JP2010143505A - 空気入りタイヤおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りタイヤ11の耐偏摩耗性を容易に向上させる。
【解決手段】補強層33の内部に埋設され、タイヤ赤道Sに対して45〜90度の範囲で交差する補強コード34の熱収縮率を10%以上としたので、加硫によるベルト層24の幅方向の狭小割合より、補強コード34の熱収縮率が大となり、この結果、補強層33がベルト層24より大きく狭小化して補強コード34がベルト層24により長手方向に引き伸ばされ、半径方向あるいは周方向の波形が生じる余地がなくなる。これにより、補強層33の剛性は均一となって耐偏摩耗性を容易に向上させることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、ベルト層とトレッドとの間に、タイヤ赤道に対し45〜90度の角度で交差する補強コードが埋設された補強層を有する空気入りタイヤおよびその製造方法に関する。
従来の空気入りタイヤとしては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開2006−151212号公報
このものは、幅方向両端部がビードコアの回りに折り返され略トロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道に対して傾斜したベルトコードが内部に埋設された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、前記ベルト層とトレッドとの間に配置され、内部にタイヤ赤道に対して大きな角度で交差する芳香族ポリアミドのコードが埋設された補強層とを備えたものである。
そして、このものは、高速走行により路面とベルト層との間に周方向のせん断変形が発生したとき、補強層内に埋設されている芳香族ポリアミドのコードが前記変形に追従して若干屈曲しながら抵抗体として機能するため、接地領域内におけるトレッド外表面と路面との間での滑りおよび接線力の軸方向分布が均一化され、これにより、操縦安定性および耐偏摩耗性を向上させている。
しかしながら、前述のような空気入りタイヤは、実際に高速で走行させると、耐偏摩耗性を期待したほど向上させられないことがわかった。そこで、本発明者は、その原因を探るべく鋭意研究を重ねた結果、以下のようなことを知見した。即ち、グリーンタイヤを加硫モールドに収納して加硫を施す際、ベルト層を含むトレッド部は周方向に伸びるため、ベルト層の幅が狭くなるが、タイヤ赤道に対して大きな角度で傾斜している補強層のコードは、芳香族ポリアミドから構成されているため、加硫によっても殆ど長手方向に、即ちベルト層の幅方向に熱収縮することはない。
この結果、ベルト層の幅方向狭小割合が補強層のコードの熱収縮率より大となるが、この場合には芳香族ポリアミドのコードに弛みが発生して該芳香族ポリアミドのコードの長手方向一箇所に半径方向に突出、あるいは周方向に突出し、波形が生じる。そして、このような波形が生じると、該波形の位置において補強層の剛性が低下するため、偏摩耗の原因となり、前述した偏摩耗抑制効果が減殺されてしまうのである。
この発明は、耐偏摩耗性を容易に向上させることができる空気入りタイヤおよびその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、幅方向両端部がビードコアの回りに折り返され略トロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道に対して傾斜したベルトコードが内部に埋設された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、前記ベルト層とトレッドとの間に配置され、内部にタイヤ赤道に対して45〜90度の角度で交差する有機繊維からなる補強コードが埋設された補強層とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記補強コードの熱収縮率は10〜15%の範囲内である空気入りタイヤにより、達成することができる。
