JP2010151814A - 原子チップ内に組み込まれた物質波重力計 - Google Patents

原子チップ内に組み込まれた物質波重力計 Download PDF

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Abstract

【課題】原子チップ内に組み込まれた物質波重力計を提供する。
【解決手段】超低温原子雲の動きを止めることを可能にする原子トラップ5と、重力に起因する位相ずれを作り出すように異なる高さに置かれた、原子雲を2つの原子パケットへ分割し、再結合の手段7と、第1の導線30の周りに最小限の局部的磁場を生成する手段と、トラップの領域内で実質的に第1の導線と平行で、この第1の導線の両側に対称に置かれた、第2の導線31及び第3の導線32とを備える原子チップ3の上で結合し、第2の導線は第1の交流電流により横断され、第3の導線は第1の交流電流と同じ振幅及び同じ周波数で、反対方向の第2交流電流により横断され、第1と第2の電流の振幅は同時に変化し、前記電流の最大振幅及び周波数は、原子雲を2つの原子パケットへと分割するのに必要な磁力よりも大きい強さを有する磁場を、原子雲において作り出す。
【選択図】図4a

Description

本発明の分野は重量測定、すなわち局部的重力場及び/又はその勾配、そしてより詳しくは高精度重量測定に関する。高精度重力計の適用分野は非常に広い。限定されない方法で、トンネルの空洞のような隠れた対象物の検出、宇宙用途、慣性ナビゲーション、又は油層探鉱のような地球物理学の用途のための、重力場における変則性の探索に言及することが可能である。このタイプの装置を加速度計として使用することは勿論可能である。
現存する高精度の重力計は2つのカテゴリーに分けられ得る。第1のものは従来の力学の効果に基づく。例えば光学的検出に関連する自由落下のコーナーキューブであってもよい、巨視的な質量物体の検討のおかげで、局部的な重力が決定される。しかしながら、そのような物体の複雑さ、脆弱性、体積、及び費用はそれらの実用性を限定する。
第2のカテゴリーの高性能重力計は、物質波の使用に基づく。量子力学の法則による任意の質量粒子に関係する後者は、原子干渉分光法により測定され得る位相ずれを引き起こす、局部的な重力場に特に敏感である。実際に観測可能な物質波の影響については、絶対零度の数十億分の1度だけ上にある温度まで冷却した原子を用いることが必要であることが実証できる。本文の残りにおいて、これらの原子は低温原子又は超低温原子と呼ばれるであろう。
このタイプのセンサーの原理は、幾つかの研究所で既に成功裡に実証されている。例えば、M.スネードゥン(M.Snadden)、J.マグァーク(J.McGuirk)、P.ブイエ(P.Bouyer)、K.ハリトス(K.Haritos)、及びM.カセヴィッチ(M.Kasevich)による出版物、「原子干渉計に基づく重力傾斜計による地球の重力傾斜測定(Measurement of the Earth’s Gravity Gradient with an Atom Interferometer−Based Gravity Gradiometer)」、物理的レビュー・レター(Physical Review Letters)第81巻、971〜974頁(1998年)を参照されたい。この例において、測定原理はラマン遷移による低温原子とレーザービームとの間のパルス伝達の使用に基づく。さらに引用されるのは、この主題における、M.カセヴィッチ(M.Kasevich)及びS.チュー(S.Chu)による出版物、「誘導ラマン遷移を用いた原子干渉分光法(Atomic interferometry using stimulated Raman transitions)」、物理的レビュー・レター(Physical Review Letters)第67巻、181〜184頁(1991年)である。このタイプの装置で得られた性能は、前に引用された従来の力学に基づく重力計に匹敵し、それよりも優れてさえいる。しかしながら、例え最近の努力により、スタンフォード大学の「PINS」プロジェクトの一部として、トラックに搭載される原子重力計の使用が可能になったとしても、実使用においてこのタイプの装置のサイズは依然としてかなり限定されている。
