以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明における遊技機の代表例としてのパチンコ機について説明する。なお、詳細には後述するが本パチンコ機では、遊技者がピストルから弾丸を発射してターゲットを被弾させるかのごとき演出が付加されており、遊技者が演出参加できる点に特徴を有している。
まず最初に、パチンコ機の主要素の構成について説明する。図1を参照すれば本パチンコ機の遊技盤7内の各遊技要素配列を示した略正面図であり、図2を参照すれば図1に示す遊技盤7中央部に配置された画像表示装置20の拡大正面図が示されている(スコープ28は図示せず)。なお、遊技盤7の外枠等については特に後述する要素を除き汎用のパチンコ機を参照すれば理解されよう。
パチンコ機の遊技領域10には概ね、後述する画像表示装置20を備える中央役物15と、賞球の払出条件となる複数の一般入賞口11と、賞球の払出条件となるとともに画像表示装置20の図柄の変動開始条件となる始動入賞口12と、後述する特別遊技移行を開放条件とする大入賞口13と、遊技球を回収するアウト口14と、図示しない多数の遊技釘とが設けられている。
遊技領域10の略中央には、後述する変動パターン等の図柄及び図柄を表示する画像表示装置20が設けられている。また、画像表示器20には可動役物としてのスコープ28が設けられている。このスコープ28は、図3に示すように画像表示器20の前面を左右に往復動する円形外枠28aで形成されており、その内部に同心円状に内枠28b、cや、該内枠28b、cを外枠28aに支持しこれらの枠の中心で交差するように構成された縦及び横軸28f、gが付与されている。また、スコープ28は枠内から表示器20に写された対応する画像を視認することができるようにしている。従って、枠の間28eの隙間に可透性を有するレンズ部材を備える又は枠内に何も備えない。
また、図示しないが本パチンコ機では遊技者が直接アクセス可能な押しボタン式等のスイッチ装置(操作手段)23が遊技盤7の外部に付与されている。さらに、画像表示装置20の上方には始動入賞口12への入賞数を表示する保留球ランプ25が配置されており、画像表示装置20の右側部には円形のリボルバ30が配置されており回転させることも可能である。リボルバ30は6個のリボルバ・ランプ31をその周囲に配列している。このリボルバ・ランプ31は後述する特定遊技が開始される毎に各演出パターンに応じて予め定められた個数だけ点灯する。そして、特定遊技中のスイッチ装置23が有効となっている間に遊技者がスイッチ装置23を操作する毎に点灯したランプ31が1個消灯し、又特定遊技毎にリセットされランプ31が全て消灯する。
このような構成のパチンコ機において、遊技者が打球ハンドル(図示せず)を操作すると、球受け皿(図示せず)から遊技球が1個ずつ打球発射部(図示せず)に送られ、操作量に応じた強度で遊技領域10に打球が発射される。発射された打球は上述した入賞口11,12或いはアウト口14に流下し、上述した入賞口11,12に入賞した場合には所定の賞球が球受け皿に払い出される。また、上述した入賞口11,12のうち始動入賞口12に打球が入賞すると、所定の賞球が球受け皿に払い出され、画像表示装置20に表示された図柄が変動を開始する。
さらに、詳細は後述するが、本発明においては、画像表示装置20において所定時間、所定の動図柄及び図柄(画像)の変動態様を表示が行われた後に、図柄の変動を停止する。このとき、この画像表示装置20に表示された図柄の停止態様が予め定められた当たり装飾図柄の場合には大当たりとなり、大入賞口13が開放されて入賞が容易となった大入賞口13に打球が入賞すると、遊技者には大量の賞球が払い出される。
以上のように構成されたパチンコ機に設けられている制御装置について図を用いて説明する。図4は、この制御装置による制御の概略を示すブロック図である。この制御装置は、CPU,ROM,RAM等の種々の電子部品より構成されて
いる遊技制御手段50によりゲームの制御を行う。
遊技制御手段50には、始動入賞口12に内蔵された始動口入賞検出装置12aと、大入賞口13に内蔵された大入賞口入賞検出装置13aと、大入賞口13内の特定領域(図示せず)に内蔵された特定領域通過検出装置13b、遊技者が直接アクセス可能な押しボタン式スイッチ等の操作手段23等が電気的に接続しており、これらから検出信号が遊技制御手段50に入力される。
遊技制御手段50は、これらの入力された信号に応じて各種作動制御を行うものであり、この制御対象として賞球の払い出しを行う賞球払出装置45と、大入賞口13を開放作動させる大入賞口駆動装置13mと、画像(オブジェクト図柄(画像)と背景画像)を表示する画像表示装置20と、後述する遊技者が実行可能な特定遊技回数を示すリボルバ・ランプ31と、画像表示装置20の前面で左右に滑動するスコープ等の可動役物28が電気的に接続している。これらは全て遊技制御手段50からの制御信号に基づいて作動制御される。なお、その他、保留球ランプ25等が接続される場合も考えられるが、ここでは本発明の主構成要素ではないため省略する。
続いて、この遊技制御手段50の制御内容について詳細にはフローチャートを参照しつつ後述するが、ここでは図4、5のブロック図を用いて概説する。遊技制御手段50は、このゲームの制御のために、通常遊技実行手段60と、特別遊技実行手段70と、遊技設定手段80と、払出制御手段90とを備えている(図4参照)。
通常遊技実行手段60は、パチンコ機たる弾球遊技機の通常遊技を実行・制御するためのものであり、遊技領域10に設けられた各入賞口への入賞における打球の通過に関する処理を行う入賞口入賞処理手段61と、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを決定する特別遊技移行判定手段63とを備えて構成されている。なお、入賞口入賞処理手段61については、汎用の遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
特別遊技移行判定手段63は、図柄変動要素取得手段631と、保留球情報記憶手段632と、当たり乱数判定手段633と、表示装置に付与される演出を制御する画像変動決定手段(演出制御手段)634と、画像制御手段635と、スコープ等の可動役物28の作動制御手段636と、特定演出において遊技者が実行可能な特定遊技数を表示するランプ制御手段(操作回数表示手段)637とを備えている。
