JP2010153685A - トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】一次巻線と二次巻線との絶縁を確保することが可能な小型のトランスを提供。
【解決手段】トランス10は、第1巻線ボビン13と第2巻線ボビン14と環状磁芯15とを有し、第1巻線ボビンは筒部13の端部側に延長された外表面に巻線の巻回軸方向と交差する複数の突条13cが形成され、第2巻線ボビン14は他方の巻線が巻回された領域の第1巻線ボビンと対向する面側を被覆するカバー16を有する。このため、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、環状磁芯の露出部分との沿面距離が十分確保されるとともに、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、他方の巻線および他方の巻線の端部が接続された端子との空間距離が十分確保される。
【選択図】図2
【解決手段】トランス10は、第1巻線ボビン13と第2巻線ボビン14と環状磁芯15とを有し、第1巻線ボビンは筒部13の端部側に延長された外表面に巻線の巻回軸方向と交差する複数の突条13cが形成され、第2巻線ボビン14は他方の巻線が巻回された領域の第1巻線ボビンと対向する面側を被覆するカバー16を有する。このため、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、環状磁芯の露出部分との沿面距離が十分確保されるとともに、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、他方の巻線および他方の巻線の端部が接続された端子との空間距離が十分確保される。
【選択図】図2
Description
本発明は液晶TVその他の各種電子機器に用いられる絶縁型のトランスに関する。また、ディスプレイを有する電子機器におけるディスプレイのバックライト等をインバータ駆動する回路により好適に用いられる絶縁型のトランスに関する。
液晶TVその他の電子機器には、例えば冷陰極蛍光管その他の放電灯を用いたバックライト装置を備えている。これらの放電灯を点灯させるため、低電圧の交流電源から一旦低電圧の直流を得る第1の電源と、低電圧の直流電源から高電圧を得るためのインバータ回路と、を有するものが用いられている。回路の複雑化を抑制しコストを低減するために、低電圧の交流電源から直接高電圧を得るためのインバータ回路が求められるようになっている。これに用いられるトランスとして、一次巻線と二次巻線とを絶縁した構造が不可欠となる。
一次巻線と二次巻線とを絶縁した構造のトランスの一例を図7に示す。該トランスは、特許文献1に記載されているように、一次巻線が巻回される第1のボビン113と、二次巻線が巻回される第2のボビン114と、第1のボビン113と第2のボビン114とを一体に被覆するケース120と、を有する。そして、ケース120は、第1のボビン113と第2のボビン114との間に挿入される絶縁壁を内部に有する。
特開2008−34599号公報
上記背景技術に記載された絶縁型のトランスにおいては、第1のボビン113と第2のボビン114とを一体に被覆するケース120を有し、ケース120は、第1のボビン113と第2のボビン114との間に挿入される絶縁壁を内部に有するので、ケース120の沿面距離によって一次巻線と二次巻線との間の絶縁を確保しなければならない。このため、高さ方向や幅方向にケース形状を大きくすることが避けられないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決して、絶縁型のトランスにおいて、簡易な構造で一次巻線と二次巻線との絶縁を確保することが可能な小型のトランスを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、(1)第1巻線ボビンと第2巻線ボビンと環状磁芯とを有する絶縁型のトランスである。そして、第1巻線ボビンは、一次巻線および二次巻線のうちのいずれか一方の巻線が巻回された第1の筒部と、第1の筒部の巻線巻回領域の両側にそれぞれ配設され一方の巻線の端部が導電接続される端子が植設された端子植設部と、第1の筒部の前記端子植設部よりさらに外側にそれぞれ延長された第1の絶縁部と、を有する。 また第2巻線ボビンは、第1巻線ボビンに対向して配置され、一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線が巻回された第2の筒部と、第2の筒部の巻線巻回領域の両側にそれぞれ配設され他方の巻線の端部が導電接続される端子が植設された端子植設部と、第2の筒部の他方の巻線が巻回された領域の少なくとも第1巻線ボビンと対向する面側を被覆するカバーからなる第2の絶縁部と、を有する。 さらに前記環状磁芯は、前記第1巻線ボビンの筒部に挿着される第1の磁脚と、該第1の磁脚に対向して配置され前記第2巻線ボビンの筒部に挿着される第2の磁脚と、を有する。(・・・以下第1の技術手段と称する。)
