JP2010144535A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の最少噴射量を低減しつつ高燃圧時でも確実に燃料を噴射することができる内燃機関の燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】同一の気筒2に開口する2つの吸気ポート3のうちの一方にセット荷重が高い高セット荷重燃料噴射弁5aを、他方にセット荷重が低い低セット荷重燃料噴射弁5bをそれぞれ設け、デリバリパイプ6内の燃圧が低い場合に高セット荷重燃料噴射弁5aのニードル弁10が開弁し、かつ低セット荷重燃料噴射弁5bのニードル弁10が閉弁するように各燃料噴射弁5を制御し、デリバリパイプ6内の燃圧が高い場合に、低セット荷重燃料噴射弁5bのニードル弁10が開弁するように低セット荷重燃料噴射弁5bを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の吸気ポートのそれぞれに燃料噴射弁を備えた内燃機関の燃料噴射装置に関する。
内燃機関の燃料噴射装置として、同一の気筒に開口する2つの吸気ポートのそれぞれに燃料噴射弁を設けたものが知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
特開2007−292058号公報 特開昭61−247841号公報 特開昭62−75064号公報 特開平7−133750号公報
吸気ポート毎に設ける燃料噴射弁として同一のものを用いた場合、燃料噴霧の微粒化を図るために燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力を高い状態に設定すると、単位時間当たりの燃料噴射量が増加するので最小燃料噴射量の要求に対応できなくなることがある。そのため、最小燃料噴射量の要求を満足させるには、燃料の圧力を十分に高めることができない。
そこで、本発明は、燃料噴霧の微粒化と最小燃料噴射量の要求への対応とを両立することができる内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料噴射装置は、同一の気筒に開口する2つの吸気ポートのそれぞれに設けられ、かつニードル弁がスプリングにて弁座に押し付けられた状態から開弁することにより燃料を噴射する2つの燃料噴射弁を備える内燃機関の燃料噴射装置において、前記2つの燃料噴射弁として、前記ニードル弁を前記弁座に押し付ける前記スプリングのセット荷重が高い第1の燃料噴射弁及び低い第2の燃料噴射弁が設けられ、前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低い場合に、前記第1の燃料噴射弁のニードル弁が開弁し、かつ前記第2の燃料噴射弁のニードル弁が閉弁するように前記第1及び第2の燃料噴射弁を制御し、前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合に、前記第2の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するように前記第2の燃料噴射弁を制御する制御手段を備えているものである(請求項1)。
通常、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が一定である場合、ニードル弁を弁座に押し付けるスプリングのセット荷重が高いほど、ニードル弁が閉弁状態から全開状態まで移動する開弁動作期間が長くなる一方で、ニードル弁が全開状態から閉弁状態まで移動する閉弁動作期間が短くなる。本発明の燃料噴射装置によれば、第1の燃料噴射弁のセット荷重が高く、第2の燃料噴射弁のセット荷重が低いので、第1の燃料噴射弁の開弁動作期間が第2の燃料噴射弁のそれよりも長く、かつ第1の燃料噴射弁の閉弁動作期間が第2の燃料噴射弁のそれよりも短くなる。そのため、各燃料噴射弁のニードル弁が同じタイミングで開弁及び閉弁を行った場合、第1の燃料噴射弁から噴射される燃料量が第2の燃料噴射弁から噴射される燃料量よりも少なくなる。つまり、第1の燃料噴射弁の最小燃料噴射量が第2の燃料噴射弁の最小燃料噴射量よりも小さくなる。また、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低いほど、単位時間当たりに燃料噴射弁から噴射される燃料量が少なくなる。各燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低い場合に、第1の燃料噴射弁のニードル弁が開弁し、第2の燃料噴射弁のニードル弁が閉弁するので、単位時間当たりの燃料噴射量が少ない状態で最小燃料噴射量の小さい第1の燃料噴射弁のみから燃料を噴射することができる。