以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。
始めに、本発明の第1の実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態による無線通信システムは、1つ以上の基地局装置と1つ以上の移動局装置とを備えていて、その間の無線通信を行う。1つの基地局装置は、1つ以上のセルを構成し、1つのセルに1つ以上の移動局装置を収容できる。
<measurementについて(単一セル通信の場合)>
次に、測定(measurement)について、説明を行う。基地局装置は、移動局装置に対して、RRCシグナリング(無線リソース制御信号)のRRC接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを使って、測定設定(Measurement configuration)メッセージを送信する。移動局装置は、測定設定(Measurement configuration)メッセージに含まれるシステム情報を設定するとともに、通知されたシステム情報に従って、在圏セル(serving cell)および隣接セル(リストセル(listed cell)および/または検出セル(detected cell)を含む)に対する測定、イベント評価、測定報告を行う。リストセルは、測定対象(Measurement object)にリストされているセル(基地局装置から移動局装置へ隣接セルリストとして通知されているセル)であり、検出セルは、測定対象(Measurement object)によって指示された周波数において移動局装置が検出したが、測定対象(Measurement object)にはリストされていないセル(隣接セルリストとして通知されていない移動局装置自身が検出したセル)である。
測定(measurement)には、3つのタイプ(周波数内測定(intra-frequency measurements), 周波数間測定(inter-frequency measurements), 無線アクセス技術間測定(inter-RAT measurements))がある。周波数内測定(intra-frequency measurements)は、在圏セルの下りリンク周波数(下りリンク周波数)での測定である。周波数間測定(inter-frequency measurements)は、在圏セルの下りリンク周波数とは異なる周波数での測定である。無線アクセス技術間測定(inter-RAT measurements)は、在圏セルの無線技術(例えばEUTRA)とは異なる無線技術(例えばUTRA、GERAN,CDMA2000など)での測定である。
測定設定(Measurement configuration)メッセージには、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement objects)、報告設定(Reporting configurations)の設定の追加および/または修正および/または削除、数量設定(quantityConfig)、測定ギャップ設定(measGapConfig)、在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)などが含まれる。
<数量設定(quantityConfig)>
数量設定(quantityConfig)は、測定対象(Measurement objects)がEUTRAの場合、第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)を指定する。第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)は、最新の測定結果と、過去のフィルタリング測定結果との比(割合)を規定する。フィルタリング結果は、移動局装置でイベント評価に利用される。
<測定ギャップ設定(measGapConfig)>
測定ギャップ設定(measGapConfig)は、測定ギャップパターン(measurement gap pattern)の設定や、測定ギャップ(measurement gap)の活性化(activation)/非活性化(deactivation)を制御するために利用される。測定ギャップ設定(measGapConfig)では、測定ギャップを活性化させる場合の情報として、ギャップパターン(gap pattern)、開始システムフレーム番号(startSFN)、開始サブフレーム番号(startSubframeNumber)が通知される。ギャップパターン(gap pattern)は、測定ギャップ(measurement gap)として、どのパターンを使うかを規定する。開始システムフレーム番号(startSFN)は、測定ギャップ(measurement gap)を開始するSFN(System Frame Number)を規定する。開始サブフレーム番号(startSubframeNumber)は、測定ギャップ(measurement gap)を開始するサブフレーム番号を規定する。
<在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)>
在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)は、在圏セル(serving cell)の品質に関するスレッショルドを表し、移動局装置が測定(measurement)を行う必要があるか否かを制御するために利用される。在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)は、参照信号受信電力(RSRP)に対する値として設定される。
<測定識別子(measId)>
ここで、測定識別子(measId)は、測定対象(Measurement objects)と、報告設定(Reporting configurations)とをリンクさせるために利用され、具体的には、測定対象識別子(measObjectId)と報告設定識別子(reportConfigId)とをリンクさせる。測定識別子(measId)には、一つの測定対象識別子(measObjectId)と一つの報告設定識別子(reportConfigId)が対応付けられる。測定設定(Measurement configuration)メッセージは、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement objects)、報告設定(Reporting configurations)の関係に対して追加・修正・削除することが可能である。
measObjectToRemoveListは、指定された測定対象識別子(measObjectId)および指定された測定対象識別子(measObjectId)に対応する測定対象(Measurement objects)を削除するコマンドである。この際、指定された測定対象識別子(measObjectId)に対応付けられたすべての測定識別子(measId)は、削除される。このコマンドは、同時に複数の測定対象識別子(measObjectId)の指定が可能である。
measObjectToAddModifyListは、指定された測定対象識別子(measObjectId)を指定された測定対象(Measurement objects)に修正、または、指定された測定対象識別子(measObjectId)と指定された測定対象(Measurement objects)を追加するコマンドである。このコマンドは、同時に複数の測定対象識別子(measObjectId)の指定が可能である。
reportConfigToRemoveListは、指定された報告設定識別子(reportConfigId)および指定された報告設定識別子(reportConfigId)に対応する報告設定(Reporting configurations)を削除するコマンドである。この際、指定された報告設定識別子(reportConfigId)に対応付けられたすべての測定識別子(measId)は、削除される。このコマンドは、同時に複数の報告設定識別子(reportConfigId)の指定が可能である。
reportConfigToAddModifyListは、指定された報告設定識別子(reportConfigId)を指定された報告設定(Reporting configurations)に修正、または、指定された報告設定識別子(reportConfigId)と指定された報告設定(Reporting configurations)を追加するコマンドである。このコマンドは、同時に複数の報告設定識別子(reportConfigId)の指定が可能である。
measIdToRemoveListは、指定された測定識別子(measId)を削除するコマンドである。この際、指定された測定識別子(measId)に対応付けられた測定対象識別子(measObjectId)と報告設定識別子(reportConfigId)は、削除されずに維持される。このコマンドは、同時に複数の測定識別子(measId)の指定が可能である。
measIdToAddModifyListは、指定された測定識別子(measId)を指定された測定対象識別子(measObjectId)と指定された報告設定識別子(reportConfigId)に対応付けるように修正、または、指定された測定対象識別子(measObjectId)と指定された報告設定識別子(reportConfigId)を指定された測定識別子(measId)に対応付けし、指定された測定識別子(measId)を追加するコマンドである。このコマンドは、同時に複数の測定識別子(measId)の指定が可能である。
<測定対象(Measurement objects)>
測定対象(Measurement objects)は、無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)および周波数ごとに規定されている。また、報告設定(Reporting configurations)は、EUTRAに対する規定と、EUTRA以外のRATに対する規定がある。
測定対象(Measurement objects)には、測定対象識別子(measObjectId)と対応付けられた測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)などが含まれる。
測定対象識別子(measObjectId)は、測定対象(Measurement objects)の設定を識別するために使用する識別子である。測定対象(Measurement objects)の設定は、前述のように、無線アクセス技術(RAT)および周波数ごとに規定されている。測定対象(Measurement objects)は、EUTRA、UTRA、GERAN、CDMA2000に対して別途仕様化されている。EUTRAに対する測定対象(Measurement objects)である測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)は、EUTRAの隣接セルに対して適用される情報を規定する。また、測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)のなかで異なる周波数のものは異なる測定対象(Measurement objects)として扱われ、別途測定対象識別子(measObjectId)が割り当てられる。
測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)には、EUTRA搬送波周波数情報(eutra-CarrierInfo)、測定帯域幅(measurementBandwidth)、オフセット周波数(offsetFreq)、隣接セルリスト(neighbour cell list)に関する情報、ブラックリスト(black list)に関する情報が含まれる。
次に、測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれる情報ついて説明する。EUTRA搬送波周波数情報(eutra-CarrierInfo)は、測定対象とする搬送波周波数を指定する。測定帯域幅(measurementBandwidth)は、測定対象とする搬送波周波数で動作する全ての隣接セル共通な測定帯域幅を示す。オフセット周波数(offsetFreq)は、測定対象とする周波数において適用される測定オフセット値を示す。
隣接セルリスト(neighbour cell list)に関する情報は、イベント評価や、測定報告の対象となる隣接セルに関する情報を含む。隣接セルリスト(neighbour cell list)に関する情報としては、物理セル識別子(physical cell ID)や、セル固有オフセット(cellIndividualOffset、隣接セルに対して適用する測定オフセット値を示す)などが含まれている。この情報は、EUTRAの場合、移動局装置が、既に、報知情報(報知されるシステム情報)から既に取得している隣接セルリスト(neighbour cell list)に対して、追加・修正または削除を行うための情報として利用される。