また、上記トランスの主要な実施形態の一つは、(2)第1の技術手段に加えてさらに、第1巻線ボビンの第1の絶縁部が、第1の筒部の端部との間の外周面に一方の巻線の巻回軸方向と交差する突条および/または溝が形成されている。(・・・以下第2の技術手段と称する。)
また、上記トランスの他の主要な実施形態の一つは、(3)第1または第2の技術手段に加えてさらに、第2巻線ボビンの第2の絶縁部のカバーが、絶縁テープが3層以上重ねられた積層体で構成されている。(・・・以下第3の技術手段と称する。)
また、上記トランスの他の主要な実施形態の一つは、(4)第1または第2の技術手段に加えてさらに、第2巻線ボビンの第2の絶縁部のカバーが、断面略コ字状である。(・・・以下第4の技術手段と称する。)
また、上記トランスの他の主要な実施形態の一つは、(5)第2の技術手段に加えてさらに、第1巻線ボビンの第1の絶縁部の突条および/または溝が、一方の巻線の巻回軸方向に対し斜めに配置されている。(・・・以下第5の技術手段と称する。)
また、上記トランスの他の主要な実施形態の一つは、(6)第2の技術手段に加えてさらに、第1巻線ボビンの第1の絶縁部が、第1巻線ボビンおよび第2巻線ボビンのうちの最下部より所定の距離を隔てた位置に配設されている。(・・・以下第6の技術手段と称する。)
上記第1の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、第1巻線ボビンが、一次巻線および二次巻線のうちのいずれか一方の巻線が巻回された第1の筒部と、第1の筒部の巻線巻回領域の両側にそれぞれ配設され一方の巻線の端部が導電接続される端子が植設された端子植設部と、第1の筒部の端子植設部よりさらに外側にそれぞれ延長された第1の絶縁部と、を有する。そして、第2巻線ボビンが、第1巻線ボビンに対向して配置され、一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線が巻回された第2の筒部と、第2の筒部の巻線巻回領域の両側にそれぞれ配設され他方の巻線の端部が導電接続される端子が植設された端子植設部と、第2の筒部の他方の巻線が巻回された領域の少なくとも第1巻線ボビンと対向する面側を被覆するカバーからなる第2の絶縁部と、を有する。さらに、環状磁芯が、第1巻線ボビンの筒部に挿着される第1の磁脚と、第1の磁脚に対向して配置され第2巻線ボビンの筒部に挿着される第2の磁脚と、を有する。このため、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、環状磁芯の露出部分との沿面距離が十分確保されるとともに、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、他方の巻線および他方の巻線の端部が接続された端子との空間距離が十分確保される。
上記第2の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、第1巻線ボビンの第1の絶縁部が、第1の筒部の端部との間の外周面に一方の巻線の巻回軸方向と交差する突条および/または溝が形成されている。これにより、一方の巻線および該一方の巻線の端部が接続された端子と、環状磁芯の露出部分との沿面距離がさらに十分確保されるとともに、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、他方の巻線および他方の巻線の端部が接続された端子との空間距離が十分確保される。このため、従来に比較して小型のトランスを提供することができる。
上記第3の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、第2巻線ボビンの第2の絶縁部のカバーが、絶縁テープが3層以上重ねられた積層体で構成されている。これにより、第2の絶縁部のトータル厚さ寸法を小さくしても絶縁が確保される。このため、第1巻線ボビンの一方の巻線巻回領域と第1巻線ボビンに対向して配置された第2巻線ボビンの他方の巻線巻回領域との間隔寸法を削減することができ、高さ寸法および幅寸法がより小型のトランスを提供することができる。
上記第4の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、第2巻線ボビンの第2の絶縁部のカバーが、断面略コ字状である。これにより、他方の巻線の端部が接続された端子を任意の位置に配設することが可能となる。このため、他方の巻線の多回路化が容易な小型のトランスを提供することができる。