第2に、カーカス層を略トロイダル状に延びるよう膨出変形させるとともに、その幅方向両端部をビードコアの回りに折り返す一方、前記カーカス層の半径方向外側に、タイヤ赤道に対して傾斜したベルトコードが内部に埋設されている少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、前記ベルト層とトレッドとの間に配置され、内部にタイヤ赤道に対して45〜90度の角度で交差する有機繊維からなる補強コードが埋設された補強層とからなる円筒状のベルト・トレッドバンドを貼付けてグリーンタイヤを成形する工程と、該グリーンタイヤを加硫して空気入りタイヤとする工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法において、前記補強層として熱収縮率が10〜15%の範囲内にある補強コードが内部に埋設されたゴム引きコード層を用いた空気入りタイヤの製造方法により、達成することができる。
この発明においては、補強層の内部に埋設され、タイヤ赤道に対して45〜90度の角度で交差する有機繊維からなる補強コードの熱収縮率を10%以上としたので、加硫によるベルト層の幅方向の狭小割合より、補強層内の補強コードの熱収縮率が大となり、この結果、補強層がベルト層より大きく狭小化して補強コードがベルト層により長手方向に引き伸ばされ、前述のような半径方向あるいは周方向の波形が生じる余地がなくなる。これにより、補強層の剛性は均一となって耐偏摩耗性を容易に向上させることができる。但し、前記補強コードの熱収縮率が15%を超えると、補強コードの製造が困難となり、しかも、タイヤ形状が不安定となるため、実用上用いることはできない。
また、請求項2に記載のように構成すれば、前述の周方向せん断変形に対して補強コードが抵抗体として最も有効に機能し、接地領域内での滑りおよび接線力の軸方向分布を効果的に均一化させることができる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、補強コードの熱収縮率を容易かつ確実に前記範囲内とすることができる。また、請求項4に記載のように構成すれば、高速走行時の遠心力によるショルダー部の径成長を強力に抑制することができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は高速走行が可能な乗用車用空気入りラジアルタイヤであり、この空気入りタイヤ11はビードコア12がそれぞれ埋設された一対のビード部13と、これらビード部13から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部14と、これらサイドウォール部14より大径で略円筒状を呈するトレッド部15と、サイドウォール部14の半径方向外端とトレッド部15の軸方向両端との間に位置するショルダー部16とを備えている。
そして、この空気入りタイヤ11は前記ビードコア12間を略トロイダル状を呈しながら延びてサイドウォール部14、トレッド部15、ショルダー部16を補強するカーカス層18を有し、このカーカス層18の幅方向両端部は前記ビードコア12の回りに内側から外側に向かって折り返されている。前記カーカス層18は少なくとも1枚、ここでは2枚のカーカスプライ19から構成され、これらカーカスプライ19内にはラジアル方向(子午線方向)に延びる多数本のカーカスコード20が埋設されている。ここで、前記カーカスコード20はナイロンから構成されているが、スチール、芳香族ポリアミドあるいはポリエステル等の有機繊維から構成してもよい。
24はカーカス層18の半径方向外側に配置されたベルト層であり、このベルト層24は少なくとも2枚(ここでは2枚)のベルトプライ25を積層することで構成され、各ベルトプライ25の内部にはスチール、芳香族ポリアミド等からなる多数本の非伸張性ベルトコード26が埋設されている。そして、これらベルトプライ25のベルトコード26はタイヤ赤道Sに対して10〜45度の範囲内で傾斜するとともに、少なくとも2枚のベルトプライ25においてタイヤ赤道Sに対し逆方向に傾斜している。
28は前記カーカス層18、ベルト層24の半径方向外側に配置されたトレッドであり、このトレッド28の外表面(接地面)には幅広で周方向に連続して延びる複数本、ここでは4本の主溝29が形成されている。また、前記トレッド28の外表面には幅広で略幅方向に延び、前記主溝29に交差する多数本の横溝が形成されることもある。
そして、前述したようなカーカス層18、ベルト層24を備えた空気入りタイヤを高速で駆動走行させると、接地領域のトレッド28は路面とベルト層24との間で大きく周方向にせん断変形するが、このとき、クラウンアールによりトレッド中央部がトレッド端部より大径となっているため、トレッド中央部の外表面には駆動方向の接線力が、一方、トレッド両端部の外表面には制動方向の接線力が発生する。この結果、接地領域内におけるトレッド外表面と路面との間での滑りおよび接線力が幅方向位置で大きく異なってしまう。