また、ブラックリスト(black list)に関する情報は、イベント評価や、測定報告の対象とならない隣接セルに関する情報を含む。ブラックリスト(black list)に関する情報としては、物理セル識別子(physical cell ID)などが含まれる。この情報は、EUTRAの場合、移動局装置が、既に、報知情報から取得しているブラックセルリスト(black listed cell list)に対して、追加・修正または削除を行うための情報として利用される。
<報告設定(Reporting configurations)>
報告設定(Reporting configurations)には、報告設定識別子(reportConfigId)と対応付けられた報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)などが含まれる。
報告設定識別子(reportConfigId)は、測定に関する報告設定(Reporting configurations)を識別するために使用する識別子である。測定に関する報告設定(Reporting configurations)は、前述のように、EUTRAに対する規定と、EUTRA以外のRAT(UTRA、GERAN、CDMA2000)に対する規定がある。EUTRAに対する報告設定(Reporting configurations)である報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)は、EUTRAにおける測定の報告に利用するイベントのトリガ条件(triggering criteria)を規定する。
また、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)には、イベント識別子(eventId)、トリガ量(triggerQuantity)、ヒステリシス(hysteresis)、トリガ時間(timeToTrigger)、報告量(reportQuantity)、最大報告セル数(maxReportCells)、報告間隔(reportInterval)、報告回数(reportAmount)が含まれる。
次に、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)について説明する。イベント識別子(eventId)は、イベントトリガ報告(event triggered reporting)に関する条件(criteria)を選択するために利用される。ここで、イベントトリガ報告(event triggered reporting)とは、イベントトリガ条件を満たした場合に、測定を報告する方法である。この他に、イベントトリガ条件を満たした場合に、一定間隔で、ある回数だけ測定を報告するというイベントトリガ定期報告(event triggered periodic reporting)もある。
イベントトリガ条件としては、後述の5種類が規定されている。すなわち、イベント識別子(eventId)によって指定されたイベントトリガ条件を満たした場合、移動局装置は、基地局装置に対して、測定報告(measurement report)を行う。トリガ量(triggerQuantity)は、イベントトリガ条件を評価するために利用する量である。すなわち、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、または、参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)が指定される。すなわち、移動局装置は、このトリガ量(triggerQuantity)によって指定された量を利用して、下りリンク参照信号の測定を行い、イベント識別子(eventId)で指定されたイベントトリガ条件を満たしているか否かを判定する。ヒステリシス(hysteresis)は、イベントトリガ条件で利用されるパラメータである。トリガ時間(timeToTrigger)は、イベントトリガ条件を満たすべき期間を示す。報告量(reportQuantity)は、測定報告(measurement report)において報告する量を示す。ここでは、トリガ量(triggerQuantity)で指定した量、または、参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)が指定される。ここで、参照信号受信品質(RSRQ)は、(N * RSRP) / (EUTRA Carrier RSSI)で表される比である。受信信号強度(EUTRA Carrier RSSI)は、全受信信号電力の強さを示し、測定帯域幅はシステム帯域幅と同じである。Nは受信信号強度(EUTRA Carrier RSSI)の測定帯域幅に関するリソースブロック(RB:Resource Block)数である。最大報告セル数(maxReportCells)は、測定報告(measurement report)に含めるセルの最大数を示す。報告間隔(reportInterval)は、定期報告(periodical reporting)またはイベントトリガ定期報告(event triggered periodic reporting)に対して利用され、報告間隔(reportInterval)で示される間隔ごとに定期報告する。報告回数(reportAmount)は、必要に応じて、定期報告(periodical reporting)を行う回数を規定する。
尚、後述のイベントトリガ条件で利用するスレッショルドパラメータやオフセットパラメータ(a1_Threshold、a2_Threshold、a3_Offset、a4_Threshold、a5_Threshold1、a5_Threshold2)は、報告設定EUTRA(reportConfigEUTRA)において、イベント識別子(eventId)と一緒に、移動局装置へ通知される。
<イベントトリガ条件について>
測定報告(measurement report)をするためのイベントトリガ条件には、以下の5種類が定義されており、それぞれ加入条件と離脱条件がある。すなわち、基地局装置から指定されたイベントに対する加入条件を満たした移動局装置は、基地局装置に対して測定報告(measurement report)を送信する。一方、イベント加入条件を満たして測定報告(measurement report)を送信していた移動局装置は、イベント離脱条件を満たした場合、測定報告(measurement report)の送信を停止する。以下が、各イベントに対する加入条件と離脱条件である。
<イベント(Event)A1>
イベント(Event)A1加入条件:Ms - Hys > a1_Threshold
イベント(Event)A1離脱条件:Ms + Hys < a1_Threshold
<イベント(Event)A2>
イベント(Event)A2加入条件:Ms - Hys < a2_Threshold
イベント(Event)A2離脱条件:Ms + Hys > a2_Threshold
<イベント(Event)A3>
イベント(Event)A3加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > Ms + Ofs + Ocs + a3_Offset
イベント(Event)A3離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < Ms + Ofs + Ocs + a3_Offset
<イベント(Event)A4>
イベント(Event)A4加入条件:Mn + Ofn + Ocn - Hys > a4_Threshold
イベント(Event)A4離脱条件:Mn + Ofn + Ocn + Hys < a4_Threshold
<イベント(Event)A5>
イベント(Event)A5加入条件:Ms - Hys < a5_Threshold1, Mn + Ofn + Ocn - Hys > a5_Threshold2
イベント(Event)A5離脱条件:Ms + Hys > a5_Threshold1, Mn + Ofn + Ocn + Hys < a5_Threshold2
ここで、Msとは、在圏セル(serving cell)に対する測定結果である(セル特有の測定オフセット値を考慮しない)。Mnとは、隣接セル(neighbour cell)に対する測定結果である。Hysとは、対象とするイベントに対するヒステリシスパラメータである。
Ofnとは、隣接セルの周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。Ofnは、測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)のオフセット周波数(offsetFreq)に相当する。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ofnは、Ofsと同じである。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ofnは、在圏セルとは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるオフセット周波数(offsetFreq)である。
Ocnとは、隣接セルに対するセル特有の測定オフセット値である。Ocnは、測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)のセル固有オフセット(cellIndividualOffset)に相当する。Ocnが設定されていない場合は、測定オフセット値を0とする。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ocnは、在圏セルと同じ下りリンク周波数の測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ocnは、在圏セルとは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。
Ofsとは、在圏セルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。Ofsは、測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)のオフセット周波数(offsetFreq)に相当する。
Ocsとは、在圏セルに対するセル特有の測定オフセット値である。Ocs は、在圏セルの周波数の測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)のセル固有オフセット(cellIndividualOffset)に含まれる。
a1_Thresholdとは、イベントA1に対して利用されるスレッショルドパラメータである。a2_Thresholdとは、イベントA2に対して利用されるスレッショルドパラメータである。a3_Offsetとは、イベントA3に対して利用されるオフセットパラメータである。a4_Thresholdとは、イベントA4に対して利用されるスレッショルドパラメータである。a5_Threshold1とa5_Threshold2とは、イベントA5に対して利用されるスレッショルドパラメータである。
移動局は在圏セルの測定結果Ms及び隣接セルの測定結果Mnにより各イベントを発生する。在圏セルの測定結果Msが、各パラメータの適用後、スレッショルドa1_Thresholdよりよい場合、イベントA1が発生し、スレッショルドa2_Thresholdより悪い場合、イベントA2が発生する。隣接セルの測定結果Mnが、各パラメータの適用後、在圏セル測定結果Ms及びオフセットa3_Offsetより良い場合、イベントA3が発生し、隣接セルの測定結果Mnが、各パラメータの適用後、スレッショルドa4_Thresholdより良い場合、イベントA4が発生する。在圏セルの測定結果Msが、各パラメータの適用後、スレッショルドa5_Threshold1より悪い且つ隣接セルの測定結果Mnが、各パラメータの適用後、スレッショルドa5_Threshold2より良い場合、イベントA5が発生する。
尚、基地局装置は、在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)を通知する場合と通知しない場合がある。基地局装置が在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)を通知する場合、移動局装置は、在圏セル(serving cell)の品質(RSRP値)が在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)よりも低いときに、隣接セルの測定と、イベント評価(イベントトリガ条件を満たすか否か、報告条件(Reporting criteria)の評価とも言う)を行う。一方、基地局装置が在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)を通知しない場合、移動局装置は、在圏セル(serving cell)の品質(RSRP値)によらず、隣接セルの測定と、イベント評価を行う。
<Measurement Resultについて>
イベントトリガ条件を満たした移動局装置は、基地局装置に対して、測定報告(Measurement report)を送信する。測定報告(Measurement report)には、測定結果(Measurement result)が含まれる。