図柄変動要素取得手段631は、図5に示すように、画像表示装置20に表示する図柄又は図柄を決定するための要素(例えば、当たり乱数、停止図柄乱数)を取得するためのものであり、当たり乱数取得手段(抽選手段)631aと、停止図柄乱数取得手段631bと、を備えている。
これらの乱数取得手段のうち、当たり乱数取得手段631aは、大当たりを発生させるか否かを決定するための乱数(以下、「当たり乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、ハードウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜65535(65536通り)の乱数を上述した始動口入賞検出装置12aからの入賞信号に基づいて取得している。
また、停止図柄乱数取得手段631bは、画像表示装置20に停止表示させる図柄を決定するための乱数(以下、「停止図柄乱数」と称する)を取得するためのものである。
続いて保留球情報記憶手段632は、画像制御手段635による画像の変動表示中に始動入賞口12へ入賞した(すなわち、始動口入賞検出装置12aにより検出された)遊技球の入賞情報を、入賞した遊技球に対応させて、所定上限個分(本実施例では4個分)記憶するためのものである。なお、本実施例では、入賞情報として、当たり乱数、停止図柄乱数、保留球数等が記憶されている。また、本実施例においては記憶可能な保留球数の上限値を4個としたが、これに限定されるものではなく適宜変更可能である。このような保留球情報記憶手段632に、保留球の入賞情報が所定上限個分記憶されている場合は、それ以上の遊技球が始動入賞口12に入賞しても、その遊技球に対する入賞情報は記憶されず無効となる。すなわち、図柄変動中において始動入賞口12を通過する4個の遊技球に対して取得された情報は記憶することができるが、5個目以降の遊技球は始動入賞口12を通過しても無視されて賞球のみ払い出しが行われるようになっている。尚、保留球情報は図1、2のように保留球ランプ25に示され、保留球数に対応する個数の保留球ランプ25が点灯する。
また、当たり乱数判定手段633は、当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定するためのものである。例えば、ROMに記憶された当たり値「0〜200」と先の当たり乱数として取得された乱数値(0〜65535のうちの1つ)とを比較し、この乱数値が当たり値「0〜200」である場合に「当たり」と判定する。なお、後述する確率変動中には、遊技設定手段80により、例えば(当たり画像が確変画像の場合)当たり値が上記「0〜1280」に設定され、当たり確率を高確率に変動している。
また、画像変動決定手段(演出制御手段)634は、特別遊技を実行させるにあたって遊技者へ「当たり」への期待、興奮を維持せしめるために画像表示装置20にて行う種々の演出を決定し制御するための手段であり、予め定められた複数の演出から1つの演出を抽選し、決定する変動パターン決定手段(特定遊技演出決定手段)634aと、遊技者の入力に応じて発信される操作信号を出力する操作信号出力手段634bと、実行される特定遊技に応じて予め設定されたタイミングと遊技者の操作手段23へのアクセスタイミングとが合致するかを判定する操作判定手段634cと、操作判定手段634cの判定結果に対応する特定遊技の結果演出を決定する特定遊技結果演出決定手段634dと、該特定遊技結果演出決定手段634dで決定された結果演出が前記当たり乱数判定手段633と合致するような付加演出を決定する特定演出逆転結果演出決定手段634eとを備えている。
変動パターン決定手段634aは、図6に示すように表示変動態様決定手段6341と、可動役物作動態様決定手段6342と、画像加工態様決定手段6343とを備えている。
表示変動態様決定手段6341では、各図柄変動過程それぞれにおいて表示装置20に表示する予め定められた複数の演出のパターンから1つを決定する。ここで、変動表示態様とは、表示装置において複数の画像を連続して表示するためのデータを意味し、このデータにもとづいて後述の画像制御手段635、作動制御手段636、ランプ制御手段637が実行されるものである。詳細には後述するが概ね抽選により特定演出(スイッチ装置23を操作するためにスコープ28を作動させる演出)を実行するか否かを決定し、特定演出を実行しない場合には「通常変動パターンテーブル」から、特定演出を実行する場合には「特定変動パターンテーブル」から変動態様を決定する。さらに、ここでの決定は前述の当たり乱数判定手段633により判定された「当たり」「ハズレ」も決定要素として付加される。
ここで図7、8を参照して表示変動態様決定について具体的に説明する。図7は、「通常変動パターンテーブル」の一例を、図8は「特定変動パターンテーブル」の一例を示している。上述するように始動入賞口12に遊技球が入賞すれば、その入賞により「当たり」か否か抽選し、その抽選結果を判定する。具体的には取得当たり乱数値を当たり乱数判定手段633により判定する。次に、表示装置20で表示する演出について特定演出にするか通常演出にするかを抽選等で決定する。この決定により特定演出が実行されない場合には、図7に示すような予め設定された「通常変動パターンテーブル」の表示変動態様D〜Fのうちから決定し、さらに決定された表示変動態様D〜Fは上述する「当たり」「ハズレ」判定にもとづいて2つの態様に分けられ、最終的には6つの表示変動態様D1、D2、E1、E2、F1、F2のうち1つの態様が決定される。また、特定演出が実行される場合には、図8に示すような予め設定された「特定変動パターンテーブル」の表示変動態様A〜Cのうちから決定し、さらに決定された表示変動態様A〜Cは上述する「当たり」「ハズレ」判定にもとづいて2つの態様に分けられ、最終的には6つの表示変動態様A1、A2、B1、B2、C1、C2のうち1つの態様が決定される。