このため、この実施形態においては、ベルト層24とトレッド28との間のトレッド部15に少なくとも1枚(ここでは1枚)の補強プライ32からなり、ベルト層24より若干幅狭である補強層33を配置したのである。ここで、前記補強層33(補強プライ32)の内部にはタイヤ赤道Sに対してベルトコード26のコード角より大きな45〜90度の角度Aで交差する多数本の直線状に延びる補強コード34が全幅に亘って埋設されており、これら補強コード34はナイロン、ポリケトン、ポリエチレンテレフタレート等の有機繊維から構成されている。
このとき、補強コード34は、補強層33にその全幅に亘って埋設されているため、前記トレッド28による変形に追従して若干屈曲しながら抵抗体として機能し、これにより、接地領域内の全域におけるトレッド外表面と路面との間での滑りおよび接線力の幅方向分布を分散させて均一化させる。ここで、前記補強コード34のタイヤ赤道Sに対する交差角Aが45度未満であると、補強層33がたが効果を発揮し、トレッド28における周方向せん断変形が増加するため、前記交差角Aは45度以上でなければならない。
そして、この実施形態のように補強コード34をタイヤ赤道Sに対して実質上90度で交差させれば、前述の周方向せん断変形に対して補強コード34が抵抗体として最も有効に機能し、接地領域内での滑りおよび接線力の軸方向分布を効果的に均一化させることができるので、好ましい。なお、前記交差角Aが90度を超えると、補強コード34がタイヤ赤道Sに対して逆方向に傾斜することになるだけであるため、前記交差角Aの最大値は90度となる。
また、前述のような空気入りタイヤ11は、一般にグリーンタイヤを加硫することで製造しているため、ベルト層24を含むトレッド部15は、加硫時に周方向に伸びてベルト層24の幅が最大で10%弱狭くなるが、このとき、ベルト層24の幅方向の狭小割合が補強層33の補強コードの熱収縮率より大であると、該補強コードに弛みが発生して長手方向一箇所に半径方向、あるいは周方向の突出した波形が生じ、該波形の部位で補強層の剛性が低下してしまう。
ここで、ベルト層24の幅方向の狭小割合とは、加硫前のグリーンタイヤにおけるベルト層24の幅をB、加硫済みの空気入りタイヤ11におけるベルト層24の幅をEとしたとき、前記幅Bから幅Eを減算した値を幅Bで除し、その結果に 100を乗じた値であり、一方、補強コードの熱収縮率とは、常温において0.1746(mN/D)の荷重を負荷したときの補強コードの長手方向長をF、前記補強コードに前記荷重を負荷しながら 177度Cの恒温槽中で30分間乾熱収縮させたときの長手方向長をGとしたとき、前記長手方向長Fから長手方向長Gを減算した値を長手方向長Fで除し、その結果に 100を乗じた値である。
前述のような事態を回避するため、この実施形態においては、前記補強層33に埋設されている補強コード34の長手方向の熱収縮率を10%以上とし、これにより、加硫によるベルト層24の幅方向の狭小割合より、補強層33内の補強コード34の熱収縮率を大としたのである。この結果、加硫を行うと、補強層33がベルト層24より幅方向に大きく狭小化して補強コード34がベルト層24により長手方向に引き伸ばされ、これにより、補強コード34に前述のような半径方向あるいは周方向の波形が生じる余地がなくなり、補強層33の剛性が均一となって耐偏摩耗性を容易に向上させることができる。
但し、前記補強コード34の熱収縮率が15%を超えると、補強コード34の製造が困難となり、しかも、大きな熱収縮によって空気入りタイヤ11の形状が不安定となるため、熱収縮率が15%を超える補強コード34は実用上用いることができない。このように、この実施形態では、補強層33として熱収縮率が10〜15%の範囲内にある補強コード34が内部に埋設されたゴム引きコード層を用いる必要がある。
ここで、前述のような高熱収縮率の補強コード34は、コードの撚り数(10cm当たりの撚り回数)を増大させることで、あるいは、コードのディップ処理温度を高くすることで得ることができ、例えば、ナイロン繊維のフィラメント束に対し37×37(10cm当たりの下撚り回数×上撚り回数)の撚りをかけた補強コードでは、熱収縮率は10%未満の 7.0%であるが、50×50の撚りをかけた補強コードでは11.0%であり、前記10〜15%の範囲内となる。そして、コードの撚り数を増大させることで、補強コード34の熱収縮率を高くする場合には、補強コード34の熱収縮率を容易かつ確実に前記範囲内とすることができる。
37は前記ベルト層24とトレッド28との間、ここでは補強層33とトレッド28との間のトレッド部15に配置され、通常レイヤーと呼ばれる一対のベルト補助層であり、これらのベルト補助層37は、前記補強層33の少なくとも幅方向両端部を半径方向外側から、ここではベルト補助層37がベルト層24の幅方向両端から若干幅方向外側まで延びているため、これら補強層33に加えベルト層24の幅方向両端部も半径方向外側から覆っている。