これにより、最小燃料噴射量の要求に対応することができる。また、各燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合に、第2の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するように第2の燃料噴射弁を制御するので、燃料噴霧の微粒化を確実に行うことができる。よって、燃料噴霧の微粒化と最小燃料噴射量の要求への対応とを両立することができる。また、ニードル弁の閉弁時に、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力及びスプリングのセット荷重にてニードル弁が弁座に押し付けられているので、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合にニードル弁が開弁できなくなることがある。しかし、本発明の燃料噴射弁によれば、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合にセット荷重の低い第2の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するので、第2の燃料噴射弁のニードル弁が燃圧及びセット荷重にて弁座に押し付けられて開弁できなくなることを防止できる。
本発明の一形態において、前記制御手段は、前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合に、前記第2の燃料噴射弁に続いて前記第1の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するように前記第1の燃料噴射弁を制御してもよい(請求項2)。この形態によれば、単位時間当たりの燃料噴射量が多い状態で第1及び第2の燃料噴射弁から燃料を噴射するので、第2の燃料噴射弁だけでは燃料噴射量の要求を満たせないときでも対応することができる。また、第1及び第2の燃料噴射弁に燃料を分配するデリバリパイプが設けられた内燃機関に本発明を適用した場合には、第2の燃料噴射弁から燃料を噴射すると、デリバリパイプ内の燃料の圧力が低下して第1の燃料噴射弁のニードル弁を弁座に押し付ける燃料の圧力が小さくなる。よって、第2の燃料噴射弁のニードル弁が開弁する前に、第1の燃料噴射弁のニードル弁が開弁できない程度の燃料の圧力が生じていた場合でも、第2の燃料噴射弁のニードル弁を先に開弁することで第1の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低下するので、第1の燃料噴射弁から燃料を噴射することができる。
本発明の一形態においては、前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力を変更する燃圧可変機構をさらに備え、前記制御手段は、内燃機関の負荷が高い場合に前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い状態に、前記内燃機関の負荷が低い場合に前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低い状態になるように前記燃圧可変機構を制御してもよい(請求項3)。通常、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力は、内燃機関の回転数が高くなるほど高くなるように設定されている。また、燃料噴射弁の要求燃料噴射量は、内燃機関の負荷が高くなるほど多くなる。そのため、内燃機関が低回転数で高負荷状態の時(例えば、内燃機関の始動時)に、燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低い状態になり燃料噴射量の要求を満たすことができない可能性がある。この形態では、内燃機関の負荷が高い場合に各燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が燃圧可変機構によって高い状態になるので、内燃機関が低回転数で高負荷状態の時でも燃料噴射量の要求を満たすことができる。一方、内燃機関の負荷が低い場合に各燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が燃圧可変機構によって低い状態になるので、内燃機関が高回転数で低負荷状態の時でも燃料噴射量の要求を満たすことができる。