ここで特定演出について図9〜14を参照して概説する。図9は、表示装置20に表示された特定演出時の特定変動表示態様の一例を示している。特定演出が実行されると図9に示すように表示装置20には背景画像201の中に変動表示されるオブジェクト画像(図柄)202が表示される。このオブジェクト画像202は上述するように「特定変動パターンテーブル」から決定され、ここではオブジェクト画像としてダチョウが示されている。本実施形態で例示する特定演出では遊技者が操作手段としてのスイッチ装置13を押圧することにより拿捕できるというものである。この拿捕の際にダチョウへの照準を遊技者に提供するために可動役物としてのスコープ28を表示装置20の前面に出現する。このスコープ28が出現したイメージを略示したものが図10である。また、スコープ28は左右に滑動作動する物理的要素であり、枠28a内の表示内容を視認できるように枠28a内の領域28bは空白又は透明体で占有されている。なお、本実施形態ではスコープ28は物理的要素として構成されているが、後述する背景画像201の画像加工によりスコープ28として遊技者が認識可能な画像加工処理を行う場合は物理的要素を使用するまでもなくスコープ28を遊技者に提供できることも考えられる(但し、本実施形態では、物理的要素としてのスコープ28が介在することを前提として述べる)。実際には、このスコープ28をダチョウへの照準として遊技者に認識させ得るため、物理的なスコープ28と、表示装置20で表示される特定遊技の画像201、202と、を重ね合わせることに加え、スコープ28の照準としての視的効果を向上せしめるために枠内を明るくする(又は暗くしても良い)特定遊技画像の処理203、204を施している(図11参照)。尚、図11を参照すれば、現実には重ね合わせられているスコープ28、特定遊技画像201、202と、特定遊技画像の処理用画像203、204とをずらして示している。
このように演出された特定遊技状態で、遊技者は左右に滑動するスコープ28の照準位置28dがダチョウと合致したときにスイッチ装置23を操作する。そして、合致したときにタイミングよく操作すればダチョウ拿捕成功となり、合致しないときにスイッチ装置23を操作するとダチョウ拿捕失敗となる。そして、遊技者にとってダチョウの拿捕成功をもって遊技機が「大当たり」の遊技状態、すなわち特別遊技状態になると認識させている。
しかしながら、パチンコ機等では始動入賞口12への入賞時に予め「大当たり」するか否か抽選されているものであり、本実施形態においても同様である(後述参照)。この点、遊技者の操作と表示器20での表示画像内容とに差異が生じることないようにする必要があり、操作判定手段634cにより判断される。また、遊技者は特定演出中に複数回特定遊技を実行することができる。各特定遊技ではそれぞれ拿捕すべきダチョウが現れ、遊技者は予め定められた弾数(「スイッチ有効回数」と称す)の範囲内でダチョウ拿捕への挑戦が可能となる。この特定演出で実行される特定遊技回数及び各特定遊技中に遊技者が挑戦できるスイッチ有効回数ともに該上記表示態様変動態様が決定される際に同時に決定され(図8参照)、スイッチ有効回数については遊技者に視認させるべくランプ制御手段637(図4参照)によりリボルバ・ランプ31の同数のランプを各特定遊技毎に点灯させる。また、ランプ制御手段637は遊技者がダチョウ拿捕挑戦する度、すなわちスイッチ装置23を操作するたびに点灯されたランプを1つ消灯させるように制御する。さらに、各特定遊技において遊技中の遊技者の操作回数がスイッチ有効回数を超えた場合又は所定時間経過し遊技終了した場合はスイッチ装置23からの出力を無効にし、且つ新たな特定遊技が開始されるとスイッチ装置23を再び有効化する必要がある。本実施形態では、これを操作信号出力手段634cで制御している。なお、本実施形態の特定演出中の特定遊技は最大3回とされている。
次に、上述する遊技者の操作と表示装置20での表示画像内容とに差異が生じることないようにすることについて説明する。パチンコ機では当たり乱数判定手段633において「当たり」と判定されたことをもって「大当たり」すなわち特別遊技状態へ移行するが、遊技者のスイッチ装置23入力のタイミングが悪く本来、ダチョウを拿捕できないような場合でも特別遊技へは移行することとなる。この場合に、表示装置20で示す画像を「当たり」判定結果と合致させ、ダチョウを拿捕したがごとき画像(以下、「成功画像」と称す)を表示すると遊技者にとってスイッチ装置20によるダチョウ拿捕の演出は結局、「大当たり」には何の関係もないものと認識され、遊技機の演出性が損なわれることとなる。従って、遊技者がスコープ28の照準Aとダチョウが合致したタイミングでスイッチ装置23を入力しなければ入力失敗となり、表示される画像もこれに対応する失敗画像とし、逆にタイミングよく入力した場合には成功画像が表示されることとし、図4に示す特定遊技結果演出手段634dにより決定された画像を画像制御手段635で実行する。ここで問題となるのは当たり乱数値が「当たり」にもかかわらず遊技者が特定遊技のいずれかで入力失敗し失敗画像が表示された場合と、逆に「ハズレ」にもかかわらず遊技者が特定遊技全てで入力成功し成功画像が表示された場合である。これらの「ずれ」が生じた場合には各特定遊技が終了した後に、特定演出逆転結果演出手段634eにより決定された画像を追加表示するように画像制御手段635を実行し、「ずれ」を解消しても納得できる演出(特定演出逆転結果演出)を遊技者に提供する。図12を参照すれば「当たり」にもかかわらず特定遊技のいずれかにおいて遊技者が入力失敗したときの特定演出逆転結果演出が実行された場合に追加される画像の一例である。ここではダチョウ拿捕失敗画像(例示せず)が表示された後でライオンが登場し、遊技者の代わりにダチョウ拿捕をサポートしてくれる内容の画像が提供されている。