前述のベルト補助層37は少なくとも1枚(ここでは1枚)の補助プライ38から構成され、該補助プライ38の内部にはタイヤ赤道Sと実質上平行に延びる補強素子39が埋設されている。そして、前記補強素子39は有機繊維、例えば、ナイロン、芳香族ポリアミドの撚りコード、あるいは前記ナイロンと芳香族ポリアミドとを撚り合わせたハイブリッドコード、さらには、波状あるいはジグザグ状に折れ曲がったスチールコードから構成することができる。
このようなベルト補助層37をトレッド部15に配置すると、該ベルト補助層37に重なり合っているショルダー部16は、空気入りタイヤ11が高速走行を行ったとき、該ベルト補助層37によって遠心力による径成長が強力に抑制される。ここで、前述のベルト補助層37は、例えば、補強素子39を1本または少数本並べてゴム被覆したリボン状体を螺旋状に巻き付けることで成形することができる。なお、この発明においては、前記ベルト層24と補強層33との間に薄肉の緩衝ゴム層を配置し、該緩衝ゴム層により周方向のせん断変形の一部を吸収して前述の滑りの幅方向分布をさらに均一化させるようにしてもよい。
そして、前述した空気入りタイヤ11は、以下のようにして製造することができる。即ち、まず、図3に示す円筒状の第1成形ドラム42を駆動部43により駆動回転させながら、その周囲にカーカスプライ19を含むタイヤ構成部材を次々と供給して巻付けるとともに、その始終端同士を接合してカーカス層18を含む円筒状のプライバンド44を成形する。次に、フィラー付きのビードコア12を把持している第1搬送手段46を第1成形ドラム42に向かって移動させて該第1成形ドラム42を外側から囲んだ後、前記プライバンド44を第1搬送手段46によって外側から保持する一方、第1成形ドラム42を縮径する。
次に、第1搬送手段46をガイドレール47に沿って第2成形ドラム48を外側から囲む位置まで移動させ、把持しているプライバンド44、フィラー付きのビードコア12を第2成形ドラム48に受け渡す。このとき、第2成形ドラム48の一対のビードロック体49が拡径し、プライバンド44を介してビードコア12を半径方向内側から把持する。
一方、図示していないバンド成形ドラムにおいては、ベルトプライ25、補強プライ32、補助プライ38、トレッド28が次々と巻き付けられ、ベルト層24と、トレッド28と、これらベルト層24、トレッド28間に配置された補強層33と、ベルト補助層37とからなる円筒状のベルト・トレッドバンド50がその周囲に成形される。このとき、前述の補強層33には熱収縮率が10〜15%の範囲内にある補強コード34が内部に埋設されたゴム引きコード層を用いる。
次に、第2成形ドラム48のビードロック体49がビードコア12と共に互いに接近するよう軸方向内側に移動するとともに、プライバンド44内にエアが供給され、ビードコア12間のプライバンド44(カーカス層18)が断面略トロイダル状に延びるよう膨出変形するとともに、第2成形ドラム48の折返しブラダが膨張してビードコア12より軸方向両外側のプライバンド44(カーカス層18の幅方向両端部)をビードコア12回りに折り返す。
このとき、前記ベルト・トレッドバンド50を保持している第2搬送手段(図示せず)が第2成形ドラム48を外側から囲む位置まで移動し、該ベルト・トレッドバンド50をプライバンド44(カーカス層18)の半径方向外側に貼付けてグリーンタイヤを成形する。次に、前記グリーンタイヤを第2成形ドラム48から図示していない加硫モールドに搬入収納し、高温、高圧下で加硫し空気入りタイヤ11とする。
次に、試験例について説明する。この試験に当たっては、熱収縮率が 7.7%である補強コードが埋設された補強層を有する比較タイヤ1と、熱収縮率が 8.0%である補強コードが埋設された補強層を有する比較タイヤ2と、熱収縮率が10.0%である補強コードが埋設された補強層を有する実施タイヤ1と、熱収縮率が12.0%である補強コードが埋設された補強層を有する実施タイヤ2と、熱収縮率が14.5%である補強コードが埋設された補強層を有する実施タイヤ3とを準備した。なお、前述した補強コードの熱収縮率は、補強コードの撚り数を変化させることで調整した。
