JP2010163224A - 糸巻取機及びパッケージの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定のパッケージ回転数で発生する大きな振動を防止しつつ、パッケージの生産効率を向上させることができる糸巻取機を提供する。
【解決手段】自動ワインダが備えるワインダユニット10は、クレードル23と、巻取ドラム24と、パッケージ回転数検出部52と、モータ制御部54と、を備える。クレードル23は、パッケージ30を回転可能に支持する。巻取ドラム24は、パッケージ30を回転させる。パッケージ回転数検出部52は、パッケージ30の回転数を検出する。モータ制御部54は、巻取ドラム24の回転数を制御する。そして、モータ制御部54は、パッケージ回転数検出部52が検出したパッケージ30の回転数が所定の回避回転数に達した場合、巻取ドラム24の回転数を所定回転数まで減らすように制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、糸巻取機及びパッケージの製造方法に関する。詳細には、前記糸巻取機において、パッケージを支持するクレードルの振動を防止するための構成に関する。
従来から、巻取ボビンをクレードルによって回転可能に支持し、当該ボビンの外周面に糸をトラバースしながら巻き取ってパッケージを形成する糸巻取機が知られている。一般的に、クレードルは、ボビン(及びその外周面に糸が巻かれて形成されたパッケージ)を左右のアームにより両持ち式で把持するように構成される。
ところで、パッケージが回転すると当該パッケージを支持しているクレードルに振動が発生するが、この振動の周波数(又は振動数)とパッケージの回転周波数(又は回転数)とが整数倍の関係になると共振が発生し、突発的に大きな振動が発生する場合がある。
この点に関し、特許文献1は、異常な振動が発生した時には、パッケージの巻取りを停止させる構成のワインダを開示している。
実開平2−43876号公報
上記のように共振による大きな振動が発生すると、パッケージと、パッケージの外周に接触して当該パッケージを回転駆動している巻取ドラム(接触ローラ)と、の接触が不安定になり、トラバースの精度が落ちてパッケージの品質が低下してしまう。パッケージの回転数が大きいときほど振動も大きくなるため、高速回転時ほど品質への悪影響も大きくなる。また特に、パッケージの高速回転時に上記の共振が発生すると、振動が大きくなりすぎてパッケージがクレードルから外れて落下してしまう場合もある。落下したパッケージは形が崩れてしまい、商品価値が無くなるため廃棄せざるを得ない。
従って、近年、パッケージを高速回転させて生産効率を更に向上させたいという要望が高まっているにもかかわらず、上記のような事情から、パッケージの回転数を上げるのにも限界があった。
一方、特許文献1が開示するワインダは異常振動発生時に巻取りを停止する構成であるので、高速回転時においても、パッケージの品質低下やクレードルからの落下等を防止することができる。しかし、上記特許文献1のワインダでは異常振動発生時には停止してしまうため、パッケージを高速回転させたとしても生産効率を上げることができなかった。
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、特定のパッケージ回転数で発生する大きな振動を防止しつつ、パッケージの生産効率を向上させることができる糸巻取機及びパッケージの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下のように構成された糸巻取機が提供される。即ち、この糸巻取機は、クレードルと、回転駆動部と、パッケージ回転数検出部と、駆動制御部と、を備える。前記クレードルは、パッケージを回転可能に支持する。前記回転駆動部は、前記パッケージを回転させる。前記パッケージ回転数検出部は、前記パッケージの回転数を検出する。前記駆動制御部は、前記回転駆動部の回転数を制御する。そして、前記駆動制御部は、前記パッケージ回転数検出部が検出した前記パッケージの回転数が所定の回避回転数に達した場合、前記回転駆動部の回転数を、その時点での回転数である当初回転数から変更して所定回転数にする回転数変更制御を行う。
これにより、パッケージの回転数が特定の回転数近傍の値となることを回避し、又は、そのような状態となる期間を短くすることができる。従って、例えば振動等が発生し易い回転数となる期間を短縮するように制御することが可能となるので、振動によってクレードルからパッケージが外れたり、回転駆動部とパッケージとの間で接触不良が発生したりすることによる品質低下等を防止し、高品質なパッケージを生産することができる。また、このようにパッケージの振動を抑えることができるので、パッケージをより高速回転させることができ、生産効率が向上する。
上記の糸巻取機においては、以下のように構成することが好ましい。即ち、前記所定回転数は前記当初回転数より小さい値である。前記クレードルの振動と回転する前記パッケージの振動とが共振する当該パッケージの回転数が、前記回避回転数以下で、かつ前記回転駆動部の前記所定回転数に対応する前記パッケージの回転数より大きい値である。
これにより、回転数変更制御では、パッケージの回転数を、当初回転数から、クレードルの振動と回転するパッケージの振動とが共振する回転数(共振発生回転数)を飛び越えるようにして、所定回転数まで変更することができる。従って、クレードルの振動と回転するパッケージの振動とが共振する期間を短縮でき、大きな振動を防ぐことができる。更に、パッケージの回転数は巻取りの進行に伴って徐々に減少して共振発生回転数に近づくことが多いが、当該共振発生回転数を飛び越えるようなパッケージの回転数の減少制御によって、その共振発生回転数での振動の問題を確実に解決して巻取りを継続することができる。
前記の糸巻取機においては、前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行った後、前記パッケージ回転数検出部が検出した前記パッケージの回転数が所定の復帰回転数に達した場合、前記回転駆動部の回転数を前記当初回転数に戻すように制御することが好ましい。