並行して、「チップ」型の装置においては低温原子を捕捉し、冷却し、そして操作する機能の部分を一体化するために、相当な努力が近年払われて来ており、その装置は小型という利点のみならず、必要な磁場のより良い制御、及び省電力消費という利点も有する。さらに、O.ゾバイ(O.Zobay)及びB.ギャラウェイ(B.Garraway)による論文、「磁場で誘導された断熱ポテンシャルにおける二次元の原子捕捉(Two−Dimensional Atom Trapping in Field−Induced Adiabatic Potentials)」、物理的レビュー・レター(Physical Review Letters)第86巻、1195〜1198頁(2001年)において2000年以来強調されている、原子のコヒーレント操作のために無線周波数電磁場を使用し一体化することの価値は、2006年の、ボース−アインシュタイン凝縮体の二等分の部分への凝集性分離により、最近実験的に実証された。ボース−アインシュタイン凝縮体は、原子干渉計を製作するための重要な構成要素である、レーザー用の分離ブレードの原子当量を構成する。さらなる情報については、T.シューム(T.Schumm)らによる出版物、「原子チップ上の二重井戸における物質波の干渉分光法(Matter−wave interferometry in a double well on an atom chip)」、自然物理学(Nature Physics)第1巻、57〜62頁(2005年)を参照されたい。
本発明による重力計は、原子の重量測定及び原子チップに対する物質波のコヒーレント操作における既存技術に基づき、それにその装置がさらされる局部的な重力場、その傾斜、又は加速度を測定するための、センサーの革新的構造を提案する。
より正確には、本発明の主題は重力場又は所与の測定方向における加速度の測定を可能にする、物質波タイプの重力計であり、前記重力計は少なくとも:
−測定面を備える電子チップと、
−超低温の原子雲を生成し、捕捉し、冷却するための手段及び、前記測定面から所定の距離において超低温の原子雲の動きを止めることを可能にする原子トラップと、
−前記チップ内へ組み込まれた導線と、チップの近傍に最小限の局部的磁場を作ることを可能にする外部コイルとの集合を備えた磁気トラップであって、そのようなトラップが、例えば一方で、実質的に一定の電流IDCにより横断される、前記チップ内へ組み込まれた第1の導線と、他方で、その磁力線がトラップの領域内において測定面に平行で、第1の導線の方向に直角である、一様な磁場を生成するための手段とから成り得る磁気トラップと、
−原子雲を測定方向に平行な方向へ決められた距離で、決められた期間の間、2つの原子パケットへ分けるための手段であって、2つのパケットの、単一の原子雲への再結合も可能にする手段と、
−再結合の後で原子雲へ導入された位相のずれを測定するための、光学的手段と、
−重力計の様々な手段を制御し、指令し、従属させるための電子的手段と
を備え、
その分離手段が、トラップの領域内で実質的に第1の主要導線と平行で、この第1の導線の両側に対称に置かれた、第2の導線及び第3の導線を基本的に備え、第2の導線が第1の交流電流により横断され、第3の導線が第1の交流電流と同じ振幅及び同じ周波数で、反対方向の第2交流電流により横断され、第1と第2の電流の振幅が同時に変化することができ、前記電流の最大振幅及び周波数が、原子雲を前記磁場の分極方向に、2つの原子パケットへと分割するのに必要な磁力よりも大きい強さを有する代替の分割磁場を、原子雲において作り出すために十分であることを特徴とする。
有利なことに、超低温の原子雲を冷却する手段及び原子トラップは、その原子雲がボース−アインシュタイン凝縮体であるようにアレンジされる。
さらに、その重力計は少なくとも、電子チップの測定面の第2領域の近傍に置かれた、第1の原子トラップと同一の第2の原子トラップを備え得る。第1、第2、及び第3の導線は2つのトラップに共通であり、電子的手段は第1のトラップにより得られた測定値と、第2のトラップにより得られた測定値との間で、比較を行なうか又は数学関数を実行することを可能にする機能を備える。