上記第5の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、第1巻線ボビンの第1の絶縁部の突条および/または溝が、一方の巻線の巻回軸方向に対し斜めに配置されている。これにより、第1巻線ボビンにおける端子植設部を避けて突条および/または溝を配置することができる。このため、前記端子植設部の長さ寸法を独立して確保することが不要となり、一方の巻線および他方の巻線の巻回軸方向の長さ寸法がより小型のトランスを提供することができる。
上記第6の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、第1巻線ボビンの第1の絶縁部が、第1巻線ボビンおよび第2巻線ボビンのうちの最下部より所定の距離を隔てた位置に配設されている。これにより、回路基板上に本発明のトランスが実装された際に、基板から第1の絶縁部までの沿面距離が確保される。
本発明によれば、一次巻線および二次巻線のうちのいずれか一方の巻線並びに一方の巻線の端部が接続された端子と、環状磁芯の露出部分との沿面距離が十分確保されるとともに、一方の巻線および一方の巻線の端部が接続された端子と、他方の巻線および他方の巻線の端部が接続された端子との空間距離が十分確保されるので、簡易な構造で小型のトランスを提供することができる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的、構成特徴、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかにする。
以下、本発明のトランスの第1の実施形態について、図1〜4を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態のトランス10の全体構造を示す外観斜視図である。図2は本実施形態のトランス10の全体構造を示す一部を透視した平面図である。図3は本実施形態のトランス10の内部構造を示す図であり、図3(A)は上記図2のA−A線における端面図、図3(B)は上記図2のB−B線における端面図である。図4は本実施形態のトランス10の内部構造を説明するための分解斜視図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態のトランス10は、第1巻線ボビン13と、この第1巻線ボビン13に対向して配置された第2巻線ボビン14と、第1巻線ボビン13と第2巻線ボビン14とに挿着される環状磁芯15とを有する。
第1巻線ボビン13は、第1の筒部13aと、端子植設部13bと、第1の絶縁部とを有する。第1の筒部13aは、一次巻線および二次巻線のうちのいずれか一方の巻線(本実施形態においては一次巻線)11が巻回されている。端子植設部13bは、第1の筒部の巻線巻回領域13eの両側にそれぞれ配設され一方の巻線11の端部11aが導電接続される端子13gが植設されている。第1の絶縁部は、第1の筒部13aの端子植設部13bよりさらに外側にそれぞれ延長された部分である。
本実施形態においては、第1の絶縁部は、第1の筒部13aの端部との間の外周面に一方の巻線11の巻回軸方向と交差する複数の突条13cが形成されている。また、本実施形態においては、複数の突条13cは、端子植設部13bを避けて一方の巻線11の巻回軸方向に対し、斜めに配置されている。また、本実施形態においては、図3に示すように、第1巻線ボビン13の第1の絶縁部が、第1巻線ボビン13および第2巻線ボビン14のうちの最下部より所定の距離を隔てた位置に配設されている。
第2巻線ボビン14は、第1巻線ボビン13に対向して配置され、第2の筒部14aと、端子植設部14bと、第2の絶縁部と、を有する。第2の筒部14aには、一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線(本実施形態では二次巻線)12が2つ、巻回されている。端子植設部14bは、第2の筒部14aの2つの巻線巻回領域14e1,14e2の両側にそれぞれ配設され他方の巻線12の端部12aが導電接続される端子14gが植設されている。また、第2の絶縁部は、第2の筒部14aの他方の巻線12が巻回された領域14e1,14e2の少なくとも第1巻線ボビン13と対向する面側を被覆するカバー16からなる。
本実施形態においては、第2巻線ボビン14の第2の絶縁部を構成するカバー16が、図示省略するが、絶縁テープが3層以上重ねられた積層体で構成されている。また、本実施形態においては、図4に示すように、第2巻線ボビン14の第2の絶縁部を構成するカバー16が、断面略コ字状に形成されている。
環状磁芯15は、図2に破線で
示すように、第1巻線ボビン13の第1の筒部13aに挿着される第1の磁脚15d1、および第1の磁脚15d1に対向して配置され第2巻線ボビン14の第2の筒部14aに挿着される第2の磁脚15d2を有する。
示すように、第1巻線ボビン13の第1の筒部13aに挿着される第1の磁脚15d1、および第1の磁脚15d1に対向して配置され第2巻線ボビン14の第2の筒部14aに挿着される第2の磁脚15d2を有する。