即ち、回転駆動部の回転数を所定回転数に変更した後、パッケージ外周に糸層が形成されるに従い、パッケージの回転数は徐々に低下していく。従って、十分に巻取りが進んだことをパッケージ回転数検出部で検出した時点で回転駆動部の回転数を当初回転数に戻すことで、共振の問題を生じさせずに巻取速度を元の速度に復帰させることができる。また、例えば回転数変更制御において回転駆動部の回転数を減らした場合には、回転駆動部の回転数を増加させて当初回転数まで戻すことで、パッケージの回転数を上げて生産効率を向上させることができる。
前記の糸巻取機においては、前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行ってから所定時間経過後、当該回転駆動部の回転数を前記当初回転数に戻すように制御することもできる。
即ち、回転数変更制御から所定時間が経過した時点で十分に巻取りが進んだものとして回転駆動部の回転数を元に戻す方法によっても、共振の問題を生じさせずに巻取速度を元の速度に戻すことができる。
前記の糸巻取機においては、前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行った後、当該回転駆動部の回転数を前記所定回転数で維持するように制御することが好ましい。
これにより、回転数変更制御の後に、回転駆動部の回転数を一定に保つという簡単な制御で、回避すべき特定の回転数にパッケージの回転数が一致していない状態をしばらくの間確実に維持することができる。
前記の糸巻取機においては、以下のように構成することもできる。即ち、前記所定回転数は前記当初回転数より小さい値である。前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行った後、前記パッケージの巻太りに応じて前記回転駆動部の回転数を増大させることで前記パッケージの回転数を維持するように制御し、これにより、前記回転駆動部の回転数を前記当初回転数に戻す。
この構成では、回転数変更制御によりいったん減少した回転駆動部の回転数を巻太りに応じて徐々に増大させるので、巻取速度の落込みをその分だけ回復させることができる。従って、パッケージの生産効率を向上させることができる。
本発明の第2の観点によれば、クレードルに支持されたパッケージを回転駆動部で回転させて糸を巻き取るパッケージの製造方法であって、以下のようなパッケージの製造方法が提供される。即ち、このパッケージの製造方法は、パッケージ回転数検出工程と、回転駆動部回転数変更工程と、を含む。前記パッケージ回転数検出工程では、前記パッケージの回転数を検出する。前記回転駆動部回転数変更工程では、前記パッケージの回転数が所定の回避回転数に達した場合、前記回転駆動部の回転数を変更して所定回転数にする制御を行う。
この方法により、パッケージの回転数が特定の回転数近傍の値となることを回避し、又は、そのような状態となる期間を短くすることができる。従って、例えば振動等が発生し易い回転数となる期間を短縮するように制御することが可能となるので、振動によってクレードルからパッケージが外れたり、回転駆動部とパッケージとの間で接触不良が発生したりすることによる品質低下等を防止し、高品質なパッケージを生産することができる。また、このようにパッケージの振動を抑えることができるので、パッケージをより高速回転させることができ、生産効率が向上する。
本発明の第1実施形態に係る自動ワインダが備えるワインダユニットの概略図。 本実施形態に係るパッケージ製造方法における巻取ドラムの制御フローチャート。 (a)図2のフロー実行時におけるパッケージの回転数の変化を概念的に示したグラフ。(b)図2のフロー実行時における巻取ドラムの回転速度の変化を概念的に示したグラフ。 本実施形態における別のパッケージ製造方法における巻取ドラムの制御フローチャート。 (a)図4のフロー実行時におけるパッケージの回転数の変化を概念的に示したグラフ。(b)図4のフロー実行時における巻取ドラムの回転速度の変化を概念的に示したグラフ。 本発明の第2実施形態に係る自動ワインダが備えるワインダユニットの概略図。 (a)変形例におけるパッケージの回転数の変化を概念的に示したグラフ。(b)変形例における巻取ドラムの回転速度の変化を概念的に示したグラフ。 (a)別の変形例におけるパッケージの回転数の変化を概念的に示したグラフ。(b)別の変形例における巻取ドラムの回転速度の変化を概念的に示したグラフ。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る糸巻取機としての自動ワインダが備えるワインダユニット10の概略図である。
図1に示すワインダユニット10は、給糸ボビン21から解舒される紡績糸20をトラバースさせながら巻取ボビン(巻取管)22に巻き付けて、所定長で所定形状のパッケージ30とするものである。本実施形態の自動ワインダ(糸巻取機)は、並べて配置された複数のワインダユニット10と、図略の機台制御装置を備えている。
それぞれのワインダユニット10は、巻取ユニット本体16と、ユニット制御部50と、を備えている。
ユニット制御部50は、例えば、CPUと、RAMと、ROMと、I/Oポートと、を備えて構成されている。前記ROMには、巻取ユニット本体16の各構成を制御するためのプログラムが記録されている。また前記I/Oポートには前記機台制御装置が接続されている。以上の構成で、オペレータが機台制御装置を適宜操作することにより複数のワインダユニット10を一括して管理或いは制御することができる。
前記巻取ユニット本体16は、給糸ボビン21と巻取ドラム24との間の糸走行経路中に、給糸ボビン21側から順に、解舒補助装置12と、テンション付与装置13と、スプライサ装置14と、クリアラ(糸品質測定器)15と、を配置した構成となっている。
解舒補助装置12は、給糸ボビン21の芯管に被さる規制部材40を給糸ボビン21からの糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビン21からの糸の解舒を補助するものである。規制部材40は、給糸ボビン21から解舒された糸の回転と遠心力によって給糸ボビン21上部に形成されたバルーンに対し接触し、当該バルーンを適切な大きさに制御することによって糸の解舒を補助する。規制部材40の近傍には前記給糸ボビン21のチェース部を検出するための図略のセンサが備えられており、このセンサがチェース部の下降を検出すると、それに追従して前記規制部材40を例えばエアシリンダ(図略)によって下降させることができる。