以上を前提として特定演出の具体的方法について説明する。再び図8を参照すれば「特定変動パターンテーブル」には図7に示す「通常変動パターンテーブル」において説明した要素に加え、表示変動態様(特定遊技)の決定に伴い決定される要素として、「照準位置対応カウンタ値(H)」と、「特定遊技実行カウンタ値(T)」と、「照準値(キャラクター数)(C)」と、「スイッチ有効回数(N)」と、「スイッチが有効になるカウント値(M)」とが付与されている。まず、「照準位置対応カウンタ値(H)」とは、遊技者がスイッチ装置23を操作したとき有効となるかを操作信号出力手段634bで判断するために使用する。すなわち、スイッチが押されるタイミングと照準となるキャラクタ位置(オブジェクト画像)とが合致しているか否かを判断する基準として使用されるものである。また、「特定遊技実行カウンタ値(T)」とは、特定遊技を実行する時間(開始から終了まで)をカウンタ値で示したものであり、画像制御手段が特定遊技を終了するか否かを判断するために使用する。「照準値(C)」とは、特定遊技演出実行時に表示装置に表示されるオブジェクト数(キャラクタ数:本実施形態ではダチョウの数)を示し、遊技者が可動役物(スコープ)28の一部分(照準28d)とオブジェクトが重なったときにスイッチ操作させるために表示される。「スイッチ有効回数(N)」とは、1回の特定遊技実行中に、何回遊技者がスイッチを操作することができるかの上限数を示している(上限数を超えた場合は、スイッチの操作は無効となる)。さらに、「スイッチが有効になるカウント値(M)」とは、各特定遊技毎にそれぞれ設定した表示変動態様において設定されているスイッチが有効となるカウンタ値を示している。また、特定遊技が何回目の実行であるかは「S」で表示し、例えば1回目の特定遊技の場合はS1又はS=1と表示する。ここでカウンタ値とは、特定遊技の開始から終了までの期間に設定されている、所定の区切りタイミングにて区切られている値をいう。この区切りは、所定時間(例えば、1秒、2秒毎等)や所定の演出出力タイミング(1画像出力毎等)により区切られる。
以上の要素に基づいて作成された特定演出実行時におけるタイムチャートを例示した図13を参照する。この図では特定演出中に特定遊技として図8の表示変動態様A、Bが順に実行され、最後に特定演出の結果演出(逆転演出も含む)が実行される様子を示している。このように上述するカウンタ値等の要素を定め、読み込むことで表示態様が決定され、特定演出を時系列的に系統化することができ、特定演出の制御を実行することができる。なお、具体的には、本実施形態では図13に示すとおり特定演出実行前に、2カウント目に「特定演出の実行選択演出」は実行され、実行中は遊技者が所定演出を実行するか否かを選択することができる(図示せず)。このときスイッチ装置23により実行選択がされる又は所定時間(2カウント)経過すると、スイッチが非有効化される。実際の制御方法については後述する。
また、表示変動態様が決定され、特定演出が実行される場合は可動役物作動態様決定手段6342が実行され、特定演出時にスコープ等の可動役物28が作動するパターンが表示変動態様に対応して決定されるが(カウンタ値「H」参照)、可動役物28の動作と特定遊技における画像との連関性をもたせる必要がある。すなわち、決定された表示変動態様にもとづいて表示装置20に表示される画像を加工する態様を画像加工態様決定手段6343により決定する。具体的には、図11に示すようにスコープ28の枠内が明るい領域204とし、可動役物(スコープ等)28の枠外を暗い領域203とするように画像処理がなされる。
以上、特別遊技移行判定手段について概説してきたが、次に、特別遊技を実行する手段70について説明する。特別遊技実行手段70は当たり乱数判定手段633により当たりと判定された場合に特別遊技を実行するためのものであり、単位遊技実行手段71と、継続判定手段72と、確変遊技移行判定手段73とを備えている(図4参照)。
単位遊技実行手段71は、特別遊技中における単位遊技を行うためのものであり、大入賞口駆動手段711と、単位遊技終了判定手段712とを備えている。
大入賞口駆動手段711は、大入賞口13を開放して遊技球の入賞を容易にするように大入賞口駆動装置13mを作動させるためのものである。
単位遊技終了判定手段712は、予め設定された単位遊技終了条件に基づいて、単位遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
継続判定手段72は、予め設定された継続条件に基づいて、特別遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
確変遊技移行判定手段73は、特別遊技終了後に遊技者にとって有利な確変遊技を実行するか否かを判定するためのものである。遊技設定手段80は、確変遊技移行判定手段73によりその判定結果が肯定的、すなわち確率画像であると判定された場合には、当該特別遊技終了後の遊技が通常遊技よりも遊技者に有利となる確変遊技となるように設定するためのものである。例えば、確率抽選テーブルをセットして、当たり乱数判定手段624によって参照する当たり値を「0〜200」から「0〜1280」にその数を増やして、当該特別遊技終了後の当たり乱数が当たりとなる大当たり確率を通常よりも高確率になるように設定している。
また、遊技設定手段80は、確変遊技移行判定手段73によりその判定結果が否定的であると判定された場合には、当該特別遊技終了後の遊技が、通常遊技に設定されるためのものでもある。なお、払出制御手段90は、賞球払出装置45から賞球を払い出させる制御を行うためのものである。
次に、本実施形態における制御概要を図14〜図25に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図14は、このパチンコ機のメインフローチャートである。遊技制御手段50は、まずステップS1で遊技機全体の初期設定を行った後、ステップS2の通常遊技処理、ステップS3の特別遊技処理を行った後、ステップS2に戻る。この動作は電源が遮断されるまで繰り返し実行される。
図15は通常遊技処理S2のフローチャートである。通常遊技処理S2は、入賞口への入賞をチェックする入賞口入賞チェック処理(ステップS20)と、特別遊技を移行するか否かを判定する特別遊技移行判定処理(ステップS22)とを実行した後、本処理を終了する。