以上に説明したように、本発明の燃料噴射装置によれば、第1の燃料噴射弁の最小燃料噴射量が第2の燃料噴射弁の最小燃料噴射量よりも小さくなる。また、単位時間当たりに燃料噴射弁から噴射される燃料量が少ない状態で最小燃料噴射量の小さい第1の燃料噴射弁のみから燃料を噴射するので、最小燃料噴射量の要求に対応することができる。また、各燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合に、第2の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するように第2の燃料噴射弁を制御するので、燃料噴霧の微粒化を確実に行うことができる。
(第1の形態)
図1は本発明の第1の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を示した図である。内燃機関1は、複数(図1では1つのみ示す。)の気筒2と、各気筒2に2つずつ設けられて、気筒2に開口する吸気ポート3とを備えている。燃料噴射装置4は、各吸気ポート2に1つずつ設けられた燃料噴射弁5と、それら燃料噴射弁5の後端部に接続されて不図示の燃料タンクから導かれる燃料を燃料噴射弁5のそれぞれに分配するデリバリパイプ6と、デリバリパイプ6内の燃料の圧力(燃圧)を変更する燃圧可変機構としての燃料ポンプ7とを備えている。燃料ポンプ7は、電動ポンプで吐出量を変更できる。
燃料噴射弁5は、内部に弁室8が形成されたノズルボディ9と、弁室8に挿入されたニードル弁10とを備えている。ノズルボディ9には、電流が流れることにより電磁力を発生する電磁コイル11が設けられている。ニードル弁10の先端には、テーパ状に先細りのテーパ部12が形成され、弁室8にはそのテーパ部12に対応して弁座13が形成されている。ニードル弁10の後端には、ニードル弁10のテーパ部12を弁座13に押し付けるためのスプリング14が設けられている。スプリング14としては圧縮コイルばねが用いられる。各燃料噴射弁5のスプリング14の弾性率は同一に設定されている。また、各燃料噴射弁5は、単位時間当たりに噴射される燃料の流量が同一に設定されている。
同一の気筒2に対して設けられた2つの燃料噴射弁5のうちの一方の燃料噴射弁(図1では、右側に位置する燃料噴射弁)5は、スプリング14の一端が接した状態で弁室8に設けられてノズルボディ9に固定された調整部材15を有している。これにより、バネレートが同じであるが、調整部材15を有する燃料噴射弁5は調整部材15を有さない燃料噴射弁5よりも縮んだ状態でスプリング14が取り付けられている。よって、調整部材15を有する燃料噴射弁5のニードル弁10のテーパ部12を弁座13に押し付けるスプリング14のセット荷重が、調整部材15を有しない燃料噴射弁5のセット荷重よりも高くなる。以下、セット荷重が高い側の燃料噴射弁5を高セット荷重燃料噴射弁5aと、セット荷重が低い側の燃料噴射弁5を低セット荷重燃料噴射弁5bと呼ぶことがある。
次に、燃料噴射弁5のニードル弁10の動作について説明する。電磁コイル11に電流が流れていない場合、スプリング14の弾性力及び燃圧にてニードル弁10のテーパ部12が弁座13に押し付けられてニードル弁10が閉弁している。一方、電磁コイル11に電流が流れると、ニードル弁10のテーパ部12が弁座13から離れる方向の電磁力がニードル弁10に作用して、その電磁力が弾性力及び燃圧の合力に打ち勝つことによりニードル弁10が開弁する。そして、弾性力及び燃圧の合力と電磁力とが釣り合う位置でニードル弁10が全開となる。
図2は、スプリング14のセット荷重と開弁可能燃圧との関係及びセット荷重と最小燃料噴射量との関係を示したグラフである。グラフ中のAは高セット荷重燃料噴射弁5aのスプリング14のセット荷重を、Bは低セット荷重燃料噴射弁5bのスプリング14のセット荷重をそれぞれ示し、直線Cは開弁可能燃圧の変化を、直線Dは最小燃料噴射量の変化をそれぞれ示している。このグラフからも分かるように、セット荷重が大きくなるほどニードル弁10のテーパ部12を弁座13に押し付ける力が大きくなるので、高セット荷重燃料噴射弁5aの開弁可能燃圧が低セット荷重燃料噴射弁5bの開弁可能燃圧よりも小さくなる。また、デリバリパイプ6内の燃圧が一定である場合、燃料噴射弁5のスプリング14のセット荷重が高いほど、ニードル弁10が閉弁状態から全開状態まで移動する開弁動作期間が長くなり、ニードル弁10が全開状態から閉弁状態まで移動する閉弁動作期間が短くなる。よって、高セット荷重燃料噴射弁5aのセット荷重が高く、低セット荷重燃料噴射弁5bのセット荷重が低いので、高セット荷重燃料噴射弁5aの開弁動作期間が低セット荷重燃料噴射弁5bのそれよりも長く、かつ高セット荷重燃料噴射弁5aの閉弁動作期間が低セット荷重燃料噴射弁5bのそれよりも短くなる。そのため、各燃料噴射弁5のニードル弁10が同じタイミングで開弁及び閉弁を行った場合、高セット荷重燃料噴射弁5aから噴射される燃料量が低セット荷重燃料噴射弁5bから噴射される燃料量よりも少なくなる。つまり、高セット荷重燃料噴射弁5aの最小燃料噴射量が低セット荷重燃料噴射弁5bの最小燃料噴射量よりも小さくなる。