テンション付与装置13は、走行する紡績糸20に所定のテンションを付与するものである。テンション付与装置13としては、例えば、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式のものを用いることができる。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛み合わせ状態又は解放状態になるように、例えばロータリ式に構成された図略のソレノイドにより回動することができる。このテンション付与装置13によって、巻き取られる紡績糸20に一定のテンションを付与し、パッケージ30の品質を高めることができる。なお、テンション付与装置13には、上記ゲート式のもの以外にも、例えばディスク式のものを採用することができる。
スプライサ装置14は、クリアラ15が糸欠点を検出して行う糸切断時、又は給糸ボビン21からの解舒中の糸切れ時等に、給糸ボビン21側の下糸と、パッケージ30側の上糸とを糸継ぎするものである。このような上糸と下糸とを糸継ぎする糸継装置としては、機械式のものや、圧縮空気等の流体を用いるもの等を使用することができる。
クリアラ15のクリアラヘッド49には、紡績糸20の太さを検出するための図略のセンサが備えられている。クリアラ15はこのセンサからの糸太さ信号を監視することにより糸欠陥を検出するように構成されている。また、前記クリアラヘッド49の近傍には、前記クリアラ15が糸欠点を検出したときに直ちに紡績糸20を切断するための図略のカッタが付設されている。
前記スプライサ装置14の下側及び上側には、給糸ボビン21側の下糸を捕捉してスプライサ装置14に案内する下糸案内パイプ25と、パッケージ30側の上糸を捕捉してスプライサ装置14に案内する上糸案内パイプ26と、が設けられている。また、下糸案内パイプ25と上糸案内パイプ26は、それぞれ軸33,35を中心にして回動可能に構成されている。下糸案内パイプ25の先端には吸引口32が形成され、上糸案内パイプ26の先端にはサクションマウス34が備えられている。下糸案内パイプ25及び上糸案内パイプ26には適宜の負圧源がそれぞれ接続されており、前記吸引口32及びサクションマウス34に吸引流を発生させて、上糸及び下糸の糸端を吸引捕捉できるように構成されている。
スプライサ装置14の更に上側には、巻取ボビン(紙管、芯管)22を回転可能に挟持できるように構成されたクレードル23と、紡績糸20をトラバースさせるとともに前記巻取ボビン22を駆動するための巻取ドラム(回転駆動部)24と、が設けられている。
巻取ドラム24は、巻取ボビン22に対向するように配置されている。また、巻取ドラム24の外周面には螺旋状の綾振溝27が形成されており、この綾振溝27によって紡績糸20をトラバースさせるように構成している。
巻取ボビン22(又は当該巻取ボビン22の外周に糸層が形成されたパッケージ30)の外周面は前記巻取ドラム24(回転駆動部)の外周面に接触しており、当該巻取ドラム24が回転駆動することにより駆動される。この巻取ドラム24はドラム駆動モータ53の出力軸に連結されており、このドラム駆動モータ53の作動はモータ制御部(駆動制御部)54によって制御されている。
前記モータ制御部54は、例えばCPU、RAM及びROM等からなるハードウェアと、前記ROMに記憶されたプログラムとによって構成されている。このモータ制御部54は、ドラム駆動モータ53の回転数を所定の回転数まで増加させる回転数増加部57と、所定の回転数まで減少させる回転数減少部58と、を備えている。モータ制御部54は、例えばフィードバック制御等公知の方法によって前記ドラム駆動モータ53の回転数を増加及び減少させることで、適切に制御できるように構成されている。また、モータ制御部54にはユニット制御部50から回転数指令信号が入力されるように構成されており、この回転数指令信号に基づいてドラム駆動モータ53の回転数を制御するように構成されている。以上の構成で、給糸ボビン21から解舒された紡績糸20を適切な速度で巻取ボビン22に巻き取ることができる。
クレードル23は、2本のアーム51,51でパッケージ30の両端を回転可能に把持するよう構成されている。また、クレードル23は、図略の回動軸(支持軸)を中心にして、巻取ドラム24に対し近接又は離間する方向に回動可能に構成されている。即ち、クレードル23が回動することによって、巻取ボビン22への紡績糸20の巻取りに伴うパッケージ30の径の増大を吸収できるように構成されている。これにより、パッケージ30が巻き太って糸層径が増大しても、当該パッケージ30の表面を常に適切に巻取ドラム24に接触させた状態で紡績糸20を巻き取ることができる。
クレードル23の前記アーム51の一方には、パッケージ回転センサ18が設けられている。このパッケージ回転センサ18は、ホールICと、周方向に多極着磁された円板状の磁石と、から構成されている。前記円板状磁石はパッケージ30の回転軸と一体的に回転するように構成されている。また、前記ホールICは円板状磁石の周方向の端部に近接して配置されている。以上の構成で、パッケージ30が回転すると、円板状磁石の回転によって引き起こされる磁界の変化をホールICが検知し、当該パッケージ30の1回転あたり所定個数のパルス信号がパッケージ回転センサ18から出力される。なお、図1ではパッケージ回転センサ18はコーン形状のパッケージ30の小径側に設けられているが、大径側に設けても良い。
パッケージ回転センサ18からの出力信号(前記パルス信号)は、ユニット制御部50に入力される。ユニット制御部50は、この出力信号に基づいて、パッケージ30の回転数(単位時間あたりに回転した数)を算出するように構成されている。従って、ユニット制御部50はパッケージ回転数検出部52としても機能するということができる。パッケージ回転センサ18からの信号に基づいて求めたパッケージ30の回転数は、例えば、巻取ドラム24の回転数とパッケージ30の回転数とが整数比の関係になったときに、ワインド数を変更してリボン巻きを回避するトラバースジャンプ制御などに用いられている。
また、ユニット制御部50は、前記パッケージ30の回転数や、その他各種センサからの情報に基づいて、巻取ドラム24の適切な回転数を決定し、ドラム駆動モータ53の回転数を指示するための回転数指令信号をモータ制御部54に出力するように構成されている。これにより、パッケージ30の糸層径の成長に応じて、巻取ドラム24を適切な回転数で回転させるように制御し、紡績糸20を適切な巻取速度で巻き取ることができる。