図16は、入賞口入賞チェック処理S20のフローチャートである。入賞口入賞チェック処理S20は、まず、遊技球がいずれかの一般入賞口11への入賞が一般入賞口入賞検出装置11aにより検出されると(ステップS201)、その検出信号は遊技制御手段50に送られて、一般入賞フラグがセットされる(ステップS202)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて賞球払出装置45が作動して、各入賞球に対して所定数(例えば、10球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿に払い出す。なお、ここでセットされたフラグは、賞球動作に基づいて適宜リセットされる。また、始動入賞口12への遊技球の入賞が始動口入賞検出装置12aにより検出されると(ステップS205)、その検出信号は遊技制御手段50に送られ、始動入賞フラグがセットされる(ステップS206)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて、賞球払出装置45が作動して始動入賞口12への入賞球に対して所定数(例えば、5球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿に払い出す。
次に、特別遊技移行判定処理S22を実行する。図17は特別遊技移行判定処理S22の前段フローチャート、図18は図柄変動要素取得処理S230のフローチャート、図19は図柄変動処理S250のフローチャート、図20は変動パターン決定処理S251のフローチャート、図21は変動パターン決定S254のフローチャートである。
特別遊技移行判定処理S22は、まず、図柄変動要素取得処理S230を行う。図柄要素取得処理S230は、始動入賞口12に入賞したか否かを確認するために始動入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS231)。オンでない場合はこの処理を終了し、オンである場合は始動入賞フラグをオフする(ステップS232)。次に、記憶されている始動入賞口12へ入賞した保留球の数が記憶上限個(例えば、4個)に達しているかどうか、すなわち保留球数記憶手段632に入賞情報を記憶することができるか否かを確認する(ステップS233)。ここで、保留数の数が記憶上限個に達しておらず記憶が可能である場合は、当たり乱数取得手段631aにより当たり乱数を取得し(ステップS235)、停止図柄乱数取得手段631bにより停止図柄乱数を取得し(ステップS236)、これら入賞情報を各保留球の数n(n=1,2,3,4)に対応して保留球情報記憶手段632に設けられている乱数値エリアへ格納し(ステップS237)、この処理を終了する。なお、ステップS233において、保留球の数が上限個に達している場合は、この図柄変動要素取得処理S230を終了する。
続いて、特別遊技移行判断処理S22は、図17に示すように、上述する保留球の記憶があるか否かの確認を行う(ステップS240)。ここで、保留球の記憶がない場合には本処理を終了し、保留球の記憶がある場合には、保留球の数n=1に対応して保留球情報記憶手段632の乱数値エリアに格納されている情報を読み出す(ステップS241)。次に、保留球情報記憶手段632の乱数値エリアに格納されている乱数値をシフトする(ステップS242)。ここで、保留球情報記憶手段632における乱数値のシフトの方法について概説する。ステップS241では、保留球情報記憶手段632において、図26(a)で示すように、保留球の数n=1に対応する乱数値Aを読み出す。そして、次のステップS242では、図26(b)に示すように保留球の数n=2,3,4に対応する乱数値エリアに格納されている乱数値B,C,Dを、保留球の数n−1に対応する乱数値エリアにシフトして格納する。
次に、演出決定手段により図柄変動処理が実行される(ステップS250)。この図柄変動処理S250について図19を参照しつつ以下、説明する。
まず、図柄変動パターン決定処理が実行される(ステップS251)。図柄変動パターン実行処理S251は図20に示すようにまずステップS241で読み込まれた乱数値のうち当たり乱数を読み込み(ステップS252)、読み込まれた当たり乱数の抽選結果、すなわち「当たり」又は「ハズレ」を判定する(ステップS253)。具体的には前述するように例えば0〜65534の乱数のうち、0〜200に当たり乱数が該当する場合に「当たり」とする。この抽選結果に基づいて変動パターン決定する(ステップ254)。
変動パターン決定S254は、図21に示すようにまず表示変動態様決定処理が実行される(ステップS254a)。この処理S254aは、始動入賞口12に遊技球が入賞した際に表示装置20で実行する演出を決定するステップである。具体的には、特定演出を実行するか通常演出を実行するかを抽選等により決定する。そして、該決定の結果、特定演出を実行しない、すなわち通常演出を実行する場合には前述の「通常変動パターンテーブル」から、又特定演出を実行する場合には「特定変動パターンテーブル」から表示態様を抽選等により決定する(ステップS254a)。前述するように図7、8を参照すれば、変動パターンテーブルの一例が示されている。図7は通常変動パターンテーブルの例示であり、表示変動態様D、E、Fが示されている。また、図8は特定変動パターンテーブルの例示であり、表示変動態様A,B、Cが示されている。
次に、決定した表示変動態様情報を画像制御手段635に送信する(ステップS254b)。そして、ステップS254aで決定された表示変動態様が特定演出を実行するか否かを判定し(ステップS254c)、特定演出を実行する場合は特定演出中に実行される特定遊技の回数「S」を読み込む(ステップ254d)。本実施形態では特定遊技の最大実行回数を3回に定めている(1≦S≦3)。なお、特定遊技の1回目、2回目、3回目をそれぞれS1、S2、S3と規定する。次に、特定遊技毎に表示照準位置対応カウンタ値を読み込む(ステップS254e)。ここでは、S1=X1、S2=X2、S3=X3とする。そして、特定遊技毎に「(可動役物)作動パターンテーブル(図示せず)から可動役物作動態様を決定し(ステップS254f)、役物照準位置(図13参照)対応カウンタ値を読み込んだ後(ステップS254g)、前述の照準位置対応カウンタ値と役物照準位置対応カウンタ値とが合致するカウンタ値を「H」として設定する(ステップS254h)。そして、特定遊技毎に特定遊技パターンテーブルから選択された態様に設定されている特定演出実行カウンタ値「T」を読み込む(ステップS254i)。