本発明はまた物質波タイプの重力計を用いて、重力場又は所与の測定方向における加速度を測る方法に関し、前記重力計が少なくとも:
−測定面を備える電子チップと、
−超低温の原子雲を生成し、捕捉し、冷却するための手段及び、超低温の原子雲の動きを止めることを可能にする原子トラップと、
−一方で前記チップ内へ組み込まれた第1の主要導線及び複数の導線と、他方でチップの近傍で最小限の局部的な磁場をもたらす、磁場を生成するための外部手段とを備えるトラップと、
−原子雲を2つの原子パケットへ分割する手段であって、前記分割手段が、トラップの領域内で実質的に第1の導線と平行で、この第1の導線の両側に対称に置かれた、第2の導線及び第3の導線を基本的に備え、第2の導線が第1の交流電流により横断され、第3の導線が第1の交流電流と同じ振幅及び同じ周波数で、反対方向の第2交流電流により横断され、第1と第2の電流の振幅が同時に変化することができる手段と、
−再結合の後で原子雲へ導入された位相のずれを測定するための、光学的手段と、
−重力計の様々な手段を制御し、指令し、従属させるための電子的手段と
を備え、
測定の遂行が次の段階:
−生成段階と呼ばれる段階1:前記測定面から所定の距離における、超低温原子雲の生成、冷却、及び捕捉の段階と、
−分割段階と呼ばれる段階2:第1及び第2の交流電流が、原子雲を2つの原子パケットへ分割するために必要な磁力よりも大きい強さを有する磁場を、原子雲において作り出すのに十分になるまで漸進的及び同時に増加し、2つのパケットが測定の方向に対して平行な方向に、決められた距離だけ隔てられる段階と、
−問い合わせ段階と呼ばれる段階3:所定の期間中、分割を保つような交流電流の振幅の維持段階と、
−再結合段階と呼ばれる段階4:2つの原子パケットを、単一の位相ずれした原子雲へと再結合するように、交流電流の振幅を減らす段階と、
測定段階と呼ばれる段階5:光学的測定手段による、位相ずれの測定段階と
を含むことを特徴とする。
本発明は限定されない方法で得られる以下の記述を読むと共に、添付図によって、より良く理解され、他の利点が明らかになるであろう。
物質波重力計の一般的な技術的原理を表わす。 チップの表面上に最小限の局部的磁場を生成するための、実行可能な原理を表わす。 チップの表面上に最小限の局部的磁場を生成するための、実行可能な原理を表わす。 単一の原子トラップを含む、本発明による重力計の第1電子チップの測定面の上面図を表わす。 本発明による重量測定の方法における、重要なステップを表わす。 本発明による重量測定の方法における、重要なステップを表わす。 複数の原子トラップを含む、本発明による重力計の第2電子チップの測定面の上面図を表わす。
図1は本発明による物質波重力計の、主要な技術的構成要素の一般的なブロック線図を表わす。その装置は、例えばイオンポンブの助けで維持され、磁気遮蔽物と、原子「ディスペンサー」としてより良く知られる原子生成装置2を含む、真空の筐体1を備える。このディスペンサーは、例えばルビジウム蒸気を届ける加熱フィラメントである。その装置はまた原子チップ3及び場合によっては外部の磁場の源、磁気トラップ5に入る前に原子10の捕捉及び予冷却を可能にする第1の光学組立品4、及び例えばCCDタイプのカメラにより準備され得る、シーケンスの最後における第2の検出用光学組立品6を備える。その装置はまた原子雲を分割するための手段7も含む。電子装置8はまた様々な要素の制御、及び原子の捕捉から検出までの測定の各種ステップの時間的同期のために必要である。S.デュー(S.Du)の出版物、「携帯真空セル内の原子チップのボース−アインシュタイン凝縮(Atom−chip Bose−Einstein condensation in a portable vacuum cell)」、物理的レビュー(Physical Review)A70、053606(2004年)はコンパクトな体積における、このタイプの装置の一体化の良い例である。