以上のように構成されたワインダユニット10による紡績糸20の巻取方法について簡単に説明する。最初に、クレードル23に空の巻取ボビン22がセットされる。空の巻取ボビン22がセットされると、ユニット制御部50は、モータ制御部54に適宜回転数指令信号を出力して、巻取ドラム24を低速で回転させて空の巻取ボビン22の外周面に紡績糸20を一定長巻き付ける、いわゆるタッチ巻き制御を実行する。
前記タッチ巻きが終了すると、モータ制御部54はユニット制御部50からの回転数指令信号に基づき、紡績糸20の巻取速度が所定の速度(目標巻取速度)になるまで巻取ドラム24の回転数を上げる。ここで巻取速度とは、単位時間あたりに巻き取られる紡績糸20の長さを意味する。巻取速度は巻取ドラム24の単位時間あたりに回転した数(回転数)によって決まるので、モータ制御部54は巻取ドラム24の回転数が所定の回転数となるまで回転数の増加制御を行う。
巻取ドラム24の回転数増加制御が終了し、紡績糸20の巻取速度が目標巻取速度に達すると(即ち、巻取ドラム24の回転数が所定の回転数に達すると)、モータ制御部54は巻取ドラム24の回転数を維持するように制御する。これにより、一定の巻取速度(目標巻取速度)で紡績糸20の巻取りが行われ、パッケージ30の糸層径が増大していく。なお、前記のように巻取速度を一定とする(即ちパッケージ30の周速を一定とする)一方で、パッケージ30の糸層径が徐々に増大していくので、紡績糸20の巻取りの進行に従ってパッケージ30の回転数は徐々に減少していくことになる。
巻取りの途中で糸切れが発生した場合や、クリアラ15が糸欠点を検出したことにより糸が切断された場合は、糸継ぎを行って巻取りを再開する必要がある。このため、ユニット制御部50は糸切れ及び糸切断を検知すると、モータ制御部54に信号を出力して巻取ドラム24の回転を停止させるとともに、図略のパッケージブレーキ機構でパッケージ30の回転を止める。続いて、ユニット制御部50は、下糸案内パイプ25と上糸案内パイプ26を駆動し、給糸ボビン21側の下糸とパッケージ30側の上糸とをスプライサ装置14に案内する。そして、スプライサ装置14で下糸と上糸との糸継ぎが終了すると、ユニット制御部50は、モータ制御部54に適宜回転数指令信号を出力し、停止する直前の回転数まで速やかに巻取ドラム24の回転数を増加させて巻取りを継続する。
ところで、前述したように糸の巻取りに伴ってクレードル23には振動が発生するが、本願発明者の実験によれば、クレードル23の左右のアームが互いに逆位相の関係になるように振動するとき、当該クレードル23に発生する振動が最大になるという知見が得られている。そして、パッケージ30表面への糸の巻取りが進行するに従い、パッケージ30の回転数は徐々に減少していく。すると、ある時点において、クレードル23の振動と回転するパッケージ30の振動とが共振して、クレードル23に大きな振動が発生してしまうようなパッケージ30の回転数となる。共振によってこのような大きな振動が発生すると、クレードル23からパッケージ30が落下したり、巻取ドラム24とパッケージ30との接触が不良になってパッケージ30の回転制御が不安定になるなどの問題が発生する。
この問題点を克服するため、本実施形態の自動ワインダは以下のように構成されている。即ち、パッケージ30の回転数が徐々に減少して共振が発生する回転数(共振発生回転数)に近づくと、巻取ドラム24の回転数を減少させるように変更することにより、パッケージ30の回転数を速やかに減少させて当該共振発生回転数を通過させる。つまり、パッケージ30の回転数が徐々に減少していく以上、当該回転するパッケージ30の振動とクレードル23の振動とが共振する回転数を完全に避けることはできないが、上記のように当該パッケージ30の回転数を速やかに低下させて共振発生回転数と一致する期間が最短となるように制御することで、上記の問題の発生を防止することができるのである。
より具体的には以下のように構成されている。まず、共振が発生するパッケージ30の回転数(共振発生回転数)を予め求めておく。この共振発生回転数は、所定の巻取速度で紡績糸20の巻取りを実施し、このときのクレードル23の振動を監視して、クレードル23に共振が発生した時のパッケージ30の回転数を測定することで求めることができる。もっとも、前記のように実験で求める方法に代えて、クレードル23の設計データ等からシミュレーション等により共振発生回転数を求めても良い。
そして、前記共振発生回転数に基づいて、パッケージ30の所定の回転数(回避回転数、トリガ回転数)を予め設定しておく。モータ制御部54は、パッケージ30の回転数がこの回避回転数に達した場合に、巻取ドラム24の回転数を減少させることでパッケージ30の回転数を速やかに低下させ、共振発生回転数を瞬間的に通過させる。この回避回転数は、共振発生回転数と同じ値としても良いが、本実施形態では共振の影響を確実に防止するために、前記共振発生回転数に若干のマージン分を加算した値としている。
なお、クレードル23に大きな振動が発生する振動数と回転するパッケージ30の振動数とが一致した場合だけでなく、これらが整数倍の関係となった場合にも上記の共振が発生し得る。従って、共振発生回転数は1つとは限らず、パッケージ30が満管となるまでの間に複数存在する場合がある。この場合は、上記回避回転数は、複数の共振発生回転数に対応して複数設定しておく。
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態の自動ワインダにおけるパッケージ30の製造方法について説明する。図2はユニット制御部50及びモータ制御部54による巻取ドラム24の制御フローチャート、図3(a)は図2のフロー実行時におけるパッケージ30の回転数の変化を概念的に示したグラフ、図3(b)は図2のフロー実行時における巻取ドラム24の回転数の変化を概念的に示したグラフである。なお、図3(a)において、縦軸はパッケージ30の回転数、横軸は時間である。また図3(b)において、縦軸は巻取ドラム24の回転数、横軸は時間である。なお、図2に示すフローチャート及び図3に示すグラフの開始時点において、前記タッチ巻き制御及び目標巻取速度への加速が完了しているものとする。
