JP2010159824A - 回転軸シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転機械の圧力容器に熱膨張などによる不等変形が起き、回転軸シール装置が設けられる圧力隔壁の回転軸に対する相対的な回転変位が生じた場合に、シール効果の低下を防止する。
【解決手段】ホルダ4に支持されたリング状のシール部材2を有する、回転機械用の回転軸シール装置において、シール部材2は、回転軸外表面との間で半径方向シールを行う摺動部材8とホルダ4の内側面との間で軸方向シールを行う軸方向シール部材9とからなり、摺動部材8と軸方向シール部材9の摺接面10を球面形状とした。
【選択図】図1
【解決手段】ホルダ4に支持されたリング状のシール部材2を有する、回転機械用の回転軸シール装置において、シール部材2は、回転軸外表面との間で半径方向シールを行う摺動部材8とホルダ4の内側面との間で軸方向シールを行う軸方向シール部材9とからなり、摺動部材8と軸方向シール部材9の摺接面10を球面形状とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転機械に使用する回転軸シール装置に関する。
タービン及びタービン発電機のような気体又は液体を作動流体とする大型回転機械に使用する回転軸シール装置は、特に回転軸などの回転体が回転機械内部の圧力隔壁を貫通する部分に設けられ、高圧側と低圧側との圧力差が生ずる部分に適用される。
図6は、従来の回転軸シール装置を使用した回転機械を説明する図である。
蒸気タービンのような回転機械では、回転軸101を有する回転体102を矢印で示す蒸気のような作動流体で回転させ、運動エネルギを回転軸端から得るか、あるいは回転軸を回転させて作動流体にエネルギを伝達し、さまざまな用途に利用する。したがって、機械内部に満たされる作動流体の圧力は、機械が設置されている場所の外気圧力と異なる場合が多い。また、機械内部においても多段の軸流ターボ機械などの場合、圧力容器106は、高圧室103、低圧室104など圧力が異なる複数の部屋に分割されており、各々の境界に圧力隔壁105を設けている。これらの圧力容器106あるいは圧力室の内部に回転軸101を配置するためには、圧力容器106又は各圧力隔壁105を回転軸101が貫通する必要があり、貫通孔から作動流体の漏洩を防止するために回転軸シール装置107が必要となる。なお、回転軸シール装置107が設けられる圧力容器106の部分も圧力隔壁として扱う。
蒸気タービンのような回転機械では、回転軸101を有する回転体102を矢印で示す蒸気のような作動流体で回転させ、運動エネルギを回転軸端から得るか、あるいは回転軸を回転させて作動流体にエネルギを伝達し、さまざまな用途に利用する。したがって、機械内部に満たされる作動流体の圧力は、機械が設置されている場所の外気圧力と異なる場合が多い。また、機械内部においても多段の軸流ターボ機械などの場合、圧力容器106は、高圧室103、低圧室104など圧力が異なる複数の部屋に分割されており、各々の境界に圧力隔壁105を設けている。これらの圧力容器106あるいは圧力室の内部に回転軸101を配置するためには、圧力容器106又は各圧力隔壁105を回転軸101が貫通する必要があり、貫通孔から作動流体の漏洩を防止するために回転軸シール装置107が必要となる。なお、回転軸シール装置107が設けられる圧力容器106の部分も圧力隔壁として扱う。
また、図7は、従来の回転軸シール装置を使用した他の回転機械を説明する図である。
この回転軸シール装置は、水素冷却タービン発電機のような回転機械であって、圧力容器122を回転軸121が貫通する部分に使用されている。
この回転軸シール装置は、水素冷却タービン発電機のような回転機械であって、圧力容器122を回転軸121が貫通する部分に使用されている。
発電機内部の冷却のための矢印で示す水素が外部に漏れないように、発電機内側にラビリンスシール124を設置しており、これに加え、樹脂製の浮動リングシール125あるいは同じ位置にブラシシールなどを設置してきた。これらのシール装置により、発電機内部の水素が発電機の軸受123が設置されている軸受箱126内部に漏洩し、さらに潤滑油に溶け込み外部へ漏洩することを防止している。
一方、シール部材である非回転側摺動部材を持ち、浮動リング型の動圧シールの機能を有する回転軸シール装置が従来から知られている(特許文献1〜3参照)。このような回転軸シール装置も、上述の回転機械に使用可能な一つである。以下、この回転軸シール装置について説明する。