図1に示すように、燃料噴射弁5のニードル弁10及び燃料ポンプ7の動作は、制御手段としてのエンジンコントロールユニット(ECU)16により制御される。ECU16はマイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成される。本発明に関連するセンサとしては、吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローメータが17利用される。
図3は本発明のECU16が実行する制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは内燃機関1の運転中に所定の周期で繰り返し実行される。まず、ステップS1において、ECU16はエアフローメータ17の出力信号を参照して吸入空気量を取得する。
ステップS2では、内燃機関1が高負荷状態であるか否かを判断する。この判断にはステップS1で取得した吸入空気量が利用され、その吸入空気量が所定値を超えるか否かにより高負荷状態であるか否かを判断する。所定値は、内燃機関1の始動時からファーストアイドリング時までの期間やWOT(Wide Open Throttle)時には高負荷状態に、ホットアイドリング時には低負荷状態になるように設定されている。高負荷状態である場合はステップS3に進み、否定判断である場合はステップS5に進む。
ステップS3では、高燃圧制御を行う。高燃圧制御では、デリバリパイプ6内の燃圧が高い状態になるように燃料ポンプ7を制御する。
ステップS4では、低セット荷重噴射制御を行う。低セット荷重噴射制御では、低セット荷重燃料噴射弁5bの電磁コイル11に電流が流れ、高セット荷重燃料噴射弁5aの電磁コイル11に電流が流れないように、各燃料噴射弁5を制御する。これにより、スプリング14の弾性力及び燃圧にてニードル弁10のテーパ部12が弁座に13押し付けられて開弁できなくなることを防止して確実に燃料を噴射することができる。また、デリバリパイプ6内の燃圧が高い状態で燃料を噴射しているので、燃料噴霧を微粒化させることができる。ステップS4の処理後、ECU16は今回のルーチンを終了する。
ステップS5では、低燃圧制御を行う。低燃圧制御では、デリバリパイプ6内の燃圧が低い状態になるように燃料ポンプ7を制御する。これにより、単位時間当たりに燃料噴射弁5から噴射される燃料量が少なくなる。
ステップS6では、高セット荷重噴射制御を行う。高セット荷重噴射制御では、高セット荷重燃料噴射弁5aの電磁コイル11に電流が流れ、低セット荷重燃料噴射弁5bの電磁コイル11に電流が流れないように、各燃料噴射弁5を制御する。これにより、単位時間当たりに燃料噴射弁5から噴射される燃料量が少ない状態で最小燃料噴射量の小さい高セット荷重燃料噴射弁5aのみから燃料を噴射することができる。これにより、最小燃料噴射量の要求に対応することができる。ステップS6の処理後、ECU16は今回のルーチンを終了する。
通常、デリバリパイプ内の燃圧は、内燃機関の回転数が高くなるほど高くなるように設定されている。また、各燃料噴射弁の要求燃料噴射量は、内燃機関の負荷が高くなるほど多くなる。そのため、内燃機関が低回転数で高負荷状態の時に、デリバリパイプ内の燃圧が低い状態になり燃料噴射量の要求を満たすことができない可能性がある。本形態では、内燃機関1が高負荷状態の場合にデリバリパイプ6内の燃圧が高い状態になるので、内燃機関1が低回転数で高負荷状態の時でも燃料噴射量の要求を満たすことができる。一方、内燃機関1の負荷が低い場合にデリバリパイプ6内の燃圧が低い状態になるので、内燃機関1が高回転数で低負荷状態の時でも、燃料噴射量の要求を満たすことができる。
(第2の形態)
本形態は、上述した第1の形態に係る制御ルーチンの一部を変更したものである。そのため、第1の形態と重複する説明を省略する。図4は本発明の第2の形態に係る制御ルーチンの一例を示したフローチャートである。なお、図4は図3に対応しており、上述した図3と共通する部分には同一の参照符号を付している。本形態の制御ルーチンでは、ステップS4の処理後ステップS10において、ECU16は連続噴射制御を行う。連続噴射制御では、低セット荷重燃料噴射弁5bに続いて高セット荷重燃料噴射弁5aの電磁コイル11に電流が流れるように高セット荷重燃料噴射弁5aを制御する。ステップS10の処理後、ECU16は今回のルーチンを終了する。この制御により、単位時間当たりの燃料噴射量が多い状態で高セット荷重燃料噴射弁5a及び低セット荷重燃料噴射弁5bから燃料を噴射することができるので、低セット荷重燃料噴射弁5bだけでは要求燃料噴射量を満たせないときでも対応することができる。