まず、図2のフローチャート開始時点では、巻取ドラム24の回転数を一定とするように制御が行われている。従って、図3(a)に示すように、パッケージ30の回転数が徐々に減少している状態である。この状態で、パッケージ回転数検出部52は、パッケージ回転センサ18から取得した信号に基づいて、パッケージ30の回転数を検出している。そして、ユニット制御部50は、パッケージ30の前記回転数が回避回転数まで低下したかどうかを監視している(S101の判断、パッケージ回転数検出工程)。
パッケージ30の回転数が回避回転数まで下がっていない場合は、共振が発生するおそれのある回転数には達していないと判断できるので、ユニット制御部50は回転数変更の信号をモータ制御部54に対して出力せず、モータ制御部54は巻取ドラム24を一定の回転数で駆動させ続ける。これにより、紡績糸20が目標巻取速度で巻かれ、パッケージ30の表層に糸層が形成されていく。
パッケージ30の回転数が徐々に低下して所定値(回避回転数)より小さくなると、共振が発生するおそれのある回転数に達したと判断できるので、ユニット制御部50は、ドラム駆動モータ53の回転数をその時点の回転数(当初回転数)から減らすようにモータ制御部54に対して回転数指令信号を出力する。これに基づき、モータ制御部54の回転数減少部58は、巻取ドラム24の回転数が速やかに所定回転数以下になるようにドラム駆動モータ53の回転速度を減少制御する(S102、回転駆動部回転数変更工程)。なお、前記所定回転数は、これに対応するパッケージ30の回転数が共振発生回転数より小さくなるような巻取ドラム24の回転数が予め設定されている。即ち、前記共振発生回転数は、回避回転数と、巻取ドラム24の前記所定回転数に対応するパッケージ30の回転数と、の間の値となる。
この回転数変更制御(回転駆動部回転数変更工程)により、回転するパッケージ30の振動とクレードル23の振動とが共振する共振発生回転数を最短の期間で通過させ、共振による大きな振動が発生してしまうことを防ぐことができる。これにより、パッケージ30の品質を向上させることができる。また、共振による振動を防止できるので、パッケージ30をより高速回転させて生産効率を向上させることができる。また、特許文献1のようにパッケージ30の回転を停止させる必要が無くなるため、この点でも生産効率を向上させることができる。
続いて、パッケージ回転数検出部52はパッケージ30の回転数の検出を行い、ユニット制御部50はパッケージ30の前記回転数が所定の回転数(復帰回転数、第2トリガ回転数)まで低下したかどうかを監視する(S103)。この復帰回転数としては、S102の処理で減速する前の巻取ドラム24の回転数(前記当初回転数)まで当該巻取ドラム24の回転数を戻しても、パッケージ30の回転数が共振発生回転数以上にならないような回転数が予め設定されている。
パッケージ30の回転数が復帰回転数より小さくなっていない場合は、ユニット制御部50は回転数変更の信号をモータ制御部54に対して出力せず、モータ制御部54は巻取ドラム24の回転数を所定回転数に維持して駆動させ続ける。これにより図3(a)に示すように、パッケージ30の回転数は徐々に低下していく。
パッケージ30の回転数が復帰回転数まで低下すると、ユニット制御部50は、巻取ドラム24の回転数を元に戻すようにモータ制御部54に対して回転数指令信号を出力する。これに基づいて、モータ制御部54の回転数増加部57は、S102で回転数を下げる前の回転数(当初回転数)になるようにドラム駆動モータ53の回転数を増加させるように制御する(S104)。これにより、紡績糸20が再び目標巻取速度で巻かれる。即ち、巻取ドラム24の回転数を戻してもクレードル23と共振を起こすおそれの無い回転数までパッケージ30の回転数が低下した場合には、巻取ドラム24の回転数を戻すことにより、低下していた巻取速度を回復させて生産効率を向上させることができるのである。
なお、S103の判断でパッケージ30の回転数を復帰回転数と比較する構成に代えて、巻取ドラム24の回転数を減少(S102)させてから所定時間経過後に当該巻取ドラム24の回転数を元に戻すように制御しても良い。この場合、前記所定時間としては、巻取ドラム24の回転数を戻してもパッケージ30の回転数が共振発生回転数以上とならないようになるまで糸層が形成されるのに十分な時間を予め設定しておく。ただし、巻取ドラム24の回転数を戻してもパッケージ30の回転数が共振発生回転数以上とならない回転数まで当該パッケージ30の回転数が低下したことを正確に検知するという観点からは、図2のS103のように、パッケージ30の回転数と復帰回転数とを比較して判断することが好ましい。
S104で巻取ドラム24の回転数を戻した後も、パッケージ30が満巻となるまでの間、当該パッケージ30の回転数は徐々に低下していく。従って、満巻となるまでの間に共振発生回転数が複数存在している場合には、上記の処理を必要な回数だけ繰り返す(S105)。以上のようにして、回転するパッケージ30の振動とクレードル23の振動との共振を抑えつつ、可能な限り目標巻取速度で紡績糸20を巻き取ることにより生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダは、トラバースジャンプ処理などを行うために従来から自動ワインダが備えていたパッケージ回転センサ18の出力を用いて上記の制御を行っている。従って、パッケージ30の回転数を検出するための新たな構成を必要としないので、コストの面で有利である。
なお、図3のグラフ中でパッケージ回転数及び巻取ドラム回転数が急激にゼロになって急激に回復している箇所は、糸切れや糸切断の発生により一時的に巻取りを停止させて糸継ぎを実行したことを示している。即ち、図2のフローの実行中に糸継ぎが必要な状況が発生した場合は、巻取ドラム24及びパッケージ30の回転をいったん停止させ、糸継ぎの終了後、停止させる直前の回転数まで巻取ドラム24の回転数を速やかに増加させて巻取りを継続する。このように糸継ぎ等により一時的に巻取ドラム24を停止した場合であっても、停止させる直前の回転数まで巻取ドラム24の回転数を増加させて巻取りを継続する場合は、「回転数を維持する」ということができる。