この測定結果(Measurement result)は、測定識別子(measId)、在圏セル測定結果(measResultServing)、EUTRA測定結果リスト(measResultListEUTRA)で構成される。ここで、EUTRA測定結果リスト(measResultListEUTRA)には、物理セル識別子(physicalCellIdentity)、EUTRAセル測定結果(measResultEUTRA)が含まれる。
ここで、測定識別子(measId)とは、前述のように、測定対象識別子(measObjectId)と報告設定識別子(reportConfigId)とのリンクに利用されていた識別子である。また、在圏セル測定結果(measResultServing)は、在圏セル(serving cell)に対する測定結果であり、在圏セル(serving cell)に対する参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)の両方の結果を報告する。在圏セルに対する測定結果は、測定結果には必ず含まれる。また、物理セル識別子(physicalCellIdentity)は、セルを識別するために利用する。EUTRAセル測定結果(measResultEUTRA)は、EUTRAセルに対する測定結果である。隣接セルの測定結果は関連するイベントの発生時にのみ含まれる。
図1は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる下りリンクのチャネルの構成を示す図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる上りリンクのチャネルの構成を示す図である。図1に示す下りリンクのチャネルと、図2に示す上りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。
論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータがどのような特性をもち、そのデータがどのように送信されるのかを定義する。物理チャネルは、トランスポートチャネルを運ぶ物理的なチャネルである。
下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)、共通制御チャネル(CCCH:Common Control Channel)、専用制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネル(DTCH:Dedicated Traffic Channel)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH:Multicast Control Channel)、マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH:Multicast Traffic Channel)が含まれる。上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)が含まれる。
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネル(BCH:Broadcast Channel)、ページングチャネル(PCH:Paging Channel)、下りリンク共用チャネル(DL−SCH:Downlink Shared Channel)、マルチキャストチャネル(MCH:Multicast Channel)が含まれる。上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネル(UL−SCH:Uplink Shared Channel)、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)が含まれる。
下りリンクの物理チャネルには、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が含まれる。上りリンクの物理チャネルには、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)が含まれる。
これらのチャネルは、従来技術で説明した図20のようにして基地局装置と移動局装置の間で送受信される。
次に、論理チャネルについて説明する。報知制御チャネル(BCCH)は、システム情報を報知するために使用される下りリンクチャネルである。ページング制御チャネル(PCCH)は、ページング情報を送信するために使用される下りリンクチャネルであり、ネットワークが移動局装置のセル位置を知らないときに使用される。
共通制御チャネル(CCCH)は、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
専用制御チャネル(DCCH)は、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、移動局装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネル(DCCH)は、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。
専用トラフィックチャネル(DTCH)は、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザ情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、ネットワークから移動局装置へMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service:マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)制御情報を、一対多(point-to-multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。これは、1対多でサービスを提供するMBMSサービスに使用される。
MBMSサービスの送信方法としては、単セル一対多(SCPTM:Single-Cell Point-to-Multipoint)送信と、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス単一周波数網(MBSFN:Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)送信とがある。MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、複数セルから同時に識別可能な波形(信号)を送信することで実現する同時送信技術である。一方、SCPTM送信とは、1つの基地局装置でMBMSサービスを送信する方法である。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、1つまたは複数のマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)に利用される。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、ネットワークから移動局装置へトラフィックデータ(MBMS送信データ)を一対多(point-to-multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、MBMSを受信する移動局装置だけが利用する。
次に、トランスポートチャネルについて説明する。報知チャネル(BCH)は、固定かつ事前に定義された送信形式によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネル(DL−SCH)では、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)、MBMS送信がサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)では、ビームフォーミングを利用可能であり、動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ページングチャネル(PCH)では、DRXがサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、ページングチャネル(PCH)は、トラフィックチャネルや他の制御チャネルに対して動的に使用される物理リソース、すなわち物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)、にマッピングされる。
マルチキャストチャネル(MCH)は、セル全体に報知される必要がある。また、マルチキャストチャネル(MCH)では、複数セルからのMBMS送信のMBSFN(MBMS Single Frequency Network)結合(Combining)や、拡張サイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)を使う時間フレームなど、準静的リソース割り当てがサポートされる。
上りリンク共用チャネル(UL−SCH)では、HARQ、動的適応無線リンク制御がサポートされる。また、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)では、ビームフォーミングを利用可能である。動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、限られた制御情報が送信され、衝突リスクがある。
次に、物理チャネルについて説明する。物理報知チャネル(PBCH)は、40ミリ秒間隔で報知チャネル(BCH)をマッピングする。40ミリ秒のタイミングは、ブラインド検出(blind detection)される。すなわち、タイミング提示のために、明示的なシグナリングを行わなくても良い。また、物理報知チャネル(PBCH)を含むサブフレームは、そのサブフレームだけで復号できる(自己復号可能(self-decodable)である)。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、下りリンク共用チャネル(PDSCH)のリソース割り当て、下りリンクデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)情報、および、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のリソース割り当てである上りリンク送信許可(上りリンクグラント)を移動局装置に通知するために使用されるチャネルである。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。物理マルチキャストチャネル(PMCH)は、マルチキャストチャネル(MCH)を送信するために利用するチャネルであり、下りリンク参照信号、上りリンク参照信号、物理下りリンク同期信号が別途配置される。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)は、主に上りリンクデータ(UL−SCH)を送信するために使用されるチャネルである。基地局装置100が、移動局装置200をスケジューリングした場合には、チャネルフィードバックレポート(下りリンクのチャネル品質識別子CQI(Channel Quality Indicator)、プレコーディングマトリックス識別子PMI(Precoding Matrix Indicator)、ランク識別子RI(Rank Indicator))や下りリンク送信に対するHARQ肯定応答(ACK:Acknowledgement)/否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)も物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)を使用して送信される。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、チャネルフィードバックレポート(CQI、PMI、RI)、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、下りリンク送信に対するHARQ、肯定応答/否定応答などを送信するために使用されるチャネルである。
物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のために使用されるOFDMシンボル数を移動局装置に通知するために利用するチャネルであり、各サブフレームで送信される。
物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)は、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを送信するために利用するチャネルである。
下りリンク参照信号(DL−RS:Downlink Reference Signal)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリンク参照信号は、所定の時間間隔(例えば1フレーム)で周期的に繰り返される信号であり、移動局装置は、所定の時間間隔において下りリンク参照信号を受信し、受信品質を測定することによって、セル毎の受信品質の判断に用いる。また、下りリンク参照信号と同時に送信される下りデータの復調のための参照用の信号として用いる。下りリンク参照信号に使用される系列は、セル毎に一意に識別可能な系列であれば、任意の系列を用いても良い。