図8は、このような従来の回転軸シール装置の断面図である。
回転軸203には回転側摺動部材201が取り付けられており、回転側摺動部材201は回転軸203と一体となって回転する。蒸気タービンなどで回転軸203の一部を回転側摺動部材201として使用する場合がある。回転側摺動部材201の外周側には、非回転側である例えば圧力容器に固定したホルダ204を設置し、その中に円周方向に複数に分割された円弧状の非回転側摺動部材202が回転側摺動部材201を取り囲むように取り付けられている。更に非回転摺動部材202は、その外周側に例えばコイルばねなど構成される弾性体205で円周方向に連結して配置され、かつ半径方向に回転側摺動部材201の外周面に対して押圧されるか、もしくは数μm〜数十μmのシール隙間を保つ構造となって、半径方向シール面206としている。非回転側摺動部材202をばねによりホルダ204に対し軸方向に押圧してもよい。
回転軸203には回転側摺動部材201が取り付けられており、回転側摺動部材201は回転軸203と一体となって回転する。蒸気タービンなどで回転軸203の一部を回転側摺動部材201として使用する場合がある。回転側摺動部材201の外周側には、非回転側である例えば圧力容器に固定したホルダ204を設置し、その中に円周方向に複数に分割された円弧状の非回転側摺動部材202が回転側摺動部材201を取り囲むように取り付けられている。更に非回転摺動部材202は、その外周側に例えばコイルばねなど構成される弾性体205で円周方向に連結して配置され、かつ半径方向に回転側摺動部材201の外周面に対して押圧されるか、もしくは数μm〜数十μmのシール隙間を保つ構造となって、半径方向シール面206としている。非回転側摺動部材202をばねによりホルダ204に対し軸方向に押圧してもよい。
また、非回転側摺動部材202とホルダ204との隙間部分には、非回転側摺動部材202の外周側を回り込んで高圧側から低圧側への作動流体の漏洩を防止するため、非回転側摺動部材202とホルダ204との接触による軸方向シール面212又はOリングなどの補助シールが設けられる。
したがって、このような回転軸シール装置では、回転側摺動面と非回転側摺動面との間の半径方向シール面206と、非回転側摺動面とホルダとの間の軸方向シール面212の2箇所にシール機能が必要となる。
図9は、従来の回転軸シール装置の非回転側摺動部材の分割形状を表す正面図である。
非回転側摺動部材202は円周方向に複数に分割されており、隣り合う非回転側摺動部材202の摺接面207は回転軸に垂直な断面において半径方向に直線をなす平面である。非回転側摺動部材202の各分割片は、外径円弧面208と内径円弧面209を上記摺接面207で囲むアーチ形状である。非回転摺動部材202を円周方向に分割しているので、機器の組立性及び保守性に優れている。
非回転側摺動部材202は円周方向に複数に分割されており、隣り合う非回転側摺動部材202の摺接面207は回転軸に垂直な断面において半径方向に直線をなす平面である。非回転側摺動部材202の各分割片は、外径円弧面208と内径円弧面209を上記摺接面207で囲むアーチ形状である。非回転摺動部材202を円周方向に分割しているので、機器の組立性及び保守性に優れている。
非回転側摺動部材202の各分割片には、半径方向シール面206を形成するシール隙間に動圧を生じ易くさせるために、内周面に動圧ポケットを設けた構造のものもある。
図10は、従来の動圧ポケットを持つ回転軸シール装置の正面図である。
非回転側摺動部材202の各分割片には、回転軸外表面と対向する内周面に動圧ポケットであるシール流体入口ポケット210と回転下流側に連なるシール流体昇圧ポケット211を形成している。シール流体入口ポケット210は、シール流体昇圧ポケット211より深い凹部であり、側面が開口している。回転機械の作動流体であるシール流体がシール隙間内部に入り易くし、円周方向に行き止まりとなったシール流体昇圧ポケット211で動圧量を増幅する。
非回転側摺動部材202の各分割片には、回転軸外表面と対向する内周面に動圧ポケットであるシール流体入口ポケット210と回転下流側に連なるシール流体昇圧ポケット211を形成している。シール流体入口ポケット210は、シール流体昇圧ポケット211より深い凹部であり、側面が開口している。回転機械の作動流体であるシール流体がシール隙間内部に入り易くし、円周方向に行き止まりとなったシール流体昇圧ポケット211で動圧量を増幅する。