ここで、前述の各タイヤは高性能乗用車用タイヤで、サイズが225/50R16であった。また、これらタイヤの骨格構造は、タイヤ赤道Sに対して90度で交差しナイロンからなるカーカスコードが埋設された2枚のカーカスプライからなるカーカス層と、タイヤ赤道Sに対してそれぞれ右上がり30度、左上がり30度のスチールからなるベルトコードが埋設された第1、第2ベルトプライを積層することで構成したベルト層と、タイヤ赤道Sに対して90度で傾斜したナイロンからなる補強コードが埋設された補強層と、タイヤ赤道Sに実質上平行に延びた芳香族ポリアミドからなる補強素子が埋設されたベルト補助層とを備えたものである。
そして、前述のような比較タイヤ1、2および実施タイヤ1〜3を、グリーンタイヤを加硫することで製造した後、トレッドを除去して補強層に埋設されている補強コードの状況を観察した。その結果、比較タイヤ1、2においては、全補強コードに高さが1.5、1.2mmの波がそれぞれ1箇所だけ形成されていたが、実施タイヤ1〜3のいずれにも補強コードに波は存在しなかった。
次に、前述の各タイヤを国産乗用車に装着した後、高速道路、市街地路、山坂路等を組み合わせた路面を3200kmだけ走行したときの各タイヤのタイヤ赤道S上での摩耗量、および、最も摩耗量の多い部位での摩耗量を測定した。これら測定結果の摩耗比(タイヤ赤道S上での摩耗量/最も摩耗量している部位での摩耗量)の値を、比較タイヤ1を 100として指数で表すと、比較タイヤ2では99であったが、実施タイヤ1、2、3ではそれぞれ11、10、10であり、確実に偏摩耗が抑制されていた。そして、比較タイヤ1、2において最も摩耗量が多い部位は、トレッドを除去したところ、補強コードに波が形成されている箇所付近であった。
この発明は、ベルト層とトレッドとの間に補強層を有する空気入りタイヤの産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す空気入りタイヤの子午線断面図である。 そのトレッド部の一部破断平面図である。 その製造方法を説明する概略正面図である。
符号の説明
11…空気入りタイヤ 12…ビードコア
18…カーカス層 24…ベルト層
25…ベルトプライ 26…ベルトコード
28…トレッド 33…補強層
34…補強コード 37…ベルト補助層
39…補強素子 50…ベルト・トレッドバンド
S…タイヤ赤道

Claims (5)

  1. 幅方向両端部がビードコアの回りに折り返され略トロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道に対して傾斜したベルトコードが内部に埋設された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、前記ベルト層とトレッドとの間に配置され、内部にタイヤ赤道に対して45〜90度の角度で交差する有機繊維からなる補強コードが埋設された補強層とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記補強コードの熱収縮率は10〜15%の範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強コードをタイヤ赤道に対して実質上90度で交差させた請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強コードの撚り数を増大させることで、補強コードの熱収縮率を10〜15%の範囲内とした請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層の少なくとも幅方向両端部を半径方向外側から覆う、内部にタイヤ赤道と実質上平行に延びる補強素子が埋設されたベルト補助層を配置した請求項1記載の空気入りタイヤ。
  5. カーカス層を略トロイダル状に延びるよう膨出変形させるとともに、その幅方向両端部をビードコアの回りに折り返す一方、前記カーカス層の半径方向外側に、タイヤ赤道に対して傾斜したベルトコードが内部に埋設されている少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、前記ベルト層とトレッドとの間に配置され、内部にタイヤ赤道に対して45〜90度の角度で交差する有機繊維からなる補強コードが埋設された補強層とからなる円筒状のベルト・トレッドバンドを貼付けてグリーンタイヤを成形する工程と、該グリーンタイヤを加硫して空気入りタイヤとする工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法において、前記補強層として熱収縮率が10〜15%の範囲内にある補強コードが内部に埋設されたゴム引きコード層を用いたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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