次に、本発明の第1の実施形態による通信システムによるチャネルマッピングについて説明する。
図1に示されるように、下りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。報知チャネル(BCH)は、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
マルチキャストチャネル(MCH)は、物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされる。ページングチャネル(PCH)および下りリンク共用チャネル(DL−SCH)は、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)にマッピングされる。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理チャネル単独で使用される。
一方、上りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネル(UL−SCH)は、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)にマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(RACH)は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)にマッピングされる。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、物理チャネル単独で使用される。
また、下りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。ページング制御チャネル(PCCH)は、ページングチャネル(PCH)にマッピングされる。
報知制御チャネル(BCCH)は、報知チャネル(BCH)と下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)からマルチキャストチャネル(MCH)へのマッピングは、MBSFN送信時に行われる一方、SCPTM送信時は、このマッピングは下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
一方、上りリンクにおいて次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)にマッピングされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、論理チャネルとマッピングされない。
図4は、本発明の第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置100は、データ制御部101、OFDM変調部102、無線部103、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM(DFT−Spread−OFDM)復調部106、データ抽出部107、上位層108、アンテナ部A1を備えている。
無線部103、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ抽出部107、上位層108およびアンテナ部A1は、受信部を構成している。また、データ制御部101、OFDM変調部102、無線部103、スケジューリング部104、上位層108およびアンテナ部A1は、送信部を構成している。それぞれの送信部、受信部の一部は、コンポーネントキャリアごとに別々に処理するように構成され、一部は、コンポーネントキャリア間で共通の処理を行うように構成されている。
アンテナ部A1、無線部103、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106およびデータ抽出部107は、上りリンクの物理層の処理を行う。アンテナ部A2、データ制御部101、OFDM変調部102および無線部103は、下りリンクの物理層の処理を行う。
データ制御部101は、スケジューリング部104からトランスポートチャネルを取得する。データ制御部101は、トランスポートチャネルと、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。以上のようにマッピングされた各データは、OFDM変調部102へ出力される。
OFDM変調部102は、データ制御部101から入力されたデータに対して、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(下りリンク物理リソースブロック(PRB)割り当て情報(例えば、周波数、時間など物理リソースブロック位置情報)や、各下りリンク物理リソースブロック(PRB)に対応する変調方式および符号化方式(例えば、16QAM変調、2/3コーディングレート)などを含む)に基づいて、符号化、データ変調、入力信号の直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入、並びに、フィルタリングなどOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成して、無線部103へ出力する。
無線部103は、OFDM変調部102から入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A1を介して、移動局装置200に送信する。また、無線部103は、移動局装置200からの上りリンクの無線信号を、アンテナ部A1を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データをチャネル推定部105とDFT−S−OFDM復調部106とに出力する。
スケジューリング部104は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層の処理を行う。スケジューリング部104は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。スケジューリング部104は、各物理層の処理部を統合して制御するため、スケジューリング部104と、アンテナ部A1、無線部103、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ制御部101、OFDM変調部102およびデータ抽出部107との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
スケジューリング部104は、下りリンクのスケジューリングでは、移動局装置200から受信したフィードバック情報(下りリンクのチャネルフィードバックレポート(チャネル品質(CQI)、ストリームの数(RI)、プレコーディング情報(PMI)など))や、下りリンクデータに対するACK/NACKフィードバック情報など)、各移動局装置の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、バッファ状況、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための下りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理、HARQにおける再送制御および下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。これら下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101およびデータ抽出部107へ出力される。
また、スケジューリング部104は、上りリンクのスケジューリングでは、チャネル推定部105が出力する上りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果、移動局装置200からのリソース割り当て要求、各移動局装置200の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための上りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理および上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。
これら上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101およびデータ抽出部107へ出力される。
また、スケジューリング部104は、上位層108から入力された下りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部101へ出力する。また、スケジューリング部104は、データ抽出部107から入力された上りリンクで取得した制御データとトランスポートチャンネルを、必要に応じて処理した後、上りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層108へ出力する。
チャネル推定部105は、上りリンクデータの復調のために、上りリンク復調用参照信号(DRS:Demodulation Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をDFT−S−OFDM復調部106に出力する。また、上りリンクのスケジューリングを行うために、上りリンク測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をスケジューリング部104に出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT−S−OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
DFT−S−OFDM復調部106は、チャネル推定部105から入力された上りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部103から入力された変調データに対し、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)変換、サブキャリアマッピング、IFFT変換、フィルタリング等のDFT−S−OFDM信号処理を行って、復調処理を施し、データ抽出部107に出力する。
データ抽出部107は、スケジューリング部104からのスケジューリング情報に基づいて、DFT−S−OFDM復調部106から入力されたデータに対して、正誤を確認するとともに、確認結果(肯定信号ACK/否定信号NACK)をスケジューリング部104に出力する。
また、データ抽出部107は、スケジューリング部104からのスケジューリング情報に基づいて、DFT−S−OFDM復調部106から入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データとに分離して、スケジューリング部104に出力する。
分離された制御データには、移動局装置200から通知されたフィードバック情報(下りリンクのチャネルフィードバックレポート(CQI、PMI、RI)、下りリンクのデータに対するACK/NACKフィードバック情報)などが含まれている。
上位層108は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。上位層108は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層108と、スケジューリング部104、アンテナ部A1、無線部103、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ制御部101、OFDM変調部102およびデータ抽出部107との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
上位層108は、無線リソース制御部109を有している。また、無線リソース制御部109は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、測定設定および測定結果の管理、ページング制御、各移動局装置の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、移動局装置ごとのバッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)の管理などを行っている。上位層108は、別の基地局装置への情報および上位ノードへの情報の授受を行う。
図5は、本発明の第1の実施形態による移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。移動局装置200は、データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203、スケジューリング部204、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207、上位層208、アンテナ部A2を備えている。
データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203、スケジューリング部204、上位層208およびアンテナ部A2は、送信部を構成している。また、無線部203、スケジューリング部204、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207、上位層208およびアンテナ部A2は、受信部を構成している。また、スケジューリング部204は、選択部を構成している。
アンテナ部A2、データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202および無線部203は、上りリンクの物理層の処理を行う。アンテナ部A2、無線部203、チャネル推定部205、OFDM復調部206およびデータ抽出部207は、下りリンクの物理層の処理を行う。それぞれの送信部、受信部の一部は、コンポーネントキャリアごとに別々に処理するように構成され、一部は、コンポーネントキャリア間で共通の処理を行うように構成されている。
データ制御部201は、スケジューリング部204からトランスポートチャネルを取得する。データ制御部201は、トランスポートチャネルと、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部204から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。このようにマッピングされた各データは、DFT−S−OFDM変調部202へ出力される。
DFT−S−OFDM変調部202は、データ制御部201から入力されたデータに対し、データ変調、DFT処理、サブキャリアマッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、サイクリックプレフィックス(CP)挿入、フィルタリングなどのDFT−S−OFDM信号処理を行い、DFT−S−OFDM信号を生成して、無線部203へ出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT−S−OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、代わりにOFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
無線部203は、DFT−S−OFDM変調部202から入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A2を介して、基地局装置100に送信する。
また、無線部203は、基地局装置100からの下りリンクのデータで変調された無線信号を、アンテナ部A2を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データを、チャネル推定部205およびOFDM復調部206に出力する。
スケジューリング部204は、媒体アクセス制御層の処理を行う。スケジューリング部104は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。スケジューリング部104は、各物理層の処理部を統合して制御するため、スケジューリング部104と、アンテナ部A2、データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207および無線部203との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
スケジューリング部204は、下りリンクのスケジューリングでは、基地局装置100や上位層208からのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報)などに基づいて、トランスポートチャネルおよび物理信号および物理チャネルの受信制御、HARQ再送制御および下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。これら下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部201およびデータ抽出部207へ出力される。
スケジューリング部204は、上りリンクのスケジューリングでは、上位層208から入力された上りリンクのバッファ状況、データ抽出部207から入力された基地局装置100からの上りリンクのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報など)、および、上位層208から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングするためのスケジューリング処理および上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。
なお、上りリンクのトランスポートフォーマットについては、基地局装置100から通知された情報を利用する。これらスケジューリング情報は、データ制御部201およびデータ抽出部207へ出力される。
また、スケジューリング部204は、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部201へ出力する。また、スケジューリング部204は、チャネル推定部205から入力された下りリンクのチャネルフィードバックレポート(CQI、PMI、RI)や、データ抽出部207から入力されたCRC確認結果についても、データ制御部201へ出力する。
また、スケジューリング部204は、データ抽出部207から入力された下りリンクで取得した制御データとトランスポートチャネルを、必要に応じて処理した後、下りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層208へ出力する。
チャネル推定部205は、下りリンクデータの復調のために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をOFDM復調部206に出力する。
また、チャネル推定部205は、基地局装置100に下りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果を通知するために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、この推定結果を下りリンクのチャネルフィードバックレポート(チャネル品質情報など)に変換して、スケジューリング部204に出力する。また、基地局装置100に下りリンクの測定結果を通知するために、下りリンク参照信号(RS)の測定結果を無線リソース制御部209に出力する。
OFDM復調部206は、チャネル推定部205から入力された下りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部203から入力された変調データに対して、OFDM復調処理を施し、データ抽出部207に出力する。
データ抽出部207は、OFDM復調部206から入力されたデータに対して、巡回冗長検査(CRC)を行い、正誤を確認するとともに、確認結果(ACK/NACKフィードバック情報)をスケジューリング部204に出力する。
また、データ抽出部207は、スケジューリング部204からのスケジューリング情報に基づいて、OFDM復調部206から入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データに分離して、スケジューリング部204に出力する。分離された制御データには、下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てや上りリンクのHARQ制御情報などのスケジューリング情報が含まれている。このとき、物理下りリンク制御信号(PDCCH)の検索空間(検索領域ともいう)をデコード処理し、自局宛の下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てなどを抽出する。
上位層208は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。上位層208は、無線リソース制御部209を有している。上位層208は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層208と、スケジューリング部204、アンテナ部A2、データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207および無線部203との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
無線リソース制御部209は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、測定設定および測定結果の管理、ページング制御、自局の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、バッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)の管理を行う。
図3は、本発明のネットワーク構成の例について示した図である。移動局装置200は、キャリアアグリゲーションによって複数の周波数層(コンポーネントキャリアCC1〜コンポーネントキャリアCC3)で同時に通信が可能である場合、ネットワーク構成としては、ある一つの基地局装置1002が複数の下りリンク周波数層毎に送信部21、送信部22を備えている場合(CC2〜CC3)と、周波数層毎に一つの基地局装置1001が一つの送信部11を備えている場合(CC1)が考えられ、更にその両方が混在される場合があるが、いずれの構成であっても本実施の形態を実現する上で問題は無い。また、送信部21、送信部22が一つの送信部で構成されても良い。また、上りリンクも同様で一つの基地局装置が複数の上りリンク周波数層毎に受信部を備えている場合と、周波数層毎に一つの基地局装置が一つの受信部を備えている場合が考えられ、更にその両方が混在される場合がある。また、基地局装置1001,1002は上位の制御局300によって管理されてもよいし、基地局装置1001と基地局装置1002間で協調制御してもよい。移動局装置200は、下りリンクコンポーネントキャリアがどの基地局装置から送信されているか、上りリンクコンポーネントキャリアがどの基地局装置で受信されるかを特に意識することなく、セルとして認識する。各セルで報知されるシステム情報から対応する上りリンクコンポーネントキャリアの周波数帯域や帯域幅などのシステム情報を取得する。移動局装置200に対して、専用信号(RRCシグナリングなど)にてコンポーネントキャリアの追加(キャリアアグリゲーション)が行われるため、移動局装置特有のコンポーネントキャリアの設定が可能である。
移動局装置では、システム情報の各コンテンツであるシステム情報フィールドと、一つ又は複数のシステム情報フィールドで構成されるシステム情報要素(IE:Information Element)を管理する。これらのシステム情報(システム情報フィールドおよびシステム情報要素を含む)は、移動局装置と基地局装置のRRCでコンポーネントキャリアごとに管理される。システム情報は、移動局装置と基地局装置で通信を行うシステムで管理される設定情報パラメータであり、移動局装置がシステムで動作するために必要なパラメータでもある。システム情報には、測定設定(Measurement configuration)、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement objects)、報告設定(Reporting configurations)なども含まれる。
RRCで管理されるシステム情報は、報知制御チャネル(BCCH)で報知されたり、共通制御チャネル(CCCH)および/または専用制御チャネル(DCCH)のRRCシグナリングで、基地局装置から移動局装置へ通知されたりする。
このRRCで管理されるシステム情報を、コンポーネントキャリアごとに異なる(コンポーネントキャリアそれぞれで固有の)パラメータとして管理する。
RRCシグナリングで、システム情報を通知する場合、コンポーネントキャリアの識別番号を指定してシステム情報を通知するような新たなRRCメッセージのタイプをシステム情報ごとに用意しても良いし、RRC接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを拡張し、コンポーネントキャリアの識別番号を指定してRRC接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを通知できるようにしても良い。コンポーネントキャリアの識別番号は、物理セル識別子(physicalCellIdentity)と対象とする周波数を流用するようにしても良い。
報知制御チャネル(BCCH)を使って、SIB(SystemInforamtionBlock)(同じ送信周期で送られる複数システム情報のかたまり)でシステム情報を通知する場合にも、システム情報を適用するコンポーネントキャリアの識別番号を指定してシステム情報を通知する。または、システム情報を通知するSIBが配置されたコンポーネントキャリアが、そのシステム情報が適用されるコンポーネントキャリアとするようにしてもよい。