発電用のタービンあるいはタービン発電機のごとく大型の回転機械においては両端を軸受で支持された軸方向に長い回転軸が圧力容器及び圧力隔壁を貫通している。機械の運転状況によっては、圧力隔壁の支持部となる圧力容器に温度分布ができ、熱膨張量の分布が生じ圧力容器が不等変形することがある。
図11は、圧力容器に不等変形が起きた回転機械を説明する図である。
図11において、圧力容器106の下半側が上半側より温度が低くなると、下半側の熱膨張量が上半側の膨張量より小さくなり、圧力容器106がアーチ状に変形することがある。
図11において、圧力容器106の下半側が上半側より温度が低くなると、下半側の熱膨張量が上半側の膨張量より小さくなり、圧力容器106がアーチ状に変形することがある。
このとき圧力隔壁105は、圧力容器106に固定されているため、圧力容器106の変形に合わせて変形する。
図12は、回転軸に対する圧力隔壁の相対的な移動を説明する図であり、(a)は相対的な並進変位を生じた場合を示す図、(b)は軸方向の相対的な回転変位を生じた場合を示す図である。
実際には、回転軸に対する圧力隔壁の相対的な並進変位と相対的な回転変位が複合して生ずる場合がある。このとき、相対的な回転変位が生ずる場合、従来の回転軸シール装置では、回転側摺動部材201とホルダ204との相対回転位置が直交しなくなることがあり、回転側摺動部材、ホルダ及び非回転側摺動部材の3者の位置関係に変化を来たす。
図13は、回転側摺動部材、ホルダ及び非回転側摺動部材の3者の位置関係を示す図であり、(a)は半径方向シール面の平行が保たれなくなった状態を示す図、(b)は軸方向シール面の平行が保たれなくなった状態を示す図である。
図13は、回転側摺動部材、ホルダ及び非回転側摺動部材の3者の位置関係を示す図であり、(a)は半径方向シール面の平行が保たれなくなった状態を示す図、(b)は軸方向シール面の平行が保たれなくなった状態を示す図である。
図13(a)に示すように圧力隔壁を兼ねるホルダ204の内側面の低圧側面に、軸方向シール面212を持つ非回転側摺動部材202が高圧側からシール流体の圧力に押され押付けられる。よって回転側摺動部材201と非回転側摺動部材202との間の半径方向シール面206のシール隙間は、くさび状になり、該隙間に生ずる動圧も予定したものと異なる分布となる。
また、図13(b)に示すように回転側摺動部材201と非回転側摺動部材202との半径方向シール面206が内部に生ずる動圧によって平行に保たれる場合に、非回転側摺動部材202の低圧側側面とホルダの内側面の低圧側面との軸方向シール面212が平行に接触しない場合もある。このように運転の状態で圧力容器106に不等変形が起きたことにより回転側摺動部材201と非回転側摺動部材202との相対的な回転方向の移動が生じ、半径方向シール面206あるいは軸方向シール面212が平行に保たれなくなり予定のシール効果が得られない場合がある。
そこで、本発明の目的は、回転機械の圧力容器に熱膨張などによる不等変形が起き、回転軸シール装置が設けられる圧力隔壁の回転軸に対する相対的な回転変位が生じた場合に、シール効果の低下を防止することにある。
上記課題を解決するため、本発明の回転軸シール装置は、ホルダに支持されたリング状のシール部材を有する、回転機械用の回転軸シール装置において、
前記シール部材は、回転軸外表面との間で半径方向シールを行う摺動部材と前記ホルダの内側面との間で軸方向シールを行う軸方向シール部材とからなり、前記摺動部材と前記軸方向シール部材の摺接面を球面形状としたことを特徴とする。
前記シール部材は、回転軸外表面との間で半径方向シールを行う摺動部材と前記ホルダの内側面との間で軸方向シールを行う軸方向シール部材とからなり、前記摺動部材と前記軸方向シール部材の摺接面を球面形状としたことを特徴とする。
本発明によれば、回転軸シール装置が設けられる圧力隔壁の回転軸に対する相対的な回転変位が生じた場合でも、回転軸との半径方向シール面及びホルダとの軸方向シール面を平行に保つことができ、予定のシール効果を得ることが可能になる。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る実施形態1の回転軸シール装置を示す断面図であり、図2は、本実施形態の回転軸シール装置の作用を説明する部分断面図である。