ここではS1=T1、S2=T2、S3=T3、とする。次に、特定遊技毎に特定遊技パターンテーブルから選択された態様に設定されている照準値すなわちオブジェクト画像として表示されるキャラクタ数「C」を読み込む(ステップS254j)。ここでは、S1=C1、S2=C2、S3=C3、とする。次に、特定遊技毎に特定遊技パターンテーブルから選択された態様に設定されているスイッチ有効回数「N」を読み込む(ステップS254k)。ここでは、S1=N1、S2=N2、S3=N3、とする。さらに、特定遊技毎に特定遊技パターンテーブルから選択された態様に設定されているスイッチが有効となるカウンタ値「M」を読み込む(ステップS254l)。S1=M1、S2=M2、S3=M3、とする。以上により変動パターンが決定される(ステップS254)。なお、ステップS254cにおいて特定演出を実行しない場合には、決定した「通常変動パターンテーブル(図7参照)」から選択決定した変動態様を実行(通常変動演出の実行)を行い(ステップS277、S278、S279)、図柄変動処理S250が終了する(図19参照)。
再び図19を参照すれば、変動パターン決定処理S251がなされると、選択画面が表示され(ステップS255)、選択演出が実行され(ステップS256)、スイッチ装置23が有効化される(ステップS257)。これは、特定演出を実行するか否か遊技者がスイッチ装置(操作手段)23の入力を通じて選択できるようにするための工程である。本実施形態では図13に示すようにスイッチ装置23を有効にするか否かの選択は2カウント目までに制限されており、特定演出を実行すると遊技者が選択した場合(ステップS258)には、スイッチ装置23が非有効化される(ステップS259)。特定演出中の各特定遊技を実行できるようにするために一端スイッチ入力をリセットする必要があるからである。なお、特定演出実行を遊者が拒んだ又は所定時間が経過した場合には、表示変動態様が再度から決定、実行され、その終了をもって図柄変動処理が終了する(ステップS275〜279)。
特定演出実行が選択され(ステップS258)、スイッチ装置が非有効化されると(ステップS259)、図13のタイムチャートに示すように特定遊技におけるカウントが開始され(ステップS280)、変動パターン決定処理S251において読み込まれた各カウント値等の要素情報が画像制御手段635等に送信される(ステップS260)。これにより特定遊技が開始される(ステップS261)。
特定遊技が開始され、開始(特定演出の実行選択演出カウンタ値が2カウントのときを0カウントとする:図13参照)からのカウント(時間)が非有効化されたスイッチ装置23が有効となるカウンタ値「M」(S1=M1)まで経過するとスイッチ装置23が有効化される(ステップS262、S263)。その後、スイッチ装置を遊技者が操作すると該操作情報が送信され(ステップS264、S265)、各特定遊技毎に入力可能なスイッチ有効回数「N」の値が1つ減じられ、「N」=0となった場合にはスイッチ装置23が非有効化される(ステップS266〜S268)。そして、特定遊技の実行が可能な所定時間(カウンタ値「T1」)経過(S1=T1)するまでは、ステップS264〜268までが繰り返される(ステップ269)。上記所定時間経過(S1=T1)した後は、該情報が送信され(ステップS270)、スイッチ装置23が既にステップS268で非有効化されている場合には各特定遊技の残存回数を1回減じ(ステップS273)、スイッチ装置23が未だ非有効化されていない場合には非有効化し(ステップS272)、各特定遊技の残存回数を1回減じ(ステップS273)、次の特定遊技S2に移行する。以上のステップS280、S260〜273の工程は、各特定遊技の残存回数がゼロになるまで繰り返され(ステップS274)、実行可能な特定遊技の残存回数がゼロになる、すなわち全ての特定遊技が終了したときには変動態様実行が終了し図柄変動処理S250が終了する(ステップS279)。
ここで画像制御手段635における画像の制御方法について説明する。図25を参照すれば、特定演出中の画像制御に関するフローチャートが示されている。まず、画像制御手段635はステップS251(図19参照)により決定された表示態様情報を受信すると(ステップS401)、決定された該情報を読み込む(ステップS402)。そして、該情報により特定演出が実行されるか否か判定され(ステップS403)、実行される場合には、特定画像処理情報を図示しない画像メモリから読み込み所定の格納エリアに格納する(ステップS404)。なお、ステップS403で特定演出を実行しない場合には、通常演出画像情報を図示しない画像メモリから読み込み、通常演出における画像表示が画像制御手段635で実行され、画像表示制御が開始され(ステップS425)、通常演出が終了をもって画像制御過程が終了する(ステップS426)。
上記特定画像制御を実行する場合であって該画像処理情報を格納した後、ステップS260(図19参照)で送信されたカウント開始情報が受信されたか否かを判断し(ステップS405)、受信された場合には、画像制御手段635により画像表示制御が開始され(ステップS406)、特定画像処理ポイントに到達、すなわち特定演出実行選択演出が実行され1回目(S1)の特定遊技が実行されるときのカウント値情報を認識すると(ステップS407)、ステップS404により格納された特定画像処理情報にもとづき特定画像(オブジェクト画像)の処理を実行する(ステップS408)。そして、特定遊技が開始され、ステップS265によるスイッチ操作情報の受信を判断し(ステップS409)、そのスイッチ操作時のカウンタ値がステップS254hで設定された照準位置対応カウンタ値「H」と合致する、すなわちスイッチ装置23の入力タイミングが照準となるキャラクタ(オブジェクト画像)の位置と合致するかを判定し(ステップS410)、合致する場合には特定遊技の残存回数が1回か否か(最後の1回か)判定する(ステップS413)。この判定により、残存回数が1回(ここではS=1と表記する)でない場合又は残存回数が1回であって照準値すなわち該特定遊技で表示されるキャラクタ数「C」が1(C=1)の場合には、実行中の変動態様が当たり変動態様か否か(図8参照)判断し(ステップS415)、「当たり」の場合には成功演出画像を表示装置20の背景画像に差込み(ステップS416)、「ハズレ」の場合には失敗演出画像を表示装置20の背景画像に差込む(ステップS412)。また、特定遊技の残存回数が1回の場合に「C」が1(C=1)でない場合にも、成功演出画像を表示装置20の背景画像に差込む(ステップS416)。さらに、スイッチ操作時のカウンタ値がステップS254hで設定された照準位置対応カウンタ値「H」と合致しない場合には、失敗画像が表示装置20の演出画像に差し込まれる(ステップS412)。