次に図4及び図5を参照して、上記実施形態の自動ワインダが実行可能なパッケージ30の製造方法の変形例について説明する。図4はこの変形例に係る巻取ドラム24の制御フローチャートである。図5(a)は図4のフローチャート実行時のパッケージ30の回転数の変化を概念的に示すグラフ、図5(b)は巻取ドラム24の回転数の変化を概念的に示すグラフである。なお、図5(a)において、縦軸はパッケージ30の回転数、横軸は時間である。また図5(b)において、縦軸は巻取ドラム24の回転数、横軸は時間である。なお、図4に示すフローチャート及び図5に示すグラフの開始時点において、前記タッチ巻き制御及び目標巻取速度への加速が完了しているものとする。
まず、図2で説明した制御フローと同様に、パッケージ30の回転数と回避回転数とを比較する(S201の判断、パッケージ回転数検出工程)。パッケージ30の回転数が回避回転数より小さい場合は、巻取ドラム24の回転数を所定回転数まで減少させる(S202、回転駆動部回転数変更工程)。
巻取ドラム24の回転数を減少させた後は、パッケージ30の回転数が共振発生回転数を超えないようにしながら、巻取ドラム24の回転数を徐々に増加させる(S203)。即ち、図2で説明したフローでは、巻取ドラム24の回転数を減少させた後は当該巻取ドラム24の回転数を一定としたが、上記のように巻取ドラム24の回転数を徐々に増加させることにより、巻取ドラム24の回転数を減少させることによる生産効率の低下を最小限に抑えることができるのである。
巻取ドラム24の回転数増加制御の方法としては様々な方法が考えられるが、例えば、図4及び図5(a)に示すように、パッケージ30の回転数を維持するように制御することができる。巻取ドラム24の回転数が元の回転数に達したら(S204の判断)、その後は巻取ドラム24を一定の回転数で回転させる。そして、上記の処理を必要回数だけ繰り返す(S105)。
以上で説明したように、本実施形態の自動ワインダは、クレードル23と、巻取ドラム24と、パッケージ回転数検出部52と、モータ制御部54と、を備える。クレードル23は、パッケージ30を回転可能に支持する。巻取ドラム24は、パッケージ30を回転させる。パッケージ回転数検出部52は、パッケージ30の回転数を検出する。モータ制御部54は、巻取ドラム24の回転数を制御する。そして、モータ制御部54は、パッケージ回転数検出部52が検出したパッケージ30の回転数が所定の回避回転数に達した場合、巻取ドラム24の回転数を、その時点での回転数(当初回転数)から変更して所定回転数にする回転数変更制御を行う。
これにより、パッケージ30の回転数が特定の回転数近傍の値となる期間を短くすることができる。従って、例えば振動等が発生し易い回転数となる期間を短縮するように制御することが可能となるので、振動によってクレードル23からパッケージ30が外れたり、巻取ドラム24とパッケージ30との間で接触不良が発生したりすることによる品質低下等を防止し、高品質なパッケージ30を生産することができる。また、このようにパッケージ30の振動を抑えることができるので、パッケージ30をより高速回転させることができ、生産効率が向上する。
また、本実施形態の自動ワインダにおいては、前記回転数変更制御において、所定回転数は当初回転数より小さい値となっている。更に、前記クレードル23の振動と回転する前記パッケージ30の振動とが共振する当該パッケージ30の回転数が、前記回避回転数以下で、かつ前記所定回転数に対応する前記パッケージ30の回転数より大きい値となっている。
これにより、回転数変更制御では、パッケージ30の回転数を、当初回転数から、クレードル23の振動と回転するパッケージ30の振動とが共振する回転数(共振発生回転数)を飛び越えるようにして、所定回転数まで変更することができる。従って、クレードル23の振動と回転するパッケージ30の振動とが共振する期間を短縮でき、大きな振動を防ぐことができる。更に、パッケージ30の回転数は巻取りの進行に伴って徐々に減少して共振発生回転数に近づくことになるが、当該共振発生回転数を飛び越えるようなパッケージ30の回転数の減少制御によって、その共振発生回転数での振動の問題を確実に解決して巻取りを継続することができる。
また、本実施形態の自動ワインダにおいては、モータ制御部54は、回転数変更制御を行った後、パッケージ回転センサ18が検出した前記パッケージ30の回転数が所定の復帰回転数に達した場合、巻取ドラム24の回転数を当初回転数に戻すように制御している。
即ち、巻取ドラム24の回転数を所定回転数に減らした後、パッケージ30の外周に糸層が形成されるに従い、パッケージ30の回転数は更に徐々に低下していく。従って、十分に巻取りが進んだことをパッケージ回転センサ18で検出した時点で巻取ドラム24の回転数を当初回転数に戻すことで、共振の問題を生じさせずに巻取速度を元の速度に復帰させることができる。また、本実施形態では回転数変更制御において巻取ドラム24の回転数を減らしているが、その後に巻取ドラム24の回転数を増加させて当初回転数まで戻すことで、パッケージ30の回転数を上げて生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダにおいては、モータ制御部54は、前記回転数変更制御を行ってから所定時間経過後、当該巻取ドラム24の回転数を前記当初回転数に戻すように制御することもできる。
即ち、回転数変更制御から所定時間が経過した時点で十分に巻取りが進んだものとして巻取ドラム24の回転数を元に戻す方法によっても、共振の問題を生じさせずに巻取速度を元の速度に戻すことができる。
また、本実施形態の自動ワインダにおいては、モータ制御部54は、前記回転数変更制御を行った後、当該巻取ドラム24の回転数を前記所定回転数で維持するように制御している。
これにより、回転数変更制御の後に、巻取ドラム24の回転数を一定に保つという簡単な制御で、回避すべき共振発生回転数よりパッケージ30の回転数が小さい値である状態をしばらくの間確実に維持することができる。
また、本実施形態の自動ワインダにおいては、モータ制御部54は、巻取ドラム24の回転数を所定回転数まで減らす回転数変更制御を行った後、前記パッケージ30の巻太りに応じて巻取ドラム24の回転数を増大させることでパッケージ30の回転数を維持するように制御し、これにより、前記巻取ドラム24の回転数を当初回転数に戻すこともできる。