図1は、本発明に係る実施形態1の回転軸シール装置を示す断面図であり、図2は、本実施形態の回転軸シール装置の作用を説明する部分断面図である。
図1において、圧力隔壁を兼ねるホルダ4内に支持されるリング状のシール部材2は、非回転側の摺動部材8と軸方向シール部材9とからなる。回転軸3すなわち回転側摺動部材1を取り巻くように摺動部材8を配置する。回転側摺動部材1の外表面と摺動部材8の内周面との間には従来の動圧シールと同様に半径方向シール面6としての予定のシール隙間を設けておく。摺動部材8が円周方向に複数に分割される場合には、その外周側を例えばコイルばねなどから構成される弾性体5を円周方向に巻き付け、複数のアーチ形状の摺動部材8を結束し、リング状にする。
一方、シール部材2の支持構造となるホルダ4の低圧側内側面に向き合う位置に軸方向シール部材9を配置する。軸方向シール部材9とホルダ4の間で軸方向シール面7を形成する。
軸方向シール部材9は、円周方向に複数に分割し、ねじなどの締結部品でリング状とする構造にもできる。
軸方向シール部材9は、円周方向に複数に分割し、ねじなどの締結部品でリング状とする構造にもできる。
摺動部材8と軸方向シール部材9とは、互いに回転可能に摺接面10で接しており、摺接面10は、回転軸3の中心線上に中心がある球の球面形状、特に本実施の形態においては球帯形状とする。
上述した球の中心位置及び半径は、回転軸あるいは圧力容器及び圧力隔壁の形状と寸法と不等変形量からそれぞれの回転軸シール装置で決定する。例えば回転軸を支持する軸受部の回転軸中心を共通の摺接面の球帯中心としてそれぞれで半径を変えることもできる。
次に作用を説明する。
図1において、圧力容器に熱膨張などによる不等変形がなく、回転側摺動部材1とホルダ4との相対回転位置が直交している状態を示している。圧力容器に熱膨張などによる不等変形が起きると、図2に示すように回転側摺動部材1とホルダ4との相対回転位置が直交しなくなる。
図1において、圧力容器に熱膨張などによる不等変形がなく、回転側摺動部材1とホルダ4との相対回転位置が直交している状態を示している。圧力容器に熱膨張などによる不等変形が起きると、図2に示すように回転側摺動部材1とホルダ4との相対回転位置が直交しなくなる。
図2において、摺動部材8と軸方向シール部材9とは回転軸3の中心線上の一点を中心とした球の球帯形状の摺接面10で接している。このため、回転側摺動部材1とホルダ4との相対回転位置θが直交しない場合、ホルダ4と軸方向シール部材9との軸方向シール面7が密着しつつ、摺動部材8と軸方向シール部材9が摺接面10に沿って相対的に回転移動し、回転側摺動部材1との間の半径方向シール面6におけるシール隙間が予定したとおりに保たれる。すなわち、シール部材2の半径方向及び軸方向のシール面が向かい合う面に追従し、半径方向シール面6と軸方向シール面7のシール性能が確保できる。
上述の作用から、次のような効果が得られる。
機械の運転状況による圧力容器の据付状態からの不等変形が起き、圧力隔壁の回転軸に対する相対的な回転変位が生じた場合でも、シール部材の各シール面が平行に保たれ、予定の形状あるいは相対位置からずれない。これにより、予定したとおりのシール効果が確保され、漏洩量の低減が可能となる。
機械の運転状況による圧力容器の据付状態からの不等変形が起き、圧力隔壁の回転軸に対する相対的な回転変位が生じた場合でも、シール部材の各シール面が平行に保たれ、予定の形状あるいは相対位置からずれない。これにより、予定したとおりのシール効果が確保され、漏洩量の低減が可能となる。
以下に述べる実施形態2〜5は、実施形態1と相異する点を説明し、共通する点は説明を省略する。
(実施形態2)
図3は、本発明に係る実施形態2の回転軸シール装置を示す断面図であり、(a)は部分的な構造を示す断面図、(b)は潤滑剤保持溝の平面形状を示す図である。
(実施形態2)
図3は、本発明に係る実施形態2の回転軸シール装置を示す断面図であり、(a)は部分的な構造を示す断面図、(b)は潤滑剤保持溝の平面形状を示す図である。
本実施形態では、図3(a)に示すようにシール部材2において球帯状の摺接面10に二硫化モリブデン粉末のごとき乾性皮膜潤滑剤を塗布する。
更に、シール部材2の少なくとも一方、例えば摺動部材8の摺接面10の円周方向に沿って潤滑剤保持溝11を加工する。潤滑剤保持溝11は複数加工することもできる。また、潤滑剤保持溝11は摺動部材8が円周方向に複数に分割されたアーチ形状をしている場合には、図3(b)に示すように円周方向に摺動部材8の円弧長さより短い長さとして、かつ摺動部材8の円周方向端面に突き抜けないような位置に加工する。