本実施形態においては、環状磁芯15が、図4に示すように一対のU−U形コア15a,15bで構成されている。
次に、本実施形態のトランス10について、さらに図4を参照しながらより具体的に説明する。第1巻線ボビン13は、図3(B)に示すように、一次巻線および二次巻線のうちのいずれか一方の巻線(本実施形態では一次巻線)11が筒部13aの略中央付近に巻回されている。筒部13aの巻線巻回領域13eの両端にはそれぞれ鍔13dが突設されている。鍔13dの下側には鍔13dと一体に端子植設部13bが突設されている。端子植設部13bにはそれぞれ端子13gが植設されている。一方の巻線(本実施形態では一次巻線)11は、例えば複数のマグネットワイヤーを撚り合わせてなる所謂リッツ線等からなり、端部11aは端子13gにからげられ、溶融半田中への浸漬による半田付け等により端子13gと導電接続されている。端子植設部13eのさらに外側にそれぞれ延長され筒部13aの端部との間の外周面に複数の突条13cが一方の巻線の巻回軸方向に対し斜めに配置された第1の絶縁部を有する。環状磁芯15は、一対のU−U形コア15a,15bからなり、それぞれ一方の磁脚15d1が第1巻線ボビン13に筒部13aの両端側から挿着され、筒部13aの中央部においてコア15a,15bの一方の磁脚15d1の先端同士が突き合わせられて、環状磁芯15の互いに対向する一対の磁脚のうちの一方の磁脚15d1が構成されている。そして、例えば図示省略したエポキシ系接着剤により第1巻線ボビン13と環状磁芯15とが接着固定されている。第1巻線ボビン13の第1の絶縁部には複数の突条13cが形成されているので、一方の巻線11および一方の巻線の端部が接続された端子13gから環状磁芯15の第1巻線ボビン13から露出された環状磁芯15の側面部分(ヨーク部)に至る沿面距離が拡大されている。
第2巻線ボビン14は、図3(A)に示すように、一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線(本実施形態では二次巻線)12が筒部14aを長さ方向で2等分したそれぞれの中央付近に鍔14dで複数に区画された巻線巻回領域14e1,14e2を有する。巻線巻回領域14e1,14e2の両側にはそれぞれ端子植設部14bが突設されており、それぞれ複数の端子14g、14g’が植設されている。他方の巻線(本実施形態においては二次巻線)12は、一方の巻線11に比べて細い線径の絶縁被覆導線が用いられており、他方の巻線12の端部12aは端子14gにからげられ、溶融半田中への浸漬による半田付け等により端子14gと導電接続されている。他方の巻線12の端部12aが導電接続された端子14gとこれに隣接して配設された2つの端子14g’は、図示省略するが、端子植設部14bの内部において略E字状に連結され導電接続されている。そして、基板への実装時は他方の巻線12の端部12aがからげられていない端子14g’を用いて基板上の回路に接続することができる。尚、本実施形態端子植設部14bに植設された端子14g、14g’はそれぞれ環状磁芯の周回面方向と並行に導出されているが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば端子14g’をガルウィン形に折曲したり、実装面に垂直になるように折曲したりして用いることもできる。第2巻線ボビンの筒部14a内には両端側から、一対のU−U形コア15a,15bのそれぞれ他方の磁脚15d2が挿着され、筒部14aの中央部においてコア15a,15bの他方の磁脚15d2の先端同士が突き合わせられて、環状磁芯15の互いに対向する一対の磁脚のうちの他方の磁脚15d2が構成されている。そして、例えば図示省略したエポキシ系接着剤により第2巻線ボビン14に環状磁芯15が接着固定されている。他方の巻線12が2つ巻回された第2巻線ボビン14の外周には、図示省略した絶縁テープが3層重ねられた積層体で構成されたカバー16からなる第2の絶縁部を有する。このため、第1巻線ボビン13の一方の巻線11と第2巻線ボビン14の他方の巻線12との間の空間絶縁が確保される。
上記一方の巻線11および他方の巻線12の好ましい実施形態は次の通りである。一方の巻線11および他方の巻線12としては、絶縁被覆導線が好ましく、ポリウレタン樹脂被覆導線やポリエステル樹脂被覆導線、エナメル樹脂被覆導線等がより好ましい。また、一方の巻線11および他方の巻線12の金属線は、単線に限定するものではなく、所謂リッツ線等の撚り線であってもよい。また、金属線の断面形状は円形に限定するものではなく、長方形の断面形状の平角線や正方形の断面形状の四角線等を用いることもできる。また、絶縁被覆導線の外周を低融点の樹脂で被覆した自己融着線を用いてもよい。