移動局装置は、システム帯域の中の一部の帯域幅を有する一つ又は複数のコンポーネントキャリアのシステム情報を管理し、移動局装置にコンポーネントキャリアが追加された際に、現在アクセス中のコンポーネントキャリアのシステム情報を、追加された各コンポーネントキャリアにも適用する。また、移動局装置は、移動局装置にコンポーネントキャリアが追加された際に、追加されたコンポーネントキャリアに適用されるシステム情報として通知されなかったシステム情報に対しては、現在アクセス中のコンポーネントキャリアのシステム情報を、追加された各コンポーネントキャリアに対して適用する。また、移動局装置は、予め定められた特定のシステム情報については、移動局装置にコンポーネントキャリアが追加された際に、現在アクセス中のコンポーネントキャリアのシステム情報を、追加された各コンポーネントキャリアに対して適用する。また、移動局装置は、予め定められた特定のシステム情報については、移動局装置にコンポーネントキャリアが追加された際に、デフォルト値(初期値)のシステム情報を、追加された各コンポーネントキャリアに対して適用する。
コンポーネントキャリアの追加(キャリアアグリゲーション)は、アクティブなコンポーネントキャリア(セル)の追加またはコンポーネントキャリア(セル)の活性化という概念としても解釈できる。このアクティブなコンポーネントキャリア(セル)をアクティブセットセル(Active Set Cells)またはアクティブセットコンポーネントキャリア(Active Set Component Carriers)と呼ぶ。このアクティブセットセルには、同一および異なる周波数層のセル(またはコンポーネントキャリア)を含む。
コンポーネントキャリア追加に関する情報を取得した移動局装置200は、無線部203を追加されたコンポーネントキャリアを受信できるように調整する。
続いて、複数セル(コンポーネントキャリア)で通信する場合の移動局装置の測定(measurement)の方法について説明する。
<在圏セルの解釈1>
在圏セルの考え方の一つの例(在圏セルの解釈1)について図6で説明する。移動局装置および基地局装置は、アクティブなコンポーネントキャリアそれぞれを在圏セル(serving cells)と解釈する。隣接セルは、あるアクティブセットセル内の一つのセルを在圏セルと考えたとき、在圏セル以外のセルである。すなわち、アクティブセット内のセルは、どのセルを在圏セルと考えるかによって隣接セルと解釈される場合がある。このようにすることにより在圏セルの概念が拡張されるため複数の周波数層の測定に関する設定を効率よく行うことが可能となる。また、測定の際にアクティブセット内のセル間での測定も在圏セルと隣接セルとの測定と解釈できる。また、それぞれのセルで設定されている在圏セルおよび隣接セルの設定をそのまま適用することが可能となる。
<在圏セルの解釈2>
在圏セルの考え方の別の例(在圏セルの解釈2)について図7で説明する。移動局装置および基地局装置は、アクティブなコンポーネントキャリアすべてを在圏セル(serving cells)と解釈する。隣接セルは、アクティブセットセルに設定されていないセルである。このようにすることにより在圏セルの概念が拡張されるため複数の周波数層の測定に関する設定を効率よく行うことが可能となる。また、測定の際に測定すべき隣接セルからアクティブセット内のセルを省くことができる。また、それぞれのセルで設定されている在圏セルおよび隣接セルの設定をそのまま適用することが可能となる。
<周波数間測定の解釈>
アクティブセットセルが設定されている場合の周波数内測定(intra-frequency measurements)と周波数間測定(inter-frequency measurements)の定義について図8で説明する。周波数内測定(intra-frequency measurements)は、アクティブセットセルに設定されているセルそれぞれの下りリンク周波数での測定である。周波数間測定(inter-frequency measurements)は、アクティブセットセルに設定されているセルそれぞれの下りリンク周波数とは異なる周波数での測定である。すなわち、在圏セルとして測定するセルをアクティブセットセル内のある一つのセルとすると、アクティブセットセル内の測定する在圏セルとアクティブセットセル内の周波数の異なるセルとの間の測定は周波数間測定となる。これにより、基地局装置と移動局装置は、アクティブセットセルの設定に応じて自動的に周波数間測定と周波数内測定を管理することができる。
<測定対象(Measurement objects)>
測定対象(Measurement objects)は、周波数ごとに規定されているのでアクティブセットセル内のセルごとに設定する必要はない。その場合、測定対象識別子(measObjectId)は、セル(コンポーネントキャリア)ごとに区別することなく共通の値を使用することが可能である。この設定は、在圏セルの解釈1と在圏セルの解釈2のいずれに対しても適用可能である。
しかし、コンポーネントキャリアの識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)を指定して、測定対象(Measurement objects)が、セル(コンポーネントキャリア)ごとに設定されるようにしてもよい。その場合、測定対象識別子(measObjectId)は、セル(コンポーネントキャリア)ごとに区別される。移動局装置及び基地局装置は、コンポーネントキャリア識別番号を情報要素として含むような測定対象識別子(measObjectId)またはコンポーネントキャリア識別番号と測定対象識別子(measObjectId)を指定して測定対象(Measurement objects)を識別する。この設定は、在圏セルの解釈1と在圏セルの解釈2のいずれに対しても適用可能である。コンポーネントキャリアの識別番号が指定された場合は、測定対象(Measurement objects)に対する在圏セル(測定基準セル(測定結果Msの対象セル))は、指定されたセル(コンポーネントキャリア)となる。
<報告設定(Reporting configurations)>
報告設定(Reporting configurations)は、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)がすでに規定されている場合は、アクティブセットセル内のセルごとに設定する必要はない。その場合、報告設定識別子(reportConfigId)は、コンポーネントキャリアごとに区別することなく共通の値を使用することが可能である。この設定は、在圏セルの解釈1と在圏セルの解釈2のいずれに対しても適用可能である。
報告設定(Reporting configurations)は、測定対象となる在圏セルが複数存在するため、コンポーネントキャリアの識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)を指定して、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)として解釈されるコンポーネントキャリアごとに報告設定(Reporting configurations)が設定されるようにしてもよい。
移動局装置及び基地局装置は、コンポーネントキャリア識別番号を情報要素として含むような報告設定識別子(reportConfigId)またはコンポーネントキャリア識別番号と報告設定識別子(reportConfigId)を指定して報告設定(Reporting configurations)を識別する。移動局装置及び基地局装置は、指定されたセル(コンポーネントキャリア)を測定基準セル(測定結果Msの対象セル)として報告設定(Reporting configurations)を解釈する。この設定は、在圏セルの解釈1と在圏セルの解釈2のいずれに対しても適用可能である。
<測定識別子(measId)>
測定識別子(measId)は、コンポーネントキャリアごとに区別することなく共通の値を使用することが可能である。この設定は、在圏セルの解釈1と在圏セルの解釈2のいずれに対しても適用可能である。
測定識別子(measId)は、測定対象となる在圏セルが複数存在するため、コンポーネントキャリアの識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)を指定して、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)として解釈されるコンポーネントキャリアごとに測定識別子(measId)が設定されるようにする。
移動局装置及び基地局装置は、コンポーネントキャリア識別番号を情報要素として含むような測定識別子(measId)またはコンポーネントキャリア識別番号と測定識別子(measId)を指定して、測定対象(Measurement objects)と報告設定(Reporting configurations)とをリンクさせる。移動局装置及び基地局装置は、指定されたコンポーネントキャリアを測定基準セル(測定結果Msの対象セル)として測定(measurement)を解釈する。この設定は、在圏セルの解釈1と在圏セルの解釈2のいずれに対しても適用可能である。
<測定基準セル(測定結果Msの対象セル)の解釈1>
図9に示すように測定基準セル(測定結果Msの対象セル)は、測定(Measurement)を行う際の測定対象(Measurement objects)に対する基準となるセル(コンポーネントキャリア)である。すなわち、測定対象(Measurement objects)における在圏セルである。上記で説明したように測定基準セル(測定結果Msの対象セル)は、測定識別子(measId)や測定対象(Measurement objects)や報告設定(Reporting configurations)で指定されたコンポーネントキャリアの識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)で識別する方法がある。
すなわち、測定識別子(measId)の設定、測定対象(Measurement objects)の設定、報告設定(Reporting configurations)のいずれかで測定基準セル(測定結果Msの対象セル)が指定されればよい。コンポーネントキャリアの識別番号は、物理セル識別子(physicalCellIdentity)と対象とする周波数を流用するようにしても良い。この方法(測定基準セルの解釈1)により、測定識別子(measId)ごとに測定基準セル(測定結果Msの対象セル)が規定またはリンクされることになる。このように測定識別子(measId)ごとに測定基準セル(測定結果Msの対象セル)が規定されることにより、基地局装置がコンポーネントキャリアごとの測定設定を行うことが可能となる。
<測定基準セル(測定結果Msの対象セル)の解釈2>
図10に示すように測定基準セル(測定結果Msの対象セル)は、測定(Measurement)を行う際の測定対象(Measurement objects)に対する基準となるセル(コンポーネントキャリア)である。すなわち、測定対象(Measurement objects)における在圏セルである。別の方法(測定基準セルの解釈2)として、在圏セルの解釈2で説明した在圏セルすべてまたは複数を測定基準セル(測定結果Msの対象セル)する(アクティブセットセル内のすべてまたは複数のセルを測定基準セル(測定結果Msの対象セル)とする)方法がある。すなわち、それは、複数の測定基準セル(測定結果Msの対象セル)を設けることになる。この場合、複数の測定基準セル(測定結果Msの対象セル)に対する報告結果が移動局装置から報告される。複数の測定基準セルをアクティブセットセルと独立に設定する場合は、測定識別子(measId)の設定、測定対象(Measurement objects)の設定、報告設定(Reporting configurations)のいずれかで複数の測定基準セル(測定結果Msの対象セル)が指定される。複数の測定基準セルをアクティブセットセルのすべてのセルとする場合は、アクティブセットセルの設定に応じて測定基準セル(測定結果Msの対象セル)が定まることになる。
<在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)>
基地局装置が在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)を通知する場合、移動局装置は、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)の品質(RSRP値)が在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)よりも低いときに、隣接セルの測定と、イベント評価(イベントトリガ条件を満たすか否か、報告条件(Reporting criteria)の評価とも言う)を行う。一方、基地局装置が在圏セル品質スレッショルド(s-Measure)を通知しない場合、移動局装置は、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)の品質(RSRP値)によらず、隣接セルの測定と、イベント評価を行う。
<イベントトリガ条件の解釈1>
測定報告(measurement report)をするためのイベントトリガ条件(イベントトリガ条件の解釈1)について図11で説明する。