そして、ステップS270により送信されたカウンタ値がT1に到達した情報を受信するまで(特定遊技が終了するまで)上記ステップS409〜416までのステップを繰り返し、カウンタ値がT1となった情報を受信したかを判断し(ステップS417)、ステップS273、S274によりS=0、すなわち実行された遊技が特定演出における最後の特定遊技であったと認識されるまで、ステップS409〜S418を繰り返し、次の特定遊技へ移行する。最後の特定遊技が終了(S=0)すると、実行中の変動態様がハズレ変動態様である場合には特定演出全体での遊技者の遊技が失敗であったことを表示すべく特定演出(逆転)結果演出決定手段S634eにより決定された特定演出(失敗)結果演出を出力し(ステップS419〜423)、画像制御が終了する。また、当たり変動態様である場合、既に失敗演出画像が差込まれている(ステップS412)場合、「当たり」判定と演出画像との矛盾を覆す演出をすべく特定演出逆転結果演出を画像制御手段635に出力した後(ステップS421)、特定演出成功の結果演出を実行し、画像制御は終了する。また、失敗演出画像が差込まれていない、すなわちステップS416で成功演出画像が差込まれた場合にはそのまま特定演出成功の結果演出を実行し(ステップS422)、画像制御が終了する。
再び図17を参照すれば、上述するように画像変動処理S250が実行されると、次にステップS241で読み出した当たり乱数に応じて当たり乱数判定手段633は特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定する(ステップS245)。ここで、判定結果が当たりであるときは、特別遊技フラグをオンし(ステップS246)、ステップS241で読み出した情報を消去し(ステップS247)、特別遊技移行判定処理S22を終了する。また、ステップS245において、判定結果が外れであるときは、特別遊技フラグをオンせずにそのままステップS247に進み、特別遊技移行判定処理S22を終了する。
次に、特別遊技処理S3を行う。この特別遊技処理S3は、取得した当たり乱数の抽選結果が当たりのとき、単位遊技を所定回数(例えば15回)だけ実行可能な特別遊技を成立させる処理である。図22は、特別遊技処理S3の前段フローチャート、図23は特別遊技処理S3の後段フローチャート、図24は特別遊技終了処理S320のフローチャートである。
まず、特別遊技フラグがオンであるか否かを確認する、すなわち取得した当たり乱数が当たりであったか否かを確認し(ステップS301)、外れであればこの処理を終了する。当たりの場合は、例えば特別遊技フラグをオフしたり、大当たり確率が高確率の確変遊技であった場合は通常の低確率に変動させて確変遊技を終了させる等の特別遊技初期設定を行う(ステップS302)。次に、単位遊技を行うための各種の初期設定を行い(ステップS303)、単位遊技を開始する。
単位遊技は、大入賞口駆動手段711により大入賞口駆動装置13mを作動させて大入賞口13を開放して、第1回目の単位遊技を開始する。大入賞口13が開放されると、遊技領域空間を落下移動する遊技球は大入賞口13に非常に入賞し易い状態となる。このような状態で大入賞口13に遊技球が入賞すると、払出制御手段90によりこの入賞球に対して所定の数(例えば、13個)の賞球が球受け皿に払い出される。
このようにして第1回目の単位遊技が開始されると、単位遊技終了判定手段712により、以下に述べるような単位遊技終了条件の達成の有無が判断され、この単位遊技終了条件が達成されるまでは大入賞口13の開放作動が継続される。
単位遊技終了条件は、「入賞球数」及び「制限時間」を用件として設定されている。まず、「入賞球数」の用件は、大入賞口13に入賞したトータルの遊技球の数が所定数(例えば、10球)に達した時点で単位遊技終了条件が達成されたと判断するというものであり、図23に示すように、大入賞口入賞検出装置13aにより大入賞口13に入賞したかを判断する(ステップS304)。入賞した場合は、大入賞口13に取り付けられている入賞球のカウンタ(図示せず)から予め設定されている単位遊技条件終了のために必要な入賞球数(例えば、10球)から1を減らす(ステップS305)。また、特定領域通過検出装置13bにより特定領域(図示せず)に遊技球が入賞したか否かを判断し(ステップS306)、入賞した場合は特定領域フラグをセットする(ステップS307)。そして、大入賞口13の入賞球数が所定の数(例えば、10球)に達したか否かを判定し(ステップS308)、入賞球数が所定の数を満たしていた場合は単位遊技終了条件が達成されたためステップS310に進み、入賞球数が所定の数を満たしていない場合は次の単位遊技終了条件であるステップS309に進む。
次に、「開放時間」の要件は、単位遊技開始後における大入賞口13の開放時間が予め定められた時間(例えば、30秒)経過したときにこの単位遊技終了条件が達成したと判断されるというものであり、ステップS309では、この終了条件が達成したか否かを判断する。そして、制限時間が終了していない(すなわち、単位遊技終了条件が満たされていない)場合はステップS304へ戻り次の単位遊技を行う。一方、制限時間が終了(すなわち、単位遊技終了条件を満たされた)場合は、ステップS310へ進む。
以上のように単位遊技終了判定手段712は、「入賞球数」もしくは「制限時間」の条件のいずれか一方が満たされた時点で、単位遊技終了条件が達成されたと判断し、単位遊技を終了する。