他方の巻線12を二次巻線とする場合は、高電圧を発生させるために巻回数を多くする必要があるので、他方の巻線12の線径は、一般に上記一方の巻線11の線径より細いことが好ましい。
第1巻線ボビン13および第2巻線ボビン14の好ましい実施形態は次の通りである。第1巻線ボビン13および第2巻線ボビン14のボビン本体の材質としては、絶縁性樹脂が好ましく、耐熱性を有し、複数の端子13g、14g,14g’のインジェクションモールドが可能なフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、液晶ポリマー等の絶縁性樹脂がより好ましい。第1巻線ボビン13の第1の絶縁部としては、第1の筒部13aの端子植設部13bよりさらに延長され第1の筒部13aの端部との間の外周面に一方の巻線11の巻回軸方向と交差する突条および/または溝が形成されていることが好ましい。突条および/または溝は、長さ方向で連続されたものであることが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば複数に分割形成されてもよい。また、突条および/または溝をボビンの外周面を周回するように環状に形成するときには、巻線の巻回軸方向に複数設けることが好ましい。また、これに限定するものではなく、例えば、単一もしくは複数のつる巻き螺旋状に形成してもよい。突条および/または溝は一方の巻線の巻回軸方向に対し斜めに配置することにより、端子植設部を避けることができる。上記突条および/または溝の寸法は、例えば高さ(または深さ)1mm、幅1mmで、複数の突条および/または溝の間隔は例えば1.2mmである。また、第1巻線ボビンの第1の絶縁部は、第1巻線ボビンおよび第2巻線ボビンのうちの最下部より例えば1mm以上隔てた位置に配設されていることが好ましい。
第2巻線ボビン14の第2の絶縁部としては、第2の筒部14aの他方の巻線12が巻回された領域14eの少なくとも第1巻線ボビンと対向する面側を被覆するカバー16からなることが好ましい。カバー16は、絶縁テープが3層以上重ねられた積層体で構成されることにより、トータル厚さ寸法を小さくしても高い絶縁性を得ることができる。上記絶縁テープとしては、絶縁性の基材シートを有するものが好ましい。基材シートとしては、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエステル等からなるものが好ましい。また上記基材シートの一方の主面に粘接着材層を有するものが好ましい。粘接着材層としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を主成分とするものが好ましい。上記絶縁テープにおける基材シートの厚さは例えば25μmであり、粘接着材層の厚さは例えば25μmである。尚、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、所定の絶縁耐圧を有する単層もしくは複層構造のケースであってもよい。
また、第1の絶縁部を有する第1巻線ボビンと第2の絶縁部を有する第2巻線ボビンとの間隔寸法は、例えば1mm以上有することが好ましい。
環状磁芯15の好ましい実施形態は次の通りである。環状磁芯15は、第1巻線ボビン13の第1の筒部13aに挿着される第1磁脚15d1と、これに対向して配置され第2巻線ボビン14の第2の筒部14aに挿入される第2磁脚15d2とを有することが好ましい。環状磁芯15の材質としては、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、圧粉磁芯、積層金属板その他、各種の磁性材料を用いることができる。また、環状磁芯15を構成するには、一対のU−U形コア、一対のL−L形コア、一組のU−I形コア等から選択して用いることが好ましい。これにより、環状磁芯15は、概ね閉磁路構造を形成して、一方の巻線11と他方の巻線12とを磁気結合させる。また、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、上記コア同士の突合せ部に間隙や非磁性材もしくは低透磁率磁性材を挿入して、磁気飽和しにくくするために所謂ギャップを形成してもよい。また、一対のE−E形コアや一組のE−I形コア等を用いて略日字形や略田字形に複合された環状磁芯を用いても良い。
次に、本発明のトランスの第2の実施形態について、図5を参照して説明する。図5は本発明の第2の実施形態のトランス20の全体構造を示す一部を透視した平面図である。
図5に示すように、本実施形態のトランス20は、第1巻線ボビン23と、この第1巻線ボビン23に対向して配置された第2巻線ボビン24と、第1巻線ボビン23と第2巻線ボビン24とに挿着される環状磁芯25とを有する。第1巻線ボビン23及び環状磁芯25は、先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