本発明による装置において、原子は磁気トラップ5により捕捉され、当業者により知られているその原理は図2a及び図2bに図式的に表わされている。低温原子の雲は、場合によっては磁場の外部源と結ばれた、チップ3上のプリント配線30の集合により、そのチップの近傍に作り出された最小限の磁場により捕捉される。原子10の捕捉は磁場と、磁場の極値によるそれらの内部条件に応じて引き寄せられ、又は反発される、原子全体の磁気双極子との間の相互作用に依存する。図2の例において、最小限の磁場はチップ3の導線30により生成された磁場Bと、図2に表わされていない外部コイルにより生成された一定の磁場、あるいはバイアス磁場Bとの組合せにより作り出される。図2aはチップ3と導線30の一部分、及び次に続く図に用いられるデカルト座標系(O,x,y,z)の斜視図を表わす。測定方向は軸Oyに平行である。図2bは平面(O,x,y)において、左側に電流IDCにより横断される導線30によって作り出される半円形の磁力線を、中央に「磁気バイアス」に起因する直線的な磁力線を、そして右側に導線30の上方に磁気トラップを作り出す磁場の重ね合わせを示す。磁力線はそのとき平面(O,x,y)において、第1近似として、図2bに示されるように大文字のXのような形を持ち、原子はXの中心に捕捉されている。そのようなトラップは場合によって異方性であり、例えば空間の2方向に強く閉じ込められ、第3方向には弱く閉じ込められている。チップの表面における低温原子のそのような源を得ることを可能にする、全ての要素の詳細な記述は、文献に記載されている。例えば、R.フォルマン(R.Folman)らによる出版物、「微視的な原子光学:導線から原子チップまで(Microscopic atom optics:from wires to an atom chip)」原子物理学、分子物理学、及び光物理学における進歩(Advances in Atomic,Molecular,and Optical Physics)第48巻、263〜356頁(2002年)を参照することが可能である。
前述の参照文献によれば、そのような構成の助けにより、概略以下の関係:
Figure 2010151814
により得られる、チップからの距離hにおいて、磁気トラップ内で低温原子の集合を得ることが可能であると知られており、ここでμは真空の透磁率である。距離hに関する大きさの典型的なオーダーは、1/100μmである。後者、従ってy軸に沿って輸送される原子は、パラメータIDC又はBを変えることによって修正され得る。
その装置はまた原子雲を分割するための手段を備えなければならない。従って、本発明による装置において、主要導線30の両側に2つの別の導線31及び32が、原子の凝集性分離のための無線周波数電磁場を生成するために設計された、交流電流IRF 及びIRF により横断されて置かれる。図3は、定電流により横断される中央の導線が白色で表わされ、中央の導線に対して対称に置かれて交流電流により横断される側部の導線が黒色で表わされている、この配置の上面図を表わす。無線周波数電磁場の適用は、磁気の低いレベル同士間の連結を生じさせることにより、原子によって見られる電位の修正を可能にすることもまた知られている。この主題に対する、レサノフスキー(Lesanovsky)らの論文、「物質波のコヒーレント操作用の断熱無線周波数ポテンシャル(Adiabatic radio−frequency potentials for the coherent manipulation of matter waves)」、物理的レビュー(Physical Review)A73、033619(2006年)を参照されたい。
より正確には、図4aは例えば無線周波数の導線31及び32に次の電流:
RF =Icos(ωRFt)及びIRF =−Icos(ωRFt) (B)
を流すことにより、y軸に沿って二極化され原子の中心において生成された、無線周波数電磁場BRFの適用を表わす。aを中心の導線30から周囲の導線31又は32を隔てる距離とし、θを
Figure 2010151814
であるような角度とすると、原子により見られる無線周波数電磁場は、そのとき幾何学的パラメータθ及びaの関数として、次のように表わされ得る:
Figure 2010151814