このように、球帯状の摺接面10面に潤滑剤を塗布することにより摺接面における摺動部材8と軸方向シール部材9間の回転移動が円滑になる。また、摺接面10上に潤滑剤保持溝11を付けることによって、潤滑剤が溝内に滞留し、長期間にわたって潤滑効果を持続することが可能となり、長い間、円滑な摺接面10の回転移動が得られる。
(実施形態3)
図4は、本発明に係る実施形態3の回転軸シール装置を示す断面図である。
図4に示すように、シール部材2の少なくとも一方、例えば摺動部材8の摺接面10にフッ化炭素樹脂系材料あるいは銅合金系材料あるいは炭化珪素(SiC)材料の皮膜の固定、すなわち皮膜層12の形成を行う。皮膜層12の形成は溶射加工などで行うことができる。
図4は、本発明に係る実施形態3の回転軸シール装置を示す断面図である。
図4に示すように、シール部材2の少なくとも一方、例えば摺動部材8の摺接面10にフッ化炭素樹脂系材料あるいは銅合金系材料あるいは炭化珪素(SiC)材料の皮膜の固定、すなわち皮膜層12の形成を行う。皮膜層12の形成は溶射加工などで行うことができる。
また、皮膜層12を、金属材料を一次的に高温環境下に置くことで表層に生ずる酸化皮膜で形成する。
更に、摺動部材8を構成する鋼材の表面層に窒素を浸透させた窒化層あるいは炭素を拡散浸透させた浸炭層で皮膜層12を形成する。
更に、摺動部材8を構成する鋼材の表面層に窒素を浸透させた窒化層あるいは炭素を拡散浸透させた浸炭層で皮膜層12を形成する。
上記いずれの場合も皮膜層12は、摺接面10の全面ではなく部分的に被覆を施工することもできる。
また、皮膜層12は軸方向シール部材9の摺接面10に形成することもできる。
また、皮膜層12は軸方向シール部材9の摺接面10に形成することもできる。
これにより、摺動部材8の摺接面10の摩擦係数が低下し、耐摩耗性が向上し、かつ酸化防止が可能となる。摺接面10の摺動時の摩擦力が低下することで、シール装置の前後差圧による押し付け荷重環境下における摺動が円滑になり、わずかな動圧の変化で摺接面10の摺動が可能となる。また、摺接面10の固着すなわちかじりを防止し、高温環境下での摺動面10の焼き付き防止効果が得られ、長期間にわたり円滑な摺動が確保できる。
(実施形態4)
図1及び図3に示すシール部材2における摺動部材8又は軸方向シール部材9を、酸化ジルコニウム(ZrO2)あるいはアルミナオキサイド(Al2O3)のごときセラミック材料あるいはチタン合金で構成する。
図1及び図3に示すシール部材2における摺動部材8又は軸方向シール部材9を、酸化ジルコニウム(ZrO2)あるいはアルミナオキサイド(Al2O3)のごときセラミック材料あるいはチタン合金で構成する。
耐摩耗性、耐熱性、耐酸化性に優れた材料で摺接面10を構成するため摩耗や酸化によるかじり焼き付きの防止が可能となる。摺接面10での摺動が円滑になり、長期間にわたり円滑な摺動が確保できる。
(実施形態5)
図5は、本発明に係る実施形態5の回転軸シール装置を示す断面図である。
図5において、シール部材2における摺動部材8と軸方向シール部材9との摺接面10の間にフッ化炭素樹脂系材料あるいは銅合金系材料あるいはセラミック系材料で、摺接面10に隙間なく沿うような形状に成形した薄板13を挟む。薄板13は、摺動部材8又は軸方向シール部材9の一方に固定する。薄板13は円周方向に複数に分割することもできる。
図5は、本発明に係る実施形態5の回転軸シール装置を示す断面図である。
図5において、シール部材2における摺動部材8と軸方向シール部材9との摺接面10の間にフッ化炭素樹脂系材料あるいは銅合金系材料あるいはセラミック系材料で、摺接面10に隙間なく沿うような形状に成形した薄板13を挟む。薄板13は、摺動部材8又は軸方向シール部材9の一方に固定する。薄板13は円周方向に複数に分割することもできる。
これにより、耐摩耗性、耐熱性、耐酸化性に優れた材料の薄板を介して各摺接面間の摺動を行うことで摩耗や酸化によるかじりや焼き付きの防止が可能となる。摺接面の摺動が円滑になり、長期間にわたり円滑な摺動が確保できる。
1…回転側摺動部材、2…シール部材、3…回転軸、4…ホルダ、5…弾性体、6…半径方向シール面(シール隙間)、7…軸方向シール面、8…摺動部材、9…軸方向シール部材、10…摺接面、11…潤滑剤保持溝、12…皮膜層、13…薄板。