この構成では、回転数変更制御によりいったん減少した巻取ドラム24の回転数を巻太りに応じて徐々に増大させるので、巻取速度の落込みをその分だけ回復させることができる。従って、パッケージ30の生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態のパッケージ30の製造方法は、パッケージ回転数検出工程と、回転駆動部回転数変更工程と、を含む。パッケージ回転数検出工程では、パッケージ30の回転数を検出する。回転駆動部回転数変更工程では、パッケージ30の回転数が所定の回避回転数に達した場合、巻取ドラム24の回転数を変更して所定回転数にする制御を行う。
この方法により、パッケージ30の回転数が特定の回転数近傍の値となる期間を短くすることができる。従って、例えば振動等が発生し易い回転数(共振発生回転数)となる期間を短縮するように制御することが可能となるので、振動によってクレードル23からパッケージ30が外れたり、巻取ドラム24とパッケージ30との間で接触不良が発生したりすることによる品質低下等を防止し、高品質なパッケージ30を生産することができる。また、このようにパッケージ30の振動を抑えることができるので、パッケージ30をより高速回転させることができ、生産効率が向上する。
次に、本発明の第2実施形態の自動ワインダについて図6を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る糸巻取機としての自動ワインダが備えるワインダユニット10の概略図である。なお、以降の説明において、前述の第1実施形態と同一又は類似の構成については図面に同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
本実施形態においてワインダユニット10が備える巻取ユニット本体16は、巻取ボビン22を回転可能に把持できるように構成されたクレードル23と、紡績糸20をトラバースさせるためのアーム式のトラバース装置11と、巻取ボビン22の周面又はパッケージ30の周面に接触して回転駆動させる接触ローラ45と、を備えている。前記クレードル23は図略の回動軸を中心に回動可能に構成されており、巻取ボビン22への紡績糸20の巻取りによる糸層径の増大を、クレードル23が回動することによって吸収できるように構成されている。また、クレードル23のアーム51には、パッケージ30の回転数を検出するためのパッケージ回転センサ18が取り付けられている。
前記トラバース装置11は、前記接触ローラ45の近傍に設けられている。このトラバース装置11は、支軸のまわりに旋回可能に構成した細長状のアーム部材42と、このアーム部材42の先端に形成されたフック状のトラバースガイド41と、アーム部材42を駆動するトラバースガイド駆動モータ43と、を備える。そして、前記アーム部材42をトラバースガイド駆動モータ43により図6の矢印のように往復旋回運動させることにより、紡績糸20の綾振りを行う構成になっている。このトラバースガイド駆動モータ43の作動はユニット制御部50によって制御されている。
接触ローラ45は、巻取ボビン(又は当該巻取ボビンの外周に糸層が形成されたパッケージ30)との間で紡績糸20をニップする。このニップにより、前記トラバースガイド41の往復旋回運動の影響で紡績糸20が過度に振り回されることを防ぐことができる。また、巻取ボビン22(又はパッケージ30)は、当該巻取ボビン22に対向して配置される前記接触ローラ(回転駆動部)45が回転駆動することにより駆動される。前記接触ローラ45は接触ローラ駆動モータ55の出力軸に連結されており、この接触ローラ駆動モータ55の作動はモータ制御部(駆動制御部)54によって制御されている。
以上のように構成された第2実施形態の自動ワインダにおいても、第1実施形態における巻取ドラム24の駆動と同様に接触ローラ45の駆動を制御することにより、パッケージ30の回転数が共振発生回転数となる期間を最短とすることができる。
次に、上記第1、第2実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、共振発生回転数を回避する際に、図3及び図5に示したようにパッケージ30の回転数を一時的に下げているので、その分だけ糸の巻取りが通常より遅くなってしまう。一方、共振発生回転数の回避は、パッケージ30の回転数を下げることだけでなく、パッケージ30の回転数を上げるように巻取ドラム24の回転数を変更することによっても実現することができる。
例えば、図2のフローチャートにおいて、巻取ドラム24の回転数を所定回転数まで減少させる処理(S102)に代えて、巻取ドラム24の回転数を所定回転数まで増加させる処理を行うことが考えられる。この変形例の回転数変更制御では、パッケージ30の回転数は、共振発生回転数を飛び越えるのではなく、共振発生回転数から離れるように制御される。パッケージ30の回転数を増加させることで共振発生回転数を回避する方法では、糸の巻取りは通常より速くなるので、パッケージ30の生産効率はむしろ向上させることができる。
ただし、本変形例のようにパッケージ30の回転数を上げる制御は一時避難的なものである。即ち、いったんパッケージ30の回転数を上げて共振発生回転数を回避できたとしても、その後の巻太りによってパッケージ30の回転数は徐々に減少するので、結局は、先ほど回避した共振発生回転数に再び近づいてしまうことになる。一方で、仮にパッケージ30の回転数が回避回転数に達するたびに巻取ドラム24の回転数を増加させると、糸の巻取速度がその都度上昇し、通常の巻取速度から大きく乖離してしまう。
自動ワインダ等の糸巻取機では、紡績糸20の巻取速度が略一定であること(即ち、パッケージ30の巻太りに伴い、当該パッケージ30の回転数が低下していくこと)が、パッケージ品質の観点から好ましい。従って、パッケージ30の回転数を回避回転数から増加させることで共振発生回転数を回避し、その後に再び回避回転数に達した場合には、今度はパッケージ30の回転数を前述のように減少させ、共振発生回転数を飛び越えるように回避することが望ましい。この場合、パッケージ30の回転数及び巻取ドラム24の回転数のグラフは、例えば図7に示すようになる。
また、例えば図4のフローチャートの処理と組み合わせて、パッケージ30の回転数を変更した後、当該パッケージ30の回転数を維持するように巻取ドラム24を制御しても良い。この場合、パッケージ30の回転数及び巻取ドラム24の回転数のグラフは、例えば図8に示すようになる。