既に引用したレサノフスキーの論文において、BRF sinθの値が一定の限界値Bよりも大きいとき、この磁場は次の値δ:
Figure 2010151814
だけ離れた2つの部分への、原子雲の垂直分離を生じることが実証される。
パラメータGはロッフェ・トラップの四重極場の傾斜である。依然として同じ参照文献によれば、原子雲の2つの部分への分離に導く限界の無線周波数電磁場は:
Figure 2010151814
で得られ、ここでB0Zは三次元において閉じ込められたトラップを得るために、z軸に沿って加える必要がある一定の磁場の成分であり、係数kはk=gμの式で得られ、ここでμはボーア磁子、gは問題のレベルのg係数(g−factor)と記号をつけられる磁気回転係数である。当然、原子パケットの2つのパケットへの分割を効果的に得るため、y軸に沿ったポテンシャル井戸の深さは、重力によって引き起こされるポテンシャルエネルギーの差よりも大きくなければならない。
これら2つのツールである、原子の捕捉と無線周波数分離が導入されると、y軸に沿った重力測定に導く本発明による方法のステップは、
1)方程式(A)によって得られる、原子チップの上方の距離hに位置する、磁気トラップの中央においてボース−アインシュタイン凝縮体であることが有利な、低温原子の雲を得ることをもたらす、文献に記述されている従来方法による原子の捕捉及び冷却の段階と、
2)原子トラップにおける原子チップの平面(O,x,y)内で、断面視図を表わす図4aに示されるように、方程式(C)によって得られる距離δによる原子雲の断熱垂直分離に導く、方程式(B)による無線周波数電磁場の導線31及び32における漸進的適用の段階と、
3)その間に磁場が一定に保たれ、又は感度を増すために変更される、持続時間Tの問い合わせ段階と、
4)その間に無線周波数電磁場が、漸進的に分離の限界値未満へと移される再結合段階と、
5)そのままの状態で、あるいは有利なことに飛行時間の段階後に生じ得る検出段階とである。観測機器の信号はガス状の雲に対して形成される原子密度ネットワークの段階により構成され、吸収イメージングにより得られてもよく、この局面は、2本の真直ぐな水平の矢印により光学的検出が示される、図4bによって例示されている。
以下が実証される(この主題に対しては、1992年12月15日付のコレージュ・ド・フランス(College de France)の講座における、C.コーエン−タノージュ(C.Cohen−Tannoudji)による「重力場における粒子の伝播(Propagation d’une particule dans un champ de pesanteur(Propagation of a particle in a gravity field))」を参照のこと):
−y軸に沿って位置合わせしたと想定される、重力場gにおける軌跡y(t)に沿う、質量Mの原子により維持される位相ずれΦは、次の式で得られる:
Figure 2010151814
本発明の最も単純な種類によれば、再結合後の2つの原子パケット間の以下の位相ずれΔΦが:
Figure 2010151814
であるため、2つの原子パケットは問い合わせ期間Tの間、高さy=h±δ/2にある。ΔΦの測定は、δ及びTの値が十分正確に知られているならば、重力gの測定に戻ることを可能にし、それは特別な困難を提起しない。
上述の装置が加速度を受けるとき、後者は合計の位相ずれの式において重力場に加えられることに注意されたい。これは重力場が既知であると想定されるか、又は測定の軸が重力場に直角に向いている場合に、本発明による装置は加速度計として用いられ得ることを示す。
正確な重力場測定が行なわれるべき場合、2つの波のパケットの間に位相ずれを導入し得る、重力以外の影響を省略することが適切である。これらの影響は例えば機械的振動、又は捕捉の可能性の不均等性である。本発明による測定装置は機械的振動、又は捕捉の可能性の不均等性と同様の寄生的影響に敏感な位相測定値の集合を得るため、図5に示すような同じチップ上に、上述の幾つかのセンサーを備え得る。測定された大きさはその時もはや絶対的重力場ではなく、むしろ1つのセンサーから別のセンサーへの重力場の変化である。得られる検出の鋭敏さは、そのときセンサーの数と共に増加する。検出された対象物の異方性に関連する影響もまた観察され得る。有利なことに、センサーと関連する磁場及び電流のような手段の最大値は、探求される排除の効果を最適化するために、共通に置かれるか、あるいは1つのセンサーから他のセンサーへ同一に再生される。