Msは、測定基準セルとして指定されたセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。Mnとは、測定対象(Measurement objects)の中で、測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。
Ofnとは、測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ofnは、Ofsと同じである。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ofnは、測定基準セルとは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるオフセット周波数(offsetFreq)である。
Ocnとは、測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の周波数に対するセル特有の測定オフセット値である。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ocnは、測定基準セルと同じ下りリンク周波数の測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ocnは、測定基準セルとは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。
Ofsとは、測定基準セルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。
Ocsとは、測定基準セルのセル特有の測定オフセット値である。
移動局は測定基準セルの測定結果Ms(イベントA1, A2)、または、測定基準セルの測定結果Msおよび測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA3, A5)、または、測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA4)により各イベントを発生する。このイベントトリガ条件の解釈1は、在圏セルの解釈1および測定基準セルの解釈1に適用することが望ましい。このように測定基準セルごとに測定パラメータ設定することにより、基地局装置がコンポーネントキャリア間の報告優先度を操作することが可能となる。
<イベントトリガ条件の解釈2>
続いて、測定報告(measurement report)をするための別のイベントトリガ条件(イベントトリガ条件の解釈2)について図12で説明する。
Msは、測定基準セルとして指定されたセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。Mnとは、測定対象(Measurement objects)の中で、アクティブセットセルに含まれないセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。
他のパラメータはイベントトリガ条件の解釈1と同様である。
移動局は測定基準セルの測定結果Ms(イベントA1, A2)、または、測定基準セルの測定結果Msおよびアクティブセットセルに含まれないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA3, A5)、または、アクティブセットセルに含まれないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA4)により各イベントを発生する。この場合、アクティブセットセル内のセル間のイベントは、トリガの対象とならないことになる。このイベントトリガ条件の解釈2は、在圏セルの解釈2および測定基準セルの解釈1に適用することが望ましい。このように測定基準セルごとに測定パラメータ設定することにより、基地局装置がコンポーネントキャリア間の報告優先度を操作することが可能となる。
<イベントトリガ条件の解釈3>
また、測定報告(measurement report)をするための別のイベントトリガ条件(イベントトリガ条件の解釈3)について図13で説明する。
Msは、測定基準セルの解釈2で説明したような複数の測定基準セル(コンポーネントキャリア)のそれぞれに対する測定結果である。Mnとは、測定対象(Measurement objects)の中で、それぞれの測定基準セル(測定結果Msの対象セル)に対する測定の際のその測定基準セル以外のセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。
Ofnとは、Mnの対象セルの周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ofnは、Ofsと同じである。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ofnは、それぞれの測定基準セルとは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるオフセット周波数(offsetFreq)である。
Ocnとは、Mnの対象セルの周波数に対するセル特有の測定オフセット値である。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ocnは、それぞれの測定基準セルと同じ下りリンク周波数の測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ocnは、それぞれの測定基準セルとは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。
Ofsとは、それぞれの測定基準対象セルの周波数に対する周波数特有のオフセット値である。
Ocsとは、それぞれの測定基準セルのセル特有の測定オフセット値である。
移動局はそれぞれの測定基準セルの測定結果Ms(イベントA1, A2)、または、それぞれの測定基準セルの測定結果Msおよびそれぞれの測定基準セル(測定結果Msの対象セル)に対する測定の際のその測定基準セル以外のセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA3, A5)、または、それぞれの測定基準セル(測定結果Msの対象セル)に対する測定の際のその測定基準セル以外のセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA4)により各イベントを発生する。このイベントトリガ条件の解釈3は、在圏セルの解釈1および測定基準セルの解釈2に適用することが望ましい。このように測定基準セルごとに測定パラメータ設定することにより、基地局装置がコンポーネントキャリア間の報告優先度を操作することが可能となる。
<イベントトリガ条件の解釈4>
また、測定報告(measurement report)をするための別のイベントトリガ条件(イベントトリガ条件の解釈4)について図14で説明する。
Msは、測定基準セルの解釈2で説明したようなアクティブセット内のすべてまたは複数の測定基準セル(コンポーネントキャリア)のそれぞれに対する測定結果である。Mnとは、測定対象(Measurement objects)の中で、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)として設定されているセル以外のセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。
他のパラメータはイベントトリガ条件の解釈3と同様である。
移動局は測定基準セルの測定結果Ms(イベントA1, A2)、または、測定基準セルの測定結果Msおよび測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA3, A5)、または、測定基準セルとして指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mn(イベントA4)により各イベントを発生する。この場合、測定基準セル(測定結果Msの対象セル)として設定されているセル間のイベントは、トリガの対象とならないことになる。このイベントトリガ条件の解釈3は、在圏セルの解釈2および測定基準セルの解釈2に適用することが望ましい。このように測定基準セルごとに測定パラメータ設定することにより、基地局装置がコンポーネントキャリア間の報告優先度を操作することが可能となる。
<Measurement Resultについて>
測定結果(Measurement result)は、測定基準セルが測定識別子(measId)ごとに指定されている場合は、アクティブセットセルが設定されていない場合(キャリアアグリゲーションが行われない場合)と同様であり、在圏セル測定結果(measResultServing)に、測定基準セルとして設定されたセルの参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)の結果を報告するのが望ましい。この場合、基地局主導型の測定基準セルの指定・決定となる。測定基準セルが測定識別子(measId)とコンポーネントキャリアの識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)とで識別可能な場合は、コンポーネントキャリアの識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)も指定する。すなわち、移動局装置は、複数の測定基準セルに対して測定を行い、トリガ条件を満たした測定基準セルを報告する。この場合、移動局主導型の測定基準セルの指定・決定となる。また、セルを識別するために利用する物理セル識別子(physicalCellIdentity)は、コンポーネントキャリア間で同じ場合があるが測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)が周波数ごとに設定されているため周波数で識別可能である。
測定結果(Measurement result)は、複数の測定基準セルが測定識別子(measId)に対して指定されている場合は、次のような方法(測定結果の方法1)で報告される。
測定結果(Measurement result))に、測定基準セルとして設定されたすべてのセル(またはアクティブセットセルのすべてのセル)の参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)の結果を報告する。すなわち、イベントの種類にかかわらず、測定報告に測定基準セルとして設定されたすべてのセル(またはアクティブセットセルのすべてのセル)の参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)の結果が含まれることになる。このようにすることにより、基地局装置は、特に指定することなく移動局装置から測定基準セルとして設定されたすべてのセル(またはアクティブセットセルのすべてのセル)の状況を把握することが可能となり、それぞれのイベントの要因も推測することが可能となる。
また、別の方法(測定結果の方法2)として、測定結果(Measurement result)は、複数の測定基準セルが測定識別子(measId)に対して指定されている場合は、次のように報告される。
移動局装置は、測定基準セルとして設定されたすべてのセル(またはアクティブセットセルのすべてのセル)の参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)の結果から最適セルを判断する。在圏セル測定結果(measResultServing)に、最適セルのコンポーネントキャリア識別番号(アクティブセットセル内のセル識別番号)と最適セルの参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含めて報告する。報告されるイベントは、最適セルを測定基準セルとしたイベントのみである。最適セルの測定には、各測定基準セルに対して各周波数のOfs、各測定基準セルのOcsを加算後の値で比較するようにしてもよい。このようにすることにより、基地局装置がコンポーネントキャリア間の報告優先度を操作することが可能となる。
この測定基準セルとして設定されたすべてのセル(またはアクティブセットセルのすべてのセル)の中の最適セルに対する測定報告(measurement report)を別のイベントとしてイベント識別子(eventId)を割り当てるようにしても良い。すなわち、各測定基準セルに対して各周波数のOfs、各測定基準セルのOcsを考慮して最適なセル(コンポーネントキャリア)の変更時に報告をトリガする
<アクティブセットセル(コンポーネントキャリア)の追加・修正・削除>
アクティブセットセル(コンポーネントキャリア)の追加・修正を行った際の測定(Measurement)に関するシステム情報の処理方法について説明する。
アクティブセットセル(コンポーネントキャリア)の追加・修正が通知された場合、測定基準セルの解釈2で複数の測定基準セルをアクティブセットセルのすべてのセルとする場合は、アクティブセットセルの設定に応じて測定基準セル(測定結果Msの対象セル)が定まることになる。
アクティブセットセル(コンポーネントキャリア)の削除を行った際の測定(Measurement)に関するシステム情報の処理方法について図15で説明する。
アクティブセットセルの削除が行われた場合、削除されたセルのキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)をすべて削除する。