図5は、連続噴射制御を行った時の各燃料噴射弁5のニードル弁10の開弁状態とデリバリパイプ6内の燃圧変化との関係を示す図である。この図からもわかるように、本形態では、低セット荷重燃料噴射弁5bが開弁することでデリバリパイプ6内の燃圧が低下するので、高セット荷重燃料噴射弁5aのニードル弁10のテーパ部12を弁座13に押し付ける燃圧が小さくなる。これにより、低セット荷重燃料噴射弁5bが開弁する前に、高セット荷重燃料噴射弁5aのニードル弁10が開弁できない程度の燃圧がデリバリパイプ6内に生じていた場合でも、低セット荷重燃料噴射弁5bを先に開弁することでデリバリパイプ6内の燃圧が低下するので、高セット荷重燃料噴射弁5aから燃料を噴射することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。本発明の燃料噴射装置は、調整部材を省略した上で、同一の気筒に開口する2つの吸気ポートのうちの一方の吸気ポートに弾性率の高いスプリングを有する燃料噴射弁を、他方の吸気ポートに弾性率の低いスプリングを有する燃料噴射弁を設けてもよい。この場合、各スプリングは同程度に圧縮された状態で配置される。これにより、弾性率の高いスプリングを有する燃料噴射弁のセット荷重が弾性率の低いスプリングを有する燃料噴射弁のセット荷重よりも大きくすることができる。
本発明の第1の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を示す図。 スプリングのセット荷重に対する開弁可能燃圧及び最小燃料噴射量の関係を示したグラフ。 本発明の第1の形態に係る制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 本発明の第2の形態に係る制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 連続噴射制御を行った時の各燃料噴射弁のニードル弁の開弁状態とデリバリパイプ内の燃圧変化との関係を示す図。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気ポート
4 燃料噴射装置
5 燃料噴射弁
5a 高セット荷重燃料噴射弁(第1の燃料噴射弁)
5b 低セット荷重燃料噴射弁(第2の燃料噴射弁)
7 燃料ポンプ(燃圧可変機構)
10 ニードル弁
12 テーパ部
13 弁座
14 スプリング
15 調整部材
16 エンジンコントロールユニット(制御手段)

Claims (3)

  1. 同一の気筒に開口する2つの吸気ポートのそれぞれに設けられ、かつニードル弁がスプリングにて弁座に押し付けられた状態から開弁することにより燃料を噴射する2つの燃料噴射弁を備える内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記2つの燃料噴射弁として、前記ニードル弁を前記弁座に押し付ける前記スプリングのセット荷重が高い第1の燃料噴射弁及び低い第2の燃料噴射弁が設けられ、
    前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低い場合に、前記第1の燃料噴射弁のニードル弁が開弁し、かつ前記第2の燃料噴射弁のニードル弁が閉弁するように前記第1及び第2の燃料噴射弁を制御し、前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合に、前記第2の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するように前記第2の燃料噴射弁を制御する制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い場合に、前記第2の燃料噴射弁に続いて前記第1の燃料噴射弁のニードル弁が開弁するように前記第1の燃料噴射弁を制御する請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力を変更する燃圧可変機構をさらに備え、前記制御手段は、内燃機関の負荷が高い場合に前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が高い状態に、前記内燃機関の負荷が低い場合に前記第1及び第2の燃料噴射弁に導かれる燃料の圧力が低い状態になるように前記燃圧可変機構を制御する請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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