第2巻線ボビン24は、第1巻線ボビン23に対向して配置され、第2の筒部24aと、端子植設部24bと、第2の絶縁部とを有する。第2の筒部24aには、先の実施形態と異なり一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線(本実施形態では二次巻線)22が1つ、巻回されている。端子植設部24bは、第2の筒部24aの巻線巻回領域24eの両側にそれぞれ配設され他方の巻線22の端部22aが導電接続される端子24gが植設されている。また、第2の絶縁部は、第2の筒部24aの他方の巻線22が巻回された領域24eの少なくとも第1巻線ボビン23と対向する面側を被覆するカバー26からなる。尚、第2の絶縁部の詳細は先の実施形態と同様である。
本実施形態においては、第2巻線ボビン24の第2の筒部24aに巻回される他の巻線(本実施形態では二次巻線)24が一組であり、より高い出力電圧が求められるインバータ駆動回路に好適な小型のトランスを提供することができる。
次に、本発明のトランスの第3の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は本発明の第3の実施形態のトランス30の全体構造を示す一部を透視した平面図である。
図6に示すように、本実施形態のトランス30は、第1巻線ボビン33と、この第1巻線ボビン33に対向して配置された第2巻線ボビン34と、第1巻線ボビン33と第2巻線ボビン34とに挿着される環状磁芯35とを有する。環状磁芯35は、先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
第1巻線ボビン33は、第1の絶縁部として複数の突条33cが形成されている。それぞれの突条33cは、一方の巻線31の巻回軸方向に対して直交するように配置されている点を除いて、先の第1および第2の実施形態とほぼ同様に構成されている。
第2巻線ボビン34は、第1巻線ボビン33に対向して配置され、第2の筒部34aと、端子植設部34bと、第2の絶縁部とを有する。第2の筒部34aには、一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線(本実施形態では二次巻線)32が4つ、巻回されている。端子植設部34bは、第2の筒部34aの4つの巻線巻回領域34e1,34e2,34e3,34e4の両側にそれぞれ配設され他方の巻線32の端部32aが導電接続される端子34gが植設されている。第2の絶縁部は、第2の筒部34aの他方の巻線32が巻回された領域34e1,34e2,34e3,34e4の少なくとも第1巻
線ボビン33と対向する面側を被覆するカバー36からなる。第2の絶縁部の詳細は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
線ボビン33と対向する面側を被覆するカバー36からなる。第2の絶縁部の詳細は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
また本実施形態においては、図示省略するが、先の第1および第2の実施形態と同様に、第1巻線ボビン33の第1の絶縁部が、第1巻線ボビン33および第2巻線ボビン34のうちの最下部より所定の距離を隔てた位置に配設されている。
次に、本発明の絶縁型のトランスの実施例について説明する。(実施例1)本発明の第1の実施例のトランス10は、図1〜図4に示すように、第1巻線ボビン13と第2巻線ボビン14と環状磁芯15とを備え、第1の実施形態に記載した通りの構成である。本実施例のトランスは、例えば一次側入力がAC400V、二次側出力がAC1000Vであ、安全規格IEC60065に対応したものである。本実施例における第1巻線ボビンの第1の絶縁部は、端子植設部の端子と筒部の縁部との直線距離が約18.2mmであり、この第1の絶縁部には、高さ1mm、幅1mmの突条が1.2mm間隔で6条設けられており、一次巻線と環状磁芯の露出面との沿面距離として30mmを確保している。また、第2巻線ボビンの第2の絶縁部は、厚さ25μmの基材シートの一方の主面に厚さ25μmの粘接着材層が形成された絶縁テープが3層重ねられたカバーからなり、このカバーのトータル厚さは約150μmである。また、第1巻線ボビンの一次巻線と第2巻線ボビンの第2の絶縁部とは1mm以上の間隔を隔てて対向配置されている。また、第1の絶縁部を有する第1巻線ボビンの一次巻線と第2巻線ボビンの第2の絶縁部を構成するカバーの端部との間には、15mmの空間距離を確保している。本実施例のトランス10においては、比較的巻線の巻回数が少ない一次巻線が一方の巻線として第1巻線ボビン13に巻回され、巻線の巻回数や回路数が比較的多い二次巻線が他方の巻線として第2巻線ボビンに巻回されている。これにより、トランス10の巻線巻回軸方向の長さ寸法がより短い小型のトランスを提供することができる。(変形例)二次巻線の巻回数や回路数が比較的少ないトランスにおいては、二次巻線を一方の巻線として条縁層線区画は、実施例の電源用被覆導線等がより好ましい。また、該第1巻線ボビン13に巻回し、一次巻線を他方の巻線として第2巻線ボビンに巻回してもよい。
