報330に含まれるメディア毎の削減帯域合計337を参照し、既に通信帯域が削減されているか否かを判定する。既に削減されている帯域がある場合には、新たな通信を行うと、帯域が逼迫してパケットロスや通信遅延の増加等によって通信品質が劣化する可能性が高い。そのため、端末210は、依存関係で示したメディアの帯域を削減するために、ステップS420の制御に移行する。既に削減されている帯域がない場合には、端末210は、そのまま処理を終了する。
ステップS420では、端末210は、影響メディア315で示したメディアの帯域を削減する。この場合、端末210は、処理対象のメディア自身及び影響メディア315で示したメディアの帯域を削減するように、品質調整部215に指示する。
ステップS421では、端末210は、音声通信や、映像通信、資料共有による通信、アプリケーション共有による通信、チャット等の各メディアを用いたデータを、ネットワークを介して送信し、通信相手端末220に転送する。なお、端末210は、データの送信に関して、通信帯域を品質調整部215によって指定されたメディア毎の利用帯域324に絞ってデータ送信を行う。また、端末210は、品質調整部215によって帯域の削減が指示された場合には、メディア毎の削減帯域325を、通信データに載せて(付加して)送信する。
以上の処理によって、通信品質の劣化を検出し、通信品質の劣化を回避するための一連の制御が終了し、一定時間経過後にステップS411以降の処理が繰り返し実行される。
以上のように、本実施形態によれば、端末210は、メディア毎に通信品質の劣化を計測し、通信相手端末220及び拠点内の他の隣接端末220と品質劣化情報を交換する。そして、劣化が発生している端末やメディアの通信帯域を削減するだけでなく、劣化に影響を及ぼす他の端末及び自身の端末の影響メディアの利用帯域をも削減する。そのようにすることによって、本実施形態では、メディア全体で劣化が発生する前に、事前に劣化の発生を防止することができる。
また、本実施形態によれば、コミュニケーションの品質の劣化の情報を、通信相手の端末及び拠点内の端末と交換することによって、端末同士の通信回線に対するメディア毎の通信品質の劣化の予兆を検出する。そして、ミドルウェアがメディア間の品質劣化の相関関係に基づいて、各メディアの通信流量にフィードバックをかけて通信流量を変更するように、拠点間の通信帯域を共有する全端末に対して制御する。そのため、メディア毎にコミュニケーション品質の劣化の予兆を検出して、劣化の発生を防止できることである。
次に、本発明によるコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムの最小構成について説明する。図8は、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムの最小の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、最小の構成要素として、品質劣化測定部212、劣化情報交換部213、及び品質劣化予兆検出部214を含む。
品質劣化測定部212は、メディア毎に通信品質の劣化を測定する機能を備える。また、劣化情報交換部213は、通信相手の端末との間、及び通信元の端末と同じ拠点内に存在する他の端末との間で、通信品質の劣化状況を示す交換情報を交換して、各拠点間の通信品質劣化の状況を集計する機能を備える。また、品質劣化予兆検出部214は、メディア間の影響関係を指定する影響関係情報に基づいて、通信品質の劣化の影響が伝播する可能性がある他のメディアを事前に検出することによって、通信品質劣化を予兆検出する機能を備える。
図8に示す最小構成のコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムによれば、メディア毎に通信品質の劣化を計測し、通信相手の端末との間、及び通信元の端末と同じ拠点内に存在する他の端末との間で、通信品質の劣化状況を示す交換情報を交換する。そして、メディア間の影響関係を指定する影響関係情報に基づいて、通信品質の劣化の影響が伝播する可能性がある他のメディアを事前に検出することによって、通信品質劣化を予兆検出する。そのため、複数のメディアを同時に利用する場合に、通信品質の劣化がコミュニケーション品質に影響を与える前に、通信品質の劣化を事前に回避することができる。
なお、上記に示した実施形態では、以下の(1)〜(5)に示すようなコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムの特徴的構成が示されている。
(1)コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、複数のメディアを同時に利用する双方向コミュニケーションにおける通信品質の劣化を検出するコミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムであって、メディア毎に通信品質の劣化を測定する品質劣化測定手段(例えば、品質劣化測定部212によって実現される)と、通信相手の端末(例えば、通信相手端末220)との間、及び通信元の端末(例えば、端末210)と同じ拠点内に存在する他の端末(例えば、隣接端末230)との間で、通信品質の劣化状況を示す交換情報(例えば、品質劣化交換情報320、拠点間の劣化情報330)を交換して、各拠点間の通信品質劣化の状況を集計する品質劣化情報交換手段(例えば、劣化情報交換部213によって実現される)と、メディア間の影響関係を指定する影響関係情報(例えば、品質劣化情報310に含まれる影響メディア315)に基づいて、通信品質の劣化の影響が伝播する可能性がある他のメディアを事前に検出することによって、通信品質劣化を予兆検出する予兆検出手段(例えば、品質劣化予兆検出部214によって実現される)とを備えたことを特徴とする。
(2)コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムは、通信品質が劣化したメディアだけでなく、影響関係情報で指定されたメディアの通信帯域を変更することによって、通信品質調整を行う品質調整手段(例えば、品質調整部215によって実現される)を備えるように構成されていてもよい。
(3)コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムにおいて、品質劣化情報交換手段は、交換情報を他の端末と交換するときに、拠点間の劣化情報として集約した情報を交換情報として送受信することによって、他の端末と交換する情報量を削減し、拠点間の劣化情報をさらに集計するときに、劣化情報を合計するのではなく劣化情報の最悪値を求めるように構成されていてもよい。そのようにすることによって、2重集計の影響を防止することができる。
(4)コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムにおいて、予兆検出手段は、予め与えられた通信経路情報に基づいて、通信品質の劣化を集計し、当該通信品質の集計結果に基づいて通信品質の劣化を推定し、通信品質の集計結果が得られなかった通信経路については、当該通信経路における通信品質の劣化情報を通信品質の集計結果として代用して用いることによって、通信品質の劣化を推定するように構成されていてもよい。
(5)コミュニケーション品質劣化予兆検出/劣化回避システムにおいて、品質劣化情報交換手段は、通信元の端末と同じ拠点内における他の端末と、交換情報としてブロードキャストパケットを交換することによって、他のコミュニケーションにおける通信品質の劣化状況を示す情報を取得するように構成されていてもよい。