方程式(D)から、原子重力計の感度はパラメータδT、すなわち空間的隔離と相互作用時間の積によって決められることが明らかになる。基準としてパリ天文台(the Paris Observatory)のSYRTE(SYsteme de Reference Temps−Espace(時間−空間の基準システム(time−space regerence system)))で生み出された原子重力計をとった場合、D.ホレビル(D.Holleville)の論文、「物質波に対するサニャック効果に基づく、低温原子ジャイロメーターの設計及び製作(Conception et realisation d’un gyrometre a atomes froids fonde sur l’effet Sagnac pour les ondes de matieres(Design and production of a cold atom gyrometer based on the Sagnac effect for matter−waves))」、パリ第11大学の学位論文(the doctorate thesis for the University of Paris XI)(2001年)から、2×10−4m/sの微小加速度は、セシウム原子で2πの位相ずれ及び約1.5×10−2m・sのδTを生じることが明らかになる。本発明による装置を用いると、δT≒10−4m・sであるため、δ≒100μm及びT=1sのオーダーの典型的な値を達成することが可能である。SYRTEの装置に対するこの損失は、一方でSYRTEで作られた原子重力計において用いられた熱雲の代わりに、原子レーザーを用いることによる信号対雑音比(SN比)における改善によって、また他方で、共同効果の排除を可能にする、同一チップ上に幾つかのセンサーを直列に置くことによって補償され得る。チップの一体化はまた重力計の一体化及び最終的な体積において著しい改善を提供する。
要約すれば、本発明による装置の主な利点は:
−通常の寄生効果を排除し、示差測定法を可能にするための、1つ以上の物質波重力計の単一チップにおける一体化と、
−ラマン光線の代わりに、SN比を改善し、そして必要な光強度を低減する無線周波数分離器を使用した結果による、ボース−アインシュタイン凝縮体と呼ばれる、凝集性の原子源の可能な使用と、
−原子チップの一体化の結果による、小型化、一体化、及び電力消費量における利益と、
−現在の最良の原子重力計と同等で、どんな場合でも従来の重力計よりも大幅に優れた可能な性能であるが故に、凝集性の原子源により従来の原子源よりも大幅に優れたSN比と、
−一方でこの装置のバイアスの安定性を相当に改善し、他方でもはや傾斜に基づかず、しかし様々な測定点の多数(3以上)の組合せに基づく、重力場の変則性を検出する新たな方法を生み出すことを可能にする、一連の幾つかのセンサーの設置と
である。
1 真空の筐体
2 原子生成装置
3 電子チップ
4 第1の光学組立品
5 原子トラップ
6 光学的手段
7 原子雲を分割するための手段
8 電子的手段
10 原子雲
30 第1の導線
31 第2の導線
32 第3の導線

Claims (3)

  1. 重力場又は所与の測定方向における加速度の測定を可能にする、物質波タイプの重力計であって、前記重力計が少なくとも:
    −測定面を備える電子チップ(3)と、
    −超低温の原子雲(10)を生成し、捕え、冷却するための手段(1、2、4)及び、前記測定面から所定の距離において前記超低温の原子雲の動きを止めることを可能にする原子トラップ(5)と、
    −一方で前記チップ内へ組み込まれた少なくとも第1の主要導線(30)と、他方で前記チップの近傍で最小限の局部的磁場をもたらす外部磁場を生成するための手段とを含むトラップと、