本発明は、液晶TVその他の各種電子機器に用いられる絶縁型のトランスとして好適である。
10:トランス11:一方の巻線(一次巻線)11a:一方の巻線の端部12:他方の巻線(二次巻線)12a:他方の巻線の端部13:第1巻線ボビン13a:第1の筒部13b:端子植設部13c:突条(および/または溝)13d:鍔13e:巻線巻回領域13g:端子14:第2巻線ボビン14a:第2の筒部14b:端子植設部14d:鍔14e1,14e2:巻線巻回領域14g、14g’:端子15:閉磁路磁芯15a,15b:U形コア15d1,15d2:磁脚16:カバー(第2の絶縁部)20:トランス21:一方の巻線(一次巻線)21a:一方の巻線の端部22:他方の巻線(二次巻線)22a:他方の巻線の端部23:第1巻線ボビン23a:第1の筒部23b:端子植設部23c:突条(および/または溝)23d:鍔23e:巻線巻回領域23g:端子24:第2巻線ボビン24a:第2の筒部24b:端子植設部24d:鍔24e:巻線巻回領域24g、24g’:端子25:閉磁路磁芯25a,25b:U形コア25d1,25d2:磁脚26:カバー(第2の絶縁部)30:トランス31:一方の巻線(一次巻線)31a:一方の巻線の端部32:他方の巻線(二次巻線32a:端部33:第1巻線ボビン33a:第1の筒部33b:端子植設部33c:突条(および/または溝)33d:鍔33e:巻線巻回領域33g:端子34:第2巻線ボビン34a:第2の筒部34b:端子植設部34d:鍔34e1,34e2,34e3,34e4:巻線巻回領域34g、34g’:端子35:閉磁路磁芯35a,35b:U形コア35d1,35d2:磁脚36:カバー(第2の絶縁部)
Claims (6)
- 第1巻線ボビンと第2巻線ボビンと環状磁芯とを有する絶縁型のトランスにおいて、前記第1巻線ボビンは、一次巻線および二次巻線のうちのいずれか一方の巻線が巻回された第1の筒部と、該第1の筒部の巻線巻回領域の両側にそれぞれ配設され前記一方の巻線の端部が導電接続される端子が植設された端子植設部と、前記第1の筒部の前記端子植設部よりさらに外側にそれぞれ延長された第1の絶縁部と、を有し、 前記第2巻線ボビンは、前記第1巻線ボビンに対向して配置され、一次巻線および二次巻線のうちの他方の巻線が巻回された第2の筒部と、該第2の筒部の巻線巻回領域の両側にそれぞれ配設され前記他方の巻線の端部が導電接続される端子が植設された端子植設部と、前記第2の筒部の他方の巻線が巻回された領域の少なくとも前記第1巻線ボビンと対向する面側を被覆するカバーからなる第2の絶縁部と、を有し、 前記環状磁芯は、前記第1巻線ボビンの第1の筒部に挿着される第1の磁脚と、および該第1の磁脚に対向して配置され前記第2巻線ボビンの第2の筒部に挿着される第2の磁脚と、を有する、ことを特徴とするトランス。
- 前記第1巻線ボビンの第1の絶縁部は、前記第1の筒部の端部との間の外周面に前記一方の巻線の巻回軸方向と交差する突条および/または溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のトランス。
- 前記第2巻線ボビンの第2の絶縁部のカバーが、絶縁テープが3層以上重ねられた積層体で構成されたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトランス。
- 前記第2巻線ボビンの第2の絶縁部のカバーが、断面略コ字状である請求項1または2のいずれかに記載のトランス。
- 前記第1巻線ボビンの第1の絶縁部の突条および/または溝が、前記一方の巻線の巻回軸方向に対し斜めに配置されたことを特徴とする請求項2記載のトランス。
- 前記第1巻線ボビンの第1の絶縁部が、前記第1巻線ボビンおよび前記第2巻線ボビンのうちの最下部より所定の距離を隔てた位置に配設されたことを特徴とする請求項2記載のトランス。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023125638A1 (zh) * | 2021-12-29 | 2023-07-06 | 江苏神马电力股份有限公司 | 绕线体、高压绕组以及干式变压器 |
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2008
- 2008-12-26 JP JP2008331901A patent/JP2010153685A/ja not_active Withdrawn
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