アクティブセットセルの削除が行われた場合、削除されたセルのキャリア周波数に対応する測定基準セルにリンクされている測定識別子(measId)をすべて削除する。
アクティブセットセル(コンポーネントキャリア)の追加削除を行った際の測定(Measurement)に関するシステム情報の処理方法について説明する。
アクティブセットセルの追加削除が同時に行われた場合(アクティブセットセルの交換)、追加されたセルのキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)を削除されたセルのキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)にリンクさせ、削除されたセルのキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)を追加されたセルのキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)にリンクさせる。
このように、アクティブセットセルの追加・削除・修正・交換などの処理に応じて、自動的に測定設定を変更することにより、設定のための信号の削減と早期の設定反映が可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態による無線通信システムについて説明する。以降では、第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
DLマスター周波数(下りリンクプライマリコンポーネントキャリア、下りリンクプライマリセルとも呼ぶ)とは、移動局装置が最初にアクセスまたはモニタリングする下りリンク周波数層(コンポーネントキャリアまたはコンポーネントキャリア群)であったり、または、基地局装置からの指定によって定められた特定の下りリンク周波数層であったりする。少なくとも下りリンク同期を取得可能な下りリンク同期信号(SCH)が配置される。
DLスレーブ周波数(下りリンクセカンダリコンポーネントキャリア、下りリンクセカンダリセルとも呼ぶ)とは、基地局装置によって指定されたアクセス可能なコンポーネントキャリアのうちDLマスター周波数と指定してされていない下りリンク周波数層である。
ULマスター周波数(上りリンクプライマリコンポーネントキャリアとも呼ぶ)とは、移動局装置が最初にアクセスする上りリンク周波数層(コンポーネントキャリアまたはコンポーネントキャリア群)であったり、または、DLマスター周波数で指定された、または、DLマスター周波数と対応付けられたコンポーネントキャリアまたはコンポーネントキャリア群であったり、または、基地局装置からの指定によって定められた特定の上りリンク周波数層であったりする。
ULスレーブ周波数(上りリンクセカンダリコンポーネントキャリアとも呼ぶ)とは、基地局装置によって指定されたアクセス可能なコンポーネントキャリアのうちULマスター周波数と指定してされていない上りリンク周波数層である。
以降、単にマスター周波数、スレーブ周波数と言う場合には、DLマスター周波数および/またはULマスター周波数、DLスレーブ周波数および/またはULスレーブ周波数を意味している。
それぞれの移動局装置にとってのマスター周波数およびスレーブ周波数は異なっても良い。すなわち、ある移動局装置にとってのマスター周波数が、別の移動局装置にとってのスレーブ周波数となるように構成されても良い。これは、移動局装置に対して、専用信号にてコンポーネントキャリアの追加が行われるため、移動局装置特有のコンポーネントキャリアの設定が可能であることを示している。
マスター周波数とスレーブ周波数は、隣接したキャリア周波数に配置されていても良いし、離れたキャリア周波数に配置されても良い。
また、機能ごとにマスター周波数を設けてもよい。ここでは、測定(measurement)に関するマスター周波数について説明する。
移動局装置では、システム情報の各コンテンツであるシステム情報フィールドと、一つ又は複数のシステム情報フィールドで構成されるシステム情報要素(IE:Information Element)を管理する。これらのシステム情報(システム情報フィールドおよびシステム情報要素を含む)は、移動局装置と基地局装置のRRCでコンポーネントキャリアごとに管理される。システム情報は、移動局装置と基地局装置で通信を行うシステムで管理される設定情報パラメータであり、移動局装置がシステムで動作するために必要なパラメータでもある。システム情報には、測定設定(Measurement configuration)、測定識別子(measId)、測定対象(Measurement objects)、報告設定(Reporting configurations)なども含まれる。
RRCで管理されるシステム情報は、報知制御チャネル(BCCH)で報知されたり、共通制御チャネル(CCCH)および/または専用制御チャネル(DCCH)のRRCシグナリングで、基地局装置から移動局装置へ通知されたりする。
移動局装置および基地局装置は、マスター周波数が指定されると、マスター周波数で使用されるシステム情報を、各コンポーネントキャリアに対しても適用して管理する。
続いて、複数コンポーネントキャリアで通信する場合の移動局装置の測定(measurement)の方法について説明する。
<在圏セルの解釈>
在圏セルの考え方の一つの例について図16で説明する。移動局装置および基地局装置は、DLマスター周波数を在圏セル(serving cells)と解釈する。隣接セルは、DLマスター周波数以外のセルである。隣接セルは、あるアクティブセットセル内の一つのセルを在圏セルと考えたとき、在圏セル以外のセルである。すなわち、アクティブセット内のセルは、どのセルを在圏セルと考えるかによって隣接セルと解釈される場合がある。このようにすることにより在圏セルの概念が拡張されるため複数の周波数層の測定に関する設定を効率よく行うことが可能となる。また、一つのセルを基準にして測定を行うことが可能となる。
在圏セルの考え方の別の例について図17で説明する。移動局装置および基地局装置は、在圏セル内のDLマスター周波数を測定基準セルと解釈する。在圏セルは、DLマスター周波数を含む複数のコンポーネントキャリアで構成される。隣接セルは、DLマスター周波数を含む複数のコンポーネントキャリアで構成される在圏セル以外のセルである。このようにすることにより在圏セルの概念が拡張されるため複数の周波数層の測定に関する設定を効率よく行うことが可能となる。また、セル内の一つのコンポーネントキャリアを基準にして測定を行うことが可能となる。
<周波数間測定の解釈>
アクティブセットセルが設定されている場合の周波数内測定(intra-frequency measurements)と周波数間測定(inter-frequency measurements)の定義について図18で説明する。周波数内測定(intra-frequency measurements)は、DLマスター周波数の下りリンク周波数での測定である。周波数間測定(inter-frequency measurements)は、DLマスター周波数の下りリンク周波数とは異なる周波数での測定である。
<測定対象(Measurement objects)>
測定対象識別子(measObjectId)は、コンポーネントキャリアごとに区別することなく共通の値を使用することが可能である。
<報告設定(Reporting configurations)>
報告設定識別子(reportConfigId)は、コンポーネントキャリアごとに区別することなく共通の値を使用することが可能である。
<測定識別子(measId)>
測定識別子(measId)は、コンポーネントキャリアごとに区別することなく共通の値を使用することが可能である。
<イベントトリガ条件の解釈>
測定報告(measurement report)をするためのイベントトリガ条件について図19で説明する。
Msは、DLマスター周波数に対する測定結果である。Mnとは、DLマスター周波数として指定されていないセル(コンポーネントキャリア)に対する測定結果である。
Ofnとは、DLマスター周波数として指定されていないセル(コンポーネントキャリア))の周波数に対する周波数特有の測定オフセット値である。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ofnは、Ofsと同じである。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、OfnはDLマスター周波数とは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるオフセット周波数(offsetFreq)である。
Ocnとは、DLマスター周波数として指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の周波数に対するセル特有の測定オフセット値である。周波数内測定(intra-frequency measurements)の場合、Ocnは、DLマスター周波数と同じ下りリンク周波数の測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。周波数間測定(inter-frequency measurements)の場合、Ocnは、DLマスター周波数とは異なる下りリンク周波数に対応する測定対象EUTRA(measObjectEUTRA)に含まれるセル固有オフセット(cellIndividualOffset)である。
Ofsとは、DLマスター周波数の周波数に対する周波数特有のオフセット値である。
Ocsとは、DLマスター周波数のセル特有の測定オフセット値である。
移動局はDLマスター周波数の測定結果Ms及びDLマスター周波数として指定されていないセル(コンポーネントキャリア)の測定結果Mnにより各イベントを発生する。このようにDLマスター周波数で測定パラメータ設定を単一化することにより、制御を容易にすることが可能となる。
<Measurement Resultについて>
在圏セル測定結果(measResultServing)に、DLマスター周波数として設定されたセルの参照信号受信電力(RSRP)および参照信号受信品質(RSRQ)の結果を報告する。
<DLマスター周波数の変更>
DLマスター周波数の変更が行われた場合、変更先のDLマスター周波数のキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)を変更元のDLマスター周波数のキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)にリンクさせ、変更元のDLマスター周波数のキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)を変更先のDLマスター周波数のキャリア周波数に対応する測定対象識別子(measObjectId)にリンクされている測定識別子(measId)にリンクさせる。このように、DLマスター周波数の変更などの処理に応じて、自動的に測定設定を変更することにより、設定のための信号の削減と早期の設定反映が可能となる。
上記のそれぞれの実施形態において、コンポーネントキャリアは、単にセルと解釈することもでき、移動局装置が複数のセルのシステム情報を管理すると解釈することもできる。その場合、RRCシグナリングでは、コンポーネントキャリアの追加ではなく、アクティブな(活性化された)セルの追加またはセルの活性化と解釈する。複数のコンポーネントキャリアで通信するということは複数のアクティブなセルで通信すると解釈する。また、一つのセルで複数のコンポーネントキャリアが管理されているとも解釈できる。
上記のそれぞれの実施形態においては、複数のコンポーネントキャリアで一つのシステムを構成するように説明したが、複数のシステムが、アグリゲーションされて、一つのシステムとして構成されると解釈することもできる。また、コンポーネントキャリアは、特定の受信側、又は、特定の送信側が、それぞれのコンポーネントキャリアの中心にキャリア周波数を合わせることによってシステムが動作する領域であることを示していると解釈することもできる。
上記のそれぞれの実施形態を組み合わせて実施してもよい。
上記のそれぞれの実施形態においては、基地局装置および移動局装置は複数であっても良い。また、移動局装置とは、移動する端末に限らず、基地局装置や固定端末に移動局装置の機能を実装することなどにより実現しても良い。
また、以上説明したそれぞれの実施形態において、基地局装置内の各機能や、移動局装置内の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置や移動局装置の制御を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
100…基地局装置、101…データ制御部、102…OFDM変調部、103…無線部、104…スケジューリング部、105…チャネル推定部、106…DFT−S−OFDM復調部、107…データ抽出部、108…上位層、200…移動局装置、201…データ制御部、202…DFT−S−OFDM変調部、203…無線部、204…スケジューリング部、205…チャネル推定部、206…OFDM復調部、207…データ抽出部、208…上位層、A1,A2…アンテナ部、10001…基地局装置、10002…基地局装置、11…送信部、21…送信部、22…送信部、300…制御局