以上に本発明の好適な実施の形態及びその変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
モータ制御部54とユニット制御部50とを別に設ける構成に代えて、例えばユニット制御部50にモータ制御部54の機能を持たせても良い。
モータ制御部54は、巻取ドラム24(又は接触ローラ45)の回転数を制御するとしたが、回転数を用いて制御するという意味ではなく、巻取ドラム24の回転数が結果的に所望の回転数になるように制御できれば良い。例えば、モータ制御部54の内部では、巻取ドラム24の周速[m/min]や周波数[Hz]に基づいてフィードバック制御等を行っていても良い。
また、例えばドラム駆動モータ53としてステッピングモータを用いれば、フィードバック制御を行わずにモータの回転を制御することも可能であるので、モータ制御部54の内部では、巻取ドラム24の回転数を検出したり演算したりすることもなく制御することが可能である。しかしこの場合であっても、巻取ドラム24の回転数が結果的に所望の回転数になるように制御することができるので、回転数を制御していると言うことができる。
また、パッケージ回転数検出部52はパッケージ30の回転数(単位時間あたりに回転した数)を検出し、ユニット制御部50は回避回転数又は復帰回転数と比較するとしたが、これらの回転数としては、一般的に用いられている単位[rpm]に限らず、例えば周波数[Hz]、角速度[rad/s]、周期[s]など、回転数と同等又は回転数から求められる別の単位で表現されていても、本発明の趣旨の範囲内であることは勿論である。
パッケージ回転センサ18は、ホールICと円板状磁石を用いた構成に限らず、例えば市販のロータリエンコーダ等、パッケージ30の回転を検出できるセンサであれば良い。
パッケージ30の回転数が回避回転数に達した場合にパッケージ回転数を増加させるか減少させるかを、自動ワインダが備える機台制御装置によってオペレータが設定できるように構成することができる。この構成では、例えばパッケージ30の生産性を重視する場合には、パッケージ30の回転数の増加により共振発生回転数を回避するように設定すれば良い。
上記実施形態の変形例の説明においては、パッケージ30の回転数を回避回転数から増加させることで共振発生回転数を回避した後に、再び回避回転数に達した場合には、パッケージ30の回転数を減少させて共振発生回転数を飛び越えるように回避することが望ましいとしたが、これに限らない。例えば、パッケージ30の回転数を増加させて共振発生回転数を回避する処理を2回繰り返した後、回転数を減少させて共振発生回転数を回避する(飛び越える)処理を行うようにしても良い。
第2実施形態ではアーム式のトラバース装置としたが、例えばベルトによってトラバースガイドを往復させるベルト式のトラバース装置であっても良い。
自動ワインダに限らず、クレードルでパッケージを支持して回転させる構成の糸巻取機であれば、例えば精紡機等の他の糸巻取機でも本発明の構成を適用することができる。
10 ワインダユニット
18 パッケージ回転センサ
20 紡績糸
22 巻取ボビン
23 クレードル
24 巻取ドラム(回転駆動部)
45 接触ローラ(回転駆動部)
50 ユニット制御部
52 パッケージ回転数検出部
54 モータ制御部(駆動制御部)

Claims (7)

  1. パッケージを回転可能に支持するクレードルと、
    前記パッケージを回転させる回転駆動部と、
    前記パッケージの回転数を検出するパッケージ回転数検出部と、
    前記回転駆動部の回転数を制御する駆動制御部と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、前記パッケージ回転数検出部が検出した前記パッケージの回転数が所定の回避回転数に達した場合、前記回転駆動部の回転数を、その時点での回転数である当初回転数から変更して所定回転数にする回転数変更制御を行うことを特徴とする糸巻取機。
  2. 請求項1に記載の糸巻取機であって、
    前記所定回転数は前記当初回転数より小さい値であり、
    前記クレードルの振動と、回転する前記パッケージの振動と、が共振する当該パッケージの回転数が、前記回避回転数以下で、かつ前記回転駆動部の前記所定回転数に対応する前記パッケージの回転数より大きい値であることを特徴とする糸巻取機。
  3. 請求項1又は2に記載の糸巻取機であって、
    前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行った後、前記パッケージ回転数検出部が検出した前記パッケージの回転数が所定の復帰回転数に達した場合は、前記回転駆動部の回転数を前記当初回転数に戻すように制御することを特徴とする糸巻取機。
  4. 請求項1又は2に記載の糸巻取機であって、
    前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行ってから所定時間経過後、前記回転駆動部の回転数を前記当初回転数に戻すように制御することを特徴とする糸巻取機。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の糸巻取機であって、
    前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行った後、変更された当該回転駆動部の回転数を維持するように制御することを特徴とする糸巻取機。
  6. 請求項1又は2に記載の糸巻取機であって、
    前記所定回転数は前記当初回転数より小さい値であり、
    前記駆動制御部は、前記回転数変更制御を行った後、前記パッケージの巻太りに応じて前記回転駆動部の回転数を増大させることで前記パッケージの回転数を維持するように制御し、これにより、前記回転駆動部の回転数を前記当初回転数に戻すことを特徴とする糸巻取機。
  7. クレードルに支持されたパッケージを回転駆動部で回転させて糸を巻き取るパッケージの製造方法であって、
    前記パッケージの回転数を検出するパッケージ回転数検出工程と、
    前記パッケージの回転数が所定の回避回転数に達した場合、前記回転駆動部の回転数を変更して所定回転数にする制御を行う回転駆動部回転数変更工程と、
    を含むことを特徴とするパッケージの製造方法。
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