上記のような単位遊技終了条件を達成したときは大入賞口13の開放を止め、継続判定手段72により継続判定条件が達成されているかを判断する(ステップS310)。この継続条件とは、単位遊技中に特定領域に遊技球が入賞して特定領域フラグがセットされたか否かという条件であり、単位遊技中に特定領域への入賞があった場合にのみ継続条件が達成されたと判断される。このため、特定領域への入賞がないまま単位遊技が終了した場合には、ステップS310から特別遊技終了処理S320を行う。
一方、ステップS310において継続条件が成立したと判断された(すなわち、今回の単位遊技中に特定領域へ少なくとも1つの入賞球があった)場合には、特定領域フラグをクリアする(ステップS311)。今回の特別遊技を開始した後における単位遊技のラウンド数を数えるためにカウンタがあり、このカウンタには予め所定回数(例えば、15回)がセットされている。このカウンタから1を減らす(ステップS312)。続いて、このラウンド数のカウンタが0未満になったか否か、つまり単位遊技の繰り返し回数が所定回数行われたか否かを判断する(ステップS313)。ここで、ラウンド数のカウンタが0未満ではない、すなわち所定回数繰り返されていない場合は、ステップS303に戻り、次の単位遊技を行う。また、ラウンド数のカウンタが0未満である、すなわち単位遊技が所定回数繰り返された場合は、ステップS313から特別遊技終了処理S320へ進む。
特別遊技終了処理S320は、図24に示すように、まず、確変遊技移行判定手段73により、当選時における当たり図柄が確変図柄であるか否かを判定する(ステップS321)。確変図柄であると判断されたときは、各確変当選画面表示(図示せず)がなされ(ステップS322)、遊技設定手段80によって、当たり乱数が当たりとなる確率(すなわち大当たり確率)を通常よりも高確率になるように当たり値が設定されている確変抽選テーブルをセットする。また、確変図柄ではないと判断されたときは、確変非当選画面表示(図示せず)がなされ(ステップS323)、遊技設定手段80によって、通常の当たり確率が再び通常抽選テーブルをセットする。
最後に、画像表示装置20を有する中央役物15に配置されたスコープ等の可動体28の運動について言及する。図27を参照すれば、スコープ28が画像表示装置20上を横方向に滑動する様子を略示している。スコープ28は非作動時にはリボルバ30の背後に設けられた格納スペース(図示せず)に収容されている。図27によれば、スコープ28が右端に移動した状態(参照番号28´)においてリボルバ30と重複しているように示されているが、これは非作動時のスコープ28がリボルバ30に設けられた格納スペースに収容された状態を示したものであり、外部からは図2に示すようにリボルバ30表面(リボルバ・ランプ31等を含む)のみが視認され、スコープ28は完全に隠された状態を形成する。これにより、可動体28は作動時、すなわち特定演出時のみ表示装置20(特にその表示画面)上に出てくることとなり、遊技者は可動体28がリボルバ30の背後から出てきたことにより自己操作への準備に対する緊張感が高まり、遊技機への興味を増加させることとなる。
また、図示しないが表示装置20の表面に透過性を有する保護フィルムを設け、スコープ28を保護フィルムと表示画面との間で滑動させることが好ましい。保護フィルムを表示画面上に設けることにより遊技球による画面損傷を防止することができる。さらに、保護フィルムの存在によりスコープ28の滑動領域を遊技球の進路から離間することができ、その結果、スコープ28が特定演出時に作動することにより該スコープ28が遊技球を弾き飛ばし、遊技球の入賞口への進行の障害となることを回避することができる。従って、遊技者は入賞口へ狙って発射された遊技球がスコープ28により邪魔され不快感を得ることはなく、スコープ28滑動による演出効果を十分に発揮させることが可能となる。さらに、スコープ28が完全に遊技球進路外に配置されるためにスコープを表示画面の全領域に亘って滑動させることができ、従来の可動体(可動役物)よりも大きな作動領域を確保することができる。
次に、スコープ28の滑動方法について説明する。図28は、スコープ28及びこれを駆動する手段を実線で示し、表示装置を覆う中央役物15を破線で示している。スコープ28はその上部に支持端部28jを有し、この端部28jに横方向の力を付与することにより滑動させる構成をなしている。具体的には、表示装置20の表示画面上方に螺旋状の溝21aが横方向に付与されたスパイラル軸21が軸回り回転自在に設けられており、該スパイラル軸21はスコープ28の滑動方向に平行に配置されている。また、スパイラル軸21に平行に補助軸22が付与されている。スコープ28の端部28jは上記両軸21、22がガイドとなってスコープ28を横方向に滑動させることができる。このときスパイラル軸21の溝21aに端部28jに付与された突起28hを嵌合させる。従って、スパイラル軸21を回転させると螺旋状の突起28hを介して溝21a方向、ひいてはスコープ28を横方向に滑動させることができ、補助軸22によりスコープ28がずれる又は回転することを回避することができる。また、スパイラル軸21jはモータ24により正逆回転可能である。
さらに、補助軸22の上方には表示画面すなわちスパイラル軸21と補助軸22とに対して平行に整列配置された3つの位置検出センサ26を設けている。このセンサ26は図28に示すようにそれぞれセンサ突起26a、b、chが付与され、この突起26a、b、cによりスコープ28の最上端に設けられた突起28hが通過することを検出する。図28に示す例によれば、位置検出センサ26は3つ設けられ、左から順に、スコープ28が表示画面の左端に位置するとき、スコープ28が画面中央に位置するとき、スコープ28がリボルバ30背後の格納スペース内に収容されているとき、を検出する役割を有する。この3つのセンサ26を介してモータ24の駆動を制御すれば、スコープ28は画面左端、画面中央、格納スペース内の3箇所を相互間を滑動及び停止させることが可能となる。従って、センサ26をさらに付与すれば、より複雑なスコープ28滑動をもモータの正逆回転のみで制御することが可能となる。
以上が本発明の遊技機すなわちパチンコ機の実施形態の主たる構成であるが、本発明の遊技機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び精神を逸脱しない種々の実施形態が存在することが当業者にとって明白であろう。