Claims (11)
- ホルダに支持されたリング状のシール部材を有する、回転機械用の回転軸シール装置において、
前記シール部材は、回転軸外表面との間で半径方向シールを行う摺動部材と前記ホルダの内側面との間で軸方向シールを行う軸方向シール部材とからなり、前記摺動部材と前記軸方向シール部材の摺接面を球面形状としたことを特徴とする回転軸シール装置。 - 前記摺接面は、回転軸の中心線上に中心がある球の球面形状とすることを特徴とする請求項1に記載の回転軸シール装置。
- 前記軸方向シール部材は、円周方向に複数に分割されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材と前記軸方向シール部材との摺接面の間に潤滑剤を塗布したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材又は前記軸方向シール部材の少なくとも一方の摺接面に円周方向に延在する溝を施したことを特徴とする請求項4に記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材又は前記軸方向シール部材の少なくとも一方の摺接面の表面に、フッ化炭素樹脂系材料、銅合金系材料、チタン合金系材料又は炭化珪素材料の皮膜層を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材又は前記軸方向シール部材の少なくとも一方の摺接面の表面に、酸化皮膜層を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材又は前記軸方向シール部材の少なくとも一方の摺接面の表面に、窒素を浸透させた窒化層又は炭素を浸透させた浸炭層の皮膜層を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材又は前記軸方向シール部材は、セラミック材料又はチタン合金であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の回転軸シール装置。
- 前記セラミック材料は、酸化ジルコニウム又はアルミナオキサイドであることを特徴とする請求項9に記載の回転軸シール装置。
- 前記摺動部材と前記軸方向シール部材との摺接面の間に、隙間なく沿うような形状に成形したフッ化炭素樹脂系材料、銅合金系材料、又はセラミック系材料の薄板を挟んで配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転軸シール装置。
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JP (1) | JP2010159824A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6101816B2 (ja) * | 2014-02-20 | 2017-03-22 | 三菱重工コンプレッサ株式会社 | 回転機械システム |
KR102546066B1 (ko) * | 2022-12-07 | 2023-06-28 | 유한회사 부산프로펠러공사 | 선박용 수중 메커니컬 씰 밀봉용 고무 튜브 제조방법 및 이에 의해 제조된 고무 튜브 |
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2009
- 2009-01-08 JP JP2009002589A patent/JP2010159824A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6101816B2 (ja) * | 2014-02-20 | 2017-03-22 | 三菱重工コンプレッサ株式会社 | 回転機械システム |
JPWO2015125246A1 (ja) * | 2014-02-20 | 2017-03-30 | 三菱重工コンプレッサ株式会社 | 回転機械システム |
KR102546066B1 (ko) * | 2022-12-07 | 2023-06-28 | 유한회사 부산프로펠러공사 | 선박용 수중 메커니컬 씰 밀봉용 고무 튜브 제조방법 및 이에 의해 제조된 고무 튜브 |
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