    −前記原子雲を、測定方向に平行な方向へ決められた距離で、決められた期間の間、2つの原子パケットへ分割するための手段(7、31、32)であって、2つのパケットの、単一の原子雲への再結合も可能にする手段と、
    −再結合の後で前記原子雲へ導入された位相のずれを測定するための、光学的手段(6)と、
    −前記重力計の様々な手段を制御し、指令し、従属させるための電子的手段(8)と
    を備え、
    前記該分離手段が、前記トラップの領域内で実質的に前記第1の導線と平行で、この第1の導線の両側に対称に置かれた、第2の導線(31)及び第3の導線(32)を基本的に備え、前記第2の導線が第1の交流電流により横断され、前記第3の導線が前記第1の交流電流と同じ振幅及び同じ周波数で、反対方向の第2交流電流により横断され、前記第1と前記第2の電流の振幅が同時に変化することができ、前記電流の最大振幅及び周波数が、原子雲を前記磁場の分極方向に、2つの原子パケットへと分割するのに必要な磁力よりも大きい強さを有する分割磁場を、原子雲において作り出すために十分であり、
    前記重力計が少なくとも、電子チップの測定面の第2領域の近傍に置かれた、前記第1の原子トラップと同一の第2の原子トラップを備えることができ、前記第1、前記第2、及び前記第3の導線(30、31、32)が2つの前記トラップに共通であり、前記電子的手段(8)が前記第1のトラップにより得られた測定値と、前記第2のトラップにより得られた測定値との間で、比較を行なうか又は数学関数を実行することを可能にする機能を備えることによって特徴付けられる重力計。
  2. 前記超低温の原子雲を冷却する前記手段及び前記原子トラップは、前記原子雲がボース−アインシュタイン凝縮体であるようにアレンジされることを特徴とする、請求項1に記載の重力計。
  3. 前記物質波タイプの重力計を用いて、重力場あるいは所与の測定方向における加速度を測る方法であって、前記重力計が少なくとも:
    −測定面を備える電子チップ(3)と、
    −第1と第2の超低温の原子雲(10)を生成し、捕捉し、冷却するための手段(1、2、4)及び、2つの超低温の原子雲の動きを止めることを可能にする第1と第2の原子トラップ(5)と、
    −一方で前記チップ内へ組み込まれた第1の主要導線(30)と、他方で前記チップの近傍で最小限の局部的な磁場をもたらす、磁場を生成するための外部手段とを備えるトラップと、
    −各原子雲を2つの原子パケットへ分割する手段(7、31、32)であって、前記分割手段が、前記トラップの領域内で実質的に前記主要導線と平行で、この第1の導線の両側に対称に置かれた、第2の導線及び第3の導線を基本的に備え、前記第2の導線が第1の交流電流により横断され、前記第3の導線が前記第1の交流電流と同じ振幅及び同じ周波数で、反対方向の第2交流電流により横断され、前記第1と前記第2の電流の振幅が同時に変化することができる手段と、
    −再結合の後で各原子雲へ導入された位相のずれを測定するための、光学的手段(6)と、
    −前記重力計の様々な手段を制御し、指令し、その下で従属させるための電子的手段(8)と
    を備え、
    測定の実施が次の段階:
    −生成段階と呼ばれる段階1:前記測定面の近傍で所定の高さにおける、超低温原子雲の生成、冷却、及び捕捉の段階と、
    −分割段階と呼ばれる段階2:前記第1及び前記第2の交流電流が、各原子雲を2つの原子パケットへ分割するために必要な磁力よりも大きい強さを有する分割磁場を、原子雲において作り出すのに十分になるまで漸進的及び同時に増加し、前記2つのパケットが測定の方向に対して平行な方向に、決められた距離だけ隔てられる段階と、
    −問い合わせ段階と呼ばれる段階3:所定の期間中、分割を保つような前記交流電流の振幅の維持段階と、
    −再結合段階と呼ばれる段階4:各原子雲の前記2つの原子パケットを、単一の位相ずれした原子雲へと再結合するように、前記交流電流の振幅を減らす段階と、
    測定段階と呼ばれる段階5:前記光学的測定手段による、位相ずれの測定段階と
    を含むことを特徴とする方法。
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